介護老人保健施設(老健)は、医師の配置が前提となっている施設です。そのため老健の報酬には、施設の医師が施設内で行う医療を評価する項目(所定疾患施設療養費・緊急時施設療養費)、入所前からのかかりつけ医(主治の医師)と施設の医師・薬剤師が連携して薬を整理する項目(かかりつけ医連携薬剤調整加算)、退所後の在宅医療へ橋渡しする項目(訪問看護指示加算)という、「医師・医療」を軸にした一群があります。
この記事では、この一群にあたる9つの区分——所定疾患施設療養費(Ⅰ)(Ⅱ)、緊急時施設療養費(緊急時治療管理・特定治療)、かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)イ・(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)・(Ⅲ)、訪問看護指示加算——について、告示の条文を左に、貴施設の体制・記録を書き込む欄を右に置いた対照表の形で整理します。単位数・日数・対象疾患は、当社が告示原文を直接確認して収載したデータベースの値のみを掲げ、出典(告示の号数)を各行に付しています。
本記事は「取れる・取れない」の判定をするものではありません。告示の定めと貴施設の現況を左右で突き合わせ、判断に迷う点は保険者(指定権者)に照会する——その作業台として使ってください。治療の内容や薬剤の選択そのものには立ち入らず、記録と算定要件の確認に徹します。
医療系9区分の全体像|施設の医師・主治の医師・訪問看護の3つの軸
9つの区分は、「誰が関わる医療か」で3つの軸に分かれます。第1の軸は施設の医師(配置医師)が施設内で完結させる医療で、所定疾患施設療養費と緊急時施設療養費がここに入ります。第2の軸は施設の医師・薬剤師と、入所前からの主治の医師(かかりつけ医)との連携で、かかりつけ医連携薬剤調整加算の4区分がここに入ります。第3の軸は退所後の在宅医療への接続で、施設の医師が訪問看護ステーション等に指示書を交付する訪問看護指示加算がここに入ります。
算定の時点も3つに分かれます。在所中に日ごとに算定するもの(所定疾患・緊急時治療管理)、行為の都度金額で算定するもの(特定治療)、退所時に1回だけ算定するもの(薬剤調整4区分・訪問看護指示)です。まず全体を1枚で押さえてください。
| 区分 | 告示の単位数・額 | 限度・算定の時点 | 主として関わる者 |
|---|---|---|---|
| 所定疾患施設療養費(Ⅰ) | 1日につき239単位 | 同一の入所者について1月に1回、連続する7日を限度 | 施設の医師(診断・実施・診療録記載) |
| 所定疾患施設療養費(Ⅱ) | 1日につき480単位 | 同一の入所者について1月に1回、連続する10日を限度 | 施設の医師((Ⅰ)に加え感染症対策研修の受講) |
| 緊急時施設療養費(緊急時治療管理) | 1日につき518単位 | 同一の入所者について1月に1回、連続する3日を限度 | 施設の医師(救命救急医療が必要な場合の治療管理) |
| 緊急時施設療養費(特定治療) | 医科診療報酬点数表の点数×10円(金額で算定) | 実施の都度 | 施設の医師(リハビリテーション・処置・手術・麻酔・放射線治療) |
| かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)イ | 140単位 | 入所者1人につき1回を限度、退所時 | 施設の医師・薬剤師と主治の医師(共同で評価・調整) |
| かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)ロ | 70単位 | 入所者1人につき1回を限度、退所時 | 施設の医師・薬剤師(施設として評価・調整) |
| かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ) | 240単位 | 入所者1人につき1回を限度、退所時 | 施設の医師・薬剤師(服薬情報等のLIFE提出と活用) |
| かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅲ) | 100単位 | 入所者1人につき1回を限度、退所時 | 施設の医師・薬剤師(内服薬の種類数の減少という結果) |
| 訪問看護指示加算 | 300単位 | 入所者1人につき1回を限度、退所時 | 施設の医師(訪問看護指示書の交付)と看護職員 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
出典はいずれも、平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表2 介護保健施設サービス、平成27年厚生労働省告示第94号、平成27年厚生労働省告示第95号です。当社データベースでは、これらの告示を法令等データベースで直接開いて値を収載しています(令和6年度改定・令和6年6月1日施行の内容。令和8年厚生労働省告示第87号では、上記9区分いずれにも改正が確認されていません)。
