胃ろうを造ったばかりで退院してくる、ご家族が初めて注入を受け持つ、瘻孔のまわりが赤くなってきた、カテーテルが抜けてしまったことがある、少しだけでも口から食べたいと話しているといった、胃ろう(経管栄養)を使って在宅で暮らす方の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、場面ごとの記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理者を想定しています。病棟の看護計画や看護学生の看護過程では、注入の準備から片付け、瘻孔のケア、体位の調整を病棟の職員が昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師が帰ったあとの一日の注入を、ご本人・ご家族・訪問介護・通所の職員がどう受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。
介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の栄養や食事に関する文例は、この記事では扱っていません。訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、注入に使う物品などの欄は「衛生材料の欄の書き方と記載例」、口から食べることに関わる計画は「誤嚥性肺炎の看護計画」、寝ている時間が長い方の計画は「廃用症候群の看護計画」の記事もあわせてご覧ください。
以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。栄養剤の種類と量・一日の注入の回数と時刻・注入の速度・白湯や水分の量・体重やカロリーの目標・カテーテルの種類とサイズ・カテーテルの交換の間隔・固定に関わる数値・薬の名前や量・注入中と注入後の姿勢の角度や時間・主治医へ連絡する目安や受診の基準など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書と処方から写してください。訪問で確かめた値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。また、カテーテルが抜けたときは、ご家族も看護師も自己判断で入れ直さず、指示書に記載の連絡の順番で連絡する形にしています。
様式の欄ごとに書くこと|記載要領の原文と胃ろうのある方の書き分け(欄別対照表3つ)
医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。胃ろうのある方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面も、医療保険の訪問看護として作る場面もあります。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は胃ろうのある方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。
| 欄 | 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) | 胃ろうのある方の計画書で書く中身 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 | ①「必要な事項を記入すること」 | 要介護認定の状況は、自立・要支援・要介護のいずれかに○をつける欄。造設の入院から退院したばかりで認定の区分の変更を申請中の方は、備考に申請の状況を書き、結果が出たら計画書を見直す日を決めておく | 認定の状況の確認者:( ) |
| 看護・リハビリテーションの目標 | ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 | 「栄養状態が改善する」「胃ろうの管理ができる」で止めず、胃ろうを使いながら続けたい暮らし(家族と同じ食卓に座る、通所に行く、孫の行事に出かける、好きな味を少し楽しむ)を主語にする。注入の量や回数、体重の目標は目標の文に入れず、指示書から写す欄を分ける | 目標の主語の決まり:( ) |
| 年月日 | ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 | 胃ろうの造設と退院、カテーテルの交換、注入の内容の指示の変更、口から食べることの再開や中止、誤嚥性肺炎などによる入院と退院、カテーテルが抜けたことによる受診、主な介護者の交代など、見直しのきっかけになった日を残す | 見直しのきっかけの一覧:( ) |
| 療養上の課題・支援内容 | ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 | 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、瘻孔のまわりの皮膚の様子、注入中と注入後の様子、便の様子、ご家族の手技の様子、ご本人の言葉など、そう考えた根拠を添える | 課題の根拠の書き方:( ) |
| 評価 | ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています | 目標ごとに、記録書Ⅱとご家族の注入の記録に残した事実(注入を予定どおり行えた日、ご家族が一人で通して行えた手順、瘻孔のまわりの赤みの範囲、むせや咳が出た場面、便の様子、体重(記録した値)、ご本人の言葉)で書く。「胃ろう管理良好」「著変なし」の一語で終わらせない | 評価を書く時期:( ) |
| 衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 | ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 | 胃ろうの管理や瘻孔のケアなど、衛生材料等を使う処置の指示がある場合に、処置の内容・衛生材料の種類とサイズ・1か月の必要量を書く。どの物品をこの欄に書くか、種類・サイズ・量は、指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写す | 衛生材料の確認先:( ) |
| 訪問予定の職種 | ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています | 言語聴覚士が口から食べることの練習で、理学療法士・作業療法士が座る姿勢や移動の練習で訪問する方では、職種と曜日を書く。ご本人とご家族に「誰が・何曜日に・何をしに来るか」が分かる書き方にする | 職種と曜日の伝え方:( ) |
| 備考 | ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 | 訪問の曜日と時間帯(注入の時刻との関係)、カテーテルが抜けた・抜けかけた・詰まったときの連絡の順番、カテーテルの交換を行う医療機関と予定(指示書の内容)、衛生材料と栄養剤の受け取り先、訪問介護・通所・ショートステイの曜日と注入の扱い、緊急時の連絡の順番など | 備考に書く項目:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
老企第55号と保医発0327第10号で、計画書・記録書・管理者の確認の決まりを確かめる
計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書や管理者の側に書かれていることがあります。胃ろうのある方で関わりの深いものを、手元の通知の原文から並べました。
| 確かめる点 | 通知の原文 | 胃ろうのある方で確かめること | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 計画書の作り方の基本(介護保険) | 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 | 指示書の注入の内容とカテーテルの管理についての留意事項と、ご本人の「少しでも口から味わいたい」、ご家族の「夜の注入がつらい」という希望の両方が計画書に入っているか | 希望を聞き取った日:( ) |
| 居宅サービス計画との関係(介護保険) | 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 | 介護支援専門員のケアプランの栄養と食事の目標、通所やショートステイでの注入の扱い、口腔のケアを受け持つ事業所を、計画書とそろえる | ケアプランの受け取り日:( ) |
| 欄の名前の変更(介護保険) | 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています | 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「経管栄養」「誤嚥リスク」の名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す | 様式の改訂日:( ) |
| 作成者の欄(介護保険) | 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 | 言語聴覚士が口から食べることの練習に関わる方では、両方の作成者を記入する | 作成者の記名の手順:( ) |
| 主治医への提出(介護保険) | 老企第55号 1(2)「主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと」 | 胃ろうを造設した病院の医師と、在宅の主治医が別の方では、計画書と報告書を出す先と、カテーテルの交換の情報の受け取り方を決めておく | 提出先と時期:( ) |
