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看取りに関する指針と看取り介護の記録の書き方|サービス種別38の比較表と記入例93例

看取りの場面で事業所に残るのは、ケアそのものではなく「そのとき何を話し、何を見て、誰と何を決めたか」の記録です。ところが看取りの記録は、他の帳票と違って書き方の見本が事業所の中に少ないという特徴があります。年に数件しか起きない、担当した職員が入れ替わる、そして何より、書く側が動揺している場面で書くからです。

本ページは、厚生労働省が公表している運営指導の確認項目・確認文書の一覧(別添1)の全38サービスの節を横断して読んだ結果を土台にしています。最初に、その横断で分かった事実をひとつ置きます。

別添1には「看取り」という名前の確認項目がありません。38サービスすべての節を機械的に検索しても、「看取り」「ターミナル」「終末期」という語は1件も現れません。つまり、看取りの記録は専用の確認項目として見られるのではなく、日々の記録・多職種の協議・説明と同意・緊急時の対応という、既にある確認項目の中身として見られるということです。この構造を先に理解しておかないと、「看取りの様式を作ったのに指摘された」という事態が起きます。

そのうえで、実際に公表されている指摘事例を見ると、看取りで問われているものははっきりしています。久留米市が公表している近年の運営指導における主な指摘事例には、看取り介護に関して(1)利用者等への説明の際に、利用者等に関する記録を活用した説明資料を作成し、その写しを提供していることが確認できない、(2)看取り介護の記録に必要な項目(療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケア/把握した利用者等の意向とそれに基づくアセスメント及び対応)が記載されていない、(3)実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握等が行われていない——の3点が挙げられています。

この3点は、そのまま看取りの記録の設計図になります。説明したことの記録/気持ちの変化とそれに対して何をしたかの記録/終わったあとの振り返りの記録。本ページはこの3つを軸に、指針の全文に近い完成文時期を分けた意思確認の記録の完成文多職種協議の記録の完成文日々の実施記録の完成文指針の見直しの記録の完成文を、そのまま貼って使える形で並べました。

先に、この記事が書かないことを宣言しておきます。医学的な判断や治療方針は書きません。残された時間の見通しや、その方がどうなっていくかについての断定も書きません。それらは医師が説明することであって、記録に書くのは説明があった事実と、その場で本人・家族が口にした言葉です。本ページの完成文は、すべてこの原則で書いてあります。

また、訪問看護のターミナルケア(症状の緩和、疾患ごとの経過、看護記録書への記載)は本ページの範囲外です。本ページが扱うのは施設・居住系サービスにおける「看取りに関する指針」と、事業所として残す記録——つまり、特定の利用者のケア技術ではなく、事業所の体制として何を文書に持っているかです。

なお、指針の見直しの頻度、記録の保存年数、研修の年間実施回数、体制に関する届出の取扱いは、保険者(指定権者)の条例・要綱により運用が異なります。本ページでは可否の判定を示さず、「公表資料に示されている定め/貴事業所の状況(記入欄)/保険者にご確認ください」という対照表の形にしています。

1. 看取りの記録が求められる根拠と、残す記録の全体像

看取りに関する文書を整えようとするとき、多くの事業所が最初につまずくのは「どの基準に基づいて何を作ればよいのかが1か所に書かれていない」という点です。虐待防止や感染症対策のように「指針・委員会・研修・担当者」という4点セットが確認項目として明示されている分野と違い、看取りはその形になっていません。まずここを整理します。

1-1. 別添1を全38サービス横断して分かったこと

運営指導の場で使われる確認項目・確認文書の一覧(別添1)は、サービス種別ごとに節が分かれています。本ページの作成にあたり、38サービスすべての節の本文を対象に「看取り」「ターミナル」「終末期」「重度化」という語を検索しました。結果はいずれも0件です。

一方で、別添1が確認文書として名指ししている「指針」は、38サービスを通じて次の4種類だけでした。

# 別添1が確認文書として挙げている指針 どの確認項目に紐づくか 看取りに関する指針との関係
1 身体的拘束等廃止に関する(適正化のための)指針 取扱方針/身体的拘束等の禁止 別の文書。看取りの場面でも拘束の記録は独立して残す
2 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針 衛生管理等 別の文書。面会の制限に触れる場合は相互参照を置く
3 事故発生の防止のための指針 事故発生の防止及び発生時の対応 別の文書。急変時の対応と混同されやすいので線を引く
4 虐待の発生・再発防止の指針 虐待の防止 別の文書。意思確認の場面での配慮を書く場合は相互参照
看取りに関する指針 別添1には確認項目・確認文書としての記載なし 本ページが扱うもの。別添1以外の根拠で整備される文書

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この事実は、看取りの指針が不要だという意味ではありません。別添1という一枚の紙の上には現れないだけで、看取りの記録は他の確認項目の中身として確実に見られているということです。実際、久留米市の公表資料には看取り介護に関する具体的な指摘が載っています。「別添1に無いから見られない」という読み方をすると、公表事例と正面から食い違います。

1-2. 看取りの記録が入っていく「受け皿」となる確認項目

では、看取りの記録は別添1のどの確認項目の中で読まれるのか。横断して整理すると、受け皿は5つです。

# 受け皿になる確認項目 別添1の確認項目の文言(要旨) 看取りの場面で入る中身 貴事業所の記入欄
1 サービス提供の記録 日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか その日の状態・行ったケア・本人と家族の様子・かけた言葉  
2 内容及び手続の説明及び同意(契約の締結等) 利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか 看取りに関する指針の説明、方針についての説明と同意の記録  
3 個別の計画の作成 本人や家族に説明し、同意を得ているか/目標の達成状況は記録されているか 状態の変化に応じた計画の見直しと、そのつどの説明・同意  
4 緊急時等の対応 緊急事態が発生した場合、速やかに(配置医師/主治の医師/協力医療機関)に連絡しているか 状態が変わったときに誰へ・何時に連絡したかの記録  
5 入退所(入退居)※施設系のみ 多職種で定期的に協議・検討しているか 多職種で話し合った記録。参加職種と検討内容と決めたこと  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この5つのうち、4と5はサービス種別によって有無と文言が変わります。次章の比較表はここを1枚にしたものです。

1-3. 看取りで残す文書の全体像——7種類

看取りに関して事業所が持つ文書は、性質の異なる7種類に分かれます。1冊のファイルに混ぜると、運営指導のときに「どれが指針でどれが個別の記録か」が読み取れなくなります。松山市の資料は、各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録することを示していますが、同じ発想が看取りの書類にも当てはまります。

# 文書 単位 必ず入る欄 綴じる場所 最終更新日(記入欄)
1 看取りに関する指針 1事業所1本 基本的な考え方/役割/体制/説明と意思確認の方法/緊急時の対応/職員研修/見直し/制定日・改定日・決裁者 規程ファイル。運営規程と同じ棚  
2 指針を説明したことの記録 利用者ごと 説明日・説明者・相手・使用した資料・交付の有無・受領の署名または記録 個人ファイルの契約書類の次  
3 本人・家族の意思確認の記録 利用者ごと・回ごと 日時・場所・同席者・話し合った内容・本人の言葉・家族の言葉・次に確認すること 個人ファイル。時系列で追える形  
4 多職種協議(カンファレンス)の記録 利用者ごと・回ごと 開催日時・参加者と職種・議題・検討内容・決めたこと・次回の予定・記録者 個人ファイル。会議体の議事録とは分ける  
5 看取り介護の実施記録 利用者ごと・日ごと 状態・ケアの内容・本人の様子・家族の様子・かけた言葉・家族への説明・記録者 日々の記録の中。まとめて別綴じにしない  
6 実施後の振り返りと職員の負担の把握 事例ごと 開催日・参加者・振り返った内容・次に改めること・職員への支援 指針ファイルの後ろ。個人ファイルにも写しを  
7 指針の見直しの記録 年度ごと 見直しの契機・協議の場・改訂箇所・決裁・周知の方法と時期 指針ファイルの末尾(改定履歴)  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7種類のうち、いちばん抜けやすいのは6番です。久留米市の公表資料が「実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握等が行われていない」と名指ししているのは、まさにここです。ケアが終わった時点で書類も終わったと感じられる場面ですが、記録の上ではここが最後の1枚になります。

1-4. 訪問看護のターミナルケアとの棲み分け

同じ「看取り」という語でも、訪問看護のターミナルケアと、施設・居住系の看取りでは、残す文書の主語が違います。前者は看護職が書く看護の記録、後者は事業所が体制として持つ文書と、多職種で書く生活の記録です。

観点 訪問看護のターミナルケア 施設・居住系の看取り(本ページの範囲)
中心になる文書 訪問看護記録書、訪問看護計画書 看取りに関する指針、日々のサービス提供記録、多職種協議の記録
書く人 主として看護職員 介護職員・看護職員・生活相談員・介護支援専門員など複数職種
身体面の記載 症状の変化と看護の内容が中心 状態は観察した事実として記載。医学的判断は書かない
医師との関係 主治の医師の指示に基づく 配置医師・主治の医師・協力医療機関への連絡の記録(種別により異なる)
事業所として持つ文書 計画・記録・連携の記録 指針という「体制の文書」を1本持つところから始まる
公表事例で問われた点 計画・支援体制の説明と同意、記録書への記載(千葉市) 説明資料の作成と写しの提供、記録項目、実施後の検証(久留米市)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1-5. 記録に書くこと・書かないこと

看取りの記録がむずかしいのは、書き手が「書いてよいのか分からない」と感じる内容が多いためです。線はひとつだけ引けば足ります。見聞きした事実は書く。判断と見通しは書かない。

場面 書かない(判断・見通し) 書く(事実・言葉)
状態について 残された時間の見通しを職員が推測して書く 体温・脈拍・呼吸の様子・食事量・水分量・傾眠の時間帯など観察した事実
医師の説明 説明の内容を職員が要約して医学的に言い換える 説明があった日時・説明者・同席者・本人と家族が口にした言葉
本人の意思 「◯◯を望んでいると思われる」という職員の推測 本人が言った言葉をそのまま。言葉がないときは、そのときの表情・動作
家族の意向 家族の判断への評価(「理解が乏しい」など) 家族が言った言葉と、その場で確認したこと、次に確認すると決めたこと
方針 職員が決めた結論として書く 誰と誰で話し合い、その場で何が決まり、何が未決のまま残ったか
急変時 原因の推定や責任の所在 覚知の時刻・観察した状態・連絡した相手と時刻・受けた指示・行った対応
ご逝去後 ご家族の反応についての評価 行った対応、ご家族との間で交わした事実、事業所として確認したこと

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

もうひとつ、意思決定を誘導する書き方をしないという原則があります。記録は、後から読む人が「このとき本人と家族が何を言ったか」をたどるためにあります。事業所側が期待する結論に向かって整えられた記録は、その用を果たしません。本ページの完成文は、話し合った事実と、本人・家族の言葉だけを残す形で書いてあります。

