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ケアプラン ニーズ(生活全般の解決すべき課題)の文例120例|本人の言葉からの立て方

ケアプラン第2表の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、生活の領域ごとに120例そろえました。あわせて、ケアマネジャーが最も手を止める「ご本人の言葉を、どうニーズの表現に置き換えるか」の変換表と、運営指導で実際に指摘されているニーズの書き方を整理しています。

要点(3行)

  • 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)は、ケアプラン第2表の欄で、課題分析(アセスメント)の結果から導き、ご本人の望む生活の形として言葉にする項目です。
  • このページでは、領域別のニーズ文例120例、本人の言葉からの変換表20例、ADL・IADL 14項目別の完成文56例、疾患・状態別48例、書き直しの実例24例を、表29本で掲載しています。
  • 書き方の要点は、課題分析標準項目(23項目)に沿った把握から書き起こすこと、ニーズ→目標→サービス内容が一本の線でつながるか横に読んで確かめること、本人・家族・インフォーマルの役割も書くことです。

ニーズは、ケアプランの中で唯一「利用者の言葉から立ち上げる」欄です。アセスメントで聞き取ったことをそのまま書くと主観的になり、整えすぎると誰にでも当てはまる文章になる——この間で迷う、という声をよく伺います。

この記事では、領域別のニーズ文例120例に加えて、ご本人・ご家族の言葉からニーズへの変換表20例を用意しました。さらに、複数の自治体が公表している運営指導の指摘から、ニーズの書き方でつまずきやすい5つの点を整理しています。

目標の立て方は長期目標・短期目標の文例120例、第2表全体はケアプラン第2表の書き方・文例をご覧ください。

ケアプラン文例を探す|表・欄・疾患別

このページは第2表「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄の文例です。ほかの様式・欄の文例は下から飛べます。

ニーズは、どこから立ち上がるのか

ニーズは思いつきで書く欄ではなく、課題分析(アセスメント)の結果から導かれるものです。厚生労働省の課題分析標準項目は令和5年10月に改正され、健康状態・ADL・IADL・認知機能や判断能力・生活リズム・排泄・清潔の保持・口腔内・食事摂取・社会との関わり・家族等の状況・居住環境など、23項目で構成されています。

段階 やること 残す記録
① 情報収集 課題分析標準項目(23項目)に沿って把握する アセスメントシート
② 課題の抽出 「困っていること」と「その背景」を分ける 第1表 課題分析の結果
③ ニーズの表現 ご本人の望む生活の形として言語化する 第2表 生活全般の解決すべき課題
④ 目標の設定 ニーズが解決された状態を長期・短期に分ける 第2表 長期目標・短期目標

③だけを切り離して書こうとすると手が止まります。①②の記録が具体的であるほど、③は自然に言葉になります。

このニーズ文例、話すだけで下書きになります。

居宅マナ(神マナ)は、アセスメントの内容から第2表の課題(ニーズ)・目標の下書きを作り、カイポケに転記できます。利用者3名まで、期限なく無料で全機能を使えます(カード登録不要)。

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ご本人の言葉から、ニーズへ|変換表20例

いちばん実務的な部分です。左が聞き取った言葉、右がニーズ欄の表現です。ご本人の言葉は第1表や支援経過に残し、第2表には整えた表現を置く——という使い分けをすると、両方が生きます。

ご本人・ご家族の言葉(例) ニーズの表現(例)
「お風呂が怖くて、もう何日も入っていない」 転倒の不安なく、安全に入浴したい
「トイレが間に合わないことがある」 失敗を気にせず、自分でトイレに行きたい
「一人だと、何を食べたらいいか分からない」 栄養のバランスがとれた食事を続けたい
「薬が余っているみたい」 処方どおりに薬を飲み、体調を安定させたい
「最近、外に出るのがおっくうで」 人と会う機会をもち、気持ちの張りを保ちたい
「夜中に何度も起こされて、私が限界です」(家族) 家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
「掃除が行き届かなくて、恥ずかしい」 清潔な住まいで、気持ちよく生活したい
「杖を使うのは、まだ嫌だ」 自分の力で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
「病院まで一人で行けるか不安」 必要な受診を、無理なく続けたい
「同じことを何度も聞いてしまう」 混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
「畑をまたやりたいんだ」 これまで続けてきた楽しみを、無理のない形で続けたい
「息子に迷惑をかけたくない」 家族に過度な負担をかけずに、在宅での生活を続けたい
「転んでから、自信がなくなった」 転倒への不安を減らし、自分で動ける範囲を保ちたい
「入れ歯が合わなくて、硬いものが食べにくい」 口の中を整え、食べたいものを食べたい
「デイは、人が多くて疲れる」 自分のペースで過ごせる形で、外出の機会をもちたい
「主人の介護で、自分の受診に行けない」(家族) 家族が自身の用事や受診の時間を確保できるようにしたい
「最期は家がいい」 住み慣れた自宅で、望む形で過ごしたい
「お金のことが心配で、サービスを増やせない」 負担を抑えながら、必要な支援を受けたい
「階段の上り下りがつらくなった」 住まいの中を、安全に移動したい
「話し相手がいなくて、一日誰とも話さない」 人とのつながりをもち、孤立せずに暮らしたい

領域別|ニーズの文例120例

以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。ご本人の言葉・生活歴・住環境に合わせて調整してご使用ください。そのまま複数の方に使うと、後述の「計画内容が一律」という指摘につながります。

1. 移動・歩行

ニーズ(例)
転倒せずに、自宅の中を安全に移動したい
自分の足で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
トイレまで、一人で行けるようになりたい
玄関の段差を、安全に越えられるようにしたい
近所まで歩いて出かけられるようになりたい
車いすでも、自分で行きたい場所へ移動したい
夜間の移動を、安心して行えるようにしたい
外出時に、人の手を借りずに済むようにしたい
立ち上がりの動作を、楽に行えるようになりたい
転倒への不安を減らして、動ける範囲を広げたい

2. 入浴・清潔の保持

ニーズ(例)
転倒の不安なく、安全に入浴したい
週に2回は湯船につかって、さっぱりしたい
自分で身体を洗える部分は、自分で続けたい
清潔を保ち、皮膚のトラブルなく過ごしたい
入浴の順番や手順を決めて、落ち着いて入りたい
髪を自分で洗えるようになりたい
入浴を人に手伝ってもらうことへの抵抗を減らしたい
季節に合わせて、気持ちよく入浴したい
洗面や整容を、毎朝続けたい
爪や口の中まで清潔に保ちたい

3. 排泄

ニーズ(例)
失敗を気にせず、自分でトイレに行きたい
夜間も落ち着いて休みたい
おむつに頼らずに過ごせる時間を増やしたい
排泄のリズムを整えて、安心して外出したい
トイレまでの動線を、安全にしたい
下衣の上げ下ろしを、自分で行いたい
便秘の不快感を減らしたい
人に頼まずに済む方法を見つけたい
失禁による皮膚の負担を減らしたい
排泄のことで気を遣わずに、人と会いたい

4. 食事・栄養

ニーズ(例)
栄養のバランスがとれた食事を、毎日続けたい
むせ込みなく、安全に食事を摂りたい
好きなものを、自分で選んで食べたい
体重を維持して、体力を落とさないようにしたい
自分で簡単な調理を続けたい
口の中を整え、食べたいものを食べたい
一人でも、きちんと食事をとりたい
水分をしっかり摂って、体調を崩さないようにしたい
家族と一緒に食卓を囲む時間をもちたい
食事の準備の負担を減らしたい

5. 服薬・体調の管理

ニーズ(例)
処方どおりに薬を飲み、体調を安定させたい
飲み忘れを減らしたい
薬の管理を、自分でできる範囲は続けたい
体調の変化に、早く気づけるようにしたい
必要な受診を、無理なく続けたい
入院せずに、自宅での生活を続けたい
血圧や体温を、自分で確認する習慣をつけたい
急に具合が悪くなったときに、すぐ相談したい
持病を悪化させずに過ごしたい
医師に、困っていることを伝えられるようにしたい

6. 認知症のある方の生活

ニーズ(例)
混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
住み慣れた自宅での生活を続けたい
できていることを、これからも自分で続けたい
なじみの人との関わりを保ちたい
生活のリズムを整えて、夜はしっかり休みたい
外出しても、安全に帰ってこられるようにしたい
家族が対応に困らないようにしたい
役割をもって、毎日を過ごしたい
不安になったときに、そばに人がいてほしい
自分のペースを尊重してもらいたい

7. 家事(調理・掃除・洗濯・買い物)

