サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護の質を左右する要のポジションです。「具体的に何をする?」「どんな資格が必要?」「何人配置する?」「扱う書類は?」に、法令の定めをふまえて先に答えます。
30秒でわかるサ責のポイント
- 仕事――訪問介護計画書の作成、ヘルパーの管理・指導、利用者・家族対応、ケアマネ等との連携。
- 資格――介護福祉士、実務者研修修了者など(厚生労働大臣が定める者。告示で規定)。
- 配置――利用者の数が40人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤換算方法によることが可能。省令の定め)。一定要件で50人ごとに緩和。
- 書類――訪問介護計画書、アセスメント・モニタリング記録、サービス提供記録、担当者会議の記録など。
数値は制度改正で変わることがあります。最新の要件・配置基準は所管自治体および原典でご確認ください。

サービス提供責任者(サ責)とは
サ責は、訪問介護事業所で利用者とヘルパーをつなぎ、サービス全体を管理する役割です。事業所の規模(利用者数)に応じて、必要な人数を配置することが省令で定められています。
サービス提供責任者(サ責)の仕事
サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護事業所で計画作成やヘルパーの管理などを担う職種です。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 訪問介護計画書の作成 | ケアプランに沿って計画を作成 |
| ヘルパーの管理 | シフト調整・指導・同行 |
| 利用者・家族対応 | 相談対応・アセスメント |
| 関係機関との連携 | ケアマネ・医療機関との連携 |
主な業務(くわしく)
- 訪問介護計画書の作成・見直し――アセスメントをふまえ、利用者ごとに目標と援助内容を計画する。
- アセスメント・モニタリング――利用者宅を訪問し、状態や生活課題を把握し、見直す。
- 訪問介護員(ヘルパー)の管理・指導――シフト調整、同行研修、技術指導、相談対応を行う。
- 関係機関との連携――ケアマネジャーやサービス担当者会議との連絡・調整。
- 利用者対応・記録管理――契約・説明、苦情・事故対応、記録の管理など。
必要な資格
サ責は、省令で「介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護の提供に当たる者」とされています。厚生労働大臣が定める者は告示で規定されており、主に次が挙げられます。
- 介護福祉士
- 実務者研修の修了者
- (旧制度)介護職員基礎研修課程の修了者/訪問介護員養成研修1級課程の修了者
このほか、介護職員初任者研修修了者で一定の実務経験がある場合など、細かな取扱いが告示・通知で定められています。要件は制度改正で変わることがあるため、最新の基準と告示の原典をご確認ください。
配置基準(利用者数とサ責の人数)
サ責の配置人数は、事業所の利用者数に応じて省令で定められています。告示の定めと、貴事業所の状況を突き合わせてご確認ください。
| 告示の定め(省令の配置基準) | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|
| 利用者の数が40人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤換算方法によることが可能) | (例)利用者85名 → サ責(常勤換算) 名 → 40人ごと基準では 名以上が目安 |
| 一定の要件(常勤のサ責を3人以上配置し、業務に主として従事する者を1人以上配置等)を満たす場合、50人ごとに1人以上に緩和 | (例)緩和要件に該当する/しない( ) 該当する場合の配置数 名 |
上記は算定の目安です。常勤換算の数え方、緩和要件の詳細、資格に応じた取扱いは所管自治体および原典でご確認ください。基準を満たしているかは、貴事業所の登録内容と告示を突き合わせてご判断ください。
サ責の1か月の業務フロー(例)
- 月初――新規・変更依頼の受付、ケアプランの確認、アセスメント日程の調整。
- 月中――訪問介護計画書の作成・交付、モニタリング訪問、ヘルパーへの指示・同行研修。
- 月末――サービス提供記録の点検、担当者会議への出席・記録、翌月シフトの調整。
- 随時――苦情・事故対応、ケアマネ・医療機関との連絡調整、契約・重要事項の説明。
サ責が扱う主な書類と記入のヒント
- 訪問介護計画書
- アセスメントシート・モニタリング記録
- サービス提供記録
- 担当者会議の記録 など
訪問介護計画書は、ケアプランの方針を訪問介護の具体的な援助内容に落とし込む書類です。抽象的な表現ではなく、実施できる形で書くのがポイントです。
(例)訪問介護計画書の書き方(氏名は伏字)
- 利用者:A様(要介護2)
- 長期目標:住み慣れた自宅で、清潔を保ちながら生活を続けられる。
- 短期目標:週2回の入浴介助で、皮膚トラブルなく入浴できる。
- 援助内容:身体介護(入浴介助・見守り的援助)/火・金 10:00〜10:45/担当ヘルパーB。
- 留意点:右膝に痛みの訴えあり。浴室内は必ず見守り、移動はゆっくり声かけ。
※実際の様式・記載項目は事業所や自治体の指定に従ってください。
記録や利用者情報をAI・外部ツールに渡す際は、氏名・被保険者番号などの個人情報を伏字にする、事業所内のルールや同意の範囲を確認するなど、個人情報の取扱いにご注意ください。
サ責が抱えやすい課題と効率化
サ責は計画作成・ヘルパー管理・記録・調整を一手に担うため、業務が集中しがちです。訪問介護計画書や実施記録をデジタルで効率化すると、事務負担を軽くし、利用者と向き合う時間を確保しやすくなります。
サ責の書類業務を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の訪問介護向け機能(訪問介護マナ)は、訪問記録から計画書や記録の下書きを自動で作成します。書類作成に追われがちなサ責の負担軽減に役立ちます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
サービス提供責任者は配置・勤務表・記録の点検の3方向から確認されます。
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| サービス提供責任者に常勤専従の者が配置されていない事例(「従業者の員数の不備」12件・7.0%) | 長野県の令和6年度運営指導結果(訪問介護) |
