【令和8年度】介護テクノロジー補助金の申請をサポート

小規模多機能・看護小規模多機能の基本報酬|月額包括の単位数と同一建物・短期利用の対照表【出典つき】

この記事では、小規模多機能型居宅介護(以下、記事内では通称の「小多機」も併用します)と、看護小規模多機能型居宅介護(同じく「看多機」「かんたき」とも呼ばれます)の基本報酬を扱います。両サービスの基本報酬は、月ごとの定額(1月につき)で定められた「小規模多機能型居宅介護費」「看護小規模多機能型居宅介護費(複合型サービス費)」と、登録者以外の方が短期間利用する場合の日額(1日につき)で定められた「短期利用居宅介護費」の2階建てになっており、さらに月額の区分は、登録者が事業所と同一建物に居住しているかどうかで2つに分かれています。

本記事の単位数と要件は、すべて当社の加算データベース(出典:指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準〔平成18年厚生労働省告示第126号〕別表4・別表8、および厚生労働大臣が定める基準〔平成27年厚生労働省告示第95号〕第54号・第74号。令和6年度介護報酬改定対応として収載)から引いています。データベースに収載していない組み合わせ(介護予防・日割り・登録定員の細目など)は、数値を載せずに「原典をご確認ください」と明記する方針で書いています。単位数は地域区分ごとの1単位単価を乗じる前の数字であり、また、各種の加算・減算を反映する前の基本部分です。実際の請求額の確認にあたっては、告示の原文と、保険者(指定権者)である市町村の取扱いを必ずご確認ください。

基本報酬の骨組み|月額包括・同一建物の区分・短期利用の3要素(6区分)

小多機・看多機の基本報酬を初めて整理する方がつまずきやすいのは、「通いを何回使ったら何単位」という積み上げ型の発想で表を探してしまうことです。告示は、通い・訪問・宿泊の回数ごとの単位ではなく、登録している期間「1月につき」の所定単位数として基本報酬を定めています(告示126号 別表4 イ・別表8 イ)。つまり、要介護状態区分と居住地の区分が決まれば、その月の基本部分の単位数は一つに定まる構造です。この構造を前提に、告示上の骨組みは次の3つの要素に分解できます。

要素 告示上の位置づけ 区分の数 根拠(出典)
月額包括(1月につき) 登録している期間1月につき、要介護状態区分に応じた所定単位数を算定すると定められています。通い・訪問・宿泊の回数ごとの単位設定ではありません。 要介護1〜5の5段階×居住地2区分 告示126号 別表4 イ(小多機)/別表8 イ(看多機)
同一建物の区分 登録者が事業所と同一建物に居住しているかどうかで、イ(1)(同一建物居住者以外)とイ(2)(同一建物居住者)の2区分に分かれると定められています。 イ(1)・イ(2)の2区分 告示126号 別表4 イ 注1・注2/別表8 イ 注1・注2
短期利用(1日につき) 登録者以外の方が緊急に短期間利用する場合の日額の区分として、短期利用居宅介護費が定められています。あらかじめ7日以内(家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は14日以内)の利用期間を定めることが求められています。 要介護1〜5の5段階(両サービス各1系列) 告示126号 別表4 ロ 注3/別表8 ロ 注3、告示95号 第54号・第74号

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この3要素のどれに当てはまるかを最初に決めてから表を読むと、迷いがなくなります。すなわち、①その方は登録者か、登録者以外の短期利用か。②登録者であれば、要介護状態区分はどれか。③居住地は事業所と同一建物か、それ以外か。以下の単位数表は、この順番で引ける形に並べています。

「1月につき」という定め方が実務にもたらす3つの帰結

第一に、月ごとの請求の土台が「回数の集計」ではなく「登録の状態」になります。訪問介護や通所介護のように提供1回ごとの単位を積み上げるサービスでは、提供記録の枚数がそのまま請求根拠になりますが、小多機・看多機の基本部分では、その月に誰が登録していたか(登録台帳)、その方の要介護状態区分は何か(認定情報)、居住地はどの区分か(住所一覧)という3点の照合が土台です。提供記録が不要になるわけではなく、役割が変わる——回数を数える根拠から、サービスが実際に一体的に提供されていたことを示す根拠へ——という整理です。

