透析はまだ始まっていないが、むくみと食事の決まりごとに毎日気をつけている方、週に何日か透析施設へ通い、帰った日はぐったりして横になっている方、自宅で腹膜透析のバッグ交換を続けている方、夜のあいだ機器を使った腹膜透析を家族と一緒に回している方――このような、慢性腎不全のある方の在宅の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・管理者を想定しています。
病院の看護計画や看護学生の看護過程では、「体液量過剰」「非効果的健康管理」のような看護診断名を立て、入院中の検査値と治療に合わせて計画を組み立てることが多くあります。在宅の訪問看護計画書は、看護師がいない日のほうがずっと長い暮らしの中で、体重・むくみ・尿の量・血圧の変化に誰が気づき、誰にどう伝えるか、食事と水分の決まりごとを家でどう続けるか、透析施設と訪問看護がそれぞれ何を受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。また、透析を始める前の時期(保存期)、透析施設へ通う血液透析、自宅で行う腹膜透析では、計画書の重心が変わります。そのため、この3つを分けて記載例を並べています。
以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。検査値とその基準、塩分や水分・カリウムなどの量、体重の増え方の目安、血圧の目安、薬の名前と量、尺度の点数など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医の指示書や透析施設から示された内容を、示されたとおりに計画書へ写すものとして「主治医の指示書の範囲で」「主治医に報告する」の形で書いています。自宅で血液透析を行う方の手順は、その管理を担う医療機関の手順書によるため、この記事では扱いません。サービスの種類や回数を決めて手配するのは介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割で、訪問看護の計画書では、気づいたことを伝えて相談する形で書き分けています。
計画書の欄と通知の原文|慢性腎不全の方の計画書で、欄ごとに何を書くか(欄別対照表2つ)
医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。計画書の様式には「透析」や「食事制限」という名前の欄はありません。治療の形、自己管理の決まりごと、透析施設との連絡は、目標・療養上の課題・支援内容・衛生材料等・備考の各欄に分けて書き込みます。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は慢性腎不全の方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。
| 欄 | 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) | 慢性腎不全の方の計画書で書く中身 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 | ①「必要な事項を記入すること」 | 透析の曜日に合わせて訪問の曜日を組む方では、住所の欄とは別に、透析施設の名前と通院の手段(送迎・家族の車・介護タクシー等)を記録書Ⅰに残しておく。区分の変更を申請中の方では、申請の状況を備考に書き、結果が出たら見直す日を決めておく | 透析施設と通院手段の記録先:( ) |
| 看護・リハビリテーションの目標 | ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 | 「腎機能の悪化を防ぐ」「水分管理ができる」で止めず、ご本人が続けたい暮らし(透析に通いながら畑に出る、腹膜透析を続けながら孫の行事に行く等)と、そのために家で続ける行動(量る・書く・連絡する)を主語にする | 目標の主語の決まり:( ) |
| 年月日 | ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 | 透析の開始日、血液透析と腹膜透析の切り替え日、シャントの手術や腹膜透析のカテーテルの手術の後の退院日、入院から戻った日、透析の曜日が変わった日など、見直しのきっかけになった日を残す | 見直しのきっかけの一覧:( ) |
| 療養上の課題・支援内容 | ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 | 課題の文には、むくみ・体重・尿の量・食事と水分の決まりごと・シャントや出口部・透析日の疲れのうち、どの場面で何が起きているかと、根拠になる事実(記録表の推移、ご本人の言葉)を添える。支援内容はO-P・T-P・E-Pに分け、数値は「指示書に記載の」の形で書く | 課題の根拠の書き方:( ) |
| 評価 | ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています | 目標ごとに、記録書Ⅱと記録表に残した事実(体重を書けた日の数、むくみに気づいて連絡できた場面、決まりごとを続けられた日と続かなかった日の違い、出口部の観察を家族が一人でできた回)で書く。「体重管理良好」「自己管理できている」の一語で終わらせない | 評価を書く時期:( ) |
| 衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 | ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 | 腹膜透析の出口部の手当てを行う方などでは、指示書と腹膜透析を管理する医療機関の手順書にある処置の内容・種類とサイズ・1か月の必要量を、そのとおりに写す。透析液や回路など、透析施設や販売元から届く物と、訪問看護の衛生材料を混ぜて書かない | 衛生材料の確認先:( ) |
| 訪問予定の職種 | ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています | 理学療法士・作業療法士が透析日以外の歩行や家の中の動作の練習に入る方では、職種と曜日を書く。透析日と重ならない曜日であることがご本人に分かるようにする | 職種と曜日の伝え方:( ) |
| 備考 | ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 | 透析の曜日と時間帯、訪問の曜日との関係、シャントのある側の腕で血圧を測らないなど透析施設から示された注意、食事と水分の決まりごとは指示書のとおりであること、透析施設・主治医・ケアマネジャーの連絡先と連絡の順番、通所や訪問介護の利用状況など | 備考に書く項目:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
