COPD(慢性閉塞性肺疾患)があり、ご自宅で在宅酸素療法を受けている方の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、状態と場面ごとの記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・管理者を想定しています。病棟の看護計画や看護学生の看護過程は、酸素の管理や急な息苦しさへの対応を、病棟の職員が一日中受け持つことを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師が帰ったあとの時間に、ご本人・ご家族・訪問介護・酸素の業者が機器と体調をどう見守るかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。
介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の文例は、当サイトの「COPD(呼吸器疾患)の方のケアプラン文例」で扱っています。この記事ではケアプランの文例は書かず、訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、心不全や誤嚥性肺炎を併せ持つ方は「心不全の看護計画」「誤嚥性肺炎の看護計画」の記事もあわせてご覧ください。
以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。酸素の流量(安静時・動作時・睡眠時の別を含む)、SpO2の目標や範囲、吸入薬などの薬の名前や量、主治医へ連絡する目安や受診・救急要請の基準、呼吸数・体重などの数値の目安は、この記事には書いていません。これらは主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の酸素流量」「指示書に記載のSpO2の範囲」「処方のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書と処方から写してください。訪問で測った値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。機器の扱いは、酸素の業者の取扱説明書と案内のとおりとしています。
様式の欄ごとに書くこと|記載要領の原文とCOPD・在宅酸素療法の方の書き分け(欄別対照表3つ)
医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。COPDで在宅酸素療法を受けている方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面も、医療保険の訪問看護として作る場面もあります。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列はCOPD・在宅酸素療法の方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。
| 欄 | 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) | COPD・在宅酸素療法の方の計画書で書く中身 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 | ①「必要な事項を記入すること」 | 要介護認定の状況は、自立・要支援・要介護のいずれかに○をつける欄。認定の更新中・区分変更の申請中の方は、備考に申請の状況を書いておくと見直しの時期を合わせやすい | 認定の有効期間の確認者:( ) |
| 看護・リハビリテーションの目標 | ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 | 「呼吸状態が安定する」「SpO2を維持する」で止めず、息切れがあっても続けたい暮らし(台所に立つ、近所の店まで歩く、孫の運動会に行く)を主語にする。酸素の流量やSpO2の範囲は目標の文に入れず、指示書から写す欄を分ける | 目標の主語の決まり:( ) |
| 年月日 | ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 | 在宅酸素療法の開始、指示書の酸素流量の変更、急性増悪による入院と退院、吸入薬の変更、機器の入れ替え、主な介護者の体調の変化など、見直しのきっかけになった日を残す | 見直しのきっかけの一覧:( ) |
| 療養上の課題・支援内容 | ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 | 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、息切れが出る動作、記録した値、ご本人の言葉、チューブの取り回しの様子など、そう考えた根拠を添える | 課題の根拠の書き方:( ) |
| 評価 | ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています | 目標ごとに、記録書Ⅱに残した事実(休まずに歩けた距離の目安となる場所、入浴できた日、痰の様子、ボンベを自分で替えられた回数、ご本人の言葉)で書く。「呼吸状態安定」「著変なし」の一語で終わらせない | 評価を書く時期:( ) |
| 衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 | ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 | 衛生材料等を使う処置の指示がある場合に、処置の内容・種類・サイズ・1か月の必要量を書く。在宅酸素の機器や付属品の扱いをこの欄に書くか備考に書くかは、事業所の様式と主治医の医療機関の取扱いを確かめて決める | 付属品の確認先:( ) |
| 訪問予定の職種 | ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています | 理学療法士・作業療法士が呼吸の練習や動作の工夫で訪問する方では、職種と曜日を書く。ご本人とご家族に「誰が・何曜日に・何をしに来るか」が分かる書き方にする | 職種と曜日の伝え方:( ) |
| 備考 | ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 | 訪問の曜日と時間帯、酸素の業者の連絡先と点検の予定、予備のボンベの置き場所、停電時の連絡の順番、訪問介護・通所の曜日、薬局の訪問の有無、緊急時の連絡の順番など | 備考に書く項目:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
介護保険(老企第55号)と医療保険(保医発0327第10号)で、計画書と記録の根拠を確かめる
計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書の側に書かれていることがあります。在宅酸素療法の方で関わりの深いものを、手元の通知の原文から並べました。
| 確かめる点 | 通知の原文 | COPD・在宅酸素療法の方で確かめること | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 計画書の作り方の基本(介護保険) | 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 | 指示書の酸素流量・留意事項と、ご本人の「家で暮らしたい」「外に出たい」という希望の両方が計画書に入っているか | 希望を聞き取った日:( ) |
