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ICT・DX導入に使える介護の補助金|制度の系統と、事業所の状況から引く選び方

「記録を電子にしたいのですが、使える補助金はありますか」という問いには、たいてい一つの答えが期待されています。ところが実際に制度を並べてみると、答えは一つになりません。介護の分野に向けて書かれた制度もあれば、業種をまったく問わずに「事業者が情報化の投資をするとき」に向けて書かれた制度もあり、その二つは窓口も、書類の言葉づかいも、読むべき欄も違います。同じ「ICTを入れる」という行為に対して、複数の入口が並行して開いているのが、この分野の実際の姿です。

当社は補助金・助成金の公表情報をデータベースとして持っており、その中に「目的」の分類を付けています。ICTやDXにお金が出る制度は、この分類の中で二つの区分にまたがって入っています。しかもその二つは、名前だけを見ると違いが分かりません。事業所の方が「同じような事業が二つ並んでいるのはなぜか」と迷われるのは自然なことで、実際に迷いどころは名前ではなく分野(介護保険か、障害福祉か)と、実施する層(都道府県か、市町村か)にあります。

この記事は、個別の制度の内容を紹介するものではありません。「ICTにお金を出す制度には複数の系統があり、どれを見るべきかは事業所の状況で変わる」という一点を整理するために書いています。したがって、補助の割合・上限・受付の期間といった条件は一つも書きません。それらは年度ごとに変わるもので、記事に書き写した時点で古くなるからです。書くのは、どの系統を見るかの判断軸と、見に行く前に事業所側で決めておくことです。

なお、当社は申請書類の作成や提出の代行を行いません。行政書士法第十九条により、報酬を得て官公署に提出する書類の作成を業として行うことは制限されており、本記事も手続きの代行を扱いません。また、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。本記事に書いてあるのは、事業所ご自身が読む前に社内で整理しておくための材料です。

ICT・DXにお金を出す制度は5系統|窓口・目的・見るところの違い(横断表・21行)

当社データベースのうち、ICTやDXの導入に関係する制度を実施主体と対象分野で並べ直すと、大きく5つの系統に分かれます。分け方の軸は「どの窓口が出しているか」と「誰に向けて書かれているか」の二つです。この二つが決まると、公表物の置き場所も、要領の言葉づかいも、申請のときに求められる事業所側の情報も、おおむね決まります。

重要なのは、5つのうち3つは介護・福祉の分野に向けて書かれており、残りの2つは分野を問わずに書かれているという点です。後者は「介護事業所向け」と書かれていないため、介護の担当者が探しても見つかりません。逆に、探す場所さえ分かれば、そこには介護という言葉が一度も出てこない要領が置かれています。介護の制度と、業種を問わない制度の両方がある——これが、この分野を調べ始めた方が最初に驚かれるところです。

系統 事業所から見える窓口 誰に向けて書かれているか 目的の欄に現れる言葉 まず見るところ
系統A|介護保険分野・都道府県 都道府県の介護保険や高齢福祉を所管する課 介護保険の指定を受けた事業所・施設 介護現場の生産性向上、職員の負担軽減、介護テクノロジーの導入 対象となるサービス種別の欄と、導入前に求められる手続きの欄
系統B|障害福祉分野・都道府県および一部の市 都道府県または政令市の障害福祉を所管する課 障害福祉サービス等の指定を受けた事業所 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援、業務の効率化 系統Aと名前がほぼ同じため、事業名の頭に付く分野の語
系統C|市町村独自・福祉施設向け 市区町村の介護保険課・高齢福祉課・障害福祉課 その市区町村内に所在する施設・事業所(地域密着型に限る例もある) 社会福祉施設等のICT化推進、介護ロボット等の普及促進 所在地の要件と、対象を地域密着型サービスに限っているかどうか
系統D|業種を問わない産業振興・設備投資 都道府県・市区町村の商工課、産業振興課、企業立地の担当課 その区域内で事業を営む中小の事業者(業種の限定がないことが多い) 小規模事業者のICT導入促進、デジタル化促進、設備投資、企業立地 対象となる事業者の定義の欄(介護という語は出てこない)
系統E|医療機関向け・分野横断 都道府県の医療政策・保健医療を所管する課 病院・診療所・薬局など(介護事業所を併設する法人が視野に入る) 医療機関等における情報の利活用、勤務環境の改善 法人内に医療の指定・許可を持つ部門があるかどうか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

次の表は、系統A・B・Cのような「介護・福祉の分野に向けて書かれた制度」と、系統D・Eのような「業種を問わない制度」を、読む側の観点で並べたものです。同じ「ICTを入れる」という行為に対して、要求される説明の形が違うことが分かります。介護の制度では「どの利用者のどの場面が変わるのか」を書く欄があり、業種を問わない制度では「事業者としての規模と、投資の内容」を書く欄が中心になります。

比べる観点 介護・福祉の分野に向けて書かれた制度(系統A・B・C) 業種を問わない制度(系統D・E)
対象事業者の書かれ方 指定を受けたサービス種別で書かれる(居宅介護支援、通所介護、地域密着型など) 資本や従業員の数など、事業者としての規模の定義で書かれる。業種の限定が置かれないことがある
目的の書かれ方 職員の負担、記録の作成、情報の共有など、現場の業務に即して書かれる 生産性、経営基盤、投資、立地など、事業経営の言葉で書かれる
サービス種別の指定 対象となる種別が列挙されることが多く、自事業所の指定と突き合わせる必要がある 種別という概念が出てこない。代わりに事業を営む区域や業種の分類が置かれる
導入するものの縛り 導入する対象が分類で示され、その分類に入るかを確かめる形になることがある 「情報化のための投資」「設備の導入」といった広い書き方になることがある
申請の窓口 介護保険・高齢福祉・障害福祉の所管課。日ごろ届出で接している部署に近い 商工・産業振興の所管課。介護の担当者が日ごろ接していない部署
年度の区切り 年度単位で組まれ、次年度に同名の事業が置かれることが多い 年度単位のものと、複数年度にまたがるもの、随時受付のものが混在する
募集の回数 年に一回または二回にまとまることが多い 回を分けて複数回募集する例、予算がなくなるまで受け付ける例がある
実績報告で見られるもの 導入したものの使用状況、職員への周知、業務の変化を書いた報告 契約・支払の証拠、取得した物の管理、事業者としての要件の継続
他の補助との関係 要領に他の補助との関係を書いた欄が置かれることがある 同様の欄が置かれることがあるが、書き方の粒度が異なる
文書の言葉づかい 介護保険法・障害者総合支援法の用語が前提になっている 会社法・中小企業関連法の用語が前提になっている

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

系統ごとに、公表物が置かれる場所も変わります。介護の担当者が「補助金」で検索しても系統Dが出てこないのは、系統Dの公表物には介護という語が入っていないからです。次の表は、どの部署の公表物を見に行くかの目安です。部署名は自治体によって異なりますので、名称そのものではなく「何を所管している部署か」で読んでください。

