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POS(問題志向型システム)とSOAPIEの書き方|問題リスト・初期計画・経過記録の記入例337例

「POSで記録を書いてください」と言われて、多くの人がまず思い浮かべるのは記録用紙の書式です。しかしPOS(問題志向型システム)は、書式の名前ではありません。①基礎データ ②問題リスト ③初期計画 ④経過記録 ⑤要約(サマリー)という5つの要素が順番につながって回る、記録の仕組みそのものです。SOAPやSOAPIEは、そのうち④経過記録の書き方の1つにすぎません。

この順番が入れ替わったり、②問題リストが無いまま④だけを書き続けたりすると、記録は必ず崩れます。実際に現場で起きているのは「毎日SOAPを書いているのに、何のために書いているのか分からない」「Pまでは書けるが、そのあとが続かない」という詰まりです。原因は文章力ではなく、①〜③が置かれていないまま④だけを回していることにあります。

この記事は、POSの5つの要素を1つずつ、そのまま貼れる完成文として埋めていきます。とくに厚く書いたのは、②問題リストの立て方(医学的な診断名を問題にしない書き方)、③初期計画のOP・TP・EPの分け方、そして④経過記録のうちI(介入)・E(評価)・R(修正)の3文字です。S・O・A・Pの4文字そのものの解説は、当サイトの別記事(音声からSOAPを起こす手順の記事)で扱っているため、この記事では扱いません。ここで扱うのはPOSという仕組みと、その中でSOAPIE/SOAPIERがどこに座っているかだけです。

なお、この記事には医学的な判断・診断は書きません。血圧や検査値の基準、薬剤名や用量も書きません。それらは主治医から示された指示・目安を記入欄として置いてあります。記録は事実を残すためのものであり、判断の代わりをするものではないからです。

POS(問題志向型システム)とは|書式ではなく、5つの要素でできた仕組み

POSは Problem Oriented System の訳語で、日本語では問題志向型システムと呼ばれます。「その人の抱えている問題を出発点にして、集める・並べる・計画する・記録する・まとめる、を一続きにする」という考え方です。大事なのは、5つの要素が独立した書類ではなく、前の要素が次の要素の材料になっていることです。

5つの構成要素は、何を材料にして何を生み出すのか

次の表は、5つの要素が何から作られ、何に残り、次のどこへつながるかを1枚にしたものです。左から右へ読むと、記録が1周する順番になります。

要素 何をするか 材料になるもの どこに残すか 次にどうつながるか
基礎データ その人を知るために必要な情報を、決まった項目で漏れなく集める 本人・家族の話、他機関からの情報提供、観察、既存の計画書 基礎データ用紙(フェイスシート・情報収集用紙) ここから「問題」を拾い出して②へ渡す
問題リスト ①から拾った問題に番号を付け、一覧にして、活動中か解決したかを管理する ①基礎データの記載のうち、援助が必要と判断された部分 問題リスト(プロブレムリスト) 番号ごとに③の計画を立てる。④の見出しにもなる
初期計画 問題番号ごとに、観察すること・実施すること・伝えることを分けて書く ②の問題文、本人の意向、主治医の指示(記入欄) 初期計画(OP・TP・EP) ④で「計画どおりだったか」を評価する物差しになる
経過記録 問題番号ごとに、日々の経過を決まった形で残す ③の計画、その日の観察と実施の事実 経過記録(SOAP/SOAPIE/SOAPIER) 積み上がった経過が⑤の材料になる。修正は②③へ戻す
要約(サマリー) 一定の期間、または終了時点で、①〜④を要約して次の人へ渡す ①〜④のすべて 要約記録(経過要約・退院時要約・終了時要約) 次の担当者・次の機関の①基礎データになる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表で一番見てほしいのは、右端の列です。どの要素も、次の要素の材料になっていることが分かります。逆に言えば、②問題リストが無い事業所では③初期計画は立てようがなく、③が無い事業所では④の「計画どおりだったか」という評価が書けません。「Eが書けない」という詰まりの多くは、Eの文章力の問題ではなく、比べる相手である③が存在しないという構造の問題です。

「POS=SOAPで書くこと」という誤解が、記録を止める10のかたち

現場で起きている誤解を、実際の仕組みと並べます。左の列に心当たりがあるほど、記録は「書いているのに使えない」状態になります。

よくある誤解 実際の仕組み 放置すると何が起きるか
POSとは記録の書式のことだ POSは①〜⑤の流れの名前で、書式はその中の④に使う道具にすぎない 書式だけ導入され、問題リストが無いまま日誌が続く
SOAPで書けばPOSになる SOAPは④経過記録の書き方の1つ。①②③⑤が無ければPOSにはならない 毎日書いているのに、何を目指しているのかが誰にも分からない
問題リストは最初に1回作るもの 問題リストは活動中・解決済みを更新し続ける台帳で、日付が動き続ける 半年前の問題番号のまま記録が積み上がり、現状と合わなくなる
基礎データは契約時のアセスメント用紙のこと 基礎データは、状態が変わるたびに追記・更新する土台の情報 退院後も入院前の情報のまま計画が立てられる
計画は計画書の担当者が作るもので、記録者には関係ない ③初期計画は④の物差しなので、記録する人が読んでいないと④が書けない 記録が「今日の出来事」だけになり、計画とつながらない
経過記録は毎日全項目を埋めるもの 経過記録は問題番号ごとに、変化があった問題について書くもの 変化のない問題まで埋めるために「特変なし」が量産される
要約は退院や終了のときだけ書くもの 要約は一定期間ごとにも書く。期間の要約が次の計画の材料になる 経過が長くなるほど、あとから読む人が全体をつかめなくなる
問題は病名を書けばよい 問題は生活・状態・反応で書く。病名は基礎データ側に事実として置く 病名が並ぶだけで、援助として何をするかが決まらない
問題番号は書かなくても内容で分かる 番号は④と②③をつなぐ唯一の手がかりで、番号が無いと突合できない どの計画に対する記録なのかが後から追えなくなる
POSは看護だけのもので、介護の記録には関係ない ①〜⑤の流れは職種を選ばない。介護記録・支援経過にもそのまま使える 職種ごとに別々の記録が並び、同じ人の経過が1本につながらない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

POSを回している記録と、回していない記録は、どこで見分けがつくか

読み手(管理者・後任者・他機関・運営指導の担当者)が実際に見ているのは、次の10か所です。POSが回っていれば右の列になり、回っていなければ左の列になります。

見る場所 POSを回していない記録 POSを回している記録
記録の冒頭 日付と担当者名だけが並んでいる 日付・担当者名の次に、対応する問題番号が置かれている
問題の一覧 存在しない、または計画書の課題欄が代わりになっている 番号・問題文・起こした日・状態(活動中/解決)が1枚にある
計画 「見守り」「声かけ」など単語で書かれている 観察・実施・教育の3つに分かれ、それぞれ主語と回数と時間帯がある
その日の記録 「特変なし」「変わりなし」が続く 変化があった問題番号にだけ、事実と数値と時刻が入っている
評価 「継続」「様子観察」で終わっている 計画のどの項目に対して、何がどうだったかが書かれている
計画の見直し いつ変えたのか分からない 変えた日・変えた理由・変えた内容・次に確認する日が残っている
解決した問題 いつまでも一覧に残り続けている 解決日が入り、解決の根拠となった事実が経過記録側にある
他職種の記録 それぞれ別の紙に、別の言葉で書かれている 同じ問題番号を共有しているので、1つの問題に複数職種の記録が並ぶ
期間のまとまり 日々の記録だけがひたすら続く 一定期間ごとに要約があり、そこから次の計画に接続している
引き継ぎ 口頭で補わないと伝わらない 要約1枚と問題リスト1枚を渡せば、次の人が同じ地点から始められる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

①基礎データ|POSの土台に何を集め、どう書くか(28項目・記入例28)

基礎データは、②問題リストの材料です。ここが薄いと、問題は「転倒に注意」「食事量低下」といった抽象語にしかなりません。逆に、基礎データに時刻・回数・本人の言葉が入っていれば、問題文は自然と具体的になります。

集める項目は事業所ごとに様式が違いますが、POSの土台として揃えておきたいのは次の28項目です。記入例は、そのまま自事業所の様式に貼り替えられる形で書いています。個人が特定される部分と、主治医の指示・目安にあたる部分は記入欄にしてあります。

基礎データに載せる28項目と、そのまま貼れる記入例28

No 項目 何を書くか 記入例(そのまま貼れる完成文)
1 呼称と基本情報 年齢・性別に加え、本人が呼ばれたい呼び方まで A様・82歳・女性。ご本人の希望により「◯◯さん」とお呼びする(初回訪問時にご本人へ確認)。ご家族も同じ呼び方を使っておられる。
2 要介護度と有効期間 区分と有効期間、次回更新の予定月 要介護2。認定有効期間は令和◯年◯月◯日〜令和◯年◯月◯日(記入欄)。次回更新の申請予定は有効期間満了の60日前を目安に確認する。
3 保険者・被保険者番号 保険者名と番号(記入欄)、負担割合証の確認日 保険者:◯◯市(記入欄)/被保険者番号:(記入欄)。負担割合証は令和◯年◯月◯日に写しを確認し、事業所控えに保管した。
4 現在の状態についての理解 主治医からの説明を、本人・家族がどう受け止めているか 主治医からの説明について、ご本人は「安静にしていれば大丈夫と言われた」と話される。ご長女は「歩く練習を続けるように言われた」と話され、両者の受け止めに差がある。次回受診時に同席し、説明内容を共有する。
5 主治医・医療機関・受診間隔 医療機関名(記入欄)、受診の頻度、付き添いの有無 主治医:◯◯医院・◯◯医師(記入欄)。受診間隔は4週に1回、毎月第2水曜の午前。ご長女が仕事を半休して付き添っている。次回受診日:令和◯年◯月◯日(記入欄)。
6 服薬の管理方法 誰がどう管理しているか。薬の種類・量は主治医の指示(記入欄) 処方内容は主治医の指示のとおり(記入欄)。管理はご長女が週1回、日曜夕方に1週間分をお薬カレンダーへセットしている。ご本人が自分で取り出して服用しており、飲み忘れは週2〜3回、主に昼分。
7 申告された注意点 アレルギー・過去に体調を崩した経験として本人・家族から申告された内容 ご家族から「以前、体調を崩したことがある食品がある」との申告あり(内容は記入欄)。医療上の判断は主治医に確認する。事業所内では、食事提供時に該当の有無を確認する運用とした。
8 住まいの構造 段差・手すり・照明・浴室・トイレの実測に基づく記述 木造2階建て・居室は1階。玄関に上がりかまち20cm、居室から廊下に3cmの段差が1か所。廊下に手すりなし。夜間の廊下は常夜灯なし。浴室は洗い場と浴槽の縁の高さが45cm、浴槽内に滑り止めマットあり。トイレは洋式、L字手すりが便座右側に設置済み。
9 同居家族と介護力 誰が、いつ、どこまでできるか 夫(85歳)と2人暮らし。夫は自身の通院が月2回あり、長時間の見守りは難しいと話される。ご長女は隣市在住で、土曜日の午前に来訪して買い物と掃除を担っている。平日日中は不在。
10 キーパーソンと連絡 連絡先と、連絡がつく時間帯 キーパーソン:ご長女(記入欄)。連絡がつく時間帯は平日18時以降と土日終日。日中の緊急時は職場(記入欄)へ、留守番電話に用件を残す取り決めとした(令和◯年◯月◯日に本人・長女の同意を得た)。
11 1日の生活リズム 起床から就寝までの時刻を実際の聞き取りで 6時起床、7時朝食、10時ごろ新聞、12時昼食、13〜15時に横になって過ごす、18時夕食、19時にテレビ、21時就寝。夜間は2〜3回トイレに起きる。
12 食事の形態と摂取状況 形態・介助量・摂取割合・かかる時間 常食。自力摂取。朝は主食10割・副食10割、昼は主食5割・副食7割、夕は主食8割・副食8割。昼食に30分以上かかり、後半に手が止まる。食卓の椅子は座面が高く、足底が床につかない。
13 水分摂取の状況 1日の回数と場面、自分から飲むかどうか 自分から飲む機会は少なく、朝の湯のみ1杯、昼食時1杯、夕食時1杯で、日中は促されないと飲まれない。冷たい飲み物を好まれず、白湯を好まれる。1日の目安量は主治医の指示(記入欄)に沿って確認する。
14 排泄の方法と回数 日中・夜間の別、失敗の有無と場面 日中はトイレで自立。夜間は2〜3回、ポータブルトイレを居室内で使用。週に1〜2回、間に合わずに下着を汚すことがあり、ご本人は「情けない」と話される。排便は2〜3日に1回。
15 入浴の方法と頻度 どこで・週何回・どの動作に介助が要るか 通所介護で週2回入浴。自宅では夫の負担が大きく、10月以降は入浴していない。浴槽をまたぐ動作でふらつきがあり、通所では2名介助で対応している。洗髪は自力で可能。
16 移動・移乗の方法 屋内外の別、使っている用具、介助量 屋内は伝い歩きで自立。屋外はシルバーカーを使用し、100mほどで休憩を求められる。ベッドから車いすへの移乗は手すりを使って自力で可能だが、立ち上がりに5秒ほどかかる。
17 更衣・整容 できる部分と、時間がかかる部分 上衣は自力で着脱できる。ボタンの留め外しに1枚あたり2〜3分かかり、途中で「もういい」と中断されることがある。下衣は座位で行えば自力可能。整容は洗面台で自立、爪切りはご長女が実施。
18 睡眠の状況 就寝・入眠・中途覚醒・起床の時刻と、翌日への影響 21時就寝、入眠までおよそ30分。夜間2〜3回のトイレ覚醒あり。5時ごろに目が覚めて再入眠できない日が週3日ほどあり、その翌日は午前中に眠気を訴えられる。日中13〜15時に横になる習慣がある。
19 認知・意思疎通 できていることを先に書き、困っている場面を具体で 日付と季節は答えられる。数分前の会話について同じ質問を繰り返されることが1日5回ほどあり、夫が「同じことを何度も聞かれる」と話される。長期の記憶は保たれており、若い頃の仕事の話は詳しく話される。
20 視力・聴力・伝わり方 どの距離・どの声量なら伝わるか 眼鏡使用。新聞の見出しは読めるが本文は読みにくいと話される。左耳が聞こえにくく、右側から通常の会話音量で話すと伝わる。早口・複数人の同時発話では聞き返しが増える。
21 皮膚の状態と観察部位 部位と状態、観察の頻度 仙骨部に発赤あり(大きさ・色は記入欄)。かかとの皮膚が乾燥し、ひび割れをご本人が気にしておられる。観察は入浴日(火・金)と訪問時に実施し、部位ごとに記録する。処置の要否は主治医に確認する。
22 痛み・不快の訴え方 どんな言葉・表情で表現されるか 痛みを「痛い」とは言わず、「今日はちょっとね」と話して動作を止められることが多い。立ち上がりの際に眉をひそめる表情が見られる。訴えの強さは、動作を中断されたかどうかで判断する。
23 本人の意向(本人の言葉) 要約せず、話された言葉のまま 「自分のことは自分でやりたい。お風呂だけは人に手を借りてもいい」「台所には立ち続けたい」(令和◯年◯月◯日、居室にて聴取)。
24 家族の意向(本人と分けて) 誰の意向かを明示し、本人の意向と並べる 夫「無理をさせたくないので、危ないことはやめてほしい」。ご長女「本人がやりたいことは続けさせたいが、火だけは心配」(令和◯年◯月◯日、電話にて聴取)。ご本人の「台所に立ち続けたい」との意向と、火に関する心配が並存している。
25 これまでの暮らし 仕事・役割・楽しみ。援助の手がかりになる部分 40年間、和裁の仕事をされていた。今も針箱を居室に置いておられる。近所の方と月1回の茶話会に参加していたが、令和◯年◯月以降は行かれていない。
26 利用中のサービスと担当者 種別・曜日・時間・担当者名(記入欄) 通所介護:火・金の9時30分〜16時30分(◯◯事業所・記入欄)。訪問介護:月・木の10時〜11時、生活援助(◯◯事業所・記入欄)。福祉用具貸与:手すり2か所、シルバーカー(◯◯事業所・記入欄)。
27 制度・手続きの状況 確認した書類と確認日。金額は書かない 介護保険被保険者証・負担割合証を令和◯年◯月◯日に確認。医療保険証の確認日は令和◯年◯月◯日(記入欄)。成年後見等の利用の有無:(記入欄)。
28 今後の希望と、話し合った日 誰と、いつ、どんな言葉で話し合ったか 令和◯年◯月◯日、ご本人・夫・ご長女・担当者の4名で、今後の暮らし方について話し合った。ご本人は「最後まで家にいたい」と話された。次回の話し合いの目安は6か月後、または状態が大きく変わったときとした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

