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パーキンソン病の看護計画|すくみ足・転倒・薬の効き目の波・むせに備える訪問看護計画書 目標とO-P/T-P/E-P記載例182例

歩き出しで足が前に出ずに廊下で転んだ、薬が切れてくる夕方になるとトイレに間に合わない、食事や薬でむせることが増えた、便が何日も出ずにお腹が張る、立ち上がったときにふらっとする、夜中に大きな寝言や手足の動きがあってご家族が眠れない、「部屋に知らない人がいる」と話すようになったといった、パーキンソン病とともに在宅で暮らす方の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、状態ごとの記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理者を想定しています。病棟の看護計画や看護学生の看護過程では、決まった時刻の与薬、歩行の介助、食事の見守りを病棟の職員が昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師が帰ったあとの一日の薬・食事・移動・排泄を、ご本人・ご家族・訪問介護・通所の職員がどう受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。

介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の文例は「パーキンソン病のケアプラン文例」の記事にまとめています。この記事では、訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、むせや飲み込みに関わる計画は「誤嚥性肺炎の看護計画」、排泄に関わる計画は「排尿障害の看護計画」、寝ている時間が長くなってきた方の計画は「廃用症候群の看護計画」、見間違いや物忘れが重なる方の計画は「認知症の看護計画」の記事もあわせてご覧ください。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。薬の名前と量・飲む回数と時刻・薬の増減や切り替え・食事と薬の時刻の関係・血圧や脈拍の基準値・水分の量・ホーエン・ヤールの重症度分類や生活機能障害度などの段階の見立て・転倒の危険を点数で判定する尺度の基準・飲み込みの力の評価・主治医へ連絡する目安や受診の基準など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書と処方から写してください。訪問で確かめた値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。また、薬は看護師もご家族も自己判断で増やしたり減らしたりやめたりせず、気になる様子は記録を添えて主治医に伝える形にしています。

様式の欄ごとに書くこと|記載要領の原文とパーキンソン病のある方の書き分け(欄別対照表3つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。パーキンソン病のある方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面も、医療保険の訪問看護として作る場面もあります(どちらになるかは後半の対照表で、通知の原文と確かめる点を並べています)。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列はパーキンソン病のある方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) パーキンソン病のある方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 要介護認定の状況は、自立・要支援・要介護のいずれかに○をつける欄。転倒や入院をきっかけに区分の変更を申請中の方は、備考に申請の状況を書き、結果が出たら計画書を見直す日を決めておく 認定の状況の確認者:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「転倒しない」「ADLを維持する」で止めず、続けたい暮らし(自分でトイレに行く、畑に出る、孫と出かける、夫婦で夜に眠れる)を主語にする。薬の名前や飲む時刻、重症度の段階は目標の文に入れず、指示書と処方から写す欄を分ける 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 処方の変更、薬の調整のための入院と退院、転倒やけが、むせが続いたことによる受診、見間違いや夜の様子の変化、主な介護者の交代、住まいの改修や福祉用具の導入など、見直しのきっかけになった日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、動きにくくなる時間帯と内服の時刻の関係(ご家族の記録)、転んだ場所と場面、むせた場面、便の様子、ご本人の言葉など、そう考えた根拠を添える 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱとご家族の記録表に残した事実(自分でトイレに行けた日、転んだ回数と場所、すくみ足が出た場面、むせた場面、便の様子、夜に起きた回数、ご本人の言葉)で書く。「ADL変化なし」「著変なし」の一語で終わらせない 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 転倒による傷の処置、留置カテーテル、胃ろうなど、衛生材料等を使う処置の指示がある場合に書く。処置が無い方は「無」に○をつける。種類・サイズ・量は指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写す 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 理学療法士・作業療法士が歩き出しや方向転換、立ち上がり、入浴の動作の練習で、言語聴覚士が飲み込みや声の練習で訪問する方では、職種と曜日を書く。薬が効いている時間帯に訪問する方は、その旨も分かるように書く 職種と曜日の伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 訪問の曜日と時間帯(内服の時刻との関係)、神経内科の主治医と別のかかりつけ医がいる場合の連絡の分け方、転んだとき・むせが続いたとき・薬が飲めないときの連絡の順番、通所・ショートステイ・訪問介護の曜日、福祉用具の利用、緊急時の連絡の順番など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

老企第55号と保医発0327第10号で、計画書・記録書・管理者の確認の決まりを確かめる

計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書や管理者の側に書かれていることがあります。パーキンソン病のある方で関わりの深いものを、手元の通知の原文から並べました。

確かめる点 通知の原文 パーキンソン病のある方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 指示書の留意事項(転倒・むせ・内服についての指示)と、ご本人の「自分でトイレに行きたい」、ご家族の「夜に眠りたい」という希望の両方が計画書に入っているか 希望を聞き取った日:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 介護支援専門員のケアプランの移動・排泄・服薬の目標、通所やショートステイの曜日、福祉用具の計画を、計画書とそろえる ケアプランの受け取り日:(    )
欄の名前の変更(介護保険) 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「転倒リスク」「身体可動性障害」の名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す 様式の改訂日:(    )
作成者の欄(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問している方では、両方の作成者を記入する 作成者の記名の手順:(    )
主治医への提出(介護保険) 老企第55号 1(2)「主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと」 神経内科の医師と在宅のかかりつけ医が別の方では、指示書を出している主治医がどちらかを確かめ、計画書と報告書を出す先と、もう一方の医師への情報の伝え方を決めておく 提出先と時期:(    )
記録書Ⅰに書く項目 保医発0327第10号 第一の2(3)②「緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 神経内科の主治医・かかりつけ医・薬局・福祉用具の事業所の連絡先と、転んだときやむせが続いたときに連絡する先を残しておく 連絡先の確認日:(    )
記録書Ⅱに書く項目 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること 訪問した時刻と最後に薬を飲んだ時刻の関係、そのときの動き(歩き出し・方向転換・立ち上がり)、ふるえや体が勝手に動く様子、むせ、便の様子、夜の様子、ご家族の記録表から写した内容を書く場所と順番を事業所で決めておく 薬と動きの様子を書く欄:(    )
評価と見直し 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 評価の根拠になる事実(自分でトイレに行けた日、転んだ回数と場所、すくみ足が出た場面、むせた場面、便の間隔、夜に起きた回数、ご本人の言葉)を、訪問のたびに同じ順番で書く 記録の順番:(    )
管理者の確認 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 処方や指示が変わったときに、計画書・ご家族に渡した薬の時刻の紙・訪問の時間帯が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

指示書・処方・医療機関の情報から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)

パーキンソン病のある方の計画書で崩れやすいのは、薬の飲む時刻や食事との関係、主治医へ連絡する目安が、指示書や処方、お薬手帳の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。処方は細かく変わることが多く、記憶や前の計画書から時刻を書き写すと、変わったあとも古い時刻が残ります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」「(処方の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。