記録書・報告書・計画書の作り方の定めと、透析施設との連絡を書く場所を並べる
慢性腎不全の方は、主治医(かかりつけ医)と透析を行う医療機関の医師が別の方も多く、連絡先が二つ以上になりがちです。どの書類のどの欄に何を残すかを、手元の通知の原文から並べました。
| 確かめる点 | 通知の原文 | 慢性腎不全の方で確かめること | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 計画書の作り方の基本(介護保険) | 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 | ご本人の「透析の日以外は好きに過ごしたい」「腹膜透析を続けて家で暮らしたい」などの希望が、目標と支援内容に入っているか | 希望を聞き取った日:( ) |
| 居宅サービス計画との関係(介護保険) | 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 | ケアプランに書かれた通院の支援、透析日の訪問介護、通所の曜日と、計画書の訪問の曜日・分担がそろっているか | ケアプランの受け取り日:( ) |
| 主治医への提出(介護保険) | 老企第55号 1(2)「主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと」 | 指示書を出している主治医がかかりつけ医か透析施設の医師かを確かめ、提出先を記録書Ⅰに書いているか。もう一方の医師へは、ご本人の了解を得て写しを渡すかを決めているか | 提出先と写しの扱い:( ) |
| 欄の名前の変更(介護保険) | 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています | 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「体液量過剰」のような名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す | 様式の改訂日:( ) |
| 記録書Ⅰに書く項目 | 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅰには「初回訪問年月日、訪問職種、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、訪問看護の依頼目的、緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 | 透析施設の名前と連絡先、透析の曜日と時間帯、腹膜透析を管理する医療機関と販売元の連絡先、透析施設とやりとりしている連絡帳の有無を、「その他関係機関との連絡事項」として初回に残す | 連絡先の確認日:( ) |
| 記録書Ⅱに書く項目 | 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること | 体重・むくみ・尿の量(保存期)・血圧・シャントまたは出口部の様子・食事と水分について聞き取った内容を、訪問のたびに同じ順番で書く場所を決めておく | 観察の順番の決まり:( ) |
| 報告書「病状の経過」 | 同 第一の2(2)③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 | 月のあいだの体重とむくみの推移、透析日と透析のない日の過ごし方の違い、主治医へ報告した日と内容を、計画書の課題と同じ言葉で書く | 報告書を書く担当:( ) |
| 報告書「衛生材料等の使用量および使用状況」 | 同 第一の2(2)⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 | 出口部の手当てに使った物と交換の頻度を、計画書の衛生材料等の欄と同じ名前で書く | 使用量の数え方:( ) |
| 評価と見直し | 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること」 | 透析の開始・治療の切り替え・入院などの後に、評価と見直しを行い、その内容を記録書に残しているか | 見直しの記録の担当:( ) |
| 管理者の確認 | 同 第一の1(3)。管理者は「計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い、指定訪問看護の提供等に遺漏のないよう努めること」 | 透析施設から届いた連絡の内容が担当の看護師だけで止まらず、計画書・記録書に反映されているかを管理者が確かめているか | 確認の担当者:( ) |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
治療の形で書き分ける|保存期・通院の血液透析・自宅の腹膜透析で、計画書の重心がどう変わるか(10項目の比較表)
同じ「慢性腎不全」でも、透析を始める前の時期、透析施設へ通う時期、自宅で腹膜透析を行う時期では、訪問看護が受け持つことが大きく違います。計画書を作る前に、ご本人がどの形にいるかを指示書と記録書Ⅰで確かめ、下の表のどの列で書くかを決めると、目標と支援内容がぶれにくくなります。透析の方法を選ぶ・変えるのは、主治医とご本人・ご家族の話し合いによるもので、訪問看護の計画書はその決定を受けて書きます。
| 項目 | 保存期(透析を始める前) | 血液透析(透析施設へ通院) | 腹膜透析(自宅で実施) |
|---|---|---|---|
| 目標の主語 | むくみや尿の量の変化に自分で気づき、受診の日まで決まりごとを続けながら今の暮らしを保つ | 透析に通い続けながら、透析のない日の暮らし(外出・家事・趣味)を保つ | バッグ交換または夜間の機器の操作を、ご本人または家族が手順どおりに続けながら家で暮らす |
| 観察の中心 | 体重・むくみ・尿の量と回数・血圧・食欲・だるさ・息切れ | 透析と透析のあいだの体重の増え方(記録表のとおり)・むくみ・血圧・シャントの音と振動・透析後の疲れ・ふらつき | 体重・むくみ・血圧・出口部の様子・排液の色と濁り(手順書のとおりに見る)・お腹の張りや痛みの訴え |
| 訪問の曜日の組み方 | 受診の前後に訪問を置き、記録表を受診に持っていけるようにする | 透析のない日に置く。透析の翌朝など、体重とむくみの変化を見やすい時間帯を選ぶ | 交換の時刻を避けて置くか、手順の確認のために交換の時刻に合わせるかを、手順書と相談して決める |
| 自己管理の中身 | 食事と水分の決まりごと(指示書と管理栄養士の説明のとおり)、体重と血圧の記録、受診の日の確認 | 透析と透析のあいだの水分と食事の決まりごと(透析施設の指示のとおり)、シャントを守る暮らし方、体重の記録 | 交換の手順、清潔の守り方、出口部の手当て、排液の記録、体重の記録、物品の在庫の確認 |
