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訪問介護の手順書の書き方と記入例|欄別の対照表と場面別の手順100例・悪い例と良い例

訪問介護の手順書は、訪問介護員が訪問先で手元に置き、その日の支援を時間の流れに沿って進めるための書類です。訪問介護計画書が「何のために・何を・どれくらいの時間で行うか」をご本人・ご家族と取り決める書類だとすると、手順書は「玄関に着いてから退室するまで、どの順番で、どんな言葉をかけ、何を見て、どこで手を止めて誰に連絡するか」を訪問介護員に伝える書類です。

この記事は手順書に絞っています。欄ごとの対照表、1枚の完成見本、身体介護・生活援助・状況別の手順の完成文、悪い例と良い例、訪問介護計画書・サービス提供記録との対応と変更時の更新、よくある質問の順に並べました。訪問介護計画書の目標や援助内容の書き方、実施記録の文例は別の記事で扱っているため、ここでは繰り返しません。

手順書の位置づけ|運営指導マニュアル別添1と公表事例で確かめられる範囲

当社が確認した厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(訪問介護)の確認項目には、「手順書」という語は出てきません。別添1が訪問介護計画の作成(第24条)について挙げているのは、居宅サービス計画に基づいて立てられているか、利用者の心身の状況・希望・環境を踏まえているか、「サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか」、利用者又は家族への説明・同意・交付、目標の達成状況の記録、達成状況に基づく新たな計画です。サービス提供の記録(第19条)では、「訪問介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか」「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか」が挙げられています。条番号は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の該当条項として別添1に示されているものです。

手順書は、訪問介護計画の「サービスの具体的内容、時間、日程等」を訪問1回分の流れに具体化するために、事業所が作る書類として運用されることが多いものです。様式の定め、作成を求めるかどうか、利用者宅に置くかどうかといった取扱いは保険者(指定権者)によって異なりうるため、下の表の記入欄に、確かめた内容と確かめた日付を書いておくことをおすすめします。

一方で、自治体の公表資料には手順書に触れたものがあります。宇都宮市の「令和7年度 運営指導における主な指導事例(訪問介護に関する事項)」には、訪問介護計画に即した手順書が作成されていない事例が挙げられています。また、金沢市の令和7年度集団指導資料1には、現場の訪問介護員等の判断で居宅サービス計画又は訪問介護計画と異なるサービスを提供した事例が挙げられています。手順書は、この2つ(計画とつながっていない手順/現場判断で内容が変わること)を防ぐための道具として位置づけると、何を書けばよいかがはっきりします。

手順書・訪問介護計画書・サービス提供記録の役割分担(14項目)

項目 手順書 訪問介護計画書 サービス提供記録 貴事業所の定め(記入欄)
主に読む人 訪問する訪問介護員(新任・代行を含む) ご本人・ご家族、介護支援専門員、サービス提供責任者 サービス提供責任者、ご本人・ご家族、次に訪問する訪問介護員 (    )
読む時点 訪問の前日・当日の出発前・訪問中 作成時・変更時・説明と同意のとき 訪問の直後・点検のとき・次の訪問の前 (    )
作る単位 曜日と時間帯の「枠」ごと(例:火曜午前の枠、金曜夕方の枠) 利用者ごと 訪問1回ごと (    )
目標の扱い 計画の短期目標のうち、その枠で取り組むものを1〜2行で書き写す 長期目標・短期目標を定める 目標に向けて当日何を行い、ご本人がどうだったかを書く (    )
時間の書き方 到着からの経過を分単位の目安で書く サービスの標準的な所要時間を書く 実際の開始・終了時刻を書く (    )
ご本人が行う部分 工程ごとに「ご本人が行う」「一緒に行う」「訪問介護員が行う」を分ける 自立支援の方針として書く 当日ご本人ができた工程・介助した工程を書く (    )
声かけ 最初の一言、動作の前の一言、断られたときの一言を文で書く 通常は書かない(留意事項に方針として書く場合はある) ご本人の返答や言葉を書く (    )
観察の基準 何を、どの数値や状態で「いつもと違う」とするかを書く 留意事項として要点を書く 観察した事実と数値を書く (    )
中止・連絡の基準 手を止める場面と、連絡する相手・順番を書く 緊急時の対応方針を書く 中止した事実・理由・連絡した相手と時刻を書く (    )
範囲外の依頼への対応 その場で引き受けず、サービス提供責任者へつなぐ言葉と手順を書く 提供するサービスの範囲を書く 依頼の内容と、つないだ先を書く (    )
変更したとき 版を改め、変更日・変更理由・周知した訪問介護員を書く 変更し、説明・同意・交付をやり直す 変更後の最初の訪問で、変更点を実施したかを書く (    )
別添1での扱い 確認項目に語としては出てこない 第24条の確認項目(具体的内容・時間・日程等、説明・同意・交付など) 第19条の確認項目(目標を達成するための具体的なサービスの内容など) (    )
ご本人への交付 事業所の定めと保険者の取扱いを確認して決める 別添1の確認項目に「説明・同意・交付」がある 事業所の定めと保険者の取扱いを確認して決める (    )
保管の場所 事業所の原本と、訪問介護員が持つ写し(持ち出しの管理方法を決める) 事業所(同意・交付の記録とともに) 事業所(点検の記録とともに) (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料と別添1から読む、手順書で確かめる点(16行)

出典 資料に示されている内容 手順書で確かめる点 貴事業所の状況(記入欄)
運営指導マニュアル別添1(訪問介護・第24条) サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか 手順書の曜日・時間帯・工程が、計画の内容・時間・日程と同じか (    )
運営指導マニュアル別添1(訪問介護・第19条) 訪問介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 手順書に目標が書き写され、その目標に向けた工程が入っているか (    )
運営指導マニュアル別添1(訪問介護・第16条) 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか 手順書の内容が、居宅サービス計画(第2表)のサービス内容から外れていないか (    )
運営指導マニュアル別添1(訪問介護・第27条) 緊急時対応マニュアル等が整備されているか、緊急事態が発生した場合に速やかに主治の医師に連絡しているか 手順書の緊急時の欄が、事業所の緊急時対応マニュアルと同じ連絡順になっているか (    )
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(訪問介護に関する事項)」 訪問介護計画に即した手順書が作成されていない事例 利用者ごと・枠ごとに手順書があるか。計画の版と手順書の版が対応しているか (    )
同上 サービス提供時間を変更したにもかかわらず訪問介護計画を変更していない、提供したサービスについて評価を行っていない 時間を変えたときに、計画と手順書の両方を改めた記録があるか (    )
金沢市 令和7年度集団指導資料1 現場の訪問介護員等の判断で居宅サービス計画又は訪問介護計画と異なるサービスを提供した事例 手順書に「範囲外の依頼を受けたときの言葉とつなぎ先」が書かれているか (    )
松山市「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」 計画に位置付けられた時間を機械的に記録しているケース、希望で内容や日程を変えたのに計画が変更されていないケース 手順書の時間は「目安」と明記し、記録には実際の時刻を書く運用になっているか (    )
堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」 居宅サービス計画と訪問介護計画の日時・具体的なサービスの内容が相違している 居宅サービス計画→訪問介護計画→手順書の3つで、曜日・時刻・内容が揃っているか (    )
堺市「令和8年度 介護保険施設・事業所等集団指導 居宅事業所編」 実施時間が一律、変更の旨と理由が記録されていない、買い物代行の預り金・おつり・購入品が正確でない、サービス提供責任者の点検が十分でない 手順書の買い物の工程に、預り金・レシート・釣銭の照合と記載の手順が入っているか (    )
長野県「令和6年度運営指導結果の概要(訪問介護)」 文書指摘172件のうち「訪問介護計画の作成等の不備」が52件(30.2%)で最多 手順書を作る前に、元になる訪問介護計画が最新の居宅サービス計画を踏まえているか (    )
埼玉県「運営指導での主な指摘事項に関するQ&A ー介護保険 居宅サービス事業所ー」 居宅サービス計画と個別サービス計画の内容が一致しない事例 居宅サービス計画の交付を受けたときに、手順書も突き合わせているか (    )
仙台市 令和6年6月集団指導資料 計画の変更時にアセスメントを実施していない、移動介助があるのにアセスメントで移動を「自立」としている 手順書の介助の工程と、アセスメントの状態の記載が食い違っていないか (    )
同上 外出介助で、運転中の時間を含めた所要時間区分で算定していた 車での外出がある枠の手順書で、運転の時間と介助の時間を分けて書いているか (    )
大阪市「令和8年度介護事業者等集団指導資料 居宅サービス編」 通院介助で、自宅から病院間の介助に要した時間と訪問介護として認められない時間が不明確だった 通院の枠の手順書で、介助の工程と待ち時間を区切り、記録にも分けて書く指示があるか (    )
姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 有料老人ホームによるサービス内容と訪問介護事業所によるサービス内容が重複・区別できていない 住まいの職員が行う支援と、訪問介護員が行う工程を手順書の上で区別しているか (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

手順書の欄別対照表|17欄の書き方と1枚の完成見本

手順書に決まった様式が示されていない場合でも、欄がばらばらだと、訪問介護員によって読むところが変わり、同じ枠でも支援の順番や時間が揃いません。下の表は、事業所で様式を作るときの欄の候補と、それぞれの記入例です。記入例はそのまま使える完成文にしてあります。右端は、貴事業所の様式にその欄があるかを書き込むための欄です。

17欄の書くことと記入例

欄 書くこと 記入例(完成文) 抜けやすい点 貴事業所の様式(記入欄)
呼び方・入り方 ご本人の呼び方、玄関の入り方、鍵の扱い 姓に「さん」をつけて呼ぶ(ご本人の希望)。インターホンを押して返事を待ち、返事がなければ2回目を押してから、キーボックスの鍵で入室する。鍵は退室時に同じ場所へ戻す。 返事がないときの手順が書かれていない 有・無(  )
訪問の枠 曜日・開始時刻・終了時刻・合計の目安 毎週火曜・金曜の10時00分〜11時00分(60分)。到着は開始時刻の2分前までとし、玄関前で手指消毒とマスクの着用を済ませる。 祝日・年末年始の扱いが書かれていない 有・無(  )
サービス区分と時間配分 身体介護・生活援助の区分と、それぞれの目安の時間 身体介護(シャワー浴の介助・更衣)40分に引き続き、生活援助(浴室と脱衣所の掃除)20分。順番は入れ替えない。 区分ごとの時間が計画と一致していない 有・無(  )
計画の目標との対応 この枠で取り組む短期目標を書き写し、手順のどこが対応するかを示す 短期目標「シャワーチェアへの立ち座りを手すりを使って自分で行える」。この枠では、立ち座りの3回すべてをご本人が行い、訪問介護員は腰の横に手を添えるだけにする。 目標が書かれず、作業の一覧だけになっている 有・無(  )
到着から開始まで 入室後、支援に入る前に確かめること 入室後すぐに「おはようございます、ヘルパーです」と声をかけ、表情・顔色・会話の様子を見る。前回の申し送りノートを読み、変わったことがないかをご本人に尋ねる。 前回からの申し送りを読む工程がない 有・無(  )
時刻ごとの手順 到着からの経過ごとに、工程を1行1動作で書く 10分〜25分:シャワー浴。胸から下はご本人がボディタオルで洗い、背中と足の指の間は訪問介護員が洗う。 「入浴介助」の一語で終わっている 有・無(  )
ご本人が行う部分 工程ごとにご本人・一緒に・訪問介護員の3つに分ける 靴下を脱ぐ・ボタンを外す・胸と腹を洗う・タオルで顔を拭くは、ご本人が行う。時間がかかっても手を出さず、声をかけて待つ。 全部を介助する前提で書かれている 有・無(  )
声かけ 最初の一言、動作の前の一言、断られたときの一言 立ち上がりの前に「今から立ちますね。手すりを持ったら教えてください」と伝え、ご本人の合図を待ってから支える。 「声かけを行う」とだけ書かれている 有・無(  )
観察ポイントと基準 何を見て、どの状態を「いつもと違う」とするか 足のむくみを、すねを指で5秒押して跡が残るかで確かめる。前回より跡が深い、または左右で差がある場合は申し送りに書き、サービス提供責任者へ連絡する。 「様子を観察する」で終わり、基準がない 有・無(  )
中止・変更の基準 手を止める場面と、代わりに行うこと 主治医から示された中止の目安(記入欄:  )を超えた場合、またはご本人が「だるい」と言った場合は、シャワー浴を行わず、顔・手・足の部分清拭に切り替える。切り替えた理由を記録に書く。 中止したあとの代わりの手順がない 有・無(  )
緊急時の連絡 連絡する順番と連絡先の種類 呼びかけに反応がない、呼吸が苦しそうな場合は、119番通報→事業所(サービス提供責任者)→ご家族の順に連絡する。連絡した時刻を控える。 夜間・休日の連絡先が書かれていない 有・無(  )
退室前の確認 火の元・戸締まり・手の届く位置など、退室前に見る点 退室前に、ガスの元栓・エアコンの設定温度・玄関と勝手口の鍵・ポットのお湯の量の4点を確認し、ご本人に「火と鍵を確かめました」と伝える。 確認する項目の数が決まっていない 有・無(  )
記録に書くこと この枠の記録で必ず残す事実 記録には、実際の開始・終了時刻、シャワー浴を行ったか清拭に切り替えたか、ご本人が自分で行えた工程、足のむくみの有無を書く。 計画の時間を写すことになっている 有・無(  )
範囲外の依頼 計画にない依頼を受けたときの言葉とつなぎ先 計画にない依頼(例:窓の外側の掃除、ご家族の部屋の片付け)を受けたときは「事業所に確認してからお返事します」と伝え、その場では行わない。依頼の内容を記録に書き、サービス提供責任者へ伝える。 断り方が訪問介護員ごとに違う 有・無(  )
変更履歴 版・変更日・変更した欄・理由・周知した日 第3版(変更日: 月 日)。入浴をシャワー浴に変更(理由:浴槽のまたぎで右膝の痛みの訴えが続いたため。計画の変更日: 月 日)。担当の訪問介護員全員に周知した日: 月 日。 いつ何が変わったかが分からない 有・無(  )
作成・確認 作成した人の職種、確認した人、元にした計画の版 作成:サービス提供責任者(作成日: 月 日)。元にした訪問介護計画:第2版(同意日: 月 日)。 元にした計画の版が書かれていない 有・無(  )
確認が要る事項 保険者・主治医・介護支援専門員に確かめたこと 服薬の介助の範囲について、主治医・介護支援専門員に確認した内容:(  )。確認した日: 月 日。 確認した相手と日付が残っていない 有・無(  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

