訪問看護ステーションは、利用者が急増する一方で廃止・休止も過去最多という厳しい環境にあります。この記事では、訪問看護に特化した「黒字化と収支のポイント」を、人件費・加算・生産性の観点から整理します。介護事業所全般の運営は介護事業所の運営・経営ガイドもご覧ください。
あわせて、訪問看護AIとは?導入前に確認すべきこともご覧ください。
訪問看護経営の特徴──労働集約で人件費率が高い
訪問看護は、看護師が訪問した分だけ収入になる労働集約型のビジネスです。1回の訪問で得られる報酬はおよそ8,500円前後、そして人件費率は売上の約78%にもなります。つまり「看護師一人あたりの生産性」と「単価(加算)」が、そのまま経営を左右します。
黒字化の考え方(損益分岐)
黒字化は、ざっくり次の式で考えられます。
利用者数 × 訪問頻度 × 単価(基本+加算) − 人件費 + 固定費
- 売上を上げる――利用者・訪問件数を増やす/取れる加算をもれなく取る。
- コストを抑える――一人あたりの訪問数(稼働率)を上げ、記録・移動の非効率=残業を減らす。
人員基準は看護職員が常勤換算2.5人以上。5人未満の小規模が過半数を占めますが、小規模でも黒字化は可能です。
収支を改善する3つのレバー
1. 加算をもれなく取り、単価を上げる
訪問看護の加算一覧のうち、ターミナルケア加算・特別管理加算・緊急時訪問看護加算・機能強化型などは収益インパクトが大きい項目です。算定要件は記録に紐づくため、要件を満たせなくなる原因は「記録の不備」であることが多いとされています。
2. 生産性=記録の効率化(人件費を下げる直接レバー)
人件費率78%の世界では、残業の削減がそのまま利益になります。訪問後の記録・事務に時間を取られると、一人あたりの訪問数が伸びず、残業代も膨らみます。記録を効率化すれば、同じ人数で訪問数を増やし、残業を減らせます。詳しくは訪問看護の残業を減らす方法へ。
3. 人材の定着(採れない時代の生命線)
看護師は構造的な不足下にあり、採用で穴を埋めるのは困難です。今いる看護師を辞めさせないことが、最も確実な経営安定策です。→訪問看護師の離職を防ぐ。
記録の負担を、音声AIで軽くする
訪問看護向けのAI「訪問看護AI「訪問看護マナ」」は、記録書Ⅱ・報告書・計画書を話すだけでSOAP作成し、カイポケへ自動転記します。記録残業の削減=人件費の圧縮+訪問数増に直結。利用者3名まで無期限無料で試せます。
まとめ
- 訪問看護経営は人件費率78%。生産性と加算単価が勝負。
- 黒字化=加算をもれなく取り、記録・移動の非効率(残業)を削り、人を辞めさせない。
- 記録の効率化は、収支改善の最短レバー。
訪問看護の収支は「訪問件数×単価−人件費」で決まる
構造が単純なぶん、どこが崩れているかも特定しやすいのが訪問看護の経営です。
| 要素 | 見るところ | 崩れているときの兆候 |
|---|---|---|
| 訪問件数 | 1人あたりの1日訪問件数 | 看護師は雇ったが件数が伸びない |
| 単価 | 医療保険と介護保険の比率、加算の取得状況 | 件数はあるが売上が伸びない |
| 人件費 | 人件費率 | 件数は伸びたが利益が残らない |
| 移動時間 | 1件あたりの移動時間 | 訪問エリアが広がりすぎている |
| 稼働率 | 看護師の稼働している時間の割合 | 会議・記録・待機に時間を取られている |
立ち上げ期の資金繰り——請求から入金までの間をどう見るか
サービスを提供してから報酬が入金されるまでには期間があります。請求から入金までの期間(記入欄)は、保険者・審査支払機関にご確認ください。その間も家賃と人件費は出ていきます。
- 開設から最初の入金までに期間があるため、その間の運転資金を見込んでおきます(必要な月数は請求から入金までの期間から逆算して記入欄)
- 人件費は訪問件数に先行します(採用してから利用者が増える)
- 返戻・査定があると入金がさらにずれます。初回請求は特に確認が要ります
- 自己資金だけで組まず、日本政策金融公庫や制度融資を開設前に相談しておく事業所が多くあります
黒字化のために先に決めること
- 訪問エリアを絞る——広げるほど移動時間が増え、1日の件数が落ちます
- 1日の目標訪問件数を決める——移動時間を含めた現実的な数字にします
- 24時間対応をするか決める——収入にも、職員の負担にも直結します
- 主に受ける保険を決める——医療保険中心か介護保険中心かで、営業先も人材も変わります
- 加算の取得計画を立てる——体制要件は直前では整いません
見る数字
- 1人1日あたりの訪問件数
- 人件費率
- 1件あたりの移動時間
- 医療保険と介護保険の比率
- 紹介元別の依頼件数と、断った件数・理由
- 職員1人あたりの月間訪問件数の分散(偏っていないか)
収支計画書をつくるときの考え方
| 項目 | 積み上げ方 |
|---|---|
| 訪問件数 | 看護師数 × 1日あたり訪問件数 × 稼働日数。1日4〜5件から始まる想定が現実的です |
| 単価 | 医療保険・介護保険それぞれの想定件数比率で計算します |
| 加算 | 取得できる体制が整う時期を見込んで、段階的に載せます |
| 人件費 | 看護師の給与+法定福利費。採用は稼働に先行します |
| 家賃・車両 | 事業所家賃、駐車場、車両(リース/購入)、ガソリン |
| その他 | 通信費、システム利用料、消耗品、保険料、広告費 |
⚠初月から満稼働で計算しないことが要点です。利用者が増えるには時間がかかり、その間も人件費は出ます。
立ち上げ期に見る数字
- 新規依頼件数——紹介元別に記録します。どこが効いているか分かります
- 初回訪問までの日数——長いと次の依頼が来なくなります
- 1人1日あたり訪問件数——3件を下回る状態が続くなら、エリアか営業に課題があります
- キャンセル率
- 返戻件数——初回請求は特に確認します
経営について現場から多い質問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 何人から黒字になるか | エリアと単価によります。1人1日あたりの訪問件数と人件費率から逆算します |
| 24時間対応は必要か | 収入と負担の両方に直結します。人員が整う前に掲げると特定の職員に集中します |
| エリアはどこまで広げるか | 移動時間が増えると1日の件数が落ちます。件数より移動時間で判断します |
| 理学療法士等を採用すべきか | ニーズと、看護職員による評価の体制が組めるかで判断します |
| 営業は誰がやるか | 管理者が兼務することが多いですが、訪問に入りすぎると営業が止まります |
訪問看護の収支が動く要素|44要素を「なぜ効くか・何を数えるか・数え方の決め・動いたら見るところ」で並べる
収支の話は「増やす」「減らす」から始まりがちですが、その前にどの要素が動いたときに数字が変わるのかを並べておくと、月末に慌てずに済みます。ここでは要素ごとに、なぜ収支に効くか/何を数えるか/数え方の決めごと(記入欄)/動いたときに見るところ、の4つを分けて書きます。
目安の数値は書きません。訪問看護は地域・利用者像・保険の構成・移動の条件で前提がまったく違い、他所の数字を持ち込むと自分の事業所の状態が見えなくなるためです。ここに置くのは数える枠組みと、貴事業所が自分で埋める記入欄です。記入欄は、貴事業所で決めた内容を書き入れてお使いください。
訪問の量が動く12要素
| 要素 | なぜ収支に効くか | 何を数えるか | 数え方の決めごと(記入欄) | 動いたときに見るところ |
|---|---|---|---|---|
| 実利用者数 | 訪問できる相手の総数が、その月に入れる件数の上限を決めます | 月末時点で契約が続いている人数 | 数える日:(記入欄)/中止中の方を含めるか:(記入欄) | 人数が増えた分が、件数の側にも表れているか |
| 1人あたりの訪問回数 | 同じ人数でも、回数が変われば月の件数が変わります | 利用者ごとの月内の訪問回数 | 計画上の回数と実績のどちらを台帳に載せるか:(記入欄) | 計画と実績の差が出ている利用者の一覧 |
| 月の総訪問件数 | 収入の土台になる数です | 月内に実施した訪問の件数 | 同じ日に2回入った場合の数え方:(記入欄) | 前月と比べて動いた曜日・週 |
| 新規の受け入れ件数 | 終了で減る分を補う入口の量です | 初回訪問を実施した人数 | 契約日で数えるか初回訪問日で数えるか:(記入欄) | 依頼を受けてから初回訪問までに空いた日数 |
| 受けられなかった依頼 | 入口で落ちている量が、件数の頭打ちの理由になります | 依頼を受けられなかった件数 | 理由の区分:(記入欄:人員/地域/処置/時間帯/その他) | 同じ理由が続いていないか |