基礎データを更新する場面と、更新したことを残す完成文10例

基礎データは1回作って終わりではありません。更新したことが分からないと、②問題リストの根拠がいつの情報なのか追えなくなります。「何を・いつ・誰から聞いて・どこを書き換えたか」を1文で残します。宇都宮市が公表している運営指導の主な指導事例には、要介護度の変更や入退院等で心身の状況の再把握が必要になった場合に再アセスメントを行うこと、という整理が示されています。

更新する場面 書き換える項目 更新記録の完成文(そのまま貼れる)
退院した 4・5・6・8・12・15・16・21 令和◯年◯月◯日、◯◯病院を退院。退院時カンファレンスで得た情報をもとに、基礎データの「現在の状態についての理解」「服薬の管理方法」「移動・移乗の方法」「皮膚の状態」を更新した。入院前は屋内伝い歩き自立だったが、退院時は歩行器使用となったため項目16を書き換えた。
要介護度が変わった 2・26 令和◯年◯月◯日、認定結果の通知により要介護2から要介護3に変更。基礎データの「要介護度と有効期間」を更新し、利用中サービスの曜日・時間の見直しについて担当者と調整することとした。
主たる介護者が変わった 9・10・24 令和◯年◯月◯日、ご長女が転勤となり、主たる介護者が次女(記入欄)に変更となった。連絡がつく時間帯を平日20時以降に書き換え、緊急時の連絡順位を次女→夫の順に改めた。ご本人と次女の同意を確認済み。
住まいを改修した 8 令和◯年◯月◯日、廊下と玄関に手すりを設置。基礎データの住まいの構造から「廊下に手すりなし」の記載を削除し、「廊下右側に連続手すり(床から75cm)」「玄関に縦手すり1本」に書き換えた。夜間の照明については未対応のため記載を残した。
食事の形態が変わった 12・13 令和◯年◯月◯日、主治医の指示(記入欄)により食事の形態が変更となった。基礎データの食事の形態を書き換え、あわせて1食にかかる時間を実測し直した(昼食25分)。水分についての指示は記入欄のとおり。
本人の意向が変わった 23・28 令和◯年◯月◯日、ご本人から「お風呂も自分でやってみたい」との発言があった。基礎データの本人の意向に、令和◯年◯月◯日時点の言葉として追記した(従前の記載は日付を付けて残した)。
転倒・ヒヤリがあった 8・16・18 令和◯年◯月◯日2時40分、夜間トイレへ向かう際に廊下でつまずかれた(転倒には至らず)。基礎データの住まいの構造に「夜間の廊下は常夜灯なし」を追記し、夜間の起床回数を2〜3回から3〜4回に書き換えた。
受診の間隔が変わった 5・6 令和◯年◯月◯日の受診で、次回から受診間隔が2週に1回となった(主治医の指示・記入欄)。基礎データの受診間隔と、付き添い者・付き添いの調整状況を書き換えた。
サービスが増減した 26 令和◯年◯月◯日より訪問看護(週1回・木曜14時〜・記入欄)の利用を開始。基礎データの利用中サービスに追記し、事業所間の連絡方法(連絡ノートの設置場所)を記載した。
季節・生活環境が変わった 8・11・13 令和◯年◯月、冷房の操作が難しく室温が調整されないまま過ごされていることを訪問時に確認した。基礎データの住まいの構造に「エアコンのリモコン表示が小さく操作しにくい」、生活リズムに「日中の在室時間が長い」を追記した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

基礎データに書かないほうがよいこと

  • 職員の推測を事実のように書かない。「認知症が進んでいると思われる」ではなく、「同じ質問を1日5回ほど繰り返される」という観察事実で書きます。
  • 医学的な判断を書かない。診断・重症度・予後は主治医の領域です。基礎データには「主治医からこう説明を受けたと本人・家族が話している」という形で置きます。
  • 検査値や測定値の「基準」を書かない。目安は主治医から示されたものを記入欄として置き、事業所の判断で範囲を書き込みません。
  • 薬剤名・用量を記録者の記憶で書かない。処方内容は処方箋・お薬手帳の写しで確認し、基礎データには管理方法(誰が・いつ・どうセットしているか)を書きます。
  • 評価を含む言葉で人物を描かない。「頑固」「協力的でない」ではなく、「提案に対して『それは今はいい』と話され、実施に至らなかった」と事実で書きます。
  • 要約しすぎない。本人の意向は、要約すると援助の手がかりが落ちます。話された言葉をそのまま残し、聴取した日付を添えます。

②問題リスト|POSの心臓部。医学的な診断名を置かない立て方と完成例36件

POSの5要素のうち、外部から見て一番差が出るのが問題リストです。ここが無い、あるいは半年前のまま止まっている事業所では、③初期計画も④経過記録も宙に浮きます。問題リストは「今、この人に対して援助が必要な事柄の一覧」であり、番号・問題文・起こした日・状態(活動中/解決)を持つ台帳です。

そして問題リストで最も間違えやすいのが、問題の欄に病名を書いてしまうことです。病名を書くと、そこから先の計画が立ちません。「#1 脳梗塞後遺症」に対して観察すること・実施すること・伝えることを書こうとしても、対象が広すぎて手が止まります。問題は生活・状態・反応——つまり「その人の暮らしの中で、今どんな困りごとが、どんな形で現れているか」で書きます。

診断名で立てた問題を、生活・状態・反応で立て直す20例

左の列は、実際によく見かける立て方です。右に立て直した形を並べます。立て直しの手がかりは、基礎データのどの記述から拾ったかにあります。診断名は問題リストではなく、基礎データ側に事実として置いておきます。

診断名で立てた形(避けたい書き方) 生活・状態・反応で立て直した形(そのまま貼れる問題文) どこから拾ったか
「#1 脳梗塞後遺症」 #1 右半身に力が入りにくく、浴槽をまたぐ動作でふらつきがあり、入浴に介助を要する状態 基礎データ15(入浴の方法と頻度)・16(移動・移乗)
「#2 認知症」 #2 数分前の会話について同じ質問を1日5回ほど繰り返され、同居の夫が対応に疲れていると話している状態 基礎データ19(認知・意思疎通)・9(同居家族と介護力)
「#3 心不全」 #3 主治医から示された体重の目安(記入欄)を上回った日に、階段の昇りで息切れを訴え、途中で立ち止まられる状態 基礎データ4(状態の理解)・16(移動)
「#4 糖尿病」 #4 主治医から示された食事に関する指示(記入欄)に沿った食事の準備が、ご本人だけでは続かず、市販の惣菜が続いている状態 基礎データ12(食事)・25(これまでの暮らし)
「#5 パーキンソン病」 #5 動き出しの一歩が出にくく、方向転換の際にふらつきがあり、居室から廊下へ出る場面で介助を求められる状態 基礎データ16(移動・移乗)
「#6 骨粗鬆症」 #6 転倒への心配からご家族が外出を控えさせており、屋外歩行の機会が週2回から月2回に減っている状態 基礎データ16(移動)・24(家族の意向)
「#7 誤嚥性肺炎の既往」 #7 食事の途中でむせこみがあり、1食に30分以上かかって後半に手が止まる状態 基礎データ12(食事の形態と摂取状況)
「#8 褥瘡」 #8 仙骨部に発赤があり、日中に同一姿勢で2時間以上座って過ごされている状態 基礎データ21(皮膚)・11(生活リズム)
「#9 便秘症」 #9 排便が3日以上ない日があり、その翌日に「お腹が張って食べたくない」と話して朝食を残される状態 基礎データ14(排泄)・12(食事)
「#10 うつ状態」 #10 「もう何もしたくない」と話される日が週2日ほどあり、予定していた通所介護を当日にお休みされる状態 基礎データ26(利用中サービス)・23(本人の意向)
「#11 変形性膝関節症」 #11 立ち上がりの際に眉をひそめて動作を止められ、椅子から立つまでに10秒以上かかる状態 基礎データ22(痛みの訴え方)・16(移動)
「#12 難聴」 #12 左側からの声や複数人の会話では聞き返しが増え、説明した内容が伝わらないまま進むことがある状態 基礎データ20(視力・聴力・伝わり方)
「#13 白内障術後」 #13 夜間の廊下が見えにくく、トイレまでの移動に不安を訴えられ、途中で壁に手をついて止まられる状態 基礎データ8(住まいの構造)・14(排泄)
「#14 前立腺肥大」 #14 夜間に3回以上トイレに起きられ、翌日の午前中に眠気を訴えて活動が進まない状態 基礎データ18(睡眠)・14(排泄)
「#15 高血圧」 #15 主治医から示された測定の目安(記入欄)について、ご本人とご家族の理解が一致しておらず、家庭での測定が続いていない状態 基礎データ4(状態の理解)・6(服薬の管理)
「#16 廃用症候群」 #16 日中に横になって過ごす時間が1日4時間以上あり、屋内の連続歩行距離が10mから5mに短くなっている状態 基礎データ11(生活リズム)・16(移動)
「#17 慢性腎臓病」 #17 主治医から示された水分と食事に関する指示(記入欄)について、ご本人とご家族で受け止めが異なり、食事の準備が定まらない状態 基礎データ4(状態の理解)・13(水分)・24(家族の意向)
「#18 圧迫骨折後」 #18 起き上がりの際に腰の痛みを訴えられ、朝の更衣に20分以上かかって朝食の時間が遅れる状態 基礎データ17(更衣)・22(痛みの訴え方)
「#19 嚥下障害」 #19 水分でむせこまれることがあり、ご自分から飲む回数が1日3回にとどまっている状態 基礎データ13(水分摂取)・12(食事)
「#20 認知症の周辺症状」 #20 夕方16時ごろになると落ち着かずに玄関へ向かわれ、「家に帰る」と話して外に出ようとされる状態 基礎データ11(生活リズム)・19(認知・意思疎通)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

立て直した文には共通の形があります。「(何が原因で)+(どんな場面で)+(どうなっているか)+(状態)」です。原因は病名でなくてかまいません。「右半身に力が入りにくく」「夜間の廊下が見えにくく」のように、観察できる事実で十分です。この形にすると、次の③初期計画で「何を観察するか」「何を実施するか」「何を伝えるか」が自動的に決まります。

問題リストの完成例36件——番号・問題文・立てた根拠・起こした日・状態

そのまま様式に貼り替えられる形で、問題リストの完成例を36件並べます。「起こした日」は問題を一覧に載せた日、「状態」は活動中か解決かの別です。解決した問題は消さずに、解決日を入れて残します。