第二に、月をまたぐ出来事の記録が重みを持ちます。登録の開始・終了、要介護度の区分変更、同一建物への転居、ショートステイ等の他サービス利用は、いずれも「どの日に起きたか」で当月の請求の組み立てが変わりうる出来事です。日単位で日付を残す欄を登録台帳に用意しておくと、月末にさかのぼって調べる手間が減ります。

第三に、回数が著しく少ない場合の定めが別に置かれています。月額包括だからといって提供回数と無関係ではなく、サービス提供が過少である場合の減算(注7)が告示上用意されており、短期利用居宅介護費の要件にも「注7の減算を算定していないこと」(告示95号 第54号ニ)が組み込まれています。登録者1人当たり平均回数の算出記録を毎月残すことは、月額包括のサービスに固有の実務と言えます。

小規模多機能型居宅介護費(1月につき)の単位数|イ(1)・イ(2)の2区分×要介護5段階

小多機の月額の基本報酬です。イ(1)は同一建物居住者以外、イ(2)は同一建物居住者の区分です。市町村長への電子情報処理組織による届出を行っていることが注1に掲げられており、登録者数や従業者の員数が厚生労働大臣の定める基準に該当する場合は、別に定めるところにより算定することとされています。参考列の差は、当社がイ(1)とイ(2)の単位数から機械的に引き算した参考値です。

要介護状態区分 イ(1) 同一建物居住者以外(単位/月) イ(2) 同一建物居住者(単位/月) 差(参考・当社計算)
要介護1 10,458 9,423 1,035
要介護2 15,370 13,849 1,521
要介護3 22,359 20,144 2,215
要介護4 24,677 22,233 2,444
要介護5 27,209 24,516 2,693

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表4です(令和6年度介護報酬改定対応)。要介護度が上がるにつれてイ(1)とイ(2)の差も開いていく点は、同一建物の該当性の確認を後回しにしない理由になります。同一建物の該当性の判断は保険者(指定権者)により運用が異なりうるため、届出前に所在市町村へご確認ください。

看護小規模多機能型居宅介護費(複合型サービス費)の月額単位数|2区分×要介護5段階

看多機の月額の基本報酬です。告示上の名称は「看護小規模多機能型居宅介護費」で、複合型サービス費として別表8に置かれています。区分の立て方は小多機と同じく、イ(1)(同一建物居住者以外)とイ(2)(同一建物居住者)の2区分×要介護5段階です。こちらも市町村長への電子情報処理組織による届出を行っていることが注1・注2に掲げられています。

要介護状態区分 イ(1) 同一建物居住者以外(単位/月) イ(2) 同一建物居住者(単位/月) 差(参考・当社計算)
要介護1 12,447 11,214 1,233
要介護2 17,415 15,691 1,724
要介護3 24,481 22,057 2,424
要介護4 27,766 25,017 2,749
要介護5 31,408 28,298 3,110

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典は同じく告示126号の別表8です(令和6年度介護報酬改定対応)。参考までに、同一建物居住者以外(イ(1))どうしで小多機と看多機を並べると、その差は要介護1で1,989単位、要介護2で2,045単位、要介護3で2,122単位、要介護4で3,089単位、要介護5で4,199単位(いずれも当社計算の参考値)となり、重度になるほど開きます。この差をどう読むかは事業運営の判断そのものですが、数字の出どころが同じ告示の別表4と別表8であることは、比較の土台として押さえておけます。

短期利用居宅介護費(1日につき)|両サービスの日額単位数(各5段階)

