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老健のターミナルケア加算の要件|死亡日からの単価の段階と記録の対照表【出典つき】

介護老人保健施設(老健)で人生の最終段階のケアに関わる加算は「ターミナルケア加算」です。特別養護老人ホーム(特養)の「看取り介護加算」と名前が似ているため、検索でも施設内の会話でも取り違えが起きやすいのですが、根拠となる告示の条文も、単位数の組み立ても、確認される記録も別物です。本記事は、老健のターミナルケア加算について、告示の定めを根拠(出典)つきの表に起こし、左に「告示の定め」・右に「貴施設の記入欄」を並べた対照表として整理します。あわせて、容体の急変・緊急の受け入れに関わる「認知症行動・心理症状緊急対応加算」と「若年性認知症入所者受入加算」の2つの定めも、従たる項目として要点だけ扱います。

本記事の単位数・要件は、平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表2および平成27年厚生労働省告示第94号(厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等)を当社データベースで確認した値のみを掲げています(確認日:2026年7月23日。令和6年度改定〔令和6年6月1日施行〕の内容で、令和8年厚生労働省告示第87号では本記事の3項目に改正はありません)。留意事項通知(老企第40号)は本データベースでは開いていないため、通知レベルの運用は保険者(指定権者)への確認欄として残しています。

名前を取り違えやすい「終末期の加算」|サービス別に分かれる4本の整理

「看取りの加算」とひとことで呼ばれがちな定めは、サービス種別ごとに別々の告示に置かれています。まず、この記事が扱う範囲と扱わない範囲をはっきりさせます。特養で昨日まで勤めていた職員が老健に移ると、名称の違いに気づかないまま特養の要件(看取りに関する指針の作成、配置医師の体制など)を老健に当てはめて点検してしまうことがあります。逆もまた同じです。下の表で、貴施設のサービス種別の行だけを見てください。

サービス種別 加算の名称 この記事で扱うか 注意する点
介護老人保健施設(老健) ターミナルケア加算 扱う(本記事の主題) 根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18。単位数が基本報酬の区分で2系統に分かれる
介護老人福祉施設(特養) 看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ) 扱わない(名称と根拠が別である旨のみ) 「看取りに関する指針」「配置医師の体制」など老健の定めには無い要件がある。単位数も別の定め
訪問看護 ターミナルケア加算(訪問看護の定め) 扱わない 名称は老健と同じでも根拠条文・単位の立て方が別。1人1事業所のみ算定の扱いが縦覧点検の対象になっている自治体資料がある
居宅介護支援 ターミナルケアマネジメント加算 扱わない ケアマネジャー側の定めで、施設の加算とは対象も要件も別
老健(容体急変・緊急受け入れの関連) 認知症行動・心理症状緊急対応加算/若年性認知症入所者受入加算 扱う(従たる項目として各1節) ターミナルケア加算とは別の定め。若年性認知症入所者受入加算は緊急対応加算との併せた算定について告示にただし書がある

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

特に押さえておきたいのは、特養は「看取り介護加算」・老健は「ターミナルケア加算」で、定めそのものが別という一点です。特養の看取り介護加算には(Ⅰ)(Ⅱ)の区分がありますが、老健のターミナルケア加算にはそのような区分はなく、代わりに算定している基本報酬の区分(介護保健施設サービス費のどれを算定しているか)によって単位数が2系統に分かれる構造です。他サービスの単位数はこの記事では書きません。それぞれの定めは各サービスの告示でご確認ください。

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告示が置く定めの全文対照|根拠つき7項目(平成12年告示21号・平成27年告示94号)

老健のターミナルケア加算の定めは、大きく2つの告示に分かれて置かれています。1つは平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18で、届出・算定対象期間・単位数・「算定しない」場合を定めています。もう1つは平成27年厚生労働省告示第94号 六十五で、対象となる入所者の基準(イ・ロ・ハの3つ)を定めています。この2つを1枚に起こしたのが下の表です。根拠列は当社データベースの sourceRef(出典参照)をそのまま掲げています。

# 項目 告示の定め 根拠(出典)
1 届出 届出を行った介護老人保健施設であること 平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18
2 医師の診断 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること 平成27年厚生労働省告示第94号 六十五 イ
3 ターミナルケアに係る計画 入所者又はその家族等の同意を得て作成されていること 平成27年厚生労働省告示第94号 六十五 ロ
4 多職種による説明と同意 医師、看護師、介護職員、支援相談員、管理栄養士等が共同して、入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時、本人又は家族への説明を行い、同意を得てターミナルケアが行われていること 平成27年厚生労働省告示第94号 六十五 ハ
5 算定対象期間 死亡日以前45日を上限とする日数区分(詳細は次章の単価表) 平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18
6 算定の時期 死亡月に所定単位数に加算する(1日につき) 平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18
7 算定しない期間 退所した日の翌日から死亡日までの間は「算定しない」 平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18ただし書

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

対象となる入所者の基準(表の2〜4)は、告示94号六十五のイ・ロ・ハとして並んでおり、3つのいずれもが満たされていることが前提の構造です。「診断はあるが計画が無い」「計画はあるが説明・同意の記録が無い」という形は、この3点セットのどれかが欠けた状態として運営指導の確認対象になり得ます。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

貴施設の体制と記録を書き入れる欄|7項目の対照表

上の定めを、そのまま自己点検に使える形に組み替えます。左が告示の定め、右が貴施設の記入欄です。「はい・いいえ」で終わらせず、何という書類のどこにあるか(書類名・保管場所・最終更新日)まで書き入れると、運営指導の当日に示すものがそのまま決まります。

告示の定め 貴施設の記入欄(書類名・保管場所・確認日)
届出を行った介護老人保健施設であること 届出年月日:  /届出書の控えの保管場所:  
医師が回復の見込みがないと診断した者であること(医学的知見に基づく) 診断の記載がある診療録の該当日:  /記載した医師名:  
入所者又はその家族等の同意を得たターミナルケアに係る計画が作成されていること 計画書の作成日:  /同意の署名者(本人・家族等の別):  
多職種が共同して随時説明を行い、同意を得てターミナルケアが行われていること 直近の説明日:  /同席した職種:  /記録の綴り先:  
算定対象は死亡日以前45日の範囲 対象者ごとの起算日の一覧表の有無:  /管理者:  
死亡月に加算する(対象期間が前月にまたがる場合を含む) 請求担当者と死亡月の突合手順:  
退所した日の翌日から死亡日までの間は「算定しない」 退所日と死亡日の両方を控えた記録:  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

単位数は2系統×4区分|死亡日からさかのぼる日数で変わる単価の表

老健のターミナルケア加算の単位数は、どの介護保健施設サービス費を算定しているかで2系統に分かれます。介護保健施設サービス費(Ⅰ)・(Ⅳ)およびユニット型(Ⅰ)・(Ⅳ)を算定する場合と、(Ⅱ)・(Ⅲ)およびユニット型(Ⅱ)・(Ⅲ)を算定する場合とで、死亡日と死亡直前の単価が異なります。この2系統の取り違えは、当社データベースでも「取り違えやすい構造」として注記している点です。死亡日の単価は片方が1,900単位・もう片方が1,700単位と200単位の差があり、前日・前々日も910単位と850単位で異なります。中間の帯(死亡日以前4日以上30日以下)は両系統とも160単位で共通のため、「途中は同じだから全部同じだろう」という思い込みが起こりやすい形です。

死亡日からさかのぼる日数区分 (Ⅰ)・(Ⅳ)系を算定する場合 (Ⅱ)・(Ⅲ)系を算定する場合 系統間の差
死亡日以前31日以上45日以下 1日 72単位 1日 80単位 8単位(この帯のみ(Ⅱ)・(Ⅲ)系が高い)
死亡日以前4日以上30日以下 1日 160単位 1日 160単位 差なし(共通)
死亡日の前日及び前々日 1日 910単位 1日 850単位 60単位
死亡日 1,900単位 1,700単位 200単位
算定の時期 いずれも死亡月に所定単位数に加算 いずれも死亡月に所定単位数に加算 —

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典はいずれも平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18(令和6年度改定・令和6年6月1日施行の内容。令和8年厚生労働省告示第87号では本項目に改正なし)です。31日以上45日以下の帯だけは(Ⅱ)・(Ⅲ)系のほうが8単位高いという逆転があり、「(Ⅰ)系のほうが常に高い」と覚えると誤ります。系統の判定は入所者ごとではなく貴施設が算定している基本報酬の区分で決まりますから、まず貴施設の届出上の区分を1行書き出してから、該当する列だけを使ってください。

「死亡月に加算」を日付に置き換える記入欄|前月またぎの整理

この加算は「1日につき」の単価を積み上げたうえで死亡月にまとめて加算する定めです。死亡日以前45日までさかのぼる帯があるため、対象期間は多くの場合、死亡月の前月(場合によっては前々月)にまたがります。提供した月ごとに請求するのではなく死亡月に載せるという時間のずれが、請求担当者と現場の間の伝達漏れになりやすいところです。亡くなられた方ごとに、次の欄を1枚作って日付に落とすことをおすすめします。

