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介護記録の表現一覧|言い換え132組と状態の書き表し方80項目・1日分の悪い例と良い例

介護記録を読み返したとき、「元気がない」「よく食べた」「拒否」と書いてあっても、その日の利用者Aさんの様子は浮かびません。書いた本人には場面が見えていても、読む人には言葉しか届かないからです。このページは、記録でよく使われる言葉を、読む人が同じ場面を思い浮かべられる表現に置き換えるための一覧です。

表はどれも「避けたい表現」「書き換えた完成文」「何を観察して書くか」の3つの列を基本にしています。完成文は、時刻・数値・本人の言葉・誰が何をしたかを入れた形にしてあるので、場面が近ければ数値と言葉を差し替えてそのまま使えます。右端の列は、完成文を自分で書くときに目を向けるところです。

略語の読み方、急変したときの経時記録、場面別の例文集は、それぞれ別の記事で扱っています。ここでは言葉の置き換えと、状態の書き表し方だけに絞っています。完成文に出てくる「利用者Aさん」「職員B」「看護職員C」などは説明のための仮の呼び方で、実際の記録では事業所の決まりに沿って書いてください。

主観・あいまいな表現の言い換え一覧|書き換えた完成文と観察の手がかり(60組)

書き手の印象を表す言葉は、書いた瞬間は便利でも、次に読む人には判断の材料が残りません。ここでは、気分・量・動作・受け入れない場面の4つに分けて、よく見かける言葉を完成文に置き換えました。完成文に共通するのは、「いつ」「何をしていたとき」「何が見えたか・何と話したか」「その後どうなったか」の4点が入っていることです。

気分・表情・様子をまとめてしまう言葉(16組)

避けたい表現 書き換えた完成文 何を観察して書くか
「活気がない」 10時の体操では椅子に座ったまま両手を膝に置き、職員が隣で動きを見せても腕は上がらなかった。昼食時の発語は、職員の問いかけに「うん」と答えた2回のみ。 参加の様子・発語の回数・前日との違い
「ボーっとしている」 14時20分、食堂のテーブルで湯のみを持ったまま約5分間動かず、名前を呼ぶと2回目で顔をこちらに向けて「なに」と答えた。 動きが止まっていた時間・呼びかけに応じるまでの回数
「表情が暗い」 朝の挨拶に目を合わせず、小さくうなずくのみ。眉間にしわを寄せ、口角は下がっていた。「夢に母が出てきた」と話された。 目線・眉・口元・本人の言葉
「笑顔が見られた」 11時の歌の時間、「ふるさと」の2番まで職員と一緒に歌い、終わると手をたたいて「懐かしいね」と話された。 何をしていたときか・動作と言葉
「イライラしていた」 15時、テレビの音量を職員が下げたところ、「聞こえんやろ」と強い口調で話され、リモコンを自分の膝の上に置いた。 きっかけになった出来事・口調・動作
「落ち込んでいる」 面会が終わった16時、居室でベッドに腰かけ「もう誰も来んでいい」と話された。夕食は主食2割で箸を置いた。 出来事の前後・発言・食事など生活への表れ
「上機嫌」 9時の送迎車内で、ご自分から運転手に「きのうは孫の運動会やった」と話しかけ、到着まで約15分会話が続いた。 自分から話したか・話題・続いた時間
「そわそわしている」 13時から13時30分の間に、居室のドアを開けて廊下を見る動作を6回繰り返し、「バスは何時」と2回尋ねられた。 動作の回数と時間の幅・発言の内容
「不安そう」 21時、ナースコールで職員を呼び「眼鏡がない」と話された。枕元の引き出しを一緒に確かめ、眼鏡を手渡すと「ああよかった」と話された。 訴えの内容・一緒に確かめた行動・その後の反応
「疲れている様子」 散歩から戻った11時、玄関のベンチに座り「足が重い」と話された。往復約300メートル、途中の休憩は2回。 活動の量・本人の言葉・休憩の回数
「穏やかに過ごす」 午後は居室の窓際で新聞を読んで過ごされ、14時と15時の訪室時は、いずれも職員に「ありがとう」と返答された。 何をして過ごしたか・訪室の時刻と反応
「寂しそう」 ほかの利用者が帰ったあとの16時30分、玄関の方を見ながら「みんな帰ったね」と2回話された。職員が隣に座ると手を握られた。 そのときの状況・発言・職員が関わったときの動作
「興奮していた」 10時40分、入浴の順番を待つ間に声が大きくなり「早うせんか」と3回繰り返した。浴室へ案内すると、10時45分には普段の声の大きさに戻った。 声の大きさ・繰り返した回数・収まるまでの時間
「表情が硬い」 初めて利用した本日、送迎車を降りる際に職員の手を強く握り、ホールでは入口に最も近い席を選んで座った。午前中、ご自分からの発語はなかった。 初めての場面での動作・席の選び方・発語
「満足そう」 散髪のあと、手鏡で後ろ姿を確かめて「さっぱりした、ありがとう」と話され、夕方に面会した長女にも髪を触りながら同じことを話された。 本人の言葉・同じ話をした相手
「気難しい」 職員Bが朝食を配膳すると「これは頼んでない」と話され、焼き魚の皿を横へよけた。献立表を一緒に見ると「そうか」と話され、魚は半分召し上がった。 発言・行動・説明したあとの反応

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

量・程度・回数をぼかす言葉(16組)

避けたい表現 書き換えた完成文 何を観察して書くか
「よく食べた」 昼食は主食(ご飯)10割、副食(煮魚・青菜のおひたし・みそ汁)もいずれも10割。途中で「ご飯おかわりある?」と尋ねられた。 主食と副食を分けた割合・食事中の発言
「あまり食べない」 夕食は主食2割、副食は茶碗蒸しのみ全量。「口の中がしみる」と話されたため、食後に看護職員Cが口の中を確認した。 品目ごとの量・本人が話した理由・誰に伝えたか
「水分をたくさん摂った」 9時から15時までの水分は合計850mL(お茶600mL・スポーツ飲料250mL)。ご自分でコップを持ち、職員が勧めたのは2回。 時間帯・合計量・内訳・自分からか勧めてか
「水分摂取が少ない」 9時から15時までの水分は合計300mL。10時と13時にお茶を勧めたが、いずれも2口で「もういい」と話された。 合計量・勧めた回数・そのときの返答
「少しむくんでいる」 両足首の周りを指で約5秒押すと、左右ともくぼみが残った。左足首には靴下のゴムの跡がくっきり残っている。前日の記録にくぼみの記載はない。 指で押したときの跡・左右の違い・前日の記録
「少し熱っぽい」 13時、「なんか体がほてる」との訴えあり。13時05分の体温37.2度(腋窩)、9時は36.5度。額の汗はなし。 本人の言葉・測った値と時刻・朝との比較
「かなり歩いた」 10時から10時30分、歩行器を使って廊下を4往復(約120メートル)歩いた。途中の休憩は1回、椅子に座って約2分。 距離・時間・休憩の回数と長さ
「尿がたくさん出た」 6時の排泄用品の交換時、尿取りパッドは全体が濡れ、手に持つと重みがあった。色は濃い黄色、においは普段と同じ。 濡れの範囲・重み・色・におい
「大量に汗をかいた」 入浴後の14時10分、額と首から汗が流れ、肌着の背中が手のひら大に湿っていた。脱衣所の室温は27度。その後お茶を150mL飲まれた。 汗の場所・湿った範囲・室温・その後の水分
「長く寝ていた」 13時から15時30分まで居室のベッドで横になり、14時と15時の訪室時はいずれも閉眼、呼びかけで開眼された。前夜は22時から6時まで臥床。 横になっていた時間・訪室時の様子・夜間との合計
「たまに咳をする」 9時から12時までに湿った咳が4回あり、うち1回は昼食前にティッシュへ白い痰を出された。11時の体温36.4度。 回数・時間帯・咳の音・痰の色
「ひどく痒がる」 入浴後、背中の右側を手で繰り返しかき、かいた跡が縦に5本、赤い線として残っていた。「夜も痒くて目が覚める」と話された。 かく動作・跡の数と色・本人の言葉
「薬を少し残した」 朝食後の薬5錠のうち、白く小さい錠剤1錠が皿の端に残っていた。本人に尋ねると「これは苦いから」と話された。8時50分に看護職員Cへ報告。 何錠のうち何錠か・薬の形と色・本人の理由・報告先
「間食が多い」 居室の引き出しに菓子の空き袋が6袋あり、本人は「きのうと今日で食べた」と話された。本日の夕食は主食5割。 見つけたもの・本人の言葉・食事量との関係
「少し休んだ」 11時20分から11時35分まで、ホールのソファで目を閉じて休まれた。声をかけると「目をつぶってただけ」と話された。 何分・どこで・本人の説明
「声が小さい」 本日の会話は、職員が約1メートル離れると聞き取れない声の大きさだった。前週の記録では、同じ距離で会話ができている。 聞き取れた距離・前週との比較

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

動作・介助の程度をぼかす言葉(16組)

避けたい表現 書き換えた完成文 何を観察して書くか
「ふらつきあり」 立ち上がった直後に体が左へ傾き、職員が左腕を支えた。約5秒立ったままで姿勢が落ち着き、歩行器を握って歩き出した。 どちらへ傾いたか・支えた部位・落ち着くまでの時間
「一部介助」 更衣は、上衣の袖通しをご自分で行い、背中側の裾を下ろす動作と、ズボンを腰まで上げる動作を職員が手伝った。 本人ができた部分と職員が手伝った部分
「見守りで歩行」 居室から食堂まで約15メートルを杖で歩行。職員は右斜め後ろ約50センチを歩き、体には触れていない。 距離・職員の位置と間隔・触れたかどうか
「自立」 洗面は、洗面台まで車いすをご自分でこいで移動し、蛇口の開け閉め、歯みがき、うがいまで職員の声かけなしで行われた。 一連の動作のどこまでを声かけなしで行ったか
「なんとか立てた」 ベッドからの立ち上がりは2回目で立位となった。1回目はお尻が約10センチ浮いたところで座り直し、2回目は上体を前に倒してから立ち上がった。 何回目か・うまくいかなかったときの様子・工夫
「動きがゆっくり」 食堂からトイレまで約10メートルの移動に約2分かかった。先週の記録では約1分。 距離と所要時間・以前の記録との比較
「移乗がスムーズ」 ベッドから車いすへ移る際、ベッド柵を右手で握って立ち上がり、足を2歩踏みかえて座った。職員は腰に手を添えただけ。 握ったもの・足の運び・職員の関わり
「足が上がらない」 歩行時、右足のつま先が床にすれる音が10メートルで4回聞こえた。敷居の段差(約2センチ)でつま先が引っかかり、職員が右腕を支えた。 すれる音の回数・段差での様子
「座位が崩れる」 昼食を始めて約15分で体が右へ傾き、右ひじがテーブルから外れた。右脇にクッションを入れると、食べ終わるまで姿勢は保たれた。 何分で崩れたか・向き・対応とその結果
「手が震える」 スプーンで汁物を口へ運ぶ際にスプーンが左右に揺れ、3口のうち2口でこぼれた。持ち手の太いスプーンに替えると、5口のうちこぼれたのは1口だった。 何口のうち何口か・道具を替えた結果
「寝返りができない」 2時の巡回時、横向きになるよう声をかけると、ベッド柵を握るところまではご自分で行い、職員が肩と腰を支えて左向きにした。 どこまで自分でできたか・職員が支えた部位
「杖なしで歩いた」 居室の中では杖を使わず、ベッドからトイレまで約4メートルを壁の手すりに右手を添えて歩かれた。廊下では杖を使用。 場所ごとの使い分け・手を添えたもの
「食事動作に介助が必要」 主食はご自分で箸を使って召し上がり、副食の魚は職員が骨を取って一口大に分けた。汁物は職員が器を手に持たせると、ご自分で飲まれた。 品目ごとの介助の中身
「階段は大丈夫」 送迎時、玄関の3段の階段を、手すりを右手で握り1段ずつ両足をそろえて上った。職員は1段下で見守り、所要は約40秒。 段数・つかまったもの・足の運び・職員の位置
「立位保持困難」 手すりにつかまって立っていられたのは約20秒で、膝が曲がり始めたため職員が腰を支えて座った。ズボンの上げ下ろしは座ったまま行った。 立っていられた時間・崩れ始めの様子・その後の対応
「転びそうになった」 14時05分、トイレから出る際にドアの敷居でつまずき体が前へ傾いたが、右手でドア枠をつかんで立ち直った。床に体はついていない。職員Bが約2メートル後ろで見ていた。 時刻・場所・体の向き・つかんだもの・見ていた人

