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脊柱管狭窄症の看護計画|在宅の訪問看護計画書の看護目標・看護問題とO-P/T-P/E-P記載例249例

家から郵便ポストのあたりまで歩くと足がしびれて立ち止まり、前かがみでしばらく休むとまた歩ける方、台所に立っていると腰からお尻、ふくらはぎにかけて重くなり、夕食の支度を途中で椅子に座って続けている方、夜中に足のしびれで目が覚める方、「このまま歩けなくなるのでは」「手術をしたほうがいいのか分からない」と話す方、手術を受けて家に戻り、主治医から示された動作の注意を家でどう守ればよいか迷っている方――このような、脊柱管狭窄症と暮らしながら家で過ごす方の在宅の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士等と管理者を想定しています。

病院の看護計画や看護学生の看護過程では、入院中の痛みとしびれの観察、手術の前後の管理、検査の結果の読み取りを、看護師が一日を通して見ていく前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅の訪問看護計画書では、看護師がそばにいるのは一週間のうちのわずかな時間です。脊柱管狭窄症の症状は立っている時間、歩いた距離、姿勢、朝と夕方、寒さで変わるため、訪問の時間に座って話している様子だけでは暮らしの全体が分かりません。どこまで歩くとしびれが出るか、トイレに間に合わなかった日があるか、足の裏の感覚が鈍くなってきたか、夜に眠れているかに最初に気づくのは、多くはご本人とご家族です。そのため在宅の計画書には、訪問のない時間の様子をどう記録してもらうか、どの動作と姿勢をどう変えるか、何が起きたら誰に知らせるかを、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。

この記事で扱わないこと:診断の進め方、画像検査の読み方、薬の選び方と量の決め方、注射や手術の適応と方法、病棟での看護過程は扱いません。病院の看護計画ではなく、家の暮らしを支える訪問看護計画書に絞っています。また、ケアマネジャーが作るケアプラン(第2表)の文例と、途中で休むことを前提にした買い物・通院などの外出の組み立ては「脊柱管狭窄症の方のケアプラン文例」の記事で、家の中の転びやすい場所を一つずつ見ていく計画は「転倒予防の看護計画」の記事で、尿の出方の変化を中心にした計画は「排尿障害の看護計画」の記事で扱っているため、この記事では比較表と案内にとどめ、訪問看護が受け持つ観察・ケア・説明と、多職種へのつなぎ方を中心に書いています(いずれも関連記事を参照)。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。薬の名前と量、注射や手術の適応、検査の値とその基準、歩いてよい距離や運動の量、コルセットをつける時間、安静にする期間、手術の後に避ける動作の範囲など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医の指示書、手術をした医療機関の説明、薬剤師の説明、リハビリ職の評価に示された内容を、示されたとおりに計画書へ写すものとして「主治医の指示を確認」「処方のとおり」「指示書に記載の」「主治医・薬剤師に伝える」の形で書いています。

計画書の欄と通知の原文|脊柱管狭窄症の方の計画書で、欄ごとに何を書くか(欄別対照表2つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)に示されています。計画書の様式には「しびれ」や「歩ける距離」という名前の欄はありません。痛みとしびれの出方、姿勢と動作の工夫、体を動かすことを続ける支援、排尿・排便と足の感覚への気づき、手術の前後の説明は、目標・療養上の課題・支援内容・評価・訪問予定の職種・備考の各欄に分けて書き込みます。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は脊柱管狭窄症の方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) 脊柱管狭窄症の方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 要支援の方、要介護認定を受けていない方、手術の後に一時的に訪問を受ける方など、使っている制度が人によって違う。受けている支援の全体を記録書Ⅰに残す 使っている制度の確認先:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「疼痛が緩和する」「歩行距離が延長する」で止めず、ご本人が続けたい暮らしの場面(台所に立つ、畑の世話、孫の送り迎え、通院、近所の集まり)と、そのために本人と家族が続けること(姿勢と動作の工夫、リハビリ職が決めた運動、症状の記録、変化を知らせる)を主語にする 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 受診で治療が変わった日、注射の治療を受けた日、手術を受けて戻った日、コルセットや歩行車が入った日、転んだ日、排尿・排便の変化を主治医に伝えた日など、見直しのきっかけの日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題の文には、痛み・しびれ・足の力の入りにくさが、暮らしのどの場面を止めているか(立って料理をする、洗面所で前かがみになる、トイレまで歩く、夜に眠る等)を、根拠になる事実(訪問時に見た動作、本人の記録、家族の言葉)とあわせて書く。支援内容はO-P・T-P・E-Pに分け、薬は「処方のとおり」、運動は「リハビリ職の示した内容」、連絡は「指示書に記載の連絡の目安のとおり」の形で書く 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱとご本人の記録に残した事実(しびれが出るまでに歩けた場所、立って続けられた家事、夜に目が覚めた回数、運動を続けた日、本人の言葉)で書く。「疼痛自制内」「著変なし」の一語で終わらせない。寒い日と暖かい日、朝と夕方で違う場合は両方を書く 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 手術の傷の処置が続いている方、足の感覚が鈍くなって傷ややけどができている方などでは、指示書のとおりに処置の内容・種類とサイズ・1か月の必要量を写す。処置がなければ「無」とする 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 体を動かす練習と動作の工夫で理学療法士が、家事の手順と道具で作業療法士が訪問する方がいる。職種と曜日を書き、看護師とリハビリ職がそれぞれ何を受け持つか(看護師は症状の記録・排尿排便と足の皮膚・薬・気持ち・主治医への報告、リハビリ職は運動と動作と道具)がご本人に分かるようにする 職種ごとの受け持ちの伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 主治医の医療機関と次の受診の日、手術をした医療機関、主治医から示された連絡の目安と動作の注意の出どころ(書類の名前と日付)、薬局の連絡先、使っている杖・歩行車・コルセット、通所・ヘルパーの曜日、夜間の連絡先など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

記録書・報告書と理学療法士の訪問|作成者の欄、訪問日の印、別添の書き方を通知の原文で確かめる

脊柱管狭窄症の方では、体を動かす練習と動作の工夫のために理学療法士・作業療法士が訪問することが多く、看護師とリハビリ職の受け持ちを計画書と報告書のどこに書くかで迷いやすい場面です。手元の通知の原文から並べました。老企第55号の記載要領は、令和6年の改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙17)で変更のない箇所を、自治体が掲載している通知の写しから引いています。

確かめる点 通知の原文 脊柱管狭窄症の方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 「畑に出たい」「台所に立ち続けたい」などご本人の希望が目標に入っているか。主治医から示された連絡の目安と動作の注意が、O-PとE-Pに写されているか 希望を確かめた日と方法:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 ケアプランに位置づけられた歩行車・手すり・通所・ヘルパーの家事の受け持ちと、計画書の姿勢と動作の支援が食い違っていないか。外出の組み立てはケアプランの側にあり、計画書はその間の症状の記録と主治医への伝え方を受け持っているか ケアプランの受け取り日:(    )
計画書の作成者の欄(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 理学療法士が訪問する方で、作成者①(看護師等)と作成者②(リハビリ職)の両方が書かれているか。運動と姿勢の言葉が看護師とそろっているか 作成者の記入の確認者:(    )
報告書の訪問日の印(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(3)②ロ「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護を実施した場合は◇、急性増悪等により特別訪問看護指示書の交付を受けて訪問した日には△、緊急時訪問を行った日は×印とすること」 看護師の訪問日(○)と理学療法士の訪問日(◇)が分けて示されているか。転んだ日や痛みが強くなって緊急に訪問した日を決まりの印で示しているか 印の確認者:(    )
報告書の別添(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(3)⑪ロ「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容について具体的に記入すること」 運動の内容と続け方、立ち上がりと家事の姿勢の練習、ご家族に伝えた見守り方、しびれや痛みが強い日の練習の控え方(リスク管理)が具体的に書かれているか 別添の記入の担当:(    )
記録書Ⅰに書く項目(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(4)②。記録書Ⅰには「訪問看護の依頼目的、初回訪問年月日、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、生活歴、主治医等の情報、家族等の緊急時の連絡先、担当の介護支援専門員名、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 症状が出始めた時期とこれまでの治療の流れ(本人が話した範囲)、手術を受けた時期と医療機関、仕事・畑・家事の役割(生活歴)、主治医の医療機関と薬局が初回に残っているか 初回の聞き取り日:(    )
記録書Ⅱに書く項目(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「訪問年月日、訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入するとされています 訪問の時刻が分かるか(朝の動き始めか、午後の家事の後か)。痛みとしびれの範囲、歩き方、排尿・排便、足の皮膚の観察が、訪問ごとに同じ形で残っているか 記録の形の決まり:(    )
評価と見直し(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること」 受診で治療が変わったとき、手術を受けて戻ったとき、転んだとき、排尿・排便の変化を主治医に伝えたときに、評価と見直しを行い、その内容を記録書に残しているか 見直しの記録の担当:(    )
管理者の確認(医療保険) 保医発0327第10号 第一の1(3)。管理者は、指示書、「計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い、指定訪問看護の提供等に遺漏のないよう努めること」 看護師と理学療法士で姿勢と運動の言葉がばらばらになっていないか、報告書の本体と別添の内容がそろっているか、指示書の連絡の目安が連絡の紙に写っているかを管理者が確かめているか 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。老企第55号の記載要領の文言は、令和6年の改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙17)で変更のない箇所を、自治体が掲載している通知の写しから引いています。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

ケアプラン文例との違い|ケアマネジャーの第2表と、訪問看護計画書で書くこと(比較表)

同じ脊柱管狭窄症の方について、ケアマネジャーはケアプラン(居宅サービス計画書)を、訪問看護ステーションは訪問看護計画書を作ります。二つは内容が重なって見えますが、書く人・書く目的・書く粒度が違います。ケアプランの第2表は、暮らし全体の課題に対してどのサービスを誰が受け持つかを組み立てる表で、歩ける距離に合わせた休む場所や外出の手段もこちらで組み立てます。訪問看護計画書は、そのうち訪問看護が受け持つ部分を、観察・ケア・説明の手順と、主治医やリハビリ職への伝え方まで書く計画です。ケアプランの側の文例は「脊柱管狭窄症の方のケアプラン文例」の記事にまとめています。

観点 ケアプラン(第2表) 訪問看護計画書(この記事)
書く人 介護支援専門員 訪問看護ステーションの看護師等(リハビリ職が訪問する場合は作成者①②)
出発点 課題分析の結果と、本人・家族の生活に対する意向 主治医の指示書、訪問で見た療養状況、本人の希望、居宅サービス計画
課題の書き方 暮らしの困りごとと、それを本人がどうしたいか(「休みながらでも買い物を続けたい」等) 療養上の課題として、痛み・しびれ・足の力の入りにくさが、どの場面を止めているかを、観察の事実とあわせて書く
目標 長期目標・短期目標と、その期間 看護・リハビリテーションの目標。評価の時期に記録書の事実で確かめられる形にする
支援の書き方 サービス内容・サービス種別・頻度・期間(訪問看護、訪問リハビリ、福祉用具貸与、訪問介護、通所など) O-P(観察)・T-P(ケア)・E-P(説明・相談)を、場面と方法まで書く
歩ける距離の扱い 途中で休む場所、外出の手段、付き添い、休憩を前提にした外出の組み立てを決める しびれが出るまでの様子と休んで楽になるまでの様子を記録してもらう方法、その記録の見方、変化を主治医とリハビリ職に伝える方法を書く
排尿・排便と足の感覚 トイレの場所や福祉用具、通所での見守りを位置づける 尿や便の出方の変化、足の裏の感覚と皮膚の観察、主治医に知らせる様子の連絡の紙を書く
薬と手術 通院と服薬の支援を誰が受け持つか、受診の調整を位置づける 処方のとおりに続けられているかの確かめ方、主治医から示された手術の前後の説明を暮らしの言葉にする支援を書く
評価・見直し モニタリングで目標の達成とサービスの適否を見る 評価欄に目標ごとの事実を書き、報告書で主治医に伝え、必要に応じて計画書を見直す
この記事との関係 「脊柱管狭窄症の方のケアプラン文例」の記事で扱う この記事で扱う。ケアプランに沿って作る

