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排尿障害の看護計画|留置カテーテル・自己導尿・尿失禁の訪問看護計画書 目標とO-P/T-P/E-P記載例172例

尿が出にくい、トイレまで間に合わない、夜に何度も起きる、膀胱留置カテーテルが入ったまま退院してきた、自己導尿を覚えている途中といった、排尿に困りごとのある方の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、場面ごとの記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・管理者を想定しています。病棟の看護計画や看護学生の看護過程では、尿量の測定や導尿、おむつ交換を病棟の職員が昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師が帰ったあとの時間に、ご本人・ご家族・訪問介護・通所の職員が排尿とカテーテルの扱いをどう受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。

介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の排泄に関する文例は、この記事では扱っていません。訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、カテーテルや蓄尿バッグなどの衛生材料の欄は「衛生材料の欄の書き方と記載例」、認知症や寝ている時間が長い方の計画は「認知症の看護計画」「廃用症候群の看護計画」の記事もあわせてご覧ください。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。尿量・残尿量・一日の水分の量・導尿の回数と時刻・カテーテルの種類とサイズ・カテーテルや蓄尿バッグの交換の間隔・固定水の量・薬の名前や量・主治医へ連絡する目安や受診の基準など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書と処方から写してください。訪問で確かめた値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。尿失禁や排尿困難の原因や種類を見立てるのは主治医であり、この記事の例文も、看護師が見た事実とご本人の言葉を書く形にしています。

様式の欄ごとに書くこと|記載要領の原文と排尿障害のある方の書き分け(欄別対照表3つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。排尿障害のある方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面も、医療保険の訪問看護として作る場面もあります。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は排尿障害のある方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) 排尿障害のある方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 要介護認定の状況は、自立・要支援・要介護のいずれかに○をつける欄。退院直後で認定の申請中の方は、備考に申請の状況を書き、認定の結果が出たら計画書を見直す日を決めておく 認定の状況の確認者:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「排尿コントロールができる」「尿路感染を起こさない」で止めず、排尿の困りごとがあっても続けたい暮らし(夜に眠れる、通所に行ける、家族と外食に行ける、自分でトイレに行ける)を主語にする。導尿の回数やカテーテルの交換の間隔は目標の文に入れず、指示書から写す欄を分ける 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 膀胱留置カテーテルの留置または抜去、自己導尿の開始、指示書の内容の変更、尿路の感染などによる入院と退院、排尿に関わる薬の変更、主な介護者の交代など、見直しのきっかけになった日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、漏れた時間帯と場面、トイレまでの動作、排尿の記録、皮膚の様子、ご本人の言葉など、そう考えた根拠を添える 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱと排尿の記録に残した事実(夜に起きた回数、トイレで出せた回数、漏れた回数と場面、自己導尿を一人で行えた回数、皮膚の赤みの範囲、ご本人の言葉)で書く。「排尿良好」「著変なし」の一語で終わらせない 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 膀胱留置カテーテルの管理や導尿など、衛生材料等を使う処置の指示がある場合に、処置の内容・衛生材料の種類とサイズ・1か月の必要量を書く。種類・サイズ・量は指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写す 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 理学療法士・作業療法士がトイレまでの移動や立ち座り、衣服の上げ下ろしの練習で訪問する方では、職種と曜日を書く。ご本人とご家族に「誰が・何曜日に・何をしに来るか」が分かる書き方にする 職種と曜日の伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 訪問の曜日と時間帯、カテーテルが抜けた・詰まったときの連絡の順番、衛生材料の受け取り先、訪問介護・通所の曜日と排泄の介助の内容、泌尿器科の受診の予定、緊急時の連絡の順番など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

老企第55号と保医発0327第10号で、計画書・記録書・管理者の確認の決まりを確かめる

計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書や管理者の側に書かれていることがあります。排尿障害のある方で関わりの深いものを、手元の通知の原文から並べました。

確かめる点 通知の原文 排尿障害のある方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 指示書のカテーテルの管理や導尿についての留意事項と、ご本人の「おむつは嫌だ」「夜は眠りたい」という希望の両方が計画書に入っているか 希望を聞き取った日:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 介護支援専門員のケアプランの排泄の目標と、訪問介護・通所の排泄の介助の内容、ポータブルトイレなどの福祉用具を、計画書とそろえる ケアプランの受け取り日:(    )
欄の名前の変更(介護保険) 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「排尿障害」「尿失禁」の名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す 様式の改訂日:(    )
作成者の欄(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 理学療法士等がトイレ動作の練習に関わる方では、両方の作成者を記入する 作成者の記名の手順:(    )
記録書Ⅰに書く項目 保医発0327第10号 第一の2(3)②「緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 泌尿器科の医療機関と主治医が別の方では両方の連絡先を、衛生材料の受け取り先と、カテーテルが抜けたときに連絡する先を残しておく 連絡先の確認日:(    )
記録書Ⅱに書く項目 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること 尿の色・におい・濁りの様子、ご家族がつけている排尿の記録から写した内容、カテーテルの固定と皮膚の様子、陰部と臀部の皮膚の様子を書く場所と順番を事業所で決めておく 排尿の様子を書く欄:(    )
評価と見直し 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 評価の根拠になる事実(夜に起きた回数、トイレで出せた回数、漏れた回数と場面、自己導尿の手順のうち一人でできた部分)を、訪問のたびに同じ順番で書く 記録の順番:(    )
管理者の確認 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 カテーテルの留置・抜去や導尿の指示が変わったときに、計画書・衛生材料の欄・ご家族に渡した手順の紙が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

指示書・処方・医療機関の指導から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)

排尿障害のある方の計画書で崩れやすいのは、導尿の回数やカテーテルの交換の予定、連絡の目安が指示書や退院時の書類の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。逆に、記憶や前の計画書、別の利用者の例から数値を書き写すと、指示が変わったときに食い違いが残ります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。

