精神科訪問看護では、記録書Ⅱや報告書にGAF尺度の評点を記載することが求められます。「GAFの付け方がわからない」「精神科の記録は何が違う?」という方に向けて、必要な書類とGAF尺度、記録書Ⅱ・報告書の書き方のポイントを、記入例つきで整理します。
要点(3行)
- 精神科訪問看護は主治医の精神科訪問看護指示書に基づいて行い、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)では、その月の初回訪問時のGAF尺度の評点を記録書・報告書等に記載することとされています。
- このページでは、記録書Ⅱの場面別SOAP文例30例、12区分・38例の疾患・状態像別の完成文、「変わりなし」の書き換え12視点、訪問の回ごとの完成文17例、連携先13先の記録事項を、表32本で掲載しています。
- 書き方の要点は、GAF評点の根拠として観察した事実を記録に残すこと、記録書Ⅰ・記録書Ⅱ・報告書で情報の置き場所を分けること、関係機関とのやり取りを記録に残すことです。
あわせて、訪問看護AIの選び方もご覧ください。
精神科訪問看護で必要な書類
精神科訪問看護でも、基本となる書類は通常の訪問看護と同じく、記録書Ⅰ・記録書Ⅱ、計画書、報告書です。大きく違うのは、主治医の精神科訪問看護指示書に基づくこと、そしてGAF尺度の評価が求められる点です。
精神科訪問看護の記録書Ⅱ、訪問の内容を話すだけで下書きになります。
訪問看護マナ(神マナ)は、訪問後に録音すると記録書Ⅱの下書きを作り、月末の報告書・計画書の下書きまで。カイポケに転記できます。利用者3名まで、期限なく無料で全機能を使えます(カード登録不要)。
GAF尺度とは
GAF尺度(機能の全体的評定尺度)は、精神疾患のある方の心理的・社会的・職業的な機能を0〜100点で評価する指標です。精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定する際、その月の初回訪問時のGAF評点を、訪問看護記録書・報告書・訪問看護療養費明細書に記載することが要件化されています。
GAF評点のおおまかな目安
GAF評点のおおまかな目安です(右上ボタンからExcel/CSVにコピー可)。実際の評価は所定の基準と主治医の指示に基づいて行います。
| GAF評点 | 状態のおおまかな目安 |
|---|---|
| 91–100 | 症状がなく、幅広い活動に良好に機能している |
| 81–90 | 症状がほとんどなく、日常生活・社会生活も良好 |
| 71–80 | 症状は一時的で、心理社会的ストレスへの予期される反応の範囲 |
| 61–70 | 軽度の症状、または社会・職業機能に軽度の困難がある |
| 51–60 | 中等度の症状、または中等度の機能の低下がある |
| 41–50 | 重い症状、または社会・職業機能に重大な障害がある |
| 31–40 | 現実検討や意思疎通の障害、または複数領域での重大な障害 |
| 21–30 | 妄想・幻覚に相当影響される、またはほぼ全領域で機能できない |
| 11–20 | 自分や他人を傷つける危険、または最低限の身辺清潔の保持も困難 |
| 1–10 | 自分や他人への重度の危険が持続、または重度の行為 |
- 100〜81――症状はないか軽微。日常生活はおおむね良好。
- 80〜61――一過性・軽度の症状。社会生活に軽い支障。
- 60〜41――中等度〜重大な症状。対人・職業面に明らかな困難。
- 40〜21――現実検討や意思疎通に障害。行動が症状に大きく影響。
- 20〜1――自他を傷つける危険や、最低限の身辺自立が難しい状態。
実際の評価では、標準的なアンカーポイント(判定の目安)に沿って、機能の状態に合う範囲を選びます。判定に迷う場合はチーム内で基準をすり合わせておくと、月ごとのブレを防げます。
GAF尺度の付け方
- 月初めの訪問で評価する――その月の初回訪問時に評点をつけます。2回目以降は省略可。
- 状態が大きく変わったら再評価――月の途中でも、変化があれば評価・記載します。
- 根拠を残す――なぜその評点にしたのか、観察した事実を記録書に添えると説得力が増します。
GAF評点の根拠になる「観察した事実」の書き方
評点だけを書くと、なぜその点なのかが残りません。評点と一緒に、そう判断した事実を1〜2行添えると、記録として成り立ちます。以下は記載のイメージを示す(例)であり、実在の利用者ではありません。評価は所定の基準と主治医の指示に基づいて行ってください。
| 評点帯 | 記録に添える観察事実の例 |
|---|---|
| 91〜100 | 就労・家事・対人関係のいずれにも支障なく、本人からの困りごとの訴えもない |
| 81〜90 | 試験前の緊張など日常的な範囲の不安のみ。生活・対人関係は保たれている |
| 71〜80 | 気分の落ち込みが一時的にあるが、家事と通院は継続できている |
| 61〜70 | 不眠が週2〜3回。日中の家事はできているが、外出の回数が減っている |
| 51〜60 | 中途覚醒が連日あり、入浴が週1回に減少。近隣との会話を避ける様子がある |
| 41〜50 | 幻聴の訴えが毎日あり、日中はほぼ臥床。食事は1日1回。服薬は声かけを要する |
| 31〜40 | 会話のつながりが乏しく、質問への返答が断片的。入浴・更衣ができていない |
| 21〜30 | 妄想的な内容の訴えが続き、指示が入りにくい。食事・服薬に全介助を要する |
| 11〜20 | 身の回りの清潔が保てず、自傷につながりうる言動がある。常時の見守りを要する |
| 1〜10 | 生命の維持に関わる状態で、直ちに医療的な対応を要する |
評点は月の初回訪問時に付け、月の途中でも状態が大きく変われば再評価して記載します。評点を変えたときは、変えた理由になる事実を必ず書き添えます。
精神科訪問看護記録書Ⅱの書き方
記録書Ⅱでは、訪問日を記号で区別して記載します。保健師・看護師・准看護師の訪問日は「○」、作業療法士による訪問日は「◇」、精神科特別訪問看護指示書に基づく訪問日は「△」、1日に2回以上訪問した日は「◎」、長時間精神科訪問看護加算を算定した日は「□」で囲みます。あわせて、心身の状態、実施した看護・支援の内容、本人・家族の反応を記します。
報告書での記載
報告書にも、月初回訪問時のGAF評点を記載します。あわせて、病状の経過、生活機能の変化、服薬や受診の状況、家族支援の状況などをまとめ、主治医へ報告します。書き方の基本は訪問看護報告書の書き方を参照してください。
精神科訪問看護の記録で気をつけること
- 本人の言葉をそのまま残す——要約すると、症状の変化が読み取れなくなります
- 解釈と観察を分ける——「妄想がある」ではなく、話された内容を事実として書き、評価は分けます
- 評価語を書かない——「拒否的」「攻撃的」は、あとから開示されたときに争点になります
- 変化の兆しを記録する——睡眠、服薬、生活リズム、金銭の使い方、対人関係
- 本人が読む可能性を意識する——診療記録の開示請求の対象になり得ます
観察したい項目
| 領域 | 見るところ |
|---|---|
| 睡眠 | 入眠、中途覚醒、日中の傾眠。悪化の最初のサインになることがあります |
| 服薬 | 飲み忘れか、自己判断での中断か。副作用の訴えの有無 |
| 生活 | 食事、入浴、掃除、洗濯。できていたことが落ちていないか |
| 対人 | 家族、近隣、支援者との関わり方の変化 |
| 金銭 | 急な買い物、支払いの滞り |
| 身体 | 体重、便通、口渇、ふらつき。薬の影響が身体に出ることがあります |
精神科訪問看護記録書Ⅱ|場面別のSOAP文例30例
以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。薬剤名・評点・対応は、実際の指示と記録に置き換えてご使用ください。
睡眠・不安(6例)
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 入眠困難 | 「布団に入っても2時間くらい眠れない」 | GAF 55。表情はやや硬い。就寝は23時、入眠は1時ごろ。日中の傾眠なし | 入眠困難が続いているが、日中の活動は保たれている | 就寝前の過ごし方を一緒に確認。次回、頓服の使用状況を評価 |
| 中途覚醒 | 「夜中に3回起きてしまう」 | 睡眠時間は計4時間程度。日中に横になる時間が増えている | 睡眠が分断され、日中の活動量が低下している | 睡眠状況を主治医へ報告。日中の活動を一緒に組み立てる |
