記録は「観察は覚えているのに、文章にする時間がない」が本音ではないでしょうか。この記事では、訪問看護記録書ⅡのSOAPの書き方を項目ごとにわかりやすく解説し、そのまま使えるSOAP例文を場面別に用意しました。さらに、話すだけでSOAPを整え、カイポケの記録書Ⅱへ自動転記するまでの流れも紹介します。
あわせて、訪問看護AIとは?汎用AIとの違いと選び方もご覧ください。
記録の書き方を探す|基本・場面別・看護・道具
このページは訪問看護記録書Ⅱ(SOAP)の書き方です。ほかの記録の書き方・道具は下から飛べます。
- 基本の書き方:介護記録の書き方(SOAP・例文)/経時記録・叙述記録/介護日誌/夜勤の記録
- 場面別:申し送り/ヒヤリハット/通所介護(デイ)の記録/訪問介護の実施記録
- 看護の記録:フォーカスチャーティング(DAR)
- 道具:テンプレート8種/略語一覧/保存期間/避けたい表現/記録アプリの比較
訪問看護記録書Ⅱとは(なぜSOAPで書くのか)
記録書Ⅱは、1回ごとの訪問で「観察した状態・実施したケア・その評価」を記す日々の記録です。バイタル、全身状態、本人や家族の訴え、次回への申し送り——これらは訪問を終えた直後がいちばん鮮明です。記録書ⅡはSOAP形式と親和性が高く、話した内容をS・O・A・Pへ振り分けやすいのが特長です。
この記録書Ⅱ、訪問の内容を話すだけで下書きになります。
訪問看護マナ(神マナ)は、訪問後に録音すると記録書Ⅱの下書きを作り、月末の報告書・計画書の下書きまで。カイポケに転記できます。利用者3名まで、期限なく無料で全機能を使えます(カード登録不要)。
SOAPの書き方|S・O・A・Pを1つずつ
SOAPは、情報を「主観/客観/評価/計画」の4つに分けて整理する書き方です。訪問看護記録書Ⅱでの使い方を、書き方のコツとあわせて見ていきます。
S|主観的情報(本人・家族の訴え)
本人や家族が言った言葉、自覚症状をそのまま書きます。「眠れない」「痛みが楽になった」など。コツ:解釈を加えず、できるだけ発言のまま「」で残すと、後からの評価がぶれません。
O|客観的情報(観察した事実・数値)
バイタル、皮膚や創部の所見、動作、服薬状況など、観察した事実を数値と所見で書きます。コツ:「良好」ではなく「発赤2cm・熱感なし」のように、誰が読んでも同じ像が浮かぶ具体で書きます。
A|評価(看護師としての判断)
SとOを踏まえた専門職としての判断です。コツ:SとOに書いた事実だけを根拠にします。ここに新しい観察事実を混ぜないのが、伝わる記録の分かれ目です。
P|計画(次回への申し送り)
継続・変更するケア、次回訪問での観察ポイント、他職種への連絡を書きます。コツ:「経過観察」で終えず、「次回、創部サイズを再測定」と行動で書くと申し送りが機能します。
記録書Ⅱで押さえたい主な観察項目
SOAPのO(客観的情報)に何を書くか迷ったら、次の項目を基準にすると抜け漏れが減ります。
- バイタルサイン――体温・血圧・脈拍・呼吸・SpO2。前回との変化もあわせて。
- 全身状態――意識、顔色、浮腫、皮膚・創部(褥瘡)の所見。
- 医療処置――服薬、点滴、褥瘡処置、カテーテル・胃ろう・吸引などの管理状況。
- ADL・生活――食事・排泄・睡眠・移動の状況と変化。
- 本人・家族の反応――ケアや指導への反応、介護負担の様子。
そのまま使えるSOAP例文集(記録書Ⅱ・場面別)
訪問看護でよくある場面ごとに、SOAPの記入例を早見表にまとめました(右上ボタンからExcel/CSVにコピー可)。状態にあわせて調整してください。
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 心不全の観察 | 「少し息が苦しい」 | 下腿浮腫++、体重+1.5kg、SpO2 94%、両下肺にcrackle | 心不全増悪の可能性 | 主治医へ報告。塩分・水分を再指導し、翌日に体重を再確認 |
| 血糖の管理 | 「食事は気をつけている」 | 空腹時血糖180、食事記録に間食あり | 血糖高値、間食の影響 | 間食の工夫を助言。主治医へ報告し次回HbA1cを確認 |
| 褥瘡の処置 | 「痛みは少し楽」 | 仙骨部d2、滲出液減少、発赤が縮小 | 褥瘡は改善傾向 | 現在の処置を継続。除圧と栄養状態を再確認 |
| 服薬の管理 | 「飲み忘れることがある」 | 残薬から週2回の飲み忘れを確認 | 服薬アドヒアランスの低下 | 一包化を主治医・薬剤師へ相談し、お薬カレンダーを導入 |
| 精神症状の観察 | 「夜眠れない日がある」 | 表情が硬く発語が少ない、(月の初回訪問時)GAF 55 | 不眠と気分の変動 | 傾聴と生活リズムを助言。主治医へ状態を報告 |
よくある場面の記入例です。ご自身の利用者さんの状態に合わせて、言葉を差し替えてお使いください。
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
記録書Ⅱの書き方より先に、こちらをご確認ください。訪問看護は「計画書と記録の不備」が指摘の最多項目として公表されています。
| 指摘されている状態 | 公表元と内容 | 記録側で確認すること |
|---|---|---|
| 訪問看護計画の作成等の不備(指摘の最多項目) | 長野県の令和6年度運営指導結果(訪問看護)。指摘37件のうち「訪問看護計画の作成等の不備」が11件(29.8%)で最多。居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等。 | 計画書の内容が、記録書Ⅱの実施内容と一致しているか |
| 指示書の有効期限切れ・受領遅れ/計画書の記載不足 | 神戸市資料。主治医の訪問看護指示書が確認できない・受領が遅い、指示書の有効期限が切れている、計画書に具体的なサービス内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、(介護予防)計画書にサービス提供を行う期間を記載していない。 | 指示書の期間内に訪問しているか。記録書Ⅱの訪問日と突き合わせる |
| ターミナルケア加算:説明・同意と記録書への記載が確認できない | 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(訪問看護・報酬関係)。利用者及びその家族等に対しターミナルケアに係る計画及び支援体制について説明し、同意を得ていることの確認ができない事例。ターミナルケアの提供においては所定の事項を訪問看護記録書に記録することとされています。 | 看取り期は、説明・同意の日付と内容を記録書Ⅱに残す |
| 訪問看護計画書を作成せずにサービスを提供している | 同種の指摘が公表されています。 | 計画書なしの訪問がないか、記録書Ⅱの日付で確認する |
要件・運用は保険者・都道府県により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
記録書Ⅱを書いたら確認する10項目
| # | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 訪問日が、主治医の指示書の有効期間内か |
| 2 | 実施した内容が、訪問看護計画書に位置づけられているか |
| 3 | 訪問看護計画書が、居宅サービス計画の内容に沿っているか |
| 4 | 計画書への利用者の同意(署名・日付)が残っているか |
| 5 | バイタルサインなど、客観的な数値が記載されているか |
| 6 | 加算を算定した日に、その根拠となる記載があるか |
| 7 | 主治医への報告・連絡の内容と日付が残っているか |
| 8 | 看取り期は、説明・同意と本人・家族の意向が記録されているか |
| 9 | 訪問時刻(開始・終了)が記載されているか |
| 10 | 記録者の署名(またはID)があるか |
疾患・状態別|SOAP例文36セット
以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。数値・症状・処置内容は、実際の観察結果に置き換えてご使用ください。Aは看護師としての判断、Pは次に行うことを書きます。
1. 心不全
| S(主観) | O(客観) | A(判断) | P(計画) |
|---|---|---|---|
| 「階段を上ると息が切れる」 | BP 128/78、P 82、SpO2 96%、体重 前週比+1.2kg、下腿に軽度の浮腫あり | 体重増加と浮腫から、体液貯留の傾向がうかがえる | 毎朝の体重測定を継続。塩分摂取について確認。主治医へ報告し指示を確認する |
| 「夜、横になると苦しい」 | 起座呼吸あり、両下肺に湿性ラ音、SpO2 93%(室内気) | 呼吸困難の増悪がみられる | ただちに主治医へ連絡。上体挙上の体位を指導。次回訪問を前倒しする |
| 「調子はいいよ」 | BP 122/70、P 76、体重変化なし、浮腫なし、内服自己管理できている | 状態は安定して経過している | 現行の訪問頻度を継続。体重と浮腫の観察を家族にも依頼する |
2. 糖尿病
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「甘いものを控えている」 | 血糖値 132mg/dL(訪問時)、足趾に発赤なし、インスリン自己注射の手技良好 | 血糖コントロール・フットケアともに保たれている | 自己注射の手技確認を継続。足の観察方法を再度説明する |
| 「手が震えることがある」 | 血糖値 62mg/dL、冷汗あり、意識清明 | 低血糖の症状がみられる | 補食を摂取していただき、30分後に再測定。主治医へ報告し、内服量について確認する |
| 「靴が当たって痛い」 | 右第1趾に3mm大の水疱、周囲に発赤あり、足背動脈触知可 | 皮膚トラブルがあり、悪化の予防が必要 | 患部を保護し、履物の見直しを提案。主治医へ報告する |
3. 脳血管疾患後遺症
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「少し歩けるようになった」 | 右片麻痺(上肢MMT3/下肢MMT4)、四点杖で屋内歩行10m可、ふらつきなし | 歩行の安定性が改善している | 歩行練習を継続。屋外歩行の可否について理学療法士と相談する |
| 「言葉が出にくい」 | 発語は単語レベル、指示理解は良好、表情豊か | 表出面に困難があるが、理解は保たれている | 選択肢を示す方法での意思確認を家族へ説明。言語聴覚士との連携を検討 |
| 「食事でむせる」 | 水分でむせ込みあり、頸部聴診で嚥下音の遅延、口腔内に食物残渣 | 嚥下機能の低下がうかがえる | とろみの使用と食事姿勢を家族へ説明。主治医へ報告し、評価を依頼する |
4. 慢性呼吸器疾患
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「痰が切れにくい」 | SpO2 92%(在宅酸素1L/分)、粘稠な喀痰少量、副雑音なし | 喀痰の喀出に困難がある | 水分摂取と体位ドレナージを指導。喀痰の性状を継続観察する |
| 「風邪をひいたみたい」 | 体温37.8℃、SpO2 89%、呼吸数24回/分、喘鳴あり | 感染徴候と酸素化の低下がみられる | ただちに主治医へ連絡し、受診の要否を確認する |
| 「酸素をつけると楽」 | SpO2 95%(在宅酸素1L/分)、チアノーゼなし、機器の作動良好 | 酸素療法により状態は安定している | 機器の点検と、チューブの取り回しの安全を確認。継続とする |
5. がん・緩和ケア
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「痛みは5くらい」 | NRS 5/10、表情に苦痛様あり、レスキュー薬を1日2回使用 | 疼痛のコントロールが十分でない可能性 | 使用状況を主治医へ報告し、指示を確認。次回訪問で再評価する |
| 「食欲がない」 | 摂取量は普段の3割、体重2週間で1.5kg減少、口腔内乾燥あり | 経口摂取量の低下がみられる | 本人の好むものを少量ずつ提案。口腔ケアを実施。主治医へ報告する |
| 「家で過ごしたい」 | ご本人・ご家族へ今後の過ごし方について確認。家族も在宅での療養継続を希望 | 本人・家族の意向は在宅での療養継続で一致している | 意向を記録し、24時間連絡体制を再確認。関係者間で共有する |
6. 認知症
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「もう薬は飲んだよ」 | お薬カレンダーに当日分が残存、内服の記憶が曖昧 | 服薬の自己管理に支援を要する状況 | 訪問時に一包化の残数を確認。家族・薬剤師と管理方法を相談する |
| (発語少なく、表情は穏やか) | 居間で臥床、声かけに開眼し視線が合う、食事は自力摂取可 | 日中の活動量は低いが、基本動作は保たれている | 日中の離床を促す関わりを継続。生活リズムを家族と共有する |
| 「知らない人が来る」 | 夕方以降に落ち着かない様子がみられるとご家族より情報あり | 時間帯による症状の変動がうかがえる | 環境の調整(照明・音)を提案。主治医へ情報提供する |
7. 褥瘡・創傷
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「お尻がしみる」 | 仙骨部に2×2cmの発赤、圧迫解除後も消退せず、表皮剥離なし | 初期の皮膚障害がみられ、進行の予防が必要 | 体位変換を2時間ごとに実施するよう家族へ説明。除圧用具を検討。主治医へ報告 |
| 「痛みは特にない」 | 右踵部に創部あり(2×1cm・真皮までの損傷)、滲出液少量、周囲に発赤あり | 創部は改善傾向にある | 指示された処置を継続。次回訪問で創部を再評価し、写真で経過を記録する |
| 「じくじくしてきた」 | 創部から中等量の滲出液、周囲皮膚に浸軟あり、悪臭なし | 滲出液の増加がみられ、処置内容の見直しが必要な可能性 | 主治医へ報告し、被覆材の変更について指示を確認する |
8. 精神疾患
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「眠れない日が続く」 | 入眠まで2時間程度、中途覚醒あり、日中の傾眠なし、内服は自己管理 | 睡眠のリズムに乱れがみられる | 就寝前の過ごし方を一緒に振り返る。主治医へ報告し、指示を確認する |
| 「外に出るのが怖い」 | 訪問時は会話可能、表情は硬い、生活リズムは保たれている | 不安の訴えがあり、外出に制限が生じている | 本人のペースを尊重し、段階的な目標を一緒に設定する |
| 「薬を減らしたい」 | 内服の飲み忘れなし、症状の増悪なし、本人より減薬の希望あり | 本人の意向を主治医へ伝える必要がある | 自己判断での中断は避けるよう説明し、次回受診時に相談することを確認 |
9. 神経難病
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「朝は体が動きにくい」 | 起床時に固縮強く、内服後1時間で動作改善、すくみ足あり | 症状に日内変動がみられる | 活動の時間帯を内服に合わせて調整。転倒予防の環境を再確認する |
| (意思疎通は文字盤を使用) | 四肢の筋力低下進行、呼吸は自発、唾液の貯留あり | 進行に伴い、コミュニケーション手段の見直しが必要 | 意思伝達装置について情報提供。多職種で検討する |
| 「飲み込みにくくなった」 | 水分でむせ込み、食事に30分以上を要する、体重減少あり | 嚥下機能の低下がうかがえる | 食形態の調整を提案。主治医へ報告し、評価を依頼する |
10. 看取り期(ターミナル)
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| ご家族「そばにいてあげたい」 | 意識レベル低下、下顎呼吸なし、四肢末梢に冷感あり、尿量減少 | 全身状態の変化がみられ、看取りが近い可能性 | ご家族へ今後予測される変化を説明し、同意を得たうえで記録。24時間連絡体制を再確認 |
| 「苦しそうに見える」(家族) | 呼吸数28回/分、喘鳴あり、表情はおだやか、NRS評価は困難 | 呼吸の変化があり、家族の不安が強い | 体位を調整し、家族へ説明。主治医へ報告し、指示を確認する |
| ご本人・ご家族へ療養場所の意向を確認 | ターミナルケアに係る計画および支援体制について説明し、同意を得た(◯月◯日/同席:長女) | 本人・家族の意向は自宅での療養継続 | 説明した内容と同意の事実を記録書Ⅱに記載。関係者間で共有する |
11. 服薬管理・医療処置
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「自分でやれている」 | インスリン自己注射の手技を確認、単位設定・部位のローテーションとも適切 | 自己管理は継続できている | 手技の確認を月1回継続。血糖値の記録を一緒に振り返る |
| 「管が気になる」 | 膀胱留置カテーテル挿入中、尿混濁なし、固定位置に発赤なし、尿量1,200ml/日 | 感染徴候はみられない | 指示に基づき交換を実施。観察点を家族へ説明する |
| 「胃ろうから漏れる」 | 胃ろう周囲に少量の漏れ、皮膚に発赤あり、栄養剤の注入速度は指示どおり | スキントラブルの発生がみられる | 周囲の清潔保持を実施。主治医へ報告し、指示を確認する |
12. リハビリテーション(訪問看護からの提供)
| S | O | A | P |
|---|---|---|---|
| 「前より歩ける」 | 屋内歩行20m可(前回15m)、休憩なし、ふらつき軽度 | 歩行距離が延長している | 訓練内容を継続。屋外歩行への移行を次回評価する |
| 「肩が上がらない」 | 右肩関節の可動域 屈曲90度(前回100度)、疼痛の訴えあり | 可動域の低下と疼痛がみられる | 疼痛の範囲内で関節可動域訓練を実施。主治医へ報告する |
| 「家で運動している」 | 自主訓練の実施を確認(週5日)、実施記録あり、疲労の訴えなし | 自主訓練が習慣として定着している | 内容を一部見直し、負荷を段階的に調整する |
O(客観)に書く観察項目|記載例40例
Oは「測った・見た・聞いた事実」だけを書きます。判断はAに分けてください。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| バイタル | BP 128/78mmHg(右上腕・座位) |
| P 82回/分 整、不整脈なし | |
| 体温 36.8℃(腋窩) | |
| SpO2 96%(室内気・安静時) | |
| 呼吸数 18回/分、努力呼吸なし | |
| 体重 52.4kg(前週比 +1.2kg) | |
| 血糖値 132mg/dL(訪問時・食後2時間) | |
| 意識レベル JCS 0、見当識障害なし | |
| 呼吸・循環 | 両下肺に湿性ラ音を聴取 |
| 喘鳴あり、呼気延長を認める | |
| 下腿に圧痕性浮腫あり(両側・軽度) | |
| チアノーゼなし、末梢冷感あり | |
| 頸静脈の怒張なし | |
| 在宅酸素 1L/分 使用中、機器の作動良好 | |
| 起座呼吸あり、臥位で呼吸苦の訴え | |
| 喀痰 粘稠・少量、性状は白色 | |
| 皮膚・創傷 | 仙骨部に2×2cmの発赤、圧迫解除後も消退せず |
| 右踵部の創部 滲出液少量、悪臭なし | |
| 周囲皮膚に浸軟あり | |
| 皮膚の乾燥・落屑あり(下腿) | |
| 掻破痕あり(前腕) | |
| 胃ろう周囲に発赤あり、漏れ少量 | |
| 点滴刺入部に腫脹・発赤なし | |
| ストーマ周囲の皮膚トラブルなし | |
| 摂食・排泄 | 食事摂取量 主食8割・副菜7割 |
| 水分摂取量 約1,000ml/日(家族聴取) | |
| 水分でむせ込みあり、頸部聴診で嚥下音の遅延 | |
| 口腔内に食物残渣あり、義歯の適合不良 | |
| 排便 3日に1回、下剤を使用 | |
| 尿量 1,200ml/日、混濁なし | |
| 膀胱留置カテーテル挿入中、固定良好 | |
| 腹部 平坦・軟、腸蠕動音を聴取 | |
| 運動・生活 | 屋内歩行 20m可、四点杖使用、ふらつき軽度 |
| 右上肢MMT 3/右下肢MMT 4 | |
| 右肩関節 屈曲90度(前回100度) | |
| ベッドからの起き上がり 見守りで可 | |
| 移乗 一部介助を要する | |
| 内服 自己管理、飲み忘れなし(残数確認済み) | |
| お薬カレンダーに当日分の残存あり | |
| 訪問時 居間で臥床、声かけに開眼 |
書くときに避けたい表現|言い換えの対照表
| 避けたい書き方 | 気をつけたい理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 変化なし/特変なし | 何を観察した結果か残らない | BP 122/70、体重変化なし、浮腫なし。前回訪問時から変化なし |
| 状態良好 | 評価であってOではない | O:SpO2 96%、呼吸数18回/分/A:呼吸状態は安定している |
| Oに判断を書く | SとOとAの切り分けが崩れる | Oは測定値と観察事実のみ。「〜がうかがえる」はA |
| 浮腫あり | 部位・程度・左右差が分からない | 下腿に圧痕性浮腫あり(両側・軽度) |
| 痛みあり | 強さ・部位・持続が分からない | NRS 5/10、右腰部、体動時に増強 |
| Pが「経過観察」だけ | 次に何をするかが決まっていない | 毎朝の体重測定を継続。主治医へ報告し指示を確認する |
| 診断名を断定する | 診断は医師の領域 | 「感染徴候がみられる」「〜の可能性がうかがえる」と記す |
| 加算を算定した日に根拠の記載がない | 公表事例で指摘されている | 実施した処置・所要時間・同席者まで記録書Ⅱに残す |
音声で話すだけ→SOAPへ自動整理(4ステップ)
- 訪問直後に話す――車内などで、観察した内容をそのまま声に出します。きれいな文章にする必要はありません。
- 文字起こし――話した内容を自動でテキスト化します。
- SOAPへ自動整理――文字起こしをS・O・A・Pへ振り分け、記録書Ⅱの体裁に整えます。
- 確認して保存――内容を確認し、必要なら手直しして保存・送信します。
なぜ音声と相性がいいのか:観察したことは、訪問直後の頭の中がいちばん鮮明です。記憶が新しいうちに話し言葉で出し、それを整理する流れは、あとで机に向かって書き起こすより速く、抜け漏れも減ります。
カイポケの記録書Ⅱへ、自動で転記する
多くの訪問看護ステーションが、記録・請求にカイポケを使っています。ただ「記録書Ⅱの入力そのもの」は、結局スタッフが手で打ち込む負担が残りがちです。
ここを、話すだけ→SOAPへ自動整理→カイポケの記録書Ⅱへ自動転記までつなげると、二重入力がなくなります。カイポケはそのまま使い続けながら、いちばん時間のかかる「記録を作って入力する」工程だけを、音声とAIに任せる形です。
- カイポケの運用・請求フローは変えない(今のまま)
- 記録書Ⅱ・報告書の作成と入力だけを効率化
- SOAPの体裁もそのまま引き継いで転記
よくある失敗と、精度を上げるコツ
- 専門用語・薬剤名は最初に言い切る――固有名詞を先に話すと変換が安定します。
- 数値は単位まで声に出す――「血圧128の74」のように。
- SとOを混ぜない――「本人が言ったこと」と「観察した事実」を分けて話すと、自動整理の精度が上がります。
- 最後に必ず目視確認――AIは下書きまで。判断(A)と計画(P)は看護師が確認して仕上げます。
医療処置別|訪問看護記録書ⅡのSOAP記載例(10処置・110例)
厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添1「確認項目及び確認文書」の訪問看護(サービス種別103)では、サービス提供の記録(第19条)の確認観点として「訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか」「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか」の2つが示されています。
処置の記録は、この2つ目でつまずきやすいところです。「褥瘡処置施行」「吸引実施」とだけ書くと、行為は残っても、その人の状態が残りません。実際に、サービス提供の記録について「特変なし」等しか書かれていない記録が見受けられる、という指摘が公表されています(松山市)。また、記録に提供した具体的なサービス内容や利用者の心身の状況等の記載がない、記録内容と請求内容に齟齬がある、という指摘もあります(宇都宮市)。
ここから下は、在宅でよく行う10の医療処置について、記録書Ⅱにそのまま書ける形のSOAP例を並べたものです。列は「場面/S(主観)/O(客観)/A(評価)/P(計画)」で揃えてあるので、表計算ソフトに貼り付けて事業所の文例集として編集できます。この記事の例は診断や治療の方法を示すものではなく、あくまで「記録の書き方」の例です。
1. 褥瘡の処置|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 処置を始めた日(比較の基準をつくる) | 「同じ格好でいると、じんじんしてくる」 | 仙骨部に4cm×3cmの発赤。圧迫解除後5分経過しても消退せず。表皮剥離・浸出液なし。周囲皮膚は乾燥。日中は仰臥位で過ごす時間が長いとご家族より聴取。 | 大きさ・色調・圧迫解除後の変化を初回の基準として記録。同一部位への圧迫が続く生活状況がある。 | 訪問看護指示書に基づき洗浄・被覆を継続。次回も同じ部位を同じ測り方で記録し、初回と比較する。ご家族へ体位の工夫を説明する。 |
