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通所介護のアセスメント|興味関心チェックシートの活用

通所介護のアセスメントは、計画書や機能訓練・レクの土台になります。心身の状態だけでなく「本人が何をしたいか」を把握することが質の高い支援につながります。

通所介護のアセスメントとは

利用者の心身の状況・生活環境・意欲などを把握し、課題と目標を明らかにする工程です。ケアプランをふまえ、通所で何を支援するかを具体化します。

興味・関心チェックシートの活用

「したい・してみたい活動」を聞き取るシートを使うと、本人の意欲を引き出せます。把握した希望を、目標・機能訓練・レクの内容に反映します。

アセスメントの主な項目

  • 健康状態・既往・服薬
  • ADL・IADL(移動・入浴・食事など)
  • 認知・コミュニケーション
  • 生活環境・家族の状況
  • 本人の興味・関心、やりたいこと

計画への活かし方

把握した課題と希望を、通所介護計画書・個別機能訓練計画書の目標に結びつけます。定期的に再アセスメントし、見直します。

把握しておきたい6つの領域

領域 確認すること
身体 移動、食事、排泄、入浴、着替え。どこまで自分でできるか
認知 見当識、記憶、判断。困っている場面の具体
心理 意欲、不安、気分の波。通所への気持ち
社会 家族関係、友人、地域との関わり、これまでの役割
環境 住まいの構造、段差、手すり、トイレ、入浴
医療 疾患、服薬、受診状況、留意事項

「してみたい」を目標にする

興味・関心シートの記載 目標への書き換え
「また畑に出たい」 屋外を200m歩き、畑まで行ける
「孫と出かけたい」 1時間程度の外出に耐えられる体力を保てる
「自分でお風呂に入りたい」 手すりを使って浴槽をまたげる
「料理をしたい」 立位を10分保ち、簡単な調理ができる
「歌を歌いたい」 週1回、歌の活動に参加できる

本人の言葉から出発した目標は、達成したときに本人が実感できます。機能の数値だけの目標は、達成しても喜びにつながりにくくなります。

実務で迷いやすいところ

よくある疑問 考え方
本人が「何もない」と言う 無理に埋めません。生活歴を聞くうちに出てくることがあります
家族と本人の希望が違う どちらも記録に残します。片方だけを書かないことが大切です
認知症で聞き取りが難しい 家族や以前の記録から補い、誰の情報かを明記します
どのくらいの頻度で見直すか 計画の見直しに合わせます。状態の変化があれば随時
様式はどれを使うか 厚生労働省が様式例を示しています。事業所の実態に合わせて使います

アセスメントから計画までの流れ

  1. 情報を集める——本人、家族、ケアマネジャー、他事業所、主治医
  2. 興味・関心チェックシートを使う——「してみたい」を拾います
  3. 課題を整理する——多くても3つまでに絞ります
  4. 目標を立てる——生活動作で書きます
  5. サービス内容を決める——誰が、何を、どのくらいの頻度で
  6. 説明し、同意を得る——本人・家族の両方へ
  7. ケアマネジャーへ共有する

再アセスメントのきっかけ

  • 要介護認定の更新・区分変更
  • 入退院
  • 状態の大きな変化
  • 家族の状況が変わったとき
  • 本人から希望が出たとき
  • 計画の期間が満了したとき

聞き取りのすすめ方

  • できることから聞く——できないことから入ると、本人が構えます
  • 言い換えずに書く——本人の言葉をそのまま残します
  • 沈黙を待つ——考えている時間を、答えられないと判断しません
  • 複数回に分ける——1回で全部聞こうとしない
  • 環境を整える——他の利用者に聞かれない場所で

情報の出どころを明記する

  • 本人から聞いたこと
  • 家族から聞いたこと
  • ケアマネジャーから提供された情報
  • 主治医の意見書
  • 他事業所からの情報提供
  • 職員が観察したこと

アセスメントについて現場から多い質問

よくある疑問 考え方
ケアマネジャーのアセスメントと重複しないか 視点が違います。通所での過ごし方に焦点を当てます
初回はどのくらい時間をかけるか 1時間程度が目安ですが、本人の負担を優先します。複数回に分けても構いません
本人が疲れてしまう 途中で切り上げ、次回に続けます。全部を1回で聞く必要はありません
家族が代わりに答えてしまう 本人に向けて聞き、待ちます。本人の言葉が最も重要です
以前の事業所の情報はもらえるか 本人の同意を得たうえで、情報提供を依頼できます
様式が事業所ごとに違う 記載すべき内容が揃っていれば問題ありません

「してみたい」を引き出す聞き方|12の切り口・84の質問文

興味・関心チェックシートは、渡して書いてもらうと、ほとんどの場合「特にない」で戻ってきます。書けないのではなく、「したいこと」という大きな問いに、その場で答えられる人が少ないからです。「何かしたいことはありますか」と聞かない——これが最初の約束事です。代わりに、過去の暮らしの具体から入り、返ってきた言葉を一段だけ深く追うと、シートの欄が埋まります。

以下は、そのまま声に出して言える形にした質問文です。左に切り口、中央に最初の一文、右に返ってきたら続けて聞く一言を置きました。右の列があることが要点で、最初の一文だけでは「はい」「いいえ」で終わってしまいます。〇〇にはお名前を入れ、話が動いた切り口だけを深追いしてください。1回の面談で12の切り口を全部通す必要はありません。

切り口1・2|生まれ育ちと若い頃の暮らし/仕事・職業(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
生まれ育ち お生まれはどちらですか。子どもの頃、家の周りはどんな景色でしたか。 その景色で、今でも思い出す音や匂いはありますか。
生まれ育ち 学校からの帰り道は、どんな道を通っていましたか。 寄り道していた場所はありましたか。
生まれ育ち 若い頃、お休みの日はたいてい何をして過ごしていましたか。 それは一人ででしたか、どなたかとご一緒でしたか。
生まれ育ち 〇〇さんが二十歳くらいの頃、町で流行っていたものは何でしたか。 その中で、ご自分も好きだったものはどれですか。
生まれ育ち ご実家では、朝は何時ごろ起きて、まず何をされていましたか。 その習慣で、今も残っていることはありますか。
生まれ育ち ご結婚された頃は、どんな家に住んでいらっしゃいましたか。 その家で、一番長く座っていた場所はどこでしたか。
生まれ育ち これまでで一番よく笑っていた時期は、いつ頃でしたか。 その頃、そばにいらっしゃったのはどなたですか。
仕事・職業 長くお勤めだったのは、どんなお仕事でしたか。 一日のうち、どの作業が一番得意でしたか。
仕事・職業 そのお仕事で、人に教えていらしたことはありますか。 教えるときは、まず何から伝えていましたか。
仕事・職業 朝は何時に家を出ていらっしゃいましたか。 その時間に目が覚める習慣は、今も残っていますか。
仕事・職業 道具は何をお使いでしたか。手に馴染んでいた物はありますか。 同じ物がここにあったら、手に取ってみたいですか。
仕事・職業 お仕事で行かれた場所で、印象に残っている所はどこですか。 もう一度行ってみたい場所はありますか。
仕事・職業 お客さんや同僚の方に、よく言われていた言葉はありますか。 言われて一番うれしかったのは、どんな言葉でしたか。
仕事・職業 お辞めになるとき、心残りだったことはありますか。 今、少しでも続けられる形があるとしたら、どんな形でしょう。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

