公開日 2026年6月21日 最終更新日 2026年7月17日
精神科訪問看護では、記録書Ⅱや報告書にGAF尺度の評点を記載することが求められます。「GAFの付け方がわからない」「精神科の記録は何が違う?」という方に向けて、必要な書類とGAF尺度、記録書Ⅱ・報告書の書き方のポイントを、記入例つきで整理します。
精神科訪問看護で必要な書類
精神科訪問看護でも、基本となる書類は通常の訪問看護と同じく、記録書Ⅰ・記録書Ⅱ、計画書、報告書です。大きく違うのは、主治医の精神科訪問看護指示書に基づくこと、そしてGAF尺度の評価が求められる点です。
GAF尺度とは
GAF尺度(機能の全体的評定尺度)は、精神疾患のある方の心理的・社会的・職業的な機能を0〜100点で評価する指標です。精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定する際、その月の初回訪問時のGAF評点を、訪問看護記録書・報告書・訪問看護療養費明細書に記載することが要件化されています。
GAF評点のおおまかな目安
GAF評点のおおまかな目安です(右上ボタンからExcel/CSVにコピー可)。実際の評価は所定の基準と主治医の指示に基づいて行います。
| GAF評点 | 状態のおおまかな目安 |
|---|---|
| 91–100 | 症状がなく、幅広い活動に良好に機能している |
| 81–90 | 症状がほとんどなく、日常生活・社会生活も良好 |
| 71–80 | 症状は一時的で、心理社会的ストレスへの予期される反応の範囲 |
| 61–70 | 軽度の症状、または社会・職業機能に軽度の困難がある |
| 51–60 | 中等度の症状、または中等度の機能の低下がある |
| 41–50 | 重い症状、または社会・職業機能に重大な障害がある |
| 31–40 | 現実検討や意思疎通の障害、または複数領域での重大な障害 |
| 21–30 | 妄想・幻覚に相当影響される、またはほぼ全領域で機能できない |
| 11–20 | 自分や他人を傷つける危険、または最低限の身辺清潔の保持も困難 |
| 1–10 | 自分や他人への重度の危険が持続、または重度の行為 |
- 100〜81――症状はないか軽微。日常生活はおおむね良好。
- 80〜61――一過性・軽度の症状。社会生活に軽い支障。
- 60〜41――中等度〜重大な症状。対人・職業面に明らかな困難。
- 40〜21――現実検討や意思疎通に障害。行動が症状に大きく影響。
- 20〜1――自他を傷つける危険や、最低限の身辺自立が難しい状態。
実際の評価では、標準的なアンカーポイント(判定の目安)に沿って、機能の状態に合う範囲を選びます。判定に迷う場合はチーム内で基準をすり合わせておくと、月ごとのブレを防げます。
GAF尺度の付け方
- 月初めの訪問で評価する――その月の初回訪問時に評点をつけます。2回目以降は省略可。
- 状態が大きく変わったら再評価――月の途中でも、変化があれば評価・記載します。
- 根拠を残す――なぜその評点にしたのか、観察した事実を記録書に添えると説得力が増します。
精神科訪問看護記録書Ⅱの書き方
記録書Ⅱでは、訪問日を記号で区別して記載します。保健師・看護師・准看護師の訪問日は「○」、作業療法士による訪問日は「◇」、精神科特別訪問看護指示書に基づく訪問日は「△」、1日に2回以上訪問した日は「◎」、長時間精神科訪問看護加算を算定した日は「□」で囲みます。あわせて、心身の状態、実施した看護・支援の内容、本人・家族の反応を記します。
記録書Ⅱの記入例(SOAP)
S:「薬は飲めているけど、夜に不安で目が覚める」
O:GAF 55。表情はやや硬いが疎通は良好。服薬カレンダーの残数は指示どおり。睡眠3〜4時間
A:服薬は自己管理できているが、不眠と不安の増強あり。生活リズムの乱れに注意
P:睡眠状況を主治医へ報告。就寝前の過ごし方を一緒に確認。次回、頓服の使用状況を評価
報告書での記載
報告書にも、月初回訪問時のGAF評点を記載します。あわせて、病状の経過、生活機能の変化、服薬や受診の状況、家族支援の状況などをまとめ、主治医へ報告します。書き方の基本は訪問看護報告書の書き方を参照してください。
精神科の記録・GAFの負担を軽くする
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の訪問看護向け機能「訪問看護マナ(訪問看護AI)」は、訪問記録から記録書Ⅱや報告書の下書きを自動で作成します。精神科訪問看護の記録にも対応し、書類作成の時間を大きく減らせます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
よくある質問
Q. GAF尺度はいつ評価しますか?
その月の初回訪問時に評価し、訪問看護記録書・報告書・療養費明細書に記載します。状態が大きく変われば月の途中でも再評価します。
Q. 精神科訪問看護の記録は何が違いますか?
GAF評点の記載に加え、訪問した職種や指示書の種類を記号で区別して記載する点が特徴です。
Q. GAFは誰がつけますか?
訪問した看護師等が、標準的なアンカーポイント(目安)に沿って機能の状態を評価します。判断がぶれないよう、チームで基準をすり合わせておくと安心です。
よくある質問
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
訪問看護の記録・書類ガイド
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
