通所介護の入浴介助加算は、ⅠとⅡで考え方が異なります。違いと算定要件を整理します。
入浴介助加算とは
通所介護で入浴の介助を行った場合の加算です。区分と要件は告示に定められています。最新の告示・通知および保険者(指定権者)の取り扱いをご確認ください。
Ⅰ・Ⅱの違い
- 加算Ⅰ……入浴介助を適切に行う体制を評価。
- 加算Ⅱ……自宅での入浴の自立を目指し、専門職が自宅の状況を確認し、個別の入浴計画にもとづいて介助する場合を評価。Ⅰより高い評価。
算定の主な要件
- 入浴介助を行うこと(Ⅰ)
- 居宅の浴室の環境を評価し、個別の計画を作成すること(Ⅱ)——評価を行う職種は告示に示されています
- 計画にもとづく介助と、その記録
要件・単位は改定で変わるため、最新の告示・通知で確認してください。
要件を「体制・実施・記録」の3つに分けて見る
入浴介助加算は、要件が複数の条文に分かれていて全体像がつかみにくくなりがちです。体制(人と仕組み)・実施(何をするか)・記録(何を残すか)の3つに分けると、自事業所で足りていない部分が見えます。
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 体制 | 医師・理学療法士・作業療法士等による、利用者の居宅の浴室環境の評価(上位区分の要件に含まれます) |
| 実施 | 個別の入浴計画に基づく入浴介助。居宅での入浴の自立に向けた支援 |
| 記録 | 評価の内容、入浴計画、実施記録 |
| 見直し | 状態の変化に応じた計画の見直し |
記録で示すもの
要件は「やったこと」ではなく「記録があること」で示します。実施していても記録がなければ、要件を満たしていることを説明できません。
| 残すもの | 書く内容 |
|---|---|
| 居宅の浴室環境の評価 | 訪問した日、評価した職種、浴室の状況(浴槽の深さ、またぎの高さ、手すりの有無) |
| 入浴計画 | 課題、目標、事業所で行う支援、居宅で想定する動作 |
| 実施記録 | 実施日、介助の内容、本人が自分で行った動作 |
| 評価 | 目標に対する到達状況、計画の見直し |
運営指導で指摘されやすいところ
- 入浴の実施記録はあるが、個別の計画がない
- 計画が全員同じ内容になっている
- 居宅の浴室環境の評価の記録がない(上位区分の場合)
- 「入浴介助」とだけ書かれ、どこを介助したか分からない
- 本人ができた動作が記録されていない
- 見直しの記録がない
記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 居宅の浴室の状況 | 浴槽の縁の高さ(記入欄)cm、またぎ動作に介助を要する。浴室内に手すりなし。脱衣所と浴室に(記入欄)cmの段差 |
| 課題 | 浴槽への出入りに介助を要し、自宅では入浴できていない |
| 目標 | 手すりを使い、見守りで浴槽に出入りできる |
| 事業所での支援 | 浴槽のまたぎ動作の練習(手すり使用)、洗身は本人が行い、背中のみ介助 |
| 実施記録 | 7/15 手すりを使ってまたぎ動作を実施。右足からの跨ぎは自立。洗身は背中以外を自分で実施 |
| 評価 | 3か月後:見守りでまたぎ動作が可能。自宅への手すり設置をケアマネジャーへ提案 |
実務で迷いやすいところ
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| シャワー浴でも算定できるか | 入浴の方法と算定の関係は通知で示されています。最新の内容をご確認ください |
| 本人が入浴を拒否した日は | 実施していない日の取り扱いは告示の定めによります。お断りがあった場合は、その事実を記録に残します |
| 自宅に浴室がない場合 | 評価の取り扱いについて保険者にご確認ください |
| 評価は誰が行うか | 区分によって求められる職種が異なります |
| 計画は何か月ごとに見直すか | 状態の変化に応じて見直します。定められた頻度は通知でご確認ください |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
自立に向けた支援を、段階で考える
| 段階 | 事業所で行うこと | 自宅で目指す状態 |
|---|---|---|
| ① 環境を知る | 居宅の浴室環境を評価する | — |
| ② 動作を分ける | またぎ、洗身、洗髪、拭き取りのどこに介助が要るかを特定する | — |
| ③ 練習する | 介助を減らせそうな動作を、事業所の浴室で練習する | — |
| ④ 環境を整える | 必要な用具をケアマネジャーへ提案する | 手すり、シャワーチェア等の導入 |
| ⑤ 移行する | 自宅での入浴を家族と確認する | 見守りまたは自立での入浴 |
入浴時の事故を防ぐ
- 入浴前のバイタル測定と、当日の体調確認
- 脱衣所と浴室の温度差(ヒートショック)
- 湯温の確認——本人の感覚に頼らない
- 浴槽内での滑り——マット、すのこ
- 入浴中に目を離さない基準を決めておく
- 事故が起きたときの記録の残し方を事前に決める
拒否がある方への進め方
- 理由を確かめる——寒い、恥ずかしい、こわい、痛い、体調がすぐれない、ほかにも理由はあります。ご本人に尋ねた言葉をそのまま記録に残します
- 時間帯を変える——午前が苦手な方、午後が苦手な方がいます
- 順番を変える——脱衣の前に足浴だけ試す
- 担当を変える——同性介助で受け入れられることがあります
- 無理に入れない——拒否があった事実と、その後の働きかけを記録に残します
記録に残す入浴の観察点
- 入浴前のバイタルと、当日の体調
- 介助した動作と、本人が自分で行った動作
- 皮膚の状態(発赤、傷、あざ、乾燥)——入浴は全身の皮膚を見られる貴重な機会です
- 入浴中・入浴後の様子(疲労、ふらつき、めまい)
- 拒否があった場合はその事実と対応
入浴介助加算|告示の定めと、貴事業所の状況
左に告示・通知の定め、右に貴事業所の状況を書き込む形にしています。算定の可否を判定するものではありません。要件・運用は保険者により異なりますので、最新の告示・通知および保険者の取り扱いをご確認ください。
| 告示・通知の定め | 貴事業所の状況(記入欄) | 裏づけになる書類 |
|---|---|---|
| 入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有すること | 人員: /設備: | 勤務表・平面図 |
| 入浴介助に関する研修等を行うこと | 研修の実施日: /参加者: 名 | 研修の記録(日時・参加者・内容・資料) |
| 個別の入浴計画を作成すること。個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって作成に代えることができるとされている | 入浴計画の作成:単独/通所介護計画に記載 | 入浴計画または通所介護計画 |
| (上位区分)居宅の浴室の環境を評価すること。評価を行う職種と方法は告示・通知に示されています。保険者(指定権者)にご確認ください | 訪問日: /評価者: | 評価の記録 |
| (上位区分)評価に基づき、個別の入浴計画を作成すること | 計画の作成日: | 個別の入浴計画 |
| 算定した日に、入浴介助を実施していること | 当月の入浴実施日: | サービス提供の記録 |
| 入浴を中止した日は、その理由を記録すること | 中止した日と理由: | サービス提供の記録 |
入浴介助加算|運営指導で公表されている指摘
実際に公表されている内容です。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 入浴介助加算について、入浴介助に関する研修等を行ったことが確認できない、個別の入浴計画が不十分。個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合はその記載をもって作成に代えることができる | 福井市の令和7年度集団指導資料 |
| サービス提供表の実績では入浴介助加算Ⅰが算定されていたが、当該日のサービス提供の記録には入浴サービスを提供した記録が確認できなかった | 豊島区が公表した令和5年度の運営指導(地域密着型通所介護18件) |
入浴介助加算|記録に残すこと
体制が整っていても、記録がなければ説明できません。以下は記載のイメージを示す(例)です。
| 場面 | 残す記録 | 記載例 |
|---|---|---|
| 研修を実施したとき | 日時・参加者氏名・内容・使用資料 | ◯月◯日 入浴介助に関する研修。参加者◯名(名簿添付)。移乗と観察の方法を確認 |
| 入浴計画を作ったとき | 作成日・目標・介助の方法・留意点 | 通所介護計画の中に、入浴の目標(週2回・見守り)と介助方法を記載した |
| 居宅を訪問して評価したとき | 訪問日・評価者の職種・浴室の状況・自宅で入浴するための課題 | ◯月◯日、理学療法士が訪問。浴槽の高さと手すりの位置を評価した |
| 入浴を実施したとき | 実施日・介助の程度・皮膚の観察 | 7月2日 入浴実施。またぎは一部介助、洗身は見守り。皮膚に発赤なし |
| 入浴を中止したとき | 中止した日・理由・代替の対応 | 7月9日、体温を測定(記入欄)。事業所で定めた手順に沿って看護職員へ報告し、相談のうえ清拭に切り替えた |
| 状態が変わったとき | 変化の内容・介助方法の見直し | 浴槽のまたぎが自立となったため、介助方法を見直し計画を変更した |
| 加算を算定したとき | 算定日と、その日の入浴の記録の対応 | 算定した9日分すべてについて、当日の記録に入浴の実施を記載している |
入浴介助加算|よくある誤りと直し方
| よくある誤り | なぜ問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 算定した日の記録に入浴の記載がない | 運営指導で確認される項目です | 算定日と記録を突合し、入浴の実施を明記する |
| 入浴介助に関する研修の記録がない | 研修を行ったことを示せるかが確認されます | 日時・参加者氏名・内容・資料を残す |