# 問題(そのまま貼れる完成文) 立てた根拠となる事実 起こした日 状態
1 浴槽をまたぐ動作でふらつきがあり、自宅での入浴に見守りと介助を要する状態 通所介護での入浴時に2名介助、自宅では10月以降入浴していない 令和◯年◯月◯日 活動中
2 夜間にトイレへ向かう際、廊下が暗く足元が見えにくいため、つまずきかけることがある状態 ◯月◯日2時40分に廊下でつまずかれた(転倒には至らず)。常夜灯なし 令和◯年◯月◯日 活動中
3 昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態 摂取割合の記録(昼:主食5割)。食卓の椅子で足底が床につかない 令和◯年◯月◯日 活動中
4 ご自分から水分を摂る機会が1日3回にとどまり、日中は促されないと飲まれない状態 訪問時の聞き取りと、日中の飲水の観察。冷たい飲み物を好まれない 令和◯年◯月◯日 活動中
5 排便が3日以上ない日があり、その翌日に腹部の張りを訴えて朝食を残される状態 排泄記録(2〜3日に1回)。「お腹が張って食べたくない」との発言 令和◯年◯月◯日 活動中
6 立ち上がりの際に眉をひそめて動作を止められ、椅子から立つまでに10秒以上かかる状態 訪問時の実測。痛みを言葉にせず「今日はちょっとね」と表現される 令和◯年◯月◯日 活動中
7 服薬をご自分で取り出しておられ、昼分の飲み忘れが週2〜3回ある状態 お薬カレンダーの残薬確認(日曜セット・水曜訪問時に昼分が残存) 令和◯年◯月◯日 活動中
8 夕方16時ごろに落ち着かなくなり、玄関へ向かって外に出ようとされる状態 ご家族の記録(週3〜4回、16時前後)。「家に帰る」との発言 令和◯年◯月◯日 活動中
9 数分前の会話について同じ質問を1日5回ほど繰り返され、同居の夫が対応に疲れていると話している状態 夫からの聞き取り。「同じことを何度も聞かれる」との発言 令和◯年◯月◯日 活動中
10 仙骨部に発赤があり、日中に同一姿勢で2時間以上座って過ごされている状態 入浴時の皮膚観察(◯月◯日)。日中13〜15時に同じ椅子で過ごされる 令和◯年◯月◯日 活動中
11 かかとの皮膚が乾燥してひび割れがあり、ご本人が「見た目が気になる」と話しておられる状態 入浴時の観察と本人の発言。靴下を二重に履いておられる 令和◯年◯月◯日 活動中
12 通所介護での入浴を「今日はいい」と断られることがあり、月2回しか入浴できていない状態 通所介護からの連絡票(◯月は入浴2回)。脱衣室が寒いとの発言 令和◯年◯月◯日 活動中
13 主たる介護者である夫の負担が大きく、夫が「夜も眠れない」と話しておられる状態 夫からの聞き取り。夫自身の通院が月2回、夜間の付き添いが2〜3回 令和◯年◯月◯日 活動中
14 退院後の生活に不安があり、「また入院するのでは」と1回の訪問で3回以上話される状態 退院後2回の訪問での発言。夜間に眠れない日があるとの申し出 令和◯年◯月◯日 活動中
15 左側からの声や複数人の会話では聞き返しが増え、説明した内容が伝わらないまま進むことがある状態 担当者会議での様子。右側・通常音量では伝わることを確認 令和◯年◯月◯日 活動中
16 屋外へ出る機会が週2回から月2回に減り、シルバーカーが玄関に置かれたままになっている状態 訪問時の観察。ご家族が転倒を心配して外出を控えさせている 令和◯年◯月◯日 活動中
17 食事の途中で座位が崩れ、体が右に傾いたまま食べ続けられる状態 昼食時の観察(15分経過時点で傾き)。椅子の座面が高い 令和◯年◯月◯日 活動中
18 食事の途中でむせこみがあり、1食に30分以上かかる状態 昼食時の観察(1食で2〜3回のむせこみ) 令和◯年◯月◯日 活動中
19 義歯が合わないと話され、硬いものを避けて主食のみになる日がある状態 本人の発言と、副食の残りの記録。歯科受診は令和◯年◯月以降なし 令和◯年◯月◯日 活動中
20 尿意を訴えてからトイレに間に合わないことが週1〜2回あり、ご本人が「情けない」と話される状態 排泄記録と本人の発言。居室からトイレまで8m、途中に段差1か所 令和◯年◯月◯日 活動中
21 独居のため日中に人と話す機会がなく、「一日中、誰とも話さない日がある」と話される状態 訪問時の聞き取り。近隣との茶話会は令和◯年◯月以降参加なし 令和◯年◯月◯日 活動中
22 通院の付き添いを担うご長女が毎回仕事を半休しており、この調整が続かないと話しておられる状態 ご長女からの聞き取り(月2回・半休)。他に付き添える人がいない 令和◯年◯月◯日 活動中
23 冷暖房のリモコン操作が難しく、室温が調整されないまま長時間過ごされている状態 訪問時の観察(室温計の表示・記入欄)。リモコンの表示が小さい 令和◯年◯月◯日 活動中
24 調理を続けたいという意向がある一方、火の消し忘れがご家族から月2回報告されている状態 本人の意向「台所には立ち続けたい」。ご長女からの報告(◯月2回) 令和◯年◯月◯日 活動中
25 居室から廊下に3cmの段差があり、つまずきかけたことが今月2回ある状態 住まいの構造の実測と、ご家族からの報告 令和◯年◯月◯日 活動中
26 受診の間隔が空き、体調の変化を主治医に相談できないまま次の受診日まで過ごされている状態 受診記録(4週に1回)と、その間の体調変化の記録 令和◯年◯月◯日 活動中
27 日中に13〜15時の2時間横になる習慣があり、夜間5時前に目が覚めて再入眠できない日が週3日ある状態 生活リズムの聞き取りと睡眠の記録 令和◯年◯月◯日 活動中
28 体重が3か月で(記入欄)kg減っており、ご本人は「食べているつもり」と話しておられる状態 通所介護での体重測定記録(月1回)と本人の発言 令和◯年◯月◯日 活動中
29 手指の細かい動作が難しく、ボタンの留め外しに1枚あたり2〜3分かかって途中で中断される状態 更衣場面の観察。「もういい」と中断される 令和◯年◯月◯日 活動中
30 便座からの立ち上がりで手すりに手が届かず、その都度介助を求められる状態 トイレ動作の観察。L字手すりが便座右側のみ、位置が遠い 令和◯年◯月◯日 活動中
31 ご家族が医療機器(記入欄)の管理を担っておられ、「手順が合っているか不安」と話されている状態 ご長女からの申し出。手順書の有無:(記入欄) 令和◯年◯月◯日 活動中
32 服薬後に眠気を訴えられ、午前中に予定していた活動が進まない日が週2日ある状態 訪問時の観察と本人の発言。主治医への相談の有無:(記入欄) 令和◯年◯月◯日 活動中
33 サービス担当者が交代するたびに緊張され、初回から3回程度は会話がほとんどない状態 訪問介護事業所からの連絡票。交代時の様子 令和◯年◯月◯日 活動中
34 電話の呼び出し音に気づかれないことがあり、ご家族が日中の安否を確認できない状態 ご長女からの申し出(週1〜2回、電話がつながらない) 令和◯年◯月◯日 活動中
35 入浴後に脱衣室で「寒い」と話され、湯冷めを理由に入浴を渋られる状態 通所介護からの連絡票と、自宅浴室の脱衣室に暖房がないこと 令和◯年◯月◯日 活動中
36 玄関の上がりかまち20cmの昇降に手をつく場所がなく、外出のたびにご家族の介助を要する状態 住まいの構造の実測(上がりかまち20cm・縦手すりなし) 令和◯年◯月◯日 活動中

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この36件を1人に全部立てるわけではありません。実際には1人あたり3〜7件程度に絞ります。問題が多すぎると、③初期計画も④経過記録も追いつかず、リストが止まります。止まった問題リストは、無いリストより読み手を迷わせます。

番号の振り方・統合・分割・解決の扱いと、リストへの書き方12例

問題リストは台帳なので、番号の扱いにルールが要ります。ここが決まっていないと、担当者が替わったときに番号が振り直され、過去の経過記録と対応が取れなくなります。

場面 扱い方 問題リストへの書き方(そのまま貼れる完成文)
新しい問題が出た 使われていない次の番号を振る。過去の欠番は再利用しない #12 通所介護での入浴を断られることがあり、月2回しか入浴できていない状態(令和◯年◯月◯日に起こす。#1〜#11は使用済みのため12を付番)
問題が解決した 行は消さず、状態を「解決」にして解決日と根拠を書く #2 解決(令和◯年◯月◯日)。廊下と居室に人感センサー付き常夜灯を設置し、設置後4週間、夜間のつまずきの報告なし。ご本人から「足元が見えるようになった」との発言あり。
解決したはずが再発した 同じ番号を「再活動」として復活させ、再開日を書く #2 再活動(令和◯年◯月◯日)。常夜灯の電池切れにより2日間点灯しておらず、◯月◯日2時20分に再びつまずかれた。電池交換の担当と頻度を#2の計画に追加した。
2つの問題が同じ原因だった 片方に統合し、統合された側に「#◯へ統合」と残す #17を#3へ統合(令和◯年◯月◯日)。食事中の座位の崩れ(#17)は、椅子の座面が高く足底が床につかないことが背景にあり、昼食の摂取量低下(#3)と同一の要因のため、#3に統合した。#17の行は統合の記載を残して閉じる。
1つの問題に別々の対応が要る 枝番ではなく新しい番号に分割し、元の問題文を狭める #8を#8と#37に分割(令和◯年◯月◯日)。#8「夕方16時ごろに落ち着かなくなり玄関へ向かわれる状態」のうち、外に出られたあとの安全確保に関する部分を#37「屋外へ出られた際に自宅へ戻る道が分からなくなる可能性がある状態」として分けた。
問題文の表現を直したい 番号は変えず、問題文を改訂して改訂日を残す #3 改訂(令和◯年◯月◯日)。従前「食事量が少ない状態」→改訂後「昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態」。場面と頻度を特定したため。
他機関から問題を引き継いだ 自事業所の番号を新たに振り、出所を書く #38 起き上がりの際に腰の痛みを訴えられ、朝の更衣に20分以上かかる状態(令和◯年◯月◯日、退院時カンファレンスで病院より情報提供。当事業所としての付番は#38)
問題かどうか迷う 「観察中」の状態で仮に置き、判断する期日を決める #39 観察中(令和◯年◯月◯日)。日中の傾眠が増えている可能性があるが、現時点では週1回の観察にとどまる。令和◯年◯月◯日までの2週間、訪問のたびに時刻と様子を記録し、その時点で問題として起こすかを判断する。
本人が問題と思っていない 本人の受け止めを併記して立てる。押し付けにしない #16 屋外へ出る機会が減っている状態。ご本人は「別に困っていない」と話しておられる一方、ご長女は「前は毎日買い物に行っていた」と話される。両者の受け止めの差を含めて経過を追う。
家族側の問題である 本人の問題と分けて立て、対象を明示する #13 主たる介護者である夫の負担が大きく、夫が「夜も眠れない」と話しておられる状態(対象:介護者。ご本人の問題とは別に管理する)
期間限定の問題である いつまでの問題かを問題文に入れる #40 退院後4週間、自宅での生活の組み立てが定まらず、1日の予定が日によって大きく変わる状態(令和◯年◯月◯日〜同◯月◯日を目安に評価する)
番号が飛んで見づらい それでも振り直さない。一覧の並べ替えで対応する #1〜#40のうち活動中は#1・#3・#8・#13・#20・#24の6件(令和◯年◯月◯日現在)。番号は振り直さず、活動中を上、解決を下に並べ替えて表示する運用とした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

看護の問題と、主治医の指示のもとで観察を続ける問題(共同問題)の分け方

問題リストには2種類の問題が並びます。1つは、その職種の判断と実施で対応できる問題。もう1つは、医学的な判断が主治医にあり、事業所側は指示された観察を続けて報告するという関わり方になる問題です。後者は共同問題と呼ばれます。この2つを混ぜると、計画のTP(実施)に「事業所の判断でできないこと」が書き込まれてしまいます。

区分 誰が判断するか 事業所側が計画に書くこと 問題文の書き方(完成例)
その職種で対応できる問題 事業所の担当者が、本人・家族と相談して決める 観察・実施・教育のすべてを自事業所の言葉で書ける #3 昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態
主治医の指示のもとで観察を続ける問題(共同問題) 医学的な判断は主治医。事業所は観察と報告を担う 観察の項目・頻度・報告の基準(主治医から示されたもの=記入欄)と、報告の手段 #41 主治医から示された観察項目(記入欄)について、指示された頻度で確認と報告を継続する必要がある状態
両方の性質を持つ問題 生活面は事業所、医学的判断は主治医で分担する 分担を問題文に明記し、報告のタイミングを決めておく #8 仙骨部に発赤があり、日中に同一姿勢で2時間以上座って過ごされている状態(姿勢と時間の調整は当事業所、皮膚の処置の要否は主治医の判断による)
家族が担っている医療的な手技 手技そのものの指示は主治医・訪問看護 手順書の所在確認と、家族が不安を訴えた場合の連絡先 #31 ご家族が医療機器(記入欄)の管理を担っておられ、「手順が合っているか不安」と話されている状態(手順の指導は指示元へ依頼、当事業所は状況の把握と連絡を担う)
服薬に関する問題 処方の内容・変更は主治医 管理方法(誰がいつセットするか)と、残薬の確認方法 #7 服薬をご自分で取り出しておられ、昼分の飲み忘れが週2〜3回ある状態(処方・用法の判断は主治医。当事業所は残薬の確認と報告を担う)
痛みに関する問題 痛みへの医学的対応は主治医 訴えの表れ方・場面・時刻の記録と、受診時に渡す形 #6 立ち上がりの際に眉をひそめて動作を止められ、椅子から立つまでに10秒以上かかる状態(訴えの場面と時刻を記録し、受診時に主治医へ渡す)
食事の形態に関する問題 形態の変更は主治医・専門職の判断 むせこみの場面・回数・食事にかかる時間の記録 #18 食事の途中でむせこみがあり、1食に30分以上かかる状態(形態の判断は主治医・専門職に依頼。当事業所は場面と回数を記録する)
体重の変化に関する問題 原因の判断は主治医 測定の頻度・測定条件をそろえた記録と、報告の手段 #28 体重が3か月で(記入欄)kg減っており、ご本人は「食べているつもり」と話しておられる状態(測定は通所介護で月1回・同じ時間帯。結果は受診時に主治医へ渡す)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

③初期計画|OP・TP・EPに分ける型と、問題番号ごとの完成文36例

初期計画は、②問題リストの番号ごとに立てます。「その人の計画」ではなく「#3の計画」「#8の計画」という単位です。ここを人単位でまとめてしまうと、④経過記録で「どの計画に対する評価なのか」が特定できなくなります。

初期計画は3つに分けて書きます。OP(観察計画)・TP(実施計画)・EP(教育・指導計画)です。この3分割の意味は、「見るだけのこと」「手を出すこと」「相手に伝えて相手にやってもらうこと」を混ぜないという点にあります。混ぜると、④で「実施した」のか「見ただけ」なのかが読み取れなくなります。

OP・TP・EPは何を書き分けるのか

読み方 ここに書くこと 書くときの必須要素 ここに書いてはいけないこと
OP 観察計画(Observation Plan) 何を・いつ・どの頻度で・誰が見るか。数えられる形にする 観察する対象/頻度・時間帯/観察する人/記録する場所 「様子を見る」だけの記述。何をもって変化と見るかが無い書き方
TP 実施計画(Treatment Plan/Care Plan) 職員が実際に手を動かすこと。手順・回数・時間・使う物 誰が/いつ/どこで/何を/どうやって/使う福祉用具や物品 事業所の判断でできないこと(医学的な判断を要する行為)
EP 教育・指導計画(Education Plan) 本人・家族・他事業所に伝えて、相手にやってもらうこと 誰に/何を/どんな方法で(口頭・書面・実演)/いつ/理解の確かめ方 伝えっぱなしの記述。相手がどう受け止めたかを確かめる手立てが無い書き方
目標 3つの上に置く到達点 その問題がどうなったら計画を見直すか。期日と、測れる形で いつまでに/何が/どの程度/どう確かめるか 「改善する」「安定する」といった、測れない言い方

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

問題番号ごとの初期計画36例(12問題×OP・TP・EP)

