介護のICT化を進めたいとき、活用できるのが「ICT導入支援事業」です。どんな制度か、対象や流れを整理します。
ICT導入支援事業とは
ICT導入支援事業は、各都道府県が地域医療介護総合確保基金などを活用して、介護事業所のICT化を支援する事業です。介護記録・情報共有のシステムや、タブレット等の端末の導入費用が対象になることがあります。
対象になりうるもの
- 介護記録・情報共有のソフトウェア
- タブレット・スマートフォンなどの端末
- 導入に伴う初期費用や設定費用 など
申請の流れ
- お住まいの都道府県の介護ICT関連ページを確認する
- 募集時期・要件・補助の対象を確認する
- 導入計画を立てて申請する
- 交付決定後に導入・実績報告
注意点
補助金・助成金の金額・要件・募集時期は、年度や予算によって変わります。必ず国・都道府県・お住まいの自治体の最新の公募要領を確認してください。対象となる機器・経費かどうかも、事前の確認が大切です。
導入の相談先
「自社が使える補助金が分からない」「申請が不安」という場合は、相談窓口の活用が有効です。介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の導入も、補助金の活用を含めてご相談いただけます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
ICT導入支援事業の活用ポイント
ICT導入支援事業は、介護事業所の記録・情報共有のICT化を補助金で支援する取り組みです。ポイントを整理しました。
- 対象になりうるもの――記録ソフト、タブレット等の端末、通信環境など
- 目的――記録・情報共有の効率化と職員の負担軽減
- あわせて――記録の質の向上にもつながる
算定要件・単位数・様式は介護報酬改定や自治体により異なります。実際の運用にあたっては最新の告示・通知・条例等でご確認ください。
ICT導入支援事業で何が対象になるか
| 区分 | 対象になり得るもの |
|---|---|
| ソフトウェア | 介護記録ソフト、請求ソフト、情報共有システム |
| ハードウェア | タブレット、スマートフォン、インカム、ノートPC |
| 通信環境 | Wi-Fi機器の設置 |
| 導入経費 | 設定支援、導入研修、データ移行 |
| クラウド利用料 | 対象となる年数に定めがある場合があります |
| 保守・サポート費 | 対象となる範囲が限定されることがあります |
⚠「使い続けるための費用」(月額利用料、通信費)が対象外の年度もあります。導入時は補助が出ても、翌年度以降は自己負担になる点を見込んで判断してください。
要件として求められやすいこと
- ケアプランデータ連携システムの利用——導入または利用の意向が要件に含まれることがあります
- LIFEへの標準仕様への対応——ソフトが対応しているか確認します
- 導入計画書の提出——現状の課題と、導入後の見込みを書きます
- 効果報告——導入後の残業時間や記録時間の変化を報告する場合があります
- 他事業所への普及への協力——見学の受け入れなどが求められることがあります
効果報告を見込んで、導入前に測る
効果報告を求められる場合、導入前の数字がなければ書けません。申請の段階で次を測っておいてください。
- 1件あたりの記録にかかる時間
- 記録を書き終わる時刻
- 月末の帳票作成にかかる時間
- 残業時間
- 紙の帳票の枚数
申請の注意点
- 交付決定前の契約・発注は対象外
- 対象経費に含まれない費目がある(消耗品など)
- 公募期間が短いことがある——年度はじめに自治体のページを確認します
- 予算に達し次第終了する場合がある
- 実績報告の期限を守る
※補助率・上限額・対象経費・公募時期は年度と自治体によって異なります。必ず各都道府県・市区町村の公募要領で最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な流れを整理したものです。
補助が終わったあとの費用を見込む
| 費目 | 導入時 | 2年目以降 |
|---|---|---|
| ソフトのライセンス料 | 補助の対象になることがある | 原則、自己負担 |
| クラウド利用料 | 対象年数に定めがある場合がある | 自己負担 |
| 通信費 | 対象外のことが多い | 自己負担 |
| 端末の買い替え | 対象 | 数年後に自己負担で発生 |
| 保守・サポート | 範囲が限定される | 自己負担 |
⚠補助があるうちは回るが、2年目から重くなるという事態を避けるため、年間の維持費を申請前に試算してください。
導入計画書の書き方
- 現状の課題を数字で書く——「記録に時間がかかる」ではなく「1件あたり15分、月○時間」
- 何を導入するかを具体的に——製品名と台数
- 導入後にどう変わるかを書く——やめる作業を明示します
- 効果の測り方を書く——何を、いつ、どう測るか
- 職員への展開方法を書く——研修の計画