※上記は当社が作成した比較のイメージです。様式と記載の取扱いは、保険者(指定権者)と事業所の運用に従ってください。

時期で書き分ける|手術をせずに付き合っている時期・手術を迷っている時期・手術の後に家に戻った時期(3つの時期の比較表)

脊柱管狭窄症の方の訪問看護は、同じ方でも時期によって計画書の重心が変わります。薬やリハビリで症状と付き合っている時期は、姿勢と動作の工夫、体を動かすことを続けること、症状の変化に気づくことが中心です。主治医から手術について説明を受けて迷っている時期は、説明を暮らしの言葉にして、聞きたいことを整理することが中心になります。手術を受けて家に戻った時期は、示された動作の注意を家の場面で守ることと、傷と体調の変化に気づくことが中心です。治療の方針と手術の要否の判断は主治医によるもので、計画書には主治医から受けた説明を写し、下の表の「暮らしの様子」を見て、どの書き方が合うかを選びます。

観点 手術をせずに付き合っている時期 手術について説明を受け、迷っている時期 手術を受けて家に戻った時期
暮らしの様子 歩くと足がしびれ、前かがみで休むと楽になる。立って続ける家事がつらい日と、そうでない日がある しびれや痛みで外に出る回数が減り、「手術をしたほうがいいのか」と繰り返し話す。家族の意見が分かれている 主治医から示された動作の注意を守りながら、家の中の動きを取り戻している。傷の様子と痛みを気にしている
計画書の重心 姿勢と動作の工夫、リハビリ職が決めた運動を続けること、症状の記録、排尿・排便と足の感覚への気づき 主治医の説明を暮らしの言葉にすること、聞きたいことを受診の前に整理すること、迷っている間の暮らしを保つこと 示された動作の注意を家の場面に写すこと、傷と体調の変化に気づくこと、手術の前にしていた暮らしに戻っていくこと
目標の主語 「台所の椅子と流しの足台を使って、夕食の支度を続けられる」 「聞きたいことを紙にまとめ、次の受診で主治医に聞ける」 「示された注意を守る起き上がり方で、朝の身支度を自分で済ませられる」
O-Pの重心 痛みとしびれの範囲、しびれが出るまでの様子、足の力、足の裏の感覚と皮膚、尿と便、眠り 本人の言葉と迷い、外出の回数、眠り、気持ちの沈み、症状の変わり方 傷の様子、痛み、しびれの変わり方、尿と便、注意を守れているか、起きている時間
T-Pの重心 立ち上がりと家事の姿勢をリハビリ職と同じ手順で一緒に行う、症状の記録表を一緒につける 主治医の説明を一緒に読み返し、聞きたいことを紙にする。家族の話し合いに同席する(本人の希望があるとき) 傷の処置は指示書のとおりに行う、注意に触れやすい場面の家具の高さと置き方をリハビリ職と見直す
E-Pの重心 動かなさすぎないことと、無理を重ねないことの両方。知らせてほしい体調の変化 迷っていることを主治医に伝えてよいこと。決めるのはご本人であり、看護師は材料をそろえる側であること 示された注意を家族も同じ言葉で知っておくこと。知らせてほしい傷と体調の変化
連携の相手 主治医、理学療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、薬局 主治医、ケアマネジャー、家族 主治医、手術をした医療機関、理学療法士・作業療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員
見直しのきっかけ しびれの範囲が広がった、転んだ、尿や便の出方が変わった、治療が変わった 手術を受けると決めた、受けないと決めた、症状が強くなった 注意が外れた、リハビリの段階が変わった、傷や体調に変化があった
評価で見る事実 しびれが出るまでに歩けた場所、立って続けられた家事、夜に目が覚めた回数、運動を続けた日 受診で聞けたこと、本人の言葉、眠りの様子 自分でできた身支度、注意を守れなかった場面、傷の様子、痛みの記録
起きやすい書き方のずれ 「疼痛自制内」「歩行安定」の一語で、どの場面で、どこまで、どう休んでいるかが書かれていない 「手術について検討中」とだけ書き、何に迷っているか、誰が何を確かめるかが書かれていない 「術後の注意事項を指導」とだけ書き、どの場面で、どの家具をどう変えたかが書かれていない

※上記は当社が作成した記載のイメージです。治療の方針、手術の要否と時期、手術の後に避ける動作の範囲、運動の内容と量は、主治医の指示と手術をした医療機関の説明、リハビリ職の評価に従ってください。

初回の訪問で確かめる12項目|症状の出始め・治療の流れ・歩ける範囲・暮らしの役割を記録書Ⅰと計画書に残す

最初の数回の訪問で確かめておくと、その後の計画書の課題がはっきりします。脊柱管狭窄症の方は、どこまで歩くとしびれが出て、どうすると楽になるかを、ご本人がいちばんよく知っていることが多くあります。看護師が一から説明するより先に、これまでの工夫と困りごとを聞くことから始めます。

確かめる項目 確かめる相手・書類 残す場所 貴事業所の記入欄
症状が出始めた時期と、これまでの治療の流れ(本人が話した範囲) ご本人、指示書 記録書Ⅰ(現病歴) 聞き取り日:(    )
今の治療の種類(飲み薬・貼り薬・注射・リハビリなど)と、受診の間隔 指示書、お薬手帳、ご本人 記録書Ⅰ、備考。薬の名前と量は書類から写す 写した書類:(    )
主治医から知らせるよう示されている様子と、連絡の目安 指示書、主治医、ご本人 備考(出どころと日付)、O-P、E-P、連絡の紙 指示の出どころ:(    )
痛みとしびれの場所(腰・お尻・太もも・ふくらはぎ・足の裏)と左右 ご本人、訪問時の観察 記録書Ⅰ、O-P 聞き取り日:(    )
しびれが出るまでの様子(家のどこまで、外のどこまで)と、楽になる姿勢 ご本人、ご家族 O-P、記録表の形 聞き取り日:(    )
尿と便の出方で、前と変わったと感じていること ご本人(話しにくい内容のため、場所と聞き方に配慮する) 記録書Ⅰ、O-P 聞き取り日:(    )
足の裏の感覚、つまずき、転んだことの有無 ご本人、ご家族、訪問時の観察 記録書Ⅰ、O-P 聞き取り日:(    )
手術の説明を受けているか、受けた手術とその医療機関、示された動作の注意 指示書、手術をした医療機関の情報、ご本人 記録書Ⅰ、備考、E-P 写した書類:(    )
リハビリ職から示されている運動と、続けられているか 理学療法士・作業療法士の評価、ご本人 T-P(続ける工夫として書く) 確認日:(    )
ほかの持病と、ほかの医療機関の受診 ご本人、お薬手帳 記録書Ⅰ(既往歴) 確認日:(    )
仕事・畑・家事・孫の世話・地域の集まりなど、ご本人の役割と楽しみ ご本人、ご家族 記録書Ⅰ(生活歴)、目標 聞き取り日:(    )
使っている杖・歩行車・コルセット・手すりと、住まいで困る場所 ご本人、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員 備考、T-P 道具の一覧:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。治療の内容、連絡の目安、動作の注意、運動の内容は、主治医の指示書と手術をした医療機関の説明、リハビリ職の評価に示された内容を、示されたとおりに写してください。

痛み・しびれ・歩き方の観察|訪問のときに見る12の様子とO-P・記録の形

脊柱管狭窄症の方の様子は、訪問の時刻と、訪問の前に何をしていたかで大きく違って見えます。座って話しているときは「痛みはない」と話す方でも、立って料理を続けると足が重くなり、外を歩くと途中で立ち止まることがあります。訪問のときに見ることと、訪問のない時間にご本人・ご家族に記録してもらうことを分けて決めておくと、暮らしの全体が見えてきます。どの様子をどのくらいの変化で主治医に知らせるかは、主治医の指示書に示された内容に従い、計画書には「指示書に記載の連絡の目安のとおり」の形で書きます。

見る様子 O-P(訪問のときに見ること) ご本人・ご家族に記録してもらうこと 記録に残す形
腰・お尻の痛み 痛む場所、座っているときと立っているときの違い、背を伸ばしたときと前かがみのときの違い 痛みが強かった時間帯と、その前にしていたこと 「台所に立って20分ほどで腰からお尻が重くなり、椅子に座ると楽になると本人が話した。座って話している間は痛みの訴えはなかった」
足のしびれの場所 しびれる場所(太もも・ふくらはぎ・足の甲・足の裏)、左右、前回との違い しびれた場所に丸をつける(体の絵の記録表) 「右のふくらはぎから足の甲にかけてしびれると話した。前回の訪問では右のふくらはぎだけだった」
しびれが出るまでの様子 家の中でしびれが出る場面、訪問時に一緒に歩いた範囲での様子 しびれが出て立ち止まった場所(家の中・外の目印) 「家から郵便ポストのあたりで右足がしびれて立ち止まり、前かがみで休むとまた歩けたと本人が話した。先月は角の店まで休まずに行けていた」
楽になる姿勢と休み方 どの姿勢で楽になるか、休んでから歩けるまでの様子 休んだ場所と、楽になったと感じた姿勢 「歩行車の座面に腰かけ、前かがみになると楽になると話した。立ったまま背を伸ばしていてもしびれは引かないと話した」
足の力の入りにくさ つま先や足首の上げにくさ、つまずき、スリッパが脱げる、立ち上がりの様子 つまずいた場所と時刻、スリッパが脱げた場面 「廊下で右のつま先がひっかかることがこの1週間で2回あったと本人が話した。主治医に報告した」
足の裏の感覚 足の裏が分厚く感じる、砂利を踏んでいるように感じるなどの本人の訴え、床の感じ方 感覚が変わったと気づいた日 「足の裏に紙が一枚はさまっているように感じると話した。お風呂の湯の温度は手で確かめるよう本人と決めた」
足の皮膚と爪 靴ずれ、傷、やけど、赤み、爪の様子(感覚が鈍くなった方では特に) 入浴や着替えのときに見た足の様子 「左のかかとに、こたつで温めすぎたような赤みがあった。本人は熱さを感じなかったと話した。主治医に報告した」
尿の出方 出にくさ、残っている感じ、間に合わなかったこと、回数の変化についての本人の話 トイレに間に合わなかった日、出にくかった日 「この3日ほど、尿が出きらない感じがすると本人が話した。指示書に記載の連絡の目安に沿って主治医に報告した」
便の出方 出た日、便意の感じ方、出しにくさ、痛み止めを使い始めてからの変化 便が出た日と様子(丸をつけるだけ) 「この1週間で便が出たのは2回と本人が話した。痛み止めを使い始めてから出にくくなったと話したため、薬剤師と主治医に伝えた」
夜の眠り しびれや足のつりで目が覚めるか、寝る姿勢、朝の疲れ 夜中に目が覚めた回数と理由 「夜中に右足がつって2回目が覚めたと話した。横向きで膝を軽く曲げると眠りやすいと話した」
薬を使ってからの様子 痛み止めの続き具合、眠気・ふらつき・胃の不快感など、薬剤師から説明された観察の項目 薬を使った時刻と、その後の様子 「痛み止めを使った日の午後は眠くなると話した。処方のとおりに使えているかを確かめ、薬剤師に伝えた」
気持ちと外に出る回数 本人の言葉、先の見通しへの不安、外に出る回数の変化 外に出た日、人と話した日 「『このまま歩けなくなったら』と話し、この2週間は近所の集まりに行っていないと話した。行けていたころの工夫を一緒に振り返った」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。観察の項目、主治医へ連絡する目安、薬の観察の項目は、主治医の指示書と薬剤師の説明に従ってください。記録の中の時間・回数は架空の利用者の例です。