| 居宅サービス計画との関係(介護保険) | 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 | 介護支援専門員のケアプランの目標・訪問の頻度と、計画書をそろえる。通所の入浴の曜日や訪問介護の内容も確かめる | ケアプランの受け取り日:( ) |
| 欄の名前の変更(介護保険) | 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています | 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。看護問題の書き方を、課題と支援内容の形に合わせて見直す | 様式の改訂日:( ) |
| 作成者の欄(介護保険) | 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 | 理学療法士等が呼吸の練習や動作の工夫に関わる方では、両方の作成者を記入する | 作成者の記名の手順:( ) |
| 記録書Ⅰに書く項目 | 保医発0327第10号 第一の2(3)②「緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 | 酸素の業者の連絡先と、機器の不具合のときの連絡の受付時間を、関係機関の欄に残しておく | 業者の連絡先の確認日:( ) |
| 記録書Ⅱに書く項目 | 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること | 参考様式2のバイタルサインの行には体温・脈拍・呼吸・血圧が並んでいる。SpO2の記録した値と、そのときの酸素の使用状況(安静か動いた後か)を書く場所を事業所で決めておく | SpO2を書く欄:( ) |
| 評価と見直し | 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 | 評価の根拠になる事実(歩けた場所、入浴の様子、痰の様子)を、訪問のたびに同じ順番で記録書Ⅱに書く | 記録の順番:( ) |
| 管理者の確認 | 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 | 指示書の酸素流量が変わったときに、計画書・備考・ご家族に渡した紙が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる | 確認の担当者:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
指示書・処方・業者の案内から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)
在宅酸素療法の方の計画書で崩れやすいのは、酸素の流量やSpO2の範囲、連絡の目安が指示書の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。逆に、記憶や前の計画書から数値を書き写すと、指示書が変わったときに食い違いが残ります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。
| 元の書類に書かれていること | 写す先の欄 | 計画書の書き方の型 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 指示書の主たる傷病名と留意事項 | 目標・備考 | 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、息切れがあっても自宅での暮らしを続けられることを目標の柱にする」 | 指示書の日付:( ) |
| 酸素の流量(安静時・動作時・睡眠時の別があればそれぞれ) | T-P・E-P・備考 | 「酸素は主治医の指示書に記載の酸素流量(指示書の内容)で使用する。流量の変更は主治医の指示による」 | 流量を書いた紙の置き場所:( ) |
| SpO2の範囲と、主治医へ連絡する目安 | O-P・備考 | 「SpO2は指示書に記載の範囲(指示書の内容)と比べて記録し、連絡の目安にあたる様子があれば当ステーションから主治医へ報告する」 | 報告の手段と時間帯:( ) |
| 吸入薬などの処方と使い方 | O-P・T-P・E-P | 「吸入薬は処方のとおりとし、吸入の手順と回数をご本人と確かめる。吸い方の工夫は薬剤師・主治医に相談する」 | お薬手帳の確認日:( ) |
| 息苦しいときに使う薬(頓用)の指示 | T-P・E-P・備考 | 「頓用の薬は指示書・処方に記載の使い方(指示書の内容)に沿い、使った日時とその前後の様子をご家族が連絡ノートに書く」 | 連絡ノートの置き場所:( ) |
| 呼吸の練習・動作についての指示(理学療法士等への指示を含む) | T-P・訪問予定の職種 | 「呼吸の練習と動作の工夫は指示書(指示書の内容)と理学療法士等の評価に沿い、ご本人が一人のときにもできる形にして渡す」 | 練習の紙の版:( ) |
| 酸素の業者の取扱説明書(機器の種類、ボンベの使える時間の目安、警報の意味) | T-P・E-P・備考 | 「機器とボンベの扱いは業者の取扱説明書のとおりとし、ご本人・ご家族ができる操作を訪問時に一緒に確かめる」 | 取扱説明書の保管場所:( ) |
| 停電・災害時の対応について業者・医療機関から受けた案内 | 備考・E-P | 「停電時は業者の案内(書類の内容)のとおりボンベに切り替え、業者と当ステーションへ連絡する」 | 停電時の連絡先:( ) |
| 食事・水分・体重についての指示(心不全などを併せ持つ方) | O-P・E-P | 「食事と水分、体重の記録は指示書(指示書の内容)に沿い、ご本人ができている部分とご家族が見る部分を分けて書く」 | 併存症の主治医:( ) |
| 指示の期間・特別訪問看護指示書の期間 | 年月日・管理表 | 「訪問看護指示書の指示期間(指示書の期間)と、特別訪問看護指示書が出た期間を、計画書の見直し日と並べて管理する」 | 期限の管理表:( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
看護問題の立て方|病棟・学生の表現を、在宅の「療養上の課題」の文に直す(12例)
「在宅酸素療法の看護問題」として、病棟や看護学生の看護過程では「ガス交換障害」「非効果的気道浄化」「活動耐性低下」のような名前をつけた問題を立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前をつけるよりも、暮らしのどの場面で、何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。
| 病棟・学生でよく使う表現 | 在宅の計画書の課題欄の文 | 根拠として添える事実 |
|---|---|---|
| 「ガス交換障害」 | 動いたあとに息切れが強くなり、休むまでに時間がかかるため、台所に立つ時間が短くなっている | 台所から居間に戻ったあとのSpO2(記録した値)と、戻るまでの休みの回数、ご本人の「すぐ息が上がる」 |
| 「非効果的気道浄化」 | 朝に痰がからんで出しにくく、朝食と着替えに時間がかかっている | 朝の痰の量と色、出すまでにかかる時間、ご本人の「朝が一番つらい」 |
| 「活動耐性低下」 | 息切れをおそれて外出を控え、日中のほとんどを居間の椅子で過ごしている | この1か月の外出の回数、家の中で歩く場面、ご家族の話 |
| 「知識不足(在宅酸素療法)」 | 酸素の機器を使い始めたばかりで、ボンベへの切り替えをご本人もご家族もまだ一人でできない | 訪問時に一緒に行った切り替えの手順、ご本人の「間違えたら怖い」 |
| 「ノンコンプライアンス」 | 息苦しいときに酸素の流量を自分で上げることがあり、指示書に記載の酸素流量で使えていない日がある | 訪問時の流量の目盛り、ご本人の「苦しいから上げた」、ご家族の話 |
