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介護記録のNG例|やってはいけない書き方と改善ポイント

介護記録は、ケアの根拠であり、事故や監査の際の大切な証拠にもなります。だからこそ「書いてはいけない書き方」があります。よくあるNG例と、その改善ポイントを整理します。

なぜ記録のNGが問題になるのか

介護記録は公的な記録であり、事故が起きたときの事実確認や、実地指導・監査の対象になります。あいまいな記録や主観的な記録は、事業所と利用者の双方を守れなくなる恐れがあります。

やってはいけない書き方(NG例)

  • 主観・憶測で書く――「機嫌が悪そう」ではなく、観察した事実で書く。
  • あいまいな表現――「いつもどおり」「特変なし」だけで済ませない。
  • 決めつけ・不適切な表現――利用者を否定する言葉や差別的な表現は使わない。
  • 事実と推測の混在――事実と、看護・介護者の判断を分けて書く。
  • 後追いのまとめ書き――時間が経ってからまとめて書くと正確さが落ちる。
  • 修正液で消す――誤記は二重線と訂正で残し、消さない。

改善のポイント

  • 観察した客観的事実を、数値や具体的な様子で書く。
  • 5W1Hを意識する(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした)。
  • 本人の発言は「 」でそのまま残す。
  • できるだけその場・当日に記録する。

記録のNGが「事故の証拠」になる場面

記録は、ふだんは誰も読みません。読まれるのは事故が起きたときと運営指導のときです。そのときに記録が弱いと、実際に良いケアをしていても示せません。

起きたこと 弱い記録だと 残っていると
転倒 「ベッドから転落」だけ。前後の状況が不明 直前の様子、発見時の体位、環境、報告した相手と時刻が追える
誤薬 「間違えて服薬」 どの薬を、いつ、誰が、どう気づき、どう対応したか
家族からの申し立て 記載が「変わりなし」の連続 日々の状態変化と、家族へ伝えた内容が残っている
体調急変 時刻が「午前中」 発見時刻、バイタル、連絡した時刻、指示内容

個人情報の観点でのNG

  • 他の利用者の実名を書く——「Bさんと口論」ではなく「同じフロアの他の利用者と、大きな声のやり取りがあった」のように、実名を出さずに起きたことを書きます。相手方についての記録は別に分けます
  • 家族の内情を必要以上に書く——支援に必要な範囲を超えた記載は、開示請求時に問題になります
  • 診断名の推測を書く——「認知症が進んだ」ではなく、観察した事実を書きます
  • 職員の私見や感情——「困った人」「わがまま」といった評価語は残しません

転記とコピペのNG

電子記録が広がって増えたのが、前回の記録をコピーして日付だけ変える書き方です。効率的に見えますが、訪問した事実の裏づけとしては最も弱い記録になります。

  • 毎回同じ文章が並ぶ——実際に見ていないと疑われます
  • 前の利用者の内容が混ざる——重大な事故につながります
  • テンプレートの項目が埋まっていない——形だけ整えた記録に見えます
  • 事後にまとめて書く——時刻の整合が取れなくなります

書き換えの型(悪い例→良い例)

悪い例 なぜ弱いか 良い例
変わりなし 何を見たかが残らない 血圧128/76、体温36.4℃。食事は全量摂取。歩行時のふらつきなし
機嫌が悪い 評価語で、事実ではない 「今日は入りたくない」と2回発言。入浴を後半に変更したところ応じられた
指導した 内容も反応も不明 水分は1日1リットルを目安にとお伝えした。「そんなに飲めない」との返答。まずはコップ1杯増やすことで合意
家族対応 誰と何を話したか不明 長女(同居)へ、夜間のトイレ時にふらつきがある旨を伝達。手すりの設置をケアマネへ相談することとした

※本記事は制度の一般的な考え方を整理したものです。給付や算定の可否は保険者(市区町村)の判断によります。最新の告示・通知と保険者の運用をご確認ください。

やってはいけない書き方 追加例

NGの記載 なぜ問題か 書き換え
「暴力を振るう」 原因や状況が分からず、本人像だけが悪く残る 入浴の声かけの際に手を払う動作あり。声かけを変え、時間を空けたところ応じられた
「徘徊」 目的のない歩き回りと決めつけている 15時ごろ玄関へ向かい「家に帰る」と発言。以前の勤め先の話をされた
「不穏」 何が起きたか分からない 落ち着かず室内を往復。テレビの音量を下げると座って過ごされた
「拒否」 本人に非があるように読める 「今日はやめておく」との発言。理由をうかがうと「体がだるい」とのこと
「様子観察」だけ 何を観察したか不明 朝食は主食10割・副食8割。排尿5回、排便1回。歩行時のふらつきなし
「家族が非協力的」 評価語。事実ではない 長女へ3回連絡したが応答なし。留守番電話にメッセージを残した

記録のNGについてよくある質問

よくある疑問 考え方
ボールペンでないとだめか 消えるペンや鉛筆は避けます。改ざんを疑われる余地を残さないためです
書き間違えた 二重線と訂正印です。修正液・塗りつぶしは使いません
あとから思い出したことを足したい 追記であることと、追記した日付が分かるように書きます
他の職員の分を代筆した 代筆した事実と、誰の情報かを明記します。無記名の代筆は避けます
電子記録なら訂正は自由か いつ誰が編集したかの履歴が残る仕組みであることが前提です
略語を使ってよいか 事業所内で用語集を決め、本人・家族が読む書類では避けます

記録はいつ読まれるのか——3つの場面

場面 読む人 見られるところ
運営指導・監査 行政の担当者 計画との整合、記載者、時刻、保存期間
事故・苦情のあと 家族、保険者、場合によっては司法 事故前後の状況、報告した相手と時刻、日々の変化
担当者会議・引き継ぎ 他職種、後任の職員 何をしてきたか、何が効いたか、何がだめだったか

ふだん誰も読まない書類だからこそ、読まれるときには必ず「困っている状況」です。そのときに事業所を守るのは、日々の1行です。

保存期間の考え方

  • 記録の保存期間は、運営基準において完結の日から2年間と定められています
  • ただし都道府県・市区町村の条例で5年とされている場合があります。自事業所の所在地の定めをご確認ください
  • 事故に関する記録は、より長く保存しておくほうが安全です
  • 電子化する場合も、保存期間中は閲覧・出力できる状態を保ちます
  • 廃棄するときは、個人情報が復元できない方法で行い、廃棄した記録を残します

NGを防ぐ仕組みをつくる

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の施設・通所マナ(施設記録+通所介護)は、音声やメモから客観的な記録の下書きを作成します。書き方のばらつきや主観的な表現を減らし、記録の質をそろえられます。利用者さま3名まで、3か月間、回数の制限なく無料(2026年中のご登録は2027年3月31日まで)でお試しいただけます。

介護記録のNG例と改善(良い例・悪い例)

介護記録でやってしまいがちなNG例と、その改善例をまとめました。

✗ 悪い例(あいまい)

特変なし。
✓ 良い例

食事は全量摂取、むせなし。排泄は普通便1回。(観察した事実を残す)
✗ 悪い例(主観だけ)

元気がなかった。
✓ 良い例

声かけに対し「うん」とだけ返答。9時から11時まで臥床。昼食は主食2割・副食3割を摂取(普段は主食10割)。(事実を添える)
✗ 悪い例(専門用語の誤用・略語)

ADL低下でNsコール多数。
✓ 良い例

歩行時のふらつきが増え、夜間のナースコールが増えた。(誰が読んでも分かる表現に)

NGの型16分類|まずい理由・困る読み手・直し方(避けたい書き方と完成文48組)

個々の言い回しを覚えても、記録は良くなりません。言い回しは場面の数だけあるからです。変わるのは「なぜその書き方だと困るのか」という型を持ったときです。ここでは、日々の記録に出てくるつまずきを16の型に分け、型ごとに「なぜまずいか」「どこで(誰が読むときに)困るか」「そのまま使える書き方」を並べます。以下の表で引用符で囲んだ文は、書いてはいけない例として引用したものです。

