【令和8年度】補助金の検索は無料|申請サポートは有料

介護の記録業務の改善事例50件|厚労省の報告書から【課題・打ち手・結果】

厚生労働省が公表している業務改善の報告書などから、記録業務に関する事例50件を抜き出して整理しました。現場で挙がった課題/取り組んだこと/結果/出典を1行にまとめています。実在する事業所の報告なので、抽象論ではありません。表はExcel/CSVで持ち帰れます。

二重入力、清書、手書きからの転記、記録の遅れ。どの事業所も同じところで詰まっています。

結果の欄が「記載なし」のものは、報告書に効果が書かれていないものです。推測で補っていません。事業所の規模・体制によって結果は変わります。取り組みの内容と前提を読んだうえで、自事業所に合う形に置き換えてください。

記録業務|どの分野・どのサービスの事例か

分野 件数
記録業務 50
サービス種別 件数
訪問介護 19
施設 18
居宅 13
通所 13
居宅介護支援 11
通所介護 7
訪問看護 5
介護老人福祉施設 4
介護老人保健施設 4
訪問入浴 2
特定施設入居者生活介護 2
通所リハビリテーション 1
開発企業 1
住宅型有料老人ホーム 1
居宅サービス 1
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1

記録業務の改善事例(50件)

現場で挙がった課題 取り組んだこと 結果 出典(事業所名・報告書)
記録業務はタブレット端末を中心として行っており、排泄の時など一部手書きのメモを活用していた。連絡調整のためにPHSとナースコールを活用していた。 全職員がスマートフォンとイヤホンを持ち歩き、介助と同時並行もしくは介助の直後に音声で記録を入力する運用に変更。あわせてインカムを導入し、必要な連絡のみ受けられるようグループ分けを行った。法人の中期計画として音声入力による介護記録システムの効率化を位置づけ、実証施設で先行導入した。 記録・文書作成・連絡調整等の業務時間が、昼間は導入前44分→事後①45分→事後②37分に削減。夜間も事前49分→事後①52分→事後②36分に削減。記録業務の効率化について70%以… 厚生労働省 介護テクノロジー取組事例集(令和8年3月) 事例9
薬剤管理は持参薬や在庫管理、副作用の把握、家族説明、定期処方への切替、与薬管理、介護職員への薬剤指導等多岐にわたり、担当する看護職員への心身の負担が相当なものとなっていた。月平均30名程度の新規入所者がいるが、看護職員が薬剤情報を電子カルテに手入力するのに新規入居者1人当たり平均40分の時間がかか… 服薬管理のICT機器(楽くすり)を導入し、薬剤情報の自動読取による持参薬登録・処方箋作成を実施。薬局で持参薬を一括管理する運用に見直し、コードが小さく読み取りにくいためQRコード読み取り機も導入した。 新規入居者1人当たりにかかる入所業務の時間が事前121分→事後①101分→事後②92分と29分減少。看護職員の「測定・観察・処置」時間が11分増加、「保清・整容・排泄支援・食事介… 厚生労働省 介護テクノロジー取組事例集(令和8年3月) 事例11
介護記録をサービス利用確認書(紙)を用いて作成している。請求作業に伴う転記作業の負荷が大きい。職員のシフトをエクセルで作成している。急なシフト変更や利用者の体調変化による担当変更に迅速に対応できない。 介護記録ソフトを導入し、介護記録の作成と実績チェックを紙の確認書ではなくソフト上で行う。シフトの作成や職員間共有も介護記録ソフトのシフト作成機能で実施した。 介護職員のタイムスタディ調査(事前・事後①:8名、事後②:7名)で、事前から事後②にかけて転記作業時間が39.2分減少(総労働時間480分換算)。記録業務の質を点数化する調査では… 厚生労働省 介護テクノロジー取組事例集(令和8年3月) 事例12
評価項目が多く、測定やアセスメントに時間がかかる。口頭で測定結果を伝えるだけでは、利用者や家族にとって分かりにくい。 機能訓練ソフトを用いたアセスメントを実施し、評価内容を記録に反映。ソフトで可視化したレポートを用いて利用者にフィードバックした。 利用者調査(n=9)において「機器導入により利用者の状況が可視化できる」「取得したデータ等から別なケアに活かすことができる」「取得したデータ等をケア計画の策定・見直しに活かすこと… 厚生労働省 介護テクノロジー取組事例集(令和8年3月) 事例19
介護記録ソフトを既に導入しているが、各階での多職種の記録入力はPCとタブレットに限られている。各階介護の日勤リーダーと多職種が使用する連絡手段が統一されていない(2種類の無線を使用していた)。 タブレットの台数を減らし、全職員分のスマートフォンとヘッドセットを使用して音声入力による記録入力を実施。あわせて音声入力を含む業務連絡アプリを活用し、全職員で共有できるツールに統一した。 タイムスタディ調査(事前n=11、事後①・②n=10)において「記録・文書作成・連絡調整等」の時間が事前41.3分→事後②30.6分と9.7分削減(480分換算)。心理的負担が「… 厚生労働省 介護テクノロジー取組事例集(令和8年3月) 事例23
記録業務が多く残業等が発生している。記録内容もバラバラで、見ても理解できず直接聞くことがある。食事や排泄等の記録を手書きで記入し、後から詰所にあるPCに内容を入力するため、二重記載や残業が発生している。 岩手相談窓口が、介護ソフトのメーカー変更は現場をさらに混乱させると説明し、まず現場の課題を対話で深掘りすることを提案。既存の介護ソフトメーカーに連絡して使用期間が残っていること、同メーカーのタブレットはオフラインでも使えることを確認し、Wi-Fi未整備の施設でも使用可能と説明。施設長・事務長・担当者・現場職員で話し合う場を持ち、経営陣の… 「タブレットを導入することで二重記載が減り、大幅に記録にかかる時間が減った。記録の基準・ルールを見える化し整理されたため、業務中の手書きは残ったものの、同じ情報の転記量が減り、何… 厚生労働省 介護ロボットの開発・実証・普及広報のプラットフォーム事業 事業報告書(令和7年3月)第2章…
【注:本資料は個別施設の事例集ではなく、令和3年度ICT導入支援事業の補助を受けた5,371事業所(回答5,058・94.2%)への全国アンケート集計である】導入前は文書がPC入力でも印刷保管、あるいは手入力・紙保管が中心で、記録・文書の作成に時間を要していた。介護サービス施設・事業所では導入前「… 補助により介護ソフト(補助機器の67.5%)、タブレット端末(53.6%)、Wi-Fi機器(20.8%)、モバイルPC(10.9%)等を導入。導入にあたっては「記録・報告様式を見直した」84.9%、「業務手順書・マニュアルを作成した(申し送り等の標準化等)」71.1%といった業務側の見直しを併せて実施。 「文書作成の時間が短くなった」81.9%/「記録に要する時間が削減された」78.7%(1年目)/「計画・報告が充実した(計画・報告作成時間の短縮、内容の充実等)」70.4%。文書… 厚生労働省 老健局高齢者支援課 介護業務効率化・生産性向上推進室「ICT導入支援事業 令和3年度 導入…
【全国集計】導入前は文書ごとに手入力・紙保管が残り、一度入力した情報を他の文書に再利用できていなかった(介護サービス施設・事業所の「手入力・紙保管」導入前30.6%)。 介護ソフトを導入し、利用者に関する記録(基本情報、要介護認定情報、家族情報等)、アセスメント表、居宅・施設サービス計画書、サービス提供記録、サービス提供票(実績)、介護給付費明細書・請求書の作成・保管を同一ソフト上で行う(いずれも使用率80%以上の機能)。 「入力済みの情報を他の文書でも利用できるようになった」84.8%(感じている導入効果の中で最上位クラス)/「過去の文書(データ)の検索性が向上した」72.4%/「ファイリングの時… 厚生労働省「ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ」
【全国集計】記録・文書等の間接業務が直接ケアや利用者とのコミュニケーションの時間を圧迫していた(資料は削減された間接業務時間とその活用先を調査対象としている)。 介護ソフト・タブレット等のICT導入と、業務全体の流れの再構築(「業務の明確化と役割分担を見直した」82.0%)。 削減した間接業務時間(1年目):0~30分28.3%、30~60分24.4%、60~90分7.3%、180分~6.7%(「増えた」5.0%)。2年目は30~60分27.5%、60… 厚生労働省「ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ」
【全国集計】記録の読みやすさ・誤字脱字・内容の充実にばらつきがあった(資料は導入効果の項目として「記録が充実した(読みやすさ、誤字脱字の減少、内容の充実)」を設定)。 介護ソフトの導入に加え、「記録・報告様式を見直した」84.9%、「業務手順書・マニュアルを作成した(申し送り等の標準化等)」71.1%。 「記録が充実した(読みやすさ、誤字脱字の減少、内容の充実)」78.1%/「支援の質の向上に活かせるようになった」75.6%/「根拠に基づいて議論ができるようになった」60.9%。… 厚生労働省「ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ」
【全国集計】導入前は介護サービス施設・事業所で「PC入力・印刷保管」44.4%、「手入力・紙保管」30.6%と、紙での保管が7割超を占めていた。課題としても「全て電子化できず、印刷保管する文書が残ってしまう」「ペーパーレス化に対する経営者の理解・法人の方針」55.5%が挙がっている。 介護ソフトによる文書のデータ保管への移行。工夫として「職場の環境整備を見直した(整理整頓等)」85.5%。 「紙の文書量が削減された」77.2%/「保存のために必要な場所が減少した」72.7%/「ファイリングの時間が減った」75.3%。削減文書量(1年目)は「変化なし」22.5%、0~… 厚生労働省「ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ」
設問として「記録に要する時間が削減された」「間接業務の時間が削減された」が設定されており、情報の記録・入力や各種会議など利用者と直接接しない間接業務の時間が課題として扱われている。※本資料は個別施設の事例集ではなく、N=2,553事業所の集計サマリー。 令和2年度ICT導入支援事業による補助でICT機器を導入(補助機器N=4,182件の内訳:介護ソフト47.9%、タブレット端末23.9%、スマートフォン4.1%、Wi-Fi機器8.7%、モバイルPC2.7%、インカム2.2%、バックオフィスソフト7.7%、その他2.9%)。 「記録に要する時間が削減された」に4〜6(そう思う)が70.0%(平均4.10)。「間接業務の時間が削減された」は70.3%(平均3.83)。削減した間接業務時間(職員1人あたり… 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
紙文書の量が課題として設問化されている(「文書量が削減された」)。自由記述では「書類の保管場所」の問題も挙げられている。 介護ソフト等のICT導入による記録の電子化。あわせて「記録・報告様式を見直した」(4〜6が68.5%・平均4.03)等の運用見直しを実施。 「文書量が削減された」に4〜6が64.6%(平均3.91)。事業所あたり削減された紙文書(1ヶ月平均)は「0〜1割」25.0%、「1割〜2割」23.2%、「2割〜3割」15.2%… 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
「直接ケアにあたる時間が増加したか」が設問化されており、利用者と直接接する時間の確保が課題として扱われている。 ICT機器(介護ソフト・タブレット等)の導入による間接業務の圧縮。 「直接ケアにあたる時間が増加した」に4〜6が61.1%(平均3.75)。増加した直接ケア時間(職員1人あたり1月平均)は「0〜30分」29.2%、「30〜60分」19.0%、「6… 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
「業務上の単純ミスが減ったか」が設問化されており、人為的なミスが課題として扱われている。 介護ソフト等への直接入力による転記の削減。あわせて「入力単語の統一化」の工夫が自由記述で挙げられている。 「業務上の単純ミスが減った」に4〜6が66.5%(平均3.83)。自由記述に「人為的なミスが大幅に減った」「記録書式や文言を統一でき、見やすくなり、内容が充実した」。 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
「ケアプランが充実した」は記録関連4設問の中で最も肯定率が低く、記録の電子化がケアプランの質にはつながりにくいことが数値として現れている。 介護ソフト等のICT導入。自由記述では「多職種協働で総合的なケアプランになった」「ケアマネジメントのサイクルが安定した」という波及効果も報告されている。 「ケアプランが充実した」に4〜6が56.1%(平均3.67)。同じ記録カテゴリの「記録に要する時間が削減された」70.0%(4.10)、「記録が充実した」68.0%(4.02)、… 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
日本語での記録作成が外国人職員にとって負担となる(自由記述の【直接的効果】欄から、電子化以前は入力が難しかったことが示唆される)。 介護ソフト・タブレット端末等による記録の電子化。 自由記述(抜粋)に「外国人でも簡単なケアの記録なら入力可能となった」。※定量値の記載なし。 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
【うまくいかなかったこと】として、効率化できる業務や書類の分類が十分でなかった/記録内容等のルールの統一化がうまくいかなかった/職員のICT化に対する意識統一やスキルが十分でなかった/電子化に同意しない利用者がおり完全にICT化できなかった/慣れるまで想定より時間がかかった/ICTに要する費用が想… 【工夫したこと】として、情報共有の方法の見直し(4〜6が70.7%・平均4.09)、記録・報告様式の見直し(68.5%・4.03)、職場の環境整備(67.7%・3.96)、業務の明確化と役割分担の見直し(65.5%・3.89)、業務手順書・マニュアルの作成改訂(58.1%・3.71)。【その他のコメント】に研修の工夫、毎日タブレット端末… 工夫の実施率は上記のとおり。うまくいかなかった項目については定量値の記載なし。 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
導入初年度の事業所は効果の自己評価が相対的に低く、「慣れるまで、想定より時間がかかった」という記述もある。 導入後も継続してICTを活用すること(令和元年度に補助した事業所と令和2年度に補助した事業所を、いずれも令和3年3月時点で比較)。 『導入後、継続してICTを活用することでよりICTの導入効果の評価が高くなる傾向』。令和2年度→令和元年度補助事業所の平均値比較:間接業務の時間が削減された 3.83→4.32、… 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
紙媒体での記録管理に伴う個人情報漏えいのリスク(自由記述の【直接的効果】から示唆される)。 介護ソフト等による記録の電子化。 自由記述(抜粋)に「紙媒体より個人情報漏えいを防止できるようになった」。※定量値の記載なし。 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」(2…
記録・情報共有・請求といった間接業務に時間を要していた。事業に参加した195事業所へ介護ソフト181件・タブレット109件・スマートフォン11件等を導入し、用途は記録業務184件、情報共有業務185件、請求業務148件(重複あり)だった。 介護ソフト・タブレット・スマートフォン等の導入(ICT導入支援事業)。 間接業務の時間は「短縮された」166件・85%、「変わらなかった」24件・12%、「長くなった」5件・3%。短縮された時間(1ヶ月・1人あたり)は 0-30分 43件26%/30… 厚生労働省 令和元年度 ICT導入支援事業 実績報告まとめ(概要)
ケア記録等の書類の量が負担となっていた。 介護ソフト等のICT導入(記録業務184件・情報共有業務185件の用途で使用)。 ケア記録等の書類の量は「削減された」144件・74%、「変わらなかった」49件・25%、「増加した」2件・1%。削減された量の内訳(回答のあった85件が母数。「削減された」144… 厚生労働省 令和元年度 ICT導入支援事業 実績報告まとめ(概要)
転記誤り等の単純な誤りが発生していた。成果欄にも「業務上のミスが減った(転記ミスの減少 等)」と記載されている。 介護ソフト等のICT導入。 転記誤り等の単純な誤りは「減少した」111件・57%、「増加した」2件・1%、無回答(空白)81件・42%。※本資料は個別事例ではなく全体集計値。 厚生労働省 令和元年度 ICT導入支援事業 実績報告まとめ(概要)
ケアプランや各種計画・実績報告の作成・報告に負担があった。事業全体で居宅介護支援事業所への導入は42件。 介護ソフト等のICT導入。 成果欄に「ケアプランが充実した(ケアマネジャーへの円滑な報告、各種計画・実績報告作成時間の短縮、内容の充実、作りやすさ向上等)」と記載。定量的な数値は本資料に記載なし。 厚生労働省 令和元年度 ICT導入支援事業 実績報告まとめ(概要)
記録の読みやすさ・誤字脱字・内容の充実・管理のしやすさに課題があった。一方で課題欄には「PCが得意でない方の入力内容が薄くなった」との記載もある。 介護ソフト等のICT導入。 成果欄に「記録が充実した(読みやすさ、誤字脱字の減少、内容の充実、管理しやすさ等)」「記録に要する時間が削減された」「文書量が削減された」と記載。定量的な数値は本項目には記載なし… 厚生労働省 令和元年度 ICT導入支援事業 実績報告まとめ(概要)
分析装置等の製造販売企業が、ADLを簡便に評価・記録することができるアプリを開発中(企画・調査段階)。大学と共同研究している外国人介護人材向けアプリのコンセプトについて介護現場の声を聞きたい。将来LIFEとの連携を見据えており、現在のLIFEへの入力方法や提出方法、フィードバックの内容等を知りたい。 リビングラボ①(Future Care Lab in Japan)が現在のLIFEへのデータ送信方法、フィードバックの内容、介護現場におけるフィードバックデータの活用方法等を伝達(ケアマネジャー有資格の研究員が同席)。介護職員にコンセプトを伝えて使用感等をヒアリング。異なる現場の意見も聞きたいとの要望から国立長寿医療研究センターを紹介し… 数値は記載なし。「複数のリビングラボおよび介護現場から得られた多面的な意見を参考に、相談者側で開発コンセプトの再検討、複数介護施設での実証実験の計画を立てることができた」。 厚生労働省 同報告書 p.105-106 リビングラボでの支援事例②
A法人では、訪問介護員が1回のサービス毎に1枚の訪問介護記録書を手書きで作成(記入に5分程度)し、利用者の確認・捺印を得ていた。記録書は複写式(利用者控と事業所控)で、訪問介護員はサービス終了後に毎回事業所へ立ち寄って法人控を提出する必要があった。 サービス内容を事前に入力した訪問介護記録(QRコード印字)と、事業所でのQRコードリーダーによる読み取りを導入し、報酬請求業務の実績簡素化を行った。従来の紙の訪問介護記録書は残す形とし、業務フローを大幅に変えずに導入。事前に利用者・家族への案内文発送と個別説明、サービス提供責任者向け・訪問介護員向けの研修会を実施した。 1事業所・1ヶ月あたり(10月と1月の比較値)。事業所1:記録業務の記録時間 80.23時間の減少、報酬請求業務(サ責実績化)110.30時間の減少、残業時間 80.23時間の減… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.38-39(A法人の事例…