元の書類に書かれていること 写す先の欄 計画書の書き方の型 貴事業所の記入欄
指示書の主たる傷病名と留意事項 目標・備考 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、排尿の困りごとがあっても自宅での暮らしを続けられることを目標の柱にする」 指示書の日付:(    )
膀胱留置カテーテルの種類・サイズ・固定の方法 処置の内容・衛生材料等・T-P 「膀胱留置カテーテルは指示書に記載の種類とサイズ(指示書の内容)とし、固定の方法は医療機関から受けた指導のとおりとする」 指導を受けた日と医療機関:(    )
カテーテルと蓄尿バッグの交換の予定と、交換する人 T-P・備考・年月日 「カテーテルと蓄尿バッグの交換は指示書に記載の予定(指示書の内容)のとおりとし、交換した日を記録書Ⅱと管理表に書く」 交換の管理表:(    )
導尿(自己導尿・ご家族による導尿・看護師による導尿)の回数と時刻の目安 T-P・E-P 「導尿は指示書に記載の回数と時刻(指示書の内容)に沿い、ご本人の生活の流れの中で行える時刻を一緒に決める」 手順の紙の版:(    )
導尿に使う物品(カテーテルの種類・潤滑剤・消毒の物品) 衛生材料等・必要量 「導尿の物品は処方と指示書のとおり(指示書の内容)とし、1か月の必要量を衛生材料の欄に写す」 物品の受け取り先:(    )
水分のとり方についての指示(心不全などを併せ持つ方の制限を含む) O-P・E-P 「水分のとり方は指示書(指示書の内容)に沿い、ご本人とご家族が一日の流れの中で分けてとれる形を一緒に考える」 併存症の主治医:(    )
排尿に関わる薬・便秘の薬の処方と使い方 O-P・E-P 「排尿と排便に関わる薬は処方のとおりとし、飲み忘れの有無と、飲み始めてからの様子を聞き取る」 お薬手帳の確認日:(    )
主治医へ連絡する目安(尿が出ない、カテーテルが抜けた、発熱など) O-P・E-P・備考 「指示書に記載の連絡の目安(指示書の内容)にあたる様子があれば、当ステーションから主治医へ報告する。ご家族には連絡の順番を紙にして渡す」 報告の手段と時間帯:(    )
トイレ動作・移動についての指示(理学療法士等への指示を含む) T-P・訪問予定の職種 「トイレまでの移動と立ち座りの練習は指示書(指示書の内容)と理学療法士等の評価に沿い、ご本人が一人のときにもできる形にして渡す」 練習の紙の版:(    )
退院時の情報(入院中の排尿の方法、カテーテルの留置の理由、退院時の指導の内容) 課題・備考 「退院時の情報(書類の内容)を課題の根拠として書き、病院で受けた指導と自宅での方法の違いをご家族と確かめる」 退院時の書類の保管:(    )
指示の期間・特別訪問看護指示書の期間 年月日・管理表 「訪問看護指示書の指示期間(指示書の期間)と、特別訪問看護指示書が出た期間を、計画書の見直し日と並べて管理する」 期限の管理表:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

看護問題の立て方|「排尿障害」「尿失禁」の名前を、在宅の療養上の課題の文に直す(12例)

「排尿障害の看護問題」として、病棟や看護学生の看護過程では「排尿障害」「機能性尿失禁」「尿閉」「感染リスク状態」のような名前をつけた問題を立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前をつけるよりも、暮らしのどの場面で、何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。また、尿失禁の種類の名前は医師の見立てにも関わるため、看護師が見た事実と、ご本人・ご家族の言葉で書く形にしています。

病棟・学生でよく使う表現 在宅の計画書の課題欄の文 根拠として添える事実
「排尿障害」 尿が出るまでに時間がかかり、出し切れない感じが続くため、トイレに座っている時間が長くなっている ご本人の「出たあとも残っている感じがする」、トイレにいた時間、排尿の記録(記録した内容)
「機能性尿失禁」 居間からトイレまでの移動とズボンの上げ下ろしに時間がかかり、トイレに着く前に漏れることがある 居間からトイレまでの動作の様子、漏れた場所と時間帯、ご家族の話
「切迫性尿失禁」 急に尿意が強くなってトイレまで間に合わないことがあり、外出を控えている ご本人の「急に行きたくなる」、間に合わなかった場面と回数、外出の回数の変化
「腹圧性尿失禁」 咳やくしゃみ、立ち上がりのときに少し漏れることがあり、パッドを何枚も重ねている 漏れる場面、パッドの枚数と替える回数、ご本人の「恥ずかしい」
「夜間頻尿」 夜に何度もトイレに起き、暗い廊下を歩くときにふらつくことがある 排尿の記録の夜の回数、起きた時刻、廊下の灯りと手すり、ふらついた日
「尿閉」 膀胱留置カテーテルが入ったまま退院し、自宅でのカテーテルの扱いにご本人もご家族も慣れていない 退院時の情報、カテーテルを留置した経過(医療機関の情報)、ご家族の「管を引っ張ってしまいそう」
「感染リスク状態」 膀胱留置カテーテルを長く使っており、尿の色やにおいの変化にご家族が気づきにくい 尿の色・におい・濁りの様子(記録した内容)、過去の発熱の経過、ご家族が見ている時間帯
「知識不足(自己導尿)」 自己導尿を始めたばかりで、手順の途中で迷うことがあり、外出先で行うことに不安が強い 訪問時に一緒に行った手順のうち一人でできた部分、ご本人の「外ではできない」
「皮膚統合性障害リスク状態」 おむつの中で尿にふれている時間が長く、臀部と陰部に赤みが出ている 赤みの場所と範囲、おむつを替える時刻と回数、おむつとパッドの組み合わせ
「自尊感情の低下」 尿の漏れを家族に知られたくない思いから、汚れた下着を隠すことがある ご家族の話、ご本人の言葉、下着の置き場所の様子
「便秘」 便が出にくく、いきむ時間が長い日に、尿の出にくさも強くなるとご本人が話している 排便の間隔と性状、排便と排尿の様子の記録、ご本人の言葉
「介護者役割緊張」 夜のおむつ交換とトイレの付き添いで、同居の娘が続けて眠れず疲れを訴えている 娘が起きる回数と時刻、娘の仕事と通院の様子、「夜がつらい」等の言葉

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

場面別|排尿障害の看護目標の記載例(12の場面・長期と短期あわせて24例)

排尿障害のある方の目標は、「排尿コントロールができる」「尿路感染を起こさない」「カテーテルの管理ができる」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「できていたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。下の表では、在宅でよく出会う12の場面について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。場面の区切りは、看護師がふだん見ている様子によるもので、原因や種類の見立ては主治医の判断によります。