型 一言でいうと 最初に困る読み手
①事実と解釈が混ざっている 見たことと、書き手の受け取り方が同じ文に入っている 次の勤務に入る職員(どこまでが観察か分からない)
②主語がない 誰がしたのか、誰がそうなったのかが書かれていない 管理者(行為者を特定できない)
③時刻がない 「午前中」「しばらくして」で時間が埋まっている 医療機関(経過の速さを聞かれて答えられない)
④評価語で片づけている 行動ではなく人物の評価が残っている 本人・家族(読んだときに人物像だけが残る)
⑤推測を事実として書いている 見ていないこと・本人にしか分からないことを断定している 事故後に事実を確認する立場の人
⑥伝聞の出どころが不明 誰から聞いた話かが書かれていない 介護支援専門員(一次の発信者に確認できない)
⑦本人の言葉が要約されて消えている 本人の発言が職員の言葉に置き換わっている 担当者会議(本人の意向を出せない)
⑧「〜させた」という書き方 本人が主語でなくなっている 本人(自分の記録として読んだとき)
⑨他の職員への評価が入っている 記録が内部の言い分の場になっている 家族・第三者(事業所の姿勢として読まれる)
⑩家族への評価が入っている 事実ではなく家族像が残っている 家族(開示の場で最も強く残る一行になる)
⑪コピーされたまま 前回・他の人の内容がそのまま残っている 保険者の担当者(提供の事実を確認できない)
⑫後から書いたことが分からない 提供日と記載日が区別されていない 運営指導の担当者(経過を追えない)
⑬消した跡が残っていない 訂正前の内容が読めなくなっている 記録全体を読む人(他の記録の信頼にも及ぶ)
⑭専門用語で読み手に伝わらない 書き手の職種の中でしか通じない 家族・他事業所(意味が変わって伝わる)
⑮長すぎて要点が埋もれている 変化が本文の途中に沈んでいる 次の勤務者(拾えずに同じ対応ができない)
⑯短すぎて何をしたか分からない 「実施」「見守り」だけで終わっている 請求内容と突き合わせる立場の人

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型①〜④|混ざる・抜ける・埋まる(避けたい書き方と完成文12組)

型 避けたい書き方(引用) なぜまずいか どこで困るか そのまま使える書き方
① 「不安が強く、何度もコールを押される」 「不安が強く」は書き手の受け取り方で、押した回数と用件が残らない 次の勤務者が、何回・何の用件だったのかを引き継げない 14時から16時までの間にコールが4回。いずれも「トイレに行きたい」との用件。うち2回は排尿あり、2回は排尿なし。
① 「食事に集中できていない」 そう見えた根拠になった様子が書かれていない 管理者が、食事の環境や時間帯を見直す材料にできない 昼食開始から10分で箸が止まり、以後は窓の方を見て過ごされた。声をかけると再開され、主食5割・副菜3割を摂取。
① 「歩行が不安定」 どの場面で、どの程度かが分からない 介護支援専門員が、福祉用具や住環境の検討に使えない 居室から食堂までの約20メートルを歩行。途中2回、右手で手すりをつかんで立ち止まられた。ふらつきは左方向。所要は約3分。
② 「臥床を促した」 誰が促し、誰が横になったのかが書かれていない 事故のあとに、その場にいた職員を特定できない 職員の(記入欄:氏名)が声をかけ、本人が自分でベッドに戻られた。身体への介助は行っていない。
② 「入浴を中止した」 誰の判断で中止したのかが残らない 管理者が、判断の経路をたどれない 本人が「今日はやめておく」と話されたため、10時20分にサービス提供責任者へ電話で相談のうえ中止とした。
② 「連絡済み」 誰が誰に、何を連絡したのかが不明 家族から「聞いていない」と言われたときに示せない 11時05分、担当の(記入欄:氏名)が長女の携帯へ電話し、本人と直接お話しいただいた。通話は約4分。
③ 「午前中に発熱」 上がり方の速さが読み取れない 医療機関へ相談するときに、経過を聞かれて答えられない 9時30分 体温37.8℃。10時00分 再検で38.1℃。10時05分 管理者へ報告。
③ 「しばらくして落ち着かれた」 「しばらく」の長さが読み手ごとに違う 次の勤務者が、同じ関わりを再現できない 16時10分に立ち上がりが続いたため隣に座り、お話をうかがう。16時25分には椅子に座って新聞を見て過ごされた。
③ 「食後にもどされた」 食事との間隔が分からない 受診に同行する職員が、医療機関に経過を伝えられない 12時30分に昼食終了。13時10分に1回もどされた(水分中心、量はコップ半分程度)。13時15分 看護職員へ報告。
④ 「協力的でない」 人物の評価だけが残り、何があったかが残らない 引き継いだ職員が、会う前から先入観を持つ 「自分でやりたい」と2回話された。見守りに切り替えたところ、上着の着脱を自分で行われた。
④ 「問題行動あり」 何が起きたのかが読み取れない 家族に説明を求められたときに、事実を答えられない 15時40分、他の利用者の席の前で立ち止まり、「ここは私の席」と話された。職員が別の席をご案内し、着席された。
④ 「意欲低下」 観察ではなく、書き手の判定になっている 介護支援専門員が、計画の見直しの根拠にできない これまで参加していた新聞読みに、今週は3日とも「今日はいい」と話され不参加。日中に横になって過ごす時間が午前中で約2時間。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型⑤〜⑧|断定する・出どころが消える・本人が消える(避けたい書き方と完成文12組)

型 避けたい書き方(引用) なぜまずいか どこで困るか そのまま使える書き方
⑤ 「痛みがあったため中止」 痛みは本人にしか分からないのに、事実として書かれている 事故の事実確認で、観察と推測を切り分けられない 立ち上がりの際に顔をしかめ、右膝に手を当てられた。「ここが痛い」と話されたため中止。
⑤ 「眠れていない」 見ていない時間まで断定している 記録全体が「見ていないことも書く記録」として読まれる 13時から14時30分の間、3回の訪室でいずれも開眼しておられた。「横になっているだけ」と話される。
⑤ 「家族が心配している」 誰の、どの言葉から書いたのかが分からない 家族に確認されたときに、根拠を示せない 14時10分、長女から「何度も起きていないか気になる」とお電話をいただいた(通話 約5分)。
⑥ 「転んだらしい」 誰から聞いた話かが書かれていない 事故の有無を確認する立場の人が、確認先をたどれない 本人から「昨日、玄関で尻もちをついた」とお話があった。確認した相手・日時(記入欄)。次回訪問時に痛みの訴えの有無を確認する。
⑥ 「家族が了承している」 誰がいつ了承したのかが残らない 説明と同意の有無が後から争いになる 8月2日16時40分、長男へ電話で説明し、「それでお願いします」とご返答をいただいた。
⑥ 「申し送りで聞いた」 誰の観察に基づく情報かが不明 情報の出どころに確認できず、二次情報のまま計画に載る 前勤務の(記入欄:氏名)より、朝食時にむせが2回あったと申し送りを受けた。本人にも確認し「少しむせた」と話される。
⑦ 「入浴を拒否」 本人が挙げた理由が消えている 介護支援専門員が、本人の意向を計画に反映できない 「今日は寒いから明日にしたい」と話される。室温を22℃に上げ、14時に再度お誘いしたところ入浴された。
⑦ 「不満を訴えた」 何についての言葉かが消えている 苦情として扱うべきかどうかの初動が遅れる 「買い物の品が違う」と話される。レシートを一緒に確認し、依頼のメモと1点相違があることを確認した。
⑦ 「希望を確認した」 希望の中身が書かれていない 担当者会議で、本人の言葉として出せない 「台所に自分で立ちたい」と話される。現在は座って野菜を洗うところまで実施されている。
⑧ 「入浴させた」 本人が主語でなくなり、できている部分が消える 本人が自分の記録として読んだときに、扱われ方として残る 本人が浴室まで歩かれ、洗身は背中のみ介助。ほかは自分で行われた。
⑧ 「食べさせた」 自分でできている部分が書かれない 実施状況の評価ができず、支援の量が見直されない 主菜は自分でスプーンを使われ、汁物のみ職員が介助。所要25分、全量摂取。
⑧ 「歩かせた」 本人の意思がない動作のように読める 家族が読んだときに、経緯の説明を求められる 「今日は廊下を歩きたい」と話され、廊下を約30メートル歩かれた。職員は右斜め後ろで見守り。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型⑨〜⑫|人を評価する・写す・時間がずれる(避けたい書き方と完成文12組)