| 終了の件数 | 減る側の実数です。入口だけ見ていると気づけません | 月内に終了した人数 | 理由の区分:(記入欄:退院・入所・転居・死亡・中止・その他) | 理由の内訳が前月と変わっていないか |
| 予定と実績の差 | 予定どおりに入れていないと、見込みと結果がずれます | 予定件数と実施件数の差 | 差の数え方(実施しなかった予定を残すか消すか):(記入欄) | 差が大きい曜日・担当・利用者 |
| キャンセルの件数 | 入るはずだった訪問が消えた量です | 予定が取り消された件数 | 前日までと当日を分けて数えるか:(記入欄) | 取り消しの申し出が誰から来ているか |
| 再調整で埋まった件数 | 消えた枠を埋め戻せたかどうかが、月の合計を左右します | 取り消し後に別の訪問で埋まった件数 | 「埋まった」とみなす条件:(記入欄) | 埋め戻せなかった枠が集まっている時間帯 |
| 予定外・臨時の訪問 | 予定表に載っていない訪問は、集計から漏れやすい部分です | 予定外に実施した訪問の件数 | 予定表への後追い入力の期限:(記入欄) | 臨時が増えている利用者と、その状態の変化 |
| 入院などで止まっている利用者 | 名簿に残ったまま訪問が無い人が増えると、人数と件数が合わなくなります | 一定期間訪問が無い利用者の数 | 「止まっている」とみなす期間:(記入欄) | 再開の見込みを誰が確認するか |
| 曜日ごとのばらつき | 特定の曜日に寄ると、空いた曜日の枠がそのまま残ります | 曜日別の訪問件数 | 祝日を含む週の扱い:(記入欄) | 空いている曜日に動かせる訪問があるか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
時間と移動が動く11要素
| 要素 | なぜ収支に効くか | 何を数えるか | 数え方の決めごと(記入欄) | 動いたときに見るところ |
|---|---|---|---|---|
| 1件あたりの訪問時間 | 1日に入れる件数の上限を決める、いちばん手前の条件です | 訪問の開始時刻と終了時刻の差 | 時刻を残す方法(記録に打つか勤怠に打つか):(記入欄) | 時間が伸びている利用者と、その理由 |
| 予定時間と実際の差 | ずれが積み上がると、その日の後半の予定が崩れます | 予定した所要時間と実績の差 | 差を集計する単位(利用者別か担当別か):(記入欄) | 差が同じ方向に出ている担当・時間帯 |
| 移動の時間 | 移動している間は訪問できないため、件数の上限に直接効きます | 訪問と訪問のあいだの移動時間 | 事業所と自宅からの出発をどう扱うか:(記入欄) | 移動が長い区間と、その順路 |
| 移動の距離 | 距離は車両費と時間の両方に効きます | 訪問と訪問のあいだの走行距離 | 距離をどこから取るか(日報/車両記録):(記入欄) | 距離だけが伸びている担当・曜日 |
| 1日の順路 | 同じ件数でも並べ方で移動時間が変わります | 1日の訪問の並び順と移動時間の合計 | 順路を誰が組むか:(記入欄) | 行って戻る形になっている日 |
| 訪問エリアの広さ | 広がるほど移動が増え、1日に入る件数の上限が下がります | 訪問先の分布(市区町村・地区の数) | エリアの区切り方:(記入欄) | 端の地区にいる利用者の人数と訪問回数 |
| 訪問と訪問のあいだの空き | 埋まらない空きが多いほど、同じ拘束時間で入る件数が減ります | 予定の隙間の合計時間 | 何分以上を「空き」と数えるか:(記入欄) | 空きが固定化している曜日・担当 |
| 待機(オンコール)の時間帯 | 待機と日中の訪問が続くと、翌日の予定に響きます | 待機の担当日数と時間帯 | 待機の1日の区切り:(記入欄) | 待機の翌日に訪問が減っていないか |
| 天候・道路事情による遅れ | 季節によって同じ順路でも移動時間が変わります | 遅れが出た日の件数と時間 | 遅れとして記録する条件:(記入欄) | 同じ時期に毎年出ていないか |
| 駐車の可否と待ち時間 | 止められない場所は、訪問時間の外側に時間がかかります | 駐車に時間がかかる訪問先の数 | 訪問先ごとの駐車情報をどこに残すか:(記入欄) | 新しく受けた地区で同じことが起きていないか |
| 記録に使っている時間 | 訪問以外に時間が要ると、1日に入れる件数の上限が下がります | 記録に充てた時間(合計) | 訪問の場での記録と、後からの記録を分けるか:(記入欄) | 特定の様式に時間が集まっていないか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
担当と体制が動く11要素
| 要素 | なぜ収支に効くか | 何を数えるか | 数え方の決めごと(記入欄) | 動いたときに見るところ |
|---|---|---|---|---|
| 職員の数 | 入れる訪問の総量の上限になります | 月ごとの職員数(常勤換算) | 常勤換算の算出方法と基準日:(記入欄) | 人数の増減と、件数の増減が同じ向きか |
| 経験年数の構成 | 対応できる状態像の幅が変わり、受けられる依頼の範囲に効きます | 職員ごとの訪問看護の経験年数 | 他分野の経験を含めるか:(記入欄) | 受けられなかった依頼の理由と重なっていないか |
| 新しく入った職員の立ち上がり | 入職直後は同行や引き継ぎに時間がかかり、件数の伸びが遅れます | 入職からの経過月数と、単独訪問の件数 | 同行訪問を件数に入れるか:(記入欄) | 立ち上がりの途中で予定を詰めていないか |
| 担当の組み方 | 固定か持ち回りかで、移動の距離と代替のしやすさが変わります | 利用者ごとの担当者数 | 主担当・副担当の決め方:(記入欄) | 1人しか入れない利用者が増えていないか |
| 1人に集中している件数 | 偏りは、休みが取れない状態と、代われない状態を同時に作ります | 職員別の月間訪問件数のばらつき | 比べる単位(常勤換算で割り戻すか):(記入欄) | 偏りが続いている期間と、その理由 |
| 特定の処置に対応できる職員数 | 対応できる人が少ないと、依頼を受けられる範囲が狭まります | 処置の種類ごとの対応可能な職員数 | 処置の区分の作り方:(記入欄) | 断った依頼の処置と重なっていないか |
| オンコールの担当者数 | 担当できる人数が、体制の維持しやすさに効きます | 待機に入れる職員の人数 | 待機に入れる条件:(記入欄) | 同じ人に回り続けていないか |
| オンコールの出動回数 | 出動が続くと、翌日の予定と職員の負担に影響します | 出動の回数と、電話のみの対応の回数 | 電話のみを別に数えるか:(記入欄) | 出動が集まっている利用者と時間帯 |
| 休暇・研修で訪問に入れない日 | あらかじめ抜ける日が読めていないと、当月になって予定が崩れます | 月内の不在日数(休暇・研修・出張) | 半日単位を数えるか:(記入欄) | 不在が重なった週の件数 |
| 理学療法士等による訪問の件数 | 訪問の構成が変わると、報酬の構成と看護職員の関わり方も変わります | 職種別の訪問件数 | 職種の区分:(記入欄) | 看護職員による評価の予定が組めているか |
| 管理者が訪問に入っている時間 | 訪問に入りすぎると、数字を見る時間と調整の時間が無くなります | 管理者の月間訪問件数と時間 | 管理業務の時間をどこに記録するか:(記入欄) | 数字の確認が後回しになっていないか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
ここまでの3つの区分(訪問の量・時間と移動・担当と体制)は、どれかひとつだけを見ても答えが出ません。たとえば件数が伸びないとき、量の側だけを見れば「利用者が足りない」に見えますが、時間の側を見ると移動が伸びていて入れる枠が減っていた、担当の側を見ると1人に寄っていて他の職員の枠が空いていた、ということがあります。3つの区分を横に並べて、同じ月の数字を同時に見る——それだけで、思い込みで動く回数が減ります。
請求と事務が動く10要素
| 要素 | なぜ収支に効くか | 何を数えるか | 数え方の決めごと(記入欄) | 動いたときに見るところ |
|---|---|---|---|---|
| 締めまでに記録がそろっている件数 | そろっていない分は、確認と差し戻しの時間になります | 締め日時点で未完了の記録の件数 | 締め日:(記入欄)/未完了とみなす条件:(記入欄) | 未完了が集まっている担当・様式 |