所定疾患施設療養費(Ⅰ)(Ⅱ)|対象疾患・日数上限・診療録に書くこと
所定疾患施設療養費は、老健に特有の項目です。施設の医師が、定められた疾患について施設内で投薬・検査・注射・処置等を行った場合を評価するもので、対象疾患が告示で限定列挙され、日数の上限があり、診療録への記載内容まで基準に書き込まれている——という3点が骨格です。
対象となる疾患|当社データベースに列挙のある分だけを掲げます
以下の表は、当社データベースのレコード(出典:平成27年厚生労働省告示第94号 六十八)に列挙のある疾患だけを掲げています。記憶や一般論から疾患名を足すことはしていません。告示原文の列挙と突き合わせる際は、同告示の該当号をご確認ください。
| 対象疾患(告示94号 六十八の列挙) | 告示上の付帯条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 肺炎の者 | 診療に当たり検査を行った場合に限る(実施内容の定めによる) | 告示94号 六十八 イ/告示21号 別表2 レ 注1 |
| 尿路感染症の者 | 診療に当たり検査を行った場合に限る(実施内容の定めによる) | 告示94号 六十八 ロ/告示21号 別表2 レ 注1 |
| 帯状疱疹の者 | 投薬、検査、注射、処置等を行った場合 | 告示94号 六十八 ハ |
| 蜂窩織炎の者 | 投薬、検査、注射、処置等を行った場合 | 告示94号 六十八 ニ |
| 慢性心不全が増悪した者 | 投薬、検査、注射、処置等を行った場合 | 告示94号 六十八 ホ |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
肺炎と尿路感染症の2つにだけ「診療に当たり検査を行った場合に限る」という限定が付いている点は、(Ⅰ)(Ⅱ)共通の実施内容の定め(告示21号 別表2 レ 注1)に由来します。帯状疱疹・蜂窩織炎・慢性心不全の増悪にはこの限定の文言がありません。どの検査をもって足りるかという解釈には本記事は立ち入りません——判断が分かれうる部分は保険者への照会事項です。
単位数と日数の上限|(Ⅰ)と(Ⅱ)で連続日数が異なる
| 項目 | 所定疾患施設療養費(Ⅰ) | 所定疾患施設療養費(Ⅱ) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 1日につき239単位 | 1日につき480単位 | 告示21号 別表2 レ |
| 1月あたりの回数 | 同一の入所者について1月に1回 | 同一の入所者について1月に1回 | 告示21号 別表2 レ 注2 |
| 連続日数の限度 | 連続する7日を限度 | 連続する10日を限度 | 告示21号 別表2 レ 注2 |
| 相互の関係 | (Ⅱ)を算定している場合は算定しない定め | (Ⅰ)を算定している場合は算定しない定め | 当社データベースの除外欄 |
| 緊急時施設療養費との関係 | 緊急時施設療養費を算定した日は算定しない定め | 同左 | 当社データベースの除外欄 |
| 改定の状況 | 令和6年度改定(令和6年6月1日施行)。令和8年告示87号では本項目に改正なし | 同左 | 当社データベースの改定欄 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅰ)の基準を左右で突き合わせる|貴施設の記入欄つき
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 対象疾患 | 肺炎/尿路感染症/帯状疱疹/蜂窩織炎/慢性心不全が増悪した者のいずれか(告示94号 六十八) | 該当した疾患名:( )/診断した医師名:( ) |
| 実施内容 | 投薬、検査、注射、処置等。肺炎の者又は尿路感染症の者に対しては診療に当たり検査を行った場合に限る(告示21号 別表2 レ 注1) | 実施した内容:( )/検査の実施日:( ) |
| 診療録への記載 | 診断、診断を行った日、実施した投薬・検査・注射・処置等(近隣の医療機関と連携し実施した検査等を含む)の内容等を記載していること(告示95号 九十二 イ(1)) | 診療録の記載日:( )/記載者:( ) |
| 実施状況の公表 | 算定開始年度の翌年度以降、前年度の実施状況を公表していること(告示95号 九十二 イ(2)) | 公表の方法・場所:( )/直近の公表日:( ) |
| 算定日数 | 1月に1回、連続する7日を限度(告示21号 別表2 レ 注2) | 今回の算定期間:( 月 日〜 月 日)/同月内の算定歴:(有・無) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅱ)の基準|(Ⅰ)に上乗せされる2点を含む対照表