「しびれあり」「間欠性跛行あり」で終わらせない|症状の書き方(悪い例と良い例8組)

歩くと足のしびれや痛みが出て、前かがみで休むと楽になる歩き方の変化は、「間欠性跛行あり」と一語で書かれがちです。一語で残すと、よくなっているのか変わらないのかが分かりません。どこまで歩いて・どこが・どうなり・どう休むと楽になったかを書くと、主治医とリハビリ職に同じ材料で伝えられます。ご本人がつける記録表は、書く量が多いと続かないため、丸をつけるだけ、場所の目印を書くだけの形にします。

場面 悪い例 良い例(そのまま使える文)
歩くと出るしびれ 「間欠性跛行あり」 家から郵便ポストのあたりまで歩くと右のふくらはぎがしびれて立ち止まり、歩行車の座面で前かがみに休むと、また歩けたと本人が話した
しびれの変化 「しびれ増強」 本人の記録表では、しびれが出て立ち止まる場所がこの2週間で家に近くなった。しびれの範囲は右のふくらはぎから足の甲まで広がったと話した
立っている時間 「立位保持困難」 流しの前に立って洗い物を続けると、15分ほどで腰からお尻が重くなり、椅子に座って続けていると話した。片足を足台にのせると少し長く立てると話した
腰の痛み 「腰痛自制内」 朝の起き上がりのときに腰が痛むが、横向きから起きる手順にしてからは、痛みで動けない朝はなかったと本人が話した
足の力 「下肢筋力低下」 右の足首を上げにくく、廊下の敷居でつま先がひっかかる場面が今週2回あった。訪問時の立ち上がりは、ひじ掛けを使って自分でできた
寒さと症状 「天候により増悪」 冷え込んだ朝は足のしびれが強く、午前中は家の中で過ごしたと話した。記録表のしびれの丸が、寒い日に多かった
夜の症状 「夜間不眠」 夜中に右足がつって目が覚める日が週に3日あったと話した。寝る前にリハビリ職の示した足首の運動をした日は、目が覚めなかったと話した
訪問の時刻との関係 「ADL自立」 午後の訪問では家の中の移動と着替えは自分でできている。ただし夕方の買い物の後は足のしびれが強いと本人が話しており、夕方の様子は記録表で確かめている

※上記は当社が作成した記載のイメージです。距離・時間・回数は架空の利用者の例で、目標や連絡の目安の数値を示すものではありません。主治医へ連絡する目安は、主治医の指示に従ってください。

すぐに主治医に知らせる様子を、指示書から写す|連絡の紙の作り方(8項目)

脊柱管狭窄症の方では、症状の波とは別に、早めに主治医に伝えてほしい様子について主治医から説明を受けていることがあります。どの様子を、どのくらいの急ぎで、誰に知らせるかは主治医が決めることで、看護師が区切りを決めて書くことは避けます。計画書と連絡の紙には、指示書や受診の説明に書かれた内容を、出どころ(書類の名前と日付)とあわせて写します。示されていない項目は、主治医に確かめてから書きます。

様子 O-Pの書き方の例 連絡の紙への写し方 貴事業所の記入欄
尿や便の出方の変化 O-P「尿の出にくさ、間に合わなかったこと、便の出方の変化を、訪問のたびに本人に聞く」 指示書に記載の連絡の目安と連絡先をそのまま写す。話しにくい内容なので、紙は本人が見やすい場所に置く 指示の出どころ:(    )
足の力が入りにくくなった O-P「つま先や足首の上げにくさ、つまずき、立ち上がりの変化を前回と比べて見る」 「いつもと違う足の力の入りにくさに気づいたとき」の連絡先と順番を写す 指示の出どころ:(    )
しびれや痛みの範囲が広がった O-P「しびれる場所を体の絵の記録表で前回と比べる」 主治医から示された連絡の目安を写す。次の受診まで待ってよい変化かどうかは、示された内容のとおりとする 指示の出どころ:(    )
股の間やお尻のまわりの感じ方の変化 O-P「主治医から観察を示されている場合は、示された項目のとおりに本人に聞く」 示された内容があれば写し、なければ主治医に確かめる 指示の出どころ:(    )
転んだ・転びそうになった O-P「転んだ場面、ぶつけた場所、その後の痛みとしびれの変化を聞く」 転んだときの連絡の順番(家族・訪問看護・主治医)を写す 連絡の順番:(    )
痛みで眠れない・動けない日が続く O-P「眠れなかった夜と動けなかった日を記録表で見る」 処方の薬を使っても続く場合の連絡先を、示された内容のとおりに写す 指示の出どころ:(    )
手術の傷の変化(手術の後の方) O-P「傷の赤み・腫れ・にじみ、熱っぽさを、指示書に記載の項目で見る」 手術をした医療機関から示された連絡先と目安を写す 指示の出どころ:(    )
薬を使ってからの体調の変化 O-P「薬剤師から説明された観察の項目で、眠気・ふらつき・胃の不快感などを聞く」 薬局と主治医の連絡先を写す。飲み方の相談は薬剤師へ、体調の変化は主治医へ、と分けて書く 相談先の分け方:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。主治医に知らせる様子、連絡の目安と急ぎの程度、連絡先は、主治医の指示書と手術をした医療機関の説明、薬剤師の説明に従ってください。

姿勢と動作を暮らしの場面に写す|起き上がり・立ち上がり・台所・洗面・掃除・入浴・トイレなど12動作のO-P・T-P・E-P

脊柱管狭窄症の方は、背を反らす姿勢や立ち続ける姿勢で症状が出やすく、前かがみや座る姿勢で楽になると話す方が多くいます。姿勢の工夫は、一覧を渡して「気をつけてください」と伝えるだけでは暮らしに定着しません。計画書には、ご本人が毎日している動作のうち、どれを、どの姿勢と手順に変えるかを書き、理学療法士・作業療法士が訪問している方はその評価と同じ言葉にそろえます。どこまで動いてよいか、どの姿勢を避けるかは、主治医の指示とリハビリ職の評価に従います。買い物や通院など外出の組み立て(休む場所・外出の手段)は「脊柱管狭窄症の方のケアプラン文例」の記事で扱っているため、ここでは家の中の動作で訪問看護が受け持つ観察・ケア・説明の書き方に絞っています。

動作 O-P(見ること) T-P(一緒に行うこと) E-P(説明・相談)
起き上がる 仰向けから腰をひねって起きていないか、朝の痛みとの重なり 横向きになってから腕で体を起こす手順を、理学療法士と同じ言葉で一緒に行う 痛みの強い朝は、布団の中で足首を動かしてから起きる流れを本人と決める
立ち上がる・座る 手すりやひじ掛けの使い方、立ち上がった直後のふらつき、低い椅子やソファ ひじ掛けのある椅子と座面の高さを理学療法士と確かめ、よく座る場所を決める 低いソファや床から立つ場面を減らす置き方を家族と決める
台所に立つ 立っていられる時間、腰と足が重くなる場面、流しと調理台の高さ 流しの前に足台を置く、下ごしらえは座って行うなど、立つ時間を分ける手順を本人と作業療法士で決める 疲れる前に座ることを、手順の中に入れて伝える
洗面所で顔を洗う・歯をみがく 前かがみの姿勢を続けていないか、洗面台の高さ、足元の濡れ 洗面台の前に椅子を置いて座ってできるかを一緒に試す 濡れた床で足の感覚が鈍いと滑りやすいことを伝え、足ふきマットの置き方を確かめる
掃除 掃除機を押す姿勢、かがむ動作、続けている時間 柄の長い道具を本人と選び、部屋ごとに日を分ける。ヘルパーとの分担を確かめる 一度に全部せず、途中で座る区切りを決めることを伝える
洗濯物を干す 高い所に干すときに背を反らしていないか、運ぶ重さ 干す高さを下げる、かごを台にのせるなど、背を反らさない手順を一緒に考える 重い物の洗濯は家族やヘルパーに頼む分担を確かめる
物を持ち上げる・運ぶ 床の物を腰を曲げて持っていないか、片手で重い物を運んでいないか よく使う物を腰の高さに置き直し、膝を曲げて持つ手順を理学療法士と確かめる 重い物は分けて運ぶ、配達を使うなど、持たずに済む工夫を家族にも伝える
トイレ トイレまで間に合うか、歩く距離、立ち上がりと座り、夜のトイレの動き 夜の通り道の明かりと手すりをケアマネジャー・福祉用具専門相談員と相談する 間に合わなかったことや出方の変化は恥ずかしいことではなく、知らせてほしい様子であることを伝える
入浴 浴槽をまたぐ動作、洗い場での前かがみ、湯の温度の感じ方、湯上がりの疲れ 入浴用の椅子と手すりの位置をケアマネジャー・福祉用具専門相談員と相談する。湯の温度は手で確かめる手順を決める 足の感覚が鈍いときはやけどに気づきにくいことを本人と家族に伝える
着替え 靴下・ズボンをはくときに立ったまま前かがみになっていないか、ふらつき 座って着替える場所と順番を決め、靴下をはく道具を作業療法士と試す 立ったまま片足で着替えないことを家族と確かめる
寝る姿勢 仰向けで腰が反っていないか、しびれや足のつりで目が覚めるか 横向きで膝を曲げる、膝の下に枕を入れるなど、楽な姿勢をリハビリ職と一緒に試す 夜にしびれで目が覚めた回数を記録表につけることを本人と決める
家の中を歩く 敷居や段差でのつまずき、スリッパ、夜の暗さ、歩く途中で立ち止まる場所 つまずいた場所を一緒に確かめ、段差と履物の見直しをケアマネジャーに伝える かかとのある履物にすること、立ち止まれる場所に椅子を置くことを本人と家族に伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。避ける姿勢、動いてよい範囲、道具の選び方は、主治医の指示とリハビリ職の評価、福祉用具専門相談員の提案に従ってください。

杖・歩行車・コルセットなどの道具|看護師が見ること・リハビリ職と福祉用具専門相談員につなぐこと(8品)