| 個別の入浴計画が不十分 | 運営指導で確認される項目です | 目標・介助方法・留意点を具体的に書く(通所介護計画への記載でも可) |
| 中止した日の理由が書かれていない | 算定の可否が判断できない | 中止した日と理由、代替の対応を記録する |
| 上位区分で居宅の訪問評価をしていない | 要件を欠く | 評価者の職種と訪問日、評価内容を記録する |
| 計画と実際の介助方法が違う | 実態と計画が乖離する | 状態が変わったら計画も変更する |
他の加算は介護保険の加算・減算まとめ、運営指導で確認される書類は監査対策ナビで確認できます。
記入例(加算Ⅱの取り組み)
「◯月◯日、自宅の浴室を確認。またぎ高さ(記入欄)cmの浴槽で、手すりの設置について福祉用具専門相談員へ相談することとした。通所では立ち座りとまたぎ動作の練習を行い、(記入欄)か月後の状態を評価する。」
記録を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の通所向け機能(通所介護マナ)は、加算の根拠となる記録づくりを後押しします。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
通所介護の入浴介助加算のポイント
通所介護の入浴介助加算は、入浴の介助に関する加算です。区分により要件が異なります。要点を整理しました。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 基本の考え方 | 入浴介助を適切に行う体制 |
| 上位区分 | 個別の入浴計画にもとづき、自宅での入浴の自立を支援する取り組み |
| 記録 | 計画と実施の記録を整える |
算定要件・単位数・様式は介護報酬改定や自治体により異なります。実際の運用にあたっては最新の告示・通知・条例等でご確認ください。
自宅の浴室へ行って、何を測ってくるか
通所介護の入浴を「自宅の浴室で入れるようになるための練習」として組み立てるとき、出発点になるのは事業所の浴室ではなく、その方が毎日暮らしている家の浴室です。事業所の浴室は広く、床は滑りにくく、手すりは使いやすい位置に付いていて、いつでも人が横にいます。自宅の浴室は、そのどれもが違います。違うところを数字と言葉で持ち帰らないと、事業所での練習は「事業所でだけできる動作」の練習になってしまいます。
居宅を訪問して浴室の環境を評価することについては、告示・通知に定めが置かれています。誰が行うのか、どのくらいの頻度で行うのかは通知に示されていますので、最新の通知および保険者(指定権者)の取り扱いをご確認ください。ここでは実施者や頻度の判断ではなく、「行ったときに何を見て、何を書いて帰るか」だけを整理します。
以下は、持って行くための点検表です。左から順に見ていけば、浴室で立ち止まって考え込まずに済みます。測った数字は、そのまま計画の「居宅の浴室の状況」欄に書き写せる形にしてあります。数字が入らない欄は空欄のままにせず「確認できず」と書いて残しておくと、次に訪問したときに何が残っているかが分かります。
点検表① 出入口と、浴室までの動線(9項目)
| № | 見る・測るところ | 測り方・聞き方 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 1 | 浴室出入口の有効幅 | 扉を開けきった状態で、通れる幅を実測する。歩行器や車いすで入るかどうかで意味が変わる | cm / 用具( )で通過(可・不可) |
| 2 | 扉の種類と開き方 | 開き戸・引き戸・折れ戸のどれか。手前開きか奥開きか。開けたまま止まるか | 種類( )/開き(手前・奥) |
| 3 | 扉の取っ手の形と高さ | 握り玉かレバーか。床からの高さを測る。濡れた手で回せるか本人に試してもらう | 形( )/高さ cm |
| 4 | 脱衣所から浴室への段差 | またぐ側の高さを測る。段差の上面が濡れているかも見る | cm / 濡れ(有・無) |
| 5 | 敷居・排水溝のふたの状態 | ぐらつき、ふたの浮き、つま先の引っかかりを足で確かめる | ぐらつき(有・無)/引っかかり(有・無) |
| 6 | 居室から脱衣所までの距離 | おおよその歩数と、途中に段差・敷物・コードがあるか | 約 歩 / 途中の段差 か所 |
| 7 | 動線上のつかまれる場所 | 壁・柱・洗濯機・タオル掛けなど、実際に手をついている場所を本人の動きで確認する | つかまる場所( ) |
| 8 | 夜間・早朝の明るさ | 照明のスイッチの位置と、入口から手が届くか。人感なのか手動なのか | スイッチ位置( )/届く(可・不可) |
| 9 | 入浴している時間帯 | いつ入っているか、いつ入りたいか。家族が在宅している時間と重なるか | 現在( 時頃)/希望( 時頃) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
点検表② 浴槽まわり(9項目)
| № | 見る・測るところ | 測り方・聞き方 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 10 | 浴槽の縁の高さ(洗い場から) | 洗い場の床面から縁の上までを実測する。またぐ側を測る | cm |
| 11 | 浴槽の内側の深さ | 浴槽の底から縁の上までを実測する。立ち上がりの距離になる | cm |
| 12 | 浴槽の長さと幅 | 内寸を測る。足を突っ張って身体を支えられる長さかどうかを見る | 長さ cm / 幅 cm |
| 13 | 浴槽の縁の幅と形 | 腰かけられる幅があるか。丸みが強いか。素材は何か | 幅 cm / 形(平・丸) |
| 14 | 浴槽の設置形式 | 据え置き・埋め込み・半埋め込みのどれか。エプロン側に足が入るか | 形式( ) |
| 15 | 浴槽の底の滑りにくさ | 底面に滑り止めの加工があるか。マットを使っているか | 加工(有・無)/マット(有・無) |
| 16 | またぐ側の空きスペース | 浴槽の手前に、片足立ちで立てるだけの床の広さがあるか | 奥行き cm |
| 17 | 給湯の操作パネルの位置 | 浴室内か脱衣所か。湯を張る操作を誰が行っているか | 位置( )/操作者(本人・家族) |
| 18 | ふたの種類と置き場所 | 折りたたみ・巻き取り・板のどれか。外したふたをどこに置いているか | 種類( )/置き場( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
点検表③ 洗い場と床(9項目)
| № | 見る・測るところ | 測り方・聞き方 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 19 | 洗い場の広さ | 短い方の辺を測る。いすを置いても人が横に立てるかを見る | cm × cm |
| 20 | 床の材質 | タイル・樹脂床・すのこ・石など。乾いた状態と濡れた状態で足裏の感じが変わるか | 材質( ) |
| 21 | 床の水はけ | 湯を流したときに水が溜まる場所があるか。傾きの向きはどちらか | 溜まる場所( ) |
| 22 | 洗い場のいす | 今使っているものの高さ・背もたれ・ひじ掛けの有無。座って立てるか本人に試してもらう | 高さ cm / 背(有・無)/ひじ(有・無) |
| 23 | シャワーの位置と可動域 | 掛けるフックの高さ、ホースの長さ、座ったまま届くか | フック高 cm / 座位で届く(可・不可) |
| 24 | 水栓の形 | ハンドル式かレバー式か。湯温の調節を誰がしているか | 形( )/調節(本人・家族) |
| 25 | 洗面器・石けん類の置き場 | 座ったまま手が届く位置にあるか。床に置いて拾っていないか | 置き場( )/座位で届く(可・不可) |
| 26 | 洗い場から浴槽への向き | いすに座った位置から、浴槽が正面か横か。身体をどちらへ回すことになるか | 向き(正面・右・左) |
| 27 | 浴室内の物の多さ | 足元に置かれたおけ・掃除道具など。動線に出ているものを言葉で書く | 足元の物( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
点検表④ 手すり・暖房・脱衣所(9項目)
| № | 見る・測るところ | 測り方・聞き方 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 28 | 手すりの有無と場所 | 出入口・洗い場・浴槽の縦手すり・横手すりに分けて、どこに何本あるかを書く | 出入口 本/洗い場 本/浴槽 本 |
| 29 | 手すりの高さと太さ | 床からの高さを測る。握ったときに指が回るか本人に握ってもらう | 高さ cm / 握れる(可・不可) |
| 30 | 手すりの向き | 縦か横かL字か。実際に体重をかける向きと合っているか | 向き(縦・横・L字) |
| 31 | 手すり以外に体重をかけている場所 | タオル掛け・扉枠・洗濯機のふちなど、本来つかまる場所ではないところを使っていないか | 使用箇所( ) |
| 32 | 浴室・脱衣所の暖房 | 浴室暖房、脱衣所の暖房器具、湯を張ってふたを開けておくなど、今している方法 | 方法( ) |
| 33 | 脱衣所の広さと座る場所 | いす・ベッド・床など、どこに座って脱ぎ着しているか | 座る場所( ) |
| 34 | 脱衣所の床 | マットの有無、めくれ、滑り。バスマットを踏んだときにずれるか | マット(有・無)/ずれ(有・無) |
| 35 | 衣類・タオルの置き場 | 手を伸ばして届く位置にあるか。誰が用意しているか | 置き場( )/用意(本人・家族) |
| 36 | 浴室内から呼べる手段 | 声が家族に届くか。呼び出しの機器やスマートフォンを持ち込んでいるか | 手段( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
点検表⑤ 家族の介助力と、生活の段取り(9項目)
