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施設ケアプラン(施設サービス計画書)の書き方・文例70例|居宅との違い・長期目標短期目標

施設ケアプラン(施設サービス計画書)は、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)・介護老人保健施設・介護医療院で、施設の計画担当介護支援専門員が作成する計画書です。様式は居宅サービス計画書とよく似ていますが、第3表が「週間サービス計画表」と「日課計画表」の選択制であること、援助内容に「担当者」欄があることなど、施設ならではの違いがあります。本記事では、居宅との違いを対照表で整理したうえで、第1表・第2表の文例を場面別にまとめます。

この記事の文例

第1表(意向・援助方針)18例/第2表(ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容)10場面52例/合計70例。居宅の文例はケアプラン第2表の書き方・文例へ。

施設サービス計画とは|誰が・どこで作るか

施設サービス計画は、介護保険施設に入所している方について、施設に配置された計画担当介護支援専門員が作成します。対象となるのは次の3施設です。

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院

様式と記載要領は、厚生労働省の通知「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日 老企第29号)に、居宅サービス計画書と並んで「施設サービス計画書の標準様式及び記載要領」として示されています。提示されている様式は標準例であり、これ以外の様式の使用を妨げるものではないとされています。

なお、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)や有料老人ホーム等の特定施設は介護保険施設ではないため、作成するのは「施設サービス計画」ではなく、それぞれ認知症対応型共同生活介護計画・特定施設サービス計画です(後述)。

居宅サービス計画との違い|対照表

居宅サービス計画 施設サービス計画
作成者 居宅介護支援事業所のケアマネジャー 施設の計画担当介護支援専門員
第1表 居宅サービス計画書(1) 施設サービス計画書(1)
第2表 居宅サービス計画書(2)。援助内容は「サービス内容・サービス種別・頻度・期間」 施設サービス計画書(2)。援助内容は「サービス内容・担当者・頻度・期間」
第3表 週間サービス計画表 週間サービス計画表か日課計画表のどちらかを選択
第4表 サービス担当者会議の要点 同じ(会議の出席者は施設内の多職種が中心)
第5表 居宅介護支援経過 施設介護支援経過
第6・7表 サービス利用票・別表 なし(施設サービスのため利用票を使わない)
サービスの担い手 複数の事業所(訪問介護・通所介護など) 施設内の多職種(介護職・看護職・管理栄養士・機能訓練指導員・生活相談員など)

実務でいちばん効いてくる違いは、担い手が「事業所」ではなく「施設内の職種・担当者」になることです。第2表のサービス内容は、誰が(どの職種が)・いつ(日課のどの場面で)行うかまで書けると、そのまま現場の申し送りやケアチェック表につながります。

第1表の文例|意向と総合的な援助の方針

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(10例)

本人の言葉はできるだけそのまま書き、家族の意向と分けて書きます(書き方の考え方は第1表の書き方と同じです)。

  • 本人:「自分のことは、できるだけ自分でやりたい。」 家族:「転ばないか心配なので、無理のない範囲で見守ってほしい。」→歩行が不安定になっているが、本人の「自分で」という気持ちを支えながら、転倒を防ぐ環境と見守りが必要である。
  • 本人:「ごはんを口からずっと食べていたい。」 家族:「むせることが増えたと聞き、不安がある。」→嚥下機能の低下がみられるため、食事形態の工夫と口腔ケアにより、口から食べ続けられる支援が必要である。
  • 本人:「トイレは人の世話になりたくない。」 家族:「夜間の失敗が増え、本人が気にしている。」→夜間の排泄リズムに合わせた誘導により、自尊心を保ちながら排泄の自立を支える必要がある。
  • 本人:「昔のように散歩がしたい。」 家族:「歩く力を落とさないでほしい。」→下肢筋力の低下があるため、機能訓練と日課の中での歩行機会の確保が必要である。
  • 本人:(発語は少ないが、音楽が流れると表情が和らぐ。) 家族:「好きだった歌をそばに置いてやってほしい。」→言葉での意思表示が難しくなっているが、好みの音楽など本人が心地よく過ごせる時間を日課に取り入れる支援が必要である。
  • 本人:「みんなと話すのは楽しい。」 家族:「部屋にこもらず、人と関わって過ごしてほしい。」→他の入所者との交流の場に参加しやすい声かけと席の配慮が必要である。
  • 本人:「痛いのは我慢したくない。」 家族:「苦痛なく穏やかに過ごさせてやりたい。」→痛みの訴えを把握し、医師・看護職と連携して苦痛の緩和を図る支援が必要である。
  • 本人:「家のことが気になる。ときどき家族に会いたい。」 家族:「面会には定期的に来たい。」→家族との面会・外出の機会を計画的に設け、本人の安心につなげる必要がある。
  • 本人:「お風呂はゆっくり入りたい。」 家族:「肌が弱いので気をつけてほしい。」→皮膚状態の観察を行いながら、本人のペースに合わせた入浴の支援が必要である。
  • 本人:「ここでの暮らしに慣れたい。」 家族:「環境が変わって混乱しないか心配。」→入所後の環境変化への不安があるため、なじみの職員による声かけと生活リズムづくりの支援が必要である。