| 請求内容の確認にかかる時間 | 毎月必ず発生する時間で、他の業務を押し出します | 請求の確認に充てた時間 | 誰の時間を数えるか:(記入欄) | 確認の時間が伸びた月に何が変わったか |
| 返戻・査定の件数 | その月の入りが後ろにずれ、確認の手間も重なります | 返戻・査定として戻ってきた件数 | 件数を月のどちらに寄せて数えるか:(記入欄) | 同じ利用者・同じ内容で続いていないか |
| 返戻の理由の内訳 | 理由が分かれていないと、同じことが翌月も起きます | 理由ごとの件数 | 理由の区分の作り方:(記入欄) | いちばん多い理由が前月から変わったか |
| 再請求までの日数 | 手元に入るまでの間隔が延びます | 戻ってきてから再請求までの日数 | 起算日:(記入欄) | 止まっている案件が残っていないか |
| 医療保険と介護保険の件数の比 | 比が変わると、報酬の構成と請求の流れが変わります | 保険の別ごとの訪問件数 | 月の途中で切り替わった場合の数え方:(記入欄) | 比が動いた月に、新規と終了で何があったか |
| 公費が関わる件数 | 確認する事項が増え、請求前の点検に時間がかかります | 公費が関わる利用者・訪問の件数 | 公費の区分をどこに残すか:(記入欄) | 券の有効期間の確認をいつ行うか |
| 利用者負担分の請求と入金 | 回収の状況は、手元の資金の動きに関わります | 請求した件数と、入金が確認できた件数 | 入金の確認方法と担当:(記入欄) | 確認できていない分が積み上がっていないか |
| 加算に関する体制の登録内容 | 体制の届出内容と実際の状況がずれると、請求の前提が変わります | 告示の定め/貴事業所の登録内容(記入欄)/実際の体制(記入欄) | 確認の頻度と担当:(記入欄)/変更があった日:(記入欄) | 体制が変わった月と、請求内容の関係をご確認ください |
| 事務にあたる人の時間 | 事務の時間が足りないと、訪問側の時間が事務に流れます | 事務に充てている時間(職種別) | 兼務者の時間の分け方:(記入欄) | 月末月初に集中していないか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
加算に関わる内容は、「取れる/取れない」という言い方をせず、告示の定めと貴事業所の状況を並べて置き、判断は保険者(指定権者)にご確認ください、という形でそろえておくと、社内の記録も対外的な説明も同じ形で残せます。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
毎月そろえる数え方の台帳|36項目を「数え方・出どころ・前月との比べ方・記入欄」で固定する
月次の数字がぶれる原因の多くは、事業が動いたからではなく数え方が変わったからです。誰が集計しても同じ数になるように、項目ごとに「何をもって1と数えるか」「どこから取るか」を先に決めて、台帳に書き留めておきます。ここでも目安の値は置きません。置くのは数え方の固定です。
量をそろえる12項目
| 項目名 | 数え方 | どこから取るか | 前月との比べ方 | 記入欄(貴事業所の決め) |
|---|---|---|---|---|
| 実施した訪問の件数 | 実施が確認できた訪問を1件と数える | 訪問の記録 | 同じ営業日数に直してから並べる | 営業日数の数え方: |
| 実利用者数 | 基準日に契約が続いている人を1人と数える | 利用者の一覧 | 基準日をそろえて並べる | 基準日: |
| 新規 | 初回訪問を実施した人を1人と数える | 受付の記録と訪問の記録 | 件数と、依頼元の内訳の両方で見る | 契約のみで初回未実施の扱い: |
| 終了 | 終了日が確定した人を1人と数える | 終了の記録 | 理由の区分ごとに並べる | 中止と終了の分け方: |
| 受けられなかった依頼 | 依頼を受けた時点で1件と数える | 断りの記録 | 理由の区分ごとに並べる | 問い合わせのみの扱い: |
| キャンセル | 予定が取り消された時点で1件と数える | 予定表の履歴 | 前日までと当日を分けて並べる | 事業所都合と利用者都合の分け方: |
| 予定外の訪問 | 予定表に無い訪問を1件と数える | 訪問の記録 | 件数と、利用者の内訳で見る | 後から予定表に入れた場合の扱い: |
| 利用者ごとの訪問回数 | 利用者単位で月内の実施件数を数える | 訪問の記録 | 計画上の回数との差で並べる | 月の途中の開始・終了の扱い: |
| 曜日別の件数 | 実施日の曜日で振り分ける | 訪問の記録 | その月の曜日の回数で割り戻す | 祝日の扱い: |
| 時間帯別の件数 | 開始時刻の属する区分で振り分ける | 訪問の記録 | 区分をそろえて並べる | 時間帯の区分: |
| 職員別の件数 | 実施した職員で振り分ける | 訪問の記録 | 勤務の量で割り戻してから並べる | 同行訪問の振り分け方: |
| 職種別の件数 | 実施した職員の職種で振り分ける | 訪問の記録 | 構成の比で並べる | 職種の区分: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
時間と体制をそろえる12項目
| 項目名 | 数え方 | どこから取るか | 前月との比べ方 | 記入欄(貴事業所の決め) |
|---|---|---|---|---|
| 訪問の所要時間 | 開始時刻と終了時刻の差 | 訪問の記録 | 利用者別・担当別に分けて並べる | 時刻を残す方法: |
| 移動の時間 | 前の訪問の終了から次の訪問の開始まで | 訪問の記録の時刻 | 1件あたりに直してから並べる | 昼の休憩をまたぐ場合の扱い: |
| 移動の距離 | 1日の走行距離を訪問件数で割る | 日報または車両の記録 | 担当別・エリア別に並べる | 私有車の扱い: |
| 記録に充てた時間 | 記録の作業に充てた時間の合計 | 本人の申告または作業の記録 | 1件あたりに直してから並べる | 訪問の場での記録の扱い: |
| 事務に充てた時間 | 請求・受付・調整に充てた時間 | 作業の記録 | 月末月初とそれ以外に分けて並べる | 兼務の時間の分け方: |
| 会議・カンファレンスの時間 | 開催時間×参加人数 | 開催の記録 | 回数と延べ時間の両方で並べる | 短時間の打ち合わせの扱い: |
| 待機の担当日数 | 待機に入った日を1日と数える | 待機の割り当て表 | 職員ごとの日数で並べる | 日をまたぐ待機の区切り: |
| 待機中の対応回数 | 連絡を受けた回数と、出動した回数を分ける | 待機の記録 | 両方を並べて見る | 連絡のみの記録方法: |
| 職員数 | 常勤換算の方法で算出する | 勤務の記録 | 同じ算出方法で並べる | 算出方法と基準期間: |
| 不在日数 | 休暇・研修・出張で訪問に入れない日 | 勤務の記録 | 月内の合計で並べる | 半日の扱い: |
| 入職・退職 | 入職日・退職日で数える | 勤務の記録 | 人数の増減として並べる | 雇用の形ごとの区分: |
| 同行訪問の件数 | 2名以上で入った訪問を数える | 訪問の記録 | 目的別(新任の同行・処置の同行)に並べる | 目的の区分: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
請求と入口・出口をそろえる12項目
| 項目名 | 数え方 | どこから取るか | 前月との比べ方 | 記入欄(貴事業所の決め) |
|---|---|---|---|---|
| 保険の別ごとの件数 | その訪問がどちらの保険によるかで振り分ける | 請求の元になる情報 | 構成の比で並べる | 月の途中で変わった場合の扱い: |
| 公費が関わる件数 | 公費の適用がある訪問を数える | 請求の元になる情報 | 件数と利用者数の両方で並べる | 複数の公費がある場合の数え方: |
| 締め日時点の未完了の記録 | 締め日に確定していない記録を数える | 記録の状態 | 担当別・様式別に並べる | 締め日と、未完了の定義: |
| 差し戻しの件数 | 内容の確認で差し戻した件数 | 確認の記録 | 理由の区分ごとに並べる | 理由の区分: |
| 返戻・査定の件数 | 戻ってきた件数を数える | 審査支払機関からの通知 | 理由の区分ごとに並べる | どの月の分として数えるか: |
| 再請求の件数 | 再度提出した件数 | 請求の記録 | 戻った件数との対応で並べる | 未処理として残す期限: |
| 請求から入金までの期間 | 提出日と入金の確認日の差 | 請求の記録と通帳等の記録 | 同じ数え方で並べる | 期間:( )/保険者・審査支払機関にご確認ください |