脊柱管狭窄症の方では、前かがみで押して歩ける歩行車や、座って休める椅子があると、続けられる動作が増えることがあります。一方で、道具を勧めることが「年寄り扱いされた」という気持ちにつながる方もいます。道具は「できなくなった印」ではなく「続けるための工夫」として、ご本人が選べる形で提案します。道具の選び方の評価はリハビリ職・福祉用具専門相談員が、コルセットなどの装具は主治医が受け持ち、看護師は使い方と合い方の気づきを伝えます。

道具 使う場面 看護師が見ること 計画書(T-P)の書き方の例
杖 家の中、近所 杖をつく側、長さが合っているか、つまずいた場面 T-P「杖の使い方を理学療法士の示した手順で一緒に確かめ、つまずいた場面を次の訪問で聞く」
座面つきの歩行車 近所への外出、家の前の道 押すときの姿勢、座面で休めているか、ブレーキの使い方 T-P「歩行車で休むときのブレーキのかけ方を本人と確かめ、合い方の気づきを福祉用具専門相談員に伝える」
コルセット(主治医の指示がある場合) 家事、外出 つける場面と時間が指示のとおりか、皮膚の赤み・かゆみ、締めつけの感じ T-P「コルセットは主治医の指示のとおりに使えているかを見て、皮膚の様子と本人の感じ方を主治医に伝える」
ひじ掛けのある椅子・座面を高くする台 居間、食卓 立ち上がりのときの手の使い方、座っている時間 T-P「よく座る椅子の高さを理学療法士と確かめ、立ち上がりの手順をそろえる」
流しの足台・台所の椅子 料理、洗い物 立っていられる時間、腰と足が重くなる場面 T-P「足台と椅子を使った料理の手順を作業療法士と決め、夕食の支度で使い方を確かめる」
手すり トイレ、浴室、玄関、廊下 つかむ場所、夜の動き、つまずいた場所 T-P「手すりの位置について、住宅改修の要否も含めてケアマネジャーに伝える」
入浴用の椅子 洗い場 前かがみで洗う姿勢、立ち上がり、湯上がりのふらつき T-P「入浴用の椅子の高さと置き方を福祉用具専門相談員と相談し、入浴の手順を本人と決める」
靴下をはく道具・柄の長い道具 着替え、物を拾う 足先に手が届くか、使う手順 T-P「靴下をはく道具を作業療法士の示した手順で本人と一緒に使う」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。道具と装具の選び方、コルセットをつける時間と場面、福祉用具貸与・購入や住宅改修の要否は、主治医の指示と、リハビリ職・福祉用具専門相談員・ケアマネジャーの判断、居宅サービス計画に従ってください。

体を動かすことを続ける支援|リハビリ職が決めた運動を、訪問のない日にも続ける(10項目)

脊柱管狭窄症の方は、しびれや痛みを避けて動かなくなるうちに、足の力が落ち、さらに歩ける範囲が狭くなることがあります。どの運動を、どのくらい行うかは主治医の指示と理学療法士の評価で決まり、看護師が運動の内容や回数を決めて書くことは避けます。看護師が受け持つのは、示された運動を訪問のない日にも続けられているかを見て、続けにくい理由を一緒に探し、症状の変化をリハビリ職と主治医に伝えることです。

項目 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例
示された運動の内容 理学療法士から示された運動を、本人が言えるか・やって見せられるか O-P「理学療法士の示した運動を本人がやって見せられるかを訪問時に確かめる」
続けた日の記録 運動をした日に丸がついているか、続かなかった日の理由 T-P「運動をした日に丸をつける暦を本人と作り、訪問のたびに一緒に見る」
運動をする時刻 痛みの少ない時間帯に組み込めているか T-P「朝の着替えの後など、毎日している動作の後に運動を置く組み立てを本人と決める」
運動の後の様子 運動の後にしびれや痛みが強くなっていないか O-P「運動の後のしびれと痛みの変化を聞き、理学療法士に伝える」
運動を控える日 痛みが強い日、体調の悪い日にどうするかを本人が知っているか E-P「理学療法士から示された、運動を控える日の目安を本人と家族に伝える」
起きている時間 横になっている時間が長くなっていないか O-P「日中に横になっていた時間を本人と家族に聞き、前回と比べる」
家事と役割 運動とは別に、家事や畑仕事で体を動かせているか T-P「本人が続けたい家事を、姿勢の工夫と一緒に一日の予定に入れる」
通所での活動 通所で行っている運動と、家での運動が食い違っていないか T-P「通所での運動の内容をケアマネジャーを通じて確かめ、家の運動とそろえる」
寒い日の過ごし方 冷え込む日に動かない日が続いていないか E-P「寒い日は家の中でできる運動に切り替えることを、理学療法士の示した内容で伝える」
続けられない理由 痛みへの不安、やり方が分からない、意味が分からないなど E-P「続けられない理由を本人と探し、理学療法士に伝えて運動の形を相談する」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。運動の内容・回数・強さ、控える日の目安は、主治医の指示と理学療法士の評価に従ってください。

体を動かすことの書き方|「リハビリ継続」「筋力維持」で終わらせない(悪い例と良い例8組)

場面 悪い例 良い例(そのまま使える文)
運動の続き具合 「自主トレ継続中」 理学療法士の示した足首と太ももの運動を、この2週間で10日行ったと本人の暦に丸がついていた。続かなかった日は雨で膝が痛んだ日だった
運動の覚え方 「運動指導実施」 示された運動のうち2つは本人がやって見せられた。3つ目は手順を忘れていたため、写真つきの紙を理学療法士に作ってもらうことにした
運動の後の様子 「運動後疼痛なし」 運動の後に腰の痛みが強くなったことはないと本人が話した。終わった後は足が軽く感じると話した
起きている時間 「臥床傾向」 先月から昼食の後に横になる時間が長くなり、夕方まで起きない日が週に2日あると家族が話した。理学療法士と主治医に伝えた
家事で動く 「ADL維持」 台所の椅子を使って夕食の支度を毎日続けている。畑の草取りは低い腰かけを使い、30分ほどで切り上げていると本人が話した
立ち上がり 「起居動作自立」 ひじ掛けのある椅子からは手を添えて自分で立てる。居間の低いソファからは立ち上がりに時間がかかり、家族が手を貸していた
寒い日 「活動性低下」 冷え込んだ3日間は家から出ず、運動もしなかったと話した。家の中でできる運動の形を理学療法士と相談することにした
続けられない理由 「意欲低下」 「動くとしびれがひどくなりそうで怖い」と話し、運動を控えていた。運動の後にしびれが強くならないかを一緒に確かめながら行うことにした

※上記は当社が作成した記載のイメージです。回数・時間は架空の利用者の例で、運動の量の目安を示すものではありません。運動の内容と量は理学療法士の評価と主治医の指示に従ってください。

痛みと薬を続ける支援|薬の名前と量を書かずに計画書に書く(10項目)

脊柱管狭窄症の方は、飲み薬・貼り薬などを使いながら暮らしていることが多く、ほかの持病の薬と合わせて種類が多くなる方もいます。薬の名前・量・使う間隔は処方と薬剤師の説明に示されたもので、計画書には「処方のとおり」とし、看護師が受け持つ部分として、続けられているか、使った後の様子、困りごとを薬局と主治医に伝えることを書きます。

項目 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例
処方のとおりに使えているか 薬の残りの数、使った日、本人の暦への書き込み O-P「薬の残りの数と使った日を、お薬手帳と本人の暦で確かめる」
痛み止めの使い方 痛む時だけ使う薬の使い方を、本人が説明どおりに理解しているか E-P「痛む時に使う薬の使い方は、薬剤師の説明のとおりであることを本人と確かめる」
使った後の様子 眠気、ふらつき、胃の不快感、便の出方など、薬剤師から説明された観察の項目 O-P「薬剤師から説明された観察の項目で、使った後の様子を聞く」
貼り薬 貼る場所、皮膚の赤みやかゆみ、背中に自分で貼れるか T-P「貼る場所の皮膚を訪問のたびに見て、貼りにくさを家族と分担する」
ほかの医療機関の薬 ほかの医療機関でもらっている薬、市販の痛み止めの使用 O-P「ほかの医療機関の薬と市販の薬を、お薬手帳で確かめる」
処方が変わったとき 受診で薬が変わったか、変わった後の様子 O-P「受診の後に、お薬手帳と薬剤情報提供書で変わった点を確かめる」
痛みの記録 痛みが強かった時間帯と、薬を使った時刻の関係 T-P「痛みと薬を使った時刻を同じ記録表につけ、受診のときに本人が主治医に見せられるようにする」
使い忘れ・使いすぎ 使い忘れた日、痛い日に多く使っていないか E-P「自己判断で増やしたり止めたりせず、主治医・薬剤師に相談するよう伝える」
注射の治療を受けた後 受けた日、その後の痛みとしびれの変化 O-P「注射の治療を受けた日と、その後の症状の変化を記録表で見て、主治医に伝える」
薬への思い 「効かない」「飲みたくない」などの本人の言葉 E-P「効き方の感じ方と迷いを、受診の前に紙にまとめて主治医に伝えるよう一緒に整理する」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬の種類・量・使い方、使った後の観察の項目、注射の治療の内容は、主治医の指示書と薬剤師の説明に従ってください。

症状の記録表の形|ご本人がつけ続けられる記録(6つの形)

脊柱管狭窄症の方の様子は訪問のない時間に変わるため、ご本人の記録が評価と主治医への報告の土台になります。一方で、書く量が多い記録表は数日で止まります。丸をつける・目印の場所を書く・時刻を書くだけの形にし、ご本人が選んだものを使います。

記録の形 記録すること 向いている方 看護師の見方
体の絵に丸をつける その日にしびれた場所・痛んだ場所 しびれの範囲が変わりやすい方 丸の場所が広がっていないかを前の週と比べる
家のまわりの目印を書く しびれが出て立ち止まった場所(郵便ポスト、角の店など) 近所を歩くことを続けている方 立ち止まる場所が家に近くなっていないかを見る
暦に丸をつける 運動をした日、便が出た日、外に出た日 書くことが苦手な方 続いた日と続かなかった日の理由を訪問時に聞く
夜の欄に回数を書く 夜中に目が覚めた回数と理由(しびれ・足のつり・トイレ) 夜の症状がある方 理由ごとに分けて見て、伝える相手を分ける
痛みと薬を同じ欄に書く 痛みが強かった時刻と、薬を使った時刻 痛む時に使う薬がある方 使った時刻と痛みの関係を、受診の前にまとめる
家族が書く欄 家族が気づいた歩き方の変化、つまずき、元気のなさ ご本人が記録をつけにくい方 本人の記録と家族の記録の違いを見る

※上記は当社が作成した記載のイメージです。記録の項目は、主治医の指示書と利用者の状態に合わせてください。

尿・便の出方と足の皮膚|感覚の変化に気づく観察(10項目)

脊柱管狭窄症の方では、歩くときの痛みやしびれのほかに、尿や便の出方の変化、足の裏の感覚の鈍さが話題になることがあります。尿や便のことは話しにくく、ご本人から言い出さないことも少なくありません。訪問のたびに同じ聞き方で、恥ずかしくない場所で聞くことを計画書に書いておきます。どの変化を、どのくらいの急ぎで主治医に知らせるかは、主治医の指示書に示された内容に従います。尿の出方の変化を中心にした計画は「排尿障害の看護計画」の記事で扱っています。

