福祉用具貸与計画書は、どの用具を、どんな目標のために使うかを定める書類です。福祉用具専門相談員が作成し、利用者に交付します。書き方を整理します。
福祉用具貸与計画書とは
福祉用具専門相談員が、ケアマネジャーのケアプランに沿って作成します。選んだ用具とその理由、利用目標、使用上の留意事項をまとめ、利用者・家族に説明・交付します。
主な記載項目
- 利用者の心身の状況・living環境
- 福祉用具を使う目標
- 選定する品目と、その選定理由
- 使用上の留意事項・安全への配慮
書き方のポイント
- 目標と用具を結びつける――「安全に移動できる」ために「歩行器」など、目的を明確に。
- 選定理由を具体的に――なぜその品目・機種かを書く。
- 安全への配慮――誤った使い方による事故を防ぐ留意点を記す。
- ケアプランと整合させる――ケアプランの目標に沿わせる。
記入例
目標:屋内を安全に移動し、転倒なく生活できる。
選定品目:歩行器(前輪キャスター付き)。
選定理由:下肢筋力の低下があり、伝い歩きで不安定。歩行器で支持面を確保し、転倒リスクを軽減するため。
留意事項:段差や敷物に注意。ブレーキ操作を本人・家族へ説明。
福祉用具貸与計画書|記載事項と書き方
「モニタリングを行う時期等」の記載漏れが公表資料で名指しされています。以下は記載のイメージを示す(例)です。
| 記載事項 | 書き方 | 記入例 |
|---|---|---|
| 利用者の基本情報 | 氏名・要介護度・認定の有効期間 | 要介護2/令和◯年◯月〜令和◯年◯月 |
| 利用者及びその家族の希望 | 本人の言葉に近い形で | 「トイレまで自分で歩いて行きたい」(本人)/「転ばないか心配」(長女) |
| 心身の状況 | 把握した状態を具体的に | 右片麻痺あり。屋内は伝い歩き。浴室のまたぎに介助を要する |
| 置かれている環境 | 住まいの実際の数値で | 玄関の段差20cm、廊下幅80cm、浴槽の縁の高さ50cm、手すりなし |
| 利用目標 | 達成できたか判断できる形で | 手すりを使い、居室からトイレまで自分で歩ける |
| 選定した機種 | 品名・型番まで | 据置型手すり(◯◯社・型番◯◯) |
| 選定の理由 | 心身の状況・環境・目標との関係で | 工事を伴わずに設置でき、立ち上がりの支点として使えるため |
| 留意事項 | 使い方と、注意すること | 設置面のずれを月1回確認する。濡れた床では体重をかけない |
| モニタリングを行う時期 | いつ確認するかを明記 | 初回は納品後2週間、以降は3か月ごと |
| 複数の提案 | 同一種目で複数を提示したこと | 据置型・突っ張り型・工事型の3点を提示し、本人が据置型を選択 |
| 販売計画との一体 | 特定福祉用具販売を利用している場合 | 入浴用いす(販売)と一体の計画として作成 |
| 説明と同意 | 説明日・同意日・交付日 | ◯月◯日に説明、同日に同意を得て交付 |
福祉用具|運営指導で公表されている指摘
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 福祉用具貸与計画を作成していない。福祉用具専門相談員を常勤換算で2以上配置していない。介護予防福祉用具貸与についてモニタリングを適切に行っていない。利用者が特定福祉用具販売を利用していたにもかかわらず特定福祉用具販売計画と一体で作成していない | 公表資料の主な指摘事項 |
| 同一種目における複数の福祉用具の提案がされていない事例が散見されます。福祉用具の保管及び消毒に係る業務の委託先が変更されているにもかかわらず変更届を提出していない/消毒・保管に関する委託業務の履行確認が定期的に行われていない/福祉用具貸与計画に「モニタリングを行う時期等」を記載していない/軽度者に対する貸与について状態像から見て使用が想定しにくい | 堺市の資料 |
| 福祉用具貸与計画が居宅サービス計画に沿っていない/適時適切に変更されていない。指摘22件のうち「福祉用具貸与・特定福祉用具販売計画の作成等の不備」が7件(31.8%)で最多 | 長野県の令和6年度運営指導結果(福祉用具貸与・特定福祉用具販売) |
| 特定福祉用具販売があった際、サービス担当者会議の記録がなく、居宅サービス計画へ反映されていなかった | 姫路市の令和6年度実地指導結果 |
モニタリングで確認すること
| 確認する項目 | 見るところ | 記録に残すこと |
|---|---|---|
| 使用の有無 | 実際に使われているか | 使用の頻度と、使われていない場合の理由 |
| 目標の達成 | 計画の利用目標に到達しているか | 到達の程度を、できるだけ数値で |
| 適合 | 高さ・位置・サイズが 体に合っているか | 調整した内容と、調整した日 |
| 安全 | 破損・劣化・ぐらつきがないか | 点検した日と、対応の内容 |
| 環境の変化 | 住まいや家族の状況が変わっていないか | 変化の内容と、計画への反映 |
| 心身の状況 | 状態が変わり、別の用具が適していないか | 再選定の要否 |
| 本人の受け止め | 使いにくさや不満がないか | 本人の言葉 |
| 計画の見直し | 変更が必要か | 見直した内容と、再度の説明・同意 |
特定福祉用具販売は特定福祉用具販売、居宅サービス計画との整合はケアプラン第2表の書き方をご覧ください。
計画書に書く「選定理由」の書き方
福祉用具貸与計画書でいちばん問われるのが選定理由です。「本人が希望したため」だけでは、なぜその用具なのかが説明できません。
| 弱い書き方 | 説明できる書き方 | |
|---|---|---|
| 歩行器 | 歩行が不安定なため | 屋内で壁を伝う歩行が見られ、方向転換時にふらつきがある。両手で支持でき、方向転換のしやすい歩行器を選定 |
| 特殊寝台 | 起き上がりが困難なため | 腹筋の低下により平床からの起き上がりに介助を要する。背上げ機能により自力での起き上がりが見込めるため選定 |
| 手すり | 転倒予防のため | トイレでの立ち上がり時に前方へふらつく。便器の前方に据置型手すりを設置し、前方への引き寄せで立ち上がりを支持 |
| 車いす | 移動のため | 屋外の連続歩行が50m程度で疲労し、通院時に休憩を要する。自走式では上肢の負担が大きいため介助式を選定 |
計画書の主な記載項目と記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 利用者の希望 | 「トイレに自分で行けるようになりたい」 |
| 利用者の心身の状況 | 右片麻痺。屋内は伝い歩き。立ち上がり時に前方へふらつきあり |
| 介護者の状況 | 長女と同居。日中は就労のため独居 |
| 住環境 | 木造平屋。トイレは寝室から5m。廊下に手すりなし |
| 利用目標 | 日中、介助なしでトイレまで移動し、排泄ができる |
| 選定した用具と理由 | 据置型手すり2点(トイレ前・廊下中間)。伝い歩きの支持点を確保するため |
| 留意事項 | 設置位置が本人の動線に合っているか、1か月後に確認する |
モニタリングとのつながり
- 計画に書いた目標が達成できているかを確認します。用具が使われているかだけではありません
- 確認した結果を記録し、居宅介護支援事業所へ交付します
- 状態の変化があれば、頻度を待たずに見直します
- 使われていない場合は、その理由まで聞き取ります(合わない、こわい、家族が止めた など)
- 要介護度が変わったときは、給付の対象範囲が変わる可能性があります
※本記事は一般的な考え方を整理したものです。算定の可否や要件は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用をご確認ください。
計画書の作成と交付の流れ
- ケアプランへの位置づけを確認する——介護保険で貸与する前提になります
- 自宅を訪問し、心身の状況と住環境を確認する——カタログだけで選ばない
- 計画書を作成し、本人・家族へ説明して同意を得る——同意の日付を残します