ニーズ(例)
清潔な住まいで、気持ちよく生活したい
できる家事は、これからも自分で続けたい
必要な食材や日用品をそろえたい
洗濯物を自分でたたむ習慣を続けたい
ごみ出しを、収集日に合わせて行いたい
水回りを衛生的に保ちたい
季節の衣類を、自分で入れ替えたい
家事の負担を減らして、体力を残したい
買い物に出かける機会を、外出の楽しみにしたい
台所に立つ時間を、これからも持ちたい

8. 社会参加・外出

ニーズ(例)
人とのつながりをもち、孤立せずに暮らしたい
これまで続けてきた楽しみを、無理のない形で続けたい
閉じこもらずに、外の空気に触れたい
地域の行事に参加したい
自分のペースで過ごせる形で、外出の機会をもちたい
話し相手のいる時間をもちたい
近所の人との付き合いを続けたい
季節を感じられる場所へ出かけたい
役割や出番のある場所に、通い続けたい
行きたい場所へ、自分の意思で出かけたい

9. 家族の介護負担

ニーズ(例)
家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
家族に過度な負担をかけずに、在宅での生活を続けたい
家族が自身の用事や受診の時間を確保できるようにしたい
家族が一人で抱え込まずに相談できるようにしたい
家族が仕事と介護を両立できるようにしたい
家族が介護の方法を、安心して行えるようにしたい
家族の睡眠時間を確保したい
離れて暮らす家族とも、状況を共有したい
介護について、家族で話し合える機会をもちたい
緊急時にどうするかを、家族が把握しておきたい

10. 住環境

ニーズ(例)
住まいの中を、安全に移動したい
段差でつまずかない環境にしたい
手すりを使って、動作を安定させたい
使いやすい福祉用具で、自分でできることを増やしたい
冬でも寒さを感じずに過ごしたい
いま住んでいる家で、暮らし続けたい
物が片づいた状態で、安全に生活したい
緊急時に、外部へ連絡できる手段をもちたい
寝起きの動作を、楽に行える環境にしたい
火の始末を、安全に行えるようにしたい

11. リハビリ・機能の維持

ニーズ(例)
いまの身体機能を保ち、生活を続けたい
できる動作を増やして、自信をもちたい
関節の痛みを和らげ、動きやすくしたい
体力を落とさないようにしたい
自宅でできる運動を、習慣にしたい
立ち座りの動作を、安定して行いたい
手先の動きを保ち、身の回りのことを自分で行いたい
専門職の助言を受けながら、無理なく続けたい
退院前の生活に、少しずつ近づけたい
言葉でのやりとりを、続けられるようにしたい

12. 看取り・終末期

ニーズ(例)
住み慣れた自宅で、望む形で過ごしたい
苦痛の少ない状態で、穏やかに過ごしたい
家族と一緒に過ごす時間をもちたい
必要なときに、すぐ医療につながれるようにしたい
これからのことを、家族と話しておきたい
好きなことをして過ごす時間をもちたい
家族が後悔なく寄り添えるようにしたい
自分の意思を、関係者に伝えておきたい
最期まで、自分らしくいたい
家族が不安なときに、相談できる先をもちたい

運営指導で指摘されている、ニーズの書き方5つ

文例より大切なのがこちらです。ニーズそのものより「アセスメントとの整合」で指摘を受けている事例が、複数の自治体で公表されています。

指摘されている状態 公表元と内容 見直しの視点
アセスメントで把握したニーズと、計画のサービス内容が合っていない 岡山市資料の居宅サービス計画原案に関する不適切事例。あわせて「複数の利用者の計画内容が一律である」も挙げられています。 ニーズ→目標→サービス内容が一本の線でつながっているか、横に読んで確認する
本人が行うことや、家族の支援・インフォーマルサービスが全く位置付けられていない 同上(岡山市)。 サービスで埋めるのではなく、ご本人ができること・家族・近隣・地域の資源も書く
第1表の「課題分析の結果」が記載されていない 姫路市の令和6年度実地指導結果。記載がないことは、適切なアセスメントやモニタリングの評価が行えていない可能性があるとされています。 第2表のニーズだけ書いて、第1表が空欄になっていないか
事業所として行ったアセスメントの記録がない/具体的でない 「居宅介護支援事業所のアセスメント結果を受けるのみでは不十分」と明記され、チェック欄のみで備考が空白の例(「洗身」で一部介助にチェックのみ)と、麻痺の部位など具体的状況を書いた例が対比されています。 チェックだけで終えず、備考に具体的な状況を書く
サービス変更時・目標期間更新時にアセスメントをしていない/実施日が計画作成日より後になっている 福岡県介護保険広域連合の集団指導資料(令和6年度版)の「運営指導時における主な指摘事項」。 アセスメント → 計画原案 → 担当者会議 → 同意 の日付の前後関係を点検する

要件・運用は保険者・自治体により異なる場合があります。個別の指摘内容は監査対策ナビおよび各自治体の公表資料をご確認ください。

書くときに避けたい表現|言い換えの対照表

避けたい書き方 気をつけたい理由 言い換えの例
デイサービスを利用したい サービス名がニーズになっている。手段であって課題ではない 人と会う機会をもち、気持ちの張りを保ちたい
ADLの低下を防ぎたい 専門用語で、ご本人の言葉から離れている 自分の足で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい
独居のため不安 状態の説明であって、望む生活の形になっていない 一人暮らしでも、安心して生活を続けたい
認知症の進行を遅らせたい 医学的な評価に踏み込んでいる 混乱の少ない環境で、落ち着いて過ごしたい
家族が大変なので支援が必要 主語が支援者側。評価的な表現になりやすい 家族が休息をとりながら、介護を続けられるようにしたい
転倒しないようにする 否定形で、何ができれば解決かが不明確 転倒の不安なく、自宅の中を安全に移動したい
複数の利用者に同じ文言 公表事例で「計画内容が一律」と指摘されている ご本人の言葉・生活歴・住環境を一語でも入れる
サービスだけで組み立てる 本人ができること・家族・インフォーマルの位置づけがないと指摘されている 「ご本人が行うこと」「家族の支援」も並べて書く

ニーズを書くときの実務注意

ニーズの表現・様式は、保険者・自治体の運用により異なる場合があります。課題分析標準項目は令和5年10月16日付けで改正されており、項目の名称や内容が変わっています。必ず告示・通知および貴保険者の公表資料をご確認ください。本記事の文例は記載のイメージであり、適否や算定を保証するものではありません。記録をAIに渡す運用を行う場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報の扱い(伏字・事業所内ルール)にご留意ください。

ICFの5視点別|ニーズの完成文50例

ニーズが「入浴ができない」「歩けない」で止まってしまうとき、多くの場合は心身機能だけを見ている状態です。ICF(国際生活機能分類)は、生活機能を心身機能・身体構造/活動/参加の3つでとらえ、そこに環境因子/個人因子という背景を重ねて考える枠組みです。課題分析標準項目(令和5年10月改正)の23項目も、健康状態・ADL・IADL・認知機能や判断能力といった心身の側面と、社会との関わり・家族等の状況・居住環境といった背景の側面の両方を並べて把握するつくりになっています。

同じ「一人でお風呂に入れない」という事実でも、どの視点から書くかで、第2表に置ける文がまるごと変わります。以下はその読み分けです。

ICFの視点 アセスメントで拾う情報 ニーズ欄での言い回しの傾向 この視点だけで書くと起きること
心身機能・身体構造 麻痺の部位と程度、関節可動域、痛みの出る動作と時間帯、視力・聴力、認知機能、口腔と嚥下の状態、皮膚の状態 「痛みを抑えて〜したい」「むせずに〜したい」など、身体の状態が生活に及ぼしている影響を言い直す 医学的な評価に寄り、「機能訓練を受けたい」というサービスの言葉に着地しやすい
活動(している活動・できる活動) 起居・移乗・歩行・入浴・排泄・食事・整容・更衣、調理・買い物・掃除・洗濯・金銭管理・服薬・外出の実施状況と、支援があればできることの差 「自分で〜できるようになりたい」「〜を続けたい」など、動作を生活の場面に戻して書く できない動作の一覧になり、ご本人が何のためにそれを望むのかが抜ける
参加(役割・つながり) これまで担っていた役割、近隣・友人・親族との行き来、通っていた場所、地域行事や趣味の集まりへの参加状況 「〜の役割をもち続けたい」「〜の集まりにまた顔を出したい」など、人と場に戻す言葉で書く 参加だけを書くと、そこに至るまでの動作・移動の課題が計画から抜け落ちる
環境因子(住まい・人・制度) 段差・手すり・浴室と便所の配置、寝床から便所までの距離、同居家族の就労と在宅時間、近隣の支え、利用できる地域の資源 「安全な動線で〜したい」「家族に過度な負担をかけずに〜したい」など、環境を変えれば動ける前提で書く 住宅改修や用具の話に寄り、ご本人が何を望んでいるかが背景に退く
個人因子(生活歴・価値観) 職歴、育った土地、大切にしてきた習慣、こだわり、人に頼ることへの気持ち、これまでの生活のリズム 「これまで続けてきた〜を、無理のない形で続けたい」など、その人にしか書けない一語を入れる 書かないと、複数の利用者で同じ文章になりやすく、公表事例で「計画内容が一律」と指摘されている状態に近づく