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

受け入れない・応じない場面を表す言葉(12組)

「拒否」とだけ書くと、本人の理由と、職員が次にどう関わったかが記録から消えます。本人の言葉・時刻・関わり方を変えた結果まで書いておくと、次の担当者が同じ場面で使える手がかりになります。

避けたい表現 書き換えた完成文 何を観察して書くか
「服薬拒否」 8時、朝食後の薬を手渡すと「こんなに飲まなあかんの」と話され、手のひらに乗せたまま飲まれなかった。8時20分、看護職員Cが1錠ずつ説明すると内服された。 本人の言葉・時刻・誰がどう関わったか・結果
「食事拒否」 昼食を配膳すると「さっき食べた」と話され、箸を持たれなかった。12時30分に温め直して再度お出しすると、主食5割を召し上がった。 本人の言葉・時間をおいた再提案とその結果
「口腔ケア拒否」 夕食後、歯ブラシを渡すと「自分の歯やからいらん」と首を横に振られた。うがいだけを提案すると、コップの水で2回うがいをされた。 本人の言葉・代わりに提案したこと・できたこと
「更衣を嫌がる」 7時、パジャマからの着替えを声かけすると「寒いからこのまま」と話された。室温22度。暖房を入れて10分後に再度声をかけると、上衣から着替えられた。 本人の理由・室温など環境・環境を変えたあとの反応
「受診を拒む」 本日の皮膚科受診について9時に説明すると「かゆいだけで病院はいかん」と話された。9時15分に長女へ電話で伝え、長女から本人へ電話で話してもらうと「娘が言うなら」と話され、10時に出発した。 本人の言葉・連絡した相手と時刻・出発した時刻
「体操に参加しない」 10時の集団体操の声かけに「見とるだけでいい」と話され、座ったまま参加者を見ていた。体操の最後の深呼吸だけ一緒に行われた。 本人の言葉・その間の過ごし方・一部でも加わった動作
「排泄誘導に応じない」 14時、トイレへの声かけに「出えへん」と話され、座ったまま。15時にもう一度声をかけると立ち上がり、トイレで排尿あり。 声かけの時刻と返答・時間をおいた結果
「バイタル測定を嫌がる」 9時、血圧計の帯を腕に巻こうとすると腕を引かれ「痛いからいや」と話された。手首で測る血圧計に替えると測定でき、血圧132/78。 本人の理由・替えた方法・測れた値
「水分を拒否」 10時と11時にお茶を勧めたが「トイレが近くなるから」と話され、口をつけなかった。ゼリー飲料を提案すると、11時15分に1個(約100mL)召し上がった。 本人の理由・代わりに出したもの・量
「髭剃りを嫌がる」 整容時、電気かみそりの音に顔をそむけられた。「自分でやる」と話され、職員が鏡を持つとご自分で剃られた。あごの下に剃り残しあり。 嫌がったきっかけ・本人の希望・結果と残ったところ
「入所を受け入れていない」 入所3日目。朝食時に「いつ家に帰れるの」と職員に3回尋ねられた。長男から聞いている説明(「しばらくここで体を休める」)を伝えると「そうか」と話され、朝食は主食8割。 入所からの日数・質問の回数・伝えた内容・その後の様子
「リハビリを嫌がる」 11時の歩行練習の声かけに「膝が痛いから今日はやめとく」と話された。痛みの強さを尋ねると「10のうち5くらい」。機能訓練指導員Dへ伝え、座って行う足の運動のみ10回行った。 本人の理由・痛みの強さ・伝えた相手・代わりに行ったこと

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

状態の書き表し方の一覧|観察する7分野80項目の言葉と完成文

言い換えの表が「直す」ための一覧だとすれば、こちらは最初から具体的に書くための一覧です。観察する分野ごとに、何に目を向けるか、どんな言葉や単位で書き表すか、書いた結果の完成文を並べました。真ん中の列の言葉を組み合わせると、自分の場面の完成文が作れます。

医学的な判断や病名は書かず、見えたこと・聞こえたこと・測った値・本人の言葉を書きます。気になる変化は、書いたうえで誰に伝えたかまで残しておくと、記録がそのまま引き継ぎになります。

表情・顔色・皮膚の書き表し方(12項目)

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
表情(目元) 目を細める/視線が合う・合わない/目を閉じている時間 話しかけると目を細めてこちらを見て、3回うなずかれた。
表情(口元) 口角が上がる・下がる/歯を食いしばる/口をすぼめる 食事中、酢の物を口にすると口をすぼめ、それ以降は箸をつけなかった。
表情(眉・額) 眉間にしわを寄せる/額にしわ/眉が上がる 移乗時に眉間にしわを寄せ「そこ触らんで」と話された。職員の手が右肩に触れた場面だった。
顔色 赤み/白っぽい/黄みがかる/前日と比べて 朝の顔色は両頬に赤みがあり、前日の記録と同じ。10時の体温36.6度。
唇 赤み・紫がかる/乾き/ひび割れ 唇が乾いて白くひび割れていた。午前の水分は200mL。リップクリームを本人が塗られた。
皮膚の赤み 部位/縦×横センチ/指で押すと白くなるか 仙骨部に縦3センチ×横2センチの赤みあり。指で押すと白くなり、離すと赤みが戻った。看護職員Cへ報告。
皮膚の傷 部位/長さ/出血の有無/いつ気づいたか 入浴時、左すねの前面に長さ約1.5センチの皮むけを見つけた。出血なし。本人は「知らん」と話された。前回の入浴記録に記載なし。
あざ 部位/直径/色(青紫・黄緑)/本人の説明 右上腕の外側に直径約3センチの青紫色のあざ。本人に尋ねると「ベッドの柵にぶつけた」と話された。
皮膚の乾燥 粉をふく/つっぱる/かいた跡 両すねの皮膚が白く粉をふいた状態。入浴後、職員が保湿剤を塗った。
汗・湿り 部位/範囲/衣類や寝具の湿り 起床時、枕カバーが後頭部の位置で手のひら大に湿っていた。室温24度、掛け布団は2枚。
爪 長さ/色/割れ/皮膚へのくいこみ 右足の親指の爪が長く伸び、端が皮膚にくいこむ形。歩くと「ここが痛い」と右足先を指された。看護職員Cへ報告。
身だしなみ 自分で整えたか/本人の好み・選んだもの 朝、ご自分で髪をとかし「今日はこのピンがいい」と赤い髪留めを選ばれた。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

呼吸・睡眠の書き表し方(12項目)

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
呼吸の回数 1分間の回数/測った時刻/姿勢 10時、椅子に座った状態で呼吸数16回/分。
呼吸の音 ゼーゼー・ヒューヒュー・ゴロゴロ(聞こえた音のまま) 食後、胸のあたりからゴロゴロという音が聞こえ、咳払いを2回されると音は小さくなった。
息切れ どの動作で/何メートルで/休んでから話せるまで 廊下を約20メートル歩いたところで立ち止まり、肩で息をされた。約1分座って休むと会話ができた。
呼吸と姿勢 前かがみ/起き上がる/枕の数 夜間は枕を2つ重ねた姿勢で休まれ、「平らだと息がしにくい」と話された。
経皮的動脈血酸素飽和度 値/測った時刻/安静時か動いた後か 入浴後の14時20分、座って休んだ状態で経皮的動脈血酸素飽和度96%、脈拍84回/分。
寝つき 消灯の時刻/閉眼した時刻/それまでの様子 21時消灯。21時40分の訪室時はテレビを見ており、22時20分の訪室時に閉眼、寝息あり。
夜間の目覚め 時刻/回数/理由(本人の言葉) 0時10分と3時30分に起きてトイレへ。いずれも排尿あり。3時30分には「足がつった」と話された。
眠りの様子 巡回時の体の向き/寝息/体動 2時の巡回時、左向きで閉眼し、規則的な寝息。居室の入口から様子を確かめ、体動なし。
早朝の目覚め 起きた時刻/その後の過ごし方/本人の言葉 4時30分に起きて着替えを済ませ、ベッドに腰かけていた。「もう朝やろ」と話された。
日中の居眠り 時間帯/場所/閉眼していた時間 昼食後の13時10分から13時50分まで、ホールの椅子で閉眼。呼びかけると開眼し、会話が続いた。
寝言・うなされ 聞こえた言葉/時刻/回数 1時15分、「やめて」と大きな声の寝言が2回。訪室すると閉眼したままで、5分後には静かな寝息に戻った。
眠る前の薬のあと 飲んだ時刻/閉眼した時刻/翌朝の立ち上がり 20時30分に眠前薬を服用し、21時15分に閉眼。翌朝6時の起床時、立ち上がりでふらつきなし。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

食事量・水分の書き表し方と割合の書き方(12項目)

食事量は「10割を全量」として1割きざみで書くと、読む人によってずれにくくなります。主食と副食は分けて書き、副食の品目で量が大きく違うときは品目ごとに書き分けます。

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
主食の量 10割を全量とし1割きざみ ご飯(茶碗1杯)のうち約7割を召し上がった。
副食の量 品目ごと/まとめて 副食は、煮物10割・焼き魚5割・和え物0割。
汁物 飲んだ量(mL)/器の何分の何 みそ汁は約100mLのうち半分を飲まれた。
食べていた時間 食べ始めと箸を置いた時刻 12時05分に食べ始め、12時40分に箸を置かれた。
食べ方 自分で/途中から介助/食器の持ち方 左手で茶碗を持ち、右手の箸でご自分で召し上がった。後半の約3割は、職員がスプーンで口元へ運んだ。
むせ どの品目で/何回/治まるまで お茶を飲んだ際に1回むせ、咳き込みは約10秒で治まった。以降はとろみをつけたお茶を飲まれた。
口の中の残り 食後に確かめた場所/残っていたもの 食後の口腔ケア時、右の頬の内側にご飯粒が残っていた。
食べ残した理由 本人の言葉のまま 「今日の魚は固い」と話され、焼き魚を半分残された。
間食 品目/量/時刻 15時のおやつに、どら焼き1個とお茶150mLを召し上がった。
水分(1回ごと) 時刻/種類/量(mL) 10時、ほうじ茶150mL。
水分(1日の合計) 時間帯ごとの内訳と合計 6時から18時の水分は合計1,050mL(朝食時300・10時150・昼食時300・15時150・夕食時150)。
体重 測った日/前回の値と差 月初めの測定で42.3キロ。前月は43.1キロ。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

排泄の書き表し方と性状・量の書き方(12項目)

