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誤嚥性肺炎の看護計画|在宅の訪問看護計画書の目標・観察項目・援助内容の記載例130例

自宅で暮らす方が誤嚥性肺炎で入院して退院したとき、または誤嚥性肺炎をくり返さないように訪問看護が入るときの訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・言語聴覚士・管理者を想定しています。病院の看護過程や看護学生の関連図は、病棟で一日中続く観察とケアを組み立てるためのものです。訪問看護計画書は、訪問の時間の中で行うことと、看護師がいない日の食事・服薬・口腔ケアをご本人・ご家族・他の事業所がどう続けるかを書く計画なので、この記事は後者に絞っています。

介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の誤嚥性肺炎の文例は、当サイトの「誤嚥性肺炎の予防とケアプラン文例」で扱っています。この記事ではケアプランの文例は書かず、訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」をご覧ください。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。体温・酸素飽和度・呼吸数などの基準の数値、とろみの程度、食事や水分の量、薬の量、酸素の流量、吸引の条件は、この記事には書いていません。これらは主治医の指示書や、言語聴覚士・歯科・管理栄養士などの助言として一人ひとりに決められるものです。計画書には「指示書に記載の」「言語聴覚士の助言の内容を転記」の形で書き、実際の値と内容は元の書類から写してください。訪問で測った値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。

様式の欄ごとに書くこと|記載要領の原文と誤嚥性肺炎の方の書き分け(欄別対照表3つ)

訪問看護計画書の各欄に何を書くかは、医療保険の訪問看護については「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2に定められています。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文です。右の2列は、誤嚥性肺炎の方の計画書で書く中身と、貴事業所の様式・運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) 誤嚥性肺炎の方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「誤嚥を防ぐ」で止めず、朝食・おやつ・服薬・就寝前など暮らしの場面に置いて、誰が何をできる状態を目指すかを書く。食べる楽しみをどこまで続けたいかという本人の希望を目標の言葉に入れる 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 退院後の初回訪問、肺炎による再入院から戻った日、食形態や食事の姿勢の助言が変わった日、経管栄養の開始・終了の日など、見直しのきっかけになった日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・指導(E-P)を分ける。課題の文には、そう考えた根拠(退院時の情報、言語聴覚士の評価、記録書Ⅱに書いたむせの場面)を添える 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱに残した事実(食事の場面のむせ、口の中の食べ残し、痰の聞き取り、体温(記録した値)の推移、受診の有無)で書く 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 吸引の指示がある方、経管栄養を併用している方などで処置に衛生材料等を使う場合に、処置の内容・種類・サイズ・1か月の必要量を書く。どの物品を衛生材料等として扱うかは主治医の医療機関と確かめる 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合は記載しなくても差し支えないとされています 言語聴覚士が食事の場面や口の体操で訪問する場合に、職種と曜日を書く(例:看護職員 毎週火曜日/言語聴覚士 毎週金曜日の昼食の時間) 言語聴覚士の訪問の有無:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 指示書の連絡の目安の転記、食形態・とろみ・姿勢の助言の出どころと日付、訪問歯科の曜日、通所介護で昼食をとる曜日、吸引器の業者の連絡先など 備考に書く項目:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

老企第55号と保医発0327第10号で、言語聴覚士の訪問と記録の決まりを確かめる

誤嚥性肺炎の方は、介護保険の訪問看護を受けていても、急性増悪で主治医から特別訪問看護指示書が出た期間などに医療保険の訪問看護へ移ることがあります。また、言語聴覚士が訪問看護ステーションから訪問することも多い分野です。どちらの通知のどの番号を見て書いているかを、事業所の中でそろえておくと迷いが減ります。

確かめる点 介護保険(老企第55号) 医療保険(保医発0327第10号) 貴事業所の記入欄
計画書を作るときの前提 1(1)「主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 第一の2(1)②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて」目標を設定する 使っている様式の版:(    )
居宅サービス計画との関係 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 (記載要領の中に同旨の定めは見当たりません) ケアプランの受け取り日:(    )
言語聴覚士が訪問するときの作成者の欄 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 別紙様式1には「作成者①②」の欄がなく、⑥「訪問予定の職種」の欄に職種と訪問日を書きます。訪問予定の職種と実際に訪問する職種が異なっても差し支えないが「利用者への十分な説明に努めること」とされています 言語聴覚士の記名の手順:(    )
課題欄の名前 令和6年の改正で④が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められました ④「療養上の課題・支援内容」 旧様式の残り:(    )
主治医への提出と管理者の確認 1(2)「定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならない」。1(3)で管理者は計画書・報告書・記録書の内容について「十分な助言、指導等必要な管理を行うこと」 第一の1(3)で、管理者が指示書・計画書・報告書・記録書の内容について「助言、指導、確認等十分な管理を行い」とされています 提出の時期と確認者:(    )
報告書の訪問日の印 2(3)②ロで、理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士による訪問は◇、特別訪問看護指示書の交付を受けて訪問した日は△、緊急時訪問を行った日は×印 第一の2(2)②ロで、看護職員の訪問日は○、理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士の訪問日は◇、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した日は△、1日に2回以上訪問した日は◎ 印の付け方の確認者:(    )
記録書Ⅱに書くこと 2(4)で記録書Ⅱには「訪問年月日、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーション内容等」を記入すること(制定時の本文) 第一の2(3)②「訪問年月日、訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」 食事の場面の書き方:(    )
途中で保険が変わった月 3(1)で、途中で医療保険給付の訪問看護を受けた場合は「それが明確になるように罫線で囲む等を行うこと」(制定時の本文。現行の取り扱いは保険者にご確認ください) (同じ考え方で、どの期間がどちらの保険の訪問かを計画書と記録で区別しておく) 区別の付け方:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