- 居宅介護支援事業所へ交付する——ケアマネジャーとの共有が要件に含まれます
- 用具を搬入し、適合・調整する——高さや位置の調整の内容を記録します
- 使い方を説明する——本人と、実際に介助する家族の両方へ
- モニタリングを行い、記録して交付する
計画書についてよくある質問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 販売の場合も計画書が要るか | 特定福祉用具販売でも計画の作成が求められます。取り扱いは最新の通知でご確認ください |
| 用具を追加したときは | 計画書を変更し、あらためて説明と同意、交付を行います |
| 目標はどう書くか | 用具を使うこと自体ではなく、それによってできるようになる生活動作で書きます |
| ケアプランの目標と揃えるべきか | 揃えます。第2表の目標と対応していないと、位置づけの説明が難しくなります |
| 同意は口頭でよいか | 記録に残る形で得ます。署名または記録への記載が一般的です |
計画書が指摘を受けやすいところ
- 選定理由が「本人の希望」だけ——なぜその用具なのかが説明できません
- 目標が用具の使用そのもの——「歩行器を使う」ではなく、それで何ができるようになるかを書きます
- ケアプランの目標と対応していない——第2表の目標との整合が見られます
- 同意の日付がない——説明した日と、同意を得た記録を残します
- 交付の記録がない——居宅介護支援事業所へ渡したことが残っていない
- 用具を追加したのに計画書が古いまま——追加のたびに変更が必要です
- 住環境の記載がない——なぜその用具が適合するのかの根拠になります
用具を変更・終了するとき
- 状態が改善した場合——より自立度の高い用具へ変更するか、終了を検討します
- 使われていない場合——理由を確認し、別の用具に替えるか、外します
- 入院した場合——原則として給付の対象外になります。入院が決まった時点で相談します
- 要介護度が変わった場合——給付の対象範囲が変わる可能性があります
- いずれの場合も、計画書の変更とケアマネジャーへの共有が要ります
計画書づくりを効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の福祉用具向け機能(福祉用具マナ)は、貸与計画書の作成・見直しの下書きを補助し、書類の負担を軽くします。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
福祉用具貸与計画書の記入例
福祉用具貸与計画書は、選んだ用具の利用目標や選定理由を記載する書類です。記入例をまとめました。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 利用目標 | 手すりと歩行器で、見守りのもと安全に移動できる |
| 選定した用具 | 手すり(据置型)、歩行器 |
| 選定理由 | 立ち上がりと移動の不安定さを補い、転倒を予防するため |
| 留意点 | 使い方を説明し、定期的に利用状況を確認する |
貸与13種目|選定理由の完成文(13種目・39例)
選定理由の欄でつまずくのは、用具の名前と一般的な効能だけを書いてしまうときです。読む側(利用者・家族・ケアマネジャー・保険者)が知りたいのは、その人が、どこで、どの動作に困っていて、この用具のどの機能でその動作がどう変わるのかという一本の線です。以下は貸与13種目について、その線が最後までつながっている完成文です。事業所名・氏名・数値をご自身の記録の値に差し替えてお使いください。数値(段差の高さ、廊下幅、ベッド高、移乗距離、連続歩行距離)は、訪問時に実際に測った値を入れる欄と考えてください。
車いす・車いす付属品|6例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 屋外・通院時の移動 | 屋外の連続歩行は30mで下肢に疲労が出て、通院時に3回の立ち止まりが必要となっている。自宅から最寄りのバス停までは180mあり、途中に腰かけられる場所がない。上肢の筋力低下により自走では左右にぶれるため、介助者が押す介助式の車いすを選定した。背もたれが折りたためて自家用車のトランクへ積み込める機構であること、駐車ブレーキが介助者側からも操作できることを条件とし、通院の同行者である長女が単独で扱える機種とした。 |
| 屋内・居室からトイレへの移動 | 居室からトイレまでの6mを伝い歩きしていたが、右膝の痛みの増強により3mを過ぎたところで立ち止まる場面が週4回みられるようになった。廊下幅は78cmで、方向転換の余地が少ない。全幅55cm以下で小回りの利く自走式の車いすを選定し、廊下の途中で向きを変えられるようにした。 |
| ベッドからの移乗 | ベッドの床からの高さは42cmで、端座位からの立ち上がりは自力で可能だが、立位保持が10秒程度にとどまる。移乗の間に体を支える距離を短くする必要があるため、アームサポートが跳ね上がり、フットサポートが着脱できる車いすを選定した。ベッド側面に車いすを並べて置くことで、移乗距離を20cm以内に収める。 |
| 座位姿勢の保持(食事) | 座位で骨盤が後傾し、食事の開始から15分ほどで体幹が右へ傾き、食器へ手が届かなくなる。標準の座面ではたわみが大きく、前ずれが生じる。座面の高さと背張りを調整できる車いすを選定し、テーブル高70cmに対して肘が乗る高さに合わせることで、食事の間の姿勢を保つ。 |
| 付属品(クッション)・褥瘡の予防 | 日中の座位時間が合計5時間を超え、坐骨部に発赤が生じて翌日まで消退しない日が月に3回みられた。座面のたわみにより30分ほどで骨盤が前方へ滑る。厚みのある体圧分散クッションで坐骨部の圧を下げるとともに、滑り止めのある底面で前ずれを抑える目的で選定した。 |
| 付属品(電動補助装置)・坂道の介助 | 自宅前の私道が長さ25mの上り坂で、介助する妻(78歳)が押し上げる途中で車いすが後退する場面が2回あった。介助者の押す力を補助する電動補助装置を車いすに取り付け、坂の途中で止まっても後退しない状態で通院・買い物に出られるようにするため選定した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
特殊寝台・特殊寝台付属品|6例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 起き上がり | 布団での就寝であったため、平床からの起き上がりに腹部への力が入らず、毎朝家族が背中を支えて起こしている。背上げ機能を用いて上半身を45度まで起こすことで、本人が手すりを引いて自力で端座位になれる見込みがあるため、背上げ・脚上げが可能な特殊寝台を選定した。 |
| 立ち上がり(高さ調整) | 下肢の膝伸展力が弱く、座面高38cmの椅子からの立ち上がりに介助を要する一方、45cm程度の高さからは自力で立てることを訪問時に確認した。床からの高さを段階的に調整できる特殊寝台を選定し、立ち上がりやすい高さに合わせて設定する。夜間はベッドからの転落を避けるため低い位置へ下げる運用とする。 |
| 介助者の腰痛予防 | おむつ交換と更衣を1日5回行っており、介助する長男が腰痛のため前傾姿勢を続けられない。ベッドの高さを介助者の腰の位置まで上げられる特殊寝台を選定し、介助のたびに高さを合わせられるようにすることで、在宅での介護の継続を図る。 |
| 付属品(介助バー)・立ち上がりの支点 | 端座位から立ち上がる際に前方へふらつき、直前でベッド柵をつかんで支えている。柵は握る位置が低く、体を引き寄せる支点にならない。上方に握り位置がある介助バーを選定し、両手で引き寄せて立ち上がる動作の支点とする。 |
| 付属品(サイドレール)・転落の防止 | 夜間の寝返りの際にベッドの端まで移動し、右肩がマットレスから出ている場面が2回あった。ベッド幅は91cmで、寝返りの範囲が端に達する。両側にサイドレールを取り付け、寝返り時に体がベッドの外へ出ないようにするため選定した。 |