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

心身機能・身体構造の視点|ニーズ完成文10例

身体の状態そのものを書くのではなく、その状態が生活のどこを止めているかまで進めて書きます。以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。

アセスメントに書かれている状況(例) ニーズの完成文(例) 立てるときの着眼点
右片麻痺があり、右手でスプーンを保持できない。左手で食べているが、皿が動いて食べこぼしが多い こぼさずに、自分の手で最後まで食事を食べきりたい 麻痺の部位ではなく、「食べきる」という生活の結果で書く
朝方に膝の痛みが強く、起き上がりに10分以上かかる日がある 朝の痛みが強い日でも、無理なく起き上がって一日を始めたい 痛みの出る時間帯を入れると、短期目標と訪問の時間帯がつながる
水分でむせることがあり、食事に1時間近くかかっている むせ込みなく、家族と同じ時間に食事を終えたい 「誤嚥を防ぐ」と書かず、生活の言葉に置き換える
両耳の聞こえが悪く、電話の呼び出し音に気づかないことがある 連絡に気づける方法をつくり、人とのやりとりを続けたい 聞こえの問題を、孤立の予防ではなく「やりとりを続ける」で書く
握力が低下し、ペットボトルの蓋を開けられず水分摂取が減っている 自分で飲み物を用意して、こまめに水分をとりたい 手段(用具)ではなく、「自分で用意する」という行為で書く
夜間に3回以上目が覚め、日中に居眠りが多い 夜まとまって眠り、日中は起きて過ごしたい 睡眠と日中の過ごし方をひと続きで書く
仙骨部に発赤があり、同じ姿勢で長時間座っていることが多い 皮膚を傷めずに、座って過ごす時間を保ちたい 皮膚の状態を「過ごし方」の課題に変換する
短期記憶の低下があり、火にかけた鍋を忘れることが2回あった 台所に立つ習慣を、安全な形で続けたい 「調理をやめる」ではなく、続ける前提で安全を組み込む
視力低下で薬の説明書きが読めず、飲む時間を間違えることがある 処方どおりの時間に薬を飲んで、体調を保ちたい 見えにくさを、服薬の生活場面に戻して書く
立ち上がりでふらつき、月に1回程度、家具につかまって持ちこたえている ふらつかずに立ち上がり、行きたい場所へ自分で向かいたい ヒヤリとした頻度を把握しておくと、短期目標の評価がしやすい

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

活動(している活動・できる活動)の視点|ニーズ完成文10例

ここでの要点は、「できない」ではなく「支援があればどこまでできるか」の差を書くことです。公表事例では、ご本人が行うことや家族の支援、インフォーマルサービスが全く位置付けられていない計画が不適切事例として挙げられています(岡山市の集団指導資料)。差を把握しておくと、ご本人が行う部分が自然に書けます。

アセスメントに書かれている状況(例) ニーズの完成文(例) 立てるときの着眼点
浴槽をまたぐ動作だけ介助が必要。洗身と洗髪は自分で行えている 洗うことは自分で続けながら、浴槽に安全に出入りしたい できている部分を先に書くと、ご本人が行うことが明確になる
日中は自分で便所へ行けるが、夜間は間に合わないことが週2回程度ある 夜間も自分の力で便所を使い、失敗を気にせず眠りたい 時間帯で分けて書くと、夜間の支援の必要性が読み取れる
車椅子への移乗は見守りがあれば可能。一人だと途中で座り込む 声かけがあれば移れる状態を保ち、行きたいときに移動したい 「見守りで可能」という段階を、そのまま生活の言葉にする
ボタンのある服は着られないが、かぶりの服は自分で着られる 自分で服を選んで着替え、身なりを整えて一日を始めたい 衣類の形という具体を残すと、支援の内容が決まりやすい
買い物は同行があれば可能。一人だと重い物を持ち帰れない 自分で品物を選ぶ楽しみを残しながら、必要な物をそろえたい 「選ぶ」という主体的な行為を必ず残す
調理は火を使わない品なら可能。加熱を伴う調理は不安があり行っていない できる範囲の支度は自分で続け、温かい食事を毎日とりたい できる調理の範囲を線引きしておく
洗濯機の操作はできるが、物干し竿に手が届かない 洗濯を自分の家事として続け、清潔な衣類で過ごしたい 届かないという環境要因を、活動の継続の中で扱う
階段の昇降ができず、2階の寝室を使えなくなり居間で寝ている 自分の寝室で休み、生活の区切りをつけて過ごしたい 寝る場所の変化は、生活リズムの課題として書ける
爪切りが自分でできず、伸びたままになっていることが多い 手足を整えて、人に会うときに気後れせずに過ごしたい 整容を「人に会う」という参加につなげる
薬の一包化はされているが、飲んだかどうか思い出せず残薬がある 飲んだことが自分で確かめられる形にして、薬を続けたい 確認できる形にする、という解決の方向まで書く

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

参加(役割・つながり)の視点|ニーズ完成文10例

参加の視点は、「何のために動くのか」を計画に入れる欄です。ここが書かれていないと、動作の練習だけが並び、ご本人の意欲が続かない計画になりがちです。

アセスメントに書かれている状況(例) ニーズの完成文(例) 立てるときの着眼点
週1回の老人会に20年通っていたが、歩行に不安が出てから半年間欠席している 老人会にまた顔を出して、仲間と話す時間を取り戻したい 通っていた期間と中断の理由を押さえる
孫が月に1度訪ねてくるが、玄関先で会うだけになっている 孫が来たときに、居間でゆっくり一緒に過ごしたい 会えていないのではなく「どう会いたいか」で書く
自治会の掃除当番を長く担っていたが、今は近隣に任せている 自分にできる形で、近所の役に立つ場を持ち続けたい 役割の量ではなく、役割があること自体を書く
畑仕事を50年続けてきたが、しゃがむ姿勢が取れず1年間離れている 畑に出て、自分で育てたものを食卓に出したい 結果(食卓に出す)まで書くと、達成の判断がしやすい
檀家の集まりに毎月出ていたが、送迎してくれていた友人が転居した 移動の手立てを整えて、月の集まりに出席し続けたい 参加が止まった原因が環境側にあることを明示する
元教員で、地域の子どもに勉強を教えていた時期がある これまでの経験を生かして、人に何かを伝える場を持ちたい 職歴を参加に接続する
デイサービスでは他者との会話がほとんどなく、席で新聞を読んでいる 自分のペースを守りながら、話せる相手を一人つくりたい 「交流を増やす」ではなく、無理のない数で書く
妻の入院以降、外出が月1回の受診のみになっている 受診以外にも出かける日をつくり、生活に張りを持ちたい 現在の外出頻度を数で押さえる
カラオケが趣味だったが、声が出にくくなり歌わなくなった 好きな歌に触れる時間をつくり、気持ちを明るく保ちたい できなくなった趣味は、形を変えて残す
近所付き合いはあるが、家に上がってもらうことを遠慮している 人を招ける住まいを保ち、気兼ねなく付き合いを続けたい 住まいの状態と参加を一つのニーズにまとめる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

環境因子(住まい・人・制度)の視点|ニーズ完成文10例

環境因子は、ご本人の身体が変わらなくても、生活が変えられる部分です。ここを書いておくと、住宅改修や福祉用具を位置付ける場面で「必要な理由」を計画に残しやすくなります。公表事例では、福祉用具貸与を位置付けた際にその必要な理由が居宅サービス計画に記載されていない例が挙げられています(宇都宮市の運営指導における主な指導事例、姫路市の実地指導結果)。