記入項目 記入欄 確認する人
死亡日  年 月 日 看護職員・事務
死亡日の前日・前々日(910単位/850単位の帯)  月 日〜 月 日 事務
死亡日以前4日以上30日以下の帯の初日と末日  月 日〜 月 日 事務
死亡日以前31日以上45日以下の帯の初日と末日  月 日〜 月 日 事務
上記のうち入所していた日(退所日の翌日から死亡日までは「算定しない」の定め)  月 日〜 月 日 支援相談員・事務
加算を載せる請求月(=死亡月)  年 月分 事務

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

誰がどの記録を残すか|医師・看護職員・多職種の書き分け12点

運営指導でこの加算について確認されるのは、要するに「告示の3点セット(診断・計画・説明と同意)が、記録の形で残っているか」です。ここで大切なのは主語の書き分けです。回復の見込みに関する診断は医師が診療録に記載するものであり、看護職員や介護職員が代わりに書く性質のものではありません。一方、日々の状態の変化やご家族への連絡は看護職員が・介護職員がそれぞれの記録に残します。誰の記録に何が残るべきかを、担い手ごとに分けたのが下の表です(医学的判断の中身そのものには本記事は踏み込みません。それは医師の領域です)。

# 記録 主に作成する職種(主語) 残す内容 関わる告示の定め
1 診療録への診断の記載 医師が 一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した旨と、その日付 告示94号 六十五 イ
2 ターミナルケアに係る計画 医師・看護職員等が共同で(施設として) ケアの方針。入所者又はその家族等の同意を得て作成した経過が分かる形 告示94号 六十五 ロ
3 計画への同意の記録 説明した職員が 誰に(本人・家族等の別)、いつ、誰が説明し、同意を得たか 告示94号 六十五 ロ
4 随時の説明の記録 説明に同席した職種がそれぞれ 入所者の状態又は家族の求め等に応じた説明の日時・出席者・説明内容・応答 告示94号 六十五 ハ
5 多職種の共同が分かる記録 参加した各職種が 医師、看護師、介護職員、支援相談員、管理栄養士等のうち誰が関与したか 告示94号 六十五 ハ
6 日々の状態の記録 看護職員が・介護職員が 提供したケアと状態の変化(帯の起算・経過の裏づけになる) —(計画・説明の前提)
7 家族への連絡の記録 連絡した職員が 連絡の日時・相手・伝えた内容・返ってきた言葉 告示94号 六十五 ハの「家族の求め等」の裏づけ
8 入所日・退所日の記録 支援相談員・事務が 退所した日の翌日から死亡日までの「算定しない」期間の判定材料 告示21号 注18ただし書
9 死亡日の記録 看護職員が(確認は医師が) 日数区分の起点。すべての帯がここからさかのぼって決まる 告示21号 注18
10 届出書の控え 事務が 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書 告示21号 注18
11 請求と死亡月の突合の記録 事務が 対象期間が前月にまたがる場合の載せ先(死亡月)の確認 告示21号 注18
12 基本報酬区分の確認メモ 事務が (Ⅰ)・(Ⅳ)系か(Ⅱ)・(Ⅲ)系か。単価の系統の判定材料 告示21号 注18

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

看取り期の日々の記録や亡くなられた当日の経時記録を「どう書くか」(欄ごとの文例)は、当サイトの看取り・死亡時の記録の書き方の記事が専門に扱っています。本記事は「どの記録が、誰の手で、どこに残っているべきか」の構造までを扱います。

「随時」の説明が起こる場面別|誰が説明し何を残すかの10場面

告示94号六十五ハの「入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時」という文言は、説明のきっかけが施設側の予定表ではなく状態の変化と家族の動きにあることを示しています。どのような場面が「随時」に当たり得るか、場面ごとに説明の主担当と記録の残し先を整理したのが下の表です(場面の列挙は当社が告示の文言から整理した例であり、告示が場面を列挙しているわけではありません。医学的判断の中身には踏み込みません)。

# 説明のきっかけになり得る場面 説明の主担当(主語) 同席が考えられる職種 記録に残す欄
1 医師が回復の見込みがないと診断したとき(最初の説明) 医師が 看護師・支援相談員 説明日時・出席者・説明内容・同意の別
2 ターミナルケアに係る計画を作成するとき 医師・看護師が 介護職員・管理栄養士 計画書の同意欄(本人・家族等の別と日付)
3 食事や水分のとり方に変化がみられたとき 看護職員が 管理栄養士 変化の内容・伝えた相手・返ってきた言葉
4 日々の状態に変化がみられ、医師が説明が必要と考えたとき 医師が 看護師 説明日時・内容・家族の意向
5 ご家族から今後の見通しについて求めがあったとき 医師・看護職員が 支援相談員 求めの内容・応じた日時・説明内容
6 ケアの方針(計画)を見直すとき 看護職員が 医師・介護職員 見直しの理由・新しい方針への同意
7 面会のときにご家族から質問があったとき その場の職員が(内容により医師・看護職員へ) — 質問と回答、引き継いだ相手
8 夜間・休日に状態の変化を電話で連絡するとき 看護職員が — 連絡日時・相手・伝えた内容
9 お看取りが近いと医師が判断し、あらためて意向をうかがうとき 医師が 看護師・介護職員・支援相談員 説明内容・ご本人ご家族の言葉・同意
10 ご家族の間で意向が分かれていることが分かったとき 支援相談員が 医師・看護師 それぞれの意向・調整の経過

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ターミナルケアに係る計画と説明の記録に入れる欄|10項目の点検欄

告示は計画の様式を定めていません(様式・記載項目の細部は保険者により運用が異なります)。そのうえで、告示の文言(六十五 ロ・ハ)から逆算して「この欄が埋まっていれば、定めに対応する記録が示せる」という項目を並べると、次の10点になります。

# 計画・説明の記録の欄 告示のどの文言に対応するか 貴施設の様式にあるか(記入欄)
1 計画の作成日と作成に関わった職種 ロ「計画が…作成されていること」 ある・ない・様式名:  
2 同意した人の署名(本人か家族等かの別) ロ「入所者又はその家族等の同意を得て」 ある・ない・様式名:  
3 同意を得た日付 ロ 同上 ある・ない・様式名:  
4 説明を行った日時(初回と、その後の随時) ハ「随時、本人又は家族への説明を行い」 ある・ない・様式名:  
5 説明の場に出た職種(医師・看護師・介護職員・支援相談員・管理栄養士等) ハ「…等が共同して」 ある・ない・様式名:  
6 説明のきっかけ(入所者の状態の変化か、家族の求めか) ハ「入所者の状態又は家族の求め等に応じ」 ある・ない・様式名:  
7 説明した内容の要点 ハ 同上 ある・ない・様式名:  
8 説明への同意の記録(その都度) ハ「同意を得てターミナルケアが行われていること」 ある・ない・様式名:  
9 計画の見直しの日付と理由 ロ・ハの継続的な充足の裏づけ ある・ない・様式名:  
10 医師の診断(イ)への参照(診療録の該当日) イ・ロ・ハの3点が同一人物についてそろっている確認 ある・ない・様式名:  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

認知症行動・心理症状緊急対応加算|1日200単位・入所日から7日の定めを読む

ここからは、容体の急変・緊急の受け入れに関わる2つの加算を、従たる項目として要点だけ整理します。1つめは認知症行動・心理症状緊急対応加算です。告示(平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ネ)の注は、「医師が、認知症の行動・心理症状が認められるため、在宅での生活が困難であり、緊急に入所することが適当であると判断した者に対し、介護保健施設サービスを行った場合は、入所した日から起算して7日を限度として、1日につき所定単位数を加算する」と定めています。単位数は1日につき200単位です。

項目 告示の定め 根拠(出典) 貴施設の記入欄
単位数 1日につき200単位 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ネ —
医師の判断 認知症の行動・心理症状が認められるため在宅での生活が困難であり、緊急に入所することが適当であると判断した者 同 別表2 ネ 注 判断した医師名:  /診療録の該当日:  
算定期間 入所した日から起算して7日を限度 同 別表2 ネ 注 入所日: 月 日/7日目: 月 日
届出 この注には届出の定めは置かれていない(当社データベースの確認範囲) 同 別表2 ネ 注 保険者への確認結果:  
期間の延長 症状が続いた場合に7日を延長する定めは置かれていない 同 別表2 ネ 注 —
(Ⅳ)算定時の扱い 別表2 イ 注22は「ナからノまで」を対象としており、ネが含まれるかは条文の読みが分かれ得る(後述の論点表へ) 同 別表2 イ 注22 保険者への照会結果:  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この加算で確認の対象になりやすいのは、医師が緊急の入所が適当と判断した根拠が診療録に残っているかです。「緊急に入所」という言葉の性質上、入所後にさかのぼって整えるのではなく、入所の前後に医師の判断とその根拠(どのような行動・心理症状が認められたか、なぜ在宅での生活が困難と判断したか)が記載されている形が、告示の文言に沿います。また、7日の限度は「入所した日から起算して」と定められており、症状の続き具合で延長する定めは置かれていません。入所日が分かる書類(入所台帳など)とセットで日付を数えられるようにしておくことが点検の基本になります。

