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ケアプラン ニーズ(生活全般の解決すべき課題)の文例120例|本人の言葉からの立て方

公開日 2026年8月2日

ケアプラン第2表の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、生活の領域ごとに120例そろえました。あわせて、ケアマネジャーが最も手を止める「ご本人の言葉を、どうニーズの表現に置き換えるか」の変換表と、運営指導で実際に指摘されているニーズの書き方を整理しています。

ニーズは、ケアプランの中で唯一「利用者の言葉から立ち上げる」欄です。アセスメントで聞き取ったことをそのまま書くと主観的になり、整えすぎると誰にでも当てはまる文章になる——この間で迷う、という声をよく伺います。

この記事では、領域別のニーズ文例120例に加えて、ご本人・ご家族の言葉からニーズへの変換表20例を用意しました。さらに、複数の自治体が公表している運営指導の指摘から、ニーズの書き方でつまずきやすい5つの点を整理しています。

目標の立て方は長期目標・短期目標の文例120例、第2表全体はケアプラン第2表の書き方・文例をご覧ください。

ニーズは、どこから立ち上がるのか

ニーズは思いつきで書く欄ではなく、課題分析(アセスメント)の結果から導かれるものです。厚生労働省の課題分析標準項目は令和5年10月に改正され、健康状態・ADL・IADL・認知機能や判断能力・生活リズム・排泄・清潔の保持・口腔内・食事摂取・社会との関わり・家族等の状況・居住環境など、23項目で構成されています。

段階 やること 残す記録
① 情報収集 課題分析標準項目(23項目)に沿って把握する アセスメントシート
② 課題の抽出 「困っていること」と「その背景」を分ける 第1表 課題分析の結果
③ ニーズの表現 ご本人の望む生活の形として言語化する 第2表 生活全般の解決すべき課題
④ 目標の設定 ニーズが解決された状態を長期・短期に分ける 第2表 長期目標・短期目標

③だけを切り離して書こうとすると手が止まります。①②の記録が具体的であるほど、③は自然に言葉になります。

ご本人の言葉から、ニーズへ|変換表20例

いちばん実務的な部分です。左が聞き取った言葉、右がニーズ欄の表現です。ご本人の言葉は第1表や支援経過に残し、第2表には整えた表現を置く——という使い分けをすると、両方が生きます。

ご本人・ご家族の言葉(例) ニーズの表現(例)
「お風呂が怖くて、もう何日も入っていない」 転倒の不安なく、安全に入浴したい
「トイレが間に合わないことがある」 失敗を気にせず、自分でトイレに行きたい
「一人だと、何を食べたらいいか分からない」 栄養のバランスがとれた食事を続けたい
「薬が余っているみたい」 処方どおりに薬を飲み、体調を安定させたい
「最近、外に出るのがおっくうで」 人と会う機会をもち、気持ちの張りを保ちたい
「夜中に何度も起こされて、私が限界です」(家族) 家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
「掃除が行き届かなくて、恥ずかしい」 清潔な住まいで、気持ちよく生活したい
「杖を使うのは、まだ嫌だ」 自分の力で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
「病院まで一人で行けるか不安」 必要な受診を、無理なく続けたい
「同じことを何度も聞いてしまう」 混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
「畑をまたやりたいんだ」 これまで続けてきた楽しみを、無理のない形で続けたい
「息子に迷惑をかけたくない」 家族に過度な負担をかけずに、在宅での生活を続けたい
「転んでから、自信がなくなった」 転倒への不安を減らし、自分で動ける範囲を保ちたい
「入れ歯が合わなくて、硬いものが食べにくい」 口の中を整え、食べたいものを食べたい
「デイは、人が多くて疲れる」 自分のペースで過ごせる形で、外出の機会をもちたい
「主人の介護で、自分の受診に行けない」(家族) 家族が自身の用事や受診の時間を確保できるようにしたい
「最期は家がいい」 住み慣れた自宅で、望む形で過ごしたい
「お金のことが心配で、サービスを増やせない」 負担を抑えながら、必要な支援を受けたい
「階段の上り下りがつらくなった」 住まいの中を、安全に移動したい
「話し相手がいなくて、一日誰とも話さない」 人とのつながりをもち、孤立せずに暮らしたい

