朝の注射をしたかどうかをご本人が思い出せない、血糖の測定器の記録が数日空いている、風邪で食べられない日に注射や薬をどうするかご家族が迷った、足の指の間の傷に誰も気づいていなかった、配食のほかに菓子パンを買い置きしている、一人暮らしで夜に様子がおかしくなったときの連絡先が決まっていないといった、糖尿病とともに在宅で暮らす方の訪問看護計画書について、看護問題の優先順位の考え方、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理者を想定しています。病院の看護計画や看護学生の看護過程では、血糖の測定・注射・配薬・食事の配膳を病棟の職員が決まった時刻に受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師がいない時間の測定・注射・内服・食事・体調の変化への対応を、ご本人・ご家族・薬局・訪問介護・通所の職員がどう受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。
介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の文例は「糖尿病の方のケアプラン文例」の記事にまとめています。ケアプランは介護支援専門員が暮らし全体の課題とサービスの組み合わせを書く計画で、訪問看護計画書は主治医の指示書をもとに訪問看護が訪問の中で何を見て、何をして、何を伝えるかを書く計画です。この記事では、訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、食べる量が減ってきた方の計画は「低栄養の看護計画」、物忘れが重なる方の計画は「認知症の看護計画」、むくみや息切れのある方の計画は「心不全の看護計画」の記事もあわせてご覧ください。
以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。血糖値の目標や範囲・低血糖や高血糖とみなす値・HbA1cなどの検査の値とその基準・インスリンの種類と単位数と打つ時刻・飲み薬の名前と量・低血糖のときにとる物とその量・食事のエネルギーや主食の量・運動の強さや時間・体調を崩した日(シックデイ)の薬と注射の扱い・主治医へ連絡する目安や受診と救急要請の基準など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示のとおり」「指示書に書かれた値」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書と処方から写してください。訪問で確かめた値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。また、血糖の良し悪しや低血糖かどうかの見立ては主治医によるものとし、看護師の計画書の上で判定しない書き方にしています。
計画書の欄ごとに何を書くか|記載要領の原文と、血糖を自分で管理しながら暮らす方の書き方(対照表3つ)
医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。糖尿病のある方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面が多い一方で、ほかの病気との兼ね合いで医療保険の訪問看護として作る場面もあります。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は糖尿病のある方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。
| 欄 | 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) | 糖尿病のある方の計画書で書く中身 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 | ①「必要な事項を記入すること」 | 足の傷や入院をきっかけに区分の変更を申請中の方では、備考に申請の状況を書き、結果が出たら計画書を見直す日を決めておく。一人暮らしかどうか、注射や薬を手伝う人が誰かは記録書Ⅰと備考で分かるようにしておく | 認定の状況の確認者:( ) |
| 看護・リハビリテーションの目標 | ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 | 「血糖コントロールが良好に保てる」で止めず、測定・注射・内服を続けながら守りたい暮らし(畑に出る、孫と出かける、通所で昼食をとる、一人暮らしを続ける)を主語にする。血糖値の目標や範囲は目標の文に入れず、指示書から写す欄を分ける | 目標の主語の決まり:( ) |
| 年月日 | ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 | インスリンや飲み薬の処方の変更、入院と退院、足の傷の発生、測定や注射を手伝う人の交代、配食や通所の開始、物忘れが目立ってきた時期など、見直しのきっかけになった日を残す | 見直しのきっかけの一覧:( ) |
| 療養上の課題・支援内容 | ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 | 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、測定の記録の様子、注射や薬の残り方、足の様子、食事の時刻と内容、ご本人の言葉など、そう考えた根拠を添える | 課題の根拠の書き方:( ) |
| 評価 | ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています | 目標ごとに、記録書Ⅱと血糖の記録表に残した事実(測定が続いた日数、注射や薬の残り方、低血糖が疑われる様子の有無と対応、足の様子、ご本人の言葉)で書く。「血糖安定」「著変なし」の一語で終わらせない | 評価を書く時期:( ) |
| 衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 | ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 | 足の傷の手当てなど、指示書に衛生材料を使う処置がある場合に、内容・種類とサイズ・1か月の必要量を指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写す。測定や注射に使う物の扱いは処方と医療機関・薬局の案内のとおりとし、この欄に書くかは事業所の手順で決めておく | 衛生材料の確認先:( ) |
| 訪問予定の職種 | ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています | 理学療法士・作業療法士が歩く練習や、足を守る靴の履き方・座って足を見る姿勢の練習で訪問する方では、職種と曜日を書く。看護職員だけで訪問する方は記載しなくてよい欄 | 職種と曜日の伝え方:( ) |
| 備考 | ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 | 訪問の曜日と時間帯(食事と注射の時刻との関係)、薬局の訪問の有無、配食の曜日、通所での昼食の有無、訪問介護の曜日、眼科や歯科などほかの受診先、緊急時の連絡の順番、測定器と注射の道具の置き場所など | 備考に書く項目:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
介護保険・医療保険の通知のうち、測定や注射の記録とつながる定め(9項目)
計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書や管理者の側に書かれていることがあります。糖尿病のある方は、看護師がいない時間に測った値や注射の記録が、訪問の記録と合わさって初めて主治医に伝わる材料になるため、記録書の定めとのつながりがとくに大きくなります。手元の通知の原文から並べました。
| 確かめる点 | 通知の原文 | 糖尿病のある方で確かめること | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 計画書の作り方の基本(介護保険) | 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 | 指示書の留意事項と、ご本人の「注射は自分で続けたい」「甘い物を全部やめるのはつらい」、ご家族の「夜に一人にするのが心配」という希望の両方が計画書に入っているか | 希望を聞き取った日:( ) |
| 居宅サービス計画との関係(介護保険) | 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 | ケアプランの服薬と食事の目標、配食・通所・訪問介護の曜日と時刻、薬局の関わりを、計画書とそろえる | ケアプランの受け取り日:( ) |
| 欄の名前の変更(介護保険) | 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています | 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「血糖不安定リスク状態」の名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す | 様式の改訂日:( ) |
| 主治医への提出(介護保険) | 老企第55号 1(2)「主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと」 | 糖尿病を診ている医師と、指示書を出している医師が別の方では、計画書と報告書を出す先と、測定の記録を伝える先を決めておく | 提出先と時期:( ) |
| 記録書Ⅰに書く項目 | 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅰには「療養状況、介護状況、訪問看護の依頼目的、緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等」を記入すること | 測定と注射を誰がしているか、薬局と配食の事業者、夜間や休日の連絡先、低血糖が疑われるときの連絡の順番を、初回の訪問で残しておく | 連絡先の確認日:( ) |
| 記録書Ⅱに書く項目 | 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること | 記録表から写した測定の値(記録した値)と測った時刻、注射と内服の実施の様子、残りの数、食べた量、足と注射する場所の皮膚の様子を書く場所と順番を事業所で決めておく | 測定の値を書く欄:( ) |
| 評価と見直し | 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 | 評価の根拠になる事実(測定が続いた日数、注射や薬の残り方、低血糖が疑われる様子とその対応、足の様子、ご本人の言葉)を、訪問のたびに同じ順番で書く | 記録の順番:( ) |
| 計画書の見直しの記録 | 同 第一の2(3)②「訪問看護ステーションの管理者又は包括型訪問看護療養費を算定する日の指定訪問看護に対する責任者は、氏名と訪問看護計画書の確認や見直しを行った場合はその旨を訪問看護記録書に記録すること」 | インスリンや飲み薬の処方が変わったとき、注射を手伝う人が変わったときに、計画書を確かめたことと見直したことを記録書に残しているか | 見直しの記録の担当:( ) |