場面 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
膀胱留置カテーテルが入ったまま退院したばかりの方 カテーテルを使いながら、退院前の暮らしの場面を一つずつ取り戻せる 蓄尿バッグの尿を捨てる手順と、バッグを持って歩くときの扱いを、ご本人かご家族が一人でできる 訪問時に一人で行えた手順、ご家族の言葉、カテーテルの固定の様子
膀胱留置カテーテルを長く使っている方 カテーテルのトラブルで暮らしが止まらずに、通所や外出を続けられる 尿の色・におい・濁りの見方を覚え、いつもと違うときにその日のうちに当ステーションへ連絡できる ご家族の記録の残り方、連絡の有無と内容、通所に行けた回数
自己導尿を始めたばかりの方 自己導尿を暮らしの一部として続け、行きたい場所へ出かけられる 自宅のトイレで、手洗いから片付けまでの手順を一人で通して行える 手順のうち一人でできた部分、迷った手順、ご本人の言葉
ご家族が導尿を行っている方 ご家族が無理なく導尿を続けられ、ご本人とご家族が自宅での暮らしを続けられる ご家族が指示書に記載の時刻に合わせて、手順の紙を見ながら導尿を行える ご家族が行えた手順、ご家族の体調と負担の言葉、記録の残り方
急に尿意が強くなり、トイレまで間に合わないことがある方 漏れの心配を小さくして、外出や人との集まりを楽しめる トイレに行く時刻の目安を排尿の記録から一緒に決め、日中に間に合わなかった回数が記録に残る 排尿の記録の漏れた回数と時間帯、外出の回数、ご本人の言葉
咳やくしゃみ、立ち上がりのときに少し漏れる方 漏れを気にせずに、通所の体操や買い物を続けられる 主治医の指示に沿った骨盤まわりの体操の方法を覚え、自分に合うパッドを選べる 体操を行えた日、パッドの枚数の変化、ご本人の言葉
トイレまでの移動や衣服の上げ下ろしに時間がかかり、間に合わない方 自分の足でトイレに行き、排泄を自分で済ませる暮らしを続けられる ズボンを上げ下ろししやすい服に替え、居間からトイレまでを手すりを使って移動できる 移動にかかった時間の目安、間に合った回数、服の替え方
夜に何度もトイレに起き、転倒が心配な方 夜に休めて、昼間は起きて過ごす一日の流れを保てる 夜のトイレまでの灯りと手すりを整え、ポータブルトイレか尿器を使うかをご本人と決められる 夜に起きた回数(排尿の記録)、ふらつきや転倒の有無、朝の様子
尿が出にくく、出し切れない感じが続く方 排尿の困りごとを主治医と共有しながら、落ち着いて毎日を過ごせる 排尿の記録を1週間つけ、出にくさや出し切れない感じがある時間帯を主治医に伝えられる 記録の残り方、ご本人の言葉、主治医への報告の内容
おむつを使っていて、臀部や陰部に赤みが出ている方 皮膚のトラブルを起こさずに、気持ちよく過ごせる ご家族がおむつとパッドを当てる位置と替える時刻を覚え、赤みの範囲が広がらない 赤みの場所と範囲、おむつを替えた時刻、ご家族の手技の様子
認知症があり、トイレの場所や使い方が分からなくなることがある方 住み慣れた家で、できる限りトイレで排泄を続けられる トイレの扉に目印をつけ、ご家族が声をかける時刻を排尿の記録から決められる トイレで出せた回数、声かけの時刻と反応、ご家族の言葉
体力が落ち、これからのことを話し始めた方(終末期に近い時期) 排泄の苦痛と気がかりを小さくして、望む場所で家族と穏やかに過ごせる 排泄の方法(トイレ・ポータブルトイレ・おむつ・カテーテル)について、ご本人の希望を主治医・ご家族と話し合える ご本人の言葉、排泄にかかる負担の様子、ご家族の気持ち

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉から目標欄の文をつくる(「おむつだけは嫌」「夜くらい寝たい」等8例)

老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。排尿の困りごとは、ご本人が恥ずかしさから話しにくく、短い言葉や遠回しな言い方でしか出てこないことがよくあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。ご本人とご家族の言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。

聞き取った言葉 目標欄の文 課題欄につなぐ視点
ご本人「おむつだけは嫌だ」 自分でトイレに行く暮らしを、できる限り長く続けられる トイレまでの動作、間に合わない場面、パッドなど、おむつ以外の方法の工夫
ご本人「管が入っているから、もう出かけられない」 カテーテルを使いながら、行きたい場所へ出かける楽しみを取り戻せる 外出したい場所、蓄尿バッグの持ち運びと隠し方、外出先での尿の捨て方
ご本人「外のトイレで導尿なんてできない」 外出先でも落ち着いて自己導尿を行い、出かける回数を増やせる 自宅での手順の習熟、外出先で使えるトイレ、持ち歩く物品のまとめ方
ご本人「夜くらいゆっくり寝たい」 夜に休めて、昼間を元気に過ごせる 夜に起きる回数と時刻、寝る前の過ごし方、夜のトイレまでの安全
ご本人「漏れるのが怖くて、デイに行きたくない」 漏れの心配を小さくして、通所での楽しみを続けられる 通所での排泄の介助の内容、パッドの選び方、通所の職員との情報の共有
娘「夜中に何度も起こされて、仕事に響く」 娘が夜に休めて、親子で自宅での暮らしを続けられる 夜の付き添いの回数、尿器やポータブルトイレの使い方、ショートステイの利用
夫「管を抜いてしまわないか心配で目が離せない」 夫が安心して見守りを続けられ、夫婦で穏やかに暮らせる カテーテルを気にする様子が出る時間帯、固定の工夫(医療機関の指導のとおり)、抜けたときの連絡の順番
ご本人「家族に下の世話はさせたくない」 ご本人の気持ちを大切にしながら、無理のない排泄の方法を家族と一緒に選べる ご本人が自分でできる部分、訪問介護など家族以外の手の借り方、ご家族の気持ち