完成見本|火曜10時の枠(シャワー浴・更衣・浴室の掃除)

下は、右片麻痺があり一人暮らしの方の、火曜午前60分の枠を1枚の手順書にした見本です。「時刻」は到着からの経過の目安で、記録に書く実際の時刻とは別のものです。

時刻の目安 手順 ご本人が行う部分 声かけの例 観察と連絡の基準
0〜3分 入室して挨拶し、申し送りノートの前回分を読む。室温を確かめ、脱衣所の暖房を入れる。 ノートに書いた「困りごと」をご本人が読み上げる 「おはようございます。前回から変わったことはありますか」 前回の申し送りに「要確認」とあれば、その点を先に確かめる
3〜6分 事業所の取り決めに沿って体温を測り、記録用紙に書く。顔色・息づかい・会話の様子を見る。 体温計をご本人が脇にはさむ 「体温を測りましょう。左の脇にはさめますか」 中止の目安(記入欄:  度)を超えたら入浴をやめ、部分清拭に切り替えてサービス提供責任者へ連絡する
6〜10分 居間のいすから脱衣所のいすへ、四点杖での歩行を右後方から見守る。 歩行はご本人が行う 「杖、足、足の順でいきましょう」 つまずきやふらつきが2回以上あれば、帰りは手引き歩行に変える
10〜14分 脱衣を介助する。上着は左手(麻痺のない側)から脱ぎ、ズボンは座ったまま腰を浮かせて下ろす。 ボタン外し・左の袖を抜く・靴下を脱ぐ 「ボタンはお任せしますね。終わったら教えてください」 皮膚の赤み・傷・あざを、背中・お尻・かかとの順に見る
14〜18分 浴室のシャワーチェアへ移る。手すりの位置を確認し、腰の横に手を添える。 手すりを持っての立ち座り(短期目標の工程) 「手すりを持って、お尻を上げてください。支えています」 立ち座りを自分で行えたかを記録に書く
18〜30分 湯温計で湯の温度を測り、足先からかける。頭を洗い、背中・右腕・足の指の間を洗う。 胸・お腹・左腕・顔を洗う 「お湯をかけますね。熱くないですか」 ご本人が「寒い」「息が苦しい」と言ったら、洗うのをやめて体を拭き、脱衣所で休んでもらう
30〜35分 体を拭き、脱衣所のいすへ移る。背中と足の指の間の水気を拭き取る。 顔・胸・お腹を拭く 「背中は拭きますね。前はお願いできますか」 拭いた後、かかと・お尻の赤みを再度見る
35〜40分 更衣を介助する。上着は右腕(麻痺のある側)から袖を通す。髪を乾かす。 左の袖を通す・ボタンを留める 「右の袖から通しますね」 ボタン留めにかかった時間を目安で記録する(目標の進み具合を見るため)
40〜42分 居間に戻り、湯のみ1杯分の水分をとってもらう。 湯のみを持って飲む 「お風呂の後なので、お茶を一杯どうぞ」 飲んだ量を記録に書く
42〜58分 浴室の床・壁の下半分・排水口の髪の毛を掃除し、脱衣所の床を拭く。バスマットを干す。 —(ご本人は居間で休む) 「お風呂場を掃除してきます。何かあれば呼んでください」 浴室の床のぬめりが取れているかを手で確かめる
58〜60分 ガスの元栓・暖房・鍵を確かめ、次回の訪問日を伝えて退室する。 次回の日付を一緒にカレンダーで確かめる 「次は金曜の10時に伺います」 記録に実際の開始・終了時刻を書く(手順書の時刻は写さない)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

身体介護の手順|9場面の完成文(排泄・入浴・清拭・更衣・移乗・食事・服薬の声かけ・通院等乗降介助の前後)

ここからは、手順書の「時刻ごとの手順」欄にそのまま入れられる完成文を、場面ごとに並べます。どの行にも、目安の時間、手順、声かけ、観察ポイントと終了時の確認を入れています。数値の目安(体温・血圧・食事量など)のうち医療に関わるものは、主治医・看護職・サービス提供責任者から示された値を記入欄に書き写す形にしてあります。行為が医療的な行為に当たるかどうか、訪問介護として行える範囲かどうかは、ご本人の状態と主治医の指示、保険者の取扱いによって異なるため、事業所として保険者・主治医に確認した結果を手順書の「確認が要る事項」欄に残してください。

排泄と清潔|ポータブルトイレ・おむつ交換・シャワー浴・ベッド上の清拭(4場面・24工程)

場面 時刻の目安 手順(完成文) 声かけの例 観察ポイント・終了時の確認
ポータブルトイレ 0〜2分 ポータブルトイレをベッドの左側(麻痺のない側)に、ベッドと平行に置き、ふたを開けてトイレットペーパーを手の届く位置に置く。 「トイレを使いますか。準備しますね」 バケツの中に前回分が残っていないかを見る
ポータブルトイレ 2〜5分 ベッドの端に座ってもらい、両足が床についていることを確かめてから、ポータブルトイレの肘掛けを持って立ち上がってもらう。 「肘掛けを持って、立ちましょう」 立ち上がりでふらついたかを記録する
ポータブルトイレ 5〜8分 立った姿勢のまま、ズボンと下着を膝まで下ろし、向きを変えて座ってもらう。座ったら膝にバスタオルをかける。 「座りますね。ゆっくりどうぞ」 座った姿勢が傾いていないかを見る
ポータブルトイレ 8〜13分 カーテンを閉めて部屋の外で待ち、終わったら呼んでもらう。拭くのはご本人が行い、届かない部分だけ手伝う。 「終わったら、このベルを鳴らしてください」 尿の色(薄い黄・濃い黄・赤みがある)と、便の有無・硬さを見る
ポータブルトイレ 13〜16分 立ち上がりを支えて衣類を上げ、ベッドに戻る。バケツの中身をトイレに流し、バケツを洗って戻す。 「ズボンを上げますね。前は引っ張ってもらえますか」 濃い色の尿・赤みが続く場合は申し送りに書き、サービス提供責任者へ伝える
ポータブルトイレ 16〜18分 ご本人の手を拭くか手洗いを促し、部屋の換気をする。バケツに消臭剤を入れる。 「窓を少し開けますね」 終了時:ポータブルトイレのふたが閉まっているか、足元に物がないか
おむつ交換 0〜2分 新しいおむつ・パッド・陰部を洗うお湯(ボトル)・タオル・ビニール袋を枕元にそろえ、カーテンを閉める。 「おむつを替えますね。少し体を動かします」 前回の交換の時刻を申し送りで確かめる
おむつ交換 2〜5分 ベッドの高さを腰の位置まで上げ、掛け物を足元にたたむ。ズボンを下ろし、おむつのテープを外す。 「ズボンを下げますね。寒くないですか」 腹部の張り、皮膚の赤みを見る
おむつ交換 5〜10分 陰部をお湯で洗い、前から後ろに向かって拭く。横向きになってもらい、お尻と仙骨のあたりを拭く。 「右を向きますね。柵を持ってもらえますか」 仙骨・尾骨・かかとの赤みを指で押し、赤みが消えるかを確かめる
おむつ交換 10〜14分 汚れたおむつを内側に丸めて袋に入れ、新しいおむつを体の下に半分入れる。反対を向いてもらい、残りを引き出して整える。 「今度は左を向きますね」 おむつのギャザーが外に出ているか、しわがないかを見る
おむつ交換 14〜17分 テープを左右対称に留め、指が2本入るゆとりがあるかを確かめる。ズボンを上げ、枕とクッションで楽な姿勢に整える。 「きつくないですか」 押して消えない赤みがあれば、場所と大きさ(何センチ)を記録し、サービス提供責任者へ連絡する
おむつ交換 17〜20分 ベッドの高さを戻し、柵を上げる。汚れたおむつを指定の場所へ出し、手を洗う。 「終わりました。楽な姿勢ですか」 終了時:ベッドの高さが低い位置に戻っているか、ナースコールや呼び出しの道具が手元にあるか
シャワー浴 0〜4分 脱衣所と浴室を暖め、シャワーチェア・滑り止めマット・着替え・バスタオルを置く。 「お風呂場を暖めています。少し待ってくださいね」 浴室の床が濡れて滑りやすくなっていないかを見る
シャワー浴 4〜8分 事業所の取り決めに沿って体調を確かめる(測る項目:記入欄  )。前夜の眠りと食事をご本人に尋ねる。 「昨日はよく眠れましたか。朝ごはんは食べましたか」 中止の目安(記入欄:  )に触れたらシャワー浴を行わない
シャワー浴 8〜14分 脱衣を手伝い、シャワーチェアに座ってもらう。湯温計で湯の温度を確かめ、手・足から順にかける。 「足からお湯をかけます。熱さはどうですか」 「熱い」「ぬるい」の返答をそのまま記録する
シャワー浴 14〜24分 洗髪を行い、背中と足を洗う。前側は泡立てたタオルを渡してご本人に洗ってもらう。 「前はお願いします。終わったら流しますね」 皮膚のかゆみ・湿疹・爪の変色を見る
シャワー浴 24〜30分 泡を流し、バスタオルで体を包んで脱衣所へ移る。背中・脇・足の指の間を拭く。 「寒くないようにタオルでくるみますね」 顔色・息づかいが入浴前と変わっていないかを見る
シャワー浴 30〜35分 更衣を手伝い、髪を乾かす。コップ1杯の水分をとってもらう。 「お水を一杯どうぞ」 終了時:浴室の換気扇を回したか、床の水気を拭いたか
ベッド上の清拭 0〜4分 室温を確かめ、ベースンに湯を用意してタオルを2枚絞る。バスタオルを体の下に敷く。 「今日は体を拭きますね。お湯を用意します」 寒気の訴えがないかを尋ねる
ベッド上の清拭 4〜10分 顔はご本人に拭いてもらい、首・両腕・胸・お腹を拭く。拭いた部分からすぐにバスタオルで覆う。 「顔はご自分で拭けますか」 腕の内出血・皮膚のはがれを見る
ベッド上の清拭 10〜16分 横向きになってもらい、背中・腰・お尻を拭く。肘と膝が曲がりにくい場合は、無理に伸ばさず曲がったまま拭く。 「ゆっくり横を向きます。痛いところがあれば言ってください」 曲がりにくい関節と痛みの訴えがあった場所を記録する
ベッド上の清拭 16〜22分 足・足の指の間・かかとを拭き、足の爪の伸びと足の裏の傷を見る。 「足を拭きますね。くすぐったかったら言ってください」 足の傷・爪の伸びすぎがあれば申し送りに書く
ベッド上の清拭 22〜28分 陰部を洗うか拭き、清潔な寝衣に替える。シーツのしわを伸ばす。 「着替えも済ませますね」 終了時:濡れたタオル・ベースンを片付け、寝具が湿っていないかを確かめる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