主治医の指示書・退院時の情報・言語聴覚士の助言から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)

誤嚥性肺炎の方の計画書で崩れやすいのは、食形態・とろみ・食事の姿勢・薬の飲み方の決まりが、退院時の情報や言語聴覚士の助言の中にだけあり、計画書にもご家族の手元にも写されていないことです。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(書類の内容)」「(指示書の値)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。

元の書類に書かれていること 写す先の欄 計画書の書き方の型 貴事業所の記入欄
食形態と、とろみの有無・程度 T-P・E-P・備考 「食事は退院時の情報(または言語聴覚士の助言)に記載の食形態・とろみ(書類の内容)とし、訪問介護・通所介護・ご家族が同じ作り方になるよう、作り方を書いた紙を台所に貼る」 助言の日付:(    )
食事の姿勢 T-P 「食事の姿勢は言語聴覚士の助言(書類の内容)に従い、椅子とベッドのどちらで食べるか、足の置き方、頭の向きを写真つきの紙で示す」 写真の撮影日:(    )
一口の量と食べるペース T-P・E-P 「一口の量とペースは助言の内容(書類の内容)に従い、使うスプーンを決めて、ご家族と訪問介護が同じ物を使う」 スプーンの置き場所:(    )
薬の飲み方(錠剤のまま・つぶす・ゼリーやとろみに混ぜる等) O-P・T-P・備考 「薬の飲み方は主治医・薬剤師の指示(書類の内容)に従う。つぶしてよいかは自己判断せず、薬剤師に確かめた結果を備考に写す」 薬剤師への確認日:(    )
発熱・息苦しさなどの連絡の目安 O-P・備考 「訪問時に体温・脈拍・酸素飽和度を測り(記録した値)、指示書に記載の連絡の目安(指示書の値)を外れた場合は主治医へ報告する」 報告の手段:(    )
吸引の指示 T-P・衛生材料等・備考 「吸引は指示書に記載の内容(指示書の内容)で行う。ご家族が行う場合の手順の確認日と、吸引器の点検日を備考に写す」 吸引器の業者:(    )
口腔ケアの方法(歯科医師・歯科衛生士の助言) T-P・E-P 「口腔ケアは歯科の助言(書類の内容)に沿い、義歯の外し方・洗い方・夜の保管のしかたをご家族と同じ手順にそろえる」 訪問歯科の曜日:(    )
経管栄養を併用している場合の注入の指示 O-P・T-P・衛生材料等 「注入の内容と時刻は指示書(指示書の内容)に従う。口から味わう物と時間は、言語聴覚士の助言(書類の内容)とあわせて書く」 注入の手順書の版:(    )
退院時の処方 O-P 「退院時の処方は指示書・お薬手帳に従い、飲み終わりの予定日と、飲みにくさの訴えを訪問時に確かめる」 お薬手帳の確認日:(    )
指示の期間・特別訪問看護指示書の期間 年月日・管理表 「訪問看護指示書の指示期間(指示書の期間)と、特別訪問看護指示書が出た期間を、計画書の見直し日と並べて管理する」 期限の管理表:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

状態像別|誤嚥性肺炎の看護目標の記載例(10の状態像・長期と短期あわせて20例)

誤嚥性肺炎の方の目標は、「誤嚥性肺炎を予防する」「誤嚥なく経口摂取できる」の一文で止まりやすい欄です。誤嚥や肺炎を防ぐことは看護の目的であって、ご本人の暮らしの目標にはなりにくく、評価のときに「肺炎にならなかった」しか書けなくなります。下の表では、状態像ごとに長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。