2. サービス種別×記載項目の比較表

看取りの記録は、種別によって綴じ先の帳票名も、連絡すべき相手の呼び方も、多職種協議が確認項目として名指しされるかどうかも変わります。ここを揃えないまま他所の様式を借りると、自分の種別には無い欄が残り、逆にあるべき欄が抜けます。以下は別添1の各サービス節から機械的に抜き出した対照です。

2-1. 全38サービス——「看取り」の確認項目の有無と、受け皿になる確認項目

左から順に、別添1に「看取り」という確認項目があるか、日々の記録がどの確認項目で見られるか、緊急時の連絡先がどう書かれているか、多職種での協議が確認項目として書かれているか、です。

サービス種別 別添1の「看取り」確認項目 日々の記録の確認項目(条項) 緊急時等の対応(条項/連絡先の文言) 多職種での協議の確認項目
介護老人福祉施設 記載なし サービス提供の記録(第8条) 第20条の2/配置医師と連携 入退所(第7条)で多職種の協議・検討
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 記載なし サービス提供の記録(第135条) 第145条の2/配置医師と連携 入退所(第134条)で多職種の協議・検討
介護老人保健施設 記載なし サービスの提供の記録(第9条) 確認項目なし 入退所(第8条)で多職種の協議・検討
介護医療院 記載なし サービスの提供の記録(第13条) 確認項目なし 入退所(第12条)で多職種の協議・検討
介護療養型医療施設 記載なし サービスの提供の記録(第10条) 確認項目なし 記載なし(退院時の情報提供の項目あり)
特定施設入居者生活介護 記載なし サービス提供の記録(第181条) 第51条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし(計画作成時に他の従業者と協議)
地域密着型特定施設入居者生活介護 記載なし サービス提供の記録(第116条) 第80条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし(計画作成時に他の従業者と協議)
介護予防特定施設入居者生活介護 記載なし サービス提供の記録(第237条) 第51条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし(計画作成時に他の従業者と協議)
認知症対応型共同生活介護 記載なし サービス提供の記録(第95条) 第80条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし(計画作成時に担当者会議等で意見聴取)
介護予防認知症対応型共同生活介護 記載なし サービス提供の記録(第75条) 第56条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし(計画作成時に担当者会議等で意見聴取)
短期入所生活介護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第136条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
介護予防短期入所生活介護 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 第137条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
短期入所療養介護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 確認項目なし 記載なし
介護予防短期入所療養介護 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 確認項目なし 記載なし
小規模多機能型居宅介護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第80条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
介護予防小規模多機能型居宅介護 記載なし サービスの提供の記録(第21条) 第56条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
看護小規模多機能型居宅介護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第180条/主治の医師 記載なし
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第3条の27/主治の医師 記載なし(医療連携の項目あり)
夜間対応型訪問介護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第12条/主治の医師 記載なし
認知症対応型通所介護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第12条/主治の医師 記載なし
介護予防認知症対応型通所介護 記載なし サービスの提供の記録(第21条) 第25条/主治の医師 記載なし
地域密着型通所介護 記載なし サービスの提供の記録(第3条の18) 第12条/主治の医師 記載なし
通所介護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第27条/主治の医師 記載なし
通所リハビリテーション 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第27条/主治の医師 記載なし
介護予防通所リハビリテーション 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 第118条の3/主治の医師 記載なし
訪問介護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第27条/主治の医師 記載なし
訪問入浴介護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第51条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
介護予防訪問入浴介護 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 第51条/主治の医師又は協力医療機関 記載なし
訪問看護 記載なし サービス提供の記録(第19条) 第72条/主治の医師 記載なし
介護予防訪問看護 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 第71条/主治の医師 記載なし
訪問リハビリテーション 記載なし サービス提供の記録(第19条) 確認項目なし 記載なし
介護予防訪問リハビリテーション 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 確認項目なし 記載なし
居宅療養管理指導 記載なし サービス提供の記録(第19条) 確認項目なし 記載なし
介護予防居宅療養管理指導 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 確認項目なし 記載なし
福祉用具貸与 記載なし サービス提供の記録(第19条) 確認項目なし 記載なし
介護予防福祉用具貸与 記載なし サービス提供の記録(第49条の13) 確認項目なし 記載なし
居宅介護支援 記載なし 確認項目なし(具体的取扱方針で担当者会議等を確認) 確認項目なし 記載なし(担当者会議の記録が確認文書)
介護予防支援 記載なし 確認項目なし(具体的取扱方針で担当者会議等を確認) 確認項目なし 記載なし(担当者会議の記録が確認文書)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表から読める要点は3つあります。第一に、38サービスのどこにも「看取り」という確認項目は無い。第二に、緊急時の連絡先の文言は3通りに分かれる——「配置医師と連携」(介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護)、「主治の医師又は協力医療機関」(特定施設系・認知症対応型共同生活介護・短期入所生活介護・小規模多機能型居宅介護など)、「主治の医師」(訪問系・通所系・看護小規模多機能型居宅介護など)。第三に、多職種での協議が確認項目に書かれているのは施設4種別だけです。

2-2. 緊急時の連絡先の文言が種別で変わる——3つの型

看取りの指針に「緊急時の対応」を書くとき、ここを自分の種別の文言に合わせないと、指針と別添1の確認項目がずれます。連絡先を「主治医」とだけ書いた指針を配置医師のいる施設で使うと、指針の文言が確認項目の文言と噛み合いません。

別添1の文言 該当するサービス種別 指針の「緊急時の対応」に書く相手 貴事業所の記入欄(連絡先・時間帯別)
A:配置医師型 速やかに配置医師と連携をとっているか 介護老人福祉施設/地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 配置医師。連携の方法と、配置医師に連絡がつかないときの手順  
B:主治の医師又は協力医療機関型 速やかに主治の医師又は協力医療機関に連絡しているか 特定施設入居者生活介護/地域密着型特定施設入居者生活介護/介護予防特定施設入居者生活介護/認知症対応型共同生活介護/介護予防認知症対応型共同生活介護/短期入所生活介護/介護予防短期入所生活介護/小規模多機能型居宅介護/介護予防小規模多機能型居宅介護/訪問入浴介護/介護予防訪問入浴介護 主治の医師と協力医療機関の両方。どちらを先に呼ぶかの順序も書く  
C:主治の医師型 速やかに主治の医師に連絡しているか 看護小規模多機能型居宅介護/定期巡回・随時対応型訪問介護看護/夜間対応型訪問介護/認知症対応型通所介護/介護予防認知症対応型通所介護/地域密着型通所介護/通所介護/通所リハビリテーション/介護予防通所リハビリテーション/訪問介護/訪問看護/介護予防訪問看護 主治の医師。連絡がつかないときに誰へつなぐかを併記  
D:確認項目なし 緊急時等の対応の確認項目が置かれていない 介護老人保健施設/介護医療院/介護療養型医療施設/短期入所療養介護/介護予防短期入所療養介護/訪問リハビリテーション/介護予防訪問リハビリテーション/居宅療養管理指導/介護予防居宅療養管理指導/福祉用具貸与/介護予防福祉用具貸与/居宅介護支援/介護予防支援 別添1に確認項目が無い種別。医師が配置されている施設は施設内の手順として書く  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-3. 多職種での協議が確認項目に書かれている4種別——参加職種の呼び名が違う

別添1で「多職種で定期的に協議・検討しているか」が確認項目になっているのは施設4種別です。そして、括弧の中に列挙されている職種が種別ごとに違います。カンファレンス記録の参加者欄は、この列挙に合わせて作るのがいちばん素直です。

サービス種別 確認項目(条項) 別添1が列挙している多職種 確認文書 カンファレンス記録の参加者欄に置く職名(記入欄)
介護老人福祉施設 入退所(第7条) 生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等 アセスメントシート/モニタリングシート/施設サービス計画/入所検討委員会会議録  
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 入退所(第134条) 生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等 アセスメントシート/モニタリングシート/地域密着型施設サービス計画/入所検討委員会会議録  
介護老人保健施設 入退所(第8条) 医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等 アセスメントシート/モニタリングシート/施設サービス計画/入所検討委員会会議録  
介護医療院 入退所(第12条) 医師、薬剤師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等 アセスメントシート/モニタリングシート/施設サービス計画/入所検討委員会会議録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

介護老人保健施設と介護医療院には医師と薬剤師が列挙されています。看取りの協議記録で参加者欄が「介護職員3名」だけになっていると、この列挙との差がそのまま見えます。逆に介護老人福祉施設と地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護の列挙に薬剤師はありません。他所の様式をそのまま借りると、この差が埋まらないまま残ります。

2-4. 綴じ先になる個別の計画の名称——17種別

看取りの記録は独立した様式に書いても、最終的には個別の計画とセットで読まれます。計画の名称は種別ごとに違うので、記録の表題や相互参照の書き方も変わります。

サービス種別 個別の計画の名称(別添1) 看取りの記録の綴じ先 計画の見直しのたびに残すもの 貴事業所の様式名(記入欄)
介護老人福祉施設 施設サービス計画 個人ファイル。日々の記録はサービス提供記録・業務日誌 説明した日・同意した日・同意した方の続柄  
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 地域密着型施設サービス計画 同上 同上  
介護老人保健施設 施設サービス計画 同上 同上  
介護医療院 施設サービス計画 同上 同上  
介護療養型医療施設 施設サービス計画 同上 同上  
特定施設入居者生活介護 特定施設サービス計画 個人ファイル。日々の記録はサービス提供記録・業務日誌 同上  
地域密着型特定施設入居者生活介護 地域密着型特定施設サービス計画 同上 同上  
介護予防特定施設入居者生活介護 介護予防特定施設サービス計画 同上 同上  
認知症対応型共同生活介護 認知症対応型共同生活介護計画 個人ファイル。日々の記録はサービス提供記録・業務日誌・モニタリングシート 同上  
介護予防認知症対応型共同生活介護 介護予防認知症対応型共同生活介護計画 同上 同上  
短期入所生活介護 短期入所生活介護計画 個人ファイル。居宅サービス計画との整合を併記 居宅の介護支援専門員へ伝えた日と方法  
介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所生活介護計画 同上 同上  
短期入所療養介護 短期入所療養介護計画 同上 同上  
介護予防短期入所療養介護 介護予防短期入所療養介護計画 同上 同上  
小規模多機能型居宅介護 小規模多機能型居宅介護計画 個人ファイル。通い・訪問・泊まりのどこで書いたかを明示 登録者の居宅での様子と事業所での様子の両方  
介護予防小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能型居宅介護計画 同上 同上  
看護小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護計画 同上。看護の記録との重複を整理する 主治の医師への連絡の記録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-5. 看取りの指針が求められていない種別の扱い