B法人では日々のサービス提供記録に複写式(利用者控と事業所控)を使用し、訪問の都度に利用者から署名・捺印を受け取り、利用者宅に控えを1枚渡し、訪問介護員が事業所に立ち寄った際に事業所控を提出していた。報酬請求はパソコンの介護報酬請求ソフトで別に行っていた。人手不足の中、少人数で対応する体制の構築が… 各種記録と介護報酬請求が連動するタブレットを導入。サービス提供責任者が提供後リアルタイムに記録を確認でき、訪問介護員の直行直帰が実現。ヘルパーシフト表の自動作成(訪問介護員のスケジュールや利用者の相性・距離から作成)と利用者の電子署名も可能。導入にあたり「管理者」「ヘルパー」「利用者」がどこでどの業務を行うかを時系列に整理した業務フロー… 1事業所・1ヶ月あたり(12月と2月の比較値、1週間分の計測結果を4倍)。記録業務の記録時間 1.2時間の減少、報酬請求業務(サ責実績化)8時間36分の減少。残業時間は37時間2… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.40-41(B法人の事例…
C法人では日々のサービス提供記録に複写式を使用し、訪問の都度に利用者から署名・捺印を受け取り、訪問介護員が事業所に立ち寄って事業所控を提出していた。導入前は事業所に戻ってから状況報告用の記録を作成していた。人手不足の中で作業効率と作業品質の向上、拡大する利用者の要望に対応できる体制構築が課題だった。 各種記録と介護報酬請求が連動するタブレットを導入(B法人と同型)。実施体制として、法人内に総括事業代表者(代表取締役)を1名、参加事業所内に推進責任者を配置し、職員を3チームに分けて各チームに常勤の訪問介護員をチームリーダーとして置き、ICT操作の習得と非常勤訪問介護員の支援を担当させた。法人外からはベンダー担当者が導入支援に入った。 1事業所・1ヶ月あたり(12月と1月の比較値、1週間分の計測結果を4倍)。記録業務の記録時間 106.4時間の減少、報酬請求業務(サ責実績化)22.5時間の減少、残業時間 5時間… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.42-43(C法人の事例…
D法人では、サービス提供の記録を3帳票(連絡帳・業務日誌・介護記録)に転記しており、いずれも紙媒体で記録・保管していた。改定ごとの報酬減少と介護人材の不足に対し、スキルアップ研修やマニュアル改訂等の人的な取り組みを行ってきたが限界を感じていた。 タブレット端末を用いて記録をICT化し、3帳票に同時に反映させる形にした。記録の範囲は利用予定実績・バイタル・食事・入浴・リハビリ・その他業務日誌に係る各種記録で、記録業務と請求業務の実施が可能。記録はクラウドで他端末に連携させ、転記・情報共有の工数を削減した。利用者・家族へは連絡帳の内容・収集方法・保管方法の変更について説明用紙を用い… 1事業所・1ヶ月あたり(10月と1月の比較値、24営業日)。事業所1:記録業務 36時間の減少、残業時間 36時間の減少。事業所2:記録業務 16時間の減少、残業は変化なし(残業… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.44-45(D法人の事例…
F事業所(訪問看護ステーション)では、訪問の流れをホワイトボードにマグネットで貼り付けて管理していたが、はがれてしまうために訪問漏れ・時間間違いのインシデントが発生していた。連絡手段が個人の携帯であったため情報漏洩の懸念があり、訪問看護計画書・報告書の作成に使用できるパソコンが少なく残業が多く、拘… 2019年3月にタブレット端末とクラウドサービス型の介護ソフト・バックオフィスソフト等を導入。訪問先でタブレットに記録を入力し、ステーション内でも確認できるようにした。クラウドは日々の記録・実績用、保険報酬請求用(介護・医療保険併用)、勤怠用を使い分けるが連動しており二重入力が発生しない。報告書は日々の記録から参照でき、訪問看護サマリー… 職員は訪問の合間の隙間時間に記録を作成できるようになり、残業時間も月1〜2時間程度になった。訪問スケジュールをソフト上で管理できるようになったことと報酬請求の誤りが減少したことで… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.51-53(F事業所の事…
K法人では、契約時に必要な文書量が多く、利用者1名当たり約200枚(契約書、重要事項説明書等、控え含む)の紙が必要だった。複数のサービスとの契約が必要な利用者に関しては、契約手続きだけでも約1日中かかることもあり、利用者やご家族等、また職員の拘束時間が長く負担になっていた。 既存の事業所のタブレット端末で電子署名が可能なアプリケーションを利用し、契約に係る文書をデジタル化。通所介護関連ソフトの開発実績がある会社へ開発を依頼し(中小企業庁の補助金等も活用)、約1年間の開発期間を経て2019年12月から導入。トライアル期間を設け、一部の住宅型有料老人ホームから利用を開始し近隣の居宅サービス事業所にも普及させた。… 契約1件当たり30分ぐらいの業務時間が短縮された。契約1件当たり約200枚の紙の削減(5事業所分の場合)につながり、紙の保管場所を追加で借りる必要がなくなった。法人内の複数の事業… 厚生労働省「介護事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」p.55-56(【コラム】電…
「ヘルパーによりサービスの質と、記録用紙の記入方法にムラがある。」改善方針シートの課題3)として挙げられた。 改善活動案として「サービス提供方法の明確化」「記録用紙の記入例やポイントをまとめる」を掲げた。ただし優先度は2位で、報告書内の実施する改善活動欄は買い物可否リストが記載されており、この課題への具体的実施内容の記載はない。 実施結果の記載なし(数値の記載なし)。練り直しでは「買物以外の生活援助において、介護保険でできること・できないことを1枚の紙にまとめる」ことが次の実施内容とされている。 厚生労働省 令和3年度 業務改善活動報告書/アースサポートふじみ野(訪問介護・埼玉県ふじみ野市)
因果関係づくりでよく出た項目として「使用しているツールの二重転記」。気づきシートでは「チェック物や記載する物が多い。」が挙がった。複数の書式があることで確認漏れの書式も出てくるため、一つの書式にまとめる案が出た。 練り直しで「新しいツールの作成するのではなく、現ツールの運用ルールを決め、円滑に情報共有を図ると共に、正しい運用が出来き、転記物を増やさない。」ことを実施する改善活動とした。使用ツールの目的の共有、記載内容の整備、欲しい情報のあらいだしと整備を行う。 「内勤業務の時間でこれまで出来なかった作業や時間がかかっていた作業の時間が短縮できたり、追加の作業ができるようになった」という意見(アンケート6人中全員が取組の成果を感じている)… 厚生労働省 令和3年度 業務改善活動報告書/アースサポート郡山(訪問入浴・福島県郡山市)
振り返りで「〈工程表〉お客様個々に記載する欄を増やし、1枚で共有できるように作成してみたが、活用してみると見にくく情報伝達がうまくいっていない。見る際にも時系列が不明のため次回に活用できない。」「お客様ごとに得た情報を記載するが、次回の用紙に転記が大変。」全ての意見を取り入れた結果、書く事が余計に… 一方で〈生活見える化シート〉は「1行を3分割(縦に線を入れる)した事で、見やすくなった」。「今までは『気付き』を記載するだけで終わっていたが、『対応方法』や『結果』を記載する事で、取組の流れが一目見て分かりやすくなった」。工程表については練り直しで、新しいツールの作成をやめ、元々使用していたツールの運用の見直しと拠点内での運用ルールの作… 「スタッフが対応方法や結果まで考えるようになった。」「気付こうとする視点でサービス提供することができた。」「元ある書式が完成されていた事に各々が気付いた。」数値の記載なし。 厚生労働省 令和3年度 業務改善活動報告書/アースサポート郡山(訪問入浴・福島県郡山市)
ケア稼働に入るまでに利用者全員の活動記録を読み込むことに時間がかかり、「利用者全員の活動記録を読むのに1時間以上かかる」「記録の量が多すぎて忘れてしまう」「ルーチン業務の記録も読む必要があるのか?」「忙しい時は記録を読まずにケアに入ることもある」「連休明けで出勤すると記録の量が膨大」「結局、流し読… 活用できていなかった経過記録を「トピックス記録」としてスタートさせ、スタッフによって重要と判断することが違うため、あらかじめ経過記録に記入する必須事項を決めた。必要と思われる経過記録の項目を一覧にして共有し、複数ある情報連絡ノートを最小限にした。訪問前に必ず確認するものを統一し、確認すべき情報に印をつけて勤務を開始するようにした。 情報確認の時短化 15分 → 12分。「記録を流し読みすることがなくなった」「優先度の高い情報を効率よく共有できるようになった」。 24ケアステーション ノテ真栄(定期巡回・随時対応型訪問介護看護/北海道札幌市清田区・社会福祉法人ノテ…
改善方針シートに「ご利用者様の様子を備考欄へ入力してほしい」「訪問当日中の記録入力を完了する」と記載。気づきシートのグルーピングでは「記録・情報共有についてが多かった」。当日中に記録入力ができない要因として(振り返りより)端末の充電切れが挙げられた。また「入力内容の乏しい職員」が存在し、どんなこと… 備考欄入力について、自身が振り返りができるようなアンケートを実施(職員全員に貸与されているスマートフォンの機能を利用し、グループLINEで全員に周知)。アンケートを元に、入力についての研修会を2回実施。入力内容の乏しい職員に対して個別支援・声掛けを行い、入力内容の評価を行った。 取組前後で「記録の乏しい3名」の備考欄の入力件数を比較。取組前は職員A:記録有7・ケアの質の向上に繋がる記録4・記録無7(訪問日の件数合計14)、B:4・1・2(合計6)、C:2… 厚生労働省 令和3年度 業務改善活動報告書/ホームヘルパーステーション信愛(訪問介護・要介護135名/…
『連絡ノート作成』は、スタッフによって要する時間に大きくバラつきがあり、その間フロア業務・入浴介助について人手不足になっていた。改善方針シートには連絡ノート記入に時間を要する理由として「PCスキルの差がある」「文章を考えるのに時間がかかる」「文字数が多い・内容で文章づくりが難しい」旨が挙げられてい… 入力する箇所の多かった『連絡ノート』のレイアウトを変更した。連絡ノートは記録システム内フォーマットを使用しており、バイタルサイン、食事量や入浴の有無など既に記録されたデータと連携できるため、連携する箇所を増やして入力する時間を短縮した。全て入力していたコメントについては、普段スタッフが良く使っている文章を引用できる『文例』として登録し使… 改善前と改善後の連絡ノート記入時間を比較し、1:30分→20分、2:90分→60分、3:70分→40分、4:80分→20分、平均67.5分→35分で「48%の時間短縮に繋がった」… 厚生労働省 令和3年度 業務改善活動報告書/デイサービスセンターみどりの樹(通所介護・総合事業・定員3…
訪問中、利用者の予定追加や、限度額を超える計算が必要な際、iPadで出来る業務が限られている(現場の気づき・困りごとシートに記載)。 本報告書では、この困りごとは気づきシートに挙がったものの、優先順位1〜3位(PC-FAX、カルテ棚、新規採用)には選ばれておらず、具体的な取組内容の記載はない。 取組が行われていないため、効果の記載なし。 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」社会医療法人友愛会 豊見城中央病院ケアプランセンター(沖縄…
カルテ棚がいっぱいでファイルを入れるスペースが足りず業務的に困っている。個人ファイルや資料保管場所(棚)が狭く、整理整頓ができない。ファイリング時に穴あけパンチの穴がズレる、最大3〜4枚しか穴が開けられず一つずつ時間がかかる。 分冊やカルテ整理を改善する。カルテ棚を購入するための起案書を作成する(優先度2位の改善活動案として設定)。 本報告書では優先度1位のPC-FAXの取組が中心に報告されており、この課題の実施結果・効果の記載なし。 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」社会医療法人友愛会 豊見城中央病院ケアプランセンター(沖縄…
訪問時、忘れ物やコピー取り忘れで事務所に戻る際、駐車場から事務所までの距離が長く時間ロスになっている。 気づきシートに挙がった困りごとだが、優先順位の上位に選ばれず、具体的な取組内容の記載はない。 取組が行われていないため、効果の記載なし。 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」社会医療法人友愛会 豊見城中央病院ケアプランセンター(沖縄…
ファイルがあちこちにあり、書類がどこにあるか分からない。いろいろな内容の書類が混在している。不要なパンフレットが多い。物が多い。ファイルの分別もせず書類もバラバラに綴じていた。 ①何の書類があるかの確認 ②必要な物と不必要な物の選別 ③ファイルの項目を整理しインデックスを付ける ④不用品の処分 ⑤同種類の書類をファイルに振り分け(色分け)⑥2年分の書類を見える所に保管し、それ以外は別の場所(段ボールで倉庫)に保管 ⑦毎年5月と11月にファイル整理ができているか確認。使う頻度が多いファイルから順に取り出しやすい位… 「ファイルを分別して、同類の書類をファイリングする事で、時間短縮ができて、必要な時に必要な物をスムーズに取り出せるようになった」「必要な書類をスムーズに取り出せる事で、ご利用者へ… 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」社会福祉法人福生会 福生会居宅介護支援事業所(大阪府堺市中…
社内の書類の整理ができない。必要な書類がすぐに見つからない。パンフレットや情報が多く、すぐに見つけることができないため、利用者・家族への情報提供にタイムラグが生じる。 事務所の物全てに対し断捨離を実施。必要・不必要なパンフレットを分ける(圏域内の情報は1部のみ残す、再三営業に来るところや福祉用具カタログは利用事業所分のみ残して処分)。書庫の一番下に必要な書類・ファイル・カタログのスペースを決め、それ以上は置かない。不要BOXを設置。季節に応じた休業のお知らせはファイル表裏に事業所名と期間を記載し、一斉… 「ファイルは今までの1/4の厚みとなった」。「求めることに対し今までは膨大の資料から探していたが少なくしたことと、まずはネットからと癖づいたことで、無駄話含め15分費やしていたが… 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」株式会社PEACE ケアプランセンターシンプル(大阪府堺市…
事務作業を続けていると睡魔に度々おそわれ集中力低下・記録も誤字脱字になり業務・仕事の効率化が悪く利用者様への質が下がる。 1日1回おやすみカードを出して横になる、ラジオ体操をする、お昼休憩を分割化にする、という改善活動案を作成。優先度1位の書類整理に取り組む中で2番目の課題も同時にクリアしたため、練り直し後の次期(2022年5〜7月)の取組テーマとして計画された。 報告書作成時点では次期の計画段階であり、実施結果・効果の記載なし。 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」株式会社PEACE ケアプランセンターシンプル(大阪府堺市…
人手不足のため、排せつや食事など施設内にあるチェックシート(排せつチェックシート、ブレーデンスケール表など)への記載が不十分となり、ご利用者の状態把握が十分出来ていない。 日常のケアのデータをしっかりと取ることの重要性を伝える勉強会を開催(既存の資料と施設内の様式を用いて、日頃のケアの記録の大切さを含めて伝える)。改善方針として「ケア記録を電子化することにより、利用者のこれまでのケア記録の確認が容易になり、これからのケアへ適切かつタイムリーに繋げることができるようになる」と設定した。 「取り組むべき事がハッキリとした事で皆の取り組む姿勢がこれまでと違い積極的になった」「ご利用者のデータを管理する事で、それが今後のケアにしっかりと生かされていく事を願いたい」。ケ… 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」医療法人敬英会 介護老人保健施設さくらがわ(大阪市浪速区・…
LIFEへの入力作業を一部の職員のみが行っており負荷が大きい。一部の職員のみが携わっていると、LIFE入力作業が進まない時がある。LIFEの理解不足、一部職員の負担過多がある。 LIFEマニュアルを各部署ごとにまとめ、誰が見ても入力作業が行えるようにした。年齢層の広い職員間で誰が活用しても見やすく利用しやすい物となるよう、文字の配列・大きさにも意識した。あわせて全職員へ向けたLIFEの重要性を伝える勉強会資料を作成(マニュアル作成チームと勉強会資料作成チームの2チーム編成)。 「(一部の職員より)負担が緩和される事で、今後ご利用者に寄り添う時間が増える事がうれしい」「当初はどうなるか分からなかったけど、取り組んだ事で整理できた事が何より良かった」。削減… 厚生労働省「令和3年度 業務改善活動報告書」医療法人敬英会 介護老人保健施設さくらがわ(大阪市浪速区・…
紙で記録していたものを電子化するにあたり、「現場の仕事をしながら入力する時間の確保ができるのか」「『ほのぼの』を使用した記録の仕方についての知識が乏しい」という課題があった。メンバーからも「職員によりPCスキルの差があると思うが大丈夫か」「入力する職員に偏りがおこらないか」「操作が不慣れでデータ削… チームメンバーが事前にタブレットに触れて予習したうえで、機器を扱う専門家を呼んで講習会を開催し使用方法の理解を深めた。簡単なマニュアルを作成し、フロアー毎の担当ケアマネがその階の職員に使用方法の説明を行った。アンケート調査で疑問・不安・要望を把握し、マニュアルの改良を行った。 「個別に使用方法を教える時間や、日々の業務の中で入力にかかる時間が減り、利用者さんと接する時間が増えるようになった」。一方で「入力ミスに対する不安もまだある」。削減時間などの数値… 厚生労働省 令和3年度業務改善活動報告書/介護老人保健施設グリーンガーデン橋本(介護老人保健施設・和歌…
完全に電子化に移行するまでの期間、紙と併用になっているため、より時間が掛かっている。また、ほのぼのでの記録の入力が正しかったか、漏れがないかのチェック体制ができていないという課題があった。 併用期間を少しでも短くできるように項目ごとに期間を定め、完全移行を目指す方針とした。あわせて入力ミス防止のチェック体制を構築し、担当を分担した(【食事】→夜勤者、【バイタル】→看護師、【入浴】【排泄】→各担当副主任)。実施期間は1月末~3月末の2カ月間。 練り直し案として計画された段階で、実施後の効果の記載なし(活動のゴールとして「電子化への移行が完了。作業時間の短縮で生まれた時間をレクリエーション等に有効利用する」と記載)。数値… 厚生労働省 令和3年度業務改善活動報告書/介護老人保健施設グリーンガーデン橋本(介護老人保健施設・和歌…
気づきシートのグルーピングでは「業務(介助・1日の流れなど)」20個、「共有(記録物・申し送りなど)」7個が多く挙がった。因果関係は、原因=業務内容が多い(記録物の書く時間がない・連携が取れていない等)、結果=業務時間外で業務を行わないといけない、悪影響=入居者の対応に余裕がもてなかったり、私生活… 1日の業務・流れの見直しを行い、業務の組み立てを変更。おやつ時(15時)に取り組んでいた体操レクを昼食前に実施するよう変更した。あわせて1日の業務の共有(1日の業務マニュアル作成)を行った。 「午後からの記録に費やす時間を確保できた」「余裕をもって入居者へ対応ができる日が増えた」「業務改善の結果、時間内に業務が終えることができた」「昼食前に体操レクを実施することで参加… 厚生労働省 令和3年度業務改善活動報告書/グルメ杵屋社会貢献 大領の家(特定施設入居者生活介護・大阪府…
練り直しの段階で、記録(記入)物が重複していること、共有する物が多いことが課題として挙がった。勤務前に申し送りノート・業務ノート・日誌・医務からの申し送りファイルを確認して必要欄にサインする運用になっており、日誌・生活記録・ノート等への記入も重なっていた。 「共有(記録物・申し送り)の仕組み作り再構築」を活動のゴールとし、課題1=記録物の整理整頓(記録物の洗いだし:必要・不必要)、課題2=課題1を基に共有のスリム化(共有の仕組み作り)として、2月初旬から3月末までの進捗管理シートを作成し担当者を割り当てた。 練り直し案として計画された段階で、実施後の効果の記載なし。数値の記載なし。 厚生労働省 令和3年度業務改善活動報告書/グルメ杵屋社会貢献 大領の家(特定施設入居者生活介護・大阪府…