| 不安の増強 | 「理由もなく胸がざわざわする」 | 落ち着かず室内を歩き回る。呼吸数やや増加。バイタルに異常なし | 不安が身体症状として現れている。誘因は特定できていない | 傾聴と呼吸を整える方法を一緒に実施。頓服の使用について主治医へ確認 |
| 不安の軽減 | 「最近は落ち着いて過ごせている」 | GAF 62。表情は穏やか。買い物へ週2回出かけられている | 不安が軽減し、生活範囲が広がっている | いまの過ごし方を続けられるよう確認。次回も活動状況を評価 |
| 昼夜逆転 | 「昼に寝てしまって夜が起きている」 | 訪問時(14時)は臥床中。声かけで起床。食事は1日1〜2回 | 生活リズムの乱れにより、食事と服薬が不規則になっている | 起床時刻を一緒に決める。日中の予定を1つ設定し、次回確認 |
| 過眠 | 「一日中眠くて動けない」 | 1日12時間以上の睡眠。ふらつきあり。前回受診で処方変更あり | 過眠とふらつきがあり、薬剤の影響の可能性も考えられる | 症状の経過を記録し、主治医へ報告。転倒予防の環境を確認 |
症状(6例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 幻聴の訴え | 「誰かが悪口を言っているのが聞こえる」 | GAF 45。会話中に耳を傾ける動作あり。生活動作は一部介助 | 幻聴の訴えが続き、日常生活への影響がみられる | 訴えを否定せず傾聴。頻度と内容を記録し、主治医へ報告 |
| 幻聴の軽減 | 「前より気にならなくなった」 | GAF 52。会話が続き、家事の一部を再開している | 症状が軽減し、生活動作が改善している | 変化を本人と共有。継続して服薬状況を確認 |
| 妄想的な訴え | 「隣の人が私の物を盗っている」 | 戸締まりを繰り返し確認する行動あり。近隣とのトラブルは生じていない | 被害的な訴えがあるが、実生活での支障は限定的 | 訴えを否定も肯定もせず不安に寄り添う。経過を主治医へ報告 |
| 気分の落ち込み | 「何もする気になれない」 | GAF 42。臥床時間が長く、入浴は週1回。食事量は普段の半分 | 抑うつ症状により、セルフケアが低下している | できていることを一緒に確認。食事と入浴の状況を継続観察し主治医へ報告 |
| 気分の高揚 | 「調子がいいから寝なくても平気」 | 多弁で話題が飛ぶ。睡眠2時間。高額の買い物をしたとの話あり | 活動性の亢進がみられ、生活への影響が出始めている | 状況を速やかに主治医へ報告。金銭面の状況を家族と共有 |
| 希死念慮の訴え | 「もう消えてしまいたい」 | GAF 32。表情は硬く、視線が合いにくい。具体的な計画の語りはなし | 希死念慮の訴えがあり、安全の確保が必要な状態 | 直ちに主治医へ報告し指示を受ける。危険物の確認と家族への連絡を行い、次回訪問までの連絡手段を確認 |
服薬(5例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 服薬の自己管理 | 「カレンダーを使えば忘れない」 | 服薬カレンダーの残数は指示どおり。飲み忘れなし | 服薬の自己管理ができている | 現在の方法を継続。次回も残数を確認 |
| 飲み忘れ | 「夕食後の分をよく忘れる」 | 夕食後分が3日分残っている。朝・昼は服用できている | 特定の時間帯の飲み忘れが続いている | 置き場所を夕食の場所へ変更。1週間後に効果を確認 |
| 自己判断での中断 | 「調子がいいからもう飲まなくていいと思った」 | 2日間の未服用。落ち着きのなさがみられる | 自己判断による中断があり、症状の再燃が懸念される | 中断の理由を傾聴。服薬の必要性を説明し、主治医へ報告 |
| 副作用の訴え | 「口が渇いて、手が震える」 | 手指振戦あり。飲水量は増加。前回受診で増量あり | 薬剤による影響の可能性がある症状がみられる | 症状の内容と出現時期を記録し、主治医へ報告 |
| 頓服の使用 | 「不安なときに1回飲んだ」 | 当月の頓服使用は3回。使用後は落ち着いて経過 | 頓服を適切なタイミングで使用できている | 使用の状況を記録し、次回も評価 |
生活・セルフケア(6例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 食事 | 「作るのが面倒で、パンばかり」 | 台所に調理の跡なし。冷蔵庫に総菜が数点。体重は前月比−1.2kg | 食事内容が偏り、体重減少がみられる | 簡単に用意できる食品を一緒に検討。体重を継続測定 |
| 入浴 | 「面倒でしばらく入っていない」 | 入浴は10日間なし。衣類の交換もされていない | セルフケアの低下がみられ、症状の変化のサインの可能性 | 入浴のハードルを一緒に下げる(シャワーのみ等)。経過を主治医へ報告 |
| 掃除・片づけ | 「片づけようとは思っている」 | 居室に物が積み上がり、動線が狭い。ゴミ出しは月1回程度 | 環境整備が難しく、転倒や衛生上のリスクがある | 一区画ずつ一緒に片づける。訪問介護の利用を担当と相談 |
| 金銭管理 | 「気づいたらお金がなくなっている」 | 今月の支払いが1件滞っている。使途の記憶があいまい | 金銭管理に支障が生じている | 相談窓口(社会福祉協議会等)の情報を提供。担当と支援を検討 |
| 身体面 | 「便が出にくい」 | 排便は3日に1回。腹部の張りあり。飲水量は少なめ | 薬剤の影響も含め、便秘が続いている | 水分と食事の工夫を一緒に確認。改善なければ主治医へ報告 |
| セルフケアの改善 | 「自分で洗濯できるようになった」 | GAF 58。洗濯・掃除を週2回実施。居室が整っている | セルフケアが回復し、生活が安定している | できていることを本人と共有。現在の生活リズムを維持 |
対人・社会参加・連携(7例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 引きこもり | 「外に出るのがこわい」 | 2週間、自宅から出ていない。買い物は家族が代行 | 外出の回避が続き、生活範囲が狭まっている | 玄関まで出る等、段階を一緒に決める。次回、実施状況を確認 |
| 対人トラブル | 「近所の人ともめてしまった」 | 本人は興奮せず経過を説明できる。相手方との継続的な問題はない | 対人場面での摩擦があったが、振り返りができている | 本人の受け止めを傾聴。再発時の対応を一緒に確認 |
| 家族関係 | 「母に何を言っても否定される」 | 同居の母より「本人が何もしない」との訴えあり | 家族間の認識に差があり、双方に負担が生じている | それぞれの思いを個別に伺う。必要に応じて話し合いの場を提案 |
| デイケア・作業所 | 「行けたり行けなかったり」 | 今月の参加は4回(予定8回)。参加日は表情が明るい | 参加は継続できているが、日により変動がある | 行けた日の条件を一緒に振り返る。担当スタッフと状況を共有 |
| 就労への意向 | 「そろそろ働きたい」 | GAF 63。生活リズムが安定し、外出も週3回できている | 就労への意欲があり、生活の基盤も整いつつある | 意向を主治医と支援機関へ共有。段階的な準備を一緒に検討 |
| 受診の継続 | 「次の受診日を忘れそう」 | 前回受診は予定どおり。診察券と手帳は本人が管理 | 受診は継続できているが、日程の管理に不安がある | 次回の受診日を一緒にカレンダーへ記入。前日に確認 |
| 多職種連携 | — | ◯月◯日、相談支援専門員と電話で情報共有。担当医へ月次の報告書を提出 | 関係者間で状況が共有できている | 状況の変化があれば速やかに連絡。次回のケア会議で方針を確認 |
観察項目ごとの記載文例
「変わりありません」で終えず、見た事実を1つ書くための言い回しです。
| 領域 | 変化があるとき | 変化がないとき |
|---|---|---|
| 睡眠 | 入眠に2時間を要し、中途覚醒が連日みられる | 23時就寝・6時起床で、中途覚醒なく経過している |
| 服薬 | 夕食後分が3日分残っている | 服薬カレンダーの残数は指示どおりで、飲み忘れはない |
| 食事 | 1日1食となっており、体重が1.2kg減少している | 1日3食を摂取。体重は前月と同程度で経過 |
| 清潔 | 入浴が10日間なく、衣類の交換もされていない | 入浴は週2回、更衣も自分で行えている |
| 対人 | 近隣との会話を避けるようになっている | 家族との会話があり、支援者にも自分から話される |
| 金銭 | 今月の支払いが1件滞っている | 公共料金の支払いは期日どおりに行えている |