| 管理者の確認 | 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 | 処方や指示が変わったときに、計画書・ご家族に渡した連絡の紙・訪問介護への依頼の内容が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる | 確認の担当者:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
数値は指示書と処方から写す|測定・注射・低血糖のときの対応など12項目の転記の型
糖尿病のある方の計画書で崩れやすいのは、測る回数や注射の単位、低血糖のときの対応が、指示書や処方、退院時の書類の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。逆に、一般的な目安や前の計画書、別の利用者の例から数値を書き写すと、その方の指示と食い違うことがあります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。
| 元の書類に書かれていること | 写す先の欄 | 計画書の書き方の型 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 指示書の主たる傷病名と留意事項 | 目標・備考 | 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、測定・注射・内服を続けながら自宅での暮らしを保つことを目標の柱にする」 | 指示書の日付:( ) |
| 血糖を測る回数と時刻 | O-P・E-P | 「血糖は主治医の指示のとおりの回数と時刻に測り(記録した値)、記録表に食事や注射との前後の関係と一緒に書く」 | 測定器の置き場所:( ) |
| インスリンの種類・単位・打つ時刻 | T-P・E-P | 「インスリンは処方のとおり(指示書の内容)とし、単位と時刻を自己判断で変えない。手順はご本人・ご家族と一緒に確かめる」 | 処方の確認日:( ) |
| 飲み薬の内容と飲む時刻 | T-P・E-P | 「飲み薬は処方のとおりとし、飲み忘れや飲みすぎを防ぐ工夫をご本人と薬局と一緒に考える。飲み忘れたときの扱いは主治医・薬剤師から受けた説明のとおりとする」 | お薬手帳の確認日:( ) |
| 低血糖が疑われるときの対応(とる物と量、測り直す時間、連絡) | O-P・T-P・E-P・備考 | 「低血糖が疑われる様子があれば、主治医の指示書に書かれた対応(指示書の内容)を行い、指示書に記載の連絡の目安にあたるときは当ステーションと主治医へ連絡する。手順を紙にして測定器のそばに置く」 | 手順の紙を渡した日:( ) |
| 高血糖が疑われるときや、測った値が指示書の連絡の目安にあたるとき | O-P・E-P・備考 | 「測った値(記録した値)や体の様子が指示書に記載の連絡の目安にあたるときは、当ステーションから主治医へ報告する。連絡の順番を紙にしてご本人とご家族に渡す」 | 報告の手段と時間帯:( ) |
| 体調を崩した日(シックデイ)の注射と薬の扱い | E-P・備考 | 「体調を崩して食べられない日の注射と薬の扱いは主治医から受けた指示のとおり(指示書の内容)とし、指示が無い場合や迷う場合は自己判断せず主治医へ連絡して確かめる」 | 指示の有無の確認日:( ) |
| 食事についての指示(量・回数・時刻・控える物) | T-P・E-P・備考 | 「食事は主治医の指示のとおり(指示書の内容)とし、管理栄養士から指導を受けている場合はその内容と同じ形でご本人・ご家族・配食に伝える」 | 指示の出どころの書類:( ) |
| 体を動かすことについての指示や制限 | T-P・E-P | 「体を動かすことは主治医の指示の範囲で行い、散歩や畑仕事の前後に測る・補食を持つなどの扱いは指示のとおりとする」 | 制限の有無:( ) |
| 足の傷や皮膚の手当て | T-P・衛生材料等の欄 | 「足の傷の手当ては主治医の指示のとおり(指示書の内容)とし、手当ての方法と使う物、交換の頻度をご家族と一緒に確かめる」 | 手当ての指示の日付:( ) |
| 血液検査の結果と、主治医からの説明 | 課題・評価 | 「検査の結果と説明は主治医から受けた情報のとおり(書類の内容)とし、看護師の判断で結果を解釈して目標の数値にしない」 | 結果の受け取り方:( ) |
| 退院時の情報(入院中の注射の内容の変更、測定の手順、食事の指導) | 課題・備考・年月日 | 「退院時の情報(書類の内容)を課題の根拠として書き、病院での手順と自宅での手順の違い(時刻・道具・手伝う人)をご本人・ご家族と確かめる」 | 退院時の書類の保管:( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
看護問題の優先順位|在宅の糖尿病の課題をどの順に並べるかの考え方と課題の文(5段・12例)
看護過程では、糖尿病のある方の看護問題を複数挙げたうえで、どれから取り組むかの優先順位をつけます。在宅の訪問看護計画書でも、課題を並べる順番は、訪問の時間を何に多く使うか、ご家族に何から伝えるかにそのままつながります。下の表は、在宅でよく使われる並べ方の一つの例で、①看護師がいない時間に起きたときの備え → ②測定・注射・内服を続ける手順 → ③足と皮膚の変化に早く気づくこと → ④食事と活動の暮らしの要因 → ⑤支える人の負担の順に置いています。実際の順番は、主治医の指示書の留意事項、ご本人の希望、その方の暮らしの状況を踏まえて、事業所の中で話し合って決めてください。課題の文は、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で書き、病気の状態の見立ては主治医によるものとしています。
| 優先の段 | 課題欄の文 | 根拠として添える事実 | この段に置く理由 |
|---|---|---|---|
| ①看護師がいない時間の備え | 一人暮らしで、夜や早朝に様子がおかしくなったときに連絡する先と手順が決まっていない | 同居者の有無、電話の置き場所、ご本人が連絡先を言えるか、記録表に残る測定の時刻 | 起きたときにその場にいるのはご本人とご家族で、看護師は訪問の時間しか関われないため |
| ①看護師がいない時間の備え | 朝の注射のあとに食事がとれなかった日があり、その日の対応をご家族が迷った | その日の記録表、注射の記録、ご家族の話、指示書に書かれた対応(指示書の内容) | 注射と食事のずれは在宅の暮らしの中で起きやすく、手順の紙があれば動ける場面のため |
| ①看護師がいない時間の備え | 風邪で食べられない日に、注射や薬をどうするかをご本人が決められずにいた | 体調を崩した日の記録表、ご本人の話、シックデイの指示の有無(指示書の内容) | 体調を崩した日は主治医への連絡が必要になる場面が重なりやすいため |
| ②手順を続ける | 朝の注射をしたかどうかを思い出せない日があり、記録表に空きがある | 記録表の空き、注射の道具の残り方、ご本人とご家族の話の食い違い | 打ち忘れと二重の注射のどちらも起こりうるため、手伝う人と確かめ方を先に決める |
| ②手順を続ける | 目が見えにくくなり、注射の単位の目盛りや測定器の画面が読みにくいと話している | ご本人の言葉、目盛りを合わせる様子(訪問時確認)、眼科の受診の予定 | 手順そのものが続けられなくなるおそれがあるため |
| ②手順を続ける | 飲み薬の一包化はされているが、昼の分が残っている日が週に数日ある | お薬カレンダーの残り、昼の過ごし方(通所の日・外出の日)、薬局の話 | 残り方の傾向が分かれば、時刻の相談や手伝う人の調整で変えられるため |
| ③足と皮膚 | 足の指の間に小さな傷があったが、ご本人は痛みを感じず気づいていなかった | 傷の場所と大きさ(訪問時確認)、靴と靴下の様子、ご本人の言葉、主治医への報告の内容 | 小さな変化のうちに主治医へつなぐことが、暮らしを続けるうえで大きいため |
| ③足と皮膚 | 注射する場所が同じ所に偏り、腹部の皮膚に硬い所がある | 注射する場所の皮膚の様子(訪問時確認)、ご本人の打ち方、医療機関から受けた指導の内容 | 打つ場所の偏りは手順の見直しでつなげられる課題のため |
| ④食事と活動 | 配食のほかに菓子パンや果物を買い置きし、夜に食べることが多い | 冷蔵庫と台所の様子(ご本人の同意のもとで確認)、記録表の夜の欄、ご本人の「夜は口さびしい」 | 責めずに暮らしの流れを一緒に見直すことで、測定の記録と結びつけて話せるため |
| ④食事と活動 | 畑仕事を続けたいが、暑い日に作業のあと具合が悪くなったことがある | 作業の時間帯と長さ、水分のとり方、その日の記録表、ご本人の話 | 続けたい暮らしと体調の変化の両方を、主治医の指示の範囲でつなぐ課題のため |
| ⑤支える人 | 注射を手伝っている妻が、自分の通院が増えて朝の時刻に間に合わない日がある | 妻の体調と通院の予定、注射の記録、妻の「朝はもう手が回らない」 | 手伝う人の変化は手順全体の見直しにつながるため |
| ⑤支える人 | 離れて暮らす娘が、毎日の電話で血糖の値を聞いて母を責めてしまうと話している | 電話の様子、ご本人の言葉、娘の言葉 | 測定を続ける気持ちを支えるため、家族の関わり方を一緒に考える課題のため |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
「血糖不安定リスク状態」「非効果的健康管理」などの看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)
病院や看護学生の看護過程では、糖尿病に関わる問題を「血糖不安定リスク状態」「非効果的健康管理」「知識不足」のような看護診断名で立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前よりも、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。
| 病院・学生でよく使う表現 | 在宅の計画書の課題欄の文 | 根拠として添える事実 |
|---|---|---|
| 「血糖不安定リスク状態」 | 通所の日は昼食の時刻が遅くなり、朝の注射からの間が空く日がある | 通所の日の記録表、連絡帳の昼食の時刻、注射の時刻 |
| 「非効果的健康管理」 | 測定器の記録が週に数日空いており、ご本人は「測っても変わらないから」と話している | 測定器と記録表の空き、ご本人の言葉、測定を始めたときの説明の内容 |
| 「知識不足」 | 体調を崩した日に注射をやめてよいかをご本人が自分で決めていた | その日の記録、ご本人の話、シックデイの指示の有無(指示書の内容) |
| 「皮膚統合性障害リスク状態」 | 足の裏にたこができ、合わない靴を履き続けている | 足の裏と靴の様子(訪問時確認)、ご本人の言葉、外出の回数 |
| 「感染リスク状態」 | 足の指の間が湿って皮がむけているが、ご本人は足を洗うときに指の間まで見られていない | 指の間の皮膚の様子、入浴の方法と回数、前かがみになれるか |
| 「転倒転落リスク状態」 | 夜中にトイレへ行く回数が多く、暗い廊下で足元がふらつく | 夜のトイレの回数(ご本人の話)、廊下の明るさ、つかまる所の有無 |
| 「介護者役割緊張」 | 注射を手伝う妻が、打ち忘れを恐れて朝早くから眠れずにいる | 妻の睡眠と体調、注射の時刻、妻の言葉 |
| 「非効果的コーピング」 | 食事を控えるように言われ続けて、ご本人が「何を食べても叱られる」と話している | ご本人の言葉、食事の場面の様子、ご家族の声かけの内容 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
糖尿病の看護目標の書き方|注射を始めた方・物忘れ・独居など12の背景別の長期目標と短期目標(24例)
