小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「泊まり」を一つの事業所で柔軟に組み合わせられるサービスです。特徴と記録のポイントを整理します。
小規模多機能型居宅介護とは
状態や希望に応じて、デイのような「通い」、ヘルパーのような「訪問」、ショートのような「泊まり」を、同じ事業所・なじみのスタッフが柔軟に提供する地域密着型サービスです。
特徴
- 通い・訪問・泊まりを一体的に利用できる
- なじみのスタッフが継続して関わる
- 登録制(事業所ごとに定員あり)
- ケアマネジャーも事業所に所属
対象
要支援・要介護の方で、原則としてその市町村の住民が対象です。
記録・書類のポイント
通い・訪問・泊まりが混在するため、利用形態をまたいで一体的に記録・共有することが大切です。柔軟な利用に合わせて計画も見直します。
どんな方が対象になるか
- 要支援1・2、または要介護1以上の認定を受けている方
- 自宅で暮らしながら、状況に応じて通い・訪問・泊まりを使い分けたい方
- 原則として、事業所と同じ市区町村に住民票がある方(地域密着型サービスのため)
- 同じ職員に継続して関わってほしい方
費用の考え方
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 月額の定額制 | 要介護度に応じた月額。原則1割(所得に応じて2〜3割)負担 |
| 食費 | 通い・泊まりで実費 |
| 宿泊費 | 泊まりを利用した場合の実費 |
| その他 | おむつ代など |
| 注意 | 月額定額のため、利用回数が多いほど1回あたりの負担は小さくなります |
人員・設備の基準(事業者向け)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 登録定員 | 29人以下 |
| 通いの定員 | 登録定員の2分の1〜15人(規模に応じて18人まで) |
| 泊まりの定員 | 通いの定員の3分の1〜9人 |
| 介護職員 | 通い・訪問・泊まりのそれぞれに配置基準があります。夜間は宿直を含め2名以上 |
| 介護支援専門員 | 1名(小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修の修了者) |
| 設備 | 居間、食堂、台所、宿泊室、浴室、消火設備 |
似たサービスとの違い
| 小規模多機能型居宅介護 | デイサービス+ヘルパー+ショートステイ | |
|---|---|---|
| 契約先 | 1か所 | それぞれ別の事業所 |
| 職員 | 同じ職員が通い・訪問・泊まりを担当 | サービスごとに別の職員 |
| 料金 | 月額定額 | 使った分だけ |
| 急な変更 | 当日でも柔軟に対応しやすい | 事業所ごとの調整が必要 |
| ケアマネジャー | 事業所の計画作成担当者に変わる | これまでの担当を継続できる |
確認しておきたいこと
- ケアマネジャーが事業所の職員に変わること(既存の担当から替わります)
- 併用できないサービスがあること(訪問看護等、一部は併用可)
- 泊まりの空き状況と、急な依頼への対応
- 医療的なケアがどこまで受けられるか
- 月額のため、利用が少ない月も同額になること
- 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)との違い——看護師が配置され、医療的ケアに対応します
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| デイサービスと何が違うか | 通い・訪問・泊まりを1つの事業所で組み合わせられる点です。担当する職員も同じです |
| ケアマネジャーは替わるのか | 事業所の計画作成担当者が担当します。既存の担当からは替わります |
| 他のサービスと併用できるか | 併用できないサービスがあります。訪問看護など一部は併用可能です |
| 泊まりは毎日でもよいか | 定員があります。長期の宿泊は本来の趣旨と異なるため、施設入所の検討につながることがあります |
| 料金は使わなくても同じか | 月額定額です。利用が少ない月も同額になります |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
その時々で組み替えられるという使い方
| 場面 | 組み合わせ方 |
|---|---|
| ふだん | 週3回の通い。朝と夕方に訪問で服薬確認 |
| 家族が出張 | 3泊の泊まりに切り替え |
| 体調を崩した | 通いを休み、訪問の回数を増やす |