問題リストの完成例から12件を選び、OP・TP・EPをそれぞれ完成文で書きます。すべて、そのまま計画欄に貼り替えられる形です。

# 区分 初期計画の完成文(そのまま貼れる)
1 OP 入浴のたびに、浴槽をまたぐ際のふらつきの有無、手すりを握った位置、またぎ動作にかかった秒数を観察し、通所介護の入浴記録に残す(火・金の入浴時、入浴担当者)。自宅入浴を再開した場合は、訪問介護員が同様の項目を訪問記録に残す。
1 TP 浴槽の出入りは、またぐ側の足を先に入れる手順で統一し、職員1名が対側の腰を支える。浴槽の縁に浴槽用手すりを設置し、洗い場にはすのこを敷いて段差を3cm以内にする。脱衣室の暖房は入浴の20分前に入れる。
1 EP ご本人へ、またぎの手順(手すりを握る→座る→片足ずつ)を実演で示し、その場で1回やってみていただく(初回は令和◯年◯月◯日、以後は月1回確認)。夫へは、自宅で介助する場合に立つ位置を図で示した紙を渡し、渡した日を記録する。
3 OP 毎食の主食・副食の摂取割合、1食にかかった時間、手が止まった時点の経過時間を記録する(訪問介護員・通所介護職員が各提供日)。体重は通所介護で月1回、同じ曜日・同じ時間帯に測定する。
3 TP 食卓の椅子を座面の低いものに変更し、足底が床につく高さに調整する。昼食は、後半に手が止まる時間帯(開始15分後)に一度声をかけ、汁物を先に温め直して提供する。1品ずつ順に出す配膳に変える。
3 EP ご長女へ、摂取割合の記録の付け方(主食・副食を別に、10段階で)を書面で示し、冷蔵庫に貼っていただく。次回訪問時に記入状況を一緒に確認する。ご本人へは「残しても構わないので、時間を気にせず召し上がってください」と伝える。
5 OP 排便の有無と性状、最終排便からの日数、腹部の張りの訴えの有無を、訪問のたびと通所利用日に確認して排泄記録に残す。朝食の摂取割合と併せて記録し、排便のない日が3日を超えた場合は記録の余白に印を付ける。
5 TP 起床後に白湯を1杯お渡しし、朝食後にトイレへ誘導して5分程度座位を保てるよう見守る(訪問介護・月木の10時)。通所利用日は、送迎前に排泄の声かけを行う。腹部の張りの訴えがあった日は、主治医への報告事項として連絡ノートに転記する。
5 EP ご本人と夫へ、排便の有無を日めくりカレンダーに丸印で付ける方法を実演し、カレンダーを居室に設置する。訴えがあったときの連絡先(事業所・主治医の順)を書いた紙を電話台に貼り、貼った日を記録する。
7 OP 訪問のたびにお薬カレンダーの残薬を確認し、残っていた区分(朝・昼・夕)と日付を記録する。ご本人に飲み忘れの自覚があるかを確認し、発言をそのまま記録する。処方内容の判断は主治医(記入欄)による。
7 TP お薬カレンダーを食卓の見える位置に移し、昼分だけ色の違うクリップで示す。訪問時(月・木の10時)に、その週の昼分の残りを一緒に確認する。残薬があった場合は、日付と数を連絡ノートに記載し、次回受診時にご長女が持参できるようにする。
7 EP ご長女へ、日曜のセット時に前週の残薬を確認して連絡ノートへ記入する手順を口頭と書面で説明する(令和◯年◯月◯日実施)。ご本人へは、昼食のあとにカレンダーを見る習慣づけとして、昼食の食器を下げる際に一緒に確認する声かけを行う。
8 OP 落ち着かなくなる時刻、直前にあった出来事、話された言葉、玄関へ向かわれた回数を、ご家族の記録用紙と職員の記録の両方に残す(毎日)。その日の日中の活動量(外出の有無・横になっていた時間)も併せて記録する。
8 TP 15時30分に、居室のカーテンを開けて外光を入れ、和裁の針箱を一緒に眺める時間を10分設ける(訪問介護・火曜、家族が在宅の日は家族が実施)。玄関へ向かわれた際は制止せず、一緒に玄関先まで出て、5分ほど外気に当たってから居室へ戻る導線をとる。
8 EP 夫とご長女へ、玄関へ向かわれたときに「だめ」と止めず、一緒に外へ出て戻る方法を実演で示す(令和◯年◯月◯日、自宅にて)。記録用紙は時刻と言葉だけを書けばよい形にして渡し、次回訪問時に記入状況を確認する。
10 OP 入浴日(火・金)に仙骨部の皮膚を観察し、発赤の有無・大きさ・色・押した後の変化を記録する。日中に同一姿勢で座っておられた連続時間を、訪問時と通所利用時に記録する。皮膚の処置の要否は主治医(記入欄)の判断による。
10 TP 日中に座って過ごされる椅子へ座面クッションを導入し、2時間ごとに座り直しの声かけと姿勢の調整を行う(通所利用日は10時・12時・14時)。臥床時は側臥位の枕を使い、同一部位に体重がかからないよう位置を変える。
10 EP ご本人へ「テレビの区切りで一度立ち上がってください」と具体的な合図で伝え、時計に印を付ける。夫へは、皮膚の色が変わっている場合に事業所へ連絡する手順を書面で渡し、渡した日を記録する。処置についての相談先は主治医とすることを併せて伝える。
13 OP 訪問のたびに、夫の睡眠時間・夜間に起きた回数・夫自身の受診状況を確認し、夫の言葉をそのまま記録する(対象は介護者)。夫が「休みたい」と話された回数も記録に残す。
13 TP 通所介護の利用日を週2回から週3回に増やす方向で、担当者会議の議題として提出する(令和◯年◯月◯日開催予定)。短期入所の利用について、ご本人・夫の意向を確認する場を訪問時に設ける。夫の受診日(月2回)に合わせて訪問時間を調整する。
13 EP 夫へ、介護者の集まり(開催場所・日時は記入欄)の案内を書面で渡し、参加の意向を次回訪問時に確認する。夜間の対応で困ったときの連絡先と、連絡してよい時間帯を明記した紙を電話台に貼る。
16 OP 1週間のうち屋外へ出られた回数と行き先、シルバーカーの使用の有無、歩かれた時間を記録する。屋外歩行の際に休憩を求められるまでの距離を、月1回同じ道順で測る。
16 TP 訪問介護の生活援助(月・木の10時)のうち買い物同行に切り替えられる回を月2回設け、片道100m以内の店を目的地とする。往路で1回、復路で1回のベンチ休憩を挟む導線をあらかじめ決めておく。
16 EP ご長女へ、土曜午前の来訪時に一緒に外へ出る提案を口頭で行い、行き先の候補(記入欄)を一緒に決める。ご本人へは「買い物に付き合ってください」という役割の形で誘い、断られた場合は理由をそのまま記録する。
20 OP 排尿の時刻と、間に合わなかった回数・そのときの場面(就寝中・食後など)を記録する。居室からトイレまでの移動にかかった時間を、訪問時に月1回測る。ご本人の「情けない」といった発言も、そのまま記録する。
20 TP 居室からトイレまでの導線にある3cmの段差にスロープを設置し、途中に立ち止まれる手すりを1か所追加する(福祉用具貸与事業所と調整)。夕食後と就寝前にトイレへの声かけを行う。夜間はポータブルトイレの位置をベッドから1歩の距離に固定する。
20 EP ご本人へ「間に合わないのは道のりの問題なので、一緒に道を短くしましょう」と伝え、設置後に一緒に歩いて確認する。夫へは、夜間にポータブルトイレの位置がずれていないかを就寝前に確認する手順を伝え、確認欄のある紙を枕元に置く。
24 OP 調理をされた回数と内容、火を使ったかどうか、消し忘れの報告があった日を記録する。ご本人が調理中にどこまでご自分で確認しておられるか(火・水道・冷蔵庫)を、訪問時に同席して観察する。
24 TP 加熱器具の切り替え(自動で切れる機器への変更)について、ご本人・ご長女と一緒に検討する場を訪問時に設ける。訪問介護の時間帯を調理の時間に合わせ、月・木の11時からとする。調理の下ごしらえを一緒に行い、火を使う工程はご本人が担う形を維持する。
24 EP ご本人へ「台所に立ち続けるために、消し忘れても大丈夫な道具に替えませんか」と、意向を否定しない形で提案する。ご長女へは、消し忘れがあった日の記録の付け方(日付・時刻・気づいた人)を書面で渡す。
28 OP 体重を通所介護で月1回、同じ曜日・同じ時間帯・同じ衣類の条件で測定し、記録する。毎食の摂取割合、間食の有無、食事にかかる時間を記録する。ご本人の「食べているつもり」という発言も、その都度そのまま記録する。
28 TP 食事の記録用紙を、主食・副食・汁物・間食の4欄に分けた形に変更し、訪問のたびに一緒に振り返る。ご本人の好まれる食品(記入欄)を通所介護のおやつに取り入れる。測定結果は受診日にまとめて主治医へ渡せるよう、1枚の用紙に転記する。
28 EP ご本人とご長女へ、記録用紙の付け方を実演で示し、初回は一緒に1日分を記入する。体重の変化についての判断は主治医に相談することを伝え、次回受診日(記入欄)に記録用紙を持参していただくよう依頼する。
31 OP ご家族が管理しておられる医療機器(記入欄)について、実施の頻度・実施者・困っておられる場面を、訪問のたびに確認して記録する。ご家族が不安を訴えられた発言は、そのまま記録に残す。手技についての指示は指示元(記入欄)による。
31 TP 手順書の所在を確認し、見える場所(記入欄)に掲示する。訪問時に手順書と実際の手順が一致しているかを一緒に確認し、相違があった場合は指示元へ連絡する。連絡した日と相手を記録する。
31 EP ご家族へ、手順に迷ったときの連絡先(指示元の医療機関・訪問看護事業所の順、記入欄)と、連絡してよい時間帯を書いた紙を機器の近くに掲示する。掲示した日を記録し、次回訪問時に見えているかを確認する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

36例に共通しているのは、OPに「誰が・いつ・どこに記録するか」まで入っていることです。ここが抜けると、④経過記録の段になって「誰も見ていなかった」という空白ができます。TPには使う物と手順、EPには伝えた日と、理解を確かめる手立てが入っています。

④経過記録のI・E・R|「Pまでは書けるが、そのあとが書けない」を埋める完成文96例

ここがこの記事の中心です。経過記録の書き方としてSOAPを使っている事業所は多いのですが、実際に手が止まるのはPの次です。SOAPIEはSOAPにI(Intervention=介入)とE(Evaluation=評価)を足した形、SOAPIERはさらにR(Revision=修正)を足した形です。S・O・A・Pの4文字そのものの解説は当サイトの別記事に譲り、ここではI・E・Rの3文字だけを、完成文で埋めていきます。

なぜこの3文字が難しいのか。理由は単純で、比べる相手が要るからです。Iは③初期計画のTPと比べて書き、Eは③初期計画の目標と比べて書き、Rは②問題リストと③初期計画に戻して書きます。つまりI・E・Rは、POSの他の要素とつながっていないと書けません。「IとEが書けない」という詰まりは、文章力ではなく③が無い、または③を読んでいないことのサインです。

I・E・Rはそれぞれ何を残す欄なのか

文字 何を残す欄か 比べる相手 主語 時制 入っていないと成り立たない要素
I(介入) 実際に行ったこと。計画のうち、この場面で何をしたか ③初期計画のTP・EP 職員(自分または担当者) 過去形(〜した) 時刻/方法・手順/使った物/相手の反応
E(評価) 行ったことが、目標に対してどうだったか ③初期計画の目標と、前回の記録 利用者(〜された・〜できた) 過去形と現在形の併用 比べた相手(前回・目標)/どの程度/確かめた方法
R(修正) 次に何をどう変えるか。変えない場合はその理由 ②問題リスト・③初期計画 職員・チーム 未来形(〜する・〜とする) 変える対象(OP/TP/EPのどれか)/いつから/誰が/次に確認する日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

I(介入)の完成文32例——実際にしたことを、時刻と方法と反応で

Iは「何をしたか」を書く欄です。ここでよくある失敗は、「見守った」「声かけを行った」で終わってしまうことです。見守りも声かけも介入ですが、いつ・どこで・どんな言葉で・そのあとどうなったかが無いと、次の人が同じことを再現できません。次の32例は、そのまま貼り替えられる形にしてあります。

No # 場面 I(介入)の完成文
1 1 入浴・またぎ動作 14時10分、浴槽用手すりを右手で握っていただき、左足から浴槽へ入る手順で誘導した。職員は左後方に立ち、腰部を右手で支えた。またぎに要した時間は8秒。「これなら怖くない」と話された。
2 1 入浴・脱衣室の環境 13時50分、入浴の20分前に脱衣室の暖房を入れ、室温計の表示を確認した(表示は記入欄)。脱衣時に「今日は寒くない」と話され、途中で中断されることなく脱衣を終えられた。
3 3 昼食・椅子の高さ 11時55分、食卓の椅子を座面の低いものに交換し、足底が床につくことを本人と一緒に確認した。着座後、背もたれと腰の間にクッションを入れて姿勢を整えた。「こっちのほうが楽」と話された。
4 3 昼食・後半の声かけ 12時15分(食事開始15分後)、手が止まられたため「汁物を温め直しましょうか」と声をかけ、汁椀を電子レンジで温め直して提供した。その後8分間、箸が動き、主食を7割まで召し上がった。
5 3 配膳の順序変更 12時00分、これまでの一斉配膳から、汁物→副食→主食の順に1品ずつ出す方法に変更して提供した。副食を先に召し上がり、主食に移るまでに間が空くことなく食べ進められた。
6 5 排便・起床後の水分 10時05分、訪問時に白湯を湯のみ1杯(約150ml)お渡しし、その場で全量召し上がったことを確認した。「朝は水を飲む習慣がなかった」と話された。
7 5 排便・トイレ誘導 10時20分、朝食後30分の時点でトイレへ誘導し、便座に5分間座位を保てるよう扉の外で待機した。排便あり。ご本人から「今日は出た」と報告があり、日めくりカレンダーに丸を付けられた。
8 5 腹部の張りの訴え 10時30分、「お腹が張って朝ごはんを残した」との訴えがあったため、最終排便日(3日前)と朝食の摂取割合(主食3割)を記録し、連絡ノートに主治医への報告事項として転記した。ご長女へ13時に電話で伝えた。
9 7 服薬・残薬確認 10時10分、お薬カレンダーを一緒に確認し、月曜と水曜の昼分が残っていることを2人で数えた。ご本人は「昼はテレビを見ていて忘れる」と話された。残薬の日付と数を連絡ノートに記載した。
10 7 服薬・置き場所の変更 10時25分、お薬カレンダーを居間の棚から食卓の壁面へ移し、昼分に黄色のクリップを付けた。ご本人に「昼ごはんの器を下げるときに見てください」と伝え、その場で1回、視線を向けていただいた。
11 8 夕方・活動の導入 15時30分、カーテンを開けて外光を入れ、和裁の針箱を一緒に開いて糸の色を選んでいただいた。10分間、糸を巻く作業を続けられた。その間、玄関へ向かわれることはなかった。
12 8 夕方・玄関へ向かわれた場面 16時05分、玄関へ向かわれ「家に帰る」と話された。制止せず「一緒に行きましょう」と声をかけて玄関先まで同行し、5分ほど外気に当たったのち「そろそろ中に入りましょうか」と誘い、居室へお戻りいただいた。
13 8 夕方・家族への実演 16時20分、夫の目の前で、玄関へ向かわれた際の対応(制止しない・同行する・戻る導線)を1回実演した。夫は「止めなくていいのか」と話され、止めた場合との違いを説明した。
14 10 皮膚・入浴時の観察 14時30分、入浴時に仙骨部を観察した。発赤の範囲・色は記録用紙に記載(記入欄)。押した後の変化を確認し、その場でご本人に「痛みはありますか」と尋ねたところ「痛くはない」と話された。処置の要否は主治医へ確認することとし、連絡ノートに記載した。
15 10 皮膚・座位時間の調整 10時00分・12時00分・14時00分の3回、座り直しの声かけを行い、腰の位置を背もたれ側へ寄せる介助をした。14時の回は「今立ったところ」と話され、声かけのみで介助は行わなかった。
16 10 皮膚・クッション導入 9時50分、日中に使用される椅子へ座面クッションを設置し、座った状態で座骨の当たり方をご本人に確認していただいた。「柔らかくなった」と話された。設置日と製品名(記入欄)を福祉用具の記録に転記した。
17 13 介護者・聞き取り 10時40分、夫から「昨夜は3回起こされて、そのあと眠れなかった」との話を聞き、直近1週間の夜間の起床回数(2〜3回)と夫の睡眠時間(4時間程度)を記録した。夫の言葉をそのまま記載した。
18 13 介護者・会議への議題提出 11時00分、担当者会議(令和◯年◯月◯日開催)の議題として「通所介護の利用回数の見直し」を提出する旨を夫に説明し、同意を得た。会議の日時と場所を書いた紙を渡した。
19 13 介護者・短期入所の意向確認 11時15分、ご本人と夫の同席のもと、短期入所の利用について意向を確認した。ご本人は「知らないところは嫌」、夫は「一度だけでも休みたい」と話され、意向が分かれていることを記録した。
20 16 外出・買い物同行 10時10分、生活援助の回を買い物同行に切り替え、片道90mの商店まで同行した。往路で1回、復路で1回ベンチ休憩を挟み、往復に28分を要した。シルバーカーを使用された。
21 16 外出・誘い方の変更 10時05分、「散歩に行きましょう」ではなく「買い物に付き合ってください」と役割の形で誘った。「それなら行く」と話され、ご自分で上着を選んで着られた。
22 16 外出・断られた場面 10時05分、外出に誘ったが「今日は足が重いから」と断られた。理由をそのまま記録し、代わりに玄関先までの5mを一緒に歩いて外気に当たる時間を3分設けた。
23 20 排泄・導線の改修 13時00分、福祉用具貸与事業所と同行し、居室からトイレまでの3cmの段差にスロープを設置した。設置後、ご本人と一緒に居室からトイレまで歩き、所要時間を計測した(設置前42秒→設置後31秒)。
24 20 排泄・夜間の位置固定 18時30分、ポータブルトイレをベッドから1歩の位置に移動し、床にビニールテープで位置を印した。夫に、就寝前に位置を確認する手順を実演し、確認欄のある紙を枕元に置いた。
25 20 排泄・声かけの実施 18時50分(夕食後)と20時40分(就寝前)の2回、トイレへの声かけを行った。18時50分は「今はいい」と断られ、20時40分は誘導に応じられて排尿があった。
26 24 調理・同席しての観察 11時00分、調理に同席し、火の点火から消火までの工程を横で見た。鍋を火にかけたあと居間の電話に出られ、戻るまでに4分を要した。その間、火は点いたままであった。事実として記録した。
27 24 調理・機器の提案 11時30分、ご本人とご長女の同席のもと、自動で切れる加熱器具のカタログ(記入欄)を示し、「台所に立ち続けるための道具」として提案した。ご本人は「今のままでいい」と話され、ご長女は「一度見てみたい」と話された。
28 24 調理・下ごしらえの分担 11時05分、野菜を切る工程を職員が担い、火を使う工程はご本人が担う形で調理を行った。「切るのは任せて、味付けは私がやる」と役割を話され、20分で1品を仕上げられた。
29 28 体重・条件をそろえた測定 10時30分、通所介護で体重を測定した(同じ曜日・同じ時間帯・室内着のみ)。測定値は記録用紙に記載(記入欄)。前月と同じ体重計を使用したことを併せて記録した。
30 28 体重・記録用紙の変更 10時50分、食事の記録用紙を主食・副食・汁物・間食の4欄に分けた様式に変更し、ご長女と一緒に前日分を試しに記入した。記入に要した時間は3分であった。
31 31 医療機器・手順書の確認 14時00分、ご家族が管理しておられる医療機器(記入欄)について、手順書と実際の手順を一緒に確認した。手順書に記載のない工程が1つあったため、指示元(記入欄)へ14時20分に電話し、確認結果を記録した。
32 31 医療機器・連絡先の掲示 14時40分、迷ったときの連絡先(指示元の医療機関→訪問看護事業所の順・記入欄)と連絡してよい時間帯を書いた紙を、機器の近くの壁に掲示した。ご家族に読み上げていただき、内容を確認した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