糖尿病の目標は、「血糖コントロールができる」「低血糖を起こさない」「合併症を予防する」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「できていたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。また、血糖値の範囲や検査の値を記憶や一般的な目安から書くと、その方の指示と食い違うことがあります。下の表では、在宅でよく出会う12の背景について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。数値の目標がある場合は、指示書から写す欄を別に設けてください。
| 背景 | 長期目標の記載例 | 短期目標の記載例 | 評価のときに見る事実 |
|---|---|---|---|
| 退院してインスリンの自己注射を始めたばかりの方 | 注射と測定を自分の暮らしの流れに組み込み、自宅での生活を続けられる | 医療機関から受けた指導のとおりの手順で、看護師と一緒に注射と測定ができ、記録表に書ける | 手順の確認の様子、記録表の記入、ご本人の不安の言葉 |
| 長く自分で注射してきたが、物忘れが出てきた方 | 手伝ってもらう所を決めて、注射を続けながら住み慣れた家で暮らせる | 注射したことを記録表に印で残し、ご家族か訪問の職員が一日一回確かめる流れを作れる | 記録表の印、道具の残り方、打ち忘れや重ねて打つ心配の有無 |
| 一人暮らしで、飲み薬と測定を自分でしている方 | 体調の変化に気づいたら連絡できる形を保ち、一人暮らしを続けられる | 連絡の順番の紙を電話のそばに貼り、困ったときの連絡先をご本人が言える | 紙の置き場所、ご本人の言葉、連絡をした場面の記録 |
| 高齢の夫婦二人で暮らし、妻が注射を手伝っている方 | 夫婦が無理をせずに注射と食事を続け、二人での暮らしを保てる | 妻が手伝えない日の代わりの人と手順を、夫婦と介護支援専門員と一緒に決められる | 妻の負担の言葉、代わりの人が入った日の記録、注射の記録 |
| 入院中に注射や薬の内容が変わって退院した方 | 新しい手順に慣れ、退院前の暮らしの場面(買い物・通所・趣味)を取り戻せる | 退院時の情報と処方のとおりの新しい手順を、ご本人とご家族が紙を見ながら行える | 手順の紙の使われ方、記録表、退院時の情報との違い |
| 足に傷ができたことがある方 | 自分の足を守りながら、歩いて出かける暮らしを続けられる | 毎日一回、入浴のあとに足を見る習慣をつけ、変化があれば連絡できる | 足を見た記録、傷や赤みの有無(訪問時確認)、靴の様子 |
| 起きる時刻が日によって違い、食事の時刻が不規則な方 | 自分に合った一日の流れを作り、注射と食事の時刻のずれを小さくできる | 起きた時刻と食事と注射の時刻を記録表に書き、主治医に相談する材料をそろえられる | 記録表の時刻の並び、主治医へ相談した内容 |
| 配食と惣菜が中心で、自分では料理をしない方 | 手間をかけずに食べられる物を選び、自分の好みを生かした食事を続けられる | 配食のない日に選ぶ物を、主治医・管理栄養士の指示のとおりにご本人と一緒に決められる | 記録表の食べた物、配食の利用の回数、ご本人の言葉 |
| 週に数回、通所に通っている方 | 通所の日も家の日も同じ流れで注射と食事を続け、通所での楽しみを保てる | 通所の日の昼食の時刻と注射・薬の扱いを、通所の職員と同じ紙で共有できる | 連絡帳の記載、通所の日の記録表、ご本人の言葉 |
| 畑仕事や散歩を続けたい方 | 主治医の指示の範囲で体を動かす楽しみを続けられる | 作業の前後に測る・補食を持つなどの扱いを指示のとおりに決め、作業の日に記録できる | 作業の日の記録表、体調の変化の有無、ご本人の言葉 |
| 目が見えにくくなってきた方 | 見えにくさに合わせた道具と手伝いで、注射と測定を続けられる | 目盛りや画面を確かめる手伝いの方法を、ご家族と医療機関・薬局に相談して決められる | 手伝いの方法、眼科の受診の有無、ご本人の言葉 |
| 冬に風邪をひいて食べられない日があった方 | 体調を崩した日も、指示のとおりに動いて連絡できる | 体調を崩した日の連絡の紙をご本人とご家族と作り、伝える項目を言える | 紙の置き場所、体調を崩した日の記録、連絡した内容 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
聞き取った言葉を目標の文にする|「注射は自分で続けたい」「甘い物を全部やめるのはつらい」など8例
老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。糖尿病のある方では、長く続く療養に疲れたご本人と、心配から細かく管理したいご家族の気持ちが食い違うことがよくあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。
| 聞き取った言葉 | 目標欄の文 | 課題欄につなぐ視点 |
|---|---|---|
| ご本人「注射は自分で続けたい」 | 手伝ってもらう所を最小にして、自分で注射を続けられる | ご本人ができる所と難しくなった所、確かめる人 |
| ご本人「甘い物を全部やめるのはつらい」 | 主治医の指示の範囲で、楽しみにしている物を味わう時間を持てる | 好きな物と食べる時刻、主治医・管理栄養士への相談 |
| ご本人「測っても変わらないから、もう測りたくない」 | 測る意味をもう一度主治医と確かめ、続けられるやり方を見つけられる | 測定の手間、記録の使われ方、主治医から受けた説明 |
| 妻「夜中に低血糖になったらと思うと眠れない」 | 夜に様子が変わったときの手順を夫婦で確かめ、安心して休める | 夜の連絡の順番、手順の紙、妻の睡眠 |
| 娘「一人暮らしの父がちゃんと打てているか分からない」 | 父が注射を続けている様子を家族が分かる形で共有できる | 記録表の共有の仕方、ご本人の同意、娘の連絡の頻度 |
| ご本人「足が冷えるからこたつに足を入れて寝ている」 | 足を温める方法を見直し、やけどや傷を防ぎながら冬を過ごせる | 足の皮膚の様子、温め方、足の感じ方の訴え |
| ご本人「通所で皆と同じおやつを食べたい」 | 通所での楽しみを続けながら、食べる物と時刻を通所と一緒に決められる | 通所のおやつの時刻、主治医の指示、連絡帳の記録 |
| 息子「入院はもうさせたくない」 | 体調の変化に早く気づいて主治医に相談し、自宅での暮らしを続けられる | 記録表の見方、連絡の目安(指示書の内容)、息子との連絡の方法 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
血糖の自己測定と記録の型|測った値・時刻・食事・注射・体調を同じ順で残す(記録表の10欄と訪問時の観察12項目)
糖尿病のある方の計画書で、看護師がいない時間の様子を知る手がかりは、ご本人やご家族がつける記録です。ただ、測った値だけが並んだ記録では、なぜその値になったのかを主治医と話し合う材料になりにくく、食事・注射・体を動かしたこと・体調を同じ行に書いておくと、主治医への報告がしやすくなります。下の表は、続けやすさを優先して欄をしぼった記録表の例です。何を書くかはご本人・ご家族と一緒に決め、書けない日があってよいことも伝えます。測る回数と時刻は主治医の指示のとおりです。
| 記録表の欄 | 書き方の例 | 看護師が訪問時に見ること |
|---|---|---|
| 日付と曜日 | 曜日も書く(通所・配食・訪問介護の曜日と照らし合わせるため) | 記録の空きや値の変化に、曜日ごとの決まった理由があるか |
| 測った時刻 | 時計の時刻をそのまま書く。「朝」だけにしない | 指示のとおりの時刻に測れているか、時刻がずれる日の理由 |
| 食事との前後 | 「食前」「食後」「寝る前」など、指示書の言い方に合わせて丸をつける | 指示書の測る時点と、実際に測った時点が合っているか |
| 測った値 | 測定器に出た値を(記録した値)として書く。測定器の記録と照らし合わせる | 記録表と測定器の記録が同じか、指示書に記載の連絡の目安にあたる値があったか |
| 注射 | 打った時刻と、処方のとおりの単位を打ったかに丸。打った場所(おなかの右・左など) | 打ち忘れや重ねて打つ心配の有無、打つ場所の偏り |
| 飲み薬 | 朝・昼・夕に丸。飲めなかったときは理由をひとこと | 飲めなかった時刻の傾向、お薬カレンダーの残りとの一致 |
| 食べた量 | 「全部」「半分」「少し」「食べない」の4つから丸。間食はひとこと | 注射と食事のずれ、食べられなかった日の対応 |
| 体を動かしたこと | 「散歩」「畑」「通所の体操」など一言で | 体を動かした日の値の変化、補食の扱いが指示のとおりか |
| いつもと違う様子 | 「汗をかいた」「ぼんやりした」「のどが渇く」「熱」「吐いた」など、気づいたことと、したこと | 主治医から説明を受けた様子にあたるか、指示書の対応どおりに動けたか、連絡したか |
| 足を見たか | 入浴のあとなどに足を見たら丸。気になった所をひとこと | 見る習慣が続いているか、書かれた変化を訪問時に確かめる |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
訪問のたびに同じ順番で見る項目と、記録書Ⅱへの書き方の型(12項目)
「血糖安定」「自己管理良好」のような書き方だと、前回と比べることができず、主治医に伝えるときの材料にもなりません。訪問のたびに見る項目と、記録書Ⅱへの書き方の型です。数値で書く欄は「(記録した値)」とし、何をもって変化とみるかは主治医の指示によります。
| 観察の項目 | 見る・聞く方法 | 記録書Ⅱへの書き方の型 |
|---|---|---|
| 前回の訪問からの測定の記録 | 記録表と測定器の記録を並べて見る | 「前回訪問から7日間で測定の記録あり5日、空き2日(通所の日)。値は(記録した値)。指示書の連絡の目安にあたる値は記録に無い」と、日数と空きの理由を書く |
| 測定の手順 | ご本人が測る様子を見る(指先の消毒、器具の扱い、記録の仕方) | 「測定はご本人が行い、医療機関から受けた指導のとおりの手順。画面の数字は老眼鏡をかけて読めている」と、できている所と手伝った所を書く |
| 注射の実施 | 記録表の印、注射の道具の残り、ご本人とご家族の話 | 「朝の注射は記録表に印あり6日、印なし1日。印なしの日は打ったかを本人が思い出せず、その日は追加で打っていないと妻の話」と、印と話の出どころを書く |
| 注射の手順と単位の合わせ方 | ご本人が単位を合わせて打つ様子を見る | 「単位の目盛りを合わせるときに目を近づけて確かめている。処方のとおりの単位であることを一緒に読み上げて確認した」と、確かめ方を書く |
| 注射する場所の皮膚 | おなかなど打つ場所の皮膚を見て、触れる | 「おなかの右側に硬い所あり(訪問時確認)。打つ場所は右側に偏っていると本人の話」と、場所と偏りを書く |
| 飲み薬 | お薬カレンダーや一包化の袋の残り、お薬手帳 | 「昼の分が2包残る(通所の日と一致)。夕の分はすべて服用済み」と、残った時刻と理由の手がかりを書く |
| 食べた量と時刻 | 記録表、配食の容器の残り、ご本人とご家族の話 | 「朝は起きるのが遅く、注射のあと食事まで時間が空いた日が2日(記録表)。昼は配食をほぼ全部」と、注射と食事の時刻の関係を書く |
| いつもと違う様子の有無と対応 | 記録表の「いつもと違う様子」の欄、ご本人とご家族の話 | 「10日の夕方に汗をかいてぼんやりしたと妻の話。指示書の手順の紙のとおりに対応し、その後は普段どおりに戻ったと妻の話。当ステーションへの連絡はなかった」と、時刻・様子・したこと・連絡の有無を書く |
| 足 | 靴下を脱いでもらい、足の裏・指の間・爪・かかとを見る | 「左足の第4・5趾の間が湿って皮がむけている(訪問時確認)。痛みの訴えなし。靴は外出用のみ足に合う」と、場所と様子を書く |