| 主な連携先 | かかりつけ医・腎臓内科の外来・管理栄養士・薬局 | 透析施設(医師・看護師)・かかりつけ医・送迎を行う事業者・ケアマネジャー | 腹膜透析を管理する医療機関・販売元(物品の配送)・かかりつけ医・ケアマネジャー |
| 家族の役割 | 食事づくり、記録の確認、受診の付き添い | 送迎または送迎の手配の確認、透析日の食事と休息の見守り | 交換や夜間の機器の操作の一部または全部、物品の受け取りと置き場所、夜間の異変への対応 |
| 記録の型 | 体重・血圧・尿の回数・むくみの有無を1日1行で書く記録表 | 透析の前と後の体重(透析施設の記録の写し)と、家での体重を並べる記録表 | 交換ごとの時刻・排液の様子・体重を書く記録表(腹膜透析を管理する医療機関の様式があればそれを使う) |
| 衛生材料等の欄 | 処置がなければ「無」とする | シャントの処置は透析施設で行うことが多く、訪問看護の処置がなければ「無」とする | 出口部の手当てを訪問看護で行う場合は、指示書のとおりに処置の内容と物品を書く |
| 見直しのきっかけ | 透析の準備(シャントの手術など)が決まった日、むくみや尿の量の変化で受診した日 | 透析の曜日や時間帯の変更、シャントの手術や入院、通院の手段の変更 | 手順の変更、交換を担う人の交代、出口部の異変で受診した日、血液透析への切り替え |
| 気をつける場面 | 「まだ透析ではないから」と記録が途切れる、決まりごとを自己流に変える | 透析の翌日と週末前の過ごし方の違い、透析日の通所や入浴との重なり | 手順を家族の中で別々のやり方にしてしまう、物品の置き場所に清潔が保てない |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。治療の方法と観察の内容は、主治医の指示書と透析施設・腹膜透析を管理する医療機関の手順に従ってください。
指示書と透析施設の連絡から計画書へ写す項目|数値は書き写すだけにする転記の型(10項目)
慢性腎不全の方の計画書で数値が必要になる項目は、看護師が決めるのではなく、主治医の指示書と透析施設・腹膜透析を管理する医療機関から示された内容を写します。計画書には「指示書に記載の」「透析施設の指示のとおり」の形で書き、具体的な値は指示書と連絡帳の写しで確かめられるようにしておきます。
| 元の書類に書かれていること | 写す先の欄 | 計画書の書き方の型 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 食事の決まりごと(塩分・たんぱく質・カリウムなど) | 備考・E-P | 食事の内容は主治医の指示書(管理栄養士の説明を含む)の範囲で、ご本人・ご家族が続けられる形を一緒に考える。指示の中身は指示書の写しのとおり | 指示の写しの保管先:( ) |
| 水分の決まりごと | 備考・E-P | 水分の量は指示書に記載のとおりとし、看護師が独自に増減を伝えない。飲んだ量の数え方(湯のみ・ペットボトル等)をご本人と決める | 数え方の決め方:( ) |
| 体重の量り方と連絡の目安 | O-P・E-P | 毎朝、同じ条件(起きてトイレの後など、指示に合わせる)で同じ体重計で量り、記録表に書く。指示書に記載の連絡の目安を超えたときは当ステーションへ電話する | 量る条件の取り決め:( ) |
| 血圧の測り方と連絡の目安 | O-P・備考 | 透析施設から示された腕で測る(シャントのある腕では測らない旨を備考に書く)。指示書に記載の連絡の目安を外れたときは主治医に報告する | 測る腕の確認日:( ) |
| 尿の量・回数の記録の指示(保存期など) | O-P | 指示書に記録の指示がある場合は、ご本人が書ける形(回数に丸をつける等)を決めて記録表に入れる | 記録の形:( ) |
| 透析の曜日・時間帯 | 備考 | 透析の曜日と時間帯を備考に書き、訪問は透析のない日に置く。変更の連絡を誰から受けるかも書く | 変更の連絡元:( ) |
| シャントの日常の注意 | 備考・E-P | 透析施設から示された日常の注意(腕を圧迫しない、重い物を下げない等)を、ご本人・ご家族・訪問介護の職員が同じ内容で知っている状態にする | 注意の写しを渡した相手:( ) |
| 腹膜透析の交換の回数・時刻・手順 | 備考・T-P・E-P | 交換の回数と時刻、手順は腹膜透析を管理する医療機関の手順書のとおり。訪問看護は、手順書と同じ順番で行えているかを一緒に確かめる | 手順書の版と受け取り日:( ) |
| 出口部の手当ての方法 | 衛生材料等・T-P | 出口部の洗い方・覆い方・物品は指示書と手順書のとおりに写し、変更があればその日に書き換える | 書き換えの担当:( ) |
| 処方の内容 | 備考・O-P | 薬の名前と量は計画書に写さず、「処方内容は薬剤情報提供書のとおり」と書き、飲み方の変更があった日を記録書Ⅱに残す | 薬剤情報提供書の保管先:( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。数値の基準と連絡の目安は、主治医の指示書と透析施設・腹膜透析を管理する医療機関の指示に従ってください。
治療の形と暮らし別|慢性腎不全の看護目標の記載例(12の背景・長期と短期あわせて24例)
目標は、看護師が行うこと(「水分管理の指導を行う」)ではなく、ご本人がどんな暮らしを続けるか、そのために家で何をするかを主語にします。短期目標は、次の評価の時期までに記録表や記録書Ⅱで確かめられる姿にしておくと、評価で迷いません。
| 背景 | 長期目標の記載例 | 短期目標の記載例 | 評価のときに見る事実 |
|---|---|---|---|
| 保存期・一人暮らし | むくみや体調の変化に自分で気づいて連絡しながら、一人暮らしを続けられる | 毎朝の体重と足のむくみの有無を記録表に書き、指示書に記載の連絡の目安のときは当ステーションへ電話できる | 記録表を書けた日の数、電話の有無と内容 |
| 保存期・妻と二人暮らし | 妻と一緒に、指示書の範囲の食事を続けながら、今の家での暮らしを保てる | 妻が、主治医から示された食事の決まりごとのうち、続けにくい点を一つ挙げて相談できる | 妻の言葉、相談した内容と管理栄養士へつないだ記録 |
| 保存期・透析の準備中 | 透析を始めるかどうかの話し合いに、自分の考えをもって臨める | 主治医から受けた説明のうち、分からなかったことを書き出し、次の受診で質問できる | 書き出した質問の数、受診後に聞き取った内容 |
| 血液透析・通院を始めたばかり | 透析に通う暮らしに慣れ、透析のない日に好きな外出を続けられる | 透析の翌朝の体重と体調を記録表に書き、透析施設へ持っていける | 記録表を持参できた回数、透析施設からの返事 |