浴室の寸法だけを持ち帰っても、自宅の入浴は組み立てられません。その浴室を、誰が、何時に、どのくらいの余力で支えているのかまで聞いて初めて、通所で何を練習するかが決まります。ここは測るのではなく聞く項目です。答えを誘導せず、本人と家族の言葉のまま書き取ってください。
| № | 聞くところ | 聞き方 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 37 | 入浴を支えている人 | 「お風呂のときは、どなたが一緒にいらっしゃいますか」 | 続柄( )/同居(有・無) |
| 38 | その人が支えられる時間帯 | 「その方がご在宅なのは、だいたい何時から何時ごろでしょうか」 | 時〜 時 / 曜日( ) |
| 39 | 今している介助の中身 | 「どの場面で手を貸していらっしゃいますか」と、場面ごとに分けて聞く | 介助している場面( ) |
| 40 | 介助する側の負担感 | 「一番しんどいのはどの場面でしょうか」と、しんどい場面を1つに絞ってもらう | 最も負担の場面( ) |
| 41 | 湯を張る・湯を抜く段取り | 沸かす操作、湯の温度合わせ、掃除を誰がしているか | 沸かす( )/掃除( ) |
| 42 | 入浴の頻度と間隔 | 「先週は何回入られましたか」と、直近の実際で聞く | 直近1週間 回 |
| 43 | 入らなかった日の理由 | 「入らなかった日は、どんな日でしたか」。理由を決めつけずに本人の言葉で書く | 本人の言葉( ) |
| 44 | 家族が心配していること | 「一番心配なのは何が起きることでしょうか」 | 心配の内容( ) |
| 45 | 本人が自分でしたいこと | 「ご自分でなさりたいのは、どこまででしょうか」 | 本人の希望( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
見てきたことを、そのまま計画へ書き写す完成文(30例)
点検表の記入欄を埋めても、それを計画の文にし直すところで手が止まります。以下は、記入欄の数字と言葉をそのまま差し込めば1文になる形にしたものです。◯◯の部分に実測値や本人の言葉を入れてお使いください。見てきた事実だけを書き、可否の判断や見立ては書かない形にしています。
| № | 書く場面 | 計画・記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 1 | 出入口の幅 | 居宅の浴室出入口の有効幅は◯◯cmで、現在使用中の歩行器(幅◯◯cm)では通過していない。脱衣所で歩行器を降り、扉枠に手をついて浴室へ入っている。 |
| 2 | 扉の種類 | 浴室の扉は手前開きの開き戸で、開けた扉をよけながら身体の向きを変えている。開けた状態で止まる仕組みはない。 |
| 3 | 取っ手 | 扉の取っ手は握り玉で、床から◯◯cmの高さにある。濡れた手では回しにくく、タオルを当てて回していると本人から聞き取った。 |
| 4 | 入口の段差 | 脱衣所から浴室へ◯◯cmの段差がある。またぐ際は扉枠に右手をついて片足ずつ越えている。 |
| 5 | 敷居 | 浴室入口の排水溝のふたに浮きがあり、つま先が引っかかる場面を訪問時に確認した。 |
| 6 | 動線 | 居室から脱衣所までは約◯◯歩で、途中に◯か所の段差がある。廊下の敷物のふちがめくれている。 |
| 7 | つかまる場所 | 脱衣所では洗濯機のふちに手をついて向きを変えており、手すりは設置されていない。 |
| 8 | 照明 | 浴室の照明スイッチは脱衣所の入口側にあり、暗い中を数歩進んでから点けている。 |
| 9 | 入浴の時間帯 | 現在は◯◯時ごろに入浴しており、本人からは「本当は夕食前に入りたい」との希望を聞き取った。 |
| 10 | 浴槽の縁 | 浴槽の縁は洗い場の床から◯◯cmの高さにあり、またぐ際に足の上がりが不足して縁に足先が触れている。 |
| 11 | 浴槽の深さ | 浴槽の内側の深さは◯◯cmで、底に座ると縁が肩の高さになり、立ち上がりでは両手を縁につく動作をしている。 |
| 12 | 浴槽の内寸 | 浴槽の内寸は長さ◯◯cm・幅◯◯cmで、足を伸ばすと足裏が壁に届かず、身体が滑る場面がある。 |
| 13 | 縁の形 | 浴槽の縁は幅◯◯cmで丸みがあり、腰かけて座る形は取れていない。 |
| 14 | 設置形式 | 浴槽は据え置き型で、エプロン側に足が入らないため、立ち位置が縁から離れている。 |
| 15 | 浴槽の底 | 浴槽の底に滑り止めの加工はなく、マットも使用していない。 |
| 16 | 手前の広さ | 浴槽の手前は奥行き◯◯cmで、またぐときに後ろへ下がる余地がない。 |
| 17 | 洗い場の広さ | 洗い場は◯◯cm×◯◯cmで、いすを置くと介助者が横に立つ幅が残らない。 |
| 18 | 床の材質 | 洗い場の床はタイルで、湯を流すと表面が滑りやすくなる。本人は足裏をずらしながら移動している。 |
| 19 | 水はけ | 洗い場の◯◯側に水が溜まり、いすの脚がその中に入る位置になっている。 |
| 20 | いす | 洗い場では高さ◯◯cmの背もたれのないいすを使用しており、立ち上がりの際に手をつく場所がない。 |
| 21 | シャワー | シャワーフックは床から◯◯cmの位置にあり、いすに座ったままでは手が届かず、立ち上がって掛け直している。 |
| 22 | 水栓 | 水栓はハンドル式で、湯温の調節は家族が入浴前に行っている。 |
| 23 | 物の位置 | 石けん類は床に置かれており、使うたびに前かがみになって拾う動作をしている。 |
| 24 | 向き | いすに座った位置から浴槽は右側にあり、移動の際に身体を右へ回している。 |
| 25 | 手すりがない場合 | 浴室内に手すりはなく、浴槽をまたぐ際は壁に手のひらを当てて支えている。 |
| 26 | 手すりがある場合 | 浴槽横の床から◯◯cmの位置に横手すりが1本あるが、またぐ動作では身体の前に来ないため使えていない。 |
| 27 | 暖房 | 浴室と脱衣所に暖房はなく、入浴前に湯を張ってふたを開けておく方法を家族が取っている。 |
| 28 | 脱衣所 | 脱衣所では床に座って脱ぎ着しており、立ち上がりに時間がかかると家族から聞き取った。 |
| 29 | 呼ぶ手段 | 浴室から呼んでも居間には声が届きにくく、家族は扉を開けたまま様子を見ている。 |
| 30 | 確認できなかった項目 | 浴槽の内寸については、訪問時に湯が張られていたため確認できなかった。次回の訪問時に確認する。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
家族から聞いたことを計画へ書き写す完成文(15例)
| № | 聞いた場面 | 計画・記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 31 | 介助している人 | 自宅での入浴は同居の◯◯が付き添っており、脱衣と背部の洗身に手を貸している。 |
| 32 | 支えられる時間 | 付き添える時間帯は平日◯◯時以降で、日中は本人が一人で過ごしている。 |
| 33 | 介助の中身 | 家族が手を貸しているのは、浴槽をまたぐ場面と背中を洗う場面の2つであると聞き取った。 |
| 34 | 負担の場面 | 家族が最も負担を感じているのは浴槽から出る場面で、「引き上げるのが怖い」との言葉があった。 |
| 35 | 段取り | 湯を沸かす操作と湯温の調節は家族が行い、浴室の掃除も家族が担っている。 |
| 36 | 頻度 | 直近1週間の自宅での入浴は◯回で、それ以外の日は身体を拭いて過ごしたと本人から聞き取った。 |
| 37 | 入らなかった理由 | 入らなかった日について、本人からは「寒くてその気にならなかった」との言葉があった。 |
| 38 | 家族の心配 | 家族が心配しているのは浴室で転ぶことで、「一人のときには入らないでほしい」と本人へ伝えているとのことであった。 |
| 39 | 本人の希望 | 本人からは「せめて洗うところは自分でやりたい」との希望を聞き取った。 |
| 40 | 希望の食い違い | 本人は一人での入浴を希望し、家族は付き添いを希望しており、双方の意向が異なることを確認した。 |
| 41 | 過去の出来事 | ◯月に浴室で尻もちをついたことがあり、それ以降は家族の在宅時のみ入浴していると聞き取った。 |
| 42 | 用具の使用歴 | 以前にシャワーいすを使っていたが、置く場所が狭く現在は使っていないとのことであった。 |
| 43 | 体調に関する話 | 入浴後の体調について家族から気になる点の話があったため、主治医および事業所の看護職員へ申し送ることとした。 |
| 44 | 用具・改修の相談 | 手すりや用具については、福祉用具専門相談員および理学療法士等へご相談いただく旨を家族へ伝えた。 |
| 45 | 次に確認すること | 次回の訪問では、浴槽の内寸と、家族が付き添えない日の入浴の段取りを確認する。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
用具の選定や住宅改修の適否は、この点検表では判断しません。測ってきた数字と、本人・家族の言葉をそのまま持ち帰り、福祉用具専門相談員・理学療法士等および介護支援専門員へお渡しください。入浴の可否や体調に関することは、主治医・看護職員にご確認ください。
事業所の浴室でできたのに、家では続かない——その差を埋める30場面
「事業所では一人で浴槽をまたげました」という記録が並んでいるのに、家では相変わらず家族が抱えている。この食い違いは珍しいことではありません。できた/できないは人の能力だけで決まるのではなく、その場の広さ・高さ・床・温度・そばにいる人によって決まるからです。事業所の浴室は、そのすべてが自宅より整っています。
以下は、事業所と自宅で条件が変わる場面を30に分けて並べたものです。左が事業所の条件、真ん中が自宅で起きること、右がその差を埋めるために通所でできることです。右の欄は「事業所の浴室でできる練習」に限って書いています。用具の選定や住まいの改修に踏み込む場合は、福祉用具専門相談員・理学療法士等および介護支援専門員へご相談ください。