元の書類に書かれていること 写す先の欄 計画書の書き方の型 貴事業所の記入欄
指示書の主たる傷病名と留意事項 目標・備考 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、転倒やむせに気をつけながら自宅での暮らしを続けられることを目標の柱にする」 指示書の日付:(    )
薬の名前と量・一日の回数と飲む時刻 T-P・E-P 「内服は処方のとおり(処方の内容)とし、ご家族と一緒に、飲む時刻と一日の暮らしの流れが合っているかを確かめる」 お薬手帳の確認日:(    )
食事と薬の時刻の関係についての説明 T-P・E-P 「食事と薬の時刻の関係は、主治医と薬局から受けた説明のとおり(説明の内容)とし、食事の時刻が変わる日(通所・受診)の扱いをご家族と確かめる」 説明を受けた日と説明者:(    )
薬の形(粉・とろみ・貼り薬など)と飲ませ方 T-P・E-P 「薬の形と飲み方は処方と薬局の説明のとおりとし、飲み込みにくいときは薬局と主治医へ相談する」 相談先の薬局:(    )
リハビリテーションについての指示(訪問の職種と内容) 目標・T-P・訪問予定の職種 「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問は指示書に記載の内容(指示書の内容)に沿い、ご本人が続けたい動作の練習として組み立てる」 リハ職の訪問の曜日:(    )
転倒・むせ・立ちくらみについての留意事項 O-P・E-P 「指示書に記載の留意事項(指示書の内容)にあたる様子があれば、当ステーションから主治医へ報告する」 報告の手段と時間帯:(    )
血圧の測り方(寝たとき・立ったときなど)についての指示 O-P 「血圧は指示書に記載の測り方(指示書の内容)で測り、値は記録書Ⅱに(記録した値)として残す。判断は主治医の指示による」 測り方の確認日:(    )
水分のとり方についての指示(併存症のある方の制限を含む) T-P・E-P 「水分のとり方は指示書に記載の内容(指示書の内容)のとおりとし、とりにくい理由(むせ・トイレの心配)をご本人と一緒に考える」 併存症の主治医:(    )
便通についての処方と指示 T-P・E-P 「便通の薬は処方のとおり(処方の内容)とし、便の記録を主治医への報告に添える」 便の記録表の版:(    )
主治医へ連絡する目安(転んで痛みが続く、むせて熱が出る、薬が飲めない、急に動けなくなる、見間違いが急に増えるなど) O-P・E-P・備考 「指示書に記載の連絡の目安(指示書の内容)にあたる様子があれば、当ステーションから主治医へ報告する。薬が飲めない日の扱いは主治医の指示による」 連絡の順番の紙の版:(    )
退院時の情報(薬の調整の内容、入院中の動作と食事の様子、退院時の指導) 課題・備考 「退院時の情報(書類の内容)を課題の根拠として書き、病院と自宅とで変わる動作の場面(段差・トイレの距離・夜の暗さ)をご家族と確かめる」 退院時の書類の保管:(    )
飲み込みの評価の結果(食べ物の形・姿勢) T-P・訪問予定の職種 「食事の形と姿勢は、言語聴覚士・医療機関の評価のとおり(評価の内容)とし、ご家族と訪問介護に同じ紙で伝える」 評価を受けた日と評価者:(    )
指示の期間・特別訪問看護指示書の期間 年月日・管理表 「訪問看護指示書の指示期間(指示書の期間)と、特別訪問看護指示書が出た期間を、計画書の見直し日と並べて管理する」 期限の管理表:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

看護問題の立て方|「転倒リスク状態」「身体可動性障害」の名前を、在宅の療養上の課題の文に直す(12例)

「パーキンソン病の看護問題」として、病棟や看護学生の看護過程では「転倒転落リスク状態」「身体可動性障害」「嚥下障害」「便秘」「睡眠パターン混乱」「介護者役割緊張」のような名前をつけた問題を立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前をつけるよりも、暮らしのどの場面で、何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。パーキンソン病のある方では、同じ一日の中でも薬を飲んでからの時間によって動きやすさが変わることがあるため、いつ(どの時間帯に)起きているかを根拠に添えるのが要になります。病気の段階や薬の効き方の見立ては主治医によるため、看護師が見た事実と、ご本人・ご家族の言葉で書く形にしています。

病棟・学生でよく使う表現 在宅の計画書の課題欄の文 根拠として添える事実
「転倒転落リスク状態」 台所からトイレへ向かう廊下で歩き出すときに足が前に出にくくなり、この1か月で2回、廊下の曲がり角で転んでいる 転んだ日時と場所、そのとき最後に薬を飲んだ時刻(ご家族の記録)、けがの有無、ご本人の「足が床に貼りつく」
「身体可動性障害」 夕方になると寝返りや起き上がりに時間がかかり、ベッドから起きるまでに妻の手を借りることが増えている 起き上がりに手を借りた時間帯(ご家族の記録)、内服の時刻、訪問時の起き上がりの様子、妻の「夕方は引っぱり上げている」
「歩行障害」 外では歩けているが、戸口や狭い所を通るときと向きを変えるときに足が止まり、つまずくことがある 足が止まった場所(戸口・トイレの前・ベッドの横)、そのときの様子、手すりや家具の位置
「誤嚥リスク状態」 夕食のときにむせることが増え、食事に時間がかかって途中で疲れてしまうとご家族が話している むせた場面と食べ物の形、食事にかかった時間(ご家族の記録)、食事の時刻と内服の時刻の関係、痰と熱の様子
「便秘」 便の出る間隔が空いてきて、お腹の張りを訴え、食事の量が減っている 排便の間隔と性状(ご家族の記録)、お腹の張りの訴えが出た場面、水分のとり方、処方の内容
「排尿障害(切迫性尿失禁)」 夜にトイレに起きる回数が多く、急いで向かう途中で間に合わなかったり、ふらついたりすることがある 夜にトイレに起きた回数と時刻(ご家族の記録)、ベッドからトイレまでの距離と明るさ、下着の汚れ、ご本人の「夜が一番怖い」
「非効果的健康管理(服薬)」 一日に何度も飲む薬の時刻がずれたり、飲み忘れたりする日があり、その日は午後に動きにくい時間が長くなるとご家族が話している 薬の残りの数、飲んだ時刻の記録、動きにくかった時間帯、ご本人の「飲んだか分からなくなる」
「起立性低血圧に伴う転倒リスク」 朝ベッドから立ち上がったときや食事のあとに、ふらっとして壁に手をつくことがある ふらついた場面と時刻、指示書に記載の測り方で測った血圧(記録した値)、ご本人の訴え、転倒の有無
「睡眠パターン混乱」 夜中に大きな寝言や手足を動かす様子があり、隣で寝ている妻が眠れず、昼間はご本人もうとうとしている 夜の様子が出た時刻と内容(妻の話)、昼間に眠っている時間、ベッドまわりの家具の位置、妻の睡眠
「感覚知覚混乱(幻視)」 夕方になると「部屋の隅に子どもがいる」と話すことがあり、ご本人が怖がり、ご家族はどう返したらよいか困っている 話が出た時間帯と部屋の明るさ、ご本人の様子(怖がる・落ち着いている)、ご家族の対応と言葉、処方が変わった日
「絶望・社会的孤立」 人前で手がふるえるのが恥ずかしいと、通っていた地域の集まりに行かなくなり、「どうせ良くならない」と話している ご本人の言葉、外出の回数の変化、表情、ご家族の話、楽しみにしていたこと
「介護者役割緊張」 夜のトイレの付き添いと日中の見守りで、同居の妻がまとまって眠れず、自分の通院を先延ばしにしている 妻の一日の流れと睡眠、夜に起こされた回数、妻の通院の予定、「私が倒れたらどうなるのか」等の言葉

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

場面別|パーキンソン病の看護目標の記載例(12の場面・長期と短期あわせて24例)

パーキンソン病のある方の目標は、「転倒しない」「ADLを維持する」「服薬管理ができる」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「できていたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。また「転倒しない」は、少しずつ進む病気の中では約束しにくい言葉で、転んだ月に目標がそのまま「未達成」になってしまいます。下の表では、在宅でよく出会う12の場面について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。場面の区切りは看護師がふだん見ている様子によるもので、病気の段階や薬の効き方の見立ては主治医によります。