登録者以外の方が、緊急に短期間だけ宿泊等を利用する場合の日額の区分です。月額包括とはまったく別の系列で、1日につきの単位数が要介護状態区分ごとに定められています。あらかじめ7日以内(家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は14日以内)の利用期間を定めることが告示上求められています。

要介護状態区分 小規模多機能型居宅介護(単位/日) 看護小規模多機能型居宅介護(単位/日)
要介護1 572 571
要介護2 640 638
要介護3 709 706
要介護4 777 773
要介護5 843 839

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典は告示126号 別表4 ロ(小多機)・別表8 ロ(看多機)です。単位数の水準は両サービスでほぼ並んでいますが、要件の定め方には準用関係という違いがあります。小多機の短期利用の基準は厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第54号に置かれ、看多機は同告示第74号が第54号を読み替えて準用する構造です(従業者の員数の根拠条文は、小多機が指定地域密着型サービス基準第63条、看多機は第171条に読み替え)。この準用関係は、次の対照表の根拠列にそのまま書き分けています。

短期利用は「緊急に」という性格上、受け入れの判断が先に走り、文書が後回しになりやすい区分です。しかし告示上の要件は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に利用が必要と認めたこと、事業所の介護支援専門員が登録者への提供に支障がないと認めたこと、そして利用期間を「あらかじめ」定めることという、いずれも利用開始前の時点に紐づく事実です。受け入れ当日のうちに、認めた介護支援専門員の氏名(居宅側・事業所側の両方)・認めた日時・定めた利用期間の3点をメモでも文書化しておくと、後日の確認で「あらかじめ定めていたこと」を示す材料になります。7日を超えて14日以内の期間を定める場合は、家族等の疾病等やむを得ない事情の内容もあわせて残しておきます。

告示の定めと貴事業所の登録の対照表|基本報酬3区分×要件(記入欄つき)

ここからは、それぞれの区分について「告示の定め」と「貴事業所の登録・記録」を左右で突き合わせる対照表です。右端の記入欄に貴事業所の実際の届出状況・登録内容を書き込み、左の定めと見比べてください。この対照表は判定の結果を示すものではなく、保険者(指定権者)への確認に持っていく材料を1枚にまとめるためのものです。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

小規模多機能型居宅介護費イ(1)・イ(2)(1月につき)の対照表

項目 告示の定め 根拠 貴事業所の登録(記入欄)
届出 市町村長への電子情報処理組織による届出済であること 告示126号 別表4 イ 注1 届出年月日:  年  月  日
登録者の居住地(イ(1)) 当該事業所と同一建物に居住していないこと(同一建物に居住する登録者はイ(2)の区分) 告示126号 別表4 イ 注1・注2 同一建物居住の登録者:  名/それ以外:  名
登録者数・従業者の員数 厚生労働大臣が定める基準に該当しないこと(該当する場合は別に定めるところにより算定) 告示126号 別表4 イ 注1 登録者数:  名/従業者の員数の確認日:  月  日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

看護小規模多機能型居宅介護費イ(1)・イ(2)(1月につき)の対照表

項目 告示の定め 根拠 貴事業所の登録(記入欄)
届出 市町村長への電子情報処理組織による届出済であること 告示126号 別表8 イ 注1・注2 届出年月日:  年  月  日
登録者の居住地(イ(1)) 当該事業所と同一建物に居住していないこと(同一建物に居住する登録者はイ(2)の区分) 告示126号 別表8 イ 注1・注2 同一建物居住の登録者:  名/それ以外:  名
登録者数・従業者の員数 厚生労働大臣が定める基準に該当しないこと 告示126号 別表8 イ 注1 登録者数:  名/従業者の員数の確認日:  月  日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

短期利用居宅介護費(1日につき)の対照表(両サービス)