着る・移る・食べる|寝たままの更衣・車いすから便座への移乗・食事の介助(3場面・18工程)

場面 時刻の目安 手順(完成文) 声かけの例 観察ポイント・終了時の確認
寝たままの更衣 0〜2分 着替える服をご本人に2つ見せて選んでもらい、選んだ服を着る順に重ねて枕元に置く。 「今日はどちらを着ますか」 選べたか、迷ったかを記録する
寝たままの更衣 2〜6分 上着の前を開け、麻痺のない側の腕から袖を抜く。体を横に向け、脱いだ上着を体の下に丸めて入れる。 「左の腕から抜きますね」 肩を動かしたときの痛みの表情を見る
寝たままの更衣 6〜10分 新しい上着を麻痺のある側の腕から通し、体の下に半分入れる。反対を向いてもらい、古い上着を抜いて新しい上着を引き出す。 「右の腕から通します。力を抜いていてください」 背中のしわがないかを手で確かめる
寝たままの更衣 10〜14分 ズボンを足先から通し、膝を立ててもらって腰を上げるのに合わせて引き上げる。 「膝を立てて、お尻を少し上げられますか」 腰を上げられた回数を記録する(できる動作を減らさないため)
寝たままの更衣 14〜16分 ボタンは下から2つ目までご本人に留めてもらい、残りを手伝う。 「下のボタンをお願いします」 指先の動きがいつもより遅くないかを見る
寝たままの更衣 16〜18分 脱いだ衣類をポケットの中を確かめてから洗濯かごに入れる。 「ポケットの中は出しておきますね」 終了時:衣類が汚れていた場合は、汚れの種類を申し送りに書く
車いすから便座 0〜2分 トイレの入口で車いすを便座に対して斜めに止め、ブレーキを両側かける。足台を上げる。 「トイレに着きました。ブレーキをかけますね」 ブレーキが両側とも効いているかを手で押して確かめる
車いすから便座 2〜4分 車いすに浅く座り直してもらい、足を肩幅に開いて床につける。壁の縦手すりを持ってもらう。 「少し前に座り直せますか。縦の手すりを持ちましょう」 足の位置が膝より後ろにあるかを見る
車いすから便座 4〜6分 ご本人がおじぎをする動きに合わせて、ズボンのウエスト部分を持って立ち上がりを支える。 「おじぎをしながら立ちましょう。いち、に、さん」 立ち上がれた高さと、支えた力の程度(軽く・半分・ほとんど)を記録する
車いすから便座 6〜8分 手すりを持ったまま小さな足踏みで向きを変えてもらい、ズボンを下ろして便座に座る。 「足踏みしながら、ゆっくり回りましょう」 膝の折れ・ふらつきがあれば、次回からの人数や方法をサービス提供責任者と相談する
車いすから便座 8〜14分 排泄中はドアの外で待ち、終わったら同じ手順で車いすに戻る。 「終わったら声をかけてください。外にいます」 便座に座っている間の姿勢の傾きを見る
車いすから便座 14〜16分 足台を下ろして足を乗せ、深く座り直してもらってからブレーキを外す。 「足を乗せました。動きますね」 終了時:車いすのお尻の下にしわやずれがないか
食事の介助 0〜3分 ベッドの背を上げ、いすに座れる日は食卓へ移る。あごを軽く引いた姿勢に、クッションで整える。 「お昼ごはんにしましょう。背中を起こしますね」 眠気が強い日は、目が覚めるまで食べ始めない
食事の介助 3〜6分 献立をご本人に1品ずつ伝え、食べる順番を聞く。最初はお茶か汁物を一口にする。 「今日は煮魚とかぼちゃです。何から食べますか」 最初の一口でむせないかを見る
食事の介助 6〜25分 スプーンにティースプーン1杯分をのせ、口を閉じて飲み込んだのを確かめてから次の一口を運ぶ。スプーンは下から口に入れる。 「次はかぼちゃです。飲み込めたら教えてください」 むせが2回続いたら一旦止め、お茶を少量飲んで落ち着いてから再開する。止まらない場合は中止して連絡する
食事の介助 6〜25分(並行) スプーンを持てる日は、ご本人にスプーンを持ってもらい、訪問介護員は器を手元に寄せる。 「スプーン、持ってみますか」 ご本人が自分で口に運べた回数の目安を記録する
食事の介助 25〜28分 主食・おかず・汁物ごとに食べた量を見て、残した理由を尋ねる。 「おなかいっぱいですか。味はどうでしたか」 食べた量を「主食は茶碗半分・おかずは3分の2」のように分けて記録する
食事の介助 28〜35分 食後30分ほどは体を起こしたままにしてもらい、その間に口の中に食べ物が残っていないかを見てうがいを促す。 「お口をゆすぎましょう」 終了時:頬の内側に食べ物が残っていないか、食後の咳がないか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

薬と外出|服薬の声かけ・通院等乗降介助の前後(2場面・12工程)

服薬について手順書に書くのは、訪問介護員が行う範囲として事業所が確認した工程だけにします。どこまでを訪問介護員が行うか(声かけ・見守り・手渡しなど)は、ご本人の状態、主治医・薬剤師の指示、保険者の取扱いによって異なります。通院等乗降介助については、公表資料に、運転中の時間や医療機関での待ち時間の扱いに関する指摘があります(仙台市・大阪市・埼玉県の資料)。手順書では、介助の工程と、運転・待ち時間を行を分けて書いておくと、記録でも分けて書きやすくなります。

場面 時刻の目安 手順(完成文) 声かけの例 観察ポイント・終了時の確認
服薬の声かけ 食後すぐ お薬カレンダーの「昼」のポケットを指さし、ご本人に取り出してもらう。 「お昼のお薬の時間です。カレンダーのどこに入っていますか」 ご本人が自分でポケットを見つけられたかを記録する
服薬の声かけ 取り出したあと コップに水を半分ほど入れて渡し、飲むところを見守る。 「お水をどうぞ。ゆっくりで大丈夫です」 飲み込みにくそうな様子(むせ・口の中に残る)がないかを見る
服薬の声かけ 飲んだあと 空になったポケットをご本人と一緒に確かめ、服薬の確認表に丸をつけてもらう。 「飲めましたね。表に丸をお願いします」 確認表への記入をご本人ができたかを見る
服薬の声かけ 前の回の確認 朝・前日のポケットに薬が残っていないかを見る。残っていた場合は数を数え、ご本人に理由を尋ねる。 「朝の分が残っているようです。何かありましたか」 残っていた薬の回と数を記録し、サービス提供責任者へ伝える(残った薬をその場で飲ませるかどうかは訪問介護員が決めない)
服薬の声かけ 拒まれたとき 2回声をかけても飲まない場合は、無理に勧めず、時間をおいてもう一度声をかける。それでも飲まない場合は、飲まなかったことを記録してサービス提供責任者へ連絡する。 「あとでもう一度声をかけますね」 拒んだ言葉をそのまま記録する
服薬の声かけ 退室前 次の服薬の時刻と、カレンダーのポケットの位置をご本人に伝える。 「夜の分は、この一番下のところです」 終了時:薬の入った袋や箱が手の届く場所に散らばっていないか
通院等乗降介助の前(乗車前) 0〜8分 保険証・診察券・お薬手帳・受診先で聞きたいことのメモを、ご本人と一緒にかばんに入れる。 「病院で聞きたいことは、このメモに書いてありますね」 持ち物のうち、そろわなかった物を記録する
通院等乗降介助の前(乗車前) 8〜15分 上着と靴を着けるのを手伝い、玄関から車までの歩行を支える。 「玄関の段差、一段下りますね」 歩行の様子(ふらつき・息切れ)を見る
通院等乗降介助の前(乗車前) 15〜18分 車の座席に、お尻から座ってから足を入れる順で乗車を手伝い、シートベルトを締める。乗車の介助が終わった時刻を控える。 「先にお尻から座って、それから足を入れましょう」 乗車の介助の終了時刻と、運転を始めた時刻を分けて記録する
通院等乗降介助の後(降車後) 到着時 医療機関に着いたら降車を手伝い、受付までの移動を支える。受付で手続きを行う。降車の介助を始めた時刻を控える。 「着きました。足から出しましょう」 運転の時間と、降車・移動・受付の介助の時間を分けて記録する
通院等乗降介助の後(降車後) 待ち時間 診察を待つ時間・診察の時間は、訪問介護の工程と分けて記録する。院内での介助が居宅サービス計画・訪問介護計画に位置づけられているかは、事前にサービス提供責任者に確かめておく。 「呼ばれるまで、こちらでお待ちください」 待ち時間の扱いについて保険者に確かめた内容(記入欄:  )
通院等乗降介助の後(帰宅後) 帰宅後 自宅に着いたら降車と玄関までの移動を支え、上着を脱いで座れる位置まで付き添う。お薬手帳と処方の袋を所定の場所に置く。 「お疲れさまでした。少し休みましょう」 終了時:処方が変わったとご本人が話した場合は、その言葉を記録してサービス提供責任者へ伝える

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

生活援助と状況別の手順|調理・掃除・洗濯・買い物と、認知症・独居・老老介護・拒否があるとき

生活援助の手順書は、「何を作る・どこを掃除する」だけを書くと、訪問介護員ごとにやり方が変わりやすくなります。ご本人の習慣(道具の置き場所・味付け・洗濯物のたたみ方)と、ご本人が行う部分を工程に入れておくと、誰が訪問しても同じ支援になります。状況別の表は、認知症のある方、一人暮らしの方、高齢のご夫婦で暮らす方、支援を断られることがある方の手順書で、とくに書き足しておきたい工程です。

生活援助|調理・掃除・洗濯・買い物(4場面・22工程)

場面 時刻の目安 手順(完成文) 声かけの例 観察ポイント・終了時の確認
調理 0〜5分 冷蔵庫の中を一緒に見て、使う食材を決める。主治医や管理栄養士から食事の指示が出ている場合は、手順書の「食事の指示」欄(記入欄:  )の内容に沿って献立を決める。 「冷蔵庫に鶏肉と大根がありますね。何にしましょうか」 消費期限の切れた食品があれば、ご本人に伝えてから扱いを決める
調理 5〜15分 ご本人に座ったまま野菜の皮むきをしてもらい、訪問介護員は硬い食材を切る。 「大根の皮むき、お願いできますか」 包丁やピーラーを使う手元の様子を見る
調理 15〜30分 煮物は、ご本人がふだん使っている鍋と調味料で作る。味見はご本人にしてもらう。 「味見をお願いします。いつもの味になっていますか」 味付けの好み(濃い・薄い)を申し送りに書く
調理 30〜37分 できた料理を1食分ずつ保存容器に分け、容器のふたに作った日を書いて冷蔵庫に入れる。 「明日の分は、上の段に入れておきますね」 冷蔵庫のどこに入れたかを申し送りに書く
調理 37〜42分 使った鍋と食器を洗い、元の場所に戻す。コンロの火が消えていることを、ご本人と一緒に指さして確かめる。 「火は消えていますね。一緒に確かめましょう」 終了時:ガスの元栓・コンロのつまみ・換気扇
掃除 0〜3分 今日掃除する場所を、手順書の順番(トイレ→洗面所→居間)どおりにご本人に伝え、ほかに気になる場所がないかを尋ねる。 「今日はトイレ、洗面所、居間の順に掃除します」 計画にない場所を頼まれた場合は、範囲外の依頼の手順で対応する
掃除 3〜12分 トイレの便器の内側・便座の裏・床・手すりを掃除し、トイレットペーパーの残りを確かめる。 「トイレを掃除してきます」 便器や床に尿や便の汚れが多い場合は、排泄の様子の変化として申し送りに書く
掃除 12〜18分 洗面台と鏡を拭き、排水口の髪の毛を取る。タオルを新しいものに替える。 「タオルを替えておきますね」 洗面台の周りの濡れ(転びやすさ)を見る
掃除 18〜28分 居間に掃除機をかける。床の新聞や雑誌は、ご本人に聞いてから重ねて置く。 「この新聞は、まとめてもいいですか」 歩く通り道に物やコードがないかを見る
掃除 28〜30分 掃除した場所と、時間内にできなかった場所をご本人に伝える。 「台所の床は次回にしますね」 終了時:できなかった場所を記録と申し送りに書く
洗濯 0〜3分 洗濯物をかごから出し、ポケットの中を確かめる。汚れのひどい衣類は分けて下洗いする。 「ポケットにハンカチが入っていました」 便や尿で汚れた衣類が多い場合は、排泄の様子として申し送りに書く
洗濯 3〜6分 洗濯機のボタンは、ご本人に押してもらう。洗剤の量を一緒に量る。 「ボタンを押してもらえますか」 洗濯機の操作をご本人がどこまでできたかを見る
洗濯 6〜20分 洗っている間に前回の洗濯物を取り込み、ご本人と一緒にたたむ。たたみ方はご本人のやり方に合わせる。 「いつもの形にたたみますね。教えてください」 たたむ動作の手の動き・集中の続き方を見る
洗濯 20〜28分 洗い上がった洗濯物を室内の物干しに干す。低い位置に干せる物はご本人に干してもらう。 「靴下はお願いできますか」 干した場所が歩く通り道をふさいでいないかを見る
洗濯 28〜30分 たたんだ衣類を、いつもの引き出しに入れる。 「引き出しに入れておきますね」 終了時:洗濯機のふたを開けて乾かしているか
買い物 0〜5分 ご本人と買う物のメモを作り、品名・数・お店・予算の上限をメモに書く。 「今日は何を買いましょうか。書いていきますね」 メモの品目をご本人が自分で言えたかを見る
買い物 5〜8分 預り金をご本人の前で数え、金額を買い物の記録用紙に書いて、ご本人に確かめてもらう。 「お預かりするお金を一緒に数えますね」 預り金の額と、ご本人の確認の印(サイン等)を残す
買い物 8〜25分 メモのお店で買う。メモにない物や品切れの代わりの品は買わず、戻ってからご本人に聞く。 — 品切れの品を記録に書く
買い物 25〜30分 レシート・おつり・買った物を、ご本人の前でメモと1つずつ照らし合わせ、記録用紙に書いて確かめてもらう。 「レシートとおつりを一緒に確かめましょう」 照らし合わせた結果と、ご本人の確認の印を残す
買い物 30〜33分 冷蔵品・冷凍品から先にしまい、しまった場所をご本人に伝える。 「牛乳はドアのところに入れました」 終了時:レシートを記録用紙に貼ったか、おつりをご本人に渡したか
買い物 記録 買い物の記録用紙には、預り金・支払った額・おつり・買った品・ご本人の確認の4点を書き、事業所で保管する。 — サービス提供責任者が記録用紙を点検した日を残す
買い物 範囲の確認 ご家族の分の買い物や、日用品でない物の購入を頼まれたときは、その場で引き受けず、サービス提供責任者へつなぐ。 「事業所に確認してからお返事しますね」 頼まれた内容を記録に書く