(Ⅱ)の対象疾患は(Ⅰ)と同じです。差は2点——診療録に「診断に至った根拠」まで記載すること、そして施設の医師が感染症対策に関する研修を受講していることです。研修の受講は施設側の体制の要件であり、算定する日ごとに満たすものではありません。
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 対象疾患 | (Ⅰ)と同じ5つの列挙(告示94号 六十八) | 該当した疾患名:( ) |
| 診療録への記載 | 診断及び診断に至った根拠、診断を行った日、実施した投薬・検査・注射・処置等の内容等(近隣の医療機関と連携し実施した検査等を含む)を記載していること(告示95号 九十二 ロ(1)) | 診断に至った根拠の記載:(有・無)/記載箇所:( ) |
| 実施状況の公表 | 算定開始年度の翌年度以降、前年度の実施状況を公表していること(告示95号 九十二 ロ(2)) | 公表の方法・場所:( )/直近の公表日:( ) |
| 医師の研修受講 | 当該介護保健施設サービスを行う介護老人保健施設の医師が感染症対策に関する研修を受講していること(告示95号 九十二 ロ(3)) | 受講した医師名:( )/研修名:( )/受講日:( ) |
| 算定日数 | 1月に1回、連続する10日を限度(告示21号 別表2 レ 注2) | 今回の算定期間:( 月 日〜 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
診療録の記載は、(Ⅰ)では「診断」、(Ⅱ)では「診断及び診断に至った根拠」と、求められる深さが1段違います。(Ⅱ)で算定した月の診療録を振り返るときは、「診断名が書いてあるか」ではなく「なぜその診断に至ったのかが書いてあるか」を見る——これが(Ⅰ)との読み分けの起点になります。どの程度の記載をもって「根拠」とみるかは、届出先の保険者(指定権者)にご確認ください。
緊急時施設療養費|緊急時治療管理と特定治療は別の仕組み
緊急時施設療養費は、入所者の病状が著しく変化した場合に、緊急その他やむを得ない事情により行われる医療行為を評価する項目で、中身は2つに分かれます。緊急時治療管理(単位数で算定・日数上限あり)と特定治療(医科診療報酬点数表の点数×10円という金額で算定・実施の都度)です。同じ名前の傘の下にありますが、算定の仕方がまったく違うため、分けて確認します。
緊急時治療管理|1月に1回・連続する3日の枠
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 入所者の状態 | 病状が著しく変化し、かつ病状が重篤となり救命救急医療が必要となる場合(告示21号 別表2 タ・タ(1)注1) | 病状変化の日時:( )/状態の記録箇所:( ) |
| 実施内容 | 緊急的な治療管理としての投薬、検査、注射、処置等を行ったとき(告示21号 別表2 タ(1)注1) | 実施した内容:( )/実施した医師名:( ) |
| 単位数 | 1日につき518単位(告示21号 別表2 タ(1)) | 算定した日:( ) |
| 算定日数 | 同一の入所者について1月に1回、連続する3日を限度(告示21号 別表2 タ(1)注2) | 同月内の算定歴:(有・無)/連続日数:( 日) |
| 所定疾患施設療養費との関係 | 所定疾患施設療養費は、緊急時施設療養費を算定した日は算定しない旨の定め(当社データベースの除外欄) | 同日の他項目の算定:(有・無) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
「1月に1回、連続する3日」という枠は、月内に緊急の事態が2度あった場合でも回数が増えない形になっています。2度目が起きた月の記録は、算定の有無にかかわらず診療録に残る——請求と記録は別の営みです。医師が行った治療管理の記録そのものは、算定枠と関係なく診療録に書かれている状態が土台になります。
特定治療|単位数ではなく「点数×10円」で計算する
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 入所者の状態 | 病状が著しく変化した場合に緊急その他やむを得ない事情により行われるものであること(告示21号 別表2 タ) | 状態と事情の記録箇所:( ) |
| 対象となる医療行為 | リハビリテーション、処置、手術、麻酔、放射線治療(別に厚生労働大臣が定めるものを除く)(告示21号 別表2 タ(2)注) | 実施した行為:( )/実施日:( ) |
| 算定額 | 医科診療報酬点数表第1章及び第2章に定める点数に10円を乗じて得た額(告示21号 別表2 タ(2)注) | 該当点数:( 点)/計算記録の保管場所:( ) |
| 対象外の行為 | 別に厚生労働大臣が定めるリハビリテーション、処置、手術、麻酔又は放射線治療は対象外(告示94号 六十七・第二十八号を準用) | 対象外リストとの照合:(済・未) |