| 「感染リスク状態」 | 冬にかぜをひいたあとに息苦しさが強くなり、昨年は二度入院している | 入院の時期と経過(退院時の情報)、同居の家族の通勤・通学の様子 |
| 「栄養摂取消費バランス異常」 | 食事の途中で息が切れて箸が止まり、体重が減ってきている | 体重(記録した値)の推移、食べ残しの量、食事にかかる時間 |
| 「便秘」 | 便が出にくく、トイレでいきむと息苦しくなるため、トイレに行くことを我慢している | 排便の間隔、トイレの前後の息切れの様子、ご本人の言葉 |
| 「睡眠パターン混乱」 | 夜中に息苦しさで目が覚め、朝まで座って過ごす日がある | 目が覚めた回数と時刻、寝る姿勢、ご家族の聞き取り |
| 「身体損傷リスク状態」 | 延長チューブが部屋の床を横切っており、夜のトイレの通り道でつまずいたことがある | チューブの長さと通り道、つまずいた日と場所、夜の灯り |
| 「不安」 | 息苦しさが強くなる場面を思い出して不安になり、一人の時間に電話を何度もかけている | 電話の回数と時間帯、ご本人の言葉、不安が強くなるきっかけ |
| 「介護者役割緊張」 | 同居の妻が夜も酸素の機器の音と夫の呼吸が気になって眠れず、疲れを訴えている | 妻の睡眠と持病の通院の様子、「夜が怖い」等の言葉 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
状態別|COPD・在宅酸素療法の看護目標の記載例(10の状態・長期と短期あわせて20例)
COPDの方の目標は、「呼吸状態が安定する」「増悪を予防する」「在宅酸素療法を正しく行える」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「安定していたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。下の表では、在宅でよく出会う10の状態について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。状態の見立ては、主治医の指示書と医療機関の情報、ご本人の暮らしの様子から判断してください。
| 状態 | 長期目標の記載例 | 短期目標の記載例 | 評価のときに見る事実 |
|---|---|---|---|
| 在宅酸素療法を始めたばかりで、機器の扱いに慣れていない方 | 酸素の機器を自分の暮らしの道具として使いこなし、自宅での暮らしを続けられる | ボンベへの切り替えと、チューブのつなぎ直しを、ご本人かご家族が一人でできる | 訪問時に一人で行えた手順、ご本人とご家族の言葉 |
| 安定期で、動くと息切れするため外出を控えている方 | 息切れと付き合いながら、近所の店や公園まで出かける楽しみを続けられる | 休む場所を決めた散歩道を、ご家族と一緒に週に一度歩ける | 歩いた道と休んだ回数、帰宅後のSpO2(記録した値)、ご本人の言葉 |
| 入浴・着替えで息切れが強く、清潔を保ちにくい方 | 息切れの少ない方法で、気持ちよく体を清潔に保てる | 椅子に座って着替える順番を決め、着替えの途中で休みを入れながら一人で着替えられる | 着替えにかかった時間、休みの回数、皮膚の状態 |
| 食事の途中で息が切れ、食べる量が減ってきた方 | 好きな物を食べる楽しみを保ち、体力を落とさずに暮らせる | 食事を少量ずつ回数を分けてとり、一日の食べた物をご本人が書きとめられる | 食べた物の記録、体重(記録した値)の推移、食事中の息切れの様子 |
| 朝に痰がからみ、出しにくい方 | 朝の時間を落ち着いて過ごし、楽に一日を始められる | 起きてから朝食までに、練習した方法で痰を出す時間をとれる | 朝の痰の量と色、出すまでの時間、朝食を始めた時刻 |
| 冬にかぜから増悪し、入退院を繰り返している方 | 寒い時期も体調を崩さずに、自宅で冬を越せる | 手洗いとうがいの習慣を続け、かぜの症状が出たらその日のうちに当ステーションへ連絡できる | かぜの症状が出た日と連絡の有無、同居の家族の体調 |
| 急性増悪で入院し、退院したばかりの方 | 退院前の暮らしの場面を一つずつ取り戻し、再入院せずに過ごせる | 退院後の2週間、指示書に記載の酸素流量で過ごし、息切れの様子をご家族と記録できる | 記録の残り方、SpO2(記録した値)、食事と睡眠の様子 |
| 夜に息苦しさで目が覚め、眠りが浅い方 | 夜に休めて、昼間は起きて過ごす一日の流れを保てる | 楽に眠れる姿勢と枕の高さを見つけ、目が覚めたときの過ごし方をご家族と決められる | 目が覚めた回数、朝の様子、昼寝の時間 |
| たばこをやめにくい方、または同居の家族が喫煙している方 | 火の事故を起こさずに、家族と安心して暮らせる | 酸素を使う部屋では火を使わない約束を、ご本人とご家族で書いて目に入る場所に貼れる | 約束の紙の場所、灰皿やライターの有無、ご家族の言葉 |
| 息苦しさが強くなり、これからのことを話し始めた方(終末期に近い時期) | 息苦しさをやわらげる方法を周りと共有し、望む場所で家族と穏やかに過ごせる | 楽な姿勢と過ごし方、息苦しいときに呼ぶ相手を、ご本人とご家族が話し合って決められる | ご本人の言葉、息苦しさが強い時間帯、ご家族の気持ち |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご本人・ご家族の言葉から目標欄の文をつくる(「酸素は格好悪い」「家で死にたい」等8例)
老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。在宅酸素療法の方は、機器をつけて人前に出ることへのためらいや、息苦しさへのおそれを短い言葉で話されることが多くあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。ご本人とご家族の言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。
| 聞き取った言葉 | 目標欄の文 | 課題欄につなぐ視点 |
|---|---|---|
| ご本人「酸素をつけて外に出るのは格好悪い」 | 携帯用の酸素を使いながら、行きたい場所へ出かける楽しみを取り戻せる | 外出したい場所、人目が気になる場面、ボンベの持ち運びの工夫 |
| ご本人「苦しくなったら酸素を上げればいい」 | 指示書に記載の酸素流量で過ごし、息苦しいときの過ごし方と連絡の方法を身につけられる | 流量を上げたくなる場面、息苦しいときの姿勢と呼吸の方法、連絡先 |
| ご本人「風呂だけは自分で入りたい」 | 息切れの少ない手順で、自分で入浴を続けられる | 入浴中の酸素の使い方(指示書のとおり)、脱衣所の椅子、湯につかる時間 |
| ご本人「たばこはやめられない」 | 火の事故を起こさずに暮らしを続けられるよう、主治医と一緒に禁煙の方法を考えられる | 喫煙の場面と場所、火気と酸素の位置、禁煙の相談先 |
| 妻「夜、苦しそうな息の音を聞くと眠れない」 | 妻が夜に休めて、夫婦で自宅での暮らしを続けられる | 夜の呼吸の様子の見方、連絡してよい時間と先、妻の休息の場面 |
| 長女「停電したらどうしたらいいのか分からない」 | 停電や災害のときにも、ご本人とご家族が慌てずに動ける | ボンベへの切り替えの練習、予備のボンベの置き場所、業者と当ステーションの連絡先 |
| ご本人「もう入院はしたくない」 | 体調の変化に早めに気づき、自宅での暮らしを長く続けられる | いつもと違う様子の見分け方、連絡の目安(指示書のとおり)、入院を避けたい理由 |