| 付属品(テーブル)・食事と作業 | 日中の離床が進まず、ベッド上で食事をとる時間が1日2食ある。オーバーテーブルがないため、食器を胸元に置いて食べており、こぼす場面が続いていた。高さを調整できるベッド用テーブルを選定し、背上げ45度の姿勢に合わせて食事と読書ができる面をつくる。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
床ずれ防止用具・体位変換器|6例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 臥床時間が長い | 1日のうち臥床している時間が18時間を超え、自力での寝返りができない。仙骨部に直径2cmの発赤があり、体位変換の後30分を経過しても消退しない日がある。接触面の圧を分散する床ずれ防止用具を選定し、同一部位に圧が集中する時間を短くする。 |
| 体重が軽く骨突出がある | 体重38kg、るい痩により仙骨部と両踵部の骨突出が目立つ。現在使用中のマットレスでは沈み込みが浅く、突出部で底づきが生じている。厚みがあり体圧を分散できる床ずれ防止用具を選定し、突出部が沈み込む状態をつくる。 |
| 背上げ時のずれ | 背上げの操作のたびに体が足側へずれ、仙骨部の皮膚が引っ張られる。ずれによる摩擦が発赤の要因になっていると訪問看護師から情報提供があった。表面の素材でずれを逃がす構造の床ずれ防止用具を選定し、背上げ後の背抜きとあわせて用いる。 |
| 体位変換の介助が困難 | 介助する妻(80歳)に腰部の痛みがあり、夜間2時間ごとの体位変換を1人で行うと途中で手が離せなくなる。体の下に差し込んで少ない力で向きを変えられる体位変換器を選定し、夜間の体位変換を妻1人で行えるようにする。 |
| 側臥位の保持 | 側臥位に整えても10分ほどで仰臥位へ戻ってしまい、同一部位の除圧が続かない。背部に当てて角度を保つクッション型の体位変換器を選定し、30度側臥位を保てるようにする。 |
| 踵部の免荷 | 右踵部に発赤があり、仰臥位で踵がマットレスに接している時間が長い。下腿の下に入れて踵を浮かせられる体位変換器(下肢用)を選定し、踵部が寝具に接しない状態をつくる。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
手すり・スロープ|6例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 玄関の上がりかまち | 玄関の上がりかまちの高さが22cmあり、片足を上げた際に体が後方へ傾いて壁に手をつく場面が続いている。壁は土壁で工事による固定ができない。床と天井の間に突っ張って固定する手すりを上がりかまちの内側に設置し、体を引き上げる支点とするため選定した。 |
| トイレでの立ち上がり | 便座の高さは38cmで、立ち上がりの際に前方へ重心が移らず、2回に1回は介助者が引き上げている。便器の前方1点に据置型の手すりを置き、前方の握りに体を引き寄せて立ち上がれるようにするため選定した。設置面が滑らないよう防滑マットの上に置く。 |
| 廊下の移動 | 廊下幅78cmの片側にのみ壁があり、右片麻痺のため健側である左手で支える側の壁がない。工事を行わずに置ける据置型の手すりを廊下の中間2か所に設置し、伝い歩きの支持点を左側につくるため選定した。 |
| 浴室の出入り | 浴室入口に高さ12cmの立ち上がりがあり、濡れた床でバランスを崩す場面が月に2回ある。浴室の壁はタイルで、工事の可否が確認できていない。浴室内に置ける床置き型の手すりを選定し、またぎ動作の間に握る位置を確保する。 |
| スロープ・玄関からの外出 | 玄関先の段差が18cmあり、車いすでの外出時に介助者が前輪を持ち上げられず、外出の回数が週2回から月2回へ減っている。段差にかけて用いる可搬型のスロープを選定し、介助者1人で車いすのまま出入りできるようにする。 |
| スロープ・掃き出し窓からの出入り | 庭に面した掃き出し窓の段差が25cmあり、リハビリテーションで指導された屋外歩行が行えていない。長さを確保して勾配を緩くできる折りたたみ式のスロープを選定し、歩行器を押したまま庭へ出られるようにする。雨天時は表面が滑るため使用を控える運用とする。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
歩行器・歩行補助つえ|6例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 屋内の移動(方向転換) | 屋内では壁を伝って移動しているが、居間からトイレへ向かう角で方向転換する際にふらつき、直前で壁に肩をつけて止まる場面が1日3回みられる。両手で支持でき、その場で向きを変えられる固定型の歩行器を選定し、方向転換の間も両手の支持が外れないようにする。廊下幅78cmを通れる全幅のものとした。 |
| 屋内の移動(連続歩行の延長) | 連続して歩ける距離が10mで、その先は下肢の疲労により歩行を中断している。居室から食堂までは14mあり、途中で座る場所がない。前輪にキャスターがあり押して進める歩行器を選定し、上肢で体重を預けながら14mを続けて移動できるようにする。 |
| 屋外・買い物 | 屋外の歩行は200mで息切れが生じ、途中に休憩できる場所がない。買い物の荷物を持つと前傾姿勢が強まり、ふらつきが増す。座面と荷物入れがあり、ブレーキで停止できる歩行車を選定し、疲労時にその場で腰かけて休めるようにする。 |
| つえ・片麻痺の歩行 | 右片麻痺により立脚時に右膝が内側へ入る。1本つえでは支持基底面が狭く、方向転換時に体が右へ傾く。接地面が4点に分かれた多点つえを選定し、支持基底面を広げて立脚の安定を図る。 |
| つえ・階段の昇降 | 玄関外の階段3段(1段の高さ16cm)に手すりがなく、下りる際に足元を見て前傾になり、体が前へ流れる。前腕を支えられるロフストランドクラッチを選定し、手首への負担を分散しながら1段ずつ足を揃えて下りられるようにする。 |
| つえ・パーキンソン病のすくみ足 | 歩き始めの1歩目が出にくく、玄関やトイレの入口など幅の狭い場所で足が止まる。目印となる線があれば1歩目が出ることを訪問時に確認した。足元に線を出せる機能のある歩行補助つえを選定し、歩き出しの手がかりとする。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト・自動排泄処理装置|9例
| 場面(どこで・何をするとき) | 選定理由の完成文 |
|---|---|
| 感知機器・夜間の玄関 | 夜間の午前2時前後に起き出して玄関の鍵を開けようとする行動が、直近1か月で4回あった。介助者である長男の寝室は玄関から離れており、物音では気づけない。玄関の通過を感知して長男の寝室で音が鳴る機器を選定し、外へ出る前に付き添えるようにする。 |
| 感知機器・ベッドからの離床 | 夜間にベッドから1人で降りようとして床に座り込んでいたことが2回あった。ふらつきがあり、立ち上がりには介助を要する。ベッドから起き上がった時点で家族に知らせる感知機器を選定し、床に座り込む前に介助へ入れるようにする。 |
| 感知機器・日中の独居時間 | 日中は家族が就労のため6時間の独居となり、その間に外へ出て帰り道が分からなくなったことが1回あった。玄関の通過を離れた場所へ知らせる機能のある機器を選定し、就労先の家族が把握できるようにする。運用の範囲と知らせる相手について、本人・家族へ説明し同意を得た。 |
| リフト・ベッドと車いすの移乗 | 下肢に支持性がなく、移乗は全介助である。介助者は妻1人で、抱え上げる方法では体が持ち上がらず、床に膝をつく場面があった。つり具を用いてベッドから車いすへ移乗できる床走行式の移動用リフトを選定し、妻1人で移乗を行えるようにする。 |
| リフト・浴室への移動 | 浴室入口までの3mを2人介助で移動しており、日中に2人目の介助者を確保できない日は入浴を見送っている。据置式の移動用リフトを脱衣室に設置し、車いすから浴室内の椅子までの移乗を1人で行えるようにする。 |