| のどの渇き・尿・だるさの訴え | ご本人の言葉、水分のとり方、夜のトイレの回数 | 「この数日のどが渇くと話す。夜のトイレは3回(本人の話)」と、ご本人の言葉と回数を書き、主治医から説明を受けた様子にあたるかは指示書の内容と照らす |
| 体を動かしたことと疲れ | 記録表、外出の回数、ご本人の話 | 「畑に2日出た。作業は朝の涼しい時間に1時間ほど(本人の話)。作業の日は作業前に測っている」と、時間帯と測ったかを書く |
| 気持ちと言葉 | 表情、療養についての言葉、ご家族との関係 | 「『毎日測るのが面倒になってきた』と話す。娘からの電話で値を聞かれるのがつらいとも話す」と、続ける気持ちに関わる言葉を書く |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
低血糖・高血糖が疑われるときの連絡の流れ|指示書のとおりに動ける紙をご本人・ご家族と作る(場面別10例)
糖尿病のある方の計画書で、ご家族が最も不安に感じやすいのは、看護師がいない時間に様子が変わったとき、誰が何をして、どこへ連絡するかです。どの様子を低血糖や高血糖が疑われる様子とみるか、そのときに何をとるか、どのくらいで測り直すか、どこで主治医や救急へ連絡するかは、すべて主治医の指示書と主治医からの説明によります。計画書には「主治医の指示のとおり」の形で書き、実際の手順は指示書から写して、ご本人とご家族が手元で見られる紙にしておきます。下の表は、場面ごとに計画書への書き方を並べたものです。
| 場面 | 気づく人 | その場ですること(計画書の書き方) | 連絡の流れ(計画書の書き方) |
|---|---|---|---|
| 訪問中に、いつもと様子が違う(汗をかいている、話がかみ合わない等) | 看護師 | 指示書に書かれた低血糖が疑われるときの対応(指示書の内容)を行い、測定と様子の変化を記録する | 指示書に記載の連絡の目安にあたるときは、その場から主治医へ報告し、指示を受ける。意識や呼吸の様子によっては事業所の緊急時の手順のとおりに救急へ連絡する |
| 夜、同居のご家族が様子の変化に気づいた | 同居のご家族 | 手順の紙のとおりに測り、指示書に書かれた対応を行う。迷ったら当ステーションへ電話する | 当ステーションの緊急時の連絡先へ電話し、看護師が主治医への連絡の要否を判断する流れを紙に書いておく。紙には救急へ連絡する場面も指示書と事業所の手順のとおりに書く |
| 一人暮らしで、朝の電話にご本人が出ない | 別居のご家族・訪問介護 | あらかじめ決めた順番で、近くに住む人や事業所が様子を見に行く | 誰がどの順で様子を見に行くか、鍵の預け先、当ステーションへの連絡を、介護支援専門員と決めて計画書の備考とケアプランにそろえて書く |
| 注射のあと、食事がとれなかった | ご本人・ご家族 | 指示書に書かれた、食事がとれなかったときの対応(指示書の内容)を行い、記録表に書く | 指示書に記載の連絡の目安にあたるとき、指示が無いときは当ステーションへ連絡し、主治医へ確かめる |
| 測った値が、指示書の連絡の目安にあたった | ご本人・ご家族 | 手順の紙のとおりに測り直す(測り直す時間は指示書の内容)。体の様子を記録する | 指示書に記載の連絡先(当ステーションまたは主治医)へ、値(記録した値)と時刻、食事と注射の様子を伝える |
| のどの渇きやだるさの訴えが続いている | ご本人・訪問介護・通所 | 記録表の「いつもと違う様子」に書き、水分のとり方の扱いは主治医の指示のとおりとする | 当ステーションへ伝え、看護師が測定の記録と合わせて主治医へ報告する |
| 風邪や発熱で食べられない(シックデイ) | ご本人・ご家族 | 注射と薬の扱いは主治医から受けた指示のとおりとし、指示が無いときは自己判断でやめたり続けたりせず連絡する | 当ステーションと主治医へ、食べた量・飲めた量・測った値(記録した値)・熱・注射と薬の様子を伝える(伝える項目は次の表) |
| 吐いた、下痢が続く | ご本人・ご家族 | 回数と時刻、飲めた量を記録表に書く | 指示書に記載の連絡の目安にあたるとき、迷うときは当ステーションへ連絡し、主治医へ報告する |
| 通所の最中に様子が変わった | 通所の職員 | 通所に預けた手順の紙と、通所の事業所の手順のとおりに対応する | 通所からご家族と当ステーションへ連絡する順番を、通所の職員と同じ紙でそろえておく |
| 注射をしたか分からず、もう一度打とうとしている | ご本人・ご家族 | 記録表の印と道具の残りで確かめ、分からないときは打たずに連絡する扱いを主治医に確かめておく | 当ステーションへ連絡し、看護師が主治医へ確かめる。この場面の扱いを、あらかじめ主治医に確かめて紙に書いておく |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
体調を崩した日(シックデイ)に連絡するとき、伝える項目と記録の型(8項目)
体調を崩した日は、ご本人もご家族も慌てやすく、電話で「具合が悪い」とだけ伝わると、主治医への報告に必要なことが抜けてしまいます。伝える項目をあらかじめ紙にしておき、記録表の裏に書けるようにしておくと、看護師が主治医へ報告するときの材料がそろいます。注射と薬の扱い、水分のとり方、受診の判断は、すべて主治医の指示によります。
| 伝える項目 | 記録の仕方の例 | E-Pの欄への書き方 |
|---|---|---|
| いつから、どんな具合か | 「昨日の夕方から熱っぽく、だるい」 | 具合が悪くなった時刻と様子をそのまま書くことを伝える |
| 食べた量 | 「朝はおかゆを少し、昼は食べていない」 | 食事ごとに食べた量を書くことを伝える |
| 飲めた量 | 「湯のみで3杯くらい」 | 飲めた量を湯のみやコップの数で書くことを伝える |
| 測った値と時刻 | (記録した値)と測った時刻 | 主治医の指示のとおりの回数で測り、値と時刻を書くことを伝える |
| 注射と薬をどうしたか | 「朝の注射は打った」「昼の薬は飲んでいない」 | 指示のとおりにしたかと、迷ったことを書くことを伝える。自己判断でやめないことを伝える |
| 吐いた・下痢の回数 | 「吐いたのは2回、午前中」 | 回数と時刻を書くことを伝える |
| 熱 | (記録した値)と測った時刻 | 熱を測った時刻と値を書くことを伝える |
| 受け答えの様子 | 「話しかけると返事はあるが、ぼんやりしている」 | いつもと比べてどうかを書き、いつもと違うときはすぐに連絡することを伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
糖尿病の看護計画のO-P・T-P・E-P|療養上の課題と支援内容の記載例(12課題・36例)
記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅の糖尿病のある方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病院の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。測る回数、注射の単位と時刻、飲み薬、低血糖のときの対応、食事の指示、連絡の目安は、すべて主治医の指示と処方のとおりとする書き方です。
| 療養上の課題(課題欄の文) | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 退院して自己注射を始めたばかりで、手順に自信がないと話している | 注射と測定の手順、記録表の書き方、注射する場所の皮膚、ご本人の不安の言葉を、訪問のたびに同じ順番で見る | 医療機関から受けた指導のとおりの手順を、ご本人が行うのをそばで一緒に確かめる。できた所を記録書Ⅱに残す | 手順の紙を一緒に読み、困ったときの連絡先を伝える。単位と時刻を自己判断で変えないことを伝える |
| 朝の注射をしたかどうかを思い出せない日がある | 記録表の印、注射の道具の残り、ご本人とご家族の話の食い違い、物忘れの様子を見る | 注射したら記録表に印をつける流れをご本人と決め、確かめる人(ご家族・訪問の職員)を介護支援専門員と相談する | 分からないときに重ねて打たず連絡する扱いを主治医に確かめ、その内容をご本人とご家族に伝える |
| 測定器の記録が週に数日空いている | 記録の空きの曜日と理由、測定の手間、ご本人の言葉を見る | 空く日の暮らしの流れをご本人と振り返り、測る時刻と道具の置き場所を一緒に見直す。続かない様子を主治医へ伝える | 記録が主治医との相談の材料になることを伝え、書けない日があってよいことも伝える |
| 一人暮らしで、夜や早朝に様子が変わったときの連絡先が決まっていない | 電話の置き場所、ご本人が連絡先を言えるか、近くに住む人の有無を見る | 連絡の順番の紙を作って電話のそばと測定器のそばに貼る。様子を見に行く人と順番を介護支援専門員と決める | いつもと違うと感じたら遠慮せずに連絡してよいことと、連絡の順番を伝える |
| 注射のあと食事がとれなかった日の対応を、ご家族が迷った | 注射と食事の時刻、食べた量、その日の様子と対応を記録表で見る | 指示書に書かれた、食事がとれなかったときの対応を手順の紙にし、ご家族と一緒に読む。指示が無い場合は主治医へ確かめる | 迷ったときは当ステーションへ電話してよいことと、伝える項目を伝える |
| 体調を崩した日に注射や薬をやめるかどうかを、ご本人が自分で決めていた | 体調を崩した日の記録、ご本人の考え、シックデイの指示の有無を見る | シックデイの扱いについて主治医の指示を確かめ、指示の内容を計画書と手順の紙に写す | 体調を崩した日に伝える項目の紙を渡し、自己判断でやめたり続けたりしないで連絡することを伝える |
| 飲み薬の昼の分が残る日が週に数日ある | お薬カレンダーの残り、昼の過ごし方、通所の日との重なりを見る | 残る日の理由をご本人と振り返り、飲む時刻や持ち出し方について主治医と薬局へ相談する | 飲み忘れに気づいたときの扱いは主治医・薬剤師から受けた説明のとおりであることを伝える |
| 目が見えにくくなり、単位の目盛りや画面が読みにくい | 単位を合わせる様子、画面を読む様子、眼科の受診の状況を見る | 単位を一緒に読み上げて確かめる。見えにくさに合わせた道具や手伝いの方法を医療機関と薬局に相談する | 見えにくいと感じたら我慢せず伝えてよいことと、眼科の受診を続けることを伝える |
| 足の指の間に傷があったが、ご本人は気づいていなかった | 足の裏・指の間・爪・かかと、靴と靴下、ご本人の感じ方の訴えを訪問のたびに見る | 足を洗って乾かす方法を一緒に行い、傷の手当ては主治医の指示のとおりとする。傷の様子を主治医へ報告する | 毎日足を見る方法と、見えにくい所は鏡やご家族の手を借りることを伝える |
| 注射する場所が偏り、おなかの皮膚に硬い所がある | 打つ場所とその皮膚の様子、ご本人の打ち方を見る | 打つ場所の変え方を医療機関から受けた指導のとおりにご本人と確かめ、場所を記録表に書く欄を作る | 硬い所に打たないことと、気になる皮膚の変化を伝えてほしいことを伝える |
| 配食のほかに菓子パンや果物を買い置きし、夜に食べることが多い | 夜の過ごし方、買い置きの様子(ご本人の同意のもとで確認)、記録表の夜の欄、ご本人の言葉を見る | 夜に食べる理由をご本人と振り返る。食べる物と時刻の工夫について主治医・管理栄養士へ相談する | 食べたことを責めずに記録表に書いてほしいことと、相談した内容をご本人の好みに合わせて伝える |