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
排尿の時刻と場所 時刻/トイレ・ポータブルトイレ・排泄用品 7時10分、トイレで排尿あり。
尿の量 計量カップの目盛り/パッドの濡れの範囲 尿取りパッドの濡れは、手のひら約2枚分の範囲。
尿の色・におい 淡い黄色・濃い黄色・茶色/濁り/においの違い 尿の色は濃い黄色で、普段より強いにおい。看護職員Cへ報告。
排尿の回数 日中と夜間に分けて 日中(6時〜18時)6回、夜間(18時〜6時)3回。
便の形 バナナ状・やわらかい・泥のよう・水のよう・コロコロ バナナ状の便が1回、長さ約15センチ。
便の量 手のひら大・親指大など身近な大きさ 親指大のかたい便が3個。
便の色 茶色・黒っぽい・白っぽい・赤いものが混じる 便の色が普段より黒っぽく、看護職員Cに実物を見てもらった。
排便の間隔 最後に出た日/今日で何日目 最後の排便は9月24日の朝。本日で3日目。
排泄の訴え 本人の言葉/訴えから便座に座るまでの時間 「トイレ」と話されてから約1分で便座に座り、排尿あり。間に合った。
間に合わなかった場面 どこで/どのくらい/本人の反応 11時、トイレへ向かう途中の廊下で下着が濡れ、本人は「間に合わんかった」と話された。着替えは本人が選び、職員が手伝った。
排泄のときの様子 便座に座っていた時間/いきむ動作/訴え 便座に約10分座り、いきむ動作が続いたが排便なし。「お腹が張る」と話された。
陰部・臀部の皮膚 赤み・ただれの範囲(縦×横センチ) 排泄用品の交換時、左臀部に縦2センチ×横2センチの赤みあり。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

歩行・移乗の書き表し方(10項目)

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
歩いた距離 メートル/目印(居室からトイレまで等) 居室からトイレまで(約8メートル)を歩行器で歩かれた。
歩く速さ 所要時間 約8メートルを約40秒。
歩き方 歩幅(センチ)/すり足/左右への傾き 歩幅は約20センチで、すり足。体は右へ傾いていた。
使った道具 杖・歩行器・手すり・職員の腕 右手に一本杖、左手は廊下の手すり。
職員の関わり 立つ位置/触れているか/支えた部位 職員は左側に立ち、左ひじの下に手を添えた。
立ち上がり 何回目で/つかまったもの ベッドの柵につかまり、1回で立ち上がられた。
座るとき 座る勢い/座った位置のずれ 車いすに勢いよく座り、お尻が座面の前寄りになったため、職員が後ろへの座り直しを手伝った。
移乗の向き どこからどこへ/軸にした足 ベッドから車いす(ベッドの右側に置く)へ、右足を軸に回って移られた。
移乗の人数 職員の人数/それぞれの役割 職員2名で行い、1名が上半身、1名が膝を支えた。
移乗のあとの姿勢 座り直し/足の位置 移乗後、左足が足のせ台から落ちていたため、職員が戻した。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

会話・認知症の行動の書き表し方(本人の言葉と状況で・12項目)

認知症の方の行動は、行動の名前を書くより本人が話した言葉と、そのとき周りで起きていたことを書くほうが、次の対応を考える手がかりになります。

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
会話のかみ合い 問いと答えをそのまま並べる 「お昼は何を食べました?」の問いに「魚やったかな」と答えられた。献立は煮魚。
言葉の出にくさ 言いたいものが出るまでの様子 「あれ、あれを取って」と話され、指さした先は湯のみだった。
同じ質問 内容/回数/時間の幅/職員の答え方 10時から11時の間に「今日は何日」と5回尋ねられた。その都度カレンダーを一緒に見て答えた。
時間・場所のとらえ方 本人の言葉のまま 「ここは病院やろ」と話された。デイサービスであることを伝えると「そうか、学校みたいやな」と話された。
物がなくなったという訴え 本人の言葉/一緒に探した場所と結果 「財布を盗られた」と話され、居室を一緒に探すとタンスの2段目のセーターの間から見つかった。本人は「誰かが入れた」と話された。
外へ出ようとする 時刻/行き先についての言葉/直前の出来事 16時、玄関のドアノブを回し「子どもが帰ってくるから」と話された。夕方の送迎車が出発した直後だった。
歩き回る 経路/時間/本人の言葉/その後 19時から19時40分、居室と食堂の間の廊下を往復。「トイレはどこ」と尋ねられ、案内すると排尿あり。以降は居室で過ごされた。
大きな声 何と言ったか/きっかけ/対応を変えた結果 入浴の声かけに「触るな」と大きな声で話された。声をかけたのは男性職員。女性職員に替わると入浴された。
手が出る 状況/相手/当たった部位/前後の出来事 更衣介助で右腕を袖に通す際、職員Bの手の甲を左手で1回たたかれた。職員Bにけがなし。右腕を曲げると「痛い」と話された。
見えないものの訴え 本人の言葉/その場の様子/環境を変えた結果 「天井に虫がいる」と話され、指さした先は照明の影だった。照明を明るくすると訴えはなくなった。
夕方の変化 始まった時刻/行動/収まったきっかけ 15時30分ごろから「帰らなあかん」と繰り返し、かばんを持って座っていた。17時の夕食の配膳後は食事を始め、訴えはなくなった。
物を集める 何を/どこに/どのくらい/本人の言葉 居室の引き出しに、折りたたんだティッシュペーパーが約30枚入っていた。本人は「あとで使う」と話された。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

痛みの訴えの書き表し方(10項目)

観察する項目 書き表すときの言葉・単位 完成文
痛む場所 本人が指した・さすった部位 右ひざの内側を手でさすり「ここが痛い」と話された。
痛みの強さ 0〜10の数字で本人に尋ねる 数字で尋ねると「6くらい」。朝は「3」だった。
いつから 本人の言葉/記録で最初に出た日 「おとといから」と話された。記録では9月25日の夕方に初めて訴えがある。
どんなときに痛むか 動作/時間帯/痛まないとき 立ち上がるときと階段を下りるときに痛むと話された。座っているときは「痛くない」。
痛みの感じ方 ずきずき・じんじん・しくしく(本人の言葉のまま) 「じんじんする」と話された。
痛みで変わった動作 かばう/歩き方の変化 右足をかばい、左足に体重をかけて歩かれた。
言葉で伝えにくい方の痛み 表情/声/触れたときの反応 体位変換で右腰に手が触れると顔をしかめ、「うう」と声を出された。
痛み止めのあと 飲んだ時刻/何分後にどう変わったか 13時に看護職員Cが痛み止めを渡し、14時に尋ねると「さっきより楽」、数字は「3」。
伝えた相手 職種/時刻/返答 10時20分、看護職員Cへ報告。「午後の受診時に医師へ伝える」との返答。
痛みの訴えがない日 何を尋ねて何と答えたか/動作の様子 朝の声かけで膝の痛みを尋ねると「今日は大丈夫」と話され、トイレまで右足をかばわずに歩かれた。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

尊厳に配慮した言い換え|書き手の評価が入る語を事実の記述に直す(36組)

記録は、本人や家族が読むことも前提に書きます。「させる」「あげる」のような言葉や、行動にラベルを貼る言葉は、書き手と本人の上下関係や、書き手の評価をそのまま記録に残してしまいます。ここでは、本人を主語にする、行為は誰が何をしたかで書く、行動は名前ではなく中身を書くの3点で直しています。

介助・用品・動作を表す言葉(12組)

避けたい表現 事実の記述に直した完成文 直すときの考え方
「おむつ交換」 6時、排泄用品(テープ式)と尿取りパッドを交換。尿の濡れは手のひら約1枚分。 用品の名前で書き、交換したときの観察を添える
「食べさせた」 職員がスプーンで一口ずつ口元へ運び、主食8割・副食7割を召し上がった。 職員の行為と本人の行為を分けて書く
「寝かせた」 13時、本人が「横になりたい」と話され、職員の介助でベッドに横になられた。 本人の希望を先に書く
「座らせておいた」 14時から15時まで、本人の希望でホールのソファに座って過ごされ、その間に職員が3回声をかけた。 本人の希望と、その間の職員の関わりを書く
「トイレに行かせた」 10時、職員の声かけに「行く」と答えられ、歩行器でトイレへ移動された。 声かけへの本人の返答を書く
「風呂に入れた」 14時から14時25分、機械浴で入浴。湯温は本人の希望で39度。「ちょうどいい」と話された。 本人を主語にし、希望と言葉を残す
「着せた」 職員が上衣を広げて持ち、本人が右腕から袖を通された。ボタンは職員が留めた。 本人が行った部分と職員が行った部分を分ける
「歩かせた」 機能訓練の時間に本人と相談し、廊下を歩行器で2往復された。 誰と決めたかを書く
「止めさせた」 夕食前、居室で衣類をたたみ続けておられたので「ご飯ができました」と声をかけると、手を止めて食堂へ移動された。 職員が何と声をかけ、本人がどう応じたかを書く
「薬を管理している」 服薬は、1回分ずつ分けた袋を職員が保管し、食後に手渡している(本人・長女と話し合って決めた方法)。 誰が何をしているか、誰と決めたかを書く
「おむつ外し」 2時の巡回時、排泄用品のテープが外れ、ベッドの上に置かれていた。本人は「かゆい」と話された。臀部の皮膚に赤みはなかった。 行動の名前ではなく、見えた状況と本人の言葉を書く
「介護度が重い人」 利用者Aさんの移動は車いすで、立ち上がりと移乗は職員2名で介助している。 人をまとめて呼ばず、介助の中身を書く

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

行動・態度を評価してしまう言葉(12組)

避けたい表現 事実の記述に直した完成文 直すときの考え方
「暴力行為」 口腔ケアの際、職員Bの手を右手で強く押し返された。歯ブラシが奥歯に当たった直後だった。職員Bにけがなし。 何をしたか・直前に何があったか・けがの有無
「怒鳴った」 配膳がほかの席より後になった際、「わしのはまだか」と大きな声で2回話された。配膳すると食事を始められた。 何と言ったか・きっかけ・その後
「騒いでいた」 20時、居室から「おーい」と呼ぶ声が約5分続いた。訪室すると「電気が消せない」と話され、照明を消すと静かに休まれた。 聞こえた声・続いた時間・訪室して分かった理由
「弄便」 3時の巡回時、両手と掛け布団の一部に便が付いていた。排泄用品の中にも便あり。本人は「気持ち悪い」と話された。 見えた状況と本人の言葉だけを書く
「異食」 14時、手に持った消しゴムを口に入れようとされたので、職員が「こちらと交換しましょう」と声をかけ、せんべいと交換した。口の中に物は入っていなかった。 口に入れようとした物・職員の対応・口の中の確認
「作り話をする」 「今朝、息子が来た」と話された。面会簿では本日の来訪者はなし。本人の話を最後まで聞いた。 本人の言葉と、確かめた記録を並べる
「妄想」 「隣の人が私の悪口を言っている」と話された。隣の席の利用者はその間、別の利用者と天気の話をしていた。席を窓側へ移すと、訴えはなくなった。 本人の言葉・周りの実際・環境を変えた結果
「依存的」 更衣の際、ボタンを留める前に「やって」と職員に頼まれた。1つ目を職員が留めて見せると、2つ目からはご自分で留められた。 頼まれた内容と、どこから自分でできたか
「頑固」 散歩の誘いに「雨が降るから行かない」と話された。空は晴れていた。本人の考えを尊重し、窓際で外を眺めて過ごされた。 本人の言葉・状況・職員がどう対応したか
「訴えが多い」 9時から12時にナースコールが7回。内容は「時間を知りたい」4回、「のどが渇いた」2回、「背中がかゆい」1回。 回数と、訴えの中身ごとの内訳
「性的な言動」 入浴介助中、職員Bの腰に手を回し「ええ体しとるな」と話された。職員Bは手を外し、同性の職員に交代した。 何をして何と言ったか・職員の対応
「嘘をつく」 「薬はもう飲んだ」と話されたが、食卓の薬の袋は開いていなかった。一緒に袋を開けると内服された。 本人の言葉と、見えた事実を並べる

