介護施設の事業計画書は、特別養護老人ホーム(特養・介護老人福祉施設)、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、ケアハウス(軽費老人ホーム)を開く前や年度の初めに、「どの地域の、どんな方に、どんな建物と人員で、どんな暮らしと介護を届け、お金と人をどう回すか」をまとめる経営の書類です。名前の似ている施設サービス計画書や、入居者のケアプランは、入居者お一人おひとりについて生活の目標と支援の内容を定めるケアの計画です。この記事が扱うのは前者の、施設という事業そのものの計画であり、施設サービス計画書の文例は載せていません。
介護施設の事業計画書は、施設の種類によって出す相手も重く見られる欄も大きく変わります。特養は設置できる法人が限られ、多くは社会福祉法人が運営するため、理事会で決める法人の事業計画と、整備の公募に出す計画の2つの顔を持ちます。有料老人ホームは届出と、介護付きであれば特定施設入居者生活介護の指定が関わります。サ高住は住宅としての登録が中心で、介護は併設や外部の事業所が受け持つことが多くなります。ケアハウスは軽費老人ホームとしての手続と、利用料の考え方が独特です。そこでこの記事では、最初に4つの施設の違いを対照表で示し、そのあとに、どの様式に移しても使える「記入欄の見本(空欄つきの表)」と「悪い例→良い例」を項目ごとに並べました。
基準省令や社会福祉法などの条文・通知の中身は、当社の手元で原文を確かめられていないため、条番号・通知番号・題名は引いていません。人員・設備・手続の定めは、所轄庁・指定権者(都道府県・指定都市・中核市・市町村)の条例と手引きでご確認ください。収支計画と資金計画の欄では、金額・入居率・稼働率・利益率・人件費の目安の数字を一切書いていません。数字は地域・規模・建物・時期で大きく変わり、記事の数字を写すと根拠のない計画になるためです。代わりに、欄の名前、書き方、数字の根拠をどこから取るかを示しています。
介護施設の事業計画書と施設サービス計画書の違い|目的・読む人・根拠の比較(12項目)
「特養 計画書」「老人ホーム 計画書」と検索すると、施設サービス計画書(施設ケアプラン)の情報が多く出てきます。開設の準備、整備の公募、融資の相談、年度の計画で必要なのは事業計画書のほうです。2つを取り違えると、手引きや金融機関が求める書類と違うものを用意してしまうため、最初に役割の違いを1枚の表で確かめておきます。
施設の事業計画書と施設サービス計画書の役割の違い(12項目)
| 項目 | 事業計画書(この記事) | 施設サービス計画書・入居者のケアプラン |
|---|---|---|
| 何についての計画か | 施設という事業の目的・地域・建物・人員・運営の体制・お金の流れ | 入居者お一人の生活の目標と、支援の内容の組み立て |
| 作る単位 | 施設ごと(併設のショートステイ・デイサービス・訪問介護などは分けて書く) | 入居者ごと |
| 作る人 | 法人の代表者・理事会・施設長(予定者を含む)・事務長 | 計画担当の介護支援専門員、または入居者の担当の介護支援専門員 |
| 主に読む人 | 所轄庁、指定権者・整備の担当課、金融機関、理事・評議員、職員 | 入居者・ご家族、介護職員・看護職員・機能訓練の担当者など |
| 法令上の位置づけ | 介護保険の基準に「事業計画書」という書類の定めは見当たりません。社会福祉法人は法人の事業計画を理事会で定める手順が定款・規程にあることが多く、整備の公募や届出の手引きで提出を求められる場合があります | 施設の種類ごとに、基準で作成の手順が定められています(内容は指定権者の手引きでご確認ください) |
| 様式 | 決まった様式はありません。公募要領・手引き・金融機関の様式があればそれに従います | 標準的な様式が示されています(他の様式の使用を妨げない例として扱われます) |
| 作る時期 | 整備の公募・開設の準備、年度の初め、増床・改修・併設事業の追加を考えるとき | 入居・入所のとき、認定の更新・区分変更、状態の変化のとき |
| 中心になる中身 | 需要の見込み、建物と設備、人員と夜間の体制、運営の体制、入居者の確保、収支、資金、リスク | 課題分析の結果、長期・短期の目標、支援の内容と担当 |
| 数字の扱い | 定員、入居・入所の見込み、職員の人数、収入・支出・借入れの見込み(根拠を添える) | 支援の回数・時間、目標の期間 |
| 説明・同意 | 入居者への説明・同意は求められていません(社会福祉法人は理事会の承認など法人内の手順があります) | 入居者又はご家族に説明し、同意を得ます |
| 見直しのきっかけ | 入居・入所の実績と見込みのずれ、職員の確保の状況、制度の改定、建物の修繕 | モニタリングの結果、入居者の状態や意向の変化 |
| 保管 | 法人の文書として保管(期間は法人の規程で定めます) | 保存の期間は指定権者の条例でご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の事業計画書を求められる場面と確かめること(8場面)
同じ事業計画書でも、誰に出すかで重く見られる欄が変わります。下の表で、出す相手ごとに確かめることを整理し、右端に貴施設で確かめた内容と日付を書き込んでください。
| 場面 | 出す相手 | 重く見られやすい欄 | 確かめること | 貴施設の確認(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 特養・介護付きの整備の公募への応募 | 都道府県・市町村の整備の担当課 | 需要の見込み、建設予定地、資金計画、法人の運営の実績 | 公募の有無と時期、応募の様式、選定の観点、事前の相談の要否 | (確認日 /担当課 ) |
| 有料老人ホームの設置の届出 | 都道府県・指定都市・中核市の担当課 | 建物・設備、職員の体制、入居契約と費用の考え方 | 届出の時期、事前の相談の要否、その自治体の指導指針の有無 | (確認日 /担当課 ) |
| サ高住の登録 | 都道府県・指定都市・中核市の登録の窓口 | 住宅の設備、状況把握・生活相談の体制、家賃等の考え方 | 登録の手続と時期、自治体独自の基準の有無 | (確認日 /窓口 ) |
| ケアハウスの設置の手続 | 都道府県・指定都市・中核市の担当課 | 設置主体、利用料の考え方、職員の体制 | 手続の種類と時期、利用料の取扱い、補助の有無 | (確認日 /担当課 ) |
| 介護保険の指定の申請 | 指定権者(特養・特定施設は都道府県等、地域密着型は市町村) | 人員・設備・運営の体制、運営規程 | 手引きに事業計画書の提出があるか/指定の様式があるか | (確認日 /担当課 ) |
| 融資・補助の相談 | 金融機関(公的な融資制度を含む)、補助制度の窓口 | 資金計画・返済の見込み・入居の立ち上がり | 指定の様式、添付資料、相談の時期、補助の公募要領 | (確認日 /担当者 ) |
| 法人内の決裁 | 理事会・評議員会・取締役会・代表者 | 需要・収支・資金・リスク・既存事業への影響 | 決裁の手順と時期、報告の頻度 | ( ) |
| 職員への共有 | 施設長・各部署の責任者・職員 | 目的・方針、人員と夜間の体制、研修の計画 | どこまでの数字を共有するか | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
手引きで事業計画書の提出が求められていない場合でも、運営規程・勤務形態一覧表・平面図・重要事項説明書・入居契約書など、手続で出す書類と事業計画書の中身は重なります。事業計画書を先に作っておくと、それらの書類を同じ前提で書けるため、書類どうしの食い違いを防ぎやすくなります。
施設の種類別|特養・有料老人ホーム・サ高住・ケアハウスの記載項目の対照表
介護施設の事業計画書でいちばん迷いやすいのは、「自分の施設の種類では、どの欄を厚く書くか」です。ここでは4つの施設の違いを2枚の対照表にまとめました。表の右側の内容は一般的な整理であり、設置主体・手続・人員の定めは、所轄庁・指定権者の条例と手引きでご確認ください。介護付きの有料老人ホーム・サ高住・ケアハウスは、特定施設入居者生活介護の指定を受けるかどうかで書く欄が増えます。
4つの施設の位置づけと手続の違い(4種類×12項目)
| 項目 | 特養(介護老人福祉施設) | 有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅 | ケアハウス(軽費老人ホーム) |
|---|---|---|---|---|