差が出る場面① 入る・出るまわり(10場面)
| № | 事業所ではこう | 自宅ではこうなる | どう埋めるか(通所でできること) |
|---|---|---|---|
| 1 | 浴室の入口が広く、車いすや歩行器のまま近づける | 入口が狭く、脱衣所で用具を降りてから数歩を自力で進むことになる | 脱衣所と同じ歩数だけ、用具なしで壁づたいに歩く場面を入浴の前後に必ず入れる |
| 2 | 扉は引き戸で、開けたまま止まる | 手前開きの扉をよけながら向きを変える動作が加わる | 扉をよける動作を想定し、狭い場所で身体の向きを変える練習を洗い場の手前で行う |
| 3 | 床の段差がない | 入口に段差があり、片足立ちの時間が生じる | 浴室内で片足を台に載せて数を数える練習を、介助者が横についた状態で行う |
| 4 | 床は滑りにくい材質で、水も溜まらない | タイルに湯が広がり、足裏の感覚が変わる | 足裏で床の状態を確かめてから体重を移す手順を、毎回同じ言葉かけで繰り返す |
| 5 | 手すりが必要な位置にすべて付いている | 手すりがないか、あっても向きが合っていない | 手すりのない壁面で、手のひらを当てて支える方法を練習する。同時に不足している位置を記録し、専門職へ伝える |
| 6 | 浴槽の縁が低く、またぎやすい | 縁が高く、足の上がりが足りずに縁へ足先が当たる | 自宅と同じ高さの台をまたぐ練習を、浴室外の訓練場面で行い、結果を入浴の記録と突き合わせる |
| 7 | 浴槽が浅く、底から立ち上がりやすい | 浴槽が深く、底から立ち上がる距離が長い | 低い座面から立ち上がる練習を積み、立ち上がりの手の置き場所を決めておく |
| 8 | 浴槽の縁が平らで腰かけられる | 縁が丸く、腰かけて回る方法が取れない | 腰かけずにまたぐ手順と、腰かけてまたぐ手順の両方を試し、自宅で使える方だけを計画に残す |
| 9 | 浴槽の手前に十分な広さがある | 手前が狭く、後ろへ下がる余地がない | 足の位置を決め打ちにして、同じ位置から始める手順にする |
| 10 | 浴槽の底に滑り止めがある | 底が滑り、座位が安定しない | 底で足を突っ張る位置を決め、身体が沈む前に手をつく順番を練習する |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
差が出る場面② 洗う・拭く・着るまわり(10場面)
| № | 事業所ではこう | 自宅ではこうなる | どう埋めるか(通所でできること) |
|---|---|---|---|
| 11 | 背もたれとひじ掛けの付いたいすを使える | 背もたれのない低いいす、または風呂いすがない | 自宅と同じ高さのいすを1台用意し、その日の入浴ではそのいすだけを使う |
| 12 | シャワーは座ったまま手が届く位置にある | フックが高く、立ち上がって掛け直すことになる | シャワーを手に持ったまま身体を洗う手順に変え、掛け直す回数そのものを減らす |
| 13 | 湯温は職員が事前に合わせてある | 自分で湯温を合わせる場面が加わる | 湯温を確かめる手順(手の甲で確かめる、家族へ声をかける)を毎回本人にしてもらう |
| 14 | 石けん類が手の届く棚に並んでいる | 床に置かれていて、前かがみで拾う動作が加わる | 使う物を膝の上へ先にまとめて置く手順にし、拾う動作の回数を数えて記録する |
| 15 | 背中は職員が洗う | 背中を洗う人がいない日がある | 長柄のブラシ等を使って自分で背中に届く範囲を確かめ、届かない範囲を計画へ書く |
| 16 | 洗髪は職員が仕上げまで行う | すすぎ残しが出る、目に湯が入るのが不安で途中でやめる | 目を閉じたままタオルを額に当てる手順を練習し、すすぎの順番を固定する |
| 17 | 足先や足指は職員が洗う | 前かがみになれず、足先が洗えないまま終わる | 足を台に載せて洗う方法を試し、どこまで届くかを工程別に記録する |
| 18 | 浴室から出るとすぐバスタオルが渡される | タオルの置き場所まで濡れたまま移動する | タオルを浴室の入口に掛けてから入る手順を、入浴前の準備として毎回行う |
| 19 | 脱衣所が暖かく、身体を拭く間も冷えない | 脱衣所が冷え、急いで着ようとして動作が雑になる | 拭く順番(頭・上半身・下半身・足先)を先に決め、決めた順で行う練習にする |
| 20 | 衣類は職員が順番に並べて渡す | 着る順番が分からなくなり、前後を間違える | 着る順に重ねて置く準備を本人にしてもらい、その準備自体を工程として記録する |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
差が出る場面③ 人・時間・気持ちのまわり(10場面)
| № | 事業所ではこう | 自宅ではこうなる | どう埋めるか(通所でできること) |
|---|---|---|---|
| 21 | 常に職員が横にいて、必要な瞬間に手が出る | 誰もいない、または隣の部屋にいる | 職員が半歩下がった位置から見守る時間を意図的に作り、その時間の長さを記録に残す |
| 22 | 声かけで次の動作が始まる | 声をかける人がいないため、次の動作が始まらない | 声かけを減らし、本人が自分で次の手順を思い出す間を待つ。待った時間を記録する |
| 23 | 時間に余裕があり、急かされない | 家族の出勤前など、時間が限られる | 家族が付き添える時間の長さを聞き取り、その時間内で終わる手順に組み替える |
| 24 | 介助する職員は入浴介助に慣れている | 介助するのは家族で、腰や膝に負担を感じている | 家族が実際にしている介助の場面を1つに絞り、その場面だけ手を減らせる手順を一緒に確認する |
| 25 | 体調に不安があれば看護職員が近くにいる | 不安を感じても相談できる人がその場にいない | 不安を感じたときに中断して身体を拭く、という手順をあらかじめ決め、本人と家族へ伝えておく。体調に関する判断は主治医・看護職員にご確認ください |
| 26 | 途中でやめても、後から別の職員が続きを行う | 途中でやめると、その日はそれで終わる | 「ここまでできたら終わり」という区切りを先に決め、区切りごとに達成を確認する |
| 27 | 他の利用者もいるため、入る流れができている | きっかけがなく、入る気持ちにならないまま日が過ぎる | 自宅で入る曜日を本人と一緒に決め、通所の日と重ならないように置く |
| 28 | 職員が声をかけるので、断りにくい | 家族が声をかけると強く断ってしまう | 断られたときの言い換えを家族と決めておき、断られた事実と次の働きかけを記録する |
| 29 | 脱衣も着衣も人の手が入るので早く終わる | すべて自分でするため時間がかかり、疲れて途中でやめる | 工程を分けて、疲れやすい工程だけ家族に頼む形へ組み替える |
| 30 | できたことは職員が言葉にして返す | できたことに誰も気づかず、本人にも残らない | その日にできた動作を1つだけ本人へ伝え、同じ言葉を連絡帳へ書いて家族と共有する |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
差を、そのまま計画へ書く完成文(20例)
差に気づいても、それを計画の言葉にしないと次の職員へ引き継がれません。以下は、上の30場面から拾った差を、計画の「課題」欄と「支援内容」欄に分けて書いた形です。断定を避け、事実と、事業所で行うことだけを書いています。
| № | 場面 | 計画へ書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 46 | 入口の幅 | 課題:居宅の浴室出入口は歩行器では通過しておらず、脱衣所から浴室までの数歩を用具なしで移動している。支援内容:入浴の前後に、同じ歩数を壁づたいに歩く場面を設ける。 |
| 47 | 段差 | 課題:居宅の浴室入口に段差があり、またぐ際に片足立ちの時間が生じている。支援内容:横についた状態で、片足を台に載せて保持する場面を入浴前に設ける。 |
| 48 | 床 | 課題:居宅の洗い場はタイルで、湯が広がると足裏の感覚が変わる。支援内容:体重を移す前に足裏で床を確かめる手順を、同じ言葉かけで毎回行う。 |
| 49 | 手すり | 課題:居宅の浴室に手すりがなく、壁に手のひらを当てて支えている。支援内容:手のひらで支える方法を確認するとともに、支えを必要としている位置を記録し、福祉用具専門相談員・理学療法士等へ情報提供する。 |
| 50 | 浴槽の高さ | 課題:居宅の浴槽の縁は洗い場から◯◯cmで、またぐ際に足先が縁に触れている。支援内容:同じ高さの台をまたぐ場面を訓練の中に設け、入浴時の様子と併せて記録する。 |
| 51 | 浴槽の深さ | 課題:居宅の浴槽は内側の深さが◯◯cmで、底からの立ち上がりに距離がある。支援内容:低い座面からの立ち上がりを繰り返し、手の置き場所を一つに決める。 |
| 52 | 縁の形 | 課題:居宅の浴槽の縁は丸みがあり、腰かけて回る方法が取れていない。支援内容:腰かけない手順で入る方法を試し、実施できた手順のみを計画に残す。 |
| 53 | 手前の広さ | 課題:居宅の浴槽の手前は奥行き◯◯cmで、後ろへ下がる余地がない。支援内容:足を置く位置を決め、毎回同じ位置から動作を始める。 |
| 54 | いす | 課題:居宅では背もたれのない高さ◯◯cmのいすを使用しており、立ち上がりで手をつく場所がない。支援内容:事業所でも同じ高さのいすを用い、立ち上がりの手順を統一する。 |
| 55 | シャワー | 課題:居宅ではシャワーフックが高く、座位のままでは届かない。支援内容:シャワーを手に持ったまま洗う手順に変更し、立ち上がる回数を記録する。 |
| 56 | 湯温 | 課題:居宅では湯温の調節を家族が行っている。支援内容:湯温を手の甲で確かめる手順を、事業所での入浴時に本人が行う。 |
| 57 | 背中 | 課題:居宅では背中を洗う人がいない日がある。支援内容:長柄の用具を用いて自分で届く範囲を確認し、届かない範囲を記録する。 |