| 毎回の処置(変化が見られない日) | 「痛みはないよ。触られても平気」 | 仙骨部の発赤は4cm×3cmで前回と同大。色調も前回同様。表皮剥離・浸出液・熱感なし。周囲皮膚の浸軟なし。 | 前回訪問時と比べ大きさ・色調に変化がなく、悪化を示す所見は確認されない。 | 同一の処置内容を継続。次回も同じ4項目(大きさ・色調・浸出液・周囲皮膚)を記録する。 |
| 縮小がみられた日 | 「最近は横向きで寝るようにしている」 | 仙骨部の発赤は3cm×2cmで前回(4cm×3cm)より縮小。色調も淡くなっている。浸出液なし。側臥位で休む時間が増えたとご本人・ご家族より聴取。 | 前回値を併記して変化を数値で比較。体位の工夫が続いている生活状況とあわせて記録した。 | 現在の処置を継続。短期目標の評価時期に、この経過を訪問看護報告書へ引用できるよう日付とサイズを残す。 |
| 浸出液が増えた日 | 「ガーゼが濡れる回数が増えた気がする」とご家族。 | 創部からの浸出液が前回の淡黄色少量から中等量へ増加。ドレッシング材の交換が1日1回から2回に増えているとご家族より聴取。創周囲に発赤の拡大なし。体温36.8℃。 | 浸出液の量と交換回数の変化を前回との比較で記録。ご家族の交換手技は説明どおり行えている。 | 変化の内容を主治医へ報告し、指示を確認する。報告した日時・相手・伝えた内容を記録に残す。 |
| ポケット・深さを記録する日 | 「奥のほうは自分では見えない」 | ポケットは12時方向1.5cm、3時方向0.5cm。深さ0.8cm(前回1.0cm)。洗浄時の疼痛の訴えなし。 | 方向と長さを毎回同じ表現で記録し、前回値を併記して比較できる形にした。 | 次回も12時方向を基準に測定し、同じ記載順で残す。 |
| 新しい発赤を見つけた日 | 「かかとは何ともないと思っていた」 | 右踵部に2cm×2cmの発赤を新たに確認。圧迫解除後も消退せず。表皮剥離なし。就寝時に踵がマットレスへ接した状態であることを確認。 | 仙骨部以外に新たな発赤を確認。接触部位と体位の関係を記録した。 | 発見した日時と部位を記録し、主治医へ報告する。ご家族へ踵の除圧について説明し、実施状況を次回確認する。 |
| ご家族へ処置を説明した日 | 「洗ったあと、どのくらい乾かせばいいのか分からない」とご長女。 | 洗浄から被覆までの手順をご長女とともに1回実施。手順書を用いて説明し、実施後に手順を復唱いただいた。ご長女は洗浄・乾燥・貼付を自立して行えた。 | 説明した内容と、その場で確認できた手技の到達点を具体的に記録した。 | 次回訪問時に、ご家族のみで実施した際の困りごとを確認する。 |
| 体圧分散用具を変更した日 | 「前のより体が沈む感じがする」 | 本日より体圧分散マットレスを変更(変更日を記録)。臥床時の仙骨部の接触状態を確認し、圧迫の集中は見られない。寝返りは自力で右方向のみ可能。 | 用具変更の事実と、変更後の接触状況・自力での体位変換の可否を記録した。 | 変更後の皮膚の状態を次回訪問時に同じ部位で確認し、変更前後で比較できるようにする。福祉用具事業所とも情報を共有する。 |
| 食事・体重とあわせて書く日 | 「食が細くなって、肉はあまり食べられない」 | 主食は毎食7割、副菜は5割程度とご家族より聴取。体重は前月測定時から1.2kg減。創部の浸出液は少量で前回と変化なし。 | 創の状態に加え、食事摂取量と体重の変化を同じ日の記録に併記した。 | 摂取量と体重の推移を継続して記録し、変化があれば主治医・介護支援専門員へ情報提供する。 |
| 処置時の痛みを記録する日 | 「洗うときにしみる。今日は10のうち4くらい」 | 洗浄時にNRS 4(前回2)。処置中に表情をしかめる場面あり。処置終了後、5分程度で「もう平気」と発言。 | 疼痛の程度をご本人の表現と数値の両方で記録し、前回値と比較できる形にした。 | 疼痛の変化を主治医へ報告し、記録に報告日時を残す。次回も同じ尺度で確認する。 |
| 処置が終了になった日 | 「もうかさぶたも取れたよ」 | 仙骨部の創は上皮化し、発赤・浸出液・疼痛なし。周囲皮膚に浸軟や乾燥なし。処置終了の指示を主治医より受領(指示日を記録)。 | 開始時からの経過(範囲・浸出液・疼痛)を1件にまとめ、終了に至る所見を記録した。 | 終了後も同部位の皮膚観察を継続。訪問看護計画書の目標欄へ達成状況として反映する。 |
※上記は記録の書き方の例です。記録様式は事業所により異なり、確認の観点・取扱いは保険者(指定権者)により異なります。本表は当社が公表資料を参考に編集・加工したものであり、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
2. 膀胱留置カテーテルの管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| カテーテルを交換した日 | 「入れ替えのときは少し違和感がある」 | 指示に基づきカテーテルを交換(サイズ・固定水量・交換日を記録)。挿入時の出血なし。交換後の尿流出を確認、淡黄色透明。挿入時の疼痛の訴えは一時的。 | 交換の事実に加え、交換後の流出状況と苦痛の程度を記録した。 | 次回交換予定日を記録に明記し、ご家族と共有する。交換後の尿性状を次回も同じ項目で確認する。 |
| 尿の性状が変わった日 | 「昨日から色が濃い気がすると娘に言われた」 | 尿は前回の淡黄色透明から黄褐色・軽度混濁へ変化。浮遊物あり。体温36.6℃、悪寒の訴えなし。水分摂取量は普段より少ないとご家族より聴取。 | 色調・混濁・浮遊物の3点を前回と比較できる形で記録。随伴症状の有無も併記した。 | 変化を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回訪問まで性状の変化をご家族に確認いただく。 |
| 尿量が少ない日 | 「今日はあまりトイレの袋がたまっていない」とご家族。 | 前回訪問からの蓄尿量は約400mL(前回同時間帯は約900mL)。腹部膨満なし、下腹部の圧痛なし。飲水量は普段の半分程度とご家族より聴取。 | 尿量を前回値と並べて記録し、腹部所見と飲水状況を同じ欄に残した。 | 尿量の推移を主治医へ報告する。次回訪問まで1日の飲水量と排尿バッグの目盛りを記録いただくよう依頼する。 |
| 閉塞・屈曲を確認した日 | 「さっきから出ていないみたい」 | 接続部より末梢のチューブに屈曲を確認。屈曲を解除したところ流出を再開し、直後に約150mLの流出あり。カテーテル内に凝血塊や浮遊物は見られない。 | 閉塞の原因として確認できた事実(屈曲)と、解除後の反応を時系列で記録した。 | チューブの走行と衣類・寝具との位置関係をご家族へ説明。次回訪問時に同じ状況が起きていないか確認する。 |
| カテーテル周囲から尿漏れがあった日 | 「下着が濡れることが増えた」 | 尿道口周囲の湿潤あり。1日2回程度の下着交換が必要とご家族より聴取。固定水量に変化なし。尿道口周囲の発赤なし。 | 漏れの頻度をご家族の実感ではなく交換回数という数で記録した。 | 状況を主治医へ報告し、指示を確認する。漏れの回数を次回訪問まで記録いただく。 |
| 固定位置と皮膚を確認した日 | 「テープのところがかゆい」 | 右大腿部の固定テープ貼付部に3cm大の発赤あり。掻破痕なし。固定位置は前回と同じ部位。テープは3日ごとに交換とご家族より聴取。 | 固定部位の皮膚所見と、同一部位への固定が続いている状況を併せて記録した。 | 固定部位の変更について主治医へ相談し、変更した場合は変更日と部位を記録する。 |
| ご家族へバッグの管理を説明した日 | 「袋はどこに置いておけばいいのか迷う」とご長男。 | 蓄尿バッグを膀胱より低い位置に保つこと、床に直接置かないことを説明。実際の設置場所をご長男とともに確認し、ベッドサイドのフックへ変更した。 | 説明した内容と、その場で実施した変更まで記録した。 | 次回訪問時に設置状況を確認し、継続できているかを記録する。 |
| 発熱がみられた日 | 「今朝から寒気がする」 | 体温38.2℃(前回36.5℃)。悪寒あり。尿は混濁し、においの変化をご家族が指摘。BP 118/70mmHg、HR 96回/分、SpO2 96%。 | 体温・尿性状・自覚症状を同じ時刻の情報としてまとめて記録した。 | 主治医へ連絡し(連絡時刻・相手・伝達内容を記録)、受けた指示と実施した内容を記録に残す。ご家族へ次の訪問までの観察点を伝える。 |
| 自己抜去のおそれがある場面 | 「これ、じゃまなんだよ」と繰り返し発言。 | チューブを手で引っ張る動作を訪問中に2回確認。抜去には至らず。腹部にチューブが露出した状態で臥床していた。 | 発言と動作の回数、そのときの状況を具体的に記録した。 | チューブの通し方をご家族と確認し、実施した工夫を記録。次回訪問時に同様の動作の有無を確認する。 |
| 外出・入浴について確認した日 | 「久しぶりに孫の家に行きたい」 | 外出時の蓄尿バッグの扱いとレッグバッグの使用方法を説明。ご本人が装着手順を実施し、確認できた。入浴時の固定方法についてもご家族へ説明。 | 説明した内容と、ご本人が実施できた範囲を記録した。 | 外出後の皮膚・尿性状を次回訪問時に確認し、記録する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「特に困っていることはないよ」 | 尿は淡黄色透明、前回訪問からの蓄尿量は約1,000mLで前回と同程度。尿道口周囲の発赤・分泌物なし。固定部位の皮膚異常なし。体温36.4℃。 | 「変化なし」の中身を、性状・量・固定部・体温の4点で具体的に記録した。 | 同じ4項目を次回も記録し、比較できる状態を保つ。次回交換予定日を記録に明記する。 |
※記録様式は事業所により異なり、確認される観点や取扱いは保険者(指定権者)により異なります。上記は当社が公表資料を参考に編集・加工した記載例であり、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
3. 胃ろう・経管栄養の管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 注入前の確認 | 「今日は少し眠そうにしている」とご家族。 | 注入前に指示書の内容(栄養剤の種類・量・速度)と実物を照合。体温36.5℃、SpO2 97%。開始前に上体を挙上し、体位を確認。腹部平坦・軟、腸蠕動音を聴取。 | 指示と実施内容の照合を行った事実と、開始前の全身状態を記録した。 | 注入中・注入後の様子を同じ項目で記録する。指示内容に変更があった場合は変更日を記録する。 |
| 瘻孔周囲の皮膚を観察した日 | 「まわりが少し赤い気がする」とご家族。 | 瘻孔周囲に約1cmの発赤あり(前回はなし)。びらん・浸出液・出血なし。周囲の圧痛の訴えなし。ガーゼの汚染は軽度。 | 発赤の範囲と、前回との違いを明記した。随伴所見の有無も併記した。 | 所見を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回も同じ部位・同じ項目で観察する。 |
| 注入中の様子 | 「気持ち悪くはないよ」 | 注入中の表情は穏やか。むせ込み・咳嗽なし。注入開始から30分時点でSpO2 97%、体位の崩れなし。腹部膨満の訴えなし。 | 注入中の観察点(咳嗽・体位・酸素飽和度・腹部症状)を時刻とともに記録した。 | 次回も注入開始から30分時点の状態を同じ形で記録し、比較できるようにする。 |
| 注入後の体位と時間 | 「終わったらすぐ横になりたい」 | 注入終了後、上体挙上を60分間保持。その間の嘔気・逆流の訴えなし。終了時刻と体位保持時間を記録。終了後の口腔内に残渣なし。 | 注入後の体位保持時間を数値で記録し、ご本人の希望も併記した。 | 体位保持の時間についてご家族と共有し、実施状況を次回確認する。 |
| 下痢・軟便がみられた日 | 「昨日から3回、ゆるい便が出た」とご家族。 | 前回訪問以降、軟便が3回(前回訪問時は1日1回、普通便)。腹痛の訴えなし。腹部膨満なし。体温36.7℃。栄養剤の種類・速度に変更はないとご家族より聴取。 | 排便の回数と性状の変化を前回と比較する形で記録。注入条件に変更がないことも併記した。 | 変化を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回訪問まで排便回数・性状を記録いただく。 |
| むせ込み・嘔吐があった日 | 「注入の途中でむせた」とご家族。 | 注入中にむせ込みが1回あり、いったん注入を中断。中断時のSpO2 95%(中断前97%)。5分後にSpO2 97%へ回復。嘔吐物の量は少量。呼吸音に明らかな変化は聴取されず。 | 発生時刻・そのときの対応・前後の数値を時系列で記録した。 | 状況を主治医へ報告し、受けた指示と実施内容を記録する。次回訪問時に同様の場面がなかったかを確認する。 |
| 白湯・薬剤を注入した日 | 「薬は先に入れているよ」とご家族。 | 指示された順序で白湯・薬剤・栄養剤を注入。薬剤の残薬数を確認し、記録と一致。注入後にチューブ内の残留なしを確認。 | 実施した順序と残薬の確認結果を記録した。 | 次回訪問時も残薬数を確認し、記録と照合する。相違があれば主治医・薬局へ情報提供する。 |
| チューブ・ボタンの固定を確認した日 | 「引っかかることがある」 | チューブの固定位置は前回と同じ。回転はスムーズで、抵抗や違和感の訴えなし。ボタン部と皮膚の間に適度な余裕があることを確認。衣類との干渉部位をご家族と確認。 | 固定状態を「動くか」「余裕があるか」という確認できる形で記録した。 | 次回交換予定日を記録に明記する。干渉部位の対応を実施し、結果を次回確認する。 |
| ご家族へ手技を説明した日 | 「一人でやるのはまだ不安」とご家族。 | 準備から注入終了・後片付けまでの一連の手技をご家族とともに1回実施。ご家族は準備・接続・体位調整を自立して行えた。速度の調整のみ確認を要した。 | 説明内容ではなく、ご家族が実際にできた範囲とできなかった範囲を分けて記録した。 | 次回訪問時に速度調整の場面を再度確認する。 |
| 体重・栄養状態の推移を書く日 | 「痩せてきたと言われる」 | 体重は前月測定時から0.8kg減。上腕の皮下脂肪の減少をご家族が指摘。注入量は指示どおりで変更なし。浮腫なし。皮膚の乾燥は軽度。 | 体重の変化を測定日とともに記録し、注入量に変更がないことも併記した。 | 体重の推移を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回も同じ条件で測定する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「今日も変わりないよ」とご家族。 | 注入は指示どおりの量・速度で終了。注入中のむせ込み・嘔気なし。瘻孔周囲の発赤・浸出液なし。排便は1日1回、普通便。体温36.4℃、SpO2 97%。 | 「変わりない」の中身を、注入の完遂・随伴症状・瘻孔・排便・バイタルの5点で記録した。 | 同じ5項目を次回も記録し、変化が起きたときに比較できる状態を保つ。 |
※上記は記録の記載例であり、栄養管理や治療の方法を示すものではありません。様式は事業所により、確認の観点・取扱いは保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
4. 在宅酸素療法(HOT)|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 導入直後の確認 | 「機械の音が気になって眠れない」 | 指示流量は安静時1L/分、労作時2L/分。機器の設定値と指示内容が一致していることを確認。安静時SpO2 96%(室内、酸素使用下)。設置場所は寝室、延長チューブ10m。 | 指示内容と実際の設定を照合した事実、および導入後の生活上の訴えを記録した。 | 設定値を毎回照合して記録する。睡眠への影響についてご本人・ご家族へ確認し、主治医へ情報提供する。 |
| 設定値と実際が違っていた日 | 「たぶん2で使っていると思う」 | 訪問時の機器表示は2L/分。指示書の安静時流量は1L/分。ご本人は「息苦しいときに自分で上げた」と説明。SpO2 97%。 | 指示と実際の設定の相違、そのときのご本人の説明を事実として記録した。 | 相違を主治医へ報告し、報告日時と受けた指示を記録する。ご本人・ご家族へ確認方法を説明し、次回確認する。 |
| 安静時と労作時を分けて測った日 | 「歩くとすぐ苦しくなる」 | 安静時SpO2 97%、HR 78回/分。室内をトイレまで往復(約10m)した直後SpO2 92%、HR 96回/分。3分後にSpO2 96%へ回復。 | 労作の内容・距離と、その前後の数値・回復までの時間をセットで記録した。 | 次回も同じ動作(トイレまでの往復)で測定し、比較できるようにする。数値の変化を主治医へ報告する。 |
| 息切れの程度を書く日 | 「前は休まず着替えられたのに、今は途中で座る」 | 更衣の途中で1回座って休息。休息時間は約1分。更衣前SpO2 97%、更衣後SpO2 93%。会話は続けられる。 | 息切れをご本人の言葉と、動作の中断回数・時間・数値の両方で記録した。 | 同じ動作での中断回数を継続して記録する。変化があれば主治医・介護支援専門員へ情報提供する。 |
| カニューレによる皮膚トラブル | 「耳の後ろがすれて痛い」 | 両耳介後部に発赤あり(右のみ表皮剥離を伴う)。カニューレは終日装着。保護材の使用なし。 | 部位・左右差・装着時間をあわせて記録した。 | 保護方法について主治医へ相談し、実施した対応と実施日を記録する。次回同部位を確認する。 |
| 機器の点検・清掃 | 「フィルターは娘がやってくれている」 | 本体フィルターの清掃状況を確認、目立った汚れなし。加湿ボトルの水量は規定内。作動音に異常なし。チューブの折れ・亀裂なし。前回点検日から2週間。 | 点検した項目と、その結果を1つずつ記録した。 | 点検日を記録に残し、次回点検予定を共有する。異常時の連絡先をご家族と再確認する。 |
| 携帯用ボンベと外出 | 「デイに行くときの残りが心配」 | 携帯用ボンベの残量を確認。外出時の使用時間の目安をご家族と一緒に計算し、記録に残した。予備ボンベは1本。業者への連絡方法をご家族が説明できた。 | 確認した内容と、ご家族が説明できたことを記録した。 | 外出のあった日の使用状況を次回確認する。介護支援専門員へ外出時の対応を情報提供する。 |
| 火気の注意を説明した日 | 「台所に立つときは外している」 | 火気から離れて使用することの必要性を説明。ご本人・ご家族ともに理解を示す発言あり。調理時の使用状況を確認し、実際の動線をご家族と一緒に確認した。 | 説明した内容と、その場で確認した生活動線を具体的に記録した。 | 次回訪問時に、実際の使用状況を再確認して記録する。 |
| 呼吸苦の訴えが増えた日 | 「ここ2〜3日、夜に苦しくて起きる」 | 夜間の覚醒がここ2〜3日続いており、1晩に2回程度とご家族より聴取。訪問時の安静時SpO2 94%(前回97%)。下腿浮腫は前回と同程度。体温36.6℃。 | 訴えの期間・回数と、その日の数値・他の所見をあわせて記録した。 | 主治医へ連絡し(連絡時刻・伝達内容を記録)、受けた指示と実施内容を記録する。次回訪問まで夜間の状況をご家族に記録いただく。 |
| 停電・災害時の備えを確認した日 | 「停電のときはどうすればいいのか分からない」 | 停電時の対応手順書の有無を確認(自宅に掲示あり)。予備ボンベの保管場所をご家族と確認。業者・主治医の連絡先が電話機の近くに掲示されていることを確認。 | 確認できた備えの内容を、場所まで含めて記録した。 | 不足していた点をご家族へ伝え、次回訪問時に整備状況を確認する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「いつもと同じだよ」 | 設定流量は指示どおり1L/分で相違なし。安静時SpO2 97%、HR 76回/分、体温36.3℃。呼吸音に副雑音を聴取せず。カニューレ装着部の皮膚異常なし。機器の作動音・表示に異常なし。 | 「同じ」の中身を、設定・数値・呼吸音・皮膚・機器の5点で記録した。 | 同じ5項目を次回も記録する。次回の機器点検予定日を記録に明記する。 |
※上記は記録の記載例であり、酸素の流量や使用方法を判断するものではありません。様式は事業所により、確認される観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
5. 人工呼吸器(NPPV・TPPV)の管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 設定値を照合した日 | 「設定はいじっていないよ」とご家族。 | 機器の表示値と指示書の設定内容を1項目ずつ照合し、相違がないことを確認(照合した項目名を記録)。積算使用時間は前回訪問時から増加。アラーム履歴の表示なし。 | 照合したという事実を、照合した項目まで含めて記録した。 | 毎回同じ順序で照合し、相違があれば記録のうえ主治医へ報告する。 |
| マスク装着部の皮膚(NPPV) | 「鼻の付け根が当たって痛い」 | 鼻根部に1cm大の発赤あり。表皮剥離なし。前回はなし。マスクは夜間8時間程度装着とご家族より聴取。保護材の使用なし。 | 部位・大きさ・前回との違い・装着時間をあわせて記録した。 | 装着方法と保護について主治医へ相談し、実施した対応を記録する。次回同部位を確認する。 |
| 装着時間の実際を書く日 | 「夜中に苦しくなって外してしまう」 | 機器の積算時間から1晩あたりの装着時間は約5時間(指示は8時間程度)。外した時刻は午前2時前後が多いとご家族より聴取。外した後の起座呼吸なし。 | 装着時間を自己申告ではなく機器の記録で確認し、指示との差を記録した。 | 装着時間の状況を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回も積算時間を確認する。 |
| 回路・加温加湿器を確認した日 | 「水を足すのを忘れることがある」とご家族。 | 回路の接続部に緩み・破損なし。結露は軽度。加温加湿器の水量は下限付近。フィルターの汚れは軽度。回路交換日は前回訪問時に実施済み。 | 点検した項目と結果を1つずつ記録し、次回交換予定も併記した。 | 補水のタイミングをご家族と決め、実施状況を次回確認する。 |
| アラームが鳴った場面 | 「夜中に何回か鳴った」とご家族。 | ご家族の記録では前回訪問以降にアラームが3回作動。いずれも回路の外れで、接続し直して停止したとの説明。訪問時の作動は確認されず。SpO2 96%。 | アラームの回数・原因としてご家族が確認した内容・対応を時系列で記録した。 | アラーム作動時のご家族の対応手順を確認し、記録に残す。作動回数の推移を主治医へ情報提供する。 |
| 分泌物と吸引回数を書く日 | 「今日は痰が多い」とご家族。 | 前回訪問以降の吸引回数は1日6〜8回(前回訪問時は4〜5回)。性状は淡黄色・粘稠。訪問時の吸引で中等量。吸引前SpO2 94%、吸引後97%。 | 回数・性状・吸引前後の数値を、前回値と並べて記録した。 | 回数の増加を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回訪問まで1日の吸引回数を記録いただく。 |
| 意思疎通の方法を記録する日 | 文字盤で「ねむい」と表出。 | 意思表出は文字盤と手指のサインを併用。訪問中に文字盤で3語の表出あり。表情の変化で快・不快の区別が可能。ご家族はサインの意味を説明できた。 | コミュニケーションの手段と、実際に成立した回数を記録した。 | 表出手段の変化を継続して記録する。関わる職種で共有できるよう、サインの一覧を記録に添える。 |
| 停電・バッテリーの備えを確認した日 | 「バッテリーがどれくらいもつのか知らない」とご家族。 | 内蔵バッテリーの残量表示を確認。外部バッテリーの有無・保管場所を確認。停電時の連絡先が機器の近くに掲示されていることを確認。手動での換気手段の保管場所も確認。 | 確認できた備えを、場所まで含めて具体的に記録した。 | 不足していた点をご家族へ伝え、整備状況を次回確認する。 |
| ご家族の手技を確認した日 | 「回路の付け替えは自信がない」とご家族。 | 回路の接続・確認手順をご家族とともに1回実施。接続と作動確認は自立して行えた。加温加湿器の補水手順のみ声かけを要した。 | できた手技とできなかった手技を分けて記録した。 | 次回訪問時に補水手順を再確認する。 |
| 気管カニューレを併用している日(TPPV) | ご本人はうなずきで応答。 | カフ圧を測定し、指示された範囲内であることを確認(測定値を記録)。カニューレ固定ひもは指1本分の余裕。孔周囲の発赤・分泌物なし。呼吸音は左右差なく聴取。 | カフ圧・固定・孔周囲・呼吸音の4点を同じ順序で記録した。 | 同じ4項目を毎回記録する。次回のカニューレ交換予定日を記録に明記する。 |