切り口3・4|家庭での役割/人との関わり(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
家庭での役割 ご家庭では、どの家事を〇〇さんが担っていらっしゃいましたか。 その中で「これは自分がやらないと」というものはどれでしたか。
家庭での役割 お食事の支度は、どなたがされていましたか。 得意な献立は何でしたか。
家庭での役割 家計は、どなたが管理されていましたか。 帳面はつけていらっしゃいましたか。
家庭での役割 洗濯物を干すのは、いつもどの時間帯でしたか。 干し方に、ご自分なりの決まりはありましたか。
家庭での役割 庭やベランダの世話は、どなたがされていましたか。 何を植えていらっしゃいましたか。
家庭での役割 町内やご近所で、頼まれてやっていらしたことはありますか。 それはいつ頃まで続けていらっしゃいましたか。
家庭での役割 家の中で、〇〇さんの席はどこでしたか。 その席から、何が見えていましたか。
人との関わり お電話やお手紙をやりとりされる方はいらっしゃいますか。 最近はどのくらいの間隔でやりとりされていますか。
人との関わり 昔からのご友人で、今もお名前が浮かぶ方はどなたですか。 最後にお会いになったのはいつ頃ですか。
人との関わり ここに来て、話しやすいと感じる方はいらっしゃいますか。 どのあたりのお席なら落ち着いて過ごせそうですか。
人との関わり 集まりの場では、真ん中と端と、どちらが落ち着きますか。 そう感じる理由を教えていただけますか。
人との関わり 人に何かして差し上げて、喜ばれた覚えはありますか。 同じことを、ここでもやってみたいと思われますか。
人との関わり ご近所で、顔を合わせると声をかける方はいらっしゃいますか。 どんなお話をされますか。
人との関わり 同じ年頃の方と、話してみたいことはありますか。 どんな話題なら話しやすいですか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

切り口5・6|楽しみ・趣味/音楽(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
楽しみ・趣味 これまでで、一番長く続いた楽しみは何でしたか。 何がきっかけで始められましたか。
楽しみ・趣味 テレビは、どんな番組をご覧になりますか。 その番組の、どういうところがお好きですか。
楽しみ・趣味 新聞や本は読まれますか。どの面から先に開きますか。 今でも読んでみたいものはありますか。
楽しみ・趣味 将棋や囲碁、花札など、勝負事はお好きでしたか。 お相手がいれば、またやってみたいと思われますか。
楽しみ・趣味 集めていらっしゃった物はありますか。 それは今もお手元にありますか。
楽しみ・趣味 手や体を動かすことと、座って考えることでは、どちらがお好きですか。 そちらで思い浮かぶものを、一つ挙げていただけますか。
楽しみ・趣味 お一人で過ごす時間と、皆さんといる時間では、どちらが気楽ですか。 お一人のときは、何をして過ごしたいですか。
音楽 若い頃によく聴いていらした歌手は、どなたですか。 その方の歌で、どの曲が浮かびますか。
音楽 お家で歌をうたうことはありましたか。 どんなときにうたっていらっしゃいましたか。
音楽 楽器に触ったことはおありですか。 もう一度触ってみたいと思われますか。
音楽 学校で習った歌で、今も覚えている歌はありますか。 出だしだけでも、思い出せそうですか。
音楽 うたうのと、聴くのとでは、どちらがお好きですか。 聴くとしたら、どんな曲がよろしいですか。
音楽 お祭りやのど自慢に出られたことはありますか。 そのときのことを、聞かせていただけますか。
音楽 今日この場で一曲かけるとしたら、何がよろしいですか。 その曲を最後にお聴きになったのは、いつ頃ですか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

切り口7・8|食べ物/手仕事(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
食べ物 これまでで一番おいしかった食べ物は、何ですか。 それはどちらで召し上がりましたか。
食べ物 子どもの頃、うれしかったごちそうは何でしたか。 それはどなたが作ってくださったものですか。
食べ物 ご自分で作っていらした料理で、得意なものは何ですか。 作り方を、私にも教えていただけますか。
食べ物 甘い物と塩気のある物では、どちらがお好きですか。 具体的には、何が浮かびますか。
食べ物 お茶は何がお好きですか。濃さはどのくらいがよろしいですか。 いつも召し上がっていた時間はありましたか。
食べ物 もう一度食べてみたい物はありますか。 それはお家で作れそうなものですか、買ってくる物ですか。
食べ物 お食事のとき、そばに誰かいた方が箸が進みますか。 どなたと召し上がるときが、一番進みましたか。
手仕事 針仕事はされていましたか。 繕い物と縫い物では、どちらをよくされましたか。
手仕事 編み物をされたことはありますか。 何を編んでいらっしゃいましたか。
手仕事 大工仕事や修理を頼まれることはありましたか。 どんな道具をお使いでしたか。
手仕事 折り紙や紙細工に触れたことはありますか。 折り方を覚えているものはありますか。
手仕事 字をお書きになるのはお好きでしたか。筆とペンではどちらですか。 今も書いてみたいものはありますか。
手仕事 絵を描いたり、写真を撮ったりされていましたか。 何を描いて(撮って)いらっしゃいましたか。
手仕事 細かい作業と、大きく動かす作業では、どちらが性に合いますか。 そちらで、やってみたいものはありますか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

切り口9・10|外出/季節の行事(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
外出 最後に外出されたのは、いつ、どちらまででしたか。 そのとき、困ったことはありましたか。
外出 ご近所で、行きつけだったお店はありますか。 そこでは何を買っていらっしゃいましたか。
外出 バスや電車で、よく行かれていた場所はどこですか。 もう一度行くとしたら、どこがよろしいですか。
外出 お墓参りや初詣には行かれていましたか。 今年も行きたいというお気持ちはありますか。
外出 外の空気に当たるのはお好きですか。 どのくらいの時間なら、気持ちよく過ごせそうですか。
外出 散歩されていた道はありますか。 その道で、いつも目に入っていた物は何ですか。
外出 行ってみたいけれど、遠慮していらっしゃる場所はありますか。 何があれば行けそうだと思われますか。
季節の行事 お正月は、ご家庭でどんなことをされていましたか。 今年もやってみたいことはありますか。
季節の行事 節分やひな祭りは、お家でどうされていましたか。 どなたとご一緒でしたか。
季節の行事 お盆には、どなたが集まっていらっしゃいましたか。 そのとき、〇〇さんの役目はありましたか。
季節の行事 地元のお祭りには出ていらっしゃいましたか。 どの役をされていましたか。
季節の行事 年賀状は出していらっしゃいましたか。 今年も出したいと思われる方はいらっしゃいますか。
季節の行事 桜や紅葉を見に行かれていた場所はありますか。 その時期になると、思い出されますか。
季節の行事 四季の中で、一番お好きなのはいつですか。 その季節に必ずされていたことは、何ですか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

切り口11・12|動物・植物/子ども・孫(14文)

切り口 そのまま言える最初の一文 返ってきたら続けて聞く一言
動物・植物 動物を飼っていらっしゃったことはありますか。 お名前は何といいましたか。
動物・植物 犬や猫が近くに来たら、どう思われますか。 触ってみたいと思われますか。
動物・植物 お花や野菜を育てていらっしゃいましたか。 何を作っていらっしゃいましたか。
動物・植物 畑や田んぼのお仕事はされていましたか。 一年で一番忙しいのは、どの時期でしたか。
動物・植物 ここの鉢植えの世話をお願いしたら、やってみたいと思われますか。 水やりは朝と夕方、どちらがよろしいですか。
動物・植物 小鳥や金魚を飼っていらしたことはありますか。 世話はどなたがされていましたか。
動物・植物 窓から見える木やお花で、気になるものはありますか。 近くで見てみたいと思われますか。
子ども・孫 お子さんは何人いらっしゃいますか。どんなお子さんでしたか。 小さい頃、よく一緒にされたことは何ですか。
子ども・孫 お孫さんはおいくつになられますか。 最後にお会いになったのは、いつ頃ですか。
子ども・孫 お子さんに作って差し上げた物はありますか。 同じ物を、もう一度作ってみたいと思われますか。
子ども・孫 運動会や発表会には行かれましたか。 そのときのお写真は、お手元にありますか。
子ども・孫 お孫さんに渡したい物や、伝えたいことはありますか。 お手紙にするとしたら、何とお書きになりますか。
子ども・孫 子どもの声が聞こえてくると、どんなお気持ちになりますか。 ご近所のお子さんと話す機会はありましたか。
子ども・孫 昔遊びで、人に教えられるものはありますか。 けん玉やお手玉など、やってみたいものはありますか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「特にない」と言われてからの5分|6類型・33の言い換えと、7つの情報源

興味・関心の聞き取りで最も多い場面は、質問の直後に「特にない」「もう何もできんよ」と返ってくることです。「特にない」は答えではなく、質問が届かなかったという合図だと受け取ると、次の一手が決まります。ここでは、その言葉の下にあるものを6つに分け、見分けの手がかりと、そのまま言える言い換えを並べました。