| 58 | 洗髪 | 課題:居宅ではすすぎの途中で中断することがある。支援内容:目を閉じた状態でタオルを額に当てる手順を練習し、すすぎの順番を固定する。 |
| 59 | 足先 | 課題:居宅では前かがみになれず、足先を洗えないまま終わっている。支援内容:足を台に載せて洗う方法を試し、どの部位まで届いたかを工程別に記録する。 |
| 60 | 拭く | 課題:居宅の脱衣所が冷え、拭く動作が急ぎになっている。支援内容:拭く順番を決め、決めた順で行う手順を事業所でも同じにする。 |
| 61 | 着る | 課題:居宅では着る順番が分からなくなる場面がある。支援内容:着る順に衣類を重ねて置く準備を、本人が行う工程として計画に位置づける。 |
| 62 | 見守り | 課題:居宅では入浴中にそばに人がいない時間がある。支援内容:職員が半歩下がった位置から見守る時間を設け、その時間の長さを記録する。 |
| 63 | 時間 | 課題:居宅で家族が付き添える時間は◯◯分程度である。支援内容:その時間内で終わる工程の並びに組み替え、所要時間を記録する。 |
| 64 | 家族の負担 | 課題:家族は浴槽から出る場面に最も負担を感じている。支援内容:出る場面の手順を一つに絞って確認し、家族へ同じ手順を伝える。 |
| 65 | 気持ち | 課題:自宅では入るきっかけがないまま日が過ぎることがある。支援内容:自宅で入る曜日を本人と決め、その日の前日に連絡帳で声をかける。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
入浴を10の工程に分けて、どこに手を貸したかを言い分ける
「入浴介助」とひとまとめに書かれた記録からは、その方が何を自分でできて、どこで人の手を借りたのかが分かりません。入浴は、脱ぐところから着るところまでの10の工程に分かれていて、手を貸している工程はたいてい1つか2つです。工程に分けて書けるようになると、次の職員が同じ介助を再現でき、変化があったときにどの工程が変わったのかも見えます。
ここでは、入浴を10工程に分け、それぞれで介助の度合いをどう言い分けるかを整理します。介助の度合いは「できる/できない」の2つではなく、自分で行っている・見守りや声かけ・部分的に手を貸す・全面的に手を貸すの4段階で書くと、変化が記録に残ります。体調や入浴の可否に関することは、主治医・看護職員にご確認ください。
10工程の分け方
| 工程 | 何をする場面か | 事業所で見るところ | 自宅で止まりやすいところ |
|---|---|---|---|
| 1 脱衣 | 脱衣所で衣類を脱ぎ、置く | 座って脱ぐか立って脱ぐか。ボタン・靴下・下衣のどこで止まるか | 座る場所がなく、立ったまま片足立ちになる |
| 2 浴室への移動 | 脱衣所から浴室へ入る | 段差の越え方、扉の開け方、つかまる場所 | 入口が狭く、用具を降りてから進むことになる |
| 3 洗い場への移乗 | いすに座る、または立位を取る | いすへ向きを変える動作、腰を下ろす速さ | いすの高さが違い、立ち上がれない |
| 4 洗身 | 身体を洗う | 届く部位と届かない部位。手が止まる場所 | 石けん類が床にあり、前かがみになる |
| 5 洗髪 | 髪を洗い、すすぐ | 腕が挙がるか、目を閉じたまま続けられるか | すすぎ残しが出る、途中でやめる |
| 6 浴槽へ入る | 浴槽の縁をまたいで入る | 片足立ちの安定、手をつく場所、足の上がり | 縁が高く、手すりがない |
| 7 湯につかる | 浴槽内で座位を保つ | 身体が沈まないか、足の突っ張りが効くか | 浴槽が長く、足裏が壁に届かない |
| 8 浴槽から出る | 底から立ち上がり、縁をまたいで出る | 立ち上がりの手順、またぐ側の足 | 深さがあり、立ち上がりの距離が長い |
| 9 拭く | 浴室または脱衣所で身体を拭く | 背中・足先・指の間まで届くか | 脱衣所が冷え、拭く動作が急ぎになる |
| 10 着衣 | 下着から順に着る | 順番、袖通し、ボタン、靴下 | 着る順が分からなくなる |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
10工程×介助の度合いの対照表
同じ「一部介助」でも、職員によって指す中身が違うと記録が揃いません。工程ごとに、4段階それぞれが具体的にどういう場面を指すのかを決めておくと、誰が書いても同じ言葉になります。下の表は、その決め方の一例です。事業所の実情に合わせて言葉を置き換えてお使いください。
| 工程 | 自分で行っている | 見守り・声かけ | 部分的に手を貸す | 全面的に手を貸す |
|---|---|---|---|---|
| 1 脱衣 | すべての衣類を自分で脱ぎ、かごへ入れている | 脱ぐ順番を声かけすれば自分で進む | 靴下と下衣のみ手を貸す | すべての衣類を職員が脱がせている |
| 2 浴室への移動 | つかまらずに歩いて入る | 横について見守る。手は触れない | 段差を越える場面のみ手を添える | 移乗用具または職員2名で移動している |
| 3 洗い場への移乗 | 自分でいすへ座り、立ち上がる | いすの位置を伝えるのみ | 腰を下ろす場面で身体を支える | 座位の保持そのものに支えが要る |
| 4 洗身 | 全身を自分で洗っている | 洗い残しの部位を声かけする | 背部と足先のみ職員が洗う | 全身を職員が洗っている |
| 5 洗髪 | 洗いからすすぎまで自分で行う | すすぎの残りを伝えるのみ | すすぎのみ職員が行う | 洗髪の全体を職員が行っている |
| 6 浴槽へ入る | 手すりを使って自分でまたぐ | 横で見守り、手は触れない | またぐ側の足の上がりを介助する | 用具を用いて入っている |
| 7 湯につかる | 座位を保ち、姿勢を直せる | そばで様子を見ている | 姿勢が崩れたときに直している | 常に身体を支えている |
| 8 浴槽から出る | 自分で立ち上がり、またいで出る | 立ち上がる合図のみ行う | 立ち上がりの初動を引き上げている | 用具または職員2名で出ている |
| 9 拭く | 全身を自分で拭く | 拭き残しを伝えるのみ | 背部と足先のみ職員が拭く | 全身を職員が拭いている |
| 10 着衣 | すべて自分で着る | 着る順番を伝えるのみ | 袖通しとボタンのみ手を貸す | すべて職員が着せている |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
工程別の記録の完成文(1〜4工程・20例)
以下は、そのまま記録欄へ書き写せる形にした文です。日付と部位を差し替えてお使いください。可否の判断、体調の見立て、症状の評価は書かない形にしています。気になる様子があった場合の判断は、主治医・看護職員にご確認ください。
| № | 工程・場面 | 記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 66 | 脱衣・自立 | 脱衣所のいすに座り、上衣・下衣・靴下をすべて自分で脱いでかごへ入れた。職員は横で見守り、手は触れていない。 |
| 67 | 脱衣・声かけ | 脱ぐ順番が止まったため「上着からいきましょう」と声をかけた。以降は自分で脱ぎ、着替えかごへ入れた。 |
| 68 | 脱衣・一部介助 | 上衣は自分で脱いだ。靴下と下衣は職員が手を貸した。前回と同じ範囲であった。 |
| 69 | 脱衣・変化 | これまで手を貸していた靴下を、本日は片足分を自分で脱いだ。もう一方は職員が手を貸した。 |
| 70 | 脱衣・環境 | 脱衣所のいすの高さを自宅と同じ高さに変え、その状態で脱衣を行った。立ち上がりに手をつく場面はなかった。 |
| 71 | 移動・自立 | 脱衣所から浴室まで、手すりに触れずに歩いて入った。入口の段差は右足から越えた。 |
| 72 | 移動・見守り | 浴室への移動は職員が半歩後ろから見守り、手は触れていない。所要は普段どおりであった。 |
| 73 | 移動・一部介助 | 入口の段差を越える場面のみ、職員が左肘に手を添えた。それ以外は自分で歩いた。 |
| 74 | 移動・自宅との対応 | 自宅と同じく歩行器を脱衣所で降り、壁づたいに◯歩進んで浴室へ入る手順で行った。 |
| 75 | 移動・扉 | 手前開きの扉を想定し、扉をよけて向きを変える手順で入室した。よける動作で立ち止まる場面があった。 |
| 76 | 移乗・自立 | 洗い場のいすへ自分で向きを変えて座り、洗身後は自分で立ち上がった。 |
| 77 | 移乗・声かけ | いすの位置を伝えると、自分で手をついて座った。職員は触れていない。 |
| 78 | 移乗・一部介助 | 腰を下ろす場面で速さが増したため、職員が背部を支えた。立ち上がりは自分で行った。 |
| 79 | 移乗・いすの条件 | 自宅と同じ高さ◯◯cmの背もたれのないいすを用いた。立ち上がりでは膝に手をついて立った。 |
| 80 | 移乗・比較 | 背もたれのあるいすでは自分で立ち上がったが、背もたれのないいすでは手をつく場面があった。 |
| 81 | 洗身・自立 | 上肢・胸腹部・下肢を自分で洗った。背部と足先も自分で洗い、職員は手を貸していない。 |
| 82 | 洗身・一部介助 | 背部のみ職員が洗った。上肢・胸腹部・下肢は自分で洗っている。 |
| 83 | 洗身・届く範囲 | 長柄の用具を用い、背部の下半分まで自分で届いた。肩甲骨の間は届かず、職員が洗った。 |
| 84 | 洗身・足先 | 足を台に載せる方法で、右足の足先まで自分で洗った。左足は職員が洗った。 |
| 85 | 洗身・物の位置 | 石けん類を膝の上へまとめて置く手順にしたところ、前かがみになって拾う動作はなかった。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
工程別の記録の完成文(5〜8工程・20例)
| № | 工程・場面 | 記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 86 | 洗髪・自立 | 洗いからすすぎまで自分で行った。職員は湯温の確認のみ行っている。 |
