訪問介護は職員が一人で利用者宅を訪問する場面が多く、転倒・誤嚥・急変などが起きたとき、その場の判断と初動が問われます。あわてず動くには、緊急時・事故対応の手順と、後から事実を再現できる記録を、平時から整えておくことが欠かせません。本記事では、初動の流れ、市町村への報告義務の法令根拠、事故報告書の記載項目と記入例までを整理します。
訪問介護で算定できる加算は、訪問介護(ホームヘルプ)の加算一覧で28件の要件・単位数をまとめています。
緊急時に備える(平時の準備)
事故が起きてから連絡先を探すのでは間に合いません。次の準備を事業所とサービス提供責任者で共有しておきます。
- 緊急連絡体制:主治医・利用者家族・居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)・サービス提供責任者・事業所の連絡先を一覧化し、訪問時に携行する。
- 対応手順のルール化:救急要請(119番)の判断目安、主治医への連絡順、家族への説明担当を事前に決めておく。
- 利用者ごとの情報:既往歴・服薬・かかりつけ医・急変時の希望などをアセスメントに記載し、訪問者が確認できるようにする。
- 記録・観察の備品:記録用紙・筆記具・体温計など、状態観察と記録に必要なものを準備する。
指定基準の解釈通知(老企第25号)でも、事故が生じた場合の対応方法をあらかじめ定めておくこと、損害賠償を速やかに行えるよう損害賠償保険に加入しておくこと等が望ましいとされています。
事故が起きたときの対応(4ステップ)
初動は「安全確保 → 連絡 → 記録 → 再発防止」の順で進めます。
- ①安全確保・状態観察:利用者の安全確保を最優先に、意識・呼吸・出血・痛みなどを観察する。急を要する場合は迷わず119番。
- ②関係者へ連絡:主治医、家族、ケアマネジャー、事業所へ連絡する。市町村への報告が必要な事故は保険者へ報告する(後述)。
- ③事実を時系列で記録:発生・発見の時刻、状況、とった処置、連絡した相手と時刻を、事実に基づいて記録する。
- ④原因分析・再発防止:本人要因・職員要因・環境要因に分けて検討し、実行できる再発防止策を決める。
市町村への報告義務と法令根拠
訪問介護における事故発生時の対応は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)第37条に定められています。
第37条(事故発生時の対応)
1 指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 指定訪問介護事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
市町村へ報告する事故の範囲・期限・様式は、保険者である市町村ごとに要領で定められています。多くの自治体では「死亡に至った事故」「医師の診断により投薬・処置等の治療を要した事故」などを報告対象とし、第一報を事故発生後おおむね5日以内を目安に求めています。なお、介護保険施設・特定施設・認知症対応型共同生活介護等(施設・居住系)については、国が事故の報告様式を標準化した通知(介護保険最新情報Vol.1332/令和6年11月29日)がありますが、訪問介護を含む在宅サービスの様式・提出先・対象範囲・期限は、事業所所在地の市町村の取扱要領で必ず確認してください。
事故報告書に書く項目(対照表)
厚生労働省の標準様式は、おおむね次の6区分で構成されています。左に記載区分、右に記入する主な内容を示します。
| 記載区分 | 記入する主な内容 |
|---|---|
| ①報告の概要 | 報告日・報告者・第何報か(第一報/続報) |
| ②事業所の概要 | 事業所名・サービス種別(訪問介護)・所在地・保険者 |
| ③対象者の情報 | 性別・年齢・要介護度・被保険者番号(氏名欄の要否は自治体様式に従う) |
| ④事故の詳細 | 発生日時・発見日時・発生場所・事故の種類・発生時の状況・とった対応 |
| ⑤事故後の状況 | 受診・治療の状況、利用者・家族への説明、市町村への報告状況 |
| ⑥原因分析・再発防止策 | 本人・職員・環境の各要因の分析と、実行する再発防止策 |
事故報告書の記入例
以下は書き方の(例)です。実在の利用者ではなく、氏名はA様と伏せています。自事業所の様式・実際の事実に合わせて記載してください。