| 注射を手伝う妻が、自分の通院が増えて朝の時刻に間に合わない日がある | 妻の体調と通院の予定、注射の記録、妻の言葉を見る | 妻が手伝えない日の代わりの人と手順を介護支援専門員と相談し、注射の時刻について主治医へ相談する | 妻に、一人で抱えずに相談してよいことと、代わりの人への伝え方を伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
インスリン自己注射・内服・測定の支援|手順の段階ごとに誰が何を受け持つか(10段階)
在宅で注射や測定を続けるには、受け取り・保管・準備・実施・記録・片付けのどこで手順が止まりやすいかを分けて考えると、支援内容が書きやすくなります。看護師が毎回行うのではなく、ご本人ができる所を残しながら、難しくなった所だけを誰かが受け持つ形で書くと、計画書が分担表として使えます。訪問介護の職員に頼める範囲は、介護支援専門員とサービス提供責任者と確かめたうえで書いてください。
| 手順の段階 | ご本人・ご家族 | 訪問看護(計画書の書き方) | ほかの職種(計画書の書き方) |
|---|---|---|---|
| 注射の道具と薬の受け取り | 受診と薬局で受け取り、届いた物を決まった場所にしまう | 処方の変更があったときに、手順の紙と計画書を見直す | 薬局から処方の変更と受け取りの様子を当ステーションへ伝えてもらう |
| 保管 | 医療機関・薬局から受けた説明のとおりの場所に置く | 保管の場所と使いかけの物の扱いが説明のとおりかを一緒に確かめる | 薬局に保管の方法を確かめる |
| 測定 | 主治医の指示のとおりの時刻に測り、記録表に書く | 測る手順と記録の様子を訪問時に確かめる | 通所の日に測る場合の扱いを通所の看護職員と決める |
| 単位を合わせる | 処方のとおりの単位を合わせる。見えにくいときはご家族と読み上げる | 合わせ方を一緒に確かめ、見えにくさに合わせた手伝いを相談する | 道具の工夫を医療機関と薬局に相談する |
| 注射する | 医療機関から受けた指導のとおりに打ち、打った場所を記録表に書く | 打ち方と打つ場所の偏りを確かめる | 訪問介護は見守りと声かけ、記録表の印の確認まで(範囲は事業所間で確かめる) |
| 打ったことの記録 | 記録表に印をつける | 印と道具の残りを訪問時に照らし合わせる | 訪問介護・ご家族が一日一回印を見て、印が無ければ当ステーションへ連絡する |
| 針などの片付け | 医療機関・薬局から受けた案内のとおりの容器に入れて持っていく | 片付けの方法が案内のとおりかを確かめる | 持っていく先と時期を薬局・医療機関に確かめる |
| 飲み薬の準備 | お薬カレンダーに入れる。入れるのが難しい方はご家族が受け持つ | 準備の方法と、入れ間違いの有無を確かめる | 一包化やカレンダーへのセットを薬局に相談する |
| 飲み忘れに気づいたとき | 主治医・薬剤師から受けた説明のとおりにする。迷ったら連絡する | 説明の内容を手順の紙に写す | 薬剤師に飲み忘れたときの扱いを確かめる |
| 処方が変わったとき | 新しい手順の紙を受け取る | 計画書・手順の紙・訪問介護への依頼を同じ内容に書き換える | 介護支援専門員に変更を伝え、ケアプランとそろえる |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
足を守る観察とフットケアを支援内容に書く例(足の裏・指の間・爪・靴など10項目)
糖尿病のある方の足の小さな傷は、ご本人が痛みを感じにくかったり、見えにくい所にあったりして、気づくのが遅れることがあります。訪問のたびに靴下を脱いでもらって同じ順番で見ること、ご本人とご家族が毎日見られる方法を一緒に決めることを、支援内容に書いておきます。傷の手当て、爪の扱い、受診の判断は、主治医の指示と事業所の手順によります。
| 見る所 | 見方 | 記録書Ⅱへの書き方の型 | つなぐ先 |
|---|---|---|---|
| 足の裏 | 座ってもらい、かかとから指の付け根まで見る | 「右足の母趾の付け根にたこ(訪問時確認)。押すと痛いと本人の話」 | 主治医・医療機関 |
| 指の間 | 指を一本ずつ開いて、湿りと皮のむけ方を見る | 「左の第4・5趾の間が湿って白くふやけている」 | 主治医 |
| 爪 | 伸び方、厚さ、色、食い込み、周りの赤みを見る | 「右の母趾の爪の端が皮膚に食い込み、周りに赤み」 | 主治医・医療機関(爪の扱いは指示と事業所の手順のとおり) |
| かかと | ひび割れと乾き、寝ている姿勢での当たり方を見る | 「両かかとに乾燥とひび割れ。出血なし」 | 主治医 |
| 皮膚の色と温かさ | 左右の足の色と温かさを比べる | 「左右で色の差なし。足先が冷たいと本人の話」 | 主治医 |
| 傷・水ぶくれ・やけど | こたつや湯たんぽ、靴ずれの跡を見る | 「右のすねに小さな水ぶくれ。こたつで寝たと本人の話」 | 主治医・ご家族 |
| 足の感じ方の訴え | しびれ、ほてり、痛みを感じにくいといった言葉を聞く | 「足の裏に紙が貼りついたような感じがすると本人の話」 | 主治医 |
| 靴と靴下 | 靴の中の小石や縫い目、靴下の締めつけ、室内履き | 「室内では裸足。外出用の靴は足に合うが、庭用のサンダルはかかとが出る」 | 理学療法士・介護支援専門員 |
| 足を洗って乾かす様子 | 入浴のときに足を洗えているか、指の間を乾かせているか | 「前かがみになれず足先を洗えていない(本人の話)」 | 作業療法士・訪問介護・介護支援専門員 |
| ご本人が毎日見られるか | 座って足の裏を見られるか、鏡や家族の手を借りられるか | 「足の裏は見えないため、入浴のあとに妻が見て記録表に丸をつけることにした」 | ご家族 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
食事と活動の暮らしの要因別に、T-PとE-Pを書き分ける(配食・間食・通所・畑仕事など10例)
糖尿病のある方の食事と活動は、主治医の指示や管理栄養士の指導の内容と、実際の暮らしの流れとの間にずれが出やすい所です。計画書では、食べる量やエネルギーの数値を看護師が決めるのではなく、ずれが出ている暮らしの場面を書き、指示の内容に合わせて一緒に工夫することを支援内容にします。
| 暮らしの要因 | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|
| 配食の日とそうでない日で、食べる量と時刻が違う | 配食の届く時刻と注射・薬の時刻の関係を記録表で見て、主治医に相談する材料をそろえる | 配食のない日に選ぶ物を、主治医・管理栄養士の指示のとおりにご本人と一緒に決める |
| 惣菜や弁当を買って食べることが多い | よく買う物をご本人と一緒に書き出し、管理栄養士へ相談する | 買い物のときに見る点を、ご本人の好みに合わせて紙にする |
| 近所の人から果物やお菓子をもらう | もらった物の食べ方をご本人と一緒に考える | 断りにくい気持ちを受け止め、食べる時刻や量の工夫は主治医・管理栄養士の指示の範囲で考えることを伝える |
| 家族と食事の時刻が合わず、遅い夕食になる | 夕食の時刻と注射・薬の時刻のずれを記録表で見て、主治医へ相談する | 家族の暮らしに合わせた時刻の工夫を、主治医の指示を確かめながら家族と一緒に考える |
| 通所の日はおやつと昼食の時刻が決まっている | 通所の日の時刻と注射・薬の扱いを通所の職員と同じ紙で共有する | 通所での楽しみを続けたい気持ちを、通所の職員と主治医に伝える |
| 畑仕事や散歩を続けている | 作業の時間帯と前後の測定、補食の扱いを主治医の指示のとおりに決め、記録表に書く欄を作る | 暑い日や作業が長くなる日の気をつけ方を、指示の範囲で伝える |
| 暑い時期にのどが渇いて甘い飲み物を飲む | 飲んでいる物と量の様子を記録し、水分のとり方の扱いを主治医の指示で確かめる | 家に置く飲み物の工夫をご本人と一緒に考える |
| 入れ歯が合わず、やわらかい物に偏る | 噛める物と食べている物を見て、歯科の受診を介護支援専門員と相談する | 食べやすい形の工夫は管理栄養士・歯科の助言のとおりとすることを伝える |
| 外出が減り、家で横になっている時間が長い | 一日の流れと体を動かす機会を理学療法士と確かめ、続けられる体操や散歩を主治医の指示の範囲で決める | 体を動かした日を記録表に書くことを伝える |
| 行事や外食の予定がある | 予定の日の注射・薬・食事の時刻の扱いを、前もって主治医に確かめる | 行事を楽しめるように、確かめた扱いを紙にしてご本人とご家族に渡す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
認知機能が落ちてきた方・独居の方の書き分け|O-P・T-P・E-P(8場面)
測定・注射・内服をご本人が長く続けてきた方でも、物忘れが出てきたり、一人暮らしになったりすると、手順のどこかが少しずつ抜けていきます。ご本人のできることを取り上げずに、抜けやすい所だけを誰かが確かめる形で書くと、ご本人の気持ちも守りやすくなります。物忘れの見立ては主治医によるため、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で書いています。
| 場面 | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 注射したことを忘れて、もう一度打とうとする | 記録表の印、道具の残り、ご本人の話とご家族の話の食い違い | 打ったら印をつける流れと確かめる人を決め、分からないときの扱いを主治医に確かめて紙にする | ご家族に、問い詰めずに記録表と道具で確かめる方法を伝える |
| 測定器の使い方が分からなくなってきた | 測る様子、手順のどこで止まるか、記録の空き | 止まる所だけを絵や大きな字の紙にして測定器のそばに置き、一緒に練習する。続けられない様子を主治医へ伝える | 測る回数や方法の見直しは主治医と相談することを伝える |
| 飲み薬を重ねて飲んでしまう | お薬カレンダーの残り方、薬の置き場所、ご本人の話 | 薬の置き場所と渡し方を薬局・介護支援専門員と相談し、手の届く所に置く分を決める | 重ねて飲んだかもしれないときの連絡先を伝える |
| 一人暮らしで、食事を抜いた日に注射をしている | 記録表の食事と注射の欄、冷蔵庫と配食の容器の残り(同意のもとで確認) | 食事と注射の時刻の扱いを主治医に確かめ、配食や訪問介護の時刻との関係を介護支援専門員と相談する | 食べられなかった日の連絡の仕方を、電話のそばの紙で伝える |
| 一人暮らしで、夜に具合が悪くなっても電話をかけない | 夜の過ごし方、電話の置き場所、ご本人の「迷惑をかけたくない」という言葉 | 枕元に電話と連絡先の紙を置く。朝の安否の確かめ方を別居のご家族・介護支援専門員と決める | 夜に連絡してよいこと、連絡がほかの人の迷惑にならないことを伝える |
| 家族が来られる日と来られない日で、手順が変わる | 曜日ごとの記録の空き、手伝う人の予定 | 手伝う人がいない曜日の確かめ方を介護支援専門員と決め、計画書の備考とケアプランにそろえて書く | ご家族に、来られない日を責めずに共有してよいことを伝える |
| 測った値を見て、自分で食事を抜いてしまう | 記録表の値(記録した値)と食事の欄、ご本人の考え | 値を見たときの扱いを主治医に確かめ、手順の紙に写す | 自分で判断して食事を抜かずに、迷ったら連絡することを伝える |
| 「自分でできる」と手伝いを断る | ご本人の言葉、手順のどこまでができているか | ご本人ができる所はご本人に任せ、確かめる所だけを決める。記録表の印を一緒に見ることを習慣にする | 手伝いではなく確かめ合いの形にすることを、ご本人とご家族と話し合う |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