総合的な援助の方針(8例)

  • ご本人の「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、できることはご自身で行っていただきながら、多職種で見守りと必要な介助を行い、安全で穏やかな施設での生活を支援します。
  • 口から食べる楽しみを保てるよう、食事形態の調整・食事中の見守り・口腔ケアを多職種で行い、誤嚥の予防に努めます。緊急時は、嘱託医(〇〇医院・TEL〇〇)の指示のもと対応します。
  • 転倒による骨折を防ぎながら活動の機会を減らさないことを方針とし、機能訓練指導員を中心に日課の中で身体を動かす場面をつくります。
  • 認知症の症状があっても、なじみの関係と落ち着ける環境の中で、その方らしい一日を過ごせるよう、チームで関わり方を統一して支援します。
  • 医師・看護職員と連携して健康状態の変化を早期に把握し、ご家族への連絡と情報共有を丁寧に行いながら、安心して生活を続けられるよう支援します。
  • ご家族との面会や行事への参加を大切にし、ご本人が家族とのつながりを感じながら生活できるよう支援します。
  • 痛みや苦痛の緩和を最優先とし、ご本人・ご家族の意向を確認しながら、医師・看護職員・介護職員が一体となって穏やかに過ごせる時間を支えます(看取り期)。
  • 生活リズムを整え、日中の活動と夜間の休息のめりはりをつくることで、心身の安定を図ります。

第2表の文例|場面別52例(ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容)

施設の第2表は、サービス内容に「担当者(職種)」を書きます。以下の文例は〔ニーズ/長期目標/短期目標/サービス内容〕の順です。期間は認定の有効期間の範囲内で、施設の評価サイクルに合わせて設定します(期間の考え方)。

① 食事・嚥下

  • ニーズ:むせることが増えてきたが、口から食事をとり続けたい。
  • 長期目標:誤嚥なく、口から食事をとる生活を続けることができる。
  • 短期目標:食事中のむせ込みが減り、毎食8割以上摂取できる。
  • サービス内容:嚥下状態に合わせた食事形態の提供と摂取量の確認(管理栄養士・介護職)/食事前の口腔体操と姿勢の調整(介護職)/毎食後の口腔ケア(介護職・看護職)

② 入浴・清潔

  • ニーズ:自分のペースでお風呂に入り、清潔を保ちたい。
  • 長期目標:安心して入浴し、皮膚トラブルなく過ごすことができる。
  • 短期目標:週2回の入浴時に、洗身の一部を自分で行うことができる。
  • サービス内容:見守りと部分介助による入浴支援(介護職)/入浴時の皮膚状態の観察と記録(看護職・介護職)/本人が洗える部位はタオルを手渡して促す(介護職)

③ 排泄

  • ニーズ:トイレの失敗を減らし、人の世話になりすぎずに排泄したい。
  • 長期目標:日中はトイレで排泄する習慣を続けることができる。
  • 短期目標:排泄リズムに合わせた声かけで、日中の失禁が週〇回以下になる。
  • サービス内容:排泄チェック表によるリズムの把握(介護職)/時間を見計らったトイレ誘導と見守り(介護職)/夜間はポータブルトイレを設置し転倒を防ぐ(介護職)

④ 移動・転倒予防

  • ニーズ:転ばずに、自分の足で歩いて生活したい。
  • 長期目標:歩行器を使い、居室から食堂まで安全に移動できる。
  • 短期目標:週3回の機能訓練で、下肢の筋力を維持できる。
  • サービス内容:個別機能訓練(機能訓練指導員)/食事・行事への移動時の見守り(介護職)/履物・床環境の点検と整備(介護職・生活相談員)

⑤ 認知症・こころの安定

  • ニーズ:不安な気持ちになることがあるが、落ち着いて過ごしたい。
  • 長期目標:なじみの環境の中で、穏やかに一日を過ごすことができる。
  • 短期目標:夕方の不安な訴えが、声かけと関わりで和らぐ。
  • サービス内容:訴えの背景を記録し関わり方をチームで統一(介護職・計画担当)/好きな音楽・役割のある時間を日課に組み込む(介護職)/症状の変化を医師・看護職へ報告(看護職)

⑥ 褥瘡予防・皮膚

  • ニーズ:寝ている時間が長くなってきたが、床ずれをつくりたくない。
  • 長期目標:褥瘡を発生させず皮膚の状態を保つことができる。
  • 短期目標:定期的な体位変換と皮膚観察が毎日実施される。
  • サービス内容:体位変換(介護職)/皮膚状態の観察と記録・医師への報告(看護職)/体圧分散マットレスの使用と栄養状態の評価(看護職・管理栄養士)