| 単価の性質 | 特定治療に係る費用は「一単位の単価を乗じて算定する」対象から除外=地域区分の単価を使わない(算定基準告示第二号) | 請求時の計算方法の確認:(済・未) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
特定治療は、通常の介護報酬と違って地域区分の単価を乗じません。点数×10円という固定の計算です。また、対象外となる行為は告示94号六十七が別の号(第二十八号)を準用して定めており、当社データベースはその準用先の本文までは確認していません(この区分のみ確認度を「中」としています)。実際に特定治療の対象になるかどうかの照合は、準用先の告示原文と保険者(指定権者)への確認をあわせて行ってください。
かかりつけ医連携薬剤調整加算|4区分が階段状に積み上がる
かかりつけ医連携薬剤調整加算は、入所前に6種類以上の内服薬が処方されていた入所者について、入所中に薬を総合的に評価・調整し、退所時に主治の医師へ引き継ぐ取り組みを評価する項目です。令和6年度改定で(Ⅰ)がイとロに分かれ、現在は4つの区分が階段状に積み上がる構造になっています。ここでも主語の書き分けが重要です——評価・調整の主体が「施設の医師と主治の医師の共同」なら(Ⅰ)イ、「施設単独」なら(Ⅰ)ロ。その上に、LIFEへの情報提出(Ⅱ)、薬が実際に減ったという結果(Ⅲ)が乗ります。
4区分の構造|下の段を算定していることが上の段の前提になる
| 区分 | 単位数 | 前提となる区分 | その区分に固有の定め(根拠) |
|---|---|---|---|
| (Ⅰ)イ | 140単位 | —(起点) | 施設の医師と主治の医師が共同して処方内容を総合的に評価・調整(告示95号 第91号の2 イ(3)) |
| (Ⅰ)ロ | 70単位 | —(起点。(Ⅰ)イを算定している場合は算定しない定め) | 施設において(主治の医師との共同によらず)服用薬剤を総合的に評価・調整(告示95号 第91号の2 ロ(2)) |
| (Ⅱ) | 240単位 | (Ⅰ)イ又はロを算定していること(告示95号 第91号の2 ハ(1)) | 服薬情報等を厚生労働省(LIFE)に提出し、処方に当たって活用していること(告示95号 第91号の2 ハ(2)) |
| (Ⅲ) | 100単位 | (Ⅱ)を算定していること(告示95号 第91号の2 ニ(1)) | 退所時の内服薬の種類が入所時に比べて1種類以上減少していること(告示95号 第91号の2 ニ(2)) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
いずれも入所者1人につき1回を限度とし、退所時に加算する定めです。(Ⅲ)だけが「結果」——薬の種類数が実際に減ったこと——を要件にしている点で性格が異なります。取り組みの評価(Ⅰ)、情報基盤への接続(Ⅱ)、アウトカム(Ⅲ)という3層です。
(Ⅰ)イの7項目|主治の医師との共同を時系列で確認する
(Ⅰ)イの要件は、入所からの時間軸に沿って読むと整理しやすい構造です。入所後1月以内に説明と合意、入所中に共同の評価・調整、退所時又は退所後1月以内に情報提供——という流れです。
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 研修受講 | 当該老健の医師又は薬剤師が高齢者の薬物療法に関する研修を受講していること(告示95号 第91号の2 イ(1)) | 受講者の職種・氏名:( )/研修名・受講日:( ) |
| 主治の医師への説明と合意の時期 | 入所後1月以内。状況に応じて処方内容を変更する可能性があることを説明し、主治の医師が合意していること(告示95号 第91号の2 イ(2)) | 説明日:( )/合意の記録箇所:( ) |
| 入所前の内服薬の種類数 | 入所前に6種類以上の内服薬が処方されていること(告示95号 第91号の2 イ(3)。数え方は平成12年老企第40号 6の(34)②) | 入所前の種類数:( 種類)/数えた根拠資料:( ) |
| 評価・調整の主体 | 老健の医師と当該入所者の主治の医師が共同し、入所中に処方の内容を総合的に評価及び調整し、かつ療養上必要な指導を行うこと(告示95号 第91号の2 イ(3)) | 共同で行ったことが分かる記録:( ) |
| 処方変更時の情報共有 | 医師、薬剤師、看護師等の関係職種間で情報共有し、変更後の状態を確認(告示95号 第91号の2 イ(4)) | 共有の方法(カンファレンス等):( )/記録箇所:( ) |
| 主治の医師への情報提供の時期 | 退所時又は退所後1月以内。変更の経緯・変更後の状態等を情報提供し、その内容を診療録に記載(告示95号 第91号の2 イ(5)) | 情報提供日:( )/診療録への記載:(有・無) |