サービス 項目 告示の定め 根拠 貴事業所の記録(記入欄)
小多機 届出 市町村長への届出済であること 告示126号 別表4 ロ 注3 届出年月日:  年  月  日
小多機 緊急利用の必要性の認定 居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に利用が必要と認め、かつ事業所の介護支援専門員が登録者への提供に支障がないと認めた場合であること 告示95号 第54号イ 認めた介護支援専門員の氏名(居宅側/事業所側):
小多機 利用期間 あらかじめ7日以内(家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は14日以内)の利用期間を定めること 告示95号 第54号 定めた利用期間:  月  日〜  月  日
小多機 従業者の員数 指定地域密着型サービス基準第63条に定める員数を配置していること 告示95号 第54号ハ 利用日の勤務形態一覧表の確認:済/未
小多機 注7(過少サービス提供減算)との関係 注7の減算を算定していないこと 告示95号 第54号ニ 直近の平均回数の算出記録の日付:
看多機 届出 市町村長への届出済であること 告示126号 別表8 ロ 注3 届出年月日:  年  月  日
看多機 緊急利用の必要性の認定 小多機と同じ定めを準用(居宅介護支援事業所の介護支援専門員の認定と、事業所の介護支援専門員による支障なしの確認) 告示95号 第74号(第54号を準用) 認めた介護支援専門員の氏名(居宅側/事業所側):
看多機 利用期間 あらかじめ7日以内(家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は14日以内)の利用期間を定めること 告示95号 第74号(第54号を準用) 定めた利用期間:  月  日〜  月  日
看多機 従業者の員数 指定地域密着型サービス基準第171条に定める員数を配置していること(第54号ハの「第63条」を「第171条」と読み替え) 告示95号 第74号 利用日の勤務形態一覧表の確認:済/未

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

登録定員・日割りの定め(このデータベースに収載していない項目)

当社の加算データベースは、基本報酬6区分の単位数と告示上の主要な要件を収載していますが、次の項目は収載範囲の外です。数字や結論を当てはめずに、原典と保険者(指定権者)の取扱いをご確認ください。

項目 このデータベースでの扱い 確認先(記入欄つき)
登録定員・利用定員の具体的な人数 収載していません(月額区分の要件としては「登録者数が厚生労働大臣の定める基準に該当しないこと」という定めのみを収載) 指定地域密着型サービス基準および貴事業所の運営規程で確認。確認日:  月  日
月途中の登録開始・終了時の日割りの取扱い 収載していません 告示の原文と、厚生労働省の関係通知・保険者の取扱いで確認。確認日:  月  日
介護予防(要支援)の単位数 収載していません(本記事の6区分はいずれも要介護1〜5の区分) 介護予防に係る告示の原文で確認。確認日:  月  日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

他のサービスを受けている間の取扱い|告示の注に置かれた除外の定め(2サービス×2本)

月額包括の基本報酬には、「登録者が別のサービスを受けている間は算定しない」旨の注が置かれています。当社データベースに収載している範囲では、小多機は注8・注9、看多機は注12・注13です。列挙されているサービスの並びが両者で少し違う点(小多機の注8には複合型サービスが含まれ、看多機の注12には含まれない)も、そのまま書き写しています。

サービス 告示の注 定めの内容(データベース収載のまま)
小多機 別表4 注8 登録者が短期入所生活介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護・認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・複合型サービスを受けている間は算定しない旨が定められています。
小多機 別表4 注9 他の指定小規模多機能型居宅介護事業所での提供分は算定しない旨が定められています。
看多機 別表8 注12 登録者が短期入所生活介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護・認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を受けている間は算定しない旨が定められています。
看多機 別表8 注13 他の指定看護小規模多機能型居宅介護事業所での提供分は算定しない旨が定められています。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

月額包括のサービスでこの注が効いてくるのは、登録者が月の途中でショートステイやグループホーム等を利用した場面です。その月の請求をどう組み立てるか(どの日からどの日までがどちらの算定か)は、まさに保険者(指定権者)ごとの取扱い確認が要る領域なので、上の表は「確認しに行く前に、告示のどの注が根拠かを特定しておく」ための索引としてお使いください。