「特にない」の6類型|見分けの手がかりと最初の一手

類型 その言葉の下にあるもの その場での手がかり 最初の一手
1 できないと思っている したいことはあるが、体が動かないから口にしても仕方がないと考えている 「もう歳だから」「足がこれじゃあね」と、できない理由が先に出てくる やるかどうかは後回しにして、「昔はどうされていたか」だけを聞く。実現の話をこちらから始めない
2 遠慮している 手間をかけたくない、わがままだと思われたくない 「みなさんと同じでいいです」「お任せします」と、選択を返してくる 本人のためでなく事業所のためという形にする。「教えていただきたいのですが」と頼む側に回る
3 思い出せない したいことはあったが、その場では像が浮かばない 視線が動く、少し黙る、「なんだったかな」とつぶやく 年代・場所・季節のいずれかを一つ足して、思い出す足場を作る
4 興味を聞かれ慣れていない これまで体調と困りごとしか聞かれてこなかった 「そんなこと聞いてどうするの」と、質問の意図を尋ね返す 何のために聞くのかを先に一言で伝えてから、もう一度尋ねる
5 体調・その日の気分 今日はそれどころではない。眠い、痛い、落ち着かない 目を閉じがち、返事が短い、途中で話題が切れる その場で切り上げ、日を改める。中断した事実と理由を記録に残す
6 質問が大きすぎた 「したいこと」という問い自体が抽象的で答えにくい 直前の質問が「何かしたいことは」で始まっている 二択にするか、目の前にある物・見えている物から入る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

類型別|そのまま言える言い換え(33文)

類型 直前の場面 そのまま言える言い換え
1 できないと思っている 「もう歩けんから、行きたい所なんてない」 行けるかどうかは私たちで考えますので、行き先だけ教えていただけますか。
1 できないと思っている 「手が震えて何も作れん」 作らなくて構いません。〇〇さんが作っていらしたものを、味付けだけ教えていただけませんか。
1 できないと思っている 「今さら何かしても仕方ない」 今日でなくて構いません。体が今より楽になったら、まず何をされたいですか。
1 できないと思っている 「畑はもう無理」 畑まで行かなくても、こちらのプランターならどうでしょう。何を植えたいですか。
1 できないと思っている 「字が下手になったから書かない」 お上手でなくて大丈夫です。一言だけ書くとしたら、どなたに宛てますか。
1 できないと思っている 「もう歌える声じゃない」 うたわずに、聴くだけでもよろしいですか。どの曲がいいでしょう。
2 遠慮している 「みなさんと同じで結構です」 皆さんと同じにする前に、〇〇さんの好みを一つだけ伺わせてください。
2 遠慮している 「お任せします」 お任せいただく前に、これは苦手というものだけ教えていただけますか。
2 遠慮している 「忙しいでしょうから、いいですよ」 これも仕事のうちですので、遠慮なさらないでください。座って伺います。
2 遠慮している 「わがまま言うと悪いから」 わがままではなく、私たちが計画を作るために必要なことです。教えてください。
2 遠慮している 「他の方を優先してください」 今は〇〇さんの時間として取ってあります。あと5分だけいただけますか。
2 遠慮している 「家族に迷惑をかけたくない」 ご家族には伝えずに、まず私たちの中だけで考えることもできます。いかがですか。
3 思い出せない 沈黙が続き「なんだったかな」 ゆっくりで構いません。〇〇さんが五十代の頃、休みの日は何をされていましたか。
3 思い出せない 「昔のことは忘れた」 では今の季節のことで伺います。この時期になると、いつも何をされていましたか。
3 思い出せない 趣味を聞いて反応がない お住まいの近くに、よく行っていたお店や場所はありましたか。
3 思い出せない 「何も浮かばない」 思い出さなくて大丈夫です。今、この部屋で気になる物はありますか。
3 思い出せない 職業を聞いて答えが曖昧 お仕事は、外に出る仕事と、中でする仕事と、どちらが長かったですか。
3 思い出せない 手が止まったまま ご家族から「昔はこれをよくされていた」と伺っています。覚えていらっしゃいますか。
4 聞かれ慣れていない 「そんなこと聞いてどうするの」 ここで過ごす時間の中身を決めるために伺っています。好きなことに寄せたいのです。
4 聞かれ慣れていない 「病気の話じゃないの」 お体のことは別に伺います。今はお好きなことだけ教えてください。
4 聞かれ慣れていない 「私の話なんて面白くない」 私が伺いたくて聞いています。差し支えなければ、続きを聞かせてください。
4 聞かれ慣れていない 身構えて短く答える 正解のある質問ではありません。思いついた順に言っていただければ十分です。
4 聞かれ慣れていない 家族が代わりに答えてしまう ありがとうございます。この点は〇〇さんご本人からも伺わせてください。
5 体調・気分 目を閉じがちで返事が短い 今日はここまでにします。次にお会いしたときに、続きを伺ってもよろしいですか。
5 体調・気分 「今日はしんどい」 横になれるところへご案内します。お話は日を改めます。
5 体調・気分 そわそわして席を立とうとする 先にお手洗いに行かれますか。戻ってから続きにしましょう。
5 体調・気分 朝から表情が硬い 今朝、何か気がかりなことがありましたか。そちらを先に伺います。
5 体調・気分 周りの視線を気にしている 場所を変えましょう。静かなところで、あらためて伺ってもよろしいですか。
6 質問が大きすぎた 「したいことは特にない」 では二つのうちどちらかで。体を動かすことと、手を使うことでは、どちらがいいですか。
6 質問が大きすぎた 「目標なんて言われても」 目標でなくて構いません。今日ここで、やってみてもいいと思えることは何ですか。
6 質問が大きすぎた 「趣味はない」 趣味というほどでなくて大丈夫です。時間ができたら、まず何をされますか。
6 質問が大きすぎた 「わからない」 今、目に入っている物の中で、懐かしいと思う物はありますか。
6 質問が大きすぎた 抽象的な質問が続いたあと お昼ご飯のあと、いつもは何をして過ごしていらっしゃいましたか。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

本人から聞き取れないとき|7つの情報源と、その扱い

本人から言葉が出ないときに、聞き取りを空欄のままにするか、職員の推測で埋めるかの二択にしないでください。第三の道は「誰から得た情報かを書いたうえで埋める」ことです。宇都宮市が公表した運営指導の指導事例では、事業所として行った課題分析の記録が作成されていない、または内容が不十分な例として、チェック欄のみで備考が空白のもの(例:「洗身」で一部介助にチェックのみ)が挙げられ、麻痺の部位など具体的な状況を書いた例と対比されています。

情報源 そこから分かること 頼み方・見方の一文 扱いの注意
ご家族 これまでの暮らし方、家庭での役割、食べ物の好み、在宅での一日の流れ ご本人がご自宅でどう過ごしていらしたか、朝から順に教えていただけますか。 家族の希望と本人の希望が違うときは、どちらも並べて残す。片方だけを書かない
ケアマネジャー 居宅サービス計画の目標、家族関係、他サービスの利用状況、通所に期待されていること 今回の計画で、通所に期待していらっしゃる部分を具体的に伺えますか。 受け取った情報をそのまま自事業所のアセスメントに代えない。自事業所として確認した内容を別に残す
以前利用していた事業所 集団の場での過ごし方、好んだ活動、苦手な場面、声のかけ方の工夫 これまでの様子で、引き継いでおいた方がよいことを教えていただけますか。 本人の同意を得てから依頼する。誰から、いつ、どの範囲で得た情報かを書く
持ち物・身につけている物 好みの色柄、手入れの習慣、大切にしている物、生活の几帳面さ そのお財布(帽子・眼鏡入れ)、ずいぶん大事にされていますね。いつからお使いですか。 推測を断定として書かない。「〜と思われる」ではなく、見えた事実と本人の言葉に分けて書く
写真・持参された物 家族構成、旅行先、若い頃の役割、行事への参加 お写真を見せていただけますか。これはどちらで撮られたものですか。 写真の内容を記録に転記する範囲は本人・家族の意向に沿う。無断で複写しない
同じ世代の利用者との会話 本人が乗ってくる話題、口数が増える場面、避けたい話題 皆さんの中で、〇〇さんが一番よくご存じなのはこの話題ですね。 他の利用者の情報を書き込まない。本人の反応だけを記録する
職員の観察 集中が続く時間帯、席の位置の好み、音や人数への反応、自発的に手が出る場面 (声かけの一文ではなく)どの場面で自分から動いたかを、時刻とともに控える。 観察であることを明記し、本人の発言と混ぜない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出どころを書き分けた記録の完成文(22例)