| リフト・段差のある居室間 | 居室と居間の間に15cmの段差があり、車いすのまま行き来ができず、日中を居室で過ごしている。段差を越えて移乗を補助できるリフトを選定し、日中に居間で家族と過ごす時間をつくる。 |
| 自動排泄処理装置・夜間の排泄 | 夜間に3回の排泄があり、そのつど介助者がおむつを交換している。介助者は日中に就労しており、連続した睡眠が3時間を超えない状態が続いている。排尿を自動で吸引する装置を選定し、夜間の交換の回数を減らす。 |
| 自動排泄処理装置・皮膚の保護 | 失禁が1日6回あり、殿部の皮膚に湿潤による発赤が広がっている。交換までの間、皮膚が排泄物に触れている時間が長い。排泄物を速やかに吸引する装置を選定し、皮膚が触れている時間を短くする。 |
| 自動排泄処理装置・介助者の負担 | 介助者が要支援認定を受けており、体位変換を伴うおむつ交換を1日6回続けることが困難になっている。装置の使用により交換に伴う体位変換の回数を減らし、在宅での生活を続けられるようにするため選定した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
利用目標の完成文|期間と達成の目安つき(18例)
利用目標の欄が弱くなるのは、用具を使うこと自体を目標にしてしまうときです。「歩行器を使用する」は、達成したかどうかを後から誰も判定できません。目標は用具を使った結果としてできるようになる生活動作で書き、あわせていつまでにと何をもって達成とみなすかを添えます。この2つが入っていると、モニタリングの記録がそのまま達成の判定になります。長期・短期に欄が分かれている様式では、短期に動作、長期にその動作が支える暮らしを置くと対応がつきます。
屋内の移動・排泄・入浴の目標|9例
| 用具と場面 | 利用目標の完成文(期間と達成の目安つき) |
|---|---|
| 据置型手すり・トイレ | 3か月後までに、居室からトイレまでの6mを手すりを支点にして日中は1人で歩いて往復できる。達成の目安は、1週間のうち5日以上、家族の付き添いなしで往復できていること。 |
| 特殊寝台・起き上がり | 1か月後までに、背上げ45度の状態から介助バーを使って自分で端座位になれる。達成の目安は、朝の起床時に家族が背中を支えずに起き上がれる日が週5日以上あること。 |
| 歩行器・屋内歩行 | 2か月後までに、居室から食堂までの14mを途中で立ち止まらずに歩ける。達成の目安は、朝昼夕の3食とも自分で食堂へ移動できていること。 |
| 浴室内すのこ・入浴 | 3か月後までに、浴室入口の12cmの立ち上がりを手すりを握って自分でまたげる。達成の目安は、週2回の入浴のいずれも、またぎの場面で介助者が体を支えずに済んでいること。 |
| 車いす・屋内移動 | 1か月後までに、廊下幅78cmの廊下で自分で方向転換し、居室から居間まで自走できる。達成の目安は、日中の離床時間が1日3時間以上になっていること。 |
| 移動用リフト・移乗 | 2か月後までに、ベッドから車いすへの移乗を妻1人の操作で毎回行える。達成の目安は、移乗の場面で2人目の介助者を呼ぶ日が月に0日となること。 |
| 床ずれ防止用具・皮膚の保護 | 1か月後までに、仙骨部の発赤が体位変換の30分後には消退している状態になる。達成の目安は、訪問看護師の週1回の観察で発赤の持続が記録されない週が4週続くこと。 |
| 体位変換器・夜間の体位変換 | 1か月後までに、夜間2回の体位変換を妻1人で行える。達成の目安は、夜間の介助のために長男を起こす日が週1日以下になること。 |
| 自動排泄処理装置・夜間の排泄 | 1か月後までに、夜間のおむつ交換のために起きる回数が3回から1回になる。達成の目安は、介助者が連続して4時間以上眠れた日が週5日以上あること。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
屋外・社会参加・介護者の生活の目標|9例
| 用具と場面 | 利用目標の完成文(期間と達成の目安つき) |
|---|---|
| スロープ・外出 | 2か月後までに、玄関の18cmの段差を車いすのまま越えて、介助者1人で外出できる。達成の目安は、外出の回数が月2回から週2回に戻っていること。 |
| 歩行車・買い物 | 3か月後までに、自宅から180m先のバス停まで、途中で腰かけて休みながら自分で歩いて行ける。達成の目安は、週1回の買い物に本人が同行できていること。 |
| 介助式車いす・通院 | 1か月後までに、長女の介助で通院の往復ができ、待合室でも座位を保てる。達成の目安は、月1回の受診を予定どおりの日に受けられていること。 |
| 多点つえ・散歩 | 3か月後までに、自宅前の平坦な道を300m、1人で歩いて往復できる。達成の目安は、週3回以上の散歩が続いていること。 |
| 車いす付属品(電動補助装置)・坂道 | 2か月後までに、自宅前の25mの上り坂を、途中で止まらずに妻の介助で上がれる。達成の目安は、坂の途中で車いすが後退する場面が0回であること。 |
| 認知症老人徘徊感知機器・夜間の見守り | 1か月後までに、夜間に玄関へ向かわれた際、家族が外に出る前に付き添える。達成の目安は、家族が気づかないまま外へ出た日が0日であること。 |
| 特殊寝台(高さ調整)・介助者の腰痛 | 1か月後までに、おむつ交換と更衣をベッドの高さを上げた状態で行い、介助者が前傾姿勢を続けずに済む。達成の目安は、介助者が腰痛のため介助を中断する日が週0日となること。 |
| 車いす付属品(クッション)・座位時間 | 2か月後までに、車いす上で前ずれせずに1時間の座位を保てる。達成の目安は、通所先での昼食の間、座り直しの介助が入らないこと。 |
| ベッド用テーブル・食事 | 1か月後までに、背上げ45度の姿勢でテーブルを使い、自分で食事を食べきれる。達成の目安は、こぼして更衣が必要になる日が週1日以下になること。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
状態別|選定理由と留意事項の書き分け(11状態・22例)
同じ品目でも、その人の状態が違えば選ぶ根拠も、使うときに気をつけることも変わります。状態名を書いただけでは根拠になりません。その疾患・状態が、どの動作をどう妨げているのかまで書き下ろすと、選定理由と留意事項が自然につながります。以下は状態ごとに、選定理由の欄と留意事項の欄それぞれの完成文です。
片麻痺・パーキンソン病・関節リウマチ・心不全・認知症・視覚障害|12例
| 状態 | 欄 | 完成文 |
|---|---|---|
| 右片麻痺 | 選定の理由 | 右上下肢に麻痺があり、右側で体を支えられない。廊下は右側にのみ壁があるため、伝い歩きでは健側の左手で支える面がない。左側に支持点をつくる目的で、工事を伴わない据置型の手すりを廊下の中間2か所に設置する。 |
| 右片麻痺 | 留意事項 | 手すりは健側である左手側に置く。麻痺側の右手で引き寄せようとすると体が右へ流れるため、左手で握って体を引き寄せる手順を本人・長女へ実演して説明した。設置面のずれを月1回の訪問時に確認する。 |
| パーキンソン病 | 選定の理由 | 歩き出しの1歩目が出にくく、玄関やトイレの入口など幅が狭くなる場所で足が止まる。前方に目印があると1歩目が出ることを訪問時に確認したため、足元に線を出す機能のある歩行補助つえを選定する。 |
| パーキンソン病 | 留意事項 | 症状に日内変動があり、薬効の切れる時間帯は前方への突進が出やすい。突進が出た際に用具ごと前へ流れないよう、その時間帯は家族が付き添う。方向転換は小刻みに行い、車輪の付いた用具に体重を預けたまま向きを変えないよう説明した。 |
| 関節リウマチ | 選定の理由 | 手指と手関節に変形と痛みがあり、細い握りを長く保持できない。1本つえでは手掌に荷重が集中し、5分の歩行で痛みが増強する。前腕で支えて手関節への荷重を分散できるロフストランドクラッチを選定する。 |