状態像 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
誤嚥性肺炎で初めて入院し、退院して間もない方(妻と二人暮らし) 妻と一緒に、助言どおりの姿勢と食べ方で一日三回の食事を続け、自宅での生活を続けられる 退院後の最初の見直しまでに、妻が姿勢を整えてから食事を始める手順を、訪問時に看護師の前で再現できる 食事の場面の観察、妻が手順を再現できたか(記録書Ⅱ)
入退院をくり返している方(独居・訪問介護が昼と夕) 訪問介護・通所介護と食べ方と口腔ケアの手順をそろえ、普段との違いに早めに気づいて受診につなげながら、一人暮らしを続けられる 訪問介護の連絡帳に「むせた場面」「食べ残し」「痰の様子」を書く欄ができ、訪問のたびに記入される 連絡帳の記入が続いたか、変化の連絡から受診までの経過
認知症があり、食べるペースが速い方(長男夫婦と同居) 見守りのもとで、好きな物を自分の手で食べる時間を続けられる 小さいスプーンと一皿ずつの配膳をご家族が続け、食事中に隣で声をかける人が決まる 配膳の方法が続いているか、食事中のむせの観察
脳梗塞の後遺症で飲み込みにくさがある方 言語聴覚士の助言に沿った食形態と姿勢で、家族と同じ食卓で食事を続けられる 言語聴覚士と決めた順番の口の体操を、本人が毎食の前に行える 口の体操の実施の記録、言語聴覚士の訓練記録
パーキンソン病で、薬の時間と食事の時間を合わせている方 主治医の指示の範囲で、動きやすい時間帯に食事をとり、むせの少ない食事を続けられる 服薬の時刻と食事の時刻、そのときの動きやすさを本人とご家族が記録用紙に書ける 記録用紙、食事のときの姿勢の観察
経管栄養と口から食べることを併用している方 注入で栄養をとりながら、助言の範囲で好きな物を味わう時間を続けられる 口から味わった物と時間、そのときのむせや痰の様子をご家族がノートに書ける ご家族のノート、痰の聞き取り、注入の前後の様子
夜間にむせ込みや咳で眠れていない方 夜に横になって眠れる日が増え、日中は起きて過ごす時間を保てる 夕食後から寝るまでの過ごし方と寝るときの姿勢をご家族と決め、夜中に咳で起きた時刻をご家族が記録できる 夜間の記録、日中の過ごし方の聞き取り
体重が減り、食べる量が落ちている方 食べやすい形と好みの物を取り入れ、食事を楽しみにしながら体力を保てる 一週間の食事の内容をご家族が簡単に書き、食べやすかった物と食べにくかった物が分かる 食事の記録、体重(記録した値)の推移、管理栄養士の助言
ほぼ寝たきりで、口腔ケアをご家族が担う方 ご家族が無理のない手順で口の中をきれいに保ち、口の痛みや汚れで食事が止まらずに過ごせる ご家族が義歯の外し方と、舌・歯ぐきの拭き方を看護師の前で一通り行える 口の中の観察(汚れ・乾き・傷)、ご家族の手順
看取りに向かい、食べる量が減ってきた方 本人が望む物を望む量だけ味わいながら、家族とともに自宅で過ごせる 食べる量が減ることへのご家族の不安を聞き取り、口を潤す方法をご家族が行える ご家族の言葉、口の中の観察、主治医との方針の相談の記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

聞き取った希望から目標欄の文をつくる(食べたい・家にいたい等8例)

老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。誤嚥性肺炎の方では、「食べたい」という希望と、むせを心配するご家族の気持ちが同時に出てきます。どちらも目標の言葉に残しておくと、評価のときにご本人とご家族の両方に返せます。

聞き取った言葉 目標欄の文 課題欄につなぐ視点
ご本人「好きなおかゆと梅干しを、また食べたい」 言語聴覚士の助言の範囲で好みの味付けを取り入れ、朝のおかゆを楽しみに食べ続けられる 梅干しの形の工夫、助言との突き合わせ
ご本人「もう病院には戻りたくない」 熱や痰など普段との違いに早めに気づいて主治医に相談し、自宅での生活を続けられる 入院前にあった変化をご本人・ご家族が覚えているか
妻「むせるのが怖くて、食事を出すのが不安」 妻が助言どおりの姿勢と食べ方で食事を出し、むせたときの対応が分かって落ち着いて介助できる 妻の不安の強さ、むせたときの対応の手順
長男「仕事で昼はいない」 昼食は訪問介護・通所介護が、夕食は長男が同じ手順で見守り、どの食事も同じ食べ方で続けられる 担い手ごとの手順の統一、連絡帳
ご本人「みんなと同じものを食べたい」 家族と同じ献立を食べやすい形に作り替えて、同じ食卓で食事を続けられる 作り替えの方法、作る人の負担
ご本人「入れ歯が合わなくて痛い」 訪問歯科につなぎ、入れ歯で噛んで食べる時間を取り戻せる 歯科の受診の状況、口の中の傷
娘「夜中に咳き込むと、私も眠れない」 夜の咳の様子と時刻をご家族が書き留め、主治医と相談しながらご家族も休める ご家族の睡眠、夜間の相談先
ご本人「デイサービスのお風呂と昼ご飯が楽しみ」 通所介護と食べ方をそろえ、週の通所を楽しみに続けられる 通所介護との手順の共有、昼食の様子の伝わり方

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

療養上の課題・支援内容|誤嚥性肺炎のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・48例)