32例を読み返すと、すべてに時刻が入っていることが分かります。そしてほとんどに相手の言葉が入っています。Iに時刻と言葉が入っていると、次のEで「前回と比べてどうだったか」を書くときの材料になります。Iを丁寧に書くことが、Eを書けるようにする一番の近道です。

E(評価)の完成文32例——計画の目標に対してどうだったかを、事実で

Eは「その介入が、目標に対してどうだったか」を書く欄です。ここで一番多いのが「継続」「様子観察」の1語で終わる書き方です。宇都宮市が公表している運営指導の主な指導事例には、個別サービス計画の評価が記号のみで実施状況を把握しているといえない、という指摘が示されています。Eは比べた相手(目標か、前回か)を必ず書くと、1語で終わらなくなります。

No # 比べた相手 E(評価)の完成文
1 1 目標「見守りのもとで浴槽の出入りができる」 浴槽用手すりの設置後、またぎに要する時間が前回の15秒から8秒に短縮し、腰部を支える介助のみで出入りされた。目標に置いた「見守りのもとで」の段階には達していないが、2名介助から1名介助へ移行できている。
2 1 前回(1週間前)の記録 前回は脱衣の途中で「寒い」と話されて2分中断されたが、今回は暖房を20分前に入れたことで中断なく脱衣を終えられた。脱衣室の環境が中断の要因であったことが、2回の比較で確かめられた。
3 1 本人の意向「お風呂だけは人に手を借りてもいい」 ご本人から「手すりがあれば自分でまたげる」との発言があり、当初の意向(手を借りてもよい)より自力での実施を望まれる方向に変わってきている。意向の変化として基礎データ23に追記した。
4 3 目標「昼食の主食摂取を8割以上にする」 椅子の交換と声かけを行った5日間のうち、主食8割以上は3日、5割は2日であった。8割に届かなかった2日はいずれも訪問がなく声かけを行えなかった日であり、声かけの有無と摂取割合が対応している。
5 3 前回の記録(椅子交換前) 椅子交換前は開始15分で手が止まっていたが、交換後は開始22分まで箸が動いた。足底が床につくことで座位が保てる時間が7分延びた。
6 3 目標「1食を30分以内で終える」 1食に要した時間は、5日間で28分・31分・26分・35分・29分であり、30分を超えた日が2日あった。超えた2日は副食に汁気の少ない献立が出た日であり、献立との対応が見られる。
7 5 目標「排便のない日が3日を超えない」 直近2週間で排便のない日が3日を超えたのは1回であった(前2週間は3回)。起床後の白湯と朝食後のトイレ誘導を行った日は、そのうち8日で排便が確認されている。
8 5 前回の訴えとの比較 前回訪問時にあった「お腹が張って食べたくない」との訴えは今回はなく、朝食の摂取割合も主食3割から8割に戻っている。腹部の張りの訴えと朝食の摂取割合が連動していることが2回の記録で確かめられた。
9 5 EPの目標「家族が記録を付けられる」 日めくりカレンダーへの丸印は、2週間のうち11日分が記入されていた。記入がなかった3日はご長女の来訪日と重なっており、記入者が定まっていないことが抜けの要因と考えられる。
10 7 目標「昼分の飲み忘れを週1回以内にする」 置き場所の変更とクリップの使用を始めた1週間で、昼分の残薬は2回であった(変更前は週2〜3回)。目標の週1回以内には至っていないが、残っていたのはいずれも通所介護の利用日ではない日であった。
11 7 前回の残薬確認との比較 前回は月・水・金の3日分が残っていたが、今回は月・水の2日分であった。ご本人から「黄色いのがあると気づく」との発言があり、視覚的な目印が働いている。
12 7 EPの目標「家族が残薬を連絡ノートに書ける」 ご長女による連絡ノートへの記入は、直近4回のセットのうち4回すべてで行われていた。記入内容に日付と数の両方が入っており、受診時に持参できる状態になっている。
13 8 目標「玄関へ向かわれる回数を週2回以内にする」 15時30分の活動を導入した週は、玄関へ向かわれた回数が週4回から週2回に減った。減った2回はいずれも活動を実施できた日で、実施できなかった日には向かわれている。
14 8 前回の対応方法との比較 制止していた頃は玄関先で15分以上やり取りが続いていたが、同行して外気に当たる方法に変えてからは、5分程度で居室へ戻られるようになった。所要時間が3分の1以下になっている。
15 8 EPの目標「家族が同じ対応をとれる」 実演から2週間後、夫が「止めずに一緒に出るようにしたら、早く戻るようになった」と話された。ご家族の記録用紙にも同行した旨の記載が3回あり、実演した方法が家庭でも行われている。
16 10 目標「日中の同一姿勢を2時間以内にする」 座り直しの声かけを3回行った日は、最長の連続座位が1時間50分であった。声かけが2回にとどまった日は2時間40分となっており、声かけの回数と連続座位の長さが対応している。
17 10 前回の皮膚の観察との比較 仙骨部の発赤は、前回の観察時と比べて範囲が縮小している(大きさは記録用紙のとおり・記入欄)。ご本人からの痛みの訴えは前回・今回ともにない。医学的な判断は主治医(記入欄)による。
18 10 TPの実施状況 座面クッションは設置後2週間、毎日使用されていた。ただし夕方以降にクッションが椅子からずれている日が3日あり、ずれたまま座っておられた時間が確認できていない。
19 13 目標「介護者が連続4時間以上眠れる日を週3日つくる」 この2週間で、夫が連続4時間以上眠れた日は週1〜2日にとどまった。通所介護の利用回数はまだ変更されておらず、目標に対する条件が整っていない段階である。
20 13 前回の聞き取りとの比較 前回「夜も眠れない」と話されていた夫から、今回は「昼間に少し横になれた」との発言があった。訪問時間を夫の受診日に合わせたことで、日中に休む時間が確保できている。
21 13 EPの目標「介護者が相談先とつながる」 介護者の集まりの案内を渡してから3週間が経過したが、参加には至っていない。夫は「家を空けるのが心配」と話されており、参加を妨げているのは意思ではなく留守中の不安である。
22 16 目標「週1回以上、屋外へ出る」 買い物同行を導入した4週間で、屋外へ出られた回数は週1回が3週、週0回が1週であった。導入前の月2回と比べて増えている。週0回であった週は、天候により2回とも中止となった週である。
23 16 前回の歩行距離との比較 同じ道順での休憩までの距離は、前回の70mから今回90mに延びた。所要時間は往復28分で、前回より2分短い。シルバーカーの使用は前回と同じである。
24 16 誘い方の変更による比較 「散歩に行きましょう」と誘った3回はいずれも断られたが、「買い物に付き合ってください」と役割の形で誘った3回は2回応じられた。誘い方が応諾に影響している。
25 20 目標「間に合わないことを週0回にする」 スロープ設置後の2週間で、間に合わなかった回数は週1回であった(設置前は週1〜2回)。移動時間は42秒から31秒に短縮しているが、目標の週0回には至っていない。
26 20 前回の本人の発言との比較 前回「情けない」と話されていたが、今回は「前より間に合うようになった」と話された。ご本人の受け止めが変わってきている。
27 20 TPの実施状況(夜間) ポータブルトイレの位置確認は、夫の確認欄で14日中12日に記入があった。記入がなかった2日はいずれも夫の受診日の夜であり、疲労の強い日に手順が抜けている。
28 24 目標「火を使う工程で台所を離れない」 同席して観察した3回のうち、2回は最後まで台所におられたが、1回は電話に出るために4分離れられた。離れられた場面は、いずれも来客や電話といった外からの中断があったときである。
29 24 本人の意向との整合 ご本人の「台所には立ち続けたい」という意向は変わっていない。加熱器具の変更については「今のままでいい」と話されており、意向と安全に関するご家族の心配が現時点では並んだままである。
30 28 目標「体重の減少が止まる」 条件をそろえた測定を3か月続けた結果、直近2か月は前月と同じ値で推移している(値は記録用紙のとおり・記入欄)。判断は主治医(記入欄)による。
31 28 EPの目標「家族が食事の記録を続けられる」 4欄に分けた記録用紙は、2週間のうち13日分が記入されていた。記入に要する時間は1日あたり3分程度で、ご長女から「これなら続けられる」との発言があった。
32 31 目標「家族が迷わず連絡できる」 連絡先の掲示から3週間で、ご家族から指示元へ2回の連絡があった。いずれも掲示した順序どおりに連絡されている。ご家族からは「どこに聞けばいいか分かるようになった」との発言があった。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

32例に共通しているのは、「◯◯と比べて」が必ず入っていることです。比べる相手は目標か、前回の記録か、本人の意向のいずれかです。そして目標に届いていないことを、そのまま書いている点も共通しています。届かなかった事実を書けるかどうかが、次のRを書けるかどうかを決めます。

R(修正)の完成文32例——次に何を変えるかを、いつから・誰がと一緒に

Rは、Eで分かったことを②問題リストと③初期計画に戻す欄です。「変えない」という結論もRですが、その場合は「なぜ変えないのか」「次にいつ見直すのか」を書きます。Rが空欄のまま経過記録が積み上がると、計画がいつまでも初回のままになります。