| ご本人「最期は家で迎えたい」 | 望む場所で過ごすための準備を、ご家族・主治医と話し合いながら進められる | ご本人の言葉の記録、ご家族の気持ち、主治医・介護支援専門員との話し合いの場 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
療養上の課題・支援内容|COPD・在宅酸素療法のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)
記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅のCOPD・在宅酸素療法の方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病棟の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。酸素の流量・SpO2・薬・連絡の目安は、すべて指示書と処方を参照する形です。
| 療養上の課題(課題欄の文) | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 動いたあとの息切れが強く、家の中での活動が狭まっている | 息切れが出る動作と場所、休みの回数、動いた前後のSpO2(記録した値)と指示書に記載の範囲との比べ方、ご本人の「つらさ」の言葉を見る | 動作の前に息を整え、吐く息に合わせて動く方法を一緒に行う。物の置き場所を動線に合わせて見直す。練習は理学療法士等の評価に沿う | ご本人に、休む場所と休み方を決めておく意味を伝え、ご家族には急がせない声のかけ方を伝える |
| 息苦しいときに酸素の流量を自分で変えることがある | 訪問時の流量の目盛りと指示書に記載の酸素流量との違い、流量を変えた場面、そのときの息苦しさと様子を聞き取る | 流量の目盛りの位置に印をつける方法を業者・主治医の了解のもとで決め、息苦しいときの姿勢と呼吸の方法を一緒に練習する | 流量は主治医の指示で決まっていることと、変えたくなったときの連絡先を、ご本人とご家族に紙にして伝える |
| 機器とボンベの扱いに慣れておらず、不安が強い | ボンベへの切り替え、チューブのつなぎ直し、加湿の水の扱いを、ご本人・ご家族がどこまでできるかを見る | 取扱説明書のとおりに、訪問のたびに一つずつ手順を一緒に行い、手順を大きな字で書いた紙を機器の近くに貼る | 機器の不具合のときは業者へ、体調の変化のときは当ステーションへ、と連絡先の分け方を伝える |
| 朝に痰がからみ、出しにくい | 痰の量・色・粘り、出しにくい時間帯、水分のとり方、咳の強さと疲れを見る | 練習した方法で痰を出す時間を朝につくり、姿勢を整える。痰を出す方法は主治医・理学療法士等の指示に沿う | 痰の色や量がいつもと違うときに書きとめる方法と、連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える |
| 吸入薬の使い方が身についていない | 吸入の手順、吸入の回数と残量、吸入のあとのうがい、吸い忘れの時間帯を見る | 処方のとおりの吸入の手順を、ご本人の動作を見ながら一緒に確かめる。吸いにくさは薬剤師・主治医に相談する | 吸入した日にカレンダーに印をつける方法を決め、吸い方で困ったときの相談先を伝える |
| 食事の途中で息が切れ、食べる量と体重が減っている | 食べた量と食事にかかる時間、食事中の息切れ、体重(記録した値)、口の中と入れ歯の様子を見る | 食事の前に休みを入れ、少量ずつ回数を分ける食べ方を、ご本人の好みに合わせて決める。食事の内容は主治医・管理栄養士の助言に沿う | ご家族に、食べやすい物の用意の仕方と、食べられない日が続くときの連絡先を伝える |
| 便が出にくく、トイレでいきむと息苦しくなる | 排便の間隔と性状、トイレの前後の息切れ、トイレを我慢している様子、下剤の使い方を聞き取る | トイレに行く前に息を整え、吐く息に合わせていきむ方法を一緒に確かめる。下剤は指示書・処方のとおりとする | 排便の記録の方法と、出ない日が続くときの連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える |
| かぜをきっかけに息苦しさが強くなるおそれがある | 熱っぽさ・のどの痛み・鼻水・痰の変化、同居の家族の体調、手洗いとうがいの様子を見る | 手洗いとうがいの習慣を一緒に確かめ、加湿の水と機器の付属品の手入れを取扱説明書のとおりに行う | かぜの症状が出たらその日のうちに連絡することと、予防接種の時期を主治医に相談することを伝える |
| いつもと違う様子に、ご本人・ご家族が気づきにくい | 息切れ・痰・食事・睡眠・むくみ・眠気の様子を、訪問のたびに同じ順番で聞き取る | 「いつもの様子」を書いた紙を本人・家族と一緒に作り、変化を書きとめる欄をつける | いつもと違うと感じたときに連絡する先と時間帯、指示書に記載の連絡の目安を紙にして伝える |
| 火気や喫煙による事故のおそれがある | 酸素を使う部屋と台所の位置、ガスコンロ・ストーブ・仏壇のろうそく・たばこの有無、チューブの通り道を見る | 火気と機器の位置を、業者の取扱説明書に記載の距離に沿ってご家族と見直す。禁煙の方法は主治医と相談する | 酸素を使っているときは火に近づかないことを、ご本人・ご家族・訪問介護に紙にして伝える |
| 息苦しさへの不安が強く、閉じこもりがちになっている | 不安が強くなる時間帯ときっかけ、電話の回数、外出と人との会話の様子、ご本人の言葉を見る | 息苦しいときの姿勢と呼吸の方法を一緒に行い、落ち着けた経験を言葉にして振り返る。通所や外出の場面を介護支援専門員と相談する | ご本人に、不安を話してよい相手と時間を伝え、ご家族には声のかけ方を伝える |
| 主な介護者が夜も気が休まらず、疲れがたまっている | 介護者の睡眠・食事・持病の通院、「夜が怖い」などの言葉、夜の連絡の回数を見る | 夜の呼吸の様子の見方と、連絡してよい場面を介護者と決める。ショートステイや通所の曜日を介護支援専門員と相談する | 介護者に、休むことは介護を続けるために必要なことだと伝え、夜間の連絡先を紙にして渡す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
場面別のO-P・T-P・E-P|安定期・在宅酸素の導入期・増悪の兆し・入浴・排泄・食事・夜間・終末期に近い時期(10場面)
同じ方でも、場面が変われば見ることと伝えることが変わります。下の表は、訪問看護の計画書で場面ごとに書き分けるときの型です。急性増悪の兆しが見えたときの受診や入院の判断は、この表では決めず、指示書に記載の連絡の目安と主治医の判断に沿う形にしています。
| 場面 | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 安定期の日中 | 歩けた場所と休みの回数、日中の過ごし方、SpO2(記録した値)を指示書に記載の範囲と比べた結果 | 呼吸の練習と、続けたい家事や外出の動作を一緒に行う | できていることをご本人と確かめ、続けるための工夫を一つ決める |
| 在宅酸素療法の導入期 | 機器の置き場所、チューブの長さと通り道、ご本人・ご家族の操作の様子と不安の言葉 | 取扱説明書のとおりに切り替え・つなぎ直し・加湿の水の扱いを一緒に行う | 機器の不具合は業者、体調の変化は当ステーションへ、と連絡先を分けて伝える |
| 急性増悪の兆しがあるとき | 息切れ・痰の量と色・熱・食事・眠気のいつもとの違い、SpO2(記録した値) | 楽な姿勢を整え、指示書に記載の連絡の目安にあたるかを確かめて主治医へ報告する | ご家族に、その日の夜に見ることと連絡の方法を伝える |