系統 所管しやすい部署の性格 公表物の名前に現れやすい語 見落としやすい理由
系統A 都道府県の介護保険・高齢福祉 介護テクノロジー、生産性向上、導入支援事業 年度の頭に一度出て早く締まる年があり、見に行った時点で受付が終わっていることがある
系統B 都道府県・政令市の障害福祉 障害福祉分野、障がい福祉分野、導入支援事業 系統Aとほぼ同じ名前のため、片方を見て「もう確認した」と思ってしまう
系統C 市区町村の介護保険・高齢福祉・障害福祉 社会福祉施設等、介護ロボット、普及促進、ICT化推進 都道府県の制度を見て終わりにしてしまい、市区町村の側を見ていない
系統D 都道府県・市区町村の商工・産業振興・企業立地 小規模事業者、デジタル化、IT、IoT、設備投資、立地、奨励金、交付金 介護の担当者がこの部署の公表物を見る習慣がない。介護という語が一度も出てこない
系統E 都道府県の医療政策・保健医療 医療機関等、情報の利活用、勤務環境改善 介護部門だけで探しており、法人内に医療部門があることが情報として結び付いていない
共通 法人の本部・総務 公募、要領、様式、受付 各事業所が個別に探しており、法人としてどこを見たかの記録が残っていない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「介護テクノロジー・ICT」と「ICT・DX導入」の分かれ目|名前が似ている二つの事業の見分け方(判別表・29行)

当社データベースの「目的」の分類には、この分野に関係するものが二つあります。「介護テクノロジー・ICT」と「ICT・DX導入」です。この二つが何によって分かれているのかを、登録されている中身から読み取ると、次のようになります。

まず「介護テクノロジー・ICT」に入っているものは、すべて都道府県が実施主体で、介護保険分野の介護テクノロジー導入支援の事業です。一つの都道府県につき一本という並び方をしており、名前の付き方も揃っています。つまりこの分類は、系統Aだけを集めた分類です。

これに対して「ICT・DX導入」は、それ以外の全部が入る分類になっています。中身をほどくと、さらに三つに割れます。一つ目が障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援(系統B)で、名前は介護保険分野のものとほとんど同じですが、頭に分野の語が付いています。二つ目が市区町村が独自に置いている福祉施設向けの導入支援(系統C)です。三つ目が業種を問わない産業振興・設備投資と、医療機関向けの制度(系統D・E)で、件数としてはこれが最も多くなっています。

つまり分かれ目は「ICTかどうか」でも「新しいかどうか」でもなく、介護保険分野の都道府県事業か、そうでないかという一線です。この線の引き方を知らないまま二つの分類を見ると、「同じような事業が二か所に入っている」という印象になります。事業所の側から言い直すと、「介護保険の指定で申し込むのか、障害福祉の指定で申し込むのか、事業者としての規模で申し込むのか」という違いです。

事業所がやろうとしていること 主に見る分類 その理由 同時に見ておく系統
介護保険の指定事業所で、記録の作成や情報共有の仕組みを入れたい 介護テクノロジー・ICT 介護保険分野の都道府県事業がこの分類に集まっている 系統C(所在する市区町村の側にも独自の枠が置かれていることがある)
障害福祉サービスの指定事業所で、同じことをしたい ICT・DX導入 障害福祉分野の同種事業は当社分類ではこちらに入っている 系統B(政令市が独自に実施している例がある)
介護保険と障害福祉の両方の指定を持っている法人 両方 分野ごとに別の事業として並んでおり、窓口の課も分かれる 系統A・B・Cの三つを同じ年度に並べて確認する
法人内に診療所や訪問看護など医療の部門がある ICT・DX導入 医療機関向けの制度もこの分類に入っている 系統E(医療政策の所管課)
事業所の通信の環境(回線や無線)を整えたい ICT・DX導入 回線や環境の整備は、業種を問わない情報化投資の枠に入ることがある 系統D(商工・産業振興)。系統A・Cの対象経費の欄も併せて読む
事務用の端末を増やしたい ICT・DX導入 「情報化のための投資」という広い書き方の枠が系統Dにある 系統A・C(介護の側で対象になっている書き方かを確認する)
会計・給与・勤怠など、間接部門の仕組みを入れたい ICT・DX導入 介護の現場業務ではないため、介護分野の目的の欄と結び付きにくい 系統D(デジタル化促進の枠)
建物や設備の更新に合わせて情報の仕組みも入れたい ICT・DX導入 設備投資の枠にまとめて置かれていることがある 系統D(設備投資・立地の奨励)
新しく事業所を開設する予定がある ICT・DX導入 開設や立地に関する枠は産業振興の側に置かれる 系統D。介護の指定申請とは別の手続きになる
すでに他の補助を受けて入れたものを更新したい 両方 更新の扱いは要領の対象経費・対象外経費の欄で分かれる 先に受けた制度の処分に関する制限も併せて確認する
複数の市町村にまたがって事業所を持っている 両方 系統Cは所在地の要件があるため、事業所ごとに見る先が変わる 事業所ごとに所在市区町村の公表物を確認する
地域密着型サービスだけを運営している 両方 市区町村が指定権者であり、系統Cの対象が地域密着型に限られる例がある 系統C。都道府県の系統Aの対象種別の欄も併せて読む

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

もう少し踏み込むと、この分野は介護保険・障害福祉・医療という三つの層に分かれて制度が置かれています。層が違うと、事業所番号も、所管課も、相談の相手も変わります。同じ法人の中に複数の層がある場合、層ごとに別々に確認するという手間が発生します。

観点 介護保険分野 障害福祉分野 医療分野
事業名に現れる語 介護テクノロジー導入支援、生産性向上 障害福祉分野(障がい福祉分野)の介護テクノロジー導入支援 医療機関等における、情報の利活用、勤務環境改善
指定・許可の根拠となる法の性格 介護保険法に基づく指定 障害者総合支援法・児童福祉法に基づく指定 医療法に基づく許可、健康保険法に基づく指定
実施主体として多い層 都道府県 都道府県。政令市が独自に置く例がある 都道府県
当社分類での入り方 介護テクノロジー・ICT ICT・DX導入 ICT・DX導入
公募の並び方 都道府県ごとに一本ずつ並ぶ 都道府県ごとに一本ずつ並び、名前が介護保険分野と酷似する 年度ごとに事業名が変わることがあり、名寄せがしにくい
事業所側の担当になりやすい人 管理者、介護支援専門員、事務長 サービス管理責任者、管理者、法人本部 事務長、医事の担当
申請に使う番号 介護保険事業所番号 障害福祉サービス等事業所番号 医療機関コード等
相談先 都道府県の介護保険・高齢福祉の所管課 都道府県・政令市の障害福祉の所管課 都道府県の医療政策の所管課
よくある取り違え 市区町村の枠を見ずに終える 介護保険分野の要領を読んで、障害福祉分野も同じだと考える 介護部門だけで探し、法人内の医療部門と情報を突き合わせていない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

名前の似ている事業が並ぶことによる取り違えは、実際に起こります。次の表は、見出しの文字面だけを見たときに読み落としやすい語と、読み落とすと何が起きるかを整理したものです。読み落としやすいのは、事業名の先頭に付く分野の語と、末尾に付く対象の限定です。