記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅の誤嚥性肺炎の方でよく立てる12の課題について、課題欄の文と、観察(O-P)・ケア(T-P)・指導(E-P)の記載例を並べたものです。病院の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞っています。基準の数値はすべて指示書や助言を参照する形にしています。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(指導)
飲み込みにくさのため食事中に誤嚥し、肺炎をくり返すおそれがある(退院時の情報で、入院前に食事中のむせが増えていた) 食事の時間に合わせて訪問し、むせの有無と起きた場面(一口目・汁物・食事の後半)、食後の声のかすれ、口の中の食べ残しを見る 言語聴覚士の助言(書類の内容)に沿って食事の姿勢を整え、一口の量とペースを本人・ご家族と一緒に確かめる 姿勢を整えてから食べ始めること、疲れてきたら一度休むことを、ご家族が介助する食事でも同じにするよう伝える
口の中の汚れや乾きで、細菌を含んだ唾液を誤嚥するおそれがある 舌・歯ぐき・義歯の汚れ、口の乾き、口のにおい、口の中の傷、義歯の合い方を見る 歯科の助言の手順で口腔ケアを行い、義歯の洗浄と夜の保管を本人・ご家族と一緒に行う 食後と寝る前の口腔ケアの手順をご家族と決め、歯ブラシとスポンジの置き場所を洗面所にまとめる
痰を咳で出しにくく、のどにたまりやすい 痰の量・色・粘り気の聞き取り、咳の強さ、呼吸の音、息苦しさの訴えを見る 指示書の内容に沿って体の向きを変え、痰を出しやすくする。吸引の指示がある場合は指示の内容で行う 飲み物のとり方(とろみの有無は助言どおり)と、咳をしやすい座り方を本人・ご家族に伝える
普段との違い(元気がない・食べる量が落ちた・ぼんやりしている)に、本人・ご家族が気づきにくい(退院時に、熱が出ないまま肺炎になることもあると説明を受けている) 訪問時の体温・脈拍・酸素飽和度(記録した値)と、普段との違いをご家族から聞き取る 普段との違いをご家族の言葉で書いた一覧を作り、電話機の横に貼る 一覧の項目に気づいたら、熱がなくても当ステーションへ電話してよいことを伝える
服薬のときにむせたり、薬が口の中に残ったりする 服薬のときのむせ、口の中に残った薬、飲み終わるまでの時間、残薬の数を見る 薬の形と飲み方を薬剤師・主治医に相談した結果に沿って、服薬の手順をご家族・訪問介護とそろえる 薬を飲んだ後に口の中を確かめること、飲みにくい薬は自己判断でつぶさずに相談することを伝える
食べる量と飲む量が減り、体力が落ちるおそれがある 一日の食事の内容と飲み物の聞き取り、体重(記録した値)の推移、口の渇き、尿の回数を見る 管理栄養士の助言(書類の内容)がある場合はそれに沿って、食べやすい物と時間帯をご家族と探す 食べる量が続けて落ちるときは連絡すること、飲み物を助言どおりのとろみで作る方法を伝える
食後すぐに横になる習慣があり、食べた物が逆流して誤嚥するおそれがある 食後の過ごし方、横になるまでの時間の聞き取り、夜間の咳込み、朝の痰の様子を見る 食後に座って過ごす時間(助言の内容)を、好きなテレビ番組やご家族との会話の時間に合わせて組み立てる 食後すぐに横にならない理由を本人の言葉で確かめ、ベッドの背の上げ方をご家族に伝える
起きて過ごす時間が減り、座って食べる姿勢を保つ力が弱くなっている 起きて過ごす時間、椅子での座り方、食事の途中で体が傾くか、疲れの訴えを見る 理学療法士等と相談して、食事の前に起きて座る時間を作り、クッションで座る姿勢を整える 日中に起きて過ごす時間を少しずつ延ばすことを、本人の好きな活動と結びつけて伝える
認知機能の低下で、食べるペースや一口の量を自分で調整しにくい 食べるペース、口に入れる量、飲み込む前に次を入れていないか、食事中に気が散る様子を見る 小さいスプーンに替え、一皿ずつ出す・テレビを消すなど、食事の環境をご家族と整える 声かけの言葉をご家族・訪問介護で同じにし、急かさないことを伝える
経管栄養の注入中や注入後に、逆流して誤嚥するおそれがある 注入中・注入後の姿勢、咳込み、お腹の張り、注入前の口の中の状態を見る 注入は指示書の内容に沿って行い、注入中と注入後の姿勢をご家族と同じ手順にそろえる 注入中に咳込みや苦しそうな様子があったときの対応を、指示書・主治医から示された手順でご家族と確かめる
食事の介助と口腔ケアを担うご家族の負担が大きい ご家族の睡眠、食事介助にかかる時間、介助への不安の言葉、ご家族自身の体調を聞き取る 食事の介助のうち、訪問介護や通所介護に分けられる回を介護支援専門員と相談する むせたときの対応と相談先を紙にまとめ、ご家族が一人で抱え込まなくてよいことを伝える
退院後に食べる力が変わっても、食形態が見直されないままになっている 退院時から今までの食事の様子の変化(むせの聞き取り、食べられる物の広がり)を見る 言語聴覚士の訪問や評価の機会を主治医・介護支援専門員と相談し、助言が変わったら計画書の備考を書き換える 食形態をご家族の判断で戻したり進めたりせず、変える前に相談することを伝える