| 関節リウマチ | 留意事項 | 朝のこわばりが強い時間帯は握力がさらに低下するため、その時間帯の移動は歩行器を用いる。ブレーキは握力の弱い状態でも操作できる位置に調整し、調整した内容と日付を記録する。 |
| 心不全(易疲労) | 選定の理由 | 屋外を100m歩くと息切れが生じ、回復に5分を要する。自宅から最寄りのバス停までは180mあり、途中に腰かけられる場所がない。座面とブレーキを備えた歩行車を選定し、疲労が出た時点でその場に腰かけて休めるようにする。 |
| 心不全(易疲労) | 留意事項 | 座って休む際は必ずブレーキをかけてから腰かける手順を、本人と妻へ実演して説明した。息切れが強い日は屋外の使用を控え、屋内の移動にとどめる。体重の増加やむくみがみられた際は担当のケアマネジャー・訪問看護師へ連絡する。 |
| 認知症 | 選定の理由 | 夜間の午前2時前後に起き出して玄関の鍵を開けようとする行動が直近1か月で4回あり、家族の寝室からは物音で気づけない。玄関の通過を離れた部屋で知らせる感知機器を選定し、外へ出る前に付き添えるようにする。 |
| 認知症 | 留意事項 | 機器を設置することと、知らせが届く相手の範囲について、本人と長男へ説明し同意を得た。手順を覚えていただくことが難しいため、電源と電池の確認は家族が行うこととし、確認の方法を紙に書いて機器の近くに貼付した。 |
| 視覚障害 | 選定の理由 | 視野が狭くなっており、足元の段差と床に置かれた物を見分けにくい。居室から食堂までの14mの間に3か所の敷居がある。手で触れて位置が分かる支持点を確保するため、敷居の手前に据置型の手すりを設置する。 |
| 視覚障害 | 留意事項 | 用具の位置を変えると手がかりが失われるため、設置位置を家族と共有し、掃除の後も同じ位置へ戻すこととした。用具の色は床と明度差のあるものを選び、歩行の動線に電源コードや荷物を置かない運用を家族へ説明した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
がん末期・骨折後・廃用症候群・独居・介護者が高齢|10例
| 状態 | 欄 | 完成文 |
|---|---|---|
| がん終末期 | 選定の理由 | 疼痛と全身倦怠感により臥床している時間が1日18時間を超え、自力での寝返りができない。仙骨部に発赤があり、体位変換の30分後も消退しない日がある。接触面の圧を分散する床ずれ防止用具と、背上げ・高さ調整が可能な特殊寝台を選定し、痛みの少ない姿勢を保てるようにする。 |
| がん終末期 | 留意事項 | 状態の変化が短い期間で進むため、通常の頻度を待たずに訪問し、適合を確認する。背上げの角度は本人が痛みを訴えない範囲にとどめ、その日の角度を記録する。変更や追加の相談に速やかに対応できるよう、担当のケアマネジャー・訪問看護師と連絡の経路を確認した。 |
| 大腿骨頸部骨折後 | 選定の理由 | 術後の患側への荷重が制限されており、退院時のリハビリテーションでは歩行器での歩行を指導されている。自宅の廊下幅は78cmで、方向転換の余地が少ない。全幅を抑えた歩行器を選定し、指導された歩行の方法を自宅でも続けられるようにする。 |
| 大腿骨頸部骨折後 | 留意事項 | 荷重の制限について退院時に受けた指示の内容を計画書に記載し、本人・家族と共有した。回復に伴って支持の必要度が下がることが見込まれるため、1か月後の訪問で歩行の状態を確認し、より自立度の高い用具への変更を検討する。 |
| 廃用症候群 | 選定の理由 | 入院中の臥床により下肢の筋力が低下し、退院後は日中もベッドで過ごしている。座面高38cmの椅子からは立ち上がれないが、45cmの高さからは自力で立てることを訪問時に確認した。高さを調整できる特殊寝台を選定し、立ち上がりやすい高さから離床の回数を増やす。 |
| 廃用症候群 | 留意事項 | 用具に頼る範囲が広がると離床の機会がかえって減るため、日中は背上げではなく端座位から立ち上がる手順を用いる。1か月後に立ち上がりの状態を確認し、改善がみられた場合はベッドの高さの設定を見直す。 |
| 独居 | 選定の理由 | 1人暮らしで、日中に介助に入る人がいない。トイレまでの5mの移動で2回に1回はふらつき、壁に手をついて止まっている。手を離す場面をつくらないよう、動線に沿って据置型の手すりを2か所に設置し、連続して支持点がある状態にする。 |
| 独居 | 留意事項 | 不具合が起きても本人以外に気づく人がいないため、月1回の訪問時にぐらつきと設置面のずれを点検し、点検した日を記録する。連絡先を用具の見やすい位置に貼付し、体調や住まいの変化があった際に連絡いただく方法を本人へ説明した。 |
| 介護者が高齢 | 選定の理由 | 主たる介護者である妻が78歳で腰部の痛みがあり、抱え上げる方法での移乗ができない。ベッドから車いすまでの移乗は全介助である。つり具を用いる床走行式の移動用リフトを選定し、妻1人で移乗を行えるようにする。 |
| 介護者が高齢 | 留意事項 | 操作の手順を妻が1人で再現できるまで実演し、手順を紙に書いて機器のそばに置いた。つり具の縫製とベルトの状態は使用のたびに目視で確認いただき、傷みを見つけた際は使用せず連絡いただくよう説明した。次回訪問時に操作を再確認する。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
モニタリング記録の完成文|適合・使用頻度・変化・ヒヤリハット(22例)
モニタリングの記録が「変わりなく使用されています」で終わると、計画に書いた目標に近づいたのかどうかが後から分かりません。記録に残すのは、訪問した日・見た事実・本人と家族の言葉・測った数値・そこから何をしたかです。長野県が公表した令和6年度の運営指導結果(福祉用具貸与・特定福祉用具販売)では、指摘22件のうち計画の作成等の不備が7件と最も多く、居宅サービス計画の内容に沿っていない事例や、適時適切に計画が変更されていない事例が挙げられています。記録は、変更したこと・変更しなかったことの両方の根拠になります。
適合と使用頻度を確かめた記録|8例
| 確かめた事柄 | 記録の完成文 |
|---|---|
| 高さの適合(特殊寝台) | 訪問時にベッドの高さを測ったところ、床から42cmに設定されていた。端座位から立ち上がる動作を実演いただき、2回とも介助なしで立てた。前回の訪問で45cmに設定した高さが家族の操作で下がっていたため、立ち上がりに用いる高さと夜間の高さを分けて使う方法をあらためて説明し、目盛りの位置を紙に書いて壁に貼付した。 |
| 設置位置の適合(据置型手すり) | トイレ前の手すりが、前回の設置位置から本人の動線の外側へ15cmずれていた。掃除の際に動かしたとのこと。立ち上がりの実演では、体を引き寄せる方向に握りが来ておらず、右手を伸ばす動作が入っていた。元の位置へ戻し、床に位置の目印を貼付した。 |
| 使用頻度(歩行器) | 1週間の使用の状況を伺ったところ、屋内では毎日使用しているが、屋外では雨の日を除き週2回とのこと。妻から「玄関の外へ出すのに持ち上げるのが重い」との発言があった。屋外用に軽量の歩行車を試用いただく方向で、次回訪問時に持参して比較することとした。 |
| 使用されていない理由(車いす付属品) | クッションが車いすから外されて居室の隅に置かれていた。本人から「座面が高くなって足が床に着かない」との発言があった。足底の接地を確認したところ、両踵が床から2cm浮いていた。フットサポートの高さを調整し、座り直して足底が接地することを確認した。次回訪問で使用の状況を再確認する。 |
| 操作の習熟(移動用リフト) | 妻に操作を実演いただいた。つり具の装着から車いすへの着座まで、手順書を見ずに一連で行えた。所要時間は前回の8分から5分に短縮していた。妻より「1人でできるようになった」との発言あり。手順の見直しは不要と判断し、現在の方法を継続する。 |