| 利用者負担分の請求 | 請求した件数と金額の件数 | 請求の記録 | 未入金として残っている件数で並べる | 入金の確認の担当と頻度: |
| 依頼元ごとの新規 | 依頼元で振り分ける | 受付の記録 | 依頼元ごとに並べる | 依頼元の区分: |
| 依頼から初回訪問までの日数 | 依頼を受けた日と初回訪問日の差 | 受付の記録と訪問の記録 | 依頼元ごとに並べる | 受けた日の定義: |
| 終了の理由の内訳 | 理由の区分ごとに数える | 終了の記録 | 区分ごとの件数で並べる | 理由の区分: |
| 体制に関する届出内容の確認 | 告示の定めと、貴事業所の登録内容を並べて残す | 届出の控えと、体制の記録 | 変更の有無で並べる | 告示の定め:( )/貴事業所の登録:( )/ご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
台帳を作るときに一度だけ決めておくと後が楽になるのは、「数え方を変えた日を残す」という決めです。区分の作り方を変えた月は、前月と単純に並べられません。変えた日と、変えた内容を1行残しておけば、翌年に見返したときに「事業が動いた」と読み違えずに済みます。
集計する人によって数が変わりやすい12の境目
同じ台帳を使っていても、次の12か所は担当が替わると数が変わります。どちらに寄せても構いませんが、どちらに寄せたかを書き留めておくことが大切です。書き留めていないと、翌年の同じ月と比べられなくなり、比べられないことに気づかないまま「増えた」「減った」と話すことになります。
| 境目になる場面 | 数が変わる理由 | 寄せ方の選択肢 | 記入欄(貴事業所はどちらに寄せるか) |
|---|---|---|---|
| 月をまたぐ訪問 | 深夜をまたいだ訪問を、開始日で数えるか終了日で数えるかで、月の件数が入れ替わります | 開始日に寄せる/終了日に寄せる | 寄せ方:( )/決めた日:( ) |
| 同じ日に2回入った訪問 | 1件と数えるか2件と数えるかで、件数も1人あたりの数も変わります | 実施した回数で数える/1日1件として数える | 寄せ方:( ) |
| 2名で入った訪問 | 訪問としては1件、職員別に見ると2件になり、合計が一致しなくなります | 訪問の件数は1件・職員別は各1件で持つ/主となる職員に寄せる | 寄せ方:( ) |
| 月の途中で契約した利用者 | 月末の人数に入れるかどうかで、1人あたりの件数が変わります | 基準日に契約があれば数える/月内に1回でも訪問があれば数える | 寄せ方:( ) |
| 月の途中で終了した利用者 | 同上の理由で、人数と件数の対応が崩れます | 基準日で判断する/月内に訪問があれば数える | 寄せ方:( ) |
| 中断が長く続いている利用者 | 名簿に残したままだと、人数だけが増えていきます | 一定期間で名簿から外す/名簿に残し、中断として別に数える | 期間:( )/扱い:( ) |
| 予定を取り消したあとに別日で入った訪問 | キャンセルとして数えるか、日程の変更として扱うかで件数が変わります | 取り消し1件+実施1件で持つ/変更として1件で持つ | 寄せ方:( ) |
| 訪問先に着いたが実施しなかった場合 | 移動の時間は発生していますが、訪問の件数にはなりません | 移動のみの記録として残す/記録しない | 寄せ方:( )/残す場所:( ) |
| 電話のみで対応した場合 | 訪問と混ぜると件数が実態より多く見えます | 訪問とは別の欄で数える/数えない | 寄せ方:( ) |
| 返戻があった訪問 | 提出した月と、再提出した月のどちらで数えるかで、月の数字が動きます | 提供した月に寄せる/処理した月に寄せる | 寄せ方:( ) |
| 兼務している職員の勤務時間 | 訪問に充てた時間と管理業務の時間を分けないと、1人あたりの件数がぶれます | 作業ごとに分けて記録する/勤務全体で持つ | 寄せ方:( ) |
| 営業日数が違う月どうしの比較 | そのまま並べると、事業の変化と暦の違いが混ざります | 営業日数で割り戻してから並べる/実数のまま並べる | 寄せ方:( )/営業日数の定義:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この12か所を一度決めてしまえば、月次の集計は担当が替わっても同じ数になります。逆に、ここを決めないまま数字だけを丁寧に出しても、比べた瞬間に意味を失います。台帳を作る順番としては、項目を増やすよりも先に、この境目を埋めるほうが早く効きます。
数字が動いた場面別|34場面の「まず見る・次に確かめる・記録に残す」
数字が動いたときに困るのは、原因の候補が多すぎることではなく、見る順番が決まっていないことです。順番が決まっていないと、思いついたところから見て、思いついた人に聞いて、結論だけが残ります。ここでは場面ごとに、まずどこを見るか/次に何を確かめるか/その場で記録に残すこと(記入欄)を並べます。原因を断定するための表ではなく、確かめる順番をそろえるための表です。
件数と入口・出口が動いた12場面
| 場面 | まずどこを見るか | 次に何を確かめるか | 記録に残すこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 訪問件数が減った | 実利用者数が減ったのか、1人あたりの回数が減ったのか | 減った側の内訳(終了が増えたのか、新規が止まったのか) | 減った月:( )/減った側:( )/確認した人:( ) |
| 利用者数は変わらないのに件数が減った | 利用者ごとの訪問回数の一覧 | 回数が減った利用者の計画上の回数と実績の差 | 該当の利用者数:( )/差の理由の聞き取り先:( ) |
| 件数は増えたのに月の数字が伸びない | 保険の別と、訪問の構成が変わっていないか | 短い訪問や予定外の訪問の比率が動いていないか | 構成が動いた項目:( )/いつから:( ) |
| キャンセルが増えた | 取り消しの申し出が誰から来ているか(利用者・家族・事業所) | 前日までと当日の内訳、埋め戻せた件数 | 件数:( )/内訳:( )/埋め戻せなかった枠:( ) |
| 特定の曜日にキャンセルが集まる | その曜日の予定の組み方と時間帯 | 他の予定(通院・入浴・他サービス)と重なっていないか | 曜日:( )/重なっている予定:( ) |
| 当日のキャンセルが続く | 連絡が入る時刻と、そのときの担当の位置 | 連絡の受け方と、次の訪問への振り替えの手順 | 連絡の平均的な時刻:( )/振り替えの担当:( ) |
| 新規が止まった | 依頼そのものが減ったのか、受けられなかったのか | 依頼元ごとの件数と、断りの理由の内訳 | 依頼件数:( )/断り件数:( )/理由:( ) |
| 依頼はあるが受けられない | 断りの理由の区分(人員・地域・処置・時間帯) | 同じ理由が何か月続いているか | いちばん多い理由:( )/続いている月数:( ) |
| 依頼から初回訪問までが空く | 依頼を受けてから予定に入るまでの手順のどこで止まっているか | 止まっている工程と、担当が決まるまでの日数 | 止まっている工程:( )/日数:( ) |
| 終了が重なった | 終了の理由の内訳 | 同じ時期に開始した利用者が重なっていないか | 終了件数:( )/理由の内訳:( ) |
| 入院による終了・中断が増えた | 中断している利用者の人数と、期間 | 再開の見込みを誰がいつ確認するか | 中断中の人数:( )/確認の担当:( )/確認の時期:( ) |
| 看取りが重なった | その月の終了の内訳と、担当ごとの偏り | 翌月に空く枠と、職員の勤務の状況 | 件数:( )/担当の偏り:( )/翌月の空き枠:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
時間・移動・担当が動いた12場面
| 場面 | まずどこを見るか | 次に何を確かめるか | 記録に残すこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 1人あたりの件数が下がった | 職員数と、訪問件数のどちらが先に動いたか | 入職直後の職員がいるか、不在日が重なっていないか | 職員数の増減:( )/不在日数:( ) |
| 特定の担当に件数が偏っている | 職員別の件数を、勤務の量で割り戻した一覧 | 偏っている理由(担当の固定・処置・地域・利用者の希望) | 偏りの大きい担当:( )/理由:( )/いつから:( ) |