| 血液透析・透析後に強い疲れ | 透析の日は休み、透析のない日は自分で家事を続けられる | 透析の日の夕方は横になって休む時間をとり、ふらつきがある日は立ち上がるときに手すりを使える | 透析日の過ごし方の聞き取り、ふらつきの訴えと転倒の有無 |
| 血液透析・水分の決まりごとが続かない | のどの渇きと付き合いながら、指示の範囲の水分で透析に通い続けられる | 飲んだ量を湯のみの数で数え、透析と透析のあいだの体重の増え方を記録表で一緒に振り返れる | 数えた日の数、振り返りで本人が話した工夫 |
| 血液透析・物忘れがある | 家族と訪問介護の見守りを受けながら、透析に通い続けられる | 透析の曜日をカレンダーで確かめ、送迎の時刻に支度ができる | 支度ができた日の数、家族・訪問介護からの連絡 |
| 腹膜透析・本人がバッグ交換を担う | 腹膜透析を手順どおりに続け、地域の集まりへの参加を続けられる | 手順書と同じ順番で交換を行い、排液の様子と体重を記録表に書ける | 手順を一緒に確かめた日の記録、記録表の書けた日の数 |
| 腹膜透析・家族が夜間の機器の操作を担う | 家族が無理なく夜間の腹膜透析を回し、ご本人が自宅で過ごし続けられる | 機器の警告が出たときの連絡先と順番を、家族が紙を見て言える | 家族の言葉、夜間の連絡の有無と内容 |
| 腹膜透析・出口部の手当てに不安 | 出口部を清潔に保ち、腹膜透析を続けられる | 出口部を見て、赤み・はれ・痛み・しみ出しの有無を記録表に書き、いつもと違うときに電話できる | 記録表の記入、電話の有無、訪問時に看護師が見た出口部の様子 |
| 心不全や糖尿病を一緒に持つ | 体重と息切れの変化に早めに気づきながら、家での暮らしを続けられる | 体重・むくみ・息切れの3つを毎朝記録表に書き、指示書に記載の連絡の目安のときに電話できる | 3項目の記入、電話の有無と主治医への報告の記録 |
| 透析を続けながら最期の時期を迎える | ご本人が望む過ごし方を、家族と透析施設・主治医と共有しながら続けられる | ご本人と家族が、主治医から受けた説明と今の気持ちを看護師に話せる | 聞き取った言葉、主治医・透析施設と共有した記録 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
ご本人・ご家族の言葉を目標の文に置き換える(「透析の日は何もできない」「好きな物を全部やめるのはつらい」など8例)
| 聞き取った言葉 | 目標欄の文 | 課題欄につなぐ視点 |
|---|---|---|
| 「透析の日は帰ってきたら何もできない」 | 透析の日は帰宅後に休み、透析のない日に自分で買い物に行く暮らしを続けられる | 透析日の疲れと、透析のない日の動ける時間を分けて見る |
| 「好きな物を全部やめるのはつらい」 | 主治医の指示の範囲で、好きな物を楽しむ日の工夫を管理栄養士と相談しながら食事を続けられる | 禁止の一覧ではなく、続けられる形を探す課題として書く |
| 「のどが渇いてつい飲んでしまう」 | のどの渇きを和らげる工夫を自分で選び、指示の範囲の水分で過ごせる | 飲んだ量の数え方と、渇きを感じる時間帯を観察の項目にする |
| 「透析だけは嫌だ」 | 透析についての自分の考えを主治医に伝え、納得して治療の方針を決められる | 説明の理解と気持ちの揺れを聞き取り、受診へつなぐ |
| 「夜中に機械が鳴ると眠れない」(家族) | 家族が夜間の警告への対応の順番を分かり、慌てずに対応できる | 警告の内容と回数、家族の睡眠の聞き取りを課題の根拠にする |
| 「腕のシャントをぶつけないか心配」 | シャントを守る暮らし方を自分で続け、いつもと違うときに透析施設へ連絡できる | シャントの日常の注意を本人が言えるかを確かめる |
| 「孫の運動会には行きたい」 | 透析の曜日と体調を見ながら、家族の行事に出かけられる | 外出の前後の体重とむくみ、透析の曜日との調整を書く |
| 「家族に迷惑をかけたくない」 | 自分でできる記録と支度を続け、手伝いが要るところを家族に頼みながら家で暮らせる | 本人ができることと家族の受け持ちを分けて書く |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
「体液量過剰」「非効果的健康管理」などの看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)
看護学校や病院で使う看護診断名は、そのまま在宅の計画書の課題欄に書いても、ご本人やケアマネジャー、訪問介護の職員には何が起きているのかが伝わりにくくなります。課題欄には、暮らしのどの場面で、何が起きていて、どんな事実からそう考えたかを一文にします。
| 看護診断名・看護問題の名前 | 在宅の課題欄の一文(記載例) | 根拠として添える事実 |
|---|---|---|
| 体液量過剰 | 透析と透析のあいだに体重が増えやすく、夕方になると足のむくみで靴がきつくなると話している。体重の変化に気づいて連絡するまでの流れが、まだ家で決まっていない | 記録表の体重の推移(指示書の目安との比較)、むくみの部位、本人の言葉 |
| 非効果的健康管理 | 食事と水分の決まりごとを「全部は無理」と話し、続ける日と続かない日がある。続かない日がどんな日かを本人と一緒に見つける必要がある | 続かなかった日の曜日と出来事(聞き取り)、記録表の記入の有無 |
| 感染リスク状態(腹膜透析) | 腹膜透析のバッグ交換を台所の脇で行っており、手洗いの場所と物品の置き場所が離れている。手順書と同じ清潔の手順を続けられる場所づくりが課題になっている | 交換の場所の様子、手洗いの手順を一緒に確かめた日の記録 |
| 皮膚統合性障害リスク状態(出口部) | 出口部の周りの皮膚にかゆみがあり、本人がかいてしまうことがあると話している。出口部の様子を毎日見て、いつもと違うときに連絡する流れが課題になっている | 出口部の見た目(訪問時の観察)、本人の言葉、記録表の記入 |
| 活動耐性低下 | 透析の日は帰宅後に横になって過ごし、翌日もだるさが残ると話している。透析のない日の家事と外出の時間をどう確保するかが課題になっている | 透析日と翌日の過ごし方の聞き取り、ふらつきの訴え |
| 知識不足(シャントの守り方) | シャントのある腕に買い物袋を下げて歩いていることがあり、透析施設から示された日常の注意を、本人と訪問介護の職員がまだ同じ内容で知らない | 訪問時に見た場面、注意の紙を渡した相手の記録 |
| 不安 | 透析を始めることについて「まだ決められない」と話し、受診の前の日は眠れないと話す。主治医の説明を本人が整理して話し合いに臨めるよう支える必要がある | 本人の言葉、受診の予定、主治医から受けた説明の内容(聞き取り) |
