公開:2026年11月5日/出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1550(WAM NET 掲載)
要点(3行)
- 厚生労働省は令和8年10月26日、介護保険最新情報Vol.1550「介護保険制度における預貯金等の把握等に係る検討の場 中間とりまとめについて」を出しました。
- 補足給付(施設・ショートステイの食費・居住費の負担軽減)で、市町村が預貯金等を確かめる事務の負担を軽くする方策を整理した「中間とりまとめ」です。検討の途中の段階のまとめです。
- オンライン預貯金照会の活用、通帳の写しなど添付書類の簡素化、負担限度額認定の有効期限を2年とする運用などが、市町村の取組の例とあわせて示されています。
この資料は「中間とりまとめ」です。市町村向けに、すでに各地で行われている負担軽減の工夫を紹介し、活用できるものを取り入れるよう求める内容です(事務連絡より)。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 出したところ・日付 | 厚生労働省 老健局 介護保険計画課の事務連絡。令和8年10月26日 |
| 誰あて | 都道府県・市区町村の介護保険担当主管部(局) |
| 検討の場とは | 「介護保険制度における預貯金等の把握等に係る検討の場」。令和8年5月に立ち上げ、預貯金等の確認事務の現状と課題を整理し、負担軽減の具体的な方策を実務的に検討する場。構成員は市の介護保険担当課長等3名、町村の介護保険担当課長等2名、厚生労働省老健局介護保険計画課長ほか |
| 立ち上げの経緯 | 介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日 社会保障審議会介護保険部会)で、まず現行の補足給付での預貯金等の確認事務の実態を把握し、保険者との実務的な検討の場を設けるべきとされたこと |
| 開催の経過 | 第1回 令和8年5月27日/第2回 6月30日(市町村からのヒアリング)/第3回 7月29日(自治体アンケート調査)/第4回 令和8年9月29日(中間とりまとめ素案)。計4回の議論と全国の保険者へのアンケート調査を経てとりまとめた |
| アンケートの主な数字 | 全国1,574保険者のうち1,566保険者が回答(回答率99.5%)。令和6年度の負担限度額認定の申請は計1,094,033件。補足給付の認定者数は令和6年度末で約85万人 |
中間とりまとめの主な内容
| 論点 | とりまとめの内容 |
|---|---|
| 基本的な方向性 | 補足給付の資産の把握は自己申告をベースとし、必要に応じて金融機関へ照会する仕組み。不正が見つかった場合は介護保険法第22条第1項で徴収金を課す。各自治体の実情を踏まえ、活用できる負担軽減策を積極的に取り入れてほしい、としている |
| オンライン預貯金照会 | 198の保険者が利用。回答にかかる日数は本店等一括照会で平均17.0日、オンライン照会で平均9.3日。国が導入のポイントや先行事例などを自治体や金融機関に情報提供することが考えられる、としている |
| 非課税年金の照会 | 住所地特例などで非課税年金情報が届かない場合の他市町村への照会の負担について、令和8年7月31日付の通知で示した算出方法の活用を進め、算出の自動化に向けて国が介護保険システムの標準仕様書の見直しを検討することが考えられる、としている |
| 介護情報基盤 | 令和10年4月1日からの本格運用が予定されている。限度額認定証の発行の廃止について、運用状況もみながら国が検討を進めることが考えられる、としている |
| 認定証の有効期間・更新時期 | 9月または10月から1年間とする意見と、8月の更新が定着している中で問い合わせが増えることを心配する意見の両方に留意して、対応を検討する必要があるのではないか、としている |
| 金融機関照会の効率化 | 全件の照会は想定していないとこれまで示してきた。通帳情報に疑義がある人への照会、サンプル調査、照会を2年に一度にする、継続して施設に入所している人を原則照会先から除く、などの例が紹介されている |
| 添付書類の簡素化 | 施設に継続入所中で預貯金等の額に大きな変動がないときなどは、毎年の添付まで求めなくとも差し支えないと示してきた。通帳の写しを3年または2年に一度にする、新規申請のみにする、自己申告書を活用する、などの例が紹介されている |
| 郵送・オンライン申請 | 申請を勧めるときに郵送申請や電子申請(マイナポータル等)を案内している自治体がある、として活用の促進を挙げている |
| 有効期限を2年とする運用 | 29の保険者が実施。事務負担や窓口に来る回数が減ったという声がある一方、途中で預貯金等が変わったときの過誤調整が増えるなどの声もあり、地域の実情を踏まえて各保険者で導入を検討していくことが必要ではないか、としている |
| 今後の課題 | 資産の把握の要件そのものを見直すべきという意見もあった。正確に把握するには、マイナンバーを活用して預貯金等に付番し、全ての金融機関に照会できる仕組みが必要で、国は将来的な導入を目指して付番等を進めていくべき、としている |
一次資料:介護保険最新情報Vol.1550(PDF・WAM NET)。参考として厚生労働省ホームページの検討の場のページ(厚生労働省のページ)も示されています。
事業所で確かめること
- この資料は市町村の事務の進め方についての「中間とりまとめ」です。負担限度額認定の申請の方法、通帳の写しの添付の要否、有効期限などは市町村ごとに異なることがあります。今の取扱いは保険者(市町村)の案内をご確認ください。
- 施設やショートステイの相談員、ケアマネが利用者・ご家族から「通帳の写しは毎年いるのか」「郵送やオンラインで申請できるのか」と聞かれたときは、お住まいの市町村の介護保険担当の案内を一緒にご確認ください。
- 住所地特例で施設に入所している方は、非課税年金の情報を市町村どうしで照会することがあると資料に書かれています。手続きに日数がかかる場合は、保険者(市町村)にお問い合わせください。
- 負担限度額の段階や預貯金額の基準など、現行の仕組みの表は一次資料の後半(参考資料)にあります。
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更新履歴:初版。検討の場や国から新しい資料が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