場面 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
診断から間もなく、暮らしの多くを自分でこなしている方 病気とつきあいながら、仕事や趣味の時間をこれまでどおり続けられる 体の動きにくさを感じる場面を書きとめ、受診のときに主治医へ伝えられる ご本人の記録の残り方、受診で伝えた内容、続けている活動、ご本人の言葉
薬を飲んでからの時間で動きやすさに波が出てきた方 動きやすい時間を大事にして、一日の中でやりたいことを自分のペースで続けられる 飲んだ時刻と動きにくかった時間帯をご家族と一緒に記録し、受診の前に主治医へ届けられる 記録表の残り方、動きにくかった時間帯、主治医へ届けた日と内容
歩き出しや方向転換で足が止まり、転んだことがある方 転んでも大きなけがにつながりにくい住まいと動き方で、自分でトイレに行き続けられる 足が止まりやすい場所が分かり、リハ職と決めた合図と動き方で、廊下とトイレの前を通れる 転んだ回数と場所、足が止まった場面、合図を使えた場面、住まいの変更
立ち上がったときや食事のあとにふらつく方 ふらつきに気づいて動き方を変えられ、安心して家の中を移動できる 起き上がりから立ち上がりまでの手順を、ご本人とご家族が紙を見ながら行える ふらついた場面と時刻、血圧(記録した値)、手順を行えた場面、転倒の有無
食事や薬でむせることが増えた方 好きなものを味わいながら、熱や痰の増える日を少なくして家での食事を続けられる 言語聴覚士・医療機関の評価に沿った姿勢と食べ物の形を、ご家族と一緒に守って食事ができる むせた場面と食べ物の形、食事にかかった時間、痰と熱の様子、ご本人の表情
便秘が続いている方 お腹の不快が小さくなり、食事を楽しめる 便の記録をご家族と一緒につけ、記録を添えて主治医へ様子を伝えられる 排便の間隔と性状、お腹の張りの訴え、食事の量、主治医への報告の内容
夜にトイレに起きる回数が多い方 夜のトイレを安心して済ませ、ご本人とご家族が夜に休める 夜にトイレへ向かう道の明かりと手すり、ベッドのそばの物の置き方を、ご本人とご家族と一緒に決められる 夜にトイレに起きた回数、間に合わなかった回数、夜間のふらつきや転倒の有無、ご家族の睡眠
夜中に大きな寝言や手足の動きがある方 ご本人とご家族が夜に安全に眠れる 夜の様子をご家族が書きとめ、ベッドまわりの家具の位置を一緒に見直せる 夜の様子が出た回数と時刻、ベッドから落ちかけた様子の有無、ご家族の睡眠と言葉
見間違いや「人がいる」という訴えがある方 怖さが小さくなり、住み慣れた家で落ち着いて過ごせる 話が出た時間帯と様子をご家族が書きとめ、主治医へ伝えられる。ご家族が返し方の工夫を一つ持てる 話が出た時間帯と回数、部屋の明るさ、ご本人の様子、主治医へ伝えた日と内容
外出が減り、気持ちが沈んでいる方 楽しみにしている場所へ出かけ、人と話す時間を持てる 行きたい場所を一つ決め、動きやすい時間帯に出かける計画をご家族と立てられる 外出の回数、ご本人の言葉と表情、出かけた先、ご家族の話
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問している方 続けたい動作(畑に出る・湯船に入る・電話で話す)を、自分の力で続けられる リハ職と決めた練習を、動きやすい時間帯にご家族と一緒に続けられる 練習を行えた日、動作の様子の変化(歩き出し・立ち上がり・声の大きさ)、ご本人の言葉
寝ている時間が長くなり、これからのことを話し始めた方 苦痛と気がかりを小さくして、望む場所で家族と穏やかに過ごせる 食事・薬・体の向きの変え方について、ご本人の希望とご家族の気持ちを主治医と話し合える ご本人の言葉、皮膚の様子、食事と薬の様子、ご家族の気持ち、主治医と話し合った日と内容

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉から目標欄の文をつくる(「自分でトイレに行きたい」「夜に眠りたい」等8例)

老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。パーキンソン病のある方は、声が小さくなったり表情が変わりにくくなったりして、思いが周りに伝わりにくいことがあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。ご本人とご家族の言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。

聞き取った言葉 目標欄の文 課題欄につなぐ視点
ご本人「トイレだけは自分で行きたい」 動きやすい時間と夜の備えを整えて、自分でトイレに行き続けられる トイレまでの道の足が止まる場所、夜の明かり、動きにくい時間帯の過ごし方
ご本人「薬が切れると、体が固まったみたいになる」 体が固まる時間を家族と共有し、その時間でも慌てずに過ごせる 飲んだ時刻と動きにくかった時間帯の記録、主治医への伝え方、その時間の過ごし方
ご本人「もう一度、畑に出たい」 動きやすい時間帯に、畑で過ごす時間を持てる 畑までの道と段差、出かける時間帯、リハ職との練習、ご家族の付き添い
ご本人「人前で手がふるえるのが恥ずかしい」 ふるえを気にしすぎずに、地域の集まりに顔を出せる ご本人の気持ち、集まりで困る場面(お茶を飲む・字を書く)、持ち物の工夫
妻「夜中に何度も起こされて眠れない」 妻が夜に休めて、夫婦で自宅での暮らしを続けられる 夜にトイレに起きる回数と夜の様子、妻の睡眠、ショートステイや介護の分担の相談
娘「また転ぶのではと思うと、仕事に行けない」 娘が安心して仕事に出かけられ、親子で暮らしを続けられる 転びやすい場所と時間帯、留守のときの見守りの分担、連絡の方法
妻「『人がいる』と言われて、どう返していいか分からない」 妻が返し方の工夫を持ち、二人で落ち着いて夕方を過ごせる 話が出る時間帯と部屋の明るさ、妻の気持ち、主治医への伝え方
息子「薬を増やせば、もっと動けるのではないか」 体の変化をご家族と主治医で共有し、納得して治療を続けられる 動きにくかった時間帯の記録、体が勝手に動く様子の有無、受診で主治医に伝える内容