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

一日の場面ごとに支援内容を分けて書く例(起床から夜間まで8場面)

誤嚥性肺炎の方の支援内容は、課題ごとに並べると「食事」「口腔ケア」「服薬」がばらばらの行に散らばり、ご家族や訪問介護が自分の担当を探しにくくなります。課題欄とは別に、一日の場面ごとに支援内容をまとめ直した例です。計画書の支援内容の欄に、場面の見出しをつけて書く形を想定しています。

場面 計画書の支援内容に書く文 主に担う人
起床後 口の中の乾きと痰の有無を確かめ、うがいまたは口腔ケアをしてから朝食にする。夜中に咳で起きたかを記録用紙で見る ご本人・ご家族(訪問日は看護師が記録用紙を確認)
朝食 助言どおりの姿勢に整えてから食べ始める。汁物は助言どおりのとろみで出し、むせた場面を記録用紙に書く ご家族
服薬 薬剤師に確かめた飲み方で服薬し、飲んだ後に口の中に薬が残っていないかを見る ご家族・訪問介護
昼食(訪問介護・通所介護の日) 台所に貼った作り方と姿勢の紙に沿って昼食を出し、むせ・食べ残しを連絡帳に書く 訪問介護・通所介護
おやつと飲み物 飲み物は助言どおりのとろみで出し、おやつは助言の範囲の物から本人が選ぶ ご家族
夕食 疲れが出やすい時間なので、食事の前に座って休む時間を作る。食後は助言の時間だけ座って過ごす ご家族
寝る前 義歯を外して洗い、口腔ケアを行う。ベッドの背の上げ方を整え、枕の位置を確かめる ご家族
夜間 咳込みで起きた時刻と様子を記録用紙に書く。息苦しさが強いときは、枕元の紙にある順番で連絡する ご家族(連絡先は当ステーション・主治医)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ご家族・訪問介護・歯科・薬局と分担するときの支援内容の記載例(9例)

誤嚥性肺炎の方の食事と口腔ケアは、看護師が訪問しない日にも毎日続きます。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。