看護師がいない時間を誰が受け持つか|主治医・薬剤師・管理栄養士・ケアマネ・訪問介護・通所との分担の書き方(10例)
糖尿病のある方の暮らしは、訪問看護の時間よりも、看護師がいない時間の測定・注射・食事で大きく変わります。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。薬剤師や管理栄養士の訪問は別のサービスとして利用するもので、利用するかどうかは介護支援専門員と主治医との相談によるため、計画書では決めず、相談する形で書いています。他の事業所や別居のご家族に様子を伝えるときは、ご本人の同意と、事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。
| 担い手 | 計画書の支援内容に書く文 | 伝え先と記録先 |
|---|---|---|
| ご本人 | 主治医の指示のとおりの時刻に測り、注射と薬に印をつけ、いつもと違う様子を書く。書けない日があってもよい | 台所の記録表・訪問時に看護師が確かめる |
| 同居のご家族 | 記録表の印を一日一回見て、印が無いときや様子が違うときは手順の紙のとおりに動き、当ステーションへ連絡する | 記録表・当ステーションへの電話 |
| 別居のご家族 | 電話で様子を聞き、記録表の写しは訪問のときにご本人の同意のもとで受け取る。値を聞いて責めない | 連絡ノート・当ステーション |
| 主治医 | 測定の記録と注射・薬の様子の報告を受け、指示を出す | 報告書・連絡の記録・指示書 |
| 薬剤師 | 処方の変更、飲み忘れたときの扱い、道具の保管と片付けの方法を確かめ、残薬の様子を伝える | お薬手帳・当ステーションへの連絡 |
| 管理栄養士 | 主治医の指示に沿って食事の工夫の助言を行い、訪問看護の記録(食べた量・時刻)と共有する | 介護支援専門員を通じた情報共有・主治医への報告 |
| 訪問介護 | 訪問のときに記録表の印を見て、印が無い・食事がとれていない・様子が違うときは当ステーションへ連絡する(頼める範囲は事業所間で確かめる) | 連絡帳・サービス提供責任者から当ステーションへ |
| 通所介護・通所リハビリ | 通所の日の昼食とおやつの時刻、食べた量、様子の変化を連絡帳に書き、手順の紙のとおりに対応する | 連絡帳・通所の看護職員から当ステーションへ |
| 眼科・歯科 | 見えにくさや入れ歯の様子についての情報を共有する | 介護支援専門員・連絡ノート |
| 介護支援専門員 | 測定と注射の手伝いの分担、様子を見に行く順番、サービスの時刻と食事・注射の時刻の関係を、短期目標の期間に合わせて共有し、サービスの見直しの相談に用いる | サービス担当者会議の記録・照会への回答 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ケアマネのケアプランと訪問看護計画書の書き分け|糖尿病のある方で同じ課題をどう分けて書くか(8項目)
介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。糖尿病のある方では、ケアプランの第2表に「服薬」「食事」「通院」のニーズが並び、訪問看護計画書にも同じ言葉が並ぶことがよくあります。ケアプランは暮らし全体の課題と、どのサービスで支えるかを書く計画、訪問看護計画書はその中で訪問看護が何を見て、何をして、何を伝えるかを書く計画と分けておくと、二つの計画が同じことを繰り返さずに、つながって読めます。
| 項目 | ケアプラン(介護支援専門員)で書くこと | 訪問看護計画書で書くこと | そろえる点 |
|---|---|---|---|
| 課題の書き方 | 「注射を続けながら一人暮らしを続けたい」など、暮らし全体のニーズ | 「朝の注射をしたかを思い出せない日があり、記録表に空きがある」など、訪問の中で見えた事実と根拠 | ご本人の言葉を両方に同じ形で残す |
| 目標 | 暮らしの目標と期間 | 看護・リハビリテーションの目標(ケアプランの期間に評価の時期を合わせる) | 短期目標の期間と評価の時期 |
| 測定・注射・内服 | 誰が手伝うか、どのサービスで確かめるか | 手順の確かめ方、記録表の見方、主治医への報告 | 手伝う人と曜日、記録表の置き場所 |
| 連絡の流れ | 様子を見に行く人と順番、鍵の預け先 | 指示書に記載の連絡の目安と、看護師が主治医へ伝える流れ | 連絡先を当ステーションにそろえるか、主治医に直接か |
| 食事 | 配食・訪問介護の調理・通所の昼食の組み合わせ | 食べた量と時刻、注射・薬の時刻との関係、主治医・管理栄養士への相談 | 食事の時刻とサービスの時刻 |
| 足 | 入浴の方法と手伝い、福祉用具 | 足の観察と手当て(主治医の指示のとおり)、毎日見る方法 | 入浴のときに誰が足を見るか |
| 受診 | 通院の手段と付き添い | 受診の前にまとめる記録、受診で確かめてほしいこと | 受診日と記録の受け渡し |
| 家族の負担 | 家族の休息やサービスの追加 | 手伝う人の負担の観察と相談 | 手伝う人が変わったときの連絡 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
書き直し例|糖尿病の計画書でよく見る一行を、そのまま使える文に直す(悪い例と良い例20組)
左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、一般的な目安や前の計画書から数値を書き写した文、看護師の印象だけで終わる言葉、ご本人の療養の仕方を責めるように読める言葉が多く入っています。良い例に入れた血糖値・注射の単位・飲み薬・低血糖のときの対応・食事の指示・連絡の目安は、すべて「主治医の指示のとおり」「指示書に書かれた値」「処方のとおり」の形にしています。悪い例の中の「〇〇」は、記憶や一般的な目安から数値を書き入れていた箇所です。
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える文) | 直した点 |
|---|---|---|---|
| 目標 | 「血糖コントロールが良好に保てる」 | 主治医の指示のとおりに測定と注射を続けながら、週2回の通所と畑仕事を続けられる | 看護の目的の言葉ではなく、ご本人が続けたい暮らしを主語にした |
| 目標 | 「血糖値〇〇〜〇〇mg/dLを維持する」 | 測った値(記録した値)を記録表に残し、主治医と相談しながら指示書に書かれた範囲を目安に暮らせる | 記憶の数値を消し、指示書から写す形にした |
| 目標 | 「HbA1c〇〇%以下」 | 検査の結果と説明を主治医から受け、ご本人が自分の療養の様子を振り返る材料にできる | 検査値の目標を看護師が書かず、主治医からの情報として扱う形にした |
| 目標 | 「低血糖を起こさない」 | いつもと違う様子に気づいたときに、手順の紙のとおりに動いて連絡できる | 起きないことを約束する形から、気づいて動ける形にした |
| 目標 | 「自己管理ができる」 | 注射は自分で続け、打ったことを記録表に印で残し、妻が一日一回確かめる流れを続けられる | 誰が何をするかの分担が分かる形にした |
| 課題 | 「血糖不安定リスク状態」 | 通所の日は昼食の時刻が遅くなり、朝の注射からの間が空く日がある | 診断名だけの課題を、場面と根拠の入った一文にした |
| 課題 | 「コンプライアンス不良」 | 測定器の記録が週に数日空いており、ご本人は「測っても変わらないから」と話している | ご本人を責める書き方を避け、言葉と事実で書いた |
| 課題 | 「間食が多く指示が守れない」 | 配食のほかに菓子パンを買い置きし、夜に食べることが多い。ご本人は「夜は口さびしい」と話している | 守れないという評価をやめ、暮らしの流れとご本人の言葉で書いた |
| 課題 | 「家族の協力が得られない」 | 息子は仕事で平日に来られず、平日の朝の注射はご本人が一人で行っている | ご家族を責める書き方を避け、来られない事情と分担の空白を書いた |
| O-P | 「血糖値の観察」 | 前回の訪問からの記録表と測定器の記録を並べて見て、測った日数と空きの理由、値(記録した値)を記録書Ⅱに書く | 何を、何から確かめるかを書いた |
| O-P | 「低血糖症状の観察」 | 記録表の「いつもと違う様子」の欄とご本人・ご家族の話から、様子が変わった時刻と、したこと、連絡の有無を確かめる | 症状の名前を並べるのでなく、記録から確かめる形にした |
| O-P | 「足部の観察」 | 靴下を脱いでもらい、足の裏・指の間・爪・かかと・靴の中を、訪問のたびに同じ順番で見る | 見る所と順番を書いた |
| T-P | 「インスリン〇〇単位を朝食前に施行」 | インスリンは処方のとおり(指示書の内容)とし、ご本人が単位を合わせて打つ様子を一緒に確かめる | 薬の名前と記憶の単位を消し、処方から写す形にした |
| T-P | 「低血糖時はブドウ糖〇〇gを摂取させる」 | 低血糖が疑われる様子があるときは、指示書に書かれた対応(指示書の内容)を行い、手順の紙を測定器のそばに置く | とる物と量を記憶で書かず、指示書の内容として扱う形にした |
| T-P | 「食事療法の指導」 | 配食のない日に選ぶ物を、主治医・管理栄養士の指示のとおりにご本人と一緒に決め、紙にして台所に貼る | 「指導」の一語をやめ、訪問の中ですることを書いた |
| E-P | 「シックデイルールを指導」 | 体調を崩した日の注射と薬の扱いは主治医から受けた指示のとおりであることと、連絡のときに伝える8項目の紙を渡す | 何を伝えたかが残る形にし、扱いの出どころを示した |
| E-P | 「異常時は連絡するよう指導」 | いつもと違う様子に気づいたときの連絡の順番を紙にして電話のそばに貼り、連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える | 何を見て、どこへ連絡するかが分かる形にした |
| E-P | 「甘い物は控えるよう説明」 | 楽しみにしている物の食べ方を、主治医・管理栄養士の指示の範囲でご本人と一緒に考える | 禁止の伝え方をやめ、続けられる工夫にした |
| 評価 | 「血糖安定、継続」 | 前回の評価から測定の記録は週5日続いた。値(記録した値)は指示書の連絡の目安にあたる記録が無かった。通所の日の昼の薬が残るため、飲む時刻を主治医と薬局に相談し、目標を続ける | 記録の事実と、次の計画で変えることまで書いた |
| 評価 | 「自己注射手技獲得」 | 単位を合わせて打つ手順をご本人が一人で行えた日が続いた。打つ場所の偏りは残るため、場所を記録表に書く欄を加える | できたこととできていないことを分け、次に変えることを書いた |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご家族への伝え方|測った値に一喜一憂しない関わり方とE-Pへの書き方(10場面)
糖尿病のある方のご家族は、「値が高いと叱ってしまう」「夜中に何かあったらと眠れない」「注射を手伝うのがこわい」といった気持ちを抱えがちです。E-Pに「家族指導」とだけ書くと、何を伝えたのかが残らず、看護師によって伝える中身が変わってしまいます。下の表は、よくある場面ごとに、避けたい言い方と、伝え方の例、E-Pの欄への書き方を並べたものです。病気の見通しや治療の内容についての説明は主治医が行うもので、看護師は主治医から受けた説明をご家族と一緒に確かめる立場で書いています。
| 場面 | 避けたい言い方 | 伝え方の例 | E-Pの欄への書き方 |
|---|---|---|---|