アセスメントに書かれている状況(例) ニーズの完成文(例) 立てるときの着眼点
玄関の上がり框が約30センチあり、手をつく場所がない 玄関を安全に出入りして、自分の意思で外に出たい 段差の高さを数で残すと、必要な理由が書きやすい
寝床から便所まで約8メートルあり、途中に照明のない廊下がある 夜でも安心して便所まで行き来したい 距離と明るさを押さえる
浴室に手すりがなく、浴槽の縁が高い 浴槽の出入りを安全にして、湯船につかる習慣を続けたい 用具名ではなく、続けたい習慣を主語にする
同居の長男が日中は就労で不在。帰宅は21時ごろ 日中一人で過ごす時間を、不安なく安全に過ごしたい 家族の在宅時間を時刻で押さえる
近隣に住む姪が週1回様子を見に来ている 近くの親族の見守りを受けながら、自宅での生活を続けたい インフォーマルな支えを計画に位置付ける
集合住宅の3階でエレベーターがない 外出の手立てを整えて、通院と買い物を続けたい 建物の条件を、外出の課題として書く
雨戸の開閉が重く、日中もカーテンを閉めたままにしている 日の光の入る部屋で過ごし、生活のリズムを整えたい 住環境と生活リズムをつなげる
台所の椅子が低く、長時間立っての作業ができない 座ったままでも支度ができる形にして、自炊を続けたい 作業姿勢の工夫を課題に含める
電話が固定電話のみで、寝床から遠い場所にある 体調が悪いときにすぐ連絡できる状態にしておきたい 連絡手段の配置まで具体に書く
ごみ集積所まで約100メートルあり、坂道になっている ごみ出しを収集日に合わせて行い、住まいを整えたい 距離と地形を書くと、支援の頻度が決めやすい

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

個人因子(生活歴・価値観)の視点|ニーズ完成文10例

個人因子は、その利用者にしか書けない一語が入る場所です。複数の利用者の計画内容が一律である、という指摘は公表事例で繰り返し挙げられています(岡山市の集団指導資料)。文例をそのまま使うのではなく、ここに一語を足すことが、一律を避ける最短の方法です。

アセスメントに書かれている状況(例) ニーズの完成文(例) 立てるときの着眼点
漁師を40年続け、朝4時起きの習慣が今も残っている 朝早く起きる自分のリズムを保ったまま、一日を過ごしたい 職歴から来る生活時間を尊重する
人に頼ることを「情けない」と表現し、支援の申し出を断ることが多い 自分でできることを続けながら、必要なときだけ手を借りたい 拒否ではなく、価値観として書く
身なりを整えることを大切にしてきた。外出時は必ず化粧をしていた 身だしなみを自分で整えて、人前に出られる状態でいたい 大切にしてきた習慣を、そのまま課題にする
戦後に自分で商売を興し、金銭の管理を人に任せたことがない お金の管理を自分の手元に置いたまま、生活を続けたい 管理を外すのではなく、確認の仕組みで支える
信仰があり、毎朝仏壇に手を合わせることを欠かさない 毎朝仏壇に向かう時間を、これからも続けたい 日課を課題として明記する
猫を2匹飼っており、世話を生きがいと話している 猫の世話を自分で続けられる体力と生活を保ちたい ペットの世話は具体的な役割として書ける
長年、同じ理容店に通うことを楽しみにしている 行きつけの店に通い続けて、さっぱりした気持ちで過ごしたい 行き先が決まっている外出は、目標にしやすい
「施設には入りたくない」と繰り返し話している 住み慣れた自宅で、できる限り長く生活を続けたい 否定の言葉を、望む生活の形に置き換える
料理が得意で、家族に振る舞うことを喜びとしてきた 家族に食べてもらう一品を、自分の手でつくり続けたい 役割と参加をまとめて書く
几帳面な性格で、物の置き場所が変わると落ち着かない 慣れた配置の住まいで、落ち着いて生活したい 性格傾向は、環境の整え方の根拠になる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ADL・IADL 14項目別|そのまま貼れる完成文56例

ここは項目を開いて、そのまま第2表に貼れる形にした一覧です。左端の「アセスメントの記載(例)」は、備考欄に何を書いておけばニーズが立つかの見本でもあります。公表事例では、チェック欄のみで備考が空白になっている記録が挙げられており、具体的な状況の記載が求められています(宇都宮市の運営指導における主な指導事例)。