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

療養上の課題・支援内容|パーキンソン病のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅のパーキンソン病のある方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病棟の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。薬・飲む時刻・食事と薬の関係・血圧の測り方・水分・食べ物の形・連絡の目安は、すべて指示書と処方、医療機関から受けた指導のとおりとする書き方です。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
薬を飲んでからの時間で動きやすさに波があり、夕方に動きにくくなってトイレに間に合わないことがある 訪問した時刻と最後に薬を飲んだ時刻、そのときの起き上がり・立ち上がり・歩き出しの様子、ご家族の記録表にある動きにくかった時間帯を見る 飲んだ時刻と動きの様子を書く記録表をご家族と一緒に作り、訪問のたびに記録を一緒に見返す。記録をまとめて主治医へ報告する 薬の時刻や量は自己判断で変えず、気になる様子は記録を添えて主治医に相談してよいことを伝える。動きにくい時間帯のトイレの工夫をご家族と決める
歩き出しや方向転換のときに足が止まり、廊下の曲がり角で転んだことがある 足が止まる場所と場面、転んだ日時と場所、そのときの内服の時刻、けがの有無、廊下の明るさと床の物を見る 理学療法士と決めた合図(声かけ・床の目印など)と向きの変え方を、訪問のたびにご本人と一緒に行う。床の物を片づけ、通り道を一緒に整える ご家族に、足が止まったときに後ろから引いたり急がせたりせず、決めた合図で待つことを伝える。転んだときの連絡の順番を紙にして渡す
朝ベッドから立ち上がったときや食事のあとに、ふらっとすることがある ふらついた場面と時刻、指示書に記載の測り方で測った血圧(記録した値)、顔色、ご本人の訴え、転んだ様子の有無を見る 起き上がってから立ち上がるまでの手順(ベッドに腰かけて足を動かしてから立つなど)を、医療機関・リハ職から受けた指導のとおりに一緒に行う。測った値を記録書Ⅱに残し、主治医へ報告する ふらついたときはその場で腰を下ろすことと、指示書に記載の連絡の目安を、ご本人とご家族に紙にして伝える
食事や薬を飲むときにむせることが増え、食事に時間がかかって途中で疲れてしまう むせた場面と食べ物の形、食事の姿勢、食事にかかった時間、食事の時刻と内服の時刻の関係、痰の様子と熱の有無を見る 食事の姿勢と食べ物の形を言語聴覚士・医療機関の評価のとおりに整え、ご家族と一緒に食事の場面を見る。薬の飲み込みにくさは薬局と主治医へ相談する 動きやすい時間帯に食事をとれるよう、食事の時刻と内服の時刻の関係を主治医と薬局から受けた説明のとおりにご家族と確かめる。むせや熱が出たときの連絡先を伝える
便の出る間隔が空いてきて、お腹の張りを訴え、食事の量が減っている 排便の間隔と性状(ご家族の記録)、お腹の張りや痛みの訴え、食事と水分のとり方、処方の内容を見る 便の記録のつけ方をご家族と一緒に決め、記録をもとに主治医へ様子を報告する。お腹のマッサージや体を動かす工夫は主治医の指示とリハ職の助言に沿って行う 便通の薬は処方のとおりとし、お腹の張りが強いときや吐き気があるときの連絡は、指示書に記載の目安のとおりであることを伝える
夜にトイレに起きる回数が多く、急いで向かう途中でふらついたり間に合わなかったりする 夜にトイレに起きた回数と時刻(ご家族の記録)、ベッドからトイレまでの距離と明るさ、下着や床の汚れ、夜の内服の時刻を見る 夜の通り道の明かりと手すり、ベッドの高さ、ポータブルトイレや尿器の置き場所をご本人・ご家族・福祉用具の事業所と一緒に考える 夜のトイレの回数や様子を書きとめ、記録を添えて主治医へ相談してよいことを伝える。トイレの道具の使い方を紙にして渡す
一日に何度も飲む薬の時刻がずれたり、飲み忘れたりする日がある 薬の残りの数、飲んだ時刻の記録、薬カレンダーや仕分けの使い方、飲み忘れた日の動きの様子、ご本人の理解の様子を見る 処方のとおりの時刻で飲めるよう、薬カレンダーや仕分けの方法を薬局とご家族と一緒に決め、訪問のたびに残りの数を一緒に確かめる 飲み忘れに気づいたときの扱いは、主治医と薬局から受けた説明のとおりとし、その説明を紙にしてご家族に渡す
夜中に大きな寝言や手足を動かす様子があり、ご本人がベッドから落ちかけたことがある 夜の様子が出た時刻と内容(妻の話)、ベッドから落ちかけた様子、ベッドまわりの家具や角の位置、昼間の眠気を見る ベッドまわりの家具の位置や角の保護、ベッドの高さをご家族・福祉用具の事業所と一緒に見直す 夜の様子を書きとめてもらい、主治医へ伝えることを勧める。ご家族が離れて眠ることも含め、夜の過ごし方を一緒に考える
夕方になると「部屋に人がいる」と話し、ご本人が怖がることがある 話が出た時間帯と部屋の明るさ、ご本人の様子、ご家族の対応、処方が変わった日との関係を見る 話が出やすい時間帯の部屋の明かりや物の置き方をご家族と一緒に見直し、様子を記録書Ⅱに残して主治医へ報告する ご家族に、ご本人の話を強く打ち消さず、怖さに寄り添う返し方の工夫を伝える。様子が急に変わったときの連絡の目安は指示書のとおりであることを伝える
人前でふるえるのを気にして外出が減り、「どうせ良くならない」と話している ご本人の言葉と表情、外出の回数、楽しみにしていたこと、眠りや食欲の様子、ご家族の話を見る ご本人の話をゆっくり聞く時間を訪問の中にとり、動きやすい時間帯に出かける計画を一緒に考える。気持ちの落ち込みが続く様子は主治医へ報告する 地域の集まりや通所、患者・家族の会など、ご本人が選べる場の情報を介護支援専門員と一緒に伝える
体が勝手に動く時間があり、食事や書き物、着替えがしにくい 体が勝手に動く様子が出る時間帯と最後に薬を飲んだ時刻、困っている動作、ご本人の訴え、転んだ様子の有無を見る 出る時間帯を記録表に書き、記録をまとめて主治医へ報告する。食器や服の工夫を作業療法士と一緒に考える 薬の量や時刻は自己判断で変えず、記録を受診のときに主治医へ見せることを、ご本人とご家族に伝える
夜の付き添いと日中の見守りで、主な介護者の疲れがたまっている 介護者の一日の流れと睡眠、夜に起こされた回数、介護者の体調と通院の様子、「疲れた」などの言葉を見る 夜の付き添いと日中の見守りのうち、分担できる部分を介護者と整理し、通所・ショートステイ・訪問介護の利用を介護支援専門員と相談する 介護者に、休むことは介護を続けるために必要なことだと伝え、困ったときの相談先を紙にして渡す

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

時期・場面別のO-P・T-P・E-P|診断から間もない時期・薬の効き方に波が出た時期・転倒のあと・薬の調整の入院から退院・リハ職の訪問・通所の日・入浴・発熱で薬が飲めない日・受診の前・寝ている時間が長くなった時期(10場面)

同じ方でも、病気とつきあってきた年月や一日の場面が変われば、見ることと伝えることが変わります。下の表は、訪問看護の計画書で場面ごとに書き分けるときの型です。薬の変更、入院や受診の判断、食事の形の変更は、この表では決めず、指示書に記載の内容と主治医の判断に沿う形にしています。

場面 O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
診断から間もない時期 暮らしの中で動きにくさを感じる場面、ご本人の病気の受けとめ方と気がかり、仕事や趣味の様子 ご本人の話を聞く時間をとり、気になる場面を書きとめる方法を一緒に決める 受診のときに主治医へ伝えたいことを紙にまとめる方法と、困ったときの相談先を伝える
薬を飲んでからの時間で動きやすさに波が出てきた時期 飲んだ時刻と動きにくかった時間帯、体が勝手に動く時間帯、その時間にできなかった動作 記録表をご家族と一緒に見返し、まとめて主治医へ報告する。動きやすい時間帯に入浴や外出を組む相談をする 薬の時刻や量は自己判断で変えないことと、記録を受診で見せることを伝える
転んでけがをしたあと 傷の様子と痛み、転んだ場所と場面、そのときの内服の時刻、ご本人の「また転ぶのが怖い」という気持ち 傷の処置は主治医の指示のとおりに行い、転んだ場所の住まいを一緒に見直す。福祉用具の相談を介護支援専門員へ伝える 転んだあとに痛みが続くときや動けないときの連絡の目安は指示書のとおりであることを紙にして伝える
薬の調整の入院から退院した直後 退院時の情報にある処方の変更、入院前と比べた動き・食事・夜の様子、ご家族の不安の言葉 新しい処方の時刻をお薬手帳と薬局の説明から写し、薬カレンダーをご家族と一緒に作り直す。計画書を見直す 新しい処方で気になる様子があれば記録して連絡してよいことと、連絡の順番を伝える
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問している 練習した動作の様子(歩き出し・方向転換・立ち上がり・飲み込み・声)、練習を行えた日、ご本人の言葉 リハ職と決めた練習と合図を、看護師の訪問でも同じ形で行い、記録書Ⅱに同じ言葉で残す 練習は動きやすい時間帯に行うことと、無理をしないことをご本人とご家族に伝える
通所・ショートステイの日 通所先での薬の飲み方と時刻、食事の様子、送迎の乗り降り、帰ってきたあとの疲れ 通所・ショートステイに持っていく薬をひとまとめにする方法を一緒に決める 通所・ショートステイの職員に、薬の時刻と、足が止まったときの合図を、ご本人の同意のもとで同じ紙で伝える
入浴の日 入浴の前後のふらつき、湯船の出入りの様子、入浴の時間帯と内服の時刻の関係、入浴後の疲れ 入浴は動きやすい時間帯に組み、湯船の出入りの動作を作業療法士と決めた方法で一緒に行う 訪問入浴や通所の職員に、入浴のときに気をつける場面を同じ紙で伝える
熱が出た・食欲が落ちて薬が飲めない日 体温(記録した値)、食事と水分のとり方、薬を飲めた回数、動きの様子、むせと痰の様子 指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告し、薬が飲めないときの扱いは主治医の指示による 薬が飲めない日は自己判断でやめたり後でまとめて飲んだりせず、主治医に連絡することをご家族に伝える
受診の前 前回の受診からの記録表、転んだ回数、むせの様子、夜の様子、見間違いの訴え、ご家族の気がかり 記録をまとめた紙をご家族と一緒に作り、受診のときに渡せるようにする 受診で聞きたいことを紙に書いておくことと、受診の結果を当ステーションに知らせてほしいことを伝える
寝ている時間が長くなってきた時期 皮膚の様子、体の向きを変える回数、食事と薬の飲み込み、痰の様子、ご本人の言葉と表情、ご家族の気持ち 体の向きの変え方と皮膚の手入れをご家族と一緒に行い、福祉用具の見直しを介護支援専門員と相談する これからのことについて、ご本人の希望とご家族の気持ちを主治医と話し合う場を一緒に考える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

薬が効いている時間と切れてくる時間を支援内容に書く例(時刻の写し方・記録表・訪問の時間帯・受診前のまとめ・飲み忘れ・飲み込みにくさ・自己判断の中止を避ける・体が勝手に動く時間の8例)

