次回の介護報酬改定・介護保険制度改正は、2027年度(令和9年度)に予定されています。大きな見直しになるとみられ、事業者の関心が高まっています。現時点で議論されている主な論点と、今からできる備えを整理します。
次回改定はいつ?
通常の介護報酬改定は3年ごとで、2024年度の次は2027年度(令和9年度)です。これに向けて、社会保障審議会などで議論がすでに始まっています。
議論されている主な論点
以下は、各種の審議・報道で取り上げられている論点であり、いずれも検討段階で決定ではありません。今後の議論で変わる可能性があります。
- ケアマネジメント(ケアプラン作成)への利用者負担導入の議論
- 利用者負担2割の対象範囲の拡大の議論
- 軽度者向けサービスのあり方の見直し
- 人材確保・処遇改善、制度の持続可能性の確保
事業者が今からできる備え
- 厚生労働省・審議会の動向を継続的に確認する
- 加算の算定要件と、その根拠となる記録を整える
- ICT・AI活用などで生産性を高めておく
確定情報は、必ず厚生労働省の公表資料で確認してください。本記事は今後の動向に合わせて更新します。
見通しは「論点」として読む
次期改定の内容は、審議会での議論が進むまで確定しません。現時点で分かるのは「何が論点として挙がっているか」までです。断定的な情報には注意してください。
議論の場と、情報の出どころ
| 場 | 扱うこと |
|---|---|
| 社会保障審議会 介護給付費分科会 | 報酬・基準に関する議論 |
| 社会保障審議会 介護保険部会 | 制度全体(保険料、給付の範囲、自己負担など) |
| 財政制度等審議会 | 財政の観点からの提言 |
| 各種団体 | 事業者団体・職能団体からの要望とヒアリング |
議事録と資料は公表されます。要約された記事より、資料そのものを見るほうが正確です。
事業者として今からできること
- 減算の対象になる体制整備を先に終える——BCP、虐待防止、身体拘束。これは確実です
- 記録を要件が示せる形にする——どの改定でも「記録があること」は問われます
- データ提出に対応できるようにする——LIFEへの提出は要件として広がる方向にあります
- 人員要件に関わる加算は、逆算して準備する——資格や勤続年数は直前では整いません
- 複数の収入源を持つ——単一サービスだと改定の影響を直接受けます
情報との付き合い方
- 「決まった」という表現に注意する——議論と決定は違います
- 出どころを確認する——審議会資料か、解説記事か
- 改定率と個別の単位数は別——全体がプラスでも、個別のサービスは下がることがあります
- Q&Aが出るまで実務は固まらない
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| いつ内容が分かるか | 改定の前年の冬に改定率、年明けに審議報告、2〜3月に告示という流れが一般的です |
| 報道の内容は正確か | 審議の途中経過を伝えていることがあります。決定と混同しないよう注意します |
| 今から何をすべきか | 減算対象になる体制整備と、記録が要件を示せる形になっているかの確認です |
| 基本報酬は上がるか下がるか | 現時点で断定できません。全体の改定率と個別のサービスは別です |
| 準備しすぎても無駄にならないか | 記録と体制整備は、どの改定でも問われます。無駄になりません |
改定に振り回されない事業のつくり方
- 減算の対象になる体制を先に潰す——どの改定でも問われます
- 記録を、要件を示せる形にする——加算の要件は記録で証明します
- 人員要件に関わる加算は、逆算して準備する——資格・勤続年数は直前では整いません
- データ提出に対応する——LIFEへの提出は要件として広がる方向にあります
- 複数のサービスを持つ——単一サービスだと改定の影響を直接受けます
- 加算に頼りすぎない体質にする——基本報酬で回る構造をつくる
改定の議論で継続的に扱われているテーマ
- 生産性の向上——ICT・介護ロボットの活用、業務の効率化
- 科学的介護——LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用
- 処遇改善——賃金水準と、他産業との差
- 医療と介護の連携——在宅での看取り、退院支援
- 認知症への対応
- 地域差への対応——人口減少地域でのサービス維持
- 持続可能性——給付と負担のバランス