| 身体 | 手指振戦がみられ、口渇の訴えがある | ふらつき・振戦なし。便通は毎日あり |
| 活動 | 2週間、自宅から出ていない | 週3回の外出があり、通所も予定どおり参加できている |
| 症状 | 幻聴の訴えが毎日あり、生活への影響が出ている | 幻聴・妄想的な訴えはなく、疎通は良好 |
| 安全 | 希死念慮の訴えあり。直ちに主治医へ報告した | 希死念慮の訴えはなく、危険な行動もみられない |
月次の報告書に書き写せる欄別の例
| 欄 | 記載例 |
|---|---|
| 訪問日 | 7月:3日・10日・17日・24日・31日(計5回) |
| GAF評点 | 55(7月3日 初回訪問時に評価) |
| 病状の経過 | 中途覚醒が月前半は連日あったが、就寝前の過ごし方を調整した後、月後半は週2回程度へ減少。幻聴の訴えはなく経過 |
| 看護の内容 | 精神状態の観察、服薬状況の確認(カレンダーによる残数照合)、生活リズムの調整に関する助言、傾聴 |
| 家庭での療養の状況 | 同居の母が食事を用意している。母より介護負担の訴えがあり、傾聴した |
| 特記すべき事項 | 7月17日、自己判断による2日間の服薬中断を確認。同日主治医へ電話報告し、指示により経過観察。以降は服用を継続できている |
報告書の様式そのものの書き方は訪問看護報告書の書き方、日々の記録は訪問看護記録書Ⅱの書き方|SOAP文例で解説しています。
連携の記録
- 主治医への報告——いつ、何を伝え、どんな指示を受けたか
- 相談支援専門員・ケアマネジャーとの共有
- 家族への説明と、家族自身の負担
- 緊急時の連絡経路——誰が最初に動くかを明記しておきます
※本記事は一般的な考え方を整理したものです。算定の可否や要件は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用をご確認ください。
精神科の記録・GAFの負担を軽くする
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の訪問看護向け機能「訪問看護マナ(訪問看護AI)」は、訪問記録から記録書Ⅱや報告書の下書きを自動で作成します。精神科訪問看護の記録にも対応し、書類作成の時間を大きく減らせます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
疾患・状態像別|精神科訪問看護の記録に貼れる完成文(12区分・38例)
ここから先は、主治医の診断名や状態像ごとに、そのまま記録書へ貼って語尾と固有名詞だけを差し替えれば使える完成文を並べます。すべて記載のイメージを示すための例であり、実在の利用者ではありません。日付・時刻・数値・薬剤名は、実際に訪問した記録に置き換えてご使用ください。
書き方の軸は3つだけです。①本人が話した言葉は要約せず「 」でそのまま残す ②看護師が見た事実は時刻・回数・数量とともに書く ③前回訪問時との違いを1文で添える。この3つが入っていれば、あとから読み返した人が同じ場面を再現できます。診断や治療の判断は書かず、確認した事実と、主治医・関係機関へ連絡した事実だけを記載します。
統合失調症の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 幻聴として語られた訴えがあった回 | 14時05分訪問。玄関で出迎えあり。本人より「夜中に、外から自分の悪口を言う声が聞こえる。昨日は3回あった」との発言あり。会話中に窓の方へ視線を向ける動作を2回確認した。訴えの内容は否定も肯定もせず、困っている点を伺った。前回訪問時(前週)は同様の発言はなかった。同日15時、主治医へ電話し、発言内容と回数を報告。受けた指示の内容を記載した。 |
| 服薬と生活が続けられている回 | 10時30分訪問。服薬カレンダーを本人と一緒に確認し、朝・昼・夕いずれも残数は処方どおりで、飲み忘れの分はなかった。本人より「声は今週は聞こえていない」との発言あり。本人が記入した生活記録表に、起床6時30分・就寝23時と3日分の記載あり。台所に調理器具の使用跡があり、本人より「3日とも自分で作った」との発言あり。次回訪問日を一緒にカレンダーへ記入した。 |
| 前回と生活リズムが変わっていた回 | 13時40分訪問。臥床中で、声かけにて起床。本人より「2日前から夜眠れず、昼に寝ている」との発言あり。居室内に弁当の空容器が4個。入浴について伺うと「4日入っていない」との発言あり。前回訪問時は日中の臥床を確認していない。体温36.4度、血圧118/72、脈拍78。同日14時50分、主治医へ電話で睡眠・食事・入浴の状況を報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
うつ病の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 臥床時間が長い回 | 11時00分訪問。居室にて臥床中。カーテンは閉じたまま。本人より「起きようとは思うが、体が動かない」との発言あり。起床時刻は10時ごろとのこと。食事は前日から1回のみ。体重は本人の申告で前月から1.5kg減。入浴は5日間なし。前回訪問時は日中に台所で調理していた。確認した内容を同日中に主治医へファクスで報告し、返信の内容を記載した。 |
| 本人が少し動けた回 | 10時15分訪問。玄関先で出迎えあり。本人より「今週は2回、ごみを出しに外へ出られた」との発言あり。台所の流しに洗った食器が3点。洗濯物がベランダに干されていた。食事は1日2回摂取できているとのこと。「できた日と、できなかった日の違い」を本人と一緒に振り返り、本人が挙げた「早く寝られた日」という言葉をそのまま記載した。 |
| 気持ちのつらさが語られた回 | 15時20分訪問。居間にて対応。本人より「自分は家族に迷惑をかけているだけだと思う」との発言あり。涙を流される場面が会話中に1回。話をさえぎらずに伺った。睡眠は入眠2時ごろ、覚醒5時ごろ。食事は1日1回。同席していた家族より「声のかけ方が分からない」との発言あり。同日16時、主治医へ電話で発言内容をそのまま報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
双極性障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 睡眠時間が短く活動量が増えていた回 | 13時10分訪問。訪問中、本人の発話が続き、話題が数回入れ替わった。本人より「3日前から2時間しか寝ていないが、まったく平気」との発言あり。居間に未開封の通信販売の箱が5個あり、本人より「今週買った」との発言あり。前回訪問時に同様の物品はなかった。同日13時55分、主治医へ電話で睡眠時間・発言内容・確認した物品の数を報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 気分が落ち込んでいると語られた回 | 14時30分訪問。居室にて対応。本人より「先月とは反対で、何をする気にもなれない」との発言あり。起床は12時ごろ、就寝は3時ごろ。食事は1日1〜2回。前回訪問時に本人が話していた外出の予定は「行けなかった」とのこと。服薬カレンダーの残数は処方どおりで、飲み忘れの分はなかった。確認した内容を報告書の病状の経過欄へ転記した。 |
| 本人が変化に気づけた回 | 10時40分訪問。本人より「最近、寝る時間が短くなってきたので気をつけている」との発言あり。本人が記入した睡眠記録に、6時間・5時間・4時間30分と3日分の記載あり。本人と一緒に、以前に決めていた「睡眠が4時間を下回った日は家族へ伝える」という取り決めを読み返した。同日、主治医へ睡眠記録の内容を報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
不安障害・パニック障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 発作として語られた出来事があった回 | 11時20分訪問。本人より「一昨日、スーパーの列に並んでいるときに動悸がして、途中で帰ってきた」との発言あり。続いた時間は「15分くらい」とのこと。訪問時の血圧122/76、脈拍84、呼吸数18、SpO2 98%。頓服薬について伺うと「使わずに我慢した」との発言あり。確認した内容と頓服薬の使用状況を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 外出の範囲を本人と確認した回 | 14時00分訪問。本人より「近所のコンビニまでなら行けるが、電車は無理」との発言あり。今週の外出は3回で、いずれも徒歩5分以内の範囲とのこと。前回訪問時は外出2回。本人が挙げた「人が少ない時間帯なら行きやすい」という言葉をそのまま記載した。次回までに試すことを本人が1つ決め、その内容を本人の言葉のまま記載した。 |