| (Ⅰ)ロとの関係 | (Ⅰ)イを算定している場合は(Ⅰ)ロは算定しない定め(告示21号 別表2 ヨ 注) | 算定した区分:(イ・ロ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅰ)ロの6項目|イとの違いは「共同」の有無に集約される
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 研修受講 | 老健の医師又は薬剤師が高齢者の薬物療法に関する研修を受講していること(告示95号 第91号の2 ロ(1)がイ(1)を準用) | 受講者の職種・氏名:( )/受講日:( ) |
| 入所前の内服薬の種類数 | 入所前に6種類以上の内服薬が処方されていた入所者であること(告示95号 第91号の2 ロ(2)) | 入所前の種類数:( 種類) |
| 評価・調整の主体 | 介護老人保健施設において、入所中に服用薬剤の総合的な評価及び調整を行い、かつ療養上必要な指導を行うこと。主治の医師との共同は文言に含まれない(告示95号 第91号の2 ロ(2)) | 施設内で行った評価・調整の記録:( ) |
| 処方変更時の情報共有 | 関係職種間で情報共有し、変更後の状態を確認(ロ(1)がイ(4)を準用) | 共有の記録箇所:( ) |
| 主治の医師への情報提供の時期 | 退所時又は退所後1月以内(ロ(1)がイ(5)を準用) | 情報提供日:( ) |
| (Ⅰ)イとの関係 | (Ⅰ)イを算定している場合は算定しない定め(告示21号 別表2 ヨ 注) | 算定した区分:(イ・ロ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
イとロの違いは、評価・調整に主治の医師が共同したかどうか、という1点に集約されます。研修・情報共有・退所時の情報提供はイの条文を準用しており共通です。「共同した」ことを後から示すのは記録なので、主治の医師とのやりとり(日付・方法・相手)が残っているかが、イで整理するかロで整理するかの実務上の分かれ目になります。
(Ⅱ)と(Ⅲ)|LIFEへの提出と、種類数が減ったという結果
| 項目 | 告示の定め(根拠) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| (Ⅱ)の前提 | かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅰ)イ又はロを算定していること(告示95号 第91号の2 ハ(1)) | 算定した(Ⅰ)の区分:(イ・ロ) |
| (Ⅱ)の提出 | 当該入所者の服薬情報等の情報を厚生労働省に提出していること(告示95号 第91号の2 ハ(2)) | LIFE提出日:( )/提出記録の保管場所:( ) |
| (Ⅱ)の活用 | 処方に当たって、当該情報その他薬物療法の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること(同上) | 活用したことが分かる記録:( ) |
| (Ⅲ)の前提 | かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ)を算定していること(告示95号 第91号の2 ニ(1)) | (Ⅱ)の算定:(有・無) |
| (Ⅲ)の結果要件 | 退所時において処方されている内服薬の種類が、入所時に処方されていた内服薬の種類に比べて1種類以上減少していること(告示95号 第91号の2 ニ(2)) | 入所時:( 種類)→退所時:( 種類) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
内服薬の種類数の数え方|留意事項通知にある4つのルール
この加算群の入口(6種類以上)と出口(1種類以上の減少)は、どちらも「内服薬の種類数」で判定されます。数え方のルールは留意事項通知(平成12年老企第40号 6の(34)②)に示されており、当社データベースには次の4点が収載されています。
| 数え方のルール | 内容(当社データベース収載分) | 貴施設での確認欄 |
|---|---|---|
| 屯服薬の扱い | 屯服薬は種類数から除外する | 屯服薬を除いて数えたか:(済・未) |
| 服用期間の条件 | 入所前に内服を開始して4週間以上経過した内服薬が対象 | 開始4週間未満の薬の有無:(有・無) |
| 剤形の数え方 | 錠剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤・液剤はそれぞれ1種類として計算 | 剤形ごとの計算:(済・未) |
| (Ⅲ)での比較 | 退所時の種類数を入所時と比較し、1種類以上の減少をみる。数え方は(Ⅰ)と同じ考え方が示されている | 入所時・退所時とも同じルールで数えたか:(済・未) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