パーキンソン病のある方の計画書では、体の観察と同じくらい、薬を飲む時刻と一日の動きの関係が課題になります。薬の内容を決めるのは主治医ですが、訪問看護は家の中で、飲んでからの時間ごとに暮らしがどう変わるかを見て伝える立場にあります。計画書には、訪問のときに何を一緒に確かめ、誰に何を伝えるかを書きます。薬の名前・量・時刻・食事との関係は、すべて処方と主治医・薬局の説明のとおりとしています。

場面 支援内容の欄に書く文 ご家族・訪問介護・薬局への伝え方
飲む時刻の写し方 処方の時刻(処方の内容)をお薬手帳から写し、処方が変わったときはその日のうちに計画書の備考とご家族に渡した紙を書き換える 紙に処方の日付を入れ、古い紙を残さないようご家族と確かめる
記録表 飲んだ時刻と、動きやすかった時間・動きにくかった時間・体が勝手に動いた時間を、ご家族が書き込める記録表を一緒に作り、訪問のたびに見返す 記録表は一日1枚の簡単な形にし、書けない日があってもよいことを伝える
訪問の時間帯 入浴や動作の練習は、記録表で動きやすい時間帯にあたる時刻に訪問できるよう、訪問の時間帯をご本人と介護支援専門員と相談する 訪問介護や通所の時間帯も、動きやすい時間帯との関係を介護支援専門員と一緒に見直す
受診前のまとめ 受診の前に、記録表の内容と転んだ回数・夜の様子を一枚の紙にまとめ、ご家族が主治医へ渡せるようにする 受診の結果と処方の変更を、当ステーションに知らせてもらう方法を決める
飲み忘れ 薬カレンダーや仕分けの方法を薬局と一緒に決め、訪問のたびに残りの数を一緒に確かめる。飲み忘れたときの扱いは主治医と薬局の説明のとおりとする その説明を紙にして薬のそばに置き、訪問介護の職員にも同じ紙で伝える
飲み込みにくさ 薬を飲むときのむせや口の中に残る様子を見て、薬の形や飲み方について薬局と主治医へ相談する 相談の結果を、ご家族と訪問介護に同じ紙で伝える
自己判断の中止を避ける 「効かない気がする」「体が勝手に動くのが嫌だ」という話があったときは、気持ちを聞いたうえで記録を添えて主治医へ報告する ご本人とご家族に、薬を自己判断で減らしたりやめたりせず、主治医に相談することを伝える
体が勝手に動く時間 体が勝手に動く時間帯と、そのときに困る動作(食事・書き物・着替え)を記録表に書き、主治医へ報告する 食器や服の工夫を作業療法士と一緒に考え、ご家族に伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

住まいと動作の工夫を支援内容に書く例(寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩き出し・方向転換・戸口や狭い所・トイレ・入浴・夜の移動の9例)

パーキンソン病のある方の転倒は、同じ家の中でも決まった場所と場面で起きやすい傾向があります。計画書には「転倒に注意」と書くよりも、どの場所で、どの動作のときに、誰がどう手伝うかを書くと、ご家族や訪問介護の職員も同じ動き方で支えられます。合図や動き方の中身は、理学療法士・作業療法士・医療機関から受けた指導のとおりとしています。

動作・場所 支援内容の欄に書く文 一緒に確かめる人
寝返り・起き上がり 夕方や朝の動きにくい時間の寝返りと起き上がりの手順を、リハ職と決めた方法で一緒に行い、ベッドの柵や介助バーの位置を確かめる 理学療法士・福祉用具の事業所・ご家族
立ち上がり ベッドに腰かけてから立ち上がるまでの手順を、ふらつきに気をつけた順番で一緒に行う 理学療法士・ご家族
歩き出し 足が止まったときにリハ職と決めた合図(声かけ・床の目印など)で歩き出せるか、訪問のたびに一緒に確かめる 理学療法士・ご家族・訪問介護
方向転換 向きを変えるときの足の運び方をリハ職と決めた方法で一緒に行い、向きを変えることの多い場所(台所・トイレの前)を確かめる 理学療法士・ご家族
戸口や狭い所 戸口や家具の間で足が止まりやすい場所を見つけ、家具の配置や床の物の片づけをご家族と一緒に考える 作業療法士・ご家族・介護支援専門員
トイレ トイレの前で向きを変えて座るまでの動作と、手すりの位置を一緒に確かめる。動きにくい時間帯のトイレの道具を決める 作業療法士・福祉用具の事業所・ご家族
入浴 湯船の出入りと洗い場での立ち座りを、作業療法士と決めた方法で一緒に行い、入浴の時間帯を動きやすい時間に合わせる 作業療法士・訪問介護・通所
夜の移動 夜にトイレへ向かう道の明かりと、ベッドのそばのつかまる場所を一緒に確かめる ご家族・福祉用具の事業所
外出と段差 玄関の段差と外の道の様子を一緒に見て、動きやすい時間帯に外出する計画をご本人と立てる 理学療法士・介護支援専門員・ご家族

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご家族・訪問介護・通所・リハ職・薬局・医療機関・介護支援専門員と分担するときの支援内容の記載例(10例)

パーキンソン病のある方の暮らしは、薬・食事・移動・排泄・夜の様子を多くの人で支えています。計画書には、訪問看護が受け持つことと、ほかの人に頼むことを分けて書いておくと、誰が何を見ているかが分かり、記録の受け渡しも決まりやすくなります。

分担する相手 支援内容の欄に書く文
ご家族 飲んだ時刻と動きの様子、便、夜のトイレの回数を記録表に書いてもらい、訪問のたびに一緒に見返す
訪問介護 訪問介護の時間帯に薬を飲む方では、処方の時刻と飲んだことの確かめ方を同じ紙で伝え、足が止まったときの合図を共有する
通所・ショートステイ 通所先での薬の時刻と食事の姿勢、足が止まったときの合図を、ご本人の同意のもとで同じ紙で伝え、連絡帳で様子を受け取る
理学療法士・作業療法士 動作の練習と住まいの工夫はリハ職が中心に行い、看護師の訪問では同じ合図と動き方で確かめ、記録書Ⅱに同じ言葉で残す
言語聴覚士・医療機関 飲み込みと声の評価と練習は言語聴覚士・医療機関の評価に沿い、看護師は食事の場面の様子を見て伝える
薬局 薬カレンダーや仕分けの方法、薬の形と飲み方の相談は薬局と一緒に決め、処方が変わったときの知らせ方を決めておく
主治医(神経内科) 記録表のまとめ、転んだ回数、むせの様子、夜の様子、見間違いの訴えを報告書と受診前の紙で伝える
かかりつけ医(別の医療機関の場合) 血圧や便通など、かかりつけ医が診ていることについての様子は、指示書を出している主治医と分けて伝え方を決める
介護支援専門員 福祉用具や住まいの改修の相談、通所・ショートステイ・訪問介護の時間帯の見直し、介護者の負担について、評価の結果とあわせて伝える
福祉用具の事業所 ベッドの高さ、介助バー、手すり、ポータブルトイレの位置を、ご本人の動作を見ながら一緒に確かめる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