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

療養上の課題・支援内容|排尿障害のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅の排尿障害のある方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病棟の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。尿量・水分の量・導尿の回数・薬・連絡の目安は、すべて指示書と処方のとおりとする書き方です。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
膀胱留置カテーテルが入ったまま退院し、自宅での扱いに慣れていない カテーテルの固定の位置と皮膚の様子、蓄尿バッグの置き場所、チューブのねじれや折れ曲がり、尿の色・におい・濁り、ご家族が尿を捨てる手順を見る 固定とバッグの扱いを医療機関から受けた指導のとおりに一緒に行い、手順を大きな字で書いた紙をトイレと寝室に貼る ご本人とご家族に、尿を捨てる手順と、寝るとき・歩くときのバッグの置き方を伝え、困ったときの連絡先を紙にして渡す
カテーテルを長く使っており、尿の変化にご家族が気づきにくい 尿の色・におい・濁り・浮遊物の様子、発熱、下腹部の張りや痛み、カテーテルのまわりからの漏れ、ふだんと違う様子を、訪問のたびに同じ順番で見る カテーテルの交換の予定を指示書に記載のとおり管理し、交換した日を管理表と記録書Ⅱに書く。陰部の清潔を保つケアを行う ご家族に、尿の色の見方と書きとめ方を伝え、指示書に記載の連絡の目安にあたる様子があれば当ステーションへ連絡することを紙にして渡す
自己導尿を始めたばかりで、手順の途中で迷うことがある 手洗い・物品の準備・姿勢・カテーテルの挿入から片付けまでの手順のうち、一人でできる部分と迷う部分、手の動きと見えにくさを見る 医療機関で受けた指導のとおりの手順を、ご本人の動作を見ながら一緒に確かめ、迷う手順だけを書き出した紙を作る 導尿の時刻は指示書に記載のとおりであることを伝え、手順で困ったときと、尿の様子がいつもと違うときの相談先を伝える
ご家族が導尿を行っており、負担と手技の不安がある ご家族が行う手順、物品の扱い、ご家族の体調と睡眠、導尿の時刻に合わせた暮らしの様子、ご家族の言葉を見る ご家族の手技を一緒に確かめ、手順の紙を見ながら行える形に整える。ご家族が行えない時刻の対応を主治医・介護支援専門員と相談する ご家族に、困ったときに連絡してよい時間帯と先を伝え、休むことも介護を続けるために必要なことだと伝える
急に尿意が強くなってトイレまで間に合わず、外出を控えている 排尿の記録の回数と時間帯、漏れた場面、水分のとり方、外出の回数、ご本人の言葉を見る 排尿の記録から、トイレに行く時刻の目安をご本人と一緒に決める。パッドの種類と当て方を一緒に選ぶ 漏れることは恥ずかしいことではなく相談してよいことだと伝え、記録を主治医に見せる方法を伝える。薬は処方のとおりとし、気になることは主治医に相談するよう伝える
咳やくしゃみ、立ち上がりのときに少し漏れ、パッドを重ねている 漏れる場面、パッドの枚数と替える回数、皮膚の様子、便秘の有無、ご本人の言葉を見る 主治医の指示に沿った骨盤まわりの体操を一緒に行い、ご本人が一人で続けられる形にして渡す。パッドの選び方を見直す 体操の続け方と、パッドを重ねると皮膚がむれやすいことを伝える
トイレまでの移動と衣服の上げ下ろしに時間がかかり、間に合わないことがある 居間・寝室からトイレまでの動線、立ち上がりと歩く様子、ズボンの上げ下ろしの動作、手すりの位置を見る 立ち座りと衣服の上げ下ろしの練習を理学療法士等の評価に沿って行い、動線の物を片付ける。手すりや福祉用具の必要を介護支援専門員と相談する 上げ下ろししやすい服の選び方と、早めにトイレに向かう声のかけ方をご本人とご家族に伝える
夜に何度もトイレに起き、暗い廊下でふらつくことがある 夜に起きた回数と時刻(排尿の記録)、寝る前の水分のとり方、廊下の灯りと手すり、ふらつきや転倒の有無、昼寝の時間を見る 夜の灯りと動線を整え、ポータブルトイレか尿器を使うかをご本人と一緒に試す。水分のとり方は指示書に沿って一日の中での分け方を考える 夜に起きたときの過ごし方と、ふらついたときの連絡の方法を伝える。夜の回数の記録を主治医に伝えることを伝える
尿が出にくく、出し切れない感じが続いている 排尿にかかる時間、出し切れない感じの訴え、下腹部の張り、尿の色、排便の様子、飲んでいる薬を聞き取る 排尿の記録のつけ方を一緒に決め、記録をもとに主治医へ様子を報告する。トイレで落ち着いて座れる姿勢を整える 尿が出ないときや下腹部が強く張るときの連絡は、指示書に記載の目安のとおりであることを紙にして伝える
おむつの中で尿にふれている時間が長く、臀部と陰部に赤みが出ている 赤みの場所と範囲、おむつとパッドの組み合わせと当て方、替える時刻、陰部の洗い方、ご家族の手技を見る 陰部と臀部の洗い方と保湿をご家族と一緒に行い、おむつとパッドの当て方と組み合わせを見直す。皮膚の手当ては主治医の指示のとおりとする ご家族に、替える時刻の目安を排尿の記録から決める方法と、赤みが広がったときの連絡先を伝える
漏れを家族に知られたくない思いから、汚れた下着を隠すことがある 下着の置き場所の様子、ご本人の言葉と表情、ご家族の受け止め方、パッドの使い方を見る ご本人と二人で話す時間をとり、ご本人が自分で始末できる方法(パッド・下着入れ・洗う場所)を一緒に決める ご家族に、責める言葉を避けた声のかけ方と、気づいたときの片付け方を伝える
夜のおむつ交換とトイレの付き添いで、主な介護者の疲れがたまっている 介護者の睡眠と起きる回数、仕事や通院の様子、「夜がつらい」などの言葉、夜の排泄の方法を見る 夜の排泄の方法(尿器・ポータブルトイレ・パッドの選び方)を介護者と見直し、ショートステイや訪問介護の利用を介護支援専門員と相談する 介護者に、休むことは介護を続けるために必要なことだと伝え、困ったときの相談先を紙にして渡す

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

排尿の方法別のO-P・T-P・E-P|留置カテーテル・自己導尿・ご家族の導尿・おむつ・尿失禁・頻尿・尿が出にくい・外出の日(10場面)

同じ方でも、排尿の方法や一日の場面が変われば、見ることと伝えることが変わります。下の表は、訪問看護の計画書で場面ごとに書き分けるときの型です。カテーテルの留置や抜去、導尿を始めるか続けるか、受診や入院の判断は、この表では決めず、指示書に記載の内容と主治医の判断に沿う形にしています。