| 記録書Ⅰに書く項目 | 保医発0327第10号 第一の2(3)②「緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 | 在宅の主治医と、カテーテルの交換を行う医療機関の両方の連絡先、栄養剤と衛生材料の受け取り先、カテーテルが抜けたときに連絡する先を残しておく | 連絡先の確認日:( ) |
| 記録書Ⅱに書く項目 | 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること | 瘻孔のまわりの皮膚の様子、カテーテルの外に出ている部分と固定の様子、注入中と注入後の様子、便の様子、ご家族がつけている注入の記録から写した内容を書く場所と順番を事業所で決めておく | 胃ろうの様子を書く欄:( ) |
| 評価と見直し | 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 | 評価の根拠になる事実(ご家族が一人で通して行えた手順、瘻孔のまわりの赤みの範囲の変化、むせや咳が出た場面、口から食べた場面とその様子)を、訪問のたびに同じ順番で書く | 記録の順番:( ) |
| 管理者の確認 | 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 | 注入の内容やカテーテルの指示が変わったときに、計画書・衛生材料の欄・ご家族に渡した手順の紙が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる | 確認の担当者:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
指示書・処方・医療機関の指導から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)
胃ろうのある方の計画書で崩れやすいのは、栄養剤の量や注入の時刻、カテーテルの交換の予定、連絡の目安が指示書や退院時の書類の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。逆に、記憶や前の計画書、別の利用者の例から数値を書き写すと、指示が変わったときに食い違いが残ります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。
| 元の書類に書かれていること | 写す先の欄 | 計画書の書き方の型 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 指示書の主たる傷病名と留意事項 | 目標・備考 | 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、胃ろうを使いながら自宅での暮らしを続けられることを目標の柱にする」 | 指示書の日付:( ) |
| 栄養剤の種類と一回の量・一日の回数と時刻 | T-P・E-P | 「注入は指示書に記載の栄養剤と量・回数・時刻(指示書の内容)のとおりとし、ご家族の暮らしの流れの中で行える時刻を一緒に確かめる」 | 注入の手順の紙の版:( ) |
| 注入の速度と注入にかける時間の目安 | T-P・E-P | 「注入の速度は指示書に記載の内容(指示書の内容)に沿い、ご家族が使っている物品での合わせ方を一緒に確かめる」 | 速度の合わせ方を確かめた日:( ) |
| 白湯や水分の量と、入れる時刻 | T-P・O-P | 「白湯と水分は指示書に記載の量と時刻(指示書の内容)のとおりとし、季節や発熱で気になることがあれば主治医へ報告する」 | 併存症の主治医:( ) |
| 胃ろうから入れる薬の種類と入れ方 | T-P・E-P | 「胃ろうから入れる薬は処方のとおりとし、入れ方は薬局と医療機関から受けた説明のとおりに、ご家族と一緒に確かめる」 | お薬手帳の確認日:( ) |
| カテーテルの種類とサイズ | 処置の内容・衛生材料等・備考 | 「胃ろうのカテーテルは指示書に記載の種類とサイズ(指示書の内容)とし、外に出ている部分の扱いは医療機関から受けた指導のとおりとする」 | 指導を受けた日と医療機関:( ) |
| カテーテルの交換の予定と、交換を行う医療機関 | 備考・年月日 | 「カテーテルの交換は指示書に記載の予定(指示書の内容)のとおり主治医の医療機関で行い、交換した日を記録書Ⅱと管理表に書く」 | 交換の管理表:( ) |
| 瘻孔のまわりのケアと固定の方法 | T-P・衛生材料等 | 「瘻孔のまわりの洗い方と保護、固定の方法は医療機関から受けた指導のとおり(指示書の内容)とし、皮膚の手当ては主治医の指示による」 | ケアの手順の紙の版:( ) |
| 注入中と注入後の姿勢 | T-P・E-P | 「注入中と注入後の姿勢と、その姿勢で過ごす時間は医療機関から受けた指導のとおりとし、ベッドや車いすでの整え方をご家族と一緒に確かめる」 | 姿勢の写真や図の版:( ) |
| 口から食べることについての指示(食べてよいもの・形・量・姿勢) | 目標・T-P・訪問予定の職種 | 「口から食べることは指示書に記載の内容(指示書の内容)と言語聴覚士・医療機関の評価に沿い、ご本人の楽しみとして続けられる形を一緒に考える」 | 評価を受けた日と評価者:( ) |
| 主治医へ連絡する目安(カテーテルが抜けた、熱が出た、注入物が戻ってくる、漏れが続くなど) | O-P・E-P・備考 | 「指示書に記載の連絡の目安(指示書の内容)にあたる様子があれば、当ステーションから主治医へ報告する。カテーテルが抜けたときは入れ直さずに連絡する順番を、紙にしてご家族に渡す」 | 報告の手段と時間帯:( ) |
| 退院時の情報(造設の経過、入院中の注入の方法、退院時の指導の内容) | 課題・備考 | 「退院時の情報(書類の内容)を課題の根拠として書き、病院で受けた指導と自宅で使う物品や手順の違いをご家族と確かめる」 | 退院時の書類の保管:( ) |
| 指示の期間・特別訪問看護指示書の期間 | 年月日・管理表 | 「訪問看護指示書の指示期間(指示書の期間)と、特別訪問看護指示書が出た期間を、計画書の見直し日と並べて管理する」 | 期限の管理表:( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
看護問題の立て方|「経管栄養」「誤嚥リスク」の名前を、在宅の療養上の課題の文に直す(12例)
「胃ろうの看護問題」として、病棟や看護学生の看護過程では「栄養摂取消費バランス異常」「誤嚥リスク状態」「皮膚統合性障害リスク状態」「感染リスク状態」のような名前をつけた問題を立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前をつけるよりも、暮らしのどの場面で、何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。また、栄養の状態や飲み込みの力を見立てるのは主治医や医療機関の評価によるため、看護師が見た事実と、ご本人・ご家族の言葉で書く形にしています。
| 病棟・学生でよく使う表現 | 在宅の計画書の課題欄の文 | 根拠として添える事実 |
|---|---|---|
| 「非効果的治療計画管理」 | 胃ろうを造って退院したばかりで、ご家族が注入の準備から片付けまでの手順に慣れておらず、一回の注入に時間がかかっている | 退院時の情報、訪問時に一緒に行った手順のうちご家族が迷った部分、妻の「間違えていないか怖い」 |
| 「栄養摂取消費バランス異常」 | 注入は指示書のとおり続いているが、この1か月で服のゆるみが目立ち、ご家族が「やせてきた気がする」と話している | 体重(記録した値)と測った日、服や腕まわりの様子、ご家族の話、主治医への報告の内容 |
| 「誤嚥リスク状態」 | 注入のあとに横になる時間が早くなりがちで、そのあとに咳込むことがあるとご家族が話している | 注入を終えた時刻と横になった時刻(ご家族の記録)、咳込んだ場面、痰の様子、熱の有無 |
| 「皮膚統合性障害リスク状態」 | 瘻孔のまわりに赤みがあり、ガーゼに薄い染みがつく日が続いている | 赤みの場所と範囲、ガーゼの染みの様子、固定の様子、ご家族の洗い方 |
| 「感染リスク状態」 | 瘻孔のまわりの洗い方と物品の洗い方が、病院で受けた指導と自宅とで変わってきている | ご家族が行っている洗い方、物品の乾かし方と置き場所、瘻孔のまわりの様子 |
| 「下痢」 | 注入の内容が変わってから、やわらかい便の回数が増え、おむつの交換と臀部の赤みでご家族の手間が増えている | 便の回数と性状(ご家族の記録)、注入の内容が変わった日、臀部の皮膚の様子 |
| 「便秘」 | 便の出る間隔が空いてきて、注入のあとにお腹の張りを訴えることがある | 排便の間隔と性状、お腹の張りの訴えが出た場面、飲んでいる薬、ご本人の言葉 |
| 「口腔粘膜障害」 | 口から食べる機会が減り、口の中が乾いて舌に汚れがつきやすくなっている | 口の中の様子(乾き・汚れ・においの有無)、口腔のケアを行う人と時刻、ご本人の表情 |
| 「ボディイメージ混乱」 | お腹のチューブを人に見られたくない思いから、通所や外出を断ることが増えている | ご本人の「こんな体で人に会いたくない」、外出の回数の変化、服の選び方 |
| 「身体損傷リスク状態(自己抜去)」 | 夜になるとお腹のチューブを触る様子があり、これまでに一度カテーテルが抜けて受診したことがある | 触る様子が出る時間帯、抜けたときの経過(日時・受診先)、寝るときの服、ご家族の見守りの様子 |
| 「嚥下障害」 | 胃ろうからの注入が中心になったが、ご本人は「好きな味を少しでも口にしたい」と話している | ご本人の言葉、言語聴覚士・医療機関の評価の内容(評価の記録)、口から食べたときの様子 |
| 「介護者役割緊張」 | 一日の注入とその前後の付き添いで、同居の妻が外出や通院の時間をとれず、疲れを訴えている | 妻の一日の流れ、注入の時刻と付き添いの時間、妻の通院の予定、「自分の病院にも行けない」等の言葉 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
