訪問看護の残業の多くは、訪問後の「記録・書類作業」から生まれます。この記事では、訪問看護に特化して残業を減らす方法を、記録の効率化と直行直帰の観点から整理します。打刻・労務管理の基本は介護の労務管理|残業・直行直帰もご覧ください。
あわせて、訪問看護AIとは?できることもご覧ください。
訪問看護の残業の正体=「記録・書類」
一日に複数の利用者を回り、訪問が終わってから記録・報告書・計画書に向かう。この事務作業が勤務時間内に終わらず、持ち帰りや残業になります。人件費率78%の訪問看護では、この残業がそのまま経営を圧迫します。
残業を減らす4つの方法
1. 記録の作成そのものを軽くする(最も効く)
音声入力やAIで、訪問直後に話すだけで記録書ⅡのSOAPを仕上げる。机に戻って書き起こす時間をなくします。
2. 直行直帰を実現する
クラウド記録なら、自宅から直接訪問し、訪問先で記録して直帰できる。事務所への往復と待機が消え、拘束時間が減ります。日本看護協会も好事例として紹介しています。
3. 記録を標準化する
SOAPやテンプレートで「何を書くか」を決めておくと、迷いと書き直しが減ります。
4. カイポケへの二重入力をなくす
作った記録をそのままカイポケへ自動転記できれば、同じ内容を二度打つ手間がなくなります。
記録を「話すだけ」に変える
「訪問看護AIアプリ「訪問看護マナ」」は、訪問先で話すだけで記録書Ⅱ・報告書・計画書をSOAP作成し、カイポケへ自動転記。記録にかかる時間を大きく減らし、直行直帰と残業削減を後押しします。(※利用実績に基づく目安であり、環境・使い方により異なります)利用者3名まで無期限無料・登録不要。残業削減は看護師の定着にも、経営の黒字化にも直結します。
まとめ
- 訪問看護の残業の正体は「記録・書類」。
- 一番効くのは、記録の作成を音声・AIで軽くすること+直行直帰。
- 残業削減=定着+黒字化のレバー。
残業が生まれる場所を特定する
| 発生源 | 起きていること | 手立て |
|---|---|---|
| 記録 | 訪問後に事業所で入力している | 訪問先または移動中に入力できる仕組みへ |
| 書類 | 計画書・報告書を月末にまとめて作る | 記録から下書きが作れる形にする |
| 移動 | エリアが広く、1日の移動時間が長い | 訪問順の見直し、エリアの絞り込み |
| オンコール | 夜間の出動が翌日の勤務に影響 | 出動時刻を記録し、翌日の勤務を調整 |
| 会議 | 日中の訪問後に開催 | 時間を決め、記録で共有できるものは会議にしない |
| 急な依頼 | その日のうちに対応している | 受けられる範囲を決め、優先順位のルールを持つ |
まず測る
- 1件あたりの記録にかかる時間
- 記録を書き終わる時刻
- 1日の移動時間の合計
- オンコールで実際に鳴った回数・出動した回数
- 月末の書類作成にかかる時間
体感で「忙しい」と言っているうちは手が打てません。どこに時間が消えているかが分かって初めて、削る対象が決まります。
労務管理として押さえること
- 移動時間が労働時間にあたるかの整理(事業所からの直行直帰を含む)
- オンコール待機の時間の扱いと、手当の設計
- 記録を自宅で行っている場合の扱い
- 時間外労働の上限規制
- 36協定の内容と、実態の乖離
記録を訪問先で終える
訪問看護の残業のうち、最も削りやすいのが「事業所に戻ってからの記録」です。
| 場所 | できること | 必要なもの |
|---|---|---|
| 訪問先 | その場で入力を終える | 端末、通信環境(オフライン対応があると確実) |
| 移動中 | 次の訪問前に5分で入力 | 音声入力、定型文 |
| 車内 | 駐車中に入力 | 端末を置ける環境 |
| 事業所 | 当日中にまとめて | —(ここに寄せるほど残業になります) |
書く量そのものを減らす
- 様式から、誰も読まない欄を外す
- 記録と申し送りで同じことを2回書いていないか
- よく使う文章を定型文に登録する
- 数値はドロップダウンや選択式にする
- 計画書・報告書が記録から下書きできる形にする
制度面の確認
- 移動時間が労働時間にあたるかの整理
- 直行直帰の場合の勤務時間の把握方法
- オンコール待機時間の扱い
- 時間外労働の上限規制と36協定
- 記録を自宅で行っている場合の労働時間の扱い
残業について現場から多い質問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 移動時間は労働時間か | 業務としての移動であれば労働時間にあたるのが原則です。直行直帰の扱いを整理しておきます |
| 自宅で記録を書いている | 労働時間の扱いになり得ます。勤務時間内に終える仕組みへ変えます |
| オンコールの待機時間は | 手待ち時間にあたるかで判断が分かれます。実態に応じて整理し、手当を設計します |
| タイムカードを押してから記録している | 実態と乖離した打刻は問題になります。運用を改めます |
| 件数を減らせば解決するか | 件数より、記録と移動に消えている時間を先に見ます |
管理者がまず取るべき数字
- 職員別の実労働時間(打刻と実態が合っているか)
- 記録を書き終わる時刻
- 1日の移動時間の合計
- オンコールで鳴った回数・出動した回数
- 月末の書類作成にかかる時間
件数を増やしながら残業を減らす
- 訪問順を地理でまとめる——移動時間が最も削れます
- 記録の入力場所を訪問先へ移す
- 書く欄そのものを減らす
- 会議を短くし、共有は記録で行う
- 急な依頼の受け方にルールを持つ
残業を減らした結果として見たいもの
- 職員1人あたりの月間時間外労働
- 離職率
- 訪問件数(減っていないか)
- 記録の質(短くなりすぎていないか)