No # 変える対象 R(修正)の完成文
1 1 TP 浴槽の出入りの介助を、2名介助から1名介助(腰部の支持のみ)に変更する。令和◯年◯月◯日の入浴から適用し、4週間後の令和◯年◯月◯日に再評価する。担当は入浴担当者とし、通所介護の入浴記録で介助人数を毎回記載する。
2 1 TP 脱衣室の暖房を入れる時刻を、入浴20分前から30分前に変更する。冬季(12月〜3月)に限った運用とし、期間の終わりに元へ戻すかを判断する。実施者は入浴前の準備を担当する職員とする。
3 1 問題リスト・目標 #1の目標を「見守りのもとで浴槽の出入りができる」から「腰部の支持のみで浴槽の出入りができる」に改め、達成の目安を令和◯年◯月◯日とする。改訂した日を問題リストの改訂欄に記載する。
4 3 TP 昼食の声かけを、訪問がない日にも行えるよう、通所介護の利用日以外はご長女へ電話での声かけを依頼する形に変更する。令和◯年◯月◯日から2週間試行し、摂取割合の記録で効果を確認する。
5 3 OP 摂取割合に加えて、その日の献立(汁気の有無)を記録項目に追加する。汁気の少ない献立と所要時間の関係を4週間分ためてから、献立の調整を検討する。記録は通所介護と訪問介護の両方で行う。
6 3 変えない 椅子の交換は効果が確認できているため、当面変更しない。次の見直しは令和◯年◯月◯日の担当者会議とし、それまでは現在のTPを継続する。理由は、変更から2週間しか経っておらず、季節要因を含めた判断ができないためである。
7 5 TP 起床後の白湯を、訪問日以外はご本人がご自分で用意できるよう、前夜に湯のみを食卓へ出しておく手順を追加する。令和◯年◯月◯日から開始し、2週間後に実施状況を確認する。前夜の準備は夫が担う。
8 5 EP 日めくりカレンダーの記入者を「その日に最初に排便を確認した人」と決め直し、夫・ご長女・訪問介護員の3者で共有する。記入欄の上に記入者の欄を追加した用紙に差し替える(令和◯年◯月◯日)。
9 5 OP 腹部の張りの訴えがあった日に、朝食の摂取割合と最終排便日を必ずセットで記録する運用を追加する。主治医への報告は、受診日にまとめて渡す形から、訴えのあった当日に連絡ノートへ記載する形に変更する。
10 7 TP 昼分の服薬を、昼食の食器を下げる動作と組にする。訪問日(月・木)は職員が、それ以外の日は昼食後にご長女から電話を入れる形とする。令和◯年◯月◯日から2週間試行する。
11 7 変えない お薬カレンダーの置き場所と黄色のクリップは、ご本人が気づく手がかりとして働いているため変更しない。次回の見直しは令和◯年◯月◯日とし、それまでは残薬の記録を継続する。
12 7 OP 残薬の確認を、訪問時の月・木の2回から、通所介護の利用日(火・金)にも行う形に広げる。通所介護へは連絡ノートで依頼し、確認結果を同じノートに記載していただく。開始日は令和◯年◯月◯日。
13 8 TP 15時30分の活動を、訪問介護の火曜だけでなく、通所介護の利用日にも同じ時間帯に行う形へ広げる。通所介護へ和裁の道具の持参について相談し、令和◯年◯月◯日から実施する。
14 8 OP 玄関へ向かわれた回数に加えて、その日に15時30分の活動を実施できたかどうかを記録項目に追加する。実施の有無と回数の関係を4週間分ためたうえで、活動の頻度を判断する。
15 8 問題リスト #8のうち、屋外へ出られた際に自宅へ戻る道が分からなくなる可能性に関する部分を、#37として分割する。分割日は令和◯年◯月◯日。#37の計画は次回訪問時までに作成する。
16 10 TP 座り直しの声かけを1日3回から4回に増やし、10時・12時・14時・16時とする。通所介護の利用日以外は、テレビ番組の区切りを合図とする方法をご本人と決める。令和◯年◯月◯日から適用する。
17 10 TP 座面クッションがずれる問題に対し、滑り止めシートを椅子の座面に敷く。夕方の訪問時と就寝前に位置を確認する手順を追加し、夫の確認欄を設ける。令和◯年◯月◯日から開始する。
18 10 OP 皮膚の観察を入浴日(火・金)の週2回から、訪問日(月・木)を含む週4回に増やす。観察部位と記録項目は現行のままとする。処置についての判断は主治医(記入欄)に確認したうえで、指示があればTPに追加する。
19 13 TP 通所介護の利用回数を週2回から週3回へ変更する方向で、令和◯年◯月◯日の担当者会議に諮る。会議の結果を受けて計画を変更し、変更後4週間で夫の睡眠時間を再度聞き取る。
20 13 EP 介護者の集まりへの参加について、留守中の不安が妨げになっていることが分かったため、参加する時間帯に訪問介護を入れる案をご本人・夫に提案する。提案は令和◯年◯月◯日の訪問時とする。
21 13 OP 夫の睡眠時間と夜間の起床回数に加えて、夫自身の受診の有無と、夫が日中に横になれた時間を記録項目に追加する。介護者の状況を独立した記録欄で追えるようにする。
22 16 TP 買い物同行を月2回から月4回(週1回)に増やす。天候により中止となった場合の代替として、屋内で玄関先までの往復を3回行う手順をあらかじめ決めておく。令和◯年◯月◯日から適用する。
23 16 EP ご長女の土曜午前の来訪時に一緒に外へ出る提案について、行き先の候補を一緒に決める場を令和◯年◯月◯日に設ける。決めた行き先を計画に書き込み、次回の評価で実施回数を確認する。
24 16 変えない 誘い方(役割の形で誘う)は応諾につながっているため変更しない。断られた場合に玄関先までの5mを歩く代替手順も継続する。次の見直しは令和◯年◯月◯日とする。
25 20 TP 夕食後の声かけの時刻を18時50分から19時20分へ後ろにずらす。18時50分は断られる回が続いているため、食後の時間を空ける。令和◯年◯月◯日から2週間試行し、応諾の回数で判断する。
26 20 TP 夫の受診日の夜は、ポータブルトイレの位置確認を夫ではなく、当日夕方の訪問介護員が行う形に変更する。受診日を事前に共有し、訪問予定に組み込む。開始は令和◯年◯月◯日。
27 20 問題リスト #20の問題文を「尿意を訴えてからトイレに間に合わないことが週1〜2回ある状態」から「就寝前後の時間帯に限り、間に合わないことが週1回ある状態」に改訂する。場面が特定できたためであり、改訂日は令和◯年◯月◯日とする。
28 24 TP 火を使う工程の最中に電話が鳴った場合の手順として、「先に火を止めてから電話に出る」をご本人と一緒に決め、電話機の横に短い文で掲示する。掲示は令和◯年◯月◯日に行う。
29 24 EP 加熱器具の変更について、ご本人が「今のままでいい」と話されているため、押し進めない。ご長女には現物を見る機会(記入欄)を案内し、ご本人には次の受診後にあらためて話題にする。次回の相談は令和◯年◯月◯日とする。
30 28 OP 体重の測定に加えて、上腕の周囲を同じ条件で月1回測る項目を追加する(測定者・測定部位を固定)。判断は主治医(記入欄)に委ね、記録は受診時にまとめて渡す。開始は令和◯年◯月◯日。
31 28 変えない 4欄に分けた記録用紙は、ご長女が続けられており記入率も高いため様式を変更しない。次の見直しは令和◯年◯月◯日とし、それまでは現在の様式で記録を継続する。
32 31 TP 手順書に記載のない工程が確認されたため、指示元(記入欄)から改訂版の手順書を受け取り、掲示物を差し替える。差し替えた日と、ご家族へ説明した日を記録する。期限は令和◯年◯月◯日とする。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

Rの32例には、必ず「いつから」と「次にいつ確認するか」が入っています。この2つが無いRは、書いてあっても計画に戻りません。また「変えない」と決めた4例にも、理由と次の見直し日が入っています。変えないことを、理由つきで書けるかどうかが、Rの成熟度を分けます。

AとPの違い・PとIの違い・EとAの違いを、隣どうしで見分ける

SOAPIE/SOAPIERで書くとき、隣り合う文字の境目が曖昧になると、同じ内容が2か所に書かれたり、どこにも書かれなかったりします。境目を、同じ場面の文で並べて見分けます。

境目 見分ける問い 手前の文字に入る文 次の文字に入る文
AとP 「今どう捉えているか」か「これからどうするか」か A:昼食の後半に手が止まるのは、椅子の座面が高く足底が床につかないことで座位が保ちにくいことが背景にあると考えられる。 P:食卓の椅子を座面の低いものに交換し、開始15分後に一度声をかける手順を追加する。
AとP 解釈に「する」が入っていないか A:夕方に玄関へ向かわれるのは、日中の活動が少なく、外光の入らない時間帯と重なっていることが関係している可能性がある。 P:15時30分にカーテンを開け、和裁の道具を一緒に扱う時間を10分設ける。
AとP その日の判断か、次回以降の段取りか A:排便のない日の翌朝に朝食を残される傾向があり、腹部の張りの訴えと摂取割合が連動している。 P:起床後に白湯を1杯お渡しし、朝食後30分でトイレへ誘導する。
PとI 「する予定」か「した」か P:入浴の20分前に脱衣室の暖房を入れる。 I:13時50分に脱衣室の暖房を入れ、室温を確認した。脱衣時に「今日は寒くない」と話された。
PとI 時刻が入っているか P:昼食開始15分後に、汁物を温め直して提供する。 I:12時15分、手が止まられたため汁椀を温め直して提供した。その後8分間、箸が動いた。
PとI 相手の反応が書かれているか P:玄関へ向かわれた際は制止せず、同行して外気に当たってから戻る。 I:16時05分、玄関へ向かわれ「家に帰る」と話されたため同行し、5分後に居室へお戻りいただいた。
PとI 計画に無いことをしていないか P:座り直しの声かけを1日3回行う。 I:10時・12時・14時に声かけを行った。14時は「今立ったところ」と話され、介助は行わなかった(計画外の対応はしていない)。
EとA 「目標と比べて」が入っているか A:足底が床につかないことが座位の保ちにくさにつながっていると考えられる。 E:目標の主食8割以上は5日中3日で達成した。届かなかった2日は声かけを行えなかった日である。
EとA その場の解釈か、期間の振り返りか A:今日は朝食の摂取が少なく、腹部の張りの訴えがある。 E:直近2週間で排便のない日が3日を超えたのは1回であり、前2週間の3回から減っている。
EとA 比べた相手が書かれているか A:手すりを使うことで浴槽の出入りが行いやすくなっている。 E:またぎに要する時間は前回15秒から今回8秒に短縮した。目標の「見守りのみ」には達していない。
EとR 結果の記述か、次の変更か E:昼分の残薬は週2回で、目標の週1回以内には至っていない。 R:昼食の食器を下げる動作と服薬を組にする手順へ変更し、令和◯年◯月◯日から2週間試行する。
IとE 職員がしたことか、利用者がどうだったか I:14時10分、浴槽用手すりを握っていただき、左足から入る手順で誘導した。 E:またぎに要した時間は8秒で、腰部の支持のみで出入りされた。2名介助から1名介助へ移行できている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

見分け方をひとことにすると、Pは「未来の段取り」、Iは「過去の事実」、Eは「目標との差」、Rは「計画への差し戻し」です。この4つの役割が違うので、同じ内容を書き写す必要はありません。Iに書いたことをEでもう一度書いていたら、Eが評価になっていないという合図です。

⑤要約(サマリー)|POSの締めとしての位置づけと、退院・終了時の記入項目14

要約は、POSの5番目にして、次の1周目の①になります。要約が無いと、経過記録がどれだけ厚くても、次の担当者・次の機関は「最初から読む」しかありません。要約は①〜④を、読む人が必要とする順序に組み替えたものです。

なお、渡す相手ごとの書き分け(病院へ渡す場合、家族へ渡す場合、他事業所へ渡す場合の違い)は当サイトの別記事の担当としており、ここではPOSの中での位置づけと、退院・サービス終了時の要約の型に絞ります。

要約はPOSのどの要素をたどって書くのか

要約の種類 書くタイミング たどる要素 要約に必ず入れること
期間の要約(経過要約) 一定期間ごと(月次・3か月ごとなど。頻度は事業所の運用として記入欄) ②活動中の問題 ③計画の変更点 ④その期間のE・R 期間中に起こした問題・解決した問題・計画を変えた日と理由
退院時・入院時の要約 入退院の前後 ①基礎データの変更点 ②問題リストの現況 ③現在の計画 入院前と退院後で変わった項目(移動・食事・服薬の管理方法など)
サービス終了時の要約 契約終了・他事業所への移行時 ①〜⑤のすべて 活動中の問題と、その時点での計画。引き継ぎ先と引き継いだ日
担当者交代時の要約 担当者が替わるとき ②問題リスト ③計画 ④直近3か月のR 直近で変えた計画と、次に確認する予定日
問題が解決したときの要約 問題リストの状態を「解決」にするとき その番号の②③④すべて 解決と判断した根拠になった事実と、その日付
状態が大きく変わったときの要約 転倒・入院・介護者の交代など ①の変更点 ②の追加・改訂 変化の前後を並べた記述と、それに伴う計画の変更

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

退院・サービス終了時の要約に入れる14項目と、そのまま貼れる完成文

No 項目 要約の完成文(そのまま貼れる)
1 期間と担当 要約の対象期間:令和◯年◯月◯日〜令和◯年◯月◯日。担当者:◯◯(記入欄)。作成日:令和◯年◯月◯日。作成の理由:サービス終了に伴う引き継ぎのため。
2 開始時点の状況 支援開始時は、屋内伝い歩きで自立、入浴は通所介護で週2回2名介助、昼食の主食摂取は5割前後であった。ご本人の意向は「自分のことは自分でやりたい。お風呂だけは人に手を借りてもいい」であった。
3 期間中に起こした問題 期間中に起こした問題は6件(#1入浴時のふらつき、#3昼食の摂取、#5排便、#7服薬、#8夕方の落ち着かなさ、#13介護者の負担)。起こした日はいずれも問題リストに記載のとおり。
4 解決した問題 解決した問題は2件。#2(夜間の廊下でのつまずき)は令和◯年◯月◯日に解決。常夜灯の設置後4週間、つまずきの報告がないことを根拠とした。#25(居室と廊下の段差)は令和◯年◯月◯日に解決。スロープ設置による。
5 活動中の問題 引き継ぎ時点で活動中の問題は4件(#1・#3・#8・#13)。それぞれの現在の計画は、別紙の初期計画(改訂版・令和◯年◯月◯日付)のとおり。
6 計画を変えた日と理由 期間中に計画を変更したのは5回。令和◯年◯月◯日(#1の介助人数を2名から1名へ)、同◯月◯日(#3に献立の記録項目を追加)、同◯月◯日(#8の活動を通所介護にも拡大)、同◯月◯日(#10に滑り止めシートを追加)、同◯月◯日(#20の声かけ時刻を変更)。
7 本人の意向の変化 開始時「お風呂だけは人に手を借りてもいい」→令和◯年◯月◯日「手すりがあれば自分でまたげる」。自力での実施を望まれる方向に変わっている。聴取した日と発言をそのまま基礎データ23に記載済み。
8 家族の状況の変化 主たる介護者である夫は、期間の前半は「夜も眠れない」と話しておられたが、訪問時間を受診日に合わせて以降「昼間に少し横になれた」と話されるようになった。通所介護の回数変更は令和◯年◯月◯日の担当者会議で協議中である。
9 環境の変更 期間中に行った環境の変更は4件。浴槽用手すりの設置(令和◯年◯月◯日)、廊下・居室の常夜灯(同◯月◯日)、居室〜トイレのスロープ(同◯月◯日)、座面クッションと滑り止めシート(同◯月◯日)。
10 医療との関わり 主治医(記入欄)への報告は、受診日にまとめて記録用紙を渡す形で行ってきた。期間中に報告した事項は3件(腹部の張りの訴え、仙骨部の発赤、体重の推移)。医学的な判断はいずれも主治医による。
11 他事業所との連絡 通所介護(記入欄)、訪問介護(記入欄)、福祉用具貸与(記入欄)と連絡ノートで情報を共有してきた。ノートの保管場所は自宅の電話台とし、引き継ぎ時に現物をお渡しする。
12 うまくいった手立て 効果が確認できた手立ては3つ。①外出は「散歩」ではなく「買い物に付き合ってください」と役割の形で誘うと応じられること、②服薬は視覚的な目印(黄色のクリップ)で気づかれること、③夕方に玄関へ向かわれた際は制止せず同行すると5分程度で戻られること。
13 まだ手立てが定まっていないこと #13(介護者の負担)については、介護者の集まりへの参加が留守中の不安により実現していない。参加時間帯に訪問を入れる案を提案する予定であったが、引き継ぎ時点では未実施である。
14 引き継ぎ先と確認事項 引き継ぎ先:◯◯事業所・◯◯(記入欄)。引き継ぎ日:令和◯年◯月◯日。お渡しした書類は、問題リスト(最新版)、初期計画(改訂版)、直近3か月の経過記録、連絡ノート現物の4点。次回の見直し予定日は令和◯年◯月◯日として申し送った。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

14項目のうち、12番と13番——うまくいった手立てと、まだ定まっていないこと——は、要約でいちばん役に立つのに、いちばん抜けやすい欄です。次の担当者が最初にやり直すのは、たいてい前任者がすでに試して駄目だったことだからです。