場面別|胃ろうの看護目標の記載例(12の場面・長期と短期あわせて24例)
胃ろうのある方の目標は、「栄養状態が改善する」「誤嚥性肺炎を起こさない」「胃ろうの管理ができる」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「できていたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。下の表では、在宅でよく出会う12の場面について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。場面の区切りは、看護師がふだん見ている様子によるもので、栄養の状態や飲み込みの力の見立ては主治医と医療機関の評価によります。
| 場面 | 長期目標の記載例 | 短期目標の記載例 | 評価のときに見る事実 |
|---|---|---|---|
| 胃ろうを造って退院したばかりの方 | 胃ろうを使いながら、退院前の暮らしの場面を一つずつ取り戻せる | ご家族が、注入の準備から片付けまでの手順を、手順の紙を見ながら一人で通して行える | ご家族が一人で行えた手順、迷った手順、ご家族の言葉、瘻孔のまわりの様子 |
| 胃ろうを使って長く暮らしている安定期の方 | 胃ろうのトラブルで暮らしが止まらずに、通所や家族との時間を続けられる | 瘻孔のまわりの皮膚の見方を覚え、いつもと違うときにその日のうちに当ステーションへ連絡できる | ご家族の記録の残り方、連絡の有無と内容、通所に行けた回数 |
| ご家族が注入を受け持っている方 | ご家族が無理なく注入を続けられ、ご本人とご家族が自宅での暮らしを続けられる | ご家族が注入中の様子の見方と、注入を止めて連絡する場面を言葉で説明できる | ご家族の説明の内容、注入の記録、ご家族の体調と負担の言葉 |
| ご本人が注入の一部を自分で行っている方 | 自分のペースで注入を行い、仕事や趣味の時間を保てる | 注入の準備と片付けのうち、ご本人が一人でできる部分を一緒に確かめ、手順の紙にまとめられる | ご本人が一人で行えた手順、手の動き、ご本人の言葉 |
| 口から食べることを少しずつ続けている方 | 好きな味を楽しむ時間を持ちながら、胃ろうで体の調子を保てる | 言語聴覚士・医療機関の評価に沿った食べ方と姿勢を、ご家族と一緒に守って口から食べる時間を持てる | 口から食べた場面と様子、むせや咳の有無、ご本人の表情と言葉、熱の有無 |
| 瘻孔のまわりに赤みや漏れがある方 | 瘻孔のまわりの皮膚のトラブルを小さくして、気持ちよく過ごせる | ご家族が医療機関から受けた指導のとおりの洗い方と保護を行い、赤みの範囲の変化を記録に残せる | 赤みの場所と範囲、ガーゼの染みの様子、ご家族の手技の様子、主治医への報告 |
| カテーテルが抜けたことがある方・抜けるのが心配な方 | カテーテルが抜けたときにも慌てずに対応でき、安心して自宅での暮らしを続けられる | カテーテルが抜けたときは入れ直さずに連絡する順番を、ご家族が紙を見て言える | ご家族の説明の内容、連絡の紙の置き場所、抜けかけた様子の有無と対応 |
| 注入のあとにお腹の張りや便の変化がある方 | お腹の不快が小さくなり、注入のあとも落ち着いて過ごせる | 便の回数と様子、お腹の張りの訴えを記録し、主治医へ伝えられる | 便の記録、お腹の張りの訴えが出た場面、主治医への報告の内容 |
| 注入中や注入後にむせや咳込みが出ることがある方 | 熱や痰の増える日を減らし、家での暮らしを続けられる | 注入中と注入後の姿勢を医療機関から受けた指導のとおりに整え、咳込んだ場面をご家族が書きとめられる | 咳込んだ場面と時刻、注入後の姿勢の様子、痰と熱の様子 |
| 通所やショートステイを使っている方 | 注入があっても、通所での楽しみや家族の休息の時間を続けられる | 通所・ショートステイの職員と、注入の扱いと連絡の方法を同じ紙で共有できる | 通所・ショートステイに行けた回数、連絡帳の内容、ご家族の言葉 |
| 認知症があり、チューブを気にして触る方 | チューブを気にせずに、住み慣れた家で穏やかに過ごせる | 触る様子が出る時間帯を記録し、服の工夫と声のかけ方をご家族と決められる | 触る様子が出た時間帯と回数、服の工夫、抜けかけた様子の有無 |
| 体力が落ち、これからのことを話し始めた方(終末期に近い時期) | 苦痛と気がかりを小さくして、望む場所で家族と穏やかに過ごせる | 注入をどう続けるかについて、ご本人の希望とご家族の気持ちを主治医と話し合える | ご本人の言葉、注入のあとの様子、ご家族の気持ち、主治医と話し合った日と内容 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご本人・ご家族の言葉から目標欄の文をつくる(「少しでも口から食べたい」「夜の注入がつらい」等8例)
老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。胃ろうのある方は、言葉で気持ちを伝えにくくなっていることも多く、表情やご家族の話から思いを受け取る場面がよくあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。ご本人とご家族の言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。
| 聞き取った言葉 | 目標欄の文 | 課題欄につなぐ視点 |
|---|---|---|
| ご本人「少しでも口から食べたい」 | 好きな味を口にする楽しみを、医療機関の評価に沿った形で続けられる | 言語聴覚士・医療機関の評価、食べる姿勢と形、むせの様子、ご家族の不安 |
| ご本人「お腹に管があるから、人前に出たくない」 | チューブを目立たせない工夫をして、行きたい場所へ出かけられる | 服の選び方、外出先での注入の時刻の工夫、通所の職員との共有 |
| ご本人(うなずきで)「家族と同じ食卓にいたい」 | 家族の食事の時間を一緒に過ごし、会話を楽しめる | 注入の時刻と家族の食事の時刻、座っていられる時間と姿勢 |
| 妻「夜の注入があると、まとまって眠れない」 | 妻が夜に休めて、夫婦で自宅での暮らしを続けられる | 夜の注入の有無と時刻(指示書の内容)、妻の睡眠、主治医への相談の内容 |
| 娘「管が抜けたらどうしようと思うと、出かけられない」 | 娘が安心して自分の用事に出かけられ、親子で暮らしを続けられる | 抜けたときの連絡の順番、留守のときの見守りの分担、訪問介護の利用 |
| 息子「やせてきたのは、注入が足りないからではないか」 | 体の変化をご家族と主治医で共有し、納得して注入を続けられる | 体重(記録した値)、注入の記録、主治医への報告と説明を受けた内容 |
| ご本人「デイのお風呂に入りたい」 | 胃ろうがあっても、通所での入浴の楽しみを続けられる | 入浴のときのカテーテルと瘻孔の扱い(医療機関の指導のとおり)、通所の職員との共有 |
| 夫「妻に何もしてやれない気がする」 | 夫がご本人のためにできることを見つけ、穏やかに過ごせる | 夫ができる口腔のケアや声かけ、注入中のそばでの過ごし方、夫の気持ち |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
療養上の課題・支援内容|胃ろうのO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)
記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅の胃ろうのある方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病棟の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。栄養剤の量・注入の速度・水分の量・薬・姿勢・連絡の目安は、すべて指示書と処方、医療機関から受けた指導のとおりとする書き方です。
| 療養上の課題(課題欄の文) | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 胃ろうを造って退院したばかりで、ご家族が注入の手順に慣れていない | ご家族が行う注入の準備・注入中の見守り・片付けの手順、迷う部分、ご家族の不安の言葉、瘻孔のまわりの様子を見る | 注入の手順を医療機関から受けた指導のとおりに一緒に通して行い、迷う手順だけを大きな字で書いた紙を作って注入の場所に貼る | ご家族に、手順で迷ったときと、注入中にいつもと違う様子があったときの連絡先を紙にして渡す |
| 瘻孔のまわりに赤みがあり、ガーゼに染みがつく日が続いている | 赤みの場所と範囲、染みの色とにおい、固定の様子、カテーテルの外に出ている部分の様子を、訪問のたびに同じ順番で見る | 瘻孔のまわりの洗い方と保護を医療機関から受けた指導のとおりにご家族と一緒に行う。皮膚の手当ては主治医の指示のとおりとし、様子を主治医へ報告する | ご家族に、赤みの範囲の書きとめ方(日付と図)と、赤みが広がったときの連絡先を伝える |
| カテーテルの外に出ている部分の扱いに慣れておらず、服や布団に引っかかることがある | カテーテルの外に出ている部分の位置と向き、固定の様子、服や布団との当たり方、着替えのときの扱いを見る | 固定と着替えのときの扱いを医療機関から受けた指導のとおりに一緒に行い、引っかかりにくい服の選び方をご家族と試す | 着替えや寝返りの介助のときに気をつけることを、ご家族と訪問介護に同じ紙で伝える |