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呼び方・書き手の立場が出る言葉(12組)

避けたい表現 事実の記述に直した完成文 直すときの考え方
「おばあちゃんが喜んでいた」 利用者Aさんは、手紙を読み終えると「孫からや」と話され、封筒を胸ポケットに入れられた。 呼び方をそろえ、喜んだと分かる言葉と動作を書く
「Aちゃんがお手伝いしてくれた」 利用者Aさんが、昼食後のテーブル拭きを「私がやる」と話され、4つのテーブルを拭かれた。 親しみの呼び方を記録に持ち込まない
「爪を切ってあげた」 10時、本人の了承を得て、両手の爪を職員が切った。深爪なし。 「あげた」を外し、了承を得たことを書く
「言うことを聞かない」 着席をお願いしても、立ち上がりを3回繰り返された。「足がむずむずする」と話された。 頼んだ内容と、本人の行動・言葉を書く
「手がかかる」 夕食の介助に約40分かかった。一口ごとに飲み込みを確かめ、途中で2回休憩をはさんだ。 かかった時間と、その理由になった介助の中身
「文句を言う」 「今日のみそ汁は辛い」と話された。塩分は献立表どおり。お湯を少し足すと「これでいい」と飲まれた。 本人の言葉・確かめたこと・対応
「対応困難」 入浴の声かけに3日続けて応じられていない(9月25日〜27日)。本人は「知らん人の前で脱ぐのはいや」と話されている。担当者間で対応を話し合う予定。 何が何日続いているか・本人の理由・次の予定
「問題なく過ごす」 午前は新聞を読み、午後はホールの体操に参加された。昼食は主食10割。 職員から見た評価でなく、本人の過ごし方を書く
「おとなしく過ごす」 13時から15時、居室で編み物をして過ごされた。14時の訪室時「もうすぐ手袋ができる」と話された。 何をして過ごしたかと本人の言葉
「職員を困らせる」 22時から2時の間に、居室の照明を4回つけられた。訪室のたびに「朝かと思った」と話された。 行動の回数と、本人が話した理由
「指示に従わない」 水分の量について看護職員Cから説明を受けている中、15時にお茶を2杯(約300mL)飲まれた。「のどが乾いてしかたない」と話された。 説明した内容・実際の量・本人の言葉
「高齢のため歩行が不安定」 歩行時に体が左右に揺れ、10メートルで2回手すりをつかまれた。先月の記録では手すりをつかむ場面はなかった。 年齢で理由づけせず、見えた変化と比較を書く

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

家族・他職種とのやりとりの書き表し方|誰が・いつ・何を・どう答えたか

やりとりの記録で抜けやすいのは、相手が何と答えたかと次に誰が何をするかです。「説明した」「了承を得た」「調整した」は、行ったことだけを書いて、中身と相手の返答が残らない言葉です。まず入れる要素をそろえ、そのうえで言い換えの例を見てください。

やりとりの記録に入れる7つの要素(記入欄つき)

要素 書き方の例 抜けたときに起きること 貴事業所の決め(記入欄)
誰が 生活相談員E/介護職員B(職種と名前) 誰に確かめればよいか分からない (      )
誰と 長女/担当の介護支援専門員/看護職員C(続柄・職種・所属) 「家族」「ケアマネ」だけでは相手が特定できない (      )
いつ 9月27日15時(日付と時刻) 前後関係が分からず、次の連絡の起点が決まらない (      )
手段 電話/面会/連絡帳/送迎時の口頭 同じ内容を別の手段でもう一度伝えてしまう (      )
伝えた内容 1週間の主食の量(5〜7割)と、右ひじの赤み 何を伝えたのか後から確かめられない (      )
相手の返答 「家でも少なかった」(言葉のまま) 相手の考えが記録に残らない (      )
次の約束 翌日中に管理者Fが確認して電話する 誰も動かないまま日が過ぎる (      )

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家族とのやりとりの言い換え(12組)

避けたい表現 書き換えた完成文 足した要素
「家族に説明した」 9月27日15時、面会に来た長女へ、生活相談員Eが居室で最近1週間の食事量(主食5〜7割)を説明した。長女は「家でも少なかった」と話された。 誰が・場所・伝えた中身・返答
「家族の了承を得た」 9月26日10時、長男へ電話で、入浴を週2回から3回へ増やす案を生活相談員Eが伝え、長男より「それでお願いします」と返答あり。 手段・提案の中身・返答の言葉
「家族から苦情あり」 9月27日17時、長女より電話。「洗濯物に母のものでない肌着が入っていた」との内容。管理者Fが受け、翌日中に確認して連絡すると伝えた。 申し出の言葉・受けた人・次の約束
「面会あり」 14時から15時10分、長男夫婦が面会。居室で写真を見ながら話された。帰り際に長男より「最近痩せたように見える」との話あり。 時間・過ごし方・家族の言葉
「家族希望あり」 長女より「夜は2時間ごとに見てほしい」との希望(9月25日、連絡帳)。現在の巡回は3時間ごと。管理者Fへ報告し、9月28日の職員会議で話し合う予定。 希望の中身・現状・次の予定
「連絡帳で伝えた」 連絡帳に、本日の昼食量(主食8割)と右ひじに小さな赤みがあったことを書き、送迎時に次女へ手渡した。 書いた中身・渡した相手と場面
「家族と話し合った」 9月27日16時、次女と管理者F・介護職員Bで面談(30分)。話した内容は①夜間のトイレ ②短期入所の利用。次女の意見は「②は来月から考えたい」。 出席者・時間・話した項目・家族の意見
「家族は心配していた」 電話の中で長男より「転んだのは今月2回目ですよね」と確認あり。職員Bより、9月10日と本日の2回であることを伝えた。 家族の言葉・職員が答えた中身
「家族が持参」 9月27日、長女が冬用の上着2枚と靴下3足を持参。衣類に名前の記入あり。長女と一緒に確かめ、居室のタンス上段に入れた。 品目と数・確かめ方・しまった場所
「家族と連絡がとれない」 9月27日13時と15時に長男の携帯へ電話したが応答なし。13時の電話で、留守番電話に折り返しのお願いを残した。 かけた時刻・回数・残した伝言
「家族の意向を確認」 9月26日の面会時、長女に今後の過ごし方について尋ねると「できるだけ家で見たいが、夜が不安」と話された。 尋ねた場面と、家族の言葉のまま
「家族からの申し出」 本日の送迎時、次女より「今週金曜は通院のため休みます」との申し出。生活相談員Eへ伝え、利用予定を変更した。 申し出の言葉・伝えた相手・変えたこと

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看護職員・医師・他事業所とのやりとりの言い換え(12組)

避けたい表現 書き換えた完成文 足した要素
「看護師に相談した」 10時15分、看護職員Cへ左足首のくぼみ(指で押すと跡が残る)を伝え、「昼に確認する」との返答。12時10分に看護職員Cが確認した。 伝えた観察・返答・実際に確認した時刻
「医師の指示あり」 16時、看護職員Cより口頭で、主治医の指示として「今夜の入浴は中止、明朝に体温を測る」と伝えられた。 誰から誰を通じて・指示の言葉のまま
「ケアマネと調整した」 9月27日11時、担当の介護支援専門員へ電話し、10月の通所を週2回から3回に増やしたいという長女の希望を伝えた。介護支援専門員より「来週の訪問時に本人と話す」と返答あり。 伝えた希望とその出どころ・返答
「薬局に確認した」 14時、薬局へ電話し、昼食後の袋に錠剤が1錠多い件を問い合わせた。薬剤師より「本日から追加になった薬」と説明を受け、14時15分に看護職員Cへ伝えた。 問い合わせた中身・説明・伝えた先
「リハ職と共有」 11時、機能訓練指導員Dへ、本日の歩行時に右足のつま先が床にすれたこと(10メートルで3回)を口頭で伝えた。Dより「明日の訓練で確認する」と返答。 伝えた観察の数値・返答
「他事業所へ連絡済み」 9月27日17時、訪問介護事業所のサービス提供責任者へ電話し、本日の通所で右ひじに赤みがあったことを伝えた。「明朝の訪問時に確認する」と返答あり。 相手の事業所と職種・伝えた中身・返答
「栄養士に報告」 9月27日13時、管理栄養士Gへ1週間の主食量(5〜7割)と「ご飯が硬い」との本人の言葉を伝えた。Gより「明日から軟飯で試す」と返答。 期間と数値・本人の言葉・返答
「申し送りノートに記載」 申し送りノートに「0時と3時の巡回時にトイレの声かけ」と書き、17時の申し送りでも夜勤者へ口頭で伝えた。 書いた内容・口頭で伝えた相手と時刻
「受診結果を聞いた」 16時、通院に付き添った長女より電話で受診結果の連絡。医師より「湿布を1日1回貼る」とのこと。16時10分に看護職員Cへ伝えた。 誰から・医師の言葉として伝えられた内容・伝えた先
「病院から連絡あり」 11時、入院先の病院の地域連携の担当者より電話。退院は10月3日の予定との連絡。11時10分に管理者Fへ伝えた。 相手の部署・連絡の中身・伝えた先
「会議で決まった」 9月27日のサービス担当者会議で、夕方の歩行練習を週3回行うことが決まった(出席:本人・長女・介護支援専門員・機能訓練指導員D・生活相談員E)。 会議の日・決まった中身・出席者
「歯科に依頼」 9月27日10時、訪問歯科の歯科衛生士の訪問時に、「下の入れ歯が合わない」との本人の訴えを伝えた。衛生士より「次回、歯科医師と調整する」と返答。 伝えた本人の言葉・相手の返答

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時刻・数量・頻度の書き方の約束|事業所でそろえる表記(記入欄つき)

同じ「半分」でも、書く人によって茶碗の半分なのか、盛り付けの半分なのかが違います。数え方の約束を事業所でそろえておくと、日をまたいだ比較ができるようになります。右端の列に、自分の事業所での決めを書き込んでお使いください。

時刻・数量の書き表し方(14項目)

表すもの 避けたい書き方 書き方の例 貴事業所の決め(記入欄)
時刻 「朝方」「夕方ごろ」 6時15分(24時間の表記・分まで) (      )
時間の幅 「しばらく」 13時10分から13時50分(40分間) (      )
あとでまとめて書いた記録 時刻なしで1日分 記録の末尾に書いた時刻を添える(記載 17時30分) (      )
日付 「先日」「数日前」 9月24日(3日前) (      )
食事量 「半分くらい」「ほとんど」 主食5割・副食3割(10割を全量) (      )
水分量 「コップ1杯」 150mL(事業所のコップの容量を決めておく) (      )
尿・便の量 「多量」「少量」 手のひら大・親指大(大きさの目安を決めておく) (      )
大きさ 「小さな傷」 縦1センチ×横0.5センチ (      )
距離 「少し歩いた」 居室からトイレまで約8メートル (      )
痛みの強さ 「痛みが強い」 10のうち6(本人の答え) (      )
体温・血圧 「微熱」「高め」 37.2度(腋窩・13時05分) (      )
回数 「何回も」 9時から12時に7回 (      )
前回との比較 「悪化」「改善」 前回(9月20日)は5割、今回は8割 (      )
本人の言葉 要約して「帰りたいと訴え」 「家に帰らなあかん」と話された(言葉のまま「」で囲む) (      )

