介護ソフトは種類が多く、「どれを選べばいいか分からない」という声をよく聞きます。本記事では、介護ソフトのタイプと、失敗しない選び方のポイントを、チェックリストつきで整理します。
この記事でわかること
- 介護ソフトの主なタイプ
- 選び方の5つのポイント
- 導入前のチェックリスト
- クラウド型のメリット
- 「入れ替え」ではなく「足す」という選択肢
介護ソフトの主なタイプ
記録ソフト
日々の介護記録・各種帳票を扱います。
請求ソフト
国保連(国民健康保険団体連合会)への介護報酬請求を行うソフトです。介護請求ソフトを選ぶときは、①国保連への伝送(インターネット請求)に対応しているか、②返戻・保留の原因が分かりやすく再請求しやすいか、③加算の要件を満たしているか確認できる機能があるか、④日々の記録データと連動して請求根拠を残せるか、を確認すると失敗しにくくなります。記録ソフトと請求ソフトが分かれていると同じ内容を二重入力しがちなので、記録から請求までデータが流れる構成だと入力負担を大きく減らせます。
ケアプラン作成ソフト
居宅サービス計画書などを作成します。
総合型(クラウド型)
記録・請求・経営まで一体で扱えるタイプです(カイポケ など)。
選び方の5つのポイント
- 事業種別に対応しているか――居宅・訪看・訪問・通所など、自社の種別に合うか
- クラウドかオンプレミスか――どこからでも使えるクラウド型は、直行直帰の多い現場に向く
- 入力のしやすさ――音声入力など、現場の負担を減らす工夫があるか
- 他システムとの連携――今のソフトと連携でき、二重入力にならないか
- 料金とサポート――事業所の規模に合い、導入後も相談できるか
導入前のチェックリスト
- 自社のサービス種別に対応しているか
- 現場の職員が使いこなせるシンプルさか
- 無料で試せるか(現場で確かめられるか)
- サポート体制があるか
- 制度改定に対応してくれるか
クラウド型のメリット
クラウド型は、訪問先や自宅からも使え、職員間の情報共有もはやく、専用サーバーが不要で初期費用を抑えやすいのが利点です。一方でインターネット環境が前提となり、提供元のセキュリティ確認が大切です。
介護ソフトを比較するときの6つの軸
製品名で比べる前に、何を基準に比べるかを決めておくと判断がぶれません。介護ソフトの比較では、次の6つの軸で並べると違いが見えやすくなります。
| 比較の軸 | 見るところ | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| 対応する業務範囲 | 記録だけか、請求まで含むか、ケアプランまで含むか | いま手作業になっている業務が含まれるかで判断する |
| サービス種別への対応 | 居宅・訪問介護・訪問看護・通所・福祉用具・施設のどれに対応するか | 複数種別を運営している場合は、まとめて扱えるかを確認 |
| 費用の決まり方 | 利用者数・スタッフ数・訪問件数・事業所数のどれで増えるか | いまの規模ではなく、増えたときの金額で比べる |
| 端末と場所 | 事業所のPCだけか、訪問先のスマートフォンでも使えるか | 実際に記録する場所で使えるかを試す |
| 他システムとの連携 | いま使っているソフトと併用できるか、データを渡せるか | 乗り換えずに足せるかどうかで導入負担が変わる |
| サポート | 導入時の設定支援、日常の問い合わせ窓口、改定への対応 | 報酬改定のたびに更新されるかは特に重要 |
「機能が多い=良い」ではありません。使わない機能の分も費用に含まれます。いま困っていることが解決するかを基準にしてください。
サービス種別ごとに見るポイント
同じ「介護ソフト」でも、サービス種別によって必要な帳票と業務の流れが違います。
| サービス種別 | 特に確認したいこと |
|---|---|
| 居宅介護支援 | ケアプラン第1〜7表、担当者会議の記録、モニタリング。ケアプランデータ連携への対応 |
| 訪問介護 | サービス提供責任者の業務、実施記録・提供記録、訪問先での入力 |
| 訪問看護 | 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ、計画書、報告書。医療保険と介護保険の両方の請求 |
| 通所介護 | 個別機能訓練計画、入浴・送迎の記録、タブレットでの一括入力 |
| 福祉用具貸与・販売 | 貸与計画書、モニタリング、商品マスタと在庫、契約・更新の管理 |
| 施設系 | 施設サービス計画、多職種の記録の共有、勤務シフト |
訪問看護であれば訪問看護の記録システム・ソフト・アプリの選び方、福祉用具であれば福祉用具貸与計画書の書き方もあわせてご確認ください。
介護ソフトを乗り換えるときの進め方
乗り換えは、機能の比較よりも移行の手順でつまずくことが多くあります。次の順で確認すると、想定外を減らせます。
- いまのデータをどこまで持ち出せるか確認する——利用者情報・過去の記録・請求データのどれを、どの形式(CSV等)で出せるか
- 移行する範囲を決める——過去の記録をすべて移すのか、直近だけにするのか。全部移そうとすると期間も費用も膨らみます
- 切り替える時期を決める——請求業務が集中する月初は避ける。改定の直前直後も混乱しやすい時期です
- 並行期間を設ける——1か月ほど両方を動かし、請求が問題なく通ることを確認してから旧ソフトを止める
- 解約条件を確認する——最低利用期間、解約の申し出時期、データの返却方法
特に1と5は契約前に確認してください。「データを出せない」「解約に数か月かかる」ことが後から分かると、選択肢が狭まります。
なお、乗り換えずにいまのソフトに足すという選択肢もあります(後述)。移行の負担を避けたい場合は、こちらから検討する方法もあります。
よくある失敗と、避け方
| よくある失敗 | なぜ起きるか | 避け方 |
|---|---|---|