| 注入のあとに早く横になりがちで、そのあとに咳込むことがある | 注入を終えた時刻と横になった時刻、注入中と注入後の姿勢、咳込んだ場面、痰の様子、熱の有無を見る | 注入中と注入後の姿勢を医療機関から受けた指導のとおりに整え、ベッドの背の上げ方やクッションの置き方をご家族と一緒に決める | 注入後の過ごし方を書いた紙を渡し、咳込みや熱が出たときの連絡は指示書に記載の目安のとおりであることを伝える |
| 注入の内容が変わってから、やわらかい便が増えている | 便の回数と性状(ご家族の記録)、注入の内容が変わった日、注入の速度の合わせ方、臀部の皮膚の様子を見る | 便の記録のつけ方を一緒に決め、記録をもとに主治医へ様子を報告する。臀部の洗い方と保湿をご家族と一緒に行う | 注入の内容や速度は自分で変えず、指示書のとおりとすることと、気になることは記録を添えて相談してよいことを伝える |
| 便の出る間隔が空き、注入のあとにお腹の張りを訴える | 排便の間隔と性状、お腹の張りや痛みの訴え、注入物が戻ってくる様子の有無、飲んでいる薬を見る | 排便の記録をもとに主治医へ様子を報告する。お腹のマッサージや体を動かす工夫は主治医の指示に沿って行う | お腹の張りが強いときや注入物が戻ってくるときの連絡は、指示書に記載の目安のとおりであることを紙にして伝える |
| 注入の物品の洗い方と乾かし方が、病院で受けた指導から変わってきている | 物品の洗い方・乾かし方・置き場所、物品の傷みや汚れ、交換の時期の記録を見る | 物品の洗い方と乾かし方を医療機関から受けた指導のとおりに一緒に確かめ、置き場所を決める。物品の交換の時期は指示書と医療機関の取扱いのとおりとする | ご家族に、物品の傷みに気づいたときの連絡先と、受け取り先を伝える |
| 胃ろうから入れる薬の準備に時間がかかり、チューブが詰まりそうになったことがある | 薬の準備の手順、薬を入れる時刻、注入の前後の流し方、チューブの通りの様子、お薬手帳の内容を見る | 薬の入れ方を薬局と医療機関から受けた説明のとおりにご家族と一緒に確かめ、手順を紙にまとめる。詰まりそうなときの対応は指示書に記載のとおりとする | 薬の形や入れ方で困ったときは、薬局と当ステーションに相談してよいことを伝える |
| 口から食べる機会が減り、口の中が乾いて汚れやすくなっている | 口の中の乾き・汚れ・においの有無、歯や入れ歯の様子、口腔のケアを行う人と時刻を見る | 口腔のケアの方法をご家族と一緒に行い、続けやすい時刻と道具を決める。歯科の受診や訪問歯科の必要を介護支援専門員と相談する | 注入だけの日も口の中の手入れが大切なことと、ケアの手順をご家族に伝える |
| ご本人が「少しでも口から食べたい」と話している | ご本人の言葉と表情、言語聴覚士・医療機関の評価の内容、口から食べたときのむせや咳、食べたあとの熱の有無を見る | 口から食べることは指示書と言語聴覚士・医療機関の評価に沿い、姿勢と食べ物の形をその評価のとおりに整えて一緒に行う | ご家族に、評価で決まった食べ方を守ることと、むせや熱が出たときの連絡先を伝える。評価の見直しを主治医に相談できることを伝える |
| 夜になるとお腹のチューブを触り、これまでに一度カテーテルが抜けたことがある | 触る様子が出る時間帯と場面、寝るときの服、固定の様子、触る前の表情や落ち着かない様子を見る | 服の工夫と固定の方法を医療機関から受けた指導のとおりに見直し、触る時間帯の過ごし方をご家族と考える。抜けたときの対応は指示書に記載のとおりとし、連絡の順番を備考に書く | 抜けたときは入れ直さずに連絡することと、連絡の順番を紙にして電話のそばに貼る |
| 一日の注入とその前後の付き添いで、主な介護者の疲れがたまっている | 介護者の一日の流れと睡眠、注入の時刻と付き添いの時間、介護者の体調と通院の様子、「疲れた」などの言葉を見る | 注入の手順のうち省けない部分と分担できる部分を介護者と整理し、通所・ショートステイ・訪問介護の利用を介護支援専門員と相談する。注入の時刻の見直しの相談は主治医へ伝える | 介護者に、休むことは介護を続けるために必要なことだと伝え、困ったときの相談先を紙にして渡す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
場面別のO-P・T-P・E-P|造設直後の退院・安定期・皮膚トラブル・事故抜去への備え・家族の手技指導・経口摂取の併用・通所の日・入浴・発熱の日・交換の前後(10場面)
同じ方でも、胃ろうを造ってからの時期や一日の場面が変われば、見ることと伝えることが変わります。下の表は、訪問看護の計画書で場面ごとに書き分けるときの型です。注入の内容の変更、口から食べることの開始や中止、カテーテルの交換、受診や入院の判断は、この表では決めず、指示書に記載の内容と主治医の判断に沿う形にしています。
| 場面 | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 造設して退院してから最初の2週間 | 瘻孔のまわりの皮膚と染み、カテーテルの外に出ている部分と固定、ご家族の手順と不安の言葉、注入中と注入後の様子 | 注入の手順と瘻孔のまわりのケアを医療機関の指導のとおりに一緒に行い、注入の場所と物品の置き場所を整える | 手順と連絡の順番を書いた紙を渡し、最初の1週間は気になることを書きとめてもらう |
| 安定期(長く使っている時期) | 瘻孔のまわりの皮膚、カテーテルの外に出ている部分、便の様子、体重(記録した値)、交換の予定との照らし合わせ | 交換の予定を指示書に記載のとおり管理し、瘻孔のまわりのケアを続ける。交換した日を管理表に書く | いつもと違う様子の書きとめ方と、指示書に記載の連絡の目安を、ご家族と見直す |
| 瘻孔のまわりに赤み・漏れが出ている | 赤みの場所と範囲、染みの色とにおい、固定の様子、カテーテルの向き | 洗い方と保護を医療機関の指導のとおりに行い、皮膚の手当ては主治医の指示のとおりとする。様子を主治医へ報告する | 赤みの範囲を日付と図で書きとめる方法と、広がったときの連絡先を伝える |
| 事故抜去への備え(抜けたことがある・抜けるのが心配) | 触る様子が出る時間帯、服、固定の様子、ご家族の見守りの様子、連絡の紙の置き場所 | 服の工夫と固定の方法を医療機関の指導のとおりに見直し、抜けたときの対応は指示書に記載のとおりとする | 抜けたときは入れ直さずに連絡することと、連絡の順番を、ご家族と訪問介護に同じ紙で伝える |
| ご家族への手技の支援(新しく担う人がいる) | 新しく担う人の手順、物品の扱い、迷う部分、その人の体調と時間の都合 | 手順の紙を見ながら一緒に通して行い、迷う手順だけを書き出して紙を直す | 担う人が代わる日と、困ったときに連絡してよい時間帯を伝える |
| 口から食べることを併用している | 口から食べた場面、姿勢、むせや咳、食べたあとの熱と痰、ご本人の表情 | 言語聴覚士・医療機関の評価のとおりの姿勢と食べ物の形を整え、一緒に行う | 評価で決まった食べ方を守ることと、むせや熱が出たときの連絡先を伝える |
| 通所・ショートステイの日 | 通所先での注入の扱い、物品の持ち運び、連絡帳の内容、帰ってきたあとの様子 | 通所・ショートステイに持っていく物品をひとまとめにする方法を一緒に決める | 通所・ショートステイの職員に、注入と瘻孔の扱いで気をつけることを、ご本人の同意のもとで同じ紙で伝える |
| 入浴の日 | 入浴の前後の瘻孔のまわりの皮膚、固定の様子、入浴後の拭き方 | 入浴のときの瘻孔とカテーテルの扱いは医療機関から受けた指導のとおりとし、入浴後の皮膚の様子を確かめる | 訪問入浴や通所の職員に、入浴のときの扱いを同じ紙で伝える |
| 熱が出た・痰が増えた日 | 体温(記録した値)、痰の量と色、呼吸の様子、注入中と注入後の様子、その前の注入の記録 | 指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告し、注入を続けるかは主治医の指示による | 熱や痰が増えたときに書きとめることと、連絡の順番をご家族と確かめる |
| カテーテルの交換の前後 | 交換の予定日、交換後の瘻孔のまわりの様子、交換後の注入の様子、新しいカテーテルの種類とサイズ(医療機関の情報) | 交換した日と医療機関からの情報を記録書Ⅱと管理表に書き、計画書の衛生材料の欄と備考を見直す | 交換のあとに気をつけることを医療機関から受けた説明のとおりにご家族と確かめる |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご家族の注入の手技を支援内容に書く例(準備・姿勢・注入前の確かめ・注入中・薬・終了後・物品の洗浄・記録の8例)
胃ろうのある方の計画書では、体の観察と同じくらい、ご家族が毎日行う注入の手順が課題になります。手順そのものは医療機関から受けた指導によるものですが、訪問看護は家の中で手順が続いているかを定期的に見る立場にあります。計画書には、訪問のときに何を一緒に確かめ、誰に何を伝えるかを書きます。注入前の確かめ方、注入の速度、姿勢は、すべて医療機関から受けた指導と指示書のとおりとしています。
| 手順 | 支援内容の欄に書く文 | ご家族・訪問介護への伝え方 |
|---|---|---|
| 準備 | 手洗いと物品の準備、栄養剤の確かめ(指示書に記載の種類と量)を、ご家族が手順の紙を見ながら行えているかを一緒に確かめる | 物品を置く場所と並べる順番を決め、手順の紙を注入の場所に貼る |
| 姿勢 | 注入中の姿勢を医療機関から受けた指導のとおりに整え、ベッドの背の上げ方とクッションの置き方をご家族と確かめる | 姿勢の整え方を写真か図にした紙を渡し、訪問介護の職員にも同じ紙で伝える |
| 注入前の確かめ | 注入を始める前に確かめること(カテーテルの位置、お腹の様子、ご本人の様子)を、医療機関から受けた指導のとおりにご家族が行えているかを確かめる | 確かめることを3つ程度にまとめた紙を渡し、いつもと違うときは注入を始めずに連絡することを伝える |