型 避けたい書き方(引用) なぜまずいか どこで困るか そのまま使える書き方
⑨ 「前の担当が説明していなかった」 職員への評価であり、利用者の記録の目的から外れている 記録が内部の言い分の場になり、外部に読まれたときに残る 本人から「聞いていない」とのお話があったため、8月5日に改めて説明し、ご了解をいただいた。
⑨ 「新人が対応したため時間がかかった」 個人の能力評価になっている 本人・家族が読んだときに、事業所への不信につながる 移動から着席まで約15分。手順を1つずつ確認しながら進めた。
⑨ 「看護に伝えたが動いてもらえなかった」 他職種への評価で、やり取りの中身が残らない 連携の記録として使えず、次に同じ場面で判断できない 11時20分、看護職員へ発熱を報告。「昼に再検してほしい」との指示を受け、12時に再検(37.6℃)。
⑩ 「家族が無関心」 事実ではなく家族像の評価になっている 家族が読んだときに、関係の修復が難しくなる 8月3日・5日・8日の3回、長女の携帯へ電話したが応答なし。8日は留守番電話に用件を残した。
⑩ 「家族の理解が乏しい」 決めつけであり、何が伝わっていないかが分からない 介護支援専門員が、調整の材料にできない 長男から「どこまでお願いできるのか分からない」とのお話。契約書の該当箇所を一緒に確認した。
⑩ 「家族が口を出しすぎる」 人物評価であり、要望の中身が残らない 苦情に発展したときに、事業所側の記載が不利に働く 8月の1か月間で、長女から訪問時間の変更希望が3件。うち2件は調整済み、1件は8月20日に相談予定。
⑪ 「(前日と同じ文章がそのまま並ぶ)」 その日に見たことが1つも残らない 提供した事実そのものを示せない 前日は主食5割、本日は主食10割。理由をうかがうと「今日は食べたい」と話される。
⑪ 「(他の利用者の氏名が残っている)」 誤りが、本人以外の情報として記録に残る 本人・家族が読んだときに、記録全体の信頼が失われる 記載後に、利用者名・日付・記載者名を読み返してから確定する。(記入欄:確定した日時)
⑪ 「(様式の項目が空欄のまま)」 実施したのか、しなかったのかが分からない 提供記録と請求内容の突合ができない 入浴:実施(14時05分〜14時35分)/口腔ケア:実施(昼食後)/体温:36.5℃。実施しなかった項目は「実施なし」と理由を記入。
⑫ 「(3日前の出来事を今日の欄に書く)」 提供日と記載日が入れ替わり、時系列が崩れる 運営指導で、経過をたどれない 【追記 8月11日】8月8日の訪問について記載する。提供日:8月8日/記載日:8月11日/記載者:(記入欄:氏名)
⑫ 「(思い出した内容を行間に足す)」 どれが当日の記載かが分からなくなる 事故の前後関係を、記録で示せない 【追記 8月11日10時】8月8日の記録に、同日17時に家族へ電話した事実を追記する。
⑫ 「(数日分をまとめて書く)」 記載日と提供日が一致せず、記録全体の確からしさが下がる 複数年分を通して読まれたときに、書き方の癖として見える 提供日:8月8日/記載日:8月8日。やむを得ず後日記載した場合は、記載日を併記する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型⑬〜⑯|跡が消える・伝わらない・長い・短い(避けたい書き方と完成文12組)

型 避けたい書き方(引用) なぜまずいか どこで困るか そのまま使える書き方
⑬ 「(修正液で塗りつぶす)」 訂正前の内容が読めなくなる 訂正なのか書き換えなのかを、外から区別できない 誤記は二重線を引き、訂正者の署名(または押印)と訂正日を記入。元の文字が読める状態で残す。
⑬ 「(上から書き直す)」 何をどう直したのかが残らない 神戸市の資料が示す「元の内容と修正後の内容、修正日がわかる」形にならない 訂正前:体温36.5℃/訂正後:体温37.5℃/訂正日:8月9日/訂正者:(記入欄:氏名)
⑬ 「(電子記録を履歴を残さず直す)」 いつ誰が直したのかが分からない 1件の訂正が、他の記録の確からしさにも及ぶ 編集履歴が残る設定で修正し、備考欄に「8月9日、体温の入力誤りを修正」と記載。
⑭ 「(職種の中でしか通じない語だけで書く)」 読み手が意味を取り違える 家族が読んだときに、内容を理解できない 起き上がりは手すりを使って自分でできる。立ち上がりは職員が前から両手を支える。
⑭ 「(事業所だけの言い回しで書く)」 他の事業所では別の意味になる 引き継ぎのときに、支援の中身が変わって伝わる 入浴前に体温36.4℃、血圧126/74を測定。「入りたい」と話されたため入浴。
⑭ 「(数値の単位を省く)」 読み手が別の単位で読む余地が残る 医療機関へ伝えるときに、量の認識がずれる 水分摂取:昼食時 200mL、15時のお茶 150mL、合計 350mL。
⑮ 「(1日の出来事を段落なしで書き続ける)」 変化が文の途中に埋もれる 次の勤務者が、拾うべき一点を拾えない 【変化】14時、右足の運びが鈍く、歩行時に右手で壁を触られた。【対応】歩行を中止し、椅子に座っていただく。【報告】14時10分、管理者へ報告。
⑮ 「(経過をすべて並べ、判断が最後に来る)」 最後まで読まないと要点に届かない 電話で伝える場面で、伝達に時間がかかる 朝食から食事量が半分。9時 体温37.4℃、10時 37.9℃。10時05分 看護職員へ報告し、指示を受けた。
⑮ 「(同じ内容を複数の欄に重ねて書く)」 どちらが正しいのか分からなくなる 訂正のときに片方だけ直り、食い違いが残る 経過は経過の欄に1回だけ書き、様式の欄には該当する項目のみ記入する。
⑯ 「実施」 何を、どこまで行ったかが分からない 計画に位置付けた内容との対応を確認できない 掃除機がけ(居室・廊下)、トイレの清掃、洗濯物の取り込みとたたみを実施。所要45分。
⑯ 「見守り」 何を見ていたのかが残らない 事故が起きたときに、見守りの中身を示せない 食堂で食事中の様子を見守り。むせの有無と椅子からの立ち上がりを確認。むせなし、立ち上がり2回。
⑯ 「良好」 何が良好なのかが分からない 状態の変化に、誰も気づけない 食事は全量、水分は合計900mL、排尿5回・排便1回。皮膚に発赤なし。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

16の型は、どれも「読み手が、その場を思い浮かべられるか」という一点に集まります。次は、その読み手を1人ずつ分けて考えます。

読み手が変われば「まずさ」も変わる|33の読まれ方と、残しておく一行

同じ一行でも、読む人によって困り方が違います。次の勤務者にとっては足りない記録でも、家族にとっては失礼な記録になっていることがあります。逆に、家族向けにやわらかく書いた表現が、確認の場面ではまったく役に立たないこともあります。「誰が、何を探して読むか」を分けて考えると、直すべき一点が決まります。