| 担当を替えた直後に件数が動いた | 替えた利用者の訪問回数と、移動の時間 | 順路の組み直しが必要になっていないか | 替えた利用者数:( )/移動時間の変化:( ) |
| 移動時間が伸びた | エリアの分布と、1日の順路 | 新しく受けた利用者の場所が、既存の順路から離れていないか | 離れている訪問先の数:( )/該当の担当:( ) |
| エリアの端の利用者が増えた | 地区ごとの利用者数と訪問回数 | その地区に入れる日をまとめられるか | 該当の地区:( )/まとめられる曜日:( ) |
| 訪問時間が予定より長い | 利用者ごとの予定時間と実績の差 | 状態の変化か、処置の追加か、記録の時間が含まれているか | 差の大きい利用者:( )/差の内容:( ) |
| 予定と実績の差が広がった | 予定表と実施記録の突き合わせ | 予定表の更新が追いついているか | 差の件数:( )/更新の担当:( ) |
| 臨時の訪問が増えた | 臨時が集まっている利用者と時間帯 | 状態の変化に合わせて予定そのものを見直せるか | 臨時の件数:( )/該当の利用者:( ) |
| オンコールの出動が増えた | 出動の時間帯と、利用者の内訳 | 日中の訪問で対応できていた内容が夜に回っていないか | 出動件数:( )/時間帯:( )/利用者:( ) |
| 待機の担当が偏っている | 職員ごとの待機日数の一覧 | 待機に入れる人数と、入れる条件 | 日数の差:( )/待機に入れる人数:( ) |
| 職員が減った | その職員が持っていた利用者と訪問回数 | 引き継ぎ先と、単独で入れる職員がいる利用者かどうか | 引き継ぐ件数:( )/引き継ぎ先:( ) |
| 新しい職員が入った直後 | 同行訪問の件数と、単独訪問の開始時期 | 予定の詰め方が立ち上がりの速さと合っているか | 同行の件数:( )/単独開始の予定日:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
請求と数え方が動いた10場面
| 場面 | まずどこを見るか | 次に何を確かめるか | 記録に残すこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 返戻が増えた | 返戻の理由の内訳 | 同じ理由が同じ利用者で続いていないか | 件数:( )/いちばん多い理由:( ) |
| 同じ理由の返戻が続く | その理由に関わる情報が、どこで入力されているか | 入力の時点で確認できる形になっているか | 該当の情報:( )/入力の担当:( ) |
| 再請求が遅れた | 戻ってきてから手が付くまでの日数 | 誰の手元で止まっているか | 止まっている件数:( )/担当:( ) |
| 締めに記録が間に合わない | 締め日時点で未完了の記録の担当別・様式別の件数 | 未完了が特定の様式に集まっていないか | 未完了件数:( )/様式:( )/担当:( ) |
| 請求の確認に時間がかかるようになった | 確認に充てた時間と、確認した件数 | 件数が増えたのか、1件あたりが増えたのか | 時間:( )/件数:( ) |
| 保険の別の比が変わった | その月の新規と終了の内訳 | 比が変わったことで請求の流れに変更が要るか | 比の変化:( )/確認先:( ) |
| 公費が関わる件数が増えた | 公費の区分ごとの件数 | 券の有効期間を、いつ・誰が確認しているか | 件数:( )/確認の時期:( )/担当:( ) |
| 体制に関する届出の内容が変わった | 告示の定めと、貴事業所の登録内容を並べた対照 | 変更の届出の要否と時期は保険者(指定権者)にご確認ください | 告示の定め:( )/貴事業所の状況:( )/確認日:( ) |
| 利用者負担分の未入金が残っている | 請求した件数と、入金が確認できた件数の差 | 確認の頻度と担当が決まっているか | 差の件数:( )/確認の頻度:( ) |
| 前月と比べられない | 数え方や区分を変えていないか | 変えた日と、変えた内容が残っているか | 変えた項目:( )/変えた日:( )/変えた人:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
場面の表は、月次の数字を見る場に1枚だけ持ち込む使い方が向いています。動いた項目に印を付け、その行の「まずどこを見るか」だけをその場で確認し、「次に何を確かめるか」は担当と期日を決めて持ち帰る——この形にしておくと、会議の時間が「原因の推測」で埋まらずに済みます。推測は何度でも出てきますが、確かめられるのは記録に残っているものだけです。
この表を使うときの決めごとをひとつだけ挙げるなら、「まず見るところ」で止めて、その場で結論を出さないことです。1つ目の欄で分かるのは「どちら側が動いたか」までで、理由はまだ分かりません。理由の欄を空けたまま翌週に持ち越しても構いません。空欄のまま残っている項目こそ、翌月に同じことが起きる場所です。
立ち上げの時期の確かめごとと、日々の記録とのつなぎ|88項目の記入欄
立ち上げの時期は、出ていくものが先に動き、入ってくるものが後から動く時期です。ここで書けるのは、その順番があるということと、順番をどう並べて確かめるかまでで、金額も期間も断定しません。地域・保険の構成・提出の時期・審査の状況によって変わるためです。期間は記入欄にして、貴事業所の実際の数字を入れてお使いください。
また、税務に関することは税理士に、資金の調達に関することは金融機関や公的な制度の窓口に、雇用や賃金に関することは社会保険労務士に、それぞれご相談ください。この記事は、相談する前に自分の事業所の状況を並べておくための枠組みだけを扱います。
先に出ていくものと、後から入ってくるものを並べる22項目
| 並べる項目 | いつ動くか(先か後か) | 確かめること | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 事務所の賃料・共益費 | 開設の前から動きます | 契約の開始日と、支払いの起算日 | 開始日:( )/支払日:( ) |
| 敷金・保証金 | 開設の前に動きます | 戻る部分と戻らない部分の区別 | 確認先:( ) |
| 内装・什器 | 開設の前に動きます | 支払いの時期(一括か分割か) | 時期:( ) |
| 車両(購入・リース) | 開設の前から動きます | 台数と、支払いの周期 | 台数:( )/周期:( ) |
| 駐車場 | 開設の前から動きます | 台数分が確保できているか | 台数:( ) |
| 職員の給与 | 訪問が始まる前から動きます | 採用の時期と、支払日の関係。設計は社会保険労務士にご相談ください | 採用時期:( )/支払日:( ) |
| 法定福利費 | 給与に続いて動きます | 納付の時期。詳細は社会保険労務士・年金事務所にご確認ください | 納付日:( ) |
| 通信・システムの利用料 | 開設の前から動きます | 初期費用と、月々の費用の区別 | 初期:( )/月々:( ) |
| 衛生材料・消耗品 | 訪問の開始とともに動きます | 発注の周期と、支払いの周期 | 周期:( ) |
| 損害保険・賠償責任保険 | 開設の前に動きます | 補償の範囲と、更新の時期 | 更新月:( ) |
| 各種の届出に伴う費用 | 開設の前に動きます | 提出先と時期は保険者(指定権者)にご確認ください | 提出先:( )/時期:( ) |
| 初回の請求の提出 | 訪問の後に動きます | 提出の期限と、提出の方法 | 期限:( )/方法:( ) |
| 請求から入金までの期間 | 提出の後に動きます | 期間は保険者・審査支払機関にご確認ください | 期間:( )/確認した日:( ) |
| 返戻があった場合の再提出 | 入金がさらに後ろに動きます | 再提出の期限と、次の入金の時期の確認先 | 確認先:( ) |
| 利用者負担分の入金 | 請求の後に動きます | 請求の方法と、入金の確認の担当 | 方法:( )/担当:( ) |
| 新規の依頼が入り始める時期 | 周知の後に動きます | 依頼元ごとの状況を記録に残しているか | 依頼元の一覧:( ) |
| 訪問件数が積み上がる時期 | 依頼の後に動きます | 件数の見込みを月ごとに置いているか | 見込みの置き方:( ) |
| 職員を増やす時期 | 件数に先行して動きます | 増やす判断をどの数字で行うか | 判断に使う数字:( ) |
| 待機(オンコール)を始める時期 | 人員がそろってから動かせます | 担当できる人数と、体制の確認先 | 人数:( )/確認先:( ) |
| 体制に関する届出の内容 | 体制が整ってから動きます | 告示の定めと、貴事業所の状況を並べて、保険者(指定権者)にご確認ください | 告示の定め:( )/貴事業所の状況:( ) |