⑦ 口腔・栄養

  • ニーズ:体重が減ってきたので、しっかり食べて体力を保ちたい。
  • 長期目標:体重を維持し、活気のある生活を送ることができる。
  • 短期目標:栄養補助食品を含め、必要な栄養量を毎日とることができる。
  • サービス内容:栄養状態の評価と食事内容の調整(管理栄養士)/食事量・体重の定期測定と記録(介護職・看護職)/義歯の調整について歯科と連携(看護職・生活相談員)

⑧ 活動・交流・役割

  • ニーズ:部屋にこもらず、人と関わりながら過ごしたい。
  • 長期目標:他の入所者や職員との交流を楽しみに生活することができる。
  • 短期目標:週2回以上、クラブ活動や行事に参加できる。
  • サービス内容:本人の好みに合う活動への声かけと送迎(介護職)/得意な手芸を活かせる役割の提供(介護職・生活相談員)/参加の様子を記録し家族へ伝える(生活相談員)

⑨ 家族とのつながり

  • ニーズ:家族に会える時間を楽しみに過ごしたい。
  • 長期目標:家族との面会・外出を続け、安心して生活することができる。
  • 短期目標:月1回以上、家族との面会の機会を持つことができる。
  • サービス内容:面会日の調整と生活状況の報告(生活相談員)/行事への家族参加の案内(生活相談員)/面会後の本人の様子の観察と共有(介護職)

⑩ 看取り期の支援

  • ニーズ:痛みや苦しさを抑えて、穏やかに過ごしたい。
  • 長期目標:苦痛が緩和され、本人・家族が望む形で穏やかな時間を過ごすことができる。
  • 短期目標:苦痛のサインが早期に把握され、医師の指示による対応が行われる。
  • サービス内容:バイタルサイン・表情・苦痛のサインの観察と記録(看護職・介護職)/医師への報告と指示に基づく対応(看護職)/家族への状況説明と意向の確認(生活相談員・計画担当)/本人が好む環境の調整(介護職)

第3表は「週間サービス計画表」と「日課計画表」の選択制

施設サービス計画の第3表は、週単位で組み立てる「週間サービス計画表」と、1日の流れで組み立てる「日課計画表」のどちらかを選んで使います。入浴や機能訓練など週単位の予定が中心なら週間サービス計画表、食事・排泄・就寝など毎日の生活リズムを軸に支援を組み立てるなら日課計画表が向いています。書き方の基本は第3表(週間サービス計画表)の書き方を参照してください。

グループホーム・特定施設のケアプランとの違い

検索でよく混同されますが、次の2つは「施設サービス計画」ではありません。

  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護):計画作成担当者が「認知症対応型共同生活介護計画」を作成します。老企29号の標準様式の対象ではなく、様式は事業所ごとに定めます(居宅・施設の様式を参考にした様式が広く使われています)。
  • 特定施設(有料老人ホーム・軽費老人ホーム等):計画作成担当者が「特定施設サービス計画」を作成します。こちらも様式は事業所ごとです。

どちらも、本記事の第2表の文例(ニーズ・目標・サービス内容の組み立て)はそのまま参考にできます。

よくある間違い

  • 担当者欄に「施設」とだけ書く(→職種まで書くと、申し送り・実施記録につながります)
  • 長期目標と短期目標が同じ文になっている(→短期目標は長期目標への段階に分けます)
  • サービス内容が「見守り」だけで終わる(→いつ・どの場面で・誰が・何を見るかまで書きます)
  • 本人の意向欄に家族の希望だけが書かれている(→本人の言葉と家族の意向は分けます)
  • 日課計画表を選んだのに、週単位の予定(入浴・訓練など)の記載が抜ける

よくある質問

施設ケアプランの様式はどこで定められていますか?

厚生労働省の通知「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日 老企第29号)に、施設サービス計画書の標準様式と記載要領が示されています。標準例であり、他の様式の使用も妨げられていません。

第6表・第7表(利用票・別表)は必要ですか?

施設サービス計画には利用票・別表はありません。居宅サービス計画で複数事業所の利用予定と給付管理のために用いる様式のためです。

目標の期間はどのように設定しますか?

認定の有効期間の範囲内で、施設の評価(モニタリング)サイクルに合わせて設定します。詳しくは長期目標・短期目標の文例と期間の決め方を参照してください。

施設でも第4表(サービス担当者会議の要点)は書きますか?

書きます。出席者が施設内の多職種中心になる点が居宅と異なります。記載例はサービス担当者会議の要点の記入例・文例にまとめています。

文例はそのまま使ってよいですか?

文例はあくまで組み立ての参考です。実際の計画は、ご本人のアセスメントに基づき、その方の言葉・状態に合わせて作成してください。

関連記事・出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4372&dataType=1&pageNo=1)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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