事業所の中で読む人|11の読まれ方

読む人 最初に探すもの 記録が弱いと起きること 残しておく一行(そのまま使える)
次の勤務に入る職員 前の時間帯との違い(増えた・減った・変わった) 同じ関わりを再現できず、本人が同じ説明を何度も受ける 午前は主食10割、昼は5割。昼食後に「胃がもたれる」と話される。次の食事の量を確認する。
同じ利用者を初めて担当する職員 本人の言葉づかいと、うまくいった関わり方 手探りで関わることになり、初回の関係づくりが崩れる お誘いは1回で決めず、時間を空けて再度声をかけると応じられることが多い(8月5日・8日ともに2回目で入浴)。
管理者 誰の判断で、何が変わったのか 判断の経路をたどれず、同じ事象が繰り返される 10時20分、サービス提供責任者へ電話で相談。中止と再訪の判断を受け、14時に再訪した。
計画を作成する担当者 目標に近づいた/遠のいた具体的な場面 評価が定型文になり、計画が実態から離れる 短期目標「台所に立つ時間を10分つくる」に対し、8月は7回のうち5回で座位のまま野菜を洗うところまで実施。
事業所内の看護職員 数値と、その前後の様子 相談を受けても判断材料がなく、いったん受診の話になる 9時30分 体温37.8℃、10時00分 38.1℃。水分は午前中で200mLのみ。食事は主食3割。
機能訓練を担当する職員 生活の中でどこまで動けているか 訓練の場面だけで評価され、生活の変化を拾えない 居室から食堂まで約20メートルを、手すりを使って自分で歩かれた。途中の立ち止まりは2回。
受診に同行する職員 いつから、どう変わったか 医療機関で経過を聞かれ、その場で答えられない 8月6日から食事量が半分。8月8日に37.9℃。8月9日は36.8℃で食事量は7割まで戻った。
事故防止の委員会の担当者 発生時の状況と、直前の環境 原因の分析ができず、対策が「注意する」で終わる 15時10分、居室内で床に座っている本人を発見。ベッド柵は下ろされ、スリッパは1足がベッド下にあった。
虐待防止の委員会の担当者 言葉づかいと、本人の主体が残っているか 記録の言い回しそのものが検討対象になる 本人が「今はやりたくない」と話されたため、15時に改めてお誘いし、同意を得て実施した。
苦情の相談窓口の担当者 申立ての元になった日の記載 該当日の記録が定型文で、事実を確認できない 8月7日14時、訪問時に洗濯物の取り込みを実施。取り込んだのはタオル3枚と上着1枚。
請求の業務を担当する職員 提供の時刻と、実際に行った内容 提供記録と請求内容の突合ができず、確認に時間がかかる 提供時間 10時00分〜10時45分(実際の開始・終了時刻)。内容:掃除機がけ、トイレ清掃、洗濯物の取り込み。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

事業所の外で読む人|11の読まれ方

読む人 最初に探すもの 記録が弱いと起きること 残しておく一行(そのまま使える)
同居している家族 自分が見ていない時間の様子 「見てもらえていない」と受け取られる 10時から11時30分まで、食堂で他の利用者と話をして過ごされた。席を立たれたのは1回。
離れて暮らす家族 変化の有無と、連絡が来る基準 変化を後から知り、説明の場が必要になる 8月9日16時、長女へ電話。8月6日からの食事量の変化と、8月9日に7割まで戻ったことをお伝えした。
担当の介護支援専門員 目標に対する動きと、本人の言葉 本人の意向が事業所の要約に置き換わって伝わる 「台所に自分で立ちたい」と話される。現在は座って野菜を洗うところまで実施されている。
他のサービス事業所 自分たちの時間帯の前後で何があったか 同じ観察を重ねて行い、本人の負担になる 午前の訪問時は右手で手すりをつかむ場面が2回。午後の関わりの際にも同じ動作があるかご確認ください。
医療機関の受付・看護職 いつから、どのくらい、どう変わったか 問診に時間がかかり、本人を待たせる 8月6日から食事量が半分。8月8日 体温37.9℃。水分は1日あたり500〜600mLで推移。
主治の医師 生活の中で見えた変化と、その頻度 生活側の情報が伝わらず、判断の材料が減る 直近1週間で、立ち上がりの際に右膝に手を当てる動作が5回。歩行の中止は2回。
入院先の病棟 ふだんの生活のやり方(時間・順序・好み) 入院中の生活が本人のやり方と合わなくなる 起床は6時30分ごろ。朝は洗面のあとに新聞を読まれる。飲み物はぬるめのお茶を好まれる。
退院後に引き継ぐ事業所 入院前にできていたこと できていた動作まで介助の対象にされる 入院前は、上着の着脱を自分で行われていた(介助はボタンのみ)。歩行は手すりを使って自立。
本人の代理の立場にある人 説明と同意の経過 いつ何に同意したのかを、記録から示せない 8月2日16時40分、契約内容の変更点を説明。「それでお願いします」とのご返答を、長男よりいただいた。
地域包括支援センターの担当者 暮らしの中で困っている場面 相談につながる前の兆しが残らない 買い物の回数が週2回から週1回に減った。「重い物が持てない」と話される。
福祉用具の担当者 使っている場面と、使えていない場面 選定が本人の動きと合わなくなる 手すりは廊下では使われるが、玄関では使わずに壁を触って移動される。玄関の段差は約18センチメートル。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

確認や説明の場面で読まれるとき|11の読まれ方

読まれる場面 最初に探されるもの 記録が弱いと起きること 残しておく一行(そのまま使える)
運営指導で提供記録を確認されるとき 提供日・提供時間・具体的な内容・本人の状況 提供の事実を、その場の説明で補うことになる 提供日 8月8日/提供時間 10時00分〜10時45分/内容 掃除機がけ・トイレ清掃・洗濯物の取り込み/本人の様子 「腰が重い」との訴えが1回。
提供記録と請求内容を突き合わせられるとき 両方が同じ日・同じ内容を指しているか 食い違いの理由を、記録の外で説明することになる 実際の開始・終了時刻を記入する(計画に記載した時間をそのまま写さない)。
計画に位置付けた内容との対応を見られるとき 目標に対して何を行ったか 計画と記録が別々の文書になり、対応が読み取れない 短期目標「入浴時の立ち座りを自分で行う」に対し、本日は浴室内の立ち上がりを自分で行われた(介助は背中の洗身のみ)。
事故報告を受け取る立場の人が読むとき 発見時刻、連絡した相手と時刻、その後の経過 連絡の記録がなく、対応の順序を示せない 15時10分 発見。15時15分 管理者へ報告。15時25分 長女へ電話(応答あり)。15時40分 介護支援専門員へ連絡。
再発防止の検討内容を見られるとき 原因の分析と、具体的な対策 対策が個人の心がけにとどまる 原因:スリッパがベッド下にあり、立ち上がり時に足元が定まらなかった。対策:8月10日から、就寝前に履物を右側の定位置に置く。
本人が自分の記録を読むとき 自分がどう扱われていたか 評価語や「〜させた」という書き方が、そのまま残る 本人が浴室まで歩かれ、洗身は背中のみ介助。ほかは自分で行われた。
家族が説明を求めてきたとき その日の具体的な出来事 該当日の記載が定型文で、説明が「たぶん」になる 8月7日 14時05分〜14時35分 入浴。湯温40℃。「気持ちよかった」と話される。
苦情の申立てを受けたとき 申立ての日の記録と、その前後の記録 前後の記録が同じ文章で、経過を示せない 8月6日は洗濯物の取り込みなし(雨天のため)。8月7日に2日分をまとめて取り込み、たたんで収納した。
損害の話し合いになったとき 事実と、書き手の判断が分かれているか 推測が事実として読まれ、内容の訂正が難しくなる (事実)立ち上がりの際に顔をしかめ、右膝に手を当てられた。(判断)痛みの訴えがあるため、歩行を中止した。
裁判の場で証拠として扱われるとき 記載日と提供日、訂正の跡 後から書いた記載と、当日の記載を区別できない 提供日 8月8日/記載日 8月8日/記載者(記入欄:氏名)。後日記載の場合は【追記 月日】を先頭に付ける。
複数年分を通して読まれるとき 書き方の癖と、記録の抜け 1件の弱さではなく、事業所の運用として読まれる 毎月1回、同じ文章が続いていないかを担当者以外が確認する(確認日・確認者を記入欄に残す)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

読み手を分けて見ると、「足りない記録」と「まずい記録」は別物だと分かります。足りない記録は書き足せますが、書き方そのものがまずい記録は、書き足すほど強く残ります。気づいた時点でどうするかを、次に整理します。