進め方の型は介護のDX・AX、つまずきの型は介護ICTの失敗、二重入力の解消は二重入力をなくす方法をご覧ください。設備投資に使える制度は介護の補助金まとめにまとめています。

記録の課題の棚卸し表|14の課題を「現場・運営指導・確認する記録・改善の一手」で並べる

記録の改善が進まない事業所には、共通した入口のつまずきがあります。「記録が大変」というひとかたまりの困りごとのまま、対策を探し始めてしまうことです。記録が大変な理由は事業所ごとに違い、同じ事業所の中でも職員ごとに違います。二重入力で時間を取られている人と、何を書けばよいか分からず手が止まっている人と、書く時間そのものが勤務中に確保されていない人では、必要な手当てがまったく別のものになります。ひとかたまりのまま「記録の効率化」に着手すると、いちばん困っている人に効かない対策から始まることになります。

そこで最初にやることは、課題を分解して、名前を付けて、1行ずつ表に並べることです。分解の粒度は、「その課題に対して、明日から誰が何をするかが1文で書けるところまで」が目安になります。「記録が大変」では手が動きませんが、「訪問先で入力した内容を、帰所後に紙の業務日誌へもう一度書き写している」まで下りれば、次の一手が見えます。

下の表は、管理者・リーダーが最初の棚卸しに使うことを想定した14項目です。左から「現場で何が起きているか」「それが運営指導でどう見えるか」「確認される記録」「改善の一手」、いちばん右を貴事業所の状況を書き込む記入欄にしています。全部を一度に埋めようとせず、まず「思い当たる」に丸を付けるところから始めても構いません。

記録の課題14項目|そのまま印刷して使える棚卸し表

課題 現場で何が起きているか 運営指導でどう見えるか 確認される記録 改善の一手 貴事業所の状況(記入欄)
1. 二重入力 訪問先で入力した内容を、帰所後に別の様式へもう一度書き写している。同じ内容が業務日誌・実績記録票・個別の記録の3か所にある 同じ事実を書いた記録どうしで時刻や内容が食い違い、どちらが実際の提供内容か確認できない状態になる サービス提供記録、業務日誌、実績記録票、給付管理に用いた資料 同じ項目を書いている様式を並べて、どれを正本にするかを1つ決める。残りは正本から引く(転記しない)運用に切り替える  
2. 転記ミス 手書きのメモから様式へ書き写す際に、時刻の桁・利用者の取り違え・日付のずれが起きる。書き写した本人は気づきにくい 記録上の提供内容と請求した区分に相違がある、記入誤りがある、として確認の対象になる サービス提供記録、実績記録票、請求明細書・給付管理票、勤務表 転記の回数を数え、1回でも減らす。減らせない転記には、請求前に別の人が突き合わせる工程を置く  
3. 書く時間が足りない 記録は「空いた時間に書くもの」になっており、勤務時間の中に位置づけられていない。結果として休憩中・帰宅後に書いている 記録の日付・作成時刻と実際の勤務時間が合わず、いつ誰が書いたものか確認できない タイムカード・出勤簿、月ごとの勤務表、記録の作成日時 1日の中に記録の時間を分単位で置く(例:訪問と訪問の間、退勤前の10分)。置いた時間を勤務表の中に明示する  
4. 人によって粒度が違う 同じ利用者の同じ場面でも、A職員は3行、B職員は1語。何をどこまで書くかの基準が事業所として決まっていない 記録から利用者の心身の状況の変化が読み取れず、計画の見直しの根拠が確認できない サービス提供記録、モニタリング記録、個別サービス計画、アセスメントシート 「必ず書く欄」を様式の側で決める(時刻・実施した内容・観察した事実・利用者の言葉・次に申し送ること)。文章力ではなく欄で揃える  
5. 略語・隠語が混ざる 事業所の中でだけ通じる言い方(「いつも通り」「ADL低下」「様子見」)が記録に入り、外の読み手には内容が伝わらない 記録を読んだだけでは何を実施し何を観察したのかが確認できず、口頭での説明を求められる サービス提供記録、業務日誌、経過記録、申し送り記録 使ってよい略語の一覧を作り、それ以外は日本語で書く。一覧に載せる際は「記録に残すときの言い換え」を併記する  
6. 後から書いている 訪問の当日ではなく、数日後にまとめて記録している。記憶が薄れているため、書けるのは定型句だけになる 記録の内容が実際の提供と対応しているか確認できない。日付の前後関係が業務の順序と合わない サービス提供記録、支援経過記録、計画の作成日・説明日・同意日・交付日 「その日のうちに」を努力目標ではなく手順にする。書けなかった日は理由を残す欄を設け、まとめ書きの発生件数を見えるようにする  
7. 実施していないことが書いてある 様式のひな型に最初から文言が入っており、実施の有無にかかわらずそのまま残ってしまう。時間も計画上の数字がそのまま入っている 提供の記録に、実際の時間ではなく計画上の標準的な時間が記載されている、として改善を求められる サービス提供記録(開始・終了時刻)、個別サービス計画、給付費請求明細 ひな型から「実施したことにする」文言を消す。時刻欄は空欄で出力し、実測値を入れないと確定できない形にする  
8. 署名・押印が漏れる 説明と同意は口頭で済ませ、署名を後日もらう約束のまま流れる。家族の署名だけで本人の同意欄が空いている 説明・同意を得た事実が確認できない。同意日が提供開始日より後になっている 個別サービス計画(同意欄)、重要事項説明書、個人情報使用同意書、交付記録 同意欄が空のまま次の工程へ進めない順序にする。本人欄・家族欄・代筆の理由欄を様式上で分ける  
9. 訂正の跡が残らない 間違いに気づいた人が上から書き直す、修正液を使う、電子データを黙って上書きする。誰がいつ直したか分からない 元の内容と修正後の内容、修正日が確認できず、記録全体の信頼性についての確認が広がる 各種記録の修正履歴、同意書の署名日、計画の作成日 訂正の方法を1つに決めて掲示する(二重線・訂正者・訂正日・訂正理由)。電子の場合は履歴が残る設定になっているかを管理者が確認する  
10. 個人情報の持ち出し 自宅で記録を書くために書類や私物端末で写真を持ち帰る。利用者の氏名入りのメモが車内や私物の手帳に残る 個人情報の利用についての同意、従業者の秘密保持の誓約、持ち出しの管理が確認の対象になる 個人情報使用同意書(本人分・家族分)、従業者の秘密保持誓約書、記録の持ち出しに関する取り決め 持ち出してよいもの・持ち出せないものを一覧にする。持ち出す場合の記録簿(持出日・返却日・持出者)を置く  
11. 紙と電子が併存 一部の様式だけ電子化され、残りは紙。どちらが最新か分からず、両方を見ないと利用者の状況が分からない 同一事項について複数の記録が存在し、内容が一致していない状態になる サービス提供記録、業務日誌、個別サービス計画、モニタリング記録 様式ごとに「紙が正本」か「電子が正本」かを表に書き出して1つに決め、正本でない側には作成しない・保管しないを徹底する  
12. 様式が古い 数年前に作った様式を使い続けており、現在の運営規程や実際の業務手順と欄が合っていない。使わない欄が空欄のまま残る 運営規程に記載した内容と実際に使用している様式が一致していない、として確認される 運営規程、実際に使用している様式、変更届の控え 運営規程に書いた様式名・種類と、実際に使っている様式を並べて突き合わせる。年1回、突き合わせの日を決める  
13. 保存場所が分からない 書類の種類ごとに置き場所が決まっておらず、担当者が異動すると探せなくなる。共有フォルダも人ごとに作られている 求められた記録がその場で提示できない。提示できない書類について確認が進まない 記録の保管場所の一覧、保存年限の取り決め、運営規程の記載 書類の種類ごとに「置き場所」「正本の形式」「保存年限(保険者の定めを記入)」を1行ずつ書いた一覧を作り、書庫の扉に貼る  
14. 必要なときに探せない 保管はされているが、利用者ごと・月ごとの綴じ方が担当者によって違うため、1件を出すのに時間がかかる 確認したい期間の記録を通して読むことができず、確認に時間がかかる 利用者ごとのファイル、月次の綴り、索引 綴じ方を1つに決める(利用者ごと→年月順、または年月ごと→利用者順)。決めた綴じ方をファイルの背に印刷して貼る  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この14項目のうち、事業所として最初に手を付けるべきものを選ぶときの目安は、「頻度×人数」です。月に1回しか起きないが全員に関係する課題より、毎日起きていて全員に関係する課題を先に片付けたほうが、職員の実感が変わります。多くの事業所で先に来るのは1(二重入力)と3(書く時間)で、この2つが片付かないうちに4(粒度)や5(略語)へ進むと、「忙しいのに直せと言われることだけ増えた」という受け取り方をされます。質を揃える取り組みは、時間の手当てが済んでからという順序を守ってください。

二重入力の発生箇所を洗い出す|18の典型パターン

二重入力は「なんとなく非効率」と言われながら、具体的にどこで発生しているかを書き出したことのある事業所は多くありません。書き出してみると、その多くが「様式が作られた時期が違う」という歴史的な理由だけで残っていることが分かります。下の表は、1回目に書く場所と2回目に書く場所を並べたものです。「なぜ二重になっているか」の欄に『昔からそうしている』としか書けない行は、やめられる可能性が高い行です。

場面 1回目に書く場所 2回目に書く場所 なぜ二重になっているか(よくある理由) やめる前に確認すること 貴事業所の判断(記入欄)
訪問した事実 訪問先で記入する提供記録(複写式) 帰所後の業務日誌 日誌が「その日の全体像」を見るために作られ、提供記録が後から増えた 日誌に求められている項目が、提供記録の写しの綴りで確認できるか  
開始・終了時刻 提供記録の時刻欄 実績記録票 請求システムへの入力が別作業になっている 提供記録の時刻から実績が自動で作られる設定になっているか  
利用者の様子 提供記録の観察欄 連絡ノート(利用者宅に置くもの) 家族向けと事業所向けで書き分けている 家族向けに書いた内容が、事業所の記録として残る形になっているか  
申し送り 申し送りノート 個別の経過記録 朝礼で読むためのノートが別に必要とされている 経過記録から当日分を抽出して読み上げる運用にできないか  
バイタル 訪問先で記入する用紙 個別の記録の該当欄 持ち歩く用紙が様式と別に作られている 持ち歩く用紙をそのまま記録の一部として綴じられないか  
入浴の実施 入浴チェック表(浴室に掲示) 提供記録の実施欄 浴室での確認用の表が現場で必要とされている チェック表を記録として残す場合の保管場所と保存年限が決まっているか  
食事量 厨房へ返す食札・一覧表 個別の記録の食事欄 厨房の集計と個別の記録の目的が違う 個別の記録側に必要な粒度(割合か量か)が決まっているか  
排泄 排泄チェック表 個別の記録の該当欄 チェック表が交換の判断のために現場で使われている チェック表そのものを個別の記録として位置づけられないか  
服薬 服薬確認表 提供記録の実施欄 服薬の確認を複数人で見るために別表になっている 誤薬時の記録がどちらに残るかが決まっているか  
送迎 車両ごとの送迎記録 提供記録の到着・出発欄 車両管理と利用者記録が別系統で作られた 到着・出発の時刻が両方に必要かどうか、確認文書の観点から整理したか  
ヒヤリ・ハット その場のメモ用紙 ヒヤリ・ハット報告書 その場で報告書を書く時間がない メモ用紙の様式を報告書と同じ項目にして、そのまま提出できないか  
事故 事故発生時の一次メモ 事故報告書、行政への報告書 報告先ごとに様式が違う 一次メモの項目が、両方の様式の必要項目を満たしているか  
モニタリング 訪問時のメモ モニタリングシート 訪問中に様式を開けない モニタリングシートの項目に沿ったメモ用紙にしてあるか  
担当者会議 会議中の手書きメモ 会議の記録(第4表等) 会議中に様式へ直接書くと進行が止まる 手書きメモの見出しを様式の欄と同じ順序にしてあるか  
研修の受講 参加者名簿(回覧) 個人別の研修履歴 年間の受講状況を人ごとに見る必要がある 名簿から個人別履歴を作る手順が決まっているか  
勤務時間 タイムカード・出勤簿 月ごとの勤務表 予定表としての勤務表と実績の記録が別 予定と実績の差が分かる形で残しているか  
利用者からの相談 電話メモ 支援経過記録 電話中に様式を開けない 電話メモを支援経過へ貼り付けて残す運用にできないか  
苦情 受付時のメモ 苦情受付簿、対応記録 受付と対応で担当者が変わる 受付簿の欄に、受付者・対応者・経過が続けて書ける形になっているか  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