小多機と看多機の基本報酬はどこが違うか|告示の別表・注の番号・準用の3点

両サービスの基本報酬の違いを、当社データベースのレコード構成から言える範囲だけで並べます。サービス内容の一般論(訪問看護の提供体制など)はこの表には含めていません。人員基準の中身は、表中の根拠条文(指定地域密着型サービス基準第63条・第171条)の原文でご確認ください。

観点 小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護
告示上の名称と置き場所 小規模多機能型居宅介護費(告示126号 別表4) 看護小規模多機能型居宅介護費=複合型サービス費(告示126号 別表8)
月額の区分の立て方 イ(1)同一建物居住者以外/イ(2)同一建物居住者(注1・注2) 同じ立て方(注1・注2)
月額単位数の水準(要介護1〜5) 10,458〜27,209単位(イ(1)) 12,447〜31,408単位(イ(1))
短期利用の基準の置き方 告示95号 第54号に直接規定 告示95号 第74号が第54号を読み替えて準用
短期利用の従業者の員数の根拠条文 指定地域密着型サービス基準第63条 同基準第171条(読み替え)
他サービス利用中の除外の注 注8(複合型サービスを含む7類型)・注9 注12(6類型)・注13

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

要件の骨組み(届出・同一建物の2区分・登録者数と従業者員数の基準・短期利用の期間の定め)は、ほぼ同じ形で両サービスに置かれています。違いは主に「どの別表・どの条文を根拠として引くか」に現れるため、保険者への照会文書や運営指導の資料づくりでは、上の表の根拠列をそのまま書き分けるのが実務上の近道です。

運営指導で確認されやすい基本報酬まわりの文書|自治体の公表指摘と書類一覧

基本報酬は「要件が少ないから確認も軽い」わけではなく、届出・居住地・員数・(短期利用なら)緊急性の認定と期間の定めという要素ごとに、裏づけの文書が求められます。まず、当社が収集した自治体の公表指摘353件(すべて出典つき)のうち、小多機・看多機に名指しで関係するものから、基本報酬の要件に関わる指摘を挙げます。

公表元(出典) 指摘の内容 基本報酬との関わり
金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」(運営指導等における主な指摘事項 ◇小規模多機能型居宅介護・複合型サービス) 小規模多機能型居宅介護の介護従業者が併設の短期入所生活介護の介護職員を兼務していた(同市の資料には、この兼務は認められない旨が記載)。 従業者の員数は月額・短期利用いずれの区分でも告示上の要素です。兼務関係が分かる勤務表で、員数の裏づけが崩れていないかの確認材料になります。兼務の可否は市の条例で定められており、指定を受けた保険者の条例・公表資料をご確認ください。
足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」 サービス提供が過少である場合の減算について「登録者一人当たりの平均回数を計算した記録がなく、算定の根拠が不明確」という事例が挙げられています。 短期利用居宅介護費の要件には「注7(過少サービス提供減算)の減算を算定していないこと」(告示95号 第54号ニ)が含まれます。平均回数の算出過程を記録として残しているかが、短期利用の要件確認にも直結します。
足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」 領収証を交付していない(引き落としのため未交付・希望者のみ交付という運用が適切ではなく、支払いを受けた全ての利用者へ交付しなければならない旨が記載)。 月額包括の利用料でも、支払いごとの領収証交付の運用が確認対象になっています。請求データと領収証発行の突合の仕組みづくりの参考になります。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、当社が収集した公表指摘353件の中に、小多機・看多機の基本報酬の単位数の区分そのもの(イ(1)とイ(2)の適用や、短期利用居宅介護費の日額)を名指しした指摘は見当たりませんでした。見当たらないことは「確認されない」ことを意味しないため、要素ごとに次の文書を平時から整えておくことをおすすめします。