担い手 計画書の支援内容に書く文 伝え先と記録先
ご本人 食事の前に、言語聴覚士と決めた口の体操を行う。食べにくかった物を訪問時に看護師へ伝える 当ステーション/記録用紙
同居の妻 毎食、姿勢を整えてから食べ始め、むせた場面と食べ残しを記録用紙に書く。普段との違いの一覧の項目に気づいたら当ステーションへ電話する 当ステーション/記録用紙
別居の娘 来訪した日に記録用紙を見て、記入のない日が続いていれば当ステーションへ伝える 当ステーション/記録用紙の余白
訪問介護 昼食と夕食の見守りで、台所に貼った作り方と姿勢の紙に沿う。むせ・食べ残し・痰の様子を連絡帳に書き、急ぐ変化は当ステーションへ電話する 当ステーション・介護支援専門員/連絡帳
通所介護 昼食を当ステーションと同じ姿勢と食形態で出し、むせた場面と食べた量を連絡帳でご家族と当ステーションへ伝える ご家族・当ステーション/通所介護の連絡帳
言語聴覚士 食事の場面で食べ方と姿勢を見直し、助言が変わったときは看護師と相談して計画書の備考と台所の紙を書き換える 看護師・主治医/訓練記録
訪問歯科(歯科医師・歯科衛生士) 口の中と義歯の状態を見て、口腔ケアの方法の助言を書面でご家族と当ステーションに渡してもらう ご家族・当ステーション/歯科の記録の写し
薬局の薬剤師 薬の形と飲み方の相談に応じ、飲み方を変えた場合は主治医への報告とあわせて当ステーションにも共有してもらう 主治医・当ステーション/お薬手帳
福祉用具専門相談員 ベッドの背の上げ方と座るためのクッションの使い方を確かめ、合わなくなったときは介護支援専門員と当ステーションへ伝える 介護支援専門員・当ステーション/点検の記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例と良い例|誤嚥性肺炎の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(22組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。良い例に入れた食形態・とろみ・姿勢・連絡の目安は、すべて「助言の内容」「指示書に記載の」の形にしています。実際の内容は元の書類から写してください。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「誤嚥性肺炎を予防する」 妻と一緒に、助言どおりの姿勢と食べ方で一日三回の食事を続け、自宅での生活を続けられる 看護の目的ではなく、誰が何を続けるかの言葉にした
目標 「誤嚥なく食事摂取できる」 食事の前に口の体操を行い、姿勢を整えてから食べ始める手順を、本人が毎食続けられる 結果ではなく、本人ができる行動にした
目標 「経口摂取を継続する」 言語聴覚士の助言の範囲で好きな物を選び、家族と同じ食卓で食べる時間を続けられる 本人の希望(家族と食べる)を言葉に入れた
目標 「口腔内を清潔に保つ」 ご家族が無理のない手順で、食後と寝る前に義歯を外して洗い、舌と歯ぐきを拭ける 誰が・いつ・何をするかに分けた
課題 「誤嚥性肺炎」 飲み込みにくさのため食事中に誤嚥し、肺炎をくり返すおそれがある(退院時の情報で、入院前に食事中のむせが増えていた) 病名ではなく、療養上の課題とその根拠を書いた
課題 「嚥下障害あり」 汁物と食事の後半でむせることが多く、疲れると飲み込みにくくなる(記録書Ⅱの食事の場面の観察) 障害の有無ではなく、いつ・何で起きるかを書いた
課題 「誤嚥リスク高い」 食後すぐに横になる習慣があり、夜間の咳込みが続いているため、食べた物が逆流して誤嚥するおそれがある 「リスク」の中身を、生活の習慣と観察した事実で書いた
O-P 「むせの観察」 食事の時間に合わせて訪問し、むせが一口目・汁物・食事の後半のどこで起きるかと、食後の声のかすれを見る 見る場面と、見るときを書いた
O-P 「肺炎徴候の観察」 訪問時の体温・脈拍・酸素飽和度(記録した値)と、元気がない・食べる量が落ちた等の普段との違いをご家族から聞き取る 熱以外の変化も、聞き取りで拾う形にした
O-P 「口腔内の観察」 舌・歯ぐき・義歯の汚れ、口の乾き、口の中の傷、義歯の合い方を見る 見る場所を名指しした
O-P 「食事摂取量の観察」 ご家族が書いた一週間の食事の記録を見て、食べやすかった物・残した物と、体重(記録した値)の推移を確かめる 在宅で量れない項目を、ご家族の記録で拾う形にした
O-P 「痰の観察」 痰の量・色・粘り気と、咳で出せているかを本人・ご家族から聞き取り、呼吸の音を聞く 聞き取りと看護師の観察を分けた
T-P 「食事介助」 言語聴覚士の助言(書類の内容)に沿って姿勢を整え、一口の量とペースを本人・ご家族と一緒に確かめる 介助の中身と、出どころの助言を書いた
T-P 「口腔ケア」 歯科の助言の手順で口腔ケアを行い、義歯の洗浄と夜の保管を本人・ご家族と一緒に行う 方法の出どころと、ご家族と一緒に行うことを書いた
T-P 「吸引」 吸引は指示書に記載の内容(指示書の内容)で行い、ご家族が行う場合は手順を一緒に確かめた日を記録に残す 指示の出どころと、ご家族との手順の確認を書いた
T-P 「ポジショニング」 食事は椅子に座り、足を床につけて頭の向きを助言どおりに整える。食後は助言の時間だけ座って過ごすよう、テレビの時間と組み合わせる 姿勢の中身と、続けるための工夫を書いた
E-P 「誤嚥予防の指導」 姿勢を整えてから食べ始めること、疲れてきたら一度休むことを、ご家族と訪問介護に同じ言葉で伝える 指導の相手と、伝える中身を書いた
E-P 「口腔ケアの指導」 ご家族に、義歯の外し方と舌・歯ぐきの拭き方を一緒に行いながら伝え、道具の置き場所を洗面所にまとめる 指導の方法と環境の整え方を書いた
E-P 「異常時は連絡するよう説明」 普段との違いをご家族の言葉で書いた一覧を電話機の横に貼り、一覧の項目に気づいたら熱がなくても当ステーションへ電話してよいことを伝える 何が「異常」かを、ご家族の言葉の一覧にした
評価 「誤嚥なく経過」 食事の後半のむせは、食事の前に座って休む時間を作ってから減ったとご家族が話す。記録用紙のむせの欄の記入も続いている 何をした結果、何が変わったかを事実で書いた
評価 「肺炎の再発なし」 訪問時の体温(記録した値)に変化はなく、ご家族から普段との違いの連絡もなかった。食べる量は記録上、前の見直しの時と同じくらいで続いている 「なかった」ことの根拠を記録から書いた
評価 「継続」 口腔ケアはご家族が毎晩続けているが、朝は時間がとれず抜けることがある。朝は訪問介護が行う形に変えることを介護支援専門員と相談する 継続の中身と、次に変える点を書いた

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

評価から報告書・ケアプランへ|誤嚥性肺炎の方の評価文と報告書の欄別記載例

保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。誤嚥性肺炎の方の評価は、肺炎にならなかったかどうかだけでなく、食べ方と口腔ケアの手順が誰の手で続いたかを書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。