(例1)居室内での転倒
- 発生日時/発見日時:令和●年●月●日 10:15 発生(訪問中に職員が目撃)
- 発生場所・種類:利用者A様宅 居室/転倒
- 発生時の状況:A様が手すりのないベッド脇で立ち上がろうとして体勢を崩し、右側へ転倒。左膝を床に打った。職員は約1m離れた位置で掃除機を片付けていた。
- とった対応:直ちに駆け寄り、意識・痛みを確認。左膝に軽度の腫れあり。10:20 主治医へ電話し受診の指示を受ける。10:25 家族(長女)へ連絡。10:40 ケアマネジャーへ報告。
- 事故後の状況:同日かかりつけ医を受診、レントゲンで骨折なし、湿布処置で経過観察となった。
- 原因分析・再発防止策:本人要因=立ち上がり時のふらつき/環境要因=ベッド脇に手すりなし/職員要因=離れた位置にいた。→ 福祉用具貸与で手すり設置を検討、立ち上がり時は側方で見守ることをサービス提供責任者と共有。
(例2)食事介助中の誤嚥(ヒヤリハットを含む)
- 発生時の状況:昼食介助中、A様が白米を続けて口に運びむせ込んだ。早食いの傾向がある。
- とった対応:介助を中止して前傾姿勢を促し、咳を促した。数回の咳で喀出でき、呼吸・顔色に異常なし。むせ込み後、主治医へ状況を報告。
- 再発防止策:一口量を減らし、嚥下を確認してから次の一口を促す。とろみ調整をケアマネジャー・家族と相談する。
事故報告書のポイント
- 事実と推測を分ける:職員が目撃していない場合は「本人の話では」「発見時は」と区別し、推測は断定しない。
- 発生時刻と発見時刻を分ける:時間差があるときは、その理由もあわせて記す。
- 5W1Hと時系列:いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように。連絡した相手と時刻も残す。
- 評価より記録:良し悪しの評価語ではなく、観察した事実と数値(体温・血圧など)を優先する。見取り図や写真を別紙で添えると状況が伝わりやすい。
ヒヤリハットの活用
けがに至らなかった「ヒヤリ」「ハッと」した出来事も、事故の芽です。軽微でも記録して事業所内で共有し、対応手順やケア方法の見直しにつなげます。責めるための記録ではなく、次を防ぐための記録として運用することが、定着のポイントです。
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
事故対応は「起きたあと」だけでなく、報告の範囲を把握しているかまで確認されます。
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 過去約2年間で骨折等の事故(2件)が発生しているが、市への報告をしていない/報告が必要となる事故の程度を把握していない | 仙台市の集団指導資料 |
| 報告が必要な事案として、事業所側の過失の有無にかかわらず、(1) サービス提供中(送迎・通院間も含む)の怪我または死亡事故(怪我は医師の診断を受け投薬・処置等何らかの治療が必要となったもの。死亡診断書で老衰・病死等の主に加齢を原因とする死因が記載されている事案は報告不要)、(2) 無断外出(警察・消防等が関わったもの)、(3) 誤薬・与薬漏れ等が示されている | 仙台市の同資料 |
| 誤薬の案件で事故報告書が提出されていない事例、事故報告書を提出すべき案件についてヒヤリハットで処理している事例。誤薬(他人の薬を飲む、飲み忘れ、落薬など)についても事故報告の対象であることが示されている | 津山市の集団指導資料(令和5年度) |
| 利用者家族や介護支援専門員等に連絡した記録が残されていない。また、事故の再発防止のための検討がされていない、検討内容が具体的に記録されていない。「よく注意する」等、職員に対応を任せるのではなく原因を分析するよう求められている | 公表資料の主な指摘事項 |
| 事故発生の防止のための委員会や研修を行っていない・指針を整備していない事例(「事故発生の防止等の取組が不十分」20件・13.8%) | 長野県の令和6年度有料老人ホーム一般検査結果 |
急変・事故が起きたときの手順
「連絡した記録がない」ことが公表資料で指摘されています。連絡は行為だけでなく、時刻と相手まで残します。
| 順 | やること | 記録に残すこと |
|---|---|---|