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

状況別|認知症・独居・老老介護・拒否があるとき(4状況・24工程)

状況 手順に書き足す工程(完成文) 声かけの例 観察と連絡の基準
認知症のある方 入室したら、名乗ってから事業所名と来た理由を毎回同じ言葉で伝える。訪問介護員が変わる日は、写真付きの名札を見せる。 「ヘルパーの者です。お風呂のお手伝いに来ました」 名乗っても不安そうな表情が続く日は、支援を始める前に座って話す時間をとる
認知症のある方 一度にいくつも頼まず、一つの動作が終わってから次の動作を伝える。 「まず、右の袖を通しましょう」 何度伝えても始められない動作を記録する(手順を変えるきっかけにする)
認知症のある方 冷蔵庫の中の同じ食品の数、食べかけの食品、手つかずの食事を確かめる。 「お昼は何を食べましたか」 同じ食品が3つ以上たまっている、作り置きが手つかずの状態が2回続いた場合はサービス提供責任者へ伝える
認知症のある方 カレンダーに今日の訪問を丸で囲み、次の訪問日をご本人に書いてもらう。 「次に来る日を、ここに書いてもらえますか」 日付を書けたかを記録する
認知症のある方 「お金がなくなった」などの訴えがあったときは、否定も同意もせずに話を聞き、一緒に探す。探した場所と見つかったかを記録する。 「それは心配ですね。一緒に見てみましょう」 訴えの言葉と日時を記録し、同じ日のうちにサービス提供責任者へ伝える
認知症のある方 退室するときは、次に来る日時を伝え、玄関の鍵をご本人と一緒に確かめる。 「鍵を一緒に確かめましょう」 退室後にご本人が外に出る様子がないかを、玄関を出たところで確かめる
一人暮らしの方 入室前に郵便受けを見て、新聞や郵便物が何日分たまっているかを確かめる。 — 2日分以上たまっていれば、入室後にご本人の体調を先に確かめる
一人暮らしの方 インターホンに応答がない場合は、事業所に連絡してから、取り決めた手順(キーボックス・ご家族への連絡)で入室する。 「ヘルパーです。入りますね」 応答がなかった事実と、連絡した相手・時刻を記録する
一人暮らしの方 前回の訪問から今日までに、誰と話したか、外に出たかを尋ねる。 「この前来てから、どなたかとお話ししましたか」 誰とも話していない日が続く場合は申し送りに書く
一人暮らしの方 電話機・携帯電話の充電と、緊急通報の装置の位置を確かめる。 「携帯の充電はありますか」 充電が切れていたら充電器につなぎ、記録する
一人暮らしの方 夏は室温とエアコンの設定、冬は暖房器具の周りに燃えやすい物がないかを確かめる。 「エアコンは何度にしていますか」 室温が高い・低いと感じた数値を記録する(温度計の値)
一人暮らしの方 退室時に、次の訪問日時と、困ったときの連絡先の貼り紙の位置を伝える。 「何かあれば、この番号に電話してください」 貼り紙がはがれていないかを見る
高齢のご夫婦で暮らす方 入室時に、支援を受けるご本人だけでなく、同居のご家族の様子も確かめる。 「奥さまもお変わりありませんか」 同居のご家族の疲れや体調の変化に気づいたら、申し送りに書いて伝える(ご家族への支援は計画の範囲を確かめる)
高齢のご夫婦で暮らす方 ご家族が行っている介助(夜のトイレなど)の様子を聞き、手順書で訪問介護員が行う工程と重ならないようにする。 「夜のトイレは、どなたが手伝っていますか」 ご家族の介助の負担が増えている話が出たら、サービス提供責任者へ伝える
高齢のご夫婦で暮らす方 調理はご本人の分として位置づけられている範囲で行い、ご家族の分をどう扱うかは計画に書かれた範囲に従う。 「計画で決めた分を作りますね」 範囲について聞かれたら、範囲外の依頼の手順でつなぐ
高齢のご夫婦で暮らす方 ご家族が薬を管理している場合は、ご家族と一緒にお薬カレンダーを確かめる。 「お薬のカレンダーを一緒に見せてください」 飲み忘れ・飲みすぎの形跡があれば記録し、サービス提供責任者へ伝える
高齢のご夫婦で暮らす方 ご家族が体調を崩して介助できなくなったときの連絡先と、事業所へ知らせてもらう方法を、ご家族と確かめる。 「体調が悪いときは、事業所に一本お電話ください」 確かめた日を記録する
高齢のご夫婦で暮らす方 退室時に、お二人の手の届く場所に水分と呼び出しの道具を置く。 「お茶をここに置いておきますね」 置いた物と位置を申し送りに書く
支援を断られることがあるとき 断られたら、その場で理由を尋ね、言葉をそのまま控える。 「今日は気が進みませんか。どうしてか教えてもらえますか」 断った言葉と理由を記録に書く
支援を断られることがあるとき 入浴を断られた場合は、手順書に書いた代わりの支援(足浴・手浴・部分清拭)を提案する。 「お風呂の代わりに、足だけ温めませんか」 代わりの支援を行った場合は、行った内容と時刻を記録する
支援を断られることがあるとき 時間をおいてもう一度声をかける。声をかける回数は手順書に書いた回数(記入欄: 回)までとする。 「お茶を飲んでから、もう一度考えてみませんか」 声をかけた回数を記録する
支援を断られることがあるとき 断られた支援は行わずに、ほかの予定の支援だけを行う。 「今日は掃除だけにしますね」 予定と違う内容になったことと理由を記録に書く
支援を断られることがあるとき 同じ支援を2回続けて断られたら、サービス提供責任者へ伝え、介護支援専門員への連絡と計画の見直しにつなぐ。 — 伝えた日と相手を記録する
支援を断られることがあるとき 退室時に、次の訪問で何をするかを伝え、ご本人の返事を聞く。 「次は金曜日に、お風呂のお手伝いに来ますね」 返事の言葉をそのまま記録する

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例と良い例|手順書でよくある15の書き方を直す

手順書の見直しで多いのは、「行為の名前だけ」「ご本人のできることが書かれていない」「観察の基準がない」の3つです。左の列はよく見かける書き方、右の列はそのまま手順書に貼れる完成文です。

欄・場面 よくある書き方 足りないもの 良い例(そのまま使える完成文)
入浴介助 「入浴介助を行う」 順番・時間・ご本人が行う部分・中止の基準 体温を測り、中止の目安(記入欄:  )を超えなければ入浴する。脱衣所と浴室を暖めてから脱衣を手伝い、胸・お腹・腕はご本人が洗い、背中と足を訪問介護員が洗う。浴槽につかる時間は5分を目安とし、「息が苦しい」と言ったらすぐ出る。
排泄介助 「トイレ誘導・排泄介助」 誘導の時刻・介助する工程・観察する点 訪問の始めと終わりにトイレへ誘う。ズボンの上げ下ろしは手伝い、拭くのはご本人が行う。尿の色と便の有無を見て、赤みがある・3日便が出ていない場合はサービス提供責任者へ伝える。
更衣 「更衣介助(全介助)」 ご本人ができる部分 服はご本人に2つから選んでもらう。袖通しは麻痺のある右腕から訪問介護員が手伝い、ボタンの下2つはご本人が留める。時間がかかっても待つ。
移乗 「車いすへ移乗」 車いすの位置・支え方・記録する点 車いすをベッドの左側に斜めに置き、ブレーキを両方かける。ご本人のおじぎに合わせてズボンのウエストを持って支え、足踏みで向きを変えてから座る。支えた力の程度(軽く・半分・ほとんど)を記録する。
食事介助 「食事介助。むせに注意」 一口の量・姿勢・むせたときの手順 背中を起こしてあごを軽く引いた姿勢にし、一口はティースプーン1杯にする。飲み込んだのを確かめてから次の一口を運ぶ。むせが2回続いたら止め、止まらなければ中止して連絡する。
服薬 「服薬介助」 訪問介護員が行う範囲・残薬の扱い お薬カレンダーの昼のポケットからご本人に取り出してもらい、水を渡して飲むところを見守る。前の回の薬が残っていたら数を数えて記録し、サービス提供責任者へ伝える。
観察 「全身状態を観察する」 見る場所と、いつもと違うとする基準 顔色・息づかい・足のむくみ・かかとと仙骨の赤みの4点を見る。むくみは指で5秒押して跡が残るか、赤みは押して消えるかで確かめ、前回と違えば申し送りに書いて連絡する。
声かけ 「声かけしながら行う」 何と言うか 立ち上がりの前に「今から立ちますね。手すりを持ったら教えてください」と伝え、ご本人の合図を待ってから支える。
調理 「調理(昼食)」 献立の決め方・ご本人の役割・保存の方法 冷蔵庫の中を一緒に見て献立を決める。皮むきはご本人が座って行い、味見もご本人がする。できた料理は1食分ずつ容器に分け、作った日を書いて冷蔵庫の上の段に入れる。
掃除 「居室の掃除」 範囲・順番・できなかったときの扱い トイレ→洗面所→居間の順に掃除する。床の物はご本人に聞いてから動かす。時間内にできなかった場所はご本人に伝え、記録と申し送りに書く。
買い物 「買い物代行」 預り金・レシート・おつりの照らし合わせ 預り金をご本人の前で数えて記録用紙に書き、確かめてもらう。買った後は、レシート・おつり・品物をメモと照らし合わせ、記録用紙に書いてご本人の確認の印をもらう。
時間 「10:00〜11:00 身体介護・生活援助」 区分ごとの時間の目安と順番 身体介護(シャワー浴・更衣)40分に引き続き、生活援助(浴室の掃除)20分。時刻は目安であり、記録には実際の開始・終了時刻を書く。
中止の基準 「体調不良時は中止」 何をもって体調不良とするか・代わりの支援 中止の目安(記入欄:  )を超えた、または「だるい」「寒い」と言った場合は入浴を行わず、顔・手・足の部分清拭に切り替える。切り替えた理由を記録に書き、サービス提供責任者へ伝える。
緊急時 「緊急時は事業所へ連絡」 連絡の順番と、夜間・休日の連絡先 呼びかけに反応がない・呼吸が苦しそうな場合は、119番通報→事業所(夜間・休日は当番の携帯電話)→ご家族の順に連絡し、連絡した時刻を控える。
範囲外の依頼 「本人の希望に応じて対応」 その場で引き受けないこと・つなぎ先 計画にない依頼を受けたときは「事業所に確認してからお返事します」と伝え、その場では行わない。依頼の内容を記録に書き、サービス提供責任者へ伝える。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