評価の結論 評価欄の記載例 次の計画で変える欄
継続(安定している) 妻は毎食、姿勢を整えてから食べ始めており、記録用紙のむせの欄の記入も続いている。訪問時の体温(記録した値)に変化はなく、普段との違いの連絡もなかった。目標と支援内容は継続とする 変えない。次の見直し日だけを書き足す
一部達成(担い手で差がある) 夕食はご家族が助言どおりの姿勢で介助しているが、昼食は訪問介護の職員によって座らせ方が違う。台所の姿勢の紙に写真を足し、訪問介護の事業所に手順を伝える 支援内容(担い手の分担)・備考
達成(連絡ができた) 娘が「朝からぼんやりして食べない」と気づいて当ステーションへ電話があり、同日に主治医へ報告し受診につながった。「普段との違いに気づいて連絡する」目標は達成とし、次期は食べる楽しみを広げる目標にする 目標・課題
未達成(手順が続かない) 寝る前の口腔ケアは、妻の疲れが強い日に抜けている。妻は「夜はもう手が回らない」と話す。夕食後すぐに行う形に変え、道具を食卓の近くに置き直す T-P・E-P
中断(入院) 発熱と痰の増加で受診し、主治医の判断で入院となった。入院までの食事の様子と訪問時の記録した値は報告書に記載した。退院後は退院時の情報と新しい指示書を受けて計画を作り直す 全体(退院後に新たに作成)
再開(退院後) 退院時の情報で食形態ととろみの助言が変わった。新しい内容を備考とT-Pに写し、台所の紙を作り直した。退院後の最初の見直しまでは食事の時間に合わせて訪問する方向で介護支援専門員と相談した 年月日・備考・T-P・訪問の計画
目標の変更(食べられる物が広がった) 言語聴覚士の訓練で食事の様子が落ち着き、助言の食形態が一段進んだ。本人から「刺身を食べたい」との希望があり、次期は助言の範囲で好みの物を取り入れることを目標にする 目標・T-P・備考
方針の変更(看取りに向けて) 食べる量が減り、眠っている時間が長くなった。本人は家で過ごしたいと話す。主治医・介護支援専門員と方針を相談し、口を潤すことと味わう楽しみ、ご家族の支えを中心とした目標に改める 目標・課題・備考(連絡の体制)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(誤嚥性肺炎の記載例)

計画書で決めた観察と指導の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。介護保険の老企第55号の2(3)には、報告書と先に主治医に提出した計画書の記載が重複する箇所は、報告書の記載を省略しても差し支えないとする定めがあります。

報告書の欄 記載要領の定め 誤嚥性肺炎の方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 訪問時の体温・脈拍・酸素飽和度は記録した値のとおりで、指示書の連絡の目安を外れた日はなかった。汁物でむせる場面が週に数回あり、食事の後半に疲れが見える。痰は朝に多いと妻が話す
看護・リハビリテーションの内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 昼食の時間に合わせて訪問し、姿勢の調整と一口の量の確認、口腔ケア、義歯の洗浄、服薬後の口の中の確認を行った。言語聴覚士は口の体操と食べ方の見直しを行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 妻が毎食の介助と寝る前の口腔ケアを担っている。妻は夜間の咳で起こされることが多いと話し、介護支援専門員と通所介護の利用日の追加を相談している
衛生材料等の使用量および使用状況 ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 吸引の処置に使った衛生材料等の名称・交換の頻度・その月の使用量を書く(衛生材料等を使う処置がない月は記入しない)
訪問日 ②ロ 看護職員の訪問日は○、理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士の訪問日は◇、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した日は△、1日に2回以上訪問した日は◎で囲む 言語聴覚士が昼食の時間に訪問した日を◇で囲む。肺炎の兆しで特別訪問看護指示書が出た期間の訪問日は△で囲む
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 錠剤が大きく服薬のときにむせることがあると本人が話す。薬の形について薬剤師に相談したところ、主治医にご相談するよう助言がありました。ご検討をお願いいたします
報告書の簡略化 ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「(3)の①の記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えないこと」 月の初めに肺炎で入院し、その月の訪問が1回だけだった月などに、記録書Ⅱの複写を報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ケアプランの側とそろえる点(第2表の文例は別記事で)

介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。誤嚥性肺炎の方のケアプランの文例(第1表・第2表)は当サイトの「誤嚥性肺炎の予防とケアプラン文例」で扱っているので、ここでは訪問看護計画書の側で何をそろえるかだけを整理します。

ケアプランの側 訪問看護計画書の側 そろえ方
生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 看護・リハビリテーションの目標 ケアプランのニーズの言葉を受けて、看護の立場からの目標に言い換える。「食べたい」という本人の希望が両方に残っているかを確かめる
短期目標とその期間 短期目標と見直しの年月日 期間の終わりをそろえ、評価の結果を介護支援専門員へ伝える日を決める
サービス内容(訪問看護に期待される内容) 療養上の課題・支援内容 食事の場面の観察、口腔ケア、ご家族への伝え方など、ケアプランで訪問看護に期待されている内容が計画書のどの行に入っているかを確かめる
訪問看護の頻度と時間帯 備考(訪問の計画)・訪問予定の職種 食事の時間に合わせて訪問する計画や、言語聴覚士の訪問の曜日が、ケアプランの頻度と食い違っていないかを確かめる
訪問介護・通所介護・訪問歯科の位置づけ 備考(他のサービスの利用状況) 昼食をとる曜日と場所、歯科の訪問の曜日を写し、食べ方の手順を同じ紙でそろえる
緊急時の対応 備考(連絡の順番) 熱が出ていなくても普段と違うときの連絡の順番が、ケアプランと計画書で同じになっているかを確かめる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