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

頻度を表す言葉の置き換え(12組)

避けたい表現 書き換えた完成文 置き換えの目安
「頻回」 18時から6時の間にナースコール9回(うち排泄の訴え6回)。 時間の幅と回数・内訳
「時々」 この1週間(9月21日〜27日)で、昼食中のむせは3日、各1回。 期間と日数・1日の回数
「たまに」 夜間の起き上がりは、9月1日から27日までで4回(記録上)。 期間と回数・何から数えたか
「しばしば」 午前中に「今日は何曜日」との質問が、本日は4回。 時間帯と回数
「いつも」 9月の入浴8回のうち7回、「寒い」と話された。 何回のうち何回か
「毎回」 9月の通所日8回すべてで、到着時に「今日は誰が来とる」と尋ねられた。 対象の回数とすべてであること
「ずっと」 13時から14時30分まで、テーブルの同じ場所を布巾で拭いておられた。 始まりと終わりの時刻
「最近」 9月20日ごろから、夕食の主食量が10割から5割に減っている(記録上)。 始まった日と変化の前後の値
「以前から」 7月の記録から右ひざの痛みの訴えがある(最初の記載は7月12日)。 最初に記録された日
「よく転ぶ」 9月に床へ座り込まれたのは2回(9月10日・9月27日)で、いずれも夕方、トイレへ向かう途中。 回数・日付・共通する場面
「繰り返し」 同じ質問を30分の間に5回。 時間の幅と回数
「連日」 9月25日から27日まで3日続けて、夜間2時台に起きてトイレへ行かれた。 日付の範囲と日数・時間帯

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例・良い例で見る1日分の通しの記録(利用者Aさん・通所介護の1日)

一覧の言い換えを、1日の流れに当てはめるとどうなるかを並べました。左は、忙しい日に書かれがちな一行、右は同じ場面をそのまま貼れる形に書き直したものです。右の列だけを上から読むと、その場にいなかった職員にもAさんの1日がたどれるようになっています。

時刻 悪い例(よくある一行) 良い例(そのまま貼れる完成文)
8時40分 「送迎。変わりなし」 8時40分、自宅玄関で長女より「ゆうべはトイレで2回起きた」と申し送りあり。玄関の3段の段差を、手すりにつかまり見守りで下りられた。
9時10分 「バイタル異常なし」 9時10分、体温36.5度、血圧126/74、脈拍70回/分。前回利用日(9月24日)は体温36.4度、血圧130/76。
9時30分 「水分摂取」 9時30分、ほうじ茶150mLを、ご自分でコップを持って飲まれた。
10時00分 「体操参加」 10時から10時20分の体操に参加。座ったまま腕を上げる動作は最後まで行い、足踏みは途中で「疲れた」と話されて休まれた。
10時30分 「入浴。機嫌よし」 10時30分から10時55分、一般浴。洗髪は職員、体の前側はご自分で洗われた。背中と臀部に赤みなし。「今日はぬるめがいい」と話され、湯温39度。
11時05分 「水分補給」 11時05分、入浴後にスポーツ飲料150mLを飲まれた。
11時30分 「脳トレ参加。楽しそう」 11時30分から11時50分、計算の問題10問のうち8問を解かれた。「昔は帳簿をつけとった」と話された。
12時00分 「昼食ほぼ全量」 12時から12時30分、主食9割、副食は肉じゃが10割・酢の物3割。酢の物は「すっぱいのは苦手」と話された。むせなし。
12時40分 「服薬済み」 12時40分、昼食後の薬2錠を看護職員Cが手渡し、コップの水で内服されたのを確認した。
12時50分 「歯磨き。問題なし」 12時50分、洗面台で歯みがき。下の奥歯は職員が仕上げみがきをした。出血なし。
13時10分 「排泄OK」 13時10分、声かけでトイレへ。歩行器で移動し、排尿あり。ズボンの上げ下ろしは手すりにつかまってご自分で行われた。
13時30分 「午睡」 13時30分から14時10分、ホールのリクライニングチェアで閉眼。14時10分の声かけで開眼された。
14時30分 「おやつ摂取」 14時30分、カステラ1切れとお茶150mLを召し上がった。
15時00分 「落ち着きなし」 15時、「バスまだ?」と3回尋ねられ、時計を見ながら座っておられた。帰りの時刻(16時)を紙に書いて渡すと、紙を手に持って待たれた。
15時50分 「帰宅準備」 15時50分、上着をご自分で着て、かばんの中身(眼鏡・財布)を職員と一緒に確かめた。
16時20分 「送迎。家族へ申し送り」 16時20分、自宅で長女へ、昼食の量、入浴時に皮膚の赤みがなかったこと、15時の様子を伝えた。長女より「夜は早めに休ませます」と返答。

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例に共通する抜けと、良い例で足したもの(8項目)

抜けているもの 悪い例に見られる形 良い例で足したもの
時刻 行為の名前だけで、いつ行ったか分からない 開始と終了の時刻、声をかけた時刻
数値 「ほぼ全量」「水分補給」 主食・副食の割合、飲んだ量(mL)、測った値
本人の言葉 書き手の印象(「楽しそう」「機嫌よし」) 「」で囲んだ本人の言葉
誰が何をしたか 「服薬済み」「入浴」 職員が行った部分と、本人が行った部分
前回との比較 「異常なし」「変わりなし」 前回利用日の値と今回の値
書き手の評価 「落ち着きなし」 行動の回数と、そのとき本人が話したこと
伝えた相手と返答 「家族へ申し送り」 伝えた相手・中身・相手の返答
関わった結果 行動を書いて終わる 職員が工夫したことと、そのあと本人がどうされたか

※上記は記録の書き方の一例として当社が作成した見本であり、各自治体・保険者の公式見解ではありません。記録の様式・表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

介護記録の表現についてよくある質問

言い換えの一覧を事業所で使うとき、どう共有すればよいですか?

一覧をそのまま配るより、自分の事業所の記録によく出る言葉を10個ほど選び、書き換えた完成文を職員どうしで作るほうが定着しやすくなります。作った表は、記録を書く場所の近くに置いておくと見返しやすくなります。表の右側に、自分たちの事業所での決めを書き足してお使いください。

本人の言葉は、方言のまま記録に書いてもよいですか?

本人の言葉は、話されたとおりに「」で囲んで書くと、そのときの様子が伝わりやすくなります。方言のままでは意味が通じにくいと思われるときは、「」のあとに( )で意味を添える書き方もあります。事業所の中で書き方をそろえておくと、読む人が迷いません。

認知症の方の行動を書くとき、「徘徊」や「帰宅願望」という言葉は使わないほうがよいですか?

これらの言葉は書き手の見方が入り、本人がなぜその行動をしたのかが記録から消えやすくなります。行動の時刻、どこからどこへ動いたか、本人が話した言葉、そのとき周りで起きていたことを書くと、次の対応を考える手がかりが残ります。事業所で使う言葉をどうするかは、職員で話し合って決めてください。

数値で測れない観察は、どう書けばよいですか?

身近なものの大きさ(手のひら大・親指大)、前回との比較、何回のうち何回、といった形にすると、測る道具がなくても読む人が同じ場面を思い浮かべやすくなります。比べるときの目安を事業所で決めておくと、書く人によるばらつきが減ります。

本ページについて

本ページの言い換え・書き表し方・記録例は、介護記録の書き方の見本として当社が作成したものです。特定の自治体・保険者の公表資料を引用したものではなく、公式見解ではありません。

記録の様式や表記のルールは事業所の定めに従い、運営指導での取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

文末・語尾のそろえ方|事実・推測・伝聞を書き分ける言い換え(36組と決め12項目)

ここまでの一覧は、主に「何を書くか」を言い換えてきました。ここでは「どう言い切るか」、つまり文の終わり方を扱います。同じ観察でも、「〜した」「〜と思われる」「〜とのこと」のどれで終えるかで、読む人が受け取る確かさが変わります。書き手が見たこと、書き手が考えたこと、ほかの人から聞いたことが同じ語尾で並ぶと、あとから読む人は区別がつきません。

下の表は、文末を3つの型に分けて直しています。1つめは見た・聞いた・測ったことを「〜した」「〜と話された」で言い切る型、2つめは書き手の考えを「(職員Bの見立て)」のように出どころをつけて分けて書く型、3つめは人から聞いた内容を「誰から・いつ・どの手段で」とセットにする型です。完成文の数値や名前は、場面に合わせて差し替えてお使いください。

推測が事実に見えてしまう語尾(12組)

避けたい書き方 事実と考えを分けた完成文 分けたところ
「夜眠れなかったと思われる」 22時、1時、3時の巡回時、いずれも開眼してベッドに座っておられた。朝食時に「ゆうべは寝とらん」と話された。 巡回の時刻と見えた様子、本人の言葉だけを残し、推測の語尾を外した
「便秘気味の様子」 最後の排便は10月8日の朝で、本日10月11日で4日目。昼食後に下腹部をさすり「お腹が張る」と話された。 日数と本人の言葉に置き換え、「気味」「様子」を外した
「痛みがあるようだ」 立ち上がる際に右ひざを手で押さえ、顔をしかめられた。痛むか尋ねると「少し」と答えられた。 動作・表情・本人の答えで書き、「ようだ」を使わない
「寒かったのだろう、布団をかぶっていた」 6時の訪室時、掛け布団を頭までかぶっておられた。室温20度。声をかけると「寒い」と話された。 書き手の理由づけを外し、室温と本人の言葉を並べた
「家族と何かあったらしい」 面会後の15時、居室で「もう来んでええって言うた」と話された。面会時のやりとりは職員は見ていない。 本人の言葉と、職員が見ていない範囲を書いた
「食欲がないと思われる」 昼食は主食3割・副食2割。箸を持つまでに約5分かかり、「今は入らん」と話された。 量・時間・本人の言葉に置き換えた
「体調不良か」 10時の体温37.4度(腋窩)。いつもは自分から始める新聞を読まず、ソファで閉眼して過ごされた。10時10分、看護職員Cへ報告。 測った値と普段との違い、報告先を書き、問いかけの語尾を外した
「理解されていない様子」 入浴の時間を2回説明したが、5分後に「お風呂はいつ」と尋ねられた。紙に「14時 お風呂」と書いて渡すと、紙を見て「ああ」と話された。 説明した回数と、そのあとの本人の言葉・反応を書いた
「嫌がっていると思う」 歯みがきの声かけに首を横に振り、口を閉じられた。10分後に歯ブラシを手渡すと、ご自分で前歯をみがかれた。 見えた動作と、時間をおいた結果を書いた
「転倒の危険が高い」 本日、立ち上がり直後に体が前へ傾く場面が3回(9時・11時・15時)。いずれも手すりをつかんで姿勢を戻された。(職員Bの見立て:夕方の移動時に付き添いを増やしたい) 回数と時刻を事実として書き、考えは出どころをつけて分けた
「寂しさからナースコールが多いと考えられる」 19時から22時にナースコールが6回。内容は「誰かおる?」4回、「水がほしい」2回。訪室して隣に座ると、約10分で閉眼された。(職員Bの見立て:夜の始めに一度声をかけると回数が変わるか試したい) 回数と内訳を事実、理由の考えは見立てとして分けた
「おそらく誤って飲み込んだ」 13時、手に持っていたボタン(直径約1センチ)が見当たらなくなった。床・衣類・口の中を確かめたが見つからない。13時05分、看護職員Cへ報告し、看護職員Cが口の中を確認した。 「おそらく」を外し、見当たらない事実と確かめた範囲、報告を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