領域別|ニーズの文例120例

以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。ご本人の言葉・生活歴・住環境に合わせて調整してご使用ください。そのまま複数の方に使うと、後述の「計画内容が一律」という指摘につながります。

1. 移動・歩行

ニーズ(例)
転倒せずに、自宅の中を安全に移動したい
自分の足で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
トイレまで、一人で行けるようになりたい
玄関の段差を、安全に越えられるようにしたい
近所まで歩いて出かけられるようになりたい
車いすでも、自分で行きたい場所へ移動したい
夜間の移動を、安心して行えるようにしたい
外出時に、人の手を借りずに済むようにしたい
立ち上がりの動作を、楽に行えるようになりたい
転倒への不安を減らして、動ける範囲を広げたい

2. 入浴・清潔の保持

ニーズ(例)
転倒の不安なく、安全に入浴したい
週に2回は湯船につかって、さっぱりしたい
自分で身体を洗える部分は、自分で続けたい
清潔を保ち、皮膚のトラブルなく過ごしたい
入浴の順番や手順を決めて、落ち着いて入りたい
髪を自分で洗えるようになりたい
入浴を人に手伝ってもらうことへの抵抗を減らしたい
季節に合わせて、気持ちよく入浴したい
洗面や整容を、毎朝続けたい
爪や口の中まで清潔に保ちたい

3. 排泄

ニーズ(例)
失敗を気にせず、自分でトイレに行きたい
夜間も落ち着いて休みたい
おむつに頼らずに過ごせる時間を増やしたい
排泄のリズムを整えて、安心して外出したい
トイレまでの動線を、安全にしたい
下衣の上げ下ろしを、自分で行いたい
便秘の不快感を減らしたい
人に頼まずに済む方法を見つけたい
失禁による皮膚の負担を減らしたい
排泄のことで気を遣わずに、人と会いたい

4. 食事・栄養

ニーズ(例)
栄養のバランスがとれた食事を、毎日続けたい
むせ込みなく、安全に食事を摂りたい
好きなものを、自分で選んで食べたい
体重を維持して、体力を落とさないようにしたい
自分で簡単な調理を続けたい
口の中を整え、食べたいものを食べたい
一人でも、きちんと食事をとりたい
水分をしっかり摂って、体調を崩さないようにしたい
家族と一緒に食卓を囲む時間をもちたい
食事の準備の負担を減らしたい

5. 服薬・体調の管理

ニーズ(例)
処方どおりに薬を飲み、体調を安定させたい
飲み忘れを減らしたい
薬の管理を、自分でできる範囲は続けたい
体調の変化に、早く気づけるようにしたい
必要な受診を、無理なく続けたい
入院せずに、自宅での生活を続けたい
血圧や体温を、自分で確認する習慣をつけたい
急に具合が悪くなったときに、すぐ相談したい
持病を悪化させずに過ごしたい
医師に、困っていることを伝えられるようにしたい

6. 認知症のある方の生活

ニーズ(例)
混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
住み慣れた自宅での生活を続けたい
できていることを、これからも自分で続けたい
なじみの人との関わりを保ちたい
生活のリズムを整えて、夜はしっかり休みたい
外出しても、安全に帰ってこられるようにしたい
家族が対応に困らないようにしたい
役割をもって、毎日を過ごしたい
不安になったときに、そばに人がいてほしい
自分のペースを尊重してもらいたい

7. 家事(調理・掃除・洗濯・買い物)

ニーズ(例)
清潔な住まいで、気持ちよく生活したい
できる家事は、これからも自分で続けたい
必要な食材や日用品をそろえたい
洗濯物を自分でたたむ習慣を続けたい
ごみ出しを、収集日に合わせて行いたい
水回りを衛生的に保ちたい
季節の衣類を、自分で入れ替えたい
家事の負担を減らして、体力を残したい
買い物に出かける機会を、外出の楽しみにしたい
台所に立つ時間を、これからも持ちたい