基本報酬の要素 整えておく文書 その文書に書いておく事項
届出 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書の控え 届出年月日・届出先・受理の確認方法
要介護状態区分 介護保険被保険者証の写し・認定情報の記録 認定の有効期間・区分変更の履歴
同一建物の区分 登録者の住所一覧、事業所と建物の位置関係が分かる資料(平面図等) 登録者ごとの居住建物・転居があった月
登録者数 登録台帳 登録日・登録終了日・月ごとの登録者数
従業者の員数 勤務の体制及び勤務形態一覧表、出勤簿・タイムカード 兼務関係(どの事業のどの職務と兼務か)
過少サービス提供減算との関係 登録者1人当たり平均回数の算出記録 対象の月・分母(登録者数)・算出の過程
短期利用の緊急性 緊急利用の必要性を認めた記録 認めた介護支援専門員の氏名(居宅側・事業所側の両方)と日付
短期利用の期間 利用期間をあらかじめ定めた文書 開始日・終了予定日・14日以内とした場合はやむを得ない事情の内容
他サービス利用中の除外 登録者の他サービス利用状況の記録 ショートステイ等の利用開始日・終了日
利用料 領収証の控え・収納記録 口座振替を含む支払いごとの交付の記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この一覧の書類は、いずれも新しく作るものではなく、日々の運営で既に存在しているはずの様式です。運営指導への備えとして特別な綴りを増やすより、「どの書類のどの欄が、基本報酬のどの要素の裏づけになっているか」の対応を事業所内で共有しておくほうが、確認の場で迷いません。上の表の左列(基本報酬の要素)を勤務表や台帳の表紙に書き添えておく、という小さな工夫でも対応関係は残せます。

月初から請求までの基本報酬の管理フロー|1か月のタイムライン(記入欄つき)

月額包括の基本報酬を月末にまとめて確認しようとすると、転居・区分変更・他サービス利用といった月中の出来事をさかのぼる作業が重くなります。ここでは、基本報酬の6区分に関わる確認だけを、1か月の流れに沿って並べました。加算の要件確認はこの表に含めていません(加算は別記事で扱っています)。実施した日付を右欄に書き込む前提の様式です。

時期 基本報酬に関わる確認 照合する文書 実施日(記入欄)
月初(第1週) 当月の登録者の一覧を確定し、前月からの増減(新規登録・登録終了)を登録台帳に反映します。 登録台帳・契約書類   月  日
月初(第1週) 登録者ごとの要介護状態区分と認定有効期間を確認し、有効期間が当月中に切れる方を控えます。 被保険者証の写し・認定情報の記録   月  日
月初(第1週) 登録者ごとの居住地の区分(同一建物か、それ以外か)を住所一覧で確認し、前月から変わった方がいないかを見ます。 住所一覧・位置関係が分かる資料   月  日
月中(随時) 区分変更申請・転居・入院・ショートステイ等の他サービス利用が発生したら、その日付を登録台帳の備考欄に日単位で残します。 登録台帳・他サービス利用状況の記録 発生の都度
月中(随時) 短期利用(登録者以外)の受け入れがあれば、緊急性を認めた介護支援専門員の氏名(居宅側・事業所側)と、あらかじめ定めた利用期間を、利用開始前に文書化します。 緊急利用の必要性を認めた記録・利用期間を定めた文書 発生の都度
月末(最終週) 登録者1人当たり平均回数を算出し、対象の月・分母・算出過程を記録として残します(注7に関わる記録。短期利用居宅介護費の要件確認の材料にもなります)。 提供記録・平均回数の算出記録   月  日
請求前 登録者ごとに「要介護状態区分×居住地区分」で当月の基本報酬の区分を確定し、月中の出来事(注8・注12の他サービス利用等)がある方は保険者の取扱いに沿って組み立てます。 登録台帳・請求データ   月  日
請求後 支払いを受けた全ての利用者に領収証を交付したかを、請求データと発行台帳の突合で確認します(口座振替を含む)。 領収証の控え・収納記録   月  日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

告示の言い回しを読むための用語の整理(7語)