| 介護者役割緊張 | 夜間の腹膜透析の機器の操作を妻が一人で受け持っており、「警告が鳴ると眠れない」と話している。このままの分担では、ご本人の自宅での暮らしを続けることが難しくなるおそれがある | 妻の言葉、夜間の警告の回数(家族の記録)、代われる人の有無 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
浮腫・体重・尿量・血圧の観察と記録の型|訪問のたびに同じ順番で見る14項目と記録書Ⅱへの書き方
慢性腎不全の方の変化は、1回の訪問の値よりも前回からの動きで見えてきます。「浮腫なし」「体重著変なし」のような書き方では、前回と比べることも、主治医に伝えることもできません。訪問のたびに同じ順番で、同じ言葉で書くことを決めておくと、看護師が交代しても推移が読める記録になります。下の表は観察の項目と記録書Ⅱへの書き方の型です。数値の良し悪しを看護師が判定するための表ではなく、指示書の連絡の目安と照らして主治医へ報告するための材料を残す表です。
| 観察の項目 | 見る・聞く方法 | 記録書Ⅱへの書き方の型 | 主治医へつなぐときの書き方 |
|---|---|---|---|
| 体重(家で量った値) | 記録表の訪問間の値を見る。量る条件(時刻・トイレの前後・服装)が同じかを聞く | 「記録表:前回訪問から○日分記入あり。量る条件は毎朝トイレの後で同じ」と、値と条件を一緒に書く | 指示書に記載の連絡の目安と照らし、目安を超えた日があれば日付と値を添えて主治医に報告する |
| 体重(透析施設での値) | 透析施設の記録の写しや連絡帳で、透析の前後の値を見る | 「連絡帳:○月○日 透析前後の値の記載あり」と、家の値と並べて読めるように書く | 家の値と透析施設の値の差が大きいときは、量る条件の違いを確かめたうえで透析施設に伝える |
| むくみの部位 | すね・足の甲・くるぶし・まぶた・手の甲を見て、指で押したあとの戻りを見る | 「両すねに指で押した跡が残る。前回は足の甲のみ」と、部位と前回との違いで書く | むくみの広がりと体重の動きを一緒に報告する |
| むくみの暮らしへの影響 | 靴・靴下・指輪がきつくないか、夕方と朝の違いを聞く | 「本人『夕方は靴のかかとが入らない』。朝は入る」と言葉のまま書く | 暮らしの中で気づいた変化として報告書の「病状の経過」に書く |
| 尿の量と回数(保存期など) | 記録表の回数、本人の「いつもより少ない」などの言葉を聞く | 「記録表:日中の回数に丸、○日分。本人『夜は1回起きる』」と書く | 指示書に記録の指示がある場合は、その様式で推移を添える |
| 血圧・脈拍 | 透析施設から示された腕で測る。家で測った値の記録も見る | 「右腕(シャントのない側)で測定」と測った腕を毎回書く | 指示書に記載の連絡の目安を外れたときは主治医に報告する |
| 息切れ・横になったときの苦しさ | 階段や着替えのときの息切れ、夜に枕を重ねて寝ていないかを聞く | 「本人『最近は枕を2つにしないと寝苦しい』」と言葉と場面で書く | 体重・むくみの変化とあわせて、その日のうちに主治医に報告する流れを決めておく |
| 食欲と食べた量 | 前日の食事の内容を聞く。配食や家族の料理の様子を見る | 「朝はパンを半分、昼は配食を全部」と、何をどのくらいで書く | 食べる量が減っているときは、体重の動きとあわせて主治医・管理栄養士へつなぐ |
| のどの渇きと飲んだ量 | 決めた数え方(湯のみ・ペットボトル)で前日の量を聞く | 「湯のみで数えて昨日○杯。渇きは夕方に強いと本人」と書く | 指示書の範囲との違いを感じたときは、責めずに事実だけを主治医へ伝える |
| だるさ・ふらつき | 透析日とその翌日、立ち上がりのときのふらつきを聞く | 「透析翌日の朝、立ち上がりでふらつくと本人。転倒なし」と曜日と場面で書く | ふらつきが続くときは透析施設と主治医に伝え、転倒を防ぐ手立てをケアマネジャーと相談する |
| 皮膚のかゆみ・乾燥 | かいた跡、乾燥の部位を見る。夜に眠れているかを聞く | 「背中と両すねにかいた跡。夜はかゆみで目が覚めると本人」と書く | かゆみで眠れないなど暮らしへの影響があるときは主治医に報告する |
| 服薬の様子 | お薬カレンダーの残り、飲み方の変更の有無を見る | 「お薬カレンダー:昼の分が2日分残る」と残りの事実で書く。薬の名前は書かず「処方のとおり」とする | 飲み忘れが続くときは、主治医・薬剤師と飲み方の工夫を相談する |
| 気持ちと受け止め | 透析や食事の決まりごとについての言葉を、評価せずに聞く | 「本人『透析のために生きているみたいだ』」と言葉のまま書く | 気持ちの落ち込みが続くときは、主治医・透析施設と共有する |
| 記録表を書けたかどうか | 記録表の記入の有無、書けなかった日の事情を聞く | 「記録表:○日中○日記入。書けなかったのは透析の日」と書く | 書けない日が偏るときは、書く人と時刻を見直して計画書に反映する |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。連絡の目安と観察の方法は、主治医の指示書と透析施設の指示に従ってください。
ご本人・ご家族がつける記録表の欄と、訪問時に看護師が見ること(8欄)
記録表は、ご本人やご家族が続けられることが一番です。欄を増やしすぎると途切れやすくなるため、指示書で求められている項目を中心に、書く人と書く時刻を決めてから渡します。透析施設や腹膜透析を管理する医療機関から様式が示されている場合は、そちらを使います。
| 記録表の欄 | 書き方の例 | 看護師が訪問時に見ること |
|---|---|---|
| 日付と曜日(透析の日に印) | 「10/14(火)透」のように透析の日に印をつける | 透析日と透析のない日で、体重や体調の書き方が変わっていないか |
| 体重 | 毎朝トイレの後に量った値を書く | 量る条件が同じか、書けなかった日の事情 |
| 血圧 | 測った腕と値を書く | シャントのない側で測れているか |
| むくみ | 「足のむくみ なし・少し・靴がきつい」に丸をつける | 丸の変化と、訪問時に看護師が見たむくみの一致 |
| 尿の回数(指示がある場合) | トイレに行くたびに正の字を書く | 回数の動きと本人の「少ない」などの言葉 |
| 飲んだ量 | 湯のみの数を書く | 数え方が続いているか、渇きを感じる時間帯 |
| 腹膜透析の記録(実施している方) | 交換の時刻、排液の様子(手順書の見方のとおり)に丸をつける | 手順書の様式と同じ欄になっているか、いつもと違う印がないか |
| 気になったこと・電話したこと | 「夕方息苦しい」「透析施設に電話した」など一言で書く | 連絡の目安のときに電話できたか、電話した先と内容 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。記録の項目と様式は、主治医の指示書と透析施設・腹膜透析を管理する医療機関の指示に従ってください。