| 決算・申告の時期 | 年に一度動きます | 時期と必要な資料は税理士にご確認ください | 時期:( )/相談先:( ) |
| 資金の相談をする時期 | 不足が見えるより前に動かします | 相談先と、必要な資料は金融機関・公的な制度の窓口にご確認ください | 相談先:( )/相談した日:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
立ち上げの時期に決めておく30項目
| 決めること | 決めておかないと何が起きるか | 記入欄 |
|---|---|---|
| 訪問に入るエリアの範囲 | 依頼のたびに判断が変わり、移動の時間が読めなくなります | 範囲:( )/端の目印:( ) |
| エリアの外から依頼が来たときの扱い | 断る/受けるの判断が担当ごとに変わります | 判断する人:( )/判断の材料:( ) |
| 1日の訪問の並べ方を誰が組むか | 順路が人によって変わり、移動の時間が比べられません | 担当:( )/組む時期:( ) |
| 予定表をどこに置くか | 予定と実績を突き合わせられません | 置き場所:( ) |
| 予定を変えたときの残し方 | キャンセルと変更が区別できなくなります | 残し方:( ) |
| キャンセルの理由の区分 | 集計しても対応の手がかりが出ません | 区分:( ) |
| 受けられなかった依頼の残し方 | 入口で落ちている量が見えなくなります | 残す場所:( )/残す項目:( ) |
| 依頼元の記録の仕方 | どこから来ているかが分からなくなります | 記録する場所:( ) |
| 初回訪問までの流れと担当 | 依頼が止まったまま日が過ぎます | 担当:( )/目安とする流れ:( ) |
| 終了の理由の区分 | 減った理由が「なんとなく」で終わります | 区分:( ) |
| 中断と終了の分け方 | 利用者数と件数が合わなくなります | 分け方:( ) |
| 主担当・副担当の決め方 | 1人しか入れない利用者が増えます | 決め方:( ) |
| 担当を替えるときの手順 | 替えた影響が追えません | 手順:( ) |
| 同行訪問をどこまで行うか | 立ち上がりの見込みが立ちません | 回数の決め方:( ) |
| 待機に入れる条件 | 特定の人に回り続けます | 条件:( ) |
| 待機の記録の残し方 | 出動の回数が数えられません | 残し方:( ) |
| 訪問の開始・終了時刻の残し方 | 訪問時間も移動時間も出せません | 残し方:( ) |
| 移動の距離の残し方 | 車両に関わる費用の見当がつきません | 残し方:( ) |
| 記録を書く場所と時期 | 締めに間に合うかどうかが読めません | 場所:( )/時期:( ) |
| 記録の締め日 | 請求前の確認がその都度になります | 締め日:( ) |
| 請求の確認を誰が行うか | 確認が抜けたり重なったりします | 担当:( )/確認の順番:( ) |
| 返戻が来たときの流れ | 手元で止まったまま日が過ぎます | 受け取る人:( )/処理する人:( ) |
| 利用者負担分の請求の方法 | 入金の確認が後回しになります | 方法:( )/確認の頻度:( ) |
| 月次の数字を出す日 | 見る機会がないまま翌月になります | 日:( )/出す人:( ) |
| 月次の数字を見る場 | 出しても誰も見ない資料になります | 場:( )/参加者:( ) |
| 数え方を変えたときの残し方 | 前月と比べられなくなります | 残す場所:( ) |
| 体制に関する届出内容の保管場所 | 登録内容と実際の体制の照合ができません | 保管場所:( )/確認の頻度:( ) |
| 税務の相談先 | 年度末に慌てます | 相談先:( )/税理士にご確認ください |
| 資金に関する相談先 | 相談が必要になってからでは時間が足りません | 相談先:( )/金融機関等にご確認ください |
| 雇用・賃金に関する相談先 | 制度の理解が曖昧なまま運用が始まります | 相談先:( )/社会保険労務士にご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
誰に相談するかを分けておく12項目
| 相談したい内容 | 相談する先 | 相談の前に手元にそろえておくもの | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 税に関すること全般 | 税理士 | 収支の記録、契約の書類 | 相談先:( )/相談した日:( ) |
| 決算・申告の準備 | 税理士 | 年間の収支の記録 | 時期:( ) |
| 資金の調達 | 金融機関、公的な制度の窓口 | 収支の見込みと、その根拠にした数え方 | 相談先:( ) |
| 返済の見直し | 取引のある金融機関 | 現在の返済の状況 | 相談先:( ) |
| 雇用契約・就業規則 | 社会保険労務士 | 現在の勤務の形と、実際の運用 | 相談先:( ) |
| 賃金の設計 | 社会保険労務士 | 職種と勤務の形の一覧 | 相談先:( ) |
| 社会保険の手続き | 社会保険労務士、年金事務所 | 職員の一覧と勤務の形 | 相談先:( ) |
| 介護保険法に基づく届出 | 保険者(指定権者)、社会保険労務士 | 体制の記録、これまでの届出の控え | 提出先:( )/確認した日:( ) |
| 報酬の算定に関する解釈 | 保険者(指定権者)、審査支払機関 | 告示の定めと、貴事業所の状況を並べた対照 | 確認先:( )/回答:( ) |
| 請求の実務 | 審査支払機関、使用しているシステムの窓口 | 返戻の通知、請求の控え | 確認先:( ) |
| 契約や損害賠償に関すること | 弁護士 | 契約の書類、経緯の記録 | 相談先:( ) |
| 個人情報の取り扱い | 保険者(指定権者)、専門の窓口 | 現在の取り扱いの手順 | 確認先:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
収支を数えるために、日々の記録に残しておく24の決めごと
月末に数えようとして数えられないものは、たいてい日々の記録に「数えるための欄」が無いものです。逆に言えば、日々の記録の残し方を少し決めておくだけで、月次の集計はほとんど転記だけで済みます。以下は、収支を見るために日々の側で決めておくと効く項目です。
| 日々の記録で決めること | これが無いと月末に何が数えられないか | 残す場所 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 訪問の開始時刻 | 訪問時間も移動時間も出せません | 訪問の記録 | 残し方:( ) |
| 訪問の終了時刻 | 同上 | 訪問の記録 | 残し方:( ) |
| 実施した職員 | 職員別の件数と偏りが見えません | 訪問の記録 | 同行時の扱い:( ) |
| 同行の有無と目的 | 立ち上がりの状況が分かりません | 訪問の記録 | 目的の区分:( ) |
| 予定外かどうか | 臨時の増減が見えません | 訪問の記録 | 区分の付け方:( ) |
| キャンセルの申し出元 | 誰の都合で消えているか分かりません | 予定表の履歴 | 区分:( ) |
| キャンセルの申し出の時刻 | 前日までと当日を分けられません | 予定表の履歴 | 残し方:( ) |
| キャンセルの理由 | 繰り返しているのかどうか分かりません | 予定表の履歴 | 区分:( ) |
| 埋め戻した訪問かどうか | 再調整が効いているか分かりません | 予定表の履歴 | 印の付け方:( ) |
| その日の走行距離 | 車両に関する費用の見当がつきません | 日報または車両の記録 | 残す単位:( ) |
| 移動で待った時間 | 訪問できる時間の目減りが見えません | 日報 | 残す条件:( ) |
| 記録に充てた時間 | 訪問以外の時間の内訳が出せません | 作業の記録 | 数え方:( ) |
| 事務に充てた時間 | 同上 | 作業の記録 | 兼務の分け方:( ) |
| 受けた依頼の日付 | 初回訪問までの日数が出せません | 受付の記録 | 起算日:( ) |
| 依頼元 | どこから来ているか分かりません | 受付の記録 | 区分:( ) |
| 断った依頼と理由 | 入口で落ちている量が分かりません | 受付の記録 | 残す項目:( ) |
| 契約日と初回訪問日 | 新規の数え方が人によって変わります | 利用者の記録 | どちらで数えるか:( ) |