| 87 | 洗髪・声かけ | すすぎ残しの部位を伝えると、自分で流した。手は触れていない。 |
| 88 | 洗髪・一部介助 | 洗いは自分で行い、すすぎのみ職員が行った。前回と同じ範囲であった。 |
| 89 | 洗髪・手順 | タオルを額に当ててから湯を流す手順で行い、途中で中断する場面はなかった。 |
| 90 | 洗髪・腕の動き | 後頭部を洗う際に腕が挙がりにくく、頭を前に倒して洗う方法で行った。 |
| 91 | 浴槽へ入る・自立 | 手すりを持ち、右足からまたいで自分で浴槽へ入った。職員は横で見守っている。 |
| 92 | 浴槽へ入る・見守り | またぐ動作は自分で行い、職員は半歩下がった位置で見守った。手は触れていない。 |
| 93 | 浴槽へ入る・一部介助 | またぐ側の足の上がりが不足したため、職員が右足首に手を添えた。上体は自分で支えている。 |
| 94 | 浴槽へ入る・手のつき場所 | 手すりのない側の壁に手のひらを当てる手順で行い、またぐ間の姿勢は保たれていた。 |
| 95 | 浴槽へ入る・自宅想定 | 自宅の縁の高さ◯◯cmに合わせた台を用い、同じ高さをまたぐ動作を入浴前に行った。 |
| 96 | 湯につかる・自立 | 浴槽内で座位を保ち、姿勢が崩れた際は自分で座り直した。 |
| 97 | 湯につかる・見守り | 浴槽内では職員がそばで様子を見た。姿勢を直す場面はなかった。 |
| 98 | 湯につかる・一部介助 | 身体が前方へ滑る場面があり、職員が背部を支えて座り直した。 |
| 99 | 湯につかる・足の位置 | 足裏が浴槽の壁に届かないため、足を交差させて突っ張る方法で座位を保った。 |
| 100 | 湯につかる・本人の言葉 | 浴槽内で「久しぶりに肩まで入れた」との言葉があった。 |
| 101 | 浴槽から出る・自立 | 浴槽の底から自分で立ち上がり、縁をまたいで出た。職員は手を貸していない。 |
| 102 | 浴槽から出る・声かけ | 立ち上がる合図のみ行い、動作は自分で行った。 |
| 103 | 浴槽から出る・一部介助 | 立ち上がりの初動で職員が両前腕を支えた。またぐ動作は自分で行っている。 |
| 104 | 浴槽から出る・手順の固定 | 両手を縁に置いてから腰を浮かせる手順に統一したところ、支える場面は初動のみとなった。 |
| 105 | 浴槽から出る・家族の負担 | 家族が最も負担を感じている場面であるため、同じ手順を連絡帳へ書いて家族へ伝えた。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
工程別の記録の完成文(9〜10工程・中断・見直し・20例)
| № | 工程・場面 | 記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 106 | 拭く・自立 | 浴室内で上半身を拭き、脱衣所で下半身と足先を拭いた。すべて自分で行っている。 |
| 107 | 拭く・声かけ | 拭き残しの部位を伝えると、自分で拭き直した。手は触れていない。 |
| 108 | 拭く・一部介助 | 背部と足指の間のみ職員が拭いた。それ以外は自分で拭いている。 |
| 109 | 拭く・順番の固定 | 頭・上半身・下半身・足先の順で拭く手順に統一し、同じ順で実施した。 |
| 110 | 拭く・タオルの位置 | 入浴前にタオルを浴室入口へ掛けておく準備を本人が行い、出てすぐ拭くことができた。 |
| 111 | 着衣・自立 | 下着から順にすべて自分で着た。ボタンと靴下も自分で行っている。 |
| 112 | 着衣・声かけ | 着る順番を伝えると、以降は自分で着た。手は触れていない。 |
| 113 | 着衣・一部介助 | 袖通しとボタンのみ職員が手を貸した。下衣と靴下は自分で着ている。 |
| 114 | 着衣・準備の工程化 | 着る順に衣類を重ねて置く準備を本人が行い、着る途中で止まる場面はなかった。 |
| 115 | 着衣・変化 | これまで手を貸していたボタンを、本日は上から2つまで自分で留めた。 |
| 116 | お断りがあった日 | 入浴のお声かけに対し「今日はやめておく」との言葉があった。無理に進めず、時間をおいて再度お声かけした。 |
| 117 | お断りが続いた場合 | 再度のお声かけにもお断りがあったため、本日は入浴を行わず足浴のみ実施した。理由と対応を記録した。 |
| 118 | 体調に関する申し送り | ご本人から体調についてのお話があったため、入浴の可否については看護職員へ確認を依頼した。 |
| 119 | 中止した日 | 本日は入浴を行っていない。理由と、代わりに行った対応を記録した。加算の取り扱いについては保険者(指定権者)にご確認ください。 |
| 120 | 清しきに替えた日 | 入浴に替えて清しきを実施した。実施した部位と、替えた理由を記録した。 |
| 121 | 皮膚の様子 | 入浴の際に背部の皮膚の様子について気づいた点があり、看護職員へ申し送った。判断は看護職員および主治医へ依頼している。 |
| 122 | 所要時間 | 脱衣から着衣までの所要は◯◯分であった。前回より短く、途中で休む場面はなかった。 |
| 123 | 見守り時間の記録 | 職員が半歩下がって見守った時間は◯◯分で、手を出した場面は浴槽から出る初動のみであった。 |
| 124 | 計画の見直し | 浴槽をまたぐ動作について手を貸す場面がなくなったため、計画の支援内容を見直し、見守りへ変更した。 |
| 125 | 家族への共有 | 本日できた動作を1つ選び、同じ言葉で連絡帳へ記載して家族へ伝えた。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
入浴に関わる職種の、担うところを切り分ける
自宅の浴室で入れるようにする、という目標は、通所介護の入浴担当だけでは動きません。身体の動かし方を見る人、体調を見る人、用具を選ぶ人、住まいの相談に乗る人、居宅サービス計画をまとめる人が、それぞれ別のところを担っているからです。切り分けができていないと、誰も踏み込まないまま「浴槽の縁が高い」という記録だけが毎月積み上がっていきます。
下の表は、入浴の場面で誰が何を担い、事業所から何を渡し、何を受け取るのかを整理したものです。誰が居宅を訪問して評価を行うのか、その頻度をどう置くのかは通知に示されていますので、最新の通知および保険者(指定権者)の取り扱いをご確認ください。ここでは要件の判断ではなく、日々の連携の中身だけを扱います。
役割の切り分け① 医療に関わる職種(10項目)
| № | 職種 | 入浴の場面で担うところ | 事業所から渡す情報/受け取る情報 |
|---|---|---|---|
| 1 | 医師 | 入浴に関する医学的な事柄についての指示・助言 | 渡す:入浴時の様子で気づいた点、中止した日と理由/受け取る:入浴に関する指示・留意点 |
| 2 | 医師 | 体調に関する判断が必要になったときの相談先 | 渡す:看護職員が整理した経過/受け取る:以後の対応についての指示 |
| 3 | 医師 | 居宅を訪問しての評価に関わる場合の関与 | 関与の在り方は通知に示されています。最新の通知でご確認ください |
| 4 | 看護職員 | 入浴の前後の様子の観察と、医師への橋渡し | 渡す:介護職員が見た様子/受け取る:観察の視点と、申し送りの要否 |
| 5 | 看護職員 | 皮膚や身体の様子について気づいた点の受け止め | 渡す:介護職員の気づきの記録/受け取る:医師へ確認するかどうかの判断 |
| 6 | 看護職員 | 入浴を行うかどうか迷った場面での相談先 | 渡す:その日の様子とご本人の言葉/受け取る:当日の対応についての判断 |
| 7 | 理学療法士 | 立つ・またぐ・座るといった動作についての助言 | 渡す:工程別の介助の度合いと、居宅の浴室の寸法/受け取る:動作の進め方についての助言 |
| 8 | 作業療法士 | 洗う・拭く・着るといった生活動作の組み立てについての助言 | 渡す:どの部位に手が届いていないか/受け取る:手順や道具の使い方についての助言 |
| 9 | 言語聴覚士 | 手順の伝え方や、意思のやり取りが難しい場面での助言 | 渡す:声かけで止まる場面の記録/受け取る:伝え方の工夫 |
| 10 | 医療職全般 | 入浴の可否、症状、薬に関することの一切 | 事業所では判断しません。主治医・看護職員にご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
役割の切り分け② 介護・相談に関わる職種(10項目)
| № | 職種 | 入浴の場面で担うところ | 事業所から渡す情報/受け取る情報 |
|---|---|---|---|
| 11 | 介護職員 | 10工程それぞれで、手を貸した範囲を記録する | 渡す:工程別の記録/受け取る:手順の変更点 |
| 12 | 介護職員 | 自分でできた動作を、その場で本人へ伝える | 渡す:できた動作の記録/受け取る:家族への伝え方 |
| 13 | 介護職員 | お断りがあった事実と、その後の働きかけを残す | 渡す:ご本人の言葉のままの記録/受け取る:次のお声かけの仕方 |
| 14 | 機能訓練指導員 | 入浴の動作と、訓練の場面をつなぐ | 渡す:浴室で止まっている工程/受け取る:訓練の内容と、入浴前に行う準備 |
| 15 | 生活相談員 | 家族の意向と、事業所の手順のすり合わせ | 渡す:通所での様子/受け取る:家族の希望と困りごと |
| 16 | 生活相談員 | 居宅介護支援事業所との窓口 | 渡す:計画の変更が必要になった点/受け取る:居宅サービス計画の最新版 |
| 17 | 介護支援専門員 | 居宅サービス計画への位置づけ | 渡す:入浴の目標と支援内容/受け取る:計画に位置づけられた内容 |
| 18 | 介護支援専門員 | 他のサービスとの組み合わせの調整 | 渡す:自宅で入る曜日の案/受け取る:他サービスの訪問日 |