| 変化がない日の書き方 | ご家族より「昨日と同じ様子」との説明。 | 設定値は指示どおりで相違なし。アラーム履歴なし。SpO2 97%、HR 80回/分、体温36.4℃。呼吸音に左右差なし。マスク装着部・固定部の皮膚異常なし。吸引回数は1日4回で前回と同程度。 | 「同じ」の中身を、設定・アラーム・数値・呼吸音・皮膚・吸引回数の6点で記録した。 | 同じ6項目を次回も記録し、変化が起きたときに比較できるようにする。 |
※上記は記録の記載例であり、機器の設定や治療方針を判断するものではありません。様式は事業所により、確認される観点・取扱いは保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
6. インスリン自己注射の支援|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 手技を確認した日 | 「毎日やっているから慣れたよ」 | 朝食前の注射をご本人が実施する場面に立ち会い、手順を確認。空打ち・単位設定・注入後の保持時間まで実施できた。指示単位と実際の設定が一致していることを確認。 | 手技を「できていた」ではなく、確認した工程ごとに記録した。 | 次回は別の時間帯の手技を確認する。相違があれば記録のうえ主治医へ報告する。 |
| 注射部位を確認した日 | 「同じところのほうが痛くないんだ」 | 腹部左側に集中して硬結を触知(約2cm大が2か所)。他の部位に硬結なし。部位を変える方法をご本人と一緒に確認した。 | 硬結の部位・大きさ・数と、部位が偏っている状況を記録した。 | 次回訪問時に同部位を触知し、変化を記録する。所見を主治医へ情報提供する。 |
| 血糖値の記録を確認した日 | 「手帳にはつけているよ」 | 自己測定の記録を確認。この1週間の朝食前の値は102〜148mg/dL。記入漏れは1日分。測定手技はご本人が自立して実施。 | 記録の範囲(最小・最大)と記入漏れの有無を記録した。 | 記入漏れのあった日について次回確認する。記録の推移を主治医へ情報提供し、提供日を記録する。 |
| 低血糖を思わせる訴えがあった日 | 「昨日の夕方、冷や汗が出てふらついた」 | 訴えのあった時刻・持続時間(約15分)・そのときの対応をご本人より聴取。主治医から示されている対応をご本人が説明でき、実施していた。訪問時の測定値は118mg/dL。自覚症状なし。 | 発生時の状況とご本人がとった対応を、聴取した事実として記録した。 | 発生の日時と対応を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回訪問まで同様の場面の有無を記録いただく。 |
| 打ち忘れが疑われた日 | 「昨日の夜は打ったか覚えていない」 | 残薬の目盛りから、前回訪問時からの使用量が指示量より少ないことを確認。ご本人は昼食後に横になっていた日があったと説明。ご家族は不在の時間帯があったとのこと。 | 残薬という確認できる事実から、実施状況の差を記録した。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。ご家族と確認方法を相談し、実施内容を記録する。 |
| 器具・針の管理を確認した日 | 「針は瓶にためている」 | 使用済み針の保管容器を確認。ふた付きの硬質容器を使用。回収方法についてご本人が説明できた。未使用の注射器具は室温で保管、直射日光を避けた場所であることを確認。 | 保管・廃棄の方法を、確認できた事実として記録した。 | 次回訪問時に容器の状況を確認する。回収の時期をご家族と共有する。 |
| 体調不良時の備えを確認した日 | 「風邪をひいたときはどうすればいいのか」 | 体調不良時の対応について主治医から示されている内容を確認し、ご本人・ご家族が説明できるかを確認。連絡先の掲示場所を確認した。 | 説明した内容ではなく、ご本人・ご家族が説明できた範囲を記録した。 | 次回訪問時に再確認する。不明な点は主治医へ確認し、確認日と内容を記録する。 |
| ご家族が代わりに行った日 | 「手が震えて、最近は娘に頼んでいる」 | 本日の注射はご長女が実施。手順・単位設定を確認し、指示内容と一致。ご長女は「単位を合わせるところが不安」と発言。実施した時刻を記録。 | 実施者が変わった事実と、実施者の不安の内容を記録した。 | 実施者の変更を主治医・介護支援専門員へ情報提供する。次回訪問時に単位設定の場面を確認する。 |
| 保管方法を確認した日 | 「冷蔵庫のドアポケットに入れている」 | 未開封分は冷蔵庫内、使用中の分は室温で保管。保管場所と本数を確認し、記録した。凍結を避ける置き方についてご家族と一緒に確認した。 | 保管場所と本数という、次回と比較できる形で記録した。 | 次回訪問時に本数を確認し、使用状況と照合する。 |
| 食事の時間との関係を書く日 | 「朝ごはんが遅くなる日がある」 | 週2日はデイサービス利用のため朝食が普段より1時間遅いとご家族より聴取。その日の注射の時刻をご家族の記録で確認。低血糖を思わせる訴えはこの1週間なし。 | 生活のリズムと実施時刻の関係を、曜日まで含めて記録した。 | 曜日ごとの実施時刻を継続して記録し、主治医・介護支援専門員へ情報提供する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「今日も自分で打ったよ」 | 注射はご本人が実施、手技・単位ともに指示どおり。注射部位に新たな硬結・発赤なし。自己測定の記録に記入漏れなし。低血糖を思わせる訴えなし。残薬数は記録と一致。 | 「いつもどおり」の中身を、実施者・手技・部位・記録・訴え・残薬の6点で記録した。 | 同じ6項目を次回も記録し、変化が起きたときに比較できるようにする。 |
※上記は記録の記載例であり、薬剤の使用方法や量を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
7. ストーマ(消化管・尿路)の管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 装具を交換した日 | 「はがすときが一番いやだ」 | 装具を交換(製品名・面板の孔サイズ・交換日を記録)。剥離時の疼痛の訴えは一時的。前回交換から4日経過。剥離後の面板裏面に溶けは軽度。 | 交換の事実に加え、前回からの日数と面板の状態を記録した。 | 次回交換予定日を記録に明記する。面板の溶け具合を毎回同じ表現で記録する。 |
| ストーマ粘膜を観察した日 | 「見た目は変わっていないと思う」 | 粘膜は淡紅色で湿潤あり。浮腫なし。出血なし。ストーマ径は前回と同じ。皮膚との境界に陥凹なし。 | 色調・浮腫・出血・径の4点を同じ順序で記録した。 | 同じ4項目を次回も記録する。変化があれば主治医へ報告し、報告日時を記録する。 |
| 皮膚保護材の溶けが早い日 | 「2日でにおいが気になる」 | 面板裏面の溶けが前回より広い範囲に及んでいる。交換間隔は4日から2日へ短縮しているとご家族より聴取。周囲皮膚に発赤あり(約2cm)。 | 溶けの範囲と交換間隔の変化、皮膚所見を1つの記録にまとめた。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回も交換間隔を記録する。 |
| 皮膚障害がみられた日 | 「かゆくて掻いてしまう」 | ストーマ周囲の下方に約3cm×2cmの発赤とびらんあり。掻破痕あり。滲出は少量。前回訪問時は発赤のみ。 | 部位・範囲・所見の種類と、前回からの変化を記録した。 | 所見を主治医へ報告し、記録に報告日時を残す。次回同部位を同じ測り方で確認する。 |
| 排泄物の性状・量を書く日 | 「昨日から水っぽい」 | 便性は前回の泥状から水様へ変化。1日の廃棄回数は6回(前回訪問時は3回)。腹痛の訴えなし。体温36.5℃。飲水量は普段どおりとご家族より聴取。 | 性状と廃棄回数を前回値と並べ、随伴症状の有無も記録した。 | 変化を主治医へ報告する。次回訪問まで廃棄回数と性状を記録いただく。 |
| 装具から漏れがあった日 | 「夜中に漏れて着替えた」 | 前回訪問以降に漏れが2回(いずれも夜間)。漏れた部位は面板の下方。就寝時の体位は右側臥位が多いとご家族より聴取。皮膚の発赤は下方に限局。 | 漏れの回数・時間帯・部位と、体位との関係を記録した。 | 装具や貼付方法について主治医へ相談し、実施した対応と実施日を記録する。次回も漏れの回数を確認する。 |
| 交換間隔を見直した日 | 「本当は4日もたせたい」 | 本日より交換間隔を3日へ変更(変更日を記録)。変更前の状況(面板の溶け・漏れの回数)を記録に併記した。変更内容をご本人・ご家族へ説明し、了解を得た。 | 変更の事実と、変更前後を比較できる情報を同じ記録に残した。 | 変更後の漏れの有無・皮膚の状態を次回訪問時に確認し、変更前と比較する。 |
| セルフケアの到達点を書く日 | 「はがすところまでは自分でできる」 | 剥離・洗浄はご本人が自立して実施。面板の孔合わせと貼付は確認を要した。鏡を使えば貼付位置の確認は可能。所要時間は約20分。 | できる工程とできない工程を分け、所要時間も記録した。 | 次回訪問時に孔合わせの場面を確認する。到達点の変化を訪問看護計画書の目標欄へ反映する。 |
| 尿路ストーマの尿を観察した日 | 「色が濃いような気がする」 | 尿は黄褐色で軽度混濁、浮遊物あり。前回は淡黄色透明。1日の廃棄量は約1,200mL。体温36.7℃。腰背部の痛みの訴えなし。 | 色調・混濁・量を前回と比較し、随伴症状の有無も併記した。 | 変化を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回訪問まで尿の性状を記録いただく。 |
| 外出・入浴の方法を確認した日 | 「温泉に行きたいけれど不安」 | 入浴時の装具の扱いと、外出時の交換用具の携帯について説明。ご本人が携帯する物品を一緒に確認し、リストを作成した。外出予定日を確認。 | 説明した内容と、その場で作成したリストの内容を記録した。 | 外出後の皮膚・装具の状態を次回訪問時に確認し、記録する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「困っていることはないよ」 | 粘膜は淡紅色・湿潤あり、浮腫・出血なし。周囲皮膚に発赤・びらんなし。便性は泥状で1日3回廃棄、前回と同程度。漏れなし。前回交換から4日目で面板の溶けは軽度。 | 「変わりない」の中身を、粘膜・皮膚・便性・回数・漏れ・面板の6点で記録した。 | 同じ6項目を次回も記録し、次回交換予定日を記録に明記する。 |
※上記は記録の記載例です。装具の選択や皮膚の処置は主治医等の指示によります。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
8. 気管カニューレの管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 固定を確認した日 | ご家族より「ひもがゆるい気がする」との訴え。 | 固定ひもと頸部の間に指2本分の余裕あり(前回は指1本分)。ひもの緩みを調整し、調整後は指1本分。頸部の皮膚に発赤なし。 | 緩みを「ゆるい」ではなく指何本分という確認できる形で記録した。 | 次回も同じ表現で確認する。ご家族へ確認方法を説明し、実施状況を次回確認する。 |
| 孔周囲の皮膚を観察した日 | ご本人はうなずきで「痛くない」と応答。 | 孔周囲に発赤なし、肉芽なし。分泌物は淡黄色少量でガーゼの汚染は部分的。ガーゼ交換は1日1回とご家族より聴取。 | 皮膚所見・分泌物・ガーゼ交換回数を同じ順序で記録した。 | 同じ3項目を毎回記録する。変化があれば主治医へ報告し、報告日時を記録する。 |
| カフ圧を確認した日 | ご家族より「空気の漏れる音がする」との訴え。 | カフ圧を測定し、指示された範囲内であることを確認(測定値と測定時刻を記録)。測定前に口元からの音の有無を確認。呼吸音は左右差なく聴取。 | 測定値と、測定した時刻・そのときの所見をあわせて記録した。 | 毎回同じ時間帯に測定し、値を記録して推移を追う。 |
| 分泌物の量・性状を書く日 | ご家族より「今日は多い」との説明。 | 吸引で得られた分泌物は淡黄色・粘稠、中等量(前回は少量・淡白色)。前回訪問以降の1日あたり吸引回数は6回(前回は4回)。体温36.8℃。 | 量・色・粘稠度・回数を前回値と並べて記録した。 | 変化を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回訪問まで吸引回数を記録いただく。 |
| 呼吸音と吸引の必要性を判断した日 | ご家族より「ゴロゴロいっている」との訴え。 | 両側前胸部で粗い副雑音を聴取。SpO2 93%。吸引実施後、副雑音は軽減しSpO2 97%へ変化。吸引時間は10秒以内で2回実施。 | 吸引前の所見・実施内容・実施後の変化を時系列で記録した。 | 吸引前後の数値を毎回記録する。副雑音が続く場合は主治医へ報告する。 |
| 発声・意思疎通を記録する日 | 口の動きで「みず」と表出。 | 発声は困難だが、口の動きと手のサインで意思表出が可能。訪問中に4回の表出があり、ご家族が内容を確認できた。筆談は疲労のため短時間のみ。 | 意思表出の手段と成立した回数、疲労との関係を記録した。 | 表出手段の変化を継続して記録し、関わる職種で共有できるようにする。 |
| カニューレ交換に立ち会った日 | ご家族より「交換の日はいつも緊張する」との発言。 | 主治医によるカニューレ交換に立ち会い(実施日・サイズを記録)。交換後の呼吸音は左右差なく聴取、SpO2 97%。交換前後のバイタルを記録。出血なし。 | 立ち会った事実と、交換前後の状態を数値で記録した。 | 次回交換予定日を記録に明記し、ご家族と共有する。 |
| 事故抜去への備えを確認した日 | ご家族より「抜けたときが一番こわい」との発言。 | 予備のカニューレの保管場所を確認。緊急時の連絡先が掲示されていることを確認。ご家族が対応の手順を説明できた。訪問中に抜けかけた場面はなし。 | 確認できた備えと、ご家族が説明できた内容を記録した。 | 次回訪問時に手順を再確認する。手順書の不足があれば主治医へ相談する。 |
| ご家族の吸引手技を確認した日 | 「奥まで入れていいのか分からない」とご家族。 | 吸引の一連の手技をご家族が実施する場面に立ち会い、手順を確認。清潔操作・カテーテルの挿入の長さ・吸引時間について、実施できた工程を記録。挿入の長さのみ声かけを要した。 | できた工程とできなかった工程を分けて記録した。 | 次回訪問時に挿入の長さの場面を再確認する。 |
| 加湿の状況を確認した日 | ご家族より「痰が固い気がする」との訴え。 | 人工鼻の使用状況を確認、汚染は軽度。室内の湿度は42%。分泌物の粘稠度は前回より高い。飲水量は普段どおりとご家族より聴取。 | 加湿に関する条件(人工鼻・湿度)と分泌物の性状を同じ記録にまとめた。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。次回も湿度と粘稠度を記録する。 |
| 変化がない日の書き方 | ご家族より「昨日と同じ様子」との説明。 | 固定ひもは指1本分の余裕。孔周囲の発赤・肉芽なし。カフ圧は指示範囲内。分泌物は淡白色少量、1日4回の吸引で前回と同程度。呼吸音に副雑音なし。SpO2 97%、体温36.4℃。 | 「同じ」の中身を、固定・孔周囲・カフ圧・分泌物・呼吸音・数値の6点で記録した。 | 同じ6項目を次回も記録する。次回のカニューレ交換予定日を記録に明記する。 |
※上記は記録の記載例であり、吸引やカニューレの取扱いの方法を示すものではありません。実施は主治医の指示および事業所の手順によります。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
9. 点滴・CVポートの管理|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 刺入部を観察した日 | 「刺しているところは痛くない」 | 右前腕の刺入部に発赤・腫脹・熱感なし。固定テープの剥がれなし。刺入部から末梢にかけて疼痛の訴えなし。留置から2日目。 | 発赤・腫脹・熱感・疼痛の4点と留置日数をあわせて記録した。 | 同じ4項目を毎回記録する。留置日数を記録に明記し、交換予定を共有する。 |
| 滴下速度と残量を確認した日 | 「途中で止まっていたみたい」とご家族。 | 訪問時の残量は指示量から算出した見込みより多い。滴下速度を確認し、指示された速度へ調整(調整時刻を記録)。ルートの屈曲を1か所確認し、解除した。 | 残量の差という事実と、その原因として確認できたことを記録した。 | 次回訪問時に同じ時刻の残量を確認する。屈曲しやすい部位をご家族と共有する。 |
| 実施前後のバイタルを記録する日 | 「点滴のあとはだるくなる」 | 実施前:BP 128/76mmHg、HR 78回/分、体温36.4℃、SpO2 97%。実施後:BP 124/74mmHg、HR 82回/分、体温36.5℃。実施後の倦怠感の訴えあり、30分程度で軽減。 | 実施前後の数値を並べ、ご本人の訴えとその持続時間も記録した。 | 次回も実施前後の同じ項目を記録し、比較できるようにする。訴えが続く場合は主治医へ報告する。 |
| ポートに穿刺・抜針した日 | 「刺すときはチクッとするだけ」 | 指示に基づきポートへ穿刺(穿刺時刻・使用した針の種類を記録)。逆血を確認。ポート周囲の発赤・腫脹なし。終了後に抜針し、止血を確認(止血までの時間を記録)。 | 穿刺から抜針までを時刻とともに記録し、確認できた所見を残した。 | 次回の穿刺予定を記録に明記する。抜針部の状態を次回訪問時に確認する。 |
| 閉塞・逆血を確認した日 | 「今日は落ちが悪いと言われた」とご家族。 | 滴下が緩慢。ルートの屈曲・接続の緩みは確認されず。逆血の確認を行い、結果を記録。実施の可否について主治医へ確認した(確認時刻・相手・内容を記録)。 | 確認した順序と、その結果を時系列で記録した。 | 受けた指示と実施した内容を記録に残す。次回訪問時に同じ状況の有無を確認する。 |
| 発赤・腫脹がみられた日 | 「刺しているところが少し腫れている気がする」 | 刺入部周囲に約3cm大の発赤と軽度の腫脹あり(前回はなし)。熱感あり。疼痛はNRS 2。実施を中断し、状況を記録。 | 所見の範囲・随伴症状・前回との違いを記録し、その場でとった対応も残した。 | 主治医へ連絡し(連絡時刻・伝達内容を記録)、受けた指示と実施内容を記録する。次回同部位を確認する。 |
| ルートの固定と自己抜去の予防 | 「寝ているうちに引っかけてしまう」 | ルートは衣類の内側を通して固定。訪問中に引っ張る動作は確認されず。前回訪問以降に1回自己抜去があったとご家族より聴取(発生時刻・そのときの対応を記録)。 | 発生した事実・回数・そのときの対応を、ご家族からの聴取として記録した。 | 固定方法の工夫を実施し、内容を記録する。次回訪問時に同様の場面の有無を確認する。 |
| ご家族へ管理方法を説明した日 | 「終わったあと、どうすればいいのか分からない」とご長女。 | 終了時の対応と、異常時の連絡先について説明。ご長女が手順を復唱でき、連絡先の掲示場所も確認できた。実際に1回の手順をともに実施した。 | 説明した内容と、ご家族が実際にできた範囲を記録した。 | 次回訪問時に、ご家族のみで対応した際の困りごとを確認する。 |
| 点滴を終了した日 | 「これで一区切りだね」 | 指示に基づき本日で終了(終了日を記録)。抜針部の出血・腫脹なし。開始から終了までの実施回数と、期間中に確認された所見をまとめて記録した。 | 期間全体の経過を1件にまとめ、報告書に転記できる形で記録した。 | 抜針部の状態を次回訪問時に確認する。訪問看護計画書の目標欄へ達成状況として反映する。 |
| 皮下への投与を行った日 | 「お腹に刺すほうが楽だ」 | 指示に基づき腹部へ穿刺(部位・時刻を記録)。刺入部周囲の発赤・硬結なし。前回と異なる部位を選択したことを記録。終了時の吸収状況を確認。 | 穿刺部位を毎回記録し、部位が偏っていないことを確認できる形にした。 | 次回も部位を記録し、前回と重ならないようにする。硬結の有無を継続して確認する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「特に困ったことはないよ」 | 刺入部の発赤・腫脹・熱感・疼痛なし。固定は保たれている。滴下速度は指示どおり。実施前後のバイタルに大きな変動なし(BP 126/78→124/76mmHg)。倦怠感等の訴えなし。 | 「変わりない」の中身を、刺入部・固定・速度・バイタル・訴えの5点で記録した。 | 同じ5項目を次回も記録する。留置日数と次回交換予定を記録に明記する。 |
※上記は記録の記載例であり、輸液の内容や実施の可否を判断するものではありません。実施は主治医の指示によります。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
10. 喀痰吸引|記録例11
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 吸引前の呼吸音を書く日 | 「のどがゴロゴロする」 | 両側上肺野で粗い副雑音を聴取。呼吸数22回/分、SpO2 93%。咳嗽は弱く、自力での喀出は困難な様子。訪問時の体位は仰臥位。 | 吸引の前に確認した所見を、部位・呼吸数・数値まで含めて記録した。 | 吸引後の変化を同じ項目で記録し、前後を比較できるようにする。 |
| 吸引した痰を記録する日 | 吸引後に「楽になった」と発言。 | 口腔・鼻腔内吸引を実施。淡黄色・粘稠の分泌物を中等量吸引。血性の混入なし。においの変化なし。吸引時間は10秒以内で2回。 | 量・色・粘稠度・血性の有無の4点を、毎回同じ順序で記録した。 | 同じ4項目を次回も記録する。性状に変化があれば主治医へ報告する。 |
| 吸引前後の数値を書く日 | 「息が楽になった気がする」 | 吸引前SpO2 93%、HR 92回/分。吸引後SpO2 97%、HR 84回/分。副雑音は軽減。吸引前後の呼吸数は22→18回/分。 | 実施の効果を、前後の数値という比較できる形で記録した。 | 次回も吸引前後の同じ項目を記録し、推移を追う。 |
| 吸引の回数と時間帯を書く日 | 「夜中が一番多い」とご家族。 | 前回訪問以降の1日あたり吸引回数は7〜9回(前回訪問時は5〜6回)。うち夜間(22時〜6時)が3〜4回。ご家族の記録用紙で確認。 | 回数を時間帯別に記録し、前回値と並べて比較できる形にした。 | 回数の増加を主治医へ報告し、報告日時を記録する。夜間の回数を継続して記録いただく。 |
| 吸引時に苦痛がみられた日 | 吸引中に「もういい」と手で制止する動作あり。 | 吸引中に顔をしかめ、手で制止する動作が2回。吸引を中断し、5分後に再開。再開時は制止の動作なし。実施後の呼吸数は18回/分。 | 苦痛の様子を、動作の回数と中断・再開の時刻という事実で記録した。 | 実施方法についてカンファレンスで共有し、対応を記録する。次回も同様の場面の有無を確認する。 |
| 口腔ケアとあわせて行った日 | 「口の中がさっぱりした」 | 口腔ケアを実施後に吸引を実施。ケア前は口腔内に乾燥した付着物あり、実施後は除去できた。吸引で得られた分泌物は少量。舌苔は前回より減少。 | ケアの実施内容と、その前後で確認できた口腔内の変化を記録した。 | 次回も口腔内の状態を同じ項目で記録する。ご家族へケアの手順を説明し、実施状況を確認する。 |
| 体位を整えてから行った日 | 「横を向いたほうが出しやすい」 | 実施前に上体を30度挙上し、右側臥位へ体位を変更。変更後に自力での咳嗽が2回あり、少量の喀出が得られた。その後の吸引で得られた分泌物は少量。 | 体位の変更内容と、変更後に確認できた反応を時系列で記録した。 | 効果のあった体位を記録に残し、関わる職種で共有する。 |
| ご家族の手技を確認した日 | 「うまく取れているか自信がない」とご家族。 | ご家族が実施する場面に立ち会い、手順を確認。物品の準備・清潔操作・実施後の片付けは自立して行えた。カテーテルの挿入の長さと吸引圧の確認について声かけを要した。 | できた工程とできなかった工程を分けて記録した。 | 次回訪問時に挿入の長さと圧の確認の場面を再度確認する。 |
| 物品・衛生材料を確認した日 | 「アルコール綿が残り少ない」とご家族。 | 吸引器の作動状況を確認、異常なし。吸引びんの洗浄は毎日実施とご家族より聴取。カテーテルの保管方法を確認。衛生材料の残数を確認し、記録した。 | 確認した物品と残数を、次回と比較できる形で記録した。 | 不足が見込まれる材料を主治医・関係機関へ連絡し、連絡日を記録する。 |
| 夜間の負担が大きい日 | 「夜中に何度も起きるので、日中眠い」とご家族。 | 夜間の吸引回数は1晩3〜4回。ご家族の睡眠は途切れ途切れで、連続した睡眠時間は2時間程度とのこと。日中に休息をとる時間は確保できていない。 | ご本人の状態だけでなく、介護されているご家族の状況も記録に残した。 | 状況を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時にご家族の休息状況を確認する。 |