| 退院直後 | 退院時の情報と指示書の内容、家での動作の様子、ご本人の疲れ | 入院前の暮らしの場面を一つずつ確かめ、動作の手順を見直す | 入院のきっかけになった変化を、ご本人・ご家族と振り返る |
| 入浴 | 脱衣・洗体・湯につかる場面の息切れ、入浴中の酸素の使い方が指示書のとおりか | 脱衣所と浴室に椅子を置き、休みを入れる順番を決める。通所での入浴の様子を連絡帳で確かめる | ご本人に、息を止めずに吐きながら動く方法と、無理をしない入り方を伝える |
| 排泄 | トイレまでの距離とチューブの通り道、いきむときの息苦しさ、夜のトイレの回数 | 通り道の物を片づけ、トイレの前に息を整える時間を決める | ご家族に、夜のトイレの付き添い方と灯りの位置を伝える |
| 食事 | 食事中の息切れ、食べた量と時間、体重(記録した値) | 食事の前に休みを入れ、少量ずつ回数を分ける食べ方を決める | ご家族に、食べやすい物と用意の仕方を伝える |
| 夜間 | 目が覚めた回数と時刻、寝る姿勢、朝の頭の重さや日中の眠気の訴え | 楽に眠れる姿勢と枕の高さを一緒に見つける。夜の酸素の使い方は指示書のとおりとする | ご家族に、夜に目が覚めたときの声のかけ方と、連絡してよい場面を伝える |
| 外出・通院 | 携帯用ボンベの残りと予備、歩く道の坂や段差、休む場所 | 外出の前にボンベの残りを一緒に確かめ、休む場所を決めた道順を書く | ボンベの使える時間の目安は取扱説明書のとおりであることと、外出先で困ったときの連絡先を伝える |
| 終末期に近い時期 | 息苦しさが強い時間帯と表情、食事と会話の様子、ご本人とご家族の言葉 | 楽な姿勢と部屋の風通しを整え、息苦しさをやわらげる薬は処方のとおりとする | ご家族に、そばにいるときにできることと、夜間の連絡先を伝え、気持ちを聞く時間をとる |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
在宅酸素の機器の安全を支援内容に書く例(火気・チューブ・停電・災害・外出の8例)
在宅酸素療法の方の計画書では、体の観察と同じくらい、機器の扱いと住まいの安全が課題になります。機器の操作や点検は酸素の業者の役割ですが、訪問看護は家の中の様子を定期的に見る立場にあります。計画書には、訪問のときに何を見て、誰に何を伝えるかを書きます。火気との距離やボンベの使える時間の目安は、取扱説明書と業者の案内のとおりとしています。
| 場面 | 支援内容の欄に書く文 | ご家族・業者への伝え方 |
|---|---|---|
| 台所のガスコンロ・ストーブ・仏壇のろうそく | 酸素を使う場所と火気の位置を訪問時に確かめ、取扱説明書に記載の距離に沿って置き場所をご家族と見直す | ご家族と訪問介護に、酸素を使っているときに火を使う場面がないかを伝え、気づいたら当ステーションへ連絡してもらう |
| たばこ(ご本人・同居の家族) | 喫煙の場面と場所を聞き取り、酸素を使う部屋では火を使わない約束をご本人・ご家族と紙にする。禁煙の方法は主治医と相談する | 同居の家族にも、酸素のそばで火を使う危なさを訪問時に直接伝える |
| 延長チューブの通り道 | チューブの長さと通り道を見て、夜のトイレや台所への動線でつまずかない置き方をご本人と決める | チューブの長さの調整や付属品の交換は業者に相談する |
| チューブの折れ・はずれ | 訪問のたびにチューブの折れ・はずれ・つなぎ目を確かめ、ご本人がつけている鼻の周りの皮膚の様子を見る | ご家族に、息苦しさが強いときはまずチューブを確かめることを伝える |
| 停電 | 停電のときにボンベへ切り替える手順を、取扱説明書のとおりにご本人・ご家族と訪問時に練習する | 停電時の連絡の順番(業者・当ステーション)を備考と、機器の近くの紙に書く |
| 地震・台風などの災害 | 予備のボンベの置き場所と、避難するときに持ち出す物を、ご家族と介護支援専門員と確かめる | 災害時の対応は業者と医療機関の案内のとおりとし、連絡先の一覧を家族と共有する |
| 外出時の携帯用ボンベ | 外出の前にボンベの残りと予備を一緒に確かめ、使える時間の目安は取扱説明書のとおりとする | 通所や通院の付き添いの方にも、ボンベの残りの見方を伝える |
| 機器の警報音・点検 | 機器の警報が鳴ったときの対応を取扱説明書で確かめ、業者の点検の予定を備考に書く | 警報の意味が分からないときは業者へ連絡することを、ご本人・ご家族に伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
急性増悪の兆しをご家族と共有する「いつもと違う」の書き方(8項目)
COPDの方の急性増悪は、看護師がいない夜や週末に始まることがあります。計画書のE-Pに「異常時は連絡するよう指導」とだけ書くと、ご家族は何を見ればよいのかが分かりません。下の表は、ご家族が書きとめる形と、計画書の書き方を並べたものです。連絡や受診の目安そのものは、すべて指示書に記載のとおりとしています。
| いつもと違う様子 | ご家族が書きとめる形 | 計画書の書き方 |
|---|---|---|
| いつもの動作で息切れが強い | トイレや着替えのあとに、いつもより長く休んでいたかに丸をつける | 「いつもの動作での息切れの変化をご家族が記録し、指示書に記載の連絡の目安にあたるときは当ステーションへ連絡する」 |
| 痰の量・色・粘りの変化 | 朝の痰の色を、決めた言葉(白い・黄色い・緑っぽい)で書く | 「痰の色と量の変化を記録し、指示書に記載の連絡の目安と比べる」 |
| 熱っぽさ・寒気 | 体温(記録した値)と測った時刻を書く | 「体温を記録し、熱がある日は当ステーションへ連絡する」 |
| SpO2の変化 | 測った時刻と、安静か動いたあとかを書く | 「SpO2は指示書に記載の範囲と比べ、範囲を外れるときは指示書に記載の連絡の方法に沿う」 |
| 足のむくみ・体重の増え方 | 靴下のあとの残り方と、体重(記録した値)を書く | 「むくみと体重の変化を記録し、指示書に記載の連絡の目安と比べる」 |
| 朝の頭の重さ・日中の強い眠気・受け答えのぼんやり | 起きたときの様子と、昼間に話しかけたときの反応を書く | 「眠気や受け答えの変化に気づいたら、その日のうちに当ステーションへ連絡する」 |
| 食事と水分が減る | 食べた物と飲んだ量を、丸をつけるだけの用紙に書く | 「食事と水分の量を記録し、とれない日が続くときに連絡する」 |
| 唇や爪の色 | いつもの色と比べて、気になった時刻を書く | 「唇や爪の色の変化に気づいたら、指示書に記載の連絡の方法に沿う」 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご家族・訪問介護・通所・酸素の業者・介護支援専門員と分担するときの支援内容の記載例(10例)
在宅酸素療法の方の暮らしは、訪問看護の時間よりも、看護師がいない時間の過ごし方で大きく変わります。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。他の事業所や別居のご家族に様子を伝えるときは、ご本人の同意と、事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。
| 担い手 | 計画書の支援内容に書く文 | 伝え先と記録先 |
|---|---|---|
| ご本人 | 朝の痰の様子と、吸入した日をカレンダーに書く。息苦しいときは練習した姿勢と呼吸の方法で休み、おさまらないときは当ステーションへ電話する | 当ステーション/カレンダー・手帳 |
| 同居の妻(主な介護者) | 夫の息切れ・痰・食事・夜の様子を丸をつける用紙に書き、自分の体調が悪い日は当ステーションか介護支援専門員に伝える | 当ステーション・介護支援専門員/記録用紙 |