場面 O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
膀胱留置カテーテル・退院から最初の2週間 固定の位置と皮膚、蓄尿バッグの位置、チューブの通り道、尿の色・におい、ご家族の手技と不安の言葉 固定とバッグの扱いを医療機関の指導のとおりに一緒に行い、ベッドまわりのチューブの通り道を整える 尿を捨てる手順と、連絡の順番を書いた紙を渡し、最初の1週間は気になることを書きとめてもらう
膀胱留置カテーテル・長く使っている時期 尿の色・におい・濁り、カテーテルのまわりからの漏れ、下腹部の張り、交換の予定との照らし合わせ 交換の予定を指示書に記載のとおり管理し、陰部の清潔のケアを行う。交換した日を管理表に書く いつもと違う様子の書きとめ方と、指示書に記載の連絡の目安を、ご家族と見直す
自己導尿・始めたばかりの時期 手順のうち一人でできる部分と迷う部分、指先の動き、見えにくさ、ご本人の不安の言葉 医療機関の指導のとおりの手順を一緒に通して行い、迷う手順だけを紙に書き出す 導尿の時刻は指示書に記載のとおりであることと、手順で困ったときの相談先を伝える
ご家族による導尿 ご家族の手順と物品の扱い、ご家族の体調と睡眠、導尿の時刻に合わせた暮らしの様子 ご家族の手技を一緒に確かめ、手順の紙を見ながら行える形に整える ご家族が行えない日の対応と、連絡してよい時間帯を伝える
おむつ・パッドを使っている おむつとパッドの組み合わせ、当てる位置、替える時刻、陰部と臀部の皮膚、尿の色 陰部の洗い方と保湿、おむつとパッドの当て方をご家族と一緒に行い、組み合わせを見直す 替える時刻の目安を排尿の記録から決める方法と、皮膚の赤みが広がったときの連絡先を伝える
トイレまで間に合わずに漏れる 漏れた時間帯と場面、トイレまでの動作、衣服、排尿の記録 トイレに行く時刻の目安を一緒に決め、動線と衣服を見直す。トイレ動作の練習は理学療法士等の評価に沿う 早めにトイレに向かう声のかけ方を、ご家族と訪問介護に伝える
咳・くしゃみ・立ち上がりで漏れる 漏れる場面、パッドの枚数、便秘の有無、体操の続き具合 主治医の指示に沿った骨盤まわりの体操を一緒に行い、続けられる形にして渡す 体操の続け方とパッドの選び方を伝える
夜に何度もトイレに起きる 夜に起きた回数と時刻、寝る前の過ごし方、夜のトイレまでの灯りと手すり、ふらつき 夜の灯りと動線を整え、ポータブルトイレか尿器の使い方をご本人と試す 夜の回数を記録して主治医に伝えることと、ふらついたときの連絡の方法を伝える
尿が出にくい・出し切れない感じがある 排尿にかかる時間、出し切れない感じ、下腹部の張り、尿の色、排便の様子、飲んでいる薬 排尿の記録をもとに主治医へ様子を報告し、トイレで落ち着いて座れる姿勢を整える 尿が出ないとき・下腹部が強く張るときの連絡は、指示書に記載の目安のとおりであることを伝える
通所・外出の日 外出先でのトイレの使い方、蓄尿バッグや導尿の物品の持ち運び、通所での排泄の介助の内容 外出用の物品をひとまとめにする方法を一緒に決め、バッグを服の下に収める工夫を試す 通所の職員に、カテーテルや導尿で気をつけることを、ご本人の同意のもとで同じ紙で伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

膀胱留置カテーテルの扱いを支援内容に書く例(固定・バッグ・入浴・外出・夜間・抜けたとき・漏れ・交換の8例)

膀胱留置カテーテルのある方の計画書では、体の観察と同じくらい、暮らしの中でのカテーテルとバッグの扱いが課題になります。カテーテルの交換や抜去は主治医の指示によるものですが、訪問看護は家の中の様子を定期的に見る立場にあります。計画書には、訪問のときに何を見て、誰に何を伝えるかを書きます。固定の方法、バッグの位置、入浴のときの扱いは、医療機関から受けた指導のとおりとしています。

場面 支援内容の欄に書く文 ご家族・訪問介護への伝え方
固定 カテーテルの固定の位置と固定したところの皮膚の様子を訪問のたびに確かめ、固定は医療機関から受けた指導のとおりに貼り替える 固定がはがれかけているときに連絡してもらうよう、固定の位置を図にした紙を渡す
蓄尿バッグの位置 ベッド・車いす・トイレのそれぞれで、蓄尿バッグを医療機関から受けた指導のとおりの位置に置けているかを確かめる ベッドまわりのバッグを掛ける場所に印をつけ、訪問介護の職員にも同じ場所を伝える
尿を捨てる ご家族が尿を捨てる手順と、捨てた時刻と尿の様子を書きとめる方法を一緒に確かめる 尿を捨てた時刻と色を書く欄のある紙をトイレに置く。訪問介護に頼めることは介護支援専門員と事業所で確かめる
入浴 入浴のときのカテーテルとバッグの扱いは医療機関から受けた指導のとおりとし、入浴後の固定の貼り替えと皮膚の様子を確かめる 通所や訪問入浴の職員に、入浴のときの扱いを同じ紙で伝える
外出 外出のときのバッグの持ち方と、服の下に収める方法をご本人と一緒に試し、外出先で尿を捨てる手順を確かめる 外出用の物品をひとまとめにして玄関に置く場所を決める
夜間 寝返りでチューブが引っ張られたり体の下に敷かれたりしていないかを、寝る姿勢と一緒に確かめる 夜にチューブが引っ張られていたときの直し方と、直せないときの連絡先を伝える
抜けた・抜けかけた カテーテルが抜けたときや抜けかけたときの対応は指示書に記載のとおりとし、連絡の順番を備考に書く。抜こうとする様子があるときの対応は主治医・介護支援専門員と話し合って決める 抜けたときは自分で入れ直さずに連絡することと、連絡の順番を紙にして電話のそばに貼る
漏れる・尿が出ていない カテーテルのまわりからの漏れ、バッグに尿がたまっていない様子、下腹部の張りを確かめ、指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告する バッグに尿がたまっていないと気づいたときに見るところ(チューブの折れ・ねじれ)と、連絡の順番を伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

いつもと違う様子をご家族と共有する書き方(尿の色・におい・発熱・出ない等8項目)

排尿の変化は、看護師がいない夜や週末に始まることがあります。計画書のE-Pに「異常時は連絡するよう指導」とだけ書くと、ご家族は何を見ればよいのかが分かりません。下の表は、ご家族が書きとめる形と、計画書の書き方を並べたものです。連絡や受診の目安そのものは、すべて指示書に記載のとおりとしています。

いつもと違う様子 ご家族が書きとめる形 計画書の書き方
尿の色が濃い・赤っぽい 気づいた日時と色(「いつもより濃い」「赤っぽい」)、そのときの体調 「尿の色の変化をご家族が書きとめ、指示書に記載の連絡の目安にあたる場合は当ステーションへ連絡する」
尿のにおいが強い・濁っている 気づいた日時、においと濁りの様子、浮いている物の有無 「尿のにおいと濁りを訪問時に確かめ、ご家族の記録と合わせて主治医への報告に用いる」
熱っぽい・寒気がある 測った時刻と体温(記録した値)、寒気やふるえの有無 「発熱や寒気があるときの連絡は指示書に記載の目安のとおりとし、測った値をご家族が書きとめる」
尿が出ない・バッグにたまらない 最後に尿が出た(捨てた)時刻、チューブの折れ・ねじれの有無、下腹部の張り 「尿が出ないときに見るところと連絡の順番を紙にしてご家族に渡し、指示書に記載の目安にあたる場合はすぐ連絡を受ける」
下腹部が張る・痛がる 気づいた日時、痛がる場所と様子、ご本人の言葉 「下腹部の張りや痛みの訴えを訪問時に確かめ、指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告する」
カテーテルのまわりから漏れる 気づいた日時、漏れた量の目安(パッドが濡れた程度)、カテーテルの位置 「カテーテルのまわりからの漏れをご家族が書きとめ、訪問時に固定とカテーテルの様子を確かめて主治医へ報告する」
急に漏れることが増えた・トイレの回数が急に増えた 増えた日と回数、そのときの尿の様子、体調 「排尿の回数や漏れの急な変化を排尿の記録で確かめ、指示書に記載の連絡の目安にあたる場合は主治医へ報告する」
ぼんやりしている・いつもと話が違う 気づいた日時、いつもとの違い(返事が遅い、つじつまが合わない)、食事と水分の様子 「ふだんの様子との違いをご家族が書きとめ、指示書に記載の連絡の目安にあたる場合は当ステーションへ連絡する」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご家族・訪問介護・通所・福祉用具・介護支援専門員と分担するときの支援内容の記載例(10例)