| 変化がない日の書き方 | 「今日は落ち着いているよ」とご家族。 | 吸引前の呼吸音に副雑音なし。SpO2 97%、呼吸数18回/分。吸引で得られた分泌物は淡白色・少量。1日の吸引回数は4回で前回と同程度。吸引時の苦痛の様子なし。吸引器の作動に異常なし。 | 「落ち着いている」の中身を、呼吸音・数値・性状・回数・苦痛・機器の6点で記録した。 | 同じ6項目を次回も記録し、回数が増えたときにすぐ気づける状態を保つ。 |
※上記は記録の記載例であり、吸引の実施方法や可否を示すものではありません。実施は主治医の指示および事業所の手順によります。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
状態が変わった日・イベント別|その場で書けるSOAP記載例(10場面・60例)
いつもと違うことが起きた日の記録は、あとから読む人が「いつから」「何が」「誰に伝えたか」をたどれる形になっているかで価値が変わります。別添1では、緊急時等の対応(第72条)の確認観点として「緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか」が挙げられ、そのときの確認文書にサービス提供記録が示されています。連絡したかどうかは、記録書Ⅱの側で見られるということです。
また事故発生時の対応(第37条)では「事故状況、対応経過が記録されているか」「市町村、家族、居宅介護支援事業者等に報告しているか」が確認観点です。実際に、事故発生時に家族・介護支援専門員へ連絡した記録がない、再発防止の検討が具体的でない、という指摘が公表されています(宇都宮市)。事故の状況や講じた処置を記録しておらず詳細・対応・再発防止策が不明確、という指摘もあります(東京都)。
下の10場面は、訪問中に「あれ?」と思ったときに、その場で書き切れる粒度で揃えました。連絡した相手と時刻を書く欄がPに入っているのが共通の形です。
発熱を確認したとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問時に普段より高い体温を確認 | 「朝から少しだるい」 | 体温37.9℃(前回36.4℃)。BP 118/72mmHg、HR 96回/分、SpO2 96%。悪寒なし。顔面の紅潮あり。飲水はできている。 | 体温を前回値と並べ、同じ時刻の他のバイタルもあわせて記録した。 | 主治医へ連絡(連絡時刻・相手・伝えた内容を記録)。受けた指示と実施内容を記録に残す。ご家族へ次の訪問までの観察点を伝える。 |
| いつから続いているかを確認 | 「一昨日の夜から熱っぽかった」 | ご家族の記録では2日前の夜から37.5〜38.2℃を推移。解熱している時間帯は午前中が多い。食事量は普段の6割程度。 | 発熱の始まりと日内の傾向を、ご家族の記録に基づいて記載した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時を記録する。ご家族へ測定時刻を決めた記録を依頼する。 |
| 随伴する症状の有無を確認 | 「咳は出ないけど、のどが渇く」 | 体温38.1℃。咳嗽・喀痰なし。呼吸音に副雑音なし。SpO2 96%。排尿は1日4回程度で尿の混濁なし。皮膚に発疹なし。下痢・嘔吐なし。 | 「熱がある」だけでなく、確認してなかった所見も記録に残した。 | 主治医へ確認した所見をあわせて報告する。次回訪問まで同じ項目をご家族に確認いただく。 |
| 主治医へ連絡した記録 | ご家族より「いつ病院に行けばいいのか」との質問。 | 14時05分、主治医(◯◯医院)へ電話連絡。体温・バイタル・随伴症状の有無を報告。受診の時期について指示を受け、内容を記録。ご家族へ指示内容を伝達し、了解を得た。 | 連絡した時刻・相手・伝えた内容・受けた指示を、4点セットで記録した。 | 受診の有無を次回訪問時に確認する。介護支援専門員へも情報提供し、提供日を記録する。 |
| 解熱を確認した日 | 「昨日よりずいぶん楽になった」 | 体温36.6℃(前回訪問時38.1℃)。ご家族の記録では昨夕から37.0℃未満。食事量は普段の8割まで回復。飲水は良好。 | 解熱の時期を、ご家族の記録という確認できる情報で記載した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時を記録する。訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用できるよう日付を残す。 |
| ご家族へ観察点を依頼した日 | 「何を見ていればいいのか分からない」とご家族。 | 測定時刻(朝・夕)と記録する項目(体温・食事量・飲水量・排尿回数)を説明し、記録用紙をお渡しした。ご家族が記入方法を復唱できた。 | 依頼した内容を、依頼した項目まで含めて記録した。 | 次回訪問時に記録用紙を確認し、内容を記録書Ⅱへ転記する。 |
※上記は記録の記載例であり、受診の要否や治療を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
血圧が普段より低いとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 普段より低い値を確認 | 「特に変わった感じはしないけど」 | BP 92/54mmHg(前回128/76mmHg、その前124/72mmHg)。HR 72回/分。体温36.3℃。冷汗なし。顔色不良なし。 | 今回値だけでなく、直近2回の値を並べて記録した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。受けた指示と実施内容を記録する。 |
| 体位による変化を確認 | 「起き上がるとふらっとする」 | 臥位BP 96/58mmHg、HR 70回/分。座位に変えて2分後BP 84/50mmHg、HR 88回/分。立位は実施せず。ふらつきの訴えは座位変換時にあり、約30秒で軽減。 | 測定した体位・時間・そのときの訴えをセットで記録した。 | 測定結果を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回も同じ手順で測定する。 |
| 自覚症状の有無を確認 | 「めまいはないよ。ただ、少し眠い」 | BP 94/56mmHg。めまい・悪心・冷汗・視野の異常の訴えなし。会話は普段どおり成立。四肢の冷感なし。意識清明、見当識の低下なし。 | 確認してなかった症状まで記録に残した。 | 主治医へ確認した所見をあわせて報告する。次回訪問まで同じ項目を確認いただく。 |
| 食事・飲水の状況を併記 | 「昨日から食欲がなくて、あまり飲んでいない」 | BP 90/54mmHg。前日の食事は2食、いずれも半量程度とご家族より聴取。飲水は500mL程度。排尿回数は1日2回(普段は4〜5回)。 | 血圧の値に、飲水量と排尿回数という生活の事実を併記した。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。飲水量と排尿回数の記録をご家族へ依頼する。 |
| 報告後の経過を確認 | 「昨日、先生に診てもらった」 | 前回報告後に受診があり、内服内容に変更があったとご家族より聴取(変更日・内容を記録)。本日のBP 112/68mmHg。ふらつきの訴えなし。 | 報告からその後の経過までを、同じ利用者の記録として追える形で残した。 | 変更内容を訪問看護計画書へ反映し、反映日を記録する。次回も同じ時刻に測定する。 |
| 次回訪問での確認 | 「もう起き上がってもふらつかない」 | 臥位BP 118/70mmHg、座位BP 114/68mmHg。体位変換時のふらつきの訴えなし。飲水量は1日1,000mL程度に回復。排尿は1日4回。 | 前回の測定条件と同じ形で測り、変化を比較できるようにした。 | 経過を主治医へ報告し、訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、内服や受診の要否を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
転倒を発見したとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問時に転倒後の状況を発見 | 「昨日の夜、トイレに行くときに尻もちをついた」 | 訪問時、居間の床に座り込んだ状態のご本人を発見(発見時刻を記録)。声かけに応答あり、意識清明。頭部・四肢に外傷なし。BP 126/78mmHg、HR 84回/分、SpO2 97%。 | 発見した時刻・そのときの姿勢・意識状態・バイタルを最初に記録した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。ご家族・介護支援専門員へも連絡し、それぞれの連絡時刻を記録する。 |
| 受傷の有無を確認 | 「腰のあたりが少し痛い」 | 腰部に発赤あり、皮下出血なし。腫脹なし。腰部の疼痛はNRS 3、動作時に増強。四肢の運動麻痺・感覚障害の訴えなし。頭部打撲の有無をご本人へ確認し、「頭は打っていない」との説明。 | 確認した部位と所見、確認してなかった所見を分けて記録した。 | 所見を主治医へ報告し、受けた指示と実施内容を記録する。次回訪問時に疼痛と皮膚の状態を同じ項目で確認する。 |
| 転倒時の状況を聴取 | 「暗くて、スリッパが引っかかった感じがした」 | 発生時刻は前日22時頃。場所は居間からトイレへの動線上。履物はスリッパ。照明は消灯していた。歩行は普段から伝い歩き。介助者は不在だったとご家族より聴取。 | 発生の時刻・場所・履物・照明・介助の有無という、再発防止の検討に使える事実を記録した。 | 聴取した内容を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。ご家族と環境について相談し、実施した対応を記録する。 |
| 環境を確認 | 「夜は電気をつけるのが面倒で」 | 動線上に新聞と衣類が置かれていることを確認。トイレまでの間に手すりはなし。足元灯なし。敷物の端がめくれている箇所が1か所。 | 環境について確認できた事実を、場所ごとに記録した。 | 確認した内容をご家族・介護支援専門員へ伝え、伝えた日を記録する。次回訪問時に環境の変化を確認する。 |
| 関係先へ連絡した記録 | ご家族より「ケアマネさんにも伝えたほうがいいか」との質問。 | 10時20分に主治医へ電話連絡し、受けた指示を記録。10時40分に介護支援専門員へ連絡し、状況と今後の対応を共有。11時00分にご長男へ電話し、状況を説明。それぞれの連絡内容を記録。 | 連絡した相手・時刻・伝えた内容を、相手ごとに分けて記録した。 | 事業所の手順に沿って事故の記録を作成する。保険者への報告の要否は所在地の保険者の基準をご確認いただく。 |
| その後の確認 | 「腰の痛みは軽くなった」 | 腰部の疼痛はNRS 1(前回3)。皮下出血が3cm大に出現、疼痛の増強なし。歩行は前回同様に伝い歩きで可能。動線上の新聞・衣類は片付けられており、足元灯が設置されていた。 | 受傷部位の経過と、環境について実際に変わったことを併記した。 | 経過を主治医・介護支援専門員へ報告し、報告日を記録する。訪問看護報告書へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例です。事故報告の基準・様式・提出先は保険者(指定権者)により異なり、事業所の手順によっても異なります。当社が公表資料を参考に編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
痛みが強くなったとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訴えの強さを数値で残す | 「今日は10のうち7くらい。夜が特につらい」 | 疼痛はNRS 7(前回4)。部位は右腰部から大腿後面。持続時間は夜間に2〜3時間。表情をしかめる場面が訪問中に3回。 | 強さ・部位・持続時間・観察できた様子の4点を記録した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。受けた指示と実施内容を記録する。次回も同じ尺度で確認する。 |
| いつ強くなるかを記録 | 「起き上がるときと、夜中がつらい」 | 疼痛が強くなる場面は起床時と就寝後2時間頃。安静時はNRS 2、体動時はNRS 6。ご家族の記録では、夜間の覚醒がこの1週間で4回。 | 安静時と体動時を分けて記録し、時間帯の傾向も残した。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回訪問まで痛みの時間帯を記録いただく。 |
| 日常生活への影響を書く | 「痛くて、風呂に入る気になれない」 | 入浴はこの1週間で1回(普段は週3回)。更衣に要する時間が普段の倍程度。食事は座位を保てず、途中で臥床する場面あり。 | 痛みを訴えだけでなく、できなくなった生活行為という形で記録した。 | 生活への影響を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。 |
| 指示された対応の実施状況 | 「薬は痛くなってから飲んでいる」 | 主治医から示されている内服のタイミングについてご本人へ確認。実際の内服時刻をご家族の記録で確認し、指示との差を記録。残薬数を確認した。 | 指示内容と実際の実施状況の差を、残薬という確認できる事実で記録した。 | 状況を主治医・薬局へ情報提供し、提供日を記録する。次回も残薬数を確認する。 |
| ご本人の言葉をそのまま残す | 「痛いというより、重たいものがのっている感じ」 | ご本人の表現をそのまま記録。部位を指し示していただき、右腰部から殿部にかけてと確認。ご本人が指した範囲を図で記録に残した。 | 言い換えずにご本人の言葉を残し、部位は指し示していただいた事実として記録した。 | 同じ表現が続くかを次回確認する。表現の変化があれば主治医へ報告する。 |
| 対応後の変化を確認 | 「今日は10のうち3くらい。夜も眠れた」 | 疼痛はNRS 3(前回7)。夜間の覚醒はこの3日間で1回。入浴はこの1週間で2回実施。表情をしかめる場面は訪問中に確認されず。 | 数値・睡眠・生活行為の3つの面から変化を記録した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時を記録する。訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、薬剤の使用や疼痛の治療を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
食事が進まないとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 摂取量を割合で記録 | 「なんとなく食べる気がしない」 | 主食は毎食3割、副菜2割程度(前回訪問時は主食8割・副菜7割)。飲水は1日600mL程度。体重は前月から1.5kg減。悪心・嘔吐の訴えなし。 | 摂取量を割合で記録し、前回値と体重の変化を併記した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。ご家族へ食事量の記録を依頼する。 |
| いつからかを確認 | 「4〜5日前からかな」 | ご家族の記録では5日前から摂取量が半分程度に減少。同時期に排便が3日に1回へ変化(普段は1日1回)。発熱なし。 | 始まりの時期と、同じ時期に起きた他の変化を並べて記録した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。 |
| 食べられないものと食べられるものを分ける | 「ごはんは進まないけど、果物は食べられる」 | 主食・肉類の摂取が減少。果物・乳製品は普段どおり摂取できている。義歯の不具合の訴えなし。咀嚼時の疼痛なし。むせ込みは訪問中に確認されず。 | 食べられない物と食べられる物を分けて記録し、口腔の状態も併記した。 | 内容を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。 |
| 口腔内を確認した日 | 「口の中が乾いて食べにくい」 | 口腔内の乾燥あり。舌苔の付着あり。義歯の適合を確認し、装着時の疼痛の訴えなし。口腔内に潰瘍なし。唾液の分泌は少ない印象。 | 食事量の記録に、口腔内の観察結果を同じ日の情報として併記した。 | 口腔ケアの方法をご家族へ説明し、実施状況を次回確認する。所見を主治医へ報告する。 |
| 食事の環境を確認した日 | 「一人で食べていると、途中でやめてしまう」 | 昼食は一人でとることが多いとご家族より聴取。食事時の座位保持は可能だが、途中で臥床する場面あり。食卓の高さと椅子の座面を確認した。 | 食べられない理由として確認できた生活の事実を記録した。 | 確認した内容を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時に環境の変化を確認する。 |
| 回復を確認した日 | 「昨日から、ごはんも食べられるようになった」 | 主食6割、副菜5割まで回復(前回3割・2割)。飲水は1日900mL程度。体重は前回測定時から変化なし。排便は1日1回に戻っている。 | 回復の程度を、前回値と並べた割合で記録した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時を記録する。訪問看護報告書へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、栄養や食事内容の指導を行うものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
落ち着かない様子がみられるとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問中の様子を事実で書く | 「家に帰らないと」と繰り返し発言。 | 訪問中、立ち上がって玄関へ向かう行動が3回。声かけで着席されるが、5分ほどで再び立ち上がる。表情は硬く、会話は成立するが話題は繰り返し。体温36.5℃、SpO2 97%。 | 「不穏」という言葉を使わず、行動の内容と回数で記録した。 | 様子を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回も同じ形(行動と回数)で記録する。 |
| 時間帯の傾向を記録 | ご家族より「夕方になると落ち着かなくなる」との説明。 | ご家族の記録では、16時〜18時に同様の行動が週4日程度。日中の傾眠は1日2時間程度。夜間の睡眠は途切れ途切れで、覚醒が1晩2〜3回。 | 時間帯と頻度を、ご家族の記録という確認できる情報で残した。 | 傾向を主治医へ報告し、報告日時を記録する。時間帯別の記録をご家族へ依頼する。 |
| 身体面の確認を併記 | 「どこも痛くないよ」 | 体温36.4℃、BP 132/78mmHg、SpO2 97%。排尿は1日5回、尿の混濁なし。排便は前日に1回。脱水を思わせる口腔内の乾燥なし。疼痛の訴えなし。内服内容に変更はないとご家族より聴取。 | 行動の記録に、確認した身体面の所見を同じ日の情報として併記した。 | 確認した所見をあわせて主治医へ報告する。次回も同じ項目を確認する。 |
| 落ち着かれた場面を記録 | 「これ、懐かしいね」と写真を見ながら発言。 | ご家族が持参したアルバムを一緒に見ている間、着席が20分継続。その間、立ち上がる行動はなし。表情はやわらぎ、笑顔がみられた。 | 困りごとだけでなく、落ち着かれた場面と、そのときの状況も記録した。 | 効果のあった関わりを記録に残し、関わる職種で共有する。次回も同じ関わりを試み、結果を記録する。 |
| ご家族の対応を確認 | 「否定すると余計に怒るので、どう言えばいいか分からない」とご家族。 | ご家族が実際に行っている声かけの内容を聴取し、記録。訪問中にご家族が声かけをした場面が2回あり、いずれも着席につながった。ご家族の困りごとを具体的に聴取した。 | ご家族の対応を、実際に行われた場面として記録した。 | ご家族の困りごとを介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時に状況を確認する。 |
| 変化を確認した日 | 「今日は特に何も言わなかったよ」とご家族。 | ご家族の記録では、玄関へ向かう行動が週4日から週1日へ減少。夜間の覚醒は1晩1回。日中の傾眠は1時間程度。訪問中に立ち上がる行動なし。 | 変化を回数で記録し、前回の記録と比較できる形にした。 | 経過を主治医・介護支援専門員へ報告し、報告日を記録する。訪問看護報告書へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、認知症等の診断や治療について述べるものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
息苦しさの訴えがあるとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訴えとその場の数値を並べる | 「さっきから息が吸いにくい」 | 訴えのあった時刻を記録。SpO2 92%(前回97%)、呼吸数26回/分、HR 98回/分、BP 138/84mmHg。起座位を好まれる。会話は短い文で可能。 | 訴えの時刻と、そのときの数値を同じ行にまとめて記録した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。受けた指示と実施内容を記録する。 |
| どんな動作で苦しくなるかを書く | 「トイレに行って戻ると苦しい」 | 室内歩行(約10m)の直後にSpO2 91%、呼吸数28回/分。安静2分後にSpO2 95%、呼吸数22回/分。歩行中の休息は1回。 | 動作の内容・距離と、その前後の数値・回復時間をセットで記録した。 | 次回も同じ動作で測定し、比較できるようにする。数値を主治医へ報告する。 |
| 呼吸音・咳嗽の有無を確認 | 「痰は出ないけど、ゼーゼーする」 | 両側で連続性の副雑音を聴取。喀痰の喀出なし。咳嗽は乾性で訪問中に5回。下腿浮腫は前回と同程度。体温36.6℃。 | 聴取した部位と音の種類、咳嗽の性状と回数を記録した。 | 所見を主治医へ報告し、報告日時を記録する。次回も同じ部位で聴取する。 |
| 夜間の状況を確認 | 「夜、横になると苦しくて起きてしまう」 | ご家族の記録では、この1週間で夜間の起座が4回。就寝時の枕は2個使用(普段は1個)。1晩の連続した睡眠時間は3時間程度。 | 夜間の状況を、回数と寝具という確認できる事実で記録した。 | 状況を主治医へ報告し、報告日時を記録する。夜間の記録をご家族へ依頼する。 |
| 体位を整えた場面 | 「この姿勢のほうが楽だ」 | 上体を45度挙上したところ、5分後にSpO2 95%(挙上前92%)、呼吸数22回/分(挙上前26回/分)。ご本人より「さっきより楽」との発言。 | 実施した内容と、実施前後の数値・訴えの変化を時系列で記録した。 | 効果のあった体位を記録に残し、ご家族と共有する。次回も同じ体位での数値を記録する。 |
| 落ち着いた日を確認 | 「今日は息苦しさはないよ」 | 安静時SpO2 97%、呼吸数18回/分。室内歩行後もSpO2 95%。副雑音は聴取されず。夜間の起座はこの1週間でなし。枕は1個に戻っている。 | 回復を、数値と生活の事実(枕の数・起座の回数)の両方で記録した。 | 経過を主治医へ報告し、訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、呼吸に関する治療や酸素の使用を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
むくみが強くなったとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 部位と程度を具体的に書く | 「靴下の跡がくっきり残る」 | 両下腿に浮腫あり。圧痕は約10秒で戻る(前回は3秒程度)。左右差なし。足背まで及んでいる。下腿周囲径は右32cm・左32cm(前回とも30cm)。 | 浮腫を「あり」ではなく、圧痕の戻り時間と周囲径という数値で記録した。 | 主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。次回も同じ位置で周囲径を測定する。 |
| 体重の変化と併記 | 「体が重い感じがする」 | 体重は前回測定時から2.1kg増(測定日と測定条件を記録)。飲水量は普段どおりとご家族より聴取。尿量は減少傾向で、1日の排尿回数は3回(普段は5回)。 | 浮腫の記録に、体重と排尿回数という数値を併記した。 | 数値を主治医へ報告し、報告日時と指示内容を記録する。ご家族へ体重測定と排尿回数の記録を依頼する。 |
| 随伴する所見を確認 | 「息苦しくはないよ」 | SpO2 96%、呼吸数18回/分。呼吸音に副雑音なし。頸静脈の怒張なし。臥床時の咳嗽なし。下腿の皮膚に発赤・熱感なし。 | 確認してなかった所見まで記録に残した。 | 確認した所見をあわせて主治医へ報告する。次回も同じ項目を確認する。 |