出どころが消える伝聞の書き方(12組)

「〜とのこと」「〜らしい」で終わる文は、誰がいつ言ったのかが消えやすい書き方です。伝聞は、誰から・いつ・どの手段で聞いたかを文の頭に置き、聞いた内容は「」で囲むと、書き手の観察と混ざりません。

避けたい書き方 出どころをつけた完成文 つけた要素
「夜間トイレ2回とのこと」 8時40分の送迎時、長女より口頭で「ゆうべはトイレで2回起きた」と伺った。 誰から・いつ・手段・言葉のまま
「昨日転んだらしい」 9時、送迎時に長男より「きのうの夕方、台所で尻もちをついた」と伺った。本人に尋ねると「ちょっと座っただけ」と話された。痛む場所はないと答えられた。 家族の言葉と本人の言葉を分けて並べた
「薬が変わったそうです」 10月10日、連絡帳に長女の字で「10月9日の受診で、夕食後の薬が1種類増えました」と記載あり。看護職員Cへ連絡帳を見せて伝えた。 書かれていた媒体・書いた人・伝えた先
「医師から安静との指示」 16時、看護職員Cより口頭で、主治医から電話で受けた指示として「明日まで入浴は中止」と伝えられた。 指示が誰から誰を経て届いたか
「夜勤者より、不眠あり」 7時の申し送りで夜勤の職員Hより「1時から4時まで、ベッドに座って起きておられた」と報告あり。 申し送りの時刻・伝えた職員・内容
「ケアマネより来月から週3回とのこと」 10月11日11時、担当の介護支援専門員より電話。「11月から通所を週3回にする方向で、本人と長女に話している」との内容。生活相談員Eが受けた。 相手・時刻・内容・受けた人
「本人が足が痛いと言っていたらしい」 昼食後、職員Bより口頭で「入浴前に右足首が痛いと話された」と伝えられた。14時に本人へ尋ねると「歩くと痛い」と話された。 ほかの職員から聞いた内容と、自分で確かめた内容を分けた
「家ではよく食べているそうだ」 送迎時、次女より「家では夕飯をご飯1杯食べている」と伺った。当日の通所での昼食は主食5割。 家族の話と、事業所で見た量を並べた
「病院では問題なかったとのこと」 16時、受診に付き添った長女より電話。「先生から骨は折れていないと言われた」とのこと(長女の言葉のまま)。16時10分、看護職員Cへ伝えた。 言葉のまま「」で残し、誰の言葉かを示した
「前の施設でも同じだった」 入所時の情報提供書(10月1日付・前施設の生活相談員作成)に「夕方に帰宅の訴えあり」と記載がある。 書類の名前・日付・作成者
「訪問介護さんより特に変わりなし」 10月11日9時、訪問介護事業所のサービス提供責任者より電話。「朝の訪問時、朝食は半分、着替えは手伝いで済んだ」との内容。 「変わりなし」を伝えられた中身に置き換えた
「職員間で、最近元気がないと話が出ている」 10月10日の職員会議で、職員B・職員Hから「この1週間、午後の体操に3回参加されなかった」と報告があった(会議の記録に記載)。 誰が・どの場で・何を根拠に話したか

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

敬語と主語がゆれる文末(12組)

1つの記録の中で「された」「した」「していた」「されていました」が混ざると、誰の行為か、いつのことかが読み取りにくくなります。下の完成文は、本人の行為は「〜された」、職員の行為は「〜した」、時制は過去形でそろえる例です。どの敬語を使うかは事業所で決めてかまいませんが、1つの記録の中ではそろえます。

避けたい書き方 そろえた完成文 そろえたところ
「食事を食べていただきました。完食。」 昼食は主食・副食とも10割を召し上がった。 敬体と体言止めの混在をやめ、本人の行為を「召し上がった」でそろえた
「入浴される。洗身介助する。」 14時、入浴された。背中と足先は職員Bが洗った。 現在形を過去形にし、本人と職員の行為を分けた
「トイレ誘導。排尿ありました。」 10時、職員Bの声かけでトイレへ移動され、排尿があった。 名詞の羅列と敬体を1文にまとめた
「声かけするも、拒否される。」 10時、更衣の声かけをすると「あとで」と話され、着替えはされなかった。 「するも」「拒否」を外し、本人の言葉と結果で書いた
「歩行器にて歩行してもらう」 居室から食堂まで約15メートルを、歩行器で歩かれた。職員Bは右後ろで見守った。 「してもらう」をやめ、本人を主語にした
「薬を飲ませる」 8時、職員Bが朝食後の薬を手渡し、本人がコップの水で飲まれたのを確認した。 職員の行為と本人の行為を分け、確認したことを書いた
「本人様が〜とおっしゃられた」 利用者Aさんは「今日は寒いね」と話された。 二重の敬語をやめ、呼び方を事業所の決めにそろえた
「〜と言っていた。〜と話された。〜とのことです。」 朝食時「足が冷たい」と話された。昼食時にも「靴下がほしい」と話された。 本人の言葉を受ける語尾を1つにそろえた
「朝はふらつく。昼はふらつきなし。」 7時の立ち上がりでは体が左へ傾き、職員が左腕を支えた。12時の立ち上がりでは傾きはなく、ご自分で歩き出された。 時制と、時刻ごとの比較をそろえた
「今日もいつも通りレクに参加」 10月11日、14時からの書道に参加され、「秋」の字を3枚書かれた。 「今日も」「いつも通り」を外し、その日の事実だけにした
「〜していた模様」 15時の訪室時、居室で洗濯物をたたんでおられた。 「模様」を外し、見た時刻と行為で言い切った
「〜しようとするので止める」 16時、玄関の靴をはこうとされたので、職員Bが「お茶を入れました」と声をかけると、靴を置いてホールへ戻られた。 「止める」を職員の声かけの中身と本人の動きに置き換えた

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

事業所でそろえる文末の決め(記入欄つき・12項目)

文末の決めは、職員の書き方の好みに任せるとそろいません。下の12項目を職員会議で1つずつ決め、右端に書き込んでおくと、新しく入った職員にもそのまま渡せます。

決めること 迷いやすい例 決め方の例 貴事業所の決め(記入欄)
本人の行為の敬語 「された」「した」「なさった」 本人の行為は「〜された」にそろえる (      )
職員の行為の書き方 「させていただいた」「行う」 職員の行為は「〜した」で書く (      )
時制 現在形と過去形の混在 記録は過去形でそろえる(予定は「〜の予定」) (      )
本人の言葉の受け方 「と言う」「とおっしゃる」「と話す」 「」で囲み「〜と話された」で受ける (      )
書き手の考え 「〜と思われる」「〜のようだ」 事実の文と分け、「(職員◯の見立て)」と出どころをつける (      )
伝聞 「〜とのこと」「〜らしい」 「誰より・いつ・手段」を文頭に置く (      )
体言止め 「入浴。排尿あり。」 体言止めは時刻と値の記入だけに使い、様子は文で書く (      )
呼び方 「本人様」「◯◯さん」「Aちゃん」 記録上の呼び方を1つに決める (      )
職員の書き方 「私」「当職」「自分」 職種と名前(または職員番号)で書く (      )
あとから書き足すとき 本文の途中に書き足す 書き足した日時と書いた人を末尾に添える (      )
「なし」で終える欄 「特記なし」「変わりなし」 何を確かめて「なし」なのかを1つ添える (      )
疑問の形 「〜か?」「〜かも」 疑問の形で終えず、確かめた範囲と報告先を書く (      )

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

医学的な判断に聞こえる言葉の言い換え|介護職員が見たままを書く36組

介護職員の記録に「脱水」「誤嚥」「褥瘡」「せん妄」などの言葉が入ると、読む人はそれを診断の結果と受け取ることがあります。判断するのは医師や看護職員の役割で、介護職員の記録に残してほしいのは、その判断の材料になる観察です。見えたこと・聞こえたこと・測った値・本人の言葉を書き、誰に伝えたかまでを1つの記録に入れます。

完成文に出てくる体温・血圧などの値は、書き方を示すための例です。どの値で誰に連絡するかは、事業所のマニュアルと主治医の指示に沿ってください。

病名・症状名で体の状態をまとめてしまう言葉(12組)

避けたい書き方 観察で書いた完成文 書き残す観察
「脱水気味」 9時から15時の水分は合計350mL。唇が乾いて白くなり、15時の排尿は濃い黄色で少量。15時10分、看護職員Cへ報告。 水分の合計・唇・尿の色と量・報告先
「風邪をひいた」 朝から鼻水が出て、午前中にティッシュを約10枚使われた。10時の体温36.9度。「のどがいがいがする」と話された。 症状の中身・測った値・本人の言葉
「肺炎かもしれない」 昼食後から湿った咳が続き、14時までに8回。14時の体温37.6度、呼吸数22回/分。14時05分、看護職員Cへ報告し、看護職員Cが確認した。 咳の回数と音・測った値・報告と確認
「便秘」 最後の排便は10月7日。本日で5日目。腹部を触ると「張っとる」と話され、昼食は主食4割。 最後の排便日・本人の言葉・食事量
「下痢」 10時と11時30分に、泥のような便が各1回、量は手のひら大。便の色は茶色。11時40分、看護職員Cへ報告。 時刻・形・量・色・報告先
「貧血っぽい」 入浴後に立ち上がった際、「目の前が白くなる」と話され、椅子に座って約2分休まれた。顔色は両頬の赤みがなく、普段より白っぽく見えた。 本人の言葉・休んだ時間・顔色の普段との違い
「むくみ悪化」 両足首の周りを指で約5秒押すと跡が残り、跡が戻るまで約10秒。10月4日の記録では約3秒。靴が「きつい」と話された。 押した跡と戻るまでの時間・前回との比較・本人の言葉
「尿路感染の疑い」 本日、トイレの回数が日中で9回(前日は6回)。尿は濁りがあり、普段より強いにおい。「おしっこのとき、しみる」と話された。 回数の比較・尿の見た目とにおい・本人の言葉
「熱発」 13時の体温37.8度(腋窩)、9時は36.6度。額に汗、「寒い」と話され、肩をふるわせていた。13時05分、看護職員Cへ報告。 測った値と時刻・朝の値・体の様子・報告先
「高血圧」 9時の血圧168/92、測り直した9時10分は162/90(右腕・座位)。前回利用日は134/80。頭痛の訴えはない。9時15分、看護職員Cへ報告。 測った値・測り直した値・測った条件・前回値
「低血糖症状」 10時40分、手のふるえと額の汗があり、「なんか気持ち悪い」と話された。朝食は主食2割。10時42分、看護職員Cへ報告し、看護職員Cが対応した。 見えた様子・本人の言葉・朝食量・報告と対応
「脳梗塞の前ぶれかも」 11時、会話中に言葉がもつれ、湯のみを右手から落とされた。笑うと口の右側が上がらなかった。11時01分、看護職員Cへ報告し、事業所の手順に沿って連絡した。 言葉・手の動き・顔の左右差・報告の時刻

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

意識・反応・飲み込みの程度をまとめる言葉(12組)