見出しで見える名前の形 読み落としやすい語 読み落とすと起きること
「◯◯県 介護テクノロジー導入支援事業」 県名の直後に分野の語が付いているかどうか 障害福祉分野の側の要領を、介護保険の指定事業所の前提で読んでしまう
「◯◯県 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」 「障害福祉分野の」 介護保険の指定しか持たないのに、こちらの要領で準備を進めてしまう
「◯◯市 介護ロボット普及促進事業(地域密着型サービス)」 括弧内の対象の限定 広域型の施設で読み進めてしまい、対象の欄で行き止まりになる
「◯◯市 社会福祉施設等ICT化推進事業補助金」 「等」がどこまでを含むか 自法人の事業所の種別が含まれているかを確認しないまま社内で共有される
「◯◯市 小規模事業者ICT導入促進支援事業」 「小規模事業者」の定義 介護の規模感で判断してしまい、要領の定義と突き合わせていない
「◯◯区 IT・IoT導入補助金」 業種の限定の有無 介護向けではないと決めつけて読まずに終える
「◯◯市 中小企業デジタル化促進補助金」 年度の表記 過去年度の要領を今年度のものとして読んでしまう
「◯◯市 障がい福祉分野のICT・ロボット等導入支援事業」 「障がい」の表記ゆれ 検索の語が合わず、市の側の枠を見つけられない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

困りごとから引く逆引き表|12場面ごとに「どの系統を見るか・先に決めること・つまずくところ」

ここがこの記事の芯です。制度の名前から入ると迷いますが、困りごとから入ると系統は絞れます。以下は、事業所で実際に語られる困りごとを12の場面に分け、それぞれについて「主に見る系統」「見に行く前に社内で決めておくこと」「その場面で止まりやすいところ」を並べたものです。

注意していただきたいのは、この表は「この場面ならこの制度で通る」という意味ではないということです。要領の対象の欄に何が書かれているかは年度ごとに変わりますので、ここに書いてあるのは「どこを見に行くか」までです。最終的な取り扱いは、それぞれの所管課にご確認ください。

場面 事業所の言葉での困りごと 主に見る系統 見に行く前に決めておくこと つまずきやすいところ
1|記録を電子にしたい 紙の記録を書いて、あとから同じことを別の様式に書いている 系統A・C。事務の範囲にとどまる場合は系統Dも 電子にする記録の名前を全部挙げ、紙のまま残すものと理由を先に決める 「全部電子にする」と言ったまま、紙で残る書類の一覧を作っていない
2|転記をやめたい 同じ内容を二度、三度と書き写している 系統A・C どの帳票からどの帳票への転記かを、帳票名の対で書き出す 転記の「回数」ではなく「作業時間」だけを数えており、どの経路が残るのか説明できない
3|情報共有を早くしたい 申し送りが電話と手書きのメモで回っており、伝わらないことがある 系統A・C 誰と誰の間で、何を、どのくらいの頻度で伝えているかを一覧にする 共有の相手に外部(他事業所・医療機関)が含まれる場合、個人情報の同意の範囲を確認していない
4|見守りの人手を減らしたい 夜間の巡回に時間が取られ、他の業務が後ろにずれる 系統A・C 現在の巡回の回数と時間帯、変更するときに誰が判断するかを決める 導入したあとに巡回の運用をどう変えるかを会議で決めておらず、記録が残らない
5|移乗の負担を減らしたい 腰の負担が特定の職員に偏っている 系統A・C 対象となる利用者の人数と場面、使う場所(居室・浴室など)を先に特定する 置き場所と充電・保管の場所を決めておらず、導入後に使われなくなる
6|請求と記録をつなげたい 記録から請求のためのデータを手で作り直している 系統A・C。会計側だけなら系統D 現在どの作業が手作業で、月のいつに集中しているかを書き出す 請求の締めの時期と導入の時期が重なり、切り替えの期間に業務が止まる
7|端末を増やしたい 職員の人数に対して端末が足りず、順番待ちが起きている 系統D。介護の側は系統A・Cの対象経費の欄を確認 何台を、どの職種が、どの場所で使うかを決める 端末だけを増やしても、通信の環境が追いつかない
8|通信環境を整えたい 建物の一部で電波が届かず、その場で入力できない 系統D。系統A・Cの対象経費の欄も併せて読む 届かない場所を図面上で特定し、いつ誰が確認したかを記録する 工事に該当するかどうかで扱いが変わることがあり、見積の内訳を分けていない
9|複数事業所をまとめたい 事業所ごとにやり方が違い、法人としてまとまっていない 系統A・B・C・Dを事業所ごとに 法人でまとめて申請するのか、事業所ごとに申請するのかを先に決める 事業所の所在市区町村が異なり、系統Cは事業所ごとに別の窓口になる
10|年配の職員が使えるようにしたい 操作に不慣れな職員が使わず、結局その分を他の職員が抱える 系統A・C 不慣れな職員の人数と、誰が支援するかを名指しで決める 研修を「実施した」とだけ記録し、誰が何を受けたかが残っていない
11|夜勤の負担を減らしたい 夜勤帯に一人で抱える業務が多く、記録が翌日に持ち越される 系統A・C 夜勤帯にどの業務がどの時刻に集中しているかを時間帯で書き出す 人員の配置に関わる部分と、業務の進め方の部分を分けて説明できていない
12|実地指導に備えたい 記録の整備や体制について、確認されたときに出せる形になっていない 系統A・C。ただし制度より先に運営基準側の整理が要る 指摘されやすい事項を先に自己点検し、システムで解決する部分と人に残る部分を分ける 仕組みを入れれば整うと考えており、条例で定まる保存の年限や同意の様式を確認していない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

12番目の「実地指導に備えたい」については、自治体が公表している指摘事例を読むと、仕組みを入れたことと、基準を満たしていることは別に見られていることが分かります。たとえば堺市の集団指導資料(居宅事業所編)には、居宅介護支援費の区分について「ケアプランデータ連携システムの利用申請を行なっておらず、クライアントソフトをインストールしていないにもかかわらず算定していた事例が見受けられた」との記載があり、「ケアプランデータ連携システムの活用」を「ICTの活用」と誤認していないかという注記が置かれています。大阪市の集団指導資料(居宅サービス編)にも同趣旨の指導事項が挙げられ、従来の情報通信機器の活用では区分が変わらない旨が記載されています。

また、記録を電子にしたあとに残るのは保存の話です。金沢市の集団指導資料には、サービス提供に関する記録等の保存年限は市条例に則ることと、運営規程等に保存年限を記載している場合は誤りがないか確認することが記載されています。福井市の集団指導資料でも、運営規程・重要事項説明書の記録の保存期間の記載が実態や条例と合っていない例が挙げられています。保存の年限は条例で定まるため、システムの設定より先に、指定権者の条例を確認する順序になります。

情報を共有する仕組みを入れるときには、同意の取り方も併せて見られます。宇都宮市の運営指導における主な指導事例には、利用者家族の個人情報使用について家族から同意を得ていない例と、代理・代筆者欄は利用者本人の個人情報についての同意欄であるため家族の同意欄を別に設ける必要がある旨が記載されています。神戸市の留意事項にも「利用者の代理署名は家族(代表)の個人情報使用の同意にはならない」との注記があり、姫路市の実地指導結果、千葉県の集団指導資料、広島市の指摘事項にも同趣旨の記載があります。足立区の集団指導資料には、重要事項をウェブサイトに掲載していないという指導事項が挙げられています。