8. 社会参加・外出

ニーズ(例)
人とのつながりをもち、孤立せずに暮らしたい
これまで続けてきた楽しみを、無理のない形で続けたい
閉じこもらずに、外の空気に触れたい
地域の行事に参加したい
自分のペースで過ごせる形で、外出の機会をもちたい
話し相手のいる時間をもちたい
近所の人との付き合いを続けたい
季節を感じられる場所へ出かけたい
役割や出番のある場所に、通い続けたい
行きたい場所へ、自分の意思で出かけたい

9. 家族の介護負担

ニーズ(例)
家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
家族に過度な負担をかけずに、在宅での生活を続けたい
家族が自身の用事や受診の時間を確保できるようにしたい
家族が一人で抱え込まずに相談できるようにしたい
家族が仕事と介護を両立できるようにしたい
家族が介護の方法を、安心して行えるようにしたい
家族の睡眠時間を確保したい
離れて暮らす家族とも、状況を共有したい
介護について、家族で話し合える機会をもちたい
緊急時にどうするかを、家族が把握しておきたい

10. 住環境

ニーズ(例)
住まいの中を、安全に移動したい
段差でつまずかない環境にしたい
手すりを使って、動作を安定させたい
使いやすい福祉用具で、自分でできることを増やしたい
冬でも寒さを感じずに過ごしたい
いま住んでいる家で、暮らし続けたい
物が片づいた状態で、安全に生活したい
緊急時に、外部へ連絡できる手段をもちたい
寝起きの動作を、楽に行える環境にしたい
火の始末を、安全に行えるようにしたい

11. リハビリ・機能の維持

ニーズ(例)
いまの身体機能を保ち、生活を続けたい
できる動作を増やして、自信をもちたい
関節の痛みを和らげ、動きやすくしたい
体力を落とさないようにしたい
自宅でできる運動を、習慣にしたい
立ち座りの動作を、安定して行いたい
手先の動きを保ち、身の回りのことを自分で行いたい
専門職の助言を受けながら、無理なく続けたい
退院前の生活に、少しずつ近づけたい
言葉でのやりとりを、続けられるようにしたい

12. 看取り・終末期

ニーズ(例)
住み慣れた自宅で、望む形で過ごしたい
苦痛の少ない状態で、穏やかに過ごしたい
家族と一緒に過ごす時間をもちたい
必要なときに、すぐ医療につながれるようにしたい
これからのことを、家族と話しておきたい
好きなことをして過ごす時間をもちたい
家族が後悔なく寄り添えるようにしたい
自分の意思を、関係者に伝えておきたい
最期まで、自分らしくいたい
家族が不安なときに、相談できる先をもちたい

運営指導で指摘されている、ニーズの書き方5つ

文例より大切なのがこちらです。ニーズそのものより「アセスメントとの整合」で指摘を受けている事例が、複数の自治体で公表されています。

指摘されている状態 公表元と内容 見直しの視点
アセスメントで把握したニーズと、計画のサービス内容が合っていない 岡山市資料の居宅サービス計画原案に関する不適切事例。あわせて「複数の利用者の計画内容が一律である」も挙げられています。 ニーズ→目標→サービス内容が一本の線でつながっているか、横に読んで確認する
本人が行うことや、家族の支援・インフォーマルサービスが全く位置付けられていない 同上(岡山市)。 サービスで埋めるのではなく、ご本人ができること・家族・近隣・地域の資源も書く
第1表の「課題分析の結果」が記載されていない 姫路市の令和6年度実地指導結果。記載がないことは、適切なアセスメントやモニタリングの評価が行えていない可能性があるとされています。 第2表のニーズだけ書いて、第1表が空欄になっていないか
事業所として行ったアセスメントの記録がない/具体的でない 「居宅介護支援事業所のアセスメント結果を受けるのみでは不十分」と明記され、チェック欄のみで備考が空白の例(「洗身」で一部介助にチェックのみ)と、麻痺の部位など具体的状況を書いた例が対比されています。 チェックだけで終えず、備考に具体的な状況を書く
サービス変更時・目標期間更新時にアセスメントをしていない/実施日が計画作成日より後になっている 福岡県介護保険広域連合の集団指導資料(令和6年度版)の「運営指導時における主な指摘事項」。 アセスメント → 計画原案 → 担当者会議 → 同意 の日付の前後関係を点検する