| 頓服薬の使用状況を確認した回 | 10時50分訪問。本人より「今月は3回、不安が強いときに頓服を使った」との発言あり。使用した日と場面を本人と一緒に確認し、いずれも外出前であったことを記載した。使用後の様子について「30分ほどで落ち着いた」との発言あり。残数は処方どおり。確認した使用回数と場面を報告書の特記すべき事項欄へ転記した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
強迫性障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 確認行為に時間がかかっていた回 | 13時30分訪問。玄関の施錠を確認する動作を、訪問中に4回確認した。本人より「家を出るまでに1時間かかる日がある」との発言あり。今週、予定していた通院日に「間に合わなかった」とのこと。前回訪問時は同様の発言はなかった。確認した回数と本人の発言を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 手洗いに関する訴えがあった回 | 11時00分訪問。両手の手背に発赤あり、指の間に皮むけを2か所確認。本人より「1回の手洗いが10分くらいになる」との発言あり。皮膚の状態について本人の同意を得て観察し、確認した所見を記載した。石けんの使用量について本人より「1週間で1本」との発言あり。皮膚の所見を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 本人の工夫を確認した回 | 15時00分訪問。本人より「タイマーを使って、確認は2回までと決めてみた」との発言あり。今週、実行できた日は3日とのこと。玄関にタイマーが置かれていることを確認した。実行できた日について本人が話した「朝に余裕があった日」という言葉をそのまま記載した。次回も本人の取り組みの状況を伺うこととした。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
心的外傷後ストレス障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 睡眠に関する訴えがあった回 | 10時20分訪問。本人より「夜中に怖い夢を見て起きてしまう。今週は4回あった」との発言あり。起床後に再入眠できたのは「1回だけ」とのこと。訪問時、あくびが会話中に3回。日中の臥床は2時間程度とのこと。出来事の詳細は本人から語られた範囲のみ記載し、こちらから内容を尋ねることはしなかった。確認した回数を同日中に主治医へ報告した。 |
| 音や場所への反応が語られた回 | 14時10分訪問中、屋外で工事音が鳴った際、本人が肩をすくめる動作を1回確認した。本人より「大きい音がすると体がびくっとする」との発言あり。今週、外出は1回のみで「人混みは避けている」とのこと。前回訪問時の外出は3回。確認した内容を報告書の病状の経過欄へ転記し、次回の訪問時間を本人の希望する時間帯に調整した。 |
| 本人が安心できる方法を確認した回 | 11時40分訪問。本人より「気持ちがざわつくときは、毛布をかぶって深呼吸をすると少し落ち着く」との発言あり。今週この方法を使った回数は3回とのこと。本人が挙げた落ち着く方法をそのまま記載し、他の支援者へ伝えてよい範囲を本人に確認した。本人より「相談支援専門員には伝えてよい」との発言あり、その旨を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
アルコール・薬物などの依存症の診断がある方への訪問|記録の完成文(4例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 飲酒の状況を本人と確認した回 | 13時00分訪問。本人より「今週は3日飲んだ。1日に缶を2本」との発言あり。台所に空き缶が6本。前回訪問時の本人の申告は「1日1本」であった。訪問時、血圧138/86、脈拍92、手指の振戦を確認。食事は1日2回とのこと。確認した内容と本人の発言を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 断酒が続いていると語られた回 | 10時30分訪問。本人より「今日で32日間飲んでいない」との発言あり。本人が記入したカレンダーに、印が32日分ついていることを確認した。自助グループへの参加は今月4回とのこと。食事は1日3回、就寝23時・起床6時30分。本人が挙げた「参加した日は夜が楽」という言葉をそのまま記載した。 |
| 身体の訴えがあった回 | 14時50分訪問。本人より「朝、手が震えて汗が出る」との発言あり。訪問時、手指の振戦と前額部の発汗を確認。体温36.8度、血圧146/92、脈拍104。飲水量は少なめとのこと。最終の飲酒は「昨日の夜」との発言あり。確認したバイタルサインと所見を同日15時05分に主治医へ電話で報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 家族から状況が語られた回 | 11時10分訪問。同居の家族より「夜中に台所で音がして、朝に空き瓶が増えている」との発言あり。本人と家族それぞれから別々に話を伺った。本人より「家族には言っていないことがある」との発言あり。本人に、支援者間で共有してよい範囲を確認し、本人が同意した範囲を記載した。家族の負担についても伺い、発言をそのまま記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
摂食障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 体重と食事の状況を確認した回 | 10時00分訪問。体重測定について本人の同意を得て実施し、42.1kg(前月同日43.4kg)。本人より「食べると気持ちが落ち着かなくなる」との発言あり。前日の食事内容を本人と一緒に振り返り、ヨーグルト1個と水のみであったことを記載した。血圧92/58、脈拍52、体温35.8度。確認した数値を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 身体の所見を確認した回 | 14時20分訪問。本人の同意を得て観察し、下腿に浮腫を確認、指圧痕が残る。手指の冷感あり。本人より「立ち上がるときにふらつく」との発言あり。飲水量は「1日コップ2杯くらい」とのこと。排便は4日に1回。転倒を避けるため、居室内の動線にある物品を本人と一緒に移動した。所見を同日中に主治医へ報告した。 |
| 食べられた日があった回 | 11時30分訪問。本人より「今週は2日、家族と一緒に夕食を食べられた」との発言あり。本人が記入した食事記録に、その2日分の記載を確認。本人が挙げた「誰かと一緒だと食べやすい」という言葉をそのまま記載した。体重は本人の希望により今回は測定せず、その旨を記載した。次回の測定について本人と相談した内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
発達障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 予定の変更があった回 | 13時20分訪問。本人より「今週、作業所の予定が急に変わって、行けなくなった」との発言あり。予定の変更を知ったのは前日とのこと。訪問時、居室で本人が壁の方を向いて座り、会話は短い返答が中心であった。前回訪問時は自分から3つの話題を話されていた。予定の伝わり方について、本人の同意を得たうえで相談支援専門員へ連絡し、伝えた内容を記載した。 |
| 手順を一緒に確認した回 | 10時40分訪問。本人より「何から始めればよいか分からなくなる」との発言あり。本人と一緒に、洗濯の手順を4つの工程に分けて紙に書き出した。本人が読み上げて確認された。今週できた家事は洗濯2回・皿洗い3回とのこと。書き出した紙は本人が洗濯機の横に貼られた。次回、この方法を使えたかを伺うこととした。 |