場面 そのまま使える記録文
本人の言葉をそのまま残す 本人より聴取。「畑にはもう出られんけど、トマトの世話くらいならしてみたい」との発言あり(初回面談、生活相談員が聴取)。
本人の言葉と表情を併記 本人より聴取。若い頃の職業を尋ねた際、初めて笑顔が見られ「理容の仕事を四十年やった」と話される。道具の話になると発話量が増えた。
本人が答えられなかったこと 興味・関心の聴取を試みたが「特にない」との返答。体調不良の訴えがあり、本日は中断。次回、生活歴から聴取を再開する。
中断した理由を残す 面談中に傾眠が見られたため、開始から約10分で中断。残りの項目は次回来所時に聴取予定(生活相談員)。
家族からの情報 長女より聴取。「家では毎朝、仏壇に手を合わせるのが日課だった」とのこと。本人には未確認のため、次回本人に確認する。
家族と本人で内容が違う 本人は「人と話すのは疲れる」と話される一方、長男は「本当は話し好き」と話す。双方の内容をそのまま記載し、当面は少人数の場面で様子を確認する。
家族の希望 次女より「家では一日中座っているので、通所では体を動かしてほしい」との希望あり。本人の希望(音楽を聴きたい)と併せて計画の検討材料とする。
ケアマネジャーからの情報 担当介護支援専門員より情報提供。居宅サービス計画の短期目標は「自宅での入浴が続けられること」。当事業所での確認事項として、浴室動作の様子を継続して把握する。
ケアマネジャーから聞いた家族背景 担当介護支援専門員より、同居の長男が日中不在であるとの情報提供あり。帰宅後の見守りについては家族に確認予定。
以前の事業所からの情報 本人の同意を得たうえで、前利用事業所より情報提供を受けた。集団での体操には参加しにくく、個別の手工芸には最後まで取り組めていたとのこと。
以前の事業所からの申し送り 前利用事業所より、送迎車の座席は右前方が落ち着くとの申し送りあり。当事業所でも同様の座席で開始し、様子を確認する。
持ち物からの気づき 来所時、手縫いの巾着を持参されていた。本人に尋ねたところ「自分で縫った。針はまだ持てる」との発言あり(職員が確認)。
身につけている物 毎回、同じ帽子を着用して来所される。本人より「これは息子がくれたもの」との説明あり。着脱の場面では自分で被り直しをされている。
写真からの聴取 家族が持参された写真を一緒に見た。海辺の写真を指して「毎年ここに家族で行った」と話される。行き先の名称は本人からは出なかった。
写真をきっかけにした発言 写真の中の割烹着について尋ねると「これを着ると料理をする気になった」と話される。調理の場面への参加意向を次回確認する。
同世代との会話から 他の利用者との会話の中で、稲刈りの話題になった際に自ら発言が続いた。農作業の経験について、次回あらためて本人に聴取する。
職員の観察(時間帯) 職員観察。午前中は自席から動かれないが、昼食後は自ら立ち上がり窓際へ移動される場面が2日連続で見られた。
職員の観察(人数・音) 職員観察。10名以上の集まりでは離席が見られるが、4名程度の卓では30分以上着席して過ごされている。
職員の観察(自発的な動き) 職員観察。おしぼりを配る場面で、声をかける前に自分から手を伸ばして隣の方へ渡された。
推測と事実を分けて書く 職員観察。塗り絵の途中で手が止まり、道具を押し戻す動作があった。理由は本人からは語られていない。次回、本人に直接確認する。
情報がまだ得られていないこと 趣味・楽しみの項目は現時点で情報が得られていない。本人・家族の双方に、次回来所時にあらためて聴取する。
複数の出どころを併記 本人「もう出かけない」/長女「本当は買い物に行きたいはず」/担当介護支援専門員「以前は毎日商店街へ行っていた」。三者の内容を併記し、外出への意向を継続して確認する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

本人の言葉を目標の形に変える|4つのつまずきと40組の対照

聞き取りがうまくいっても、そこで止まる事業所が多く見られます。「してみたい」は、そのままでは目標になりません。理由は四つに分かれます——大きすぎる/抽象的で人によって解釈が違う/本人の言い回しのままで第三者に伝わらない/できたかどうかを後から見分けられない。以下は、左に本人が実際に口にした言葉、中央にそのままでは扱いにくい理由、右に計画へ載せる形を並べた対照です。数値を書く欄は、事業所が実際に測った値を入れてください(ここでは記入欄として空けています)。なお、様式の書き方や欄ごとの記載方法は本記事では扱いません。ここで示すのは言葉を変換する型だけです。

つまずき1|大きすぎる(10組)

本人の言葉 そのままでは扱いにくい理由 計画に載る形(変換後)
また旅行に行きたい 準備・移動・宿泊が一つにまとまっており、どこから始めるか決められない 外出に必要な動作を一つずつ確かめる。まず送迎車の乗り降りを自分の力で行う機会を、来所日ごとに設ける
元通りに歩けるようになりたい 「元通り」の基準が本人と職員で一致しない 手すりを使って、休まずに歩ける距離を伸ばす(開始時に計測した距離=記入欄/期間内に目指す距離=記入欄)
一人で暮らせるようになりたい 生活全体を指しており、通所で担う範囲が定まらない 朝の身支度のうち、上着の着脱を自分で行える機会を来所日ごとに設ける
孫の結婚式に出たい 日時と場所が先にあり、必要な力が逆算されていない 式に必要な動作を分けて確認する。まず椅子に座って過ごせる時間を延ばす(現在の時間=記入欄)
畑をまたやりたい 屋外での長時間作業を前提としており、段階が飛んでいる 座ったままできる土いじりの機会を設け、土に触れる作業を続ける
家族に迷惑をかけたくない 気持ちであって、行動の形になっていない 自宅で家族が手を貸している場面のうち、一つを自分で行う。対象の場面は本人と相談して決める(記入欄)
また車を運転したい 通所で担える範囲を超えており、その形では扱えない 外出したい行き先を具体化し、家族の送迎や公共交通を含めた行き方を一緒に考える
昔みたいに料理を作りたい 献立・買い物・調理・片づけが一体になっている 調理の工程のうち、座って行える下ごしらえに参加する機会を設ける
元気になりたい 何が変われば達成なのかを誰も判断できない 本人が「元気」と感じる場面を聞き取り、その場面に必要な動作を一つ選んで取り組む(選んだ動作=記入欄)
友達をたくさん作りたい 相手あってのことで、本人の取り組みに落ちていない 同じ卓の方と会話が続く機会を来所日ごとに設ける。席の位置は本人の希望を確認して決める

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

つまずき2|抽象的で、人によって解釈が違う(10組)

本人の言葉 そのままでは扱いにくい理由 計画に載る形(変換後)
楽しく過ごしたい 職員ごとに思い描く場面が違い、翌年も同じ文が残る 本人が楽しいと話した場面(歌の時間・手仕事の時間など)を挙げ、その活動に参加する機会を来所日ごとに設ける
迷惑をかけずに過ごしたい 誰に対する何が「迷惑」なのかが定まらない 本人が気にしている場面(お手洗いへの移動など)を確認し、その場面で自分で行う部分を決める
体力をつけたい 何をもって体力とするかが共有されていない 本人が疲れると話した場面を特定し、その場面を最後まで続けられるようにする(対象の場面=記入欄)
頭をはっきりさせたい 心身の状態の評価に踏み込みやすく、通所の取り組みに落ちない 本人が集中して取り組める活動を一つ選び、取り組む時間を確保する(活動名=記入欄)
人と関わりたい 関わり方の幅が広すぎて、支援の中身が決まらない 少人数の卓で行う活動に参加する。人数と時間は本人の希望を聞いて決める
役に立ちたい 気持ちのままで、実際の場面がない 本人ができる係(おしぼり配り・植物の水やりなど)を一つ持ち、来所日に担う
自信をつけたい 心の状態を目標にしており、達成の判断ができない 本人が「これはできる」と話した動作を挙げ、その動作を人前で行う機会を設ける
気分転換をしたい 何が気分転換になるかが本人と職員で違う 本人が挙げた気分転換の中身(外の空気に当たる・音楽を聴くなど)を一つ選び、来所日に取り入れる
安心して過ごしたい 不安の対象が書かれていないため、対応が定まらない 本人が不安と話した場面(送迎の待ち時間など)を挙げ、その場面での過ごし方を本人と決めておく
きれいにしていたい 身だしなみのどの部分かが分からない 本人が気にしている部分(髪を整える・爪を切るなど)を確認し、来所日にその手入れの時間を設ける