気づいたあとの直し方|消さずに残す手順10と、訂正・追記の完成文20例

まずい書き方に気づいたとき、いちばんやってはいけないのは「なかったことにする」ことです。神戸市が公表している事業者向けの留意事項では、サービス計画の作成日・同意日等に整合性がなく事実と異なる、という指摘が挙げられ、あわせて「内容に修正が必要な場合は、元の内容と修正後の内容、修正日がわかるよう記録を残すこと」との考え方が示されています(神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」令和7年3月 介護保険事業者説明会)。直した跡が残っていることが、記録の信頼を保ちます。

直すときの10の手順(証跡つき)

手順 やること 残す証跡
1 元の記載を消さないと最初に決める 訂正前の文字が読める状態
2 何が事実と違うのかを特定する(日付・時刻・数値・行為者・内容のどれか) 訂正対象の欄と項目名
3 「訂正」と「追記」を分ける(誤りを直すのか、足りない事実を足すのか) 訂正/追記の別
4 紙は二重線、電子は編集履歴が残る方法で直す 二重線と署名、または編集履歴
5 訂正日と訂正者を書く 訂正日/訂正者(記入欄:氏名)
6 追記は、追記と分かる書き出しにする 【追記 月日 時刻】の表記
7 提供日と記載日を分けて書く 提供日/記載日の両方
8 直した理由を一言だけ添える(言い訳は書かない) 「入力誤りのため」「記載漏れのため」
9 直した事実を、関係する人に伝える 連絡先・連絡した時刻
10 同じ誤りが起きた原因を1行だけ残す 原因と、次からの運用(記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

訂正・追記のときにそのまま書ける20例

場面 そのまま書ける一文
数値を書き間違えた 訂正前:体温36.5℃/訂正後:体温37.5℃/訂正日 8月9日/訂正者(記入欄:氏名)。入力誤りのため訂正。
時刻を書き間違えた 訂正前:14時05分/訂正後:15時05分/訂正日 8月9日。記載時に時刻を取り違えたため訂正。
行った内容が違っていた 訂正前:洗濯物の取り込み/訂正後:洗濯物のたたみと収納/訂正日 8月10日。実施内容の記載誤りのため訂正。
他の利用者の内容が混ざった 8月8日の記録のうち、食事量の記載は別の利用者の内容でした。8月10日に訂正し、本人の当日の摂取量(主食10割・副菜7割)に改めます。
日付だけ違っていた 訂正前:提供日 8月7日/訂正後:提供日 8月8日/訂正日 8月10日。日付の記載誤りのため訂正。
記載者の名前が抜けていた 【追記 8月10日】8月8日の記録の記載者は(記入欄:氏名)です。記入漏れのため追記します。
家族へ連絡した事実が抜けていた 【追記 8月11日10時】8月8日17時に長女へ電話し、当日の体温と食事量をお伝えしていました。記載漏れのため追記します。
報告した相手が抜けていた 【追記 8月10日】8月9日11時20分、看護職員へ発熱を報告していました。記載漏れのため追記します。
本人の言葉を要約してしまった 【追記 8月10日】8月8日の記録について、本人の発言は「今日は寒いから明日にしたい」でした。要約せず原文で追記します。
推測を事実として書いていた 【追記 8月10日】8月8日の「痛みがあった」との記載は職員の判断です。観察した事実は、立ち上がりの際に顔をしかめ、右膝に手を当てられたことです。
評価語を書いていた 【追記 8月10日】8月8日の記載を、行動の記述に改めます。「自分でやりたい」と2回話され、見守りに切り替えたところ上着の着脱を自分で行われました。
職員への評価を書いていた 【追記 8月10日】8月8日の記載のうち、職員の対応に関する評価部分は、利用者の記録に記載すべき内容ではないため、事実のみに改めます。
家族への評価を書いていた 【追記 8月10日】8月8日の記載を事実に改めます。8月3日・5日・8日の3回、長女の携帯へ電話し、いずれも応答がありませんでした。
後日にまとめて書いた 【追記 8月11日】8月8日から8月10日までの訪問について、8月11日に記載します。提供日ごとに内容を分けて記載します。
前回の文章をそのまま使っていた 【追記 8月10日】8月8日の記録は前日の内容と同一でした。当日の実測値(体温36.4℃、主食10割、水分850mL)に改めます。
様式の欄が空欄のままだった 【追記 8月10日】8月8日の入浴欄は空欄でしたが、当日は入浴を実施していません。「実施なし(本人の希望により中止)」と追記します。
電子記録を直した 8月9日15時、体温の入力誤りを修正(36.5℃→37.5℃)。修正者(記入欄:氏名)。編集履歴に記録されています。
代筆したことが書かれていなかった 【追記 8月10日】8月8日の記録は、(記入欄:氏名)の口頭報告をもとに(記入欄:氏名)が代筆したものです。
関係する人に直したことを伝える 8月10日16時、担当の介護支援専門員へ、8月8日の記録を訂正した旨と訂正内容を電話でお伝えしました。
同じ誤りを繰り返さないために 原因:訪問を終えてから記載までに時間が空いた。次から:訪問終了時に、時刻と数値だけを先に記入する(開始日 8月11日/確認者 記入欄)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

やってはいけない直し方(引用)と、代わりにできること

避けたい直し方(引用) 何が起きるか 代わりにできること
「(修正液で消して書き直す)」 訂正前の内容が読めず、訂正か書き換えかを区別できない 二重線を引き、訂正者の署名と訂正日を残す
「(用紙ごと差し替える)」 元の記録そのものが存在しなくなる 差し替えず、訂正前後の両方を残す
「(行間や余白に書き足す)」 どれが当日の記載か分からなくなる 末尾に【追記 月日 時刻】を付けて記入する
「(あとから日付だけ書き換える)」 提供日と記載日の関係が崩れる 日付は訂正の手順で直し、記載日を併記する
「(電子記録を履歴が残らない方法で直す)」 いつ誰が直したか分からない 編集履歴が残る方法で直し、備考に理由を書く
「(記録を削除して作り直す)」 訂正の跡がなくなり、記録全体の確からしさに及ぶ 元の記録を残したまま、訂正の記録を追加する
「(後から思い出した内容を当日の文体で書く)」 当日に観察したことと区別できない 追記であることを先頭に明記する
「(他の職員の記録を無断で書き換える)」 記載者と内容の対応が崩れる 記載者に確認し、訂正者を別に記入する

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

直し方が決まっていれば、書く手も軽くなります。次は、そもそも直さずに済むように、書く前の順番を決めておく方法です。

書く前に迷わない記入の枠|8つの要素の順番と、枠に沿った完成文40例

NGの多くは「何から書くか」で迷った瞬間に生まれます。迷った手は、いちばん書きやすい言葉に逃げます。それが「実施」「見守り」「良好」です。順番をあらかじめ決めておけば、迷う時間がなくなります。下の8要素は、1件の記録に入れる順番です。すべてを毎回書く必要はありませんが、①②③⑥は空欄にしないと決めておくと、記録の弱さの大半が消えます。

順番 要素 何を書くか 自事業所の書き方(記入欄)
① いつ 時刻。幅がある場合は開始と終了の両方 (記入欄:24時間表記か/単位は分か)
② 誰が 行った職員と、動作の主体になった人 (記入欄:氏名の書き方)
③ どこで 場所。移動があれば起点と終点 (記入欄:場所の呼び方)
④ 見たこと・聞いたこと 観察した事実。数値があれば数値で (記入欄:必ず測る項目)
⑤ 本人の言葉 要約せず、話されたとおりに囲んで書く (記入欄:囲み記号)
⑥ 行ったこと 職員が何をしたか。介助の範囲も書く (記入欄:介助の程度の表し方)
⑦ その結果 行ったあとに本人がどうなったか (記入欄:結果を書く欄の場所)
⑧ 報告と次の確認 誰に何を伝えたか、次に何を見るか (記入欄:報告先の一覧)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

枠に沿った完成文|関わりの始まりと終わり(14例)