項目 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例
尿の出にくさ 出始めるまでの時間、出きらない感じ、勢いの変化についての本人の話 O-P「尿の出方の変化を訪問のたびに同じ聞き方で聞き、指示書に記載の連絡の目安のとおりに主治医に伝える」
間に合わないこと トイレまでに間に合わなかった日、下着の汚れ、夜のトイレの回数 O-P「間に合わなかった日と場面を聞く。歩く距離との関係も見る」
便の出方 便が出た日、便意の感じ方、出しにくさ O-P「便が出た日を暦の丸で見て、出方の変化を聞く」
便秘への工夫 水分と食事、体を動かす時間、薬の影響 T-P「水分と食事の取り方、トイレに座る時刻を本人と決める。薬の影響が考えられるときは薬剤師と主治医に伝える」
聞き方の工夫 家族のいる場で話しにくそうにしていないか T-P「尿と便のことは、本人の希望する場所と言葉で聞く」
足の裏の感覚 足の裏が分厚く感じる、床の感じが分かりにくいなどの訴え O-P「足の裏の感じ方の変化を聞き、前回と比べる」
足の皮膚と傷 靴ずれ、小さな傷、たこ、爪の様子 O-P「入浴の後や靴下を脱いだときに足の皮膚を見る。傷は指示書のとおりに手当てする」
やけどの防ぎ方 湯たんぽ、こたつ、電気毛布、湯の温度 E-P「感覚が鈍いときは熱さに気づきにくいことを伝え、温める道具の使い方を本人と家族で決める」
履物 かかとのない履物、きつい靴、靴の中の小石 T-P「履物の見直しを本人と考え、福祉用具専門相談員に相談する」
家族の気づき 家族が見た下着の汚れ、トイレの回数、足の傷 E-P「家族が気づいたことを、本人の了解のうえで訪問看護に伝えてほしいことを伝える」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。主治医へ連絡する目安と急ぎの程度、傷の手当ての方法は、主治医の指示書に従ってください。

手術を迷っている方・手術の後に家に戻った方|主治医の説明を暮らしの言葉にする(10項目)

主治医から手術について説明を受けた方は、「手術をすれば歩けるようになるのか」「年齢的に大丈夫なのか」「家族に迷惑をかける」と迷うことがあります。手術を受けるかどうかを決めるのはご本人で、手術の要否と方法を説明するのは主治医です。看護師は、受けた説明を暮らしの言葉にし、聞きたいことを整理し、迷っている間の暮らしを保つ支援を書きます。手術を受けて家に戻った方では、示された動作の注意と傷の観察を家の場面に写します。

場面 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例
手術の説明を受けた後 本人が説明をどう受け取ったか、分からなかった言葉 T-P「受けた説明を本人の言葉で話してもらい、分からなかったことを紙に書き出す」
聞きたいことの整理 入院の期間、手術の後の暮らし、家族の付き添いなど本人が気にしていること T-P「聞きたいことを受診の前に紙にまとめ、本人が主治医に見せられるようにする」
家族の意見が分かれている 家族それぞれの思い、本人の思い E-P「本人の希望があるときは家族の話し合いに同席し、主治医の説明を確かめる材料をそろえる」
迷っている間の暮らし 外に出る回数、家事、眠り、気持ちの沈み O-P「迷っている間も、続けたい家事と外出が続けられているかを見る」
手術を受けないと決めたとき 本人の思い、続けたい暮らし T-P「決めたことを尊重し、姿勢と動作の工夫と運動を続ける計画に見直す」
退院の前 手術をした医療機関から示された動作の注意、傷の扱い、連絡先 O-P「退院時の説明の書類を受け取り、注意と連絡先を計画書の備考に出どころつきで写す」
家に戻った最初の週 傷の様子、痛み、しびれの変わり方、起きている時間 O-P「傷の様子を指示書に記載の項目で見て、痛みとしびれの変化を記録表で確かめる」
コルセットの扱い つける場面と時間が示されたとおりか、皮膚の赤み T-P「示された場面でつけられているかを見て、つけ外しの手順を家族と確かめる」
リハビリの段階 リハビリ職から示された段階と、家での動きが合っているか T-P「リハビリ職と、家で行ってよい動作の範囲を同じ言葉にそろえる」
「手術をしたのに」という気持ち しびれが残っていることへの落胆、本人の言葉 E-P「残っている症状への思いを聞き、主治医に伝えて説明を受ける場をつくる」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。手術の要否と方法、入院の期間、手術の後に避ける動作の範囲と期間、コルセットの使い方は、主治医と手術をした医療機関の説明に従ってください。

手術の後に示された動作の注意を、家の場面に写す(8場面)

退院のときに受け取る動作の注意は、一般的な言葉で書かれていることが多く、家のどの場面で気をつけるかまではご本人に伝わりにくいことがあります。下の表は、示された注意そのものではなく、注意に触れやすい家の場面を並べたものです。どの動作をどこまで避けるかは、手術をした医療機関の説明のとおりに写します。

家の場面 注意に触れやすい動き 計画書の書き方の例
布団・ベッドから起きる 腰をひねる、勢いをつけて起きる T-P「示された起き上がり方を、本人の寝ている場所で一緒に行う」
床の物を拾う 腰を曲げて拾う T-P「よく使う物の置き場所を腰の高さに移し、拾う道具の使い方を作業療法士と確かめる」
靴下・ズボンをはく 立ったまま前かがみになる T-P「座って着替える場所を決め、示された方法で着替えられるかを見る」
洗面所 洗面台に向かって前かがみを続ける T-P「洗面台の前に椅子を置くかどうかをリハビリ職と相談する」
台所 下の棚の物を取る、重い鍋を持つ T-P「下の棚の物を上に移し、鍋を持つ場面を家族と分担する」
トイレ 低い便座から立つ、拭くときにひねる T-P「便座の高さと手すりをケアマネジャー・福祉用具専門相談員と相談する」
入浴 浴槽をまたぐ、洗い場で前かがみになる E-P「入浴を始めてよい時期と方法は手術をした医療機関の説明のとおりであることを確かめる」
車の乗り降り 腰をひねって乗る、低い座席 E-P「受診のときの乗り降りの方法を、示された注意に沿って家族と確かめる」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。避ける動作、その期間、入浴を始めてよい時期は、手術をした医療機関の説明と主治医の指示に従ってください。

背景と暮らし別|脊柱管狭窄症の看護目標の記載例(12の背景・長期と短期あわせて24例)

目標は、看護師が行うこと(「疼痛の観察を行う」)でも、体の働きだけ(「疼痛が緩和する」「歩行距離が延長する」)でもなく、ご本人が続けたい暮らしと、そのために家で何をするかを主語にします。脊柱管狭窄症は症状と長く付き合うことが多いため、「しびれがなくなる」ではなく「工夫して続けられる」の形にすると、ご本人の実感と合いやすくなります。短期目標は、次の評価の時期までに記録書Ⅱやご本人の記録表、ご家族の話で確かめられる姿にしておきます。

背景 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
台所に立つと腰と足が重くなる・夫と二人暮らし 家族の食事の支度を、立つ時間を分ける工夫で続けられる 流しの足台と台所の椅子を使い、夕食の支度を自分でできる 支度ができた日、座って休んだ場面、本人の話
畑の世話を続けたい 姿勢の工夫と休み方で、畑の世話を季節ごとに続けられる 低い腰かけを使い、区切りの時刻を決めて草取りができる 畑に出た日、その後のしびれと痛み、本人の話
近所の集まりに行かなくなった 人と会う楽しみを、症状と付き合いながら持てる 歩行車で休みながら、週に一度の集まりに行ける 集まりに行けた日、しびれで立ち止まった場所の記録
夜にしびれと足のつりで目が覚める 夜に眠れて、日中を起きて過ごせる 寝る姿勢と寝る前の運動を決め、目が覚めた回数を記録表につけられる 夜の欄の回数、昼寝の長さ、本人の言葉
足の裏の感覚が鈍くなってきた 足の傷ややけどに早く気づいて、相談できる 入浴の後に足を見る習慣をつけ、湯の温度を手で確かめられる 足の皮膚の様子、本人が気づいて知らせた場面
尿が出きらない感じがあると話した 尿と便の出方の変化に気づき、ためらわずに知らせられる 知らせてほしい様子と連絡先を紙で確かめ、本人が言える 本人が言えた内容、知らせた場面の有無
つまずきが増えてきた 家の中の移動を、転ばずに自分で続けられる つまずいた場所の段差と履物を見直し、夜のトイレまで明かりをつけて歩ける つまずいた回数と場所、履物、家族の話
理学療法士の運動が続かない 体を動かすことを、暮らしの中で続けられる 示された運動を朝の着替えの後に行い、暦に丸をつけられる 暦の丸の数、続かなかった日の理由
手術を迷っている 主治医の説明を受けて、自分で納得して治療を選べる 聞きたいことを紙にまとめ、次の受診で主治医に聞ける 受診で聞けたこと、本人の言葉、眠りの様子
手術を受けて家に戻った 示された注意を守りながら、手術の前にしていた暮らしを取り戻せる 示された起き上がり方と着替え方で、朝の身支度を自分で済ませられる 自分でできた身支度、注意を守れなかった場面、傷の様子
痛み止めの使い方が分かりにくい 薬を処方のとおりに続け、困りごとを相談できる 痛みと薬を使った時刻を記録表につけ、受診のときに主治医に見せられる 記録表のつけ方、薬の残りの数、受診での相談
高齢の夫が家事のほとんどを担っている 夫に頼りすぎず、ご本人と夫が無理なく家の暮らしを続けられる 本人が続ける家事と、ヘルパーに頼む家事を分けて紙にし、夫と確かめられる 分担の紙の使われ方、夫の話、ヘルパーの記録

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、リハビリ職の評価、居宅サービス計画、事業所の様式に従ってください。

脊柱管狭窄症の看護目標・短期目標を書くときの決まり(8項目)

決まり 避けたい書き方 直した書き方
主語は本人(または家族)にする 「歩行訓練の指導を行う」 示された運動を朝の着替えの後に行い、暦に丸をつけられる
体の働きではなく、暮らしの場面で書く 「下肢筋力を維持する」 ひじ掛けのある椅子から、自分で立ち上がって台所に行ける
「なくなる」でなく「工夫して続けられる」の形にする 「下肢のしびれが消失する」 歩行車で休みながら、週に一度の集まりに行ける
症状の波を前提にする 「毎日散歩ができる」 寒い日は家の中の運動に切り替えて、体を動かす日を続けられる
距離や時間を看護師が決めて目標にしない 看護師が歩く距離や立っていられる時間の区切りを決めて書く しびれが出て立ち止まった場所を記録表につけ、受診のときに主治医に見せられる
確かめる方法が決まっている 「ADLが維持される」 夕食の支度を自分でできる(訪問時と記録表で確かめる)
家族の目標を本人の目標と分ける 「家族が疾患を理解する」 夫が、つまずいた場所の記録を見て、履物と明かりを一緒に見直せる
気持ちも目標にできる 「不安の軽減を図る」 歩けなくなる不安を訪問のときに話し、聞きたいことを受診で聞ける

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉を目標の文に置き換える(「畑に出たい」「迷惑をかけたくない」など8例)