| 感覚の訴えがあった回 | 15時10分訪問。本人より「作業所の照明がまぶしくて、頭が痛くなる」との発言あり。今週の通所は2回(予定4回)。頭痛の続いた時間は「帰宅後2時間くらい」とのこと。本人の同意を得て、この訴えを作業所の担当者へ伝えることを確認し、同日16時に電話で連絡した内容を記載した。主治医へも同日中に報告した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
認知症のある方の行動・心理症状に関わる場面|記録の完成文(4例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 物の置き場所をめぐる訴えがあった回 | 11時00分訪問。本人より「財布を誰かに持っていかれた」との発言あり。本人と一緒に居室を探し、たんすの2段目から財布を確認した。発言の内容を否定せず、探す動作を一緒に行った経過を記載した。同居の家族より「今週3回同じことがあった」との発言あり。確認した回数と場面を同日中に主治医へ報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 夕方の落ち着かない様子を確認した回 | 16時30分訪問。本人が玄関と居間の間を行き来する動作を、訪問中に6回確認した。本人より「家に帰らないといけない」との発言あり。訪問時、体温36.5度、血圧134/80。排尿は最終14時ごろとのこと。家族より「17時ごろに毎日みられる」との発言あり。確認した時間帯と回数を報告書の病状の経過欄へ転記した。 |
| 夜間の様子を家族から伺った回 | 10時10分訪問。家族より「夜中の2時に起きて、電気をつけて歩いている。今週は5日」との発言あり。本人より「夜、目が覚めると眠れない」との発言あり。日中の臥床は3時間程度。転倒歴の有無を家族に確認し、「今のところない」との発言を記載した。家族の睡眠時間についても伺い、発言をそのまま記載した。確認した内容を主治医へ報告した。 |
| 穏やかに過ごされていた回 | 13時50分訪問。居間にてテレビを視聴中。本人より「今日は調子がよい」との発言あり。訪問中、こちらの質問への返答が続き、話題の入れ替わりはなかった。食事は1日3回、水分は約1,000mL。排便は毎日あり。前回訪問時に確認していた玄関への往復の動作は、今回は確認していない。確認した内容を記録書へ記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
パーソナリティ障害の診断がある方への訪問|記録の完成文(3例)
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 訪問時間の変更を求められた回 | 14時00分訪問。本人より「毎回この時間では困る。もっと早く来てほしい」との発言あり。契約時に取り決めた訪問曜日・時間帯を本人と一緒に読み返し、変更できる範囲とできない範囲をその場で伝えた内容を記載した。本人より「分かったが、納得はしていない」との発言あり、そのまま記載した。事業所内で情報を共有し、次回の担当者と対応を統一した旨を記載した。 |
| 支援者への評価が語られた回 | 10時50分訪問。本人より「前の看護師さんはよかったが、今の人は分かってくれない」との発言あり。発言をそのまま記載し、内容についての評価は記載していない。今週の生活について伺い、食事は1日2回、睡眠は入眠1時ごろ・起床9時ごろ。通所は1回(予定3回)。事業所内のカンファレンスで対応の方針をそろえた日付と参加者を記載した。 |
| 自傷に関わる言動があった回 | 15時30分訪問。本人の左前腕に、長さ約3cmの表皮の傷を2か所確認。本人より「昨夜、自分でつけた」との発言あり。傷の処置について本人の同意を得て実施し、実施内容を記載した。同日15時45分、主治医へ電話で確認した所見と本人の発言をそのまま報告し、受けた指示の内容を記載した。次回訪問までの連絡先を本人へ書面で渡した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
希死念慮・自傷他害に関わる言動があった場面|記録の完成文(3例)
ここは判断を書かず、聞いた言葉と時刻、そして誰にいつ連絡し、どんな指示を受けたかという事実だけを残すのが原則です。看護師が状態を判定して書くのではなく、主治医・関係機関へ速やかに連絡し、その内容を記録します。
| 訪問の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 本人から希死念慮が語られた回 | 15時10分、本人より「もう消えてしまいたい」との発言あり。発言をそのまま記載した。ほかに話しておきたいことがあるかを伺い、本人が話された範囲を記載した。同日15時25分、主治医へ電話し、発言内容と時刻をそのまま報告。受けた指示の内容を記載した。同日15時40分、相談支援専門員へ連絡し、共有した内容を記載した。次回訪問までの連絡先を本人と家族へ書面で渡し、渡した時刻を記載した。 |
| 家族から不安の訴えがあった回 | 11時05分、同居の家族より「本人が昨夜『いなくなりたい』と言っていた」との発言あり。家族の発言をそのまま記載した。本人にも同席のうえで話を伺い、本人が話された範囲を記載した。同日11時30分、主治医へ電話で家族・本人それぞれの発言を報告し、受けた指示の内容を記載した。緊急時の連絡経路と、最初に連絡する先を家族と一緒に紙面で確認した。 |
| 他害につながりうる言動が語られた回 | 13時45分、本人より「隣の人に文句を言いに行こうと思っている」との発言あり。発言をそのまま記載した。訪問時、居間で立ち上がる動作が3回あり、声量が普段より大きい状態であった。同日14時00分、主治医へ電話で発言内容と時刻を報告し、受けた指示の内容を記載した。同日14時15分、相談支援専門員および事業所管理者へ連絡した時刻と伝えた内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
観察の視点別|「変わりなし」を書き換える悪い例と良い例(12視点)
精神科訪問看護の記録でいちばん多い書き出しは「特に変わりなく落ち着いている」です。この一文は、読んだ人に何も伝えません。左の悪い例は書かない、右の良い例をそのままコピーして日付と数値を差し替える——それだけで、翌月の報告書とカンファレンスの材料がそろいます。
生活と身体に関する6つの視点|書き換えの対照
| 観察の視点 | 悪い例(書かない) | 良い例(そのまま貼れる完成文) |
|---|---|---|
| 睡眠 | 睡眠は問題なし。よく眠れている様子。 | 本人より「23時に寝て6時に起きている。夜中に目が覚めることはない」との発言あり。本人が記入した睡眠記録に3日分の記載を確認。訪問時(10時30分)、あくびや閉眼はみられなかった。前回訪問時は中途覚醒が週3回との発言があった。 |
| 食事・水分 | 食事は摂れている。 | 本人より「朝はパン1枚、昼は総菜、夜は家族と一緒」との発言あり。台所に調理器具の使用跡あり。飲水は本人の申告で1日約1,200mL。体重は本人の同意を得て測定し54.2kg(前月同日54.0kg)。 |
| 服薬の状況 | 服薬は自己管理できている。 | 服薬カレンダーを本人と一緒に確認し、朝・昼・夕・就寝前とも残数は処方どおりで、飲み忘れの分はなかった。頓服薬の使用は今月2回、いずれも外出前とのこと。本人より「カレンダーにしてから忘れなくなった」との発言あり。 |
| 活動量 | 日中は活動できている。 | 今週の外出は4回(通院1回、買い物2回、作業所1回)。本人より「1回あたり30分くらい歩いている」との発言あり。前回訪問時の外出は2回。日中の臥床は「1時間くらい」とのこと。 |
| 清潔保持 | 清潔は保たれている。 | 入浴は今週3回とのこと。訪問時、衣類は前回と異なるものを着用。頭髪・爪の状態を本人の同意を得て観察し、爪は短く整えられていた。洗濯物がベランダに干されていることを確認した。 |
| 副作用として訴えられた身体の徴候 | 副作用の訴えなし。 | 本人より「口の渇きと、朝の手の震えがある」との発言あり。訪問時、手指の振戦を確認。飲水量は増加しているとのこと。ふらつきの有無を伺うと「立ち上がるときに1回あった」との発言あり。同日中に主治医へ確認した所見と発言を報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
こころと安全に関する6つの視点|書き換えの対照
| 観察の視点 | 悪い例(書かない) | 良い例(そのまま貼れる完成文) |
|---|---|---|