| 測った値を見て、ご家族がご本人を叱ってしまう | 「もっと厳しく言ってください」 | 「値は、食事や体調と一緒に主治医に見てもらう材料です。書いてくれたことを一緒に喜んでいただけると、続けやすくなります」 | 記録表の使われ方と、値を見たときの声のかけ方を娘と一緒に考えたことを書く |
| 夜中に様子が変わったらと眠れない | 「大丈夫ですよ」だけで終える | 「夜に様子が変わったときの手順を、この紙で一緒に確かめましょう。迷ったら当ステーションへ電話してください」 | 夜の手順の紙を一緒に読み、連絡先を伝えたことを書く |
| 注射を手伝うのがこわい | 「慣れれば簡単です」 | 「手伝っていただく所を決めて、最初は一緒にやってみましょう。こわいと感じたことは遠慮なく教えてください」 | 手伝う所と、看護師と一緒に確かめた日を書く |
| ご家族が食事を細かく制限しようとしている | 「本人の好きにさせてください」 | 「食事の内容は主治医と管理栄養士の指示のとおりにして、楽しみの物の食べ方を一緒に相談しましょう」 | 指示の内容を確かめ、管理栄養士・主治医への相談の流れを伝える |
| 体調を崩した日に、注射をやめさせるか迷っている | 「今日はやめておきましょう」 | 「体調を崩した日の注射と薬の扱いは主治医の指示のとおりです。迷ったときは、この紙の項目を書いて当ステーションへ連絡してください」 | シックデイの扱いは主治医の指示のとおりであることと、伝える項目の紙を渡したことを書く |
| 離れて暮らす子が、毎日の電話で値を聞いている | 「毎日確認してください」 | 「値だけでなく、食べた物や出かけたことも聞いてみてください。記録表の様子は訪問のときにお伝えします」 | ご本人の同意のもとで、別居の息子へ記録の様子を伝える方法と、電話での聞き方を伝える |
| 足の傷に気づかなかったことを、ご家族が自分のせいだと感じている | 「次は気をつけてください」 | 「足の裏はご本人も見えにくい所です。入浴のあとに一緒に見る順番を決めておきましょう」 | 足を見る順番と記録表の丸のつけ方を妻と決めたことを書く |
| 物忘れが出てきて、ご家族が注射を全部代わろうとしている | 「全部やってあげてください」 | 「ご本人ができる所は続けてもらい、打ったかどうかの確かめだけをお願いできますか」 | ご本人ができる所と確かめる所を分けて伝えたことを書く |
| 通所や行事で食べる物が心配 | 「行事は控えましょう」 | 「行事の日の注射や食事の扱いを、前もって主治医に確かめておきましょう。楽しめるように準備します」 | 行事の前に主治医に確かめる流れを伝える |
| 主な介護者が疲れて、手伝いが負担になっている | 「頑張ってください」 | 「手伝いを分けられる人やサービスを、ケアマネジャーさんと一緒に考えましょう」 | 介護者の負担を聴き、介護支援専門員への相談につなぐことを伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
評価欄の書き方|手順が続いたか・連絡どおりに動けたかで書く評価文(10例)と報告書へのつなぎ方
保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。糖尿病のある方の評価は、値が変わったかどうかを看護師が判定するのではなく、測定・注射・内服の手順が続いたか、いつもと違う様子のときに手順どおりに動けたか、足の変化に気づけたか、暮らしの中で続けたいことを保てたかを書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。
| 評価の結論 | 評価欄の記載例 | 次の計画で変える欄 |
|---|---|---|
| 目標を達成した(自己注射の手順) | 退院から1か月、単位を合わせて打つ手順をご本人が一人で行えた日が続いた。ご本人は「もう一人でできる」と話す | 確かめる回数を主治医と相談して見直し、目標を打つ場所の変え方に進める |
| 一部達成した(打ち忘れの確認) | 記録表に印をつける流れが続き、妻が夕方に印を確かめている。印の無い日が月に1日あった | 印の無い日の理由を振り返り、確かめる時刻を見直す |
| 一部達成した(測定の継続) | 測定の記録は週に5日続いた。通所の日は測れていない | 通所の日の測り方を主治医と通所の看護職員に相談する |
| 目標を達成した(連絡の手順) | 夕方に汗をかいてぼんやりした日に、妻が手順の紙のとおりに動き、当ステーションへ連絡できた。看護師から主治医へ報告した | 主治医からの指示の内容を手順の紙に反映し、目標を続ける |
| 達成していない(シックデイの連絡) | 風邪で食べられなかった日に、ご本人が自分で注射をやめ、翌日まで連絡がなかった | シックデイの扱いを主治医に確かめ直し、伝える項目の紙を電話のそばに貼る |
| 状態が変わった(足の傷) | 左足の指の間に傷を見つけ、主治医へ報告した。手当ての指示を受けた | 衛生材料等の欄と支援内容に手当てを加え、足を見る回数と人を見直す |
| 状態が変わった(処方の変更) | 受診で注射の内容が変わった(処方のとおり)。手順の紙は古いままだった | 計画書・手順の紙・訪問介護への依頼を同じ内容に書き換える |
| 一部達成した(物忘れ) | 飲み薬の昼の分の残りは減ったが、夕の分を重ねて飲んだ日が1日あった(お薬カレンダー) | 夕の薬の置き場所と渡し方を薬局・介護支援専門員と相談する |
| 一部達成した(食事と活動) | 畑仕事の日は作業の前に測ることが続いた。暑い日に甘い飲み物を飲む日がある | 家に置く飲み物の工夫と水分のとり方を、主治医の指示の範囲でご本人と考える |
| 介護者の状況が変わった | 注射を手伝っていた妻が入院し、娘が朝の確かめを受け持つことになった | 娘への伝え方と記録表の受け渡しを計画に加え、訪問の曜日と時間帯を介護支援専門員と見直す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
訪問看護報告書の欄に、測定と注射の記録をどうつなぐか(糖尿病の記載例7欄)
計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。糖尿病のある方では、診察の場面では見えにくい、家での測定・注射・食事の時刻の関係と、手伝う人の様子を伝えることが、報告書の大きな役割になります。
| 報告書の欄 | 記載要領の定め | 糖尿病のある方の記載例 |
|---|---|---|
| 病状の経過 | ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 | 測定の記録は週5日(記録表の写しを添えます)。値は(記録した値)。通所の日は昼食の時刻が遅く、朝の注射からの間が空く。足の指の間に小さな傷があり手当て中 |
| 看護の内容 | ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 | 記録表と測定器の記録の確認、注射の手順と打つ場所の確認、足の観察と洗い方の練習、体調を崩した日の連絡の紙の作成を行った |
| 家庭での介護の状況 | ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 | 妻が夕方に記録表の印を確かめている。妻は自分の通院が増え、朝の時刻に間に合わない日がある |
| 衛生材料等の使用量および使用状況 | ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 | 計画書の衛生材料の欄に書いた足の傷の手当てがある方だけ、名称・交換の頻度・その月に使った量を管理表と記録書Ⅱから写す(値は記録した内容のとおり) |
| 衛生材料等の種類・量の変更 | ⑦「衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけること」 | 手当てがある方で、傷の様子が変わって使う物の量が合わなくなった場合などに、量についてご指示をいただけますでしょうか(変更の必要性:有)と書く |
| 特記すべき事項 | ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 | 体調を崩した日の注射と薬の扱いについて、ご本人とご家族が迷った場面がありました。扱いについてご指示をいただけますでしょうか。通所の日の昼食の時刻と注射の時刻について、ご相談させてください |
| 報告書の簡略化 | ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 | 入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
主治医・薬局・管理栄養士・ケアマネ・訪問介護・通所へ送る連絡の文(8例)
糖尿病のある方の様子は、一つの職種だけでは見えにくく、連絡の文が「血糖が不安定です」の一行だと受け取った側が動けません。いつから、何が、どの記録で分かったか、何をお願いしたいかの順で書くと、返事をもらいやすくなります。他の事業所に伝えるときは、ご本人の同意と事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。
| 宛先 | 連絡の場面 | 連絡文の例 |
|---|---|---|
| 主治医 | 測定の記録と食事の時刻の報告 | この2週間の記録表の写しをお送りします。通所の日(火・金)は昼食が遅く、朝の注射から昼食までの間が空いています。値は記録表のとおりです(記録した値)。通所の日の注射と食事の時刻について、ご指示をいただけますでしょうか |
| 主治医 | いつもと違う様子があった日の報告 | 12日の夕方、汗をかいてぼんやりした様子があったと妻から連絡がありました。指示書の手順のとおりに対応し、その後は普段どおりに戻ったとのことです。当日の測定の値と食事・注射の時刻を記録表から写して添えます。今後の対応について、ご指示をいただけますでしょうか |
| 主治医 | シックデイの扱いの確認 | 体調を崩して食べられない日の注射と薬の扱いについて、ご本人とご家族が迷う場面がありました。指示書に記載が無いため、その日の扱いと連絡の目安について、ご指示をいただけますでしょうか |
| 主治医 | 足の傷の報告 | 本日の訪問で、左足の第4・5趾の間に小さな傷を確認しました。ご本人は痛みを感じていないと話しています。手当ての方法と受診について、ご指示をいただけますでしょうか |
| 薬剤師 | 飲み薬の残りの共有 | お薬カレンダーで、通所の日の昼の分が残る様子があります。飲む時刻や持ち出し方について主治医にも相談していますので、薬局からもご助言をいただけますと助かります |
| 管理栄養士 | 食事の記録の共有 | 記録表の写しをお送りします。配食のない日は惣菜を買って食べることが多く、夜に菓子パンを食べる日もあります。主治医の指示の範囲で、選びやすい物についてご助言をいただけますと助かります |
| 介護支援専門員 | 手伝う人の変化の相談 | 注射を手伝っている奥様の通院が増え、朝の時刻に間に合わない日があります。朝の確かめを受け持てる方やサービスについて、サービス担当者会議でご相談させてください |
| 訪問介護(サービス提供責任者)・通所の看護職員 | 記録と連絡の依頼 | 訪問や通所のときに、記録表の注射と薬の印をご覧いただき、印が無い日や食事がとれていない日、様子がいつもと違う日は当ステーションへご連絡ください。手順の紙の写しを添えます |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
運営指導の確認項目と照らす|糖尿病のある方の計画書で見直す9点と手元に残す記録12種
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」と「サービス提供の記録(第19条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、糖尿病のある方の計画書で確かめる点の例です。