| サービス提供責任者は常勤の訪問介護員のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上配置する必要がある | 宇都宮市の資料 |
| 常勤のサービス提供責任者が他サービス事業所の管理者や有料老人ホームの管理者等を兼務していた事例/非常勤のサービス提供責任者の勤務時間が、常勤の訪問介護員等が勤務すべき時間数の2分の1以上に達していない事例 | 金沢市の資料 |
| 事業所ごとに勤務表が適切に作成されていない事例(「勤務体制の確保等の不備」32件・18.6%)。他事業所との兼務関係が明確になっていない、常勤・非常勤の別が誤っている、勤務表と勤務実績が不整合 | 長野県の令和6年度運営指導結果/福井市の令和7年度集団指導資料 |
| 指定内容の変更を10日以内に届け出ていない。届け忘れが多い事項としてサービス提供責任者(訪問介護)が示されている | 福井市の令和7年度集団指導資料 |
| サービス提供の記録について、サービス提供責任者による記録の点検が十分に行われていない | 堺市の集団指導資料「サービスの提供の記録」 |
| 訪問介護員から利用者の体調の急変等について電話で報告を受けた際に、その電話でサービス提供責任者から指示を行っているが、その内容に関する文書等の記録を保存していなかった(特定事業所加算の要件) | 仙台市の集団指導資料 |
| 初回加算を算定する場合は、サービス提供責任者が訪問(同行)したことをサービス提供結果記録に残すこと | 愛知県の主な指示事項 |
配置の考え方|確認すること
| 項目 | 定め | 自事業所で確認すること |
|---|---|---|
| 人数 | 常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上 | 当月の利用者数と、配置している人数 |
| 常勤 | 当該事業所における勤務時間が、事業所で定められた常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間)に達していること。雇用の形態ではない | 勤務表上の週の勤務時間 |
| 専従 | 原則として専ら職務に従事する | 他事業所の管理者等との兼務がないか |
| 非常勤で配置する場合 | 常勤の訪問介護員等が勤務すべき時間数の2分の1以上に達していること | 非常勤サ責の勤務時間 |
| 資格要件 | 介護福祉士等、定められた資格を有すること | 資格証の写しを保管しているか |
| 勤務表 | 事業所ごと・月ごとに作成。常勤/非常勤の別、兼務関係を明記 | 兼務の時間が区分して書かれているか |
| 変更したとき | 10日以内に変更届 | 届出の控えがあるか |
| 欠員が生じたとき | 速やかに補充し、必要な届出を行う | 欠員の期間と、対応の記録 |
サービス提供責任者の業務と、残す記録
| 業務 | やること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 訪問介護計画の作成 | アセスメントに基づき作成し、説明・同意・交付 | 作成日・説明日・同意日・交付日 |
| アセスメント | 自事業所として実施する(ケアプランを受け取るだけにしない) | 実施日・訪問者・確認した動作と環境 |
| モニタリング | 計画の実施状況を把握し、必要に応じて変更 | 実施日・目標の達成状況・変更の要否 |
| 訪問介護員への指示 | 文書等の確実な方法で伝達する | 指示書・申し送りの記録 |
| 提供後の報告を受ける | 訪問介護員から実施内容の報告を受ける | 報告の記録 |
| 電話での指示 | 急変等の連絡を受けて指示したとき | 電話でも内容を文書に残す(仙台市の指摘) |
| 記録の点検 | サービス提供記録の内容を確認する | 点検した日と、指摘した内容 |
| 初回加算の同行 | 新規利用者の初回に訪問(同行)する | 同行した日と、同行者の氏名 |
| 担当者会議への出席 | ケアプランの検討に参加する | 出席日・検討内容・発言 |
| 研修の計画と実施 | 訪問介護員ごとの研修計画を策定し実施する | 個別研修計画・実施記録 |
| 会議の主宰 | おおむね1月に1回以上、全員参加の会議を開く | 開催記録と参加者名簿 |
| 苦情への対応 | 受付・対応・再発防止 | 受付日・内容・対応・結果 |
つまずきやすいところ
| よくあること | なぜ問題か | どうするか |
|---|---|---|
| 人数が足りているつもりだった | 利用者40人ごとに1人以上。端数も1人分 | 当月の利用者数から必要人数を毎月確認する |
| 「常勤」を雇用形態で判断していた | 常勤は勤務時間で判断するとされている | 勤務表で週の勤務時間を確認する |
| 他事業所の管理者を兼務していた | 公表資料で名指しされている | 兼務の可否を指定権者に確認する |
| 非常勤サ責の勤務時間が足りない | 2分の1以上が必要とされている | 勤務表で時間を確認する |
| 変更届を出し忘れた | 届け忘れが多い事項として挙げられている | 変更が決まった日から10日以内に出す |
| 電話での指示を記録していない | 特定事業所加算で名指しされている | 電話でも内容と時刻を記録する |
| 記録の点検をしていない | 公表資料で指摘されている | 点検の頻度と担当を決め、記録を残す |
訪問介護計画書は訪問介護計画書の書き方、アセスメントは訪問介護のアセスメント、特定事業所加算は訪問介護の特定事業所加算をご覧ください。要件・運用は保険者により異なります。
よくある質問(FAQ)
サ責の主な仕事は?
サ責は何人配置すればよいですか?
介護職員初任者研修だけでもなれますか?
サ責とヘルパーの違いは?
ケアマネとの関係は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
出典:厚生労働省ウェブサイト(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条/厚生労働大臣が定めるサービス提供責任者(平成24年厚生労働省告示第118号))/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。制度改正により数値・要件が変わることがあるため、最新の情報は原典と所管自治体でご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