告示の別表4・別表8を原文で読むときにつまずきやすい言い回しを、本記事で使っている範囲に絞って整理しました。定義の厳密な文言は告示・関係法令の原文でご確認ください。

用語 本記事での意味あい 出てくる場所
登録者 事業所に登録して通い・訪問・宿泊を一体的に利用する方。月額包括(1月につき)の対象です。 月額の単位数表・対照表
同一建物居住者 事業所と同一建物に居住する登録者。イ(2)の区分に対応します。範囲の解釈は保険者により異なりうるとされています。 イ(1)・イ(2)の区分(注1・注2)
電子情報処理組織による届出 市町村長への届出の方法として告示の注1に掲げられている言い回しです。届出の実際の手順は保険者にご確認ください。 月額区分の対照表の「届出」の行
所定単位数 要介護状態区分と居住地区分で定まる、その区分の単位数のこと。本記事の表の数字がこれにあたります。 すべての単位数表
過少サービス提供減算(注7) サービス提供が過少である場合の減算。短期利用居宅介護費の要件に「注7の減算を算定していないこと」として登場します。 短期利用の対照表・管理フロー
複合型サービス 看護小規模多機能型居宅介護の告示上の位置づけ(複合型サービス費)。小多機の除外の注8にはこの語が列挙されています。 別表8の名称・除外の表
準用(読み替え) 看多機の短期利用の基準が、小多機の基準(告示95号 第54号)を条文の読み替えつきで借りてくる構造のこと。 短期利用の対照表・違いの表

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある論点|保険者への照会メモ(6項目・記入欄つき)

基本報酬まわりで実務上の疑問が生じやすい点を、照会用のメモとして整理しました。ここに答えは書いていません。いずれも保険者(指定権者)ごとに運用が異なりうる領域であり、答えを一般化して書くこと自体が誤情報のもとになるためです。照会した日付と回答の要旨を右欄に残しておくと、担当者が替わっても事業所内で引き継げます。

論点 照会の背景(告示上の手がかり) 照会結果(記入欄)
同一建物の範囲 イ(1)とイ(2)を分ける「同一建物」の該当性は、保険者により運用が異なりうるとされています。渡り廊下でつながる建物・併設の集合住宅など、貴事業所の具体的な位置関係を示して確認します。 照会日:  月  日/回答の要旨:
月の途中の転居 登録者が月の途中で同一建物へ転居した(またはその逆の)場合に、その月の区分をどう扱うかは本記事のデータベースに収載がありません。 照会日:  月  日/回答の要旨:
月の途中の登録開始・終了 日割りの取扱いはデータベース収載範囲の外です。登録日・登録終了日の属する月の請求の組み立てを確認します。 照会日:  月  日/回答の要旨:
月の途中の要介護度の変更 区分変更があった月に、どちらの要介護状態区分の単位数で請求を組み立てるかを確認します。 照会日:  月  日/回答の要旨:
他サービス利用と重なった月 注8・注12に列挙されたサービスを月の途中で利用した場合の、日ごとの整理のしかたを確認します。 照会日:  月  日/回答の要旨:
短期利用の期間の延長 7日以内で定めた期間を、家族等の疾病等の事情で14日以内へ改める場合の手続と記録の残し方を確認します。 照会日:  月  日/回答の要旨:

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問

通いの回数が多い月と少ない月で、月額の単位数は変わりますか。

告示は基本報酬を「1月につき」の所定単位数として定めており、通い・訪問・宿泊の回数ごとの単位設定ではありません(告示126号 別表4 イ・別表8 イ)。一方で、サービス提供が過少である場合の減算(小多機の注7)が別に置かれており、短期利用居宅介護費の要件にも「注7の減算を算定していないこと」が含まれています(告示95号 第54号ニ)。回数と報酬の関係は「回数で増える」のではなく「著しく少ない場合の定めが別にある」構造なので、登録者1人当たり平均回数の算出記録を月ごとに残したうえで、取扱いの細部は保険者(指定権者)にご確認ください。