| 19 | 福祉用具専門相談員 | 用具に関する相談の受け皿 | 渡す:測ってきた寸法と、支えを必要としている位置/受け取る:用具についての説明 |
| 20 | 福祉用具専門相談員 | すでに使っている用具の使い方の確認 | 渡す:使わなくなった用具とその理由/受け取る:使い方や調整についての説明 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
役割の切り分け③ 踏み込まないところの線引き(10項目)
連携でつまずくのは、担うところが分からないときよりも、担っていないところに踏み込んでしまったときです。下の10項目は、通所介護の入浴の場面で事業所が判断しないと決めておくものです。線を引いておくと、迷ったときに相談先が自動的に決まります。
| № | 迷いやすい場面 | 事業所で行うこと | お送りする先 |
|---|---|---|---|
| 21 | その日に入浴を行うかどうか | その日の様子とご本人の言葉を記録する | 看護職員、主治医 |
| 22 | 身体の様子で気になる点があった | 見えた事実だけを記録し、申し送る | 看護職員、主治医 |
| 23 | 入浴の時間や湯につかる時間の長さ | 実際にかかった時間と本人の様子を記録する | 看護職員、主治医 |
| 24 | 自宅に手すりを付けるかどうか | 支えを必要としている位置と高さを記録する | 福祉用具専門相談員、理学療法士等、介護支援専門員 |
| 25 | どの用具を使うか | 浴室の寸法と、いまの動作を記録する | 福祉用具専門相談員、介護支援専門員 |
| 26 | 住まいの改修をするかどうか | 測ってきた寸法をそのまま渡す | 介護支援専門員、保険者(指定権者) |
| 27 | 加算の算定ができるかどうか | 要件の整理と、事業所の状況を対照表に書き出す | 保険者(指定権者) |
| 28 | 居宅を訪問して評価する人と頻度 | 通知に示されている内容を確認する | 最新の通知、保険者(指定権者) |
| 29 | ご家族の介助の仕方を変えたい | いま行っている介助の場面を聞き取り、事業所の手順を伝える | 介護支援専門員、理学療法士等 |
| 30 | 職員の配置や労務に関すること | 入浴に関わる職員の配置は勤務表で確認する | 社会保険労務士法27条により、労務管理に関する相談・指導は社会保険労務士の業務です。当社は行いません |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
つなぐときの言い方(25例)
連携がうまくいかない原因の多くは、伝える中身ではなく伝え方にあります。「見てきた事実」と「お願いしたいこと」を1文ずつに分けると、相手が判断できる形になります。以下は、そのまま口頭や連絡票で使える言い方です。判断を求める場面では、判断そのものを相手へお預けする形にしています。
| № | 相手・場面 | 言い方(完成文) |
|---|---|---|
| 126 | 看護職員へ・体調 | 入浴の前に、ご本人から体調についてのお話がありました。入浴を行うかどうか、ご判断をお願いできますでしょうか。 |
| 127 | 看護職員へ・皮膚 | 洗身の際に背部で気づいた点がありました。見ていただいて、主治医へお伝えするかどうかをご判断いただけますでしょうか。 |
| 128 | 看護職員へ・入浴後 | 入浴後の様子で、普段と違うところがありました。記録を残しましたので、ご確認をお願いします。 |
| 129 | 看護職員へ・中止 | 本日は入浴を行いませんでした。理由と代わりに行った対応を記録に残しています。 |
| 130 | 主治医へ・照会 | 通所での入浴について、留意する点がございましたらご教示ください。当日の様子は記録を添えております。 |
| 131 | 理学療法士等へ・動作 | 浴槽をまたぐ場面で、足の上がりが不足して縁に足先が触れています。動作の進め方についてご助言をいただけますでしょうか。 |
| 132 | 理学療法士等へ・寸法 | ご自宅の浴槽の縁は洗い場から◯◯cm、内側の深さは◯◯cmでした。この高さを想定した進め方をご相談させてください。 |
| 133 | 理学療法士等へ・立ち上がり | 浴槽の底からの立ち上がりで、初動のみ手を貸しています。手のつき場所についてご助言をお願いします。 |
| 134 | 作業療法士へ・洗身 | 背部の下半分までは自分で届き、肩甲骨の間は届いていません。手順や道具についてご助言をいただけますでしょうか。 |
| 135 | 作業療法士へ・着衣 | 着る順番が分からなくなる場面があります。順番の伝え方についてご相談させてください。 |
| 136 | 言語聴覚士へ・声かけ | 手順をお伝えしても次の動作が始まらない場面があります。伝え方の工夫についてご助言をお願いします。 |
| 137 | 福祉用具専門相談員へ・手すり | 浴槽の横で、床から◯◯cmあたりに手をついておられます。この位置で支えになるものについてご相談させてください。 |
| 138 | 福祉用具専門相談員へ・いす | ご自宅では高さ◯◯cmの背もたれのないいすをお使いです。立ち上がりの様子を踏まえてご相談をお願いします。 |
| 139 | 福祉用具専門相談員へ・使わなくなった用具 | 以前お使いだったシャワーいすは、置き場所が狭く現在は使っておられません。あらためてご相談させてください。 |
| 140 | 福祉用具専門相談員へ・浴室の広さ | 洗い場は◯◯cm×◯◯cmで、いすを置くと横に立つ幅が残りません。この広さでのご提案をお願いできますでしょうか。 |
| 141 | 介護支援専門員へ・報告 | ご自宅の浴室を確認してまいりました。寸法と、ご家族から伺った内容を記録にまとめてお送りします。 |
| 142 | 介護支援専門員へ・計画 | 入浴の目標と支援内容を見直しました。居宅サービス計画への位置づけについてご相談させてください。 |
| 143 | 介護支援専門員へ・変化 | 浴槽をまたぐ動作で手を貸す場面がなくなりました。計画の支援内容を見守りへ変更しております。 |
| 144 | 介護支援専門員へ・曜日 | ご自宅で入浴される曜日をご本人と決めました。他のサービスのご訪問日と重ならないかご確認をお願いします。 |
| 145 | 介護支援専門員へ・食い違い | ご本人はお一人での入浴を、ご家族は付き添いをご希望です。双方の意向が異なる点をお伝えします。 |
| 146 | 家族へ・できたこと | 本日は、浴槽をまたぐところをご自分でなさいました。ご自宅でも同じ手順をお試しいただけます。 |
| 147 | 家族へ・手順の共有 | 浴槽から出るときは、両手を縁に置いてから腰を浮かせる順番にしています。同じ順番でお願いできますでしょうか。 |
| 148 | 家族へ・負担 | 一番しんどい場面を1つ教えていただけますか。その場面だけ手を減らせる方法を一緒に考えます。 |
| 149 | 家族へ・お断りがあったとき | 本日はお断りがありましたので、無理には進めておりません。時間をおいて再度お声かけいたしました。 |
| 150 | 家族へ・用具の相談 | 手すりや用具については、福祉用具専門相談員や理学療法士等へご相談いただく形になります。こちらからもお伝えしておきます。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
自宅へ届く支援になっているかを、運営指導の目で点検する12項目
入浴の組み立てを整えても、記録の残り方が揃っていないと、運営指導の場面では「行っていない」のと同じ扱いになります。ここでは、各自治体が実際に公表している指摘のうち、入浴に関わるものを12件そのまま並べ、それぞれについて何と何を突き合わせるかだけを書き出します。公表元は各行に記載しています。
この表は算定の可否を判定するものではありません。左が公表されている指摘の要旨、右が貴事業所の状況を書き込む欄です。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なりますので、最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
点検① 訪問・評価・計画に関する公表事例(6件)
| № | 公表されている指摘の要旨 | 何と何を突き合わせるか | 貴事業所の状況(記入欄) | 公表元 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 入浴介助加算(Ⅱ)について、利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価している記録が確認できなかった。あわせて、訪問により把握した居宅の浴室の環境等における課題及び支援内容等が計画に具体的に記載されていなかった | 算定している利用者の名簿と、居宅訪問・浴室環境の評価記録を1対1で突き合わせる。評価で把握した課題が計画へ落ちているかも併せて見る | 算定者 名/評価記録あり 名/記録なし 名 | 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」 |
| 2 | 入浴介助加算(Ⅱ)について、利用者宅の訪問により把握した居宅の浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画が作成されていない | 訪問の実施記録と、個別の入浴計画の記載内容を突き合わせる。訪問で見た内容が計画の文になっているかを見る | 訪問記録あり 名/計画へ反映済 名 | 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4 |
| 3 | 入浴介助加算について、入浴介助に関する研修等を行ったことが確認できない。個別の入浴計画が不十分である。個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって作成に代えることができると示されている | 研修の記録(日時・参加者・内容・使用資料)と、入浴介助に当たっている職員の一覧を突き合わせる。計画は単独様式か通所介護計画への記載かを決めておく | 研修実施日 /参加者 名/計画の様式(単独・通所介護計画へ記載) | 福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」 |