ご本人・ご家族の言葉 長期目標の文 短期目標の文
「畑に出たい」 姿勢の工夫と休み方で、畑の世話を季節ごとに続けられる 低い腰かけを使い、区切りの時刻を決めて草取りができる
「台所は自分の場所」 家族の食事の支度を、立つ時間を分ける工夫で続けられる 下ごしらえを座って行い、夕食の支度を自分でできる
「家族に迷惑をかけたくない」 頼むことと自分ですることを選んで、家の暮らしを続けられる 自分で続ける家事と頼む家事を紙に分け、家族と確かめられる
「このまま歩けなくなるのが怖い」 体を動かすことを続けて、行きたい場所に行ける 示された運動を続け、行けていた場所を記録表で振り返れる
「手術はしたくない」 主治医と相談しながら、手術をせずに暮らしを続ける工夫を持てる 手術をしない場合に続ける工夫を主治医に聞き、紙にまとめられる
「夜くらいはぐっすり眠りたい」 夜に眠れて、日中を起きて過ごせる 楽な寝る姿勢を見つけ、目が覚めた回数を記録表につけられる
家族「一人で出かけて転ばないか心配」 本人と家族が、外に出ることの心配と楽しみの両方を話し合える つまずいた場面を家族と共有し、出かけるときの連絡の方法を決められる
家族「どこまで手伝えばいいのか分からない」 家族が、本人のできることを待ちながら、負担の大きいところを手伝える 重い物を運ぶ、下の棚の物を取るなど、手伝う場面を紙で確かめられる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、居宅サービス計画に従ってください。

「慢性疼痛」「身体可動性障害」「転倒転落リスク状態」などの看護問題・看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)

病院や看護過程で使う看護問題・看護診断名は、そのまま在宅の計画書の課題欄に書くと、家で何が起きているかが伝わりません。課題欄には、症状が、暮らしのどの場面を、どう止めているかを、根拠になる事実とあわせて一文で書きます。

看護問題・看護診断名 在宅の課題欄の一文 根拠にする事実
慢性疼痛 流しの前に立つと腰からお尻が重くなり、夕食の支度を途中でやめる日が週に3日ある 本人の話、記録表、夫の話
身体可動性障害 歩くと右のふくらはぎがしびれて立ち止まり、近所の集まりに行かなくなっている しびれで立ち止まった場所の記録、本人の言葉
転倒転落リスク状態 右のつま先が廊下の敷居にひっかかる場面が今週2回あり、夜のトイレは暗い廊下を歩いている 本人の話、訪問時に見た歩き方と廊下の明かり
睡眠パターン混乱 夜中に足のしびれとつりで目が覚める日が週に3日あり、昼食の後に長く横になっている 夜の欄の回数、家族の話
排尿障害 尿が出きらない感じがあると話し、外に出るのを控えるようになっている 本人の話、外出の回数
皮膚統合性障害リスク状態 足の裏の感覚が鈍く、こたつで温めすぎたような赤みがかかとにあった 訪問時の足の観察、本人の話
不安 「このまま歩けなくなるのでは」と話し、手術について主治医に聞きたいことを言えずにいる 本人の言葉、受診の後の話
非効果的健康管理 痛む時に使う薬の使い方が分かりにくく、痛い日に続けて使っていたと話した 薬の残りの数、お薬手帳、本人の話

※上記は当社が作成した記載のイメージです。回数・場面は架空の利用者の例です。実際の課題は、主治医の指示書と訪問で確かめた事実をもとに書いてください。

療養上の課題・支援内容|脊柱管狭窄症のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

O-P(観察)・T-P(ケア)・E-P(説明・相談)は、「疼痛の観察」「ADL指導」「服薬指導」の一語で止めず、どの場面で・何を・どの方法で・誰に伝えるかまで書きます。薬の使い方、連絡の目安、運動の内容、動いてよい範囲は、すべて「処方のとおり」「主治医の指示を確認」「指示書に記載の」「リハビリ職の示した」の形にしています。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
流しの前に立つと腰からお尻が重くなり、夕食の支度を途中でやめる日が週に3日ある 立っていられる時間、重くなる場面、座ると楽になるかを訪問時と記録表で見る 足台と台所の椅子を置き、下ごしらえを座って行う手順を作業療法士と一緒に決める 疲れる前に座ってよいこと、支度の一部を夫に頼む形を本人と夫に伝える
歩くと右のふくらはぎがしびれて立ち止まり、近所の集まりに行かなくなっている しびれが出て立ち止まった場所と、休んで楽になるまでの様子を記録表で見る 記録表の目印をまとめて理学療法士と主治医に伝え、歩行車の合い方を福祉用具専門相談員に伝える 外出の組み立てはケアマネジャーと相談することを伝え、記録のつけ方を本人と確かめる
右のつま先が廊下の敷居にひっかかる場面が今週2回あった 足首の上げにくさ、つまずいた場所と時刻、履物を見る つまずいた場所を一緒に確かめ、段差と夜の明かりの見直しをケアマネジャーに伝える。足の力の変化を主治医に報告する かかとのある履物にすること、足の力が急に入りにくくなったときに知らせることを伝える
夜中に足のしびれとつりで目が覚める日が週に3日ある 目が覚めた回数と理由、寝る姿勢、昼寝の長さを記録表で見る 楽な寝る姿勢をリハビリ職と一緒に試し、寝る前に示された運動を行う流れを本人と決める 眠りの変化が続くときは主治医に伝えることを確かめる
尿が出きらない感じがあると話し、外に出るのを控えている 尿の出方と間に合わなかった日を、訪問のたびに同じ聞き方で聞く 指示書に記載の連絡の目安のとおりに主治医に報告し、指示を記録書Ⅱに写す 出方の変化は知らせてほしい様子であることと、連絡先を紙で伝える
痛み止めを使い始めてから便が出にくくなったと話している 便が出た日を暦の丸で見て、出しにくさと食事・水分を聞く トイレに座る時刻と水分の取り方を本人と決め、薬との関係を薬剤師と主治医に伝える 自己判断で薬を止めずに相談するよう伝える
足の裏の感覚が鈍く、かかとに温めすぎたような赤みがあった 足の皮膚・傷・赤みを訪問のたびに見る 赤みの手当ては主治医の指示のとおりに行い、温める道具の使い方を本人と家族で決める 熱さに気づきにくいことを伝え、入浴の後に足を見る習慣を本人と決める
理学療法士の示した運動を、訪問のない日は行っていない 運動をした日の丸、やって見せられるか、続かない理由を見る 運動を朝の着替えの後に置く組み立てを本人と決め、写真つきの紙を理学療法士に依頼する 動かないことで足の力が落ちることもあると、理学療法士の説明につなげて伝える
痛む時に使う薬の使い方が分かりにくく、痛い日に続けて使っていたと話した 薬の残りの数、使った日と時刻、使った後の様子を見る 使い方を薬剤師に確かめ、痛みと薬を同じ欄に書く記録表を一緒に作る 薬剤師の説明のとおりに使うこと、自己判断で増やさずに相談することを伝える
「このまま歩けなくなるのでは」と話し、手術について主治医に聞きたいことを言えずにいる 本人の言葉、眠り、外に出る回数、気持ちの沈みを見る 受けた説明を本人の言葉で話してもらい、聞きたいことを受診の前に紙にまとめる 迷っていることを主治医に伝えてよいこと、決めるのは本人であることを伝える
手術を受けて家に戻り、床の物を拾うときに腰を曲げる場面がある 示された注意に触れやすい場面を、家の動作の中で見る よく使う物を腰の高さに移し、拾う道具の使い方を作業療法士と確かめる 示された注意を家の場面の言葉にした紙を作り、本人と家族で確かめる
高齢の夫が家事のほとんどを担い、夫自身の腰の痛みが強くなっている 夫の疲れと体調、家事の分担、夫の言葉を聞く 本人が続ける家事と頼む家事を分ける紙を作り、ヘルパーの受け持ちをケアマネジャーと相談する 夫に、手伝いすぎずに待つ場面と、手を貸す場面を伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬の使い方、観察の項目と連絡の目安、運動の内容、動いてよい範囲、手術の後の動作の注意は、主治医の指示書・手術をした医療機関の説明・リハビリ職の評価・薬剤師の説明に従ってください。

気持ちの面を計画書に書く|歩けなくなる不安・手術の迷い・外に出なくなる寂しさ(8場面)

脊柱管狭窄症の方は、行けていた場所に行けなくなること、手術を受けるかどうか決められないこと、家族に頼ることへの気兼ねを話すことがあります。外に出る回数が減ると、人と話す機会も減っていきます。気持ちの面は、評価の言葉(「受容できていない」「意欲低下」)ではなく、ご本人の言葉と暮らしの事実で書きます。気持ちの落ち込みや眠りの変化が続くときは、主治医に伝えます。

場面 課題欄・記録の書き方の例 支援内容(T-P・E-P)の例
歩けなくなる不安 「このまま歩けなくなるのでは」と話し、夜に考えて眠れない日がある T-P「行けていた場所と続けている工夫を記録表で一緒に振り返る」
手術の迷い 「手術をしたほうがいいのか分からない」と、訪問のたびに話す T-P「迷っている理由を一緒に書き出し、受診の前に紙にまとめる」
外に出なくなる寂しさ 「みんなに会いたいけれど、途中で立ち止まるのが恥ずかしい」と話した E-P「外出の組み立てをケアマネジャーと相談することを本人の了解のうえで伝える」
家族への気兼ね 「迷惑をかけたくない」と話し、重い物も自分で運んでいる E-P「頼むことを本人が選べる形にし、分担の紙で家族と確かめる」
分かってもらえないつらさ 「座っているときは何ともないから、怠けていると思われる」と話した E-P「本人の了解のうえで、しびれで立ち止まる記録を家族と一緒に見る」
手術の後の落胆 「手術をしたのに、しびれが残っている」と話した E-P「残っている症状への思いを聞き、主治医に伝えて説明を受ける場をつくる」
役割を失う悲しさ 「畑ができないなら、自分の居場所がない」と話した T-P「腰かけと区切りの時刻を決め、続けられる畑仕事の形を一緒に考える」
できたことの喜び 集まりに行けた日、「久しぶりにみんなと笑った」と話した T-P「できたことを記録表に書き、評価のときに本人と振り返る」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。気持ちの落ち込みや眠りの変化への対応は、主治医の判断によります。

多職種へのつなぎ方|主治医・薬局・リハビリ職・ケアマネジャー・福祉用具・ヘルパー・通所・家族で誰が何を受け持つか(分担表10項目)

脊柱管狭窄症の方の支援には、病院と在宅の多くの人が関わります。同じことを何人もが別々の言葉で伝えると、ご本人が迷います。指示を出す人・暮らしの場面に置き換えて伝える人・毎日見る人を分けておくと、計画書の支援内容がはっきりします。右の列に貴事業所の分担を書き込んでください。