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

つまずき3|本人の言い回しのまま置かれている(10組)

本人の言葉は聞き取りの記録にはそのまま残します。ここで扱うのは、その言葉を誰が読んでも同じ場面を思い浮かべられる形に置き直す作業です。元の言い回しは消さずに残し、変換後と並べて持っておくと、後から本人に確認するときに役立ちます。

本人の言葉 そのままでは扱いにくい理由 計画に載る形(変換後)
そこらへんを回ってきたい 「そこらへん」が指す範囲が本人にしか分からない 本人と一緒に行き先を確認したうえで、屋外を歩く機会を設ける(行き先=記入欄)
ちょいちょい動かしたい 部位も頻度も定まらない 本人が動かしたいと話した部位を確認し、その部位を使う活動に取り組む(部位・活動=記入欄)
あれをやりたい(指さし) 指した物が記録に残らないと、後で誰にも分からない 指された物の名称を確認して記録し、その活動に参加する機会を設ける
昔取った杵柄でな 何の技能を指すのかが書かれていない 本人が経験してきた作業の内容を聞き取り、その作業に近い活動を選んで取り組む
ちょっと手伝えたらな 手伝う相手も内容も不明 本人が担える手伝いの内容を一緒に決め、来所日にその役割を持つ
のんびりしたい 過ごし方の希望なのか活動を断っているのかが判別できない 本人にどの時間帯を静かに過ごしたいか確認し、その時間の過ごし方を決めておく
あんまり無理はしとうない 本人が感じている負担の中身が分からない 負担を感じる場面を確認し、その場面での参加の仕方(見学・途中まで)を本人と決める
みんなの顔が見たい 参加の場面や頻度が定まらない 他の利用者と同じ場で過ごす時間を確保する。席の位置は本人の希望に合わせる
まだ働けるつもりでおる 就労の希望なのか役割の希望なのかが分からない 本人に「働く」の中身を確認し、事業所内で担える役割を一つ決める
あの人みたいになりたい 比較の対象が他者で、本人の取り組みになっていない 本人が挙げた「あの人」の様子を具体的に聞き取り、そのうち本人が取り組む動作を一つ決める

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

つまずき4|できたかどうかを後から見分けられない(10組)

本人の言葉 そのままでは扱いにくい理由 計画に載る形(変換後)
転ばないようにしたい 起きなかったことを本人の取り組みの成果として扱いにくい 立ち上がりの前に手すりに手をかける手順を、来所日ごとに一緒に確認する
風邪をひきたくない 体調の変化は本人の取り組みだけでは説明できない 来所時に本人が自分で上着を調節する機会を設ける
入浴を続けたい 「続ける」の起点と回数が書かれていない 入浴の場面のうち、本人が自分で行う工程を決める(対象の工程=記入欄)
食べられるようになりたい 量なのか種類なのか姿勢なのかが分からない 本人が食べたいと話した物を確認し、食事の場面で本人が自分で行う動作を決める
よく眠れるようになりたい 自宅での状態であり、通所での確認方法が定まらない 来所日の日中に体を動かす機会を設け、本人と家族から日中の過ごし方の変化を聞き取る
忘れないようにしたい 心身の状態の評価に踏み込みやすい 本人が覚えておきたいと話した事柄を書き留める習慣を、来所日に一緒に行う
迷わずトイレに行きたい 場所の問題か動作の問題かが切り分けられていない 座席からお手洗いまでの経路を本人と一緒に確認する機会を、来所日ごとに設ける
痛みをなくしたい 医療的な判断に関わり、通所の取り組みの形になっていない 本人が痛みを訴える場面と時間帯を記録し、主治医・家族と共有できるようにする
もっと話せるようになりたい 会話量の増減を誰がどう見るかが決まっていない 本人が話しやすいと話した相手・話題での会話の機会を、来所日ごとに設ける
長く座っていたい 時間の起点が書かれておらず、前後を比べられない 着席して過ごせる時間を延ばす(開始時の時間=記入欄/期間内に目指す時間=記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

領域別に「見るもの・聞くこと・残す形」を揃える|6領域24行と、聞き直す18の場面

領域を並べただけでは記録は埋まりません。埋まるのは、領域ごとに「観察で見るもの」「言葉で聞くこと」「記録に残す形」の三つが揃っているときです。観察だけだと本人の意向が抜け、聞き取りだけだと実際の動きと食い違います。宇都宮市が公表した指導事例でも、居宅介護支援事業所のアセスメント結果を受けるのみでは不十分である旨が示されています。

6領域|観察・聞き取り・記録の三点セット(24行)

領域 観察で見るもの 言葉で聞くこと 記録に残す形
身体 送迎車の乗降で、どこに手をかけ、どちら側から足を出すか お家では、どちらの手でつかまって立ち上がっていらっしゃいますか。 乗降時につかまる場所と足の出し方、要した時間、介助した部分を分けて書く
身体 座り直しの回数と、そのきっかけ(痛み・しびれ・落ち着かなさ) 座っていて、つらくなるのはどのあたりですか。 座り直した時刻と回数、本人が訴えた部位を、本人の言葉のまま添える
身体 食事の姿勢と、途中で崩れる時点 お家では、どの椅子で召し上がっていましたか。 姿勢が崩れる時点(開始からの経過)と、そのとき行った調整を書く
身体 入浴の場面で自分から動く工程と、手が止まる工程 お風呂で、ご自分でされているのはどこまでですか。 自分で行った工程と介助した工程を分け、本人の希望を併記する
認知 初めての場所で立ち止まる地点、掲示や表示を見る様子 お手洗いの場所は、覚えていらっしゃいますか。一緒に行ってみましょうか。 迷った地点と、そのとき行った案内の方法、次回に引き継ぐ工夫を書く
認知 手順の多い作業で、どの段で止まるか この作業、どこまでご存じですか。先に一度やってみせましょうか。 止まった工程と、声かけ・見本提示のどちらで再開したかを書く
認知 持ち物の管理(置き場所を探す、他の人の物と取り違える) お荷物はいつもどこに置いていらっしゃいますか。 探した場面の時刻と、置き場所を決めたあとの様子を書く
認知 話が途切れる場面と、続く話題 この話、もう少し伺ってもよろしいですか。 発話が続いた話題を具体名で書く。興味・関心の項目に転記する
心理 来所直後の表情と、帰りの表情の差 今日はいかがでしたか。次も来ようという気持ちになりますか。 来所時と帰宅時の様子を対で書き、差が出た日は出来事も添える
心理 誘われたときの反応(すぐ立つ・一度断る・見学から入る) 初めは見ているだけでも構いません。いかがですか。 断られた場面と、その後どうなったかまで書く。断りの言葉も残す
心理 集中が続く時間帯と、途切れる時間帯 午前と午後では、どちらが調子がよろしいですか。 時間帯ごとの様子を書き、活動の時間割を検討する材料にする
心理 他の利用者との距離の取り方(近づく・離れる・見ている) あちらの席と、こちらの席では、どちらが落ち着きますか。 本人が選んだ席と、その理由として語られた言葉を書く
社会 誰に声をかけるか、誰から声をかけられるか ここで話しやすい方はいらっしゃいますか。 関わりが生まれた相手を職員名・利用者の別で書く(他の利用者の氏名は書かない)
社会 係や役割を渡したときの反応 これ、お願いしてもよろしいですか。 引き受けた役割と、その後の続き方(何回まで続いたか)を書く
社会 面会・電話・手紙など、外とのつながりの有無 ご家族やご友人と、最近やりとりはありますか。 本人が挙げたつながりの相手と頻度を、聞いた相手(本人・家族)を明記して書く
社会 これまで担ってきた役割の名残(片づけを手伝う、人の世話を焼く) 昔から、そういうことをされていたのですか。 自発的に行った行動と、そこから聞き取れた過去の役割を書く
環境 持参する物(杖・靴・座布団・上着)と、その使い方 この靴は、ご自分で選ばれたものですか。履きやすいですか。 持参物の種類と、使用時の様子(歩きやすさ・脱ぎ履き)を書く
環境 座席の位置と、周囲の音・光・人数への反応 ここは少し賑やかですが、いかがですか。 席を移した場合は、移した理由と移動後の様子を書く
環境 自宅から玄関までの経路について本人・家族が語る内容 お家を出るまでに、大変なところはありますか。 語られた経路上の段差や手すりの有無を、聞いた相手を明記して書く
環境 送迎車の座席・乗降位置の希望 座席はどのあたりが乗り降りしやすいですか。 希望の座席と理由を書き、送迎の担当者へ引き継ぐ
医療 来所時の様子(顔色・むくみ・呼吸の様子)と、いつもとの差 今朝はいつもと比べていかがですか。 いつもとの差として観察した内容を書く。判断や病名は書かず、事実と連絡した相手を書く
医療 本人が訴える不調の場面と時間帯 その痛みは、どんなときに出ますか。 訴えの内容を本人の言葉のまま書き、時刻と、そのとき行った対応を添える
医療 受診・服薬に関して本人・家族が語る状況 次の受診はいつ頃のご予定ですか。 聞いた内容と情報源(本人・家族・主治医の意見書など)を明記して書く。薬の内容の判断は行わない
医療 活動中の休憩の取り方(自分から休む・声かけで休む) 疲れたら、遠慮せずにおっしゃってくださいね。 休憩の申し出があった時刻と、その後の様子を書く