若年性認知症入所者受入加算|1日120単位と「ネを算定している場合は、算定しない」の定め

2つめは若年性認知症入所者受入加算です。告示(平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注13)の定めは、厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして届出(電子情報処理組織を使用する方法により都道府県知事に行うもの)を行った介護老人保健施設において、若年性認知症入所者に対して介護保健施設サービスを行った場合に、1日につき120単位を加算する、というものです。そして同じ注13のただし書に「ただし、ネを算定している場合は、算定しない。」と明記されています。ネとは前節の認知症行動・心理症状緊急対応加算のことです。つまり緊急対応加算の算定期間(入所日から7日以内の各日)にこの加算を重ねて載せないという関係が、告示の条文上はっきり書かれています。

項目 告示の定め 根拠(出典) 貴施設の記入欄
単位数 1日につき120単位 平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注13 —
届出 電子情報処理組織を使用する方法により都道府県知事に届出を行った介護老人保健施設であること 同 注13 届出年月日:  /控えの保管場所:  
対象者 若年性認知症入所者 同 注13 診断が分かる書類の保管場所:  
年齢等の定義 注13の本文には定義が置かれておらず、別に厚生労働大臣が定める基準・通知で確認する必要がある(当社データベースでは当該基準の本文は未確認) 同 注13(参照先未確認の旨を含む) 保険者・告示原文での確認結果:  
ネとの関係 「ただし、ネを算定している場合は、算定しない。」 同 注13ただし書 緊急対応加算の算定期間: 月 日〜 月 日
体制の記録 担当者を定めた記録(当社データベースが確認文書として挙げるもの) —(確認文書) 担当者名:  /定めた日:  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

注意していただきたいのは、「若年性認知症入所者」の年齢などの定義が注13の本文には置かれていない点です。当社データベースは単位数(120単位)とただし書を告示原文で直接確認していますが、「別に厚生労働大臣が定める基準」の本文と定義の部分は確認していません(確からしさの区分:medium)。定義に関わる判断(何歳までか、診断書の種類など)は、告示の参照先と保険者(指定権者)の資料でご確認ください。

運営指導で示せるようにしておく文書|3加算あわせて10点の保管欄

ここまでに登場した確認文書を1枚にまとめます。列の「どの加算か」で、貴施設が届出・算定している加算の行だけを使ってください。当社データベースが各加算の確認文書として挙げているものに、告示の定めから導かれる補助的な書類を加えた10点です。

# 文書 どの加算か 確認の観点 保管場所・最終更新日(記入欄)
1 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(控え) ターミナルケア加算/若年性認知症入所者受入加算 届出済みであること・届出内容と実体制の一致   
2 ターミナルケア計画書 ターミナルケア加算 作成日・関与職種・同意の記録がそろっているか   
3 説明・同意の記録(初回と随時) ターミナルケア加算 日時・出席職種・説明内容・同意の別が追えるか   
4 診療録(回復の見込みがない旨の診断記載) ターミナルケア加算 医師の記載であること・日付があること   
5 診療録(緊急入所が適当と判断した根拠の記載) 認知症行動・心理症状緊急対応加算 行動・心理症状と在宅困難の判断の根拠が読めるか   
6 入所日が分かる書類(入所台帳等) 認知症行動・心理症状緊急対応加算 「入所した日から起算して7日」を数える起点   
7 若年性認知症の診断が分かる書類 若年性認知症入所者受入加算 対象者であることの裏づけ   
8 担当者を定めた記録 若年性認知症入所者受入加算 誰を担当と定めたか・いつ定めたか   
9 退所日・死亡日の両方が分かる記録 ターミナルケア加算 「退所した日の翌日から死亡日まで」の期間の判定   
10 死亡月の請求との突合メモ(日数区分の一覧) ターミナルケア加算 帯ごとの日付と単価の系統(2系統のどちらか)   

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3加算の定めを1枚に並べる|横断整理8行

本記事で扱った3つの加算を、届出・限度・確認文書の観点で横に並べます。同じ施設の中で扱う定めでも、届出の有無・数える起点・重ねて載せないただし書がそれぞれ違うことが一目で分かるはずです。

観点 ターミナルケア加算 認知症行動・心理症状緊急対応加算 若年性認知症入所者受入加算
単位数 死亡日1,900/1,700単位ほか日数区分ごと(2系統) 1日につき200単位 1日につき120単位
数える起点 死亡日からさかのぼる(以前45日まで) 入所した日から起算して7日を限度 対象である各日(1日につき)
算定の時期 死亡月にまとめて加算 提供月ごと 提供月ごと
届出の定め あり(注18) 注の文言には置かれていない あり(注13・電子情報処理組織による都道府県知事への届出)
医師の関与の文言 回復の見込みがないと診断した者(告示94号六十五イ) 緊急に入所することが適当であると判断した者 —(対象者の定義は別基準を参照)
「算定しない」の定め 退所した日の翌日から死亡日までの間 —(7日の限度のみ) ネを算定している場合
主な確認文書 計画書・説明同意の記録・診療録・届出書控え 診療録(判断の根拠)・入所日が分かる書類 届出書控え・診断が分かる書類・担当者を定めた記録
改定の状況 いずれも令和6年度改定(令和6年6月1日施行)の内容。令和8年厚生労働省告示第87号では改正なし

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表されている指摘の実例|老健の本加算を名指ししたものは無し・隣接サービスで5件

当社が収集している自治体の公表指摘データベース(353件・すべて出典つき)を「ターミナル」「看取り」で確かめたところ、介護老人保健施設のターミナルケア加算を名指しした指摘は収録されていませんでした。この事実は「老健では見られない」という意味ではありません。隣接するサービスの同名・同趣旨の加算には、次のとおり具体的な指摘が公表されており、確認の観点(説明・同意の個別性、心身の変化とケアの経過の記録)は老健の告示の文言とも重なります。サービス種別を必ず確かめたうえで参考にしてください。

# サービス種別 指摘・整理の内容 出典(自治体・資料名)
1 施設系(看取り介護加算) 利用者等への説明の際に、利用者に関する記録を活用した説明資料の作成・写しの提供が確認できない。看取り介護の記録に、精神的な状態の変化とこれに対するケア、把握した意向とそれに基づくアセスメント・対応が記載されていない。実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握等が行われていない 久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成)
2 訪問看護(ターミナルケア加算) 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算は1人1事業所のみ算定の扱いとされ、縦覧点検で複数事業所からの請求が抽出される(同一事業所の複数様式は過誤、複数事業所は要確認として出力) 青森県 介護保険関連システム活用マニュアル 第Ⅳ章 縦覧点検
3 訪問看護(ターミナルケア加算) 契約時の重要事項説明書の説明の中で包括的に同意を得るのではなく、利用者又はその家族に対して個別に十分な説明を行い同意を得ること。「療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの過程についての記録が希薄である」との指摘 堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」
4 訪問看護(ターミナルケア加算) ターミナルケアに係る計画及び支援体制について説明し同意を得ていることの確認ができない事例。終末期の身体症状の変化とこれに対する看護、療養や死別に関する精神的な状態の変化とケアの経過などの記録の確認ができない事例 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(令和7年度千葉市介護保険事業者説明会(集団指導))
5 介護保険施設(居室単価・ターミナルに言及) 従来型個室の入所者に多床室単価を請求している事例。感染症・ターミナル・著しい精神症状等により個室への入所が必要と医師が判断した場合を除き、個室単価で請求し差額は居住費として調整すべきと示されている 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3つの自治体資料(久留米市・堺市・千葉市)に共通して現れるのは、「説明・同意が個別に、記録の形で残っているか」「心身の変化とケアの経過が記録から追えるか」という2点です。老健の告示94号六十五ハも「随時、本人又は家族への説明を行い、同意を得て」と定めており、確認の観点は自然に重なります。包括的な同意1枚で済ませる運用は、隣接サービスでは名指しで注意されています。

断定しないまま残す論点|保険者(指定権者)への照会メモ8欄

告示の条文だけでは決めきれない論点があります。当社データベースは留意事項通知(老企第40号)を開いておらず、通知レベル・保険者レベルの運用には幅があり得ます。ここでは「告示から読めること」と「告示だけでは読めないこと」を分け、後者を保険者への照会メモの形で残します。この表は答えを出すための表ではなく、照会した結果を書き入れて貴施設の記録にするための表です。