受け持つこと 主に受け持つ人の例 訪問看護が受け持つこと 貴事業所の分担
治療の方針、薬・注射・手術の説明 主治医、手術をした医療機関 指示と説明の出どころを写し、受け取り方と暮らしの変化を伝える (    )
薬の飲み方・貼り方・使った後の観察の項目 薬局 使いにくさ、使った後の様子の気づきを薬局に伝える (    )
痛み・しびれ・足の力の観察 本人、訪問看護 記録表を一緒に見て、変化を主治医とリハビリ職に伝える (    )
尿・便の出方と足の皮膚の観察 本人、家族、訪問看護 知らせる様子と連絡の順番を紙にし、訪問のたびに確かめる (    )
運動の内容と動作の練習 理学療法士 訪問のない日にも続けられているかを見て、続けにくい理由を伝える (    )
家事の手順と道具の選び方 作業療法士、福祉用具専門相談員 使い方と合い方の気づきを伝える (    )
外出の組み立て、サービスの組み立て ケアマネジャー 計画書がケアプランに沿っているかを確かめ、症状の変化を伝える (    )
家事の手助け ヘルパー、家族 腰に負担の大きい家事の分担を、本人と一緒に整理して伝える (    )
通所での運動と見守り 通所の事業所 家での運動と通所での運動がそろっているかを、ケアマネジャーを通じて確かめる (    )
毎日の様子を見ること 本人、家族 記録表の形を決め、つけ続けられているかを見る (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。分担は居宅サービス計画と事業所の運用、各職種の判断に従ってください。

主治医・リハビリ職・ケアマネジャー・薬剤師に伝える文例(10例)

多職種に伝えるときは、いつから・何が・どう変わったか・本人と家族は何を望んでいるか・何を確かめたいかの順にすると、受け取った側が次の手を考えやすくなります。看護師の見立てを診断の言葉で書くのではなく、見た事実と本人の言葉を伝えます。

伝える相手 伝える場面 文例
主治医 しびれの範囲が広がった 本人の記録表では、この2週間でしびれる場所が右のふくらはぎから足の甲まで広がり、立ち止まる場所が家に近くなっています。次の受診の前にお伝えします。注意して見る点があればご指示ください
主治医 尿の出方の変化 3日前から尿が出きらない感じがあると本人が話しています。指示書に記載の連絡の目安に沿ってご報告します。受診の要否についてご指示ください
主治医 つまずきが増えた 右のつま先が廊下でひっかかる場面が今週2回あり、訪問時も右の足首が上げにくい様子でした。転んではいません。注意して見る点があればご指示ください
主治医 手術について聞きたいことがある 本人が手術について迷っており、聞きたいことを紙にまとめました。次の受診で本人からお渡しします。家族も同席を希望しています
理学療法士 運動が続いていない 示していただいた運動のうち3つ目の手順を本人が忘れており、訪問のない日は行えていませんでした。写真つきの紙をお願いできますか
理学療法士 運動の後の症状 運動の後に腰の痛みが強くなったことはないと本人が話しています。寒い日は外を歩かず、運動もしていませんでした。家の中でできる形をご相談させてください
作業療法士 台所の手順 流しの前に立って15分ほどで腰が重くなり、支度を途中でやめる日があります。足台と椅子を使った手順について、次の訪問でご相談させてください
ケアマネジャー 外に出なくなった この2週間、近所の集まりに行っていないと本人が話しています。途中で立ち止まることを気にしているようです。外出の組み立てについてご相談させてください
ケアマネジャー 夜の通り道 夜のトイレまでの廊下が暗く、敷居でつまずいた場面がありました。明かりと手すりについて、福祉用具専門相談員とご相談いただけますか
薬剤師 便が出にくい 痛み止めを使い始めてから便が出にくくなったと本人が話しています。この1週間で便が出たのは2回でした。主治医にもお伝えしています。使い方で気をつける点があれば教えてください

※上記は当社が作成した記載のイメージです。報告の方法と時期、連絡の目安は、主治医の指示書と事業所の運用に従ってください。

脊柱管狭窄症・転倒予防・廃用症候群・排尿障害の看護計画の書き分け(比較表)

脊柱管狭窄症の方の計画書は、転倒予防、廃用症候群、排尿障害の計画と内容が重なることがあります。今いちばん暮らしを止めているのはどれかで主にする計画を決め、ほかは課題を1つ足す形にすると、計画書が長くなりすぎません。

観点 脊柱管狭窄症の看護計画(この記事) 転倒予防の看護計画 廃用症候群の看護計画 排尿障害の看護計画
目標の中心 痛みとしびれと付き合いながら、姿勢と動作の工夫で続けたい暮らしを保つこと 転びにくい暮らし方と、転んだときに知らせられること 起きて過ごす時間を増やし、動ける範囲を保つこと 尿の出方と付き合いながら、外出と眠りを保つこと
O-Pの中心 痛みとしびれの範囲、しびれが出るまでの様子、足の力、足の感覚と皮膚、尿と便、眠り 住まいの場所ごとの危ない所、時間帯ごとのふらつき 起きている時間、関節の動き、皮膚、食事、気持ち 尿の回数と量、間に合わなかった場面、皮膚
主な連携先 主治医、理学療法士・作業療法士、薬局、ケアマネジャー ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、リハビリ職、家族 ケアマネジャー、通所、リハビリ職、家族 主治医、薬局、ケアマネジャー、家族
合わせて書くとき ― つまずきや転びそうになった場面が出てきたとき 痛みやしびれで横になる時間が長くなってきたとき 尿の出方の変化が暮らしの中心の困りごとになってきたとき

※上記は当社が作成した記載のイメージです。どの計画を主にするかは、主治医の指示書と利用者の状態、居宅サービス計画、事業所の運用に従ってください。

ご家族への説明(E-P)|症状の波・手伝い方・運動・連絡の伝え方(言い換え8場面)

ご家族への説明は、「〇〇してはいけません」が並ぶと、ご本人が動くこと自体を控え、ご家族も手を出しすぎてしまうことがあります。避けることと、していいこと・してほしいことを一緒に伝えます。病気と治療の説明は主治医の説明に、薬の説明は薬剤師の説明につなぎます。

場面 避けたい伝え方 伝わりやすい伝え方
症状の波 「座っているときは平気なのだから、歩けるはずです」 この病気では、座っているときは楽でも、立ち続けたり歩いたりすると足がしびれることがあります。途中で休むのは怠けているのではありません
手伝い方 「全部手伝ってあげてください」 重い物を運ぶ、下の棚の物を取るなど、腰に負担の大きいところを手伝ってください。ご本人が続けたいことは、時間がかかっても待っていただけると助かります
体を動かすこと 「痛いなら動かさないでください」 理学療法士が決めた運動は、続けることで暮らしを保つ助けになります。痛みが強い日の控え方は、紙に書いたとおりにしてください
姿勢 「背筋を伸ばして歩きましょう」 この病気では、前かがみで楽になる方が多くいます。どの姿勢がよいかはリハビリの担当者と一緒に確かめましょう
尿と便 「何かあったら言ってください」 尿が出にくい、間に合わなかった、便の出方が変わったなどは、恥ずかしいことではなく、知らせてほしい様子です。紙に書いた順番で連絡してください
足の感覚 「やけどに気をつけてください」 足の裏の感覚が鈍いと、熱さに気づきにくくなります。湯たんぽやこたつの使い方を一緒に決めておきましょう
手術の迷い 「手術をしたほうがいいですよ」 手術を受けるかどうかは、主治医の説明を聞いてご本人が決めることです。聞きたいことを一緒に整理しておきましょう
家族自身の体調 「ご家族が頑張ってください」 ご家族の腰や体調も大切です。頼めることはヘルパーさんにお願いできるよう、ケアマネジャーさんと相談しましょう

※上記は当社が作成した記載のイメージです。説明の内容は主治医の指示書と薬剤師の説明、リハビリ職の評価に従ってください。

悪い例と良い例|脊柱管狭窄症の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(16組)

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「疼痛が緩和する」 立つ時間を分ける工夫で、夕食の支度を自分でできる 痛みの先の暮らしを書いた
目標 「歩行距離が延長する」 歩行車で休みながら、週に一度の集まりに行ける 本人が行きたい場所にした
目標 「しびれが消失する」 しびれが出て立ち止まった場所を記録表につけ、受診のときに主治医に見せられる 本人ができることにした
目標 「術後合併症を起こさない」 示された起き上がり方と着替え方で、朝の身支度を自分で済ませられる 家の場面で確かめられる形にした
課題 「間欠性跛行がある」 歩くと右のふくらはぎがしびれて立ち止まり、近所の集まりに行かなくなっている 症状が止めている暮らしを書いた
課題 「転倒リスクあり」 右のつま先が廊下の敷居にひっかかる場面が今週2回あった 根拠になる事実を書いた
課題 「排尿障害の疑い」 尿が出きらない感じがあると話し、外に出るのを控えている 見立てでなく本人の話と暮らしを書いた
O-P 「疼痛・しびれの観察」 しびれる場所を体の絵の記録表で前回と比べ、立ち止まった場所の目印を見る 何を何で見るかを書いた
O-P 「膀胱直腸障害の有無を観察」 尿と便の出方の変化を、訪問のたびに本人の希望する場所で同じ聞き方で聞く 聞き方と場所を書いた
O-P 「バイタルサイン測定」 指示書に記載の項目を測り、痛みとしびれの記録表とあわせて記録書Ⅱに残す 指示書の項目と記録の形を書いた
T-P 「ADL指導」 足台と台所の椅子を置き、下ごしらえを座って行う手順を作業療法士と一緒に決める 場面と方法と職種を書いた
T-P 「リハビリの実施」 理学療法士の示した運動を朝の着替えの後に置く組み立てを本人と決め、暦に丸をつける 続ける仕組みを書いた
T-P 「コルセット着用の指導」 コルセットは主治医の指示のとおりにつけられているかを見て、皮膚の赤みと本人の感じ方を主治医に伝える 指示の出どころと看護師の受け持ちを書いた
E-P 「服薬指導」 痛む時に使う薬は薬剤師の説明のとおりに使い、自己判断で増やさずに相談するよう伝える 伝える中身と相談先を書いた
E-P 「異常時は連絡するよう指導」 尿や便の出方の変化、足の力の入りにくさなど、指示書に記載の様子と連絡の順番を紙にして本人と家族に伝える 知らせる様子と方法を書いた
E-P 「手術について説明」 受けた説明を本人の言葉で話してもらい、聞きたいことを受診の前に紙にまとめる 説明は主治医が行い、看護師は整理を受け持つ形にした

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

評価の書き方と報告書へのつなぎ方|脊柱管狭窄症の評価文(8例)と報告書の欄別記載例

評価は、目標ごとに「何ができたか」「何が変わったか」「次にどうするか」を、記録書Ⅱとご本人の記録表、ご家族の話に残した事実で書きます。症状は寒さや立っている時間で変わるため、よい日だけ・つらい日だけで書かず、その間の傾向を書くと、主治医にも伝わりやすくなります。