ここを曖昧にしたまま「うちも作ったほうがよいのでは」と広げると、運用されない文書が増えます。作らないと決めることも設計です。

区分 サービス種別 看取りに関する指針 代わりに整えるもの 貴事業所の判断(記入欄)
居住・入所が続く種別 介護老人福祉施設/地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護/介護老人保健施設/介護医療院/介護療養型医療施設/特定施設入居者生活介護/地域密着型特定施設入居者生活介護/認知症対応型共同生活介護 体制の文書として持つ意義が大きい 指針・意思確認の記録・多職種協議の記録・実施記録・振り返り  
泊まりを含む通いの種別 小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護/短期入所生活介護/短期入所療養介護 居宅の担当者との役割分担を先に決める 急変時の連絡手順、居宅の介護支援専門員への連絡の記録  
通所のみの種別 通所介護/地域密着型通所介護/認知症対応型通所介護/通所リハビリテーション 指針という形をとる場面は限られる 緊急時対応マニュアル、家族・主治の医師への連絡の記録  
訪問系の種別 訪問介護/訪問入浴介護/訪問リハビリテーション/居宅療養管理指導 同上 緊急時対応マニュアル、サービス提供責任者等への報告の記録  
訪問看護・定期巡回等 訪問看護/介護予防訪問看護/定期巡回・随時対応型訪問介護看護 看護の記録の体系で扱われる領域 主治の医師との連携の記録、計画・支援体制の説明と同意の記録  
用具・支援の種別 福祉用具貸与/介護予防福祉用具貸与/居宅介護支援/介護予防支援 指針の対象になりにくい 担当者会議の記録、情報提供と連絡の記録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ただし、上の区分は指針という文書の要否についての整理であって、記録の要否ではありません。通所や訪問の種別でも、その方の状態が変わった日の記録、家族へ連絡した記録、主治の医師へ連絡した記録は、別添1の「サービス提供の記録」「緊急時等の対応」の確認項目にそのまま入ります。

3. 看取りに関する指針——項目ごとの完成文

ここからは、そのまま貼って使える文です。◯で示した箇所は貴事業所の実態に置き換えてください。数字(回数・時間・年数)は保険者の運用によって変わるため、あえて空欄にしています。埋めた数字と、それを実行した記録の回数が食い違っているのが、いちばん指摘されやすい形です。

3-1. 指針の構成——7項目と、それぞれが答えている問い

# この条が答えている問い この条があることで残る記録 貴事業所の記入欄(担当)
1 基本的な考え方 この事業所は何を大切にして看取りに向き合うのか 職員への説明資料、家族への説明資料の冒頭  
2 医師・看護職員・介護職員等の役割 誰が何をするのか、誰が誰に連絡するのか 役割分担表、連絡網  
3 体制 個室・寝具・面会・記録・夜間の人の配置をどうするか 環境の準備の記録、勤務体制一覧表  
4 本人・家族への説明と意思確認の方法 いつ、誰が、何を使って説明し、どう記録するか 説明資料とその写しの交付記録、意思確認の記録  
5 緊急時の対応 状態が変わったとき、誰に何分以内に連絡するか 連絡の記録(時刻・相手・内容・受けた指示)  
6 職員研修 何を、誰に、どう教え、どう記録するか 年間研修計画、研修実施記録、参加者名簿  
7 指針の見直し いつ、何をきっかけに、誰が見直すか 見直しの記録、改定履歴、周知の記録  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-2. 第1条 基本的な考え方——完成文

完成文1(施設・居住系の標準)

第1条(基本的な考え方) ◯◯(以下「当事業所」という。)は、加齢や疾病により心身の状態が変化していく過程においても、ご本人が住み慣れた生活の場で、ご本人らしく過ごしていただくことを支援する。当事業所は、ご本人及びご家族の意向を繰り返し伺いながら、医師、看護職員、介護職員、生活相談員、介護支援専門員その他の関係職種が協働して支援にあたるものとし、その過程を記録に残す。当事業所は、ご本人及びご家族の意向は時間の経過とともに変わり得るものであることを前提とし、いったん確認した内容を確定したものとして扱わない。

完成文2(認知症対応型共同生活介護向け)

第1条(基本的な考え方) 当事業所は、認知症であるご本人が、共同生活住居における日々の暮らしの延長線上で最期の時を迎えられるよう支援する。当事業所は、ご本人が言葉で意向を表しにくい場合であっても、表情、動作、これまでの生活の中で語られてきた言葉、ご家族が知るご本人の人となりを手がかりとして、ご本人にとって望ましい過ごし方を関係者で繰り返し検討する。検討の経過は、結論だけでなく、そこで出された意見とともに記録する。

完成文3(短期入所・小規模多機能型など、居宅の担当者がいる場合)

第1条(基本的な考え方) 当事業所は、ご本人が居宅で生活を続けながら当事業所を利用される中で、心身の状態が変化した場合においても、居宅介護支援事業所の介護支援専門員、主治の医師、ご家族と連絡を取りながら支援を継続する。当事業所は、居宅における生活全体の方針を当事業所のみで決定しないものとし、当事業所が把握した情報は速やかに介護支援専門員及び主治の医師へ伝達し、その日時と内容を記録する。

3-3. 第2条 医師・看護職員・介護職員等の役割——完成文

ここは種別によって書き分けが必要な条です。2-2の表で自分の型(A・B・C)を確認してから貼ってください。

完成文4(A型:配置医師のいる施設)

第2条(職種ごとの役割) 配置医師は、ご本人の状態について診察を行い、ご本人及びご家族に対する説明を行う。看護職員は、配置医師の指示に基づき必要な対応を行うとともに、ご本人の状態を観察し、記録し、配置医師及び介護職員へ伝達する。介護職員は、日々の生活の支援を行い、その日のご本人の様子、ご家族の様子、行ったケアの内容を記録する。生活相談員は、ご家族との連絡の窓口となり、面会・宿泊・付き添いに関する調整を行う。介護支援専門員は、施設サービス計画の見直しと、関係職種の協議の場の設定を行う。管理者は、各職種の記録が漏れなく残されていることを週◯回確認する。

完成文5(B型:主治の医師又は協力医療機関と連携する事業所)

第2条(職種ごとの役割) 管理者は、主治の医師及び協力医療機関との連絡体制を維持し、連絡先及び時間帯別の連絡方法を事業所内に掲示する。看護職員は、ご本人の状態を観察し、主治の医師又は協力医療機関へ連絡し、受けた指示の内容を記録する。介護職員は、日々の生活の支援を行い、状態の変化に気づいたときは直ちに看護職員又は管理者へ報告し、報告した時刻と内容を記録する。計画作成担当者は、個別の計画の見直しと、ご本人及びご家族への説明の場の設定を行う。

完成文6(C型:主治の医師へ連絡する事業所)

第2条(職種ごとの役割) 管理者は、主治の医師、居宅介護支援事業所の介護支援専門員、ご家族の連絡先を一覧にし、時間帯別の連絡順序を定める。サービス提供にあたる従業者は、ご本人の状態について気づいたことを、その日のうちに記録し、管理者へ報告する。管理者は、報告を受けた内容のうち、主治の医師又は介護支援専門員へ伝達すべきものを判断し、伝達した日時・相手・内容を記録する。

完成文7(役割分担表を別紙にする場合の条文)

第2条(職種ごとの役割) 職種ごとの役割の詳細は、別紙「看取りに関する役割分担表」に定める。別紙は、職種、担当する事項、記録する様式、報告先、報告の時期を欄として持つものとし、従業者の異動があった場合は速やかに改める。改めた場合は、改めた日と改めた者を別紙の末尾に記載する。

3-4. 第3条 体制——完成文

完成文8(居室・環境)

第3条(体制) 当事業所は、ご本人及びご家族が落ち着いて過ごせるよう、居室の環境を調整する。調整にあたっては、ご本人の希望、同室者がある場合の同室者への配慮、ご家族の付き添いの希望を確認し、確認した内容と実際に行った調整を記録する。ご家族が宿泊を希望される場合の受け入れの可否、寝具の用意、食事の提供の可否については、あらかじめ書面で説明し、説明した日と説明した相手を記録する。

完成文9(記録の体制)

第3条の2(記録の体制) 当事業所は、看取りに関する記録として、ご本人及びご家族の意思確認の記録、関係職種による協議の記録、日々の状態とケアの記録、ご家族への説明の記録を残す。日々の記録には、その日の状態、行ったケアの内容、ご本人の様子、ご家族の様子、ご家族へ伝えた内容、記録した職員名を記載する。記録は勤務帯ごとに残すものとし、記載がない勤務帯を生じさせない。

完成文10(夜間・休日の体制)

第3条の3(夜間及び休日の体制) 夜間及び休日においてご本人の状態に変化があった場合、その勤務帯の従業者は、あらかじめ定めた連絡順序に従って連絡を行い、連絡した時刻、連絡した相手、伝えた内容、受けた指示を記録する。連絡がつかない場合は、次の連絡先へ順に連絡し、連絡を試みた時刻もあわせて記録する。

完成文11(記録様式の一覧を条文に置く場合)

第3条の4(使用する様式) 当事業所が看取りに関して使用する様式は次のとおりとする。(1)看取りに関する説明書及び同意書、(2)意思確認の記録、(3)関係職種協議記録、(4)看取り介護の実施記録、(5)ご家族への説明の記録、(6)実施後の振り返りの記録。様式を変更する場合は、変更前の様式を◯年間保存する。

3-5. 第4条 本人・家族への説明と意思確認の方法——完成文

久留米市の公表資料が最初に挙げているのが「利用者等に関する記録を活用した説明資料を作成し、その写しを提供していることが確認できない」という点です。つまり、一般的な説明文書を読み上げるだけでは、この条を満たしたことが記録上見えません。その方の記録を使った資料を作り、写しを渡し、渡したことを記録する——この3段が条文に入っている必要があります。

完成文12(説明の手順)

第4条(説明と意思確認) 当事業所は、ご利用の開始時に、本指針の内容をご本人及びご家族に説明し、本指針の写しを交付する。説明にあたっては、説明した日、説明した者、説明を受けた方の氏名及び続柄、交付した書面を記録する。その後、ご本人の状態に変化があったとき、ご家族から申出があったとき、及び個別の計画を見直すときに、改めて説明の場を設ける。

完成文13(説明資料の作り方を条文に置く)

第4条の2(説明資料) 前条の説明のうち、ご本人の状態に関する説明を行う場合、当事業所は、ご本人に関する記録(日々の状態の記録、食事及び水分の摂取の記録、個別の計画、モニタリングの記録等)を用いて説明資料を作成し、その写しをご本人及びご家族に提供する。提供した資料の名称、提供した日、提供した相手を記録する。

完成文14(意思確認の方法)

第4条の3(意思確認の方法) 当事業所は、ご本人の意向を確認するにあたり、ご本人が話しやすい時間帯及び場所を選び、ご本人の言葉をそのまま記録する。ご本人が言葉で表すことが難しい場合は、そのときの表情、動作、反応を観察した事実として記録する。当事業所の職員は、特定の選択を勧める言い方をしない。確認した内容は、ご本人及びご家族に読み上げて確かめ、確かめた事実を記録する。

完成文15(意向が変わることを前提にする条文)