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

聞き直す場面と、そのとき見直す項目(18場面・記入欄つき)

仙台市の集団指導資料には、文書指摘として「初回のアセスメントは実施しているが、それ以降の個別サービス計画作成時に実施していない」が記載され、要介護認定の更新(変更)や計画の内容の変更がなされているにもかかわらずアセスメントの記録が更新されていない事例が見受けられる、と示されています。福岡県介護保険広域連合の集団指導資料でも、サービス変更時や目標期間更新時等にアセスメントをしていない、アセスメント表の実施日が計画書作成日よりも後になっている、が指摘事項として挙げられています。右端は自事業所の記録を書き込むための欄です。

聞き直す場面 気づく手がかり そのとき見直す項目 貴事業所の記録(記入欄)
要介護認定の更新・区分の変更 被保険者証の有効期限、担当介護支援専門員からの連絡 身体・認知の状況、目標の期間、本人の意向の変化 (実施日・実施者を記入)
居宅サービス計画が変更された 新しい計画書の交付、担当者会議の開催案内 通所で担う範囲、目標のつながり、提供する内容と曜日 (実施日・実施者を記入)
利用の曜日・回数が変わった 利用予定表の変更、家族からの申し出 曜日ごとの過ごし方の希望、疲れの出方、送迎の条件 (実施日・実施者を記入)
提供時間の区分が変わった 利用予定表と請求内容の照合 一日の過ごし方の希望、休憩の取り方、昼食の要否 (実施日・実施者を記入)
入院した/退院してきた 欠席連絡、家族・介護支援専門員からの情報 身体の状況、医療面の留意事項、本人の意欲、家族の介護力 (実施日・実施者を記入)
転倒・けがが起きた 事故の記録、本人の訴え、歩き方の変化 移動の方法、席の位置、活動への参加の仕方 (実施日・実施者を記入)
食事の様子が変わった 残す量が増えた、時間がかかるようになった 姿勢、食べたい物、食事の場面での介助の範囲 (実施日・実施者を記入)
入浴を断る日が続く 入浴の場面での断りの言葉、当日の表情 入浴に関する本人の希望、順番・時間帯、担当職員の組み合わせ (実施日・実施者を記入)
活動に参加しなくなった 離席が増えた、誘っても断る日が続く 興味・関心の項目、席の位置、活動の内容と時間帯 (実施日・実施者を記入)
本人から新しい希望が出た 会話の中での「やってみたい」という発言 興味・関心の項目、目標、活動の組み立て (実施日・実施者を記入)
家族の状況が変わった 同居家族の就労・転居・入院、介護者の交代 在宅での過ごし方、送り出しの状況、家族の希望 (実施日・実施者を記入)
住まいが変わった 転居の連絡、送迎の経路変更 住環境、玄関までの経路、送迎の条件 (実施日・実施者を記入)
他のサービスの利用が変わった 担当者会議の開催、サービス利用票の変更 通所で担う範囲、他事業所との役割分担 (実施日・実施者を記入)
目標の期間が満了した 計画の期間の管理表 目標の達成状況、次の期間の目標、本人の意向 (実施日・実施者を記入)
季節が変わった 気温・行事の変化、衣服の変更 外出の希望、季節の行事に関する意向、体調の変動 (実施日・実施者を記入)
担当職員が交代した 配置の変更、引き継ぎの場面 本人の希望の聞き直し、これまでの関わり方の引き継ぎ (実施日・実施者を記入)
本人の言葉数が減った 会話が続かない日が続く、うつむきがち 心理の領域、体調、席の位置、家族からの情報 (実施日・実施者を記入)
初回の聞き取りが途中で終わっていた アセスメントの記録に空欄が残っている 空欄のまま残っている項目、聞き取りを中断した理由 (実施日・実施者を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

聞き直したことを残す記録の完成文(12例)

場面 そのまま使える記録文
認定の更新に伴う聞き直し 要介護認定の更新に伴い、本人・長女に聞き取りを行った。移動については「前より足が重い」との発言があり、屋内の移動方法をあらためて確認した(実施日・実施者を記載)。
居宅サービス計画の変更に伴う聞き直し 居宅サービス計画の変更を受け、当事業所で担う範囲について本人に確認した。本人より「入浴はここで続けたい」との希望あり。
退院後の聞き直し 退院後の初回来所日に、本人・次男に聞き取りを実施。入院前と比べて立ち上がりに時間を要しており、本人は「またここで体を動かしたい」と話される。
転倒後の聞き直し 来所中の転倒を受け、移動の方法について本人に確認した。本人より「杖を持つのを忘れる」との発言あり。席から出るときの声かけの方法を見直す。
参加が減ったときの聞き直し 活動への参加が3週続けて見られなかったため、本人に理由を尋ねた。「みんなの前だと恥ずかしい」との発言があり、少人数での実施を検討する。
入浴を断る日が続いたとき 入浴を4回続けて辞退されたため、本人に確認した。「順番を待つのが長い」との発言あり。時間帯の変更について本人と相談した。
新しい希望が出たとき 昼食後の会話の中で、本人より「盆栽をまた触ってみたい」との発言があった。興味・関心の項目に追記し、活動の検討材料とする。
家族の状況が変わったとき 同居の長男が就労を開始したとの連絡を家族より受け、在宅での過ごし方について聞き取りを行った。日中の見守りの状況を担当介護支援専門員へ情報提供した。
目標の期間が満了したとき 目標の期間満了に伴い、本人に達成状況を確認した。「前より長く座っていられる」との発言あり。次の期間の希望として、外出の意向が挙がった。
季節の変わり目 季節の行事について本人に確認した。「初詣には行きたい」との発言あり。外出の希望として記録し、家族にも意向を確認する。
担当が交代したとき 担当職員の交代に伴い、あらためて本人に希望を確認した。前担当者からの引き継ぎ内容と相違はなかった。
空欄が残っていたとき 初回の聞き取りで空欄となっていた「趣味・楽しみ」について、本日あらためて聴取した。本人より「若い頃は釣りをしていた」との発言あり。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