目標(要約) 評価文の記載例 次の計画への反映
夕食の支度を自分でできる 足台と台所の椅子を使ってから、この1か月で支度を途中でやめた日は2日だった。下ごしらえは座ってしていると本人が話した 洗い物の手順を次の課題にする
週に一度の集まりに行ける 歩行車で休みながら、この1か月で集まりに3回行けた。立ち止まる場所は先月と大きく変わっていない 今の形を続け、寒い時期の前に見直す
目が覚めた回数を記録表につけられる 夜の欄は毎日つけられている。寝る前の運動をした日は、足がつって目が覚めることが少なかった 寝る前の運動を続ける。結果を理学療法士に伝える
湯の温度を手で確かめられる 入浴の前に手で湯を確かめる習慣が続いている。かかとの赤みは消え、新しい傷はなかった 足の観察を続け、冬の温める道具の使い方を見直す
知らせてほしい様子を本人が言える 紙の内容を本人が言えた。この1か月で尿と便の出方に変化はなかったと本人が話した 連絡の紙を夜の連絡先も入れて作り直す
夜のトイレまで明かりをつけて歩ける 廊下に足元の明かりがついてから、つまずいた場面はなかったと本人と夫が話した 今の形を続ける
示された運動を続け、暦に丸をつけられる この1か月で丸がついた日は20日だった。雨の日と寒い日に続かなかった 家の中でできる形を理学療法士と相談する
聞きたいことを主治医に聞ける 紙にまとめた4つのことを受診で聞けた。「手術はもう少し様子を見る」と本人が決め、「すっきりした」と話した 手術をせずに続ける工夫を中心に計画を見直す

※上記は当社が作成した記載のイメージです。回数は架空の利用者の例です。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(脊柱管狭窄症の記載例5欄)

報告書の欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(2)/老企第55号の記載要領) 脊柱管狭窄症の方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 本人の記録表では、しびれが出て立ち止まる場所は前の月と大きく変わらない。寒い日にしびれが強い傾向がある。夕食の支度は座る工夫で自分でできる日が増えた。尿と便の出方に変化はないと本人が話している
看護・リハビリテーションの内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 痛みとしびれの範囲・足の力・足の皮膚・尿と便の観察、記録表の確認、台所の手順と寝る姿勢の見直し、運動の続き具合の確認、受診の前の質問の整理を行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 夫が重い物の運搬と買い物を受け持っている。夫自身も腰の痛みがあり、ヘルパーの受け持ちをケアマネジャーと相談している
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 手術について聞きたいことを本人が紙にまとめており、次の受診で家族と一緒に相談したいと話している
別添(介護保険・リハビリ職の訪問) 老企第55号の記載要領 2(3)⑪ロ。リハビリ職が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容を具体的に記入する 示した運動の確認と、寒い日に家の中で行う形の練習を行った。夫に立ち上がりの見守り方を伝えた。しびれが強い日は外を歩く練習を控えた

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

脊柱管狭窄症の訪問看護計画書を見直すきっかけ(8)

きっかけ 見直す欄 確かめる相手
受診で治療が変わった・注射の治療を受けた O-P、E-P、備考 主治医、薬局
しびれや痛みの範囲が広がり、それが続いている 課題、O-P、T-P 主治医、理学療法士
尿や便の出方が変わった O-P、E-P、連絡の紙 主治医
手術を受けると決めた・受けないと決めた 目標、課題、E-P 主治医、本人、家族
手術を受けて家に戻った 目標、課題、T-P、E-P、衛生材料等の欄 主治医、手術をした医療機関、リハビリ職
新しい歩行車・コルセット・手すりが入った T-P、備考 理学療法士、ケアマネジャー、主治医
足に傷ややけどができた O-P、衛生材料等の欄 主治医
転んだ・横になる時間が長くなった 課題(転倒予防・廃用症候群の計画もあわせて見直す) 主治医、ケアマネジャー

※上記は当社が作成した記載のイメージです。見直した日は計画書の年月日の欄に書き、見直した内容は記録書に残してください。

運営指導で脊柱管狭窄症の方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「居宅介護支援事業者等との連携(第64条)」「サービス提供の記録(第19条)」「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」「緊急時等の対応(第72条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、脊柱管狭窄症の方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) 脊柱管狭窄症の方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第64条)サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか 家事の分担、外出の組み立て、歩行車と手すりの使い方を、ケアマネジャー・ヘルパー・福祉用具の事業所と共有した記録があるか 確認日:(    )
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、目標に対応する観察とケア(記録表の確認、台所の手順、運動の続き具合)が書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 「疼痛自制内」「著変なし」の一語でなく、しびれる場所、立ち止まった場所、尿と便の出方が本人の言葉で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書の内容と、主治医から示された連絡の目安・動作の注意が出どころつきで写されているか。「畑に出たい」など本人の希望が目標に入っているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「疼痛の観察」「ADL指導」の一語で止まっていないか。看護師と理学療法士の訪問日と受け持ちが分かるか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 説明・同意・交付の日付と相手が残っているか 確認日:(    )
(第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 治療が変わったとき、手術を受けて戻ったとき、転んだときに計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第72条)緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか 転んだとき、尿や便の出方が変わったときなどの連絡の手順が決まっていて、主治医へ連絡した日時と指示が記録に残っているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある、訪問看護の計画書・指示書・リハビリ職の訪問・事故の記録に関わる指摘(7件)

脊柱管狭窄症の方の計画書に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方、指示書の扱い、リハビリ職が訪問するときの説明と同意、事故の記録で関わりの深い公表事例です。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

自治体(資料名) 公表されている指摘の内容 脊柱管狭窄症の方の計画書・記録で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの外出の組み立て・福祉用具との対応、同意の記録、O-P・T-P・E-Pが「ADL指導」の一語で止まっていないか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 訪問の開始前に計画書があるか。ケアプランと計画書で、家事の分担と運動の受け持ちがそろっているか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 手術の後の傷の処置など、行っているケアが指示書の内容と合っているか
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)・令和7年3月) 訪問看護計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、訪問看護指示書の有効期限が切れている、計画書に利用者の同意署名がない等 本人の希望と主治医の指示が計画書に入っているか。指示書の期間を一覧で管理しているか。同意の残し方を決めているか
静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧・令和8年度集団指導資料) 理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士による指定訪問看護について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない 理学療法士が訪問する方で、その説明をした日・相手・同意の記録が残っているか
愛知県(主な指摘事項(令和7年度版)) 作業療法士による訪問看護を利用している者については、定期的に看護職員の訪問による評価を実施する必要があることに留意すること、と示されている リハビリ職の訪問が中心の方で、看護職員が訪問して評価した日と内容が記録書に残っているか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 事故の状況や講じた処置を記録しておらず詳細・対応・再発防止策が不明確、保険者への事故報告を行っていない等 訪問中に転んだ・転びそうになった場面の記録、報告の要否の確認、再発防止策が残っているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

脊柱管狭窄症の方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 訪問の出どころ、連絡の目安の出どころ (    ) (    )
手術をした医療機関の退院時の説明・動作の注意の写し 家での説明が、示された注意と同じかの確認 (    ) (    )
薬剤情報提供書・薬局からの説明の写し 薬の使い方、示された観察の項目 (    ) (    )
本人の記録表(しびれの場所・立ち止まった場所・夜の回数・運動の暦)の写し 評価と主治医への報告の根拠 (    ) (    )
連絡の順番の紙・家事の分担の紙(作り直した版を含む) 本人・家族への説明が、指示と同じかの確認 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき、リハビリ職の訪問の説明と同意を含む) 説明の方法・相手・日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅱ・訪問看護報告書と別添(主治医への提出の記録つき) 訪問ごとの観察と、月の経過を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

脊柱管狭窄症の看護目標は、どう書けばよいですか?

看護目標は、「疼痛が緩和する」「歩行距離が延長する」のような体の働きだけの文ではなく、ご本人が続けたい暮らしの場面と、そのために本人・家族が行うことを主語にして書きます。脊柱管狭窄症は症状と長く付き合うことが多いため、「しびれがなくなる」ではなく「工夫して続けられる」の形が合いやすくなります。例えば長期目標を「家族の食事の支度を、立つ時間を分ける工夫で続けられる」、短期目標を「流しの足台と台所の椅子を使い、夕食の支度を自分でできる」のようにすると、次の評価の時期に記録表と訪問時の様子で確かめられます。

脊柱管狭窄症の看護問題は、在宅の訪問看護計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

「慢性疼痛」「身体可動性障害」「転倒転落リスク状態」などの看護問題の名前は、そのままでは家で何が起きているかが伝わりません。課題欄には、痛み・しびれ・足の力の入りにくさが、暮らしのどの場面を止めているかを、根拠になる事実とあわせて一文で書きます。例えば「流しの前に立つと腰からお尻が重くなり、夕食の支度を途中でやめる日が週に3日ある」「歩くと右のふくらはぎがしびれて立ち止まり、近所の集まりに行かなくなっている」のように、本人の記録表、本人の言葉、家族の話を根拠にします。

病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、脊柱管狭窄症の書き方で何が違いますか?

病院や看護過程では、入院中の痛みとしびれ、手術の前後の管理、検査の結果を、看護師が一日を通して見ていく前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅では看護師がそばにいる時間はわずかで、症状は立っている時間、歩いた距離、寒さで変わります。そのため在宅の訪問看護計画書では、訪問のない時間の様子をご本人の記録表でどう確かめるか、どの動作と姿勢をどう変えるか、何が起きたら誰に知らせるかを、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。

歩くと出る足のしびれは、計画書にどう書けばよいですか?

「間欠性跛行あり」「しびれあり」の一語で残すと、よくなっているのかが分かりません。O-Pには、しびれが出て立ち止まった場所と、休んで楽になるまでの様子を本人の記録表で見ることを書き、T-Pには記録をまとめて理学療法士と主治医に伝えること、E-Pには記録のつけ方を本人と確かめることを書きます。記録表は、郵便ポストや角の店など家のまわりの目印を書くだけの続けやすい形にします。歩いてよい距離や運動の量は、主治医の指示とリハビリ職の評価に従います。

尿や便の出方の変化は、計画書にどう書けばよいですか?

尿や便のことは話しにくく、ご本人から言い出さないことがあります。O-Pには、尿の出にくさ、間に合わなかったこと、便の出方の変化を、訪問のたびに本人の希望する場所で同じ聞き方で聞くことを書きます。どの変化をどのくらいの急ぎで主治医に知らせるかは、指示書に記載の連絡の目安のとおりとし、示されていなければ主治医に確かめます。E-Pには、出方の変化は恥ずかしいことではなく知らせてほしい様子であることと、連絡の順番を紙で伝えることを書きます。

手術を迷っている方や、手術の後に家に戻った方の計画書は、どう書けばよいですか?

手術を受けるかどうかを決めるのはご本人で、手術の要否と方法を説明するのは主治医です。迷っている方の計画書には、受けた説明を本人の言葉で話してもらうこと、聞きたいことを受診の前に紙にまとめること、迷っている間も続けたい家事と外出が続けられているかを見ることを書きます。手術の後に家に戻った方では、手術をした医療機関から示された動作の注意を出どころつきで備考に写し、注意に触れやすい家の場面(床の物を拾う、靴下をはく、低い便座から立つ等)ごとにT-P・E-Pを書きます。

脊柱管狭窄症のケアプラン文例とは、どう書き分ければよいですか?

ケアプランの第2表は、介護支援専門員が暮らし全体の課題に対してどのサービスを誰が受け持つかを組み立てる表で、途中で休む場所や外出の手段などの外出の組み立てもこちらで扱います。訪問看護計画書は、そのうち訪問看護が受け持つ部分を、O-P・T-P・E-Pとして観察・ケア・説明の手順まで書く計画です。訪問看護計画書はケアプランに沿って作り、症状の記録の見方、姿勢と動作の工夫、運動の続け方、尿と便と足の感覚への気づき、主治医やリハビリ職への伝え方を書き込みます。ケアプランの側の文例は「脊柱管狭窄症の方のケアプラン文例」の記事にまとめています。

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出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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