手順書と訪問介護計画書・実施記録の対応|変更時に何を更新するか

手順書は、訪問介護計画書から作り、サービス提供記録で答え合わせをする書類です。3つの書類の欄がどう対応しているかを決めておくと、変更があったときにどれを直せばよいかが分かり、公表資料で挙げられている「計画と提供の内容の相違」も見つけやすくなります。

手順書の欄と、計画書・サービス提供記録の対応する欄(14行)

手順書の欄 訪問介護計画書の対応する欄 サービス提供記録の対応する欄 突き合わせで見る点
訪問の枠(曜日・時間帯) サービスの提供日・時間(週間の予定) 訪問日・実際の開始・終了時刻 枠の曜日と、記録の訪問日の曜日が揃っているか
サービス区分と時間配分 サービスの区分と所要時間 提供した区分・時間 区分ごとの時間の目安と、実際の時間が離れ続けていないか
計画の目標との対応 短期目標 目標に向けた当日の様子 手順書に書き写した目標が、計画の最新の版の目標と同じか
時刻ごとの手順 サービスの内容 提供した内容 手順書の工程が、計画のサービスの内容から外れていないか
ご本人が行う部分 自立支援の方針・サービスの内容 ご本人ができた工程・介助した工程 「ご本人が行う」とした工程を、記録で追えているか
声かけ 留意事項 ご本人の返答・言葉 声かけへの返答が、記録に残っているか
観察ポイントと基準 留意事項 観察した事実・数値 手順書で決めた観察の点が、記録にも書かれているか
中止・変更の基準 留意事項・緊急時の対応 中止・切り替えの事実と理由 中止した日に、理由と代わりに行った内容が記録されているか
緊急時の連絡 緊急時の連絡先 連絡した相手・時刻 連絡先の番号・順番が、計画と手順書で同じか
退室前の確認 留意事項 確認した項目 確認項目を記録のチェック欄にしているか
範囲外の依頼 サービスの内容(提供する範囲) 受けた依頼とつないだ先 範囲外の依頼が、記録とサービス提供責任者への報告の両方に残っているか
変更履歴 計画の変更日・同意日 変更後最初の訪問の記録 手順書の変更日が、計画の同意日より前になっていないか
作成・確認 作成者(サービス提供責任者)・作成日 記録の点検者・点検日 手順書を作った人と、記録を点検した人が分かるか
確認が要る事項 留意事項・居宅サービス計画との調整 確認した内容の申し送り 保険者・主治医に確かめた日付が残っているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

変更の契機と、更新する書類(14行)

変更の契機 手順書で直す欄 訪問介護計画書 サービス提供記録・連絡 貴事業所の運用(記入欄)
訪問の曜日・時刻が変わった 訪問の枠 変更して説明・同意・交付を行う 介護支援専門員へ連絡した日を残す (  )
訪問の時間の長さが変わった 時間配分・時刻ごとの手順 変更して説明・同意・交付を行う 変更後の実際の時間を記録で追う (  )
支援の内容が増えた・減った 時刻ごとの手順・ご本人が行う部分 変更して説明・同意・交付を行う 居宅サービス計画の変更の有無を確かめる (  )
入浴をシャワー浴や清拭に替えた 時刻ごとの手順・中止の基準 サービスの内容が変わる場合は変更する 替えた理由を記録に書く (  )
立つ・歩くなどの力が落ちた ご本人が行う部分・声かけ・観察の基準 目標・内容の見直しを検討する アセスメントを見直した日を残す (  )
できることが増えた ご本人が行う部分 目標の達成状況を記録し、次の目標を検討する できるようになった工程を記録で示す (  )
退院した 全欄を見直す 居宅サービス計画に合わせて見直す 退院時の申し送りの内容を残す (  )
主治医の指示が変わった(食事・入浴など) 中止の基準・食事の指示・確認が要る事項 留意事項を見直す 指示を受けた日と伝えた人を残す (  )
薬が変わった 服薬の声かけ(カレンダーの位置・回数) 必要に応じて留意事項を見直す 変更を知った日と伝えた相手を残す (  )
同居のご家族の状況が変わった 状況別の工程・範囲外の依頼 サービスの範囲の見直しを検討する 介護支援専門員へ連絡した日を残す (  )
担当の訪問介護員が替わる 呼び方・入り方・声かけ(ご本人の好み) 担当者の欄を見直す 同行した日と、手順書で引き継いだ内容を残す (  )
同じ支援を続けて断られた 状況別(拒否)の工程・代わりの支援 内容・時間帯の見直しを検討する 介護支援専門員へ連絡した日を残す (  )
居宅サービス計画が変わった 全欄を見直す 居宅サービス計画に合わせて見直す 居宅サービス計画を受け取った日と、突き合わせた日を残す (  )
事故・ヒヤリとした場面があった 観察の基準・中止の基準・関係する工程 再発を防ぐ内容を留意事項に入れる 事故の記録と再発防止の検討の記録を残す (  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

手元に残す記録と点検の記入欄(10行)

記録 中身 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次に見直す時期(記入欄)
手順書(原本) 利用者ごと・枠ごとの最新版 (  )  月 日 (  )
手順書(旧版) 変更前の版(変更日・理由つき) (  )  月 日 —
手順書の写しの持ち出し台帳 写しを渡した訪問介護員・渡した日・回収した日 (  )  月 日 (  )
手順書の周知の記録 変更を伝えた訪問介護員と伝えた日 (  )  月 日 (  )
訪問介護計画書 手順書の元にした版(同意・交付の記録とともに) (  )  月 日 (  )
アセスメントの記録 手順書の介助の工程の根拠になる状態の記録 (  )  月 日 (  )
サービス提供記録 実際の時刻・内容・ご本人の様子 (  )  月 日 (  )
サービス提供記録の点検の記録 点検した人・日・手順書と違っていた点 (  )  月 日 (  )
買い物の記録用紙 預り金・支払った額・おつり・購入品・ご本人の確認 (  )  月 日 (  )
保険者・主治医への確認の控え 確かめた内容・相手・日付 (  )  月 日 (  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

計画書の1行を手順書の工程に開く|分解の実例10件と、抜けやすい準備・後始末12行

手順書づくりでいちばん手が止まるのは、訪問介護計画書のサービス内容欄に書かれた「入浴介助」「調理」といった1行を、訪問中の工程に開く場面です。ここでは、計画書の記載をどこまで細かく開けば、初めて訪問する訪問介護員でも同じ順番で支援できるかを、実例で示します。

当社では、工程に開くときの考え方を次のように整理しています。1つの行為名の中には、行為の本体だけでなく、その前の準備と後の後始末が含まれています。たとえば食事の介助であれば、声かけ、訪問介護員の手洗い、ご本人の手拭きとエプロンの用意、姿勢を整える、配膳、食べやすい形に整える、口に運ぶ、食後の姿勢に戻す、気分を尋ねる、食べこぼしの処理と下膳までが、ひと続きの工程です。手順書では、この準備から後始末までを番号つきの工程として書き出し、工程ごとの時間の目安を添えます。

計画書のサービス内容欄の記載と、手順書で開いた工程(10件)

計画書の記載(サービス内容欄) 手順書で開いた工程(番号順) 工程ごとの時間の目安 開くときに確かめる点
入浴の介助(シャワー浴・週2回) ①脱衣所と浴室を暖める ②体調を確かめる ③脱衣所へ移る ④脱衣 ⑤シャワーチェアへ移る ⑥洗髪・洗身 ⑦拭いて脱衣所へ ⑧更衣 ⑨水分 ⑩浴室の後始末 ①3分 ②3分 ③3分 ④4分 ⑤3分 ⑥12分 ⑦5分 ⑧5分 ⑨2分 ⑩5分(計45分) 計画の所要時間と合計が合っているか。⑩の後始末が身体介護の時間の中にあるか、別の生活援助として計画にあるか
排泄の介助(ポータブルトイレ) ①トイレを置く位置を整える ②端座位になってもらう ③立ち上がりを支える ④衣類を下ろす ⑤座る ⑥待つ ⑦拭く ⑧衣類を上げる ⑨ベッドへ戻る ⑩バケツの処理と手洗い ①1分 ②2分 ③2分 ④1分 ⑤1分 ⑥5分 ⑦2分 ⑧2分 ⑨2分 ⑩2分(計20分) ⑥の待つ時間の過ごし方(部屋の外・カーテン越し)がご本人の希望と合っているか
食事の介助(昼食) ①声かけ ②訪問介護員の手洗い ③ご本人の手拭き・エプロン ④姿勢を整える ⑤配膳 ⑥きざむ・つぶす ⑦摂食の介助 ⑧食後の姿勢 ⑨気分を尋ねる ⑩食べこぼしの処理・下膳 ①1分 ②2分 ③2分 ④2分 ⑤2分 ⑥3分 ⑦18分 ⑧2分 ⑨1分 ⑩2分(計35分) ⑥の形態(一口大・きざみ等)を、計画書・アセスメントのどこで確かめたか
更衣の介助(起床時) ①着る服を選んでもらう ②室温を確かめる ③上衣を脱ぐ ④上衣を着る ⑤ズボンを替える ⑥靴下 ⑦脱いだ服をかごへ ①2分 ②1分 ③3分 ④3分 ⑤4分 ⑥2分 ⑦1分(計16分) 麻痺・痛みのある側と、袖を通す順番が手順に書かれているか
移乗の介助(ベッドから車いす) ①車いすの位置とブレーキ ②フットサポートを上げる ③端座位 ④足の位置 ⑤立ち上がり ⑥向きを変える ⑦座る ⑧深く座り直す ⑨足を乗せる ①1分 ②0.5分 ③2分 ④0.5分 ⑤1分 ⑥1分 ⑦1分 ⑧1分 ⑨1分(計9分) どちら側に車いすを置くか、介助者が立つ位置が図か文で示されているか
調理(昼・夕の2食分) ①献立を一緒に決める ②食材を確かめる ③下ごしらえ ④加熱 ⑤味をみてもらう ⑥盛り付け・小分け ⑦保存容器に日付 ⑧片付け ⑨火の元 ①3分 ②2分 ③10分 ④15分 ⑤2分 ⑥5分 ⑦2分 ⑧6分 ⑨1分(計46分) 主治医等の食事の指示があるか。⑤の味見がご本人の役割として計画に書かれているか
掃除(居室・トイレ) ①今日の範囲を伝える ②換気 ③トイレ ④居室の床 ⑤ベッド周り ⑥ごみをまとめる ⑦できなかった所を伝える ①1分 ②1分 ③8分 ④8分 ⑤4分 ⑥2分 ⑦1分(計25分) 計画にない場所(ご家族の部屋など)が工程に入っていないか
洗濯(干す・取り込む・たたむ) ①ポケットを確かめる ②洗濯機を回す ③前回分を取り込む ④一緒にたたむ ⑤干す ⑥しまう ①2分 ②3分 ③4分 ④6分 ⑤8分 ⑥2分(計25分) 洗濯機が終わるまでの待ち時間に、何をするかが手順に書かれているか
買い物(週1回・近所のスーパー) ①買う物のメモ ②預り金を数える ③外出 ④購入 ⑤帰宅 ⑥レシート・おつりの照合 ⑦冷蔵品からしまう ⑧記録用紙に書く ①4分 ②2分 ③5分 ④12分 ⑤5分 ⑥3分 ⑦3分 ⑧1分(計35分) 移動の時間を含めた所要時間が、計画の時間と合っているか
服薬の声かけ(昼食後) ①カレンダーのポケットを一緒に見る ②取り出してもらう ③水を渡す ④飲むのを見守る ⑤空のポケットを確かめる ⑥前の回の残りを見る ①1分 ②1分 ③1分 ④1分 ⑤0.5分 ⑥0.5分(計5分) どこまでを訪問介護員が行うかを、事業所として確かめた記録があるか

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

工程に開くと抜けやすい、準備と後始末(12行)