| 注入中 | 注入の速度を指示書に記載の内容に合わせているか、注入中のむせ・咳・顔色・お腹の張りの見方をご家族と確かめる | 注入中に止めて連絡する様子(むせが続く、苦しそう、注入物が戻ってくる等)を紙にして渡す |
| 薬 | 胃ろうから入れる薬の準備と入れ方を、処方と薬局・医療機関から受けた説明のとおりに一緒に確かめる | 薬の時刻と入れ方を書いた紙をお薬手帳と一緒に置く |
| 終了後 | 注入を終えたあとのチューブの流し方と、注入後の姿勢と過ごし方を、医療機関から受けた指導のとおりに確かめる | 注入後に横になる時刻を、注入の記録の紙に書く欄を作る |
| 物品の洗浄 | 物品の洗い方・乾かし方・置き場所を医療機関から受けた指導のとおりに確かめ、物品の傷みを一緒に見る | 物品の交換の時期と受け取り先を、物品の置き場所に貼る |
| 記録 | 注入の時刻、むせや咳の有無、便の様子、ご本人の様子を、ご家族が書きとめる紙の形を一緒に決める | 訪問時に看護師が紙を確かめ、記録書Ⅱに写す。通所に行く日は連絡帳と同じ欄にする |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
事故抜去と瘻孔のトラブルに備える書き方(抜けた・抜けかけた・漏れ・赤み・詰まり・戻ってくる等8項目)
胃ろうのトラブルは、看護師がいない夜や週末に起きることがあります。計画書のE-Pに「異常時は連絡するよう指導」とだけ書くと、ご家族は何を見て、何をしてはいけないのかが分かりません。とくにカテーテルが抜けたときは、ご家族も看護師も自己判断で入れ直さず、指示書に記載の連絡の順番で連絡することを、計画書と手元の紙の両方に書いておきます。下の表は、ご家族が書きとめる形と、計画書の書き方を並べたものです。連絡や受診の目安そのものは、すべて指示書に記載のとおりとしています。
| いつもと違う様子 | ご家族が書きとめる形 | 計画書の書き方 |
|---|---|---|
| カテーテルが抜けた | 気づいた日時、抜けたカテーテルの状態(そのまま保管)、瘻孔のまわりの様子、連絡した先と時刻 | 「カテーテルが抜けたときは自己判断で入れ直さず、指示書に記載の連絡の順番で連絡する。抜けたカテーテルは捨てずに保管し、受診のときに持参する(医療機関の指示による)」 |
| カテーテルが抜けかけている・長さが変わって見える | 気づいた日時、外に出ている部分の様子、固定の様子 | 「カテーテルが抜けかけているときは押し込んだり引いたりせず、注入を始めずに当ステーションへ連絡する」 |
| 瘻孔のまわりから漏れる | 気づいた日時、漏れたものの色と量の目安(ガーゼが濡れた程度)、注入との関係 | 「瘻孔のまわりからの漏れをご家族が書きとめ、訪問時に皮膚と固定の様子を確かめて主治医へ報告する」 |
| 瘻孔のまわりが赤い・腫れている・痛がる | 気づいた日時、赤みの範囲(図)、痛がる様子、熱の有無 | 「瘻孔のまわりの赤みと腫れを訪問時に確かめ、指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告する」 |
| 注入物が入っていかない・チューブが詰まった | 気づいた日時、そのときの注入の内容(薬の後か等)、試したこと | 「チューブの通りが悪いときの対応は指示書に記載のとおりとし、それで通らないときは無理に押し込まずに連絡する」 |
| 注入物が口や鼻から戻ってくる・吐いた | 気づいた日時と注入との関係、戻ってきたものの様子、咳や息苦しさ | 「注入物が戻ってくるときは注入を止め、指示書に記載の連絡の目安にあたる場合はすぐ連絡を受ける」 |
| 熱っぽい・痰が増えた・息が苦しそう | 測った時刻と体温(記録した値)、痰の色と量、呼吸の様子 | 「発熱や痰の増加、息苦しさがあるときの連絡は指示書に記載の目安のとおりとし、測った値をご家族が書きとめる」 |
| お腹が張る・便が出ない日が続く・下痢が続く | 気づいた日、便の回数と性状、お腹の張りの様子、ご本人の言葉 | 「便の様子とお腹の張りを記録で確かめ、指示書に記載の連絡の目安と照らして主治医へ報告する。注入の内容や量はご家族の判断で変えない」 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご家族・訪問介護・通所・薬局・医療機関・介護支援専門員と分担するときの支援内容の記載例(10例)
胃ろうのある方の暮らしは、訪問看護の時間よりも、看護師がいない時間の注入と過ごし方で大きく変わります。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。訪問介護や通所の職員が経管栄養に関わるかどうかは、事業所の登録の状況や研修、医師の指示などの体制によるため、計画書では決めず、介護支援専門員と各事業所で確かめる形にしています。他の事業所や別居のご家族に様子を伝えるときは、ご本人の同意と、事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。
| 担い手 | 計画書の支援内容に書く文 | 伝え先と記録先 |
|---|---|---|
| ご本人 | 注入中にお腹の張りや気分の悪さがあれば、手を上げる・ベルを鳴らすなど決めた方法でご家族に知らせる | 知らせる方法を書いた紙をベッドのそばに置く |
| 同居のご家族 | 手順の紙に沿って注入を行い、注入の時刻・むせや咳・便の様子を書きとめ、いつもと違う様子があれば当ステーションへ連絡する | 注入の記録の紙・当ステーションへの電話 |
| 別居のご家族 | 週末の訪問のときに栄養剤と衛生材料の残りを確かめ、少なくなっていれば同居のご家族に伝える | 同居のご家族・連絡ノート |
| 訪問介護 | 着替えや体位を変える介助のときに、カテーテルを引っ張らない扱いで行い、瘻孔のまわりの汚れや赤みに気づいたら連絡帳に書く | 連絡帳・サービス提供責任者から当ステーションへ |
| 訪問介護 | 口腔のケアの介助を、看護師と決めた道具と手順で行う | 連絡帳・サービス担当者会議 |
| 通所介護・通所リハビリ | 通所での注入の扱いと、瘻孔やカテーテルで気づいたことを連絡帳に書く | 連絡帳・通所の看護職員から当ステーションへ |
| ショートステイ | 利用前に注入の内容(指示書の内容)と瘻孔のケア、抜けたときの連絡の順番を同じ紙で受け取る | 介護支援専門員を通じて当ステーションへ |
| 薬局 | 胃ろうから入れる薬の形と入れ方、残りの数を確かめる | お薬手帳・当ステーションへの連絡 |
| カテーテルの交換を行う医療機関 | 交換したときの様子と新しいカテーテルの情報を、ご本人・ご家族を通じて当ステーションへ伝えてもらう | 受診の記録・主治医への報告書 |
| 介護支援専門員 | 注入の負担と介護者の様子、通所・ショートステイでの扱いを、短期目標の期間に合わせて共有し、サービスの見直しの相談に用いる | サービス担当者会議の記録・照会への回答 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
悪い例と良い例|胃ろうのある方の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)
左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、数値を記憶や前の計画書から書き写した文や、看護師の印象だけで終わる言葉、ご本人やご家族を責めるように読める言葉が多く入っています。良い例に入れた栄養剤の量・注入の速度・水分の量・交換の予定・薬・姿勢・連絡の目安は、すべて「指示書に記載の」「処方のとおり」「医療機関から受けた指導のとおり」の形にしています。悪い例の中の「〇〇」は、記憶から数値を書き入れていた箇所です。
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える文) | 直した点 |
|---|---|---|---|
| 目標 | 「栄養状態が改善する」 | 胃ろうで体の調子を保ちながら、週2回の通所で仲間との会話を楽しめる | 看護の目的の言葉ではなく、ご本人が続けたい暮らしを主語にした |
| 目標 | 「誤嚥性肺炎を起こさない」 | 注入後の姿勢をご家族と一緒に守り、咳込みや熱の変化に早めに気づいて、自宅での暮らしを続けられる | 起きないことを約束する形から、気づいて動ける形にした |
| 目標 | 「体重〇〇kgを維持する」 | 体重(記録した値)の変化をご家族と主治医で共有し、納得して注入を続けられる | 記憶の数値を目標に入れず、記録と主治医への報告の形にした |
| 目標 | 「家族が胃ろう管理の手技を獲得する」 | 妻が、手洗いから片付けまでの注入の手順を、手順の紙を見ながら一人で通して行える | 「獲得」を、評価のときに確かめられる場面と範囲に直した |
| 目標 | 「経口摂取に移行する」 | 言語聴覚士・医療機関の評価に沿った形で、好きな味を口にする時間を持てる | ご本人に合わない約束を避け、評価に沿う形と楽しみの場面に絞った |
| 課題 | 「経管栄養」 | 胃ろうを造って退院したばかりで、ご家族が注入の手順に慣れておらず、一回の注入に時間がかかっている | 処置の名前だけの課題を、場面と根拠の入った一文にした |
| 課題 | 「誤嚥リスク状態」 | 注入のあとに早く横になりがちで、そのあとに咳込むことがあるとご家族が話している | 名前ではなく、ご家族の話と場面で書いた |
| 課題 | 「家族の理解不足」 | 病院で受けた指導から物品の洗い方が変わってきており、ご家族は「忙しくて全部はできない」と話している | ご家族を責める書き方を避け、手順が変わった事実と言葉で書いた |
| O-P | 「胃ろう部の観察」 | 瘻孔のまわりの赤みの場所と範囲、ガーゼの染みの様子、固定の様子を、訪問のたびに同じ順番で確かめる | 何を、どの順番で見るかを書いた |