シャントと腹膜透析の出口部の観察|見る所・記録の型・連絡の流れ(シャント8項目・出口部と交換の手順8項目)
シャントの処置や管理は透析施設が、腹膜透析の手順は腹膜透析を管理する医療機関が中心になって行います。訪問看護の計画書では、家での暮らしの中で異変に早く気づき、決めた連絡先へつなぐことと、ご本人・ご家族が示された注意と手順を続けられるよう支えることを書きます。観察の方法と連絡の目安は、透析施設と手順書から示されたとおりにします。
| シャントで見る所 | 見方 | 記録書Ⅱへの書き方の型 | つなぐ先 |
|---|---|---|---|
| シャントの音 | 透析施設から示された方法で、聴診器をあてて音を聴く | 「シャント音:聴取した部位、途切れのない音かどうか」を毎回同じ言葉で書く。「良好」の一語にしない | いつもと違う音のときは、事業所の手順に沿ってその日のうちに透析施設へ連絡する |
| シャントの振動(スリル) | 手を軽くあてて振動を感じるかを確かめる | 「振動:触れる。前回と同じ部位」と書く | 振動が弱い・感じないときは透析施設へ連絡する |
| 腕の皮膚の様子 | 赤み・はれ・熱っぽさ・痛み・穿刺の跡の様子を見る | 「穿刺部の周りに赤みなし。本人の痛みの訴えなし」と、見た所と訴えを分けて書く | 赤み・はれ・痛みがあるときは透析施設へ連絡する |
| 穿刺の跡からの出血 | 透析の帰宅後に、貼ってある物の上ににじみがないかを見る | 「帰宅後の穿刺部ににじみなし(家族の確認)」と、誰が見たかを書く | 出血が止まりにくいときの対応と連絡先を、透析施設から示されたとおりに家族と確かめておく |
| 腕を圧迫していないか | 腕時計・きつい袖・腕枕・買い物袋の下げ方を見る | 「シャント側の腕に買い物袋を下げていた。注意の紙を一緒に読み返した」と場面で書く | 同じ場面が続くときは、訪問介護の職員と注意を共有する |
| 血圧を測る腕 | シャントのない側で測れているか、家族や訪問介護の職員も知っているか | 「血圧はシャントのない右腕で測ることを、訪問介護の職員と確認」と書く | 通所や訪問入浴など、ほかの事業所にも同じ注意を伝える |
| 入浴のときの扱い | 透析日の入浴の扱いと、シャント部の洗い方について示された注意を確かめる | 「透析日の入浴は透析施設の指示のとおり、翌日に行うことを本人と確認」と書く | 通所の入浴の曜日と透析日が重なるときは、ケアマネジャーと相談する |
| 本人がシャントを確かめる習慣 | 本人が朝夕に自分で振動を確かめているかを聞く | 「本人、朝夕に自分で手をあてて確かめていると話す」と書く | 本人が確かめられないときは、家族か訪問介護の職員に頼めるかを相談する |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。シャントの観察の方法と連絡の目安は、透析施設と主治医の指示に従ってください。
| 出口部と交換の手順で見る所 | 見方 | 記録書Ⅱへの書き方の型 | つなぐ先 |
|---|---|---|---|
| 出口部の見た目 | 赤み・はれ・かさぶた・しみ出し・痛みを、手順書の見方のとおりに見る | 「出口部:赤みなし、しみ出しなし、本人の痛みの訴えなし」と、項目ごとに書く | いつもと違うときは、手順書の連絡先(腹膜透析を管理する医療機関)へその日のうちに連絡する |
| カテーテルの固定 | 引っぱられていないか、衣服でこすれていないかを見る | 「固定のテープは手順書の位置。ズボンのゴムがあたる位置にない」と書く | 固定の方法の変更は手順書と医療機関の指示による |
| 出口部の手当て | 本人または家族が手順書と同じ順番で行えているかを一緒に見る | 「出口部の手当て:妻が手順書を見ながら一人で行った。順番の抜けなし」と書く | 手順の迷いが続くときは、医療機関の看護師に再度の説明を依頼する |
| 交換の場所 | 手洗いの場所、物品を置く台、窓やペットの出入りを見る | 「交換は寝室の机。手洗いは洗面所で行い、戻るまでに物に触れていない」と書く | 場所の工夫が要るときは、家族とケアマネジャーに相談する |
| 交換の手順 | 手順書の順番どおりか、家族の中で手順がそろっているかを見る | 「交換の手順を本人と一緒に確かめた。手順書と違う点なし」と書く | 手順書と違う点があれば、その場で手順書を一緒に読み返し、医療機関へ伝える |
| 排液の様子 | 手順書に示された見方で、色と濁りを見る | 「排液:手順書の見本と比べていつもと同じ、と本人」と、誰が見たかを書く | 濁りなどいつもと違うときは、手順書の連絡先へその日のうちに連絡する |
| お腹の張り・痛み・発熱の訴え | 交換のとき・食後のお腹の張りや痛み、熱っぽさを聞く | 「本人『今朝からお腹が張る』。痛みの訴えなし」と言葉のまま書く | 訴えがあるときは、手順書の連絡の目安に沿って医療機関と主治医に伝える |
| 物品の在庫と置き場所 | 透析液と物品の残り、配送の予定、置き場所の湿気や直射日光を見る | 「透析液の残りは○日分。次の配送日を家族が把握」と書く | 配送の遅れや置き場所の困りごとは、販売元と家族・ケアマネジャーにつなぐ |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。出口部の手当て・交換の手順・連絡の目安は、主治医の指示書と腹膜透析を管理する医療機関の手順書に従ってください。
食事・水分の自己管理を支える|「主治医の指示の範囲で」書くT-PとE-P(暮らしの場面別10例)
食事と水分の決まりごとは、慢性腎不全の方の暮らしで最も続けにくいところです。決まりごとの中身(何をどのくらい)は主治医の指示書と管理栄養士の説明によるもので、訪問看護の計画書で新しく決めることはしません。計画書に書くのは、示された決まりごとを、その方の暮らしの中でどう続けるかと、続かなかったときに誰に何を相談するかです。下の表は、暮らしの場面ごとのT-P(ケア)とE-P(説明・相談)の書き方です。
| 暮らしの場面 | 起きやすいこと(聞き取りの例) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 配食を使っている | 「配食のおかずは薄いから、しょうゆを足している」 | 配食の業者が主治医の指示に合わせた献立を出しているかを家族と確かめ、足している調味料の種類と量を聞き取って記録する | 調味料を足さずに食べる工夫(香りや酸味)を、管理栄養士の説明の範囲で一緒に考える |