場面 そのまま使える完成文
到着したとき 10時00分、居室にて(記入欄:職員氏名)が挨拶。本人はベッドに腰かけて新聞を読んでおられた。「もう来たの」と話される。
本人の体調を確かめたとき 10時05分、体温36.4℃、血圧126/74を測定。「今日は体が軽い」と話される。予定どおり進めることを本人と確認した。
その日の予定を相談したとき 10時08分、本日の予定(掃除・洗濯・買い物)をお伝えし、「買い物を先にしてほしい」とのご希望があったため順番を入れ替えた。
本人が予定の変更を希望したとき 10時10分、「今日は掃除だけでいい」と話される。理由をうかがうと「昨日買い物に行った」とのこと。掃除のみ実施した。
作業に入る前の確認 10時12分、洗濯機の使い方について本人に確認し、「いつもの設定でいい」とのお答えをいただいた。
途中で休憩をとったとき 10時35分、本人が「少し休みたい」と話され、椅子に座って5分間休まれた。休憩後は自分で立ち上がられた。
予定していたことができなかったとき 11時00分、雨天のため洗濯物の外干しは行わず、室内干しに変更。本人に説明し「それでいい」とのお答え。
本人ができた部分があったとき 11時05分、食器洗いを本人が最後まで自分で行われた。職員は隣で見守り、シンクの高さの調整のみ実施。
終了時に確認したこと 11時40分、実施した内容(掃除機がけ・洗濯・食器洗い)を本人と一緒に確認し、「ありがとう、助かった」と話される。
終了時に気になったこと 11時42分、玄関で靴を履く際に壁に手をつかれた。次回、玄関での動作を確認する。
退室したとき 11時45分、施錠を本人が行い、玄関にて見送りを受けて退室。
次の予定を伝えたとき 11時44分、次回の訪問日(8月13日10時)をお伝えし、カレンダーに一緒に記入した。
提供時間を記録するとき 提供日 8月11日/提供時間 10時00分〜11時45分(実際の開始・終了時刻)/記載日 8月11日/記載者(記入欄:氏名)。
予定より短く終わったとき 提供時間 10時00分〜10時50分。本人のご希望により買い物を行わなかったため、予定より短く終了。理由を本人と確認済み。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

枠に沿った完成文|暮らしの場面(13例)

場面 そのまま使える完成文
食事の様子 12時00分から12時25分まで昼食。主食10割、副菜7割、汁物は半分残された。むせはなく、箸を自分で使われた。
食事量が変わったとき 昼食は主食5割(前日は10割)。「今日はあまり食べたくない」と話される。夕方に間食としてゼリーを1個摂取された。
水分をとった量 水分摂取:朝 200mL、昼 200mL、15時 150mL、合計 550mL。「お茶はぬるめがいい」と話される。
入浴の場面 14時05分から14時35分まで入浴。湯温40℃。浴室までは自分で歩かれ、洗身は背中のみ介助。洗髪は自分で行われた。
入浴を見合わせたとき 14時00分、「今日は寒いから明日にしたい」と話される。室温を22℃に上げ、14時30分に再度お誘いしたところ入浴された。
着替えの場面 9時15分、上着は自分で脱がれ、ボタンのみ職員が介助。ズボンは座位のまま職員が介助した。
排泄の場面 日中の排尿5回、排便1回(普通便)。いずれもトイレで、移動は見守り、ズボンの上げ下ろしのみ介助。
移動の場面 居室から食堂までの約20メートルを歩行。手すりを使って自分で歩かれ、途中の立ち止まりは1回。
整容の場面 8時40分、洗面台にて洗顔と整髪を自分で行われた。ひげそりは職員が電気かみそりを手渡し、本人が実施。
口腔の清掃 昼食後、洗面台にて歯みがきを実施。ブラシは本人が持たれ、仕上げのみ職員が実施。うがいは自分で行われた。
お薬に関わる場面 12時35分、本人が自分でお薬を手に取り、水とともに飲まれたことを目の前で確認した。残薬の有無は(記入欄)。
過ごし方 10時から11時30分まで、居間で新聞を読んで過ごされた。席を立たれたのは1回(トイレ)。
本人が話されたこと 「台所に自分で立ちたい」と話される。現在は座って野菜を洗うところまで実施されている。次回、立位での作業時間を確認する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

枠に沿った完成文|変化・安全・連絡の場面(13例)

場面 そのまま使える完成文
体温が上がったとき 9時30分 体温37.8℃。10時00分 再検で38.1℃。水分は午前中で200mL。10時05分 管理者へ報告し、指示を受けた。
食欲の変化に気づいたとき 8月6日から食事量が半分の状態が3日続いている。8月9日は主食7割まで戻った。体温はいずれの日も36℃台。
歩き方が変わったとき 14時、右足の運びが鈍く、歩行時に右手で壁を触られた。歩行を中止し椅子に座っていただく。14時10分 管理者へ報告。
痛みの訴えがあったとき 立ち上がりの際に顔をしかめ、右膝に手を当てられた。「ここが痛い」と話される。動作を中止し、座位で休んでいただいた。
皮膚の様子に気づいたとき 入浴時、右前腕の外側に約3センチメートルの赤みを確認。本人は「ぶつけた覚えはない」と話される。看護職員へ報告(14時40分)。
床に座っている本人を見つけたとき 15時10分、居室内で床に座っている本人を発見。ベッド柵は下ろされ、スリッパは1足がベッド下にあった。「立とうとしたら尻もちをついた」と話される。
発見後の対応 15時12分、痛みの訴えの有無と手足の動きを確認。15時15分 管理者へ報告。15時25分 長女へ電話。15時40分 介護支援専門員へ連絡。
再発防止として決めたこと 原因:立ち上がり時に履物の位置が定まっていなかった。対策:8月10日から、就寝前に履物をベッド右側の定位置に置く。確認者(記入欄:氏名)。
家族へ連絡したとき 16時00分、長女の携帯へ電話(通話 約6分)。当日の体温と食事量、明日の受診予定をお伝えした。
家族へ連絡がつかなかったとき 8月3日・5日・8日の3回、長女の携帯へ電話したが応答なし。8日は留守番電話に用件を残した。
介護支援専門員へ連絡したとき 8月9日14時、担当の介護支援専門員へ電話。歩行時のふらつきが増えていることと、手すりの追加について相談した。
他の事業所へ引き継いだとき 午前の訪問時、右手で手すりをつかむ場面が2回。午後の関わりの際にも同じ動作があるかご確認ください(連絡票にも記載)。
次に確認することを残すとき 次回8月13日の訪問時に、右膝の痛みの訴えの有無と、玄関での靴の着脱の様子を確認する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ここまでは個人の書き方の話です。ただし、記録のNGは個人の努力だけでは減りません。同じ事業所の中で書き方がそろっていないと、読む人は毎回、書き手の癖を読み解くところから始めることになります。

個人技を仕組みに変える|決めごと18・型別の言い換え60組・公表資料の指摘12

記録の研修を何度やっても戻ってしまうのは、迷いどころが事業所として決まっていないからです。時刻の書き方、呼び方、訂正の方法。ひとつずつは小さいのに、決まっていないと毎回そこで手が止まり、止まった手はまた「実施」に逃げます。下の表は、そのまま会議の議題にできる決めごとの一覧です。

会議でそのまま決められる18の決めごと(記入欄つき)