第4条の4(意向の変化) ご本人及びご家族の意向は変わり得るものであることから、当事業所は、確認した内容を最終のものとして扱わない。前回と異なる内容が示された場合は、前回の記録を書き換えず、新たな記録として日付を付して残す。変わった経緯についてご本人及びご家族が語られた言葉は、そのまま記録する。

完成文16(記録の保管と共有)

第4条の5(記録の共有) 意思確認の記録は、ご本人の個人ファイルに時系列で綴じ、勤務する従業者が直近の内容を確認できる状態に置く。夜間の勤務者を含む全ての従業者が確認できるよう、直近の内容の要点を申し送りに記載する。要点の記載は、確認した日、確認した相手、確認した内容の3点とする。

3-6. 第5条 緊急時の対応——完成文

完成文17(A型:配置医師)

第5条(緊急時の対応) ご本人の状態に変化があった場合、発見した従業者は直ちに看護職員へ報告し、看護職員は速やかに配置医師と連携をとる。報告及び連携にあたっては、覚知した時刻、観察した状態、報告した相手、報告した時刻、受けた指示、行った対応を記録する。配置医師と連絡がつかない場合の手順は、別紙「緊急時連絡順序」に定める。

完成文18(B型:主治の医師又は協力医療機関)

第5条(緊急時の対応) ご本人の状態に変化があった場合、発見した従業者は直ちに管理者又は看護職員へ報告し、速やかに主治の医師又は協力医療機関に連絡する。連絡にあたっては、覚知した時刻、観察した状態、連絡した相手、連絡した時刻、受けた指示、行った対応を記録する。あわせて、ご家族へ連絡し、連絡した時刻と伝えた内容を記録する。

完成文19(C型:主治の医師)

第5条(緊急時の対応) サービス提供中にご本人の状態に変化があった場合、従業者は直ちに管理者へ報告し、速やかに主治の医師に連絡する。あわせて、ご家族及び居宅介護支援事業所の介護支援専門員へ連絡する。連絡した時刻、相手、伝えた内容、受けた指示、行った対応を記録する。

完成文20(救急要請についての条文)

第5条の2(救急要請) 救急要請を行うかどうかについては、あらかじめご本人及びご家族と話し合い、その内容を記録しておく。話し合いの記録がある場合であっても、その場の状況において判断が求められる場合があることから、当事業所は、判断を行った者、判断した時刻、判断の際に確認した記録、行った対応を記録する。

完成文21(記録が事故報告と重なる場合の整理)

第5条の3(記録の区分) 前2条の記録は、事故発生時の記録とは別の様式に記載する。ただし、保険者への報告を要する事案に当たるかどうかについては、保険者が公表する基準により確認し、確認した結果と確認した日を記録する。報告を要する事案の範囲は保険者により異なることから、当事業所は所在地の保険者の公表資料により確認する。

3-7. 第6条 職員研修——完成文

松山市の資料には、研修を実施した際は実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すこと、各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録することが示されています。看取りの研修を身体的拘束等の適正化や虐待の防止の研修と同日にまとめる事業所は多いので、ここは効いてきます。

完成文22(研修の条文)

第6条(職員研修) 当事業所は、看取りに関する研修を年◯回実施する。研修の内容は、本指針の内容、記録の書き方、ご本人及びご家族への接し方、職員自身の気持ちの整理に関する事項とする。研修を実施したときは、実施日時、参加者の氏名、研修内容、使用した資料を記録する。他の研修と同日に実施する場合は、それぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録する。

完成文23(新規採用者への研修)

第6条の2(新規採用時の研修) 新たに採用した従業者に対しては、採用後◯日以内に本指針の内容を説明し、説明した日、説明した者、説明を受けた者を記録する。説明にあたっては、看取りに関する記録の様式を実際に示し、どの欄に何を書くかを確認する。

完成文24(職員の気持ちの整理を扱う条文)

第6条の3(従業者への支援) 当事業所は、看取りに関わった従業者が感じたことを話せる場を設ける。場を設けた日、参加した者、話された内容の要点、当事業所として行った対応を記録する。この記録は、個人が特定される内容を含む場合があることから、保管の方法を定めて管理する。

3-8. 第7条 指針の見直し——完成文

完成文25(見直しの条文)

第7条(指針の見直し) 当事業所は、本指針を年◯回見直す。あわせて、次のいずれかに当たる場合は、その都度見直しを行う。(1)看取りを実施した事例について振り返りを行い、手順を改める必要が生じたとき。(2)関係する法令又は保険者の運用に変更があったとき。(3)配置医師、協力医療機関又は主治の医師との連携の方法が変わったとき。(4)従業者から改善の申出があったとき。見直しを行ったときは、見直しの契機、協議した場、改めた箇所、決裁した者、周知の方法と時期を記録する。

完成文26(附則と改定履歴)

附則 本指針は、令和◯年◯月◯日から施行する。/改定履歴 第1版 令和◯年◯月◯日制定(決裁:◯◯)/第2版 令和◯年◯月◯日改定(改定箇所:第5条の連絡順序。契機:協力医療機関の変更。決裁:◯◯。周知:令和◯年◯月◯日 全体会議にて説明、欠席者へは◯月◯日に個別に説明)

完成文27(閲覧に関する条文)

第8条(閲覧) 本指針は、ご本人、ご家族その他の関係者がいつでも閲覧できるよう、事業所内の◯◯に備え置く。あわせて、閲覧できる旨を重要事項説明書に記載する。堺市の資料では、身体拘束適正化のための指針及び虐待の防止のための指針について「閲覧に関する事項」が抜けていることが多い項目として挙げられており、看取りに関する指針でも同じ欄を設けておくことが考えられる。

4. 本人・家族の意思確認の記録と、多職種協議の記録

この章が本ページの中心です。久留米市の公表資料が挙げている「把握した利用者等の意向とそれに基づくアセスメント及び対応」という記載項目は、ここで書く記録のことを指しています。

4-1. 意思確認の記録が満たすべき条件

意思確認の記録には、他の帳票にはない特有の要求があります。1回書いて終わりにできないということです。意向は変わります。変わったこと自体が記録に残っていなければ、後から読む職員は古い内容に沿って動いてしまいます。

# 条件 満たしている記録 満たしていない記録 貴事業所の様式に欄があるか(記入欄)
1 いつの話か分かる 年月日と時刻、場所、同席者が書いてある 「入居時に確認済み」とだけ書いてある  
2 誰が言ったか分かる 本人の言葉と家族の言葉が分けて書いてある 「本人・家族の意向」として一括りになっている  
3 言葉がそのまま残っている 「」で本人の言葉を引いている 職員が要約した文だけが書いてある  
4 誘導していない 職員は問いかけと確認だけを行っている 選択肢のどれかを勧める発言が記録に残っている  
5 変化が追える 回ごとに新しい記録として残り、前回を書き換えていない 1枚の用紙を上書きしている  
6 次にすることが書いてある 「次回は◯◯を確認する」と書いてある 話し合った内容だけで終わっている  
7 アセスメントと対応につながっている 確認した意向を受けて計画やケアをどう変えたかが書いてある 意向の記録と計画が別々に存在している  
8 説明資料が特定できる 使用した資料名と交付の有無が書いてある 「説明した」とだけ書いてある  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-2. 第1回——ご利用の開始時の記録の完成文

完成文28(施設・居住系/入居時)

令和◯年◯月◯日(◯)14:00〜14:40/面談室/同席:ご本人、長女様、施設長、介護支援専門員、看護職員/記録者:◯◯。当事業所の看取りに関する指針について、指針の写しを用いて説明した。写しは長女様へ交付した。ご本人からは「痛いのは嫌だね。ここは静かでいい」との言葉があった。長女様からは「まだ先の話だと思っていたので、急に決めるのは難しい」との言葉があった。当事業所からは、今の時点で何かを決めていただく場ではないこと、いつでも変更できること、変更のご希望はいつでも受け付けることをお伝えした。次回は、◯月の計画の見直しの際に改めてお話しする。本日の内容は施設サービス計画の見直しの参考とする。

完成文29(認知症対応型共同生活介護/入居時)

令和◯年◯月◯日(◯)10:30〜11:10/リビング/同席:ご本人、ご長男様、計画作成担当者、管理者/記録者:◯◯。看取りに関する指針を説明し、写しを交付した。ご本人はうなずきながら聞かれ、「みんながいるところがいい」と話された。ご長男様からは「本人が何を望むかを一番に考えたい。父の口から聞ける間に聞いておきたい」との言葉があった。当事業所からは、日々の暮らしの中でご本人が話されたことを記録に残し、そのつどお伝えすることをお約束した。次回は◯月◯日の面会時に、ご本人が最近話されている内容をお伝えする。

完成文30(短期入所/居宅の担当者がいる場合)

令和◯年◯月◯日(◯)13:00〜13:30/相談室/同席:ご本人、ご長女様、生活相談員、看護職員/記録者:◯◯。ご利用の開始にあたり、当事業所で状態に変化があった場合の連絡の手順を説明した。連絡順序は、主治の医師(◯◯医院)、ご長女様、居宅介護支援事業所(担当:◯◯介護支援専門員)の順とすることをご確認いただいた。ご長女様からは「夜中でも構わないので必ず電話がほしい」との言葉があった。連絡先の優先順位を様式に記載し、居宅介護支援事業所へも同日に情報提供した(14:10/電話/担当◯◯)。

完成文31(説明資料を用いた場合の追記)

説明にあたり、直近1か月の食事・水分の摂取量の記録、体重の推移、日中の過ごし方の記録を用いて説明資料(A4・2枚/資料名「◯◯様のこの1か月の様子」)を作成し、その写しをご長女様へ交付した。交付日:令和◯年◯月◯日。交付を受けた方:ご長女様。

4-3. 第2回——状態に変化があったときの記録の完成文

完成文32(食事量の変化があったとき)

令和◯年◯月◯日(◯)16:00〜16:35/居室/同席:ご本人、ご長女様、看護職員、介護職員◯◯/記録者:◯◯。この2週間の食事量・水分摂取量の記録を用いた説明資料をお示しし、当事業所で見えている様子をお伝えした。医学的な内容については、◯月◯日に配置医師から説明の場を設ける旨をお伝えした。ご本人は目を開けて話を聞かれ、「もういいよ、無理しなくていいよ」と話された。ご長女様からは「本人がそう言うなら、無理に食べさせなくていいのかもしれない。でも決めきれない」との言葉があった。当事業所からは、今日決めなくてよいこと、次の医師の説明のあとにもう一度お話しできることをお伝えした。次回:◯月◯日の医師説明の後。

完成文33(意思が前回と変わったとき)

令和◯年◯月◯日(◯)11:00〜11:30/面談室/同席:ご長男様、施設長、看護職員/記録者:◯◯。◯月◯日の記録では「できることは全てしてほしい」とのお話であったが、本日は「先週、本人が苦しそうにしているのを見て気持ちが変わった。静かに過ごさせてあげたい」との言葉があった。◯月◯日の記録は書き換えず、本日の記録を新たに作成する。当事業所からは、お気持ちは何度変わっても構わないこと、変わったときはそのつどお知らせいただきたいことをお伝えした。本日の内容を関係職種で共有し、◯月◯日にカンファレンスを開く。