| 施設の性格 | 介護保険施設。常に介護が要る方の暮らしの場 | 入居者に食事・介護・家事・健康管理などを提供する住まい(介護付き・住宅型など) | 安否確認と生活相談のついた高齢者向けの賃貸住宅など | 家庭での生活が難しい高齢者が低い負担で暮らす施設(自立型・介護型) |
| 運営する法人 | 設置できる法人が限られ、多くは社会福祉法人・地方公共団体 | 株式会社・医療法人・社会福祉法人など幅広い | 株式会社・医療法人・社会福祉法人など幅広い | 社会福祉法人などが多い(設置主体は手引きでご確認ください) |
| 主な手続 | 設置の認可と介護保険の指定 | 設置の届出(介護付きは特定施設の指定も) | 住宅としての登録(特定施設の指定を受けるものもある) | 軽費老人ホームとしての手続(介護型は特定施設の指定も) |
| 手続の窓口 | 都道府県・指定都市・中核市(地域密着型は市町村) | 都道府県・指定都市・中核市 | 都道府県・指定都市・中核市の登録の窓口 | 都道府県・指定都市・中核市 |
| 整備の枠・公募 | 介護保険事業計画などの整備の枠と公募があることが多い | 介護付きは整備の枠・公募の対象になることがある | 特定施設の指定を受ける場合は枠の確認が要ることがある | 介護型は整備の枠の確認が要ることがある |
| 入居・入所の決め方 | 入所の申込みを受け、入所の必要性の高い方から決める手順(入所検討委員会など) | 入居契約。入居の条件はホームが定める | 賃貸借契約などと、サービスの契約 | 入居の条件と手順を施設が定める |
| 介護の提供のしかた | 施設の職員が施設サービスとして提供 | 介護付きは施設の職員が提供。住宅型は外部・併設の介護サービスを入居者が契約 | 外部・併設の介護サービスを入居者が契約することが多い | 自立型は外部の介護サービス。介護型は施設の職員が提供 |
| 入居者の負担の考え方 | 介護保険の利用者負担と、居住費・食費など | 入居時の費用(前払金など)と月額の費用、介護保険の負担 | 家賃・共益費・サービス費と、介護保険の負担 | 利用料(収入に応じた考え方があるものもある)・生活費など |
| 事業計画書が出る主な場面 | 整備の公募、理事会、所轄庁への報告、融資 | 届出前の事前の相談、融資、法人内の決裁 | 登録・補助の申請、融資、法人内の決裁 | 設置の手続、理事会、補助の申請 |
| 重く見られやすい欄 | 地域の待機の状況、法人の運営の実績、人員の確保、資金計画 | 入居者の想定と費用の考え方、夜間の体制、入居契約・前払金の保全の考え方 | 住宅の設備、状況把握・生活相談の体制、併設事業所との関係 | 利用料の考え方、職員の体制、補助を前提にしない資金計画 |
| 併設の事業でよく起きること | 併設のショートステイ・デイサービスとの人員・ベッドの扱いの区分 | 住宅型で併設の訪問介護・通所介護との勤務の区分 | 住宅側の職員と併設の介護事業所の職員の勤務の区分 | 併設のデイサービスなどとの勤務の区分 |
| 貴施設の種類と手続(記入欄) | ( ) | ( ) | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
事業計画書に載せる項目の違い(4種類×14項目)
下の表は、同じ目次の項目でも、施設の種類によって書く中身がどう変わるかを並べたものです。「◎」はとくに厚く書く欄、「○」は書く欄、「△」は状況に応じて書く欄の目安です。印の付け方は当社の整理であり、提出先が求める内容を優先してください。
| 目次の項目 | 特養 | 有料老人ホーム | サ高住 | ケアハウス |
|---|---|---|---|---|
| 法人の概要と運営の実績 | ◎ 社会福祉法人としての沿革、地域での公益的な取組 | ○ 法人の沿革、介護事業の実績 | ○ 法人の沿革、住宅事業・介護事業の実績 | ◎ 法人の沿革、福祉事業の実績 |
| 事業の目的・運営の方針 | ◎ 地域で常に介護が要る方の暮らしをどう支えるか | ◎ どんな方の、どんな暮らしを支える住まいか | ○ 住まいとしての方針と、介護との分担 | ○ 自立した暮らしを続けるための支援の方針 |
| 地域の需要 | ◎ 待機の状況、整備の計画、近隣の施設の状況 | ◎ 入居を考える方の層、費用帯ごとの競合の状況 | ◎ 高齢者の世帯の状況、近隣の住宅の状況 | ○ 低い負担の住まいを求める方の状況 |
| 建物・設備 | ◎ 居室の形(ユニット型・従来型など)、共用の設備 | ◎ 居室・共用の設備、介護の設備 | ◎ 住宅の設備、バリアフリーの状況 | ○ 居室・共用の設備 |
| 定員と入居・入所の見込み | ◎ 定員、入所の手順、ショートステイの定員 | ◎ 定員、開設からの入居の立ち上がり | ◎ 戸数、入居の立ち上がり | ○ 定員、入居の手順 |
| 人員の計画 | ◎ 職種ごとの員数の考え方と採用の計画 | ◎ 介護付きは特定施設の員数の考え方、住宅型はホームの職員の配置 | ○ 状況把握・生活相談の職員の配置 | ○ 職員の配置(介護型は特定施設の員数の考え方も) |
| 夜間の体制 | ◎ 夜勤の配置と緊急時の連絡 | ◎ 夜間の常駐の職員と併設事業所の職員の区分 | ○ 夜間の状況把握と緊急時の対応 | ○ 夜間の連絡と対応 |
| 医療との連携 | ◎ 配置医・協力医療機関・看取りの方針 | ◎ 協力医療機関・訪問診療・看取りの方針 | ○ 訪問診療・訪問看護との連携 | ○ 協力医療機関との連携 |
| 運営の体制(委員会・研修・BCP) | ◎ 委員会・研修・訓練の年間計画 | ◎ 同上(自治体の指導指針で求められる取組も) | ○ 住宅としての取組と、併設事業所の取組の分担 | ○ 同上 |
| 入居者の確保・広報 | ○ 地域包括支援センター・居宅介護支援事業所・病院との関係 | ◎ 紹介元・見学・広報の計画 | ◎ 紹介元・見学・広報の計画 | ○ 地域の相談窓口との関係 |
| 入居者の負担と料金の考え方 | ○ 居住費・食費などの考え方 | ◎ 入居時の費用・月額の費用の内訳と考え方 | ◎ 家賃・共益費・サービス費の内訳と考え方 | ◎ 利用料・生活費の考え方 |
| 収支計画 | ◎ 介護報酬・居住費・食費・ショートステイを分けて | ◎ 月額の費用・介護報酬(介護付き)・前払金の扱いを分けて | ◎ 家賃等・サービス費・併設事業所の収支を分けて | ◎ 利用料・補助・介護報酬(介護型)を分けて |
| 資金計画(建設・改修) | ◎ 自己資金・借入れ・補助の内訳と返済 | ◎ 建設・賃借の別、借入れと返済 | ◎ 建設・賃借の別、補助の公募要領 | ◎ 自己資金・補助・借入れの内訳 |
| リスクと見直し | ◎ 人員の確保、入所の空き、建物の修繕 | ◎ 入居の立ち上がりの遅れ、退去、夜間の体制 | ◎ 空室、併設事業所との関係、制度の変更 | ○ 利用料・補助の変化、建物の修繕 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
社会福祉法人の事業計画と株式会社などの事業計画の違い(10項目)
特養やケアハウスを運営する社会福祉法人と、有料老人ホームやサ高住を運営する株式会社などでは、事業計画書を決める手順と、書く相手が違います。下の表は一般的な違いの整理です。社会福祉法人の手続や会計の取扱いは、所轄庁の手引きと法人の定款・経理規程でご確認ください。
| 項目 | 社会福祉法人(特養・ケアハウスなど) | 株式会社・医療法人など(有料老人ホーム・サ高住など) | 貴法人の手順(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 事業計画を決める場 | 定款・規程に定める手順(理事会の承認など) | 取締役会・代表者など、会社の規程に定める手順 | ( ) |
| 事業計画と予算の関係 | 事業計画と予算を同じ時期にそろえて決めることが多い | 経営計画と予算を会社の方針で決める | ( ) |
| 会計の区分 | 社会福祉法人の会計の区分(拠点・サービスの区分)に合わせる | 会社の会計の方法に合わせ、施設ごとに管理する | ( ) |
| 報告する相手 | 所轄庁・評議員会など | 株主・金融機関など | ( ) |
| 公益的な取組 | 地域における公益的な取組を事業計画に書くことがある | 地域との関わりは任意で書く | ( ) |
| 資金の出どころ | 自己資金・借入れ・補助・寄附など | 自己資金・借入れ・出資・補助など | ( ) |
| 年度の区切り | 年度の区切りに合わせる | 会社の決算期に合わせる | ( ) |
| 見直しの手順 | 補正予算などの法人内の手順 | 取締役会・代表者の決裁 | ( ) |