| 終了日と理由 | 減った理由の内訳が出せません | 利用者の記録 | 区分:( ) |
| 中断の開始日 | 止まっている利用者を数えられません | 利用者の記録 | 中断とみなす条件:( ) |
| 保険の別 | 構成の変化が追えません | 利用者の記録 | 途中で変わった場合:( ) |
| 公費の有無と区分 | 確認が必要な件数が分かりません | 利用者の記録 | 区分:( ) |
| 待機の担当日 | 待機の偏りが見えません | 待機の割り当て表 | 残し方:( ) |
| 待機中の連絡と出動 | 夜間の負担の量が分かりません | 待機の記録 | 連絡のみの残し方:( ) |
| 記録を確定した日時 | 締めに間に合ったかどうか分かりません | 記録の状態 | 確定の定義:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
数字を職員に伝えるときの言い方|そのまま言える文22例と、記録の言い換え34組
数字は、伝え方を決めずに共有すると「もっと回れ」という意味にだけ受け取られます。訪問看護では、件数を増やすことが目的になった瞬間に、訪問の中身と職員の安全の話ができなくなります。ここでは、何を共有し、何を共有しないかの線引きと、そのまま口に出せる言い方を置きます。
共有するものと、共有を控えるものの線引き14項目
| 内容 | 共有の仕方 | 理由 |
|---|---|---|
| 事業所全体の訪問件数の推移 | 共有する(全体の数として) | 自分の仕事が全体のどこに位置するかが分かります |
| 新規と終了の内訳 | 共有する | 件数が動いた理由を、個人の努力の話にしないためです |
| 受けられなかった依頼の理由 | 共有する | 体制の課題として全員で見られます |
| キャンセルの件数と理由の区分 | 共有する(個人名を出さずに) | 予定の組み方の話にできます |
| 移動時間と順路の状況 | 共有する | 改善の余地が現場の側にあります |
| 待機の担当日数の偏り | 共有する | 偏りは本人からは言い出しにくいためです |
| 返戻の理由の傾向 | 共有する(個人を特定せずに) | 入力の手順の話にできます |
| 職員個人の訪問件数の順位 | 共有を控える | 比較になり、訪問の中身の話ができなくなります |
| 職員個人の給与に関わる情報 | 共有しない | 個人の処遇に関わるためです |
| 個人ごとの返戻の件数 | 共有を控える(本人には個別に) | 全体の場で出すと萎縮につながります |
| 特定の利用者の契約に関する事情 | 共有を控える(必要な範囲に限る) | 個人情報の取り扱いに関わります |
| 目標としての件数 | 共有の仕方を選ぶ | 件数だけを掲げると、断りにくさにつながります |
| 資金や借入の状況 | 共有の範囲を決めておく | 不安だけが伝わることがあります |
| 数え方を変えたこと | 共有する | 共有しないと、変化として誤って伝わります |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
そのまま言える文22例(伝わりにくい言い方と並べて)
| ✗ 伝わりにくい言い方(引用) | ○ そのまま言える文 |
|---|---|
| 「今月は件数が足りません。もっと回ってください」 | 「今月は全体の件数が前月より少なくなりました。内訳を見ると終了が重なった月なので、まず新規の受け入れの流れを見直したいと思っています。皆さんの回り方の問題ではありません」 |
| 「稼働が低いです」 | 「1日の中で訪問と訪問のあいだが空いている時間帯が出ています。順路の組み方でまとめられそうなところがあれば教えてください」 |
| 「キャンセルを減らしてください」 | 「キャンセルの理由を区分して数え始めました。当日の連絡が多い時間帯が分かったので、連絡の受け方と振り替えの手順をこちらで決めます」 |
| 「新規を断らないでください」 | 「断った依頼の理由を残してもらえると助かります。人員なのか、地域なのか、対応できる処置なのかが分かれば、こちらで手を打てます」 |
| 「移動が長すぎます」 | 「移動の時間が伸びている区間が出ています。順路を組み直すので、行きにくい時間帯や道の事情があれば先に教えてください」 |
| 「記録が遅いです」 | 「締め日の時点で確定していない記録が残っています。どの様式で手が止まりやすいかを教えてもらえれば、そこから見直します」 |
| 「返戻が多いです」 | 「返戻の理由を分けて数えたところ、同じ種類が続いていました。入力の時点で気づける形にできないか、こちらで手順を変えます」 |
| 「加算が取れていません」 | 「体制に関する登録の内容と、いまの実際の体制を並べて確認しています。判断は保険者(指定権者)に確認しますので、体制で変わったところがあれば教えてください」 |
| 「利益が出ていません」 | 「今月は出ていく側が先に動く時期です。数字の内訳はこちらで見ていますので、現場では訪問の中身を優先してください」 |
| 「1日◯件は入ってほしい」 | 「1日の予定の組み方について、無理のない並べ方を一緒に決めたいと思っています。実際にかかっている時間を教えてください」 |
| 「オンコールは順番なので我慢してください」 | 「待機の担当日数を数えたところ、偏りが出ていました。入れる人数と条件を見直します。それまでの間の負担については個別に話をさせてください」 |
| 「人が足りないので頑張ってください」 | 「いま持っている件数と、抜けている日数を並べて見ています。どこから手当てするか決めたら共有します」 |
| 「数字が悪いので会議で説明してください」 | 「数字が動いた月は、まずこちらでどちら側が動いたかを確認します。現場に確認したいことがあれば、その後で個別にお願いします」 |
| 「この利用者は続けてください」 | 「終了の理由を区分して残しています。継続が難しい事情があれば、判断の材料になるので早めに教えてください」 |
| 「訪問時間を短くしてください」 | 「予定していた時間と実際の時間に差が出ている利用者がいます。状態が変わったのであれば、予定の側を直します」 |
| 「担当を変えます」 | 「担当の持ち数に偏りが出ていたので、組み替えを考えています。引き継ぎに必要な期間と、外せない訪問があれば先に教えてください」 |
| 「経費を抑えてください」 | 「車両と消耗品の使い方について、数え方を決めて記録を取り始めます。まず1か月、実際の状況を見せてください」 |
| 「先月より下がっています」 | 「先月と比べる前に、数え方を変えたところがないか確認しました。変えた項目は共有しますので、変化として読まないでください」 |
| 「新しい人が入るまで我慢してください」 | 「入職までの間、どの訪問を誰が持つかを決めて表にします。持てないものがあれば、そのまま言ってください」 |
| 「これは経営の話なので現場は気にしなくていいです」 | 「数字の判断はこちらで持ちます。ただ、数字の元になる記録は現場の入力なので、残し方だけ揃えさせてください」 |
| 「利用者を増やす方針です」 | 「受け入れられる範囲を、人員と地域と対応できる処置の3つで整理しました。この範囲で受けていきます」 |
| 「今日は何件行けますか」 | 「今日の予定で、時間が読みにくい訪問はありますか。読みにくいものが分かれば、後ろの予定を空けておきます」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
収支の記録・会議の議事録の言い換え(前半17組)
| ✗ 避けたい書き方(引用) | ○ 書き換えた文 |
|---|---|
| 「加算が取れます」 | 告示の定めと、貴事業所の登録内容を並べて記載し、判断は保険者(指定権者)にご確認ください、と残す |
| 「この加算は算定できます」 | 告示の定め:(記載)/貴事業所の状況:(記載)/確認先:保険者(指定権者) |
| 「要件に該当します」 | 告示の定めに掲げられた事項と、貴事業所の体制の記録を並べて残す |
| 「届出が必要です」 | 届出の要否と時期は保険者(指定権者)にご確認ください、と残す |
| 「未算定が◯件ありました」 | 体制の登録内容と実際の状況に差が見られた項目:(記載)/確認予定日:(記載) |
| 「取りこぼしを回収する」 | 登録内容と実際の体制を照合し、差があった項目を保険者(指定権者)に確認する |
| 「加算を取れば増収になる」 | 体制に変更があった場合、請求の前提が変わるため、その都度確認する |
| 「人件費率は◯◯が適正」 | 人件費と売上の推移を、同じ数え方で並べて記録する(判断の材料は事業所ごとに置く) |