避けたい書き方 観察で書いた完成文 書き残す観察
「意識レベル低下」 10時、名前を呼んでも開眼されず、肩をたたいて呼ぶと開眼して「なに」と答えられた。いつもは呼びかけ1回で開眼される。10時02分、看護職員Cへ報告。 どの呼びかけで反応したか・普段との違い
「傾眠傾向」 9時から12時のうち、ホールで閉眼していた時間は合計約2時間。話しかけると開眼し会話は続くが、約1分でまた閉眼された。 閉眼していた時間の合計・話しかけたときの反応
「せん妄」 19時ごろから「ここはどこ」「早く帰らな」と繰り返し、ベッドから起き上がる動作が30分で5回。日中は会話がかみ合っていた。19時40分、看護職員Cへ報告。 始まった時刻・言葉・動作の回数・日中との違い
「認知症が進んだ」 この2週間で、昼食後に「お昼まだ?」と尋ねられた日が5日(記録上)。9月は同じ質問の記録はない。 期間と日数・以前の記録との比較
「うつ状態」 この1週間、午後のレクリエーションへの参加はなく、居室で横になって過ごされた。「何をしてもつまらん」と2回話された。 期間・過ごし方・本人の言葉と回数
「失語がある」 「あれ、あれ」と話されて湯のみを指さされた。職員が「お茶ですか」と尋ねるとうなずかれた。 言葉が出ない様子と、伝わった方法
「誤嚥した」 12時10分、みそ汁を飲んだ直後にむせ、咳き込みが約30秒続いた。咳のあとの声はかすれていた。12時12分、看護職員Cへ報告。 むせた品目・咳の続いた時間・声の変化・報告
「嚥下機能低下」 本日の昼食で、むせは3回(汁物2回・お茶1回)。前月の記録では昼食中のむせは週1回程度。食事時間は45分(前月は約30分)。 むせの回数と品目・前月との比較・食事時間
「むせ込みあり」 12時15分、ご飯を飲み込んだあとに2回咳き込み、約10秒で治まった。以降は一口の量を小さくして召し上がった。 いつ・何で・何回・治まるまで・工夫
「口腔内汚染」 夕食後、上の入れ歯の内側に食べかすが付き、舌の表面が白っぽかった。職員Bが入れ歯を洗い、舌を清拭した。 見えた場所と様子・職員が行ったこと
「呼吸苦あり」 トイレから戻った10時、ベッドに座って肩で息をされ、「苦しい」と話された。呼吸数26回/分、経皮的動脈血酸素飽和度92%。10時02分、看護職員Cへ報告。 動作のあと・本人の言葉・測った値・報告
「反応鈍い」 話しかけてから返答まで約5秒かかり、答えは「うん」のみ。前日は質問に文で答えておられた。 返答までの時間・答えの長さ・前日との比較

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

服薬・処置・皮膚の場面で判断を含む言葉(12組)

避けたい書き方 観察で書いた完成文 書き残す観察
「褥瘡あり」 入浴時、仙骨部に縦2センチ×横3センチの赤みがあり、指で押しても白くならなかった。中央に皮むけ(直径約5ミリ)。14時20分、看護職員Cへ報告。 部位・大きさ・押したときの変化・皮むけ・報告
「皮膚トラブル」 右の脇の下に、縦4センチ×横2センチの赤みと湿り。かゆみの訴えはない。入浴後、看護職員Cが確認した。 部位・大きさ・湿り・本人の訴え・確認した人
「内出血」 左の前腕の外側に直径約2センチの青紫色のあざ。本人は「覚えとらん」と話された。前回入浴時(10月8日)の記録に記載なし。 部位・大きさ・色・本人の言葉・前回の記録
「薬の副作用が出ている」 10月9日から夕食後の薬が1種類増えている(連絡帳より)。10月10日と11日の朝、立ち上がり時にふらつきがあり、職員が腕を支えた。看護職員Cへ報告。 薬が変わった日と出どころ・その後の様子・報告
「薬が効いていない」 13時に痛み止めを看護職員Cが渡した。14時に尋ねると、痛みは「10のうち6」、内服前も「6」。看護職員Cへ伝えた。 内服の時刻・前後の本人の答え・伝えた先
「服薬確認済み」 12時40分、昼食後の薬(袋に2錠)を職員Bが手渡し、本人が水で飲まれたのを見届けた。袋は空。 時刻・薬の数・飲み込むまで見たか・袋の確認
「湿布貼付」 9時、看護職員Cの指示で、右ひざの内側に湿布1枚を職員Bが貼った。貼る前の皮膚に赤みはなかった。 指示した人・部位・枚数・貼る前の皮膚
「軟膏処置」 入浴後、両すねに保湿の塗り薬を職員Bが塗った(看護職員Cの指示による)。塗る前に粉をふいた状態を確認。 指示・塗った部位・塗る前の状態
「爪が悪い」 右足の親指の爪が厚く黄色く濁り、端が皮膚にくいこんでいる。歩くと「ここが痛い」と指された。看護職員Cへ報告。 爪の厚さと色・くいこみ・本人の訴え
「浮腫に対し足挙上」 14時から30分、ソファで両足をクッションにのせて過ごされた。足をのせる前と後に、足首を押した跡を確かめ、いずれも跡が残った。 行ったことと時間・前後の観察
「吸引した」 (介護職員が書く場合)10時、喉からゴロゴロという音が聞こえ、看護職員Cへ伝えた。看護職員Cが対応し、10時10分には音が小さくなっていた。 介護職員が見た音と伝えた時刻・その後の様子
「経過観察とする」 左足首のくぼみについて、看護職員Cより「夕方にもう一度押して跡を見る」と指示あり。17時に職員Bが確かめ、跡は残っていた。17時05分、看護職員Cへ伝えた。 次に何をいつ見るか・見た結果・伝えた先

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

見ていない場面の書き表し方|発見・事故・ヒヤリハットの言い換え30組

事故の記録でいちばん起きやすいのは、見ていないことを見たように書いてしまうことです。「転倒した」と書くと、転ぶ瞬間を誰かが見ていたように読めます。実際には「床に座っているところを見つけた」のであれば、その通りに書きます。見ていない部分は「見ていない」と書いてかまいません。そのほうが、あとで原因を考えるときに判断を誤りにくくなります。

もう1つは、原因や責任を書き手が決めてしまうことです。「本人の不注意」「職員の確認不足」と書いても、次に何を変えるかは記録に残りません。起きた場面の事実と、あとで話し合って決めた対策を分けて書きます。

発見した場面を「起きたこと」と書いてしまう言葉(10組)

避けたい書き方 見たままを書いた完成文 書き分けたところ
「居室で転倒」 2時10分の巡回時、居室のベッド脇の床に、右を下にして横になっておられるのを職員Hが見つけた。床に倒れるまでの場面は見ていない。前回の巡回(1時)はベッド上で閉眼。 見つけた時刻と姿勢・見ていない範囲・最後に見た時刻
「トイレで転んだ」 14時20分、トイレ内から「おーい」と呼ぶ声があり、職員Bが入ると便座の前の床に座っておられた。ズボンは膝まで下りていた。 気づいたきっかけ・入ったときの姿勢と衣類
「ベッドから転落」 5時の巡回時、ベッドの柵の外側の床に、掛け布団と一緒に座っておられた。ベッドの高さは最も低い位置、柵は2本とも付いていた。 見つけた位置・ベッドと柵の状態
「車いすからずり落ちた」 15時、ホールで車いすの前の床に、両膝を立てて座っておられるのを職員Bが見つけた。車いすのブレーキは左右ともかかっていた。 見つけた姿勢・車いすの状態
「自分で立って転んだ」 職員Bが隣のテーブルで配膳していた12時05分、物音がして振り向くと、椅子の横の床に座っておられた。立ち上がる場面は見ていない。本人は「立とうとした」と話された。 振り向いたきっかけ・見ていない範囲・本人の言葉
「頭を打った」 本人に尋ねると「頭は打っとらん」と話された。後頭部を見て触れると、こぶや出血はなかった。打ったかどうかを見た職員はいない。 本人の答え・確かめた部位と結果・見た人がいないこと
「ずっと床にいたと思われる」 最後に姿を見たのは1時の巡回時(ベッド上)。見つけたのは2時10分。その間の様子は分からない。 最後に見た時刻と見つけた時刻の両方を書いた
「誤薬」 8時10分、利用者Aさんの席に、別の利用者の名前が書かれた薬の袋が置かれているのを職員Bが見つけた。袋は開いていなかった。本人が飲んだかどうかは、袋の中の錠数(3錠のまま)で確かめた。 見つけた物・袋の状態・飲んでいないと分かった根拠
「異物を口に入れた」 14時、手に持っていた消しゴムが半分の大きさになっているのを職員Bが見つけた。口の中を確かめると、消しゴムのかけらはなかった。14時02分、看護職員Cへ報告。 見つけた物の変化・確かめた範囲・報告
「離設」 16時10分、ホールに姿が見えないことに職員Bが気づいた。最後に見たのは15時50分(ホールのソファ)。16時25分、玄関から約100メートル先の公園のベンチに座っておられるのを職員Hが見つけた。 気づいた時刻・最後に見た時刻と場所・見つけた場所と時刻

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

原因や責任を決めつける言葉(10組)

避けたい書き方 事実と対策を分けた完成文 分けたところ
「本人の不注意により転倒」 スリッパのかかとが踏まれた状態で、片方は居室の入口に脱げていた。(10月12日の検討で決めた対策:夜間はかかとのある靴を枕元に置く) 見えた物の状態と、話し合って決めた対策
「職員の確認不足」 配薬は、職員Bが薬の袋を手に取ってから席に置くまでに、名前の読み上げをしていなかった(職員Bの申告)。(検討で決めた対策:置く前に本人の前で名前を読み上げる) 何をしていなかったかの事実と、誰の申告か
「不穏による転倒」 20時から「帰る」と話され、30分で5回立ち上がられた。その5回目の立ち上がりのあとに、床に座っておられるのを職員Hが見つけた。 ラベルを外し、直前の言葉と動作の回数を書いた
「床が濡れていたため」 見つけたとき、ベッド脇の床に直径約30センチの水たまりがあった。枕元のコップは倒れていた。 原因の断定をやめ、見えた物の状態を並べた
「注意したが聞かなかった」 9時と11時に「立つときは呼んでください」と伝え、本人は「わかった」と答えられた。13時、呼ばずに立ち上がられた。 伝えた時刻と言葉・本人の返答・その後の行動
「よく注意するよう指導した」 10月12日の職員会議で、トイレ前の移動時に職員が付き添う時間帯を18時〜21時と決めた(出席:管理者F・職員B・職員H)。 「注意する」を、決めた中身・時間帯・出席者に置き換えた
「避けられない事故だった」 職員Bは隣の利用者の食事介助中で、利用者Aさんとの距離は約2メートルだった。立ち上がる場面は見ていない。 評価をやめ、そのときの職員の位置と状況を書いた
「家族も了承済みなので問題なし」 16時、長男へ電話で転倒の場面と、本日の受診の結果を伝えた。長男より「分かりました。今後の対策を教えてください」と返答あり。 伝えた内容と家族の言葉のまま
「認知症のため説明が理解できない」 ナースコールの使い方を説明し、一緒に押してもらった。30分後に尋ねると「そんなのあったかね」と話された。 説明した方法と、そのあとの本人の言葉
「高齢なので仕方ない」 この1か月で床に座り込まれたのは3回(9月14日・9月29日・10月11日)。いずれも夕方、トイレへ向かう途中。 年齢での理由づけをやめ、回数と共通点を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

事故のあとの対応・連絡をぼかす言葉(10組)