次の表は、12の場面それぞれについて、見に行く前に社内で答えを出しておく問いを二つずつ並べたものです。この問いに答えが出ていないと、要領を読んでも自事業所に当てはめられません。

場面 社内で答えを出す問い 答えを書く欄
1|記録を電子にしたい 電子にする記録の名前を全部挙げると何と何か (記入欄)
1|記録を電子にしたい 紙のまま残す記録と、その理由は何か (記入欄)
2|転記をやめたい どの帳票からどの帳票への転記が、月に何度発生しているか (記入欄)
2|転記をやめたい その転記をしているのは誰で、どの時間帯か (記入欄)
3|情報共有を早くしたい 共有の相手に法人外の相手は含まれるか (記入欄)
3|情報共有を早くしたい いま同意をいただいている範囲はどこまでか (記入欄)
4|見守りの人手を減らしたい 現在の巡回は何時に何回で、誰が担当しているか (記入欄)
4|見守りの人手を減らしたい 運用を変える判断は、どの会議で、いつ行うか (記入欄)
5|移乗の負担を減らしたい 対象となる場面と利用者の人数はどれだけか (記入欄)
5|移乗の負担を減らしたい 使わないときの置き場所と、点検の担当は誰か (記入欄)
6|請求と記録をつなげたい 手作業になっている工程は月のいつに集中しているか (記入欄)
6|請求と記録をつなげたい 切り替えの期間に、どの業務は止めてはいけないか (記入欄)
7|端末を増やしたい 何台を、どの職種が、どの場所で使うか (記入欄)
7|端末を増やしたい 紛失・故障のときの対応と連絡先は決まっているか (記入欄)
8|通信環境を整えたい 電波が届かない場所はどこで、いつ誰が確認したか (記入欄)
8|通信環境を整えたい 建物の所有者は誰で、工事の可否の判断は誰が行うか (記入欄)
9|複数事業所をまとめたい 各事業所の所在市区町村と指定権者はどこか (記入欄)
9|複数事業所をまとめたい 法人でまとめるか、事業所ごとに進めるか (記入欄)
10|年配の職員が使えるようにしたい 操作に不慣れな職員は何名で、誰が支援するか (記入欄)
10|年配の職員が使えるようにしたい 研修の記録には、受講者名と内容が残る様式になっているか (記入欄)
11|夜勤の負担を減らしたい 夜勤帯の業務は、何時にどれだけ重なっているか (記入欄)
11|夜勤の負担を減らしたい 人員の配置に関わる部分は変更するのか、しないのか (記入欄)
12|実地指導に備えたい 記録の保存年限は、指定権者の条例で何と定まっているか (記入欄)
12|実地指導に備えたい 運営規程・重要事項説明書の記載は、実態と一致しているか (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

制度を使う・使わないにかかわらず、導入という行為には記録が残ります。次の表は、場面ごとに「導入の前に残す記録」と「導入の後に残す記録」を並べたものです。制度の実績報告で求められるものと、運営指導で確認される記録は別のものですが、元になる事実は同じです。二度作らずに済むよう、先に様式を決めておくのが実務的です。

場面 導入の前に残す記録 導入の後に残す記録 保管の担当
1|記録を電子にしたい 電子にする記録の一覧、紙で残すものと理由、決裁の記録 運用開始日、様式の対応表、保存の年限の設定を確認した記録 (記入欄)
2|転記をやめたい 転記の経路の一覧、担当者と時間帯、測定した所要時間 残った転記の一覧と理由、再測定の結果 (記入欄)
3|情報共有を早くしたい 共有の相手と内容の一覧、同意の取得状況 閲覧できる職員の範囲、権限を変更したときの記録 (記入欄)
4|見守りの人手を減らしたい 現在の巡回の記録、ご本人・ご家族への説明の記録 運用を変更した会議の記録、変更後の巡回の記録 (記入欄)
5|移乗の負担を減らしたい 対象の場面と人数、職員への説明の記録 使用の記録、点検の記録、使われていない場合の理由 (記入欄)
6|請求と記録をつなげたい 手作業の工程の一覧、締めの日程 切り替え後の工程の一覧、初回の締めで起きたことの記録 (記入欄)
7|端末を増やしたい 必要な台数の根拠、使う場所と職種 貸出の台帳、紛失・故障時の対応の記録 (記入欄)
8|通信環境を整えたい 電波の状況を確認した記録、図面、建物の所有関係 工事の内容、確認した日、改善しなかった場所の記録 (記入欄)
9|複数事業所をまとめたい 事業所の一覧、指定権者の一覧、進め方の決裁 事業所ごとの導入の日、差が残った運用の記録 (記入欄)
10|年配の職員が使えるようにしたい 支援が必要な職員の把握、支援の担当者の指名 研修の記録(日時・受講者・内容)、その後の利用状況 (記入欄)
11|夜勤の負担を減らしたい 夜勤帯の業務の時間帯別の書き出し 変更した運用の記録、変更後の記録の完了時刻 (記入欄)
12|実地指導に備えたい 自己点検の結果、条例の確認の記録 是正した内容と日付、運営規程・重要事項説明書の改訂の記録 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「公募中」だけを見ていると間に合わない|準備中と終了に情報がある年度サイクルの読み方

制度を探すとき、多くの方は「いま受け付けているもの」だけを見ます。ところが当社データベースの状態の内訳を見ると、受付中のものは全体の三分の一ほどで、残りは「準備中」と「終了」です。そして、この分野に限って言えば、介護保険分野の側は「終了」が多数を占め、障害福祉分野の側は「準備中」が多数を占めるという、正反対の並び方をしています。

これは偶然ではありません。年度単位で組まれる事業は、年度の頭に募集して早い時期に締まるものと、年度の後半に立ち上がるものがあり、どの時点で見に行くかによって見える景色が変わります。「いま公募中のものが自分に合わない」ことと「使える制度がない」ことは別です。

むしろ、事業所にとって価値があるのは「終了」と「準備中」のほうです。終了したものは、要領と様式がそのまま残っていることが多く、次年度に同名の事業が置かれたときに何を求められるかを先に読めます。準備中のものは、そこに枠が置かれるという見通しを示しており、社内の予算と時期の相談を先に始められます。

状態・現れ方 事業所から見える意味 その状態のうちに読むもの そのときやること
公募中 受付が開いている 対象の欄、対象経費の欄、導入前に必要な手続きの欄 受付の期間内に社内の決裁が回るかを逆算する
準備中 公募の開始が確認できていない 前年度の同名事業の要領と様式 社内の見積の取り方と決裁の順序を先に決めておく
終了 受付の期間が過ぎている 要領の全文、様式の一覧、提出書類の一覧 次年度に備えて、事業所側で用意できる書類を先に揃える
同一事業の前年度版が残っている 制度の骨格が読める 対象種別の欄、対象外経費の欄 今年度版との差分を書き出す欄を作る
前々年度版まで残っている 変わった点と変わらない点が読める 三年分の対象の欄を並べる 毎年変わる欄と、変わらない欄を見分ける
名称が変わっている 同じ趣旨の事業が別名で続いている可能性 目的の欄の書き出しの文 名前ではなく目的の文で名寄せする
複数の事業が一本に統合されている 枠の区分が変わっている 枠・コースの区分の欄 自事業所がどの区分を読むべきかを決める
分野が分かれている 介護保険分野と障害福祉分野で別建てになっている 事業名の先頭に付く分野の語 法人内の指定の分野ごとに担当を分ける
都道府県から市区町村に降りている 窓口の層が変わっている 市区町村の公表物 事業所ごとの所在市区町村の確認先を一覧にする