| 公表の考え方 | 法人の情報の公表の取扱いを所轄庁の手引きで確かめる | 重要事項説明書など、入居者に示す情報との整合を見る | ( ) |
| 相談する専門家 | 会計は税理士・公認会計士、労務は社会保険労務士 | 同左 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事は事業計画書の欄の作り方を示すものです。法人の会計処理・税務は税理士・公認会計士の、就業規則・労働条件・社会保険の手続は社会保険労務士の業務ですので、個別の判断はそれぞれの専門家にご相談ください。
事業計画書の全体構成|14項目の目次テンプレートと開設時・年度計画の違い
介護施設の事業計画書は、次の14項目で組み立てると、どの施設の種類でも、どの提出先の様式にも移しやすくなります。提出先に様式があれば、その様式の欄にこの14項目の中身を当てはめてください。
施設の事業計画書の目次テンプレート(14項目)
| 番号 | 項目 | 書くこと | 主なつながりのある書類 |
|---|---|---|---|
| 1 | 法人の概要 | 法人の名前・所在地・代表者・沿革・運営している事業 | 登記事項証明書、定款 |
| 2 | 事業の目的・運営の方針 | どんな方の、どんな暮らしを支える施設か | 運営規程、重要事項説明書 |
| 3 | 施設の種類と手続 | 施設の種類、受ける指定・届出・登録、窓口 | 手引き、申請書の控え |
| 4 | 地域の需要 | 何を・どこで調べ、どう読んだか | 調べた資料の一覧 |
| 5 | 建物・設備 | 敷地、建物の構造、居室・共用の設備、介護の設備 | 平面図、設備の一覧 |
| 6 | 定員と入居・入所の見込み | 定員、開設からの月別の入居の見込み、入所の手順 | 入所検討委員会の規程、入居契約書 |
| 7 | 人員の計画 | 職種ごとの員数の考え方と、採用の計画 | 勤務形態一覧表、採用の計画 |
| 8 | 夜間・緊急時の体制 | 夜勤の配置、緊急時の連絡、医療機関との連携 | 勤務表、緊急時の対応の手順 |
| 9 | 提供するサービスと暮らし | 食事・入浴・機能訓練・行事・看取りの方針 | 運営規程、施設サービス計画の方針 |
| 10 | 運営の体制 | 委員会・研修・訓練・業務継続計画・苦情・事故 | 各指針、年間の研修計画 |
| 11 | 入居者の確保と料金 | 紹介元・広報・見学の計画、料金の内訳と考え方 | 重要事項説明書、料金表 |
| 12 | 収支計画 | 収入・支出の欄と根拠 | 報酬の資料、見積書、給与規程 |
| 13 | 資金計画 | 建設・改修・開設前の費用と、資金の出どころ・返済 | 見積書、借入れの相談記録 |
| 14 | リスクと見直し | 想定する困りごとと対策、年間の見直し表 | 理事会・取締役会の議事録 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
開設時の計画と年度の事業計画で変わる書き方(10欄)
| 欄 | 開設時の計画(整備・届出・登録の前) | 年度の事業計画(開設後) |
|---|---|---|
| 地域の需要 | 調べた資料と読み方を中心に書く | 前年度の入居・入所の申込み・退去の実績を中心に書く |
| 定員と入居の見込み | 開設から満床に近づくまでの月別の見込みと根拠 | 前年度の実績と、空きが出た理由・期間の振り返り |
| 人員の計画 | 開設までの採用の段取りと、開設時の配置 | 退職・異動の実績、資格の取得の予定、次年度の採用 |
| 夜間の体制 | 夜勤の組み方の案と、職員が足りないときの手当て | 夜勤の実績、急な欠勤があったときの対応の振り返り |
| 運営の体制 | 指針・委員会・研修の準備の段取り | 委員会・研修・訓練の実績と次年度の予定 |
| 加算の目標 | 開設時に目指すかどうかと、体制の準備 | 届出の状況と、体制を保てているかの振り返り |
| 収支計画 | 立ち上がりの月別の見込み | 前年度の実績と、次年度の見込み |
| 資金計画 | 建設・開設前の費用と資金の出どころ | 返済の予定、修繕の積立て、設備の更新 |
| 建物の修繕 | 竣工後の保守の計画 | 点検の結果と、修繕の優先順位 |
| 決める場 | 理事会・取締役会での決定と、窓口への事前の相談 | 年度の初めの理事会・取締役会と、年度の途中の見直し |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
事業の目的・方針と地域の需要|記入欄の見本と入居者の確保の計画
事業の目的と方針は、運営規程や重要事項説明書の「事業の目的・運営の方針」と同じ前提で書きます。ここがあいまいだと、建物・人員・料金の欄に一貫性がなくなり、読む人が「どんな施設なのか」をつかめません。
施設の目的・運営の方針の記入欄(8欄)
| 欄 | 書くこと | 記入のヒント | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 施設の名前と種類 | 名前、施設の種類、受ける指定・届出・登録 | 特定施設の指定を受けるかどうかも書く | ( ) |
| 対象とする方 | 要介護度・医療の必要性・認知症の有無など、受け入れる方の想定 | 受け入れが難しい場合の考え方も書く | ( ) |
| 事業の目的 | 施設が地域で果たす役割 | 運営規程の目的と同じ言葉を使う | ( ) |
| 運営の方針 | 暮らし・尊厳・自立支援・家族との関わりの考え方 | 具体的な取組と結びつける | ( ) |
| 暮らしの特色 | 居室の形、食事、行事、地域との交流など | 建物・人員の欄と矛盾しないようにする | ( ) |
| 医療・看取りの方針 | 協力医療機関、訪問診療、看取りへの考え方 | 医療機関と相談した日と内容を残す | ( ) |
| 地域との関わり | 地域の行事、相談、ボランティア、災害時の役割 | 社会福祉法人は公益的な取組も書く | ( ) |
| 目標の時期 | 開設から1年・3年・5年で目指す姿 | 数字を置く場合は根拠を添える | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
目的・方針の悪い例→良い例(6組)
| 欄 | 悪い例 | 何が足りないか | 良い例(そのまま使える形) |
|---|---|---|---|
| 事業の目的 | 「地域一番の施設を目指す」 | 何をする施設か、誰のための施設かが分からない | 当施設は、常に介護が要り、在宅での生活が難しくなった高齢者が、住み慣れた地域で尊厳を保って暮らし続けられるよう、日常生活の支援・機能訓練・健康管理を行うことを目的とします。 |
| 対象とする方 | 「どなたでも受け入れます」 | 建物・人員・医療連携で受けられる方の範囲と合っていない | 要介護の認定を受けた方のうち、認知症のある方や、日常的な医療の管理が要る方も、協力医療機関・訪問看護と相談のうえ受け入れます。受け入れが難しい場合は、理由と他の相談先をお伝えします。 |
| 運営の方針 | 「利用者様第一」 | 具体的な取組に結びついていない | 入居者お一人おひとりの生活の歴史と意向を入居前の面談で聞き取り、起床・食事・入浴の時間を一律に決めず、居室ごとの暮らしの流れに合わせて支援します。 |
| 暮らしの特色 | 「家庭的な雰囲気」 | 読む人が施設の姿を思い描けない | 10人前後を1つの生活単位とし、台所のある共用の居間で、職員と入居者が配膳や片付けを一緒に行います。生活単位ごとに担当の職員を決め、顔なじみの関係で支援します。 |
| 医療・看取り | 「医療も安心」 | 誰と、どう連携するかがない | 協力医療機関と、入居者の急な体調の変化と入院・退院の際の連絡の手順を開設前に取り決めます。看取りは、ご本人とご家族の意向を確かめ、医師の判断と施設の指針に沿って行います。 |
| 地域との関わり | 「地域に貢献する」 | 何をするかがない | 地域の方を対象にした介護の相談の日を設け、町内会の防災訓練に参加します。災害時には、地域の要配慮の方の一時的な受け入れについて市町村と相談します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の地域の需要の調べ方|何を・どこで調べ、どう書くか(12項目)
地域の需要の欄は、「高齢化が進んでいるので需要がある」と書くだけでは根拠になりません。何を、どこで調べ、どう読んだかを並べ、調べた日と資料の名前を残します。下の表の「調べる先」は一般的な例です。