| 点検(スロープ) | スロープの固定と表面の状態を目視で確認した。接地面の滑り止めに摩耗はなく、段差との間に隙間は生じていない。介助者に前輪を上げずに押していただき、途中で引っかかる場面がないことを確認した。次回の点検は3か月後とする。 |
| 作動(床ずれ防止用具) | 送気の作動音を確認し、体を沈めた際の底づきがないことを手を差し入れて確認した。仙骨部に発赤はなく、皮膚の状態は良好である。訪問看護師の記録でも直近4週間、発赤の持続は記録されていない。 |
| 感知の精度(認知症老人徘徊感知機器) | 玄関を通過して受信機が鳴ることを、家族の立ち会いのもとで2回確認した。電池の残量表示は緑であった。長男より「先週、鳴ってから玄関へ行くまでに間に合った」との発言があり、直近1か月で家族が気づかないまま外へ出られた日はなかった。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
身体状況・住環境の変化をとらえた記録|7例
| とらえた変化 | 記録の完成文 |
|---|---|
| 改善(歩行距離) | 計画作成時に10mであった連続歩行の距離が、訪問時の実測で22mとなっていた。居室から食堂までの14mを立ち止まらずに歩けており、利用目標は達成された。歩行器の支持に体重を預ける場面が減っているため、次の段階として多点つえへの変更を検討し、担当のケアマネジャーへ情報提供した。 |
| 改善(立ち上がり) | 座面高38cmの椅子からの立ち上がりが、介助なしで3回中3回可能となっていた。計画作成時は45cmの高さを要していた。日中の離床時間は1日1時間から3時間へ延びている。ベッドの高さの設定を見直し、次回のサービス担当者会議で用具の構成について検討いただくよう依頼した。 |
| 低下(下肢筋力) | 2週間の発熱による臥床の後、端座位の保持が3分から1分に短くなっていた。移乗の際に膝折れが2回みられた。現在の介助バーのみでは立位の保持が難しいため、移乗の方法について訪問看護師と共有し、リフトの試用について家族の意向を確認することとした。 |
| 低下(認知機能) | 歩行器のブレーキを操作せずに座ろうとする場面が、訪問中に2回みられた。前回の訪問では手順を保持できていた。ブレーキをかける手順を紙に書いて本体に貼付し、家族に声かけをお願いした。次回訪問を2週間後に前倒しする。 |
| 住環境の変化(模様替え) | ベッドの向きが窓側から壁側へ変更されていた。これに伴い介助バーの位置が反対側となり、健側の左手で握れない配置になっていた。介助バーを反対側へ付け替え、立ち上がりの実演で左手で引き寄せられることを確認した。 |
| 住環境の変化(家族の状況) | 長女が就労時間を延ばしたため、日中の独居の時間が4時間から7時間に延びた。この時間帯にトイレへの移動を1人で行うこととなる。動線上に支持点が途切れる箇所が1か所あるため、据置型手すりの追加についてケアマネジャーへ相談した。 |
| 入院(用具の取り扱い) | ◯月◯日に肺炎で入院された旨、長男から連絡を受けた。退院の見込みは未定である。同日、ケアマネジャーへ連絡し、貸与している特殊寝台と付属品の取り扱いについて協議した。協議の結果と、引き取りまたは継続の判断は、保険者の取扱いを確認したうえで決めることとした。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
事故・ヒヤリハットと、交換・追加・返却に至った経過の記録|7例
| できごと | 記録の完成文 |
|---|---|
| ヒヤリハット(ブレーキ) | ◯月◯日午前10時ごろ、歩行車のブレーキをかけずに座ろうとされ、本体が10cmほど前へ動いた。妻が支えたため転倒には至らず、負傷はない。訪問し、ブレーキの効きを確認したところ、ワイヤーの緩みにより制動が弱くなっていた。同日調整し、制動を確認した。座る前にブレーキをかける手順をあらためて実演し、本体に手順を貼付した。ケアマネジャーへ同日電話で報告した。 |
| ヒヤリハット(ベッドからの転落) | ◯月◯日午前2時ごろ、寝返りの際にベッドの端まで移動し、右肩がマットレスから出ていたところを長男が発見した。転落には至っていない。訪問時にベッド幅91cmに対する寝返りの範囲を確認し、サイドレールを両側に追加することとした。追加に伴い計画書を変更し、本人・長男へ説明のうえ同意を得て交付した。 |
| ヒヤリハット(スロープ) | ◯月◯日、雨天時に車いすでスロープを下る際、表面で車輪が滑る感覚があったと介助者から申し出があった。転倒・負傷はない。訪問し、表面の滑り止めの摩耗を確認したところ、中央部に摩耗がみられた。同型の良品と交換し、雨天時は使用を控えていただくよう説明した。 |
| 事故(つえの破損) | ◯月◯日午後3時ごろ、屋外歩行中に多点つえの先ゴムが外れ、本人が尻もちをつかれた。左殿部に痛みの訴えがあり、同日中に受診され、骨折はないとの診断であった。ケアマネジャーと家族へ同日報告した。先ゴムの摩耗が要因であるため、全利用者の先ゴムの点検時期を3か月ごとから1か月ごとへ改め、点検簿に記録することとした。 |
| 交換に至った経過 | 3か月間のモニタリングで、歩行器の使用が屋内のみにとどまり、屋外では使用されていないことが続いた。理由を伺うと、妻から「玄関から出すために持ち上げるのが重い」との発言があった。屋外での外出の目標が達成できていないため、軽量の歩行車を持参して比較していただき、本人・妻の希望を確認したうえで交換した。交換に伴い計画書の選定理由と留意事項を変更し、説明・同意・交付を行い、ケアマネジャーへ写しを提供した。 |
| 追加に至った経過 | 退院後1か月のモニタリングで、居室からトイレまでの動線のうち、廊下の中間3mの区間に支持点がないことが確認された。この区間でふらつきが週4回みられている。据置型手すりの追加についてサービス担当者会議で検討いただき、居宅サービス計画の変更を受けて計画書を変更した。変更した計画書は同日説明し、同意を得て交付した。 |
| 返却に至った経過 | 6か月間のモニタリングで、車いすの使用が月1回の通院時のみとなり、屋内は歩行器で自立して移動できる状態が3か月続いた。本人から「もう使わないので置き場所を空けたい」との発言があった。サービス担当者会議で継続の必要性を検討いただき、返却する方針となった。返却日と、以後の通院時の移動手段について家族と確認し、計画書を変更して交付した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
そのまま使えない一行と、書き直した完成文(14組)と対照表(3表)
選定理由の欄でよく見かける一行は、そのほとんどが「どこで」「どの動作が」「どう困っているか」「この用具のどの機能が効くのか」の4つのうち3つが抜けている状態です。左の列が実際にありがちな一行、右の列がそのまま貼れる完成文です。右の列の数値は、訪問時に測った値に差し替えてお使いください。
選定理由の一行を書き直す|12組
| そのまま使えない一行 | 書き直した完成文 |
|---|---|
| 歩行が不安定なため歩行器を選定 | 屋内では壁を伝って移動しているが、居間からトイレへ向かう角で方向転換する際に上体が右へ流れ、直前で壁に肩をつけて止まる場面が1日3回みられる。廊下幅78cmでも通行でき、その場で向きを変えられる固定型の歩行器を選定し、方向転換の間も両手の支持が外れない状態をつくる。 |
| 本人の希望のため | 本人から「トイレには自分で行きたい」との希望があり、長女からは「夜に1人で行かせるのが心配」との発言があった。夜間のトイレまでの移動は5mで、途中3mの区間に支持点がない。この区間に据置型手すりを2か所設置し、支持点が途切れない動線をつくることで、本人の希望と家族の心配の双方に応える。 |
| 転倒予防のため手すりを選定 | 便座の高さが38cmで、立ち上がりの際に重心が前方へ移らず、2回に1回は長女が引き上げている。便器の前方に据置型の手すりを置き、前方の握りに体を引き寄せて立ち上がれるようにする。設置面が濡れて滑らないよう防滑マットの上に置く。 |