1人の利用者をPOSで通した実例|基礎データから要約まで丸ごと3通

ここまで要素ごとに見てきたものを、1人分として通します。3人分の①〜⑤を、そのまま様式に貼り替えられる形で並べます。

実例1|退院直後、自宅の浴室でふらつきのある方

要素 記載内容(完成文)
①基礎データ(抜粋・状態) 82歳・女性。夫(85歳)と2人暮らし。令和◯年◯月◯日に◯◯病院を退院。退院時は歩行器を使用しておられたが、自宅では伝い歩き。浴室は洗い場と浴槽の縁の高さが45cm、浴槽内に滑り止めマットあり、浴槽用手すりなし。脱衣室に暖房なし。
①基礎データ(抜粋・意向) ご本人「自分のことは自分でやりたい。お風呂だけは人に手を借りてもいい」(令和◯年◯月◯日、居室にて聴取)。夫「無理をさせたくないので、危ないことはやめてほしい」(同日、電話にて聴取)。
②問題リスト #1 浴槽をまたぐ動作でふらつきがあり、自宅での入浴に見守りと介助を要する状態(令和◯年◯月◯日に起こす/活動中)。根拠:通所介護での入浴時に2名介助、自宅では退院後1か月入浴していない。
③初期計画(目標) 令和◯年◯月◯日までに、腰部の支持のみで浴槽の出入りができる。確かめ方は、またぎに要する秒数と介助人数を通所介護の入浴記録で毎回記載する。
③初期計画(OP) 入浴のたびに、またぎの際のふらつきの有無、手すりを握った位置、またぎに要した秒数、介助人数を記録する(火・金の入浴時、入浴担当者)。
③初期計画(TP) 浴槽の縁に浴槽用手すりを設置する。またぐ側の足を先に入れる手順で統一し、職員1名が対側の腰を支える。脱衣室の暖房を入浴の20分前に入れる。
③初期計画(EP) ご本人へ、またぎの手順(手すりを握る→座る→片足ずつ)を実演で示し、その場で1回やってみていただく。夫へは、自宅で介助する場合に立つ位置を図で示した紙を渡し、渡した日を記録する。
④経過記録(I) 14時10分、浴槽用手すりを右手で握っていただき、左足から浴槽へ入る手順で誘導した。職員は左後方に立ち、腰部を右手で支えた。またぎに要した時間は8秒。「これなら怖くない」と話された。
④経過記録(E) またぎに要する時間が前回の15秒から8秒に短縮し、腰部を支える介助のみで出入りされた。目標に置いた「見守りのもとで」の段階には達していないが、2名介助から1名介助へ移行できている。
④経過記録(R) 浴槽の出入りの介助を、2名介助から1名介助(腰部の支持のみ)に変更する。令和◯年◯月◯日の入浴から適用し、4週間後の令和◯年◯月◯日に再評価する。介助人数を毎回記載する運用は継続する。
⑤要約 令和◯年◯月◯日〜同◯月◯日の期間、#1に対して浴槽用手すりの設置と手順の統一を行った。介助は2名から1名へ移行し、またぎの所要時間は15秒から8秒に短縮。ご本人の意向が「手を借りてもよい」から「手すりがあれば自分でまたげる」へ変わったため、目標を「腰部の支持のみで出入りできる」に改訂した。次の見直しは令和◯年◯月◯日。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

実例2|昼食の後半に手が止まり、体重が減ってきた方

要素 記載内容(完成文)
①基礎データ(抜粋・食事) 常食・自力摂取。朝は主食10割・副食10割、昼は主食5割・副食7割、夕は主食8割・副食8割。昼食に30分以上かかり、開始15分ほどで手が止まる。食卓の椅子は座面が高く、足底が床につかない。
①基礎データ(抜粋・体重) 体重は通所介護で月1回測定(記入欄)。3か月で(記入欄)kg減少。ご本人は「食べているつもり」と話される。判断は主治医(記入欄)による。
②問題リスト #3 昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態(令和◯年◯月◯日に起こす/活動中)。#28 体重が3か月で(記入欄)kg減っており、ご本人は「食べているつもり」と話しておられる状態(同日/活動中)。
③初期計画(目標) #3:令和◯年◯月◯日までに、昼食の主食摂取を週5日以上8割にする。確かめ方は摂取割合の記録。#28:条件をそろえた月1回の測定を3か月続け、推移を主治医へ渡す。
③初期計画(OP) 毎食の主食・副食の摂取割合、1食にかかった時間、手が止まった時点の経過時間を記録する。体重は同じ曜日・同じ時間帯・同じ衣類の条件で月1回測定する。
③初期計画(TP) 食卓の椅子を座面の低いものに変更し、足底が床につく高さにする。開始15分後に一度声をかけ、汁物を温め直して提供する。1品ずつ順に出す配膳に変える。
③初期計画(EP) ご長女へ、摂取割合の記録の付け方(主食・副食を別に、10段階で)を書面で示し、冷蔵庫に貼っていただく。ご本人へは「残しても構わないので、時間を気にせず召し上がってください」と伝える。
④経過記録(I) 11時55分、食卓の椅子を座面の低いものに交換し、足底が床につくことを本人と一緒に確認した。12時15分、手が止まられたため汁椀を温め直して提供した。その後8分間、箸が動き、主食を7割まで召し上がった。
④経過記録(E) 椅子の交換と声かけを行った5日間のうち、主食8割以上は3日、5割は2日であった。8割に届かなかった2日はいずれも訪問がなく声かけを行えなかった日であり、声かけの有無と摂取割合が対応している。椅子交換前は開始15分で手が止まっていたが、交換後は22分まで箸が動いた。
④経過記録(R) 昼食の声かけを、訪問がない日にも行えるよう、通所介護の利用日以外はご長女へ電話での声かけを依頼する形に変更する。令和◯年◯月◯日から2週間試行し、摂取割合の記録で確認する。あわせて献立(汁気の有無)を記録項目に追加する。
⑤要約 #3について、座位が保てないことが手が止まる背景にあると捉え、椅子の交換と時刻を決めた声かけを行った。箸が動く時間は15分から22分に延び、主食8割以上の日が5日中3日となった。声かけを行えない日に届いていないため、声かけの担い手をご長女へ広げる修正を行った。#28は条件をそろえた測定を継続中で、直近2か月は同じ値で推移。判断は主治医に委ねている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

実例3|夕方に落ち着かなくなり、玄関へ向かわれる方

要素 記載内容(完成文)
①基礎データ(抜粋・生活リズム) 6時起床、7時朝食、12時昼食、13〜15時に横になって過ごす、18時夕食、21時就寝。日中の在室時間が長く、屋外へ出る機会は月2回。居室は北向きで、15時以降は外光が入りにくい。
①基礎データ(抜粋・これまでの暮らし) 40年間、和裁の仕事をされていた。今も針箱を居室に置いておられる。近所の方と月1回の茶話会に参加していたが、令和◯年◯月以降は行かれていない。
②問題リスト #8 夕方16時ごろに落ち着かなくなり、玄関へ向かって外に出ようとされる状態(令和◯年◯月◯日に起こす/活動中)。根拠:ご家族の記録(週3〜4回、16時前後)、「家に帰る」との発言。
③初期計画(目標) 令和◯年◯月◯日までに、玄関へ向かわれる回数を週2回以内にする。確かめ方は、ご家族の記録用紙に記載された時刻と回数。
③初期計画(OP) 落ち着かなくなる時刻、直前にあった出来事、話された言葉、玄関へ向かわれた回数を、ご家族の記録用紙と職員の記録の両方に残す。その日の日中の活動量も併せて記録する。
③初期計画(TP) 15時30分に、居室のカーテンを開けて外光を入れ、和裁の針箱を一緒に眺める時間を10分設ける。玄関へ向かわれた際は制止せず、一緒に玄関先まで出て、5分ほど外気に当たってから居室へ戻る導線をとる。
③初期計画(EP) 夫とご長女へ、玄関へ向かわれたときに止めず、一緒に外へ出て戻る方法を実演で示す。記録用紙は時刻と言葉だけを書けばよい形にして渡し、次回訪問時に記入状況を確認する。
④経過記録(I) 15時30分、カーテンを開けて外光を入れ、和裁の針箱を一緒に開いて糸の色を選んでいただいた。10分間、糸を巻く作業を続けられた。その間、玄関へ向かわれることはなかった。16時20分、夫の目の前で玄関へ向かわれた際の対応を1回実演した。
④経過記録(E) 15時30分の活動を導入した週は、玄関へ向かわれた回数が週4回から週2回に減った。減った2回はいずれも活動を実施できた日で、実施できなかった日には向かわれている。制止していた頃は玄関先で15分以上やり取りが続いていたが、同行する方法では5分程度で戻られている。
④経過記録(R) 15時30分の活動を、訪問介護の火曜だけでなく通所介護の利用日にも同じ時間帯に行う形へ広げる。通所介護へ和裁の道具の持参について相談し、令和◯年◯月◯日から実施する。記録項目に「その日に活動を実施できたか」を追加する。
⑤要約 #8について、日中の活動量と外光の入らない時間帯が関係している可能性を踏まえ、15時30分に和裁の道具を使う時間を設けた。導入後、玄関へ向かわれる回数は週4回から週2回に減少。制止しない対応に変えたことで、玄関先でのやり取りが15分から5分程度に短縮した。実施できた日と回数が対応していたため、活動を通所介護の利用日にも広げる修正を行った。ご家族も同じ対応をとれるようになっている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3通に共通しているのは、①で拾った事実が②の問題文の中にそのまま残っていることです。「浴槽の縁45cm」「開始15分で手が止まる」「15時以降は外光が入りにくい」——これらは①に書いてあったから②が具体的になり、②が具体的だから③のTPが手順として書け、③が手順だから④のIが再現可能になっています。POSは、最初の1枚で決まります。

POSが崩れるところ|悪い例/良い例44組と、運営指導の公表資料に見える論点

POSは、5つの要素のどれか1つが止まると全体が止まります。実際に止まりやすいのは、問題リストの更新、経過記録と問題番号の接続、Pの使い回し、Eの一語化の4か所です。ここでは44組を、崩れる場所ごとに並べます。左の列は書いてはいけない例として引用しているものです。右の列はそのままコピーして使える完成文です。

問題リストが動かなくなる11組

崩れ方 悪い例(書いてはいけない例として引用) 良い例(そのまま貼れる完成文)
診断名を問題に置く 「#1 認知症」 #1 数分前の会話について同じ質問を1日5回ほど繰り返され、同居の夫が対応に疲れていると話している状態
抽象語で立てる 「#2 転倒リスク」 #2 夜間にトイレへ向かう際、廊下が暗く足元が見えにくいため、つまずきかけることがある状態(◯月◯日2時40分の事例あり)
職員の困りごとを問題にする 「#3 介護拒否がある」 #3 通所介護での入浴を「今日はいい」と断られることがあり、月2回しか入浴できていない状態。脱衣室が寒いとの発言あり
起こした日が無い 「#4 食事量低下」(日付欄が空欄) #4 昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態(令和◯年◯月◯日に起こす)
解決した問題が残り続ける 「#5 夜間の転倒リスク(1年前から活動中のまま)」 #5 解決(令和◯年◯月◯日)。常夜灯の設置後4週間、夜間のつまずきの報告なし。ご本人から「足元が見えるようになった」との発言あり
番号を振り直す 「担当者交代のため#1から番号を付け直した」 担当者交代後も番号は引き継ぐ(令和◯年◯月◯日)。活動中は#1・#3・#8・#13の4件。番号は振り直さず、活動中を上に並べ替えて表示する運用とした
問題が多すぎて回らない 「#1〜#18まで全部活動中(計画は#1のみ)」 活動中の問題を6件に絞り、#5・#11・#17・#19・#21・#23・#26・#29・#33・#34・#35・#36は観察中として別欄に移した(令和◯年◯月◯日)。次の見直しで再び活動中に戻すかを判断する
本人が困っていないのに立てる 「#6 外出しないので閉じこもり傾向」 #6 屋外へ出る機会が週2回から月2回に減っている状態。ご本人は「別に困っていない」と話され、ご長女は「前は毎日買い物に行っていた」と話される。両者の受け止めの差を含めて経過を追う
家族の問題と混ぜる 「#7 家族の介護疲れがあり本人が不穏」 #7 主たる介護者である夫の負担が大きく、夫が「夜も眠れない」と話しておられる状態(対象:介護者)。ご本人の問題は#8として別に管理する
改訂の履歴を残さない 「問題文を書き直したが、いつ変えたか分からない」 #4 改訂(令和◯年◯月◯日)。従前「食事量が少ない状態」→改訂後「昼食の後半に手が止まり、主食を半分残される日が週4日以上続いている状態」。場面と頻度を特定したため
他機関からの情報を混ぜる 「病院からもらった問題リストをそのまま使っている」 #38 起き上がりの際に腰の痛みを訴えられ、朝の更衣に20分以上かかる状態(令和◯年◯月◯日、退院時カンファレンスで病院より情報提供。当事業所としての付番は#38)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経過記録が問題番号とつながっていない11組

崩れ方 悪い例(書いてはいけない例として引用) 良い例(そのまま貼れる完成文)
番号が書かれていない 「入浴介助を実施。特に問題なし」 #1/14時10分、浴槽用手すりを右手で握っていただき、左足から入る手順で誘導した。またぎに要した時間は8秒。「これなら怖くない」と話された
その日の出来事だけを並べる 「本日は天気がよく、機嫌もよかった」 #8/15時30分、カーテンを開けて外光を入れ、和裁の針箱を一緒に開いた。10分間、糸を巻く作業を続けられ、その間に玄関へ向かわれることはなかった
複数の問題を1文に混ぜる 「食事・入浴・排泄ともに問題なく経過」 #3/12時15分、手が止まられたため汁椀を温め直して提供。主食を7割まで召し上がった。/#1/14時10分、腰部の支持のみで浴槽の出入りをされた(問題ごとに行を分けて記載)
計画に無いことをしている 「気になったので今日は特別に入浴を中止した」 #1/13時40分、ご本人から「今日は寒いのでやめたい」との申し出があり、計画にない中止の判断となったため、サービス提供責任者へ13時45分に電話で相談し、中止とした。相談した相手と時刻を記録した
時刻が入っていない 「午後、声かけを行った」 #10/10時00分・12時00分・14時00分の3回、座り直しの声かけを行った。14時の回は「今立ったところ」と話され、介助は行わなかった
本人の言葉が入っていない 「本人も納得された様子」 #24/11時30分、加熱器具の変更を提案したところ、ご本人は「今のままでいい」、ご長女は「一度見てみたい」と話された。発言をそのまま記録した
職員の推測を事実として書く 「不安から落ち着かないと思われる」 #8/16時05分、玄関へ向かわれ「家に帰る」と話された。直前に来客があり、玄関で人の声がしていた。事実として記録し、解釈はAの欄に分けて記載した
実施と観察が混ざっている 「見守りながら排泄介助を実施」 #20/18時50分と20時40分の2回、トイレへの声かけを行った(実施)。18時50分は「今はいい」と断られ、20時40分は誘導に応じられて排尿があった(観察)
他職種の記録と別の言葉で書く 「訪問看護は看護記録、介護は介護日誌に別々の言葉で記載」 #10/同一の問題番号を各事業所で共有し、連絡ノートに問題番号を付けて記載する運用とした(令和◯年◯月◯日から)。番号が同じなので、1つの問題に複数職種の記録が並ぶ
誰が書いたか分からない 「記録者欄が空欄のまま提出されている」 #5/記録者:◯◯(記入欄)。10時20分、朝食後30分の時点でトイレへ誘導し、便座に5分間座位を保てるよう扉の外で待機した。排便あり
訂正の跡が残っていない 「時刻を書き間違えたので上から塗りつぶした」 #5/訂正(令和◯年◯月◯日)。10時20分と記載したが正しくは10時40分。元の記載は二重線で残し、訂正者と訂正日を記載した