| O-P | 「注入量〇〇mLが入っているか確認」 | 注入は指示書に記載の量と回数のとおりとし、ご家族の注入の記録(記録した内容)と照らして確かめる | 記憶の数値を消し、指示書から写す形にした |
| O-P | 「下痢・便秘の有無」 | 便の回数と性状をご家族の記録で確かめ、注入の内容が変わった日と照らして主治医へ報告する | 有無だけでなく、記録の出どころと報告先を書いた |
| T-P | 「胃ろう管理」 | 瘻孔のまわりの洗い方と保護を医療機関から受けた指導のとおりにご家族と一緒に行い、交換は指示書に記載の予定のとおりとして交換した日を管理表に書く | 一語で済ませず、訪問の中ですることと出どころを書いた |
| T-P | 「カテーテルは〇か月ごとに交換」 | カテーテルの交換は指示書に記載の予定(指示書の内容)のとおり、主治医の医療機関で行う | 記憶の間隔を書かず、指示書の内容を写す形にした |
| T-P | 「注入後〇〇分は〇〇度ギャッジアップ」 | 注入中と注入後の姿勢と、その姿勢で過ごす時間は医療機関から受けた指導のとおりとし、ベッドの背の上げ方をご家族と一緒に確かめる | 記憶の角度と時間を消し、指導のとおりとする形にした |
| T-P | 「白湯〇〇mLを追加」 | 白湯と水分は指示書に記載の量と時刻のとおりとし、季節や発熱で気になることがあれば主治医へ報告する | 記憶の量を消し、併存症の制限にも合う出どころを示した |
| T-P | 「抜けたら再挿入する」 | カテーテルが抜けたときは自己判断で入れ直さず、指示書に記載の連絡の順番で主治医へ連絡する | 自己判断の処置を書かず、連絡の形にした |
| E-P | 「異常時は連絡するよう指導」 | カテーテルが抜けた、注入物が戻ってくる、熱っぽいなど、いつもと違う様子に気づいたときの連絡の順番を紙にして渡し、連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える | 何を見て、どこへ連絡するかが分かる形にした |
| E-P | 「手技を間違えないよう指導」 | 迷う手順は手順の紙を見ながら一緒に確かめ、迷ったときに連絡してよい時間帯と先をご家族と決める | ご家族を責める言い方を避け、相談しやすくする説明にした |
| 評価 | 「胃ろう管理良好」 | 妻は注入の手順を紙を見ながら一人で通して行えている。瘻孔のまわりの赤みはこの1か月で範囲が小さくなり、ガーゼの染みは記録上2回だった。注入後の姿勢の記録が抜ける日があるため、記録の紙を見直す | 記録の事実と、次の計画で変えることまで書いた |
| 評価 | 「特記なし、継続」 | 注入中のむせはこの1か月は記録に無い。通所での注入の扱いは連絡帳で共有できている。口から食べる時間は評価待ちのため、目標を続ける | できたこととできていないことを分け、続ける理由を書いた |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
評価から報告書・ケアプランへ|胃ろうのある方の評価文と報告書の欄別記載例
保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。胃ろうのある方の評価は、トラブルが起きなかったかどうかだけでなく、ご本人が続けられている暮らしの場面、ご家族が手順を扱えるようになった程度、ご家族の負担と安心の変化を書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。
| 評価の結論 | 評価欄の記載例 | 次の計画で変える欄 |
|---|---|---|
| 目標を達成した(造設直後の退院) | 退院から1か月で、妻が注入の準備から片付けまでを手順の紙を見ながら一人で行えるようになった。妻は「最初は怖かったが、今は落ち着いてできる」と話している | 目標を、通所での注入の扱いと外出の場面に進める |
| 一部達成した(瘻孔のまわりの赤み) | 洗い方と保護を医療機関の指導のとおりに見直してから、赤みの範囲は小さくなった。ガーゼの染みは週末に続く日があり、その日は注入の時刻が遅れていた | 週末の注入と瘻孔のケアの分担を、別居の娘を交えて見直す |
| 一部達成した(注入後の咳込み) | 注入後の姿勢を整えてからは、日中の咳込みはご家族の記録で減った。夜の注入のあとは姿勢の記録が抜けており、様子が分からない | 夜の記録の方法をご家族と見直し、O-Pに夜の様子の聞き取りを加える |
| 達成していない(便の変化) | やわらかい便の回数はご家族の記録で変わっていない。臀部の赤みは保湿を続けて広がっていない。妻は「おむつ交換が増えてつらい」と話す | 記録を主治医へ報告し、指示を受けて計画を見直す。介護者の負担の課題を加える |
| 状態が変わった(カテーテルが抜けた) | 夜に夫から、カテーテルが抜けたと連絡があった。入れ直さずに指示書に記載の連絡の順番で主治医へ連絡し、医療機関で対応を受けた。夫は連絡の紙を見て落ち着いて対応できたと話している | 抜けた時間帯の様子を振り返り、服の工夫と見守りの分担を見直す。備考の連絡の順番を最新の内容に直す |
| 状態が変わった(入院から退院) | 誤嚥性肺炎による入院から退院し、退院時の情報では注入の内容と時刻が変わった。ご本人は入院前より座っていられる時間が短い | 計画書を作り直し、注入の手順の紙を新しい指示書の内容で作り直す。座る姿勢の練習と訪問予定の職種を見直す |
| 一部達成した(口から食べる楽しみ) | 言語聴覚士の評価に沿って、週に数回、好きな味を口にする時間を持てている。むせはこの1か月は記録に無い。ご本人は笑顔が増えたとご家族が話す | 評価の見直しの時期を主治医・言語聴覚士と確かめ、目標を続ける |
| 目標を達成した(通所での扱いの共有) | 通所の職員と同じ紙で注入と瘻孔の扱いを共有し、通所の日の連絡帳で様子を受け取れている。ご本人は通所での入浴を楽しみにしている | 目標を、ショートステイの利用に向けた共有に広げる |
| 一部達成した(認知症とチューブ) | 服の工夫をしてから、日中にチューブを触る様子は記録上で減った。夕方は落ち着かずにお腹に手をやることがある | 夕方の過ごし方と声のかけ方をご家族と訪問介護で見直す |
| 介護者の状況が変わった | 注入を担っていた妻が体調を崩して通院が増え、毎回の注入を続けるのがつらいと話す。息子が週末の注入を担うことになった | 息子への手順の支援を計画に加え、介護支援専門員と通所・ショートステイの利用を相談する |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(胃ろうの記載例7欄)
計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。胃ろうのある方では、診察の場面では見えにくい、家での注入の様子と瘻孔のまわりの皮膚の変化、ご家族の負担を伝えることが、報告書の大きな役割になります。衛生材料を使う処置がある方では、使用量と変更の欄も計画書の衛生材料の欄とつながります。
| 報告書の欄 | 記載要領の定め | 胃ろうのある方の記載例 |
|---|---|---|
| 病状の経過 | ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 | 注入は指示書のとおり続いている。日中は車いすで居間に出て、家族の食事の時間を一緒に過ごしている。瘻孔のまわりの赤みは月の前半より範囲が小さい。体重は(記録した値) |
| 看護の内容 | ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 | 体調と瘻孔のまわりの確認、瘻孔のまわりの洗い方と保護の確認、注入の手順の確認、注入後の姿勢の整え方の確認、口腔のケアを行った |
| 家庭での介護の状況 | ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 | 妻が注入と記録を行っている。妻は夜の注入のあとにまとまって眠れないと話す。注入の場所の物品の置き方を妻と見直した |
| 衛生材料等の使用量および使用状況 | ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 | 計画書の衛生材料の欄に書いた物品について、名称・交換の頻度・その月に使った量を、管理表と記録書Ⅱから写す(値は記録した内容のとおり) |
| 衛生材料等の種類・量の変更 | ⑦「衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけること」。変更内容は「処置に係る衛生材料等の種類・サイズ・量の変更が必要な場合に記入すること」 | 瘻孔のまわりの保護に使うガーゼが、染みの続く週は足りなくなるため、量について、ご指示をいただけますでしょうか(変更の必要性:有) |
| 特記すべき事項 | ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 | ご本人から、少しでも口から味わいたいとの話がある。ご家族も希望されているため、飲み込みの評価についてご指示をいただけますでしょうか |
| 報告書の簡略化 | ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 | 入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ケアプラン・訪問介護・通所との連携で、計画書に書いておくこと(6項目)
介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。胃ろうのある方では、通所やショートステイで過ごす時間に注入の時刻が重なることがあり、計画書の内容のうち他のサービスにも伝えておくことをはっきりさせておくと、食い違いが起きにくくなります。