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

年度のサイクルという見方を持つと、「いつ見に行くか」を業務の予定に組み込めます。次の表は、月ごとに制度の側で起きやすいことと、事業所側でやっておくとよいことを並べたものです。時期は自治体によって異なりますので、自事業所の所管の公表物で確かめてください。

制度の側で起きやすいこと 事業所側でやっておくこと
四月 年度の事業が公表され始める。要領と様式が差し替わる 前年度の要領との差分を書き出す。社内の担当を決める
五月 受付が始まるものが出る。説明会が置かれることがある 困りごとの一覧と、入れるものの言語化を終える
六月 早い時期に締まるものが締まる 見積の取り方と、比較する観点を社内で決める
七月 第二回の受付が置かれることがある 決裁の順序と、決裁が回るまでの日数を測る
八月 交付の決定が出始める 決定の前に発注しない運用を、社内の規程で確認する
九月 年度後半の枠が公表されることがある 上半期に見送った系統を、もう一度並べ直す
十月 導入と検収が集中し始める 導入時に止めてはいけない業務を確認する
十一月 実績報告の様式が示されることがある 報告に使う証拠書類の原本の置き場所を決める
十二月 年度内の完了を求める通知が出ることがある 年内に終える工程と、年明けに残す工程を分ける
一月 次年度の予算の議論が進む 次年度に見たい系統を一覧にしておく
二月 年度内の実績報告の提出が集中する 報告の担当が他の業務と重なっていないかを確認する
三月 年度が締まる。翌年度の事業は未公表の期間になる 今年度に読んだ要領を保存し、社内で引き継げる形にする

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

終了した年度の要領を先に読むと、事業所側で今すぐ用意できるものが見えてきます。次の表は、要領のどの欄を読むと何が分かり、何を先に揃えられるかを並べたものです。年度が変われば記載も変わりますので、あくまで「先に読んでおく」という位置づけです。

読む欄 そこから分かること 先に用意できるもの
事業の目的の欄 この制度が何を良くしようとしているか 自事業所の困りごとを、目的の言葉に翻訳した一文
対象事業者の欄 どの指定・どの規模の事業者に向けて書かれているか 自法人の指定の一覧と、事業所番号の一覧
対象となる施設・事業所の種別の欄 種別の限定があるか、地域密着型に絞っているか 自事業所の種別と、指定を受けた年月日の控え
対象となる経費の欄 どこまでを費用として見ているか 入れたいものを「機能」で書いた説明文
対象とならない経費の欄 何が外れるか(ここが最も差が出る欄) 外れる部分を自己資金で持つ場合の見込み
導入前に必要な手続きの欄 先に届出や相談が置かれているか 社内で「先にやること」の一覧
申請に添付する書類の一覧 法人として常時揃えておくべき書類 登記、決算、指定の通知など、写しの保管場所の整理
見積に関する条件の欄 見積の取り方に条件が置かれているか 見積を依頼するときの依頼文の型
契約・発注の時期に関する欄 いつ以降の契約が扱われるか 決裁の順序を書いた社内のフロー
事業の実施期間の欄 どの期間に実施するものとされているか 導入の工程表の下書き
実績報告の提出物の欄 あとから何を出すことになるか 証拠書類の保管ルール
実績報告の時期の欄 報告の担当がいつ忙しくなるか 担当者の他の業務との重なりの確認
検査・現地確認に関する欄 現地で何を見られる可能性があるか 導入したものの設置場所と管理の記録
財産の管理に関する欄 台帳や表示が求められるか 固定資産の台帳の様式の確認
取得した物の処分に関する欄 使い続けることに関する制限があるか 更新や入替を検討する時期の見通し
他の補助との関係を書いた欄 重なりについてどう書かれているか 過去に受けた補助の一覧
変更が生じたときの手続きの欄 途中で内容が変わったときの動き方 変更が起きやすい箇所の洗い出し
交付を取り消す場合の欄 どういう場合に取り消しの対象となり得るか 社内で守る運用の確認
問い合わせ先の部署名 相談の相手が誰か 部署名と、相談した日を記録する欄
様式の一覧と番号の付き方 提出物の全体像 様式ごとの担当者の割り振り

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

導入するものを先に決めないと制度は選べない|「困りごと→入れるもの→制度」の順に埋める38項目

ご相談を受けていて最も多いのが、順序が逆になっているという状態です。「使える補助金はありますか」から始まると、制度の対象の欄に自事業所を当てはめる作業になり、入れるものが制度に合わせて決まってしまいます。その結果、導入したあとに使われなくなることがあります。

順序としては、「何に困っているか」→「何を入れるか」→「どの制度を見るか」です。最初の二段が埋まっていれば、三段目は表を引くだけで済みます。逆に最初の二段が空欄のままだと、どれだけ制度を並べても選べません。以下は、その三段を埋めるための記入欄つきのシートです。

第一段|困りごとを特定する12項目

番号 埋める項目 書き方の例 記入欄
1 いま困っているのは誰か(職種) 職種名で書く。複数なら人数も書く (記入欄)
2 いつ困っているか(時間帯) 時刻の幅で書く。曜日や月内の時期も添える (記入欄)
3 何の作業で困っているか 作業名を一つに絞る。「事務全般」とは書かない (記入欄)
4 その作業の頻度 一日あたり、一週あたりのいずれかで書く (記入欄)
5 その作業に関わる人数 実際に手を動かす人数を書く (記入欄)
6 いまその作業をどうやっているか 手順を三行程度で書く (記入欄)
7 その作業をやめると誰が困るか 下流で待っている人・部署を書く (記入欄)
8 その作業が生む書類は何か 帳票名で書く (記入欄)
9 その書類は誰に見せるものか 利用者、家族、保険者、法人内のいずれかを書く (記入欄)
10 困りごとを一文で書くと 主語・場面・作業・頻度を入れて一文にする (記入欄)
11 困りごとの原因の仮説 「人が足りない」で止めず、どの手順が詰まっているかを書く (記入欄)
12 その仮説を確かめた方法 観察した日、聞き取りの相手、測った回数を書く (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第二段|入れるものを言語化する12項目