薬を何に替えるか・何を減らすかという判断は医師と薬剤師の領域であり、本記事は立ち入りません。ここで確認しているのは「数えた過程が記録に残っているか」——入所時に何を数え、何を屯服として除き、退所時に同じ物差しで数え直したか——という記録の話です。
訪問看護指示加算|施設の医師が退所後の看護へつなぐ300単位
訪問看護指示加算は、入所者の退所時に、施設の医師が診療に基づいて退所後の訪問看護等の利用が必要であると認め、訪問看護指示書を交付した場合の項目です(300単位・入所者1人につき1回を限度)。指示書を書くのは施設の医師、指示を受けてケアを行うのは退所後の訪問看護ステーション等の看護職員——という役割の分かれ方です。
| 項目 | 告示の定め(根拠:告示21号 別表2 ト 注5) | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 指示を行う者 | 介護老人保健施設の医師 | 指示書を交付した医師名:( ) |
| 判断の内容 | 診療に基づき、指定訪問看護/指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護サービスを行う場合に限る)/指定看護小規模多機能型居宅介護(看護サービスを行う場合に限る)の利用が必要であると認めること | 判断の根拠となった診療の記録箇所:( ) |
| 交付先 | 入所者が選定する指定訪問看護ステーション、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所又は指定看護小規模多機能型居宅介護事業所 | 交付先事業所名:( )/選定の経緯の記録:( ) |
| 本人の同意 | 本人の同意を得て交付すること | 同意の記録箇所・日付:( ) |
| 交付書類 | 訪問看護指示書(定期巡回・随時対応型は訪問看護サービスに係る指示書、看護小規模多機能型は看護サービスに係る指示書) | 指示書の写しの保管場所:( ) |
| 算定時点 | 入所者の退所時(1人につき1回を限度) | 退所日:( ) |
| 算定しない場合 | 介護保健施設サービス費(Ⅳ)又はユニット型(Ⅳ)を算定している場合は算定しない(告示21号 別表2 イ 注22) | 算定している施設サービス費の区分:( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
見落としやすいのは交付先の書き方です。告示は「入所者が選定する」事業所と定めており、施設側が一方的に決めた事業所への交付は、この文言と齟齬が生じます。誰がどう選んだのか——本人・家族への説明と選定の経緯——が記録に残っている状態を作っておくことが、指示書の写しそのものと同じくらい重要です。なお、この加算は令和6年度改定で退所時等の支援に関する項目群の中に位置づけが再編されていますが、当社データベースでは告示原文(別表2 ト 注5)を直接確認して上記を収載しています。
記録の3系統で備える|診療録・研修受講・公表それぞれの置き場所
9区分の書類を1枚に並べると、求められている記録は「診療録に書くもの」「体制として持っておくもの(研修受講・公表)」「相手方とやりとりした証拠(指示書・情報提供文書)」の3系統に分かれます。当社データベースの確認文書欄から、区分ごとに書き出します。
| 書類 | 関係する区分 | 整えておく点 | 保管確認欄 |
|---|---|---|---|
| 診療録(診断名・診断日・実施した投薬等の記載) | 所定疾患(Ⅰ) | 近隣医療機関と連携した検査を含め、実施内容まで書く | ( ) |
| 診療録(診断に至った根拠の記載) | 所定疾患(Ⅱ) | 診断名だけでなく根拠まで。(Ⅰ)との差分 | ( ) |
| 検査結果 | 所定疾患(Ⅰ)(Ⅱ) | 肺炎・尿路感染症は検査の実施が実施内容の定めに含まれる | ( ) |
| 前年度の実施状況の公表記録(ウェブサイト等) | 所定疾患(Ⅰ)(Ⅱ) | 算定開始年度の翌年度以降、毎年度続く | ( ) |
| 診療録(病状の変化・実施した治療管理の記載) | 緊急時治療管理 | 病状が著しく変化した経過と実施内容 | ( ) |
| 実施した医療行為と点数が分かる記録 | 特定治療 | 点数×10円の計算過程を再現できる形で | ( ) |
| 医師・薬剤師の研修受講記録 | 所定疾患(Ⅱ)/薬剤調整(Ⅰ)イ・ロ | (Ⅱ)は感染症対策、薬剤調整は高齢者の薬物療法と、対象が別 | ( ) |
| 主治の医師への説明と合意の記録 | 薬剤調整(Ⅰ)イ | 入所後1月以内という時期が条文にある | ( ) |
| 処方内容の評価・調整の記録 | 薬剤調整(Ⅰ)イ・ロ | イは主治の医師と共同したことが分かる形で | ( ) |
| 退所時の情報提供文書と診療録への記載 | 薬剤調整(Ⅰ)イ・ロ | 退所時又は退所後1月以内。提供した内容を診療録にも記載 | ( ) |