| ADLが低下しているため | 3か月前は自宅前を300m歩けていたが、現在は屋外の連続歩行が30mで下肢に疲労が出る。屋内でも居室から食堂までの14mを2回に分けて移動している。上肢で体重を預けながら歩ける前輪キャスター付きの歩行器を選定し、14mを続けて移動できるようにする。 |
| 介護者の負担軽減のため | 介助する妻が78歳で腰部に痛みがあり、おむつ交換と更衣を1日5回、前傾姿勢で行っている。途中で腰の痛みにより介助を中断する日が週2日ある。介助のたびに妻の腰の高さまで床板を上げられる特殊寝台を選定し、前傾姿勢を続けずに介助できるようにする。 |
| 褥瘡予防のため床ずれ防止用具を選定 | 臥床している時間が1日18時間を超え、自力での寝返りができない。仙骨部に直径2cmの発赤があり、体位変換の30分後も消退しない日が週3回ある。体重38kgでるい痩により骨突出が目立ち、現在のマットレスでは突出部に底づきが生じている。厚みがあり接触面の圧を分散する床ずれ防止用具を選定する。 |
| 移動のため車いすを選定 | 屋外の連続歩行は30mで疲労が出て、通院時に3回の立ち止まりを要する。自宅から最寄りのバス停までは180mある。上肢の筋力低下により自走では左右にぶれるため、長女が押す介助式の車いすを選定した。自家用車のトランクへ積み込めるよう、背もたれが折りたためる機構のものとする。 |
| 起居動作が困難なため特殊寝台を選定 | 布団で就寝しており、平床からの起き上がりに腹部の力が入らず、毎朝家族が背中を支えて起こしている。背上げ機能で上半身を45度まで起こし、介助バーを引いて自分で端座位になれる見込みがあることを訪問時に確認した。背上げ・脚上げと高さ調整が可能な特殊寝台を選定する。 |
| 段差解消のためスロープを選定 | 玄関先の段差が18cmあり、車いすでの外出時に介助者が前輪を持ち上げられず、外出の回数が週2回から月2回へ減っている。持ち運びできる可搬型のスロープを段差にかけることで、介助者1人で車いすのまま出入りできるようにする。使用しないときは玄関内に立てて保管する。 |
| 徘徊があるため感知機器を選定 | 夜間の午前2時前後に起き出して玄関の鍵を開けようとする行動が、直近1か月で4回あった。長男の寝室は玄関から離れており、物音では気づけない。玄関の通過を長男の寝室で知らせる機器を選定し、外へ出る前に付き添えるようにする。機器の設置と知らせが届く範囲について本人・長男へ説明し、同意を得た。 |
| 移乗が大変なためリフトを選定 | 下肢に支持性がなく、ベッドから車いすへの移乗は全介助である。介助者は妻1人で、抱え上げる方法では体が持ち上がらず、床に膝をつく場面が月に2回あった。つり具を用いる床走行式の移動用リフトを選定し、妻1人で移乗を完了できるようにする。操作は妻が手順書なしで再現できるまで実演して確認する。 |
| 排泄の失敗が多いため自動排泄処理装置を選定 | 夜間の排泄が3回あり、そのつど介助者がおむつを交換している。介助者は日中に就労しており、連続した睡眠が3時間を超えない状態が2か月続いている。失禁は1日6回あり、殿部の皮膚に湿潤による発赤が広がっている。排泄物を速やかに吸引する装置を選定し、夜間の交換の回数と、皮膚が排泄物に触れている時間を減らす。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
利用目標と留意事項の一行を書き直す|2組
| そのまま使えない一行 | 書き直した完成文 |
|---|---|
| (利用目標)歩行器を使用して安全に生活する | 3か月後までに、居室から食堂までの14mを歩行器で途中に立ち止まらずに移動し、朝昼夕の3食とも自分で食堂へ行ける。達成の目安は、家族の付き添いなしで移動できた日が1週間のうち5日以上あること。達成できた場合は、より自立度の高い用具への変更を検討する。 |
| (留意事項)安全に使用する。定期的に点検する | 座る前に必ず両側のブレーキをかける手順を、本人と妻へ実演して説明した。手順を紙に書いて本体に貼付している。ブレーキの効きとキャスターの動きは月1回の訪問時に確認し、確認した日と調整した内容を記録する。雨天の日と、息切れが強い日は屋外での使用を控えていただくよう説明した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
軽度者への貸与|基準の定めと、貴事業所の記録の対照表
要支援・要介護1の方への貸与については、対象となる状態像や必要な書面の取り扱いが保険者(指定権者)により異なります。ここでは可否を判定せず、公表資料に書かれている定めと、貴事業所の記録の欄を並べます。左の列と右の列を突き合わせたうえで、最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
| 公表資料に記載されている定め | 貴事業所の記録(記入欄) | 確認先 |
|---|---|---|
| 大阪市の集団指導資料「居宅サービス編」では、要支援または要介護1の方への貸与について、要件を満たしていることが確認できないものが見受けられたとして、車いす及び車いす付属品、特殊寝台及び特殊寝台付属品、床ずれ防止用具及び体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具の部分を除く)が挙げられています。 | 該当する利用者の氏名・要介護度・貸与している品目:( ) | 保険者(指定権者) |
| 同資料では、貸与事由に応じた必要性に関する書面(指定(介護予防)福祉用具貸与理由書または調査票、サービス担当者会議の記録の写し等)を担当の居宅介護支援事業者等から入手して保管する運用が示されています。書面の様式や入手の方法は保険者により異なります。 | 入手した書面の名称と入手日:( )/保管場所:( ) | 保険者(指定権者)・担当の居宅介護支援事業者 |
| 堺市の集団指導資料では、軽度者に対する貸与について、状態像から見て使用が想定しにくい福祉用具を貸与する理由が確認できない事例が挙げられています。 | 状態像と用具の対応を説明した記載箇所:( ) | 保険者(指定権者) |
| 豊島区が公表した令和4年度の運営指導の指摘では、軽度者への貸与に関して、状態像の確認に用いた主治の医師等からの情報の記録が確認の対象として示されています。 | 医師等からの情報の記録(記録日・入手経路):( ) | 担当の居宅介護支援事業者・保険者 |
| 大阪市の資料では、書面をサービス提供の記録とあわせて保管する運用が考えられるとされています。 | サービス提供記録との綴り方:( ) | 保険者(指定権者) |
| 認定の有効期間が更新された場合の取り扱い(あらためて書面を入手するかどうか)は、公表資料では保険者により運用が異なるとされています。 | 直近の更新日と、更新後に入手した書面:( ) | 保険者(指定権者) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
計画書の欄と、確認の対象になる文書の対照表
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1のうち、福祉用具貸与の「福祉用具貸与計画の作成」および「サービス提供の記録」に示されている確認項目と確認文書を、計画書のどの欄に対応するかという形で並べます。ここでは計画書の書き方に関わる部分のみを扱います。
| 別添1に示されている確認項目 | 計画書のどの欄が対応するか | 示されている確認文書 |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画に基づいて福祉用具貸与計画が立てられているか | 利用目標の欄(第2表の短期目標と対応させる) | 居宅サービス計画、福祉用具貸与計画 |