完成文34(ご家族の間で意見が異なるとき)

令和◯年◯月◯日(◯)15:00〜16:00/面談室/同席:ご長女様、ご次男様、施設長、介護支援専門員/記録者:◯◯。ご長女様からは「本人が前に言っていた通りにしてあげたい」、ご次男様からは「まだ何かできることがあるのではないか」との言葉があった。当事業所からは、双方のお考えをそのまま記録に残すこと、当事業所として一方のお考えを採るものではないこと、医師からの説明の場を改めて設けることをお伝えした。ご次男様より、次回は主治の医師の説明に同席したいとのご希望があった。次回:◯月◯日◯時、医師説明に同席(調整済み)。

完成文35(ご本人が言葉で表しにくいとき)

令和◯年◯月◯日(◯)10:00〜10:20/居室/同席:ご本人、介護職員◯◯/記録者:◯◯。ご本人に「今日は何をして過ごしたいですか」と伺った。返答はなかったが、窓の方を見て手を動かされた。カーテンを開けると目を開けられ、しばらく外を見ておられた。声をかけると小さくうなずかれた。本日の様子を◯月◯日の面談でご家族へお伝えする。※本記録は観察した事実の記載であり、ご本人の意向を確定するものではない。

完成文36(医師からの説明に同席したとき)

令和◯年◯月◯日(◯)14:00〜14:30/診察室/同席:配置医師、ご本人、ご長女様、看護職員、施設長/記録者:◯◯。配置医師よりご本人及びご長女様へ説明があった。説明の内容は診療の記録による。説明を受けたご長女様からは「よく分かりました。家で話し合ってから返事をしたい」との言葉があった。当事業所からは、返事の期限を設けないこと、いつでもご連絡いただきたいことをお伝えした。次回:ご連絡をいただいた時点で面談の場を設定する。

完成文37(ご家族と連絡がつきにくいとき)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:◯◯。ご長女様へ09:20、13:40、18:10に電話したが応答がなかったため、留守番電話に当事業所名と用件(面談の日程調整)を残した。あわせて、◯月◯日付で書面を郵送した。◯月◯日13:00にご長女様より折り返しのお電話があり、◯月◯日15:00に面談することとなった。

4-4. 意思確認の場でしない言い方・する言い方

記録は、その場で何を言ったかの記録でもあります。職員の発言が記録に残る以上、発言そのものが誘導になっていないかが見えます。

場面 しない言い方(記録に残ると誘導に見える) する言い方(そのまま記録に残せる)
方針を尋ねるとき 「普通はこうされる方が多いですよ」 「今のお気持ちを、そのままの言葉で聞かせてください」
迷っておられるとき 「早めに決めていただかないと困ります」 「今日決めなくて大丈夫です。次にお話しする日を決めておきましょう」
家族の意見が割れたとき 「ご長女様のお考えのほうが本人のためだと思います」 「お二人のお考えを、どちらもそのまま記録に残します」
本人が話しにくいとき 「◯◯ということでよろしいですね」と確認を求める 「今は無理にお話しされなくて大丈夫です。また伺います」
状態について聞かれたとき 職員が見通しを述べる 「私からお答えできない内容ですので、医師から説明の場を設けます」
過去の話と違うとき 「前回はこうおっしゃいましたよね」 「前にお話しいただいた内容も残っています。今日のお気持ちも新しく残します」
説明のあと 「では、この方向で進めますね」 「今日お話しした内容を読み上げます。違うところがあれば教えてください」
ご逝去後 ご家族の選択を評価する言葉 「お話しいただいたことを、記録として残しております」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-5. 多職種協議の記録——骨格

2-3で見たとおり、多職種での協議が確認項目に書かれているのは施設4種別です。ただし、他の種別でも計画の作成にあたって「他の従業者と協議しているか」「サービス担当者会議等により専門的意見を聴取しているか」が確認項目に置かれています。金沢市の資料には、認知症対応型共同生活介護について計画を作成する際に他の介護従業者と協議を行っていなかったという指摘が挙げられています。協議の記録は、種別を問わず残す対象です。

# 書く内容 抜けたときに読めなくなること 貴事業所の様式(記入欄)
1 開催日時・場所 年月日、開始と終了の時刻、場所(オンライン参加がある場合はその旨) いつの合意なのかが分からない  
2 参加者と職種 氏名と職種。2-3の列挙に対応させる 多職種で協議したことが読み取れない  
3 欠席者と伝達 欠席した職種、いつ誰が伝えたか 共有されていない決定が現場で動く  
4 議題 何について話すために集まったか 定例の集まりと区別がつかない  
5 共有した情報 直近の状態、ご本人とご家族の言葉、前回からの変化 何を材料に検討したかが分からない  
6 検討した内容 出された意見を職種とともに。異なる意見も残す 結論だけが残り、経緯が追えない  
7 決めたこと 誰が、いつまでに、何をするか 決定が実行されたかを確かめられない  
8 次に確認すること 未決の事項と、次回に持ち越す論点 「話し合った」で終わり、次につながらない  
9 記録者・確認者 記録した者と、内容を確認した者 記録の責任者が不明になる  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-6. 多職種協議の記録——完成文

完成文38(初回カンファレンス/介護老人福祉施設)

関係職種協議記録 令和◯年◯月◯日(◯)16:00〜16:45/会議室/参加者:配置医師◯◯(オンライン参加)、看護職員◯◯、介護職員◯◯・◯◯、生活相談員◯◯、介護支援専門員◯◯、管理栄養士◯◯(計7名)/欠席:◯◯(介護職員。◯月◯日に介護支援専門員より内容を伝達)/議題:◯◯様の今後の支援について。共有した情報:直近2週間の食事量・水分量の推移、夜間の様子、◯月◯日のご長女様との面談内容(「無理に食べさせなくていいのかもしれない。でも決めきれない」)。検討した内容:看護職員より、食事の形態と時間帯を本人の様子に合わせて変えてはどうかとの意見。介護職員より、日中に声かけの回数を増やすと反応がある時間帯があるとの報告。管理栄養士より、少量で摂りやすい形の提案。生活相談員より、ご家族の面会時間の調整についての提案。異なる意見として、介護職員◯◯より、夜間の見守りの回数を増やすと本人の睡眠を妨げる可能性があるとの指摘があった。決めたこと:(1)食事は本人の様子に合わせて時間帯を変える(担当:介護職員/◯月◯日から)、(2)夜間の見守りは現状の回数を維持し、様子を記録する(担当:夜勤者/継続)、(3)ご長女様へ本日の内容をお伝えする(担当:生活相談員/◯月◯日まで)。次に確認すること:◯月◯日の配置医師の診察後に、改めて協議の場を持つ。記録者:◯◯/確認者:管理者◯◯。

完成文39(状態変化時のカンファレンス/認知症対応型共同生活介護)

関係職種協議記録 令和◯年◯月◯日(◯)10:00〜10:30/リビング/参加者:管理者◯◯、計画作成担当者◯◯、介護従業者◯◯・◯◯、訪問看護師◯◯(協力医療機関)/議題:◯◯様の日中の過ごし方の見直し。共有した情報:この1週間、日中に居室で過ごされる時間が長くなっている。◯月◯日にご本人が「みんなの声が聞こえるところがいい」と話された。検討した内容:計画作成担当者より、居室のベッドの向きを変えてはどうかとの提案。介護従業者より、リビングの窓際に静かに休める場所を作れるとの意見。訪問看護師より、体位の変換のタイミングについての助言。決めたこと:(1)日中はリビングの窓際で過ごしていただく時間を作る(担当:日勤者/◯月◯日から)、(2)ご本人の反応を毎日の記録に残す(担当:全員/継続)、(3)ご長男様へ変更の内容をお伝えする(担当:管理者/◯月◯日まで)。次に確認すること:1週間後に、ご本人の様子から場所の変更が適していたかを再検討する。記録者:◯◯。

完成文40(医療機関との連携の記録)

連携記録 令和◯年◯月◯日(◯)09:15/電話/相手:◯◯医院 ◯◯医師/連絡した者:看護職員◯◯。伝えた内容:本日06:00からの状態(体温◯度、脈拍◯、呼吸の様子、声かけへの反応、食事及び水分の摂取なし)。受けた指示:本日◯時に往診とのこと。それまでの間の対応として◯◯の指示を受けた。指示を受けた後の対応:09:30に管理者へ報告、09:35にご長女様へ電話し往診の予定をお伝えした(応答あり)。09:40に本日の勤務者へ申し送りを行った。記録者:◯◯。

完成文41(居宅の介護支援専門員への連絡/短期入所・小規模多機能型)

連絡記録 令和◯年◯月◯日(◯)11:00/電話/相手:◯◯居宅介護支援事業所 ◯◯介護支援専門員/連絡した者:生活相談員◯◯。伝えた内容:◯月◯日からのご利用中の様子(食事量の変化、日中の傾眠の時間帯、ご本人が話された言葉)。ご家族へは◯月◯日にお伝え済みであること。介護支援専門員より、◯月◯日に担当者会議を開く予定であるとのご連絡をいただいた。当事業所からは、会議に生活相談員及び看護職員が出席する旨をお伝えした。次に確認すること:会議での決定事項を受けて、短期入所生活介護計画を見直す。

完成文42(実施後の振り返り=デスカンファレンス)

振り返りの記録 令和◯年◯月◯日(◯)16:00〜17:00/会議室/参加者:配置医師◯◯、看護職員◯◯・◯◯、介護職員◯◯・◯◯・◯◯、生活相談員◯◯、介護支援専門員◯◯、管理者◯◯/対象:◯◯様(令和◯年◯月◯日ご逝去)/振り返った内容:(1)ご本人及びご家族の意向をどのように把握し、どう対応したか。◯月◯日の面談で示されたお気持ちを受けて、◯月◯日から食事の時間帯を変更した。(2)ご家族への説明の時期と内容。◯月◯日、◯月◯日、◯月◯日の3回。ご長女様より「その都度説明があって助かった」との言葉をいただいた。(3)記録の状況。夜間帯の記録が◯月◯日と◯月◯日に空欄になっていた。改めること:夜間帯の記録の様式に、記載する項目を印字する(担当:管理者/◯月◯日まで)。職員への支援:参加した職員から出された気持ちについて、管理者より個別に面談の機会を設ける旨を案内した。面談の実施:◯月◯日、◯月◯日(対象者2名)。本記録の写しは、指針の見直しの資料とする。記録者:◯◯。

完成文43(協議の場を持てなかったときの記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:◯◯。◯月◯日に予定していた関係職種の協議は、参加予定者の勤務の都合により開催できなかった。代わりに、◯月◯日09:00の申し送りの場で、看護職員より直近の状態を共有し、介護職員◯名及び生活相談員が確認した。改めて◯月◯日16:00に協議の場を設定した。※開催できなかった事実と、その間に行った代替の共有を記録として残す。