| 1 | 利用者の安全を確保し、状態を観察する | 発生・発見の時刻、そのときの状況 |
| 2 | 急を要する場合は119番。それ以外は主治医へ連絡 | 連絡した時刻・相手・伝えた内容・受けた指示 |
| 3 | 応急の対応を行う | 実施した処置と、その後の状態 |
| 4 | ご家族へ連絡する | 連絡した時刻・相手・伝えた内容・反応 |
| 5 | 担当介護支援専門員へ連絡する | 連絡した時刻・相手・伝えた内容 |
| 6 | 事業所(管理者・サービス提供責任者)へ報告する | 報告した時刻・相手 |
| 7 | 保険者への報告の要否を判断する | 判断の根拠(報告基準のどれに当たるか) |
| 8 | 報告が必要なら、期限内に事故報告書を提出する | 提出日・提出先・控えの保管 |
| 9 | 再発防止を検討する | 原因の分析と、具体的な対策。誰がいつまでに何をするか |
| 10 | 検討結果を職員へ周知する | 周知した日・方法・対象者 |
報告が必要か迷う場面
| 場面 | 考え方 | 記録に残すこと |
|---|---|---|
| 転倒したが外傷がない | 医師の診断を受け治療が必要になったかで分かれる。判断に迷う場合は保険者へ確認する | 発見の状況、外傷の有無、受診の有無と結果 |
| 本人が「大丈夫」と言っている | 本人の申告だけで判断しない | 訴えの内容と、観察した所見の両方 |
| 翌日になって痛みが出た | 発生日にさかのぼって扱う | いつの出来事か、いつ症状が出たか |
| 誤薬に気づいた | 誤薬は事故報告の対象とされている。ヒヤリハットで処理しない | 誤った内容(他人の薬・飲み忘れ・落薬)、気づいた時刻、対応 |
| 与薬を忘れた | 同上 | 忘れた薬、気づいた時刻、主治医への確認 |
| 送迎中の出来事 | 送迎・通院間もサービス提供中に含まれるとされている | 発生場所と時刻、同乗者 |
| 無断で外出した | 警察・消防等が関わったものは報告対象とされている | いつ・どこから・どのように確認したか |
| 家族が発見した | 事業所が関与していなくても、把握したら記録する | 家族からの連絡の時刻と内容 |
| 他の利用者との接触 | 双方の状況を記録する | 関わった状況。他の利用者は実名を書かない |
| 老衰・病死 | 死亡診断書の死因によっては報告不要とされる場合がある | 診断書の内容と、判断の経緯 |
事故報告書の書き方|欄別の記入例
「よく注意する」で終わらせないことが求められています。原因の分析と、誰がいつまでに何をするかを書きます。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 発生日時 | 令和◯年7月18日 10:30(発見時刻) |
| 発生場所 | 利用者宅 居室(ベッド脇) |
| 発生時の状況 | 訪問時、ベッド脇の床に座り込んでいるところを発見。「立とうとしてふらついた」と話される |
| 利用者の状態 | 意識清明。頭部・四肢に外傷なし。バイタルは血圧132/78、脈拍78、体温36.5℃ |
| 実施した対応 | 10:35 主治医へ電話報告。10:50 ご家族(長女)へ連絡。11:00 打撲の有無を再確認 |
| 受けた指示 | 主治医より、当日中の受診は不要。翌日まで様子を見て、痛みが出れば連絡するよう指示 |
| 連絡した相手と時刻 | 主治医 10:35/長女 10:50/担当介護支援専門員 11:10 |
| その後の経過 | 翌19日の訪問時も痛みの訴えなし。歩行状態に変化なし |
| 原因の分析 | ベッド脇に新聞紙が積まれており、足元が不安定だった。夜間の照明が届いていない |
| 再発防止策 | ベッド脇の物品を移動(7/18実施)。足元灯の設置をご家族へ依頼(7/20依頼済み)。次回訪問時に設置を確認する |
| 検討した日と参加者 | 7月19日 サービス提供責任者・訪問介護員2名で検討 |
| 職員への周知 | 7月20日の朝礼で共有。動線の確認を全利用者宅で行うこととした |
日々の記録は訪問介護の実施記録の書き方、ヒヤリハットはヒヤリハットの書き方をご覧ください。報告の範囲・期限・様式は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 緊急時にまずすることは?