決めること よくある選び方の例 自事業所の決定(記入欄) 決まっていないと起きること
時刻の表記 24時間表記/午前・午後を付ける (記入欄) 「4時」が朝か夕方か読み手に分からない
時刻の細かさ 実際の時刻をそのまま/5分単位に丸める (記入欄) 経過の速さを比べられなくなる
日付の表記 西暦/和暦のどちらかにそろえる (記入欄) 書類ごとに表記が違い、突合に時間がかかる
利用者の呼び方 氏名+様/氏名+さん (記入欄) 本人・家族が読んだときの印象が書き手ごとに変わる
家族の書き方 続柄で書く/続柄+氏名で書く (記入欄) 誰に連絡したのか特定できない
職員名の書き方 姓のみ/姓名/職種+姓 (記入欄) 同姓の職員がいるときに行為者が定まらない
略語を使ってよい範囲 内部の記録のみ/本人・家族が読む書類では使わない (記入欄) 読み手によって意味が変わって伝わる
数値の単位 体温は℃、水分はmL、距離はメートル、時間は分 (記入欄) 量の認識が読み手ごとにずれる
食事量の表し方 主食・副菜を分けて割で書く/量で書く (記入欄) 前日との比較ができない
水分量の表し方 合計のみ/時間帯ごとに分ける (記入欄) いつ足りていないのかが分からない
介助の程度の表し方 介助した部位を具体的に書く/段階の語を決める (記入欄) できている動作が記録から消える
本人の発言の囲み方 かぎかっこで原文のまま囲む (記入欄) 職員の要約と本人の言葉が混ざる
推測を書くときの形 観察した事実を先に書き、判断を後に分けて書く (記入欄) 推測が事実として読まれる
他職種に触れるときの形 職種+報告した時刻+受けた内容を書く (記入欄) 連携の記録として使えない
他の利用者に触れるときの形 氏名を書かず、状況のみを事実として書く (記入欄) 別の人の個人情報が記録に残る
訂正の方法 二重線+訂正者+訂正日/電子は編集履歴を残す (記入欄) 訂正か書き換えかを外から区別できない
追記の書き出し 【追記 月日 時刻】を先頭に付ける (記入欄) 当日の記載と後日の記載が混ざる
提供日と記載日の扱い 両方を記入する/後日記載は理由も書く (記入欄) 記載の時期が確認できない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型別の言い換え辞典①|混ざる・抜ける・埋まる・評価する(15組)

型 避けたい書き方(引用) そのまま使える書き方
④ 「落ち着いて過ごされた」 10時から11時30分まで、居間で他の方と話をして過ごされた。席を立たれたのは1回。
① 「調子が良さそう」 「今日は体が軽い」と話される。歩行時のふらつきなく、居室から食堂まで手すりを使わずに歩かれた。
④ 「食事はまずまず」 主食10割、副菜7割。汁物は残された。所要20分。
④ 「排泄は問題なし」 日中の排尿5回、排便1回(普通便)。いずれもトイレで自立。
① 「うとうとしている時間が多い」 13時から14時の間、声をかけると開眼されるが、その後すぐに目を閉じられる状態が続いた。
⑯ 「入浴実施」 14時05分から14時35分まで入浴。洗身は背中のみ介助、洗髪は自分で行われた。
③ 「早めに対応」 11時40分に気づき、11時45分に管理者へ報告した。
③ 「午後から様子が変わった」 13時20分から、声かけへの返答が単語のみになった。午前は文章で応答されていた。
④ 「本人が嫌がった」 「今はやりたくない」と話され、時間を空けて15時に再度お誘いした。
⑯ 「手伝った」 立ち上がりのときに前から両手を支えた。歩行と着席は自分で行われた。
① 「機嫌よく過ごされる」 「今日は娘が来る」と3回話された。表情は普段より口角が上がっている。
④ 「よく食べていた」 主食10割・副菜10割。おかわりを1回希望され、主食を半量追加した。
④ 「たくさん歩かれた」 廊下を往復2回(約60メートル)。途中の休憩は1回、約1分。
① 「だいぶ良くなった」 先週は立ち上がりに両手の支えが必要だったが、本日は手すりを使って自分で立たれた。
④ 「特に問題は見られない」 体温36.3℃、血圧118/70。皮膚に発赤なし。食事・水分・排泄は記載のとおり。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型別の言い換え辞典②|断定・伝聞・本人の言葉・「〜させた」(15組)

型 避けたい書き方(引用) そのまま使える書き方
⑤ 「疲れているようだった」 「昨日は出かけて疲れた」と話される。午前中は椅子に座って過ごされた。
⑤ 「寂しいのだと思う」 「誰も来ない」と2回話された。長女の来訪予定を一緒に確認した。
⑤ 「痛みはなさそう」 動作のときに顔をしかめる様子はなく、「痛くない」と話される。
⑥ 「聞いた話では転んだとのこと」 本人から「玄関で尻もちをついた」とお話があった。確認した相手・日時(記入欄)。
⑥ 「家族もそう言っている」 8月6日15時、長女から電話で「同じことを何度も言うようになった」とのお話があった。
⑥ 「みんな心配している」 担当者会議で、他の事業所の担当者2名から、移動時のふらつきについて意見があった。
⑦ 「本人も納得された」 「それなら試してみる」と話される。次回8月13日の訪問で様子をうかがうこととした。
⑦ 「拒否が強い」 「今日はしない」と話され、理由をうかがうと「体がだるい」とのこと。
⑦ 「訴えが多い」 「腰が重い」との訴えが本日3回。いずれも午前中。
⑧ 「着替えさせた」 上着は自分で脱がれ、ボタンのみ介助した。ズボンは座位で職員が介助。
⑧ 「トイレに行かせた」 「トイレに行きたい」と話され、歩いてトイレへ。移動は見守り、ズボンの上げ下ろしのみ介助。
⑧ 「外に連れて行った」 「外に出たい」と話され、玄関前まで一緒に歩いた(往復 約10分)。
⑧ 「薬を飲ませた」 本人が自分でお薬を手に取り、水とともに飲まれたことを目の前で確認した。
⑦ 「本人が了解した」 説明した内容を復唱していただき、「分かった、それでいい」と話される(8月7日11時20分)。
⑯ 「様子を見に行った」 10時40分に訪室。ベッドに座って新聞を読んでおられた。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型別の言い換え辞典③|職員評価・家族評価・写し・後書き(15組)

型 避けたい書き方(引用) そのまま使える書き方
⑨ 「他の職員の説明が足りなかった」 本人から「聞いていない」とのお話。8月9日に改めて説明し、ご了解をいただいた。
⑨ 「引き継ぎが悪い」 前日の記録に入浴の記載がなかったため前勤務者に確認し、実施済みであることを確認した。
⑩ 「家族が言うことを聞かない」 長男へ2回説明したが「まだ決められない」とのお話。8月20日に改めて相談することとした。
⑩ 「家族が勝手に決めた」 長女から通所の回数を減らしたいとのご希望。8月9日14時、担当の介護支援専門員へ連絡した。
⑩ 「家族の対応が遅い」 8月2日に依頼した書類が8月9日時点で未着。8月9日16時に長女へ確認の電話をした。
⑪ 「昨日と同様」 比較した項目を書く。食事量・水分量・排泄回数は前日と同じ(主食10割、水分900mL、排尿5回)。
⑪ 「上記に同じ」 該当する項目ごとに、その日の数値と時刻を記入する。
⑪ 「(様式の定型文のまま)」 実施しなかった項目は「実施なし」と理由を記入する。
⑪ 「(他の利用者の氏名が残った記録)」 記載後に、利用者名・日付・記載者名を読み返してから確定する。
⑫ 「(あとで書きます)」 提供日と記載日を分けて記入する(提供日 8月8日/記載日 8月8日)。
⑫ 「(数日分をまとめて記入)」 【追記 8月11日】8月8日の訪問について記載する。
⑫ 「(記憶で補って書く)」 思い出せない項目は空欄にせず「(確認中)」とし、確認できた日に追記する。
⑫ 「(日付だけ入れ替えた)」 日ごとに、その日に見たことを書く。
⑪ 「(前回の文章を貼り付けた)」 変わらない項目も、その日に確認した数値を入れる(体温36.4℃、血圧120/72)。
② 「(記載者名が空欄)」 記載者(記入欄:氏名)。代筆した場合は代筆者名も記入する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

型別の言い換え辞典④|訂正の跡・伝わらない語・長い・短い(15組)