| 合わせる点 | 計画書の側で書いておくこと | 訪問介護・通所・介護支援専門員に伝えること |
|---|---|---|
| 目標と期間 | ケアプランの短期目標の期間と、計画書の評価の時期をそろえる | 評価の結果を、短期目標の期間の終わりに合わせて介護支援専門員へ伝える |
| 注入の時刻とサービスの時間 | 注入の時刻(指示書の内容)と、訪問看護・訪問介護・通所の時間帯の関係を書く | 通所やショートステイの時間に注入が重なるときの扱いを、介護支援専門員と各事業所で確かめる |
| 瘻孔とカテーテルの扱い | 着替え・入浴・体位を変えるときのカテーテルの扱いと、瘻孔のまわりの見方を書く | 訪問介護・通所の職員に同じ紙で伝え、赤みや汚れに気づいたら連絡帳に書いてもらう |
| 口腔のケアと口から食べること | 口腔のケアを受け持つ人と方法、口から食べることについての評価の内容(評価の記録)を書く | 口腔のケアの手順をそろえ、口から食べることは評価で決まった形だけとすることを伝える |
| いつもと違う様子 | カテーテルが抜けた、注入物が戻ってくる、熱が出たなどの変化と、指示書に記載の連絡の目安を書く | 気づいたときの連絡先を当ステーションにそろえ、抜けたときは入れ直さずに連絡することを伝える |
| 福祉用具と住まい | ベッドの背を上げる機能、車いすの座る姿勢、注入の物品を置く場所の必要を、観察から書く | 福祉用具の相談を介護支援専門員に伝え、サービス担当者会議の議題にする |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
特別管理加算・手順書・連携の取扱いと計画書の照らし合わせ|告示・通知の定めと貴事業所の記入欄(対照表)
胃ろうのある方の計画書では、特別な管理を要する内容を備考に書くことが記載要領に示されています。加算や手順書の取扱いは、利用者の状態と事業所の体制、主治医の医療機関で行われている指導管理によって変わるため、下の表では告示・通知の定めと、貴事業所で確かめる点を並べるだけにしています。ある利用者がどの状態にあたるかは、指示書の内容、主治医の医療機関で行われている指導管理の名称、留意事項通知とQ&A、保険者(指定権者)の取扱いで、貴事業所でご確認ください。
| 取扱い | 告示・通知の定め | 計画書・記録で確かめる点 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 特別管理加算(Ⅰ)(介護保険の訪問看護) | 平成27年厚生労働省告示第94号 第6号イに規定する状態(在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理、在宅強心剤持続投与指導管理、在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態)にある者に対して指定訪問看護を行う場合。指定訪問看護の実施に関する計画的な管理と届出が定めに含まれています | 指示書と主治医の医療機関の情報にある指導管理の名称、カテーテルの使用の状況、計画的な管理の内容が分かる計画書の備考 | 利用者の状態の記録:( )/届出の状況:( )/ご確認ください |
| 特別管理加算(Ⅱ)(介護保険の訪問看護) | 同告示 第6号ロ〜ホに規定する状態(在宅成分栄養経管栄養法・在宅中心静脈栄養法などの各種の在宅療養指導管理を受けている状態、人工肛門又は人工膀胱の設置、真皮を越える褥瘡、週3日以上の点滴注射の必要)にある者に対して指定訪問看護を行う場合。(Ⅰ)と(Ⅱ)はいずれか一方のみとされています | 主治医の医療機関で行われている在宅療養指導管理の名称(指示書・医療機関の情報)と、計画書の備考の記載がそろっているか | 指導管理の名称の確認先:( )/ご確認ください |
| 特別管理加算(医療保険の訪問看護) | 保発0305第19号 第5の3(1)「指定訪問看護に関し特別な管理を必要とする利用者に対して指定訪問看護を行うにつき、当該利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制その他必要な体制が整備されているものとして地方厚生(支)局長に届け出た訪問看護ステーションにおいて」「当該利用者に係る指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合に、月1回に限り算定する」 | 夜間・休日の連絡の体制と、ご家族に渡した連絡の紙の内容が、計画書の備考と同じか | 連絡体制の届出の状況:( )/ご確認ください |
| 基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者(医療保険の訪問看護基本療養費) | 保発0305第19号 第2の1(1)では、訪問看護基本療養費(Ⅰ)は「利用者1人につき週3日を限度として算定する」とされ、ただし書で、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者(別表第7に掲げる疾病等の者及び別表第8に掲げる者)については「週4日以上算定でき」とされています。別表第8に掲げる者には「在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理」等の各種の指導管理を受けている状態にある者などが挙げられています | 指示書と主治医の医療機関の情報にある指導管理の名称と、訪問の回数の計画 | 指導管理の名称:( )/ご確認ください |
| 手順書加算(医療保険・主治医の側) | 保医発0305第6号 別添1 C007の(9)では、特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとして「胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換」が挙げられています | 主治医から手順書の交付を受けている利用者かどうかと、手順書の内容・交付日、指定研修を修了した看護師の配置 | 手順書の有無と交付日:( )/ご確認ください |
| 専門管理加算のロ(介護保険の訪問看護) | 老企第36号の令和6年度改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙1)では、手順書の交付対象となった利用者に対し、特定行為研修を修了した看護師が定期的(1月に1回以上)に指定訪問看護を行い、計画的な管理を行った場合に月1回に限り算定するとされ、対象の行為に「胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換」が含まれています | 手順書の内容と、計画書の支援内容・備考の記載がそろっているか。交換を行う日と記録 | 研修修了者と配置:( )/ご確認ください |
| 看護・介護職員連携強化加算(医療保険) | 保発0305第19号 第5の9(1)では、「胃瘻若しくは腸瘻による経管栄養又は経鼻経管栄養を必要とする利用者」に対して、登録喀痰吸引等事業者等の介護職員等が実施する喀痰吸引等の業務が円滑に行われるよう支援を行う取組を評価するものとされています | 訪問介護の事業所の登録の状況と、計画書や報告書の作成・緊急時の対応についての助言、同行訪問の記録 | 連携先の事業所:( )/ご確認ください |
※上記は厚生労働省の告示・通知を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算の要件と取扱いは改定や保険者(指定権者)・地方厚生(支)局の取扱いにより異なる場合があります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
運営指導で胃ろうのある方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」と「サービス提供の記録(第19条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、胃ろうのある方の計画書で確かめる点の例です。
| 別添1の確認項目(訪問看護) | 胃ろうのある方の計画書で確かめる点 | 貴事業所の確認欄 |
|---|---|---|
| (第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか | 記録書Ⅱに、計画書で決めた瘻孔のまわりの確認・注入の手順の確認・姿勢の整え方の確認を行ったことが書かれているか | 確認日:( ) |
| (第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | 瘻孔のまわりの皮膚の様子、便の様子、注入中と注入後の様子が、「胃ろう管理良好」の一語でなく事実で書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか | ケアプランの栄養と食事の目標・訪問の頻度と、計画書の目標・訪問の計画が食い違っていないか。通所とショートステイでの注入の扱いが反映されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか | 指示書の注入の内容・カテーテルの管理・連絡の目安が計画書に写されているか。注入の場所や物品の置き場所など住まいの環境が課題に反映されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか | O-P・T-P・E-Pが「胃ろう部の観察」「胃ろう管理」「異常時の連絡指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が分かるか | 確認日:( ) |