| 調べること | 調べる先 | 事業計画書への書き方 | 貴施設の調べた結果(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 高齢者の人口と世帯の状況 | 市町村の統計、介護保険事業計画 | 建設予定地の周辺の状況と、今後の見込みを資料の名前つきで書く | (資料名 /確認日 ) |
| 要介護の認定を受けた方の状況 | 市町村の介護保険事業計画・事業状況の報告 | 要介護度の構成と、対象とする方の層との関係を書く | ( ) |
| 施設の整備の計画 | 都道府県・市町村の介護保険事業計画・高齢者福祉計画 | 整備の予定と、公募の有無を書く | ( ) |
| 特養の待機の状況 | 都道府県・市町村が公表している調査、近隣の施設への聞き取り | 公表の有無と時点を添えて書く。聞き取りは相手と日付を残す | ( ) |
| 近隣の施設・住まいの状況 | 介護サービスの情報の公表、自治体の一覧、現地の確認 | 施設の種類・定員・料金帯の一覧を作り、自施設の位置づけを書く | ( ) |
| 入居を考える方の費用の負担 | 近隣の料金の公表、地域包括支援センター・居宅介護支援事業所への聞き取り | 想定する料金帯と、その根拠を書く | ( ) |
| 病院からの退院後の行き先 | 近隣の病院の地域連携の担当への聞き取り | 退院後に施設を探す方の状況を書く | ( ) |
| 医療の必要な方の受け皿 | 病院・訪問看護・訪問診療の担当への聞き取り | 受け入れる医療の範囲と連携先の見込みを書く | ( ) |
| 職員の確保のしやすさ | ハローワークの求人の状況、近隣の求人、養成校 | 採用の計画の根拠として書く | ( ) |
| 交通と立地 | 現地の確認、公共交通の状況 | 家族の面会・職員の通勤・緊急時の搬送の観点で書く | ( ) |
| 災害の危険 | 市町村のハザードマップ、地域防災計画 | 建設予定地の災害の危険と、避難の計画の考え方を書く | ( ) |
| 自治体の独自の取扱い | 手引き・指導指針・事前の相談 | 独自の基準や事前の協議があれば書く | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
入居・入所の確保の計画|紹介元ごとの記入欄(9経路)
| 紹介元・経路 | 関係づくりの方法 | 見込みの置き方 | 貴施設の計画(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 開設前の説明、見学会、空きの案内の方法を決める | 訪問した事業所の数と、聞き取った相談の見込み | ( ) |
| 地域包括支援センター | 施設の特色と受け入れの範囲の説明 | 聞き取りの結果 | ( ) |
| 病院の地域連携の担当 | 受け入れる医療の範囲の説明、退院の調整の手順 | 聞き取りの結果と、過去の相談の実績 | ( ) |
| 併設・同じ法人の事業所 | ショートステイ・デイサービスの利用者の家族への案内 | 利用者の状況からの見込み(公正な選択を妨げない) | ( ) |
| 入所の申込み(特養) | 申込みの受付と、入所の必要性の評価の手順を決める | 申込みの数と、入所検討委員会の手順 | ( ) |
| 見学・相談会 | 開設前の内覧会、定期の見学の日 | 見学の数と、入居の申込みにつながった実績 | ( ) |
| ご家族からの直接の相談 | 電話・ウェブサイトの問い合わせへの対応の手順 | 問い合わせの数の記録 | ( ) |
| 地域の集まり | 町内会・老人クラブ・民生委員への説明 | 関係づくりの記録 | ( ) |
| 行政の相談窓口 | 市町村の高齢者の相談窓口への説明 | 聞き取りの結果 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
需要・入居者の確保の悪い例→良い例(5組)
| 欄 | 悪い例 | 何が足りないか | 良い例(そのまま使える形) |
|---|---|---|---|
| 地域の需要 | 「高齢化率が高く、需要は十分」 | 資料の名前と時点、対象とする方の層とのつながりがない | 建設予定地の市町村の介護保険事業計画(資料名と時点を記載)によると、今後も要介護の認定を受ける方が増える見込みです。近隣の同じ種類の施設の定員と料金帯を一覧にし、当施設は( )の層を主な対象とします。 |
| 待機の状況 | 「待機者が多いと聞いた」 | 誰から、いつ聞いたかがない | 市町村が公表している入所の申込みの状況(時点を記載)と、近隣の施設の相談員への聞き取り(相手と日付を記載)から、当施設の対象とする方の申込みの見込みを置いています。 |
| 近隣の状況 | 「競合は少ない」 | 調べた範囲と方法がない | 建設予定地から車で( )分の範囲にある同じ種類の施設を、介護サービスの情報の公表と現地の確認で一覧にしました。一覧は別紙のとおりで、確認日は( )です。 |
| 入居の立ち上がり | 「開設時に満床」 | 見込みの根拠がなく、人員と資金の計画につながらない | 入居は、紹介元ごとの聞き取りの結果から月ごとに控えめに置き、職員の採用も入居の見込みに合わせて段階的に行います。見込みを下回った場合の資金の手当ては資金計画に記載しています。 |
| 紹介元 | 「ケアマネに営業する」 | 何をどう伝えるか、公正な選択への配慮がない | 開設の( )か月前から、居宅介護支援事業所・地域包括支援センター・病院の地域連携の担当に、受け入れる方の範囲・料金・見学の方法を説明します。入居者の選択を妨げないよう、他の施設との比較を求められた場合は公表されている情報を案内します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
建物・設備・人員と夜間の体制|記入欄と併設事業所との勤務の分け方
介護施設の事業計画書で、手続の窓口がとくに細かく見るのが建物・設備と人員です。設備の基準・人員の員数は施設の種類と、指定権者の条例・指導指針で異なるため、この記事では数字を書かず、「基準の定め(手引きで確かめた内容)」と「貴施設の計画」を並べる記入欄にしています。
建物・設備の記入欄(施設の種類別・12欄)
| 欄 | 書くこと | 施設の種類で変わる点 | 手引きで確かめた定め(記入欄) | 貴施設の計画(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 敷地と建物の権利 | 自己所有・賃借の別、契約の期間 | 特養・ケアハウスは所轄庁の手引きで建物の権利の扱いを確かめる | ( ) | ( ) |
| 建物の構造 | 構造、階数、延べ床面積 | 耐火の構造などの扱いは施設の種類と自治体で異なる | ( ) | ( ) |
| 居室 | 居室の数・形・広さ、個室か多床室か | 特養はユニット型・従来型の別、サ高住は住宅としての基準 | ( ) | ( ) |
| 生活単位・共用の居間 | 共用の居間・食堂の位置と広さ | ユニット型の特養は生活単位ごとの共用の場所 | ( ) | ( ) |
| 浴室 | 一般の浴槽・介護の浴槽の数 | 介護付きは介護の浴室の扱いを確かめる | ( ) | ( ) |
| トイレ・洗面 | 居室内か共用か、数 | サ高住は住宅としての設備の定めを確かめる | ( ) | ( ) |
| 台所・食事の提供 | 調理の場所、委託の有無 | サ高住は食事の提供の有無で書く欄が変わる | ( ) | ( ) |
| 医務室・看護の場所 | 医務室・静養の場所 | 特養・介護付きで扱いを確かめる | ( ) | ( ) |
| 機能訓練の場所 | 場所と使う器具 | 共用の場所と兼ねるかどうか | ( ) | ( ) |
| 緊急の呼び出し・見守りの設備 | 呼び出しの設備、見守りの機器 | サ高住は状況把握の方法と結びつける | ( ) | ( ) |
| 防災の設備 | 消防用の設備、非常用の電源、備蓄の場所 | 消防の所管の機関と相談する | ( ) | ( ) |
| 併設の事業所の場所 | ショートステイ・デイサービス・訪問介護などの場所 | 施設と併設事業所で共用する場所の扱いを確かめる | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
人員と夜間の体制の記入欄(12欄)
| 職種・体制 | 書くこと | 手引きで確かめた定め(記入欄) | 貴施設の計画(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 施設長・管理者 | 資格・経験、常勤かどうか、兼務の有無 | ( ) | (氏名・予定者 /兼務 ) |
| 医師(配置医・協力医療機関) | 配置の方法、診察の日、緊急時の連絡 | ( ) | ( ) |