| 幻覚・妄想として語られた内容 | 幻聴あり。妄想的。 | 本人より「夕方になると、外から自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。昨日は2回あった」との発言あり。訪問中、会話の途中で窓の方へ視線を向ける動作を1回確認。訴えの内容は否定も肯定もせず、困っている点を伺った内容を記載した。 |
| 気分の変動 | 気分は安定している。 | 本人より「今週は月曜と火曜がつらかったが、水曜からは動けた」との発言あり。つらかった日の過ごし方を伺い、「1日横になっていた」との発言を記載した。前回訪問時は「毎日つらい」との発言であった。 |
| 対人交流 | 対人関係は良好。 | 今週、本人が会話をした相手は家族・作業所の職員・近所の1名とのこと。本人より「近所の人にあいさつができた」との発言あり。前回訪問時は「誰とも話していない」との発言であった。 |
| 金銭管理 | 金銭管理に問題なし。 | 本人より「今月の家賃と電気代は期日に払った」との発言あり。領収書2枚を本人が提示された。前回訪問時に確認していた支払いの遅れ1件について、本人より「先週払った」との発言あり。 |
| 希死念慮の訴え | 希死念慮なし。 | 気持ちのつらさについて伺い、本人より「消えたいと思うことは今週はなかった」との発言あり。発言をそのまま記載した。前回訪問時に確認していた連絡先の紙面が、居間の電話の横に置かれていることを確認した。 |
| 自傷・他害に関わる言動 | 自傷なし。落ち着いている。 | 本人の同意を得て前腕を観察し、新しい傷はみられなかった。本人より「先月使っていたものは家族に預けた」との発言あり。家族にも確認し、同様の発言を記載した。緊急時の連絡経路について、本人・家族と一緒に紙面で読み返した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
訪問の回ごと|初回から不在時までの記録の完成文(8場面・17例)
同じ利用者でも、訪問の回によって記録に残すべきものは変わります。初回は「これから何を見ていくか」、安定している回は「保たれている根拠」、変化があった回は「前回との違いと、誰にいつ連絡したか」。不在の回も、空欄にせず訪問した事実を残します。
初回訪問と、経過が続いている回(4場面・9例)
| 訪問の回 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 初回訪問|開始時の確認 | 10時00分〜10時50分、初回訪問。精神科訪問看護指示書(交付日・指示期間を記載)を確認し、指示内容を記録書へ転記した。本人へ訪問看護の目的・訪問予定日・緊急時の連絡先を説明し、同意を得た旨と同意日を記載した。同居家族の構成と日中の在宅状況を確認した。本人より「まず夜眠れるようになりたい」との発言あり、そのまま記載した。 |
| 初回訪問|生活の把握 | 初回訪問時、1日の過ごし方を本人と一緒に書き出した。起床9時、朝食なし、昼食12時ごろ、外出は通院のみ、就寝2時ごろ。服薬は本人管理で、手元の薬袋を本人の同意を得て確認し、残数を記載した。前回受診日と次回受診予定日を本人に確認し、記載した。確認した内容を同日中に主治医へ報告した。 |
| 初回訪問|本人が望むことの確認 | 初回訪問時、本人へ「これからどう過ごしたいか」を伺い、「作業所にまた通いたい」との発言をそのまま記載した。あわせて、支援者間で共有してよい情報の範囲を本人に確認し、本人が同意した範囲を記載した。記録は本人が開示を求めることができるものである旨を説明し、説明した日付を記載した。 |
| 状態が続いている回|生活の根拠 | 11時00分〜11時35分訪問。本人より「今週も変わらず過ごせている」との発言あり。あわせて確認した事実は、就寝23時・起床6時30分、食事1日3回、入浴週3回、外出4回、服薬カレンダーの残数は処方どおり。前回訪問時と同じ内容が続いていることを記載した。 |
| 状態が続いている回|本人の工夫 | 訪問時、本人より「朝、カーテンを開けるようにしてから寝つきがよい」との発言あり。本人の工夫として、その言葉のまま記載した。実行できた日数は今週7日中5日とのこと。次回も継続の状況を伺うこととした。 |
| 状態が続いている回|家族の状況 | 訪問時、同居の家族より「最近は落ち着いて過ごしているので、こちらも休めている」との発言あり。家族の睡眠時間と外出の頻度を伺い、発言をそのまま記載した。家族が利用している相談先の有無を確認し、記載した。 |
| 訪問時間を短く終えた回 | 14時00分訪問。本人より「今日は疲れているので短くしてほしい」との申し出あり。14時15分に終了した。実施した内容は、バイタルサイン測定(体温36.3度、血圧120/74、脈拍76)と服薬カレンダーの確認。次回の訪問予定を本人と確認した。申し出の内容と終了時刻をそのまま記載した。 |
| 予定外の連絡を受けて訪問した回 | 本人より事業所へ13時20分に電話があり、「不安が強くて一人でいられない」との申し出。管理者へ報告し、14時10分に訪問した。訪問時、居間にて対応。呼吸数20、脈拍96、血圧128/82。頓服薬の使用は「まだ」とのこと。同日14時30分、主治医へ電話で状況を報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 作業療法士が訪問した回 | 訪問した職種と訪問日を、様式の定めに従い記号で区別して記載した。実施した内容は、居室内の動線の確認と、本人が希望した家事動作の練習。本人より「洗濯物を干すのが楽になった」との発言あり。実施内容と本人の発言を看護師へ申し送り、申し送りの日時を記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
変化・服薬の中断・不在・家族対応の回(4場面・8例)
| 訪問の回 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 前回と異なる様子を確認した回 | 13時30分訪問。前回訪問時と比べ、次の点が異なっていた。①玄関に新聞が3日分たまっている ②居間のカーテンが閉じたまま ③会話中の返答が単語のみで、前回は文章での返答であった。本人より「特に何もない」との発言あり。バイタルサインに大きな変化はなし。確認した3点を同日14時00分に主治医へ電話で報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 変化が数値で確認できた回 | 訪問時、体重53.8kg(前月同日56.2kg)。食事は1日1回とのこと。睡眠は入眠3時ごろ・起床11時ごろ。今週の外出は0回(前週は3回)。本人より「外に出る気になれない」との発言あり。確認した数値の変化をそのまま記載し、同日中に主治医へ報告した。次回訪問日を1日早める案を本人へ伝え、本人の返答を記載した。 |
| 服薬を中断していたことを確認した回 | 10時40分訪問。服薬カレンダーを確認し、3日分(朝・昼・夕)が残っていた。本人より「調子がよかったので、飲まなくてもいいと思った」との発言あり。中断した日と、その間の様子を本人と一緒に確認した内容を記載した。同日11時05分、主治医へ電話で残数と本人の発言をそのまま報告し、受けた指示の内容を記載した。 |
| 服薬の方法を本人と見直した回 | 訪問時、飲み忘れが夕食後に集中していることを、カレンダーの残数から確認した(今週3回)。本人より「夕方は疲れて忘れる」との発言あり。本人と相談し、薬の置き場所を食卓へ移すことを本人が決めた。決めた内容を本人の言葉のまま記載し、次回に状況を伺うこととした。主治医へも同日中に報告した。 |
| 不在だった回|訪問した事実を残す | 14時00分、予定どおり訪問したが応答なし。呼び鈴を3回、電話を2回(14時02分、14時08分)試みたが応答なし。玄関先の状況として、新聞・郵便物のたまりはなし。14時15分、不在連絡の書面を投函した(連絡先と次回訪問予定日を記載)。14時20分、管理者へ報告。同日14時30分、家族へ電話し、状況を共有した内容を記載した。 |
| 不在の後に連絡がついた回 | 15時40分、本人より事業所へ電話があり「買い物に出ていた」との発言あり。訪問時に不在であった旨と、次回訪問日を本人と確認した。あわせて、不在時の連絡方法について本人と取り決めた内容を記載した。主治医へは同日中に、不在および連絡がついた経過を報告した。 |
| 家族から相談があった回 | 訪問終了後、同居の家族より「本人にどう声をかければよいか分からない」との相談あり。家族の発言をそのまま記載した。家族の睡眠・食事・仕事の状況を伺い、伺った内容を記載した。家族が利用できる相談先(保健所・市区町村の障害福祉担当・家族会)の情報を書面で渡し、渡した日付を記載した。本人へ共有する範囲を家族に確認した。 |