| 4 | 個別サービス計画が未作成の利用者について自主点検の上、報告すること。個別サービス計画に基づかないサービス提供について自主点検の上、報告すること | 利用者ごとに、計画の作成日・同意日・交付日と、サービス提供開始日の前後関係を一覧で確認する | 作成日が提供開始日より後の利用者 名 | 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」 |
| 5 | 地域密着型通所介護計画に日課(プログラム)と所要時間の記載がないため、計画に基づいた援助であるか確認できなかった。実際に行われている「入浴介助」について、所要時間の記載がなかった | 計画に書かれた日課・所要時間と、実際の提供記録の開始・終了時刻を突き合わせる。入浴介助の所要時間が計画に書かれているかを見る | 入浴介助の所要時間の記載(有・無)/記載のない利用者 名 | 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」 |
| 6 | 「入浴介助加算Ⅰ」「口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ」を提供しているが、居宅サービス計画第1〜3表に位置付けがなかった。居宅サービス計画に位置付けられた頻度は週1回であったが、週2回提供していた | 算定している加算と、居宅サービス計画(第1〜3表)、事業所の計画、提供記録の四者を利用者ごとに突き合わせる | 位置付けを確認した利用者 名/確認できない利用者 名 | 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
点検② 実施と記録に関する公表事例(6件)
| № | 公表されている指摘の要旨 | 何と何を突き合わせるか | 貴事業所の状況(記入欄) | 公表元 |
|---|---|---|---|---|
| 7 | サービス提供票の実績では「入浴介助加算Ⅰ」が算定されていたが、当該日のサービス提供の記録には入浴サービスを提供した記録が確認できなかった。サービス提供記録に、提供したサービスの一部「入浴介助」について記載がなかった | 加算を算定した日と、その日の提供記録を月次で突き合わせる。請求前のチェック手順に組み込む | 当月の算定日数 日/記録の記載あり 日 | 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」 |
| 8 | 入浴を行わなかった日に入浴介助加算を算定しているケースが見受けられたので、自主点検の上、結果を報告すること。入浴介助に関わる職員に対しての研修が未実施のため、早急に当該研修を実施し、自主点検の上、報告すること | 入浴の実施記録と請求データを利用者ごと・日ごとに突き合わせる。研修の受講者名簿と勤務実績表を突き合わせる | 未実施日の算定 件/未受講で入浴介助に当たった職員 名 | 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」 |
| 9 | 入浴介助加算について、清しきのみの実施で算定している。入浴を中止した日にも算定している。医師等による居宅の浴室環境の評価が記録されていない、評価が計画に反映されていない、居宅の浴室が再現できていない | 入浴の実施と清しきへの振替を日々の記録で区別する。評価の記録が計画の文に反映されているかを見る | 清しきへ振替 日/中止 日/評価の計画反映(有・無) | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月)/堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」 |
| 10 | 個々の利用者の事業所への到着時間及び出発時間が明確に記録されておらず、請求した報酬区分との整合性が確認できない。サービス提供の記録について、利用開始・終了時間や入浴・送迎等の実施の有無の記載がない事例が挙げられている | 到着・出発の時刻と、入浴の実施の有無が同じ記録の中で確認できるかを見る | 到着・出発の記載(有・無)/入浴実施欄の記載(有・無) | 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4 |
| 11 | (施設向け資料)入浴等の実施が週1回のみであった。上記について、入浴を実施できない理由を記録していない。令和6年度に指摘が多かったものとして「介護の内容そのものが不十分(入浴回数の不足など)」が挙げられている | 入浴の実施日を週単位で確認できる様式にする。実施しなかった週について理由の記録があるかを見る | 週の実施回数 回/理由の記録(有・無) | 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」(3 運営指導等における主な指摘事項 ◇介護老人福祉施設等) |
| 12 | (施設向け資料)入浴や清しきの実施の記録が不正確で、週に2回以上実施したことが確認できない。入浴に代えて清しきを実施した場合に、その旨と入浴困難な理由を記録していない。堺市の資料でも「入浴介助に替えて清拭を行った際の記録がない」が示されている | 入浴・清しきの実施日を利用者ごとに週単位で確認できる様式にする。清しきへ替えた場合の理由と実施内容の記載を見る | 清しきへ替えた日 日/理由の記載 日 | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け)/堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
入浴介助に関わる職員への研修の実施や、その記録の残し方は、公表されている指摘の中で繰り返し取り上げられている論点です。実施した日・参加者・内容・使用した資料を1枚に残しておくと、後から探し直す手間がなくなります。なお、社会保険労務士法27条により、労務管理に関する相談・指導は社会保険労務士の業務です。当社は行いません。職員の配置や勤務の取り扱いについては、社会保険労務士および保険者(指定権者)にご確認ください。
点検した結果を、そのまま記録へ残す完成文(12例)
自主点検は、行ったこと自体を残しておかないと次の年に同じところからやり直しになります。以下は、点検の記録欄へそのまま書き写せる形にした文です。数と日付を差し替えてお使いください。
| № | 点検した項目 | 点検の記録に書く文(完成文) |
|---|---|---|
| 151 | 訪問・評価の記録 | ◯月分について、上位区分を算定している◯名全員の居宅訪問・浴室環境の評価記録を確認した。記録が確認できない利用者は◯名で、次回の訪問予定を◯月◯日に設定した。 |
| 152 | 評価の計画への反映 | 訪問で把握した浴室の状況が、個別の入浴計画の文として書かれているかを◯名分確認した。記載のない◯名について、計画の見直しを行った。 |
| 153 | 研修の記録 | 入浴介助に関わる職員◯名について、研修の実施日・参加者・内容・使用資料を1枚にまとめて保管した。未参加の◯名の実施予定を◯月◯日に設定した。 |
| 154 | 計画の様式 | 個別の入浴計画は通所介護計画への記載により作成する取り扱いとし、記載する項目を事業所内で統一した。 |
| 155 | 計画の作成時期 | ◯月に利用を開始した◯名について、計画の作成日・同意日・交付日とサービス提供開始日の前後関係を確認した。 |
| 156 | 日課と所要時間 | 提供している時間区分ごとの日課を確認し、入浴介助の所要時間を計画に記載する様式へ変更した。 |
| 157 | 居宅サービス計画との突合 | 算定している加算について、居宅サービス計画第1〜3表への位置づけを◯名分確認した。位置づけが確認できない◯名は居宅介護支援事業所へ照会した。 |
| 158 | 算定日と記録の突合 | ◯月分の算定日◯日すべてについて、当日の提供記録に入浴の実施が記載されていることを確認した。 |
| 159 | 中止・振替の記録 | ◯月に入浴を行わなかった◯日について、理由と代わりに行った対応が記録されていることを確認した。取り扱いは保険者(指定権者)に確認する。 |
| 160 | 清しきへの振替 | 入浴に替えて清しきを行った◯日について、実施した部位と替えた理由の記載を確認した。 |
| 161 | 到着・出発の記録 | 提供記録の様式に、到着時刻・出発時刻と入浴の実施の有無を同じ面で確認できる欄を設けた。 |
| 162 | 点検の周期 | 本点検を毎月の請求前に行うこととし、担当者と実施日を業務の手順書に記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
ここまでの点検表・対照表・完成文は、いずれも貴事業所の状況を書き込んで初めて意味を持つ形にしています。左の欄に告示・通知に示されている整理を、右の欄に貴事業所の状況を書き入れ、埋まらなかった欄については保険者(指定権者)にご確認ください。入浴の可否や体調に関することは主治医・看護職員へ、用具や住まいに関することは福祉用具専門相談員・理学療法士等および介護支援専門員へお送りください。
よくある質問(FAQ)
Q. Ⅱは必ず自宅訪問が必要ですか?
A. 居宅の浴室環境を把握することが前提になります。把握の方法について告示・通知に定めがありますので、認められる方法は保険者(指定権者)にご確認ください。
Q. ⅠとⅡは同時に算定できますか?
A. 同時に算定する場合の取扱いについては告示に定めがあります。最新の告示・通知および保険者(指定権者)にご確認ください。
入浴介助加算のⅠとⅡの違いは?
算定のポイントは?
単位数は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