| 「稼働率が低い」 | 訪問と訪問のあいだの空き時間が生じている時間帯:(記載) |
| 「1人あたり◯件が目標」 | 1人あたりの件数を、勤務の量で割り戻して記録し、前月との差の理由を残す |
| 「入金は◯か月後」 | 請求から入金までの期間:(記入欄)/保険者・審査支払機関に確認した日:(記入欄) |
| 「返戻は担当のミス」 | 返戻の理由の区分:(記載)/入力の手順で見直す箇所:(記載) |
| 「◯月から黒字化する」 | 収支の見込みと、その根拠にした数え方を残す(見込みは断定しない) |
| 「増収になる見込み」 | 件数と構成が変わった場合に何が動くかを、要素として記載する |
| 「訪問を増やせば解決する」 | 件数が動いた側(利用者数か回数か)を特定し、その内訳を残す |
| 「職員の頑張りが足りない」 | 不在日数・入職からの経過・担当の偏りなど、数えられる条件を並べて残す |
| 「今後は残業しないこと」 | 時間がかかっている工程:(記載)/見直す担当と期日:(記載) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
収支の記録・会議の議事録の言い換え(後半17組)
| ✗ 避けたい書き方(引用) | ○ 書き換えた文 |
|---|---|
| 「キャンセルは仕方ない」 | キャンセルの申し出元と時刻の区分:(記載)/埋め戻せた件数:(記載) |
| 「新規が来ない」 | 依頼件数:(記載)/断った件数と理由:(記載)/依頼元ごとの内訳:(記載) |
| 「終了が多かった」 | 終了の理由の区分ごとの件数:(記載)/中断との区別:(記載) |
| 「エリアを広げて件数を増やす」 | 地区ごとの利用者数と移動時間を記録し、順路が組めるかを確認する |
| 「オンコールは全員で回す」 | 待機に入れる条件:(記載)/職員ごとの担当日数:(記載) |
| 「夜間の対応は当然の業務」 | 待機中の連絡と出動を分けて記録し、翌日の予定との関係を残す |
| 「記録は後で書けばよい」 | 記録を確定した日時を残し、締め日時点の未完了件数を数える |
| 「請求は担当に任せている」 | 確認の担当と順番:(記載)/確認に充てた時間:(記載) |
| 「保険の切り替えは現場判断」 | 保険の別が変わった日と、変更を確認した人を記録する |
| 「公費は複雑なので都度対応」 | 公費の区分と、有効期間の確認の時期・担当を決めて記録する |
| 「システムを入れれば解決する」 | いま時間がかかっている工程を数えたうえで、何が変わるかを記載する |
| 「今月から数え方を変えた(記載なし)」 | 変えた項目:(記載)/変えた日:(記載)/変えた理由:(記載) |
| 「前年と比べて改善した」 | 比べた期間と数え方が同じであることを明記したうえで、差を記載する |
| 「管理者が訪問に入って埋めた」 | 管理者の訪問件数と、管理業務に充てられた時間を分けて記録する |
| 「利用者の希望なので担当は固定」 | 単独で入れる職員が1名のみの利用者数:(記載)/副担当の設定:(記載) |
| 「経費は節約する方針」 | 費目ごとの記録の取り方を決め、1か月分の実際の状況を並べる |
| 「資金は何とかなる」 | 出ていく時期と入ってくる時期を並べた表を作り、相談先と相談時期を記載する(金融機関・税理士等にご確認ください) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
言い換えの表を作る目的は、社内の言葉づかいをきれいにすることではありません。会議の議事録と、社内の収支の記録に「判断した言葉」が残ると、後から見返したときに、確認した事実と、そのとき考えたことの区別がつかなくなるためです。事実は事実として、確認先は確認先として分けて残しておけば、担当が替わっても同じ形で引き継げます。
最後に、この記事全体を通しての立て方をもう一度置いておきます。訪問看護の収支は、要素そのものは多くありません。訪問がどれだけ入ったか、1件にどれだけ時間がかかったか、その間をどれだけ移動したか、誰が入ったか、そして請求が滞りなく通ったか——動くところは、おおむねこの範囲に収まります。難しいのは要素の多さではなく、要素ごとの数え方が決まっていないことと、動いたときに見る順番が決まっていないことです。
だからこの記事では、目安の数値を1つも置いていません。他所の数字を借りると、自分の事業所の前提(地域の広さ、保険の構成、対応している状態像、職員の経験の幅)が消えてしまい、比べたつもりで比べられていない状態になるためです。置くべきは、自分の事業所の数字を、来月も再来月も同じ数え方で出せる枠組みです。枠組みさえ固定できていれば、数値は自分の事業所から出てきます。
そして、判断に関わることは分けて扱ってください。税に関することは税理士に、資金の調達に関することは金融機関や公的な制度の窓口に、雇用や賃金に関することは社会保険労務士に、報酬の算定や届出に関することは保険者(指定権者)にご確認ください。この記事が担うのは、相談に行く前に「自分の事業所で何がどう動いているか」を、記入欄の埋まった1枚として持っていける状態にすることまでです。
よくある質問
Q. 訪問看護ステーションの黒字ラインは?
損益分岐は利用者数・訪問件数と人件費で決まります。人件費率が売上の約8割を占めるため、看護師1人あたりの訪問件数(生産性)と、加算取得による単価アップが黒字化の鍵です。
Q. 経営でまず見るべき数字は?
訪問件数、稼働率(1人あたり訪問数)、人件費率、加算の取得状況、記録などの残業時間です。特に人件費率と生産性は経営に直結します。
Q. 小規模でも黒字化できますか?
できます。少人数でも、加算をもれなく取り、記録・移動の非効率を削って一人あたりの訪問数を上げれば収支は改善します。
関連サービス
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
月に一度は見る数字
件数だけを見ると、増やす方向にしか行きません。負担側の数字を並べて見ます。
| 指標 | 計算 | 目安の見方 |
|---|---|---|
| 訪問件数 | 月の訪問回数 | 前月比、前年同月比 |
| 看護師1人あたりの訪問件数 | 訪問件数 ÷ 常勤換算数 | 増減の理由を説明できるか |
| 利用者数 | 月末時点の実利用者 | 新規と終了の内訳 |
| 新規の依頼件数 | 紹介元ごと | どこから来ているか |
| 受けられなかった件数 | 理由ごと | 体制の課題が見える |
| 終了の件数 | 理由ごと(入院・入所・死亡・転居) | — |
| 医療保険と介護保険の割合 | 件数の比 | 報酬の構成が変わる |
| 加算の算定率 | 算定件数 ÷ 対象件数 | 取り漏れではなく、要件の確認 |
| 人件費率 | 人件費 ÷ 売上 | — |
| 残業時間 | 1人あたり | 増えている月の理由 |
| オンコールの出動 | 回数と、担当ごとの偏り | 偏りは離職につながる |
| 移動時間 | 1訪問あたり | 順路の見直しの材料 |
数字が動いたときに見るところ
| 動き | 見るところ |
|---|---|
| 訪問件数が減った | 新規の依頼が減ったのか、終了が増えたのか |
| 新規が減った | 紹介元ごとの件数。訪問の間隔が空いていないか |
| 終了が増えた | 理由の内訳。入院が多いなら状態像の変化 |
| 人件費率が上がった | 採用したばかりか、稼働が下がったか |
| 残業が増えた | 記録か、オンコールか、移動か |
| 加算の算定率が下がった | 要件が変わっていないか、記録が残っているか |
| 受けられない件数が増えた | 人員か、地域か、対応できる処置か |
| 特定の担当に偏っている | 振り分けの基準を見直す |
利用者の確保は訪問看護の利用者確保、定着は訪問看護の定着をご覧ください。
数字を集める場所
| 指標 | どこから取るか |
|---|---|
| 訪問件数 | 請求データ、または訪問記録 |
| 実利用者数 | 月末時点の利用者一覧 |
| 新規・終了 | 受付簿と終了の記録 |
| 紹介元 | 受付簿(紹介元を必ず記録する) |
| 受けられなかった件数 | 断りの記録(理由も残す) |
| 加算の算定件数 | 請求データ |
| 人件費 | 給与台帳 |
| 残業時間 | 勤怠データ |
| オンコールの出動 | 出動の記録 |
| 移動時間 | 訪問の開始・終了時刻の差 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