5. 看取り介護の実施記録と、指針の見直しの記録

日々の記録は、別添1の「サービス提供の記録」の確認項目——日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか——にそのまま入ります。看取りの場面だからといって別の様式に移す必要はなく、むしろ日々の記録の中に残すほうが、途切れの有無が読み取りやすくなります

5-1. 1日の記録に入る6つの欄

久留米市の公表資料が挙げている記載項目——療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケア——は、下の表の3・4・5に当たります。ここが欄として無い様式だと、書ける職員が書いたときだけ残る、という状態になります。

# 書く内容 書かない内容 貴事業所の様式に欄があるか(記入欄)
1 その日の状態 観察した事実(体温・脈拍・呼吸の様子・食事量・水分量・排泄・睡眠・皮膚の状態) 見通しの推測、医学的な評価  
2 行ったケアの内容 何時に何をしたか。体位の変換、口腔のケア、清拭、更衣、環境の調整 「適宜実施」「通常どおり」  
3 ご本人の様子 表情、反応、話された言葉、落ち着いておられた時間帯 職員が推測した気持ち  
4 ご家族の様子 面会の有無と時間、話された言葉、されていたこと ご家族への評価  
5 かけた言葉・行った関わり 職員が声をかけた内容と、そのときのご本人の反応 「声かけを行った」だけの記載  
6 ご家族へ説明した内容 誰が、何時に、何を伝え、どんな返答があったか 「家族に報告済み」だけの記載  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-2. 日々の実施記録——完成文

完成文44(日勤帯の記録/状態が落ち着いている日)

令和◯年◯月◯日(◯)日勤帯/記録者:介護職員◯◯。状態:体温◯度、脈拍◯、呼吸は穏やか。朝食は主食を一口、汁物を3口。水分は午前中に100ml、午後に80ml。排泄は◯回。日中は傾眠されている時間が長く、10時台と15時台に目を開けられた。ケア:08:20 更衣・清拭、09:00 口腔のケア、10:00・12:00・14:00・16:00 体位の変換、11:30 居室の窓を開けて換気。ご本人の様子:10:15に窓の外を見ておられ、声をかけると小さくうなずかれた。15:20に「ありがとう」と話された。ご家族の様子:ご長女様が13:00〜15:00に面会。ベッドサイドで手を握りながら話しかけておられた。かけた言葉:「今日は日が差して暖かいですね」と声をかけると目を開けられた。ご家族へ説明した内容:14:40、生活相談員よりご長女様へ本日の食事量と水分量をお伝えした。ご長女様より「無理に飲ませなくていいと思います」との言葉があった。

完成文45(夜勤帯の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)夜勤帯/記録者:介護職員◯◯。状態:22:00 体温◯度、脈拍◯、呼吸の様子に変化なし。02:00 体温◯度。02:40に呼吸の間隔が長くなる様子があり、看護職員◯◯へ02:45に電話で報告。看護職員より、経過を観察し変化があれば再度連絡するよう指示を受けた。03:30、05:00に確認、変化なし。ケア:22:10・00:00・02:00・04:00・06:00 体位の変換、00:10 口腔の保湿。ご本人の様子:01:20に目を開けられ、声をかけると視線が合った。かけた言葉:「◯◯さん、そばにいますよ」と声をかけた。ご家族の様子:本日の面会なし。ご家族へ説明した内容:夜間の連絡は不要とのご希望を◯月◯日に伺っているため、本日の連絡は行っていない(◯月◯日の面談記録参照)。

完成文46(状態が変わった日の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:看護職員◯◯。06:10、介護職員◯◯より、呼びかけへの反応がいつもと違うとの報告を受け、居室で状態を確認した(体温◯度、脈拍◯、呼吸の様子◯)。06:20、配置医師へ連絡(電話)。06:35、配置医師より本日09:00に診察を行う旨の連絡を受けた。06:40、ご長女様へ電話し、状態と診察の予定をお伝えした。ご長女様より「すぐに向かいます」との返答があり、07:50にご来所。09:00〜09:20、配置医師の診察。診察後、配置医師よりご長女様へ説明があり、看護職員◯◯及び施設長が同席した。説明を受けたご長女様からは「分かりました。できるだけそばにいたいです」との言葉があった。09:30、ご家族の付き添いのための寝具を用意し、面会時間の制限を設けない旨をお伝えした。以後の対応:ご家族の希望に応じて随時対応する。関係職種へは09:45の申し送りで共有した。

完成文47(ご本人が言葉を発せられたときの記録)

令和◯年◯月◯日(◯)14:30/記録者:介護職員◯◯。清拭の際、ご本人より「もう、ええよ」との言葉があった。「今日はここまでにしましょうか」と伝えると、うなずかれた。清拭を中断し、上半身のみとした。15:00に看護職員◯◯へ報告。本日の様子として◯月◯日の協議で共有する。※発言の意味については当事業所として解釈を加えず、言葉のまま記録する。

完成文48(ご家族が付き添っておられる日の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:介護職員◯◯。ご長女様、ご次男様が10:00より終日付き添われた。昼食及び夕食の場所として面談室をご案内した。14:00、ご長女様よりご本人が好きだった音楽をかけたいとのお申し出があり、居室で流していただいた。ご本人は目を閉じたまま、時折口元が動かれた。17:30、ご次男様より「今日は泊まっていきたい」とのお話があり、簡易寝台と寝具を用意した。ご家族へ、夜間の職員体制と呼び出しの方法をご説明した(説明者:夜勤者◯◯/17:50)。

完成文49(ご家族が来られない日の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:生活相談員◯◯。ご長女様は遠方にお住まいのため本日の面会はなし。16:00に電話で本日の様子(食事量、日中の過ごし方、声かけへの反応)をお伝えした。ご長女様より「電話をもらえると様子が分かって安心します」との言葉があった。次回の連絡は◯月◯日16時頃とすることをお約束した。

完成文50(ご逝去当日の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:看護職員◯◯。◯時◯分、居室にてご家族(ご長女様、ご次男様)が付き添われる中、看護職員◯◯及び介護職員◯◯が同席していた。◯時◯分、配置医師へ連絡。◯時◯分、配置医師来所。医師による確認及びご家族への説明が行われた。ご家族の希望を伺い、◯時◯分よりお身体を整えた(実施者:看護職員◯◯、介護職員◯◯)。ご長女様より「最後まで丁寧にしていただいて」との言葉をいただいた。ご家族のご希望により、生前に使用されていた◯◯を一緒にお持ちいただいた。◯時◯分、ご家族とともにお見送りをした(職員◯名)。関係職種への連絡:介護支援専門員(◯時◯分)、管理者(◯時◯分)。

完成文51(ご逝去後の対応の記録)

令和◯年◯月◯日(◯)/記録者:生活相談員◯◯。ご家族へ、お預かりしていた私物の返却及び費用の精算についてご説明した(◯時◯分/ご長女様)。ご説明した内容は書面でお渡しし、写しを保管する。ご家族より、後日改めてご来所される旨のお話をいただいた。◯月◯日、ご長女様がご来所され、精算を行った。あわせて、当事業所の看取りに関する振り返りの場を◯月◯日に予定していること、ご家族から伝えておきたいことがあればお伺いしたい旨をお伝えした。ご長女様より「特にありません。よくしていただきました」との言葉をいただいた。

5-3. 記録が途切れる場面と、その埋め方

看取りの記録で最も多い不足は、内容の質ではなく時間の穴です。誰も書かなかった勤務帯が残ると、そこで何が起きていたのかを後から示せません。

# 途切れやすい場面 なぜ途切れるか 埋め方 貴事業所の対応(記入欄)
1 夜間帯 人数が少なく、書く時間が取れない 様式に記載項目を印字し、選択と数値で埋まる形にする  
2 ご家族が長時間おられる日 対応に人手が向き、記録が後回しになる 面会の開始と終了の時刻だけ先に書き、内容は勤務帯の終わりに追記する  
3 状態が大きく変わった日 対応が優先され、時系列が曖昧になる 時刻を先にメモし、落ち着いてから清書する。清書した日時も残す  
4 休日・年末年始 管理職が不在で確認が働かない 確認の担当をあらかじめ勤務表に書き込む  
5 ご逝去の当日 記録より対応が優先される 時刻・同席者・連絡先・行った対応の4点だけ先に確定させる  
6 ご逝去の翌日以降 「終わった」と認識され、記録が止まる 精算・返却・振り返りまでを1つの流れとして様式に入れる  
7 複数の職種が関わる場面 誰が書くか決まっていない 職種ごとに書く欄を分け、空欄を許さない  
8 電話でのやり取り その場で終わり、記録に残らない 電話の記録欄を日々の記録の中に置く(時刻・相手・内容・返答)  
9 短期入所・通いの利用日以外 事業所を利用していない日は記録がない 居宅介護支援事業所からの情報を受けた記録として残す  
10 職員が交代した直後 前任者しか知らない経緯が引き継がれない 直近の意思確認の要点を申し送りの定型欄に置く  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-4. 指針の見直しの記録——完成文

指針は作った時点では紙です。見直した記録が積み上がって初めて、運用されている文書として読めます。見直しの記録に入るのは、契機・協議・改訂・周知の4つです。

完成文52(事例の振り返りを契機とする見直し)

看取りに関する指針の見直しの記録 令和◯年◯月◯日/見直しの契機:令和◯年◯月◯日に実施した振り返りにおいて、夜間帯の記録に空欄が生じていたことが確認されたため。協議の場:令和◯年◯月◯日 運営会議(参加者:管理者、看護職員◯◯、介護職員◯◯、生活相談員◯◯、介護支援専門員◯◯)。改めた箇所:第3条の3(夜間及び休日の体制)に、勤務帯ごとに記載する項目を明示する一文を追加。あわせて別紙の実施記録様式に記載項目を印字する形へ変更。決裁:令和◯年◯月◯日 施設長◯◯。周知:令和◯年◯月◯日 全体会議にて説明(参加◯名)。欠席者◯名へは令和◯年◯月◯日に個別に説明し、指針の写しを配付した。次回の見直しの予定:令和◯年◯月。

完成文53(連携先の変更を契機とする見直し)

看取りに関する指針の見直しの記録 令和◯年◯月◯日/見直しの契機:協力医療機関が◯◯医院から◯◯病院へ変更となったため。協議の場:令和◯年◯月◯日 管理者及び看護職員による協議。改めた箇所:第5条(緊急時の対応)の連絡先及び別紙「緊急時連絡順序」。決裁:令和◯年◯月◯日 管理者◯◯。周知:令和◯年◯月◯日 全職員へ書面を配付し、事業所内の掲示を差し替えた。あわせて、重要事項説明書の記載との整合を確認した(確認日:令和◯年◯月◯日/確認者:◯◯)。なお、変更に伴う届出の要否については、所在地の保険者の定めにより確認する。

完成文54(従業者からの申出を契機とする見直し)