運営指導で誤嚥性肺炎の方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」について次の確認項目が示されています。確認文書には、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、誤嚥性肺炎の方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護・第70条) 誤嚥性肺炎の方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの頻度・目標と、計画書の訪問の計画・目標が食い違っていないか。食事の時間の訪問がケアプランにも位置づけられているか 確認日:(    )
主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書の連絡の目安、退院時の情報や言語聴覚士の助言にある食形態・姿勢が計画書に写されているか。本人の「食べたい」が目標に反映されているか 確認日:(    )
サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「観察」「口腔ケア」の一語で止まっていないか。言語聴覚士の訪問の曜日と時間帯が分かるか 確認日:(    )
利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 説明した相手・日付・同意の記録と、交付した控えが残っているか。言語聴覚士が訪問することの説明の記録があるか 確認日:(    )
目標の達成状況は記録されているか 評価欄と記録書Ⅱに、食事の場面のむせ、口腔ケアの継続、普段との違いの連絡の有無などの事実が書かれているか 確認日:(    )
達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 肺炎による入院・退院、食形態の助言の変更、経管栄養の開始の後に、計画書が作り直されているか 確認日:(    )
訪問看護報告書は作成されているか 計画書の評価と報告書の病状の経過がつながっているか。言語聴覚士の訪問日に◇の印がついているか 確認日:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・説明の記録の指摘(5件)

誤嚥性肺炎の方に限った指摘ではありませんが、計画書と指示書、言語聴覚士の訪問の説明に関わる公表事例です。右の列は、誤嚥性肺炎の方の計画書で見直す点の例です。

自治体(資料名) 公表されている指摘の内容 誤嚥性肺炎の方の計画書で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランとの対応、説明・同意の記録、食事の場面の支援内容の具体性
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 指示書の期間の管理、指示書と助言の内容の転記、本人の「食べたい」の反映
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 退院当日・翌日から訪問を始める場合に、訪問の前に計画書があるか
東京都(同上) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 退院直後の訪問で指示書が届いていたか、吸引など指示書の内容と計画書の整合
静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧) 理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士による訪問について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない 言語聴覚士が食事の場面で訪問する場合の、説明・同意の記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

誤嚥性肺炎の方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

記録の保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 連絡の目安・吸引・注入などの指示と指示期間の根拠 (    ) (    )
退院時の情報(看護サマリー等) 課題欄の根拠、入院前にあった変化、退院時の食形態 (    ) (    )
言語聴覚士の評価と助言の記録 食形態・とろみ・姿勢・一口の量を計画書に写した根拠 (    ) (    )
歯科の助言の写し 口腔ケアの手順の根拠 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) 説明した相手と日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
ご家族の食事・むせ・夜間の記録用紙の写し 評価欄の根拠 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅱ 食事の場面の観察・ケア・指導の実施と、評価の内容 (    ) (    )
訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) 評価と病状の経過を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )
他事業所との連絡帳・共有の記録 訪問介護・通所介護との手順の統一と、むせ・食べ残しの共有 (    ) (    )
言語聴覚士の訪問についての説明・同意の記録 言語聴覚士が訪問することを説明した事実 (    ) (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問

誤嚥性肺炎の看護計画に、とろみの程度や体温の目安を書いてもよいですか?

とろみの程度や食形態、連絡の目安となる体温などの数値は、主治医の指示書や言語聴覚士などの助言として一人ひとりに決められるものです。計画書には元の書類に書かれた内容を転記し、「言語聴覚士の助言の内容」「指示書に記載の連絡の目安」と出どころが分かる形で書くと、助言や指示が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。

看護学生の看護過程や病院の看護計画と、訪問看護計画書は何が違いますか?

訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、訪問の時間の中で行う観察・ケア・指導を書くものです。誤嚥性肺炎の方では、看護師がいない日の食事・服薬・口腔ケアを、ご本人・ご家族・訪問介護などが同じ手順で続けられるように、誰が何を見てどこへ連絡するかまで書いておくと、在宅での計画として使いやすくなります。

言語聴覚士が訪問する場合、計画書のどこに書きますか?

介護保険の老企第55号の記載要領では、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、作成者①②の両方に記入することとされています。医療保険の保医発0327第10号の様式では、訪問予定の職種の欄に、訪問予定の職種とその訪問日を利用者に分かるように記載することとされています。

肺炎で入院して退院したときは、計画書を作り直しますか?

計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。誤嚥性肺炎の方では、退院時の情報で食形態や薬が変わることが多いため、退院後の初回訪問の時点で、新しい指示書と退院時の情報をもとに目標・課題・備考を見直し、見直した日を年月日の欄に残しておくと経過が追いやすくなります。

ケアプランの第2表に書く誤嚥性肺炎の文例も、この記事で扱っていますか?

この記事は訪問看護計画書に絞っており、ケアプランの文例は扱っていません。第1表・第2表の文例は当サイトの「誤嚥性肺炎の予防とケアプラン文例」をご覧ください。介護保険の訪問看護では、居宅サービス計画が作成されている場合はその内容に沿って訪問看護計画書を作成することとされているので、ケアプランのニーズと期間を受けて計画書の目標と見直し日をそろえます。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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