排尿の困りごとのある方の暮らしは、訪問看護の時間よりも、看護師がいない時間の過ごし方で大きく変わります。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。他の事業所や別居のご家族に様子を伝えるときは、ご本人の同意と、事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。排泄の話はご本人が特に知られたくないと感じやすいため、伝える相手と中身をご本人と確かめてから書いています。

担い手 計画書の支援内容に書く文 伝え先と記録先
ご本人 トイレに行った時刻と漏れた時刻を、トイレに置いた紙に印で書きとめる 訪問時に看護師が確かめ、記録書Ⅱに写す
同居のご家族 蓄尿バッグの尿を捨てた時刻と色を書きとめ、いつもと違う様子があれば当ステーションへ連絡する トイレの記録の紙・当ステーションへの電話
別居のご家族 週末の訪問のときに衛生材料とパッドの残りを確かめ、少なくなっていれば同居のご家族に伝える 同居のご家族・連絡ノート
訪問介護 排泄の介助のときに、おむつやパッドの汚れ方と臀部の皮膚の赤みを見て、気づいたことを連絡帳に書く 連絡帳・サービス提供責任者から当ステーションへ
訪問介護 トイレへの移動の介助では、看護師と理学療法士等が決めた手すりの使い方と声のかけ方で行う 連絡帳・サービス担当者会議
通所介護・通所リハビリ 通所での排泄の時刻と様子、カテーテルや導尿で気づいたことを連絡帳に書く 連絡帳・通所の看護職員から当ステーションへ
福祉用具の事業所 ポータブルトイレ・手すり・尿器の使い勝手を、ご本人の動作に合わせて確かめる 介護支援専門員を通じて当ステーションへ
薬局 排尿と排便に関わる薬の飲み方と残りの数を確かめる お薬手帳・当ステーションへの連絡
泌尿器科の医療機関 カテーテルの交換や受診のときの様子を、ご本人・ご家族を通じて当ステーションへ伝えてもらう 受診の記録・主治医への報告書
介護支援専門員 排泄の方法の変化と介護者の負担を、短期目標の期間に合わせて共有し、サービスの見直しの相談に用いる サービス担当者会議の記録・照会への回答

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

悪い例と良い例|排尿障害のある方の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、数値を記憶や前の計画書から書き写した文や、看護師の印象だけで終わる言葉、ご本人を責めるように読める言葉が多く入っています。良い例に入れた尿量・水分の量・導尿の回数・交換の予定・薬・連絡の目安は、すべて「指示書に記載の」「処方のとおり」の形にしています。悪い例の中の「〇〇」は、記憶から数値を書き入れていた箇所です。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「排尿コントロールができる」 夜に休めて、昼間は通所での体操と仲間との会話を楽しめる 看護の目的の言葉ではなく、ご本人が続けたい暮らしを主語にした
目標 「尿路感染を起こさない」 尿の色やにおいの変化にご家族と一緒に早めに気づき、カテーテルを使いながら自宅での暮らしを続けられる 起きないことを約束する形から、気づいて動ける形にした
目標 「残尿量を〇〇mL以下に保つ」 出し切れない感じがある時間帯を排尿の記録で主治医に伝え、落ち着いて毎日を過ごせる 記憶の数値を目標に入れず、記録と主治医への報告の形にした
目標 「自己導尿の手技を獲得する」 自宅のトイレで、手洗いから片付けまでの自己導尿の手順を一人で通して行える 「獲得」を、評価のときに確かめられる場面と範囲に直した
目標 「おむつを外す」 日中は居間からトイレまで手すりを使って歩き、トイレで排尿できる回数を増やせる ご本人に合わない約束を避け、日中の場面に絞った
課題 「排尿障害あり」 尿が出るまでに時間がかかり、出し切れない感じが続くため、トイレに座っている時間が長くなっている 名前だけの課題を、場面と根拠の入った一文にした
課題 「機能性尿失禁」 居間からトイレまでの移動とズボンの上げ下ろしに時間がかかり、トイレに着く前に漏れることがある 種類の名前ではなく、看護師が見た動作と漏れた場面で書いた
課題 「失禁が多く、介護負担大」 夜のおむつ交換とトイレの付き添いで、同居の娘が続けて眠れず疲れを訴えている ご本人を負担の原因に見せる書き方を避け、介護者の様子の事実で書いた
O-P 「尿量・尿性状の観察」 尿の色・におい・濁りの様子と、ご家族がつけている排尿の記録の内容を、訪問のたびに同じ順番で確かめる 何を、どこから、どの順番で見るかを書いた
O-P 「一日尿量〇〇mL以上あるか確認」 尿量の確かめ方と連絡の目安は指示書に記載のとおりとし、ご家族の記録(記録した内容)と照らして主治医へ報告する 記憶の数値を消し、指示書から写す形にした
O-P 「皮膚トラブルの有無」 臀部と陰部の赤みの場所と範囲、おむつとパッドの当て方、替える時刻を確かめる 有無だけでなく、場所と範囲と原因になりうる場面を書いた
T-P 「カテーテル管理」 固定の位置と皮膚の様子を確かめ、固定は医療機関から受けた指導のとおりに貼り替える。交換は指示書に記載の予定のとおりとし、交換した日を管理表に書く 一語で済ませず、訪問の中ですることと出どころを書いた
T-P 「カテーテルは〇週ごとに交換」 カテーテルと蓄尿バッグの交換は指示書に記載の予定(指示書の内容)のとおりとする 記憶の間隔を書かず、指示書の内容を写す形にした
T-P 「水分〇〇mL摂取を促す」 水分のとり方は指示書に記載の内容に沿い、ご本人が一日の中で分けてとれる時刻を一緒に決める 記憶の量を消し、併存症の制限にも合う出どころを示した
T-P 「排尿誘導」 排尿の記録から決めた時刻に、ご家族と訪問介護がトイレへの声かけを行う。時刻は記録をもとに2週間ごとに見直す 誰が、いつ、何をもとに行うかを書いた
E-P 「異常時は連絡するよう指導」 尿が出ない、尿の色が赤っぽい、熱っぽいなど、いつもと違う様子に気づいたときの連絡の順番を紙にして渡し、連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える 何を見て、どこへ連絡するかが分かる形にした
E-P 「失敗しないよう指導」 漏れることは恥ずかしいことではなく相談してよいことだと伝え、困ったときに話せる相手と時間をご本人と決める ご本人を責める言い方を避け、相談しやすくする説明にした
E-P 「家族に自己導尿の介助を指導」 ご家族が導尿を手伝う場面(物品の準備・姿勢の保持)を一緒に確かめ、手順の紙を見ながら行える形に整える どの場面を、どの道具で伝えるかを書いた
評価 「排尿良好」 夜に起きる回数は排尿の記録で月の前半より減った。日中はトイレで排尿できており、漏れたのは記録上3回で、いずれも外出から帰った直後だった。外出前にトイレに寄る時刻を次の計画で決める 記録の事実と、次の計画で変えることまで書いた
評価 「特記なし、継続」 蓄尿バッグの尿を捨てる手順と色の書きとめは、妻が一人で行えている。カテーテルのまわりからの漏れはこの1か月は記録に無い。外出のときのバッグの持ち方は未だ練習中のため、目標を続ける できたこととできていないことを分け、続ける理由を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