| 生活相談員 | 人数、常勤かどうか、資格 | ( ) | ( ) |
| 介護職員 | 入居・入所の見込みに合わせた人数、常勤換算の考え方 | ( ) | (月別の人数は別表) |
| 看護職員 | 人数、勤務の時間帯、夜間の連絡の方法 | ( ) | ( ) |
| 機能訓練の担当 | 職種、人数、兼務の有無 | ( ) | ( ) |
| 栄養士・管理栄養士 | 配置の方法、委託の有無 | ( ) | ( ) |
| 介護支援専門員(計画作成の担当) | 人数、兼務の有無 | ( ) | ( ) |
| 状況把握・生活相談の職員(サ高住) | 常駐の時間帯、資格、常駐しない時間の対応 | ( ) | ( ) |
| 夜勤の配置 | 夜勤の人数、生活単位・フロアとの関係、休憩の取り方 | ( ) | ( ) |
| 宿直・オンコール | 宿直の有無、看護職員・施設長への連絡の順番 | ( ) | ( ) |
| 事務・調理・清掃など | 人数、委託の有無 | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
併設事業所と兼務する場合の勤務の分け方(8欄)
住宅型の有料老人ホームやサ高住に訪問介護・通所介護を併設する場合、特養にショートステイを併設する場合は、同じ職員が両方で働くことがよくあります。事業計画書の段階で勤務の分け方を決めておくと、勤務形態一覧表と勤務表を同じ考え方で作れます。
| 欄 | 決めること | 書き方の例 | 貴施設の決め方(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 兼務する職員の範囲 | どの職員が、どの事業所と兼務するか | 職員ごとに、施設と併設事業所の勤務の時間帯を分けて一覧にします。 | ( ) |
| 勤務表の分け方 | 勤務表を事業所ごとに作るか | 勤務表は事業所ごとに作り、兼務の職員は両方の勤務表に時間帯を分けて記載します。 | ( ) |
| 夜間の常駐の職員 | 夜間に施設の職員として常駐する人 | 夜間は施設の職員として常駐する人を勤務表で示し、併設事業所の職員の勤務時間と分けます。 | ( ) |
| 住まいのサービスと介護保険のサービスの区分 | 住宅・ホームとして行う業務と、介護保険のサービスとして行う業務の区分 | 安否確認・生活相談などの住宅側の業務と、訪問介護として行う支援を、記録も含めて分けて扱います。 | ( ) |
| ベッドの扱い(特養とショートステイ) | 併設型か空床利用か、入院・外泊中のベッドの使い方 | ショートステイの形と、入所者の入院・外泊中のベッドを使う場合の手順と記録を決めます。 | ( ) |
| 看護職員の配置の区分 | 施設とショートステイの看護職員の配置の考え方 | 施設とショートステイの看護職員の配置を分けて一覧にし、加算の体制を確かめる際の根拠にします。 | ( ) |
| 常勤換算の考え方 | 兼務の職員の勤務時間をどう数えるか | 兼務の職員の勤務時間は事業所ごとに分けて数え、合計が常勤の職員の勤務すべき時間を超えないよう管理します。 | ( ) |
| 雇用の形 | 雇用契約か、業務の委託か派遣か | 職員の配置は、雇用契約・辞令と勤務の記録で確かめられる形にします。 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
人員・夜間・兼務の悪い例→良い例(6組)
| 欄 | 悪い例 | 何が足りないか | 良い例(そのまま使える形) |
|---|---|---|---|
| 介護職員の人数 | 「基準どおり配置」 | 基準をどう確かめたか、入居の見込みとどうつながるかがない | 介護職員の人数は、指定権者の手引き(確認日を記載)で確かめた員数の考え方と、月別の入居の見込みから常勤換算で置きます。月別の配置は別表のとおりです。 |
| 採用の計画 | 「開設までに全員採用」 | 採用の段取りと、足りない場合の手当てがない | 開設の( )か月前から採用を始め、入居の見込みに合わせて段階的に増やします。採用が遅れた場合は、入居の受け入れの時期を調整し、紹介元に早めに伝えます。 |
| 夜間の体制 | 「夜間は併設の訪問介護の職員が対応」 | 施設の職員として常駐する人と、併設事業所の職員の区分がない | 夜間は、施設の職員として( )名が常駐します。併設の訪問介護事業所の職員の勤務時間とは勤務表で分け、施設の勤務時間には含めません。 |
| 看護職員 | 「看護師がいるので安心」 | 勤務の時間帯と、不在の時間の連絡の方法がない | 看護職員は日中に( )名が勤務し、夜間は施設長と看護職員の当番に電話で連絡する手順とします。連絡の順番と、協力医療機関に連絡する目安の考え方は、医師と相談して手順書に定めます。 |
| 兼務 | 「必要に応じて兼務する」 | 誰が、どの時間帯に兼務するかがない | 兼務する職員は(職種・人数)で、施設と併設事業所の勤務の時間帯を職員ごとに分けて勤務表に記載します。兼務の範囲は指定権者の手引きで確かめ、確認日を記録します。 |
| 委託・派遣 | 「人手が足りなければ外部に任せる」 | 雇用の形と、人員として扱えるかの確認がない | 人員に数える職員は、雇用契約・辞令と勤務の記録で確かめられる形で配置します。調理・清掃などを委託する場合は、委託する業務の範囲を契約で定めます。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営の体制と加算の目標|委員会・研修・BCP・医療連携の記入欄と公表事例12件
運営の体制の欄は、委員会・研修・訓練・指針を「整備する」と書くだけでなく、誰が担当し、いつ行い、どこに記録を残すかまで書くと、開設後の運営指導の準備にもつながります。開催の頻度は、施設の種類と指定権者の定めで異なるため、手引きで確かめた内容を記入欄に書いてください。
運営の体制の記入欄(14欄)
| 取組 | 事業計画書に書くこと | 手引きで確かめた頻度・内容(記入欄) | 担当・記録の置き場(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 身体的拘束等の適正化 | 指針、委員会、研修、緊急やむを得ない場合の記録の様式 | ( ) | ( ) |
| 虐待の防止 | 指針、委員会、研修、担当者 | ( ) | ( ) |
| 事故の発生の防止 | 指針、委員会、研修、事故の報告の手順 | ( ) | ( ) |
| 感染症の予防とまん延の防止 | 指針、委員会、研修、訓練 | ( ) | ( ) |
| 業務継続計画(感染症・災害) | 計画の作成、研修、訓練、見直し | ( ) | ( ) |
| 非常災害の対策 | 消防計画、避難の訓練、避難確保計画の要否、備蓄 | ( ) | ( ) |
| 口腔衛生の管理 | 口腔の状態の評価、歯科医師等との連携 | ( ) | ( ) |
| 栄養の管理 | 栄養の状態の把握、食事の形の工夫 | ( ) | ( ) |
| 入浴・清しきの体制 | 入浴の予定の組み方、入浴できない日の代わりの対応と記録 | ( ) | ( ) |
| 苦情への対応 | 受付の窓口、記録、改善の手順 | ( ) | ( ) |
| 入所の手順(特養) | 入所検討委員会の規程、入所の必要性の評価、市町村との連絡 | ( ) | ( ) |
| 医療機関との連携 | 協力医療機関との取決め、入院・退院の際の連絡 | ( ) | ( ) |
| 職員の研修 | 新しく採用した職員の研修、年間の研修の計画 | ( ) | ( ) |
| 情報の公表・第三者評価 | 重要事項説明書に載せる内容、第三者評価の実施の有無 | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
加算を目指すかどうかの対照表|告示の定めと貴施設の状況(10件)
加算は、事業計画書では「取る」と書くのではなく、目指すかどうか、そのための体制の準備、届出をしない場合の計画を並べて書きます。下の表は加算の要件を書き写したものではありません。要件の中身は告示・留意事項通知の定めによるため、指定権者の資料でご確認のうえ、確かめた日と資料の名前を残してください。施設の種類によって対象となる加算は異なります。
| 加算の名前 | 主に関わる施設 | 告示・留意事項通知の定め | 貴施設の状況(記入欄) | 事業計画書に書くこと | 確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日常生活継続支援加算 | 特養 | 告示・留意事項通知の定めによります | (目指す/目指さない・時期 ) | 入所者の構成の確認の方法と、毎月の確認の記録の置き場 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 看護体制加算 | 特養 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 看護職員の配置の計画(併設のショートステイと分けて) | 指定権者の資料でご確認ください |