アセスメント欄の言い換え30組と、運営指導で見られる点

聞き取りの中身がよくても、記録が評価語で終わっていると、読んだ人には何も伝わりません。ここでは避けたい書き方を「」でくくって引用し、観察した事実と本人の言葉に直した完成文を並べます。書き直しの原則は三つ——いつ・どの場面かを入れる/見えたこと(動作・時刻・回数)を書く/本人が言ったことは言葉のまま残す。

避けたい書き方と言い換え(30組)

避けたい書き方(引用) 読んだ人に伝わらない理由 言い換えた完成文(そのまま使えます)
「意欲低下」 誰が何を見てそう判断したのかが残らない 体操・塗り絵・歌のいずれも誘ったが、3日続けて「今日はいい」と辞退された。昼食後は自ら窓際へ移動される。
「拒否あり」 何を、どのように断ったのかが分からない 入浴の順番を伝えると「今日は寒いからやめとく」と話され、脱衣室へは向かわれなかった。時間帯を午後に変えると入浴された。
「特変なし」 観察した項目が何もなく、確認した証拠にならない 来所時の様子は普段どおり。食事は主食・副食とも全量。午前の体操に自ら参加され、終了まで着席していた。
「不穏」 状態の評価であり、場面が見えない 15時頃から立ち上がりと着席を繰り返される。「家に帰らんと」と話され、玄関方向へ2度向かわれた。
「協力的でない」 職員側から見た評価になっている 手工芸の道具を渡すと、手に取らずに机の端へ寄せられた。理由は語られていない。次回、本人に希望を確認する。
「ADL低下」 どの動作がどう変わったのかが書かれていない 先月まで手すりを使わずに立ち上がっていたが、今週は3回とも手すりに手をかけて立ち上がっている。
「認知症のため聞き取り困難」 診断名で説明を終えており、試した方法が残らない 趣味について尋ねたが返答がなかった。年代と季節を足して尋ね直したところ「稲刈りは手伝った」と話される。
「本人希望なし」 聞き方も回数も書かれていないため、確認したことにならない 興味・関心について2回に分けて聴取。いずれも「特にない」との返答。次回は持参物から話題を広げて再度伺う。
「家族任せ」 家族への評価になっている 在宅での様子は長女より聴取。本人からは同じ内容を確認できていない。次回来所時に本人に確認する。
「レクに参加せず」 誘ったのか、見ていたのかが分からない 歌の時間は輪に入らず、離れた席から最後まで見ておられた。終了後「昔はよく歌った」と話される。
「歩行不安定」 どの場面で、どう不安定なのかが分からない 食堂から座席までの移動で、途中2回立ち止まられた。壁側に手をつく場面があり、職員が横に付き添った。
「食事摂取不良」 量・場面・本人の言葉のいずれも残っていない 主食は半分、副食はほぼ残された。「今日は喉を通らん」と話される。水分は湯呑み1杯分を飲まれた。
「表情硬い」 職員の印象だけで、前後の出来事がない 来所時から発話が少なく、問いかけにうなずきのみ。前日に家族の入院があったと長男より連絡を受けている。
「入浴拒否のため清拭」 断りの言葉と、代わりに行ったことの経緯が抜けている 入浴を勧めたが「今日はやめておく」と話される。本人の希望を確認したうえで、蒸しタオルで背部と足を拭いた。
「トイレ誘導」 本人の意思と職員の動きが混ざっている 午前中は本人から2度申し出があり、自分で席を立たれた。午後は職員が声をかけ、一緒に移動した。
「傾眠傾向」 時間帯も、起きていた場面も分からない 10時から11時までは目を閉じておられたが、昼食前に声をかけると目を開け、自分で食堂まで移動された。
「意思疎通困難」 試した伝え方が残らず、次の職員が同じ壁にぶつかる 口頭のみでは返答が得られなかったが、実物を見せて尋ねると首を振る・うなずくで意思を示された。
「怒りっぽい」 人柄の評価になっている 他の方に席を寄られた際に「そこは私の場所だ」と大きな声を出された。席を移すと落ち着いて過ごされた。
「独居のため不安」 誰の不安なのかが書かれていない 本人より「夜に何かあったらと思うと落ち着かない」との発言あり。緊急時の連絡方法について家族と確認する。
「自立」(備考なし) チェックのみで、どこまでできるのかが分からない 洗身は前面と左上肢をご自分で行い、背部は手が届かず職員が介助した。時間はおよそ普段どおり。
「一部介助」(備考なし) 介助した部分が特定できない 更衣のうち、上着の袖通しは自分で行い、ボタン留めのみ職員が手を添えた。
「見守り」(備考なし) 何を見ていたのか、なぜ必要なのかが残らない 立ち上がりの際にふらつきが出るため、正面に立って様子を見た。実際に手を貸した場面はなかった。
「レクを楽しまれていた」 楽しんだかどうかは本人にしか分からない 歌の時間、最後まで着席され、2曲で口が動いていた。終了後「懐かしい歌だった」と話される。
「変わりなく過ごされた」 比べた対象が書かれていない 前回と同様、午前は新聞を読み、午後は談話室で過ごされた。発話量・食事量とも前回と同程度。
「家族の理解が乏しい」 家族への評価であり、事実が残らない 長女より「本人が家でできることが分からない」との発言あり。在宅での動作について、次回来所時に説明する。
「意欲的」 ほめ言葉であって、記録としては何も残らない 体操の際、職員が声をかける前に自ら立ち上がられた。終了後「明日も来る」と話される。
「問題行動」 行動の中身が書かれず、評価だけが残る 他の方の荷物を手に取り、自席へ運ばれた。声をかけると「片づけようと思った」と話される。
「認知面低下のため確認できず」 聞き取りを終えた理由の説明になっていない 本人からは趣味に関する返答が得られなかったため、長女および前利用事業所から情報提供を受けた。出どころを併記して記載する。
「本人・家族とも希望なし」 二人分をまとめており、どちらに何を聞いたか分からない 本人には来所時に、長女には送迎時に、それぞれ希望を伺った。本人「特にない」、長女「体を動かしてほしい」。両方を記載する。
「様子観察」 観察した内容が書かれていない 昼食後より右膝の痛みの訴えがあったため、歩行時の様子を継続して確認した。15時の移動時には訴えはなかった。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

運営指導マニュアル別添1|通所介護でアセスメントに関わる確認項目(記入欄つき)

厚生労働省の介護保険施設等運営指導マニュアル別添1では、通所介護の確認項目と確認文書が示されています。アセスメントに関わる部分を抜き出し、右端に自事業所の状況を書き込む欄を設けました。告示・通知の定めと、貴事業所の記録を並べて置くための対照表としてお使いください。判断は保険者(指定権者)により異なりますので、ご確認ください。

確認項目(該当条項) 確認内容として示されているもの 確認文書として示されているもの 貴事業所の記録(記入欄)
心身の状況等の把握(第13条) サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか サービス担当者会議の記録 (直近の参加日・出席者を記入)
居宅介護支援事業者等との連携(第14条) サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか サービス担当者会議の記録 (連携の記録の保管場所を記入)
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条) 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか 居宅サービス計画、通所介護計画(利用者及び家族の同意があったことがわかるもの) (突き合わせを行った日・実施者を記入)
通所介護計画の作成(第99条) 居宅サービス計画に基づいて通所介護計画が立てられているか 居宅サービス計画、通所介護計画 (作成日・作成者を記入)
通所介護計画の作成(第99条) 利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて通所介護計画が立てられているか アセスメントシート (アセスメント実施日・実施者を記入)
通所介護計画の作成(第99条) サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか 通所介護計画 (記載欄の確認日を記入)
通所介護計画の作成(第99条) 利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 通所介護計画(同意があったことがわかるもの) (説明日・同意日・交付日を記入)
通所介護計画の作成(第99条) 目標の達成状況は記録されているか モニタリングシート (記録の保管場所を記入)
通所介護計画の作成(第99条) 達成状況に基づき、新たな通所介護計画が立てられているか 通所介護計画 (直近の見直し日を記入)
内容及び手続の説明及び同意(第8条) 利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 (保管場所・確認日を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体が公表しているアセスメント関連の指摘(出典つき・12件)