ICT導入についてよくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| どのソフトを選べばよいか | 自事業所のサービス種別の帳票がそのまま出せるかを最優先で確認します |
| 職員がスマホを持っていない | 事業所が貸与するのが原則です。私物端末を使う場合はルールが必要になります |
| 高齢の職員が使えるか | 操作の手順数で決まります。3手順を超えると定着しにくくなります |
| 紙をやめられるか | やめる日を決めて始めます。決めないと併用が続き、負担は増えます |
| データはどこに保存されるか | クラウドの所在と、委託先の有無を確認します。個人情報の取り扱いに関わります |
| 他事業所と情報共有できるか | ケアプランデータ連携システムなどの仕組みがあります。対応状況を確認します |
申請前に揃えておく書類
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 納税証明書
- 直近の決算書
- 介護保険事業所の指定通知書の写し
- 導入するものの見積書(型番まで記載されたもの)
- 導入計画書(現状の課題と、導入後の見込み)
- 職員数・利用者数が分かる資料
ソフトウェアの場合、対応している標準仕様(LIFE、ケアプランデータ連携)を示す資料を求められることがあります。
補助を使わずに始める選択肢
- 無料・低価格のプランから試す——数名までなら無料のサービスもあります
- 1事業所・1機能から始める——全社導入を前提にしない
- 既存のツールを使い切る——契約済みのソフトに未使用の機能が眠っていることがあります
- 次年度の公募を待つ——急ぎでなければ、準備を整えて申請するほうが確実です
よくある質問(FAQ)
ICT導入支援事業とは?
何が対象ですか?
申請の注意点は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
無料ではじめる
次の一歩を、どうぞ
介護のDXは、ゆっくりでいい。
まずは無料で、現場で試すところから。
アプリケーションを無料で使ってみる(iPhone / Android)
利用者さま3名まで・期限なく無料/クレジットカード登録不要
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
対象になりやすいもの・なりにくいもの
「汎用性が高いもの」と「ランニングコスト」は対象外とされやすい、というのが共通の傾向です。
| 費用 | 対象になりやすいか | 備考 |
|---|---|---|
| 介護ソフトのライセンス費 | なりやすい | 初期費用が中心 |
| クラウドの利用料 | 制度による | 初年度分のみのことがある |
| タブレット端末 | なりやすい | 台数の上限があることが多い |
| スマートフォン | 制度による | 通信契約とセットは対象外のことがある |
| パソコン本体 | なりにくい | 汎用性が高いものは対象外とされやすい |
| 通信費 | なりにくい | ランニングコストは対象外が一般的 |
| Wi-Fi機器 | なりやすい | 設置工事を含む場合がある |
| データ移行の作業費 | 制度による | — |
| 導入時の研修費 | 制度による | — |
| 保守費 | なりにくい | — |
| セキュリティ対策のソフト | 制度による | — |
| 既存ソフトの更新 | なりにくい | 新規導入が対象のことが多い |
要件になりやすいもの
| 要件 | 確認する場所 |
|---|---|
| ケアプランデータ連携標準仕様への対応 | 製品の仕様、事業者への確認 |
| LIFEへの対応 | 同上 |
| 複数の職員が使うこと | 公募要領 |
| 導入計画の提出 | 公募要領 |
| 導入後の効果測定と報告 | 公募要領 |
| 都道府県への実績報告 | 公募要領 |
| 事業所の指定を受けていること | 指定通知書 |
| 補助を受けた機器を一定期間使うこと | 財産処分の制限 |
申請から報告までの流れ
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 都道府県の今年度の公募を確認する |
| 2 | 対象になる製品かを事業者に確認する |
| 3 | 見積を取る |
| 4 | 導入計画を書く(効果の見込みを数値で) |
| 5 | 申請する |
| 6 | 交付決定の通知を受ける |
| 7 | 契約・発注する |
| 8 | 導入・支払い |
| 9 | 効果を測定する |
| 10 | 実績報告を出す |
枠の違いはデジタル・AI導入の補助金、申請の流れは申請の流れをご覧ください。対象・要件は都道府県と年度により異なります。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