同一建物かどうかは、どの資料を根拠に整理すればよいですか。

区分の根拠は告示126号 別表4・別表8の注1・注2ですが、個々の建物が「同一建物」の範囲に入るかどうかの判断は保険者(指定権者)により運用が異なりえます。登録者の住所一覧と、事業所と建物の位置関係が分かる資料(平面図等)を用意したうえで、届出前に所在市町村へご確認ください。本記事の対照表の記入欄は、その照会に持参する整理用としてお使いいただけます。

短期利用は、登録していない人がどのくらいの期間利用できる枠ですか。

短期利用居宅介護費は、登録者以外の方が緊急に短期間利用する場合の日額の区分で、あらかじめ7日以内(家族等の疾病等やむを得ない事情がある場合は14日以内)の利用期間を定めることが告示上求められています。あわせて、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に利用が必要と認め、かつ事業所の介護支援専門員が登録者への提供に支障がないと認めた場合であること(告示95号 第54号イ。看多機は第74号による準用)が要件として掲げられています。個々のケースの取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

月の途中で登録を開始した場合の単位数は、この記事の表で分かりますか。

分かりません。本記事の単位数表は「1月につき」の所定単位数をそのまま載せたもので、月途中の登録開始・終了時の日割りの取扱いは当社データベースの収載範囲外です。告示の原文と厚生労働省の関係通知、および保険者(指定権者)の取扱いをご確認ください。

要支援の方(介護予防)の単位数はどこを見ればよいですか。

本記事の6区分はいずれも要介護1〜5の区分で、介護予防小規模多機能型居宅介護の単位数は収載していません。介護予防に係る告示の原文をご確認ください。なお、看護小規模多機能型居宅介護には介護予防の類型がない点も含め、制度上の位置づけは原典でのご確認をおすすめします。

小多機と看多機の短期利用の単位数はほぼ同じに見えますが、同じものとして扱ってよいですか。

単位数の水準は近い(差は1日あたり1〜4単位)ものの、告示上は別の区分です。小多機の短期利用居宅介護費は告示126号 別表4 ロに、看多機のそれは別表8 ロに、それぞれ置かれており、市町村長への届出もサービスごとの区分で行われます。要件の基準も、小多機は告示95号 第54号に直接規定され、看多機は第74号による読み替え準用(従業者の員数は第63条を第171条と読み替え)という構造の違いがあります。表を引くときは、必ず自事業所のサービス種別の側の列と根拠をご使用ください。

登録者数や従業者の員数が「厚生労働大臣が定める基準」に触れる場合はどうなりますか。

月額の基本報酬の注1には、登録者の数または従業者の員数が厚生労働大臣が定める基準に該当する場合は「別に定めるところにより算定する」旨が置かれています。この「別に定めるところ」の中身(どの基準で、どのように扱われるか)は本記事のデータベースの収載範囲外のため、厚生労働大臣が定める基準の原文と、保険者(指定権者)の取扱いをご確認ください。日々の実務としては、登録台帳で月ごとの登録者数を、勤務の体制及び勤務形態一覧表で従業者の員数を、それぞれ数えた記録を残しておくことが確認の出発点になります。

この記事の単位数を金額に直すには、何を掛ければよいですか。

本記事の数字は単位数であり、金額にするには所在地域の地域区分ごとの1単位単価を乗じる必要があります。地域区分と単価は本記事の収載範囲外のため、告示の原文と保険者(指定権者)の公表資料でご確認ください。また、実際の請求額には各種の加算・減算が加わるため、基本報酬の単位数だけで月額の請求額は確定しません。

出典:指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表4・別表8、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第54号・第74号(いずれも令和6年度介護報酬改定対応として当社データベースに収載)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。単位数・要件は介護報酬改定により変わります。改定をまたぐ時期は、その時点で適用される告示の原文と、保険者(指定権者)である市町村の最新の取扱いを、あわせて必ずご確認ください。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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