計画書の行為名をそのまま手順書に写すと、行為の「本体」だけが残り、前後の準備と後始末が抜けます。抜けた工程は、訪問介護員ごとにやり方が変わる部分になります。

行為 抜けやすい準備 抜けやすい後始末 手順書での書き方(完成文)
シャワー浴 脱衣所と浴室を暖める・着替えをそろえる 浴室の床の水気を切る・換気扇を回す 入室後すぐに浴室の暖房を入れ、着替え一式(下着・肌着・上衣・ズボン・靴下)を脱衣所のいすに置く。退室前に浴室の床をワイパーで切り、換気扇を回したまま退室する。
ベッド上の清拭 窓とカーテンを閉める・湯の温度を測る 濡れたタオルを洗濯かごへ・ベースンを洗う 窓とカーテンを閉め、ベースンに湯を入れて湯温計で確かめる。終わったらタオルは洗濯かごへ入れ、ベースンを洗って洗面所の棚に伏せて置く。
おむつ交換 新しいおむつを広げておく・ベッドの高さを上げる ベッドの高さを戻す・柵を上げる・汚物を指定の袋へ 交換の前に新しいおむつを広げて手の届く所に置き、ベッドを腰の高さまで上げる。交換後はベッドを一番低くし、柵を上げてから汚れたおむつを青い袋に入れて玄関の外のごみ箱へ出す。
食事の介助 訪問介護員の手洗い・ご本人の手拭き 口の周りを拭く・食べこぼしの処理・下膳 台所で手を洗ってから、おしぼりでご本人の手を拭いてもらう。食後は口の周りを拭き、膝の上と床の食べこぼしを拾ってから食器を下げる。
更衣 室温を確かめる・着る服を選んでもらう 脱いだ服のポケットを確かめる エアコンの表示で室温を見て、寒い日は着替えの前に暖房を入れる。脱いだ服はポケットを確かめてから洗濯かごに入れる(ティッシュ・入れ歯ケースが入っていることがある)。
移乗 車いすのブレーキ・タイヤの空気・フットサポート ブレーキを外すのはご本人が座り直してから 移る前に左右のブレーキがかかっていることを手で押して確かめ、フットサポートを上げる。移ったあとは深く座り直してもらい、足を乗せてからブレーキを外す。
調理 手洗い・食材の消費期限を見る コンロの火・ガスの元栓・生ごみ 調理の前に手を洗い、使う食材の期限をご本人と一緒に見る。片付けの最後に、コンロのつまみが「止」になっていることを指で確かめ、生ごみは水を切って袋の口を縛る。
掃除 今日の範囲をご本人に伝える 掃除機を元の場所に戻す・コードを巻く 始める前に「今日はトイレと居間です」と伝える。掃除機は使い終わったらコードを巻き、押し入れの右下(いつもの場所)に戻す。
洗濯 ポケットの中・洗剤の残量 洗剤の残りが少ないときに伝える 洗う前にポケットを確かめ、洗剤の残りが3回分を切っていたら、ご本人に伝えて買い物のメモに足す。
買い物 預り金をご本人の前で数える レシート・おつりを照らし合わせて渡す 出かける前に預り金をご本人の前で数え、記録用紙に金額を書いて見てもらう。帰ったらレシートとおつりをご本人の前で照らし合わせ、記録用紙に書いてから手渡す。
服薬の声かけ お薬カレンダーの位置を確かめる 空になったポケットを一緒に見る 食後すぐにお薬カレンダーの前へ一緒に行き、「昼」のポケットを指さす。飲み終わったら、空になったポケットをご本人と一緒に確かめる。
訪問の終わり — 火の元・暖房・鍵・次の訪問日 退室前に、ガスの元栓・暖房・窓の鍵を確かめ、次の訪問日をカレンダーで一緒に見てから、玄関の鍵をかけたことをご本人に伝えて退室する。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

1回の訪問に身体介護と生活援助が入る枠|工程の並べ方と時間の書き分け(8行)

仙台市の令和6年6月集団指導資料(令和5年度運営指導結果等)には、身体介護と生活援助を組み合わせている利用者について、生活援助の時間が訪問介護計画上15分と記載されていた事例が挙げられ、市は「適切なアセスメントによりあらかじめ具体的なサービス内容を身体介護と生活援助に区分し、それに要する標準的な時間に基づき組み合わせて算定する」としています。手順書の側では、工程ごとにどちらの区分かを書き分け、区分ごとの時間の合計を計画と並べて見られるようにしておくと、ずれに気づきやすくなります。

書き方の場面 よくある書き方 工程と区分を書き分けた例(完成文)
時間の欄 「10:00〜11:00 身体・生活」 10:00〜10:35 身体介護(シャワー浴の工程①〜⑨)/10:35〜11:00 生活援助(居室とトイレの掃除の工程①〜⑦)。合計は計画書の区分ごとの時間と同じ。
工程の見出し 工程に区分が書かれていない 工程番号の左に【身】【生】の印をつけ、印ごとの分数を欄の下に小計として書く(【身】35分・【生】25分)。
後始末の工程 浴室の掃除が入浴介助の続きに書かれている 入浴後の浴室の床の水切りは【身】の後始末として2分。浴室全体の掃除は計画書で生活援助に位置づけた【生】の工程として10分。
調理と食事の介助 「昼食づくりと食事介助」 簡単な温め直し(3分)のあと食事の介助(25分)を行う枠。温め直しは食事の介助の準備として【身】に含めるか、計画書でどう位置づけたかを手順書の欄外に書く(確認日: 月 日)。
順番を入れ替えた日 入れ替えても書かない ご本人の希望で掃除を先にした日は、サービス提供記録に入れ替えた順番と理由を書く。手順書の順番は、続く場合だけサービス提供責任者が改める。
時間が延びやすい工程 「時間内に終わらせる」 洗髪は延びやすいので、10:20の時点で洗身まで進んでいなければ、洗髪を省いてその旨を記録し、サービス提供責任者に伝える。
2つの区分の境目 境目が書かれていない 身体介護の最後の工程(水分をとってもらう)を終えてから、掃除の道具を出す。境目の時刻を記録の時刻欄に書く。
計画の時間と合わないと気づいたとき 現場で時間を詰める 3回続けて生活援助の時間が計画より10分以上短くなったら、サービス提供責任者へ伝え、計画と手順書の見直しにつなげる。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

見守り・一部介助・全介助の書き分け|12行為×3段階の手順と、段階を変える日の書き方10組

手順書の「ご本人が行う部分」は、同じ行為でもご本人の状態によって書き方が大きく変わります。当社では、ご本人の動作に対する支援を、ご本人が行うのを見守る「見守り」、動作の一部に手を添える「一部介助」、訪問介護員が行う「全介助」の3段階に分けて書くことをおすすめしています。手順書では、どの工程を見守り、どの工程に手を添え、どの工程を訪問介護員が行うかを、行為ごとに書き分けます。どの段階で支援するかはアセスメントと訪問介護計画で決めることで、手順書はそれを工程の言葉に置き換えるものです。

行為ごとの3段階の手順(12行為)

行為 見守りで行う場合の手順 一部介助の場合の手順 全介助の場合の手順
立ち上がり ご本人の斜め前に立ち、「おじぎをしてから立ちましょう」と声をかけて、手は出さずに見守る。 おじぎに合わせてズボンのウエストの後ろに手を添え、立ち上がる動きを支える。 ご本人の両腕を介助者の肩に回してもらい、膝を介助者の膝で支えながら、腰を引き寄せて立ち上がる。
歩行(室内) 杖を持たない側の斜め後ろ、手の届く距離を保って歩く。段差の手前で「段があります」と伝える。 杖を持たない側の脇の下に手を添え、方向を変えるときだけ体を支える。 車いすで移動する。歩く練習は計画にある場合だけ、手すりのある廊下で行う。
上衣の更衣 着る服をベッドの上に順番に並べ、ご本人が着るのを見守る。ボタンがずれたら「上から2つ目を見てみましょう」と伝える。 麻痺のある側の袖だけを通し、反対の袖とボタンはご本人に行ってもらう。 麻痺のある側の腕から袖を通し、背中側で服を回して、反対の腕を通す。ボタンは下から留める。
ズボンの更衣 いすに座ってもらい、足を通すのを見守る。立って上げるときは前に立つ。 足先を通すところだけを手伝い、立ってウエストを上げるのはご本人が行う。 ベッド上で、膝を立ててもらって腰を上げ、片側ずつズボンを引き上げる。
洗顔 洗面所のいすに座ってもらい、タオルを手の届く所に置いて見守る。 蒸しタオルを渡し、顔はご本人に拭いてもらう。耳の後ろだけ介助者が拭く。 ベッドの背を上げ、蒸しタオルで目の周り・額・頬・口の周り・耳の後ろの順に拭く。
歯みがき 洗面所で、歯ブラシに歯みがき剤をつけるところから見守る。終わったら口の中をご本人に見せてもらう。 ご本人が磨いたあと、奥歯の外側だけ仕上げをする。 ベッドの背を上げ、うがい受けを口元に当てて、前歯から奥歯へ順に磨く。
排泄(トイレ) トイレの前まで一緒に歩き、ドアの外で待つ。呼ばれたら入る。 衣類の上げ下ろしだけを手伝い、拭くのはご本人が行う。 便座への移乗、衣類の上げ下ろし、拭く工程を介助者が行い、座っている間はドアの外で待つ。
洗身(シャワー浴) 泡立てたタオルを渡し、ご本人が洗うのを見守る。背中だけ「背中を流しましょうか」と聞く。 前側と腕はご本人、背中と足先は介助者が洗う。 シャワーチェアに座ってもらい、首・腕・胸・お腹・背中・足の順に介助者が洗う。
食事 食卓の向かいに座り、一口の量とペースを見守る。むせたら手を止めて様子を見る。 おかずを一口大に分けてスプーンに乗せ、口に運ぶのはご本人が行う。 ティースプーン1杯分ずつ口に運び、飲み込んだことを確かめてから次を運ぶ。
調理 ご本人が包丁を使うのを隣で見守り、火を使う間は台所を離れない。 皮むきと味つけをご本人、切る・火を使う工程を介助者が行う。 介助者が調理し、献立と味の好みはご本人に聞いて決める。
洗濯物をたたむ 取り込んだ洗濯物をご本人の前に置き、たたむのを見守る。 タオルなど四角い物はご本人、シャツなど形のある物は介助者がたたむ。 介助者がたたみ、しまう引き出しをご本人に聞いて入れる。
服薬 お薬カレンダーからご本人が取り出し、飲むのを見守る。 カレンダーのポケットを指さして伝え、袋を開けるのを手伝う。 事業所が訪問介護員の行う範囲として確かめた工程だけを行う。範囲を超える場合はサービス提供責任者に伝える。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

段階を変える日と、そのときの手順書の書き方(10組)

見守りから一部介助へ、あるいは一部介助から見守りへと段階が変わる日は、訪問介護員がその場で判断して手を出したり引いたりしがちです。手順書には、段階を変えてよい場面と、変えたあとの連絡を書いておきます。

場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文)
疲れている日の立ち上がり 「状態に応じて介助」 立ち上がりを2回試して立てないときは、ウエストの後ろに手を添える一部介助に切り替える。切り替えた工程と回数を記録に書く。
できることが増えてきた更衣 「できるところは本人に」 ボタンを3回続けてご本人が全部留められたら、サービス提供責任者に伝える。手順書の「ご本人が行う部分」を改めるのは、サービス提供責任者が確かめてから。
歩行が不安定な日 「歩行注意」 立ってすぐにふらつく、杖を突く位置が定まらないときは、その日の歩行は居間からトイレまでに限り、車いすを使う。使った理由を記録に書く。
急いでいる日の食事 「時間がなければ介助」 時間が足りなくても、スプーンで口に運ぶのはご本人が行う。終わらない分は保存容器に移し、残した量と時刻を記録に書く。
ご本人が「やって」と言うとき 「本人の希望に合わせる」 「今日は手伝って」と言われたら、理由を尋ね、言葉をそのまま記録に書く。続くときはサービス提供責任者に伝える。
痛みを訴える日の更衣 「痛みがあれば無理しない」 肩の痛みを訴える日は、痛む側の袖を先に通す。痛みの場所と、いつからかを尋ねて記録に書き、サービス提供責任者に伝える。
退院直後の入浴 「入院前と同じ」 退院後の最初の訪問は、退院時の申し送りで決まった段階で行う。入院前の手順書は旧版として残し、新しい版で支援する。
見守りで転びそうになった 「転倒に注意して見守る」 ふらついて介助者が体を支えた場面があったら、支えた時刻・場所・どの動作のときかを記録に書き、その日のうちにサービス提供責任者に伝える。
ご家族が手を出す 「家族の協力を得る」 ご家族がご本人の代わりに更衣を始めたら、「今は練習中なので、ここまではご本人にお願いしています」と伝え、ご家族の言葉を記録に書く。
新任の訪問介護員が担当する日 「本人の能力を把握して対応」 新任の訪問介護員が担当する日は、手順書の「ご本人が行う部分」の欄をそのまま守る。迷ったら手を出す前に、ご本人に「ここはご自分でされますか」と尋ねる。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