看取りに関する指針の見直しの記録 令和◯年◯月◯日/見直しの契機:介護職員より、ご家族の宿泊の受け入れについて指針の記載が実態と異なるとの申出があったため(申出日:令和◯年◯月◯日/申出者:介護職員◯◯)。協議の場:令和◯年◯月◯日 運営会議。改めた箇所:第3条(体制)の宿泊に関する記載を、実際に用意できる寝具及び場所に合わせて修正。決裁:令和◯年◯月◯日 施設長◯◯。周知:令和◯年◯月◯日 全体会議。あわせて、ご家族への説明書の記載も同じ内容に修正した。

完成文55(定例の見直しで変更がなかった場合)

看取りに関する指針の見直しの記録 令和◯年◯月◯日/見直しの契機:年◯回の定例の見直し。協議の場:令和◯年◯月◯日 運営会議(参加者◯名)。検討した内容:本年度に実施した◯件の事例について、指針の記載と実際の運用に差がないかを確認した。第2条から第7条まで順に読み合わせ、差は確認されなかった。改めた箇所:なし。決裁:令和◯年◯月◯日 施設長◯◯。周知:令和◯年◯月◯日 全体会議にて、本年度は変更がない旨を説明した。※変更がなかった場合も、確認した事実を記録として残す。

完成文56(指針を説明したことの記録/利用者ごと)

説明及び交付の記録 令和◯年◯月◯日/説明した者:生活相談員◯◯/説明を受けた方:ご長女様(続柄:長女)、ご本人同席/使用した資料:看取りに関する指針(第◯版)、当事業所の説明書「最期の時をどのように過ごしていただくか」/交付:指針の写し1部、説明書1部をお渡しした/ご本人及びご家族から出された質問:「途中で気持ちが変わったらどうすればよいか」。回答:いつでもお申し出いただければ、そのつど記録を新しく作ること、前の記録は消さずに残すことをお伝えした/次回の説明の予定:令和◯年◯月(計画の見直し時)。

完成文57(研修の実施記録)

研修実施記録 令和◯年◯月◯日(◯)17:30〜18:30/会議室/研修名:看取りに関する指針と記録の書き方/講師:看護職員◯◯/参加者:◯名(別紙名簿のとおり)/内容:(1)当事業所の指針の読み合わせ(第1条〜第8条)、(2)実施記録の6つの欄に何を書くか、(3)書かない内容(見通しの推測、ご家族への評価)の確認、(4)過去の事例の記録を用いた記載の演習/使用した資料:指針(第◯版)、実施記録様式、演習用の記載例/理解の確認:演習で各自が1日分の記録を記載し、講師が確認した/欠席者:◯名。令和◯年◯月◯日に個別に実施(実施者:看護職員◯◯)/※本研修は同日に実施した他の研修とは別に記録している。

6. 悪い例/良い例の2列と、運営指導で見られる点

看取りの記録で書き直しを求められる文には、はっきりした型があります。「実施した」「対応した」「説明した」で終わっているという型です。左が実際によく見る記載、右がそのまま貼れる形に直したものです。

6-1. 悪い例/良い例——36組

# 場面 悪い例 良い例(そのまま貼れる形)
1 指針の説明 入居時に説明済み 令和◯年◯月◯日14:00、面談室にて、生活相談員◯◯より指針(第◯版)の写しを用いて説明し、写しをご長女様へ交付した
2 説明資料 資料を用いて説明した 直近1か月の食事・水分の記録から作成した資料「◯◯様のこの1か月の様子」(A4・2枚)を用いて説明し、その写しをご長女様へ交付した
3 意思確認 本人・家族の意向を確認した ご本人からは「痛いのは嫌だね」、ご長女様からは「急に決めるのは難しい」との言葉があった
4 意向の記載 本人は自然な形を望んでいると思われる ご本人は「もういいよ、無理しなくていいよ」と話された(本人の言葉のまま記載)
5 意向の変化 意向を変更(前回の記載を上書き) ◯月◯日の記録は変更せず、本日の内容を新たな記録として作成した。ご長男様より「先週の様子を見て気持ちが変わった」との言葉があった
6 家族間の相違 家族間で意見が分かれているが長女の意向を採用 ご長女様のお考えとご次男様のお考えを、それぞれの言葉のまま記録した。当事業所として一方を採るものではない旨をお伝えした
7 本人の反応 本人の意思確認は困難 お尋ねした際、返答はなかったが窓の方を見て手を動かされた。カーテンを開けると目を開けられ、しばらく外を見ておられた
8 医師の説明 医師より病状説明あり 令和◯年◯月◯日14:00〜14:30、診察室にて配置医師よりご本人及びご長女様へ説明。看護職員◯◯及び施設長が同席。説明の内容は診療の記録による
9 説明後の反応 家族は納得された 説明を受けたご長女様からは「よく分かりました。家で話し合ってから返事をしたい」との言葉があった
10 多職種協議 カンファレンス実施 令和◯年◯月◯日16:00〜16:45、会議室。参加者:配置医師◯◯、看護職員◯◯、介護職員◯◯・◯◯、生活相談員◯◯、介護支援専門員◯◯、管理栄養士◯◯(計7名)
11 協議の中身 今後の方針について検討した 看護職員より食事の形態と時間帯の変更、管理栄養士より少量で摂りやすい形の提案。介護職員◯◯より夜間の見守り回数の増加は睡眠を妨げる可能性があるとの指摘があった
12 決定事項 方針を決定した (1)食事は本人の様子に合わせて時間帯を変える(担当:介護職員/◯月◯日から)、(2)夜間の見守りは現状を維持し様子を記録する(担当:夜勤者/継続)
13 次回の予定 継続して観察する 次に確認すること:◯月◯日の配置医師の診察後に、改めて協議の場を持つ
14 欠席者 (記載なし) 欠席:介護職員◯◯。◯月◯日に介護支援専門員より内容を伝達した
15 日々の状態 状態変化なし 体温◯度、脈拍◯、呼吸は穏やか。朝食は主食を一口、汁物を3口。水分は午前100ml、午後80ml
16 ケアの内容 適宜対応 08:20 更衣・清拭、09:00 口腔のケア、10:00・12:00・14:00・16:00 体位の変換、11:30 換気
17 本人の様子 穏やかに過ごされた 10:15に窓の外を見ておられ、声をかけると小さくうなずかれた。15:20に「ありがとう」と話された
18 かけた言葉 声かけを実施 「今日は日が差して暖かいですね」と声をかけると目を開けられた
19 家族の様子 家族面会あり ご長女様が13:00〜15:00に面会。ベッドサイドで手を握りながら話しかけておられた
20 家族への説明 家族に報告済み 14:40、生活相談員よりご長女様へ本日の食事量と水分量をお伝えした。ご長女様より「無理に飲ませなくていいと思います」との言葉があった
21 夜間の記録 異常なし 22:00 体温◯度・脈拍◯、02:00 体温◯度。02:40に呼吸の間隔が長くなる様子があり02:45に看護職員◯◯へ電話報告。経過観察の指示を受けた。03:30、05:00に確認、変化なし
22 状態変化時 状態変化のため医師に連絡 06:10 介護職員より報告、06:15 状態を確認(体温◯度、脈拍◯)、06:20 配置医師へ電話、06:35 本日09:00に診察との連絡、06:40 ご長女様へ電話
23 連絡の記録 家族に連絡した 06:40 ご長女様へ電話(応答あり)。状態と診察の予定をお伝えした。「すぐに向かいます」との返答があり、07:50にご来所
24 連絡がつかないとき 連絡つかず 09:20、13:40、18:10に電話したが応答なし。留守番電話に事業所名と用件を残し、◯月◯日付で書面を郵送した
25 医療機関への連絡 主治医に報告 09:15 ◯◯医院◯◯医師へ電話(連絡者:看護職員◯◯)。伝えた内容:本日06:00からの状態。受けた指示:本日◯時に往診。指示後の対応:09:30管理者へ報告、09:35ご長女様へ電話
26 居宅への連絡 ケアマネに情報提供 11:00 ◯◯居宅介護支援事業所◯◯介護支援専門員へ電話。ご利用中の様子をお伝えし、◯月◯日の担当者会議へ生活相談員及び看護職員が出席する旨を伝えた
27 環境の調整 環境を整えた ご家族の付き添いのため簡易寝台と寝具を用意し、面会時間の制限を設けない旨をお伝えした(17:50/説明者:夜勤者◯◯)
28 ご本人の言葉への対応 拒否あり 清拭の際「もう、ええよ」との言葉があり、「今日はここまでにしましょうか」と伝えるとうなずかれたため、上半身のみとした。15:00に看護職員へ報告
29 逝去時 ◯時◯分永眠 ◯時◯分、居室にてご家族(ご長女様、ご次男様)が付き添われる中、看護職員◯◯及び介護職員◯◯が同席。◯時◯分配置医師へ連絡、◯時◯分来所
30 逝去後の対応 エンゼルケア実施 ご家族の希望を伺い、◯時◯分よりお身体を整えた(実施者:看護職員◯◯、介護職員◯◯)。ご家族のご希望により◯◯を一緒にお持ちいただいた
31 ご家族の言葉 家族から感謝の言葉 ご長女様より「最後まで丁寧にしていただいて」との言葉をいただいた
32 振り返り デスカンファレンス実施 令和◯年◯月◯日16:00〜17:00、参加者◯名。振り返った内容:意向の把握と対応、家族への説明の時期と内容、記録の状況(夜間帯の記録に2日分の空欄)
33 振り返りの結果 今後も丁寧に対応する 改めること:夜間帯の記録の様式に記載する項目を印字する(担当:管理者/◯月◯日まで)
34 職員への支援 職員のケアを行った 参加した職員から出された気持ちについて、管理者より個別面談の機会を案内した。実施:◯月◯日、◯月◯日(対象者2名)
35 指針の見直し 年1回見直している 見直しの契機:振り返りで夜間帯の記録に空欄が確認されたため。協議:◯月◯日運営会議。改めた箇所:第3条の3。決裁:◯月◯日施設長◯◯。周知:◯月◯日全体会議(参加◯名)、欠席者へは◯月◯日に個別説明
36 研修 看取りの研修を実施 令和◯年◯月◯日17:30〜18:30、講師:看護職員◯◯、参加◯名。内容:指針の読み合わせ、実施記録の6欄、書かない内容の確認、記載の演習。使用資料:指針(第◯版)、実施記録様式。※同日に実施した他の研修とは別に記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6-2. 運営指導で見られる点——公表されている事例

本ページの作成にあたり、自治体が公表している運営指導の指摘事例379件を対象に「看取り」「ターミナル」「終末期」を検索しました。看取りそのものを扱った事例は久留米市の1件、訪問看護のターミナルケアに関する事例が堺市と千葉市の2件、というのが実際に確認できた件数です。それ以外は、看取りの記録と同じ構造で問われている事例です。