# 論点 告示から読めること 告示だけでは読めないこと(照会する内容) 照会結果の記入欄
1 入院して施設の外で亡くなられた場合の扱い 注18ただし書は「退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない」と定める 入院に伴う退所の取り扱い・退所日の数え方の細部   
2 ターミナルケア計画の様式 様式の定めは告示に置かれていない 保険者が確認時に見る様式・記載項目の目安   
3 「随時」の説明の頻度 「入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時」とのみ定める 頻度・タイミングの目安として保険者が見る観点   
4 同意を得る「家族等」の範囲 「入所者又はその家族等」とのみ定める 身寄りのない方の場合の取り扱い   
5 認知症行動・心理症状緊急対応加算と(Ⅳ)の関係 別表2 イ 注22は「ナからノまで」を対象と記載。いろは順でネはナの前に位置するため文言上は対象外とも読める ネが注22の範囲に含まれるかの取り扱い   
6 若年性認知症入所者の定義 注13本文に定義は置かれていない 「別に厚生労働大臣が定める基準」の該当条文と年齢等の定義   
7 緊急対応加算の医師の判断の記載粒度 「医師が…判断した者」とのみ定める 診療録の記載として保険者が見る粒度   
8 留意事項通知レベルの運用全般 —(当社データベースは通知を未確認) 老企第40号の該当箇所と保険者の独自の確認様式の有無   

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

死亡日を置いて数える試算|7つの入所・退所パターンと45日の帯の日付

ここからは、上で整理した告示の定めを、実際のカレンダーに置いて数える練習をします。老健のターミナルケア加算は「死亡日からさかのぼる」定めなので、死亡日が決まるまで帯の日付が確定しません。そのため、入所日・退所日・死亡日の組み合わせによって、同じ単価表から出てくる日数がまったく変わります。下の3つの表は、当社の加算データベースに収録している単位数(平成12年厚生省告示第21号 別表2 イ 注18)だけを使い、足し算と掛け算で組み立てた試算です。単位数そのものは上の単価表と同じ値で、新しい数字を持ち込んではいません。

日の数え方について、先に1点だけ確かめておきます。告示の区分は「死亡日」「死亡日の前日及び前々日」「死亡日以前4日以上30日以下」「死亡日以前31日以上45日以下」の順に並んでいます。前々日の次が「4日」から始まっているので、区分が切れ目なく並ぶように読むと、死亡日を1日目、前日を2日目、前々日を3日目として数える形になります。この読み方で数えると、31日以上45日以下は15日間、4日以上30日以下は27日間となり、前日・前々日の2日間と死亡日の1日を足して、告示の「死亡日以前45日」とちょうど一致します。ただし、日の数え方の運用は保険者(指定権者)により確認のしかたが異なり得るため、貴施設の届出先で一度確かめ、その結果を下の照会メモに残してください。

帯ごとの日数と小計|2系統の上限の組み立て

45日間すべてに入所していて、3つの基準(医師の診断・計画への同意・随時の説明と同意)が期間の最初からそろっていた場合の上限の組み立てです。系統は入所者ごとではなく、貴施設が算定している介護保健施設サービス費の区分で決まります。

帯(死亡日を1日目とした日数) 日数 (Ⅰ)・(Ⅳ)系の単価 (Ⅰ)・(Ⅳ)系の小計 (Ⅱ)・(Ⅲ)系の単価 (Ⅱ)・(Ⅲ)系の小計
死亡日以前31日以上45日以下(31〜45日目) 15日 1日72単位 1,080単位 1日80単位 1,200単位
死亡日以前4日以上30日以下(4〜30日目) 27日 1日160単位 4,320単位 1日160単位 4,320単位
死亡日の前日及び前々日(2〜3日目) 2日 1日910単位 1,820単位 1日850単位 1,700単位
死亡日(1日目) 1日 1,900単位 1,900単位 1,700単位 1,700単位
45日間の合計(上限の組み立て) 45日 — 9,120単位 — 8,920単位

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表から読み取れるのは、合計の差(200単位)が「死亡日」「前日・前々日」「31〜45日目」の3か所の差を足し引きした結果だということです。(Ⅰ)・(Ⅳ)系は死亡日で200単位、前日・前々日の2日間で合わせて120単位高く、31〜45日目の15日間では合わせて120単位低いので、200単位+120単位−120単位=200単位になります。請求の点検では、合計だけを見るのではなく、帯ごとの小計を系統の列で1行ずつ突き合わせると、系統の取り違えが見つけやすくなります。

パターン別の日付表|死亡日・入所日・退所日の組み合わせ7例

次に、よくある7つの組み合わせをカレンダーに置きます。例は架空の入所者で、年はすべて2026年(例Gのみ2027年)とします。「入所していない日」は帯の中にあっても日数に入れていません。

例 入所・退所・死亡の状況 31〜45日目の日付 4〜30日目の日付 前々日・前日 死亡日と載せる請求月
A 8月1日入所。10月20日に施設内で死亡(長期入所の基本形) 9月6日〜9月20日(15日) 9月21日〜10月17日(27日) 10月18日・10月19日 10月20日/10月分
B 10月1日入所。10月20日に施設内で死亡(入所から20日) 入所前のため0日 10月1日〜10月17日(17日) 10月18日・10月19日 10月20日/10月分
C 7月1日入所。11月3日に施設内で死亡(3か月にまたがる) 9月20日〜10月4日(15日) 10月5日〜10月31日(27日) 11月1日・11月2日 11月3日/11月分(9月・10月の分も11月分に載る)
D 9月1日入所。12月1日に施設内で死亡(月の初日の死亡) 10月18日〜11月1日(15日) 11月2日〜11月28日(27日) 11月29日・11月30日 12月1日/12月分(前日・前々日の高い単価も12月分に載る)
E 8月1日入所。10月10日に入院のため退所し、10月20日に入院先で死亡 9月6日〜9月20日(15日) 9月21日〜10月17日のうち、10月11日以降は「算定しない」期間 10月18日・10月19日は「算定しない」期間 10月20日(入院先)/退所日の翌日から死亡日までは告示ただし書により算定しない。それより前の日の扱いは照会欄へ
F 10月19日入所。10月20日に施設内で死亡(入所翌日の死亡) 入所前のため0日 入所前のため0日 10月19日のみ(10月18日は入所前) 10月20日/10月分。3つの基準が入所後の短時間でそろっていたかの記録が論点になる
G 2026年12月1日入所。2027年3月1日に施設内で死亡(2月をまたぐ) 1月16日〜1月30日(15日) 1月31日〜2月26日(27日) 2月27日・2月28日 3月1日/2027年3月分(2月は28日で終わる点に注意)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

例Cと例Dは、請求担当者が最も見落としやすい形です。例Cは9月・10月・11月の3か月にまたがる帯を、すべて11月分に載せます。例Dは、単価の高い前日・前々日がいずれも前月(11月)にあるのに、載せる先は死亡月の12月です。例Gのように2月をまたぐ年は、月の日数が短いぶん帯の初日が早く来るので、手で数えると1日ずれることがあります。日付は暗算で出さず、死亡日から1日ずつ戻る一覧を作ってから帯を塗り分けると、ずれが残りにくくなります。

パターン別の試算表|2系統×7例の合計単位

上の7例を、単価表の値で掛け合わせた試算です。「入所していた日」が3つの基準のそろった状態で対象期間に入っていた前提の数字であり、基準がそろう前の日や退所前の日の扱いは告示だけでは決めきれないため、該当する欄は「照会後に記入」としています。

例 日数の内訳 (Ⅰ)・(Ⅳ)系の試算 (Ⅱ)・(Ⅲ)系の試算 点検のときに見る記録
A 15日+27日+2日+死亡日 9,120単位 8,920単位 診断日・計画の同意日が9月6日以前か。それより後なら、そろった日以降の扱いを照会
B 0日+17日+2日+死亡日 2,720+1,820+1,900=6,440単位 2,720+1,700+1,700=6,120単位 入所日(10月1日)と、入所後に診断・計画・説明がそろった日付
C 15日+27日+2日+死亡日 9,120単位 8,920単位 9月分・10月分の請求に誤って載せていないか。11月分の明細に全帯がまとまっているか
D 15日+27日+2日+死亡日 9,120単位 8,920単位 11月分の締めの時点で前日・前々日の分を載せていないか。12月分に移っているか
E 退所日の翌日(10月11日)から死亡日までは算定しない期間 照会後に記入 照会後に記入 退所日・入院先・死亡日を施設がどう把握したか(ご家族からの連絡の記録)
F 前日1日+死亡日 910+1,900=2,810単位 850+1,700=2,550単位 入所当日の医師の診断の記載時刻、計画の同意の時刻、説明に同席した職種
G 15日+27日+2日+死亡日 9,120単位 8,920単位 1月・2月の日付の数え違いが無いか(2月27日・28日が前々日・前日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

試算表の数字は、あくまで告示の単価を日数に掛けた組み立てです。金額に直す場合は、貴施設の地域区分の単価を掛けたうえで、請求ソフトの計算結果と突き合わせてください。この表の役割は「正しい数字を出すこと」ではなく、「請求ソフトの数字が、帯ごとの日数と系統の列の掛け算になっているかを人の目で追えるようにすること」です。