略語・隠語を、記録に残る言葉へ|24組の言い換え

記録の粒度が揃わない原因の多くは、文章力ではなく語彙が共有されていないことです。現場で口頭で使う言い方は、その場にいる人の間では十分に通じます。しかし記録は、その場にいなかった人(翌日の担当者、家族、他のサービスの担当者、そして数か月後の自分)が読むものです。「読み手が誤解する点」を先に言語化してから言い換えを示すと、職員の納得が違います。単なる言い換え表ではなく、なぜ直すのかを1行添えてください。

現場で使われる言い方 読み手が誤解する点 記録に残す書き方(そのまま使える完成文)
特変なし 観察したうえで変化がなかったのか、観察していないのかが区別できない 「10時05分、居室にて訪問。体温36.4度、血圧128/74。前回訪問時に見られた右膝の腫脹は消失。『今日は膝が楽』との発言あり。歩行器で居室内を3往復し、ふらつきなし。」
いつも通り 「いつも」がどの状態を指すのかが読み手に共有されていない 「昼食は主食10割・副食8割を自力摂取。むせなし。食後の口腔ケアは声かけのみで実施できた。前週も同様の摂取状況で経過している。」
ADL低下 どの動作が、どの程度、いつから変わったのかが分からない 「立ち上がりの際、これまで手すり片手で可能だったが、本日は両手支持を要した。移乗に要した時間は約40秒(前回は約20秒)。本人より『足に力が入りにくい』との発言あり。」
様子見 誰が、いつまで、何を見て、どうなったら次の手を打つのかが決まっていない 「左足首の発赤について、本日15時にサービス提供責任者へ報告。明日の訪問時に同一部位を再確認し、範囲の拡大または熱感があれば、家族および担当の介護支援専門員へ連絡することとした。」
不穏 どのような言動があったのかが記録に残らず、対応の妥当性を説明できない 「14時20分ごろ、玄関前で『家に帰る』と繰り返し発言。制止はせず横に座り、5分間傾聴。『息子が待っている』との訴えがあり、家族へ電話し本人と通話。14時40分に居室へ戻り、以後は落ち着いて過ごされた。」
看護師へ連絡 何を伝え、どのような指示を受けたのかが残らない 「16時10分、体温38.2度を確認し、当ステーションの看護師へ電話報告。『水分摂取を促し、17時に再検温。38.5度以上であれば主治医へ連絡』との指示を受け、記録者が伝達を受けた。」
ケア拒否 何を拒まれたのか、どう働きかけたのかが残らない 「入浴の声かけに対し『今日はやめておく』と2回発話。理由を尋ねると『寒い』との返答。脱衣室の暖房を入れ、10分後に再度声かけしたところ入浴に応じられた。所要時間25分、皮膚トラブルなし。」
介助にて どの程度の介助かが読み手により解釈が分かれる 「ズボンの上げ下ろしについて、立位保持を職員が腰部で支え、本人が両手で引き上げた。上衣は自力で着脱。所要時間は約6分。」
少量 量の基準が人によって違う 「昼食後にお茶を約120ミリリットル摂取。午前中からの合計は約400ミリリットル。目標の1日1,000ミリリットルに対して不足しており、夕方の訪問時に追加で促すよう申し送った。」
時々 頻度が分からず、変化かどうかの判断ができない 「今週は月・水・金の訪問時、いずれも起床直後に咳嗽が3〜5回みられた。先週は同様の咳嗽は月曜のみであった。」
だいぶ良い 比較の基準が示されていない 「7月1日には車椅子への移乗に全介助を要していたが、本日は手すりを使用し見守りで移乗できた。移乗中の発話は『これなら自分でいける』。」
本人希望により 希望の内容と、それを受けてどうしたかが残らない 「本人より『午後はテレビが見たいので入浴を午前にしてほしい』との申し出あり。翌週から訪問時間を10時開始へ変更することとし、担当の介護支援専門員へ7月8日に連絡した。」
家族対応 誰と、何を話し、何が決まったかが残らない 「長女(同居)へ17時に電話。本日の食事量の低下を伝え、夕食は本人の希望する麺類に変更する旨を確認した。次回訪問は7月10日10時とし、長女も同席予定。」
清拭施行 どの範囲を、どのように実施したかが分からない 「背部・上肢・下肢を蒸しタオルで清拭。仙骨部に発赤なし。実施時間14時10分〜14時30分。本人より『さっぱりした』との発言。」
見守り 何をどこから見ていたのかが分からない 「浴室内での洗体・洗髪について、脱衣室から声かけできる位置で待機。洗い残しの有無を最後に確認し、背部のみ介助した。」
誘導 どこへ、どうやって移動したかが分からない 「居室からトイレまで約8メートルを、歩行器を使用し右斜め後方から見守りで移動。所要時間は約90秒、途中の休憩なし。」
実施できず 理由と、代わりに何をしたかが残らない 「入浴は本日37.6度の発熱があったため実施せず。全身清拭に変更し、14時に実施。次回7月11日の訪問時に体温を確認し、平熱であれば入浴を再開することとした。」
指導した 誰に何を伝え、相手がどう受け止めたかが残らない 「長男へ、内服薬の一包化について薬局へ相談する方法を説明。『来週の受診時に聞いてみる』との返答を得た。次回訪問時に相談結果を確認する。」
問題なし 何について問題がないと判断したのかが分からない 「創部(右前腕)を確認。発赤・滲出液・熱感のいずれもなし。前回貼付したフィルムの剥がれもなく、本日は交換せず経過をみることとした。」
本人と話した 会話の内容が残らず、次の担当者が続きを話せない 「本人より『通所先の人数が多くて疲れる』との発言。午後の集団活動の時間は居室で休むことを希望されたため、通所先へ7月9日に電話で伝達し、了解を得た。」
環境整備 何をどう変えたかが残らず、再現できない 「ベッド左側の床頭台を右側へ移動し、起き上がり時の動線上にあった電源コードを壁沿いへまとめた。本人・長女に配置の変更を説明し、了承を得た。」
状態安定 どの指標がどの範囲で推移しているかが分からない 「過去2週間の体温は36.2〜36.8度、収縮期血圧は118〜134で推移。体重は先月比で変化なし(52.4キログラム)。」
拒薬あり いつの分の、どの薬を、どうしたかが残らない 「朝食後の内服(3種)について、本人が『飲みたくない』と発話。10分後に再度促し、水分とともに全量内服できた。残薬は生じていない。」
申し送り済 誰に何を送ったかが残らず、受け手側の記録と突き合わせられない 「本日16時、夜勤担当(氏名)へ、左足首の発赤と21時の再確認について口頭で申し送り、申し送り簿にも同内容を記載した。受け手の確認印を得ている。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料に見る、記録について確認されている点(16件)

棚卸しの妥当性を自分たちの感覚だけで決めると、事業所の中で見えている課題しか並びません。自治体が公表している集団指導資料・運営指導の結果概要には、「実際に確認されている点」が具体的な文言で載っています。下の表は、記録の整備に関わるものを抜き出したものです。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1では、訪問介護の「サービス提供の記録(第19条)」の確認項目として「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか」が挙げられ、確認文書として「サービス提供記録」が示されています。この確認項目に、下の表の各自治体の記載がそのまま対応しています。

自治体・資料 示されている内容 確認文書として挙げられているもの
松山市介護保険課「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」(令和5年度第2回介護保険サービス事業者連絡会資料) サービス提供の記録について、提供したサービスの内容だけでなく利用者の心身の状況(利用者の様子等)についても記録することとされ、「特変なし」等しか書かれていない記録が見受けられると示されている サービス提供記録、業務日誌、個別サービス計画、モニタリング記録
松山市介護保険課(同上) 訪問介護について、サービス提供の記録には実際に行った時間を記録することとされ、訪問介護計画に位置付けられた時間を機械的に記録しているケースが多数見受けられたと示されている サービス提供記録(実施時刻)、訪問介護計画書、居宅サービス計画、変更記録
松山市介護保険課(同上) 研修を実施した際は実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すこと、各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録することが示されている 研修計画(年間)、研修実施記録(日時・参加者・内容)、使用した研修資料、委員会議事録
横浜市健康福祉局介護事業指導課「令和7年度 横浜市介護サービス事業者等集団指導講習会資料(各サービス共通編)」 サービス提供の記録の開始・終了時間が、介護サービス計画に位置付けられた標準的な時間が記載されていた、として、実際の時間を記載することが示されている サービス提供記録(開始・終了時刻の記載)、送迎記録(車両ごと)、個別サービス計画書、給付費請求明細
広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導) サービス提供の記録の作成漏れや記入誤りのある事例が認められた、記録は介護給付費の請求の根拠となるため作成漏れや記入誤りがないよう正しく作成すること、と示されている サービス提供記録、実績記録票、請求明細書・給付管理票、勤務表
神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月 介護保険事業者説明会) サービス計画に記載された作成日・同意日等に整合性がなく事実と異なる、として、事実と異なる記録や書類を作成しないこと、修正が必要な場合は元の内容と修正後の内容・修正日が分かるよう記録を残すことが示されている 個別サービス計画、アセスメント記録、同意書(署名日)、交付記録、修正履歴
和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】(令和4年3月・和歌山市指導監査課) サービス提供時間の記載について、居宅サービス計画等に記載された時間をそのまま記載するのではなく、実際に提供した時間(開始時間・終了時間)を記録することが示されている サービス提供記録、業務日誌、実績記録票、保険外サービスの記録
和歌山市(同上) 従業者の出退勤記録がなく勤務実態が確認できない例が挙げられ、タイムカードまたは出勤簿など出勤時間・退勤時間が記された記録を作成し、実際の時間を記録することが示されている タイムカード・出勤簿、月ごとの勤務表、資格証の写し、雇用契約書
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 事業所として行ったアセスメント(課題分析)の記録が作成されていない、または不十分である例が挙げられ、チェック欄のみで備考が空白の例と、麻痺の部位など具体的状況を書いた例が対比されている アセスメントシート、再アセスメントの記録、介護記録
宇都宮市(同上) サービス提供の記録がない、記録内容と請求内容に齟齬がある例が挙げられている サービス提供記録、実績記録票、請求関係書類
久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成) 個別機能訓練の実施記録に必要な項目が記載されていない例が挙げられ、実施時間・訓練内容・担当者等を記録することが対応のポイントとして示されている 個別機能訓練計画書、個別機能訓練の実施記録、勤務記録
大阪市「令和8年度介護事業者等集団指導資料 居宅サービス編」 勤務表が作成されていない、必要な項目が記載されていない、年間の研修計画が作成されておらず計画的に実施されていない、研修実施状況が記録上から確認できない、研修不参加者への対応が不明瞭、が挙げられている 月ごとの勤務表(管理者を含む)、出勤簿、年間研修計画、研修実施記録・参加者名簿、不参加者への周知記録
金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」 サービス提供に関する記録等の保存年限は市条例に則ること、運営規程等に保存年限を記載している場合は誤りがないか確認することが示されている 運営規程、重要事項説明書、記録の保管状況
福岡県介護保険広域連合「居宅介護支援事業者等 集団指導資料(令和6年度版)」 軽微な変更による取り扱いについて支援経過に記録がない、として、軽微な変更に該当すると判断した場合はその判断理由とともにその旨を支援経過へ残すことが示されている 支援経過記録(第5表)、居宅サービス計画書、サービス利用票・別表
青森県三戸町ウェブサイト掲載 集団指導資料「運営指導における指摘事項(居宅介護支援)」 実際に使用している課題分析の種類と運営規程に記載している課題分析の種類とが一致していない例が挙げられている 運営規程、実際に使用しているアセスメント様式、変更届
北海道後志総合振興局「実地指導における主な指摘事項について」(資料3-2) 事故の状況及び事故に際して採った処置について記録されていない、原因の究明や再発防止策がとられていない例が挙げられている 事故報告書(状況・処置・原因・再発防止策)、行政への報告控え、事故防止指針、委員会記録、研修記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この16件を通して読むと、記録について確認されている点は大きく3つに集約されることが分かります。1つ目は「実際にあったことが書かれているか」(時刻・実施内容・心身の状況)、2つ目は「記録どうしの前後関係・整合が取れているか」(作成日と同意日、記録と請求、運営規程と実際の様式)、3つ目は「決めたことを実施した記録が残っているか」(研修・委員会・点検)。棚卸し表の14項目も、この3つのどれに効く課題なのかで整理し直すと、優先順位が付けやすくなります。

なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。加算の体制に関する届出や変更の手続きそのものを外部へ依頼する場合は、この点をご確認ください。本記事で扱うのは、事業所の中で記録の質と手順をどう整えるかという運用の話です。

記録の質を揃える6つの仕組み|手順と、そのまま残せる完成文

記録の質が揃わないとき、事業所がまず取りがちな手が「研修をやる」「注意する」です。しかしこの2つは、やった直後だけ効いて、2か月で元に戻ることがほとんどです。理由は単純で、記録は毎日書くものなのに、教える機会は年に数回しかないからです。質を揃えるのは、人の意識ではなく仕組みの仕事です。ここでは、事業所の規模を問わず置ける6つの仕組みを、手順と、残す記録の完成文まで含めて示します。

6つは順番に意味があります。(1)記載要領で「何を書くか」を文書にする → (2)記入例を掲示して現物を見せる → (3)新人教育で入口を揃える → (4)管理者の点検で状態を把握する → (5)相互チェックで職員どうしの目を入れる → (6)カンファレンスで振り返って要領を更新する。(6)が(1)に戻ることで、要領が現場の実態から離れないようになります。1つだけ入れるなら(1)、2つ目を入れるなら(4)を推奨します。

仕組み1|記載要領(記録の書き方の手引き)に載せる14項目

記載要領は、長い文書にすると誰も読みません。A4で2枚、項目は14までを目安にしてください。研修資料ではなく、迷ったときに開く手引きです。下の表の「決めておくこと」の欄が空欄のままだと、その項目については職員の判断に委ねているということになります。