利用者の安全確保と状態観察が最優先です。急を要する場合は119番、その後に主治医・家族・ケアマネジャー・事業所へ連絡します。
Q. 軽微な事故でも報告は必要ですか?
市町村への報告対象かは自治体の要領によります。対象外であっても、事業所内では事故・ヒヤリハットとして記録し共有することが再発防止につながります。
Q. 市町村への報告はいつまでに?
多くの自治体が第一報を数日以内(例:5日以内が目安)としています。範囲・期限・様式は保険者ごとに異なるため、所在地の市町村へご確認ください。
Q. 記録では何を残しますか?
発生・発見の時刻、状況、とった処置、連絡した相手と時刻を、事実に基づいて時系列で残します。
Q. カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
ソフトの利用有無にかかわらず対応できます。自治体様式や自事業所の様式に沿って記録すれば問題ありません。
記録・共有を効率化する
初動対応に集中するほど、記録は後回しになりがちです。訪問介護マナ(訪問介護AI)は、日々の記録づくりを支援し、記録にかかる時間を大きく減らします。まずは3名まで無料でお試しいただけます。
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。
参照:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第37条/指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(老企第25号)/介護保険施設等における事故の報告様式等について(介護保険最新情報Vol.1332・令和6年11月29日)。報告の範囲・期限・様式は保険者である市町村の定めによります。
場面別|緊急時・事故発生時の記録の文例
緊急時の記録は時刻を分単位で、行った順に書きます。発見→観察→報告→対応→結果→家族への連絡、の流れを崩しません。
| 場面 | 記録の文例 |
|---|---|
| 転倒(外傷なし) | 10時05分、居室内で床に座り込んでいるところを発見。「立とうとしてふらついた」と話される。頭部打撲なし、外傷なし。体温36.5度、血圧132/78、脈拍80。10時10分、看護師へ報告。10時30分、痛みの訴えなし。11時、長女へ電話で報告。 |
| 転倒(受傷) | 14時20分、廊下で転倒。右手首に腫れと変形あり。痛みの訴え強い。14時25分、看護師へ報告。14時40分、家族へ連絡。15時10分、◯◯整形外科を受診し、右橈骨遠位端骨折と診断。 |
| 転落 | 2時、ベッド横の床で臥床しているところを発見。ベッド柵は装着されていた。外傷なし。看護師へ報告し、経過観察。 |
| 誤薬(内服前に発見) | 8時、配薬時に同姓の利用者のケースを手に取る。手渡す前に氏名を照合し誤りに気づく。内服には至らず。 |
| 誤薬(内服後) | 8時10分、他の利用者の朝食後薬を内服されたことが判明。8時12分、看護師へ報告。8時20分、主治医へ連絡し、経過観察の指示。11時、体調の変化なし。 |
| 誤嚥(回復) | 12時30分、昼食中にむせ込み、顔面が紅潮。前傾姿勢をとり背部を叩打。12時32分、自力で喀出され呼吸が安定。経皮的動脈血酸素飽和度97%。 |
| 誤嚥(窒息の疑い) | 12時30分、食事中に声が出ず、顔色不良。ただちに背部叩打法を実施。12時31分、異物が喀出され呼吸再開。12時32分、救急要請。 |
| 意識障害 | 9時、声かけへの反応が乏しい。開眼するが返答なし。血圧92/58、脈拍96。9時02分、看護師へ報告。9時05分、救急要請。9時10分、家族へ連絡。 |
| けいれん | 15時、全身のけいれんを認める。持続約40秒。ただちに側臥位とし気道を確保。15時02分、看護師へ報告。15時05分、救急要請。 |
| 発熱(高熱) | 16時、体温38.6度。悪寒あり。16時05分、看護師へ報告。クーリングと水分補給を実施。17時、38.0度。18時、主治医へ連絡し、明朝の往診となる。 |