なお、以下はすべて記載のイメージを示すための(例)です。ご本人の言葉・生活歴・住環境に合わせて、必ず一語以上を書き換えてご使用ください。

項目 アセスメントの記載(例) ニーズの完成文(例) あわせて残しておく記録
起居・寝返り ベッド柵を使えば寝返りは可能。起き上がりに介助が必要で、朝は5分以上かかる 朝、自分の力で起き上がって一日を始めたい 起き上がりに要する時間、使用している柵の位置
起居・寝返り 布団を使用しており、床からの立ち上がりで膝に痛みが出る 痛みを抑えて、寝床から無理なく起き上がりたい 寝具の種類、痛みの部位と出る動作
起居・寝返り 夜間に自力で体位を変えられず、同じ姿勢が続いている 夜も楽な姿勢で休み、朝すっきり起きたい 体位変換の頻度、皮膚の状態の観察記録
起居・寝返り 起き上がった直後に立ちくらみがあり、座って数分待っている 起きた直後もふらつかずに、そのまま動き出したい 立ちくらみの頻度、血圧の測定記録
移乗 ベッドから車椅子への移乗は手すりを使えば可能。方向転換で不安定になる 手すりを使って、自分で車椅子に移りたい 手すりの位置、不安定になる動作の局面
移乗 便座からの立ち上がりに介助が必要。日中は同居家族が対応している 便座から自分で立ち上がって、用を足したい 介助者と対応できる時間帯
移乗 移乗の際に足がもつれ、月に1回程度、尻もちをつきそうになる ヒヤリとせずに、安全に座る場所を移りたい ヒヤリとした日付と場面
移乗 ソファが低く、立ち上がれずに長時間座ったままになっている 座った場所から自分で立ち上がり、動きたいときに動きたい 座面の高さ、座っている時間
歩行・移動 屋内は伝い歩き。屋外は杖を使い、100メートル程度で休憩が必要 休まずに近所の店まで歩けるようになりたい 連続歩行の距離、休憩の回数
歩行・移動 すり足で、敷居やカーペットの端でつまずくことがある 家の中でつまずかずに、安心して歩きたい つまずいた場所、床材の状況
歩行・移動 歩行器を使えば安定するが、本人が使用を嫌がっている 自分の足で歩ける状態を、できるだけ長く保ちたい 使用を嫌がる理由として語られた言葉
歩行・移動 雨の日は外に出ず、週の半分以上を室内で過ごしている 天候にかかわらず、体を動かす日をつくりたい 外出した日数、屋内での活動量
入浴 週1回の入浴。洗髪は自分でできるが、背中に手が届かない 背中まで洗って、さっぱりした状態で過ごしたい 入浴の頻度、自分で洗える部位
入浴 浴槽をまたぐのが怖く、半年以上シャワーのみで済ませている 不安なく湯船につかって、体を温めたい 湯船を使わなくなった時期と理由
入浴 脱衣所が寒く、冬季は入浴の回数が減っている 寒い時期も入浴の回数を保ち、清潔に過ごしたい 季節ごとの入浴回数、脱衣所の環境
入浴 人に肌を見られることに強い抵抗があり、支援を断っている 気兼ねの少ない方法で、入浴の習慣を続けたい 抵抗の内容としてご本人が語った言葉
排泄 日中は自立。夜間は間に合わず、週2回程度の失敗がある 夜間も失敗を気にせず、落ち着いて眠りたい 失敗した時間帯と回数
排泄 下衣の上げ下ろしに時間がかかり、間に合わないことがある 自分で衣類を扱って、時間内に用を足したい 衣類の形状、要する時間
排泄 便秘があり、3日以上排便がない日が続くことがある お腹の張りを気にせず、すっきり過ごしたい 排便の間隔、腹部症状の記録
排泄 おむつを使用しているが、日中は便所を使いたいと話している 日中は便所を使って、自分のやり方で用を足したい ご本人の希望として語られた言葉
食事 一人での食事が続き、菓子パンで済ませる日が週3日ある 主食と主菜のそろった食事を、毎日とりたい 直近1週間の食事内容、体重の推移
食事 義歯が合わず、硬いものを避けて食べ残しが増えている 好きなものを、口に合う形で食べ続けたい 食べ残しの内容、口腔内の状態
食事 水分は1日500ミリリットル程度で、勧めても飲みたがらない こまめに水分をとって、体調を崩さずに過ごしたい 1日の水分量、勧めたときの反応
食事 箸が使いづらくなり、食事の場面を避けるようになっている 自分の手で食べて、食事の時間を楽しみたい 使用している食具、食事にかかる時間
整容 髭剃りを数日行わないことがあり、来客時に気にしている 身なりを整えて、人と気持ちよく会いたい 整容の頻度、来客の状況
整容 洗面台まで行くのが億劫で、洗顔を省く日がある 朝の洗面を毎日続けて、生活のリズムを保ちたい 洗面台までの動線、実施の頻度
整容 爪が伸びたままで、皮膚を引っかいた跡がある 手足を清潔に整えて、皮膚を傷めずに過ごしたい 皮膚の観察記録、爪の状態
整容 歯磨きが自己流で、就寝前の口腔ケアが行われていない 口の中を整えて、食べたいものを食べ続けたい 口腔ケアの実施時間、口腔内の状態
更衣 かぶりの服は着られるが、ボタンとファスナーの操作ができない 自分で服を着て、その日の予定に合わせて出かけたい 扱える衣類の種類
更衣 同じ服を数日続けて着ていることがあり、家族が指摘している 季節と場面に合った服を選んで、気持ちよく過ごしたい 着替えの頻度、家族からの情報
更衣 片麻痺があり、袖を通す順序が定まらず時間がかかる 自分のやり方で着替えを終えて、一日を始めたい 着替えに要する時間、動作の手順
更衣 衣類が寝室にあり、寒い時期は着替えに行くのを避けている 寒い日も無理なく着替えられる形にしたい 衣類の置き場所、室温
服薬 朝夕の2回の服薬のうち、夕の飲み忘れが週2〜3回ある 朝も夕も忘れずに薬を飲んで、体調を保ちたい 飲み忘れの回数と時間帯、残薬の数
服薬 薬袋から取り出す動作が難しく、家族が事前に仕分けている 自分で薬を取り出して、飲む習慣を続けたい 薬の形態、仕分けを行っている人
服薬 複数の医療機関から処方があり、内容を把握できていない 飲んでいる薬を自分で把握して、安心して続けたい 受診先の一覧、お薬手帳の管理状況
服薬 体調が良いと自己判断で服薬を中断することがある 体調の良し悪しにかかわらず、処方どおりに薬を続けたい 中断した時期とご本人の説明
買い物 最寄りの店まで約600メートル。荷物を持って帰ることができない 自分で品物を選びながら、必要な物をそろえたい 店までの距離、持てる荷物の重さ
買い物 同じ食材を重複して買い、冷蔵庫に使い切れない品が残っている 必要な分だけを買って、無駄なく食材を使いたい 冷蔵庫の在庫、買い物の頻度
買い物 現金の支払いに手間取り、店で気後れするようになった 気兼ねなく買い物をして、外出の機会を保ちたい 支払い方法、外出の回数
買い物 日用品の買い置きがなく、切らしてから困ることが多い 必要な日用品を切らさずに、落ち着いて生活したい 切らした品目と時期
調理 包丁を使う作業に不安があり、加熱調理を行わなくなった 温かい食事を、自分の支度で毎日食べたい 行える調理の範囲、直近の献立
調理 鍋を火にかけたまま忘れたことが2回あり、家族が心配している 台所に立つ習慣を、安全な形で続けたい 発生した日付と状況、家族の心配の内容
調理 立位が10分程度しか保てず、途中で支度をやめてしまう 座ったままでも支度を終えて、食事の時間を守りたい 立位の保持時間、台所の作業環境
調理 調理はできるが、片づけまで手が回らず流し台に食器が残る 食事のあとの片づけまで済ませて、台所を清潔に保ちたい 片づけの実施状況、台所の衛生状態
掃除・洗濯 居間は片づいているが、寝室と浴室に手が回っていない 家全体を清潔に保って、気持ちよく生活したい 手が回っていない場所、実施の頻度
掃除・洗濯 掃除機が重く、出し入れができないため使っていない 負担の少ない方法で掃除を続けて、住まいを整えたい 使用している道具、収納場所
掃除・洗濯 洗濯物が数日たまり、着る物がなくなってから洗っている 洗濯を自分のペースで続けて、清潔な衣類で過ごしたい 洗濯の間隔、干し場の状況
掃除・洗濯 ごみの分別が分からなくなり、袋が室内に残っている 収集日に合わせてごみを出し、住まいを整えたい 分別の状況、集積所までの距離
金銭管理 通帳の記帳を自分で行っているが、残高を把握できていない お金の出入りを自分で確かめながら、生活を続けたい 管理している人、確認の方法
金銭管理 公共料金の払い込みを忘れ、督促が届いたことがある 支払いを期日どおりに済ませて、安心して暮らしたい 支払い方法、督促の有無と時期
金銭管理 財布の中身を頻繁に確認し、なくしたと訴えることがある お金のことで不安にならずに、落ち着いて過ごしたい 訴えの頻度と場面
金銭管理 訪問販売で不要な品を購入したことが1回ある 安心して人と応対できる形をつくり、生活を守りたい 購入した時期と品目、家族の把握状況
外出・交通機関 バスの乗降でステップを上がれず、利用をやめている 移動の手立てを整えて、行きたい場所へ出かけたい 利用していた交通手段、乗降の動作
外出・交通機関 受診の付き添いを家族が担っているが、家族の休みが取りにくい 必要な受診を、家族に無理のない形で続けたい 受診の頻度、付き添える人と曜日
外出・交通機関 道順が分からなくなることがあり、一人での外出を控えている 安心して出かけて、無事に帰ってこられるようにしたい 迷った場所と時期、外出の頻度
外出・交通機関 杖を持つと荷物が持てず、外出のたびに困っている 荷物を持ったままでも、安全に出かけられるようにしたい 外出時の持ち物、使用している用具

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

疾患・状態別|ニーズの完成文48例(16の状態)

疾患名そのものはニーズではありません。その疾患が生活のどこに出ているかを書きます。以下は状態ごとに、生活面に現れやすい場面と、そこから立てた完成文です。医学的な評価・診断に踏み込む表現は避け、生活の言葉に置き換えています。