評価から報告書・ケアプランへ|排尿障害のある方の評価文と報告書の欄別記載例

保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。排尿障害のある方の評価は、漏れが減ったかどうかだけでなく、ご本人が続けられている暮らしの場面、カテーテルや導尿を扱えるようになった程度、ご家族の負担と安心の変化を書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。

評価の結論 評価欄の記載例 次の計画で変える欄
目標を達成した(留置カテーテル・退院直後) 退院から1か月で、妻が蓄尿バッグの尿を捨てる手順と固定のはがれの確かめを一人で行えるようになった。ご本人は「管があっても散歩に出られた」と話している 目標を、外出のときのバッグの扱いに進める
一部達成した(自己導尿) 自宅での自己導尿は手洗いから片付けまで一人で通して行えている。外出先では一度も行っておらず、ご本人は「外のトイレは狭くて不安」と話す T-Pに外出先のトイレを想定した練習を加え、短期目標を外出先での実施に置き直す
一部達成した(間に合わない漏れ) 排尿の記録から決めた時刻にトイレへ行く流れは日中に定着し、日中に間に合わなかったのは記録上2回だった。夜は記録が途切れており、様子が分からない 夜の記録の方法をご家族と見直し、O-Pに夜の様子の聞き取りを加える
達成していない(夜間に何度も起きる) 夜に起きる回数は排尿の記録で変わっていない。廊下の灯りをつけてからはふらつきの訴えは無い。ご本人は「夜中に何度も起きるのがつらい」と話す 記録を主治医へ報告し、指示を受けて計画を見直す。夜の安全の課題は続ける
状態が変わった(尿の変化) 月の半ばに妻から尿の色が濃くにおいが強いと連絡があり、指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告した。主治医の指示により受診し、その後はいつもの様子に戻っている いつもと違う様子の書きとめ方をご家族と振り返り、E-Pに今回の経過を加える
状態が変わった(入院から退院) 尿路の感染による入院から退院し、退院時の情報では排尿の方法に変わりはない。ご本人は入院前より立ち上がりに時間がかかっている 計画書を作り直し、トイレ動作の練習の課題と訪問予定の職種を見直す
一部達成した(おむつと皮膚) おむつとパッドの組み合わせを見直してから、臀部の赤みの範囲は小さくなった。陰部の赤みは残っており、ご家族は洗い方に自信が無いと話す T-Pで陰部の洗い方を続けて一緒に行い、皮膚の手当てについて主治医へ報告する
目標を達成した(咳・くしゃみの漏れ) 骨盤まわりの体操は通所のない日に自宅で続けており、パッドを重ねることは無くなった。ご本人は「デイの体操も気にせずできる」と話す 体操は続け、目標を買い物など外出の場面に広げる
一部達成した(認知症とトイレ) トイレの扉の目印をつけてから、日中はトイレで出せる回数が記録上で増えた。夕方は落ち着かずに廊下を歩き、トイレに入らないことが多い 夕方の声のかけ方と時刻をご家族と訪問介護で見直す
介護者の状況が変わった 夜のおむつ交換を担っていた娘が仕事に復帰し、夜の付き添いが続けられないと話す。ご本人は尿器を使う方法を一度試し、「これなら一人でできる」と話した 夜の排泄の方法と介護者の課題を見直し、介護支援専門員とショートステイの利用を相談する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(排尿障害の記載例7欄)

計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。排尿障害のある方では、診察の場面では見えにくい、家での排尿の様子とカテーテルや導尿の扱い、ご家族の負担を伝えることが、報告書の大きな役割になります。衛生材料を使う処置がある方では、使用量と変更の欄も計画書の衛生材料の欄とつながります。

報告書の欄 記載要領の定め 排尿障害のある方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 日中は居間からトイレまで手すりを使って歩き、トイレで排尿している。夜は排尿の記録で月の前半と同じ程度起きている。尿の色とにおいは訪問時にいつもの様子だった
看護の内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 体調と排尿の様子の確認、カテーテルの固定の貼り替えと皮膚の確認、陰部の清潔のケア、尿を捨てる手順の確認、外出のときのバッグの持ち方の練習を行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 妻が蓄尿バッグの尿を捨て、色を書きとめている。妻は夜にチューブが引っ張られていないか気になって目が覚めると話す。寝室のバッグを掛ける位置を妻と見直した
衛生材料等の使用量および使用状況 ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 計画書の衛生材料の欄に書いた物品について、名称・交換の頻度・その月に使った量を、管理表と記録書Ⅱから写す(値は記録した内容のとおり)
衛生材料等の種類・量の変更 ⑦「衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけること」。変更内容は「処置に係る衛生材料等の種類・サイズ・量の変更が必要な場合に記入すること」 固定のテープで皮膚に赤みが出ているため、固定の材料の種類について、ご指示をいただけますでしょうか(変更の必要性:有)
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 ご本人から、夜中に何度も起きるのがつらいとの話がある。排尿の記録の写しを添えますので、夜の過ごし方についてご指示をいただけますでしょうか
報告書の簡略化 ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ケアプラン・訪問介護・通所との連携で、計画書に書いておくこと(6項目)