| 別添1の確認項目(訪問看護) | 糖尿病のある方の計画書で確かめる点 | 貴事業所の確認欄 |
|---|---|---|
| (第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか | 記録書Ⅱに、計画書で決めた記録表の確認・注射の手順の確認・足の観察・連絡の紙の見直しを行ったことが書かれているか | 確認日:( ) |
| (第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | 測定の記録・注射と薬の様子・足・いつもと違う様子が、「血糖安定」「著変なし」の一語でなく、出どころを添えた事実で書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか | ケアプランの服薬と食事の目標・手伝う人と曜日と、計画書の目標・訪問の計画が食い違っていないか | 確認日:( ) |
| (第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか | 指示書の測定・注射・低血糖のときの対応・連絡の目安が計画書に写されているか。一人暮らし・物忘れ・見えにくさなどの暮らしの環境と、ご本人の希望が課題に反映されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか | O-P・T-P・E-Pが「血糖値の観察」「自己注射の指導」「食事療法の指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が食事・注射の時刻との関係で分かるか | 確認日:( ) |
| (第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか | 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご本人とご家族に渡した手順の紙の内容が計画書と同じか | 確認日:( ) |
| (第70条)目標の達成状況は記録されているか | 評価欄と記録書Ⅱに、測定が続いた日数、注射と薬の残り方、連絡の手順どおりに動けたか、足の様子などの事実が書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか | 処方の変更、入院と退院、足の傷、手伝う人の交代、物忘れが目立ってきた時期の後に、計画書が見直されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)訪問看護報告書は作成されているか | 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況の欄がつながっているか | 確認日:( ) |
※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
公表されている自治体の指摘から、指示書の転記と同意・記録の整備を見直す(5件)
糖尿病のある方に限った指摘ではありませんが、指示書の内容を計画書に写すこと、計画書の説明と同意、記録の整備に関わる公表事例です。
| 自治体 | 公表されている指摘の内容 | 糖尿病のある方の計画書で見直す点 |
|---|---|---|
| 長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) | 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 | ケアプランの手伝う人と曜日との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性 |
| 神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) | 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 | 指示書の期間の管理、測定・注射・低血糖のときの対応など主治医の指示の転記、「注射は自分で続けたい」などご本人の希望の反映 |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 | 退院して自己注射を始めるときに、訪問開始前に計画書があるか |
| 東京都(同) | サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 | 処方や指示が変わったあとに、計画書の支援内容と手順の紙が指示書と食い違っていないか |
| 東京都(同) | 指示書・計画書・報告書・提供記録などの記録の整備と保存が不十分な例 | 主治医への報告の根拠になる記録書Ⅱ・記録表の写しを、利用者ごとに整理して保存しているか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
保管しておく書類の一覧|指示書・処方・記録表・手順の紙(12種・記入欄つき)
保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。
| 記録 | 何のために残すか | 保管場所 | 最終更新日 |
|---|---|---|---|
| 訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) | 留意事項・測る回数・低血糖のときの対応・連絡の目安・指示期間の出どころ | ( ) | ( ) |
| 処方の内容とお薬手帳の写し | 注射と飲み薬の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 | ( ) | ( ) |
| シックデイの扱いについての主治医の指示 | 体調を崩した日の手順の紙の出どころ | ( ) | ( ) |
| 退院時の情報・医療機関からの指導の内容 | 注射と測定の手順、課題欄の根拠 | ( ) | ( ) |
| ご本人・ご家族に渡した手順の紙と連絡の紙 | 渡した内容が指示書・計画書と同じであることの確認 | ( ) | ( ) |
| 血糖の記録表(ご本人・ご家族がつけたもの)の写し | 課題と評価の根拠、主治医への報告に添える資料 | ( ) | ( ) |
| 足の観察の記録 | 足の変化の経過、主治医への報告の根拠 | ( ) | ( ) |
| 管理栄養士の助言の内容(利用している方) | 食事の工夫の出どころ | ( ) | ( ) |
| 居宅サービス計画の写し | 計画書がケアプランに沿っていることの確認 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) | 説明した相手と日付、同意と交付の事実 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ | 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) | 評価と家での測定・注射の様子を主治医へ伝えた事実 | ( ) | ( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
よくある質問
糖尿病の看護計画に、血糖値の目標やHbA1c、インスリンの単位を数値で書いてもよいですか?
血糖値の目標や範囲、検査の値の基準、インスリンの種類と単位と打つ時刻、低血糖のときにとる物とその量は、主治医が一人ひとりの体の状態や暮らしに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示のとおり」「指示書に書かれた値」「処方のとおり」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は指示書と処方から写すと、指示が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で確かめた測定の値は、測った時刻と一緒に記録書Ⅱに記録した値として残します。
糖尿病の看護問題の優先順位は、在宅ではどう考えればよいですか?
在宅では、看護師がいない時間に起きたときの備え、測定・注射・内服の手順を続けること、足と皮膚の変化に早く気づくこと、食事と活動の暮らしの要因、支える人の負担の順に並べる考え方が一つの例です。看護師が関われるのは訪問の時間だけなので、その場にいるご本人とご家族が動ける形を先に整えておく、という考え方です。実際の順番は、主治医の指示書の留意事項とご本人の希望、暮らしの状況を踏まえて、事業所の中で話し合って決めてください。
病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、糖尿病の書き方で何が違いますか?
病院の看護計画は、血糖の測定・注射・配薬・食事の配膳を職員が決まった時刻に受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。糖尿病のある方では、看護師がいない時間の測定と注射を誰がどう確かめるか、様子が変わったときに誰がどこへ連絡するかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。
低血糖や高血糖が疑われるときの対応は、計画書にどう書けばよいですか?
どの様子を低血糖や高血糖が疑われる様子とみるか、そのときに何をとるか、どのくらいで測り直すか、どこで主治医や救急へ連絡するかは、主治医の指示書と主治医からの説明によります。計画書には「指示書に書かれた対応を行い、指示書に記載の連絡の目安にあたるときは当ステーションと主治医へ連絡する」のように出どころを示して書き、実際の手順はご本人とご家族が手元で見られる紙にして、測定器や電話のそばに置いておくと動きやすくなります。
体調を崩した日(シックデイ)の注射や薬の扱いは、どこまで計画書に書きますか?
体調を崩して食べられない日の注射と薬の扱いは、主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には、主治医から受けた指示のとおりにすること、指示が無い場合や迷う場合は自己判断でやめたり続けたりせずに連絡すること、連絡のときに伝える項目(食べた量・飲めた量・測った値・注射と薬の様子・吐いた回数・熱・受け答えの様子など)を書いておきます。指示書に記載が無い方では、主治医に扱いを確かめて、その内容を計画書と手順の紙に写します。
糖尿病のある方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?
計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。糖尿病のある方では、インスリンや飲み薬の処方の変更、入院と退院、足の傷の発生、測定や注射を手伝う人の交代、物忘れや見えにくさが目立ってきた時期、配食や通所の開始、体調を崩した日の対応で迷う場面があったとき、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。
関連記事
- 訪問看護計画書の書き方と記入例(計画書全体の総論)
- 訪問看護計画書の評価の書き方と記載例(評価欄の詳しい書き方)
- 糖尿病の方のケアプラン文例(介護支援専門員が作るケアプランの側)
- 訪問看護記録の書き方(記録書Ⅱへの書き方)
- 低栄養の看護計画(食べる量が減ってきた方)
- 認知症の看護計画(物忘れが重なる方)
- 心不全の看護計画(むくみや息切れのある方)
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