| LIFE提出記録(服薬情報) | 薬剤調整(Ⅱ) | 提出の事実と、処方に当たり活用したことの両方 | ( ) |
| 入所時と退所時の処方内容が分かる記録 | 薬剤調整(Ⅲ) | 同じ数え方で入所時・退所時を比較できる形 | ( ) |
| 訪問看護指示書の写し | 訪問看護指示加算 | 交付先・交付日が分かる状態で保管 | ( ) |
| 本人の同意の記録(指示書交付) | 訪問看護指示加算 | 交付先を入所者が選定した経緯とあわせて | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。体制の届出そのものを外部に依頼する場合は、社会保険労務士にご相談ください。
公表されている指摘との突き合わせ|この9区分を名指しした事例は当社データベースに無い
当社が収集している自治体公表の運営指導・監査指摘353件(すべて出典つき)の中に、所定疾患施設療養費・緊急時施設療養費・かかりつけ医連携薬剤調整加算・訪問看護指示加算そのものを名指しした指摘は、現時点で収載がありません。存在しないと断定するものではなく、当社の収集範囲に無いという事実の報告です。一方で、この9区分の周辺——薬剤師の配置、訪問看護指示書の受け取り側——には実在の公表指摘があり、参考として挙げます。
| 公表されている指摘(実在分のみ) | 出典 | この記事の区分との関わり |
|---|---|---|
| 老健の薬剤師について、業務委託契約(労働者派遣契約でない契約)により人員配置をしているとする事案。業務委託契約では指揮命令権が及ばず、介護保険法上の人員配置とは認められないと注記 | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正) | かかりつけ医連携薬剤調整加算は「当該老健の医師又は薬剤師」の研修受講を要件とする。研修を受けた薬剤師の在籍の形(雇用・派遣・委託)が問われうる |
| 主治医の文書指示を受けずに訪問看護を行っていた。サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた等 | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) | 老健の医師が交付する訪問看護指示書は、退所後のサービス開始前に相手方へ届いている必要がある。交付日と退所日の前後関係を記録で確認 |
| 訪問看護指示書が確認できない・受領が遅い・有効期限が切れている | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) | 指示書を受け取る訪問看護側への指摘。交付する老健側も、写しと交付日の記録を残すことで突き合わせに応じられる |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
判断が分かれやすい8つの点|照会の下書き欄つき
告示の文言だけでは決めきれない点、あるいは当社データベース側で未確認と明示している点を、保険者(指定権者)への照会文の下書きとセットで挙げます。断定を避け、照会して記録に残す——という運びを想定した表です。
| 論点 | 告示・通知にある定め(当社データベース収載分) | 照会の下書き欄 |
|---|---|---|
| 月内に2度目の対象疾患が発症した場合 | 所定疾患施設療養費は「同一の入所者について1月に1回、連続する7日((Ⅱ)は10日)を限度」(告示21号 別表2 レ 注2) | 「同月内に別疾患で2度目の発症があった場合の扱いについて:( )」 |
| 肺炎・尿路感染症の「検査」の範囲 | 「診療に当たり検査を行った場合に限る」(告示21号 別表2 レ 注1)。検査の種類の列挙は当社データベースに無い | 「どの検査をもって足りるかについて:( )」 |
| 実施状況の公表の方法 | 「算定開始年度の翌年度以降、前年度の実施状況を公表していること」(告示95号 九十二)。方法の指定は当社データベースに無い | 「公表の場所・様式の指定の有無について:( )」 |
| (Ⅱ)の感染症対策研修の範囲 | 「医師が感染症対策に関する研修を受講していること」(告示95号 九十二 ロ(3))。研修の指定の有無は当社データベースに無い | 「対象となる研修の範囲について:( )」 |
| 特定治療の対象外行為 | 「別に厚生労働大臣が定めるものを除く」(告示94号 六十七・第二十八号を準用)。準用先の本文は当社データベース未確認 | 「実施予定の行為が対象外リストに含まれるかについて:( )」 |
| 緊急時施設療養費と所定疾患施設療養費の同日 | 「緊急時施設療養費を算定した日は算定しない」旨の定め(当社データベースの除外欄) | 「同一月内で日を分けた場合の取り扱いについて:( )」 |