# 公表されている指摘の内容 看取りの記録に置き換えると 確認する文書 出典(自治体)
1 利用者等への説明の際に、利用者等に関する記録を活用した説明資料を作成し、その写しを提供していることが確認できない 一般的な説明文書だけでは足りない。その方の記録から作った資料を用意し、写しを渡し、渡したことを記録する 説明資料およびその写しの交付記録 久留米市
2 看取り介護の記録に必要な項目(療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケア/把握した利用者等の意向とそれに基づくアセスメント及び対応)が記載されていない 状態の記録だけでは足りない。気持ちの変化と、それに対して何をしたかを欄として持つ 看取り介護の記録、看取り介護計画 久留米市
3 実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握等が行われていない ケアが終わった後の振り返りと、職員への支援を記録に残す ケアカンファレンスの記録 久留米市
4 ターミナルケアに係る計画及び支援体制について説明し、同意を得ていることの確認ができない 説明と同意は、契約時の包括的な同意とは別に、その時点で個別に記録する 説明・同意の記録 千葉市
5 契約時の重要事項説明書を説明する中で包括的に同意を得るのではなく、個別に十分な説明を行い同意を得ること 指針の説明を契約時に1回した記録だけで済ませない 個別説明・同意書 堺市
6 療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの過程についての記録が希薄である 「穏やかに過ごされた」で終わらせず、言葉と反応を残す 記録書、実施記録 堺市
7 入所者又は家族への説明・同意をサービス提供開始後に得ていた 説明・同意の日付が、ケアを始めた日より後になっていないかを確認する 計画書、説明・同意書(署名日付) 長野県
8 介護支援専門員がサービス担当者会議等により他の従業者の専門的な見地からの意見を聴いたことの記録が確認できない 協議の記録に、誰がどの職種としてどんな意見を出したかを残す サービス担当者会議録、協議記録 長野県
9 計画を作成する際、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて他の介護従業者と協議を行っていなかった 認知症対応型共同生活介護でも、協議の記録は残す対象 計画、協議記録 金沢市
10 介護計画の作成に当たり、利用者への計画の説明及び同意が遅れている 状態が変わって計画を見直したときの説明・同意の日付を確認する 個別サービス計画書、説明および同意の記録、交付記録 浜松市
11 口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない 口頭で伝えた場面こそ、伝えた事実を記録に残す 説明・同意の記録 静岡市
12 研修を実施した際は実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すこと。各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録すること 看取りの研修を他の研修とまとめた日でも、内容を分けて記録する 研修計画、研修実施記録、使用資料 松山市
13 委員会は開催されているが、結果が従業者へ周知されていない 指針の改定や協議の結果を、欠席者を含めてどう伝えたかを残す 議事録、周知の記録 宇都宮市
14 指針の項目に不足がある(閲覧に関する事項など) 看取りに関する指針にも閲覧に関する条を置く 指針 堺市
15 事故の状況及び事故に際して採った処置について記録されていない/原因の究明や再発防止策がとられていない 急変時の記録は、事故の記録と様式を分けたうえで、どちらも残す 事故報告書、指針、委員会記録 北海道
16 市への報告が必要となる事故の程度を把握していない(死亡診断書で老衰・病死等の主に加齢を原因とする死因が記載されている事案は報告不要とされている例がある) 報告を要する範囲は保険者により異なるため、自事業所の保険者の基準を明文化する 事故報告書、保険者の公表資料 仙台市
17 介護事故の件数よりヒヤリハット報告の件数の方が少ない 看取りの場面で気づいたことを報告しにくい空気になっていないかを見る ヒヤリハット報告書、委員会議事録 名古屋市
18 身体的拘束等の記録(態様・時間・心身の状況・理由)が残されていない 看取りの期間中も、身体的拘束等の記録は別の様式で独立して残す 身体的拘束等の記録 千葉県

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1から3が久留米市の資料に並んでいる3点です。この3点が並んでいる順番そのものに意味があります。説明(入口)→記録(過程)→検証(出口)。看取りの書類は、この3か所のどこかで切れます。

6-3. 加算に触れるときの対照表

看取りに関する加算の要件は告示・通知で定められており、その内容と算定の可否は保険者(指定権者)が判断します。本ページでは可否を示さず、確認する先と、貴事業所の状況を書き込む欄だけを置きます。

# 確認したい事柄 定めを確認する先 貴事業所の状況(記入欄) 確認した日・確認者(記入欄)
1 指針を定めているか、その内容に何を含めることとされているか 告示・通知および保険者が公表する資料    
2 本人・家族への説明と同意について、どの時点で何を求められているか 同上    
3 説明に用いる資料について、どのような形が求められているか 同上(久留米市の公表資料では、利用者等に関する記録を活用した説明資料の作成と写しの提供が挙げられている)    
4 記録に記載することとされている項目 同上(同資料では、精神的な状態の変化とそれに対するケア/把握した意向とそれに基づくアセスメント及び対応が挙げられている)    
5 多職種による協議について、参加者や頻度に定めがあるか 同上    
6 医師の関与について、どのような記録が求められているか 同上    
7 実施後の検証について、どのような形が求められているか 同上(同資料では、実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握が挙げられている)    
8 体制に関する届出の要否と、その様式 所在地の保険者(指定権者)    
9 記録の保存期間 所在地の保険者の条例・要綱    
10 報告を要する事案の範囲(ご逝去に関するものを含む) 所在地の保険者が公表する基準    

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

7. 1年間の運用と、手元に残す記録

看取りの書類がいちばん傷むのは、事例が起きていない期間です。半年間ひとつも事例がないと、指針は棚に戻り、様式の場所は忘れられ、新しく入った職員は見たことがない状態になります。年間の予定に組み込んでおくことが、そのまま対策になります。

7-1. 年間の運用——月ごとの目安と記入欄

回数と時期は保険者の運用によって考え方が異なるため、予定を書き込む欄にしています。埋めた予定と、実際に残っている記録の数が一致しているかが、この表の使い方です。

時期 すること 残る記録 担当(記入欄) 予定日(記入欄) 実施日(記入欄)
年度はじめ 指針の読み合わせ。前年度の事例の件数を確認する 会議の記録      
年度はじめ 年間研修計画に看取りの研修を位置づける 年間研修計画      
年度はじめ 連絡先一覧(配置医師/主治の医師/協力医療機関/ご家族)の更新 別紙・掲示物      
四半期 使用している様式の欄に空欄が続いていないかを点検する 点検の記録      
四半期 意思確認の記録が、最後に更新されてから何か月経っているかを一覧で確認する 一覧表      
随時 ご利用の開始時に指針を説明し、写しを交付する 説明及び交付の記録      
随時 状態に変化があったときに意思確認の場を設ける 意思確認の記録      
随時 関係職種の協議を開く 関係職種協議記録      
随時 個別の計画を見直し、説明し、同意を得る 計画書、説明・同意の記録      
事例のつど 実施後の振り返りを開く 振り返りの記録      
事例のつど 関わった職員への支援の機会を設ける 面談の記録      
年◯回 看取りに関する研修を実施する(他の研修と同日でも記録は分ける) 研修実施記録、参加者名簿、使用資料      
新規採用時 指針の説明と、記録様式の書き方の確認 説明の記録      
年◯回 指針の見直し(変更がない場合も確認した記録を残す) 見直しの記録、改定履歴      
変更のつど 連携先が変わったときの指針・掲示・重要事項説明書の整合の確認 確認の記録      
年度末 1年間の事例と記録を通して読み、次年度の課題を書き出す 年度末の点検記録      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-2. 手元に残す記録の一覧——保管場所と最終更新日

運営指導の日に探すことになる書類を、あらかじめ一覧にしておくための表です。保存年数は保険者の条例・要綱により異なるため、記入欄にしています。

# 記録・文書 いつ作るか 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次回の予定(記入欄)
1 看取りに関する指針(最新版) 制定時・改定時      
2 指針の改定履歴 改定のつど      
3 指針の見直しの記録 年◯回・随時      
4 指針の周知の記録(会議・個別説明・配付) 改定のつど      
5 役割分担表・緊急時連絡順序(別紙) 年度はじめ・変更時      
6 ご本人・ご家族への説明及び交付の記録 利用開始時・随時      
7 説明に用いた資料とその写しの交付記録 説明のつど      
8 意思確認の記録(回ごと・時系列) 随時      
9 関係職種協議記録 随時      
10 個別の計画と、説明・同意の記録 作成時・見直し時      
11 看取り介護の実施記録(勤務帯ごと) 日々      
12 医療機関・介護支援専門員への連絡の記録 連絡のつど      
13 ご家族への説明の記録 説明のつど      
14 実施後の振り返りの記録 事例のつど      
15 職員への支援(面談等)の記録 事例のつど      
16 研修計画・研修実施記録・参加者名簿・使用資料 年◯回      
17 新規採用者への説明の記録 採用のつど      
18 報告を要する事案の範囲についての確認の記録 年度はじめ・改定時      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-3. 30分でできる自己点検

直近に看取りを行った1事例を選び、上から順に見ていくだけの点検です。全部そろっていることを確かめる点検ではなく、どこで切れているかを見つける点検です。

# 見るところ 見つかりやすい切れ目 結果(記入欄) 直す担当・期日(記入欄)
1 指針を説明した記録の日付 ご利用の開始日より後になっている    
2 説明に用いた資料の名称 資料名がなく「説明した」だけ    
3 写しの交付の記録 渡したかどうかが分からない    
4 意思確認の記録の回数 1回しかない/全期間で更新されていない    
5 ご本人の言葉 職員の要約だけで、言葉が引かれていない    
6 意向が変わった記録 上書きされていて経緯が追えない    
7 協議の参加者欄 職種が偏っている/2-3の列挙と合っていない    
8 協議の決定事項 担当と期限が書かれていない    
9 日々の記録の勤務帯 空欄の勤務帯がある    
10 ご家族へ説明した記録 「報告済み」だけで内容と返答がない    
11 医療機関への連絡の記録 時刻・相手・受けた指示のどれかが抜けている    
12 計画の見直しと説明・同意の日付 見直しはあるが説明の記録がない    
13 振り返りの記録 そもそも無い/「今後も丁寧に」で終わっている    
14 職員への支援の記録 案内はしたが実施の記録がない    
15 振り返りの結果が指針に反映されているか 振り返りはあるが改定履歴に何も残っていない    
16 身体的拘束等の記録との区分 看取りの記録に混ざって独立していない    

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-4. 最後に——記録の書き手のこと

看取りの記録は、書く人の心が動いている場面で書かれます。それでも記録が事実の積み重ねであることに変わりはなく、事実の積み重ねであることが、後から読む人と、ご家族と、書いた本人を守ります。

久留米市の公表資料が、記録の項目と並べて「職員の精神的負担の把握等」を挙げているのは示唆的です。書類の話と職員の話が、同じ一文の中に置かれている。記録が続く事業所は、書く人が支えられている事業所です。様式に欄を作ることと、話せる場を持つことは、同じ一つの仕組みの表と裏です。

そして、繰り返しになりますが、記録に書くのは判断ではありません。話し合った事実と、その場で交わされた言葉です。それだけを丁寧に残しておけば、後からどんな問いを立てられても、たどることができます。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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