悪い例と良い例|パーキンソン病のある方の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、薬の時刻や数値を記憶や前の計画書から書き写した文や、看護師の印象だけで終わる言葉、病気の段階を看護師が決めつけた言葉、ご本人やご家族を責めるように読める言葉が多く入っています。良い例に入れた薬・時刻・血圧の測り方・水分・食べ物の形・連絡の目安は、すべて「指示書に記載の」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形にしています。悪い例の中の「〇〇」は、記憶から数値を書き入れていた箇所です。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「転倒しない」 足が止まりやすい場所と時間帯を知り、リハ職と決めた合図で、自分でトイレに行き続けられる 起きないことを約束する形から、ご本人が続けたい暮らしと動き方の形にした
目標 「ADLを維持する」 動きやすい時間帯に入浴と着替えを済ませ、週2回の通所で仲間との会話を楽しめる 看護の目的の言葉ではなく、評価で確かめられる暮らしの場面にした
目標 「服薬管理ができる」 妻と一緒に薬カレンダーを使い、処方の時刻のとおりに薬を飲める日を続けられる 「できる」の中身を、誰が何を使ってどうするかに直した
目標 「ヤール〇度を維持する」 動きにくい時間帯の記録をご家族と主治医で共有し、納得して治療を続けられる 病気の段階の見立ては主治医によるため、目標に入れず、記録と共有の形にした
目標 「誤嚥性肺炎を起こさない」 言語聴覚士・医療機関の評価に沿った姿勢と食べ物の形を守り、熱や痰の変化に早めに気づいて、家での食事を続けられる 起きないことを約束する形から、気づいて動ける形にした
課題 「転倒リスク」 台所からトイレへ向かう廊下で歩き出すときに足が前に出にくくなり、この1か月で2回、廊下の曲がり角で転んでいる 名前だけの課題を、場所と回数の入った一文にした
課題 「オフ時のADL低下」 薬を飲んでから時間がたつ夕方に、起き上がりとトイレまでの移動に時間がかかり、間に合わないことがあるとご家族が話している 略語を使わず、時間帯と場面とご家族の話で書いた
課題 「服薬コンプライアンス不良」 一日に何度も飲む薬の時刻がずれる日があり、ご本人は「飲んだか分からなくなる」と話している ご本人を責める書き方を避け、事実とご本人の言葉で書いた
課題 「家族の介護力不足」 夜のトイレの付き添いで妻がまとまって眠れず、「私が倒れたらどうなるのか」と話している ご家族を責める書き方を避け、負担の事実と言葉で書いた
O-P 「振戦・固縮・無動の観察」 訪問した時刻と最後に薬を飲んだ時刻を書き、そのときの起き上がり・立ち上がり・歩き出しの様子を、訪問のたびに同じ順番で確かめる 症状の名前の列挙を、何をどの順番で見るかに直し、内服の時刻との関係を加えた
O-P 「血圧〇〇以下で報告」 血圧は指示書に記載の測り方で測って記録書Ⅱに(記録した値)として残し、指示書に記載の連絡の目安にあたるときは主治医へ報告する 記憶の基準値を消し、指示書から写す形にした
O-P 「排便の有無」 排便の間隔と性状をご家族の記録で確かめ、お腹の張りの訴えと食事の量とあわせて主治医へ報告する 有無だけでなく、記録の出どころと報告先を書いた
O-P 「幻覚の有無」 「人がいる」などの話が出た時間帯と部屋の明るさ、ご本人の様子、処方が変わった日との関係を、ご家族の話と記録で確かめる 有無だけでなく、時間帯と環境と処方の変更との関係を見る形にした
T-P 「内服は〇時・〇時・〇時」 内服は処方のとおり(処方の内容)とし、処方が変わったときはその日のうちに計画書の備考とご家族の紙を書き換える 記憶の時刻を書かず、処方から写す形にした
T-P 「歩行訓練」 理学療法士と決めた合図で、廊下の曲がり角とトイレの前の向きの変え方を、動きやすい時間帯に一緒に練習する どこで、何を、いつ行うかを書いた
T-P 「水分〇〇mL摂取を促す」 水分のとり方は指示書に記載の内容のとおりとし、とりにくい理由(むせ・夜のトイレの心配)をご本人と一緒に考える 記憶の量を消し、併存症の制限にも合う出どころを示した
T-P 「薬が効かないときは頓服」 動きにくい時間の薬の扱いは処方と主治医の説明のとおりとし、その説明を紙にしてご家族に渡す 自己判断を招く書き方を避け、処方と説明の出どころを示した
E-P 「異常時は連絡するよう指導」 転んで痛みが続くとき、むせて熱が出たとき、薬が飲めないときの連絡の順番と連絡先を紙にして電話のそばに貼り、ご家族と一緒に読み合わせる 「異常」の中身と、伝え方・置き場所を書いた
E-P 「転倒予防の指導」 足が止まったときに後ろから引いたり急がせたりせず、決めた合図で待つことを、ご家族と訪問介護の職員に同じ紙で伝える 「指導」の一語を、誰に何を伝えるかに直した
評価 「ADL著変なし。継続」 この1か月、転んだのは1回(夕方の廊下)。合図を使って曲がり角を通れる日が増えたと妻が話している。夕方のトイレは間に合わない日が週に数回ある 一語で終わらせず、回数・場所・ご家族の言葉で書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

評価から報告書・ケアプラン・多職種への連絡へ|パーキンソン病のある方の評価文と報告書の欄別記載例

保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。パーキンソン病のある方の評価は、転んだかどうかだけでなく、動きやすい時間をどう使えているか、ご本人が続けられている暮らしの場面、ご家族の負担と安心の変化を書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。

評価の結論 評価欄の記載例 次の計画で変える欄
一部達成した(すくみ足と転倒) 合図を使って廊下の曲がり角を通れる日が増えた。転んだのはこの1か月で1回で、夕方の廊下だった。ご本人は「合図があると足が出る」と話す 夕方の移動の付き添いと、廊下の明かりの見直しを支援内容に加える
目標を達成した(薬の時刻と記録) 妻が記録表を毎日つけられるようになり、受診の前にまとめた紙を主治医へ渡せた。受診で処方が見直された 新しい処方の時刻で記録表と紙を作り直し、目標を外出の計画に進める
一部達成した(立ちくらみ) 起き上がりから立ち上がるまでの手順を紙を見ながら行えている。食事のあとのふらつきはご家族の記録で続いている 食事のあとの過ごし方を課題に加え、記録を添えて主治医へ報告する
達成していない(むせ) 夕食のときのむせはご家族の記録で減っていない。食事の時刻が動きにくい時間帯にあたる日が多い 食事の時刻と内服の時刻の関係を主治医と薬局に相談し、言語聴覚士の評価の見直しを依頼する
一部達成した(便秘) 便の記録を添えて主治医へ報告し、処方が変わってから間隔は縮んだ。お腹の張りの訴えは週末に続く 週末の食事と水分のとり方をご家族と見直す
一部達成した(夜のトイレ) 通り道に明かりをつけてから、夜のふらつきは記録上で減った。夜にトイレに起きる回数は変わらず、妻は眠れていない ポータブルトイレの利用と、妻の休息のためのショートステイを介護支援専門員と相談する
状態が変わった(見間違いの訴え) 処方が変わった頃から、夕方に「人がいる」と話す日が増えた。ご本人は怖がっている。記録を添えて主治医へ報告した 主治医の指示を受けて計画を見直し、夕方の部屋の明かりと妻の返し方の工夫を支援内容に加える
状態が変わった(転倒によるけが) 夕方に廊下で転び、手首を痛めて受診した。痛みのため杖が使いにくく、動ける範囲が狭くなっている 計画書を見直し、福祉用具と訪問介護の時間帯を介護支援専門員と相談する。リハ職の訪問の内容を見直す
目標を達成した(外出) 動きやすい時間帯を選んで、地域の集まりに2回参加できた。ご本人は「ふるえを気にしすぎなくてよかった」と話す 目標を、月ごとの外出の計画を自分で立てることに進める
介護者の状況が変わった 夜の付き添いを担っていた妻が体調を崩して入院し、息子が泊まりで付き添うことになった 息子への記録表と合図の伝え方を計画に加え、介護支援専門員とショートステイの利用を相談する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(パーキンソン病の記載例7欄)

計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。パーキンソン病のある方では、診察の場面では見えにくい、家での一日の動きの波と、転んだ場所、夜の様子、ご家族の負担を伝えることが、報告書の大きな役割になります。

報告書の欄 記載要領の定め パーキンソン病のある方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 朝と昼は家の中を杖で移動できているが、夕方は起き上がりと歩き出しに時間がかかる(ご家族の記録表より)。今月は夕方の廊下で1回転んだ。けがはない。便は記録上、間隔が空く週がある
看護の内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 体調と動きの様子の確認、記録表の見返し、理学療法士と決めた合図での歩き出しと向きの変え方の練習、薬カレンダーの残りの確認、便の記録の確認を行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 妻が記録表と薬の準備、夜のトイレの付き添いを行っている。妻は夜に何度も起こされて眠れないと話す。廊下の通り道の物を妻と一緒に片づけた
衛生材料等の使用量および使用状況 ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 転んだ傷の処置などで衛生材料を使った月は、計画書の衛生材料の欄に書いた物品について、名称・交換の頻度・その月に使った量を記録書Ⅱから写す(値は記録した内容のとおり)
衛生材料等の種類・量の変更 ⑦「衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけること」。変更内容は「処置に係る衛生材料等の種類・サイズ・量の変更が必要な場合に記入すること」 処置の無い月は変更の必要性の欄に「無」の○をつける
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 ご本人から、夕方の動きにくい時間が長くなったとの話がある。記録表のまとめを添付いたします。また、夕方に「部屋に人がいる」と話す日が今月は3日ありました。ご指示をいただけますでしょうか
報告書の簡略化 ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 薬の調整の入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