介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。排尿障害のある方では、訪問介護や通所の職員が排泄の介助を受け持つ時間が長いため、計画書の内容のうち他のサービスにも伝えておくことをはっきりさせておくと、食い違いが起きにくくなります。

合わせる点 計画書の側で書いておくこと 訪問介護・通所・介護支援専門員に伝えること
目標と期間 ケアプランの短期目標の期間と、計画書の評価の時期をそろえる 評価の結果を、短期目標の期間の終わりに合わせて介護支援専門員へ伝える
トイレへの声かけ 排尿の記録から決めた声かけの時刻と、見直す時期を書く 訪問介護と通所でも同じ時刻と言い方で声をかけるよう伝える
おむつ・パッド おむつとパッドの組み合わせと当て方、皮膚の様子の見方を書く 訪問介護の排泄の介助でも同じ当て方で行い、皮膚の赤みに気づいたら連絡帳に書いてもらう
カテーテル・導尿 カテーテルとバッグの扱い、導尿の時刻(指示書のとおり)、抜けたときの連絡の順番を書く 通所や訪問介護の時間に気をつけることと、訪問介護に頼めることを、介護支援専門員と事業所で確かめる
いつもと違う様子 尿の色・におい・発熱・出ないなどの変化と、指示書に記載の連絡の目安を書く 気づいたときの連絡先を当ステーションにそろえ、連絡帳に書く場所を決める
福祉用具と住まい トイレの手すり、ポータブルトイレ、尿器、夜の灯りの必要を、動作の観察から書く 福祉用具の相談を介護支援専門員に伝え、サービス担当者会議の議題にする

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

運営指導で排尿障害のある方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」と「サービス提供の記録(第19条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、排尿障害のある方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) 排尿障害のある方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、計画書で決めたカテーテルの確認・陰部のケア・手順の練習を行ったことが書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 尿の色・におい、皮膚の様子、排尿の記録から写した内容が、「排尿良好」の一語でなく事実で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの排泄の目標・訪問の頻度と、計画書の目標・訪問の計画が食い違っていないか。通所と訪問介護の排泄の介助の内容が反映されているか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書のカテーテルの管理・導尿・連絡の目安が計画書に写されているか。トイレまでの動線や夜の灯りなど住まいの環境が課題に反映されているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「排尿状態の観察」「カテーテル管理」「異常時の連絡指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が分かるか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご家族に渡した手順の紙の内容が計画書と同じか 確認日:(    )
(第70条)目標の達成状況は記録されているか 評価欄と記録書Ⅱに、夜に起きた回数、トイレで出せた回数、手順のうち一人でできた部分などの事実が書かれているか 確認日:(    )
(第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか カテーテルの留置や抜去、自己導尿の開始、入院と退院、主な介護者の交代の後に、計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第70条)訪問看護報告書は作成されているか 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況・衛生材料の欄がつながっているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・リハ職の訪問・事故の指摘(6件)

排尿障害のある方に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方と、排尿障害のある方の支援で関わりの深い指示書・リハ職の訪問・事故の記録に関わる公表事例です。

自治体 公表されている指摘の内容 排尿障害のある方の計画書で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの排泄の目標との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 指示書の期間の管理、カテーテルや導尿の指示の転記、ご本人の希望の反映
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 カテーテルが入ったままの退院のときに、訪問開始前に計画書があるか
東京都(同) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 指示書のカテーテルの管理・導尿の内容と、計画書の支援内容が食い違っていないか
静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧) 理学療法士等による指定訪問看護について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない トイレ動作の練習で理学療法士等が訪問する方の、説明と同意の記録
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 事故の状況や講じた処置を記録しておらず詳細・対応・再発防止策が不明確、保険者への事故報告を行っていない等 夜のトイレでの転倒や、訪問中のカテーテルのトラブルの記録と、計画書の課題への反映

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

排尿障害のある方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) カテーテルの管理・導尿・連絡の目安・指示期間の出どころ (    ) (    )
処方の内容とお薬手帳の写し 排尿と排便に関わる薬の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 (    ) (    )
退院時の情報・泌尿器科など医療機関からの情報 カテーテルの留置の経過、病院で受けた指導の内容、課題欄の根拠 (    ) (    )
カテーテル・蓄尿バッグの交換と衛生材料の管理表 交換した日と予定、衛生材料の必要量と使用量の出どころ (    ) (    )
排尿の記録(ご本人・ご家族がつけたもの) 課題と評価の根拠、主治医への報告に添える資料 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) 説明した相手と日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
ご家族に渡した手順と連絡の紙(版と日付つき) 計画書と同じ内容を渡したことの確認、指示の変更時の差し替え (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 (    ) (    )
訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) 評価と家での様子、衛生材料の使用量を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )
事故・ヒヤリハットの記録 夜のトイレでの転倒、カテーテルが抜けたなどの状況と処置、計画の見直しのきっかけ (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

排尿障害の看護計画に、尿量や導尿の回数、カテーテルの交換の間隔を数値で書いてもよいですか?

尿量や水分の量、導尿の回数と時刻、カテーテルや蓄尿バッグの交換の予定、主治医へ連絡する目安は、主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の導尿の回数」「指示書に記載の交換の予定」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は指示書から写すと、指示が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で確かめた様子やご家族の排尿の記録は、記録書Ⅱに記録した内容として残します。

病棟の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、排尿障害の書き方で何が違いますか?

病棟の看護計画は、尿量の測定や導尿、おむつ交換を職員が交代で昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。排尿障害のある方では、看護師が帰ったあとのトイレの声かけやカテーテルの扱い、いつもと違う様子に気づいたときの連絡を、ご本人・ご家族・訪問介護・通所がどう受け持つかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。

「機能性尿失禁」などの看護問題の名前は、計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

介護保険の老企第55号では、令和6年の改正で計画書の欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています。尿失禁の種類の名前は医師の見立てにも関わるため、課題欄には、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを、看護師が見た事実とご本人の言葉で一文にすると、支援内容と評価につながりやすくなります。

膀胱留置カテーテルや導尿の物品は、計画書のどこに書きますか?

衛生材料等が必要になる処置がある場合は、計画書の「衛生材料等が必要な処置の有無」に○をつけ、「処置の内容」と「衛生材料等」を具体的に書き、「必要量」には1か月間に必要となる量を書くこととされています。種類やサイズ、量は指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写し、カテーテルが抜けたときの連絡の順番や物品の受け取り先は備考に書いておくと分かりやすくなります。

排尿障害のある方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?

計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。排尿障害のある方では、膀胱留置カテーテルの留置や抜去、自己導尿の開始、指示書の内容の変更、尿路の感染などによる入院と退院、排尿に関わる薬の変更、主な介護者の交代、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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