状態 生活に現れている場面(例) ニーズの完成文(例) 書くときに外せない視点
認知症 同じ話を繰り返し、予定を忘れて約束の時間に間に合わないことがある 予定を確かめられる形にして、約束を守って過ごしたい できていることを先に書き、支援は補う形で置く
認知症 夕方になると落ち着かず、玄関から出ようとすることがある 夕方も落ち着いて過ごし、安心して一日を終えたい 時間帯を明記すると、支援の入り方が決まる
認知症 家族の対応に困りごとが増え、介護者が疲れを訴えている 家族と穏やかに過ごせる時間を保ちながら、自宅の生活を続けたい ご本人と家族、両方の生活を1文に入れる
脳血管疾患後遺症・片麻痺 右片麻痺があり、屋内は伝い歩き。屋外は付き添いが必要 付き添いなしで、近所まで自分の足で出かけたい 屋内と屋外を分けて書く
脳血管疾患後遺症・片麻痺 言葉が出にくく、用件を伝えきれずに黙ってしまうことがある 伝えたいことを人に伝えて、自分の意思で生活したい 伝わらないことを、参加の課題として書く
脳血管疾患後遺症・片麻痺 再発への不安が強く、外出を控えるようになっている 体調の変化に早く気づける形をつくり、外出を続けたい 不安を、確認の仕組みで支える形にする
パーキンソン病 薬の効き方に波があり、動きやすい時間と動きにくい時間がある 動きやすい時間に合わせて、やりたいことを済ませたい 時間帯によって状態が変わることを明記する
パーキンソン病 歩き出しの一歩が出にくく、方向転換でふらつく ふらつかずに向きを変えて、家の中を移動したい 動作の局面を特定して書く
パーキンソン病 文字が小さくなり、書類の記入を家族に頼っている 自分の名前を自分で書いて、手続きに関わり続けたい 書字を役割・参加の側から書く
心不全 階段を上がると息切れがあり、途中で休むようになった 息切れを抑えて、行きたい場所へ自分で行きたい どの動作で息切れが出るかを具体に書く
心不全 体重と足のむくみに変動があり、家族が気づいて受診している 体調の変化に自分で気づいて、早めに相談したい 気づきの主体をご本人側に置く
心不全 塩分を控える食事に慣れず、以前の味付けに戻ってしまう 食べる楽しみを保ちながら、体調に合った食事を続けたい 制限ではなく、続けられる形で書く
COPD 動作の途中で息が上がり、入浴に時間がかかっている 息を整えながら、入浴を最後まで済ませたい 動作と呼吸を一つの場面として書く
COPD 外出時に携帯用の機器の扱いが不安で、出かける回数が減った 安心できる準備を整えて、外に出る機会を保ちたい 外出頻度の変化を数で押さえる
COPD 冬季に体調を崩しやすく、昨冬は入院があった 季節の変わり目も体調を保ち、自宅での生活を続けたい 入院の時期と経過を記録に残す
糖尿病 食事の時間が不規則で、間食が増えている 食事の時間を整えて、体調を安定させたい 生活リズムの側から書く
糖尿病 足の傷に気づくのが遅れ、受診までに数日かかったことがある 足の状態を毎日確かめて、傷を早く見つけられるようにしたい 確認の習慣そのものを課題にする
糖尿病 視力の低下があり、目盛りの確認が難しくなっている 見えにくさを補う形で、自分で体調の管理を続けたい できる範囲を残す書き方にする
がん(終末期) 痛みの強い時間帯があり、日中に横になっていることが増えた 痛みを和らげて、起きていたい時間を自分で選びたい 過ごし方の選択をご本人に残す
がん(終末期) 自宅で最期まで過ごしたいと話している。家族も同じ意向 住み慣れた自宅で、家族とともに穏やかに過ごしたい ご本人と家族の意向が一致していることを記録する
がん(終末期) 食が細くなり、好きだったものも少量しか食べられない 食べられるものを、食べたいときに口にしたい 量ではなく、望むタイミングで書く
骨折後(受傷後の回復期) 受傷前は屋外歩行が自立していたが、現在は屋内も見守りが必要 受傷前のように、自分の足で外を歩けるようになりたい 受傷前の状態を基準として明記する
骨折後(受傷後の回復期) 転んだ場所を避けるようになり、行動範囲が狭くなっている また転ぶ不安を減らして、家の中を自由に動きたい 不安の対象を場所で特定する
骨折後(受傷後の回復期) 退院後の生活動作に家族が不安を感じ、手を出しすぎている できることは自分で行い、必要なところだけ手を借りたい 家族の関わり方も課題に含める
廃用症候群 入院を機に日中も臥床が増え、座っている時間が1日2時間程度 日中は起きて過ごし、生活の張りを取り戻したい 座位の時間を数で押さえる
廃用症候群 会話の機会が減り、声が小さくなったと家族が話している 人と話す機会をもって、声と気持ちの張りを保ちたい 家族から得た情報も根拠として書く
廃用症候群 食事量が減り、3か月で体重が減少している しっかり食べて、動ける体力を取り戻したい 期間と変化をセットで記録する
転倒を繰り返している 直近6か月で3回転倒。いずれも夜間の便所への移動中 夜間も安全に便所まで行き、けがをせずに過ごしたい 回数・時期・場面をそろえて書く
転倒を繰り返している 転倒後に外出を控えるようになり、買い物にも行かなくなった 転ぶ不安を減らして、また自分で出かけたい 転倒の影響が参加に及んでいることを書く
転倒を繰り返している 家具につかまりながら移動しており、支えのない場所でふらつく 支えのない場所でも、安定して歩けるようになりたい つかまる場所の有無で分けて書く
低栄養・脱水 1日の食事が2回になり、たんぱく質の入る品が少ない 1日3回の食事をとって、体力を落とさずに過ごしたい 回数と内容の両方を押さえる
低栄養・脱水 水分を勧めても「トイレが近くなるから」と断ることが多い トイレの心配を減らして、必要な水分をとりたい 断る理由を解決の対象にする
低栄養・脱水 夏場に体調を崩し、日中の室温が高いまま過ごしていた 季節に合わせて室内を整え、体調を崩さずに過ごしたい 環境因子として室温を書く
褥瘡 座位の時間が長く、同じ部位に発赤が繰り返し見られる 皮膚を傷めずに、座って過ごす時間を保ちたい 姿勢と時間を具体に書く
褥瘡 寝具が体に合っておらず、夜間に体位を変えられていない 体に合った寝床で、夜も楽な姿勢で休みたい 寝具という環境因子を含める
褥瘡 皮膚の状態を家族が毎日確認しているが、負担を感じている 皮膚の状態を無理なく確かめられる形にして、家族と生活を続けたい 確認を担う人の負担も書く
独居 近隣との行き来がなく、体調が悪い日に誰にも連絡していない 困ったときにすぐ相談できる相手をつくり、一人でも安心して暮らしたい 連絡先の有無と実際の行動を書く
独居 食事の支度が面倒になり、同じ物を続けて食べている 一人でも変化のある食事をとって、体調を保ちたい 一人であることを、食生活の課題に接続する
独居 火の始末や戸締まりの確認に不安があり、夜に何度も起きている 安心して眠れる形を整えて、夜はしっかり休みたい 不安の中身を具体に書く
老老介護 80代の妻が主たる介護者で、夜間の対応で睡眠が中断している 介護する家族が休息をとりながら、二人の生活を続けたい 介護者の年齢と睡眠の状況を記録する
老老介護 買い物と通院の付き添いを配偶者が担い、自身の受診が後回しになっている お互いの受診を続けながら、二人で自宅の生活を保ちたい 介護者自身の健康も視野に入れる
老老介護 移乗の介助で配偶者の腰痛が悪化している 介助する側の体を痛めない方法で、自宅での生活を続けたい 介助方法の見直しを課題に入れる
介護者(家族)の負担 同居の長女が就労と介護を両立しており、休日も外出できていない 家族が自分の時間をもちながら、介護を続けられるようにしたい 就労状況と休日の過ごし方を押さえる
介護者(家族)の負担 介護のやり方について家族の中で意見が分かれている 家族が同じ見通しを持って、無理なく関われるようにしたい 意見の相違は支援経過に事実として残す
介護者(家族)の負担 遠方に住む長男が月1回訪問しているが、日常の対応は配偶者のみ 日常を担う家族の負担を分け合いながら、在宅の生活を続けたい 関われる人と頻度を書き出す
認定更新・状態の変化 区分変更の申請中で、必要な支援の量が定まっていない 状態の変化に合わせて、生活のしづらさを早く解消したい 変化の時期と内容を支援経過に残す
認定更新・状態の変化 退院直後で、自宅での生活の見通しが立っていない 自宅での過ごし方の見通しを立てて、安心して生活を始めたい 退院日と当面の期間を明記する
認定更新・状態の変化 短期目標の期間が終わるが、状態に変化があり達成状況が変わっている いまの状態に合った目標に見直して、生活の困りごとを減らしたい 実施状況の把握を行った記録を残す

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

書き直しの実例|1行で終わった文を完成文に直す24例

手が止まったときに書きがちなのが、状態を1行で言い切る書き方です。これ自体が誤りというわけではありませんが、次の欄(長期目標・短期目標・サービス内容)につながらないため、結果として「アセスメントの結果把握された課題と、計画に記載されたサービスの具体的な内容が合っていない」という公表事例の状態に近づきます(岡山市の集団指導資料)。

右列の完成文は、①ご本人の言葉または望む生活の形/②止まっている場面または原因/③解決した状態のうち、少なくとも2つが入るように書き直したものです。そのままコピーして、下線部にあたる具体を貴事業所の情報に置き換えてご使用ください。

元の書き方(よくある1行) 足りていないもの 書き直した完成文(例)
入浴ができない できない理由と、望む入浴の形 浴槽の出入りを安全にして、週2回は湯船につかりたい
歩行が不安定 どこで、何をするための歩行か 家の中でふらつかずに歩いて、行きたい場所へ自分で向かいたい
認知症のため見守りが必要 ご本人が望む生活。支援者側の判断だけになっている 混乱の少ない環境で、住み慣れた自宅の生活を続けたい
独居で不安 何が不安か、どうなれば安心か 困ったときにすぐ相談できる形をつくり、一人でも安心して暮らしたい
ADLの低下がみられる 生活の言葉。専門用語のままになっている 自分でできる身の回りのことを、これからも続けたい
低栄養のリスクがある ご本人の食生活の実際と、望む状態 1日3回の食事をとって、動ける体力を保ちたい
服薬管理ができていない 誰が、どの場面で困っているか 飲んだことが自分で確かめられる形にして、処方どおりに薬を続けたい
家族の負担が大きい 主語が支援者側。評価的な表現になっている 家族が休息をとりながら、自宅での介護を続けられるようにしたい
転倒のリスクが高い 否定形で、解決した状態が不明確 夜間も安全に便所まで行き来して、けがをせずに過ごしたい
デイサービスの利用が必要 サービス名が課題になっている 人と会って話す機会をもち、気持ちの張りを保ちたい
閉じこもりがち 以前の生活と、戻したい場面 通っていた集まりにまた顔を出して、仲間と話す時間をもちたい
排泄が自立していない 時間帯と、ご本人が気にしていること 夜間も自分で便所を使い、失敗を気にせず眠りたい
清潔保持が困難 どの場面が困難か 背中まで洗える方法を整えて、さっぱりした状態で過ごしたい
意欲の低下がみられる ご本人にとって意味のある活動 これまで続けてきた畑仕事を、無理のない形で再開したい
金銭管理に支援を要する ご本人が手放したくないもの お金の出入りを自分で確かめながら、生活を続けたい
住環境に問題がある どこが、どう問題か 玄関を安全に出入りして、自分の意思で外に出たい
認知機能の低下により調理が困難 やめる前提になっている。続ける方法を書いていない 台所に立つ習慣を、安全な形で続けたい
介護者が高齢である 状態の説明。望む生活の形になっていない 介助する側の体を痛めない方法で、二人の在宅生活を続けたい
リハビリが必要 手段が課題になっている 受傷前のように、自分の足で近所まで歩けるようになりたい
通院に付き添いが必要 付き添う人の状況と、続けたいこと 必要な受診を、家族に無理のない形で続けたい
口腔内が不衛生 評価的な表現。生活の望みになっていない 口の中を整えて、食べたいものを食べ続けたい
睡眠が不十分 何が妨げているか、日中への影響 夜まとまって眠り、日中は起きて過ごしたい
社会的交流が少ない ご本人が望む交流の量 自分のペースを守りながら、通う場で話せる相手を一人つくりたい
本人に病識がない 医学的な評価に踏み込んでいる 体調の変化に自分で気づいて、早めに相談できるようにしたい