番号 埋める項目 書き方の例 記入欄
13 入れるものの一般名 商品名ではなく、機能を表す言葉で書く (記入欄)
14 それが置き換える作業 第一段の3で書いた作業名と対応させる (記入欄)
15 それが置き換えない作業 人に残る作業を明示する。ここを書かないと期待がずれる (記入欄)
16 使う職員の範囲 職種と人数。使わない職種も書く (記入欄)
17 使う場所 事業所内、訪問先、自宅などを列挙する (記入欄)
18 必要な通信の環境 場所ごとに、現在の状況を確認した日とともに書く (記入欄)
19 既にある仕組みとの関係 連携するのか、独立して動くのかを書く (記入欄)
20 既にある仕組みを止めるのか、併存させるのか 止める場合は止める日を書く (記入欄)
21 導入したい時期 年月で書く。請求の締めと重ならない時期を選ぶ (記入欄)
22 導入時に止まってはいけない業務 業務名で列挙する (記入欄)
23 職員が慣れるまでに見込む期間 週または月で書き、その間の支援体制も書く (記入欄)
24 社内の担当者 氏名または役職。兼務の状況も書く (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第三段|見る系統を絞る14項目

番号 埋める項目 書き方の例 記入欄
25 自事業所の指定の分野 介護保険、障害福祉、両方のいずれか (記入欄)
26 指定権者はどこか 都道府県、政令市、中核市、市区町村のいずれか (記入欄)
27 事業所が所在する市区町村 事業所ごとに書き分ける (記入欄)
28 事業者としての規模の区分 要領の定義に照らして記入する。自己判断で言い切らない (記入欄)
29 見る系統の候補 本記事の系統A〜Eから該当しそうなものを挙げる (記入欄)
30 その系統の公表物を確認した日 年月日と、確認した人の名前 (記入欄)
31 その系統の現在の状態 公募中、準備中、終了のいずれか (記入欄)
32 前年度に同名の事業があったか あった場合は事業名をそのまま控える (記入欄)
33 前年度の要領を入手したか 入手日と保管場所を書く (記入欄)
34 対象となる経費の欄に、入れるものが書かれているか 書かれている語をそのまま写す。言い換えない (記入欄)
35 対象とならない経費の欄に、入れるものが書かれているか 同じくそのまま写す (記入欄)
36 導入前に必要な手続きの有無 要領の該当箇所の見出しを控える (記入欄)
37 相談した窓口の部署名と連絡した日 部署名、担当者の所属、日付、回答の要旨 (記入欄)
38 社内の決裁の予定日 受付の期間から逆算した日付 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同じ年度に複数の制度を使うときに確かめる22項目|経費の重なり・年度またぎ・報告の時期

系統が複数あるということは、同じ年度に二つ以上の制度を並行して見る場面が出てくるということでもあります。たとえば介護保険分野の枠と、市区町村の枠と、業種を問わない産業振興の枠を、同じ年度に検討する法人があります。

このとき最初に確認されるのが、同じ経費を二つの制度に重ねて出していないかという点です。多くの要領には他の補助との関係を書いた欄が置かれていますが、書き方も範囲も制度ごとに異なります。ここは断定できる部分ではありませんので、以下は「確かめること」と「記入欄」の形にしてあります。答えは、それぞれの所管課にご確認ください。

確かめること 確かめ方 自事業所の状況 確認先
同じ経費を二つの制度に出していないか 見積の明細を行単位で並べ、どの行をどちらに出すかを色分けする (記入欄) (記入欄)
一つの見積を分割して複数に出す扱いになっていないか 分割の可否について要領の記載を確認する (記入欄) (記入欄)
対象とならない経費の欄に、他制度に関する記載があるか 両方の要領の該当欄を書き写して並べる (記入欄) (記入欄)
それぞれの実施期間が重なっているか 期間を線で引いて重なりを可視化する (記入欄) (記入欄)
発注の日がどちらの実施期間に入るか 発注書の日付の予定を先に決める (記入欄) (記入欄)
検収と支払の日がどちらの年度に入るか 検収書と振込の予定日を工程表に入れる (記入欄) (記入欄)
年度をまたぐ場合の取扱いの記載があるか 要領に繰越や継続の記載があるかを探す (記入欄) (記入欄)
実績報告の提出時期が重なっていないか 両方の提出予定日をカレンダーに置く (記入欄) (記入欄)
報告に使う証拠書類が同じ原本になっていないか 原本と写しのどちらを求められるかを確認する (記入欄) (記入欄)
原本を求められたときにどちらへ出すか 先に順序を決め、写しの保管場所を決める (記入欄) (記入欄)
同じ担当者が二つの報告を同時に抱えていないか 担当者の他の業務と重ねて見る (記入欄) (記入欄)
現地の確認が同時期に入る可能性 実施期間の終わりの時期から見当をつける (記入欄) (記入欄)
取得した物に付ける表示の要否 要領の財産の管理の欄を確認する (記入欄) (記入欄)
財産の台帳への登録の単位 一式で登録するのか、個別に登録するのかを確認する (記入欄) (記入欄)
処分に関する制限の期間が重なるか 両方の期間を並べて、更新の計画に反映する (記入欄) (記入欄)
一方を取り下げたときに、もう一方に影響するか 取り下げの手続きの欄を両方読む (記入欄) (記入欄)
交付が決まる時期の前後関係 どちらが先に決まる見込みかを整理する (記入欄) (記入欄)
先に決まった方の内容を、後の申請に書くか 記載欄があるかを確認し、書き方を統一する (記入欄) (記入欄)
法人単位で見たときの上限の考え方 事業所ごとか法人ごとかの記載を確認する (記入欄) (記入欄)
事業所番号ごとに申請するのか、法人でまとめるのか 申請の単位の記載を確認する (記入欄) (記入欄)
同一年度に同一事業所が複数回申請する扱いの記載 回数に関する記載を探す (記入欄) (記入欄)
相談先が分かれる場合の窓口の一覧 制度ごとに部署名と連絡先の控えを作る (記入欄) (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

避けたい書き方と言い換え36組|稟議・導入計画・効果の記録を検証できる文に直す

制度を使う場面では、社内の稟議、申請書に書く導入の計画、導入後の効果の記録という三つの文書が生まれます。この三つに共通して起きるのが、確かめようのない書き方です。読んだ人が「本当にそうか」を確かめられない文は、社内でも社外でも通りにくくなります。

以下の左の列には、避けたい書き方を並べています。かぎ括弧で囲んである部分は、書いてはいけない例として引用しているもので、当社の見解ではありません。右の列は、そのまま貼り替えて使える形にしてあります。数値の部分は記入欄にしてありますので、自事業所の実際の値を入れてください。

稟議に書くとき(12組)

避けたい書き方 言い換えた完成文
この補助金は当事業所が「対象になります」 募集要領の対象事業者の欄には(記入欄)と記載されている。当事業所の指定内容は(記入欄)である。合致するかどうかは所管課に確認する。
申請すれば「採択されます」 申請は審査を経るもので、結果は未定である。決定の前に発注しない前提で資金の計画を組む。
この経費は「必ず」認められます 対象となる経費の欄には(記入欄)と記載されている。当該の経費がこれに当たるかどうかの判断は所管課に確認する。
他の事業所も入れているので問題ありません 他事業所の導入例は判断の材料にしない。要領の記載と、当事業所の指定・体制の事実で判断する。
補助が出るので実質の負担はありません 交付の決定の前後で、自己資金により支払う期間が生じる。その期間の資金繰りの見込みを(記入欄)に示す。
担当者が「大丈夫」と言っていました (年月日)に所管課へ電話で確認した。回答した部署は(記入欄)。回答の要旨は(記入欄)。書面での確認を依頼済みである。
来年度も同じ制度が「続きます」 次年度の実施は公表されていない。継続を前提としない計画とし、次年度分は改めて確認する。
導入すれば業務が「大幅に減ります」 導入の前に(作業名)の所要時間を(記入欄)回測定し、導入の後に同じ方法で測定する。結果は記録に残す。
職員は全員使えます 使う職員は(記入欄)名。うち端末の操作に不慣れな職員は(記入欄)名。習熟の支援は(記入欄)が担当する。
今すぐ発注しないと「間に合いません」 受付の期間は(記入欄)まで。発注の可否は交付の決定との前後で扱いが異なるため、要領の該当欄を確認したうえで決裁する。
安いほうを選びました 比較したのは(記入欄)の観点である。費用以外に比較した項目は(記入欄)。選定の理由を文書に残す。
補助で買うので保守は考えていません 導入の後に続く費用(保守・通信・更新)は(記入欄)と見込む。対象外となる費用の見込みを併記する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