| 利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて計画が立てられているか | 心身の状況の欄・利用者及び家族の希望の欄・置かれている環境の欄(測った数値を入れる) | 福祉用具貸与計画 |
| 福祉用具の利用目標が明らかになっているか | 利用目標の欄(達成の判定ができる書き方にする) | 福祉用具貸与計画 |
| 具体的な福祉用具の機種が明らかになっているか | 選定した機種の欄(種目と品名まで記載する) | 福祉用具貸与計画 |
| 当該機種の選定理由等が明らかになっているか | 選定の理由の欄(本記事の完成文の形) | 福祉用具貸与計画 |
| 利用者またはその家族への説明・同意・交付は行われているか | 説明日・同意日・交付日の欄と署名 | 福祉用具貸与計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの) |
| サービスの提供開始日および終了日ならびに種目および品名等を記録しているか | 提供開始日・終了日の欄、種目・品名の欄 | 居宅サービス計画、サービス提供記録 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
公表されている指摘と、手元の記録を突き合わせる欄
| 公表されている指摘(公表元) | 手元の記録(記入欄) |
|---|---|
| 指定福祉用具貸与と指定特定福祉用具販売を利用する利用者の計画が、別々に作成されていた(久留米市「近年の運営指導における主な指摘事例」) | 貸与と販売の両方を利用している方の一覧:( )/一体の様式で作成しているか:( ) |
| 同一種目における複数の福祉用具の提案がされていない事例が散見される/福祉用具貸与計画に「モニタリングを行う時期等」を記載していない(堺市「集団指導 居宅事業所編」) | 複数提案を示した記録の保管場所:( )/計画書のモニタリング時期の記載欄:( ) |
| 福祉用具の保管および消毒に係る業務の委託先が変更されているにもかかわらず変更届を提出していない/履行確認が定期的に行われていない(堺市「集団指導 居宅事業所編」) | 直近の委託先と契約日:( )/履行確認の実施日:( )/届出の要否の確認先と確認日:( ) |
| 既に作成されている居宅サービス計画の内容に沿って計画を作成していない/適時適切に計画が変更されていない(長野県「令和6年度運営指導結果の概要(福祉用具貸与・特定福祉用具販売)」) | 第2表の短期目標と計画書の利用目標の対応:( )/直近の変更日と変更の理由:( ) |
| 福祉用具貸与計画を作成していない/介護予防福祉用具貸与についてモニタリングを適切に行っていない/特定福祉用具販売計画と一体で作成していない(金沢市「集団指導 資料1」) | 計画未作成の方の有無:( )/介護予防の方のモニタリング実施日:( ) |
| 特定福祉用具販売があった際、サービス担当者会議の記録がなく、居宅サービス計画へ反映されていなかった(姫路市「実地指導結果(指定基準等)」) | 販売を行った方と、会議録の有無:( ) |
| サービス担当者会議の要点に、品目ごとに継続して貸与が必要か検証した結果の記載が確認できなかった/「特に変化なく利用いただいています」とのみ記載されていた(豊島区「居宅介護支援事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について」) | 継続の必要性を品目ごとに記した最新のモニタリング記録の日付:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。届出の要否や様式は保険者(指定権者)により異なりますので、指定を受けた保険者の公表資料および担当課へご確認ください。本記事は、計画書に何をどう書くかという記載の方法を整理したものであり、貸与の可否や給付の対象範囲を判定するものではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 計画書の交付は必要ですか?
A. 必要です。作成した計画書は利用者に交付し、同意を得ます。ケアマネジャーにも提供します。
Q. 見直しのタイミングは?
A. モニタリングの結果や状態の変化に応じて見直します。
福祉用具貸与計画書には何を書きますか?
誰が作成しますか?
モニタリングとの関係は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
品目別|福祉用具貸与計画の目標と留意事項の文例
貸与計画は「なぜこの用具か」と「使うときの注意」を書きます。品目名だけの計画は、運営指導で指摘される点です。
| 品目 | 利用の目標 | 選定の理由 | 留意事項 |
|---|---|---|---|
| 特殊寝台 | 自分で起き上がり、ベッドから離れる時間を増やす | 起き上がりに介助を要し、家族の負担が大きいため | 背上げは45度まで。背抜きを毎回行う |
| 特殊寝台付属品(介助バー) | ベッドから安全に立ち上がる | 立ち上がり時にふらつきがあるため | 固定のゆるみを月1回確認する |
| 床ずれ防止用具 | 仙骨部の発赤を防ぐ | 臥床時間が長く、自力での体位変換が困難なため | 送気の作動を毎日確認。体位変換は2時間ごと |
| 体位変換器 | 介助者の負担を減らし、皮膚トラブルを防ぐ | 妻に腰痛があり、体位変換が困難なため | 当てる部位を毎回変える |
| 車いす | 屋外での移動手段を確保する | 屋外の歩行が困難で、外出の機会が減っているため | ブレーキとタイヤの空気を週1回確認 |
| 車いす付属品(クッション) | 座位の姿勢を保ち、褥瘡を防ぐ | 座面に前ずれがみられるため | へたりを月1回確認 |
| 手すり(置き型) | トイレへの移動を安全に行う | 廊下に手すりがなく、伝い歩きが不安定なため | ぐらつきを週1回確認 |
| スロープ | 玄関からの出入りを自分で行う | 上がりかまち18cmを越えられないため | 固定と勾配を確認。雨の日は滑りに注意 |
| 歩行器 | 屋内の移動距離を延ばす | 杖では不安定で、転倒の危険があるため | ブレーキと車輪を月1回確認 |
| 歩行補助つえ | 屋外での歩行を続ける | 片側の支えで歩行が安定するため | 先ゴムの摩耗を月1回確認 |
| 認知症老人徘徊感知機器 | 夜間の外出に家族が気づけるようにする | 夜間に玄関から出ようとされることがあるため | 電池の残量を月1回確認 |
| 移動用リフト | 介助者1名で安全に移乗する | 2名介助が必要で、日中の対応が困難なため | つり具の縫製とワイヤーを毎回確認 |
| 自動排泄処理装置 | 夜間の排泄介助の負担を減らす | 夜間の交換が家族の負担になっているため | においと皮膚の状態を毎日確認 |
| 排泄予測支援機器 | トイレでの排泄を続ける | 便意・尿意の訴えが乏しいため | 装着位置と通知の精度を確認 |
モニタリングで見て、記録すること
| 見るところ | 記録の文例 |
|---|---|
| 使えているか | 毎日使用されている。使い方に迷う場面はない。 |
| 目標に近づいたか | 歩行距離が10mから20mへ延びた。目標に向けて進んでいる。 |
| 用具の状態 | ブレーキの効きが弱い。事業者へ調整を依頼した。 |
| 身体の状況の変化 | 立ち上がりが安定してきた。より軽い用具への変更を検討する。 |
| 住環境の変化 | ベッドの位置を変えたため、介助バーの向きを調整した。 |
| 介助者の負担 | 妻より「腰の負担が減った」との言葉。 |
| 危険 | コードが動線にかかっていた。配置を変えた。 |
| 本人の受け止め | 「これがあると安心」と話される。 |
| 継続の要否 | 現在の目標に対して有効であり、継続とする。 |
| ケアマネジャーへの報告 | ◯月◯日、電話で報告した。 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