その方だけの手順にする|聞き取り20項目と、汎用の手順を書き換えた16組

手順書の工程は、ほかの利用者のものを写しても形になります。しかし、ご本人の呼ばれ方、物の置き場所、湯の温度の好み、生活の順番といった「その方の事情」が入っていないと、訪問介護員が替わるたびにやり方が変わり、ご本人が毎回説明し直すことになります。仙台市の令和6年6月集団指導資料には、移動介助をサービス内容に位置づけているのに、アセスメントの記録では移動を「自立」としていた事例が挙げられています。手順書に書く個別の事情も、アセスメントの記録と同じ内容になっているかを見ておくと、食い違いを防げます。

聞き取る項目と、手順書のどこに書くか(20項目)

分類 聞き取る項目 聞き方の例 手順書に書く欄 記入例
呼び方 呼ばれたい名前 「何とお呼びすればよいですか」 声かけ 名字に「さん」で呼ぶ(下の名前で呼ばれるのは好まれない)。
入り方 玄関の入り方・鍵 「伺ったとき、どうやって入ればよいですか」 入室 インターホンを2回鳴らし、返事を待ってから鍵を開けて「〇〇事業所です」と名乗る。
入り方 靴を脱ぐ場所・上着を置く場所 「上着はどこに置けばよいですか」 入室 上着は玄関のフックに掛ける。居間のいすには置かない。
生活の順番 朝の支度の順番 「朝はいつもどの順番で支度されますか」 時刻ごとの手順 トイレ→洗顔→着替え→仏壇に水→朝食の順。仏壇の水はご本人が替える。
好み 湯の温度 「お風呂のお湯は熱めとぬるめ、どちらがお好きですか」 時刻ごとの手順 シャワーは湯温計で40度に合わせ、足先にかけて「熱くないですか」と聞く。
好み 洗う順番 「いつもはどこから洗われますか」 時刻ごとの手順 頭から先に洗う(体を先に洗うと冷えると話される)。
好み 服の選び方 「服はご自分で選ばれますか」 ご本人が行う部分 上着は2着をハンガーごと見せて選んでもらう。寝間着の色は問わない。
好み 味つけ・食べる順番 「味は濃いめと薄め、どちらがお好きですか」 時刻ごとの手順 味見はご本人がする。汁物から先に口をつけられる。
置き場所 タオル・着替えの場所 「着替えはどこにしまってありますか」 準備 着替えはたんすの上から2段目、タオルは洗面所の棚の左側。
置き場所 掃除道具・洗剤の場所 「掃除機はどこにありますか」 準備 掃除機は押し入れの右下、トイレ用の洗剤はトイレの棚。
置き場所 預り金の受け渡しの場所 「お金はどこでお預かりしましょうか」 買い物 預り金は居間のテーブルの上で、ご本人の財布から一緒に出す。
住まい 段差・滑りやすい場所 「家の中でつまずきやすい所はありますか」 観察と連絡の基準 台所と居間の境に3cmの段差。雨の日は玄関のタイルが滑る。
住まい 暖房器具・火の元 「暖房は何を使われていますか」 退室前の確認 石油ストーブを使用。退室前に消えていることと、周りに洗濯物がないことを見る。
体のこと 痛む場所・触られたくない場所 「触られると痛い所はありますか」 観察と連絡の基準 右膝に痛み。膝を曲げ伸ばしするときは、膝の下を手で支える。
体のこと 見え方・聞こえ方 「どちらの耳が聞こえやすいですか」 声かけ 左耳が聞こえやすい。左側から、ゆっくり低めの声で話す。
気持ち されて嫌なこと 「手伝われて嫌だったことはありますか」 声かけ 急がされるのを嫌われる。「急いで」「早く」は言わない。
気持ち 話すと落ち着く話題 「お話しするのが好きな話題はありますか」 状況別の工程 落ち着かないときは、庭の花の話をすると表情がやわらぐ。
家族 同居・通いのご家族の役割 「ご家族は普段どこまで手伝われますか」 範囲外の依頼 夜のトイレの付き添いは夫。ご家族の分の洗濯は計画にないので行わない。
連絡 何かあったときの連絡の順番 「何かあったら、どなたに先に連絡しましょうか」 緊急時の連絡 事業所→長女(携帯)→介護支援専門員の順。長女は平日の日中は電話に出られない。
習慣 宗教・習慣で守っていること 「毎日欠かさずされていることはありますか」 時刻ごとの手順 朝食の前に仏壇に手を合わせる。この時間は声をかけずに待つ。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

汎用の手順を、その方の手順に書き換えた例(16組)

場面 汎用の書き方 その方の手順(そのまま使える完成文) 書き換えの根拠にした聞き取り
入室 「挨拶して入室する」 インターホンを2回鳴らし、返事を待って鍵を開け、「〇〇事業所の△△です」と名乗ってから上がる。 入り方
最初の声かけ 「体調を確認する」 名字に「さん」で呼び、左側から「今日のお加減はどうですか」と尋ねる。返事はそのまま記録に書く。 呼び方・聞こえ方
朝の支度 「整容・更衣を行う」 トイレ→洗顔→着替えの順で進め、仏壇の水替えはご本人に任せて、その間は台所で朝食の準備をする。 生活の順番・習慣
洗身 「全身を洗う」 頭を先に洗い、続けて背中・腕・足の順に洗う。前側は泡立てたタオルを渡してご本人に洗ってもらう。 洗う順番
湯の温度 「適温で行う」 湯温計で40度に合わせ、足先からかけて「熱くないですか」と聞く。ご本人が「ぬるい」と言われたら41度まで上げる。 湯の温度の好み
着替え 「更衣介助」 上着はハンガーごと2着見せて選んでもらい、右膝が痛むため、ズボンは座ったまま右足から通す。 服の選び方・痛む場所
調理 「昼食を作る」 献立はご本人と決め、味つけの最後はご本人に味見をしてもらう。汁物を最初に配膳する。 味つけ・食べる順番
掃除 「居室を掃除する」 掃除機は押し入れの右下から出し、台所と居間の境の段差の上を通るときはコードを持ち上げる。使い終わったら同じ場所へ戻す。 置き場所・段差
買い物 「預り金で買い物する」 居間のテーブルの上で、ご本人の財布から一緒に預り金を出し、記録用紙に金額を書いて見てもらう。 受け渡しの場所
歩行の見守り 「転倒に気をつける」 台所と居間の境の3cmの段差の手前で「段があります」と伝え、杖を先に段の上へ出してもらう。 段差の場所
落ち着かないとき 「傾聴する」 落ち着かない様子のときは手を止め、庭の花の話をする。5分たっても落ち着かないときは、その日の入浴は清拭に替えて記録に書く。 話題・計画の代わりの支援
急がない 「本人のペースに合わせる」 「急いで」「早く」とは言わず、「次は〇〇をしましょう」と次の動作だけを伝える。 されて嫌なこと
退室前 「火の元を確認する」 石油ストーブが消えていることと、周りに洗濯物が干されていないことを見てから退室する。 暖房器具
家族の分の依頼 「依頼には柔軟に対応」 ご家族の分の洗濯を頼まれたら、「計画に入っていないので、事業所から介護支援専門員にお伝えします」と答えて、記録に書く。 ご家族の役割
連絡 「緊急時は家族へ連絡」 事業所→長女の携帯→介護支援専門員の順に連絡する。平日の日中に長女につながらないときは、留守番電話に用件と事業所の番号を残す。 連絡の順番
習慣 「朝食の介助」 朝食の前に仏壇に手を合わせる時間があるので、その間は声をかけずに待ち、終わってから配膳する。 毎日の習慣

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

新任・代行の訪問介護員への引き継ぎ|同行3回の進め方と、代わりに入る日に最初に読む1枚(12項目)

手順書がいちばん読まれるのは、その方を初めて担当する訪問介護員が入る日です。運営指導マニュアル別添1(訪問介護)は、勤務体制の確保等(第30条)の確認項目に「資質向上のために研修の機会を確保しているか」を挙げ、確認文書として「研修計画、実施記録」を示しています。また秘密保持等(第33条)では、退職者を含む従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているかが確認項目にあります。新任の訪問介護員に手順書を渡して同行するときの記録は、この2つの確認項目とつながる記録として残しておくと、あとから確かめやすくなります。

サービス提供責任者から訪問介護員への伝達については、仙台市の令和6年6月集団指導資料に、訪問介護員から利用者の体調の急変等について電話で報告を受け、その電話でサービス提供責任者が指示を行っていたが、指示の内容を文書等で保存していなかった事例が挙げられています(特定事業所加算に関する文書指摘として掲載)。埼玉県の「運営指導での主な指摘事項に関するQ&A ー介護保険 居宅サービス事業所ー」(令和8年4月)も、特定事業所加算について文書等の確実な方法による事前の伝達とサービス提供後の報告を挙げています。加算の要件をどう確かめるかは保険者(指定権者)により異なりますので、所在地の資料でご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

同行3回の進め方|回ごとに行うことと残す記録(12行)

回・場面 新任の訪問介護員が行うこと 同行する人(サービス提供責任者・先輩)が行うこと 残す記録
同行の前 手順書の最新版を読み、分からない語に印をつける 手順書の版と、元にした訪問介護計画の版が同じかを確かめる 手順書の写しを渡した日と版(持ち出し台帳)
同行の前 ご本人の呼び方・入り方・連絡の順番を声に出して読む ご本人とご家族に、新しい訪問介護員が同行する日を伝える ご本人・ご家族に伝えた日と相手
1回目・入室 同行する人の後ろで、名乗り方と入り方を見る 新任の訪問介護員をご本人に紹介し、手順書どおりに入室する 同行の記録(日付・同行者・新任者)
1回目・支援中 工程を見ながら、手順書に書かれていない動きを書き留める 手順書どおりに支援し、声かけを手順書の言葉で行う 手順書に無かった動き(あとで手順書に足すか検討)
1回目・終了後 書き留めた動きと、分からなかった工程を伝える 手順書に足す工程を決め、版を改めるかを決める 改める欄と理由(改訂履歴)
2回目・支援中 見守りの工程とご本人が行う工程を自分で進める 介助の工程だけを行い、新任者の声かけを横で聞く 新任者が行った工程・同行者が行った工程
2回目・終了後 サービス提供記録を自分で書く 書いた記録を手順書と照らし、抜けている観察の点を伝える 記録の点検(点検者・日付・伝えた点)
3回目・支援中 全工程を手順書どおりに進める 手を出さずに見守り、気づいた点は退室後に伝える 全工程を行えたか、行えなかった工程
3回目・終了後 中止の基準と緊急時の連絡の順番を口頭で説明する 説明が手順書と合っているかを確かめる 確かめた項目と結果
3回目・終了後 ご本人の言葉で気になったことを伝える ご本人に、新しい訪問介護員について感想を尋ねる ご本人の言葉(そのまま)
単独の訪問の前 手順書の写しの扱い(持ち出し・返却)を確かめる 単独で訪問を始める日を決め、ご本人・ご家族に伝える 単独の訪問を始めた日
単独の訪問の1回目のあと 電話で、終わったことと気になったことを伝える 受けた報告と、伝えた指示を文書に残す 報告を受けた時刻・内容・指示の内容

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

代わりに入る日に最初に読む1枚|項目と記入例(12項目)

急な休みで、ふだんの担当でない訪問介護員が代わりに入る日は、同行の時間がとれません。手順書の全体を読む時間がない場合に備えて、表紙に1枚、最低限の項目をまとめておく方法があります。

項目 書き方 記入例
呼び方 呼ばれたい名前と、避ける呼び方 名字に「さん」。下の名前では呼ばない。
入り方 インターホン・鍵・名乗り方 インターホン2回→返事を待って鍵→「〇〇事業所です」。
聞こえ方・見え方 話しかける側と声の大きさ 左側から、ゆっくり低めの声で。
今日の枠でする支援 区分と時間と順番を1行で 身体介護35分(シャワー浴)→生活援助25分(トイレ・居間の掃除)。
ご本人が行うこと 手を出さない工程を3つまで 前側の洗身・ボタン留め・味見。
中止の基準 何を見たら支援を替えるか 顔色がいつもより白い・息が荒い・「だるい」と2回言われたら、入浴は清拭に替えて事業所へ連絡。
してはいけないこと ご本人が嫌がること・計画にないこと 「急いで」と言わない。ご家族の分の洗濯はしない。
置き場所 今日使う物の場所 着替え=たんすの上から2段目/タオル=洗面所の棚の左。
住まいの注意 段差・滑る場所・火の元 台所と居間の境に段差。石油ストーブあり。
連絡の順番 番号は事業所の連絡票で見る(ここには書かない) 事業所→長女→介護支援専門員。
退室前に見ること 3つまで ストーブ・窓の鍵・次の訪問日をカレンダーで一緒に見る。
終わったあと 誰に何を伝えるか 終わったらサービス提供責任者に電話。気になった点は記録の特記欄に書く。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