導入の計画に書くとき(12組)

避けたい書き方 言い換えた完成文
業務を効率化するため (職種)が(時間帯)に行っている(作業名)で、(頻度)の転記が生じている。この転記を減らすために導入する。
職員の負担軽減のため (作業名)には現在(記入欄)名が(時間帯)に対応している。導入の後は(記入欄)名の体制で運用する予定である。
利用者サービスの向上のため (作業名)に要していた時間を(別の業務名)に振り向ける。振り向け先と担当は(記入欄)とする。
最新の技術を導入する 導入するものの機能は(記入欄)である。当事業所の(業務名)のどの手順を置き換えるかは(記入欄)とする。
ペーパーレス化を進める 紙で保管している(書類名)のうち、電子での保管に切り替えるものは(記入欄)。切り替えないものと理由は(記入欄)。
情報共有を強化する (職種)と(職種)の間で、(内容)を(頻度)伝えている。現在の手段は(記入欄)、導入後の手段は(記入欄)とする。
安全性を高める (場面)で生じたヒヤリハットは(期間)に(記入欄)件、うち(内容)に関するものが(記入欄)件である。この場面に対して導入する。
今後、事故は「起こりません」 (場面)の発生の状況を継続して記録し、四半期ごとに委員会で確認する。
導入により人員を削減する (作業名)に充てていた時間の使い道は(記入欄)とする。人員の配置に関わる部分は変更しない。
全事業所に一斉導入する 先に導入する事業所は(記入欄)。理由は(記入欄)。他の事業所への展開の判断は(記入欄)の時期に行う。
必要な通信環境は整っています (場所)の通信の状況は(記入欄)である。確認した日は(記入欄)。不足がある場合の対応は(記入欄)とする。
個人情報の取扱いは問題ありません (内容)を(場所)に保存する。閲覧できる職員の範囲は(記入欄)。同意の取得の状況は(記入欄)である。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

効果の記録に書くとき(12組)

避けたい書き方 言い換えた完成文
導入して業務が楽になった (作業名)の一回あたりの所要時間は、導入前(記入欄)分、導入後(記入欄)分である(それぞれ(記入欄)回の平均)。測定者は(記入欄)。
残業が減った (部署)の時間外は(年月)に(記入欄)時間、(年月)に(記入欄)時間である。同じ期間の利用者数は(記入欄)名。
職員の評判が良い (年月)に(記入欄)名へ聞き取りを行った。よく使われている機能は(記入欄)。使われていない機能と理由は(記入欄)。
記録が早くなった (記録名)の入力が終わるまでの時間を(期間)計測した。入力の場所は(記入欄)。未入力のまま翌日に持ち越した件数は(記入欄)件。
転記がなくなった (帳票名)から(帳票名)への転記は(頻度)行っていた。現在も残っている転記は(記入欄)。残った理由は(記入欄)。
使っていない職員はいません (年月)の利用の状況は、登録者(記入欄)名、うち当月に入力のあった職員(記入欄)名である。入力のない職員への支援は(記入欄)とする。
導入は成功した 導入の前に決めた確認項目のうち、達したものは(記入欄)、達していないものは(記入欄)である。次に見直す時期は(記入欄)。
トラブルはありません (期間)に生じた不具合は(記入欄)件である。内容と対応は(記入欄)。業務が止まった時間は(記入欄)。
紙は完全になくなりました 紙のまま残している書類は(記入欄)である。残す理由は(記入欄)。保管の場所は(記入欄)。
夜勤が楽になった (時間帯)の巡回は(記入欄)回から(記入欄)回に変更した。変更の判断は(会議名)で(年月日)に行った。記録は(記入欄)に保管している。
利用者にも好評です ご本人・ご家族への説明は(年月日)に実施した。説明した内容は(記入欄)。いただいたご意見は(記入欄)。
効果は「測るまでもありません」 測る項目は導入の前に決める。項目は(記入欄)、測る方法は(記入欄)、測る担当は(記入欄)とする。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この分野の制度を当社データベースでどう数えているか|分類の定義と、数えられていないもの

ここまでの整理は、当社が持っている補助金・助成金のデータベースを読んだ結果です。数を書くのはこの章だけにしています。理由は単純で、件数も内訳も、制度が入れ替われば変わるからです。以下の数は「当社がこの時点でこう数えている」という意味であり、制度の全体像ではありません

また、当社の分類は当社が付けたラベルです。実施主体のラベルには揺れもあり、市の制度が都道府県として登録されている例、市の制度が国として登録されている例が混ざっています。この数字を「その地域に存在する制度の数」として読むことはできませんので、自事業所の所管の公表物で必ずご確認ください。

分類名 この分類に入れているもの この分類に入れていないもの
介護テクノロジー・ICT 介護保険分野の、都道府県が実施する導入支援の事業 障害福祉分野の同種の事業、市区町村が独自に置く事業
ICT・DX導入 上記以外で、情報化やデジタル化の投資に関係するもの全般 介護保険分野の都道府県の導入支援の事業
人材確保・雇用 採用、定着、処遇、資格取得に関するもの 情報化の投資を主目的とするもの
生産性向上・設備投資 設備や機器の更新を主目的とするもの 情報化の投資を主目的とするもの
開業・創業 新規の開設や創業に関するもの 既存の事業所の投資を主目的とするもの

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

数の内訳は次のとおりです。当社データベース(360制度)のうち、「ICT・DX導入」が79件、「介護テクノロジー・ICT」が31件で、この二つを合わせた110件が本記事の範囲です。

数え方の軸 区分 件数
データベース全体 登録している制度の総数 360
目的の分類 ICT・DX導入 79
目的の分類 介護テクノロジー・ICT 31
目的の分類 本記事の範囲(上記二つの合計) 110
実施主体(全体) 都道府県 333
実施主体(全体) 市町村 26
実施主体(全体) 1
状態(全体) 公募中 121
状態(全体) 準備中 104
状態(全体) 終了 135
実施主体(本記事の範囲) 都道府県 93
実施主体(本記事の範囲) 市町村 16
実施主体(本記事の範囲) 1
「ICT・DX導入」の内訳 障害福祉分野の導入支援に当たるもの 33
「ICT・DX導入」の内訳 市区町村・都道府県が独自に置く福祉施設向けのもの 5
「ICT・DX導入」の内訳 業種を問わない産業振興・設備投資および医療分野のもの 41