主治医・介護支援専門員・薬局・リハ職・訪問介護への連絡文例(8例)

計画書の評価で見えたことは、報告書を待たずに伝えたほうがよい場面もあります。下の文例は、看護師が見た事実と記録を添えて、相手に判断や相談をお願いする形にしています。薬の変更や受診の判断を看護師の側から決めつける書き方は避けています。

宛先 場面 連絡文例
主治医 動きの波の記録がまとまったとき いつもお世話になっております。〇〇様のご家族が2週間つけた記録表をお送りします。夕方に起き上がりと歩き出しに時間がかかる日が多く、その時間帯にトイレに間に合わないことがあると伺っています。次回の受診の前にご確認いただけますでしょうか。
主治医 転んだとき 本日の訪問で、昨日夕方に廊下の曲がり角で転ばれたと伺いました。右の手首に痛みがあり、腫れは(記録した様子)です。指示書に記載の連絡の目安と照らしてご報告いたします。受診についてご指示をいただけますでしょうか。
主治医 見間違いの訴えが増えたとき 処方が変わった頃から、夕方に「部屋に人がいる」と話される日が今月は3日ありました。ご本人は怖がっておられ、奥様が返し方に困っておられます。様子をご報告いたしますので、ご指示をいただけますでしょうか。
主治医 むせが続くとき 夕食のときのむせが続いており、食事の時刻が動きにくい時間帯にあたる日が多いようです。熱は(記録した値)です。食事と薬の時刻の関係と、飲み込みの評価についてご相談させてください。
介護支援専門員 夜の介護の負担が大きいとき 夜のトイレの付き添いで、奥様がまとまって眠れない日が続いていると伺っています。ポータブルトイレの利用と、奥様の休息のためのショートステイについて、次回のサービス担当者会議で話し合わせていただけますでしょうか。
介護支援専門員 住まいの見直しが必要なとき 廊下の曲がり角とトイレの前で足が止まりやすく、今月1回転ばれています。理学療法士と見たところ、手すりの位置の見直しが助けになりそうです。福祉用具と住宅改修の相談をお願いできますでしょうか。
薬局 薬が飲み込みにくいとき 〇〇様が、朝の薬を飲むときにむせることがあり、口の中に残ることもあると伺いました。薬の形や飲み方について、主治医へのご相談も含めてご助言をいただけますでしょうか。
訪問介護・通所 合図と薬の時刻を共有するとき 〇〇様は、足が止まったときに後ろから引かず、理学療法士と決めた合図で待つと歩き出しやすくなります。合図と、そちらの時間帯にあたる薬の時刻(処方のとおり)を書いた紙をお渡ししますので、ご確認いただけますでしょうか。

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の連絡は事業所の手順と個人情報の取扱いに従ってください。

ケアプラン・訪問介護・通所との連携で、計画書に書いておくこと(6項目)

介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。パーキンソン病のある方では、薬が効いている時間と各サービスの時間帯の関係が暮らしの質を大きく左右するため、計画書の内容のうち他のサービスにも伝えておくことをはっきりさせておくと、食い違いが起きにくくなります。

合わせる点 計画書の側で書いておくこと 訪問介護・通所・介護支援専門員に伝えること
目標と期間 ケアプランの短期目標の期間と、計画書の評価の時期をそろえる 評価の結果を、短期目標の期間の終わりに合わせて介護支援専門員へ伝える
薬の時刻とサービスの時間帯 内服の時刻(処方の内容)と、訪問看護・訪問介護・通所の時間帯、動きやすい時間帯の関係を書く 入浴や外出を動きやすい時間帯に組めるよう、介護支援専門員と各事業所で時間帯を確かめる
歩き出しの合図と動き方 リハ職と決めた合図と、向きを変えるときの動き方を書く 訪問介護・通所の職員に同じ紙で伝え、足が止まった場面を連絡帳に書いてもらう
食事と飲み込み 食事の姿勢と食べ物の形(評価の内容)、むせたときの様子の書きとめ方を書く 配食や通所の食事の形を評価のとおりにそろえることを伝える
いつもと違う様子 転んだ、むせて熱が出た、薬が飲めない、急に動けないなどの変化と、指示書に記載の連絡の目安を書く 気づいたときの連絡先を当ステーションにそろえることを伝える
福祉用具と住まい ベッドの高さ、介助バー、手すり、ポータブルトイレ、夜の明かりの必要を、観察から書く 福祉用具と住宅改修の相談を介護支援専門員に伝え、サービス担当者会議の議題にする

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

医療保険の訪問看護・難病の医療費助成の取扱いと計画書の照らし合わせ|通知の定めと貴事業所の記入欄(対照表)

パーキンソン病のある方の訪問看護は、介護保険で行う場面と医療保険で行う場面があり、医療保険では「基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者」かどうかで訪問の回数などの取扱いが変わります。どちらにあたるかは、利用者の状態、主治医の指示書の記載、要介護認定の状況、告示の原文と地方厚生(支)局・保険者の取扱いによって決まるため、下の表では通知の定めと、貴事業所で確かめる点を並べるだけにしています。病気の重症度の段階は主治医が判断して記載するもので、看護師が計画書の上で判定する欄ではありません。ある利用者がどの取扱いにあたるかは、貴事業所でご確認ください。

取扱い 通知の定め(訪問看護療養費の算定の留意事項・保発0305第19号) 計画書・記録で確かめる点 貴事業所の記入欄
要介護被保険者等と医療保険の訪問看護 第1の2「指定訪問看護の費用の額は、『訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等』(平成18年厚生労働省告示第103号。以下「基準告示」という。)第4の1に規定する場合を除き、介護保険法(平成9年法律第123号)第62条に規定する要介護被保険者等については、算定の対象としないこと」 要介護認定の有無と区分、指示書の傷病名と記載内容、基準告示第4の1に規定する場合にあたるかを、告示の原文と保険者・地方厚生(支)局の取扱いで確かめる 保険の区分の確認日と確認者:(    )/ご確認ください
別表第7に掲げる疾病等の者 第2の1(1)【基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者】に「特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者」が挙げられ、その中に「パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))」が含まれています 指示書に記載の傷病名と、重症度分類・生活機能障害度についての主治医の記載。看護師が段階を見立てて書き込まない。記載が無いときや状態が変わったときは主治医へ確かめる 指示書の記載の確認日:(    )/ご確認ください
訪問の日数(医療保険の訪問看護基本療養費) 第2の1(1)では、訪問看護基本療養費(Ⅰ)は「利用者1人につき週3日を限度として算定する」とされ、ただし書で、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者については「週4日以上算定でき」とされています 訪問の曜日と回数の計画が、指示書と利用者の状態に沿っているか。計画書の備考と訪問予定の職種の欄がそろっているか 訪問の計画の確認者:(    )/ご確認ください
難病等複数回訪問加算(医療保険) 第2の5(1)「注7に規定する難病等複数回訪問加算は、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者又は特別訪問看護指示書が交付された利用者に対して、必要に応じて1日に2回又は3回以上指定訪問看護を実施した場合に算定する」 一日に複数回訪問する必要(薬の時刻に合わせた介助、夜の様子の確認など)を、課題と支援内容、記録書Ⅱに書いているか 複数回訪問の理由の記録:(    )/ご確認ください
特別訪問看護指示書が出たとき(医療保険) 第2の4(2)「特別訪問看護指示書が交付された利用者に対する指定訪問看護については、当該利用者の病状等を十分把握し、一時的に頻回に指定訪問看護が必要な理由を記録書に記載し、訪問看護計画書の作成及び指定訪問看護の実施等において、主治医と連携を密にすること」。なお第2の4(1)は、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者を除く者についての定めです 指示書が出た理由と期間、頻回な訪問が必要な理由が記録書に書かれているか。計画書の見直しの日と期間がそろっているか 期間の管理表:(    )/ご確認ください
入院中の外泊時の訪問(医療保険の訪問看護基本療養費(Ⅲ)) 第2の3(1)では、在宅療養に備えて一時的に外泊をする際の指定訪問看護について「入院中1回に限り算定できる」とされ、「ただし、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者で、外泊が必要と認められた者に関しては、入院中2回まで算定可能とする」とされています 薬の調整の入院中に外泊する方で、病院との情報のやりとりと外泊時の訪問の記録が残っているか 病院との連絡の記録:(    )/ご確認ください
複数名での訪問(医療保険の複数名訪問看護加算) 第2の10(1)では、基準告示第2の5の(1)に規定する者に該当する1人の利用者に対し、同意を得て複数名が同時に指定訪問看護を実施した場合に算定するとされ、「なお、単に2人の看護師等又は看護補助者が同時に指定訪問看護を行ったことのみをもって算定することはできない」とされています 二人で訪問する理由(入浴や移動の介助で一人では支えにくい場面など)と、利用者・ご家族の同意が記録に残っているか 同意と理由の記録:(    )/ご確認ください
難病の医療費助成 この記事では制度の中身は扱いません(手元の原文で確かめられる範囲を超えるため) 受給者証の有無と有効期間、受給者証に記載の医療機関・訪問看護ステーションの記載を、ご本人・ご家族と一緒に確かめる。更新の時期は都道府県の窓口の案内で確かめる 受給者証の確認日:(    )/ご確認ください