型 避けたい書き方(引用) そのまま使える書き方
⑬ 「(修正液で消す)」 二重線を引き、訂正者の署名と訂正日を記入する。
⑬ 「(一部を塗りつぶす)」 元の文字が読める状態を保つ。
⑬ 「(記録を差し替える)」 差し替えず、訂正前と訂正後の両方を残す。
⑬ 「(電子記録を履歴なしで直す)」 編集履歴が残る方法で修正し、備考に修正内容と日付を記入する。
⑬ 「(行間に書き足す)」 追記と分かる書き出し(【追記 8月11日】)で、末尾に記入する。
⑭ 「(専門用語だけで書く)」 起き上がりは手すりを使って自分でできる。立ち上がりは職員が前から両手を支える。
⑭ 「(事業所だけの言い回し)」 他の事業所の職員が読んでも同じ意味になる語で書く。
⑭ 「(単位を書かない数値)」 体温36.4℃、水分350mL、歩行距離 約20メートル。
③ 「(時刻を『朝』『昼』で書く)」 7時40分、12時15分のように時刻で書く。
⑮ 「(1日を1文で書き続ける)」 【変化】【対応】【報告】の3つに分けて書く。
⑮ 「(同じ内容を複数の欄に書く)」 経過は1か所に書き、様式の欄には該当する項目だけを記入する。
⑯ 「(実施・未実施だけ)」 実施した内容と所要時間を書く(掃除機がけ 15分、洗濯物たたみ 10分)。
⑯ 「(本人の反応を書かない)」 行ったことと、その後の本人の様子を並べて書く。
② 「(報告先を書かない)」 11時20分、看護職員の(記入欄:氏名)へ報告。
⑯ 「(次に確認することを書かない)」 次回8月13日の訪問時に、右膝の痛みの訴えの有無を確認する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料に見られる、記録に関する指摘12(出典つき)

ここまでの型は、机上の分類ではありません。自治体が公表している運営指導の資料には、記録の書き方そのものに触れた指摘が並んでいます。以下は、公表資料から記録に関わるものを抜き出し、要旨として整理したものです。

公表資料に見られる指摘(要旨) 出典(自治体・資料名) 記録の側で備えておくこと
サービス提供の記録が残されていない/記録された内容と請求内容に齟齬がある/提供した具体的な内容や利用者の心身の状況の記載がない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 提供日・提供時間・具体的な内容・本人の様子の4点を、1件ごとに空欄にしない
事業所として行ったアセスメントの記録がない、または内容が具体的でない(チェック欄のみで備考が空白の例が示されている) 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 チェックの横に、その状態が分かる一文を書く欄を設ける
個別サービス計画の評価が記号のみで、実施状況を把握しているとはいえない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 評価欄に、目標に対して何がどこまで変わったかを文で残す
事故発生時に家族・介護支援専門員へ連絡した記録がない/再発防止の検討内容が具体的に記録されていない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 報告様式に連絡先と連絡時刻の欄を設け、原因と対策を分けて書く
サービス提供時間について、計画に記載された時間をそのまま記載するのではなく、実際に提供した開始時間・終了時間を記録するよう指導された事例 和歌山市「令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】」(令和4年3月・指導監査課) 計画の時間を写さず、実際の開始・終了時刻を記入する運用にする
身体的拘束等を行っているにもかかわらず、その態様及び時間、心身の状況、緊急やむを得ない理由の記録を行っていなかった事例 和歌山市「令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】」(令和4年3月・指導監査課) 態様・時間・心身の状況・理由の4欄を持つ様式にする
計画に記載された作成日・同意日等に整合性がなく事実と異なる/修正が必要な場合は、元の内容と修正後の内容、修正日がわかるよう記録を残すこと 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月 介護保険事業者説明会) 訂正前・訂正後・訂正日・訂正者の4点を残す形に統一する
個別サービス計画の目標が居宅サービス計画の丸写しである/モニタリングの内容が漠然としており、意向・満足度・目標の達成度・実施状況を確認できなかった 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等」(令和6年6月 集団指導) 目標も評価も、自事業所が担う内容として具体化して書く
提供した具体的なサービスの内容等の記録は、運営指導で指摘が多い項目である旨の注記 熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 介護老人福祉施設」 日々の記録から、計画に位置付けた内容が確認できるかを月次で点検する
交付先が「担当者へ交付」としか記載されておらず、交付先が特定できなかった 豊島区「居宅介護支援事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和4年度・22事業所)」 相手方の名称・日付・方法を、まとめずに個別に書く
加算を算定した日のサービス提供の記録に、当該サービスを提供した記録が確認できなかった/提供票と提供記録が一致していなかった 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」 実施した項目名を記録に明記し、提供票との突合を請求前の手順に入れる
個別機能訓練加算について、実施記録に実施時間・訓練内容・担当者が記載されていない 久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成) 実施時間・内容・担当者の欄を様式に設け、記入漏れを防ぐ

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

加算に関する記録の求め方は、告示や保険者の運用によって異なります。自事業所が算定している加算について、記録に何を残すこととされているかは、指定を受けた保険者(指定権者)の公表資料でご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

厚生労働省が示している運営指導の確認項目でも、サービス提供の記録については「計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか」「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか」が挙げられ、確認文書としてサービス提供記録が示されています。ここまで見てきた16の型は、この2行を満たすための言い換えにほかなりません。

よくある質問(FAQ)

介護記録でやってはいけないことは?
「特変なし」だけで済ませる、主観だけで書く、事実の改ざん、あいまいな表現などです。
良い記録のポイントは?
観察した事実を具体的に、客観的に、誰が読んでも分かる表現で残すことです。
記録は後から直してよいですか?
誤りは訂正のルールに沿って行い、事実をさかのぼって書き換えることは避けます。
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
カイポケをご利用中でなくても、神マナは単体で問題なくご利用いただけます。「マナドライブ」で帳票類の管理・網羅もでき、まず神マナを導入して後からカイポケを連携することも可能です。カイポケの導入をご希望の際は、当社からサポート担当へお繋ぎします。詳しくは「カイポケ導入相談・お見積り」の案内ページをご覧ください。
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避けたい書き方と、言い換え(拡張版)

記録はあとから読む人が、その場を思い浮かべられるかで判断します。

避けたい書き方 なぜ問題か 言い換え
「様子観察」 何を見たか分からない 「歩行時のふらつきの有無を確認。ふらつきなし」
「異常なし」 何を確かめたかが不明 「発赤・腫脹・熱感なし」
「対応した」 何をしたか不明 「臥床を促し、10分後に再度訪室」
「声かけした」 内容が不明 「『お茶を飲みませんか』と声をかける」
「本人の希望により」 希望の内容が不明 「『今日は入りたくない』と話される」
「介助にて実施」 どの程度か不明 「立位保持のみ介助。洗身は自立」
「多い/少ない」 基準が不明 「水分摂取 800mL(前日1,200mL)」
「時々」 頻度が不明 「1時間に2回」
「〜と思われる」だけ 根拠がない 「顔をしかめており、痛みがあると考えられる」
「認知症のため」 原因の決めつけ 「同じ質問を3回繰り返される」
「危険なので制止した」 拘束にあたる可能性 「立ち上がられたため、隣に座り話しかける」
「家族に連絡した」 誰に、何を、が不明 「長女へ電話。発熱と受診の予定を伝える」
「後日対応」 いつか不明 「4月12日の訪問時に確認する」
「本人拒否のため中止」 評価語 「『今日はやめておく』と話されたため中止」
略語・造語 伝わらない 正式な語で書く
推測だけの記載 事実と区別がつかない 見たこと・聞いたことを先に書く

直すときの手順

手順 やること
1 その文で「誰が読んでも同じ絵が浮かぶか」を確かめる
2 評価語(拒否・不穏・問題行動)を、行動の記述に置き換える
3 量・回数・時間を数字にする
4 本人の言葉は「 」でそのまま書く
5 判断を書くときは、その根拠になった事実を先に書く
6 行った援助と、その結果を書く
7 誰に何を報告したかを書く
8 次に確かめることを書く

基本は介護記録の書き方、SOAPはSOAPの書き方をご覧ください。

記法から見直す場合はフォーカスチャーティングが参考になります。「したこと」で終わらず「その結果どうなったか」まで書く形が決まっています。

記録は保存期間中に見返されることを前提に書きます。年限は介護記録の保存期間と個人情報の扱いをご覧ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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