記録の悪い例と良い例|時期別14場面・職種別14場面・ご家族対応12場面の完成文

告示94号六十五のイ・ロ・ハは、診断・計画・説明と同意が「行われていること」を求めています。運営指導の場でそれを示す手段は記録だけです。ここでは、ターミナルケアの期間を時期ごとに区切り、よく見かける書き方(悪い例)と、そのまま貼って使える完成文(良い例)を並べます。良い例に出てくる入所者名・日時・数値は架空のものです。貴施設の実際の状態と時刻に置き換えてお使いください。医学的な判断の中身は医師の領域なので、文例は「誰が・いつ・何を観察し・誰に伝えたか」の書き方に絞っています。

帯の時期ごとの文例|診断から死亡後まで14場面

# 時期・場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文) 良い例が押さえている点
1 医師の診断の記載(診療録) 「終末期。」 9月4日 14:10 施設医師〇〇が診察。食事摂取量は直近7日間で平均2割、体重は8月1日46.2kgから9月4日42.0kg。医学的知見に基づき回復の見込みがないと判断し、診療録に記載。15:00 長女様へ説明予定と看護職員へ指示。 診断した医師名・日付・判断の根拠となった観察値が1か所にある
2 初回の説明(診断当日) 「家族に説明し了承を得た。」 9月4日 15:00〜15:40 面談室。出席:医師〇〇、看護師△△、支援相談員□□、長女B様。医師より現在の状態と今後予想される経過を説明。長女B様「苦しくないようにしてほしい。延命のための点滴は望まない」。ターミナルケアに係る計画の案を9月6日に示すことで合意。 時刻・場所・出席職種・ご家族の言葉・次の予定がそろっている
3 計画への同意 「計画書に署名あり。」 9月6日 10:30 ターミナルケアに係る計画(第1版)を長女B様へ看護師△△と支援相談員□□が説明。食事・清潔・苦痛の緩和・面会の4項目を読み上げ、質問1件(夜間の連絡方法)に回答。長女B様が同日署名。写しを手渡し。 誰が説明し、誰が同意し、何を渡したかが追える
4 31〜45日目の日々の記録(介護職員) 「特変なし」 9月10日 12:00 昼食はお粥を5口、介助で摂取。むせ込み2回。水分はとろみ茶150mL。14:00 声かけに開眼し「ありがとう」と返答。16:00 体位変換時に仙骨部の発赤なし。 量・回数・言葉・部位が具体で、翌日と比べられる
5 31〜45日目の看護記録 「状態安定。」 9月12日 9:30 体温36.8℃、脈拍82回/分、血圧108/64、SpO2 95%(室内気)。尿量は前日24時間で約600mL。下肢のむくみは前週より軽度増。10:00 施設医師へ報告し、経過観察の指示。 数値と前週との比較、報告先と指示が残る
6 状態の変化による随時の説明 「家族へ状況を伝えた。」 9月22日 18:20 看護師△△が長女B様へ電話。昼・夕の食事摂取が0割で、水分は1日約300mLに減ったことを説明。長女B様「明日の午前に面会に行きます」。9月23日 10:00 医師同席で説明の場を設けることで合意。 説明のきっかけ(状態の変化)が文中に書かれている
7 計画の見直し 「計画変更。」 9月23日 10:00〜10:30 医師〇〇、看護師△△、介護職員◇◇、管理栄養士▽▽、支援相談員□□、長女B様。経口摂取の中心を食事から好物の少量提供へ変更(ゼリー1日2個まで)。計画を第2版に改め、長女B様が同日同意の署名。 見直しの理由・変更点・版数・同意日がそろう
8 4〜30日目の夜間の記録 「夜間良眠。」 10月2日 2:00 巡視時、呼吸は規則的で1分間18回。声かけに反応なし、表情は穏やか。3:00 体位を右側臥位へ変更。5:00 口腔内の乾燥あり、保湿剤で清拭。 時刻ごとの観察と実施したケアが書かれている
9 ご家族の求めによる説明 「家族より質問あり、回答。」 10月8日 15:10 面会中の長男C様より「あとどれくらいか」と質問。介護職員◇◇が看護師△△へ引き継ぎ。15:30 看護師△△が現在の呼吸・尿量の変化を説明し、見通しの説明は医師から行う旨を伝え、10月9日 13:00 医師面談を設定。 質問者・引き継ぎ先・医師の説明の設定までが1本でつながる
10 前々日(3日目)の記録 「状態悪化。」 10月18日 7:00 SpO2 88%(室内気)、呼吸1分間28回、下顎の動きを伴う呼吸あり。7:10 医師へ電話報告。7:30 長女B様へ電話し、医師の説明を受けた内容を伝達。長女B様 9:00 来所。 観察値・報告の時刻・ご家族への連絡と来所時刻
11 前日(2日目)の記録 「家族付き添い。」 10月19日 20:00 長女B様・長男C様が居室に付き添い。個室の照明を落とし、B様の希望でラジオを小さく流す。21:00 口腔ケア、体位変換。22:00 長女B様へ夜間の連絡先(内線)と看護師の巡視時刻を説明。 ご家族への配慮の具体と説明内容
12 死亡日(1日目)の記録 「永眠。」 10月20日 4:12 呼吸停止を看護師△△が確認し、4:15 施設医師へ電話。5:05 医師〇〇が来所し死亡を確認(死亡時刻は医師の確認による)。付き添いの長女B様・長男C様に医師から説明。 看護職員の確認と医師の確認を分けて書いている
13 死亡日の請求への連絡 口頭で事務へ伝える 10月20日 9:00 看護師△△より事務◎◎へ、死亡日10月20日、入所日8月1日、退所・入院の期間なし、計画同意日9月6日を記載した連絡票を提出。事務◎◎が受領印。 請求月と帯の起点を決める情報が紙で残る
14 死亡後の振り返り 記録なし 10月27日 16:00〜16:40 振り返りの会議。出席:医師、看護師2名、介護職員3名、管理栄養士、支援相談員。夜間の連絡手順に1件の遅れ(10月18日 7:10 の報告が当直表の番号違い)を確認し、当直表を改訂。 次の入所者のケアにつながる改善点が日付つきで残る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例に共通するのは、「誰が」「いつ」「何を根拠に」が抜けていることです。「状態安定」「状態悪化」は評価の言葉であって、観察の記録ではありません。良い例は、翌日の記録と数字で比べられるように書いています。随時の説明が「入所者の状態又は家族の求め等に応じ」て行われたことを示すには、説明の記録の中に、きっかけとなった状態の変化やご家族の求めが書かれている必要があります(表の6と9)。

職種ごとの文例|告示に名前のある5職種と周辺の職種14場面

告示94号六十五ハは「医師、看護師、介護職員、支援相談員、管理栄養士等が共同して」と定めています。「共同して」いることを示すには、それぞれの職種が自分の記録に自分の関わりを書いていることが近道です。

# 職種 悪い例 良い例(そのまま使える完成文)
1 医師(診断) 「看取り方針。」 9月4日 施設医師〇〇。直近1か月で体重4.2kg減少、経口摂取は1日2割未満が7日継続。医学的知見に基づき回復の見込みはないと判断。本人・長女B様への説明を本日15:00に実施する。
2 医師(随時の説明) 「家族にIC済み。」 10月9日 13:00〜13:25 医師〇〇が長男C様へ説明。呼吸数の増加と尿量の減少(1日約200mL)から、日の単位での変化が予想される旨を伝達。長男C様「最期は姉と一緒に付き添いたい」。看護師△△同席。
3 看護師(観察と報告) 「Dr報告。」 10月16日 6:30 看護師△△。体温37.9℃、SpO2 90%(室内気)。6:40 施設医師へ電話で報告し、解熱のための冷罨法の指示。7:00 実施。8:00 体温37.4℃。
4 看護師(計画の説明) 「計画説明。」 9月6日 10:30 看護師△△が計画書第1版の4項目を長女B様へ説明。苦痛の緩和の項で「痛みの訴えがあれば医師へ報告し指示を受ける」手順を説明し、長女B様が了承。
5 介護職員(食事) 「食事少量。」 10月1日 8:00 介護職員◇◇。朝食はプリン1/2個をスプーン3口。4口目で口を閉じたため中止。8:30 看護師へ摂取量を報告。
6 介護職員(清潔) 「清拭実施。」 10月5日 14:00 介護職員◇◇。発熱のため入浴を中止し、全身清拭と陰部洗浄を実施。入浴中止の理由(体温37.8℃、看護師△△の判断)を記載。
7 介護職員(ご家族の様子) 「家族来所。」 10月12日 15:00〜17:00 長女B様が面会。手を握りながら昔の写真を見せて話しかけ、A様は2回うなずいた。長女B様より「来週は毎日来たい」との希望、支援相談員□□へ伝達。
8 支援相談員(意向の確認) 「家族の意向確認。」 9月5日 11:00 支援相談員□□が長女B様・長男C様へ電話。お二人とも「施設で最期まで」の意向で一致。長男C様は平日夜のみ面会可能と確認し、面会時間の延長を看護師長へ相談。
9 支援相談員(意向の違い) 「家族間で意見相違あり。」 9月15日 支援相談員□□。長男C様から「病院へ移して点滴をしてほしい」との電話。長女B様の意向と異なるため、9月17日 14:00 医師を交えた説明の場を設定し、お二人に案内。
10 管理栄養士(食形態) 「栄養ケア計画変更。」 9月23日 管理栄養士▽▽。摂取量が1日約400kcalに低下。本人が好むりんごゼリーを1日2個、嚥下の状態に合わせたとろみの濃度で提供する案を会議で提示し、計画第2版に反映。
11 管理栄養士(ご家族からの持ち込み) 「差し入れ可。」 10月3日 管理栄養士▽▽。長女B様より自宅の味噌汁を持参したいとの希望。上澄みを小さじ2杯、看護師の立ち会いで提供する方法を説明し、同日16:00に実施。むせ込みなし。
12 介護支援専門員(施設サービス計画) 「プラン変更。」 9月24日 介護支援専門員◎◎。ターミナルケアに係る計画第2版の内容を施設サービス計画の第2表に反映し、長女B様へ説明。同日同意の署名を得て、写しを交付。
13 理学療法士等(安楽な姿勢) 「ポジショニング指導。」 9月25日 理学療法士◇◆。仙骨部の圧を分散するため、30度側臥位とクッション2個の位置を写真つきで居室に掲示。介護職員5名へ10分間で説明し、署名で確認。
14 事務(期間の管理) 記録なし 10月20日 事務◎◎。死亡日10月20日を受け、9月6日〜10月20日の45日間を帯ごとに一覧化。退所・入院の期間なしを看護記録で確認。10月分の請求に載せる旨を管理者へ報告。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