これらは複数回の改定にわたって扱われており、方向としては継続する可能性が高いテーマです。ただし、個別の要件や単位数がどうなるかは、議論を経なければ分かりません。
情報の見分け方
| 表現 | どう読むか |
|---|---|
| 「〜が検討されている」 | 審議会の議論の段階。決定ではありません |
| 「〜する方向で調整」 | 報道による観測。変わることがあります |
| 「改定率は〜」 | 予算編成で決まる全体の率。個別の単位数とは別です |
| 「審議報告」 | 審議会としてまとまった内容。ほぼ方向は固まっています |
| 「告示された」 | 確定です。ここから実務の準備を始めます |
| 「Q&Aが出た」 | 解釈が示されました。実務の細部はここで確定します |
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2027年度 介護報酬改定・制度改正の見通し
2027年度は次の本格改定が見込まれます。論点と事業者の備えを整理しました(現時点の見通しです)。
- 論点――基本報酬・加算、人材確保、生産性向上など
- DX・生産性――ICT・記録の効率化の動向
- 備え――記録・体制の整備、情報収集
算定要件・単位数・様式は介護報酬改定や自治体により異なります。実際の運用にあたっては最新の告示・通知・条例等でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
2027年度改定の見通しは?
今から備えられることは?
確定情報はいつ?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
ケアプランの有料化は決まったのですか?
2割負担の対象拡大は?
事業者は今、何をすればいい?
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
改定の周期と、次に何が来るか
介護報酬は3年ごと、診療報酬は2年ごとに改定されます。6年に一度、同時改定の年が来ます。
| 年度 | 出来事 | 事業所での動き |
|---|---|---|
| 改定の3年前 | 制度の検証が始まる | — |
| 改定の2年前 | 調査の実施 | 調査に協力を求められることがある |
| 改定の前年 | 審議会での議論 | 資料が公開される |
| 改定の前年12月ごろ | 改定率が決まる | おおよその方向が分かる |
| 改定の前年1〜2月 | 審議報告・答申 | 要件の骨格が見える |
| 改定の年の3月 | 告示・通知 | 単位数と要件が確定する |
| 改定の年の4月 | 施行 | 書類の切り替え |
| 改定の年(近年) | 6月施行の年がある | 切り替えの時期に注意 |
| 施行後 | 疑義解釈(Q&A)が順次出る | 解釈が変わることがある |
| 施行後1年 | 実施状況の把握 | — |
| 次の改定へ | 検証の開始 | — |
備えとして、いまからできること
| やること | なぜ |
|---|---|
| 告示・通知を見る場所を決めておく | 施行までの時間が短い |
| 運営規程・重要事項説明書を電子で持つ | 差し替えが速くなる |
| 料金表を単位数から自動で作る | 転記の間違いが減る |
| 体制届の控えを一覧にする | どの加算を届け出ているか分かる |
| 研修・委員会の年間計画を作る | 減算の要件を外さない |
| 自己点検を年1回入れる | 要件の変更に気づける |
| 介護ソフトの更新時期を確認する | 施行日に間に合うか |
| 職員への周知の手順を決める | 毎回ゼロから考えなくてよい |
用語の整理
| 語 | 意味 |
|---|---|
| 介護報酬改定 | サービスの単位数と算定要件の見直し。3年ごと |
| 制度改正 | 介護保険法そのものの改正。3年ごとの計画期間に合わせる |
| 改定率 | 報酬全体の増減の割合 |
| 告示 | 単位数と算定要件を定めるもの |
| 通知(留意事項通知) | 算定にあたっての解釈を示すもの |
| 疑義解釈(Q&A) | 施行後に出る具体的な取り扱い |
| 経過措置 | 一定期間、従前の取り扱いを認めるもの |
| 同時改定 | 介護報酬と診療報酬が同じ年に改定されること |
改定の仕組みは介護報酬改定とはをご覧ください。将来の改定の内容は確定していません。本ページは仕組みと備え方を整理したものです。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