| 機能は多いが使われない | 導入時に「あると便利」で選んでしまう | いま手作業になっている業務を1つ決めて、それが解決するかで選ぶ |
| 現場が入力しない | 事業所のPCでしか入力できず、結局あとでまとめて入力になる | 実際に記録する場所・端末で試してから決める |
| 二重入力が残る | 記録ソフトと請求ソフトが分かれていて、データが流れない | 記録から請求までのデータの流れを図で確認する |
| 費用が想定より増えた | 利用者やスタッフが増えると料金が上がる契約だった | 増えたときの金額を、契約前に見積もりで確認する |
| 改定に対応しない | 小規模な提供元で更新が追いつかない | 過去の改定にどう対応したかを聞く |
導入費用に使える補助金
介護ソフトやICT機器の導入には、補助金を活用できる場合があります。
- 介護テクノロジー導入支援事業——都道府県が実施。補助率・上限額・締切は年度と自治体で異なります
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金(旧IT導入補助金)
- 介護補助金ナビ——お住まいの都道府県で使える制度を検索できます
制度は年度ごとに要件が変わります。申請前に必ず実施主体の公表内容をご確認ください。
「入れ替え」ではなく「足す」という選択肢
ソフトを丸ごと入れ替えるのは、現場の負担も大きいものです。最近は、今あるソフトに機能を足す(アドオン)という選択肢もあります。介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」は、カイポケなどに足すだけで、音声入力と自動転記を加えられます。入れ替え不要で、記録にかかる時間を大きく減らせます。
介護ソフトを比較する12の軸
カタログの機能一覧を並べても比べられません。自事業所の条件を先に決めてから、次の軸で見比べます。
| 軸 | 見るところ | 自事業所で決めておくこと |
|---|---|---|
| 対応する業種 | 訪問介護/訪問看護/通所介護/居宅介護支援/施設。同じ「介護ソフト」でも守備範囲が違う | 自事業所の種別と、将来ふやす予定の種別 |
| 記録と請求の範囲 | 記録だけか、国保連への請求まで一体か | いま使っている請求ソフトを残すかどうか |
| 入力の方法 | パソコン/タブレット/スマートフォン/音声 | 現場で誰がどこで入力するか |
| オフラインでの動作 | 電波の弱い場所で入力できるか、あとで同期できるか | 訪問先の電波状況 |
| 帳票の対応 | 必要な様式(計画書・報告書・実施記録)が揃っているか | 自事業所で使う様式の一覧 |
| 二重入力の有無 | 記録したものが請求へ流れるか。転記が発生しないか | いまどこで転記が起きているか |
| 他システムとの連携 | 既存の請求ソフト・勤怠・給与とつながるか | 連携が必要な相手 |
| データの移行 | いまの記録を移せるか。乗り換え時に止まる期間があるか | 移行の対象と、その量 |
| 料金の形 | 利用者数か、職員数か、事業所数か。初期費用の有無 | 1年目と3年目の総額 |
| サポート | 電話/チャット/訪問。対応の時間帯 | 導入直後にどれだけ手を借りたいか |
| セキュリティ | どこにデータが保管されるか、権限の設定ができるか | 個人情報の取り扱いの方針 |
| 試用 | 無料で試せるか、どこまで試せるか | 本番に近い形で試せるか |
選ぶときに見落としやすいところ
| やりがちなこと | なぜ問題か | どうするか |
|---|---|---|
| 価格だけで選ぶ | 安くても現場が使わなければ記録は減らない | 無料期間に、現場の職員が実際に入力してみる |
| 機能の多さで選ぶ | 使わない機能は負担にしかならない | いま困っている工程を3つ挙げ、それが解決するかで見る |
| 管理者だけで決める | 入力するのは現場 | 試用の段階で現場の職員に触ってもらう |
| ランキングだけで決める | 使う帳票も運用も事業所ごとに違う | 自事業所の様式と運用に合うかを個別に確認する |
| 移行の手間を見ていない | 乗り換えの時期に業務が止まる | 移行の対象・量・期間を事前に確認する |
| 請求との接続を確認していない | 記録と請求で二重入力が残る | 記録から請求へデータが流れるかを実際に見る |
| サポートの時間帯を見ていない | 困ったときにつながらない | 対応時間と、平均の返答時間を確認する |
比較から導入までの手順
| 順 | やること | 具体的に |
|---|---|---|
| 1 | いま困っている工程を3つ書き出す | 記録の作成/転記/請求の突合 など |
| 2 | 必要な様式を一覧にする | 使っている帳票をすべて挙げる |
| 3 | 入力する人と場所を決める | 誰が・どこで・どの端末で |
| 4 | 候補を3つに絞る | 守備範囲が合うものだけを残す |
| 5 | 無料期間に現場が触る | 管理者だけで判断しない |
| 6 | 移行の条件を確認する | 対象データ・期間・費用 |
| 7 | 1年目と3年目の総額を出す | 初期費用と月額の合計で比べる |
| 8 | 決めたら、切り替えの時期を選ぶ | 請求の繁忙期を避ける |
記録の書き方そのものは介護記録の書き方まとめ、通所向けは通所介護ソフトの選び方、訪問看護向けは訪問看護の記録システムの選び方をご覧ください。
介護ソフトの選び方(タイプ別)
介護ソフトは、記録・請求・計画などタイプが分かれます。失敗しない選び方を整理しました。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 記録特化型 | 日々の記録を効率化。音声・写真対応など |
| 請求一体型 | 記録から国保連請求まで一体で行う |
| クラウド型 | 場所を選ばず使え、改定対応も反映されやすい |
よくある質問(FAQ)