職種ごとの記録に同じ日付・同じ場面が別々の視点で書かれていると、「共同して」関わった経過が複数の記録から裏づけられます。反対に、看護記録にだけ「多職種で説明」と書かれていて、他の職種の記録に何も残っていない形は、誰が関わったのかを後から示しにくくなります。

ご家族への連絡・説明の文例|電話・面会・夜間の12場面

# 場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文)
1 日中の電話(定期の連絡) 「家族へ連絡済み。」 10月1日 11:00 看護師△△より長女B様へ電話。この1週間の食事量(1日1〜2割)と睡眠時間の増加を伝達。長女B様「週末に孫を連れて行きたい」。面会の時間帯を14時〜16時で案内。
2 夜間の電話(状態の変化) 「夜間、家族TEL。」 10月17日 23:40 看護師△△より長女B様へ電話。SpO2 89%、呼吸1分間26回。医師へ23:30に報告済みで、朝の診察まで経過観察の指示であることを伝達。長女B様「朝一番で行きます」。
3 電話がつながらない 「連絡取れず。」 10月17日 23:40 長女B様へ電話、応答なし。23:45 留守番電話に折り返しを依頼。23:50 第2連絡先の長男C様へ電話し、状態を伝達。長男C様より長女B様へ連絡するとの返答。
4 面会中の質問 「質問に回答。」 10月8日 15:10 長男C様「水を飲ませてもいいか」。介護職員◇◇がとろみ茶をスプーン1杯ずつ、むせ込みを見ながら介助する方法を実演。長男C様が2杯介助、むせ込みなし。
5 遠方のご家族 「遠方家族あり。」 9月20日 支援相談員□□。次男D様(県外在住)の連絡先を長女B様より聴取し、状態の説明は長女B様経由とする希望を確認。次男D様へは10月1日に電話で直接あいさつ。
6 宿泊の希望 「家族泊まり。」 10月18日 18:00 長女B様より付き添いの宿泊希望。簡易ベッドを居室に設置し、夜間の出入口(通用口)と看護師の巡視時刻(0時・2時・4時)を説明。
7 医療機関への搬送の希望が出たとき 「家族の気持ちが揺れている。」 10月15日 14:00 長男C様「やはり病院へ」との発言。支援相談員□□が聴き取り、16:00 医師〇〇が長男C様と長女B様へ現在の状態と搬送した場合に考えられる経過を説明。お二人で相談のうえ、施設での継続を選択。
8 ご本人の言葉の記録 「本人の意向不明。」 9月28日 10:20 介護職員◇◇がそばに座ると、A様が「ここがいい」と小さな声で2回話す。長女B様へ同日の面会時に伝達。
9 死亡前の呼び出し 「家族に来所依頼。」 10月20日 3:50 呼吸の間隔が20秒以上空くようになり、看護師△△が長女B様へ電話。3:55 長女B様が居室に付き添い中であることを確認し、長男C様へは長女B様から連絡。
10 死亡後のご家族への説明 「家族に説明。」 10月20日 5:10 医師〇〇が長女B様・長男C様へ死亡の確認を説明。5:30 支援相談員□□が今後の手続き(死亡診断書の受け取り、退所の手続き、私物の引き取り)を書面で説明。
11 死亡後の連絡の記録 記録なし 10月21日 支援相談員□□。退所の手続き書類を長女B様より受領。居宅介護支援事業所への連絡は入所前の担当者が退職済みのため不要と確認。
12 後日のご家族からの声 記録なし 11月5日 長女B様より手紙。夜間の電話が分かりやすかったとの内容。振り返り会議の資料に添付し、職員へ回覧(回覧印12名)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

様式の欄ごとの記入例|計画書12欄・説明と同意の記録12欄

告示は、ターミナルケアに係る計画や説明の記録の様式を定めていません。そのため、どの施設も独自の様式を使っていますが、欄の名前が違っても、書くべき中身の方向は告示の文言から決まります。上の「10項目の点検欄」は欄が様式にあるかどうかを確かめる表でした。ここでは一歩進めて、それぞれの欄に何を書くかを悪い例・良い例で並べます。

ターミナルケアに係る計画書の欄別|12欄

# 欄 悪い例 良い例 対応する告示の文言
1 作成日・版数 日付のみ 2026年9月6日作成(第1版)/9月23日改訂(第2版・改訂理由は経口摂取量の低下) 六十五ロ「計画が…作成されていること」
2 作成に関わった職種 「多職種」 医師〇〇、看護師△△、介護職員◇◇、管理栄養士▽▽、支援相談員□□、介護支援専門員◎◎(6名) 六十五ハ「…等が共同して」
3 医師の診断との関係 空欄 9月4日 施設医師〇〇の診断(診療録9月4日の記載)を受けて作成 六十五イ
4 ご本人の意向 「不明」 9月28日に介護職員へ「ここがいい」と2回発言。入所時(8月1日)の面談では「痛いのは嫌」と話していた 六十五ハ「本人又は家族への説明」の前提
5 ご家族の意向 「家族の希望通り」 長女B様:苦痛の少ないケア、延命のための点滴は望まない。長男C様:9月17日の説明後に同じ意向を確認 六十五ロ「入所者又はその家族等の同意」
6 食事・水分の方針 「食べられるだけ」 好物のゼリーを1日2個まで。むせ込みが2回続いたら中止して看護職員へ報告。水分はとろみ茶を1回50mLずつ 六十五ロ(計画の中身)
7 清潔の方針 「状態に応じて」 体温37.5℃以上または血圧低下時は入浴に代えて全身清拭。実施しなかった日は理由を介護記録に記載 六十五ロ(計画の中身)
8 苦痛の緩和 「苦痛緩和」 痛みの訴え・表情の変化があれば看護職員が観察値とともに医師へ報告し、指示を受けて対応する 六十五ロ(計画の中身)
9 面会・付き添い 「自由」 面会は時間を問わず可。宿泊の付き添いは居室に簡易ベッドを設置。夜間の出入りは通用口から 六十五ハ「家族の求め等」への備え
10 連絡の順番 「家族へ」 第1連絡先 長女B様(携帯)、第2連絡先 長男C様(携帯)。夜間もこの順番。つながらない場合は留守番電話に折り返しを依頼 六十五ハ「随時…説明を行い」
11 見直しのきっかけ 「必要時」 経口摂取量が3日続けて1日1割未満になったとき、ご家族から方針の相談があったとき、医師が説明を必要と判断したとき 六十五ハ「入所者の状態又は家族の求め等に応じ」
12 同意欄 署名のみ 同意日:9月6日/同意者:長女B様(続柄を記載)/説明者:看護師△△・支援相談員□□/写しの交付:同日手渡し 六十五ロ「同意を得て作成」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

説明と同意の記録の欄別|12欄

計画書とは別に、説明のたびに1枚ずつ残す記録の欄です。計画書の同意欄だけで随時の説明をまかなおうとすると、2回目以降の説明の記録が残りません。1回の説明で1枚、が扱いやすい単位です。