項目 要領に書くこと 決め方の目安 貴事業所の定め(記入欄)
1. 書く時点 いつ書くか(提供の直後/退勤前/翌朝までなど)と、書けなかった場合の扱い 提供の直後を原則にし、例外の扱いを明記する。例外が続く場合は業務の組み方を見直す合図とする  
2. 書く人 実施した本人が書くのか、代行入力を認めるのか。代行の場合に残すこと 実施者本人を原則とし、代行は実施者名と入力者名の両方を残す形にする  
3. 必ず書く5要素 時刻/実施した内容/観察した事実/利用者の言葉/次に申し送ること 様式の欄そのものを5要素に対応させる。文章の巧拙に依存させない  
4. 時刻の書き方 開始・終了の実測値を書くこと。丸めの単位(分単位か5分単位か) 計画の時間を写さない旨を明記する。丸めの単位を事業所で1つに決める  
5. 数量の書き方 食事量・水分量・回数などの単位と表現(割合か実数か) 「少量」「多め」を使わない。単位を要領に列挙する  
6. 使ってよい略語 一覧に載せた略語のみ可。一覧にないものは日本語で書く 一覧は20語以内に絞る。増やすときはカンファレンスで決める  
7. 主観と事実の分け方 観察した事実と、職員の判断・推測を分けて書く書式 「〜と思われる」を使うときは、その根拠となる事実を必ず前に置く  
8. 利用者の言葉 発言はかぎ括弧で原文のまま残す。要約する場合の扱い 発言の要約はせず、短くても原文で残す  
9. 実施できなかった場合 理由・代替として行ったこと・次回の予定を書くこと 「実施できず」だけで終わらせない。3点セットで書く  
10. 訂正の方法 二重線・訂正者・訂正日・訂正理由。電子の場合の履歴の扱い 修正液・上書き・書き直しを禁止する旨を明記する  
11. 空欄の扱い 該当がない欄をどう埋めるか(斜線/「該当なし」/空欄可) 空欄が「未実施」なのか「記入漏れ」なのか分かる形に統一する  
12. 他者への申し送り 口頭で送った内容を記録にも残すこと。受け手の確認の残し方 送り手・受け手・時刻・内容の4点を必須にする  
13. 個人情報の扱い 持ち出しの可否、私物端末の扱い、氏名の記載範囲 持ち出し可のものを列挙し、それ以外は不可とする(列挙方式)  
14. 迷ったときの相談先 誰に、どのタイミングで聞くか 役職名で書く(個人名は異動で古くなる)  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

記載要領の抜粋(そのまま配れる文面の例)

「本事業所の記録は、実施した本人が、提供の直後に書くことを原則とします。やむを得ず当日中に書けなかった場合は、書いた日時を記録の末尾に『(◯月◯日 記載)』と付し、書けなかった理由をサービス提供責任者へ口頭で伝えてください。記録には、①開始・終了の実際の時刻、②実施した内容、③観察した事実、④利用者ご本人の言葉(かぎ括弧で原文のまま)、⑤次の担当者へ申し送ること、の5つを必ず入れます。『特変なし』『いつも通り』のみの記載は、観察した結果なのか観察していないのかが読み手に伝わらないため、使用しません。訂正が必要になった場合は、消さずに二重線を引き、訂正者の氏名・訂正日・訂正の理由を余白に記載してください。電子で入力している記録については、上書き保存ではなく、修正履歴が残る手順で訂正します。」

仕組み2|記入例を掲示する|掲示する12場面と掲示物の作り方

記載要領を配っても書き方が揃わないのは、「文章の説明」を読んでも「現物」が思い浮かばないからです。効くのは、実際の記録の見た目そのままの記入例を、書く場所に貼ることです。事務室の壁、記録用紙のバインダーの1枚目、入力端末の横。探しに行かないと見られない場所に置くと、使われません。

掲示物は、悪い例と良い例を上下に並べた1枚にします。悪い例を載せることに抵抗がある事業所もありますが、「これは直す対象です」と示さないと、職員は自分の書き方が該当するかどうか判断できません。実在の職員が書いたものをそのまま使わず、事業所として作った例文を使ってください。

掲示する場面 掲示場所の目安 掲示物に載せる悪い例 掲示物に載せる良い例(完成文)
朝の申し送り 事務室の朝礼を行う場所 「夜間特変なし」 「夜間、2時と5時に排尿でトイレへ。いずれも見守りで移動でき、ふらつきなし。5時の際に『眠れない』との発言があり、居室で10分間傾聴した。」
入浴の記録 脱衣室の掲示板 「入浴実施」 「14時05分〜14時35分、一般浴を実施。洗身は背部のみ介助、洗髪は自力。湯温40度。皮膚の観察では右下腿に3センチ程度の乾燥による落屑あり、保湿剤を塗布した。」
食事の記録 食堂・厨房前 「昼食全量」 「昼食は主食10割・副食9割を自力摂取。所要時間は約25分。とろみ剤の使用あり(中間のとろみ)。むせは1回、水分摂取時のみ。」
排泄の記録 汚物処理室の前 「排泄介助」 「10時40分、トイレにて排尿。衣類の上げ下ろしを介助、清拭は自力で実施。尿の性状は淡黄色、混濁なし。前回排尿は7時30分。」
服薬の記録 薬の保管場所の扉 「与薬済」 「朝食後薬(3種)を8時20分に手渡し、飲み込みを目視で確認。むせなし。空包を回収し、残薬がないことを確認した。」
バイタルの記録 測定器具の保管場所 「バイタル異常なし」 「9時15分、体温36.5度、血圧132/78、脈拍72(整)、酸素飽和度97パーセント。いずれも本人の平常時の範囲内。測定時に息切れの訴えなし。」
転倒・ヒヤリハット 事務室のヒヤリハット提出箱の上 「ヒヤリあり」 「11時20分、居室の入口付近で本人がふらつき、右手で壁に触れて体勢を戻した。転倒には至らず。床にはスリッパが1足置かれていた。スリッパを下駄箱へ戻し、同日中にサービス提供責任者へ報告した。」
家族への連絡 電話機の横 「家族へ連絡済」 「16時40分、長女の携帯へ電話。本日の食事量の低下(副食3割)と、明日の受診への同行の可否を確認。長女より『明日は同行できる。10時に迎えに行く』との返答を得た。」
受診同行 事務室 「受診付き添い」 「7月9日10時30分、◯◯クリニックへ同行。医師より『降圧薬を1種類減らす。2週間後に再診』との説明があり、本人・長女が同席して聞いた。処方内容の変更を薬情の写しとともに事業所へ持ち帰り、記録に添付した。」
訪問時の不在 訪問車両の中/持ち出しファイル 「不在のため帰所」 「10時00分に訪問したが応答なし。玄関の施錠を確認し、10時10分まで待機。本人の携帯へ架電したが応答なし。長男へ連絡したところ『本日は病院に行っている』との回答を得た。不在票を投函し、10時15分に退去した。」
拒否があった場合 事務室の掲示板 「拒否あり中止」 「掃除の声かけに対し『今日はいい』との返答。理由を尋ねると『来客の予定がある』とのことで、掃除は行わず、洗濯物の取り込みと短時間の会話に切り替えた。次回7月11日に改めて掃除を行うことを本人と確認した。」
状態の変化 事務室の掲示板 「様子見」 「左足首に直径2センチ程度の発赤を確認(前日の記録には記載なし)。熱感・疼痛の訴えはなし。同日15時に看護師へ報告し、翌日の訪問時に同一部位を再確認することとした。範囲の拡大があれば主治医へ連絡する。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

仕組み3|新人教育|入職からの段階別到達点(12段階)と教育記録の完成文

新人が記録を書けない理由は「書き方を知らない」だけではありません。その利用者の普段の状態を知らないため、何が『変化』なのか判断できないのです。だから、記録の教育は「様式の説明」から始めるとうまくいきません。まず「この方の平常時はこうです」を教えることが、記録の教育の第一歩になります。

段階 時期の目安 この段階での到達点 教える側がやること 残す記録 達成日(記入欄)
1 初日 事業所で使う様式の種類と、それぞれ誰が読むものかを言える 様式を実物で見せ、読み手(家族・他サービス・行政)を説明する 教育記録(実施日・内容・担当者)  
2 初日 個人情報の扱い(持ち出しの可否、私物端末の扱い)を説明できる 持ち出し可の一覧を渡し、秘密保持の誓約書に署名を得る 従業者の秘密保持誓約書、教育記録  
3 1週目 担当する利用者3名について、平常時の状態を口頭で説明できる 過去1か月の記録を一緒に読み、平常時の範囲を確認する 教育記録(読んだ記録の期間・確認した項目)  
4 1週目 時刻・数量の書き方(丸めの単位、量の表現)に沿って書ける 要領の該当箇所を示し、その場で3件書かせて確認する 教育記録、本人が書いた記録の写し  
5 2週目 観察した事実と、自分の判断を分けて書ける 「〜と思われる」を使った文の前に事実を置く練習を10文行う 教育記録(練習した文例)  
6 2週目 利用者の発言をかぎ括弧で原文のまま残せる 要約しがちな例を示し、原文で残す意味を説明する 教育記録  
7 3週目 実施できなかった場合の3点(理由・代替・次回)を書ける 実際に起きた不実施の場面を題材に、一緒に書く 教育記録、本人が書いた記録の写し  
8 1か月 訂正の方法(二重線・訂正者・訂正日・理由)に沿って直せる 誤記のある練習用紙で訂正の手順をやらせる 教育記録  
9 1か月 申し送りを、口頭と記録の両方で残せる 送り手・受け手・時刻・内容の4点を確認する 教育記録、申し送り簿  
10 2か月 ヒヤリ・ハットを自分で書き、提出できる 提出しても責められないことを、実例で示す 教育記録、ヒヤリ・ハット報告書  
11 2か月 他の職員の記録を読んで、分からない点を質問できる 相互チェックに同席させ、見る観点を共有する 教育記録、相互チェックの記録  
12 3か月 記載要領の14項目について、迷ったときにどこを見ればよいか分かる 要領を一緒に読み返し、この3か月で迷った場面を振り返る 教育記録、振り返りの記録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

新人教育の記録(そのまま残せる完成文)

「令和◯年7月8日(月)14時00分〜15時00分、事務室にて、7月1日入職の介護職員(氏名)に対し、記録の書き方に関する個別指導を実施した。指導者はサービス提供責任者(氏名)。段階3の到達点である『担当する利用者3名について平常時の状態を説明できる』に沿って、担当利用者3名(◯◯様・◯◯様・◯◯様)の過去1か月分のサービス提供記録を一緒に読み、平常時の体温・血圧の範囲、食事の摂取状況、移動の方法、家族の関わり方を1名ずつ口頭で確認した。◯◯様については『午後に傾眠が出やすい』という点が記録から読み取れることを本人が指摘できた。◯◯様については平常時の歩行の方法を誤って理解していたため、7月2日〜7月5日の記録4件を示して訂正した。次回は7月15日に段階4(時刻・数量の書き方)を実施する。使用資料は『記録の書き方の手引き』および該当利用者の提供記録の写し(指導終了後に回収し、シュレッダーで処分した)。」

仕組み4|管理者の点検|頻度別の観点14項目

管理者の点検は「気づいたときに見る」では続きません。頻度と観点を先に決めて、点検そのものを予定に入れることが必要です。毎日全件を見るのは現実的ではないので、下の表のように頻度ごとに見る対象を変えます。日次は抜き取り、月次は全件の一部項目、年次は様式そのもの、という組み立てです。

頻度 見る対象 観点 見つかったときにその場でやること 実施日(記入欄)
毎日 前日分の記録から3件を抜き取り 時刻が入っているか、5要素のうち欠けている欄はないか 書いた本人へその日のうちに口頭で伝える(月末にまとめて言わない)  
毎日 前日の不実施・変更があった記録の全件 理由・代替・次回の3点が書かれているか 不足があれば追記の手順(追記日を明示)を本人に伝える  
週1回 その週に新規で受け入れた利用者の記録の全件 初回の状態が、後から読んで分かる程度に書かれているか 不足があれば、次回訪問時に確認する項目を申し送る  
週1回 新人職員(入職3か月以内)が書いた記録の全件 教育の段階に応じた到達点に届いているか 到達していない段階を教育記録に記載し、次回の指導内容を決める  
週1回 ヒヤリ・ハット、事故の記録 状況・処置・原因・再発防止策の4点が書かれているか 不足があればその場で本人と一緒に埋める  
月1回 全利用者の提供記録(時刻欄のみ) 計画上の時間がそのまま入っている行がないか 該当があれば、実測値に基づく記載へ運用を戻す旨を全体へ周知する  
月1回 提供記録と請求データ 実施日・区分・回数が一致しているか 相違があれば、請求前に原因(記録側か入力側か)を特定する  
月1回 モニタリングの記録 実施した事実と結果が記録されているか、実施日が経過記録と一致しているか 不足があれば、次月のモニタリング予定を先に決める  
月1回 訂正のあった記録 訂正者・訂正日・理由が残っているか 手順どおりでない訂正があれば、要領の該当箇所を再周知する  
月1回 研修・委員会の実施記録 実施日時・参加者・内容・使用資料が残っているか、不参加者への対応が残っているか 記録が不足している回について、当時の資料を集めて補う  
3か月に1回 個別サービス計画と記録 計画に位置づけた内容が記録に現れているか、目標の達成状況が記録されているか 乖離があれば、計画の見直しをカンファレンスの議題に上げる  
3か月に1回 同意書・署名の綴り 本人欄・家族欄の記入、同意日と提供開始日の前後関係 不足があれば、次回の説明の機会に取り直す手順を決める  
年1回 運営規程と実際に使用している様式 規程に書いた様式の種類・名称と実物が一致しているか 相違があれば、どちらを直すかを管理者が決め、手続きの要否を保険者に確認する  
年1回 記録の保管場所と保存年限の一覧 一覧に載っていない書類が書庫にないか、保険者の定めと一覧が合っているか 一覧を更新し、更新日と更新者を記録する  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

点検で見つけたことを本人へ伝えるとき、「間違いの指摘」ではなく「読み手に伝わるか」の言い方に変えると、受け取られ方が変わります。「時刻が抜けています」ではなく「この記録だけを読む人には、何時のことか分かりません」。同じことを言っていますが、後者は書き手が自分で判断できるようになります。

仕組み5|相互チェック|6段階の手順と、そのまま残せる記録

管理者の点検には限界があります。件数が多いことに加え、管理者が見ると「評価」になり、書き手が萎縮するからです。相互チェックは、職員どうしで読み合うことでこの2つを同時に和らげます。ただし「よく見ておいて」で始めると必ず形骸化します。見る観点を3つに絞り、時間を15分に区切り、結果を記録に残す。この3点を守れば続きます。

段階 やること 時間の目安 決めておくこと
1. 組み合わせを決める 2人1組。毎月入れ替える。同じ利用者の担当どうしにしない 月初に5分 誰と誰を組ませるか。管理者が決めるか、輪番にするか
2. 観点を3つに絞る その月に見る観点を管理者が3つ提示する(例:時刻/利用者の言葉/不実施の3点) 朝礼で2分 観点は前月の点検で多かった不足から選ぶ
3. 読む 相手が書いた記録から5件を選び、3つの観点だけを見る 15分 選び方(無作為か、直近5件か)
4. 伝える 「良かった点1つ・分からなかった点1つ」を口頭で伝える 5分 直せとは言わない。分からなかった点として伝える
5. 記録に残す 相互チェック記録に、実施日・組・観点・気づきを書く 3分 個人の評価を書かない。事実と気づきだけ書く
6. 集約する 管理者が全組の記録を読み、翌月の観点と要領の見直し点を決める 月末に20分 集約結果を全体へ返す場(カンファレンス等)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

相互チェックの記録(そのまま残せる完成文)

「令和◯年7月10日(水)16時30分〜17時00分、事務室にて相互チェックを実施した。組み合わせは介護職員(氏名A)と介護職員(氏名B)の2名。今月の観点は①開始・終了時刻が実測値で記載されているか、②利用者の発言がかぎ括弧で原文のまま残っているか、③実施できなかった場合に理由・代替・次回の3点が書かれているか、の3点。各自が相手の直近の記録5件を読み、観点ごとに確認した。氏名Aから氏名Bへは『7月7日の記録で、ご本人の「息子に会いたい」という発言がそのまま残っており、翌日の訪問で家族に伝える判断につながっていた』ことを良かった点として伝え、『7月5日の入浴中止について、中止した理由は書かれていたが、代わりに何をしたかが読み取れなかった』ことを分からなかった点として伝えた。氏名Bから氏名Aへは『時刻がすべて実測で入っており、訪問の前後関係が追えた』ことを良かった点として、『7月6日の「体調不良」という記載について、何を観察してそう判断したのかが分からなかった』ことを分からなかった点として伝えた。今回の気づきを踏まえ、記載要領の項目9(実施できなかった場合)について、次回のカンファレンスで記入例を追加することを管理者に提案する。次回の相互チェックは8月7日、組み合わせを入れ替えて実施する。」

仕組み6|カンファレンスでの振り返り|進行の型と、要領を更新するまで

振り返りの場を作っても「気をつけましょう」で終わってしまうのは、その場で決めたことが、翌日以降どこに反映されるかが決まっていないからです。記録の振り返りは、必ず「記載要領を1行直す」「記入例を1枚差し替える」「様式の欄を1つ変える」のいずれかで終わらせてください。文書が変わらない振り返りは、記憶が薄れると同時に消えます。