| 皮膚の状態を確認 | 「かゆくて掻いてしまう」 | 下腿の皮膚に乾燥と鱗屑あり。掻破痕が3か所。表皮剥離は1か所(約1cm)。滲出液なし。浮腫による皮膚の緊満あり。 | 浮腫に伴う皮膚の状態を、部位と数で記録した。 | 所見を主治医へ報告し、実施した保護の内容を記録する。次回同部位を確認する。 |
| 生活動作への影響を書く | 「靴が履けなくなった」 | 普段の靴が履けず、サンダルを使用。歩行時のふらつきの訴えあり。立ち上がりに要する時間が普段より長い。屋外への外出はこの1週間でなし(普段は週2回)。 | 浮腫を、できなくなった生活行為という形で記録した。 | 状況を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。転倒への注意点をご家族へ伝える。 |
| 軽減を確認した日 | 「靴が履けるようになった」 | 圧痕は約3秒で戻る(前回10秒)。下腿周囲径は右30cm・左30cm(前回とも32cm)。体重は前回測定時から1.8kg減。排尿は1日5回。 | 軽減を、前回と同じ測り方の数値で記録した。 | 経過を主治医へ報告し、報告日時を記録する。訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、浮腫の原因や治療を判断するものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
服薬を断られたとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 断られた場面を事実で書く | 「今は飲みたくない。あとで飲む」 | 朝食後の内服をお勧めしたところ、上記の発言があり内服に至らず。訪問中に2回お勧めし、いずれも同様。薬包は食卓に置かれたまま。悪心・嚥下時の疼痛の訴えなし。 | 断られた事実と回数、そのときの発言をそのまま記録した。 | 状況を主治医・薬局へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時に薬包の状況を確認する。 |
| 残薬から実際の状況を確認 | 「ちゃんと飲んでいるつもりだよ」 | 薬カレンダーの残薬を確認したところ、この1週間で朝食後分が4回分残っていた。夕食後分の残りはなし。前回訪問時は残薬なし。 | 実施状況を自己申告ではなく、残薬という確認できる事実で記録した。 | 残薬数を主治医・薬局へ情報提供し、提供日を記録する。次回も同じ方法で確認する。 |
| 断る理由を聴取 | 「粒が大きくて、のどに引っかかる」 | ご本人より、錠剤の大きさに関する訴えあり。飲水と一緒であれば内服できた場面が訪問中に1回。嚥下時のむせ込みは確認されず。義歯の適合に問題なし。 | 断られる背景として聴取できた内容と、実際に内服できた場面を記録した。 | 聴取した内容を主治医・薬局へ情報提供し、提供日を記録する。 |
| 時間帯による違いを記録 | 「朝は起きたばかりで、飲む気になれない」 | ご家族の記録では、朝食後分の飲み忘れが週4回、夕食後分は週0回。朝の起床時刻は日によって2時間程度の幅がある。 | できていない時間帯を、回数で特定できる形で記録した。 | 時間帯の傾向を主治医・薬局へ情報提供する。次回も時間帯別に残薬を確認する。 |
| ご家族の関わりを確認 | 「私が言うと反発される」とご家族。 | ご家族が声かけを行う時間帯と方法を聴取。訪問中にご家族が声かけをした場面が1回あり、内服に至らなかった。ご家族は「無理強いはしていない」と説明。 | ご家族の関わりを、実際にあった場面として記録した。 | ご家族の困りごとを介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時に状況を確認する。 |
| 改善を確認した日 | 「一包化にしてもらってから飲みやすい」 | 薬剤の形態が変更された(変更日を記録)。この1週間の残薬はなし。ご本人が自分で薬カレンダーから取り出す場面を確認。飲水とともに内服できた。 | 変更の事実と、その後の残薬という結果を並べて記録した。 | 経過を主治医・薬局へ報告し、報告日を記録する。訪問看護報告書へ引用できるよう日付を残す。 |
※上記は記録の記載例であり、薬剤の変更や内服の指示を行うものではありません。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
ご家族の疲れが見えるとき|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| ご家族の言葉をそのまま残す | 「もう限界かもしれない」とご長女。 | 訪問中、ご長女より上記の発言。表情に疲労の様子。夜間の対応が1晩2〜3回あり、連続した睡眠時間は3時間程度とのこと。日中に休息をとる時間は確保できていない。 | ご家族の状態を、発言と睡眠時間という事実で記録した。 | 状況を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。主治医へも情報提供し、提供日を記録する。 |
| 介護の内容と時間を書く | 「一日中、目が離せない」とご家族。 | ご家族が行っている介護の内容を聴取し、記録(食事介助・体位変換・夜間の吸引・見守り)。夜間の対応時刻は22時・1時・4時頃。ご家族の外出はこの2週間で1回。 | 介護の負担を、内容・回数・時刻という形で記録した。 | 聴取内容を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。サービス担当者会議での共有を依頼する。 |
| ご家族の体調を確認 | 「私も血圧の薬を飲んでいるけれど、受診できていない」とご家族。 | ご家族自身の受診が3か月間できていないとのこと。訪問時、ご家族に疲労感の訴えあり。食事は1日2回、簡単なもので済ませているとの説明。 | ご本人の記録の中に、ご家族の状況を事実として記録した。 | 状況を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時にご家族の受診状況を確認する。 |
| 手技の負担を確認 | 「毎日の処置が、正直つらい」とご家族。 | 1日に行う処置の回数は3回、1回あたり約20分。手技は自立して行えている。実施の時間帯は朝・昼・夜。負担が大きいと感じる場面として夜間を挙げられた。 | 手技ができるかどうかとは別に、負担の大きさを回数・時間で記録した。 | 状況を主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。訪問の時間帯について相談する。 |
| ご家族が休めた場面を記録 | 「先週のショートステイの間は、久しぶりに眠れた」とご家族。 | 短期入所を利用した期間中、ご家族の連続した睡眠時間は6時間程度に回復したとのこと。利用後のご家族の表情は穏やか。利用前後でご本人の状態に大きな変化なし。 | 負担だけでなく、負担が軽くなった場面と、そのときの状況を記録した。 | 内容を介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。次回訪問時にご家族の睡眠状況を確認する。 |
| ご本人とご家族の希望が異なる場面 | ご本人「家にいたい」/ご長女「入院も考えたい」 | ご本人とご家族それぞれの発言を、発言者を明記して記録。話し合いの場に同席した日時と、参加された方を記録。結論は出ておらず、継続して話し合うことを確認した。 | どちらかにまとめず、双方の発言を発言者つきで記録した。 | 話し合いの経過を継続して記録する。主治医・介護支援専門員へ情報提供し、提供日を記録する。 |
※上記は記録の記載例です。ご家族に関する情報の記録・共有の範囲は、個人情報の取扱いに関する同意の内容と事業所の手順によります。様式は事業所により、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が編集・加工したもので、厚生労働省および自治体の公式見解ではありません。
記録書Ⅱと計画書・指示書・ケアプランを食い違わせない書き方(17例)
別添1の訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)には、確認観点が7つ並んでいます。
・居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか
・主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか
・サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか
・利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか
・目標の達成状況は記録されているか
・達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか
・訪問看護報告書は作成されているか
この7つのうち、後半の2つは計画書の様式を埋めるだけでは満たせません。「達成した」と書くための根拠が、日々の記録書Ⅱの側にないと、評価が言葉だけになります。実際に、訪問看護計画の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない、という指摘が公表されています(長野県)。訪問看護計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、提供を行う期間を記載していない、同意署名がない、という指摘もあります(神戸市)。
指示書についても、サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している、という指摘(東京都)や、指示書の有効期限が切れている・受領が遅い、という指摘(神戸市)が公表されています。これらは記録書Ⅱに1行あるかどうかで、あとから確認できるかどうかが変わります。
目標の達成状況を、記録書Ⅱの側に残す書き方|記録例8
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 短期目標の評価月の訪問(達成と記録する日) | 「手すりを使えば自分でトイレまで行ける」 | 短期目標「見守りのもとトイレまで歩行できる」について評価。訪問時、居室からトイレまで(約6m)を手すり使用で自立して移動。評価期間中の転倒は記録上なし。 | 目標文をそのまま引用し、達成と判断できる場面を距離・方法・回数で記録した。 | この記録を訪問看護報告書と次期計画の評価欄へ引用する。引用元の訪問日を計画書に記載する。 |
| 一部達成として記録する日 | 「昼間はできるけど、夜は不安で呼んでしまう」 | 短期目標「日中の移動を見守りで行える」について評価。日中の移動は見守りで可能(評価期間中の実施日数を記録)。夜間はご家族の介助を要する日が週4日。 | できている場面とできていない場面を分けて記録し、一部達成の根拠を残した。 | 次期計画では日中と夜間を分けた目標とすることを検討し、検討した経過を記録する。 |
| 未達成として記録する日 | 「思ったより痛みが引かなかった」 | 短期目標「疼痛がNRS 3以下で経過する」について評価。評価期間中のNRSは4〜7で推移(各訪問日の値を記録)。目標値以下となった訪問日はなし。 | 未達成の判断を、期間中の実測値の並びで示した。 | 達成状況を主治医へ報告し、報告日を記録する。次期計画の目標と内容の見直しについて、検討した経過を記録する。 |
| 毎回の訪問で目標の進み具合を1行残す | 「今日は前より長く座っていられた」 | 短期目標に関する本日の状況:端座位の保持時間は8分(前回6分、その前5分)。保持中のふらつきなし。 | 評価月にまとめて書くのではなく、毎回1行、同じ指標で残した。 | 次回も同じ指標(保持時間)で記録し、評価月にそのまま並べられるようにする。 |
| 目標を変更した日 | 「もう少し歩けるようになりたい」 | ご本人の希望を聴取。前期の達成状況(端座位10分保持が可能)を確認し、目標の変更について主治医へ相談した日時と内容を記録。 | 変更の根拠を、前期の達成状況とご本人の希望の両方で記録した。 | 新たな訪問看護計画の作成へつなげ、作成日を記録する。変更内容を介護支援専門員へ情報提供する。 |
| 新しい計画を説明・同意・交付した日 | 「内容は分かりました」とご本人。 | 新たな訪問看護計画書について、ご本人とご長女へ説明(説明日・説明者・同席者を記録)。同意を得て署名をいただき、計画書の写しを交付(交付日を記録)。 | 説明日・同意者・続柄・交付日の4点を、記録書Ⅱ側にも残した。 | 同意書と計画書の写しを保管する。交付した旨を訪問看護報告書にも記載する。 |
| ケアプランの目標と突き合わせた日 | ご本人より「デイでも同じことを言われた」との発言。 | 居宅サービス計画(第2表)の短期目標・サービス内容・頻度と、訪問看護計画の目標・内容・回数を突き合わせて確認(確認日を記録)。相違は確認されず。 | 突き合わせを行ったという事実と、確認した項目を記録した。 | 相違が生じた場合は介護支援専門員と調整し、調整の経過と結果を記録する。 |
| 評価の根拠になる数値を毎回同じ形で残す日 | 「調子はまあまあだよ」 | 評価に使う指標を毎回同じ順序で記録:体重62.4kg/下腿周囲径 右30cm・左30cm/端座位保持10分/NRS 2/1日の排便回数1回。 | 評価月に探し回らなくて済むよう、指標を固定して記録した。 | 次回も同じ順序で記録する。評価月にこの並びを訪問看護報告書へ転記する。 |
※上記は記録の記載例です。計画書・報告書の様式および評価の記載方法は事業所により異なり、確認の観点・取扱いは保険者(指定権者)により異なります。当社が厚生労働省および自治体の公表資料を参考に編集・加工したもので、これらの公式見解ではありません。
指示書・ケアプランとのつながりを記録に残す書き方|記録例9
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問看護指示書を受領した日 | 「先生から紙をもらってきた」とご家族。 | 訪問看護指示書を受領(交付日・受領日・指示期間・指示内容を記録)。指示内容と訪問看護計画書の内容を照合し、相違がないことを確認。 | 交付日と受領日を分けて記録し、照合を行った事実も残した。 | 指示期間の終期を一覧で管理し、終期の前に更新を依頼する。依頼した日を記録する。 |
| 指示期間の終わりが近い日 | ご家族より「次の紙はいつもらうのか」との質問。 | 指示期間の終期が◯月◯日であることを確認。更新の依頼を主治医へ行った日時と方法を記録。ご家族へ受診予定を確認した。 | 期限の管理を、記録書Ⅱの側にも日付として残した。 | 更新後の指示書を受領したら、受領日と新たな指示期間を記録する。 |
| 特別訪問看護指示書が交付された日 | 「しばらく毎日来てもらうと聞いた」 | 特別訪問看護指示書を受領(交付日・指示期間・指示内容を記録)。訪問回数の変更についてご本人・ご家族へ説明し、了解を得た。介護支援専門員へ連絡した日時を記録。 | 受領した事実と、それに伴う訪問予定の変更・連絡までを1件にまとめた。 | 指示期間の終期を記録に明記する。期間中の訪問実績を日付ごとに記録する。 |
| 指示内容が変わった日 | 「処置のやり方が変わったみたい」とご家族。 | 主治医より指示内容の変更を受領(変更日・変更前後の内容を記録)。本日より変更後の内容で実施。ご本人・ご家族へ変更内容を説明し、了解を得た。 | 変更前と変更後の両方を記録し、いつから変わったかが分かる形にした。 | 訪問看護計画書へ変更内容を反映し、反映日を記録する。変更後の計画について説明・同意・交付を行う。 |
| ケアプランが変更された日 | ご本人より「回数が増えると聞いた」との発言。 | 居宅サービス計画の変更版を受領(受領日を記録)。変更後の第2表のサービス内容・頻度と、訪問看護計画の内容・回数を突き合わせて確認。相違があった点を記録し、介護支援専門員へ連絡した日時を記録。 | 受領・突き合わせ・連絡の3つを、日付つきで記録した。 | 訪問看護計画を変更し、説明・同意・交付の日付を記録する。 |
| サービス担当者会議に出席した日 | ご本人より「みんなに来てもらって話した」との発言。 | サービス担当者会議に出席(開催日時・場所・出席者・当方の出席者名を記録)。訪問看護から報告した内容(心身の状況・処置の実施状況・課題)を記録。会議で確認された事項を記録。 | 出席した事実だけでなく、当方が述べた内容と決まったことを記録した。 | 会議の内容を訪問看護計画へ反映し、反映日を記録する。会議録の写しを保管する。 |
| 理学療法士等が訪問する旨を説明した日 | 「リハビリの人が来ると聞いています」 | 理学療法士等による訪問が、看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものであり、看護職員の代わりに訪問するものであることを説明(説明日・説明者・同席者を記録)。ご本人より同意を得た旨を記録に残した。 | 口頭での説明であっても、説明日・説明者・同意を得た旨を記録に残した。 | 看護職員による訪問での評価の実施予定を記録に明記する。実施したら実施日と評価内容を記録する。 |
| 予定していた訪問を中止した日 | ご家族より「今日は本人が受診で不在」との連絡。 | 訪問予定日・予定していたサービス内容・中止の連絡を受けた時刻と相手を記録。中止の理由を記録。実施したサービスはなし。 | 中止の事実を、実施しなかったサービス内容まで含めて記録した。 | 中止した日の請求の取扱いについて、実施状況を踏まえて確認する。取扱いは保険者(指定権者)によって異なるため、所在地の保険者の資料をご確認ください。 |
| 複数名で訪問した日 | ご本人はうなずきで応答。 | 看護師2名で訪問(訪問時刻・各担当者名を記録)。1名では困難であった具体的な事情(体位の保持を行いながら処置を実施する必要があった状況)を記録。訪問看護計画書にも同内容を記載していることを確認。 | 「2名で訪問した」ではなく、1名では困難であった事情の中身を記録した。 | 事情の記載が計画書と記録で一致しているかを確認する。加算の要件や記録の粒度は保険者(指定権者)により異なるため、所在地の保険者の資料をご確認ください。 |
※上記は記録の記載例であり、報酬の算定の可否を示すものではありません。要件の解釈・確認の観点・様式は保険者(指定権者)により異なります。複数名訪問加算の算定に必要とされる「事情」が明確にされていない、長時間訪問看護加算を算定しているがケアプラン上に位置付けられていない、という指摘は仙台市が公表しているものです。本表は当社が厚生労働省および自治体の公表資料を参考に編集・加工したもので、これらの公式見解ではありません。
月次の報告書に転記しやすい記録書Ⅱの書き方(14例)
訪問看護報告書は毎月まとめるものです。月末に1か月分の記録を読み返して療養状況を書き起こす作業は、日々の記録の書き方しだいで、かかる時間がまったく変わります。同じ月・同じ利用者の記録でも、こう書かれていると月末が楽になります。
- 指標を固定する。体重・周囲径・NRS・回数など、報告書に載せる数値を毎回同じ順序で書く。月末に探し回らなくて済みます。
- 「前回は◯◯だった」を書き添える。1回の記録の中に比較が入っていれば、月末に前後を並べる作業がいりません。
- 月に1回しか起きないこと(受診・入院・カンファレンス・指示書の更新)は、その日に必ず1行残す。月末に思い出せません。
- 連絡した相手・時刻・内容を、連絡したその日に書く。報告書の特記事項欄はここから作れます。
記録の時刻については、サービス提供の記録の開始・終了時間に、介護サービス計画に位置付けられた標準的な時間が記載されていた、という指摘が公表されています(横浜市)。サービス提供時間を居宅サービス計画に記載された時間のまま記録していた、という指摘もあります(和歌山市)。実際の時刻を書くことが、そのまま報告書と請求の整合につながります。サービス提供の記録の作成漏れや記入誤りのある事例(広島市)、記録内容と請求内容に齟齬がある事例(宇都宮市)も公表されています。
月初・月中・月末で書き分ける|記録例6
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 月の最初の訪問(その月の基準を置く) | 「先月と変わりないよ」 | 本月の基準値として記録:体重61.8kg/BP 128/76mmHg/SpO2 97%/下腿周囲径 右30cm・左30cm/NRS 2/1日の排便回数1回。前月末の値を併記(体重62.0kg、NRS 2)。 | その月の出発点を、報告書に載せる指標と同じ並びで記録した。 | 本月は毎回この6項目を同じ順序で記録する。月末にこの並びを比較する。 |
| 月の中ほどの訪問(変化を1行で残す) | 「少し楽になってきた」 | 6項目を記録:体重61.5kg/BP 124/74mmHg/SpO2 97%/周囲径 右30cm・左29cm/NRS 1/排便1日1回。月初と比べ、周囲径が左のみ1cm減、NRSが1低下。 | その日の値に、月初との差を1行添えた。 | 月末の報告書で使えるよう、差を記した行の日付を残す。 |
| 月の中ほどで一度だけ起きたこと | 「今月は一度、熱が出た」 | ◯月◯日に体温38.1℃を確認し、主治医へ連絡(時刻・相手・伝達内容を記録)。◯月◯日に解熱を確認。発熱があったのはこの1回のみ。 | 月に1回のできごとを、発生日と収束日をそろえて記録した。 | この2行を訪問看護報告書の病状の経過欄へ引用する。 |
| 月末の訪問(その月をまとめる) | 「今月は大きな崩れはなかったね」 | 本月のまとめとして記録:体重61.4kg(月初61.8kg)/NRS 1(月初2)/周囲径 右29cm・左29cm(月初とも30cm)/発熱1回(◯月◯日、解熱◯月◯日)/訪問実施回数8回/中止0回。 | 報告書に載せる項目を、月初との対比つきで1件にまとめた。 | この記録をそのまま訪問看護報告書へ転記する。転記した日を記録する。 |
| 月をまたぐ変化を引き継ぐ | 「来月には靴が履けるようになりたい」 | 前月から継続している課題(下腿浮腫)について、前月末の周囲径(右32cm・左32cm)と本月末の値(右29cm・左29cm)を併記。ご本人の希望を聴取して記録。 | 1か月では終わらない変化を、月をまたいで比較できる形で残した。 | 翌月も同じ位置で測定する。訪問看護計画の目標欄へ反映する。 |
| 訪問の実績を記録で確認する日 | ご家族より「今月は何回来てもらったのか」との質問。 | 本月の訪問日と各回の開始・終了時刻(実際の時刻)を一覧で確認。予定していたが中止となった日(◯月◯日、理由を記載)を含めて記録。実施回数と中止回数を記録した。 | 実施した日・しなかった日を、実際の時刻とともに確認できる形にした。 | 記録と請求内容を突き合わせてから請求を行う。取扱いは保険者(指定権者)により異なるため、所在地の保険者の資料をご確認ください。 |
※上記は記録の記載例です。報告書・記録書の様式は事業所により異なり、記載や確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。当社が厚生労働省および自治体の公表資料を参考に編集・加工したもので、これらの公式見解ではありません。
報告書の欄ごとに「その月の1行」を仕込む記録|記録例8
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 病状の経過欄へ転記する行 | 「痛みは前より軽い」 | 【経過】NRSは月初4→月中2→月末1で推移。発熱は◯月◯日の1回(38.1℃、◯月◯日に解熱)。血圧は120〜132/70〜80mmHgの範囲で推移。 | 月末に読み返さなくて済むよう、経過をその場で【経過】として1行にまとめた。 | この行を訪問看護報告書の病状の経過欄へ転記する。転記日を記録する。 |
| 看護の内容欄へ転記する行 | 「毎回、同じことをしてもらっている」 | 【看護内容】バイタル測定/褥瘡処置(洗浄・被覆)/服薬状況の確認/清拭/ご家族への手技指導。本月の実施回数はそれぞれ8回・8回・8回・4回・2回。 | 実施した看護内容を、回数つきで記録した。 | この行を訪問看護報告書の看護の内容欄へ転記する。訪問看護計画書の内容と一致しているかを確認する。 |
| 家庭での介護の状況欄へ転記する行 | 「夜中の対応が続いてつらい」とご家族。 | 【介護状況】主介護者はご長女。夜間の対応は1晩2〜3回。ご家族の連続した睡眠時間は3時間程度。短期入所を◯月◯日から2泊利用。利用後は睡眠時間が6時間程度に回復。 | ご家族の状況を、報告書の欄に合わせた形でその日のうちに整理した。 | この行を訪問看護報告書の該当欄へ転記する。介護支援専門員へも情報提供し、提供日を記録する。 |
| 衛生材料等の欄へ転記する行 | ご家族より「ガーゼが足りなくなりそう」との訴え。 | 【衛生材料】本月使用:滅菌ガーゼ(サイズ)1日1枚×30日/フィルム材 週1枚/洗浄用生理食塩水 1日100mL。月末残数を確認し記録。不足見込みを主治医へ連絡した日時を記録。 | 使用量を数で記録し、報告書の欄にそのまま載る形にした。 | この行を訪問看護報告書の該当欄へ転記する。必要量の見込みを主治医へ伝えた日を記録する。 |