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この数え方で拾えていないものもあります。次の表は、数に入っていないものと、その理由です。ここを明示しないと、件数が実態より小さく見えたり大きく見えたりします。

数えられていないもの 理由 読む側への影響
全国すべての市区町村の独自の枠 公表の形式が自治体ごとに異なり、網羅していない 系統Cは実際にはもっと多い可能性がある。自事業所の所在市区町村を直接確認する必要がある
随時受付で年度の区切りがないもの 状態の三分類に収まりにくい 「終了」に入っていても、別の形で受け付けている場合がある
年度途中で追加された枠 取得の時点以降に公表されたもの この記事の内訳は取得時点のもので、現在とは異なる
名称が変わった同趣旨の事業 名前で名寄せしているため、別件として数えている場合がある 同じ趣旨の事業を二重に数えている可能性がある
複数の枠を持つ一つの事業 枠ごとではなく事業単位で数えている場合がある 枠の数と件数は一致しない
実施主体のラベルの揺れ 市の制度が都道府県や国として登録されている例がある 実施主体の件数は、層の分布としては参考程度に読む
介護以外の分野の制度で、介護法人が使えるもの 目的の分類が介護に寄っていないため拾いにくい 系統Dは商工・産業振興の公表物を直接見る必要がある
補助以外の支援(相談・派遣・貸付など) 補助金・助成金として登録していない お金が出る形以外の支援は、この数に含まれない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問|制度の系統と、読み方について

ICTを入れるのに使える制度は一つだけですか

いいえ。当社データベースを実施主体と対象分野で並べ直すと、少なくとも五つの系統に分かれます。介護保険分野の都道府県の事業、障害福祉分野の事業、市区町村が独自に置く福祉施設向けの事業、業種を問わない産業振興・設備投資の事業、医療機関向けの事業です。どれを見るかは、法人が持っている指定と、事業所の所在地と、入れようとしているものによって変わります。

「介護テクノロジー・ICT」と「ICT・DX導入」は何が違うのですか

当社の分類では、前者は介護保険分野の都道府県による導入支援の事業だけを集めたもの、後者はそれ以外の全部です。名前だけでは違いが読み取れませんが、中身を見ると「介護保険分野の都道府県事業か、そうでないか」という一線で分かれています。事業所の側から言い直すと、介護保険の指定で申し込むのか、障害福祉の指定で申し込むのか、事業者としての規模で申し込むのか、という違いです。

介護の事業所が、業種を問わない産業振興の制度を見る意味はありますか

当社データベースの「ICT・DX導入」の中で、件数として最も多いのは業種を問わない産業振興・設備投資の系統です。これらの要領には介護という語が出てこないため、介護の担当者が探しても見つかりにくいという性質があります。ただし、対象となるかどうかは要領の対象事業者の欄の定義によりますので、読む価値があるかどうかは、その欄を確認したうえでご判断ください。

障害福祉分野の事業と、介護保険分野の事業は同じものですか

事業名がよく似ていますが、別の事業として置かれています。所管する課も、申請に使う事業所番号も異なります。法人が両方の指定を持っている場合は、分野ごとに別々に確認することになります。片方の要領を読んで、もう片方も同じだと考えないほうが安全です。

いま「公募中」のものだけを見ればよいですか

公募中のものは全体の一部です。当社データベースでは、準備中と終了を合わせた件数のほうが多くなっています。さらにこの分野では、介護保険分野の側は終了が多数を占め、障害福祉分野の側は準備中が多数を占めるという、正反対の並び方をしています。見に行った時期によって見える景色が変わるということです。

「終了」のものを読む意味はありますか

あります。終了した事業は要領と様式がそのまま残っていることが多く、対象の欄、対象外の経費の欄、実績報告の提出物の欄などを先に読めます。次年度に同名の事業が置かれたときに、事業所側で先に用意できる書類が分かります。年度が変われば記載も変わりますので、あくまで下読みという位置づけです。

前年度と同じ内容で今年度も実施されますか

それは分かりません。事業名が同じでも、対象の欄や経費の欄が変わることがあります。継続を前提とせず、今年度の要領が公表されてから改めて読み直す前提で計画を組むのが安全です。

市町村の制度と都道府県の制度は、同時に見るべきですか

層が違うため、両方を見る場面があります。特に地域密着型サービスのように市区町村が指定権者になる場合や、市区町村が独自の枠を置いている場合は、都道府県の公表物だけでは見えません。複数の市区町村に事業所がある法人では、事業所ごとに見る先が変わります。

制度を先に決めてから、入れるものを選ぶのは順序として問題がありますか

問題という言い方はしませんが、その順序だと入れるものが制度の対象の欄に合わせて決まり、現場の困りごとと合わないまま導入される場面が出てきます。困りごと、入れるもの、制度という順序で埋めていくほうが、導入後に使われなくなる可能性を下げられます。本記事の第五章に、その順で埋める記入欄を用意しています。

複数の制度を同じ年度に使えますか

制度ごとに扱いが異なるため、ここでは断定できません。多くの要領には他の補助との関係を書いた欄が置かれていますが、書き方も範囲も一様ではありません。同じ経費が重なっていないか、実施の期間が重なっていないか、実績報告の時期が重なっていないかを整理したうえで、それぞれの所管課にご確認ください。第六章に確認する項目の一覧を置いています。

申請の書類は誰が書くのですか

事業所や法人がご自身で作成されるのが基本です。書類の内容は、自事業所の指定の内容、体制、業務の実際に基づくものですので、社内の事実を最もよく知っている方が書くのが確実です。

御社が申請の手続きを代わりに行ってくれますか

行いません。行政書士法第十九条により、報酬を得て官公署に提出する書類の作成を業として行うことは制限されています。また、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。当社が提供しているのは、制度の系統を整理した情報と、社内で埋めるための記入欄であり、手続きの代行ではありません。

この記事の件数は、制度の全体像ですか

いいえ。当社が取得した範囲での数え方であり、全国すべての市区町村の独自の枠を網羅していません。実施主体のラベルにも揺れがあります。地域に存在する制度の数として読むことはできませんので、自事業所の所管の公表物で直接ご確認ください。

制度の内容は、どのくらいの頻度で変わりますか

年度単位で組まれるものが多く、年度が替わると要領も様式も差し替わります。本記事に補助の割合や上限、受付の期間を書いていないのはそのためです。数字は年度ごとの要領で確認するもの、この記事で扱うのは年度が替わっても変わりにくい「系統の見分け方」と「見に行く前の整理」だけ、という切り分けにしています。

最後にもう一度だけ整理しておきます。ICTやDXにお金を出す制度は一本ではなく、複数の系統が並行して開いています。介護の分野に向けて書かれたものと、業種を問わずに書かれたものが同時に存在し、窓口も、読む欄も、求められる説明の形も違います。どれを見るべきかは、法人の指定の分野、事業所の所在地、そして何より何に困っていて何を入れようとしているのかで決まります。制度を先に探すのではなく、困りごとと入れるものを先に言葉にしておくこと。それが、この分野でいちばん効く準備です。

出典

出典:各自治体が公表している運営指導・集団指導の資料/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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