進行 使う時間 この時間に出すもの ここで決めること
1. 前回の宿題の確認 5分 前回決めた「誰が・いつまでに・何を」の一覧 できた/できていない。できていない場合は理由と再設定
2. 今月の点検・相互チェックの集約 10分 管理者の点検結果、相互チェック記録の集約 今月いちばん多かった不足はどれか(1つに絞る)
3. 現物を読む 10分 不足のあった記録(氏名を伏せたもの)2〜3件 読み手として何が分からなかったかを全員で言う
4. 原因を1段だけ掘る 10分 「なぜそう書いたか」を書いた本人以外の視点で出す 本人の意識の問題か、様式・手順の問題かを分ける
5. 対策を決める 10分 対策の候補(要領の追記/記入例の追加/様式の変更/時間の確保) 誰が・いつまでに・何をするか。1回のカンファレンスで2件まで
6. 反映先を決める 5分 記載要領、記入例の掲示物、様式 どの文書のどこを直すか。直す担当と期限

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、松山市の資料では、研修を実施した際は実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すこと、各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録することが示されています。記録の振り返りを法定研修と同じ日にまとめて行う場合は、議事録の中でテーマごとに区切って書いてください。1つの議事録に混ぜて書くと、どちらの内容として実施したのかが読み取れなくなります。

立場・経験年数別のつまずき|6区分の手当てと、指導した側が残す記録

記録が揃わない事業所で、全員に同じ研修を1回やって解決した例はほとんどありません。つまずいている場所が、立場と経験によって別だからです。新人は「何を書けばよいか分からない」、中途採用の経験者は「前の職場のやり方で書いてしまう」、夜勤専従は「そもそも日中の職員と話す機会がない」。同じ「記録が揃わない」でも、必要な手当ては正反対のことがあります。

下の表は、6つの区分について、つまずきやすい点・その背景・手当て・確認する記録を並べたものです。「背景」の欄を飛ばして「手当て」だけを実行しないでください。背景が違えば、同じ手当てが逆効果になります。たとえば中途採用の経験者に新人向けの基礎研修を受けさせると、多くの場合は反発だけが残ります。

6区分の全体像|つまずく理由と手当て

区分 つまずきやすい点 背景(なぜそうなるか) 手当ての具体策 確認する記録 貴事業所の状況(記入欄)
新人(入職3か月以内) 何を書けばよいか分からず、書ける言葉が定型句しかない。書く時間も人一倍かかる その利用者の平常時を知らないため、何が変化なのかを判断できない。様式の欄の意味も分かっていない まず担当利用者の過去1か月の記録を一緒に読み、平常時の範囲を共有する。書く時間を勤務時間に上乗せして確保する。段階を区切って到達点を1つずつ確認する 教育記録(段階・実施日・指導者)、本人が書いた記録の写し、勤務表  
中途採用(経験者) 前の職場の様式・略語・書き方の癖がそのまま出る。本人は「正しく書いている」と認識している 経験があるほど、書き方は身体に入っている。事業所ごとに様式と要領が違うことを伝えられていない 「経験の否定」ではなく「当事業所の様式の説明」として渡す。前職との違いを本人に挙げてもらい、差分だけを共有する。略語の一覧を最初に渡す 教育記録(差分の確認内容)、記載要領の受領記録、記録の写し  
外国籍の職員 専門用語・略語・敬語表現でつまずく。漢字の入力に時間がかかる。曖昧な表現(様子見・適宜)の意味が分からない 日常会話は問題なくても、記録は書き言葉かつ専門語彙。曖昧な日本語表現は学習の対象になっていない 略語の一覧に読み仮名と意味を併記する。曖昧な表現を要領から排除し、数字と事実で書く形式に寄せる。定型の書き出しを用意する。音声入力を認める場合は変換の確認手順も決める 教育記録、語彙一覧の配布記録、本人が書いた記録の写し  
夜勤専従 日中の申し送り・カンファレンス・研修に参加できず、決まったことが伝わらない。記録の書き方だけ古いまま残る 顔を合わせる機会が構造的にない。伝達が「朝礼で言った」で終わっている 要領の変更点を紙で夜勤者の記録場所に置く。研修は録画または資料回覧+確認印で代替する。月1回、勤務の重なる時間帯に15分の面談を設定する 周知記録(配布日・受領印)、研修の不参加者への対応記録、面談記録  
パート・非常勤 勤務日が限られるため、変更の周知が届かない。記録を書く時間が勤務時間に含まれていないことがある 連絡の手段が「出勤したときに見る掲示」だけになっている。時間給のため記録の時間が申告されにくい 周知は掲示に加え、次の出勤時に必ず目に入る場所(タイムカードの横・ロッカー)へ置く。記録の時間を勤務時間として扱う旨を明文化する 周知記録、勤務表(記録の時間の扱い)、出勤簿  
管理者自身 点検する側になったことで、自分が書く記録(研修記録・委員会議事録・点検記録)が後回しになる 自分の記録を点検する人がいない。日々の業務に締切がないため、必要になったときにまとめて作る流れになる 管理者が書く記録も一覧にして期限を決める。法人本部・他事業所の管理者と相互に点検する。年間の予定表に研修・委員会・点検の日を先に入れる 年間研修計画、委員会議事録、点検記録、周知記録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

場面別|区分ごとに、どの瞬間に手が止まるか(24場面)

手当てを実行に移すには、「どの瞬間に手が止まるか」まで下ろす必要があります。下の表は、6区分それぞれについて4つずつ、実際に手が止まる場面と、そのときにかける言葉を並べたものです。かける言葉は、そのまま口に出せる形にしています。「ちゃんと書いて」では動きません。

区分 手が止まる場面 そのとき起きていること 手当て(その場でできること) かける言葉(そのまま使える)
新人 訪問から戻って記録用紙を開いたとき 1時間の出来事のどれを書けばよいか判断できず、10分以上手が止まる 5要素の欄を指さして、上から順に埋めることを伝える 「全部を書こうとしなくて大丈夫です。まず時刻、次に何をしたか。この2つが入っていれば、あとは一緒に足しましょう。」
新人 利用者の様子を書く欄 「元気そうだった」以上の言葉が出てこない 本人が見たこと・聞いたことを口頭で言わせ、それを書き取らせる 「今、私に話してくれたことをそのまま書いてください。『顔色がいつもより赤かった』は、立派な記録です。」
新人 変化に気づけたか自信がないとき 「変化かもしれないが、報告するほどか分からない」と迷い、書かずに済ませる 迷ったら書く・迷ったら言う、を明示する 「迷ったら書いてください。書きすぎて困ったことは、この事業所では一度もありません。」
新人 先輩の記録を真似しようとしたとき 先輩の記録が「特変なし」だけで、真似すると同じ書き方になる 掲示している記入例を正とすることを伝える 「参考にするのは、壁に貼ってある記入例のほうです。あれが事業所として決めた書き方です。」
中途採用 初日に様式を渡されたとき 前職の様式との違いに気づかず、同じつもりで書き始める 前職の様式との違いを本人に3つ挙げてもらう 「前の職場の様式と、どこが違いそうですか。3つ挙げてもらえると、説明する場所が絞れます。」
中途採用 略語を使ったとき 前職で通じた略語が、この事業所では通じない 略語の一覧を渡し、載っていないものは日本語で書くと伝える 「その略語、前の職場では通じていたと思います。ここでは一覧にある20語だけにしていて、それ以外は日本語で書く決まりです。」
中途採用 訂正の仕方を指摘されたとき 前職では上書きが認められていた 訂正の手順を実物で示し、理由(元の内容が分かるようにするため)を添える 「前は消して直していたと思います。ここは二重線で残します。あとから見た人が、どちらが元の内容か分かるようにするためです。」
中途採用 時刻を計画どおりに書いたとき 前職では計画上の時間を書く運用だった 実測値で書く運用であることを、要領の該当箇所を示して伝える 「時刻は、計画の時間ではなく、実際に始まった時間と終わった時間を入れてください。ここは手引きの4番に書いてあります。」
外国籍の職員 専門用語が出てきたとき 「褥瘡」「浮腫」など、会話では出ない漢字で止まる 読み仮名と意味を併記した語彙一覧を渡す 「この言葉の一覧を渡します。読み方と意味を書いてあるので、分からない言葉があったら私に言ってください。一覧に足します。」
外国籍の職員 曖昧な表現に出会ったとき 「適宜」「様子見」の意味が分からず、そのまま真似して使ってしまう 曖昧な語を使わない書き方に置き換える 「『適宜』は使わなくて大丈夫です。何時に、何回やったかを数字で書いてください。そのほうが正確です。」
外国籍の職員 入力に時間がかかるとき 漢字変換に手間取り、書く時間が他の職員の2倍以上かかる 定型の書き出しを用意し、変わる部分だけ入力する形にする 「よく使う書き出しをいくつか登録しておきます。時刻と内容だけ入れれば済むようにしましょう。」
外国籍の職員 利用者の発言を書くとき 方言や省略の多い発話を、標準語に直して書いてしまう 聞こえたとおりに書いてよいこと、分からなければ確認してよいことを伝える 「聞こえたとおりに書いて大丈夫です。分からなかったところは『(聞き取れず)』と書いてくれれば、こちらで補います。」
夜勤専従 要領が変わったとき 朝礼で伝えられた変更を知らないまま、旧の書き方を続ける 変更点を紙にして、夜勤者が必ず開く記録の1枚目に挟む 「今月から変わった点を1枚にしました。夜勤の記録バインダーの1枚目に入れてあります。読んだら日付と名前だけ書いてください。」
夜勤専従 研修が日中に設定されたとき 参加できず、不参加のまま記録も残らない 資料の回覧と確認印、または録画の視聴で代替し、その事実を記録する 「今回の研修は資料を回します。読んだら確認欄に日付と名前をお願いします。質問があれば、次の重なる時間に答えます。」
夜勤専従 日中の申し送りが分からないとき 日中に何があったかを知らずに夜間の記録を書くため、経過が途切れる 日中の記録から夜勤者が読む項目を決め、出勤直後に読む時間を置く 「出勤したら最初の10分は、日中の記録を読む時間にしてください。それも勤務時間です。」
夜勤専従 異変に気づいたとき 誰に連絡すべきか、どこまで書くべきかの判断を1人でしなければならない 連絡先と判断の基準を、夜勤の持ち場に貼る 「迷ったら連絡してください。この紙にある基準に1つでも当てはまったら、時間帯を気にせず電話して構いません。」
パート・非常勤 久しぶりに出勤したとき 前回の出勤から変わったことを知らずに書き始める 出勤時に必ず見る場所(タイムカードの横)へ変更点を置く 「前回の出勤から変わった点を、タイムカードの横に置いています。1分で読めるようにしてあります。」
パート・非常勤 記録を書く時間になったとき 「勤務時間外に書くもの」と受け取っており、急いで定型句で埋める 記録の時間が勤務時間であることを明文化し、勤務表にも反映する 「記録を書く時間は勤務時間です。打刻を止めてから書く必要はありません。」
パート・非常勤 担当する利用者が固定でないとき その利用者の平常時を知らないため、変化を書けない 初回に読む記録の範囲を決めておく(直近2週間など) 「初めて入る方のときは、直近2週間の記録に目を通してから訪問してください。何が普段どおりかが分かります。」
パート・非常勤 疑問が出たとき 次の出勤まで聞けず、そのまま忘れる その場で書き残す欄(質問メモ)を用意し、常勤が回答を書き戻す 「その場で聞けなかったことは、このメモに書いておいてください。次の出勤までに答えを書いておきます。」
管理者自身 研修を実施したとき 実施したが、日時・参加者・内容・使用資料の記録を後回しにする 研修の記録様式を印刷して当日持参し、終了時にその場で埋める (自分への手当て)「終了の合図と、記録を埋めるのを同じ動作にする。会場を出る前に書き終える。」
管理者自身 委員会を開いたとき 議事録が「開催した」だけになり、検討の内容が残らない 議題・出た意見・決めたこと・次回までの担当と期限、の4欄の様式にする (自分への手当て)「決めたことの欄が空のまま終わる会は、開き方を変える。」
管理者自身 点検を予定していた日 目の前の対応に押され、点検が翌週へ、さらに翌月へ流れる 点検の対象を減らしてでも日を動かさない(3件だけでも見る) (自分への手当て)「全件見られない日は3件だけ見る。日を飛ばさない。」
管理者自身 職員から記録の相談を受けたとき その場で口頭で答えて終わり、要領に反映されない 相談を受けた内容をメモし、月1回まとめて要領へ反映する (自分への手当て)「同じ質問を2回受けたら、それは要領に書いていないということ。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

中途採用者への説明の記録(そのまま残せる完成文)

「令和◯年7月14日(月)13時30分〜14時15分、事務室にて、7月1日に中途採用した介護職員(氏名。介護業務の経験8年)に対し、当事業所の記録様式および記載要領の説明を実施した。指導者は管理者(氏名)。冒頭で、前職の様式と当事業所の様式の違いとして本人から『①時刻欄が開始・終了の2つに分かれている、②利用者の発言を書く欄が独立している、③訂正の方法が指定されている』の3点が挙げられたため、この3点を中心に説明した。①については、計画に位置づけた時間ではなく実際の開始・終了時刻を記載する運用であることを、記載要領の項目4を示して説明した。②については、発言は要約せずかぎ括弧で原文のまま残すこと、短い発言でも残す意味(翌日以降の担当者が続きを話せる)を説明した。③については、修正液・上書きを使わず、二重線・訂正者・訂正日・訂正理由を残す方法を、練習用紙で1件実施して確認した。あわせて、当事業所で使用してよい略語の一覧(20語)を配布し、一覧にない略語は日本語で記載することを伝えた。本人より『前職では計画の時間をそのまま書いていたので、切り替える』との発言があった。次回7月28日に、本人が書いた記録5件を一緒に確認する。」

夜勤専従者への周知の記録(そのまま残せる完成文)

「令和◯年7月1日、記載要領の改定(項目9『実施できなかった場合』に、理由・代替として行ったこと・次回の予定の3点を書く旨を追記)について、日中の朝礼で口頭により全体へ周知した。夜勤専従の職員2名(氏名・氏名)は朝礼に参加していないため、改定箇所を1枚にまとめた文書を夜勤記録バインダーの1枚目に挟み、確認欄への日付・氏名の記入を依頼した。7月2日に1名(氏名)、7月4日に1名(氏名)の記入を確認した。あわせて7月5日6時40分〜6時55分、勤務の重なる時間帯に管理者が口頭で補足説明を行い、改定の趣旨(実施できなかった記録から、次に何をするかが読み取れるようにするため)を伝えた。質問は特になし。周知に用いた文書の写しを本記録に添付する。」

周知の記録は、「全員に周知した」と1行書くのではなく、参加できなかった人に何をしたかまで書くのが要点です。大阪市の集団指導資料でも、研修について「研修不参加者への対応が不明瞭」が指導事項として挙げられています。夜勤専従・パート・非常勤が多い事業所ほど、この欄が空いたままになりやすいところです。

管理者が月に一度見る点検シート|36項目(確認日・確認者・所見の記入欄つき)

点検は、観点が多いほど良いものではありません。「月に1回、1時間で通せる量」に収まっていることが、続くかどうかの分かれ目です。ここでは36項目に絞り、日々の記録・計画と同意・体制と保存の3群に分けました。1項目あたり100秒。全部を毎月見るのが難しければ、群ごとに月をずらして3か月で1周させても構いません。大切なのは、見なかった月があったことが後から分かる形にしておくことです。空欄のまま残しておけば、それが「この月は見ていない」という記録になります。

「確認できていると言える状態」の欄は、点検する人によって判断がぶれないための欄です。ここが書かれていないシートは、管理者が交代した途端に基準が変わります。貴事業所の実情に合わせて書き換えて構いませんが、必ず「何が書かれていれば良しとするか」を文で書いてください。

点検群1|日々の記録(12項目)