| 夜勤職員配置加算 | 特養 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 夜勤の配置の計画と、見守りの機器の活用の考え方 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 個別機能訓練加算 | 特養・特定施設 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 機能訓練の担当の配置と、計画の作成の手順 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 口腔衛生管理加算 | 特養 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 歯科医師・歯科衛生士との連携の計画 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 褥瘡マネジメント加算 | 特養 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 評価と計画の手順、記録の置き場 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 看取り介護加算 | 特養・特定施設 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 看取りの指針、医師・看護職員との連携、研修 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 夜間看護体制加算 | 特定施設 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 看護職員の夜間の連絡の体制 | 指定権者の資料でご確認ください |
| 科学的介護推進体制加算 | 特養・特定施設 | 告示・留意事項通知の定めによります | ( ) | 情報の提出の担当と、記録の仕組み | 指定権者の資料でご確認ください |
| 介護職員等の処遇の改善に関わる加算 | すべての施設の介護保険サービス | 告示・通知の定めによります | ( ) | 賃金の改善の計画と、職場の環境の改善の取組 | 指定権者の資料でご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
収支計画には、加算の届出をした場合としない場合の2つを置き、資金計画は届出をしない場合の数字で組むと計画が崩れにくくなります。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
公表されている指摘事例から見る施設の事業計画書の書き漏れ(12件)
下の表は、各自治体が公表している運営指導・検査の資料から、施設・住まいに関わる指摘を選び、事業計画書のどの欄で手当てできるかを並べたものです。指摘の内容は公表資料の要約であり、同じ取扱いが貴施設の所在地でされるとは限りません。
| 公表している自治体と資料 | 指摘の要旨 | 事業計画書で手当てする欄 | 計画に書く内容の例 |
|---|---|---|---|
| 長野県「令和6年度有料老人ホーム一般検査結果の概要(サービス付き高齢者向け住宅を含む。)」 | 身体拘束等の適正化のための指針の未整備、委員会の未開催、研修の未実施、理由等の記録がない事例 | 運営の体制(身体的拘束等の適正化) | 指針の作成の時期、委員会の担当と開催の予定、研修の年間計画、記録の様式を書きます。 |
| 長野県「令和6年度有料老人ホーム一般検査結果の概要(サービス付き高齢者向け住宅を含む。)」 | 事故の発生の防止・虐待の防止・感染症の予防の指針の未整備、委員会・研修の未実施 | 運営の体制(事故・虐待・感染症) | 3つの取組ごとに、指針・委員会・研修の担当と予定を分けて書きます。 |
| 長野県「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 | 消火・避難訓練の回数の不足、避難確保計画に基づく避難訓練を実施していない事例 | 運営の体制(非常災害の対策)、リスク | 消防計画と避難確保計画の要否を確かめ、訓練の予定と結果の報告の手順を書きます。 |
| 長野県「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 | 要介護1・2の特例的な入所で、市町村への意見照会と入所検討委員会の開催が確認できない事例 | 入所の手順(特養) | 入所検討委員会の規程に、特例的な入所と、在所中に要介護度が変わった場合の手順を含めます。 |
| 長野県「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 | 口腔の健康状態の評価と、歯科医師等による技術的助言が確認できない事例 | 運営の体制(口腔衛生の管理)、医療との連携 | 連携する歯科医師・歯科衛生士と、評価・助言の記録の置き場を書きます。 |
| 長野県「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 | 日常生活継続支援加算の割合を毎月確認していない事例 | 加算の目標 | 加算を目指す場合は、毎月の確認の担当と記録の置き場を書きます。 |
| 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」 | 入浴等の実施が週1回のみで、実施できない理由も記録していない事例 | 提供するサービスと暮らし、人員の計画 | 入浴の予定の組み方、行事日・祝日に当たった場合の代わりの日の決め方、記録の様式を書きます。 |
| 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け) | 入浴・清しきの実施の記録が不正確で、週に2回以上の実施が確認できない事例 | 提供するサービスと暮らし | 入浴・清しきの実施日を入居者ごとに週単位で確かめられる記録の様式を書きます。 |
| 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正) | 看護体制加算で、併設のショートステイに勤務する看護職員を含めて計算している事例 | 人員の計画、併設事業所との勤務の分け方 | 施設とショートステイの看護職員の配置を分けた一覧を作ります。 |
| 堺市「令和8年度 集団指導 有料老人ホーム・サ高住編」 | 夜間帯に訪問介護事業所の職員1名のみの配置で足りると誤認している事例 | 夜間の体制、併設事業所との勤務の分け方 | 夜間に施設の職員として常駐する人を勤務表で示し、併設事業所の勤務時間と分けます。 |
| 横浜市健康福祉局介護事業指導課「令和7年度 横浜市介護サービス事業者等集団指導講習会資料(各サービス共通編)」 | 住宅型有料老人ホームと訪問介護事業所の併設で、勤務体制が区分されていない事例 | 併設事業所との勤務の分け方 | サービスの種類ごとに勤務の時間を分けて記録する方法を書きます。 |
| 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」 | 入所者の入院・外泊中のベッドを短期入所に利用していたのに、外泊時費用を算定していた事例 | 定員と入居・入所の見込み、ベッドの扱い | 入院・外泊中のベッドを使う場合の手順と、請求の担当との確認の方法を書きます。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営の体制の悪い例→良い例(5組)
| 欄 | 悪い例 | 何が足りないか | 良い例(そのまま使える形) |
|---|---|---|---|
| 身体的拘束等の適正化 | 「身体拘束はしない」 | 指針・委員会・研修・記録の計画がない | 開設の( )か月前までに身体的拘束等の適正化のための指針を作り、委員会の担当を(職種)とします。委員会の開催と研修の頻度は指定権者の手引きで確かめた内容に沿って年間の予定に入れ、緊急やむを得ず行う場合の記録の様式も開設前に定めます。 |