要件・運用は保険者・自治体により異なる場合があります。個別の指摘内容は監査対策ナビおよび各自治体の公表資料をご確認ください。

書くときに避けたい表現|言い換えの対照表

避けたい書き方 気をつけたい理由 言い換えの例
デイサービスを利用したい サービス名がニーズになっている。手段であって課題ではない 人と会う機会をもち、気持ちの張りを保ちたい
ADLの低下を防ぎたい 専門用語で、ご本人の言葉から離れている 自分の足で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
独居のため不安 状態の説明であって、望む生活の形になっていない 一人暮らしでも、安心して生活を続けたい
認知症の進行を遅らせたい 医学的な評価に踏み込んでいる 混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
家族が大変なので支援が必要 主語が支援者側。評価的な表現になりやすい 家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
転倒しないようにする 否定形で、何ができれば解決かが不明確 転倒の不安なく、自宅の中を安全に移動したい
複数の利用者に同じ文言 公表事例で「計画内容が一律」と指摘されている ご本人の言葉・生活歴・住環境を一語でも入れる
サービスだけで組み立てる 本人ができること・家族・インフォーマルの位置づけがないと指摘されている 「ご本人が行うこと」「家族の支援」も並べて書く

ニーズを書くときの実務注意

ニーズの表現・様式は、保険者・自治体の運用により異なる場合があります。課題分析標準項目は令和5年10月16日付けで改正されており、項目の名称や内容が変わっています。必ず告示・通知および貴保険者の公表資料をご確認ください。本記事の文例は記載のイメージであり、適否や算定を保証するものではありません。記録をAIに渡す運用を行う場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報の扱い(伏字・事業所内ルール)にご留意ください。

よくある質問(FAQ)

ニーズは「〜したい」で書かないといけませんか?

様式上そこまでの定めはありませんが、ニーズはご本人の望む生活の形を表す欄なので、「〜したい」「〜できるようになりたい」といった形が使われることが多くあります。状態として書く場合も、サービス名や専門用語ではなく、生活の言葉で表すことをおすすめします。

ご本人の言葉を、そのまま書いてもよいですか?

ご本人の言葉は第1表の意向欄や支援経過に残し、第2表には整えた表現を置く、という使い分けが実務的です。両方に残すことで、どの言葉からどのニーズが立ち上がったかが後から追えます。

ニーズはいくつ書けばよいですか?

数の定めはありません。ただしアセスメントで把握した課題と対応しているかが確認されます。公表事例では「アセスメントの結果把握されたニーズと、計画に記載されたサービスの内容が合っていない」ことが不適切事例として挙げられています。

サービス名をニーズに書いてはいけませんか?

サービスは課題を解決するための手段であって、課題そのものではありません。「デイサービスを利用したい」ではなく、なぜ利用するのか——「人と会う機会をもちたい」まで戻して書くと、目標とサービス内容が自然につながります。

本人ができることも書く必要がありますか?

公表事例では「利用者本人が行うことや家族の支援及びインフォーマルサービスが全く位置付けられていない」ことが不適切事例として挙げられています。サービスだけで組み立てず、ご本人ができること・家族・地域の資源も並べて記載してください。

複数の利用者で似た文例を使ってもよいですか?

公表事例では「複数の利用者の居宅サービス計画の内容が一律である」ことが不適切事例として挙げられています。文例は下書きの材料として使い、ご本人の言葉・生活歴・住環境を反映させてください。

出典

  • 厚生労働省「「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について」(令和5年10月16日 老認発1016第1号/厚生労働省ウェブサイト
  • 厚生労働省「課題分析標準項目の改正に関するQ&A」(令和5年10月16日事務連絡/介護保険最新情報Vol.1179
  • 各自治体が公表する運営指導(実地指導)の結果・主な指摘事項(姫路市/岡山市/福岡県介護保険広域連合 ほか)。個別の指摘内容は監査対策ナビに収録しています

出典:厚生労働省ウェブサイト/各自治体の公表資料/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。指摘事項は公表時点のものであり、取扱いは保険者・自治体により異なります。文例は記載のイメージであり、適否や算定を保証するものではありません。項目・要件の定めは原典をご確認ください。

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この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

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