| 家族が料理をつくる | 妻「何を出していいのか毎回迷う」 | 主治医・管理栄養士から渡された資料を妻と一緒に読み返し、迷う料理を書き出してもらう | 迷う料理の一覧を次の受診や栄養相談に持っていくよう伝える |
| 外食・会食が多い | 「友だちとの昼ごはんはやめたくない」 | 会食の日の前後の体重とむくみを記録表で一緒に振り返る | 会食の日の選び方と量の工夫を、主治医の指示の範囲で本人と考える |
| 夏場の渇き | 「暑いと水分の決まりを守れない」 | 部屋の温度と飲んだ量を記録し、暑さで体調を崩していないかを見る | のどの渇きを和らげる工夫(口をゆすぐ等)を、指示の範囲で本人が選べるよう伝える。水分の量を看護師が変えないことも伝える |
| 果物・野菜をもらう | 「近所から果物をよくもらう」 | もらった物の扱いが主治医・管理栄養士の説明に入っているかを確かめる | 扱いが分からない食べ物は、次の受診で主治医か管理栄養士に聞くよう伝え、質問を紙に書いておく |
| 買い物を訪問介護が受け持つ | 訪問介護の職員「何を買えばいいか分からない」 | 主治医の指示のうち買い物にかかわる点を、ケアマネジャーを通じて訪問介護の事業所と共有する | 本人の希望と指示の範囲を両方伝え、買い物の一覧を本人と職員が一緒に作れるようにする |
| 透析の日の食事 | 「透析の日は疲れて夕飯をつくれない」 | 透析日の夕食をどう用意しているか(配食・家族・作り置き)を聞き取る | 透析日の食事の用意の工夫をケアマネジャーと相談する |
| 食べる量が減っている | 「決まりが多くて食べる気がしない」 | 食べた量と体重の動きを記録し、主治医・管理栄養士に報告する | 決まりごとを守ることだけでなく、食べられていることも大事だと伝え、受診で相談するよう勧める |
| 漬物や汁物が好き | 「みそ汁がないと食べた気がしない」 | 好きな物を聞き取り、主治医の指示の範囲で残せる工夫を一緒に考える | 汁物の量や回数の工夫を、管理栄養士の説明の範囲で本人が選べるよう伝える |
| 腹膜透析で食事の決まりが変わった | 「透析が始まったら食べていい物が変わったと聞いた」 | 医療機関から受けた新しい説明の資料が手元にあるかを確かめ、古い資料と分けて置く | 新しい決まりごとの分からない点を書き出し、医療機関の外来で確かめるよう伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。食事と水分の内容は、主治医の指示書と管理栄養士の説明に従ってください。訪問看護の計画書で量の基準を新しく決めるものではありません。
食事と水分の決まりごとを伝えるときの言い換え|責めずに続けてもらう言い方と、E-Pへの書き方(8場面)
| 場面 | 避けたい言い方 | 伝え方の例 | E-Pの欄への書き方 |
|---|---|---|---|
| 体重が増えていた | 「また飲みすぎましたね」 | 「体重が前回より増えていますね。この数日で、のどが渇いた日はありましたか」 | 体重が増えた日の出来事を本人と一緒に振り返り、続けやすい工夫を本人が選べるよう支える |
| 記録表が空いていた | 「ちゃんと書いてください」 | 「書けなかった日は透析の日が多いですね。透析の日は誰が書くと楽そうですか」 | 書けない日の事情を聞き、書く人と時刻を本人・家族と決め直す |
| 好きな物を食べた | 「それは食べちゃだめですよ」 | 「好きな物を食べた日の次の日は、体重やむくみはどうでしたか」 | 好きな物を楽しむ日の工夫を、主治医の指示の範囲で管理栄養士と相談するよう伝える |
| 家族が厳しく制限している | 「家族の言うとおりにしてください」 | 「ご家族は心配して言ってくださっているんですね。○○さんはどう感じていますか」 | 本人と家族の受け止めの違いを聞き取り、決まりごとの中身を受診で一緒に確かめるよう勧める |
| 「もう決まりは守れない」 | 「守らないと透析が増えますよ」 | 「全部を毎日は大変ですよね。まず一つ、続けられそうなことはどれでしょう」 | 続けられそうなことを一つ本人が選び、次の訪問で一緒に振り返る |
| インターネットの情報を信じている | 「それは間違いです」 | 「その情報、次の受診で先生に聞いてみませんか。紙に書いておきましょう」 | 本人が得た情報を記録し、主治医・管理栄養士に確かめるよう伝える |
| 透析を始めたばかりで混乱している | 「前に説明しましたよね」 | 「透析が始まって、決まりごとが変わったところがありますね。一緒に資料を見ましょう」 | 新しい資料を本人と読み返し、分からない点を書き出して透析施設に確かめる |
| 本人が自分を責めている | 「気をつけてくださいね」で終わる | 「毎日記録をつけていること自体がすごいことです。増えた日に気づけたのも記録のおかげです」 | 続けていることを本人に伝え、気持ちの言葉を記録書Ⅱに残す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。声かけの言葉は、ご本人・ご家族との関係や状況に合わせて選んでください。
療養上の課題・支援内容|慢性腎不全のO-P・T-P・E-P記載例(10課題・30例)
O-P(観察)・T-P(ケア)・E-P(説明・相談)は、「浮腫の観察」「水分管理指導」の一語で止めず、何を・どの方法で・誰に伝えるかまで書きます。数値の基準は、すべて「指示書に記載の」の形にしています。実際の値は指示書から写してください。
| 療養上の課題(課題欄の文) | O-P(観察) | T-P(ケア) | E-P(説明・相談) |
|---|---|---|---|
| 透析と透析のあいだに体重が増えやすく、むくみの変化に気づいて連絡する流れが家で決まっていない | 記録表の体重の推移、すね・足の甲・まぶたのむくみ、靴のきつさ、息切れの有無を訪問のたびに同じ順で見る | 指示書に記載の連絡の目安と照らし、目安を超えた日があれば主治医に報告する。記録表に連絡の目安の欄を一緒につくる | 連絡の目安と電話の順番(当ステーション→主治医)を紙にして電話の横に貼り、本人が言えるかを確かめる |
| 食事の決まりごとを「全部は無理」と話し、続く日と続かない日がある | 続かなかった日の曜日・出来事、食べた物、体重の動きを聞き取る | 主治医・管理栄養士の資料を本人と読み返し、続けにくい点を一緒に書き出す | 続けにくい点を次の受診・栄養相談で相談するよう伝え、質問の紙を受診の持ち物に入れる |
| 保存期で、尿の回数が減ったと本人が話しているが、記録が途切れがちである | 記録表の尿の回数、本人の「少ない」という言葉、むくみと体重の動きを見る | 書きやすい形(トイレの扉に正の字の紙)を本人と決め、指示書の記録の指示に沿って整える | 回数が減ったと感じたときは記録を持って受診するか、当ステーションへ電話するよう伝える |