| 特記すべき事項(受診・入院等)の欄へ転記する行 | 「今月は病院に2回行った」 | 【特記】◯月◯日 定期受診(同行なし、結果をご家族より聴取)。◯月◯日 臨時受診(発熱のため、内服内容の変更あり)。入院なし。 | 月に数回しかないできごとを、発生日つきでその日のうちに記録した。 | この行を訪問看護報告書の特記事項欄へ転記する。変更後の内容を訪問看護計画書へ反映する。 |
| 主治医への連絡・報告の記録 | ご家族より「先生に伝わっているのか心配」との発言。 | 【主治医連絡】◯月◯日14時05分 電話(発熱について報告、指示受領)。◯月◯日10時30分 電話(浮腫の増悪について報告、指示受領)。いずれも伝えた内容と受けた指示を記録済み。 | 連絡した回数と内容を、日付・時刻つきで一覧にした。 | この一覧を訪問看護報告書へ引用する。緊急時の連絡についても同じ形で記録する。 |
| 関係機関との情報共有の記録 | ご本人より「みんなで話してくれたのか」との発言。 | 【情報共有】◯月◯日 介護支援専門員へ電話(浮腫の状況と外出の減少を情報提供)。◯月◯日 サービス担当者会議に出席(出席者・当方の報告内容を記録)。◯月◯日 訪問看護報告書を主治医へ提出、居宅介護支援事業所へ提供(提出日・提供日を記録)。 | 誰に・いつ・何を伝えたかを、相手ごとに分けて記録した。 | 提出日・提供日を記録として保管する。次月も同じ形で記録する。 |
| 次月の課題として引き継ぐ行 | 「来月は外に出られるようになりたい」 | 【次月へ】下腿浮腫は軽減傾向だが、屋外への外出は本月0回(前月2回)。ご本人の希望は外出。短期目標の評価時期は◯月◯日。 | 次月に引き継ぐことを、数値とご本人の希望と評価予定日の3点で残した。 | 翌月の初回訪問でこの行を確認する。訪問看護計画の見直しの際に根拠として用いる。 |
※上記は記録の記載例です。訪問看護報告書の様式・記載欄は事業所および保険者(指定権者)により異なります。報告書の提出先・提出時期についても、主治医および居宅介護支援事業所との取り決めによります。当社が厚生労働省および自治体の公表資料を参考に編集・加工したもので、これらの公式見解ではありません。
出典:厚生労働省ウェブサイト「介護保険施設等運営指導マニュアル」別添1「確認項目及び確認文書」(訪問看護)、および各自治体が公表する運営指導・集団指導資料(松山市、宇都宮市、長野県、神戸市、東京都、静岡市、仙台市、千葉市、堺市、愛知県、横浜市、広島市、和歌山市)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。記載例は記録の書き方を示すものであって、診療・治療・介護報酬の算定について判断するものではありません。実際の取扱いは、指定を受けている保険者(指定権者)の公表資料および担当課の指示、ならびに主治医の指示をご確認ください。
記録書Ⅱ1回分の完成記入例|欄ごとの悪い例と良い例(8人分と12欄・78例)
ここからは、記録書Ⅱを1回の訪問ぶん、上の欄から順に埋めた記入例です。前掲の例文集はS・O・A・Pを1行ずつ並べた早見表でしたが、ここでは「その日の記録書Ⅱをそのまま清書するとこうなる」という形で、訪問時刻から次回訪問予定までを通して示します。
書き方の軸は1つだけです。記録書Ⅱは、次にその利用者さんのケアに入る職員が、訪問前の数十秒で読むものです。だから、いつもある症状を毎回同じ分量で並べるのではなく、変化・異常を先に、変化のない項目は1文にまとめ、A/Pの最後は「次回:」で締めます。長く書くほど、次に読む人は重要でない所見を重要だと受け取りやすくなります。
欄の名称と並びは、事業所の様式や記録ソフトによって異なります。下の欄名は多くの様式に置かれているものを便宜上まとめたもので、特定の様式を指すものではありません。記入例はすべて説明用に作った(例)であり、実在の利用者ではありません。数値・症状・処置内容は実際の観察結果に置き換えてください。
まず欄ごとの書き分け|12欄の悪い例と良い例
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) | 次に読む人が知りたいこと |
|---|---|---|---|
| 訪問日・訪問時刻 | 10:00〜11:00(予定どおり) | 9月14日(月)10:07〜10:58(到着が7分遅れ。実際に提供した時間を記載) | 予定ではなく実際の開始・終了時刻 |
| 訪問者の職種・氏名 | 看護師 | 看護師 訪問太郎(単独訪問) | 誰がどの職種として入ったか、単独か複数名か |
| バイタルサイン | バイタル異常なし | KT 36.6℃(腋窩)、BP 134/76(右上腕・座位)、P 78 整、R 18、SpO2 96%(室内気)。いずれも前回と同程度 | 数値そのものと、前回と比べてどうか |
| 本人・家族の訴え(S) | 特に訴えなし | 本人「朝はだるいけど、昼には動ける」。長女「夜中のトイレが2回に増えた」 | 誰が言ったか、発言のまま |
| 観察した状態(O) | 全身状態良好。様子観察 | 夜間排尿が前週の1回から2回に増加(長女記録)。下腿浮腫なし。体重は前回比±0kg。食事・睡眠その他は前回と著変なし | 変わったことが最初に、変わらないことは1文で |
| 実施した看護・リハビリの内容 | 看護ケア実施 | 内服確認(配薬カレンダー2日分の残薬なし)、足浴15分、下肢の皮膚観察、夜間排尿の記録方法を長女へ説明 | 何を、どれくらい、誰に対して行ったか |
| 療養上の指導・助言 | 生活指導を行った | 就寝2時間前以降の水分を控えめにする工夫について、本人・長女へ説明。長女が冷蔵庫に貼る用のメモを作成 | 指導した内容と、相手の受け止め方 |
| 評価(A) | 問題なし | 夜間排尿の増加以外に変化はみられない。睡眠への影響は本人の訴えからは目立たない | SとOを根拠にした看護としての見立て |
| 計画(P) | 経過観察 | 次回:①長女の夜間排尿記録を1週間分確認 ②体重・下腿浮腫を同条件で測定 ③日中の水分量を聴取 | 次の訪問で具体的に何をするか |
| 主治医・ケアマネへの連絡 | 連絡済み | 11:10 担当ケアマネジャーへ電話で夜間排尿の増加を共有。主治医への報告は次回の記録を踏まえて判断する旨を伝達 | いつ、誰に、何を伝え、どう返ってきたか |
| 特記事項・申し送り | 特になし | 玄関の鍵は長女不在時、キーボックス(番号は事業所内の管理表参照)。飼い犬がいるため訪問前に電話1本 | 別の職員が訪問しても困らない情報 |
| 次回訪問予定 | 来週 | 9月21日(月)10:00予定。長女は仕事のため不在、本人のみ対応 | 日時と、その日に誰がいるか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
慢性心不全・80代・独居の方の1回分(体重増加に気づいた日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 14:00〜15:00 | 14:03〜14:52(49分) |
| S | 「息苦しい」との訴えあり | 本人「3日前から靴がきつい。坂道で2回休んだ」。「夜は枕を2つにしている」 |
| O(重要な順) | BP 130/80、P 80、SpO2 95%、KT 36.4℃、体重増加あり、浮腫あり、食事摂取良好、排便あり、睡眠良好 | 体重 58.6kg(前回比+1.8kg・同じ体重計で朝食後)。両下腿に圧痕性浮腫、指で押した跡が約5秒残る(前回なし)。起座位を好む。SpO2 93%(室内気・前回96%)。BP 138/82、P 92 整、KT 36.4℃。食事・排便は前回と著変なし |
| 実施内容 | 観察、服薬確認 | 内服確認(利尿薬を含む配薬カレンダーは前回訪問以降すべて服用済み)、両下肢の皮膚観察と保湿、塩分を含む食品(漬物・インスタント麺)の摂取状況を聴取 |
| 指導 | 塩分に気をつけるよう指導 | 毎朝同じ時刻に体重を測りカレンダーに書くことを再説明。本人がカレンダーに今日の数値を記入できることを確認 |
| A/P | 心不全悪化。経過観察 | 体重増加・下腿浮腫・SpO2低下が同時にみられ、体液貯留の傾向がうかがえる。指示書に記載された体重増加の報告基準に達したため主治医へ報告した。次回:①体重・浮腫・SpO2を同条件で再測定 ②主治医指示による内服変更の有無を確認 ③夜間の呼吸の様子を聴取 |
| 連絡 | 主治医に報告 | 15:05 主治医(クリニック)へ電話報告。指示:明日も訪問して体重を確認し結果を連絡すること。15:15 ケアマネジャーへ訪問追加の可能性を共有 |
| 次回予定 | 明日 | 9月15日(火)14:00(主治医の指示による確認のための訪問) |
| 全体の字数感 | 項目を全部並べて600字超 | 変化のあった4点を先頭に、変わらない項目を1文にまとめて約380字 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
COPDで在宅酸素を使う70代の方の1回分(外出後に息切れが続いた日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 午前 | 10:15〜11:05(50分) |
| S | 息切れの訴えあり | 本人「昨日の通院のあと、ずっと胸が重い」。妻「痰が黄色っぽくなった」 |
| O(重要な順) | SpO2低め、痰あり、呼吸音異常 | 喀痰が黄色・粘稠で前回(白色)から変化。SpO2 90%(安静時・酸素2L/分 鼻カニューラ・処方どおりの流量)、前回同条件で94%。右下肺野で呼気時に副雑音を聴取。R 24、KT 37.3℃(腋窩)。BP 128/74、P 96 整。食事量・排便は前回と著変なし |
| 実施内容 | 吸入介助、排痰援助 | 口すぼめ呼吸の声かけをしながら座位で排痰援助、黄色痰を少量喀出。酸素濃縮器の流量表示が処方どおりであること、延長チューブの折れがないことを確認 |
| 指導 | 無理をしないよう指導 | 妻へ、痰の色が変わったら日付をメモしてもらうよう依頼。通院など外出の日は帰宅後に休む時間をとる工夫を本人と相談 |
| A/P | 増悪の可能性あり | 痰の性状変化、SpO2の低下、微熱が同時にみられる。指示書の報告基準に沿って主治医へ報告した。次回:①痰の色・量とSpO2(同じ流量・安静時)を確認 ②体温の推移を妻のメモで確認 ③主治医からの指示内容の実施状況を確認 |
| 連絡 | 医師へ連絡 | 11:12 主治医へ電話報告(痰の性状、SpO2、体温)。指示:本日午後に受診。妻が付き添い、ケアマネジャーへ11:20に受診予定を共有 |
| 酸素機器の記載 | 在宅酸素使用中 | 濃縮器は処方どおりの流量設定。携帯用ボンベの残量は妻が管理表で確認済み。機器業者への連絡は不要と本人・妻が判断 |
| 次回予定 | 後日 | 受診結果を妻から電話で受け、訪問日を再調整(仮予定 9月16日 10:00) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
インスリン自己注射を続ける糖尿病・独居の方の1回分(打ち忘れが見つかった日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 9時頃 | 8:58〜9:40(42分) |
| S | 本人は問題ないと話す | 本人「朝は打ったと思う。昨日の夜は覚えていない」 |
| O(重要な順) | 血糖高め、注射忘れあり | 自己注射記録ノートの昨夜分が空欄、注入器の残量表示からも昨夜分の未実施がうかがえる。血糖 238mg/dL(朝食前・9:05・自己測定器)、前回同条件で142mg/dL。低血糖を思わせる冷汗・手指のふるえはみられない。足趾の皮膚に傷なし。その他は前回と著変なし |
| 実施内容 | 注射の確認 | 朝の自己注射を本人が実施するところを見守り、単位数の設定を本人が読み上げて確認。注射部位(腹部)に硬結なし。記録ノートへの記入を本人と一緒に実施 |
| 指導 | 忘れないよう指導 | 夕食後に注射とノート記入をひと続きにする方法を提案。本人の希望で、ノートを食卓の箸立ての横に置くことにした |
| A/P | コンプライアンス不良 | 夜の注射が1回実施されなかった可能性が高く、朝食前血糖が前回より高い。記憶があいまいな発言が今回初めて聞かれた。次回:①ノートと注入器残量で夜間分の実施を確認 ②朝食前血糖を同条件で確認 ③物忘れの様子を、ケアマネジャーとも共有しながら観察 |
| 連絡 | 主治医・ケアマネに連絡 | 9:50 主治医へ打ち忘れと血糖値を報告。指示:単位数は変更なし、打ち忘れ時の対応は指示書記載のとおり。10:00 ケアマネジャーへ夕方の声かけ手段について相談を依頼 |
| 申し送り | 注意して見る | ノートは食卓の箸立て横。訪問時は最初にノートと注入器の残量を見る順番で |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
アルツハイマー型認知症・独居で服薬支援が中心の方の1回分
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 午後 | 13:30〜14:15(45分) |
| S | 「大丈夫」とのこと | 本人「薬はちゃんと飲んでる。昨日は娘が来た」(長女に確認したところ、来訪は3日前) |
| O(重要な順) | 認知症状あり。服薬できていない | 配薬カレンダーの昼分が3日分残っている(朝・夕は服用済み)。冷蔵庫に同じ総菜のパックが未開封で3つ。室温28℃でエアコン停止、本人は長袖を着用、口唇の乾燥あり。KT 36.9℃、BP 118/68、P 84 整。歩行・排泄は前回と著変なし |
| 実施内容 | 服薬介助、環境整備 | 昼分を見守りのもと服用。残った昼分3日分は処方の袋ごと別保管し長女に連絡。エアコンを本人の同意を得て冷房28℃で運転。コップ1杯(約200mL)の水分摂取を確認 |
| 指導 | 水分をとるよう説明 | 本人へ、テーブルのペットボトルを「午後3時までに半分」と目印の線を書いて説明。本人は線を指さして「ここまでね」と応答 |
| A/P | 認知機能低下が進行 | 昼の服薬が抜ける状態が続いており、室温管理と水分摂取にも見守りが必要な様子。次回:①昼分の残薬を確認 ②室温・エアコンの状態と口唇の乾燥を確認 ③長女・ケアマネジャーと昼の声かけ手段の検討結果を確認 |
| 連絡 | 家族へ連絡 | 14:25 長女へ電話で昼分の残薬と室温の状況を伝達。14:35 ケアマネジャーへ昼の見守り手段(訪問介護の時間帯など)について相談を依頼 |
| 表現の注意 | 徘徊・妄想あり | 「昨日は娘が来た」と話すが、長女に確認したところ来訪は3日前(本人の言葉と確認した事実を並べて記載) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
がん終末期・自宅で過ごすことを望む方の1回分(痛みの訴えが増えた日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 11時 | 11:02〜12:00(58分) |
| S | 疼痛の訴えあり | 本人「右の脇腹が夜になると痛い。薬を飲むと1時間くらいで楽になる」。妻「夜に2回、頓服を使った。このまま家で見られるか不安」 |
| O(重要な順) | 疼痛コントロール不良。ADL低下 | 右側腹部痛 NRS 6/10(安静時)、頓服使用後の本人評価 NRS 3。頓服使用は昨夜2回(妻の記録 22:10・3:40)、前回訪問までは夜0〜1回。トイレまでの歩行は妻の介助が必要になった(前回は伝い歩き)。食事は主食2口程度。BP 104/62、P 98 整、KT 36.8℃。仙骨部の皮膚は発赤なし |
| 実施内容 | 疼痛緩和ケア | 安楽な側臥位の工夫(右側にクッション)、全身清拭、口腔ケア。頓服の使用時刻・効果の記録用紙を妻と一緒に見直し、書きやすい様式に作り替えた |
| 家族への支援 | 家族の不安に傾聴 | 妻の「このまま家で見られるか不安」との発言を受け、夜間に連絡できる電話番号と、連絡してよい場面を妻と一緒に確認し電話機の横に貼った。妻は「これなら夜も電話できる」と話す |
| A/P | 終末期。経過観察 | 夜間の頓服使用回数が増え、移動の介助量が増えている。妻の介護への不安が言葉として出始めた。次回:①頓服の使用時刻・効果を記録用紙で確認 ②移動時の介助方法を妻と確認 ③本人・妻の療養の場に関する意向を改めて聴く |
| 連絡 | 医師へ報告済み | 12:10 主治医へ電話報告(夜間の頓服2回、NRSの推移、移動の変化)。指示内容を妻へ伝達。12:20 ケアマネジャーへ福祉用具(ポータブルトイレ)の相談を依頼 |
| 意向の記録 | 自宅希望 | 本人「最後まで家にいたい気持ちは変わらない」。妻「本人の希望はかなえたいが、夜が心配」。本人・妻の言葉として、日付とともに記載 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
仙骨部の褥瘡があり日中も臥床している方の1回分(創が縮小してきた日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 15:00〜 | 15:00〜15:55(55分) |
| S | 本人の訴えなし | 本人は発語少なく訴えの確認は困難。長女「おむつ交換のとき前ほど顔をしかめなくなった」 |
| O(重要な順) | 褥瘡改善傾向。処置実施 | 仙骨部の創 2.8cm×2.0cm(前回 3.4cm×2.6cm・同じ体位で計測)。創底は赤色の肉芽が増え、黄色の付着物は前回の半分程度。滲出液は少量でガーゼ1/4に淡黄色。創周囲の発赤なし、においなし。KT 36.5℃、BP 112/64、P 76 整。食事・排泄は前回と著変なし |
| 実施内容 | 処置実施 | 微温湯で創洗浄、主治医の指示どおりの外用薬とドレッシング材で保護。事業所で用いている褥瘡評価スケールで評価し、評価表に記載。体圧分散マットレスの設定を確認 |
| 指導 | 体位変換を指導 | 長女へ、日中の体位変換を2〜3時間ごとに行う際、背中にクッションを入れて30度程度傾ける方法を実演し、長女が1回実施できることを確認 |
| A/P | 改善している | 創のサイズと付着物は前回より縮小し、現在の処置と除圧で経過している。次回:①同じ体位で創サイズを計測 ②滲出液の量と性状を確認 ③長女が行う体位変換の実施状況を記録表で確認 |
| 写真の扱い | 写真あり | 創の写真を事業所の定める方法で撮影・保存(撮影時は定規を創の横に置き、前回と同じ向き) |
| 連絡 | 特になし | 次回の月次報告で主治医へ創サイズの推移を報告予定。臨時の報告は要さない状態であることを本日の記録として残す |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
人工肛門(ストーマ)を造設して退院後2週目の方の1回分
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 10時から1時間 | 10:00〜10:52(52分) |
| S | 装具の不安あり | 本人「夜中に一度もれて、シーツを替えた。自分で貼るとしわが寄る」 |
| O(重要な順) | ストーマ周囲皮膚トラブルあり | ストーマ周囲の皮膚、4時〜6時方向(時計の文字盤に見立てた位置)に1.5cm幅の発赤、びらんなし。面板の同じ部位に便の潜り込みの跡。ストーマは赤色で浮腫なし、サイズは前回と同程度。排便は泥状で1日3回(本人の記録)。KT 36.4℃、BP 126/72、P 72 整。食事・睡眠は前回と著変なし |
| 実施内容 | 装具交換 | 本人が面板を剥がし、皮膚洗浄を実施するところを見守り。発赤部を保護したうえで、本人がしわを伸ばしながら貼付する手順を一緒に実施。面板の穴のサイズを型紙で確認 |
| 指導 | 装具の貼り方を指導 | 貼る前にお腹のしわを伸ばすため、座位ではなく仰臥位で貼る方法を提案。本人が仰臥位で1回貼付でき、「これならしわが寄らない」と話す |
| A/P | 皮膚トラブル。様子を見る | 臥位で面板のしわが寄りやすく、4〜6時方向からの潜り込みで発赤が生じている様子。次回:①発赤の範囲を同じ方向の表記で確認 ②本人が仰臥位で貼付できているか交換日に確認 ③夜間の漏れの有無を聴取 |
| 連絡 | ストーマ外来へ連絡 | 発赤の状態を次回も確認し、範囲が広がる場合は主治医・退院した病院のストーマ外来へ相談する予定であることを本人と共有。本日は連絡なし |
| 物品の申し送り | 物品不足 | 面板の残りは6枚(交換間隔から約2週間分)。本人が次回受診時に購入予定 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
統合失調症で精神科訪問看護を利用している方の1回分(生活リズムが崩れた日)
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 訪問時刻 | 夕方 | 16:30〜17:05(35分) |
| S | 「眠れない」と訴える | 本人「隣の部屋の音が気になって、3日くらい朝まで起きていた。薬は飲んでいる」 |
| O(重要な順) | 不眠あり。精神状態不安定 | 前回訪問時は片付いていた台所に食器が3日分程度たまっている。会話中に視線が窓の方へ何度か向き、「今も音がする」と話すが、看護師には音は聞こえない。服薬カレンダーは就寝前分も含め前回以降すべて空。入浴は4日していないと本人。表情は前回より硬く、声が小さい。BP 120/74、P 88 整 |
| 実施内容 | 傾聴、服薬確認 | 本人の話を聴きながら、眠れなかった日の過ごし方を一緒に振り返った。服薬カレンダーの空き具合を本人と確認。台所の片付けを本人と一緒に10分実施 |
| 本人と決めたこと | 生活リズムを整えるよう指導 | 本人の提案で「明日は昼までに一度カーテンを開ける」ことを目標にし、本人がカレンダーに丸を書いた |
| A/P | 症状悪化の可能性 | 睡眠がとれていない日が続き、音への訴えと生活行為の低下が前回より目立つ。服薬は継続できている。次回:①睡眠と「音」についての本人の話を聴く ②カーテンを開ける目標の実施を本人と振り返る ③主治医からの指示の有無を確認 |
| 連絡 | 主治医に報告 | 17:20 主治医の病院の担当看護師へ電話で、不眠が3日続いていること、音の訴え、生活行為の変化を報告。指示:次回外来(9月18日)までの訪問で様子を確認し、変化があれば連絡 |
| 表現の注意 | 幻聴あり、被害妄想 | 本人「今も音がする」と話すが、看護師には音は聞こえない(本人の言葉と、看護師が確認した事実を分けて記載) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
バイタル・観察値の書き方|表記・前回比較・報告の記録(3表・40行)
「36度5分はどう書くのか」「体温の書き方」といった、数値の表記そのものを確かめる検索も実際にあります。記録書Ⅱの数値は、次に読む人が前回と比べられる形で書くことが大切です。体温は「36度5分」ではなく「36.5℃」と小数で書き、測った部位や条件を添えると、別の職員が同じ条件で測り直せます。
なお、何を「報告すべき値」とするかは、主治医の訪問看護指示書と事業所の取り決めに従います。この記事では報告の基準となる数値を示しません。記録には「どの基準に照らして、誰に、いつ伝えたか」を残す書き方を紹介します。
項目別の表記|16項目の悪い例と良い例
| 項目 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える表記) | 書き添えると読み違えない情報 |
|---|---|---|---|
| 体温 | 36度5分/熱なし | KT 36.5℃(腋窩・10:05) | 測定部位(腋窩・耳・口腔)と時刻。前回と部位が違うときはその旨 |
| 血圧 | 血圧普通/BP安定 | BP 132/78(右上腕・座位・到着後5分安静)、前回 128/80 | 左右・体位・安静の有無。自宅血圧計の値なら「本人測定」と明記 |
| 脈拍 | 脈OK | P 76 整(橈骨動脈で1分間) | 整・不整、測定時間。不整なら「不整あり、1分間で76」 |
| 呼吸 | 呼吸状態良好 | R 18(1分間)、呼吸音は両肺とも清明、努力呼吸なし | 回数・呼吸音・呼吸のしかた(肩で息をするなど) |
| SpO2 | SpO2 95 | SpO2 95%(室内気・安静時) | 室内気か酸素投与中か、流量、安静時か労作後か |
| 体重 | 体重変わらず | 体重 52.4kg(本人宅の体重計・朝食後・衣服あり)、前回比−0.3kg | 同じ体重計・同じ時間帯・衣服の条件 |
| 浮腫 | むくみあり | 両下腿前面に圧痕性浮腫、押した跡が約5秒で戻る。前回は足背のみ | 部位・左右差・圧痕の戻り方・範囲の変化 |
| 血糖 | 血糖高い | 血糖 186mg/dL(昼食後2時間・13:10・本人の測定器) | 食事との時間関係・測定時刻・誰の機器か |