# 欄 悪い例 良い例
1 説明の回数 空欄 第3回(第1回 9月4日、第2回 9月17日)
2 日時 日付のみ 2026年9月23日 10:00〜10:30
3 場所 空欄 2階面談室(ご本人の居室の隣)
4 説明のきっかけ 「定期」 9月22日の夕食まで2食続けて摂取が0割となり、医師が説明を必要と判断
5 説明した職員 「看護師」 医師〇〇(状態と見通し)、管理栄養士▽▽(食事の変更案)、看護師△△(夜間の連絡方法)
6 説明を受けた方 「家族」 長女B様(キーパーソン)。長男C様は電話で同時に参加
7 説明した内容 「今後について」 経口摂取の中心をゼリー2個に変更する案、入浴を清拭に切り替える条件、夜間の連絡順
8 ご家族の質問と回答 「質問なし」 長女B様「点滴はしないのか」→医師より、計画第1版で確認した方針(延命のための点滴は行わない)を再確認し、変更の希望がないことを確認
9 ご家族の言葉 空欄 長女B様「好きなものを少しでも食べさせてもらえるならうれしい」
10 同意の内容 「同意」 計画第2版の食事・清潔の2項目の変更に同意。その他の項目は第1版のまま継続することに同意
11 同意の方法 空欄 長女B様が同日署名。長男C様は電話で口頭同意(10:28、看護師△△が確認し記録)
12 次の予定 空欄 1週間後の9月30日に状態を電話で連絡。変化があればその都度連絡

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口頭での同意をどの形で残せば足りるか、署名が後日になった場合にどの日を同意日とするかは、告示の文言からは決まりません。貴施設の運用を決めたうえで、保険者(指定権者)に確認した結果を照会メモに残してください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

運営指導マニュアル別添1とつなぐ|老健の確認項目8つと公表事例10件

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)には、介護老人保健施設の欄があります。そこにターミナルケア加算という言葉は出てきませんが、ターミナルケアの期間に作る記録の多くは、別添1の運営の確認項目と同じ書類に重なります。加算の点検と運営の点検を別々に行うと、同じ記録を2回見ることになるうえ、片方でしか気づけない抜けが残ります。下の表は、別添1の老健の確認項目のうち、ターミナルケアの期間と重なるものを抜き出したものです(条番号は介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準の該当条項として別添1に書かれているもの)。

# 別添1の確認項目(老健) 別添1の確認内容(要旨) 別添1の確認文書 ターミナルケアの期間に重なる記録
1 内容及び手続の説明及び同意(第5条) 入所申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか 重要事項説明書、入所契約書 入所時の重要事項説明と、ターミナルケアに係る計画の説明・同意を別の記録として分けて残しているか
2 入退所(第8条) 心身の状況・生活歴・病歴等の把握、多職種での定期的な協議・検討 アセスメントシート、モニタリングシート、施設サービス計画、入所検討委員会会議録 入院による退所の日付、退所先、施設が死亡日を把握した経路の記録(算定しない期間の判定材料)
3 サービスの提供の記録(第9条) 計画の目標を達成するための具体的なサービスの内容、日々の心身の状況等の記録 サービス提供記録、業務日誌、モニタリングシート 帯の期間中の日々の観察値とケアの記録(悪い例の「状態安定」ではなく数値と時刻)
4 施設サービス計画の作成(第14条) アセスメント、担当者会議等による専門的意見の聴取、本人や家族への説明と同意、モニタリング 施設サービス計画(同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、サービス提供記録、モニタリングシート ターミナルケアに係る計画の見直しを施設サービス計画にも反映し、同意の日付がそろっているか
5 栄養管理(第17条の2) 各入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行っているか 栄養ケア計画、栄養状態の記録 食形態・量の変更が栄養ケア計画と計画書の双方に同じ日付で書かれているか
6 口腔衛生の管理(第17条の3) 各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行っているか 口腔衛生の管理計画 経口摂取が減った時期の口腔ケアの回数・方法(保湿の実施時刻など)
7 看護及び医学的管理の下における介護(第18条) 入浴回数は適切か、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 入浴を清拭に替えた日の理由、体位変換の時刻、皮膚の観察の記録
8 事故発生の防止及び発生時の対応(第36条) 事故の対応方法、市町村・家族への報告、状況と対応経過の記録、再発防止 事故発生の防止のための指針、事故対応マニュアル、報告記録、ヒヤリハットの記録 ターミナルケアの期間中の転落・誤嚥などの出来事を、経過の記録とは別に事故・ヒヤリハットとして残しているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

上の「公表されている指摘の実例」の表では、ターミナルケア・看取りを名指しした指摘を5件挙げました。ここでは、名指しはしていないものの、ターミナルケアの期間に作る記録と同じ書類が指摘の対象になった公表事例を、当社の自治体公表指摘データベース(353件・すべて出典つき)から10件追加します。老健を対象にした資料と、施設系に共通する資料を中心に選んでいます。

# 公表されている指摘(要旨) ターミナルケアの期間に置き換えた点検の観点 出典(自治体・資料名)
1 介護老人保健施設で、施設サービス計画の作成等の不備が24件(38.1%)で最多。入所者又は家族への説明・同意をサービス提供開始後に得ていた事例、担当者会議等で他の従業者の専門的見地からの意見を聴いた記録が確認できない事例 計画の見直し(第2版)の同意日が、変更後のケアを始めた日より後になっていないか。会議の出席職種と意見が記録に残っているか 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」
2 介護老人保健施設で、退所時情報提供加算を、退所後に介護老人福祉施設へ入所した場合に算定していた事例 退所先の種別が記録から分かるか。退所を挟むターミナルケアの事例では、退所日と退所先の記録が算定しない期間の判定にも使われる 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」
3 提供した具体的なサービスの内容等の記録は、運営指導で指摘が多い項目であると注記 帯の期間中の記録に、計画に位置づけたケアの具体的な内容が日ごとに書かれているか 熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 介護老人福祉施設」
4 週2回以上の入浴・清しきが記録から確認できない。入浴に代えて清しきを実施した場合に、その旨と入浴困難な理由を記録していない 発熱や血圧の低下で入浴を清拭に替えた日に、替えた理由と実施内容が書かれているか 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け)/堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」
5 入浴等の実施が週1回のみで、実施できない理由も記録していない。施設側の都合で入浴回数を減らすことはできない旨も記載 入浴を行わなかった理由が、ご本人の状態によるものであることが記録から読めるか 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」(3 運営指導等における主な指摘事項 ◇介護老人福祉施設等)
6 外泊時費用を、当該ベッドを短期入所に利用していたにもかかわらず算定していた ターミナルケアの期間中に入院・外泊があった場合、その期間の空床の使い方と請求の記録がそろっているか 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂
7 療養食加算で、食事箋に療養食の種類が選択されておらず、医師の指示内容である種類及び塩分量が記載されていなかった 食形態や量を変えたとき、医師の指示が食事箋・診療録に書かれ、管理栄養士の記録と一致しているか 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂
8 褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)を、d1以上の褥瘡が発生し治療している期間中に算定していた ターミナルケアの期間中に褥瘡が発生した場合、発生日・評価・治療の記録と、他の加算の算定月との突合をしているか 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂
9 事故の状況及び事故に際して採った処置について記録されていない。原因の究明や再発防止策がとられていない ターミナルケアの期間中の転落・誤嚥などを、経過の記録に埋もれさせず、状況と処置を事故の記録として残しているか 北海道後志総合振興局「実地指導における主な指摘事項について」(資料3-2)
10 介護保険施設で、ヒヤリハット報告の件数が介護事故の件数より少ない事例。様式の簡素化、記載例の作成、研修での趣旨説明が取組例として示されている 夜間の連絡の遅れなど、ターミナルケアの振り返りで見つかった出来事をヒヤリハットとして残しているか 名古屋市「運営指導に係る主な指摘事項(介護保険施設版)」(令和5年1月5日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

10件のうち3件(1・2・6)は、同意の日付と退所・外泊の日付という「日付の整合」に関わる指摘です。ターミナルケア加算は死亡日から日付をさかのぼる定めなので、日付の記録がずれていると、加算の日数と運営の記録の両方に影響します。また、名古屋市の資料は令和5年1月5日付で令和6年度介護報酬改定の前のものです。最新の取り扱いは所管の指定権者の最新資料でご確認ください。

死亡月の請求前に回す点検|3職種で分担する20工程と照会メモ8欄

最後に、亡くなられた方ごとに請求の前に回す点検を、看護職員・支援相談員・事務の3者の分担で並べます。死亡月に全帯をまとめて載せる定めのため、月末の締めと死亡日の関係によっては、翌月の締めまで点検が持ち越されます。工程に番号を振って、誰がどこまで確かめたかを1枚に残すと、担当者の交代があっても点検が途切れません。