| 別居の長女 | 週末の来訪時に予備のボンベの置き場所と、記録用紙の残り方を見て、気になることを当ステーションへ伝える | 当ステーション/記録用紙の余白 |
| 訪問介護 | 掃除や調理のときにチューブの通り道と火気の位置を確かめ、息切れがいつもより強い様子があれば連絡帳に書く | 当ステーション・介護支援専門員/連絡帳 |
| デイサービス | 通所の日の入浴・食事の様子と、ボンベの残りの確かめ方を連絡帳に書き、息切れが強い場面があれば書く | ご家族・当ステーション/通所の連絡帳 |
| 酸素の業者 | 機器の点検と付属品の交換を行い、点検の日と気づいたことを当ステーションにも伝えてもらう | 当ステーション・主治医の医療機関/点検の記録 |
| 薬局の薬剤師 | 吸入薬の残りとご本人の吸い方を共有してもらい、吸い方の工夫を主治医へ提案するときは当ステーションにも伝えてもらう | 主治医・当ステーション/お薬手帳・薬局の報告 |
| 主治医 | 報告書で伝えた家での様子を踏まえて、酸素流量・SpO2の範囲・連絡の目安の指示を受ける | 当ステーション/指示書・報告書 |
| 介護支援専門員 | 息切れの様子と介護者の疲れの変化に合わせ、サービスの曜日と内容、福祉用具の利用を相談する | 当ステーション/サービス担当者会議の記録 |
| 当ステーションの理学療法士等 | 呼吸の練習と動作の工夫を行い、看護職員と同じ記録用紙で息切れの変化を共有する | 当ステーション内/記録書Ⅱ・報告書の別添 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
悪い例と良い例|COPD・在宅酸素療法の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)
左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、数値を記憶から書き写した文や、看護師の印象だけで終わる言葉が多く入っています。良い例に入れた酸素の流量・SpO2・薬・連絡の目安は、すべて「指示書に記載の」「処方のとおり」の形にしています。
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える文) | 直した点 |
|---|---|---|---|
| 目標 | 「呼吸状態が安定する」 | 息切れと付き合いながら、近所の店まで歩いて買い物に行く楽しみを続けられる | 状態の言葉を、ご本人が続けたい暮らしの言葉にした |
| 目標 | 「在宅酸素療法を正しく行える」 | ボンベへの切り替えとチューブのつなぎ直しを、ご本人かご家族が一人でできる | 「正しく」を、誰が何をできるかに置き換えた |
| 目標 | 「急性増悪を予防する」 | かぜの症状や痰の変化に早めに気づき、寒い時期も自宅で過ごせる | 予防の中身を、気づく場面と続けたい暮らしにした |
| 目標 | 「SpO2を維持する」 | 指示書に記載の酸素流量で過ごしながら、台所に立って朝食の支度を続けられる | 数値を目標にせず、指示書の参照と暮らしの場面にした |
| 課題 | 「COPD」 | 動いたあとに息切れが強くなり、休むまでに時間がかかるため、台所に立つ時間が短くなっている | 病名ではなく療養上の課題と、その場面を書いた |
| 課題 | 「ガス交換障害」 | トイレから戻ったあとに息切れが続き、居間に戻るまでに二度休んでいる(SpO2は記録した値) | 名前ではなく、根拠となる事実を添えた |
| 課題 | 「酸素の自己調整あり」 | 息苦しいときに酸素の流量を自分で上げることがあり、指示書に記載の酸素流量で使えていない日がある | 何が起きているかと、指示書との関係を書いた |
| 課題 | 「火気注意」 | 酸素を使う居間の隣の台所でガスコンロを使っており、チューブが台所まで届く長さになっている | 危なさを、家の中の具体的な位置関係で書いた |
| O-P | 「呼吸状態の観察」 | 息切れが出る動作と休みの回数、痰の量と色、動いた前後のSpO2(記録した値)を指示書に記載の範囲と比べて記録する | 何を、どう比べて記録するかを書いた |
| O-P | 「SpO2○○%以上を確認」 | SpO2は安静時と動いたあとに測り、指示書に記載のSpO2の範囲と比べて記録する | 数値を書き写さず、指示書を参照する形にした |
| O-P | 「増悪徴候の観察」 | いつもの動作での息切れ、痰の色と量、熱、食事、眠気の様子を、訪問のたびに同じ順番で聞き取る | 徴候の中身を、聞き取る項目と順番にした |
| O-P | 「機器の確認」 | 流量の目盛り、チューブの折れとはずれ、予備のボンベの置き場所と残りを訪問のたびに見る | 確かめる物を具体的にした |
| T-P | 「呼吸リハビリ」 | 吐く息に合わせて動く方法と、休むときの姿勢を、着替えと入浴の場面で一緒に行う。練習は理学療法士等の評価に沿う | 練習を、暮らしの場面と担い手に結びつけた |
| T-P | 「排痰援助」 | 朝食の前に、練習した方法で痰を出す時間をとり、姿勢を整える。方法は主治医・理学療法士等の指示に沿う | 時間帯と手順、指示の出どころを書いた |
| T-P | 「酸素○L/分で投与」 | 酸素は主治医の指示書に記載の酸素流量で使用する。流量の変更は主治医の指示による | 数値を書き写さず、指示書の参照にした |
| E-P | 「異常時は連絡するよう指導」 | ご家族に、息切れ・痰・熱・眠気のいつもとの違いを書く用紙を渡し、指示書に記載の連絡の目安と当ステーションの番号を紙にして伝える | 何を見て、どこへ連絡するかを書いた |
| E-P | 「禁煙指導」 | 酸素を使う部屋では火を使わない約束を、ご本人と同居の家族と紙にして貼る。禁煙の方法は主治医と相談する | 伝える中身と、伝える相手を書いた |
| E-P | 「停電時の対応を説明」 | 停電のときにボンベへ切り替える手順を、取扱説明書のとおりにご本人・ご家族と訪問時に練習する | 説明を、実際に一緒に行う形にした |
| 評価 | 「呼吸状態安定。継続」 | 4週のうち3週は、休む場所を決めた散歩道を歩けた。歩けなかった週は雨の日が続いていた。家の中でできる練習を次期に加える | 記録の事実と、次に変えることを書いた |
| 備考 | 「在宅酸素使用中」 | 酸素の業者(点検は月に一度)、予備のボンベは寝室の押し入れ。停電時は業者、次に当ステーションへ連絡する。デイサービス(週に二回・入浴あり) | 記載要領の⑦にある「特別な管理を要する内容」「他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況」を具体的にした |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
評価から報告書・ケアプランへ|COPD・在宅酸素療法の方の評価文と報告書の欄別記載例
保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。COPDの方の評価は、息切れが良くなったかどうかだけでなく、ご本人が続けられている暮らしの場面と、機器を扱えるようになった程度、ご家族の安心の変化を書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。
| 評価の結論 | 評価欄の記載例 | 次の計画で変える欄 |
|---|---|---|
| 継続(少しずつ定着している) | 朝食の前に痰を出す時間をとる習慣が続き、ご本人は「朝が少し楽になった」と話す。目標と支援内容は継続する | なし(継続) |