| 退院直後 | しばらく泊まりを中心にし、徐々に通いへ戻す |
| 家族が疲れている | 泊まりを増やして休息をつくる |
| 夜間に不安がある | 夕方と就寝前の訪問を追加する |
あらかじめ回数を決めずに、その時々の状況で組み替えられるのが、この形の最大の特徴です。急な変更に対応しやすいため、状態が不安定な方や、家族の状況が変わりやすい方に向きます。
契約前に確認しておくこと
- 泊まりの空き状況と、急な依頼への対応
- 夜間の職員配置と、緊急時の連絡方法
- 医療的ケアの対応範囲
- 送迎の範囲と時間帯
- 看取りへの方針
- ケアマネジャーが事業所の職員に替わることの説明
- 併用できないサービスの確認
登録から利用開始までの流れ
- 地域包括支援センターまたは市区町村へ相談する
- 事業所を見学し、説明を受ける
- 登録の申し込みをする(定員に空きがあるか確認)
- 事業所の計画作成担当者がアセスメントを行う
- 小規模多機能型居宅介護計画を作成し、説明・同意を得る
- 利用を開始し、状況に応じて通い・訪問・泊まりを組み替える
事業者側から見た特徴
- 月額定額——利用回数に関わらず収入が一定。稼働の見通しが立てやすい一方、利用が集中しても増えません
- 登録定員29人以下——規模が固定されるため、拡大は事業所を増やす形になります
- 職員が3つの機能を担う——通い・訪問・泊まりを横断するため、多能工的な働き方になります
- ケアマネジメントも担う——計画作成担当者を配置します
- 運営推進会議が必要——地域に開かれた運営が求められます
使い方の例
たとえば「普段は通い中心、体調が悪い日は訪問、家族が不在の日は泊まり」というように、その日の状況に合わせて柔軟に組み合わせられます。状態が変わっても、同じスタッフが切れ目なく対応できるのが強みです。
よくある質問(追加)
Q. 料金はどう決まりますか?
A. 利用回数ではなく、要介護度に応じた月額の包括報酬が基本です。何回使っても定額という分かりやすさがあります。
Q. ケアマネジャーは変わりますか?
A. 小規模多機能を利用する間は、原則として事業所のケアマネジャーが担当します。
一体的な記録を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の記録機能(施設記録マナ)は、利用形態をまたいだ記録の作成・共有を効率化します。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
小規模多機能型居宅介護の特徴
小規模多機能型居宅介護は、「通い」を中心に「訪問」「泊まり」を組み合わせられる地域密着型のサービスです。
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 通い | 日中に施設へ通ってサービスを受ける |
| 訪問 | 自宅へ訪問して介護を受ける |
| 泊まり | 必要なときに施設へ宿泊する |
| 特徴 | 状況に応じて柔軟に組み合わせ、なじみの職員が支える |
よくある質問(FAQ)
小規模多機能型居宅介護とは?
メリットは?
利用の注意点は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
他のデイやヘルパーと併用できますか?
登録から利用までに作る書類
居宅サービス計画も小多機の介護支援専門員が作ります。ここが他のサービスと大きく違うところです。
| 場面 | 書類 | 残すこと |
|---|---|---|
| 相談 | 相談記録 | 困りごと、希望する使い方 |
| 契約 | 契約書・重要事項説明書 | 説明日、同意、交付 |
| 契約 | 個人情報使用同意書 | 本人と家族の双方 |
| 登録 | 登録の届出 | 登録日、定員の空き |
| アセスメント | アセスメント記録 | 心身の状況、生活の状況、意向 |
| 計画 | 居宅サービス計画(小多機の介護支援専門員が作成) | 課題、目標、サービス内容 |
| 計画 | 小規模多機能型居宅介護計画 | 通い・訪問・泊まりの組み合わせ |
| 利用 | サービス提供の記録 | 日ごとの利用形態と、内容 |
| 変更 | 利用形態を変えたときの記録 | 変えた理由、本人・家族の同意 |
| 会議 | 運営推進会議の記録 | おおむね2か月に1回以上 |
| モニタリング | モニタリング記録 | 目標の達成状況 |
| 終了 | 終了時の記録 | 理由、引き継ぎ先 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