| (第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか | 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご家族に渡した手順の紙の内容が計画書と同じか | 確認日:( ) |
| (第70条)目標の達成状況は記録されているか | 評価欄と記録書Ⅱに、ご家族が一人で行えた手順、瘻孔のまわりの赤みの範囲、むせや咳が出た場面などの事実が書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか | 胃ろうの造設と退院、カテーテルの交換、注入の内容の変更、入院と退院、主な介護者の交代の後に、計画書が見直されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)訪問看護報告書は作成されているか | 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況・衛生材料の欄がつながっているか | 確認日:( ) |
※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・リハ職の訪問・事故の指摘(6件)
胃ろうのある方に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方と、胃ろうのある方の支援で関わりの深い指示書・リハ職の訪問・事故の記録に関わる公表事例です。
| 自治体 | 公表されている指摘の内容 | 胃ろうのある方の計画書で見直す点 |
|---|---|---|
| 長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) | 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 | ケアプランの栄養と食事の目標との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性 |
| 神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) | 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 | 指示書の期間の管理、注入の内容とカテーテルの指示の転記、ご本人の希望の反映 |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 | 胃ろうを造って退院するときに、訪問開始前に計画書があるか |
| 東京都(同) | サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 | 指示書の注入の内容・カテーテルの管理と、計画書の支援内容が食い違っていないか |
| 静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧) | 理学療法士等による指定訪問看護について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない | 口から食べることの練習で言語聴覚士が訪問する方の、説明と同意の記録 |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 事故の記録・保険者への報告を行っていない | カテーテルが抜けたときや訪問中のトラブルの記録と、計画書の課題への反映 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
胃ろうのある方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)
保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。
| 記録 | 何のために残すか | 保管場所 | 最終更新日 |
|---|---|---|---|
| 訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) | 注入の内容・カテーテルの管理・連絡の目安・指示期間の出どころ | ( ) | ( ) |
| 処方の内容とお薬手帳の写し | 胃ろうから入れる薬と栄養剤の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 | ( ) | ( ) |
| 退院時の情報・造設した医療機関からの情報 | 造設の経過、病院で受けた指導の内容、課題欄の根拠 | ( ) | ( ) |
| 言語聴覚士・医療機関の飲み込みの評価の記録 | 口から食べることについての目標と支援内容の出どころ | ( ) | ( ) |
| カテーテルの交換と衛生材料の管理表 | 交換した日と予定、交換を行った医療機関、衛生材料の必要量と使用量の出どころ | ( ) | ( ) |
| 注入の記録(ご家族がつけたもの) | 課題と評価の根拠、主治医への報告に添える資料 | ( ) | ( ) |
| 居宅サービス計画の写し | 計画書がケアプランに沿っていることの確認 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) | 説明した相手と日付、同意と交付の事実 | ( ) | ( ) |
| ご家族に渡した手順と連絡の紙(版と日付つき) | 計画書と同じ内容を渡したことの確認、指示の変更時の差し替え | ( ) | ( ) |
| 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ | 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) | 評価と家での様子、衛生材料の使用量を主治医へ伝えた事実 | ( ) | ( ) |
| 事故・ヒヤリハットの記録 | カテーテルが抜けた・注入中にむせが続いたなどの状況と対応、計画の見直しのきっかけ | ( ) | ( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
よくある質問
胃ろうの看護計画に、注入の量や速度、カテーテルの交換の間隔を数値で書いてもよいですか?
栄養剤の種類と量、注入の回数と時刻、注入の速度、白湯や水分の量、カテーテルの交換の予定、主治医へ連絡する目安は、主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の量と回数」「指示書に記載の交換の予定」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は指示書から写すと、指示が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で確かめた様子やご家族の注入の記録は、記録書Ⅱに記録した内容として残します。
病棟の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、胃ろうの書き方で何が違いますか?
病棟の看護計画は、注入の準備から片付け、瘻孔のケア、体位の調整を職員が交代で昼も夜も受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。胃ろうのある方では、看護師が帰ったあとの注入とその前後の過ごし方、いつもと違う様子に気づいたときの連絡を、ご本人・ご家族・訪問介護・通所がどう受け持つかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。
「誤嚥リスク状態」などの看護問題の名前は、計画書の課題欄にどう書けばよいですか?
介護保険の老企第55号では、令和6年の改正で計画書の欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています。栄養の状態や飲み込みの力の見立ては医師や医療機関の評価にも関わるため、課題欄には、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で一文にすると、支援内容と評価につながりやすくなります。
胃ろうのカテーテルが抜けたときのことは、計画書にどう書きますか?
カテーテルが抜けたときの対応と連絡の目安は、指示書に記載の内容によります。計画書には「カテーテルが抜けたときは自己判断で入れ直さず、指示書に記載の連絡の順番で連絡する」と書き、連絡の順番と連絡先を備考に、同じ内容を紙にしてご家族の手元に置いておくと、看護師がいない時間にも慌てずに動けます。抜けたことがある方では、抜けた時間帯や場面を記録し、服の工夫や見守りの分担を支援内容で見直します。
胃ろうの管理に使う物品は、計画書のどこに書きますか?
衛生材料等が必要になる処置がある場合は、計画書の「衛生材料等が必要な処置の有無」に○をつけ、「処置の内容」と「衛生材料等」を具体的に書き、「必要量」には1か月間に必要となる量を書くこととされています。どの物品をこの欄に書くか、種類やサイズ、量は、指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写し、カテーテルの交換を行う医療機関や物品の受け取り先は備考に書いておくと分かりやすくなります。
胃ろうのある方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?
計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。胃ろうのある方では、胃ろうの造設と退院、カテーテルの交換、注入の内容の指示の変更、口から食べることの再開や中止、誤嚥性肺炎などによる入院と退院、カテーテルが抜けたことによる受診、主な介護者の交代、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