避けたい書き方 対応を書いた完成文 入れた要素
「すぐに対応した」 2時10分に見つけ、2時12分に夜勤の職員Hがオンコールの看護職員Cへ電話。2時30分、看護職員Cが到着した。 見つけた時刻・連絡の時刻と相手・到着時刻
「バイタル異常なし」 2時15分、体温36.4度、血圧138/80、脈拍76回/分。本人は「腰が少し痛い」と話された。 測った値と時刻・本人の訴え
「外傷なし」 頭・顔・両腕・両足・背中を見て触れ、こぶ・出血・腫れは見られなかった。右腰を触ると「そこ痛い」と話された。 確かめた部位と、見られたもの・本人の反応
「家族へ連絡済み」 7時30分、長女の携帯へ電話。夜間に床に座っておられた場面、確かめた部位、看護職員Cの対応を管理者Fが伝えた。長女より「今日は様子を見てください」と返答。 時刻・相手・伝えた人・伝えた中身・返答
「ケアマネに報告」 10月12日9時、担当の介護支援専門員へ電話で、本日2時10分の場面と、受診の予定を伝えた。介護支援専門員より「午後に訪問する」と返答。 相手・時刻・伝えた中身・返答
「様子観察」 2時30分から6時まで、30分ごとに訪室し、閉眼して寝息があることを確かめた(2時30分・3時・3時30分…6時の8回)。 何を・何分ごとに・何回見たか
「受診した」 10時、長女の付き添いで整形外科を受診。長女より「骨には異常なしと言われた」と電話あり(11時30分)。 受診先・付き添い・結果を伝えた人と時刻
「事故報告書作成済み」 10月12日、管理者Fが事故報告書を作成し、同日の職員会議で内容を確認した。保険者への報告は、指定を受けた保険者の基準に沿って管理者Fが判断する。 作成した人・日付・確認の場・保険者への報告の扱い
「再発防止に努める」 10月12日の会議で、①夜間はベッド脇に足元灯をつける ②0時と3時にトイレの声かけをする、の2点を決めた。10月19日に続けた結果を確認する。 決めた対策の中身と、見直す日
「ヒヤリハットあり」 11時05分、食堂で椅子から立ち上がる際にテーブルの角に手をつき、体が右へ傾いたが、職員Bが右腕を支えて立ち直った。床に体はついていない。 時刻・場所・体の向き・誰がどう支えたか

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

ご家族が読む前提の書き方|連絡帳・記録を見せる場面の言い換え24組と公表資料の指摘7件

介護記録は、ご家族が読むことがあります。連絡帳のように毎日読まれるものもあれば、ご家族から記録を見たいと申し出があったときに読まれるものもあります。職員どうしでは通じる略し方や評価の言葉も、ご家族には「何があったのか分からない」「責められている」と受け取られることがあります。

ここでの言い換えは、ご家族向けに言葉をやわらげるためのものではありません。起きたことを省かずに、ご家族が同じ場面を思い浮かべられる言葉で書くための一覧です。記録を見せる手続きそのものは、事業所の規程に沿って進めてください。

連絡帳で心配や誤解を招きやすい表現(12組)

避けたい書き方 ご家族に伝わる完成文 伝わるように足したもの
「今日は不穏でした」 15時ごろから「家に帰らな」と何度か話され、玄関の近くで過ごされました。16時に一緒にお茶を飲むと、帰りの車まで落ち着いて待たれました。 ラベルの代わりに、言葉・場所・落ち着いたきっかけ
「食事拒否あり」 昼食は「お腹がいっぱい」とおっしゃり、主食を2割召し上がりました。15時のおやつのどら焼きは1個召し上がっています。 本人の言葉・量・ほかの時間に食べた物
「入浴できませんでした」 本日は「寒いから」とお風呂を見送られました。かわりに、昼食後に足だけお湯で洗いました。次回のお風呂は10月15日の予定です。 理由・かわりに行ったこと・次の予定
「転倒しました。ケガなし」 11時、ホールで椅子から立ち上がった際に床に座り込まれました。職員がその場で体を見て、こぶ・出血はありませんでした。右ひざに少し赤みがあります。看護職員が確認しています。 時刻・場所・確かめた部位・残っている赤み・誰が確認したか
「排便なし。下剤検討」 最後のお通じは10月8日の朝です。本日でお通じがない日が4日目になり、看護職員に伝えています。ご自宅でお通じがあった場合は、連絡帳でお知らせください。 日数・伝えた先・ご家族にお願いしたいこと
「元気なし」 午前の体操はいつもより早く「疲れた」とおっしゃり、途中から座って見ておられました。体温は36.5度でした。 何がいつもと違ったか・測った値
「問題行動なし」 本日は午前に書道、午後は他の方と将棋をして過ごされました。 評価の言葉をやめ、その日の過ごし方を書いた
「様子見です」 左足首のむくみについて、看護職員が夕方にもう一度確かめます。明日の朝の様子を連絡帳でお知らせいただけると助かります。 何を・誰が・いつ見るか・ご家族へのお願い
「Bt37.3、SpO2 96」 13時の体温は37.3度で、朝(36.6度)より高めでした。看護職員が確認し、15時に測り直すと36.9度でした。 略語を書き下ろし、朝との比較と測り直しの結果
「爪切り拒否されたので未実施」 爪切りは「今日はいい」とおっしゃったので、本日は見送りました。手の爪が少し伸びています。次回のご利用日にもう一度お声かけします。 本人の言葉・今の状態・次回の予定
「ご家族の協力をお願いします」 ご自宅でのお水の量を知りたいので、朝起きてから送迎までに飲まれた量を、コップで何杯か連絡帳に書いていただけますか。 お願いしたいことの中身と書き方
「特に変わりありません」 昼食は主食・副食ともに全部召し上がり、午後は歌の時間に「りんごの唄」を歌われました。お帰りの際「また来るね」とおっしゃいました。 「変わりなし」を、その日の具体的な場面に置き換えた

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

ご家族から記録を見たいと言われたときに見直したい表現(12組)

申し出を受けてから慌てて見直すのではなく、記録はあとから読まれるものとして、毎日の記入の時点で次のような言葉を避けておきます。すでに書いた記録を直すときは、元の記述を消さずに、訂正した日時と訂正した人を残す方法で行います。

見直したい書き方 あとから読まれても伝わる完成文 見直すときの考え方
「わがまま」 夕食のおかずについて「煮物は甘いのがいい」と話された。厨房へ伝え、次回から味付けを相談することになった。 評価の言葉を、本人の希望とその後の対応に置き換える
「家族の面会少ない」 9月の面会は9月14日(長男)の1回。 家族への評価を書かず、日付と回数だけを書く
「家族の対応が悪い」 10月10日、長女へ電話で受診のお願いをすると「今週は仕事で行けない」と返答あり。管理者Fへ報告し、受診日を相談する。 家族の言葉のまま書き、次の動きを添える
「また同じことを聞いてきた」 10時から11時に「今日は何曜日」と5回尋ねられ、その都度カレンダーを一緒に見た。 「また」を外し、回数と職員の答え方を書く
「職員Bの介助が雑」 移乗時、利用者Aさんが「腕が痛い」と話された。移乗を見ていた職員Hより、腕を引く形の介助だったと報告あり。管理者Fが職員Bと介助の方法を確認した。 書き手の評価をやめ、本人の言葉と報告の出どころ、確認したことを書く
「大変な人」 夜間のナースコールは1晩に平均6回(10月1日〜10日の記録)。内容は排泄の訴えが最も多い。 人への評価を、回数と内容の内訳に置き換える
「家族は介護に無関心」 10月の利用計画について長男へ郵送で案内したが、10月11日時点で返信はない。10月14日に電話で確認する予定。 家族の気持ちを推し量らず、行ったことと予定を書く
「本人が勝手に歩いた」 15時、職員を呼ばずに立ち上がり、居室からトイレまで約8メートルを歩かれた。本人は「呼ぶのが悪いと思った」と話された。 「勝手に」を外し、本人の言葉で理由を残す
「痛いと大げさに言う」 移乗のたびに「痛い」と話される。痛む場所を尋ねると右の腰を指し、強さは「10のうち7」と答えられた。看護職員Cへ報告。 書き手の受け止めをやめ、場所と強さを本人に尋ねた結果を書く
「◯◯さん(他の利用者)が意地悪をした」 昼食時、隣の席の利用者から「そこはわしの席や」と言われ、利用者Aさんは席を立たれた。職員Bが別の席を案内した。 ほかの利用者は特定しすぎず、起きたことと対応を書く
「職員間で要注意人物とする」 入浴時は同性の職員が担当することを、10月12日の職員会議で決めた(理由:本人の希望「男の人はいや」)。 呼び名をつけず、決めた対応と本人の希望を書く
「(空欄)」 10月11日の利用時、記録の記入は帰りの送迎後の17時30分に職員Bが行った。 書かなかった欄を作らず、書いた時刻と書いた人を残す

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料に見られる、記録の書き方に関する指摘(出典つき・7件)

記録の言葉づかいは、運営指導の資料でも取り上げられています。下は、各自治体が公表した集団指導資料・運営指導の指摘事項から、このページの言い換えに関わるものを要旨で並べたものです。どの観点で確かめるか、どの様式を使うかは保険者(指定権者)によって異なるため、指定を受けた自治体の資料もあわせてご確認ください。

公表した自治体と資料 公表された指摘の要旨 このページで関わる言い換え
松山市介護保険課「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」(令和5年度第2回介護保険サービス事業者連絡会資料) サービス提供の記録は、提供したサービスの内容だけでなく利用者の心身の状況(様子等)も記録することとされ、「特変なし」等しか書かれていない記録が見受けられると示されている 「特に変わりありません」「変わりなし」を、その日の場面と確かめたことに置き換える
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 記録に提供した具体的なサービス内容や利用者の心身の状況等の記載がない事例が挙げられ、心身の状況の記載漏れが多い旨が注記されている 「服薬確認済み」「入浴」などの行為の名前だけで終えず、本人の様子を添える
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 事故発生時に家族・介護支援専門員等へ連絡した記録が残されていない事例、再発防止の検討内容が具体的に記録されていない事例が挙げられ、「よく注意する」等で職員に対応を任せるのではなく原因を分析するよう求めている 「家族へ連絡済み」「よく注意するよう指導した」を、連絡の中身と決めた対策に置き換える
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 個別サービス計画の評価が「〇△✕」の記載のみで、計画の実施状況を把握しているとはいえない事例が挙げられている 記号や一語で終えず、何を確かめてどうだったかを文で書く
岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 モニタリングの項に、「達成」「未達成」のチェック(レ点)記載のみでモニタリングの内容が不明確な事例が、不適切事例として挙げられている 「様子観察」「経過観察とする」を、次に何をいつ見るかと見た結果に置き換える
和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】(令和4年3月・和歌山市指導監査課) サービス提供時間について、居宅サービス計画等に記載された時間をそのまま記載するのではなく、実際に提供した時間(開始時間・終了時間)を記録するよう指導された事例が公表されている 時刻を予定の時刻で書かず、実際に始めた・終えた時刻と、書いた時刻を残す
熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 介護老人福祉施設」 提供した具体的なサービスの内容等を記録することとする基準の記載に続けて、運営指導で指摘が多い項目である旨が注記されている 「入浴介助」「食事介助」の一語を、本人が行った部分と職員が行った部分に分けて書く

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

このページの追記の表は、記録の書き方の見本として当社が作成したものです。完成文に出てくる値・時刻・名前は説明のための例で、実際の利用者の記録ではありません。体調の変化を誰にどの順で伝えるかは、事業所のマニュアルと主治医の指示に沿ってください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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