Q. 今のソフトを変えずに効率化できますか?
はい。アドオン型(神マナ など)なら、今のソフトはそのままに、記録の音声入力・自動転記を加えられます。
Q. まず無料で試せますか?
神マナは利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。現場で効果を確かめてから判断できます。
Q. クラウド型は安全ですか?
提供元のセキュリティ体制(通信の暗号化やデータ管理)を確認することが大切です。
介護ソフトの選び方は?
失敗しないポイントは?
クラウド型と従来型の違いは?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
無料ではじめる
次の一歩を、どうぞ
介護のDXは、ゆっくりでいい。
まずは無料で、現場で試すところから。
アプリケーションを無料で使ってみる(iPhone / Android)
利用者さま3名まで・期限なく無料/クレジットカード登録不要
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
サービス種別ごとに、確認すべき機能
「介護ソフト」とひとくくりにできません。種別ごとに必要な様式が違うため、自分の種別の様式が標準で入っているかを最初に確認します。
| サービス種別 | 必須の機能 | 見落としやすい機能 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援 | 第1〜7表、給付管理、支援経過 | 他事業所の実績の取り込み、担当者会議の要点 |
| 訪問介護 | 訪問介護計画、実施記録、シフト | サービス提供責任者の確認機能、直行直帰への対応 |
| 訪問看護 | 記録書Ⅰ・Ⅱ、計画書、報告書 | 医療保険と介護保険の切り替え、指示書の期限管理 |
| 通所介護 | 通所介護計画、送迎、機能訓練 | 当日の欠席・追加の反映、連絡帳の出力 |
| 通所リハビリテーション | リハビリテーション計画、実施記録 | 医師の指示の記録、3か月ごとの評価 |
| 短期入所 | 個別サービス計画、日々の記録 | 利用日数の管理、緊急短期入所の扱い |
| 福祉用具貸与 | 貸与計画、モニタリング | 品目コード、選択制への対応 |
| 小規模多機能 | 登録者の管理、通い・訪問・泊まりの記録 | 日々の利用形態の変更、登録定員の管理 |
| 認知症対応型共同生活介護 | 個別サービス計画、日々の記録 | 運営推進会議の記録、身体的拘束の記録 |
| 特定施設 | 個別サービス計画、日々の記録 | 外部サービス利用型への対応 |
| 介護老人福祉施設 | 施設サービス計画、日誌、栄養・口腔 | 多職種での記録の分担、LIFEへの提出 |
| 介護老人保健施設 | 施設サービス計画、リハビリ計画 | 在宅復帰率の集計 |
| 障害福祉 | 個別支援計画、実績記録票 | 介護保険とは別の様式、報酬改定の時期の違い |
| 複数種別を運営 | 種別をまたぐ利用者情報の共有 | 事業所ごとの権限、法人全体の集計 |
契約の前に必ず聞くこと
| 聞くこと | なぜ |
|---|---|
| 初期費用と月額の内訳 | 人数課金か事業所課金かで総額が変わる |
| 最低契約期間 | 途中解約できるか |
| データの書き出し | 解約時に持ち出せる形式 |
| 改定への対応 | 様式・単位数の更新が費用に含まれるか |
| サポートの範囲 | 電話・訪問・オンラインのどこまでか |
| サポートの時間帯 | 夜間・休日に対応があるか |
| 導入時の支援 | 初期設定とデータ移行を誰が行うか |
| 研修 | 職員への操作研修があるか |
| 同時に使える人数 | ライセンスの数 |
| 圏外での入力 | 訪問先で電波がないときに使えるか |
| バックアップ | 頻度と、復元にかかる時間 |
| データの保管場所 | 国内か国外か |
| 過去データの移行 | どこまで移せるか、費用は |
| 試用 | 本番前に試せる期間があるか |
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