| 痛み | 痛み強い | 腰部痛 NRS 5/10(体動時)、安静時 NRS 2 | 評価スケール・部位・安静時か体動時か |
| 意識・反応 | ぼんやり | 呼びかけで開眼し、名前・日付を答えられるが、今いる場所は「病院」と答える(前回は自宅と回答) | 何を聞いてどう答えたか。事業所でスケールを用いていればその評価も |
| 皮膚・創 | 褥瘡小さくなった | 仙骨部 2.8cm×2.0cm(長径×短径・側臥位で計測)、前回 3.4cm×2.6cm | 計測方法・体位・事業所で用いる評価スケールの評価 |
| 食事 | 食事良好 | 昼食は主食7割・副食5割(長女聴取)、前回は主食5割 | 主食・副食を分けて割合、誰から聞いたか |
| 水分 | 水分摂取できている | 9時〜訪問時(14時)までに約500mL(500mLペットボトル1本が空) | 時間帯と量、確認の方法 |
| 排便 | 便通あり | 最終排便 9月13日(昨日)、普通便・中等量(本人申告) | 最終排便日・性状・量・誰の申告か |
| 排尿 | 尿量問題なし | 日中5回・夜間2回(長女の記録)、尿の色は淡黄色でにごりなし | 回数(日中・夜間)・性状、カテーテルなら尿量と色 |
| 服薬 | 内服できている | 配薬カレンダーで前回訪問以降の朝・夕分は空、昼分が1回分残る(9月12日昼) | どの時点の何が残っているか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
前回と比べる書き方|12場面の悪い例と良い例
| 場面 | 悪い例 | 良い例(前回との比較が読める完成文) |
|---|---|---|
| 血圧が普段より高い | 血圧高値 | BP 158/88(右上腕・座位・安静5分後)。直近3回は130台/70台で推移していた |
| 血圧が普段より低い | 血圧低め、ふらつきあり | BP 96/58(座位)、直近3回は110台/60台。立ち上がり時に本人「くらっとする」と話し、壁に手をつく |
| 微熱が続く | 微熱続く | KT 37.4℃(腋窩)。長女の記録では9月11日から朝37.2〜37.5℃で3日続いている |
| SpO2が下がった | SpO2低下 | SpO2 92%(室内気・安静時)、前回94%、前々回95%と訪問ごとに低下 |
| 体重が減った | やせてきた | 体重 41.8kg(同じ体重計・朝食前)、1か月前の訪問時 43.6kg |
| むくみが引いた | 浮腫改善 | 足背のみに圧痕性浮腫が残る。前回は下腿前面まで |
| 痛みが和らいだ | 痛みなくなった | 腰部痛 NRS 2/10(体動時)、前回は同条件で NRS 5 |
| 食事量が戻った | 食欲回復 | 主食6割・副食5割(前回3割・2割)。長女「おかゆをおかわりした日があった」 |
| 尿の色が変わった | 尿混濁あり | カテーテルの採尿バッグ内の尿が濃い黄色で浮遊物あり、前回は淡黄色で浮遊物なし |
| 睡眠が変わった | 不眠 | 本人「2時に目が覚めてそのまま朝まで起きている」、前回は「朝まで眠れる」と話していた |
| 歩行が変わった | ADL低下 | トイレまで壁の手すりを伝い歩き、途中で1回休む。前回は休まずに往復できていた |
| 測定条件が前回と違う | BP 142/80 | BP 142/80(本日は到着直後で安静前・左上腕。前回は安静5分後・右上腕のため単純比較できない) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
報告の基準を記録に残す書き方|12場面(基準の出どころを書く)
「主治医に報告した」とだけ書くと、次に読む人はなぜ報告したのか、何を指示されたのかが分かりません。基準の数値そのものは指示書と事業所の取り決めに従い、記録には基準の出どころ・報告の時刻と相手・返ってきた指示を残します。
| 場面 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 指示書の報告基準に達した | 血圧高いためDrに報告 | 指示書に記載された血圧の報告基準を上回ったため、10:40 主治医(クリニック)へ電話報告。指示:夕方に本人が再測定し、同程度なら翌朝クリニックへ電話 |
| 基準には達していないが気になる | 様子見 | 指示書の報告基準には達していないが、3回連続で上昇しているため、次回の月次報告を待たず11:00 主治医へ情報提供。指示:経過を記録し次回受診時に持参 |
| 事業所の取り決めで管理者に相談 | 上司に相談 | 事業所の緊急時対応手順に沿って、11:15 管理者へ電話で相談。管理者の判断で主治医へ報告することとし、11:25 報告 |
| 電話がつながらない | 医師不在 | 11:30 主治医のクリニックへ電話したが休診。指示書に記載された連絡先(病院の代表番号)へ11:35 電話し、当直医へ状況を伝達。指示:本日中の受診は不要、明朝に主治医へ再連絡 |
| 家族から連絡を受けた | 家族より連絡あり | 19:20 長女より電話「夕方から37.8℃」。事業所の緊急時対応手順に沿って担当看護師が内容を聴取し、19:35 主治医へ報告 |
| 指示を受けて実施した | 指示どおり実施 | 主治医の指示(9月14日 10:40 電話)に基づき、翌朝の体重を本人に測定してもらい、9:05 電話で 58.2kg と聴取。指示どおり主治医へ9:15 報告 |
| 報告の結果、訪問を追加した | 臨時訪問 | 主治医の指示(9月14日 15:05 電話)により、9月15日 14:00 に状態確認のため訪問。ケアマネジャーへ9月14日 15:15 に共有済み |
| ケアマネジャーへの共有 | CMに連絡 | 14:40 担当ケアマネジャーへ電話で、トイレ移動に介助が必要になったことを共有。ケアマネジャーより「福祉用具の相談員に今週中に連絡する」と返答 |
| 報告を見送った | 報告不要 | SpO2 94%(安静時)は指示書の報告基準の範囲内であり、前回と同程度のため本日は臨時の報告なし。次回の月次報告に推移を記載する |
| 文書で報告した | FAX送付 | 9月14日 16:00 主治医へ、創サイズの推移(写真2枚を含む)を事業所の定める方法で送付。受領の確認を9月15日に電話で行う予定 |
| 救急要請に立ち会った | 救急搬送 | 10:22 呼びかけへの反応が乏しいことを確認し、10:24 長女が救急要請。10:25 主治医へ電話報告。10:36 救急隊到着、服薬内容と直近のバイタルを伝達。10:48 長女同乗で搬送 |
| 多職種へ同時に共有した | 関係者に連絡 | 15:30 ケアマネジャー、15:40 訪問介護のサービス提供責任者へ、それぞれ電話で「夜間の頓服使用が増えている」ことを共有(主治医へは15:10 報告済み) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
「変化なし」を1文にまとめ、A/Pを「次回:」で締める型(3表・32例)
記録書Ⅱで最も読み飛ばされるのは、毎回同じ内容が同じ分量で並んでいる観察欄です。いつもある症状を毎回くわしく書くと、その日に本当に変わったことが埋もれます。一方で「特変なし」「著変なし」だけでは、何を見て変化がないと言っているのかが残りません。
そこで、変化のない項目は「何を見たか」を並べた1文にまとめ、観察欄の最後に置きます。前回の記録に無い所見は、軽微でも省かずに書きます。全体の分量は、次に読む人が数十秒で状況をつかめる程度が目安です(当社の記録アプリでは300〜500字程度を目安にしています)。削るのは分量であって、事実ではありません。
観察の領域別|「変化なし」を1文で書く型(12例)
| 観察の領域 | 悪い例 | 1文の型(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| バイタル全般 | バイタル著変なし | KT・BP・P・SpO2はいずれも直近3回と同程度(KT 36.4℃、BP 126/74、P 72 整、SpO2 97%) |
| 呼吸 | 呼吸状態変わらず | 呼吸音は両肺とも前回同様に清明、痰の喀出なし、会話中の息切れなし |
| 循環・むくみ | 浮腫なし | 体重は前回比±0.2kg以内、足背・下腿とも圧痕性浮腫なし(前回と同じ) |
| 皮膚 | 皮膚トラブルなし | 仙骨部・踵部・大転子部の3か所とも発赤なし(前回と同じ部位を確認) |
| 食事・水分 | 食事摂取良好 | 食事は主食・副食とも8割前後、水分は1日1,000mL程度と長女聴取で、前回と同程度 |
| 排泄 | 排泄問題なし | 排尿は日中5回・夜間1回、最終排便は昨日で、いずれも普段の回数と同じ(本人申告) |
| 睡眠 | 睡眠良好 | 本人「夜は2回トイレに起きるが、また眠れる」と、前回と同じ内容を話す |
| 服薬 | 内服できている | 配薬カレンダーで前回訪問以降の全回分が空になっていることを本人と確認 |
| 移動・ADL | ADL変化なし | 室内は伝い歩きでトイレまで往復でき、前回と同じ介助量(見守りのみ) |
| 認知・精神面 | 精神状態安定 | 会話のやりとり、日付の受け答え、表情は前回と同様。本人から新たな不安の訴えなし |
| 医療機器 | 機器トラブルなし | 酸素濃縮器の流量は処方どおり、チューブの折れ・破損なし(前回と同じ設定) |
| 家族・介護状況 | 家族協力あり | 長女の介護時間・体調に関する発言は前回と変わらず、「今のペースなら続けられる」と話す |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
時系列の観察欄を「重要な順」に並べ替える(8例)
| 悪い例(訪問した順に書いている) | 良い例(変化・異常 → 処置と反応 → 変化なしのまとめ) |
|---|---|
| 訪問時、本人は居間でテレビを見ていた。バイタル測定、BP 124/72、P 80、KT 36.5℃。その後清拭。清拭時、右踵に発赤2cmを発見。 | 右踵に発赤 2cm×1.5cm、指で押しても消えない(前回なし)。除圧のためクッションで踵を浮かせ、長女へ方法を説明。バイタル(BP 124/72、P 80 整、KT 36.5℃)、食事・排泄は前回と著変なし |
| 到着時、妻が出迎え。本人はベッドで臥床。体温測定37.6℃。食事は半分くらいと妻。痰が多いとのことで吸引した。 | KT 37.6℃(腋窩・前回36.5℃)、痰が増え黄色で粘稠(前回は白色少量)。口腔内吸引で中等量を除去し、吸引後の呼吸音で右下肺の副雑音が減少。食事は主食5割(妻聴取・前回8割) |
| 訪問時、居室は整頓されていた。血圧は110/70。内服確認をしたところ、昼分が2日分残っていた。 | 配薬カレンダーの昼分が2日分残る(前回訪問時は残薬なし)。BP 110/70、居室の整頓・食事・排泄は前回と同様 |
| 玄関で本人と会話。「最近足がつる」。バイタル測定後、足浴を実施した。足浴時に左足の爪の周りが赤いのに気づいた。 | 左第1趾の爪の周囲に発赤と軽い腫れ(前回なし)、本人は痛みなしと話す。足浴後に観察し、写真を保存。「最近足がつる」との訴えあり(夜間に週2回程度)。バイタルは前回と同程度 |
| 訪問時、利用者は機嫌よく迎えてくれた。いつものように会話し、服薬を確認。トイレ誘導時に失禁があった。 | 日中の尿失禁が今回初めてみられた(トイレ誘導の途中で下着が濡れる)。本人は「間に合わなかった」と話す。服薬・会話の様子は前回と同様 |
| 到着後、ご家族と世間話。本人はリクライニングで座位。SpO2測定、93%。前回は96%だった。 | SpO2 93%(室内気・座位)、前回96%。会話中に息継ぎが増えている。その他の観察は前回と著変なし |
| リハビリの前にバイタル測定。問題なし。歩行訓練を実施。歩行中に2回ふらついた。 | 屋内の歩行練習中、方向転換の際に2回ふらつき、壁に手をついて立て直した(前回は0回)。練習を中断し、椅子で休憩後にBP 118/70、P 84 整を確認。休憩後はふらつきなく歩行 |
| 訪問すると、本人は寝ていた。起こしてバイタル測定。食事や排泄について聞いたが特に変わりなし。 | 日中の臥床時間が増えている(長女「最近は昼もほとんど寝ている」)。声かけで覚醒し会話は可能。バイタル・食事・排泄は前回と著変なし |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
A/Pを「次回:①②③」で締める(12例)
次にケアに入る職員がいちばん助かるのは、「次の訪問で何をすればよいか」が書いてあることです。「経過観察」「継続」で終えず、次の訪問で行う確認や援助を番号つきで並べます。
| 場面 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 状態が安定している | 状態安定。現状維持 | 変化はみられず、現在の援助で経過している。次回:①体重と下腿浮腫を同条件で確認 ②配薬カレンダーの残薬を確認 ③本人の困りごとを聴取 |
| 新しい皮膚所見 | 発赤あり。経過観察 | 右踵に新たな発赤があり、除圧の方法を長女と共有した。次回:①発赤の大きさと消退の有無を確認 ②クッションの使用状況を長女に確認 ③踵以外の骨突出部を観察 |
| 服薬が抜けている | 服薬指導継続 | 昼分の服薬が抜ける日が続いている。次回:①昼分の残薬を確認 ②ケアマネジャーと検討中の昼の声かけ手段を確認 ③飲み忘れた日の本人の過ごし方を聴取 |
| 痛みの増強 | 疼痛管理 | 夜間の頓服使用が増えている。次回:①頓服の使用時刻と効果を記録用紙で確認 ②主治医の指示変更の有無を確認 ③痛みで妨げられている動作を本人に聴く |
| 食事量の低下 | 食事摂取を促す | 主食の摂取が前回の半分程度に減っている。次回:①3日間の食事量を長女のメモで確認 ②口腔内の状態と義歯の合い具合を観察 ③体重を同条件で測定 |
| 家族の疲れ | 家族支援 | 長女の睡眠時間が短くなっているとの発言がある。次回:①長女の体調と睡眠を聴取 ②ケアマネジャーへ相談したショートステイの検討状況を確認 ③夜間の介護内容を具体的に聴く |
| 医療機器の管理 | カテーテル管理継続 | 尿の性状に変化があり主治医へ報告した。次回:①尿の色・浮遊物の有無を確認 ②KTを測定 ③主治医の指示による対応の実施状況を確認 |
| 転倒後 | 転倒に注意 | 夜間にトイレへ向かう途中で転倒したと本人から聴取、打撲部位に腫れはない。次回:①左肘の皮膚の色と痛みを確認 ②夜間の足元灯の設置状況を確認 ③トイレまでの動線を本人と歩いて確認 |
| 退院直後 | 在宅生活に慣れるよう支援 | 退院後3日目で、病院で行っていた処置を長女が引き継いでいる。次回:①長女が処置を行う場面を見守る ②退院時の指示内容との違いを確認 ③長女の不安な点を聴取 |
| 精神科訪問看護 | 精神状態の観察継続 | 睡眠がとれない日が続き、本人と「昼までにカーテンを開ける」目標を決めた。次回:①目標の実施を本人と振り返る ②睡眠の様子を聴く ③服薬カレンダーの状況を本人と確認 |
| 看取り期 | ターミナルケア継続 | 意識のある時間が短くなり、妻の付き添い時間が増えている。次回:①呼吸の様子と口腔内の乾燥を観察 ②妻の休息の状況を聴取 ③本人・妻の意向に変化がないか確認 |
| リハビリ職の訪問 | 歩行訓練継続 | 方向転換時のふらつきが2回あった。次回:①方向転換の練習を手すりのある場所で実施 ②ふらつきの回数を記録 ③看護職員へ本日のふらつきの状況を共有した内容を確認 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
職種・訪問の種類別|リハビリ職・緊急時訪問・特別指示期間・精神科・看取りの日(5表・44例)
同じ記録書Ⅱでも、誰が訪問したか、どんな事情の訪問だったかによって、残しておくべき事実が変わります。ここでは記入の場面を5つに分け、それぞれで抜けやすい記載を悪い例と良い例で示します。加算や療養費の要件そのものは、告示・通知と保険者(指定権者)の取り扱いに従います。この節の表は「記録にどう残すか」の例であり、要件を満たすかどうかを示すものではありません。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が書く記録書Ⅱ(10例)
静岡市の集団指導資料には、理学療法士等による訪問看護について「看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない」という指摘が掲載され、口頭の場合には同意を得た旨を記録等に残すよう示されています。また愛知県の「主な指摘事項(令和7年度版)」には、作業療法士による訪問看護を利用している方について、定期的に看護職員の訪問による評価を実施する必要があること(「概ね3ヶ月に一度」)への留意が示されています。リハビリ職の記録書Ⅱでは、訓練の中身だけでなく、看護職員との情報共有も残します。
| 場面 | 悪い例 | 良い例(リハビリ職の主語の完成文) |
|---|---|---|
| 訓練内容(理学療法士) | 歩行訓練、筋トレ | 理学療法士が屋内歩行練習を実施。居間からトイレまで(約8m)を4往復、手すりと壁の伝いで見守り。往復ごとに椅子で1分休憩 |
| 訓練の反応 | 訓練意欲あり | 本人「トイレまでなら1人で行けそう」。4往復目に歩幅が小さくなり、方向転換で1回ふらつき(壁に手をついて立て直す) |
| 訓練内容(作業療法士) | ADL訓練 | 作業療法士が台所での調理動作を確認。立位で湯を沸かし、やかんを持ってテーブルまで運ぶ一連の動作を2回実施。2回目はやかんを置く際に体が前へ傾いたため、ワゴンの使用を提案 |
| 訓練内容(言語聴覚士) | 嚥下訓練 | 言語聴覚士が昼食場面で嚥下の様子を確認。とろみ付きのお茶を小さじで5口、むせ1回(3口目)。食後に声の変化なし。長女へスプーンの一口量を実演し、長女が同じ量ですくえることを確認 |
| 訓練前後のバイタル | バイタル問題なし | 訓練前 BP 124/70、P 76 整、SpO2 97%(室内気)。訓練後 BP 132/74、P 92 整、SpO2 95%。休憩3分後に P 80 |
| 訓練の中止・短縮 | 体調不良のため中止 | 本人「今日は膝が痛い」(右膝 NRS 4)。予定の歩行練習は2往復で終了し、座位での下肢の運動に切り替え。痛みの状況を同日看護職員へ共有 |
| 予定していた訓練を行わなかった日 | 本人拒否 | 本人の申し出(「頭が重いので今日は休みたい」)により、予定していた歩行練習・下肢の運動はいずれも実施せず。BP 128/76、P 78 整を測定し、本人・長女と次回の日程を確認して退室(実施した内容と実施しなかった内容を分けて記載) |
| 看護職員との情報共有 | 看護師に報告 | 9月14日 16:00 事業所内のカンファレンスで担当看護師へ、方向転換時のふらつきが2回あったこと、右膝痛の訴えを共有。看護師より次回の看護訪問で膝の腫れを確認するとの返答 |
| 同意に関する記録 | 説明済み | 利用開始時(9月1日)、理学療法士の訪問が看護職員の代わりに訪問するものであること等を本人・長女に説明し、口頭で同意を得た。説明者:管理者、同席:理学療法士(同意の取り方は事業所の定める方法による) |
| 看護職員による定期的な評価の日 | 看護師同行 | 看護職員が訪問し、訓練の実施状況と全身状態を評価。評価の内容(歩行時の息切れなし、右膝の腫れなし、服薬は自己管理できている)を記載し、訪問看護計画の見直し検討へつなげる |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
緊急時訪問の記録書Ⅱ|要請から帰所まで(9例)
仙台市の集団指導資料には、緊急時訪問看護加算を算定している月の1回目の緊急時訪問に早朝・夜間・深夜の加算を併せて算定していた事例が掲載されており、静岡市・新潟市の資料にも同趣旨の指摘が記載されています。こうした確認は、要請の時刻・訪問の時刻・その月の何回目の緊急時訪問かが記録から読めることが前提です。
| 記録する事項 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 要請を受けた時刻と相手 | 夜間に家族から電話 | 9月14日 22:48 長女より事業所の緊急連絡用携帯へ電話。受けた職員:看護師 訪問花子 |
| 要請の内容 | 具合が悪いとの連絡 | 長女「父が30分前から肩で息をしていて、呼びかけると返事はするが声が小さい」 |
| 電話での助言と判断の経過 | 訪問することにした | 電話で体温・呼吸の様子を聴取(KT 38.1℃、長女の測定)。事業所の緊急時対応手順に沿って訪問することとし、22:55 長女へ到着予定を伝達 |
| 到着・退室時刻 | 夜間訪問 | 23:20 到着、0:15 退室(55分) |
| その月の緊急時訪問の回数 | (記載なし) | 9月の緊急時訪問は本件が1回目(事業所の緊急時訪問管理表と照合) |
| 到着時の観察 | 状態悪い | R 28、肩呼吸あり。SpO2 89%(室内気)、KT 38.2℃、BP 146/88、P 112 整。呼びかけで開眼し名前を答える。右下肺で副雑音を聴取 |
| 実施した内容 | 対応した | 上体を起こした姿勢に調整、口腔内の痰を吸引し少量除去。23:30 主治医(在宅療養支援診療所)へ電話報告 |
| 主治医の指示と結果 | Drの指示に従った | 主治医の指示:救急要請。23:35 長女が救急要請、23:48 救急隊到着、服薬内容・直近のバイタル・経過を伝達。0:05 長女同乗で搬送 |
| 翌日への申し送り | 搬送された | 翌朝、長女へ電話で搬送先での状況を確認する。ケアマネジャーへは9月15日 9:00に報告予定。定期訪問(9月15日 10:00)は長女と相談のうえ調整 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
特別訪問看護指示書の期間中の記録書Ⅱ(8例)
特別訪問看護指示書の期間中は、通常と訪問の頻度や内容が変わる理由が記録から読めるようにします。期間の始まりと終わりは、交付された指示書に記載されたとおりに書き写します(下の日付は記入の形を示すための例です)。東京都の運営指導の指摘事項には、訪問内容が指示書と相違している例が挙げられています。
| 記録する事項 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 指示書の期間 | 特別指示中 | 特別訪問看護指示書の指示期間:9月10日〜9月23日(指示書の記載のとおり。9月9日交付、主治医:クリニック院長) |
| 交付の理由(指示書の記載) | 状態悪化のため | 指示書の記載:「急性増悪(肺炎)のため頻回の訪問看護が必要」。指示書記載の文言をそのまま転記 |
| 指示の内容 | 点滴指示あり | 指示書に記載された点滴を実施(薬剤名・量・時間帯は指示書の記載と照合し、照合した職員名とともに記載) |
| その日の訪問が何回目か | 本日訪問 | 特別指示期間の3日目、本日2回目の訪問(1回目 9:00〜9:50) |
| 観察(重要な順) | 状態変わらず | KT 37.2℃(前日同時刻 38.0℃)、痰は黄色から淡黄色へ、量は減少。SpO2 94%(室内気・前日 91%)。点滴刺入部の腫れ・発赤なし。食事は水分中心で約300mL(午前中) |
| 主治医への報告 | 報告した | 16:30 主治医へ電話で、解熱傾向と痰の性状の変化を報告。指示:点滴は指示書どおり継続、明日の状態を報告すること |
| 期間の終わりに向けた記載 | 終了予定 | 指示書記載の終了日の翌日以降は、通常の訪問頻度(週2回)に戻る予定であることを本人・妻へ説明。終了前日の状態を主治医へ報告予定 |
| 期間中にケアマネジャーへ共有 | CM連絡済み | 9月10日 11:00 ケアマネジャーへ特別訪問看護指示書の交付と期間中の訪問予定を電話で共有。ケアマネジャーより通所介護の利用を期間中休止するとの返答 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
精神科訪問看護の記録書Ⅱ|本人の言葉と観察した事実を分ける(9例)
「看護記録 SOAP 具体例 精神科」という検索も実際にあります。精神科訪問看護は医療保険の訪問看護で、記載要領は通知で示されています。令和8年3月27日の通知「訪問看護計画書等の記載要領等について」(保医発0327第10号)では、精神科訪問看護に係る記録書Ⅱについて「月の初日の指定訪問看護時には、GAF尺度により判定した値を記入すること」とされています。取り扱いの細部は、管轄の地方厚生(支)局の資料もあわせてご確認ください。
| 場面 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 本人の訴え | 被害的な発言あり | 本人「近所の人が自分の悪口を言っている。昨日も窓の外で話していた」 |
| 観察した事実 | 妄想が強い | 話しながら何度か窓の外に目を向け、カーテンを閉める。看護師の訪問中、窓の外から人の話し声は聞こえなかった |
| 生活の様子 | 生活が乱れている | 流しに食器が3日分程度たまっている。冷蔵庫に弁当の空き容器が4つ。本人「食べてはいる、片付ける気が起きない」 |