※上記は厚生労働省の通知(保発0305第19号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。告示・通知の取扱いは改定や地方厚生(支)局・保険者(指定権者)の取扱いにより異なる場合があります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)・地方厚生(支)局にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

運営指導でパーキンソン病のある方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」と「サービス提供の記録(第19条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、パーキンソン病のある方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) パーキンソン病のある方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、計画書で決めた記録表の見返し・合図での歩き出しの練習・薬の残りの確かめを行ったことが書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 訪問した時刻と最後に薬を飲んだ時刻、そのときの動きの様子、転んだ場所と場面、むせ、便、夜の様子が、「ADL著変なし」の一語でなく事実で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの移動・排泄・服薬の目標と訪問の頻度と、計画書の目標・訪問の計画が食い違っていないか。通所やショートステイでの薬の扱いが反映されているか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書の留意事項と処方の時刻が計画書に写されているか。廊下やトイレの様子、夜の明かりなど住まいの環境が課題に反映されているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「振戦・固縮の観察」「歩行訓練」「転倒予防の指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が分かるか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご家族に渡した薬の時刻の紙と合図の紙の内容が計画書と同じか 確認日:(    )
(第70条)目標の達成状況は記録されているか 評価欄と記録書Ⅱに、転んだ回数と場所、合図を使えた場面、自分でトイレに行けた日、むせた場面などの事実が書かれているか 確認日:(    )
(第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 処方の変更、薬の調整の入院と退院、転倒やけが、主な介護者の交代の後に、計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第70条)訪問看護報告書は作成されているか 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況・特記すべき事項がつながっているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・リハ職の訪問・複数名の訪問・事故の指摘(7件)

パーキンソン病のある方に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方と、パーキンソン病のある方の支援で関わりの深い指示書・リハ職の訪問・二人での訪問・転倒などの事故の記録に関わる公表事例です。

自治体 公表されている指摘の内容 パーキンソン病のある方の計画書で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの移動・排泄・服薬の目標との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 指示書の期間の管理、指示書の留意事項と処方の時刻の転記、ご本人の希望の反映
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 薬の調整の入院から退院するときに、訪問の開始前に計画書があるか
東京都(同) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 指示書のリハビリテーションの指示と、計画書の訪問予定の職種・支援内容が食い違っていないか
静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧) 理学療法士等による指定訪問看護について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない 歩き出しや動作の練習で理学療法士・作業療法士が訪問する方の、説明と同意の記録
仙台市(令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等) 複数名訪問加算の算定に当たり必要とされている「事情」が明確にされていない 入浴や移動の介助で二人で訪問する方の、一人では支えにくい理由と同意の記録
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 事故の記録・保険者への報告を行っていない 訪問中の転倒やけがの記録と、計画書の課題への反映

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

パーキンソン病のある方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 留意事項・リハビリテーションの指示・連絡の目安・指示期間の出どころ (    ) (    )
処方の内容とお薬手帳の写し 薬の時刻の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 (    ) (    )
ご家族がつけた記録表(飲んだ時刻と動きの様子・便・夜のトイレ) 課題と評価の根拠、主治医への報告に添える資料 (    ) (    )
退院時の情報・薬の調整の入院の情報 処方の変更の経過、病院で受けた指導の内容、課題欄の根拠 (    ) (    )
言語聴覚士・医療機関の飲み込みの評価の記録 食事の姿勢と食べ物の形の支援内容の出どころ (    ) (    )
理学療法士・作業療法士と決めた合図と動き方の紙(版と日付つき) 動作の支援内容の出どころ、他の事業所と同じ紙で共有したことの確認 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) 説明した相手と日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
ご家族に渡した薬の時刻と連絡の紙(版と日付つき) 計画書と同じ内容を渡したことの確認、処方の変更時の差し替え (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 (    ) (    )
訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) 評価と家での様子を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )
事故・ヒヤリハットの記録 転んだ・ベッドから落ちかけた・むせが続いたなどの状況と対応、計画の見直しのきっかけ (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

パーキンソン病の看護計画に、薬の名前や飲む時刻、重症度の段階を書いてもよいですか?

薬の名前と量、飲む回数と時刻、食事と薬の時刻の関係、病気の重症度の段階は、主治医が一人ひとりに合わせて決め、判断するものです。計画書には「処方のとおり」「主治医の指示書に記載の」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は処方と指示書から写すと、処方が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で確かめた動きの様子やご家族の記録表の内容は、記録書Ⅱに記録した内容として残します。

病棟の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、パーキンソン病の書き方で何が違いますか?

病棟の看護計画は、決まった時刻の与薬や歩行の介助、食事の見守りを職員が交代で昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。パーキンソン病のある方では、看護師が帰ったあとの薬の時刻、動きにくい時間帯の移動とトイレ、夜の様子を、ご本人・ご家族・訪問介護・通所がどう受け持つかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。

「転倒リスク状態」などの看護問題の名前は、計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

介護保険の老企第55号では、令和6年の改正で計画書の欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています。課題欄には、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で一文にすると、支援内容と評価につながりやすくなります。パーキンソン病のある方では、転んだ場所や足が止まった場面に、最後に薬を飲んだ時刻との関係を添えると、主治医やリハ職と話し合うときの材料になります。

薬が効いている時間と切れてくる時間の差がある方の計画書は、どう書きますか?

薬の内容や時刻を決めるのは主治医なので、計画書では薬そのものを変える書き方はせず、飲んだ時刻と動きやすさの関係を見て伝えることを支援内容に書きます。ご家族と一緒に記録表を作って訪問のたびに見返すこと、記録をまとめて主治医へ報告すること、入浴や動作の練習を動きやすい時間帯に組むこと、薬を自己判断で減らしたりやめたりしないことをご本人とご家族に伝えることなどが、記載の例になります。

パーキンソン病のある方の訪問看護は、介護保険と医療保険のどちらで計画書を作りますか?

訪問看護療養費の算定の留意事項(保発0305第19号)では、基準告示第4の1に規定する場合を除き、要介護被保険者等については訪問看護療養費の算定の対象としないとされ、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者として挙げられた別表第7の疾病等の中に、重症度の条件つきでパーキンソン病関連疾患が含まれています。どちらの保険で訪問看護を行うかは、要介護認定の状況、主治医の指示書の記載、告示の原文と保険者・地方厚生(支)局の取扱いによるため、利用者ごとにご確認ください。重症度の段階は主治医が判断して記載するもので、看護師が計画書の上で判定するものではありません。

パーキンソン病のある方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?

計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。パーキンソン病のある方では、処方の変更、薬の調整のための入院と退院、転倒やけが、むせが続いたことによる受診、見間違いや夜の様子の変化、主な介護者の交代、福祉用具の導入や住まいの改修、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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