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第2表の横のつながり|ニーズから短期目標・サービス内容までの対応表40行

ニーズ欄だけを整えても、右の欄と線がつながっていなければ点検で止まります。1行を横に読んで、ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容が一本でつながるかを確かめてください。公表事例では、長期目標と短期目標が同一の表現である、長期目標と短期目標の期間が全く同じである、といった状態が不適切事例として挙げられています(岡山市の集団指導資料)。また、長期目標の期間を恒常的に認定有効期間と同じ期間に設定することは不適切とされています(姫路市の実地指導結果)。

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容の連鎖20行

ニーズ(例) 長期目標(例) 短期目標(例) サービス内容(例)
浴槽の出入りを安全にして、週2回は湯船につかりたい 見守りのもとで、浴槽の出入りができる 浴槽をまたぐ動作を、手すりを使って行える 入浴の見守りと部分的な介助、浴室内の手すりの検討、動作の練習
夜間も自分で便所を使い、失敗を気にせず眠りたい 夜間の排泄を、自分の力で行える 寝床から便所までを、明かりを使って一人で移動できる 夜間の動線の点検と照明の調整、排泄のリズムの記録、下衣の見直し
家の中でふらつかずに歩いて、行きたい場所へ自分で向かいたい 屋内を、支えなく移動できる 居間から台所までを、家具につかまらずに歩ける 歩行と立ち上がりの練習、床の敷物と配線の整理、履物の見直し
1日3回の食事をとって、動ける体力を保ちたい 体重を維持し、日中の活動を続けられる 朝食を毎日とる習慣が続いている 食事の準備の支援、食事量と体重の記録、口腔内の確認
飲んだことが自分で確かめられる形にして、処方どおりに薬を続けたい 薬を自分で管理し、飲み忘れなく続けられる 朝夕の服薬を、カレンダーで確認して行える 服薬状況の確認、残薬の整理、薬局・主治医との情報共有
混乱の少ない環境で、住み慣れた自宅の生活を続けたい 自宅で、落ち着いて日中を過ごせる 決まった時間に決まった場所で過ごす習慣が続いている 日課の組み立て、なじみの物の配置、家族への関わり方の助言
台所に立つ習慣を、安全な形で続けたい 安全に配慮しながら、自分で食事の支度ができる 火を使わない一品を、自分で毎日つくれる 調理の見守りと一部の支援、加熱器具の安全確認、献立の相談
家族が休息をとりながら、自宅での介護を続けられるようにしたい 介護者が、定期的に休息をとれている 月に2日、介護者が自分の時間をもてる 宿泊または日中の預かりの調整、介護方法の助言、家族への相談対応
通っていた集まりにまた顔を出して、仲間と話す時間をもちたい 月1回の集まりに、継続して参加できる 集まりの日に、送迎を使って出かけられる 外出の準備の支援、移動手段の調整、参加後の様子の確認
必要な受診を、家族に無理のない形で続けたい 予定どおりの受診が、負担なく続いている 次回の受診に、付き添いの調整を済ませて臨める 受診日の調整、通院の同行の検討、主治医への情報提供
背中まで洗える方法を整えて、さっぱりした状態で過ごしたい 清潔を保ち、皮膚のトラブルなく過ごせる 週2回の入浴で、背部を含めて洗えている 洗身の一部介助、用具の検討、皮膚の状態の観察
受傷前のように、自分の足で近所まで歩けるようになりたい 屋外を、杖を使って歩ける 自宅前の道を、付き添いのもとで100メートル歩ける 屋外歩行の練習、歩行補助具の検討、外出の記録
ごみを収集日に合わせて出し、住まいを整えたい 住まいの衛生が保たれている 週2回の収集日に、ごみを出せている ごみの分別の支援、集積所までの搬出の支援、室内の清掃
自分で品物を選びながら、必要な物をそろえたい 買い物を、支援を受けながら自分で続けられる 週1回、店で自分で品物を選べる 買い物の同行、荷物の運搬の支援、必要な物の確認
こまめに水分をとって、体調を崩さずに過ごしたい 体調を崩さずに、季節を通じて生活できる 1日に決めた量の水分をとれている 水分摂取の声かけと記録、飲み物の準備、室温の確認
皮膚を傷めずに、座って過ごす時間を保ちたい 皮膚の状態を保ちながら、日中を起きて過ごせる 2時間ごとに姿勢を変えられている 姿勢の調整の支援、寝具と座面の見直し、皮膚の観察と記録
身だしなみを自分で整えて、人前に出られる状態でいたい 整容を自分で行い、外出の機会を保てている 毎朝、洗面と整髪を自分で行えている 整容の見守り、洗面所の環境の調整、外出の機会の調整
お金の出入りを自分で確かめながら、生活を続けたい 金銭の管理を、確認を受けながら続けられる 月1回、通帳の記帳と支払いの確認ができている 記帳への同行、支払い方法の相談、必要に応じた関係機関への相談
朝の痛みが強い日でも、無理なく起き上がって一日を始めたい 痛みを抑えて、朝の身支度を続けられる 起き上がりを、10分以内に行えている 起居動作の練習、寝具と柵の見直し、痛みの経過の記録と主治医への共有
自宅で、家族とともに穏やかに過ごしたい 自宅での生活を、望む形で続けられている 日中に起きて過ごす時間を、自分で選べている 体調と過ごし方の確認、家族への相談対応、医療との連絡体制の確認

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ご本人の意向とニーズが食い違うときの書き分け10例

いちばん迷うのが、ご本人が「困っていない」と話す一方で、支援者や家族から見ると生活が成り立っていない場面です。ここでの原則は、意向を書き換えないことと、食い違いをなかったことにしないことです。第1表の意向欄にはご本人の言葉を残し、第2表にはご本人が受け入れられる形の課題を置き、その差をどう扱ったかを支援経過に残します。公表事例では、前回の第1表を流用して第2表・第3表のみを新たに作成していた例が挙げられており(姫路市の実地指導結果)、意向の記録を更新しないまま課題だけを動かす運用は避ける必要があります。