# 工程 担当 確かめる記録 記入欄(確認日・確認者)
1 死亡日と死亡を確認した医師名を記録から転記する 看護職員 診療録、看護記録   
2 入所日と、45日の中に入院・外泊・退所の期間があったかを確かめる 支援相談員 入所台帳、入退所の記録   
3 退所があった場合、退所日・退所先・死亡日を施設が知った経路を書き出す 支援相談員 ご家族からの連絡の記録   
4 医師の診断の日付を診療録で確かめる(告示94号六十五イ) 看護職員 診療録   
5 計画の作成日・同意日・同意者を計画書で確かめる(同ロ) 看護職員 ターミナルケアに係る計画書   
6 計画の版ごとに同意日がそろっているかを確かめる 看護職員 計画書(第1版・第2版…)   
7 随時の説明の記録を日付順に並べ、きっかけと出席職種が書かれているかを確かめる(同ハ) 支援相談員 説明と同意の記録   
8 医師・看護師・介護職員・支援相談員・管理栄養士の各記録に、関わりが書かれているかを確かめる 看護職員 各職種の記録   
9 3つの基準がそろった日を1日に特定する 看護職員 工程4〜7の結果   
10 死亡日を1日目として45日目までの日付の一覧を作る 事務 カレンダー(暗算でなく一覧で)   
11 一覧を4つの帯に塗り分ける(死亡日/前日・前々日/4〜30日目/31〜45日目) 事務 工程10の一覧   
12 入所していない日・退所日の翌日以降の日を一覧から外す 事務 工程2・3の結果   
13 基準がそろう前の日の扱いを、照会の結果に沿って処理する 事務 照会メモ   
14 貴施設の基本報酬の区分から、単価の系統((Ⅰ)・(Ⅳ)系か(Ⅱ)・(Ⅲ)系か)を確かめる 事務 届出書の控え   
15 帯ごとの日数×単価の小計を手計算で出す 事務 単価表   
16 請求ソフトの明細の日数・単位数と手計算を突き合わせる 事務 請求明細(案)   
17 死亡月より前の月の請求に、この加算を載せていないかを確かめる 事務 前月・前々月の請求控え   
18 同じ期間の他の加算(入院・外泊に関わるもの、褥瘡や療養食に関わるもの)との重なりを確かめる 事務 加算算定一覧   
19 工程1〜18の結果を管理者へ報告し、確認印を受ける 事務 本表   
20 本表と一覧を、計画書・説明の記録と同じ綴りに保管する 支援相談員 保管先の記録   

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

工程9と13は、この記事の中でも答えを出していない部分です。告示は「基準に適合する入所者」について死亡日以前45日を上限に加算する定めを置いていますが、基準がそろう前の日をどう扱うかまでは、告示の文言だけでは読み切れません。上の「断定しないまま残す論点」とは重ならない論点を、次の照会メモに追加しておきます。

# 照会する論点 告示から読めること 照会の聞き方の例 照会結果の記入欄
1 日の数え方(死亡日を1日目とするか) 区分は死亡日・前日及び前々日・4日以上30日以下・31日以上45日以下の順に置かれている 「死亡日以前4日」の4日目は、死亡日を1日目として数えた日と理解してよいか   
2 3つの基準がそろう前の日の扱い 六十五はイ・ロ・ハの3つを基準として並べている 診断日・計画の同意日より前の日が45日の範囲に入る場合、その日をどう扱うか   
3 退所日より前の日の扱い ただし書は退所した日の翌日から死亡日までの間を算定しないと定める 入院で退所し入院先で亡くなられた場合、退所日以前の帯の日をどう扱うか。死亡を把握する方法に求められる記録はあるか   
4 外泊の期間の扱い 注18に外泊についての文言は無い 45日の範囲の中に外泊の日がある場合、その日をどう扱うか   
5 口頭の同意の残し方 「同意を得て」とのみ定める 電話で得た同意を記録する場合、署名に代わる記録として求められる項目は何か   
6 計画の改訂時の同意 計画が同意を得て作成されていることを定める 改訂のたびに改めて署名を得る運用を求めているか   
7 死亡月の翌月に死亡が分かった場合 「死亡月に…加算する」と定める 退所後の死亡を翌月以降に知った場合、請求の手順をどうするか   
8 入所当日・翌日の死亡 入所日から死亡日までの日数の下限は定めていない 入所当日に3つの基準をそろえた場合、記録として確認される項目は何か   

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

照会の結果は、回答者の所属・氏名、回答日、回答の方法(電話・メール・文書)とともに記入し、担当者が代わっても同じ扱いを続けられるようにしておきます。回答が口頭だった場合は、聞き取った職員が当日中に記録に起こし、管理者の確認を受けておくと、後の運営指導で経緯を説明しやすくなります。本記事の試算・文例・照会メモは、告示の文言と自治体の公表資料をもとに当社が整理したものであり、貴施設での取り扱いを決めるものではありません。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問|老健のターミナルケア加算と緊急対応系2加算(10問)

Q. 老健のターミナルケア加算に(Ⅰ)(Ⅱ)のような区分はありますか。

加算そのものに(Ⅰ)(Ⅱ)の区分はありません。単位数は、貴施設が算定している介護保健施設サービス費の区分——(Ⅰ)・(Ⅳ)およびユニット型(Ⅰ)・(Ⅳ)か、(Ⅱ)・(Ⅲ)およびユニット型(Ⅱ)・(Ⅲ)か——によって2系統に分かれます(死亡日1,900単位/1,700単位など)。特養の看取り介護加算の(Ⅰ)(Ⅱ)とは別の構造ですので、取り違えにご注意ください。

Q. 対象期間が前の月にかかっている分は、どの月の請求に載せますか。

告示は「死亡月に所定単位数に加算する」と定めています。死亡日以前45日までの帯があるため対象期間は前月にまたがることが多くなりますが、載せる先は死亡月です。運用の細部は保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 退所されてからご自宅で亡くなられた場合はどうなりますか。

告示のただし書は「退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない」と定めています。退所日と死亡日の両方が分かる記録を残し、期間の判定は保険者(指定権者)の運用もあわせてご確認ください。

Q. 死亡日以前45日より前からターミナルケアを行っていた場合、その分はどうなりますか。

告示が定める日数区分は「死亡日以前31日以上45日以下」までです。それより前の期間についての帯は置かれていません。ケアの提供と加算の対象期間は別のことがらとして整理してください。

Q. ターミナルケアに係る計画は誰の同意で作りますか。

告示94号六十五ロは「入所者又はその家族等の同意を得て作成されていること」と定めています。誰の同意か(本人か家族等か)が分かる形で記録に残すことが点検の基本です。身寄りのない方の取り扱いは保険者にご確認ください。

Q. 説明は入所時に1回行えば足りますか。

告示94号六十五ハは「入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時」の説明と同意を定めています。隣接サービスでは、契約時の重要事項説明の中で包括的に同意を得る運用が自治体資料で名指しで注意されています(堺市の集団指導資料)。回数の定めはありませんが、状態の変化の節目ごとに説明と同意の記録が残る形が告示の文言に沿います。

Q. 認知症行動・心理症状緊急対応加算には届出書がいりますか。

告示(別表2 ネ 注)の文言には届出の定めは置かれていません(当社データベースの確認範囲)。ターミナルケア加算・若年性認知症入所者受入加算には届出の定めがある点と対照的です。実際の手続きは保険者(指定権者)・都道府県の案内でご確認ください。

Q. 緊急対応加算の7日を過ぎても症状が続いている場合は延ばせますか。

告示は「入所した日から起算して7日を限度」と定めており、症状が続く場合に延長する定めは置かれていません。7日目がいつかを入所日から数えられるよう、入所日が分かる書類を確認文書として備えておくことが基本です。

Q. 若年性認知症入所者受入加算と緊急対応加算は同じ日に重ねられますか。

告示の注13ただし書に「ただし、ネを算定している場合は、算定しない。」と明記されています(ネ=認知症行動・心理症状緊急対応加算)。緊急対応加算の算定期間中の各日については、この定めを前提に整理してください。

Q. 「若年性認知症入所者」とは何歳までの方を指しますか。

告示の注13の本文には年齢等の定義が置かれておらず、別に厚生労働大臣が定める基準・通知で確認する必要があります。当社データベースではその基準の本文は未確認のため、本記事では定義を書いていません。告示の参照先原文と保険者(指定権者)の資料でご確認ください。

この記事の根拠資料|確認した告示2点と確認していない資料の区別

本記事の要件・単位数は、次の資料を当社データベースで直接確認した値のみで構成しています。確認していない資料は「確認していない」と明記します。この区別を残すことが、読者の施設での照会先を明確にすると考えるためです。

資料 本記事で使った箇所 確認の状態
平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表2 介護保健施設サービス イ 注18・注13・ネ ターミナルケア加算の単位数・日数区分・死亡月の定め・ただし書/緊急対応加算の200単位・7日/若年性の120単位・ただし書 厚生労働省の法令等データベースで原文を直接確認(2026年7月23日)
平成27年厚生労働省告示第94号(厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等)六十五 イ・ロ・ハ ターミナルケア加算の対象者の3基準 同上(直接確認)
令和8年厚生労働省告示第87号 本記事の3項目に改正が無いことの確認 改正の有無のみ確認
留意事項通知(老企第40号)・「別に厚生労働大臣が定める基準」(若年性認知症入所者の定義部分) 使っていない 確認していない(通知・基準レベルの運用は保険者への照会欄として本文に残した)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典:厚生労働省ウェブサイト(法令等データベースサービス)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。自治体の指摘事例の出典は各表内に資料名で記載しています。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

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