項番 点検の観点 確認する記録 確認できていると言える状態 結果(記入欄) 確認日(記入欄) 確認者(記入欄)
1 開始・終了の時刻が、実際に提供した時刻で記載されているか サービス提供記録 抜き取った10件すべてで、時刻が分単位で入っており、同一利用者の同一曜日でも時刻に幅がある      
2 提供した具体的な内容が記載されているか サービス提供記録、業務日誌 抜き取った10件すべてで、実施した行為が読み取れる(「介助」だけで終わっていない)      
3 利用者の心身の状況・様子が記載されているか サービス提供記録、経過記録 抜き取った10件すべてで、観察した事実が1つ以上書かれており、定型句のみの記載がない      
4 利用者の発言が原文で残されているか サービス提供記録、支援経過記録 1週間分のうち、発言のあった場面でかぎ括弧の記載がある      
5 実施できなかった場合に、理由・代替・次回の3点が書かれているか サービス提供記録、変更の記録 当月の不実施の全件で3点が揃っている      
6 記録の作成日と、実際の提供日の差が開いていないか サービス提供記録(作成日時)、勤務表 当日または翌勤務日までに作成されている件が大半で、遅れた件には理由が残っている      
7 訂正の跡が、手順どおりに残っているか 訂正のあった記録、電子の修正履歴 訂正のある全件で、二重線・訂正者・訂正日・理由が確認できる。修正液・上書きがない      
8 略語の使用が、一覧の範囲に収まっているか サービス提供記録、申し送り簿 抜き取った20件で、一覧にない略語の使用がない      
9 記録内容と請求の内容が一致しているか サービス提供記録、実績記録票、請求明細 当月の請求前に突き合わせを行い、相違がないことを確認した記録が残っている      
10 申し送りが、送り手・受け手・時刻・内容の4点で残っているか 申し送り簿、経過記録 当月の申し送りの全件で4点が揃っている      
11 ヒヤリ・ハットと事故が区別して記録されているか ヒヤリ・ハット記録、事故報告書 誤薬・転倒等について、事象の内容に応じた様式で記録されている      
12 事故の記録に、状況・処置・原因・再発防止策の4点があるか 事故報告書、再発防止の検討記録 当月の事故の全件で4点が書かれており、再発防止策に担当と期限がある      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

点検群2|計画・アセスメント・同意(12項目)

項番 点検の観点 確認する記録 確認できていると言える状態 結果(記入欄) 確認日(記入欄) 確認者(記入欄)
13 事業所として行ったアセスメントの記録があるか アセスメントシート 当月に計画を作成・変更した全件で、事業所が実施した課題分析の記録がある      
14 アセスメントの記載が、チェック欄だけで終わっていないか アセスメントシート(備考欄) チェックを付けた項目について、具体的な状況(部位・程度・場面)が備考に書かれている      
15 心身の状況の変化があった際に、再アセスメントを行っているか 再アセスメントの記録、経過記録 要介護度の変更・入退院のあった利用者について、再アセスメントの記録がある      
16 個別サービス計画に、具体的な内容・時間・日程が書かれているか 個別サービス計画 当月作成・変更分の全件で、実施する内容と頻度が読み取れる      
17 計画に、長期目標・短期目標が定められているか 個別サービス計画 当月作成・変更分の全件で、目標と期間が記載されている      
18 計画の説明・同意・交付が記録されているか 個別サービス計画(同意欄)、交付記録 説明日・同意日・交付日が記載され、いずれも空欄でない      
19 同意日が、サービス提供開始日より前になっているか 個別サービス計画、サービス提供記録 当月の新規・変更の全件で、同意日が提供開始日以前である      
20 同意が、本人と家族で区別して得られているか 同意欄(本人・家族)、代筆の記録 本人欄・家族欄が分かれており、代筆の場合は理由と代筆者が記載されている      
21 作成日・説明日・同意日・交付日の前後関係が業務の順序と合っているか 個別サービス計画、アセスメント記録、経過記録 アセスメント→作成→説明→同意→交付の順に日付が並んでいる      
22 目標の達成状況が記録されているか モニタリング記録、個別サービス計画 計画の期間の終わりごとに、目標ごとの達成状況が記載されている      
23 モニタリングの実施と結果が記録されているか モニタリング記録、経過記録 実施日と結果が記載され、経過記録の実施日と一致している      
24 個人情報の使用について、本人分・家族分の同意が得られているか 個人情報使用同意書 利用者ごとに本人分・家族分の同意書があり、使用の範囲と期間が記載されている      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

点検群3|体制・様式・保存(12項目)

項番 点検の観点 確認する記録 確認できていると言える状態 結果(記入欄) 確認日(記入欄) 確認者(記入欄)
25 月ごとの勤務表が作成され、必要な項目が記載されているか 月ごとの勤務表 管理者を含む全従業者について、日々の勤務時間・常勤非常勤の別・兼務関係が記載されている      
26 出退勤の記録が、実際の時間で残っているか タイムカード、出勤簿 出勤時間・退勤時間が記入されており、予定表の転記になっていない      
27 年間の研修計画が作成され、計画的に実施されているか 年間研修計画、研修実施記録 年度当初に計画があり、当月までの実施状況が計画と照らして確認できる      
28 研修の記録に、実施日時・参加者氏名・内容・使用資料が残っているか 研修実施記録、参加者名簿、使用資料 当月実施分の全件で4点が揃っている      
29 同日に複数テーマの研修を行った場合、内容が区別して記録されているか 研修実施記録 テーマごとに実施時間と内容が分けて書かれている      
30 研修の不参加者への対応が記録されているか 資料の回覧記録、確認印、個別実施の記録 不参加者ごとに、いつ・どのように内容を伝えたかが残っている      
31 委員会の議事録に、検討の内容と決めたことが残っているか 各委員会の議事録 議題・出た意見・決めたこと・担当と期限の4欄が埋まっている      
32 委員会・研修の結果が従業者に周知された記録があるか 周知記録、回覧記録、朝礼記録 周知の日付と方法、確認した従業者が分かる      
33 運営規程に記載した内容と、実際に使用している様式が一致しているか 運営規程、実際の様式 課題分析の種類・提供方法・記録の保存期間などの記載が実態と一致している      
34 記録の保存年限が、保険者の定めと一致しているか 運営規程、重要事項説明書、保管一覧 指定を受けた保険者の条例・資料と突き合わせた記録がある      
35 記録の保管場所が一覧化され、探して出せる状態か 保管場所の一覧、書庫・共有フォルダ 書類の種類ごとに置き場所と正本の形式が書かれており、抜き取り3件を5分以内に出せる      
36 個人情報を含む記録の持ち出しが管理されているか 持ち出し記録簿、秘密保持誓約書 持ち出し可の一覧があり、持出日・返却日・持出者が記録されている。退職者を含む誓約書が整備されている      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

点検を実施した記録(そのまま残せる完成文)

「令和◯年7月31日(木)15時00分〜16時10分、事務室にて、7月分の記録点検を実施した。実施者は管理者(氏名)。点検群1(日々の記録12項目)を全項目、点検群2(計画・アセスメント・同意12項目)のうち項目13〜19の7項目を実施した。点検群3は8月に実施する。点検群1の項目1(時刻)について、抜き取った10件のうち2件で、開始時刻と終了時刻が計画に位置づけた時間と完全に一致していた。該当の職員2名に対し、7月31日中に個別に口頭で確認したところ、いずれも『実際の時刻をメモしておらず、記憶が曖昧なため計画の時間を書いた』との説明であった。対応として、訪問時に使用する持ち出し用紙の冒頭に開始・終了の時刻欄を追加し、8月1日分から使用することとした(担当:サービス提供責任者、期限:7月31日中に印刷し配布)。項目5(不実施の3点)については、当月の不実施6件すべてで理由・代替・次回の記載を確認できた。項目9(記録と請求の突き合わせ)は、7月30日に実施済みで相違はなかった。次回の点検は8月29日を予定する。」

この完成文の要点は、「見つからなかった」ことも書いている点です。全項目が良好だった月に何も書かないと、点検を実施した事実そのものが残りません。点検は、不備を見つけるためではなく、確認した事実を残すために行うものと位置づけると、書く内容が変わります。

改善のサイクルを回した記録|6段階の会議録と、書き換えの前と後(32組)

改善の取り組みそのものより、「改善を回した記録が残っていない」ことのほうが、事業所にとって損失になります。実際にやったのに記録がないと、外から見れば何もしていないことと区別がつきません。そして事業所の中でも、担当者が変わった瞬間に「なぜこの運用になっているのか」が失われ、数年後に同じ議論を最初からやり直すことになります。

改善の記録は、難しい様式を作る必要はありません。①課題の把握 ②原因の分析 ③対策の決定 ④実施 ⑤効果の確認 ⑥標準化の6段階を、それぞれ数行ずつ書けば十分です。要点は、⑥の標準化まで書くこと。⑤で終わっている記録は、次に同じことが起きたときに何も守ってくれません。

6段階に書くこと|段階ごとの完成条件

段階 この段階で書くこと 書けていると言える条件 書けていないときに現れる症状 貴事業所の記入欄
1. 課題の把握 いつ・どこで・何件、どういう状態が起きているか。誰がどうやって気づいたか 件数または割合が入っている。「多い」「よくある」で終わっていない 対策が的外れになる。効果を確認するときに比べる相手がない  
2. 原因の分析 なぜそうなっているか。本人の意識か、様式か、手順か、時間か、周知か 原因が「本人の意識」だけになっていない。少なくとも1つは仕組みの側に置かれている 対策が「気をつける」しか出てこない。2か月で元に戻る  
3. 対策の決定 何を、誰が、いつまでに。同時に決めるのは2件まで 担当者名(または役職名)と期限が入っている 誰も動かない。次回の会議で「まだできていません」が繰り返される  
4. 実施 いつ実施したか。実施の際に配った資料・変更した様式は何か 実施日と、変更した文書の名称が入っている やったのかどうか分からない。周知されていない人が残る  
5. 効果の確認 いつ、何を、どうやって確認したか。段階1の数字と比べた結果 段階1と同じ方法で数えた結果が入っている やりっぱなしになる。うまくいかなかった場合に気づけない  
6. 標準化 どの文書のどこに反映したか。新人教育のどこに組み込んだか 反映先の文書名と、反映した日が入っている 担当者が代わると元に戻る。数年後に同じ議論をやり直す  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

会議録の完成文1|記録が定型句だけになっていた件

「令和◯年8月5日(火)17時00分〜17時50分、事務室にて、記録に関する検討会を開催した。出席者は管理者(氏名)、サービス提供責任者(氏名)、介護職員6名(氏名)。欠席者は夜勤専従1名(氏名)で、議事録を8月6日に配布し、確認欄への記入を8月8日に確認した。

1. 課題の把握 7月分の記録点検(7月31日実施)において、抜き取った30件のうち11件で、利用者の心身の状況を書く欄が『特変なし』『いつも通り』のみの記載であった。同欄が空欄のものはなかった。11件の内訳は、日中の訪問7件、夜間4件。書いた職員は5名で、うち3名が入職1年未満であった。

2. 原因の分析 出席者から次の意見が出た。①『何を書けば「状況を書いた」ことになるのか分からず、無難な言葉を選んでいる』(介護職員3名)。②『変化がなかった日に何を書けばよいか分からない』(介護職員2名)。③『訪問が続く日は、記録に使える時間が実質2〜3分しかない』(サービス提供責任者)。検討の結果、本人の意識の問題ではなく、(ア)何を書くかの基準が文書化されていないこと、(イ)変化がない日の書き方の例が示されていないこと、(ウ)記録の時間が業務の中に置かれていないこと、の3点が原因であると整理した。

3. 対策の決定 次の2件を決定した。①記載要領の項目3(必ず書く5要素)に、『変化がなかった場合も、その日に観察した事実を1つ以上書く』を追記する。あわせて、変化がなかった日の記入例を3件作成し、事務室および訪問車両の持ち出しファイルに掲示する(担当:サービス提供責任者、期限:8月12日)。②訪問と訪問の間に5分の記録時間を置くため、8月18日以降の訪問予定の組み方を見直す(担当:管理者、期限:8月15日までに8月18日以降分を作成)。

4. 実施 ①は8月11日に実施。記載要領の改定版(第3版)を全職員に配布し、記入例3件を事務室の掲示板と訪問車両3台の持ち出しファイルに掲示した。夜勤専従2名には8月11日に文書を配布し、8月13日までに受領の記入を確認した。②は8月14日に実施。8月18日以降の訪問予定について、1日あたり最大6件であった訪問件数を5件とし、各訪問の間に5分の記録時間を設定した。

5. 効果の確認 9月1日に、8月18日〜8月31日の記録から同じ方法で30件を抜き取り、7月と同じ観点で確認する。確認は管理者が実施し、結果を9月2日の検討会で報告する。

6. 標準化 ①については記載要領第3版として文書化済み(改定日8月11日)。新人教育の段階4(時刻・数量の書き方)の次に、『変化がなかった日の書き方』を段階4の2として追加し、教育記録の様式も8月12日に更新した。②については、訪問予定の作成手順書に『訪問と訪問の間に5分の記録時間を置く』を追記した(8月14日)。

次回 9月2日(火)17時00分より、効果の確認の結果を報告し、必要に応じて追加の対策を検討する。」

会議録の完成文2|同じ内容を3か所に書いていた件

「令和◯年8月19日(火)16時30分〜17時20分、事務室にて、記録の重複に関する検討会を開催した。出席者は管理者(氏名)、サービス提供責任者2名(氏名・氏名)、事務職員1名(氏名)、介護職員4名(氏名)。

1. 課題の把握 7月の職員面談(7月22日〜7月26日、対象10名)において、10名中8名から『同じことを何度も書いている』との申し出があった。申し出のあった箇所を書き出したところ、①訪問した事実(提供記録・業務日誌)、②開始終了の時刻(提供記録・実績記録票)、③利用者の様子(提供記録・連絡ノート)の3か所であった。1日あたりの重複の記入回数は、訪問5件の日で15回に上ると試算された。

2. 原因の分析 業務日誌は平成◯年の開設時から使用しており、当時は提供記録が複写式ではなかったため、事業所として1日の全体像を残す唯一の記録であった。その後、提供記録が複写式となり事業所控えが残るようになったが、業務日誌の運用はそのまま継続していた。実績記録票への時刻の入力は、請求ソフトへの入力担当が事務職員に分かれた際に、提供記録からの転記作業として発生したものである。連絡ノートは、家族からの要望により平成◯年に開始した。

3. 対策の決定 次の2件を決定した。①業務日誌について、提供記録の事業所控えを日付順に綴じたものを日々の記録の正本とし、業務日誌には提供記録に書かれない事項(来訪者、設備の不具合、事業所全体に関わる連絡)のみを記載する運用へ変更する。変更にあたり、業務日誌に記載していた項目を一覧化し、提供記録の控えで確認できる項目とできない項目を仕分ける(担当:サービス提供責任者(氏名)、期限:8月26日)。②実績記録票への時刻の入力について、提供記録の時刻から自動で反映される設定が可能かを確認し、可能であれば設定を変更する。不可能な場合は、転記後に別の職員が突き合わせる工程を請求前に置く(担当:管理者、期限:9月5日)。連絡ノートについては、家族との関係上、当面継続することとした。

4. 実施 ①は8月25日に仕分けを完了し、9月1日から新しい運用を開始した。業務日誌の様式を変更し、記載欄を『来訪者』『設備・車両』『事業所全体の連絡事項』の3欄に整理した。②は9月3日に確認した結果、設定の変更により提供記録の時刻から実績が作成できることが分かり、9月8日に設定を変更した。

5. 効果の確認 10月7日の検討会で、9月分の運用について職員から聞き取りを行う。あわせて、9月分の請求前の突き合わせ(9月30日実施予定)において、記録と請求の相違がないことを確認する。

6. 標準化 業務日誌の新しい様式と記載範囲を、記載要領の項目1の次に『様式ごとの役割』として追記した(改定日9月1日、第4版)。あわせて、新人教育の段階1(様式の種類と読み手)で使用する説明資料を9月1日付で差し替えた。実績記録票の作成手順は、請求業務の手順書を9月8日に更新した。

次回 10月7日(火)16時30分より、効果の確認の結果を報告する。」

会議録の完成文3|同意をもらう順序が後になっていた件

「令和◯年9月2日(火)17時00分〜17時40分、事務室にて、計画の同意手続に関する検討会を開催した。出席者は管理者(氏名)、サービス提供責任者2名(氏名・氏名)、事務職員1名(氏名)。

1. 課題の把握 8月の記録点検(8月29日実施、点検群2)において、7月〜8月に新規または変更のあった個別サービス計画14件のうち3件で、同意日がサービス提供開始日より後の日付になっていた。3件はいずれも、居宅サービス計画の変更に伴い当事業所の計画も変更したもので、変更後のサービスが先に始まっていた。

2. 原因の分析 居宅サービス計画の変更の連絡が、変更後のサービス開始日の直前または当日に届くことがあり、当事業所の計画の作成・説明・同意が後追いになる。また、説明と同意を得る担当がサービス提供責任者に限られており、担当者の訪問日まで手続が進まない状態が生じていた。様式上も、同意欄が空欄のまま提供の記録を作成できてしまう。