場面 ご本人の意向(第1表に残す言葉の例) 家族・支援者の見立て 第2表のニーズの書き方(例) 支援経過に残すこと
入浴の支援を断る 「風呂くらい一人で入れる。人に手伝ってもらう歳じゃない」 浴槽の出入りでふらつきがあり、単独での入浴に不安がある 自分で入る形を保ちながら、浴槽の出入りを安全にしたい 断られた日と発言、提案した内容、次に確認する時期
用具の使用を嫌がる 「杖をつくのは、まだ嫌だ」 屋外歩行でふらつきがあり、転倒が心配される 自分の足で歩ける状態を保ちながら、外出を安全に続けたい 嫌がる理由として語られた言葉、代替案の提示内容
通所の利用を望まない 「大勢の中に行くのは気疲れする」 外出の機会が月1回の受診のみで、活動量が落ちている 自分のペースを守れる形で、体を動かす機会をもちたい 過去の集団場面での経験、本人が受け入れられた条件
調理をやめたくない 「台所は私の場所。誰にも触らせたくない」 鍋の消し忘れが2回あり、家族が不安を訴えている 台所に立つ習慣を、安全な形で続けたい 発生した事実の日付、家族の心配の内容、双方に説明した内容
家族の希望が先行している 「まだ自分でできる。手を出さないでほしい」 家族は転倒を心配し、全面的な介助を望んでいる できることは自分で行い、必要なところだけ手を借りたい 家族の希望と本人の希望を、それぞれの言葉のまま記録する
受診を拒む 「病院に行っても、どうせ同じことを言われる」 血圧の変動があり、定期的な受診が途切れている 体調の変化に自分で気づいて、必要なときに相談できるようにしたい 受診が途切れている期間、主治医との情報共有の状況
金銭管理を手放さない 「金のことは、自分で見る」 支払いの遅れが1回あり、残高の把握が難しくなっている お金の出入りを自分で確かめながら、生活を続けたい 把握の難しさが表れた事実、提案した確認方法
自宅での生活に強くこだわる 「施設には入りたくない。ここで死にたい」 夜間の対応が必要で、介護者の負担が続いている 住み慣れた自宅で、家族の負担を分け合いながら生活を続けたい 本人の言葉、家族の状況、話し合いの経過と時期
困りごとを言わない 「特に困っていることはない」 食事の回数が減り、体重が3か月で減少している しっかり食べて、いまの暮らしを続けられる体力を保ちたい 本人が困りごととして挙げなかった事実と、把握した客観的な情報
意向が日によって変わる 「行くと言ったり、やめると言ったりで、自分でも分からない」 予定の記憶が難しく、当日の対応に差がある 予定を確かめられる形にして、決めたことに沿って過ごしたい 変化があった日と内容、確認の方法と結果

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料から読む、ニーズ欄の点検の観点10項目

ニーズ欄そのものへの指摘は多くありません。指摘の大半は、ニーズの前(アセスメント)と後ろ(目標・サービス内容・担当者会議・モニタリング)との整合に集まっています。以下は、複数の自治体が公表している資料から、ニーズ欄を書いたあとに横へ確かめる観点として整理したものです。

公表資料に示された状態 公表元(資料名) ニーズ欄から横に確かめる視点
複数の利用者の居宅サービス計画の内容が一律である/長期目標と短期目標が同一の表現である/両者の期間が全く同じである 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 同じ文例を使った利用者が他にいないか、ニーズ・長期・短期の3つが別の言葉になっているかを並べて見る
アセスメントの結果把握されたニーズ・目標や解決すべき課題と、計画に記載されたサービスの具体的な内容が合っていない 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 1行を横に読み、サービス内容がそのニーズの解決に向いているかを確かめる
作成された居宅サービス計画に位置付けられた目標内容について、利用者の目標ではなく、提供すべきサービス内容が記載されていた 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 目標欄の主語が利用者になっているかを見る。事業者の行為が書かれていないか
前回の意向から大きな変化がないことから、前回の第1表を流用し、第2表・第3表のみ新たに作成していた 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 ニーズを更新したときに、第1表の意向と課題分析の結果も見直したかを確かめる
長期目標の期間が、認定有効期間と同じ期間に設定されていた(恒常的にそうすることは不適切とされている) 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 そのニーズが解決に向かうまでの見通しから期間を決めているかを確かめる
インフォーマルサービス(保険外サービス)の位置付けが漏れている居宅サービス計画が作成されていた 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 ご本人が行うこと・家族の支援・近隣や地域の支えが、そのニーズの行に書かれているかを見る
短期目標の期間終了前に実施状況の把握を行わず、身体状況に大きな変化がないことのみをもって、多数の利用者に一律の期間延長を行っていた 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」(居宅介護支援) 期間を延ばす前に、そのニーズの達成状況を確かめた記録があるかを見る
事業所として行ったアセスメントの記録がない/内容が具体的でない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 ニーズの根拠となる状況が、備考欄に文章として残っているかを見る
福祉用具貸与を位置付けるにあたり必要性について検証していたが、居宅サービス計画にその理由がない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(居宅介護支援・介護予防支援に関する事項)」資料11 用具を位置付けた行のニーズに、必要な理由が読み取れる記述があるかを見る
モニタリング表と支援経過記録の実施日が一致しない/同一の評価内容が長期にわたり続いている/目標の達成度や利用者の現状が把握できていない 北九州市「令和7年度 ケアプラン点検実施結果」 ニーズごとに、達成度と次の対応が別の言葉で書かれているかを見る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

指摘事項は公表時点のものであり、確認の観点・様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。各自治体の最新の公表資料をご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

本記事の文例はすべて記載のイメージであり、実在の利用者ではありません。様式・記載事項の定めは、厚生労働省の告示・通知および所管の保険者(指定権者)の案内でご確認ください。記録をAIに渡す運用を行う場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報の取扱い(伏字・事業所内ルール)にご留意ください。

よくある質問(FAQ)

ニーズは「〜したい」で書かないといけませんか?

様式上そこまでの定めはありませんが、ニーズはご本人の望む生活の形を表す欄なので、「〜したい」「〜できるようになりたい」といった形が使われることが多くあります。状態として書く場合も、サービス名や専門用語ではなく、生活の言葉で表すことをおすすめします。

ご本人の言葉を、そのまま書いてもよいですか?

ご本人の言葉は第1表の意向欄や支援経過に残し、第2表には整えた表現を置く、という使い分けが実務的です。両方に残すことで、どの言葉からどのニーズが立ち上がったかが後から追えます。

ニーズはいくつ書けばよいですか?

数の定めはありません。ただしアセスメントで把握した課題と対応しているかが確認されます。公表事例では「アセスメントの結果把握されたニーズと、計画に記載されたサービスの内容が合っていない」ことが不適切事例として挙げられています。

サービス名をニーズに書いてはいけませんか?

サービスは課題を解決するための手段であって、課題そのものではありません。「デイサービスを利用したい」ではなく、なぜ利用するのか——「人と会う機会をもちたい」まで戻して書くと、目標とサービス内容が自然につながります。

本人ができることも書く必要がありますか?

公表事例では「利用者本人が行うことや家族の支援及びインフォーマルサービスが全く位置付けられていない」ことが不適切事例として挙げられています。サービスだけで組み立てず、ご本人ができること・家族・地域の資源も並べて記載してください。

複数の利用者で似た文例を使ってもよいですか?

公表事例では「複数の利用者の居宅サービス計画の内容が一律である」ことが不適切事例として挙げられています。文例は下書きの材料として使い、ご本人の言葉・生活歴・住環境を反映させてください。

出典

  • 厚生労働省「「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について」(令和5年10月16日 老認発1016第1号/厚生労働省ウェブサイト
  • 厚生労働省「課題分析標準項目の改正に関するQ&A」(令和5年10月16日事務連絡/介護保険最新情報Vol.1179
  • 各自治体が公表する運営指導(実地指導)の結果・主な指摘事項(姫路市/岡山市/福岡県介護保険広域連合 ほか)。個別の指摘内容は監査対策ナビに収録しています

出典:厚生労働省ウェブサイト/各自治体の公表資料/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。指摘事項は公表時点のものであり、取扱いは保険者・自治体により異なります。文例は記載のイメージであり、適否や算定を保証するものではありません。項目・要件の定めは原典をご確認ください。

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本人の言葉から、ニーズに書き換える

ニーズは本人の言葉を、生活の場面として言い直したものです。「〜できない」ではなく「〜したい」で書くと、目標とサービス内容がつながります。

本人が話した言葉 ニーズ(生活全般の解決すべき課題)
「トイレが間に合わないことがある」 間に合わないことを気にせず、トイレで排泄したい
「風呂に入れないのがつらい」 安心して湯船につかりたい
「妻に迷惑をかけたくない」 家族に負担をかけずに、いまの暮らしを続けたい
「もう一度歩けるようになりたい」 自分の足で家の中を移動したい
「人と話す機会がない」 人と関わる時間を持ちたい
「食べるのが遅くなった」 むせずに、自分のペースで食事をしたい
「夜眠れない」 夜まとまって眠り、日中を元気に過ごしたい
「買い物に行きたい」 自分で品物を選んで買い物をしたい
「病院に戻りたくない」 入院せずに自宅で生活を続けたい
「痛いのだけは嫌だ」 痛みを抑えて、穏やかに過ごしたい
「昔は魚屋だった」 これまでの経験を活かせる役割を持ちたい
「孫に会いたい」 家族と過ごす時間を持ちたい

本ページは令和8年6月改定時点の制度に沿って整理しています。様式・要件・単位数は改定により変わります。最新の内容は、厚生労働省の告示・通知および所管の保険者(自治体)の案内でご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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