- 利用者・家族からの苦情の件数
よくある質問
Q. 訪問看護の残業は何で発生していますか?
多くは訪問後の記録・報告書・計画書などの書類作業です。勤務時間内に終わらず、持ち帰りや残業になりがちです。
Q. 残業を減らす一番効く方法は?
記録の作成そのものを軽くすることです。音声入力やAIで記録書Ⅱをその場で仕上げ、クラウドで直行直帰にすれば、事務所に戻る時間と残業を大きく減らせます。
Q. 直行直帰は訪問看護でできますか?
スマホ・タブレットのクラウド記録を使えば、自宅から直接訪問し、訪問先で記録して直帰する運用が可能です。日本看護協会も働き方改革の好事例として紹介しています。
訪問看護の残業を減らす方法
訪問看護では、記録や移動、オンコール対応で残業が生じやすくなります。減らす工夫を整理しました。
- 記録の効率化――訪問先で記録を完成させ、事業所での作業を減らす
- 直行直帰――移動の無駄を減らす
- 音声・AIの活用――記録の作成時間を短縮
- 情報共有のしくみ――申し送りや連絡を効率化
よくある質問(FAQ)
訪問看護で残業が増える原因は?
残業を減らすには?
神マナでできることは?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
残業が生まれる場所と、減らし方
「早く帰ろう」では減りません。どこで発生しているかを1週間測ってから手を入れます。
| 場所 | なぜ生まれるか | 減らし方 |
|---|---|---|
| 記録の作成 | 訪問先で書けず、事務所に戻ってから | 訪問先で入力できる端末と様式 |
| 記録の清書 | 手書きのメモを打ち直す | その場で入力、または音声から下書き |
| 計画書・報告書 | 月末に集中する | 記録から素案を作る。作成日を分散させる |
| 主治医への連絡 | 日中に電話がつながらない | 連絡の方法と時間帯を取り決める |
| オンコール | 出動と、その後の記録 | 出動後の記録を勤務時間に含める |
| 移動 | 順路が組まれていない | 地域ごとに担当を分ける |
| 急な追加訪問 | 当日の依頼 | 受ける基準と、その日の余白 |
| 会議 | 時間外に開く | 時間内に置く |
| 研修 | 業務時間外に設定 | 業務時間内に置く(参加が義務なら労働時間) |
| 請求業務 | 月初に集中する | 記録から請求へ渡す |
| 物品の補充 | 個人が抱える | 担当と曜日を決める |
| 新人への指導 | 手が空いたとき | 時間を確保して行う |
測り方
| 測るもの | 方法 |
|---|---|
| 記録にかかる時間 | 1件あたりの作成時間を、数人・数日 |
| 記録を書く場所 | 訪問先か、事務所か |
| 計画書・報告書の作成時間 | 1人あたりの月合計 |
| 移動時間 | 1訪問あたりの平均 |
| オンコールの出動 | 回数、時間帯、その後の記録時間 |
| 会議・研修の時間 | 時間内か、時間外か |
| 残業時間 | 理由の区分ごとに |
| 持ち帰り | 自宅での作業の有無(記名なしで聞く) |
記録の負担はSOAPの書き方、定着は訪問看護の定着をご覧ください。
減らす手を打つ順番
| 順番 | やること | 見る数字 |
|---|---|---|
| 1 | 1週間、どこで時間が延びているかを記録する | 時間帯別の作業 |
| 2 | 最も多い場所を1つ選ぶ | その作業の合計時間 |
| 3 | その場で書けるようにする(端末・様式) | 記録の作成時間 |
| 4 | 計画書・報告書の作成日を分散する | 月末の残業 |
| 5 | 会議・研修を時間内に移す | 時間外の会議数 |
| 6 | オンコール後の記録を勤務時間に含める | 出動後の作業時間 |
| 7 | 訪問の順路を見直す | 1訪問あたりの移動時間 |
| 8 | 1で測った項目を測り直す | 合計の残業時間 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