| 本人と家族の話が食い違った回 | 訪問時、本人より「毎日食べている」との発言あり。同席していない家族からは、後刻の電話で「ほとんど食べていない」との発言あり。双方の発言を、どちらが話したかを明記したうえで、そのまま並べて記載した。台所で確認した事実(総菜の空き容器2個、炊飯器は未使用)も記載した。確認した内容を同日中に主治医へ報告した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
精神科訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ・報告書|欄ごとの書き分け対照表
同じことを3つの書類に書き写している事業所は少なくありません。どの情報がどの書類の受け持ちかを一度決めてしまえば、転記の手間も、書類ごとの食い違いも減ります。下表は「その情報を主にどこへ書くか」を整理したものです。様式は事業所や保険者によって異なるため、自事業所の様式の欄名に読み替えてご使用ください。
情報の置き場所|記録書Ⅰ・記録書Ⅱ・報告書の受け持ち
| 記載する情報 | 記録書Ⅰ | 記録書Ⅱ | 報告書 | 書き方のひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 氏名・生年月日・住所・連絡先 | 主に記載 | — | 主に記載 | 変更があった日付も残す |
| 主たる傷病名 | 主に記載 | — | 主に記載 | 指示書の記載と同じ表記にそろえる |
| 既往歴・入院歴と経過 | 主に記載 | — | — | 入退院の年月と医療機関名を残す |
| 家族構成・主たる介護者・支援状況 | 主に記載 | 変化があれば記載 | 家庭での療養の状況欄へ | 同居の有無と日中の在宅状況を書く |
| 初回訪問年月日 | 主に記載 | — | — | 指示期間の開始日との前後関係も残す |
| 訪問看護の依頼目的・本人の希望 | 主に記載 | 変化があれば記載 | — | 本人の言葉のまま書く |
| 指示書の種類・交付日・指示期間 | 主に記載 | — | — | 特別指示書は交付日と期間を別に管理する |
| 訪問年月日・訪問時間 | — | 主に記載 | 訪問日の一覧を記載 | 開始と終了の時刻を両方書く |
| 訪問した職種・指示書の種類の記号 | — | 主に記載 | — | 様式の定めに従って区別する |
| 本人の言葉・家族の言葉 | — | 主に記載 | 要点のみ | 要約せず「 」で残す |
| 観察した事実(時刻・回数・数値) | — | 主に記載 | 変化のあった項目のみ | 前回訪問時との違いを1文添える |
| 実施した看護・支援の内容 | — | 主に記載 | 看護の内容欄へ要約 | 行ったことを動詞で書く |
| GAF評点と、そう評価した根拠の事実 | — | 月の初回訪問時に記載 | 主に記載 | 評点と根拠の事実を必ず並べて書く |
| 病状の経過(1か月のまとめ) | — | — | 主に記載 | 記録書Ⅱの事実から拾って要約する |
| 主治医への報告と受けた指示 | — | その回の記載 | 特記すべき事項欄へ | 日付・時刻・手段・伝えた内容・受けた指示 |
| 関係機関との連携の内容 | 関係機関の一覧 | その回の記載 | 特記すべき事項欄へ | 共有してよい範囲を本人に確認した旨も書く |
| 衛生材料等の使用量・残量 | — | 使用時に記載 | 該当欄へ | 使用した日と量を書く |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
公表資料にみる「記録が確認できない」とされた事例(訪問看護・5件)
次の5件は、介護保険の訪問看護に対する運営指導の結果として、自治体が公表している資料に記載されている内容です。精神科訪問看護は医療保険の枠組みで提供されますが、「やっていても、記録に残っていなければ確認できない」という指摘の形は共通です。自事業所の記録に同じ記載があるか、点検の材料としてご覧ください。
| 公表資料に記載されている内容 | 記録に残っているか(記入欄) | 出典(自治体・資料名) |
|---|---|---|
| 訪問看護計画書を作成せずにサービスを提供している、計画書が居宅サービス計画の内容と相違している、内容が不十分、といった指摘が挙げられている | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) | |
| サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等の指摘が挙げられている | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) | |
| 訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例が公表されている(指摘37件のうち計画の作成等の不備が11件で最多) | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)」 | |
| 理学療法士等による訪問について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない。口頭の場合には同意を得た旨を記録等に残すよう示されている | 静岡市「介護サービス事業者の指導監督((3)運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」(令和8年度介護保険サービス提供事業者説明会(集団指導)資料) | |
| 主治医の訪問看護指示書が確認できない・受領が遅い、指示書の有効期限が切れている、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、との指摘が挙げられている | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。書類の記載内容や様式の取扱いについて判断に迷う場合は、所在地の保険者(指定権者)が公表している資料をご確認ください。
関係機関との連携|記録に残す事項と連絡の書き方(13先・8例)
精神科訪問看護は、看護師だけで完結しません。主治医、精神保健福祉士、相談支援専門員、保健所、市区町村の障害福祉担当、作業所や就労支援事業所——関わる人が多いぶん、「誰に、いつ、どの手段で、何を伝え、何を受け取ったか」を残していないと、次に動く人が同じ説明を本人にもう一度させることになります。
連携の記録では、あわせて本人が共有に同意した範囲を必ず書き添えます。本人が「この人には言ってよい/この内容は伏せてほしい」と話した場合は、その言葉のまま記載します。
連携先ごとに記録へ残す事項(13先)
| 連携先 | 記録に残す事項 | 記録の書き出しの型 |
|---|---|---|
| 主治医(精神科) | 報告した日時・手段、伝えた事実、受けた指示の内容、指示書の交付日と指示期間 | ◯月◯日◯時◯分、主治医へ電話で〜を報告。受けた指示は〜 |
| 医療機関の精神保健福祉士 | 相談した日時、相談の内容、案内された制度や窓口、本人へ伝えた内容 | ◯月◯日、◯◯病院の精神保健福祉士へ〜について相談。案内された内容は〜 |
| 相談支援専門員 | 共有した日時・手段、共有した内容、サービス等利用計画の変更予定、次回の会議日程 | ◯月◯日、相談支援専門員へ〜を共有。次回の会議は◯月◯日 |
| 保健所・保健センター | 連絡した日時、伝えた内容、助言の内容、訪問や面談の予定 | ◯月◯日、◯◯保健所へ〜について連絡。助言の内容は〜 |
| 市区町村の障害福祉担当 | 問い合わせた日時、内容、受給者証の期限、手続の案内内容 | ◯月◯日、市の障害福祉担当へ〜を確認。案内された内容は〜 |
| 介護支援専門員 | 共有した日時、居宅サービス計画との関係、担当者会議の日程と出席者 | ◯月◯日、担当の介護支援専門員へ〜を共有。担当者会議は◯月◯日 |
| 薬局・薬剤師 | 連絡した日時、確認した内容(一包化・残薬・服薬の方法)、変更された内容 | ◯月◯日、◯◯薬局へ〜について確認。回答の内容は〜 |
| 作業所・就労支援事業所 | 共有した日時、通所の状況、本人が話した困りごと、事業所での様子 | ◯月◯日、◯◯(作業所)の担当者へ〜を共有。通所の状況は〜 |