3. 対策の決定 次の2件を決定した。①居宅介護支援事業所からの変更の連絡を受けた時点で、当事業所の計画の説明・同意の予定日を先に決め、経過記録に記載する。予定日が変更後のサービス開始日より後になる場合は、その時点で居宅介護支援事業所へ連絡し、開始日または手続の順序について相談する(担当:サービス提供責任者2名、期限:9月8日から運用開始)。②同意欄が空欄のまま次の工程に進まないよう、計画の様式に『説明日・同意日・交付日』の3欄を表面に移し、いずれかが空欄の場合はファイルの表紙に付箋を貼る運用とする(担当:事務職員、期限:9月12日)。

4. 実施 ①は9月8日から運用を開始し、9月中に該当した変更4件すべてについて、連絡を受けた日に予定日を経過記録へ記載した。うち1件は予定日が開始日より後になったため、9月17日に居宅介護支援事業所へ連絡し、開始日を9月22日へ変更する調整を行った。②は9月11日に様式を変更し、9月12日から使用を開始した。

5. 効果の確認 10月31日の記録点検(点検群2の項目19)において、9月〜10月に新規・変更のあった計画の全件で、同意日が提供開始日以前であることを確認する。

6. 標準化 変更の連絡を受けた際の手順を、業務手順書の『計画の変更』の項に追記した(9月8日)。様式の変更については、記載要領の項目11(空欄の扱い)に、説明日・同意日・交付日の3欄は空欄のまま次の工程へ進まない旨を追記した(改定日9月12日、第5版)。新人教育の段階1で配布する様式一式も9月12日付で差し替えた。

次回 11月4日(火)17時00分より、効果の確認の結果を報告する。」

「決めただけ」で終わった一文の直し方|書き換えの前と後(32組)

ここまでの3つの完成文を読んで、「うちの議事録はこんなに書けない」と感じた方も多いと思います。しかし、実際に足りていないのはたいてい1行だけです。「記録の質を上げることを確認した」という一文に、誰が・いつまでに・何を、そして反映先はどこかを足せば、それだけで次の担当者が動ける記録になります。

下の表は、議事録・会議録によく現れる書き方を、左に「そのまま書かれがちな一文」、右に「そのまま貼れる完成文」として並べたものです。右の文は、いずれも主語・期限・反映先が入っています。32組すべてを直す必要はありません。自分たちの議事録に一番近い行を1つ選び、その形に合わせるところから始めてください。

場面 そのまま書かれがちな一文 そのまま貼れる完成文
記録の質全般 記録の質を上げることを確認した。 記録の心身の状況欄について、変化がなかった日も観察した事実を1つ以上書くことを、記載要領の項目3に追記する。担当はサービス提供責任者、期限は8月12日。改定版は8月11日の朝礼で配布し、欠席者には同日中に個別配布する。
定型句 「特変なし」を使わないよう周知した。 「特変なし」「いつも通り」の2語を記載要領の使用しない語に追加し、代わりに使える記入例を3件作成して事務室と訪問車両の持ち出しファイルに掲示する。担当はサービス提供責任者、期限は8月12日。掲示物は9月末に内容を見直す。
時刻 実際の時間を書くよう注意喚起した。 訪問時に使用する持ち出し用紙の冒頭に開始・終了の時刻欄を追加し、8月1日分から使用する。担当は管理者、期限は7月31日中に印刷・配布。8月末の点検で、抜き取り10件の時刻欄がすべて実測で埋まっていることを確認する。
二重入力 二重入力をなくしていくこととした。 業務日誌に記載していた項目を一覧化し、提供記録の事業所控えで確認できる項目とできない項目に仕分ける。担当はサービス提供責任者(氏名)、期限は8月26日。仕分け後、業務日誌の記載欄を「来訪者」「設備・車両」「事業所全体の連絡事項」の3欄に整理し、9月1日から運用する。
書く時間 記録の時間を確保するようにする。 1日あたりの訪問件数を最大6件から5件に変更し、各訪問の間に5分の記録時間を設定する。担当は管理者、期限は8月15日までに8月18日以降の予定を作成。9月2日の検討会で、実際に記録時間が確保できたかを職員から聞き取る。
訂正の方法 訂正は正しい方法で行うこととした。 訂正は二重線とし、訂正者の氏名・訂正日・訂正理由を余白に記載する。修正液・上書き・書き直しは行わない。この手順を1枚にまとめ、記録用紙のバインダーの1枚目に挟む。担当は事務職員、期限は8月20日。
略語 略語の使用に注意する。 事業所で使用してよい略語の一覧(20語)を作成し、8月22日の朝礼で配布する。一覧にない略語は日本語で記載する。一覧への追加は検討会で決定し、追加した場合は改定日を記載して再配布する。担当はサービス提供責任者、期限は8月22日。
申し送り 申し送りを徹底する。 申し送りは、送り手・受け手・時刻・内容の4点を申し送り簿に記載し、受け手が確認欄に記入する。申し送り簿の様式を4欄に変更する。担当は事務職員、期限は9月1日。9月末の点検で全件に4点が揃っていることを確認する。
同意の順序 同意は事前にもらうようにする。 居宅介護支援事業所から計画変更の連絡を受けた時点で、当事業所の計画の説明・同意の予定日を決め、経過記録に記載する。予定日が変更後の開始日より後になる場合は、その時点で居宅介護支援事業所へ連絡する。担当はサービス提供責任者2名、9月8日から運用を開始する。
同意欄の空欄 同意欄の記入漏れに気をつける。 計画の様式の表面に「説明日・同意日・交付日」の3欄を移し、いずれかが空欄の場合はファイルの表紙に付箋を貼る運用とする。担当は事務職員、期限は9月12日。10月31日の点検で、当該3欄の記入率を確認する。
本人と家族の同意 家族の同意も取ることとした。 個人情報使用同意書について、本人欄と家族欄を分けた様式に変更し、代筆の場合は代筆者と理由を記載する欄を設ける。既存の利用者については、次回の計画の説明の機会に新様式で取り直す。担当は管理者、様式の変更は9月20日まで、取り直しは12月末までに完了する。
アセスメント アセスメントをしっかり行う。 アセスメントシートのチェック欄に印を付けた項目については、備考欄に部位・程度・場面のいずれかを必ず記載する。記入例を2件作成し、シートの裏面に印刷する。担当はサービス提供責任者、期限は9月10日。
再アセスメント 状態が変わったら見直す。 要介護度の変更、入院、退院、転倒による受傷のいずれかが生じた場合に再アセスメントを行うこととし、該当の事象を把握した職員が経過記録に記載したうえでサービス提供責任者へ報告する。この手順を業務手順書に追記する。担当は管理者、期限は9月10日。
モニタリング モニタリングを忘れないようにする。 モニタリングの実施予定日を、前月末に翌月分の予定表へ記入する。実施後は結果を記録し、経過記録の実施日と一致していることを、翌月の点検(項目23)で確認する。担当はサービス提供責任者、前月末までに翌月分を作成する。
計画と記録の乖離 計画どおりに実施する。 3か月に1回、個別サービス計画に位置づけた内容が記録に現れているかを確認し、乖離がある場合は次回のカンファレンスの議題に上げる。確認は管理者が実施し、確認日と結果を点検記録に残す。次回の確認は10月末。
研修の記録 研修の記録を残す。 研修実施記録の様式を、実施日時・参加者氏名・研修内容・使用資料の4欄に変更し、研修終了時にその場で記入して会場を出る運用とする。担当は管理者、様式の変更は8月25日まで。同日に複数テーマを実施する場合はテーマごとに欄を分けて記載する。
研修の不参加者 欠席者にも周知する。 研修を欠席した職員には、資料を個別に配布し、確認欄に日付と氏名の記入を求める。記入が3日以内に確認できない場合は、管理者が口頭で内容を伝え、その事実を研修記録の備考欄に記載する。担当は管理者、次回研修(9月10日)から運用する。
年間研修計画 研修は計画的に行う。 年間研修計画に、テーマ・実施予定月・対象者・実施時間を記載し、年度当初に掲示する。実施のたびに計画へ実施日を記入し、未実施のまま年度末を迎えないよう、11月と1月に進捗を確認する。担当は管理者、計画の作成は9月末まで。
委員会 委員会を定期的に開催する。 各委員会の開催日を年度当初に年間予定表へ記入し、開催のつど議事録に「議題・出た意見・決めたこと・担当と期限」の4欄を記載する。決めたことの欄が空欄のまま終了しない。担当は管理者、年間予定表の作成は9月末まで。
委員会の周知 委員会の内容を職員に伝える。 委員会の議事録は、開催の翌営業日までに事務室の掲示板へ掲示し、夜勤専従・非常勤には個別に配布する。周知の日付と方法、確認した職員を周知記録に残す。担当は管理者、次回委員会(9月18日)から運用する。
事故の記録 事故は再発防止に努める。 事故報告書の様式に「状況・処置・原因・再発防止策」の4欄を設け、再発防止策には担当者と期限を書く欄を追加する。担当は管理者、様式の変更は9月5日まで。実施した再発防止策は、3か月後に効果を確認して報告書に追記する。
ヒヤリ・ハット ヒヤリ・ハットを積極的に出す。 ヒヤリ・ハットの用紙を、事務室・各フロア・訪問車両の3か所に常備し、記載は5行以内でよいこととする。提出者を評価の対象としないことを、9月の朝礼で管理者から明言する。担当は管理者、用紙の設置は9月1日まで。
事故とヒヤリの区別 事故は正しく報告する。 誤薬・転倒等について、どの事象をどの様式で記録するかの区分表を作成し、事務室に掲示する。判断に迷う場合はサービス提供責任者に確認し、確認した事実を記録に残す。担当はサービス提供責任者、期限は9月12日。
勤務表 勤務表を作成する。 月ごとの勤務表に、管理者を含む全従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係を記載する。前月20日までに翌月分を作成し、事務室に掲示する。担当は管理者、9月分から運用する。
出退勤 出退勤の記録をつける。 出勤簿に、予定ではなく実際の出勤時間・退勤時間を記入する。記入漏れがあった場合は、本人が気づいた時点で記入し、記入した日を余白に記載する。この取扱いを出勤簿の1枚目に印刷する。担当は事務職員、期限は9月1日。
様式と運営規程 運営規程を見直す。 運営規程に記載している課題分析の種類・提供方法・記録の保存期間と、実際に使用している様式・運用を1行ずつ突き合わせ、相違の一覧を作成する。担当は管理者、期限は10月10日。相違があった場合の取扱いは、指定を受けた保険者へ確認する。
保存年限 記録は適切に保存する。 書類の種類ごとに、置き場所・正本の形式・保存年限(保険者の定めを記入)・起算日を1行ずつ書いた一覧を作成し、書庫の扉に掲示する。保険者の定めは、指定を受けた保険者の条例および集団指導資料で確認し、確認した資料名と確認日を一覧の末尾に記載する。担当は管理者、期限は10月末。
保管場所 書類は探しやすくする。 利用者ごとのファイルの綴じ方を「年月の新しい順」に統一し、ファイルの背に綴じ方を印刷して貼る。統一の作業は10月中に完了させ、完了後に抜き取り3件を5分以内に出せることを管理者が確認する。担当は事務職員、期限は10月31日。
個人情報の持ち出し 個人情報の管理を徹底する。 持ち出してよい書類の一覧を作成し、一覧にないものは持ち出さないこととする。持ち出す場合は持ち出し記録簿に持出日・返却日・持出者を記入する。私物端末での撮影は行わない。担当は管理者、一覧と記録簿の整備は9月26日まで。
秘密保持 秘密保持を確認した。 退職者を含む従業者の秘密保持の誓約書について、在籍者全員分の有無を確認し、不足分は10月15日までに取得する。新規採用者については入職初日に取得する手順を、採用時の手続一覧に追記する。担当は管理者、期限は10月15日。
紙と電子の併存 電子化を進める。 様式ごとに「紙が正本」か「電子が正本」かを一覧に書き出し、正本でない側は作成・保管しないこととする。一覧の作成は管理者が行い、期限は10月20日。切り替えの対象と時期は、一覧の完成後に検討会で決定する。
新人への指導 新人にはよく指導する。 新人教育の段階(12段階)ごとに到達点を定め、達成した日を教育記録に記入する。段階4の次に「変化がなかった日の書き方」を段階4の2として追加する。担当はサービス提供責任者、教育記録の様式更新は8月12日まで。
中途採用者への説明 経験者なので問題ない。 中途採用者には、入職2週間以内に、前職の様式との違いを本人に3点挙げてもらったうえで当事業所の様式と記載要領を説明し、実施日・説明した内容・本人の発言を教育記録に残す。担当は管理者、次の採用者から運用する。
夜勤者への周知 夜勤者にも伝えておく。 記載要領・様式・手順の変更については、変更点を1枚にまとめ、夜勤記録バインダーの1枚目に挟み、確認欄への日付・氏名の記入を求める。3日以内に記入が確認できない場合は、勤務の重なる時間帯に管理者が口頭で説明する。担当は管理者、9月の改定分から運用する。
相互チェック お互いの記録を見合うことにした。 2人1組で、月に1回、相手の直近の記録5件を、管理者が示した3つの観点だけで読む。所要時間は15分とし、「良かった点1つ・分からなかった点1つ」を口頭で伝え、相互チェック記録に実施日・組・観点・気づきを残す。組み合わせは毎月入れ替える。第1回は9月10日、担当は管理者。
点検の継続 定期的に点検していく。 点検群1(日々の記録12項目)を毎月末、点検群2(計画・同意12項目)を毎月末、点検群3(体制・保存12項目)を3か月に1回実施する。実施できなかった月は結果欄を空欄のまま残し、翌月の検討会で理由を報告する。担当は管理者、9月30日から開始する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

右の列を読み返すと、直しているのはたった3つの要素だと分かります。①主語(誰が)②期限(いつまでに)③反映先(どの文書のどこに)。この3つが入っていれば、文章の巧拙にかかわらず、次の担当者が動けます。逆に、この3つが抜けている限り、どれだけ丁寧な言葉で書いても、その議事録は「話し合った」以上のことを残しません。

最後に、記録の改善に取り組む事業所へ1つだけ付け加えておきます。記録は、書く人のためではなく、読む人のために残すものです。翌日の担当者、家族、他のサービスの担当者、そして数か月後の自分。誰か特定の一人を思い浮かべながら書くと、「特変なし」では足りないことが、説明されなくても分かるようになります。仕組みは、その気づきが起きるまでの時間を短くするために置くものです。

よくある質問(FAQ)

この事例はどこから集めたものですか。

厚生労働省が公表している業務改善活動報告書などの資料から、当社が課題・取り組み・結果を抜き出して整理したものです。出典は表の右端のリンクからご確認ください。

効果の欄が「記載なし」のものがあるのはなぜですか。

報告書に数値や実施後の効果が記載されていない事例があるためです。推測で補わず、記載がないことをそのまま示しています。

同じことをすれば同じ結果が出ますか。

事業所の規模・体制・地域によって結果は変わります。取り組みの内容と、その事業所の前提を読んだうえで、自事業所に合う形に置き換えてください。

自分の事業所で何から始めればよいですか。

まず「いまどこで時間がかかっているか」を1週間測ってください。測らずに施策から入ると、効果を示せず次の判断もできなくなります。

取り組みの記録は残したほうがよいですか。

はい。改善前の数値、行ったこと、改善後の数値を残しておくと、補助金の実績報告や次年度の申請でそのまま使えます。


出典:厚生労働省ウェブサイト(介護分野の業務改善に関する公表資料。介護・高齢者福祉)ほか。個々の出典は表の「出典」列のリンクからご確認ください/公共データ利用規約(第1.0版)。
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各事業所の公式見解ではありません。効果は各事業所が報告した内容であり、同じ取り組みで同じ結果が得られることを示すものではありません。

本ページは令和8年6月改定時点の制度に沿って整理しています。様式・要件・単位数は改定により変わります。最新の内容は、厚生労働省の告示・通知および所管の保険者(自治体)の案内でご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

運営会社について お問い合わせ

介護のマナ|無料相談・デモ
気になったら、まず15分。担当が日程を確保してご案内します。
無料で相談・デモを予約資料を見る
補助金ナビ / 無料
ICT・DX導入に使える補助金・助成金を探せます。
ICT・DX導入の補助金を探す →
新着の補助金をメールで受け取る(無料)

最近の記事

AIサポートセンター24時間365日

神マナの使い方は、音声つきのプレゼンで1日の流れをご覧いただけます。料金・導入のご相談には、AIが声でお答えします。アプリのインストールは要りません。

マイクのないPCは
スマホで読み取り