引き継ぎで伝わりにくいことを、手順書の言葉にする(10組)

伝わりにくいこと 口頭で伝えがちな言い方 手順書に書く言葉(完成文)
いつもの様子 「いつもはもっと元気な方です」 いつもは玄関まで歩いて出迎えられる。出迎えがなく、ベッドで横になっているときは、体調を尋ねて記録に書く。
機嫌の見分け方 「機嫌が悪い日は分かります」 返事が「うん」だけで目を合わせないときは、入浴の声かけを10分あとにする。
ご本人の得意なこと 「料理は好きな方です」 煮物の味つけはご本人が決める。火を使う間は、介助者が台所にいる。
ご家族への接し方 「奥さんに気を遣って」 妻が台所にいるときは、台所を使う前に「お借りしてよいですか」と尋ねる。
暗黙の決まり 「仏壇の前は触らないで」 仏壇の前の物(花・水・ろうそく)は動かさない。掃除機は仏壇の前を避けてかける。
前の担当者のやり方 「前の人はこうしていた」 前の担当者のやり方で続けてよいかは、手順書にあるものだけ。手順書にないやり方は、サービス提供責任者に伝えてから手順書に足す。
ご本人の口ぐせ 「『もういい』は本心じゃないです」 「もういい」と言われたら、いったん手を止め、1分待ってから「あと少しだけよいですか」と尋ねる。2回目の「もういい」で、その支援はやめて記録に書く。
体の癖 「左に傾きやすいです」 座っていると体が左に傾くので、左の脇にクッションを入れてから食事を始める。
天気による違い 「雨の日は気をつけて」 雨の日は玄関のタイルが滑るので、玄関マットを敷いてから靴を脱いでもらう。
健康状態の確かめ方 「様子を見てあげて」 入室後に、顔色・息づかい・前回からの食事の量を見て、いつもと違う点を記録に書く。訪問介護員自身の体調が悪い日は、訪問の前に事業所へ伝える。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

最後の行の訪問介護員自身の体調については、運営指導マニュアル別添1(訪問介護)の衛生管理等(第31条)に「訪問介護員等の日々の感染罹患状況や健康状態を確認しているか」という確認項目があります。手順書とは別に、事業所として訪問前に体調を確かめる方法を決めておくとよいでしょう。

見直しの跡を残す|改訂履歴の書き方12組と、定期点検の16項目

手順書は、作った日よりも、直した日のほうが大事な書類です。直した理由と、直した内容が誰に伝わったかが残っていないと、訪問介護員の手元に古い版が残り、計画書と手順書の内容がずれていきます。仙台市の令和6年6月集団指導資料には、初回のアセスメントは実施しているが、それ以降の個別サービス計画作成時に実施していない事例や、要介護認定の更新(変更)や計画の内容の変更がなされているのにアセスメントの記録が更新されていない事例が見受けられると示されています。手順書の改訂履歴に「元にしたアセスメントの日付」を書く欄を設けると、この食い違いに気づきやすくなります。

改訂履歴の欄|悪い例と良い例(12組)

改めたきっかけ 悪い例 良い例(そのまま使える完成文)
立ち上がりの力が落ちた 「移乗方法変更」 第4版(令和8年10月6日)。時刻ごとの手順⑤を見守りから一部介助(ウエストの後ろに手を添える)に改めた。理由:9月22日から3回続けて自力で立てなかったと記録あり。元にしたアセスメント:10月3日。周知:担当3名に10月6日、写しを差し替え。
できることが増えた 「本人ができるようになったため修正」 第5版(令和8年11月10日)。ご本人が行う部分にボタン留め(全部)を足した。理由:10月下旬から5回続けて全部留められたと記録あり。目標の達成状況を計画書に記録。周知:担当3名に11月10日。
退院した 「退院後再開」 第3版(令和8年8月18日)。全欄を見直した。入浴はシャワー浴から清拭に替え、中止の基準に退院時の申し送りの内容を書き足した。旧版(第2版)は事業所の旧版ファイルへ。周知:担当2名に8月18日。
訪問の時刻が変わった 「時間変更」 第2版(令和8年7月1日)。訪問の枠を火曜10時から火曜14時に改め、時刻ごとの手順の昼食の工程を外した。訪問介護計画書の変更と説明・同意・交付は7月1日。周知:担当2名に6月28日。
主治医の食事の指示が変わった 「食事内容変更」 第6版(令和8年9月2日)。調理の工程の味つけに、介護支援専門員から伝えられた主治医の指示(塩分を控える)を書き足した。伝えられた日:8月30日(介護支援専門員より電話)。周知:担当3名に9月2日。
薬が変わった 「薬変更」 第3版(令和8年6月14日)。服薬の声かけの欄に、夕のポケットを足した(昼のみ→昼・夕)。伝えられた日:6月12日(ご家族より)。介護支援専門員に共有済み。周知:担当2名に6月14日。
同じ支援を続けて断られた 「入浴拒否あり」 第4版(令和8年5月20日)。状況別の工程に、入浴を断られたときの代わりの支援(足浴と更衣)を足した。理由:5月に3回続けて入浴を断られたと記録あり。介護支援専門員に5月18日に報告。周知:担当2名に5月20日。
ヒヤリとした場面があった 「転倒注意を追記」 第5版(令和8年4月9日)。観察と連絡の基準に、立ってすぐのふらつきを見たら座ってもらうことを書き足した。理由:4月7日、トイレからの戻りにふらつき、介助者が体を支えた(ヒヤリ・ハット報告あり)。周知:担当3名に4月9日。
担当の訪問介護員が替わる 「担当変更」 第3版(令和8年3月1日)。中身の変更はなし。担当者を改め、同行3回(2月15日・22日・29日)の記録を添えた。旧担当者の写しは2月29日に回収。
ご家族の状況が変わった 「家族状況変化」 第4版(令和8年2月5日)。範囲外の依頼の欄に、同居の夫の入院中に頼まれやすい依頼と答え方を書き足した。理由:1月30日に夫が入院(長女より)。介護支援専門員に2月1日に報告。周知:担当2名に2月5日。
居宅サービス計画が変わった 「ケアプラン変更に伴い修正」 第7版(令和8年1月20日)。全欄を見直した。居宅サービス計画(1月15日交付)に合わせて訪問介護計画を改め(説明・同意・交付は1月20日)、手順書の生活援助の工程から買い物を外した。周知:担当3名に1月20日。
定期の点検で見直したが変えなかった (書かない) 令和8年12月1日に点検。変更なし。確かめた点:計画書の版(第4版)と同じ、記録3か月分と工程が合っている。点検者:サービス提供責任者。次回の点検:3か月後(記入欄)。

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

手順書の定期点検|確かめる問いと見る書類(16項目)

点検の間隔は、事業所の定めと保険者(指定権者)の取扱いを確かめて決め、下の表の記入欄に書いておきます。点検して変えなかった場合も、点検した日と確かめた点を改訂履歴に残しておくと、手順書が放置されていないことが分かります。

観点 確かめる問い 見る書類 結果(記入欄)
版の一致 手順書に書いた計画の版は、いま有効な訪問介護計画の版と同じか 訪問介護計画書・手順書 (  )
枠の一致 曜日・時刻・時間の長さは、居宅サービス計画と訪問介護計画と同じか 居宅サービス計画(第2表・第3表)・訪問介護計画書 (  )
区分ごとの時間 工程の【身】【生】の小計は、計画書の区分ごとの時間と同じか 訪問介護計画書・手順書 (  )
記録との一致 直近の記録の工程と順番は、手順書と同じか。違う日が続いていないか サービス提供記録(直近の3か月分など) (  )
時刻の一律 記録の開始・終了時刻が毎回同じになっていないか サービス提供記録 (  )
ご本人が行う部分 記録に書かれた「できた工程」と、手順書の「ご本人が行う部分」は合っているか サービス提供記録・手順書 (  )
アセスメントとの一致 手順書の介助の工程は、アセスメントの記録の状態と食い違っていないか アセスメントの記録(作成日入り) (  )
アセスメントの日付 改訂履歴に書いたアセスメントの日付は、認定の更新・計画の変更のあとか アセスメントの記録・要介護認定の情報 (  )
目標の書き写し 手順書に書き写した目標は、いまの短期目標と同じか 訪問介護計画書 (  )
中止の基準 中止の基準に、主治医等の指示で変わったことが入っているか 介護支援専門員からの連絡の記録 (  )
連絡の順番 緊急時の連絡の順番と相手は、いまも合っているか(番号は連絡票で確かめる) 連絡票・重要事項説明書 (  )
範囲外の依頼 記録に、計画にない依頼を受けた日が続いていないか。続いていたら介護支援専門員に伝えたか サービス提供記録・介護支援専門員への連絡の記録 (  )
写しの回収 旧版の写しを持っている訪問介護員はいないか 持ち出し台帳 (  )
周知 改めた版を、担当の訪問介護員全員に伝えた記録があるか 周知の記録・会議の記録 (  )
個別の事情 呼び方・置き場所・好みなど、聞き取った事情が古くなっていないか 手順書・ご本人とご家族への確認 (  )
点検の記録 点検した日・点検した人・変えたか変えなかったかが改訂履歴に残っているか 手順書の改訂履歴 (  )

※上記は当社が作成した記載のイメージであり、行政の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

改訂履歴と点検の結果は、手順書の最後の1枚にまとめておくと、旧版と新版を並べたときに、いつ・なぜ・何が変わったかが1枚で読めます。手順書をどの書類と一緒に保管するか、どのくらいの期間残すかは、事業所の定めと保険者(指定権者)の条例・取扱いをご確認ください。

よくある質問

訪問介護の手順書は、法令で様式が決められていますか。

当社が確認した運営指導マニュアル別添1(訪問介護)の確認項目には、「手順書」という語は出てきません。別添1は、訪問介護計画について「サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか」を確認項目に挙げています。手順書は、これを訪問1回分の流れに具体化するために事業所が作る書類として運用されることが多いものです。一方、宇都宮市の運営指導の主な指導事例には、訪問介護計画に即した手順書が作成されていない事例が挙げられています。様式や作成の取扱いは保険者(指定権者)によって異なりうるため、所在地の保険者にご確認ください。

手順書と訪問介護計画書を1枚にまとめてもよいですか。

1枚にまとめるかどうかの取扱いは、保険者(指定権者)にご確認ください。分けて作る場合は、手順書に元にした訪問介護計画の版と同意日を書き、計画を変えたときは手順書も同じ日に改めて、変更日と理由を残しておくと、2つの書類の内容の食い違いを防ぎやすくなります。

手順書はどんなときに見直せばよいですか。

訪問の曜日・時刻・時間の長さ、支援の内容、ご本人の状態、主治医の指示、同居のご家族の状況が変わったときや、居宅サービス計画が変わったとき、担当の訪問介護員が替わるときが見直しのきっかけになります。宇都宮市の公表資料には、サービス提供時間を変更したのに訪問介護計画を変更していない事例も挙げられているため、時間を変えたときは計画と手順書の両方を改めた記録を残しておくと確かめやすくなります。

服薬の介助や体温の測定を手順書に書くとき、どこまで書いてよいですか。

訪問介護員が行う範囲として事業所が確認した工程だけを書きます。どこまでを訪問介護員が行うかは、ご本人の状態、主治医・薬剤師の指示、保険者の取扱いによって異なるため、手順書の「確認が要る事項」の欄に、確かめた相手・内容・日付を残してください。医療に関わる数値の目安は、主治医・看護職から示された値を記入欄に書き写す形にし、訪問介護員がその場で判断しない書き方にします。

手順書の写しを訪問介護員が持ち歩いてもよいですか。

手順書には利用者の心身の状況や住まいの入り方などの個人情報が含まれるため、写しを持ち出す場合は、渡した訪問介護員・渡した日・回収した日を台帳に残し、紛失したときの連絡の手順を決めておくことをおすすめします。持ち出しの可否や方法は、事業所の個人情報の取扱いの規程と、ご本人・ご家族から得ている同意の範囲に沿って決めてください。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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