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

Pが毎回同じ・Eが一語で終わる11組

崩れ方 悪い例(書いてはいけない例として引用) 良い例(そのまま貼れる完成文)
Pが前日のコピー 「P:継続して見守る(3か月間、同じ文が続いている)」 P:開始15分後の声かけを、訪問がない日はご長女への電話に切り替える。令和◯年◯月◯日から2週間試行し、摂取割合の記録で確認する
Eが一語で終わる 「E:継続」 E:目標の主食8割以上は5日中3日で達成した。届かなかった2日は声かけを行えなかった日であり、声かけの有無と摂取割合が対応している
Eに比べる相手が無い 「E:改善傾向にある」 E:またぎに要する時間は前回15秒から今回8秒に短縮した。目標に置いた「見守りのみ」には達していない
Eが記号だけ 「E:◯」 E:直近2週間で排便のない日が3日を超えたのは1回であった(前2週間は3回)。白湯とトイレ誘導を行った日は、そのうち8日で排便が確認されている
目標が測れない 「目標:安定した生活を送る」 目標:令和◯年◯月◯日までに、玄関へ向かわれる回数を週2回以内にする。確かめ方は、ご家族の記録用紙に記載された時刻と回数
Rが空欄 「R:(空欄のまま、3か月経過)」 R:座り直しの声かけを1日3回から4回に増やし、10時・12時・14時・16時とする。令和◯年◯月◯日から適用し、4週間後に再評価する
Rに期日が無い 「R:今後、様子を見ながら検討する」 R:通所介護の利用回数を週2回から週3回へ変更する方向で、令和◯年◯月◯日の担当者会議に諮る。変更後4週間で夫の睡眠時間を再度聞き取る
変えない理由を書かない 「R:変更なし」 R:椅子の交換は効果が確認できているため当面変更しない。理由は、変更から2週間しか経っておらず季節要因を含めた判断ができないため。次の見直しは令和◯年◯月◯日
IとEが同じ内容 「I:声かけを行った/E:声かけを行った」 I:12時15分、手が止まられたため汁椀を温め直して提供した。/E:椅子交換前は開始15分で手が止まっていたが、交換後は22分まで箸が動いた
TPに事業所でできないことを書く 「TP:状態に応じて薬の量を調整する」 TP:残薬の数と日付を記録し、受診時にご長女が持参できるようまとめる。処方についての判断は主治医(記入欄)による
EPが伝えっぱなし 「EP:家族に説明する」 EP:ご長女へ、日曜のセット時に前週の残薬を確認して連絡ノートへ記入する手順を口頭と書面で説明する(令和◯年◯月◯日実施)。次回訪問時に記入状況を一緒に確認する

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

基礎データと要約が置き去りになる11組

崩れ方 悪い例(書いてはいけない例として引用) 良い例(そのまま貼れる完成文)
基礎データが契約時のまま 「入院前の情報のまま、退院後3か月が経過している」 令和◯年◯月◯日、◯◯病院を退院。退院時カンファレンスの情報をもとに、基礎データの「移動・移乗の方法」「服薬の管理方法」「皮膚の状態」を更新した。入院前は屋内伝い歩き自立、退院時は歩行器使用のため項目16を書き換えた
本人の意向を要約してしまう 「本人:在宅希望」 ご本人「自分のことは自分でやりたい。お風呂だけは人に手を借りてもいい」「台所には立ち続けたい」(令和◯年◯月◯日、居室にて聴取)
本人と家族の意向を1行にまとめる 「本人・家族ともに在宅継続を希望」 ご本人「最後まで家にいたい」/夫「無理をさせたくないので危ないことはやめてほしい」/ご長女「本人がやりたいことは続けさせたいが火だけは心配」(令和◯年◯月◯日、それぞれ聴取)
住まいを言葉だけで書く 「自宅内に段差あり」 玄関に上がりかまち20cm、居室から廊下に3cmの段差が1か所。廊下に手すりなし。夜間の廊下は常夜灯なし。浴室は洗い場と浴槽の縁の高さが45cm
更新した箇所が分からない 「アセスメント用紙を上書きしてしまった」 令和◯年◯月◯日、項目16と18を更新。従前の記載は日付を付けて残し、変更点(伝い歩き→歩行器、夜間の起床2〜3回→3〜4回)を併記した
要約が無い 「日々の記録だけが2年分続いている」 令和◯年◯月◯日〜同◯月◯日の期間要約:起こした問題6件、解決2件、計画の変更5回。活動中は#1・#3・#8・#13の4件。次の見直しは令和◯年◯月◯日
要約が経過の書き写し 「日々の記録を時系列に貼り付けただけの要約」 効果が確認できた手立ては3つ。①外出は役割の形で誘うと応じられる、②服薬は視覚的な目印で気づかれる、③夕方は制止せず同行すると5分程度で戻られる。まだ定まっていないのは#13の介護者の休息である
うまくいかなかったことを書かない 「順調に経過した、とだけ書いてある」 #13について、介護者の集まりへの参加は留守中の不安により実現していない。参加時間帯に訪問を入れる案を提案する予定であったが、引き継ぎ時点では未実施である
引き継ぎ先が書かれていない 「担当が替わったが、誰に何を渡したか記録が無い」 引き継ぎ先:◯◯事業所・◯◯(記入欄)。引き継ぎ日:令和◯年◯月◯日。お渡しした書類は、問題リスト(最新版)、初期計画(改訂版)、直近3か月の経過記録、連絡ノート現物の4点
保存の状態が分からない 「どこに何年分あるか誰も把握していない」 保管場所:事業所内◯◯(記入欄)。保存期間は保険者の条例・運用により異なるため、指定権者に確認のうえ記入欄に記載する。電子で保存する場合も、検索と出力ができる状態を保つ
要約の作成日が無い 「作成日欄が空欄のまま綴じられている」 作成日:令和◯年◯月◯日。作成者:◯◯(記入欄)。作成の理由:サービス終了に伴う引き継ぎのため。対象期間:令和◯年◯月◯日〜同◯月◯日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

運営指導の公表資料に見える、記録についての論点12件

自治体が公表している運営指導の資料には、記録に関する指摘が繰り返し登場します。POSの5要素のどこに対応するかを添えて並べます。これは指摘の紹介であり、自事業所の状況の判断ではありません。確認の観点・様式・判断は保険者(指定権者)により異なりますので、指定を受けた保険者の公表資料をご確認ください。

公表元 資料に示された論点 POSのどこに対応するか 資料に示された確認文書
松山市介護保険課 サービス提供記録が「特変なし」等のみで、利用者の心身の状況が記録されていない ④経過記録(I・Oの具体性) サービス提供記録、業務日誌、個別サービス計画、モニタリング記録
宇都宮市 個別サービス計画の評価が記号のみで、実施状況を把握しているといえない ④経過記録(E) 個別サービス計画、モニタリング・評価記録
宇都宮市 事業所として行ったアセスメントの記録がない/内容が具体的でない ①基礎データ アセスメントシート、再アセスメントの記録、介護記録
宇都宮市 サービス提供の記録がない/記録内容と請求内容に齟齬がある ④経過記録(I) サービス提供記録・実施記録、介護給付費請求明細書、サービス提供票
宇都宮市 サービス提供時間を変更したのに計画を変更していない/評価を行っていない ③初期計画・④経過記録(R) 訪問介護計画、手順書、サービス提供記録、評価記録、居宅サービス計画
豊島区 計画作成にあたりアセスメントの記録がない/計画作成後にアセスメントを実施していた ①→②→③の順序 アセスメントシート(初回・更新)、計画、介護記録、モニタリング・評価の記録
金沢市 短期目標の期間を一律に延長している/軽微な変更と判断した根拠の記録がない ③初期計画・④経過記録(R) 居宅サービス計画(第1表・第2表)、モニタリング記録、居宅介護支援経過(第5表)
福井市 モニタリングの結果が記録されていない(少なくとも1月に1回) ④経過記録(E)・⑤要約 モニタリング記録、居宅介護支援経過(第5表)、訪問記録
長野県福祉監査担当 通所リハビリテーション計画の初回評価をおおむね2週間以内に行っていない ③初期計画・④経過記録(E) 計画書、初回評価記録(実施日)、実施記録、会議録
千葉市 計画・支援体制の説明と同意、訪問看護記録書への記録が確認できない ①基礎データ・④経過記録 計画書、説明・同意の記録、訪問看護記録書、主治医との連携記録
東京都 必要な記録の整備・保存ができていない(電子化する場合も検索・出力できる状態を保つ) ⑤要約・記録全体の管理 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ、計画書、報告書ほか
金沢市 サービス提供に関する記録の保存年限が市の条例と異なっている 記録全体の管理 運営規程、重要事項説明書、記録の保管状況

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この12件を見ると、指摘の多くが「記録が無い」ではなく「記録はあるが、そこから経過が追えない」という形をしていることが分かります。POSの5要素は、まさにその「追えるようにする」ための順序です。なお、加算や届出に関わる書類の取扱いは保険者により異なります。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

POSで手元に残す記録の一覧と、点検の記入欄

要素 残す記録 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次回の確認予定日(記入欄)
基礎データ用紙(初回・更新履歴を含む) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
他機関からの情報提供書・退院時カンファレンスの記録 (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
問題リスト(活動中・解決・観察中の別が分かる版) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
問題の改訂・統合・分割の履歴 (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
初期計画(問題番号ごとのOP・TP・EPと目標) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
計画の変更履歴(変えた日・理由・変えた人) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
経過記録(問題番号つき・記録者名つき) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
観察の記録用紙(家族が記入するものを含む) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
期間の要約(作成日・作成者・対象期間つき) (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日
引き継ぎ・終了時の要約と、渡した書類の控え (記入欄) 令和◯年◯月◯日 令和◯年◯月◯日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

記録の保存期間は、保険者(指定権者)の条例・運用により異なります。上の表の空欄には、自事業所の指定権者に確認したうえで記入してください。電子で保存する場合も、必要なときに検索して出力できる状態を保つことが、東京都が公表している資料に整理として示されています。

POSとSOAPIEについて、現場からよくいただく質問

POSとSOAPは何が違うのですか

POSは①基礎データ〜⑤要約の5要素からなる仕組みの名前で、SOAPはそのうち④経過記録を書くときの形式の1つです。階層が違います。「SOAPで書いているからPOSをやっている」とは言えず、逆に「POSをやっているが、④は別の形式で書いている」ということもあり得ます。この記事ではS・O・A・Pの4文字そのものは扱っていません。

SOAPIEとSOAPIERは、どちらを使えばよいですか

違いはRの有無だけです。Rは「計画をどう変えるか」を書く欄なので、計画の見直しを記録の中で完結させたい場合はSOAPIER、見直しを別の様式(モニタリング記録・計画変更の記録)で行っている場合はSOAPIEでも経過は追えます。ただしSOAPIEを選ぶ場合は、Rにあたる内容がどの書類に残るのかを事業所内で決めておかないと、変更の記録がどこにも残らなくなります。

問題リストは何件くらいが適切ですか

件数の決まりはありませんが、活動中の問題が多すぎると③初期計画と④経過記録が追いつかず、リストが止まります。止まったリストは、無いリストより読み手を迷わせます。実務としては、活動中を3〜7件程度に絞り、それ以外は「観察中」として別欄に置く運用が回りやすい形です。観察中に置いたものは、次の見直しのタイミングで活動中に戻すかを判断します。

問題に病名を書いてはいけないのはなぜですか

病名は範囲が広すぎて、そこから計画が立たないからです。「#1 脳梗塞後遺症」に対してOP・TP・EPを書こうとしても、何を観察し何を実施するのかが決まりません。生活・状態・反応で書くと、観察する対象(浴槽をまたぐ動作)、実施すること(手すりの設置と手順の統一)、伝えること(またぎの手順)が自動的に決まります。病名は問題リストではなく、①基礎データに事実として置いておきます。また、診断や重症度の判断は主治医の領域であり、記録側で判定を書くものではありません。

共同問題とは何で、どう書き分けるのですか

医学的な判断が主治医にあり、事業所側は指示された観察を続けて報告する、という関わり方になる問題を共同問題と呼びます。書き分けの要点は、TP(実施計画)に事業所の判断でできないことを書かないことです。共同問題の計画には、観察の項目・頻度・報告の手段を書き、判断の部分は「主治医の指示(記入欄)による」と明記します。

Iが「見守った」しか書けません

見守りも介入なので、Iに書いて構いません。足りないのは動詞ではなく、時刻・場所・立ち位置・見ていた対象・相手の反応です。「見守った」を「14時10分、浴槽の左後方に立ち、またぎ動作の間、腰部に手を添えられる位置で見守った。またぎに8秒を要し『これなら怖くない』と話された」に置き換えると、次の人が同じ位置に立てます。

Eが「継続」で終わってしまいます

Eが一語になるのは、比べる相手が決まっていないためです。Eを書く前に「③初期計画の目標は何だったか」「前回はどうだったか」を確認し、その2つのどちらかを文の中に入れてください。「目標の主食8割以上は5日中3日で達成した」「前回15秒だったものが今回8秒になった」という形になれば、一語では終わりません。宇都宮市が公表している資料にも、評価が記号のみでは実施状況を把握しているといえない、という整理が示されています。

毎日Rを書かないといけませんか

Rは、Eで何かが分かったときに書く欄です。毎日書く必要はありません。ただし一定期間まったくRが書かれていない場合は、計画が初回のまま動いていないという合図になります。目安として、目標に置いた期日が来たとき、状態が大きく変わったとき、担当者会議の前後には必ずRを書く、と事業所内で決めておくと止まりません。

介護職でもPOSは使えますか

①〜⑤の流れは職種を選びません。介護記録でも、居宅介護支援の支援経過でも、同じ順序で回せます。むしろ複数の職種が関わる在宅では、問題番号を共有することの効果が大きくなります。番号が同じであれば、訪問介護・通所介護・訪問看護の記録が1つの問題の下に並び、経過が1本につながります。

紙の様式でもPOSはできますか

できます。必要なのは、①基礎データ用紙、②問題リスト1枚、③問題番号ごとの計画用紙、④問題番号を書く欄のある経過記録用紙、⑤要約用紙の5種類です。最も重要なのは、④の用紙に問題番号を書く欄があることです。この欄が無い様式を使っていると、どれだけ丁寧に書いても②③と突合できません。電子で記録する場合も同じで、問題番号で絞り込めるかどうかが分かれ目になります。

途中からPOSに切り替えるには、どこから手を付ければよいですか

順序は①→②→③→④→⑤です。いきなり④の様式を変えても回りません。まず①基礎データを1人分そろえ、そこから②問題リストを3件だけ起こし、その3件に③の計画を書きます。④はその3件についてだけ書き始めます。全員分・全問題を一度に切り替えないことが、止めないための唯一のこつです。1人分が1周したら、その様式を横展開します。

記録に時間がかかりすぎます

POSに切り替えると最初は時間がかかりますが、増えているのは①基礎データと②問題リストを整える時間で、④の1件あたりの時間ではありません。むしろ④は変化のあった問題番号にだけ書くため、全項目を埋める書き方より短くなることがあります。時間がかかり続ける場合は、活動中の問題が多すぎないか(3〜7件に収まっているか)を先に確認してください。

出典

出典:各自治体が公表している運営指導・集団指導の資料/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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