| デイケア・地域活動支援センター | 参加の回数と日付、参加できなかった日の理由(本人の言葉)、担当者から聞いた様子 | ◯月◯日、担当者より〜との情報あり。今月の参加は◯回 |
| 地域包括支援センター | 相談した日時、内容、同席者、以後の役割分担 | ◯月◯日、地域包括支援センターへ〜を相談。役割分担は〜 |
| 訪問介護・ホームヘルパー | 共有した日時、生活面で観察してほしい点、ヘルパーから聞いた自宅の様子 | ◯月◯日、訪問介護の担当者と〜を共有。自宅の様子として〜との情報あり |
| 同居・別居の家族 | 説明した日時と内容、家族の発言、家族自身の負担、渡した書面 | ◯月◯日、家族へ〜を説明。家族より「〜」との発言あり |
| 緊急時の連絡先(事業所管理者を含む) | 連絡した日時、伝えた内容、指示を受けた人の氏名、その後の対応 | ◯月◯日◯時◯分、管理者へ〜を報告。指示を受け、〜を実施 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
連携の場面別|そのまま貼れる記録文(8例)
| 連携の場面 | 記録の完成文(そのまま貼れる) |
|---|---|
| 主治医へ電話で報告した | ◯月◯日15時20分、主治医へ電話。伝えた内容は、①服薬カレンダーに3日分の残薬があること ②本人より「調子がよいので飲まなくてよいと思った」との発言があったこと ③睡眠が入眠3時ごろであること。受けた指示の内容を記載し、次回訪問日までの対応を本人へ伝えた。 |
| 主治医へ書面で報告した | ◯月◯日、当月分の報告書を主治医へ提出した(提出方法・提出日を記載)。記載した内容は、訪問日5回分、月の初回訪問時のGAF評点とその根拠の事実、睡眠・食事・服薬・外出の状況、家庭での療養の状況、および◯月◯日の服薬中断に関する経過。返信された内容と受領日を記載した。 |
| 相談支援専門員と情報を共有した | ◯月◯日11時00分、相談支援専門員へ電話。本人が共有に同意した範囲として、日中の過ごし方と通所の回数を伝えた。相談支援専門員より「作業所の担当者にも同じ内容を伝える」との発言あり。次回のサービス担当者会議は◯月◯日と確認した。 |
| 精神保健福祉士へ相談した | ◯月◯日14時00分、◯◯病院の精神保健福祉士へ電話。本人より申し出のあった経済面の相談について、利用できる窓口を確認した。案内された窓口と手続の流れを本人へ書面で渡し、渡した日付を記載した。本人より「一人では行きにくい」との発言あり、同行の可否を関係者と確認することとした。 |
| 保健所へ連絡した | ◯月◯日10時30分、◯◯保健所の担当者へ電話。伝えた内容は、訪問時に確認した事実(外出が2週間なし、食事1日1回)と、家族から相談があったこと。助言として受けた内容を記載した。以後の連絡方法と担当者名を記載した。 |
| 薬局へ確認した | ◯月◯日13時15分、◯◯薬局へ電話。飲み忘れが夕食後に集中していることを伝え、一包化の可否と、次回処方の受け取り予定日を確認した。回答の内容を記載し、本人と家族へ伝えた日時を記載した。主治医へも同日中に同じ内容を報告した。 |
| 作業所の担当者と共有した | ◯月◯日16時00分、◯◯(作業所)の担当者へ電話。本人の同意を得た範囲で、照明に関する訴えと頭痛が続いた時間を伝えた。担当者より「座席の位置を変えて様子をみる」との発言あり。次回訪問時に本人へ状況を伺うこととした。 |
| ケア会議に出席した | ◯月◯日13時30分〜14時20分、◯◯にてケア会議に出席。出席者は本人、家族、相談支援専門員、作業所の担当者、当ステーション看護師。共有した内容と、決まった役割分担、次回の会議日程を記載した。本人より「作業所には週2回から戻したい」との発言あり、そのまま記載した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
連携の記録は、書いた本人以外が読むことを前提にします。略語を使わない、伝えた相手の職種と氏名を書く、時刻を分単位で書く——この3点がそろっていれば、担当が交代しても、緊急時に別の看護師が訪問しても、同じ経過をたどることができます。
よくある質問
Q. GAF尺度はいつ評価しますか?
その月の初回訪問時に評価し、訪問看護記録書・報告書・療養費明細書に記載します。状態が大きく変われば月の途中でも再評価します。
Q. 精神科訪問看護の記録は何が違いますか?
GAF評点の記載に加え、訪問した職種や指示書の種類を記号で区別して記載する点が特徴です。
Q. GAFは誰がつけますか?
訪問した看護師等が、標準的なアンカーポイント(目安)に沿って機能の状態を評価します。判断がぶれないよう、チームで基準をすり合わせておくと安心です。
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訪問看護の記録・書類ガイド
場面別|精神科訪問看護の記録の文例
精神科訪問看護の記録は訴えの内容を否定せず、話された言葉のまま残します。「消えてしまいたい」などの発言は、そのまま記録してただちに主治医へ報告します。
| 場面 | 記録の文例 |
|---|---|
| 訪問時の様子 | 玄関で出迎えられる。表情はやや硬い。前回より発語が少ない。 |
| 睡眠 | 21時就寝、3時に覚醒しその後眠れないとのこと。日中の臥床が5時間。 |
| 食事 | 1日2食。「作るのが面倒」と話される。体重は前回から0.5kg減。 |
| 服薬 | 処方どおり内服できている。残薬なし。副作用の訴えなし。 |
| 服薬(飲み忘れ) | 夕食後の薬が3日分残っている。「忘れてしまう」と話される。 |
| 副作用 | 日中の眠気が強いと話される。主治医へ報告した。 |
| 気分 | 「気持ちが沈む」と話される。前回と変わらず。 |
| 意欲 | 入浴が週1回に減っている。「面倒」との理由。 |
| 不安 | 「人に見られている気がする」と話される。内容を否定せず傾聴した。 |
| 幻聴 | 「声が聞こえる」と話される。内容は「悪口を言われる」とのこと。頻度は1日2〜3回。 |
| 被害的な訴え | 「隣の人が嫌がらせをする」と話される。事実の確認はせず、つらさに焦点を当てて聞いた。 |
| こだわり | 決まった順番で物を並べる行動がみられる。生活に支障はない。 |
| 対人関係 | 近所づきあいは避けている。訪問時は落ち着いて会話される。 |
| 日常生活 | ごみ出しができておらず、室内に袋が3つある。一緒に1つ出した。 |
| 金銭管理 | 公共料金の支払いが遅れている。地域包括支援センターへ相談することを提案。 |
| 外出 | 週1回の通院以外は外出なし。 |
| 作業所 | 通所を2回欠席。「行きたくない」との理由。 |
| 家族との関係 | 母より「どう接してよいか分からない」と相談あり。 |
| 家族への支援 | 母へ、無理に励まさず、そばにいることの意味を伝えた。 |
| 危機のサイン | 「消えてしまいたい」との発言があった。そのままの言葉を記録し、ただちに主治医へ報告した。 |
| 受診 | 2週に1回の通院を継続。次回は◯月◯日。 |
| 医師への報告 | ◯月◯日、主治医へ電話。睡眠と食事の状況を報告した。 |
| 多職種連携 | 相談支援専門員と、日中の過ごし方について情報を共有した。 |
| 本人の強み | 絵を描くことが好きで、訪問時に見せてくださる。 |
| 次回の計画 | 服薬カレンダーの導入を提案し、次回に一緒に設定する。 |
関わり方で気をつけること
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 幻聴・妄想の訴え | 内容の真偽を議論しない。つらさに焦点を当てて聞く |
| 励まし | 「頑張って」は避け、いまできていることを言葉にする |
| 沈黙 | 急いで埋めず、そばにいる時間をつくる |
| 約束 | できることだけを約束し、必ず守る |
| 訪問時間 | 毎回同じ時間帯にすると安心につながる |
| 生活の乱れ | 一度に全部を直そうとせず、1つに絞る |
| 家族への助言 | 家族も支援の対象と考える |
| 危機のサイン | 言葉をそのまま記録し、すぐ主治医へ |
| 記録の共有 | 本人が見る可能性を意識した書き方にする |
| 多職種 | 相談支援専門員・作業所・行政と、伝える範囲を本人と確認する |
訪問看護の記録をAIで作成する仕組みは訪問看護×AIで記録時間を短縮するでご紹介しています。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