| 達成(目標の場面に届いた) | ボンベへの切り替えを妻が一人でできるようになり、停電を想定した練習も行えた。次期は、携帯用ボンベを使った外出を目標にする | 目標・T-P |
| 一部達成(特定の場面で崩れる) | 平日は吸入の印がついているが、デイサービスの日の夕方は吸い忘れている。通所の日の吸入の時刻を、ご家族と見直す | 支援内容(担い手の分担) |
| 未達成(方法が合っていない) | 記録用紙は初めの1週間だけ書かれていた。妻は「書くことが多すぎる」と話す。丸をつけるだけの用紙に変える | E-P |
| 中断(体調の変化) | 痰の色の変化と熱があり、主治医へ報告して受診となった。経過は報告書に記載した。回復後に動作の様子を確かめ、目標を見直す | 課題・O-P・年月日 |
| 中断(入院) | 急性増悪で入院となり訪問を中断した。退院後は退院時の情報と新しい指示書を受け、暮らしの様子を確かめてから計画を作り直す | 全体(退院後に新たに作成) |
| 目標の変更(指示書の変更に合わせる) | 指示書の酸素流量が変わり、動作時の使い方が加わった。計画書の備考とご家族に渡した紙を新しい指示書の内容に書き換え、動作の練習を組み直す | T-P・E-P・備考・年月日 |
| 方針の変更(終末期に近い時期) | 息苦しさで食事と会話が減り、ご本人が「最期は家で」と話した。主治医・介護支援専門員と話し合いの場を持ち、目標を楽に過ごすことに置き直す | 目標・課題・備考 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(COPD・在宅酸素療法の記載例5欄)
計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。在宅酸素療法の方では、診察の場面では見えにくい、家での動作と息切れの様子、機器の使い方を伝えることが、報告書の大きな役割になります。
| 報告書の欄 | 記載要領の定め | COPD・在宅酸素療法の方の記載例 |
|---|---|---|
| 病状の経過 | ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 | 家の中の移動は休みを入れながら一人で行えている。着替えのあとの息切れは月の後半にかけて短くなった。朝の痰は白色で、量は先月と変わらない。SpO2は記録書Ⅱに記録した値のとおり |
| 看護の内容 | ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 | 体調の確認、呼吸の練習と着替えの動作の工夫、吸入の手順の確認、ボンベへの切り替えの練習、チューブの通り道の見直しを行った |
| 家庭での介護の状況 | ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 | 妻が日中と夜間の見守りを行っている。妻は夜に呼吸の音が気になって眠れないと話す。台所のガスコンロとチューブの位置を妻と見直した |
| 特記すべき事項 | ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 | 息苦しいときに酸素の流量を自分で上げることがあると、ご本人から話がある。息苦しいときの過ごし方について、ご指示をいただけますでしょうか |
| 報告書の簡略化 | ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 | 入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ケアプラン・訪問介護との連携で、計画書に書いておくこと(6項目)
介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。在宅酸素療法の方では、訪問介護や通所の職員が機器のそばで動く時間が長いため、計画書の内容のうち他のサービスにも伝えておくことをはっきりさせておくと、食い違いが起きにくくなります。ケアプランの文例は「COPD(呼吸器疾患)の方のケアプラン文例」で扱っています。
| 合わせる点 | 計画書の側で書いておくこと | 訪問介護・通所・介護支援専門員に伝えること |
|---|---|---|
| 目標と期間 | ケアプランの短期目標の期間と、計画書の評価の時期をそろえる | 評価の結果を、短期目標の期間の終わりに合わせて介護支援専門員へ伝える |
| 入浴の場面 | 入浴中の酸素の使い方は指示書のとおりとし、休みを入れる順番を書く | 通所や訪問介護の入浴の介助でも、同じ順番と休み方で行えるよう伝える |
| 家事の援助 | 台所の火気とチューブの位置、ご本人ができる家事の範囲を書く | 訪問介護の調理の場面で、火気とチューブの位置を確かめてもらう |
| いつもと違う様子 | 息切れ・痰・眠気などの変化と、指示書に記載の連絡の目安を書く | 気づいたときの連絡先を当ステーションにそろえ、連絡帳に書く場所を決める |
| 機器と停電 | 業者の連絡先、予備のボンベの置き場所、停電時の連絡の順番を備考に書く | 停電や機器の警報に気づいたときの連絡の順番を、同じ紙で共有する |
| 福祉用具と住まい | 浴室・脱衣所・トイレの椅子や手すりの必要を、動作の観察から書く | 福祉用具の相談を介護支援専門員に伝え、サービス担当者会議の議題にする |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
運営指導で在宅酸素療法の方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」について次の確認項目が示されています。確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、在宅酸素療法の方の計画書で確かめる点の例です。
| 別添1の確認項目(訪問看護・第70条) | 在宅酸素療法の方の計画書で確かめる点 | 貴事業所の確認欄 |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか | ケアプランの頻度・目標と、計画書の訪問の計画・目標が食い違っていないか。通所の入浴や訪問介護の調理の曜日が反映されているか | 確認日:( ) |
| 主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか | 指示書の酸素流量・SpO2の範囲・留意事項が計画書に写されているか。火気やチューブの通り道など住まいの環境が課題に反映されているか | 確認日:( ) |
| サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか | O-P・T-P・E-Pが「呼吸状態の観察」「呼吸リハビリ」「異常時の連絡指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が分かるか | 確認日:( ) |
| 利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか | 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご家族に渡した連絡の紙の内容が計画書と同じか | 確認日:( ) |
| 目標の達成状況は記録されているか | 評価欄と記録書Ⅱに、歩けた場所、入浴の様子、機器の扱いの程度などの事実が書かれているか | 確認日:( ) |
| 達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか | 指示書の酸素流量の変更、急性増悪による入院と退院、主な介護者の状況の変化の後に、計画書が見直されているか | 確認日:( ) |