| 業務継続計画 | 「BCPは作成済み」 | 研修・訓練・見直しの計画がない | 感染症と災害の業務継続計画を作り、研修と訓練を年間の予定に入れます。訓練の結果を踏まえて計画を見直し、見直した日と内容を記録します。 |
| 非常災害 | 「防災訓練を行う」 | 消防計画・避難確保計画との関係がない | 消防計画に沿って消火・避難の訓練を行い、建設予定地が避難確保計画の対象かどうかを市町村に確かめます。対象の場合は計画に沿った訓練と結果の報告の手順を定めます。 |
| 入所の手順 | 「申込み順に入所」 | 入所の必要性の評価と、特例的な入所の手順がない | 入所の申込みは、入所検討委員会の規程に沿って入所の必要性を評価して決めます。特例的な入所や、在所中に要介護度が変わった場合の市町村への照会の手順も規程に含めます。 |
| 研修 | 「随時、研修を行う」 | 誰に、何を、いつ行うかがない | 新しく採用した職員には、配属前に施設の方針・身体的拘束等の適正化・虐待の防止・感染症の予防の研修を行います。全職員の研修は年間の計画に月ごとの主題を置き、出席と内容を記録します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
収支計画・資金計画の欄の作り方|入居の見込みと費用の欄を金額の前に決める
介護施設の収支計画と資金計画は、建物にかかるお金が大きく、開設から入居が埋まるまでに時間がかかるため、居宅のサービスよりも資金の手当てが重くなります。金額を入れる前に「どんな欄を置くか」と「数字をどこから取るか」を決めることが大切です。この記事では金額・入居率・稼働率・利益率・人件費の数字は書きません。
施設の収入の欄の一覧|欄の名前・書き方・根拠の取り方(13欄)
| 主に関わる施設 | 欄の名前 | 書き方 | 根拠の取り方 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|---|
| すべて | 入居・入所の数(月別) | 入居の確保の計画と同じ数を月ごとに入れる | 紹介元ごとの聞き取りの結果 | ( ) |
| すべて | 退去・入院の見込み | 退去・入院で空きが出る期間を置く | 近隣の施設への聞き取り、開設後は自施設の実績 | ( ) |
| 特養・特定施設 | 介護報酬(基本)の見込み | 入居・入所の数と要介護度の構成から月ごとに置く | その年度の報酬の告示・算定の資料 | ( ) |
| 特養・特定施設 | 加算の見込み | 届出をした場合としない場合を分けて置く | 告示・留意事項通知、指定権者の資料 | ( ) |
| 特養 | 居住費・食費 | 負担の軽減の対象となる方の割合の見込みを分けて置く | 市町村の資料、制度の説明の資料 | ( ) |
| 特養 | 併設のショートステイの収入 | 施設とは分けて置く | ショートステイの利用の見込み | ( ) |
| 有料老人ホーム | 月額の費用(家賃相当・管理費・食費など) | 内訳ごとに分けて置く | 料金表の案、近隣の料金の調べ | ( ) |
| 有料老人ホーム | 入居時の費用(前払金など)の扱い | 受け取る時期と、収入にする時期を分けて置く | 入居契約書の案、税理士・公認会計士への確認 | ( ) |
| サ高住 | 家賃・共益費・状況把握と生活相談のサービス費 | 住宅の収入として、併設事業所の収入と分けて置く | 料金表の案、賃貸借契約書の案 | ( ) |
| サ高住・住宅型 | 併設の介護事業所の収入 | 事業所ごとに別の表で置く(入居者の選択を前提にしない) | 併設事業所の事業計画 | ( ) |
| ケアハウス | 利用料と、利用料の軽減に関わる補助 | 補助がある場合と無い場合の2つを置く | 都道府県等の資料 | ( ) |
| すべて | 入金の時期 | 介護報酬はサービスを提供した月と入金される月のずれを置く | 国民健康保険団体連合会への請求の流れ | ( ) |
| すべて | その他の収入 | 寄附・補助・地域の事業の受託など(確定していないものは入れない) | 交付の決定の通知、契約書 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の支出の欄の一覧(12欄)
| 区分 | 欄の名前 | 書き方 | 根拠の取り方 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|---|
| 人 | 人件費 | 人員の計画の月別の人数・勤務形態から積み上げる | 給与規程、内定者の勤務条件 | ( ) |
| 人 | 法定福利費 | 人件費に連動させて置く | 社会保険の資料(社会保険労務士・税理士に確認) | ( ) |
| 人 | 採用・研修の費用 | 採用の計画と研修の年間計画から積み上げる | 求人の見積書、研修の案内 | ( ) |
| 建物 | 建物の費用(減価償却または家賃) | 自己所有か賃借かで欄を分ける | 建設の見積書、賃貸借契約の案、税理士への確認 | ( ) |
| 建物 | 借入れの利息 | 返済の予定から置く | 金融機関との相談記録 | ( ) |
| 建物 | 修繕・保守 | 設備の保守の契約と、修繕の積立ての考え方を置く | 保守の見積書、長期の修繕の計画 | ( ) |
| 暮らし | 給食の費用 | 自前の調理か委託かで欄を分ける | 委託の見積書、食材の見込み | ( ) |
| 暮らし | 光熱水費 | 建物の規模と季節の変動を置く | 設計の資料、近い規模の施設の聞き取り | ( ) |
| 暮らし | 介護の用品・衛生の用品 | 入居の数に連動させて置く | 見積書 | ( ) |
| 運営 | システム・通信の費用 | 記録・請求・見守りの機器の費用を分けて置く | 見積書、利用の条件 | ( ) |
| 運営 | 保険・委託・その他 | 賠償責任保険、清掃・警備の委託、広報など | 見積書 | ( ) |
| 会計 | 会計の単位と共通の費用の按分 | 施設と併設事業所を区分し、共通の費用の按分の考え方を決める | 法人の経理規程 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の資金計画の欄の一覧(建設・改修を含む・11欄)
| 欄 | 書き方 | 根拠の取り方 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 土地の取得・賃借の費用 | 取得か賃借か、契約の時期 | 売買契約・賃貸借契約の案 | ( ) |
| 建設・改修の費用 | 設計・工事・設備を分けて並べる | 設計事務所・施工会社の見積書 | ( ) |
| 備品・介護の機器 | 居室・共用・介護の機器・見守りの機器を分けて並べる | 見積書 | ( ) |
| 開設前の人件費 | 開設前に雇う人の研修・準備の期間の給与 | 人員の計画、給与規程 | ( ) |
| 開設前のその他の費用 | 広報・内覧会・システムの導入・手続の費用 | 見積書 | ( ) |
| 入居が埋まるまでを支えるお金 | 入居の立ち上がりの見込みと入金のずれから、手元に要る月数分を置く | 収支計画の月別の表 | ( か月分) |
| 自己資金 | 使える自己資金と、その出どころ | 預金の残高、法人の決算書 | ( ) |
| 借入れ | 借りる先、据置きの期間、返済の始まる時期 | 金融機関との相談記録 | ( ) |
| 補助金・交付金 | 確かめた制度の名前と時期(交付の決定前は使える前提で組まない) | 公募要領、窓口への確認 | ( ) |
| 前払金を受け取る場合の保全 | 受け取る場合の保全の考え方と、返還に備える資金 | 手引き・指導指針、税理士・公認会計士への確認 | ( ) |
| 月ごとの資金の推移 | 月初の残高、入金、支出、返済、月末の残高を並べる | 収支計画、返済の予定 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の収支計画・資金計画の悪い例→良い例(6組)
| 欄 | 悪い例 | 何が足りないか | 良い例(そのまま使える形) |
|---|---|---|---|
| 入居の見込み | 「開設月から満床で計算」 | 立ち上がりの期間と根拠がない | 入居の数は、紹介元ごとの聞き取りの結果から月ごとに置き、満床に近づくまでの期間を見込みます。見込みは控えめに置き、上回った場合は採用を前倒しします。 |
| 報酬の見込み | 「ネットで見た平均の売上を使う」 | 自施設の種類・区分・年度と合っていない | 介護報酬は、その年度の報酬の告示と算定の資料から、入居の数と要介護度の構成の見込みに合わせて月ごとに置きます。資料の名前と確かめた日を欄の下に書きます。 |