公表されている指摘の要旨 アセスメントの側で見直す点 出典
事業所として行ったアセスメント(課題分析)の記録が作成されていない、又は不十分である。チェック欄のみで備考が空白の例(例:「洗身」で一部介助にチェックのみ)と、麻痺の部位など具体的状況を書いた例が対比されている チェック欄の横の備考が空欄のまま提出されていないかを、直近の記録から抽出して点検する 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1
初回のアセスメントは実施しているが、それ以降の個別サービス計画作成時に実施していない 計画の更新・変更のたびにアセスメントを見直し、実施日を記録しているかを確認する 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」(令和6年6月 集団指導)
サービス内容に移動介助があるにもかかわらず、アセスメントの記録では移動に関する利用者の状況を「自立」としている アセスメント上の状態像と、計画に位置付けたサービス内容が矛盾していないかを突き合わせる 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」(令和6年6月 集団指導)
サービス変更時や目標期間更新時等にアセスメントをしていない/アセスメント表の実施日が計画書作成日よりも後になっている アセスメントから同意・交付までの日付が業務の順序どおりに並んでいるかを、計画変更のたびに点検する 福岡県介護保険広域連合「居宅介護支援事業者等 集団指導資料(令和6年度版)」
個別サービス計画の目標を居宅サービス計画からそのまま転記している。アセスメントやモニタリングにより利用者及び家族の意向を適切に把握し計画に反映させること(長期間にわたり意向に変化がないケースがある)が示されている 意向欄が数期にわたり同一の文になっていないかを、過去の記録と並べて確認する 松山市介護保険課「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」(令和5年度第2回介護保険サービス事業者連絡会資料)
通所介護計画が居宅サービス計画に沿った内容となっていない事例が認められた。利用者の心身の状況等を踏まえて作成すること、と例示されている 居宅サービス計画の目標と、自事業所で把握した心身の状況・希望を対照できる形にしておく 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導)
曜日によってサービス提供時間が異なる利用者に対し、それぞれの提供時間に応じたプログラムを記載した通所介護計画等を作成していない 曜日ごとに過ごし方の希望や疲れの出方が違わないかを、聞き取りの段階で確認しておく 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4
地域密着型通所介護計画に日課(プログラム)と所要時間の記載がないため、計画に基づいた援助であるか確認できなかった 一日の過ごし方の希望を、時間帯ごとに聞き取って記録しておく 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」
計画作成にあたりアセスメントの記録が確認できなかった/計画作成後にアセスメントを実施していた/実施されたアセスメントが初回のものと同一の用紙に区別がつかない状態で記載されていた 実施のつど日付と実施者を分けて記録し、初回と再実施が区別できる形にする 豊島区「認知症対応型共同生活介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・10件)」
計画に記載された作成日・同意日等に整合性がなく、事実と異なる。修正が必要な場合は元の内容と修正後の内容、修正日がわかるよう記録を残すこととされている アセスメント日・計画作成日・説明日・同意日・交付日の前後関係を、実際の業務手順と照らして確認する 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月 介護保険事業者説明会)
実際に使用している課題分析の種類と、運営規程に記載している課題分析の種類とが一致していない 自事業所で使っている様式の名称と、運営規程の記載が一致しているかを確認する 青森県三戸町ウェブサイト掲載 集団指導資料「運営指導における指摘事項(居宅介護支援)」(自治体名・年度はドメイン及びファイル名からの推定。PDF本文に明記なし)
計画について、管理者以外の従業者が作成者となっている事例、サービス利用回数や曜日の変更があったが計画に記載されていない事例が挙げられている 聞き取りで把握した利用回数・曜日の変更が、記録の側に反映されているかを確認する 津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

アセスメントの記録は、個別機能訓練に関する加算など、体制や実施内容の確認が行われる場面でも参照される文書として各自治体の資料に挙げられています。要件の充足についての判断は保険者(指定権者)が行いますので、告示・通知の定めと貴事業所の記録を並べたうえでご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

よくある質問(FAQ)

Q. 再アセスメントの頻度は?
A. 状態の変化や計画の見直しに合わせて行います。少なくとも計画の更新時には見直します。

アセスメントで気をつけること

  • できることに目を向ける――できないことだけでなく、残っている力や強みを把握する。
  • 本人の言葉を残す――「どう過ごしたいか」を本人の表現で記録する。
  • 多職種で共有――生活相談員・機能訓練指導員・看護職で情報を持ち寄る。

家族からの情報の扱い

Q. 家族からの情報はどう扱う?
A. 本人の意向を最優先にしつつ、家族からの情報は生活背景や在宅での様子を補う材料として記録します。

計画書の下書きを効率化する

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の施設・通所マナ(施設記録+通所介護)は、カイポケの実施記録をもとに、通所介護計画書・モニタリング表の下書きをAIで作成します(アセスメントの作成機能はありません)。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。

通所介護アセスメントの記入例(コピペ可)

通所介護のアセスメントで把握する項目です(表の右上ボタンからExcel/CSVにコピーできます)。興味関心チェックシートで把握した「したいこと」を、通所介護計画書の目標や活動につなげます。

把握する項目 確認・記入のポイント
興味・関心(活動・役割) 興味関心チェックシートを活用。したい活動・してみたい役割を把握
心身の状態(ADL・認知) 移動・入浴・食事の自立度、認知機能、意欲や気分
生活機能・社会参加 これまでの生活歴、人との交流、外出の状況
本人の希望・目標 「どう過ごしたいか」を本人の言葉で。生活の目標につなげる
家族・環境 家族の状況・希望、住環境、送迎の条件

よくある質問(記入のポイント)

通所介護のアセスメントでは何を把握しますか?
興味・関心、心身の状態、生活機能、本人の希望、家族・環境を把握します。
興味関心チェックシートはどう使いますか?
したい活動・してみたい役割を把握し、レクや個別活動、目標づくりに反映します。
アセスメントを計画にどう活かしますか?
把握したニーズと「したいこと」を、通所介護計画書の目標・サービス内容につなげます。
アセスメントを効率化するには?
アセスメントは事業所で行います。施設・通所マナでは、その後の通所介護計画書・モニタリング表の下書きを、カイポケの実施記録をもとにAIで作成できます。
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
カイポケをご利用中でなくても、神マナは単体で問題なくご利用いただけます。「マナドライブ」で帳票類の管理・網羅もでき、まず神マナを導入して後からカイポケを連携することも可能です。カイポケの導入をご希望の際は、当社からサポート担当へお繋ぎします。詳しくは「カイポケ導入相談・お見積り」の案内ページをご覧ください。

通所介護(デイ)の実務ガイド

関連サービス
施設・通所マナ(施設記録+通所介護)
通所介護計画書・モニタリング表の下書きをAIで作成し、カイポケへ転記できます。日々の記録は、同じご契約の施設記録の画面(音声・ワンタップ)で残せます。1つのご契約で、施設記録と通所介護の両方をお使いいただけます。

詳細を見る →

通所介護のアセスメントで聞くことと、記録の書き方

項目 聞くこと 記録の例
本人の希望 どうなりたいか 「また友達とお茶を飲みに行きたい」
家族の希望 困っていること 長女より「入浴が大変」
生活歴 仕事、趣味、役割 元は理容師。手先を使う作業を好まれる
日中の過ごし方 起床から就寝まで 午前はテレビ、午後は横になって過ごす
移動 屋内・屋外の方法 屋内は伝い歩き、屋外は歩行器
食事 形態、量、姿勢 常食、主食8割。前傾姿勢になりやすい
排泄 方法、失敗の有無 日中はトイレ、夜間はポータブル
入浴 方法、頻度 週2回。自宅の浴槽はまたぎが高い
認知 見当識、判断 日付は曖昧。会話は成立
意欲 活動への関わり 誘えば参加されるが、自分からは動かれない
健康 既往、服薬、痛み 高血圧で内服中。右膝に痛みあり
社会との関わり 外出、交流 近所づきあいは減っている
住環境 段差、手すり 玄関に段差20cm、手すりなし
リスク 転倒、誤嚥、脱水 過去1年に転倒2回

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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