| 高齢者の薬物療法に関する研修の範囲 | 「医師又は薬剤師が高齢者の薬物療法に関する研修を受講」(告示95号 第91号の2 イ(1))。研修の指定の有無は当社データベースに無い | 「対象となる研修の範囲について:( )」 |
| 指示書の交付先の「選定」の示し方 | 「入所者が選定する」事業所へ交付(告示21号 別表2 ト 注5)。選定の記録様式の定めは当社データベースに無い | 「選定の経緯として求められる記録について:( )」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある質問
所定疾患施設療養費の(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どこが違うのですか。
対象疾患は同じです。当社データベース上の差は3点——単位数と連続日数((Ⅰ)は1日239単位・連続7日、(Ⅱ)は1日480単位・連続10日)、診療録の記載の深さ((Ⅱ)は「診断に至った根拠」まで)、施設の医師の感染症対策研修の受講((Ⅱ)のみ)です。どちらか一方を算定している場合に他方は算定しない旨の定めがあります。詳細は告示95号九十二と保険者(指定権者)にご確認ください。
対象疾患は、この記事に載っている5つで全部ですか。
本記事は、当社データベースのレコード(出典:平成27年厚生労働省告示第94号 六十八)に列挙のある分——肺炎・尿路感染症・帯状疱疹・蜂窩織炎・慢性心不全が増悪した者——だけを掲げています。改定で列挙が変わる可能性があるため、算定の前には告示の現行の号と、保険者(指定権者)の資料をご確認ください。
緊急時施設療養費を算定した日に、所定疾患施設療養費はどうなりますか。
当社データベースには「所定疾患施設療養費は、緊急時施設療養費を算定した日は算定しない旨の定めがある」と収載しています。同じ日に両方を置かない形が告示の構造です。日を分けた場合の運用の細部は、保険者(指定権者)にご確認ください。
かかりつけ医連携薬剤調整加算は、どの順番で積み上がりますか。
起点は(Ⅰ)イ(主治の医師と共同・140単位)又は(Ⅰ)ロ(施設単独・70単位)のどちらか一方です。その算定を前提に、服薬情報等のLIFE提出と活用で(Ⅱ)(240単位)、さらに退所時の内服薬が入所時より1種類以上減少しているという結果で(Ⅲ)(100単位)が乗ります。いずれも退所時に1人1回を限度とする定めです。
訪問看護指示書は、誰が書いて誰に渡すものですか。
書くのは介護老人保健施設の医師です。診療に基づいて退所後の訪問看護等の利用が必要と認め、入所者が選定する訪問看護ステーション等に、本人の同意を得て交付する——というのが告示(別表2 ト 注5)の定めです。受け取った事業所側では、サービス開始前に指示書が届いているかが運営指導で確認される事例が公表されています(東京都・神戸市)。
内服薬の「6種類以上」は、どう数えるのですか。
当社データベースに収載している留意事項通知(平成12年老企第40号 6の(34)②)の内容では、屯服薬は種類数から除外し、入所前に内服を開始して4週間以上経過した内服薬を対象とし、錠剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤・液剤はそれぞれ1種類として計算します。(Ⅲ)の「1種類以上の減少」も同じ考え方で数える旨が示されています。個別の数え方の判断は保険者(指定権者)にご確認ください。
根拠資料の一覧|本記事が値を引いた告示・通知
- 平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表2 介護保健施設サービス——タ(緊急時施設療養費)・ト注5(訪問看護指示加算)・ヨ(かかりつけ医連携薬剤調整加算)・レ(所定疾患施設療養費)
- 平成27年厚生労働省告示第94号——六十七(特定治療の対象外行為)・六十八(所定疾患の対象疾患の列挙)
- 平成27年厚生労働省告示第95号——第91号の2(かかりつけ医連携薬剤調整加算の基準)・九十二(所定疾患施設療養費の基準)
- 平成12年老企第40号(留意事項通知)6の(34)②——内服薬の種類数の数え方
- 長野県・東京都・神戸市の公表資料——本文中に個別に記載(当社収集353件のうち実在の指摘のみ引用)
本記事の単位数・日数・要件はすべて、当社が上記の告示・通知を直接確認して収載したデータベースの値から機械的に差し込んでいます(データベース最終確認日:2026年7月23日。令和6年度改定・令和6年6月1日施行の内容で、令和8年厚生労働省告示第87号による本記事9区分への改正は確認されていません)。本ページは厚生労働省の公表資料を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。改定情報の反映状況を含め、最終的な確認は告示原文と保険者(指定権者)にお願いします。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