| 加算の見込み | 「加算はすべて取る前提」 | 体制が整わなかったときの計画がない | 加算は、届出をした場合としない場合の2つを置き、資金計画はしない場合の数字で組みます。 |
| 併設事業所の収入 | 「入居者は全員、併設のデイを使う前提」 | 入居者の選択を前提にしておらず、施設と事業所の収支が混ざっている | 併設の通所介護の収支は別の表に置き、住宅の収支だけで返済できるかを先に確かめます。入居者がどの事業所を使うかは入居者の選択によるため、利用の見込みは控えめに置きます。 |
| 前払金 | 「入居一時金は全額すぐ使える」 | 受け取る時期と収入にする時期、返還への備えがない | 前払金を受け取る場合は、受け取った額を収入にする時期と、返還に備える資金の考え方を、指定権者の手引きで確かめ、税理士・公認会計士に相談して資金計画に記載します。 |
| 補助 | 「補助金で建てる」 | 交付が決まる前から使える前提にしている | 補助は、公募要領で確かめた制度の名前と時期を書き、交付の決定までは補助が無い場合の資金計画も並べて置きます。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
リスクと対策・見直しの手順|施設で想定する困りごと12件と年間の見直し表
リスクの欄は、起きたら困ることを並べるだけでなく、起きたときに誰が何をするか、どの欄の計画を見直すかまで書くと役に立ちます。介護施設は入居者が24時間暮らす場であり、職員の欠員や建物の不具合が、そのまま入居者の暮らしに影響します。その前提で書きます。
施設で想定する困りごとと対策の記入欄(12件)
| 困りごと | 起きたときの対応 | 見直す欄 | 貴施設の対策(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 開設の時期に職員がそろわない | 入居の受け入れの時期を調整し、紹介元に早めに伝える | 人員の計画、入居の見込み | ( ) |
| 夜勤の職員が急に休む | 代わりに入る職員の連絡の順番と、施設長・看護職員への連絡を決めておく | 夜間の体制 | ( ) |
| 入居の立ち上がりが見込みより遅い | 紹介元ごとの実績を確かめ、確保の計画と資金の手当てを見直す | 入居の確保の計画、資金計画 | ( ) |
| 入院・退去で空きが続く | 空きの期間と理由を記録し、医療機関との連絡の手順を見直す | 収支計画、医療との連携 | ( ) |
| 施設長・看護職員が辞める | 指定権者に届出の要否を確かめ、後任の確保と引き継ぎの資料を用意する | 人員の計画 | ( ) |
| 感染症の流行 | 業務継続計画に沿って、生活単位ごとの対応と面会の扱いを決める | 業務継続計画 | ( ) |
| 災害の発生 | 避難の計画に沿って入居者の安全を確かめ、市町村・ご家族に連絡する | 非常災害の対策、業務継続計画 | ( ) |
| 事故・苦情が続く | 委員会で原因を分析し、研修と手順を見直す | 運営の体制、研修の計画 | ( ) |
| 建物・設備の故障 | 保守の会社への連絡の手順と、入居者の暮らしへの影響を抑える手当て | 修繕・保守、資金計画 | ( ) |
| 併設事業所との勤務の区分が崩れる | 勤務表と勤務の記録を事業所ごとに点検し、区分を改める | 併設事業所との勤務の分け方 | ( ) |
| 制度の改定 | 改定の資料を確かめ、収支計画・運営規程・重要事項説明書・料金表を見直す | 収支計画、料金の考え方 | ( ) |
| 物価・光熱水費の上昇 | 支出の見込みを見直し、料金の見直しが要る場合は入居者への説明の手順を確かめる | 支出の欄、料金の考え方 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設の年間の見直し表(記入欄)
事業計画書は作って終わりではなく、実績と並べて見直すことで役に立ちます。下の表は、見直しの時期と見る数字・担当を書き込む見本です。時期は法人の決算や理事会・取締役会の予定に合わせて決めてください。
| 時期 | 見る数字・書類 | 見直すこと | 担当 | 実施した日(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 毎月 | 入居・入所の数、空きの期間と理由、職員の人数、手元の資金 | 見込みとのずれ、受け入れの調整、採用の動き | ( ) | ( ) |
| 毎月(加算を届け出ている場合) | 加算の体制の確認の記録 | 体制を保てているか | ( ) | ( ) |
| 3か月ごと | 紹介元ごとの相談の数、収支の累計 | 確保の計画、支出の見直し | ( ) | ( ) |
| 委員会の開催の時期 | 委員会の議事録、事故・苦情・ひやりとした出来事の記録 | 運営の体制、研修の計画 | ( ) | ( ) |
| 半年ごと | 研修・訓練の記録、夜勤の実績 | 研修の計画、夜間の体制 | ( ) | ( ) |
| 建物の点検の時期 | 点検の結果、修繕の記録 | 修繕の優先順位、積立て | ( ) | ( ) |
| 年度の終わり | 1年分の実績、職員の研修の振り返り、決算 | 次年度の事業計画、予算、研修の計画 | ( ) | ( ) |
| 業務継続計画の見直しの時期 | 訓練の結果、職員・入居者の変化 | 業務継続計画の変更 | ( ) | ( ) |
| 制度の改定の公表時 | 改定の資料 | 収支計画・運営規程・重要事項説明書・料金表 | ( ) | ( ) |
| 定員・設備・職員の体制を変えるとき | 運営規程、勤務形態一覧表、平面図 | 指定権者・所轄庁への届出の要否 | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営規程の内容や定員・設備・施設長を変えるときは、指定権者・所轄庁への届出の要否と期限を手引きでご確認ください。事業計画書と運営規程・重要事項説明書・入居契約書・料金表・ウェブサイトの内容は、変えるたびに同じ日にそろえておくと、書類どうしの食い違いを防げます。
よくある質問
介護施設の事業計画書と施設サービス計画書は同じものですか。
別の書類です。事業計画書は、施設という事業の目的・地域の需要・建物と設備・人員と夜間の体制・運営の体制・収支・資金・リスクをまとめる経営の書類です。施設サービス計画書は、入居者お一人ごとに生活の目標と支援の内容を定めるケアの計画です。
特養の事業計画書には決まった様式がありますか。
介護保険の基準に、事業計画書という書類の定めは見当たりません。整備の公募の要領や所轄庁・指定権者の手引き、金融機関が独自の様式を示していることがあるため、出す相手の様式があればそれに従い、無ければこの記事の14項目の目次を使って作ることをおすすめします。社会福祉法人の場合は、法人の定款・規程に定める手順(理事会の承認など)もご確認ください。
有料老人ホームとサ高住では、事業計画書の書き方は変わりますか。
変わります。有料老人ホームは設置の届出が関わり、介護付きであれば特定施設入居者生活介護の人員と運営の体制、入居時の費用の考え方を厚く書きます。サ高住は住宅としての登録が中心で、状況把握と生活相談の体制、家賃等の考え方、併設の介護事業所との勤務と収支の区分を厚く書きます。手続と定めの中身は、都道府県・指定都市・中核市の手引きでご確認ください。
収支計画の入居率や金額は、どの数字を使えばよいですか。
この記事では目安の数字を示していません。入居の見込みは紹介元ごとの聞き取りから月ごとに控えめに置き、介護報酬はその年度の報酬の告示・算定の資料から、支出は見積書・給与規程から積み上げます。資料の名前と確かめた日を欄の下に残し、会計・税務の取扱いは税理士・公認会計士にご相談ください。
ケアハウスの事業計画書で気をつけることは何ですか。
利用料の考え方と、補助を前提にしない資金計画です。利用料の取扱いや補助の有無は都道府県等で異なるため、補助がある場合と無い場合の2つの収支を並べ、確かめた資料の名前と日付を残します。介護型のケアハウスで特定施設入居者生活介護の指定を受ける場合は、人員と運営の体制の欄も厚く書きます。
事業計画書で決めた方針と体制は、開設後は入居者お一人おひとりの施設サービス計画書やケアプラン、日々の介護の記録に引き継がれていきます。特養の加算の要件、運営規程と重要事項説明書の書き方、身体的拘束等の適正化や虐待の防止のための指針の書き方は、それぞれ別の記事で扱っていますので、あわせてご覧ください。
出典
出典:各自治体が公表している運営指導・集団指導の資料/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