| 訪問看護報告書は作成されているか | 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況がつながっているか | 確認日:( ) |
※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・事故・業務継続の指摘(6件)
在宅酸素療法の方に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方と、在宅酸素療法の方の支援で関わりの深い指示書・事故・災害への備えに関わる公表事例です。
| 自治体 | 公表されている指摘の内容 | 在宅酸素療法の方の計画書で見直す点 |
|---|---|---|
| 長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) | 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 | ケアプランとの対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性 |
| 神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) | 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 | 指示書の期間の管理、指示書の酸素流量の転記、ご本人の希望の反映 |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 | 在宅酸素療法の開始や退院のときに、訪問開始前に計画書があるか |
| 東京都(同) | サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 | 指示書の酸素流量・留意事項と、計画書の支援内容が食い違っていないか |
| 東京都(同) | 事故の状況や講じた処置を記録しておらず詳細・対応・再発防止策が不明確、保険者への事故報告を行っていない等 | 訪問中のつまずきや機器のトラブルの記録と、計画書の課題への反映 |
| 東京都(同) | 感染症・災害それぞれの業務継続計画の策定、従業者への周知、定期的な研修・訓練、定期的な見直しが求められています | 停電・災害のときに連絡する利用者の順番と、計画書の備考の連絡先がそろっているか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
在宅酸素療法の方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)
保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。
| 記録 | 何のために残すか | 保管場所 | 最終更新日 |
|---|---|---|---|
| 訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) | 酸素流量・SpO2の範囲・連絡の目安・指示期間の出どころ | ( ) | ( ) |
| 処方の内容とお薬手帳の写し | 吸入薬・頓用の薬の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 | ( ) | ( ) |
| 退院時の情報・医療機関からの情報 | 課題欄の根拠、入院のきっかけの振り返り | ( ) | ( ) |
| 酸素の業者の取扱説明書・点検の記録・連絡先 | 機器の扱いと停電時の手順の出どころ | ( ) | ( ) |
| 居宅サービス計画の写し | 計画書がケアプランに沿っていることの確認 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) | 説明した相手と日付、同意と交付の事実 | ( ) | ( ) |
| ご家族に渡した連絡の紙(版と日付つき) | 計画書と同じ内容を渡したことの確認、指示書の変更時の差し替え | ( ) | ( ) |
| 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ | 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) | 評価と家での様子を主治医へ伝えた事実 | ( ) | ( ) |
| 事故・ヒヤリハットの記録 | つまずき・機器のトラブルの状況と処置、計画の見直しのきっかけ | ( ) | ( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
よくある質問
在宅酸素療法の看護計画に、SpO2や酸素の流量の数値を書いてもよいですか?
酸素の流量やSpO2の範囲、主治医へ連絡する目安は、主治医が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示書に記載の酸素流量」「指示書に記載のSpO2の範囲」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は指示書から写すと、指示書が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で測った値は、記録書Ⅱに記録した値として残します。
病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書はどこが違いますか?
病棟の看護計画は、職員が交代で一日中見守ることを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。在宅酸素療法の方では、看護師が帰ったあとの機器の扱いや、いつもと違う様子に気づいたときの連絡を、ご本人・ご家族・訪問介護・酸素の業者がどう受け持つかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。
「看護問題」は、訪問看護計画書のどの欄に書きますか?
介護保険の老企第55号では、令和6年の改正で計画書の欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています。看護問題にあたる内容は「療養上の課題」として、名前をつけるよりも、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文で書くと、支援内容と評価につながりやすくなります。
COPDの方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?
計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。COPDの方では、在宅酸素療法の開始、指示書の酸素流量の変更、急性増悪による入院と退院、吸入薬の変更、主な介護者の状況の変化、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。
在宅酸素の機器の安全(火気・停電)は、計画書のどこに書きますか?
火気やチューブの通り道のように訪問のたびに確かめることは、療養上の課題として支援内容に書き、停電時の連絡の順番や酸素の業者の連絡先、予備のボンベの置き場所は備考に書いておくと分かりやすくなります。火気との距離やボンベの使える時間の目安は、業者の取扱説明書と案内のとおりとし、ご家族にも同じ内容の紙を渡しておきます。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