| 呼吸苦 | 21時、「息が苦しい」と訴えあり。経皮的動脈血酸素飽和度89%、呼吸28回/分。21時02分、看護師へ報告。上体を挙上。21時10分、救急要請。 |
| 出血 | 10時、右前腕から出血。長さ3cmの裂創。ガーゼで圧迫止血。10時05分、看護師へ報告。10時20分、止血を確認。 |
| やけど | 13時、お茶をこぼし右大腿に発赤。ただちに流水で15分冷却。水疱形成なし。看護師へ報告。 |
| 無断外出 | 15時30分、居室に不在。館内を捜索し、15時45分に敷地内の駐車場で発見。外傷なし。15時50分、家族へ連絡。 |
| 行方不明 | 16時、所在が確認できず。16時10分、館内・敷地内を捜索。16時30分、家族と警察へ連絡。17時15分、近隣の公園で発見。 |
| 食中毒の疑い | 複数名に嘔吐・下痢の症状。10時、看護師へ報告。10時30分、保健所へ連絡。提供した食事の検食を保存。 |
| 感染症の発生 | ◯月◯日、利用者2名にインフルエンザの診断。ただちに感染対策委員会を招集し、ゾーニングと面会制限を実施。 |
| 機器の不具合 | エアマットの送気が停止していることを発見。電源プラグが抜けていた。皮膚の発赤なし。接続を確認し、以後は巡回時に作動を確認する。 |
| 個人情報 | FAXの送信先を誤りかけたが、送信前に気づいて中止。宛先の登録名が類似していた。登録名を変更した。 |
| 職員のけが | 移乗介助中に職員が腰痛を発症。管理者へ報告し、労災の手続きを行う。 |
| 送迎中の事故 | 送迎車の乗降時、ステップで足を滑らせる。運転手が支え、転倒には至らず。 |
| 自然災害 | ◯月◯日、地震発生(震度4)。全利用者の安否を確認し、負傷者なし。設備の点検を実施。 |
事故報告書に必ず入れる項目
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 発生日時 | 年月日と時刻(分まで) |
| 発生場所 | 居室・廊下・浴室など具体的に |
| 利用者 | 氏名、年齢、要介護度 |
| 発見者 | 氏名と職種 |
| 発生の状況 | 見たままの事実。推測と分ける |
| けがの有無 | 部位、程度、受診の要否 |
| 実施した対応 | 時刻とともに順に |
| 報告した相手 | 看護師・管理者・主治医・家族・保険者。それぞれの時刻 |
| 受診の結果 | 医療機関名、診断名、指示 |
| 原因の分析 | なぜ起きたか。人・物・手順の3つで見る |
| 再発防止策 | 変えたこと。いつから |
| 周知 | 職員へ共有した日と方法 |
| 保険者への報告 | 報告の要否と、報告日 |
| 家族への説明 | 説明した日時と、伝えた内容 |
保険者へ報告するかどうかの目安
報告の基準は保険者により異なります。迷ったら報告する、を原則にし、所管の基準を必ず確認してください。
| 場面 | 報告の要否の目安 |
|---|---|
| 死亡した | 報告する |
| 受診し、治療を要した | 報告する |
| 骨折した | 報告する |
| 入院した | 報告する |
| 誤薬で健康被害が生じた | 報告する |
| 食中毒・感染症が発生した | 報告する |
| 行方不明になった | 報告する |
| 外傷がなく受診も要さない | 保険者の基準による |
| ヒヤリハット(至らなかった) | 原則として事業所内で管理 |
| 職員のけが | 介護事故としてではなく、労災として扱う |
本ページは令和8年6月改定時点の制度に沿って整理しています。様式・要件・単位数は改定により変わります。最新の内容は、厚生労働省の告示・通知および所管の保険者(自治体)の案内でご確認ください。
事故後の報告文の型は介護の報告書の書き方にまとめています。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