| 服薬 | 拒薬傾向 | 服薬カレンダーの夕分が9月11日から3日分残る。本人「夕方の薬を飲むと眠くなって困る」 |
| 睡眠 | 不眠 | 本人「寝るのは明け方4時頃、起きるのは昼過ぎ」。前回訪問時は「0時に寝て8時に起きる」と話していた |
| 対人関係・社会生活 | 引きこもり傾向 | 9月は就労継続支援の事業所に一度も通所していない(本人談、先月は週3回)。本人「行くと疲れるから今は休みたい」 |
| GAFを記入する日 | 毎回同じ点数を転記 | 9月の本人への初回訪問のため、事業所の手順に沿ってGAF尺度で判定した値を記入(判定した職員:看護師 訪問太郎)。2回目以降の訪問での扱いは事業所の運用に従う |
| 本人と決めたこと | 生活指導を行った | 本人と相談し「夕方の薬は飲めた日にカレンダーに丸をつける」「困ったら事業所へ電話する」の2点を決め、本人が紙に書いて冷蔵庫に貼った |
| A/P | 精神症状悪化、経過観察 | 悪口が聞こえるとの訴えと、夕分の服薬が抜ける日が重なっている。睡眠時間帯も後ろにずれている。次回:①服薬カレンダーの丸を本人と確認 ②眠くなって困るという訴えを主治医へ伝えた結果を確認 ③通所の再開について本人の気持ちを聴く |
※上記は各自治体および国が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なり、医療保険の訪問看護の取り扱いは管轄の地方厚生(支)局の資料もご確認ください。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
看取りの日・亡くなられた日の記録書Ⅱ(8例)
千葉市の令和7年度の公表資料には、ターミナルケアの提供にあたって訪問看護記録書に記録すべき事項として、終末期の身体症状の変化とこれに対する看護、療養や死別に関する利用者・家族の精神的な状態の変化とこれに対するケアの経過、看取りを含めたターミナルケアの各プロセスにおける利用者・家族の意向の把握とアセスメントの経過が挙げられ、これらの記録が確認できない事例があったとされています。堺市の資料にも、ターミナルケア加算について家族の精神的な状態の変化とケアの過程の記録が希薄であるという指摘が掲載されています。亡くなられた日の記録は、時刻と、誰が何をしたかを分けて書きます。死亡の確認は医師が行うため、記録書Ⅱには医師から伝えられた時刻を記載します。
| 記録する事項 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える完成文) |
|---|---|---|
| 連絡を受けた時刻 | 早朝に家族から連絡 | 9月14日 5:12 妻より緊急連絡用携帯へ電話「呼吸が止まったように見える」 |
| 電話での対応 | 訪問すると伝えた | 妻へ、事前に話し合っていたとおり主治医へ連絡することを確認し、看護師も向かうことを伝達。5:15 主治医(在宅療養支援診療所)へ電話で妻からの連絡内容を報告 |
| 到着時の状況 | 呼吸停止していた | 5:40 到着。本人は自室のベッドで仰臥位、妻と長男が付き添い。呼吸・胸郭の動きはみられない。室内は穏やかで、妻は本人の手を握っている |
| 医師の到着と死亡確認 | 死亡確認 | 6:05 主治医到着。主治医より、死亡確認の時刻は6:10と妻・長男へ説明があった(看護師同席) |
| ご家族の言葉と様子 | 家族は落ち着いていた | 妻「最後まで家にいられてよかった。昨日の夜、手を握ったら握り返してくれた」。長男は廊下で涙を拭い、その後妻の隣に座る |
| 実施したケア | エンゼルケア実施 | 妻・長男の希望を確認し、本人が好んでいた浴衣へ着替え。妻と一緒に整容を行い、妻が髪をとかした。6:40〜7:30 |
| 関係者への連絡 | 関係機関に連絡 | 8:30 ケアマネジャーへ電話で逝去を報告。8:45 福祉用具の事業所への連絡はケアマネジャーが行うと確認。事業所内では管理者へ7:45に報告 |
| その後の支援の予定 | 終了 | 妻の希望により、四十九日を過ぎた頃に担当看護師が電話で様子を伺う予定。本日の妻の発言(「疲れたけれど、ほっとしている」)とともに記載 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
運営指導で記録書Ⅱが照らし合わされる点|別添1の確認項目と公表事例の突き合わせ(2表・22行)
運営指導で記録書Ⅱが見られるときは、記録書Ⅱ単体ではなく、計画書・指示書・居宅サービス計画・請求の内容と照らし合わせて見られます。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1「確認項目及び確認文書」の訪問看護の項では、サービス提供の記録について「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか」などが確認項目として挙げられています。下の表は、その確認項目と記録書Ⅱで示す内容を並べ、右端を貴事業所の確認欄にしたものです。
別添1(訪問看護)の確認項目と記録書Ⅱで示す内容(10項目)
| 別添1の確認項目(要旨・該当条項) | 記録書Ⅱのどこで示すか | 記載の例 | 貴事業所の記録(確認欄) |
|---|---|---|---|
| 訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか(第19条) | 実施した看護・リハビリの内容の欄 | 「計画の目標:トイレまで1人で歩ける」に対し「屋内歩行練習(居間〜トイレ約8m)4往復」 | (記入欄)計画の目標と実施内容が対応している記録の割合: |
| 日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか(第19条) | 観察(O)・本人家族の訴え(S)の欄 | 数値・部位・前回との比較を含めた観察。「特変なし」だけの記録にしない | (記入欄)観察欄が定型句のみの記録の有無: |
| 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか(第16条) | 訪問時刻・実施内容の欄 | 居宅サービス計画の曜日・時間帯・内容と、実際の訪問時刻・内容が読める記載 | (記入欄)計画と異なる日の理由の記載: |
| サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか(第64条) | 連絡・報告の欄 | 「14:40 ケアマネジャーへ電話で共有、返答:〜」と時刻・相手・返答 | (記入欄)ケアマネジャーへの共有の記載方法: |
| 主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか(第70条) | 観察・本人家族の意向の欄 | 本人・家族の言葉を日付とともに残し、計画の見直しの材料にする | (記入欄)意向の変化を計画の見直しへつなげた記録: |
| 目標の達成状況は記録されているか(第70条) | 評価(A)の欄 | 「計画の目標(トイレまで1人で歩ける)に対し、見守りで往復可能。方向転換時のふらつきが残る」 | (記入欄)Aの欄で目標に触れている記録の有無: |
| 達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか(第70条) | 計画(P)の欄・報告書との接続 | 「次回:〜」で終え、月末の報告書・翌月の計画書へ転記できる形にする | (記入欄)計画書の見直し時期と記録の対応: |
| 緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか(第72条・確認文書にサービス提供記録) | 連絡・報告の欄 | 要請時刻、到着時刻、主治医へ連絡した時刻と指示内容 | (記入欄)緊急時の記録で時刻が抜けている項目: |
| 事故状況、対応経過が記録されているか(第37条) | 観察・実施内容・連絡の欄(事故報告書と別に) | 「22:10 ベッド脇で座り込んでいるのを長女が発見」「発見時の状況」「実施した対応」「家族・ケアマネジャーへの報告時刻」 | (記入欄)事故報告書と記録書Ⅱの時刻の一致: |
| 苦情の受付、内容等を記録、保管しているか(第36条) | 特記事項の欄(苦情受付簿と別に) | 訪問中に受けた要望・不満は発言のまま残し、事業所の苦情受付の手順へ回したことを記載 | (記入欄)訪問中に受けた苦情の回し方: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体の公表事例と、記録書Ⅱに残しておきたい事実(12事例)
以下は自治体が公表している運営指導の指摘・注意喚起を要旨で並べたものです。前掲の「運営指導で実際に公表されている指摘」で扱った計画書・指示書・ターミナルケアの事例に加えて、記録書Ⅱの記載そのものが確認の材料になる事例を集めました。左の列は公表資料の要旨であり、貴事業所の状況を判定するものではありません。
| 公表されている指摘・注意喚起(要旨) | 公表元 | 記録書Ⅱに残しておきたい事実 | 貴事業所の状況(記入欄) |
|---|---|---|---|
| サービス提供時間を、居宅サービス計画等に記載された時間のまま記録するのではなく、実際に提供した時間(開始時間・終了時間)を記録するよう指導された | 和歌山市 集団指導資料 | 実際の到着・退室時刻(分単位) | (記入欄)予定時刻と同じ時刻が並ぶ記録の有無: |
| 利用者の申し出等により予定していたサービス内容を一切実施しなかったにもかかわらず、基本報酬を算定していた。2時間未満の間隔の訪問で所要時間を合算していなかった事例も挙げられている | 仙台市 令和6年6月集団指導資料 | 実施した内容と実施しなかった内容を分けた記載、中止の理由、訪問ごとの時刻 | (記入欄)「中止」「未実施」の記録と請求の突き合わせ方法: |
| 複数名訪問加算の算定に必要な「事情」が明確にされていない。単に2人の看護師等が同時に訪問したことのみでは足りないとされている | 仙台市 令和6年6月集団指導資料 | その日に1人では困難だった具体的な事情(体位変換時に1人が支える必要があった等)と、2人それぞれが行ったこと | (記入欄)複数名で訪問した日の事情の記載: |
| 緊急時訪問看護加算を算定している月の1回目の緊急時訪問に、早朝・夜間・深夜の加算を算定していた。加算の算定について利用者の同意を得ていない | 仙台市 令和6年6月集団指導資料(同旨:静岡市・新潟市) | 要請の時刻と相手、訪問の時刻、その月の何回目の緊急時訪問か | (記入欄)緊急時訪問の回数を管理している帳票: |
| 長時間訪問看護加算を算定しているが、ケアプラン上に長時間の訪問が位置付けられていない。アクシデント等で結果的に長くなった訪問を対象とするものではないとされている | 仙台市 令和6年6月集団指導資料 | 訪問の時刻に加え、予定より延びた場合はその理由(「延長」だけにしない) | (記入欄)予定より長くなった訪問の理由の記載: |
| 理学療法士等による訪問について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない | 静岡市 集団指導資料 | 説明日・説明者・説明を受けた人・同意の方法 | (記入欄)リハビリ職の訪問を受ける利用者の同意記録の保管場所: |
| 作業療法士による訪問看護を利用している者について、定期的に看護職員の訪問による評価を実施する必要があることへの留意(「概ね3ヶ月に一度」)。同居の家族である利用者への訪問看護の提供も指示事項として挙げられている | 愛知県 主な指摘事項(令和7年度版) | 看護職員が訪問して評価した日と評価の内容、訪問した職員の氏名 | (記入欄)直近で看護職員が評価した日: |
| ターミナルケア加算について、療養や死別に関する利用者・家族の精神的な状態の変化とケアの過程についての記録が希薄。緊急時訪問看護加算・ターミナルケア加算は重要事項説明の中で包括的に同意を得るのではなく個別に説明・同意を得ることとされている | 堺市 令和8年度 集団指導資料 | 本人・家族の言葉と表情の変化を日付とともに、行ったケアとその反応 | (記入欄)看取り期の記録で家族の様子に触れている回数: |
| ターミナルケアに係る計画・支援体制の説明と同意が確認できない。終末期の身体症状の変化と看護、利用者・家族の精神的な状態の変化とケアの経過、意向の把握とアセスメントの経過の記録が確認できない | 千葉市 令和7年度の運営指導における主な指導事項 | 説明・同意の日付と内容、身体症状の変化、家族の気持ちの変化、意向を聴いた経過 | (記入欄)上記3つの観点ごとの記載の有無: |
| サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している | 東京都 運営指導における主な指摘事項(訪問看護) | 訪問日が指示期間内であること、実施した処置が指示書の内容と対応していること | (記入欄)指示期間の一覧と訪問日を照合する頻度: |
| 訪問看護計画の作成等の不備が指摘の最多項目。具体的なサービス内容を記載していない事例等 | 長野県 令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護) | 計画書に書いた具体的な内容と、記録書Ⅱの実施内容が対応していること | (記入欄)計画書の内容と記録書Ⅱの実施内容の突き合わせ方法: |
| 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算は1人の受給者に対して1事業所のみのサービスとして、複数事業所からの請求が縦覧点検で抽出される | 青森県 介護保険関連システム活用マニュアル 第Ⅳ章 縦覧点検 | 利用開始時などに、他の訪問看護事業所の利用状況を確認した日と確認の方法 | (記入欄)他事業所の利用状況を確認した記録の保管場所: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
加算の要件に照らした確認は、告示・通知の定めと、貴事業所の体制・届出の状況を並べて行い、判断に迷う点は保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
記載者・訂正・更新履歴の残し方|省令とガイドラインの定め(1表・6行)
記録書Ⅱは、あとから読んだ人が「誰が書き、いつ何を直したか」を追えることが前提になります。下の表は、訪問看護の記録について省令が定めている整備・保存と、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が電子保存の要件として示している事項を並べ、右端を貴事業所の確認欄にしたものです。同ガイドラインは、対象とする医療機関等に訪問看護ステーションと介護事業者を含めています。
| 論点 | 一次資料の定め(要旨) | 記録書Ⅱでの残し方(例) | 貴事業所の記録(確認欄) |
|---|---|---|---|
| 記録の整備・保存(医療保険) | 指定訪問看護事業者は、訪問看護記録書を整備し、その完結の日から2年間保存する。記録は正確かつ最新の内容を保つよう整備する(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準 第30条第2項) | 訂正した場合も、訂正後の内容と訂正した事実の両方が読める形で残す | (記入欄)記録書の保存期間と保管場所: |
| 記録の整備・保存(介護保険) | 提供した具体的なサービスの内容等の記録を整備し、その完結の日から2年間保存する(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第73条の2第2項)。保存期間は指定権者の条例で別に定めている場合があります | 医療保険と介護保険の利用者が混在する事業所では、長いほうの期間にそろえて管理する | (記入欄)指定権者の条例で定める保存期間: |
| 作成の責任の所在 | 電子保存の真正性として、作成の責任の所在を明確にすること(ガイドライン 企画管理編。施行通知の3条件を引用) | 記載者を氏名で残す。同姓の職員がいる事業所では、姓だけで終わらせず本人が特定できる書き方にする | (記入欄)記載者の表記ルール: |
| 書換え・消去・混同の防止 | 故意又は過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。混同とは、患者を取り違えた記録や、記録された情報間の関連性を誤ることをいう(ガイドライン 企画管理編・システム運用編) | 別の利用者の記録へ誤って書いた内容は、消して終わりにせず、誤記であったことが分かる形で訂正する | (記入欄)利用者の取り違えに気づいたときの手順: |
| 確定後の更新履歴 | 一旦確定した記録を更新する場合、更新履歴を保存し、必要に応じて更新前と更新後の内容を照らし合わせることができる。複数回更新された場合も更新の順序性が識別できる(ガイドライン システム運用編) | 記録ソフトで確定後に直すときは、更新前の内容が履歴として残る操作で直す | (記入欄)使っている記録ソフトで更新履歴を確認できる画面: |
| 代行入力 | 代行入力の都度、誰の代行がいつ誰によって行われたかを記録する。代行入力された記録は、できるだけ速やかに確定者が内容を確認して確定操作を行い、内容の確認を行わずに確定操作を行ってはならない(ガイドライン システム運用編) | 事務職員の入力や音声入力の下書きを使う場合も、訪問した看護師等が内容を確認してから確定する | (記入欄)代行入力・下書きの確定者と確定までの期限: |
紙の記録で訂正するときの具体的な作法(二重線の引き方や訂正印の要否など)は、上の表に挙げた省令の条文には書かれていません。事業所の記録管理の規程と、指定権者の運用をご確認ください。
出典:e-Gov法令検索「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(平成12年厚生省令第80号)https://laws.e-gov.go.jp/law/412M50000100080/同「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037/厚生労働省ウェブサイト「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」(令和8年)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html(公共データ利用規約(第1.0版))
本節は上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。実際の取り扱いは指定権者(都道府県・市区町村)にご確認ください。
よくある質問(SOAP・記録書Ⅱ)
Q. SOAPのA(評価)とO(客観的情報)はどう違いますか?
Oは観察した事実、Aはそれを踏まえた看護師の判断です。Aに新しい観察事実を書かず、S・Oに書いた事実だけを根拠にするのがポイントです。
Q. 訪問看護記録書ⅡはSOAPで書かないといけませんか?
様式は事業所により異なりますが、記録書ⅡはSOAP形式と相性がよく、多くの訪問看護ステーションでSOAPが使われています。
Q. SOAPの例文はそのまま使ってよいですか?
構成の参考にしていただけますが、記録は必ず実際の利用者さんの状態に合わせて書き換えてください。
Q. 記録書Ⅱの作成やカイポケ入力の負担を減らすには?
訪問直後に音声で話し、SOAPへ自動整理してカイポケの記録書Ⅱへ自動転記する方法があります。二重入力をなくし、記録時間を大きく減らせます。
まとめ
訪問看護記録書ⅡのSOAPは、S・O・A・Pの役割を押さえ、事実と判断を分けて書くのが基本です。例文を土台にしつつ、いちばん時間のかかる「記録を作る・入力する」工程は、音声とAIに任せられます。カイポケはそのままに、記録の手間だけを軽くする——それが、続けられる効率化です。
訪問看護の記録・書類ガイド
関連サービス
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
疾患・場面別|SOAPの文例
SOAPはS・Oに解釈を混ぜないのが要点です。Aでは「なぜそう考えたか」の根拠を、Pでは「いつ・誰が・何をするか」を書きます。
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 心不全の管理 | 「昨日より足が重い」 | 体重53.2kg(前回52.6kg)。両下腿に圧痕性浮腫あり。呼吸18回/分。 | 体重増加と浮腫の増強がみられ、体液貯留が進んでいる可能性がある。 | 主治医へ報告。毎朝の体重測定を家族へ再依頼。次回訪問で浮腫を再評価。 |
| 褥瘡の処置 | 「痛くはない」 | 仙骨部に3×2cmの発赤。表皮剥離あり。滲出液少量。においなし。 | 前回より範囲が縮小しており、処置と体位変換の効果がみられる。 | 洗浄と被覆材の交換を継続。2時間ごとの体位変換を家族へ再確認。 |
| 糖尿病の管理 | 「甘いものを我慢している」 | 朝食前血糖126mg/dL。足に傷なし。体重58.0kg。 | 血糖は目標の範囲内。自己管理が続けられている。 | 自己測定と記録を継続。足の観察を毎日行うよう説明。 |
| 疼痛管理 | 「夜中に痛みで目が覚める」 | 腰部の痛み。数字で聞くと10のうち5。夜間の覚醒が週2回。 | 夜間の疼痛が持続しており、現在の鎮痛では不十分な可能性がある。 | 主治医へ報告し、薬剤の調整を相談。痛みの時間帯を記録していただく。 |
| 呼吸管理 | 「階段で息が切れる」 | 安静時の経皮的動脈血酸素飽和度95%、労作後92%。呼吸18回/分。 | 労作時の低酸素がみられる。在宅酸素の使用状況を確認する必要がある。 | 労作時2L/分の指示を再確認。口すぼめ呼吸の指導を継続。 |
| ターミナル期 | 「痛みだけは取ってほしい」 | 傾眠傾向。下顎呼吸はなし。四肢に冷感あり。 | 全身状態の低下が進行している。 | 家族へ今後の経過を説明。訪問頻度を週3回から毎日へ変更を提案。 |
| 胃ろう管理 | 家族「漏れが気になる」 | 挿入部に発赤なし。少量の漏れあり。注入時の逆流なし。 | 固定の位置がずれている可能性がある。 | 固定位置を調整。家族へ確認方法を指導。次回訪問で再評価。 |
| カテーテル管理 | 「違和感はない」 | 尿の混濁なし。バッグ内500mL。挿入部に発赤なし。 | 経過は良好。 | 2週後に交換の予定。水分摂取を1日1,200mL維持するよう説明。 |
| 認知症の対応 | 家族「夜中に起き出す」 | 日中の臥床が4時間。夜間の覚醒が2回。 | 日中の活動量の低下が夜間の覚醒に影響している可能性がある。 | 日中の離床時間を増やす提案。1週間の生活記録を依頼。 |
| 服薬管理 | 「たまに飲み忘れる」 | 残薬が3日分あり。 | 飲み忘れが継続している。 | 一包化と服薬カレンダーを提案。次回訪問で残薬を再確認。 |
| リハビリ | 「歩ける距離が伸びた」 | 歩行器で20m(前回10m)。ふらつきなし。 | 下肢筋力の改善がみられる。 | 現在のプログラムを継続。屋外歩行の開始を主治医へ相談。 |
| 家族支援 | 妻「夜のトイレ介助で眠れない」 | 妻の表情に疲労感あり。 | 介護者の負担が限界に近づいている。 | ケアマネジャーへ連絡し、夜間対応の検討を依頼。 |
| 感染の疑い | 「なんとなくだるい」 | 体温37.6度。尿の混濁とにおいあり。 | 尿路感染が疑われる。 | 主治医へ報告。水分摂取を促し、明日再訪問して評価する。 |
| 皮膚トラブル | 「かゆい」 | 両下腿の乾燥が強い。掻き傷が2か所。 | 乾燥による掻痒が続いている。 | 保湿剤の塗布を1日2回へ。爪を短く保つよう説明。 |
| 精神症状 | 「気持ちが沈む」 | 発語が少なく、以前好きだったテレビも見ていない。 | 抑うつ状態が続いている。 | 主治医へ報告。訪問時の傾聴の時間を確保する。 |
AとPが薄くなるときの直し方
| よくある書き方 | 直した書き方 |
|---|---|
| A:「経過良好」 | A:「体重・浮腫とも前回から変化なく、体液の貯留は進んでいない」 |
| A:「問題なし」 | A:「訴え・所見とも前回と同じで、現在の処置で維持できている」 |
| A:「悪化」 | A:「浮腫が両下腿から大腿へ広がっており、前回より進行している」 |
| P:「経過観察」 | P:「次回訪問時に体重と浮腫を再評価。3日で2kg増えたら連絡いただく」 |
| P:「継続」 | P:「現在の処置(洗浄+被覆材)を週3回で継続」 |
| P:「指導」 | P:「妻へ、毎朝の体重測定と記録用紙の記入を依頼した」 |
| P:「報告」 | P:「主治医へ電話で報告し、利尿剤の追加の指示を受けた」 |
| P:「様子を見る」 | P:「明日再訪問し、体温と尿の性状を確認する」 |
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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