| 透析の日は帰宅後に強い疲れがあり、翌朝もふらつきがある | 透析日とその翌日のだるさ・ふらつき・立ち上がりの様子、転倒の有無を聞く | 翌朝の訪問のときに立ち上がりの動作を一緒に確かめ、手すりの位置をケアマネジャーと相談する | 透析日の夕方は休む時間をとり、ふらつきが続くときは透析施設に伝えるよう本人と家族に伝える |
| シャントのある腕を圧迫する場面があり、日常の注意が本人と支援者でそろっていない | シャントの音と振動、腕の赤み・はれ、腕時計や買い物袋など圧迫の場面を見る | 透析施設から示された日常の注意を紙にし、訪問介護の職員にもケアマネジャーを通じて共有する | いつもと違う音や振動のときの連絡先(透析施設)と時間外の連絡の順番を本人と確かめる |
| 腹膜透析の交換を本人が担っているが、手洗いの場所と物品の置き場所が離れている | 交換の場所・手洗いの手順・物品の置き方・手順書との違いを訪問時に一緒に見る | 手順書と同じ順番で交換できる配置を本人・家族と考え、必要な物の置き場所を決める | 手順に迷ったときは手順書と医療機関の連絡先を見るよう伝え、手順の変更はその日に計画書に書き換える |
| 出口部の周りにかゆみがあり、本人がかいてしまうことがある | 出口部の赤み・はれ・しみ出し・痛み、かいた跡、本人の訴えを見る | 指示書と手順書のとおりに出口部の手当てを行い、手当てのあとの様子を記録する | かゆいときにかかずに済む工夫と、いつもと違うときの連絡先を本人と確かめる |
| 夜間の腹膜透析の機器の操作を妻が一人で受け持ち、警告への対応に不安がある | 警告の回数と内容(家族の記録)、妻の睡眠についての言葉、代われる人の有無を聞く | 警告が出たときの対応の順番を手順書から妻と一緒に紙にまとめ、妻の不安をケアマネジャーと共有する | 警告の対応と時間外の連絡先を妻が紙を見て言えるかを確かめる。妻自身の体調が気になるときは、妻のかかりつけ医の受診をすすめる |
| 透析を始めるかどうかを決めかね、受診の前に眠れないと話している | 本人の言葉、主治医から受けた説明の理解、気持ちの揺れ、家族の考えを聞く | 本人が話したいことを話せる時間をとり、主治医への質問を本人と一緒に書き出す | 話し合いの場には家族も同席できることを伝え、決めるのは本人と主治医であることを大切にする |
| 処方が多く、透析の日と透析のない日で飲み方が違うため、飲み忘れがある | お薬カレンダーの残り、透析日の飲み方の違い、飲み忘れた日の曜日を見る | 透析日と透析のない日でお薬カレンダーの段を分けるなどの工夫を、主治医・薬剤師と相談して整える | 飲み忘れに気づいたときにどうするかは自己判断せず、薬局か主治医に聞くよう伝える |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
通院透析と訪問看護の連携|透析施設・主治医・ケアマネジャー・介護サービスの分担表(12場面)
血液透析に通う方は、透析施設で多くの時間を過ごし、透析施設の看護師がご本人をよく知っています。訪問看護が透析施設と同じことを家で繰り返すのではなく、透析と透析のあいだの家での様子を透析施設へ届け、透析施設からの注意を家で続けられる形にするのが、在宅の計画書で受け持つところです。下の表は、場面ごとに誰が何を受け持つかの例です。実際の分担は、ケアプランとサービス担当者会議での話し合いによります。
| 場面 | ご本人・ご家族 | 訪問看護 | 透析施設・主治医 | ケアマネジャー・介護サービス |
|---|---|---|---|---|
| 家での体重の記録 | 毎朝量って記録表に書く | 記録表の推移を見て、指示書の連絡の目安と照らす | 透析前後の値と家の値を合わせて見る | 訪問介護の職員が記録表の記入を声かけする |
| 透析施設との連絡帳 | 連絡帳を透析の日に持っていく | 家での様子(むくみ・食事・眠り)を連絡帳に書く | 透析中の様子と注意を連絡帳に書く | 連絡帳の内容のうち、ケアに関わる点を共有する |
| シャントの日常の注意 | 示された注意を守り、朝夕に自分で振動を確かめる | 音と振動を確かめ、注意を支援者と共有する | 日常の注意を示し、異変の連絡を受ける | 訪問介護・通所の職員が同じ注意を知っている |
| 通院の手段 | 送迎の時刻に支度をする | 透析日の朝の体調で気になることを透析施設へ伝える | 送迎の時刻の変更を知らせる | 送迎の手配や通院の支援をケアプランに位置づける |
| 透析日の過ごし方 | 帰宅後は休む | 透析日は訪問を入れず、翌日に疲れとふらつきを確かめる | 透析中の血圧の下がり方など、家で気をつける点を伝える | 透析日の夕食や家事の支援を組む |
| 食事と水分の決まりごと | 示された決まりごとを続ける | 続け方の工夫を一緒に考え、続かない事情を主治医へ伝える | 決まりごとを示し、栄養相談を行う | 配食や調理の支援で、決まりごとを共有する |
| 検査の結果の受け取り | 結果の紙を保管する | ご本人の了解を得て写しを見せてもらい、説明の理解を聞き取る(値の判断はしない) | 結果を説明する | 結果の紙の置き場所を家族と決める |
| 服薬 | 透析日と透析のない日の飲み方を守る | お薬カレンダーの残りを見て、飲み忘れを主治医・薬剤師に伝える | 処方を出し、飲み方を説明する | 訪問介護の職員が服薬の声かけをする |
| 入浴 | 透析日の入浴の扱いを守る | 入浴の曜日と透析日の重なりを確かめる | 入浴の注意を示す | 通所・訪問入浴の曜日を透析日と重ならないように組む |
| 体調が悪いとき(時間内) | 記録表を見て当ステーションへ電話する | 状態を聞き、指示書のとおりに主治医または透析施設へ報告する | 受診や透析の予定を調整する | 予定の変更をサービス事業所に伝える |
| 体調が悪いとき(夜間・休日) | 紙に書いた順番で電話する | 緊急時の連絡の体制に沿って対応し、翌日に透析施設とケアマネジャーへ伝える | 時間外の連絡の受け方を示す | 翌日の予定の変更を伝える |
| 入院・退院のとき | 入院先に連絡帳と記録表を持っていく | 退院後の初回訪問で、新しい指示書と注意を計画書に写す | 入院先と透析施設のあいだで情報を引き継ぐ | 退院前の話し合いでサービスを組み直す |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の分担はケアプランと、ご本人・ご家族、透析施設との話し合いによります。
透析施設・主治医・ケアマネジャー・訪問介護・通所への連絡文例(10例)
連絡文は、見た事実・聞き取った言葉・記録表の推移を先に書き、看護師の見立ては事実と分けて短く書きます。数値は指示書や記録表の値をそのまま添え、良し悪しの判定を書き込まないようにします。ほかの事業所へ伝えるときは、ご本人の了解を得てから伝えます。
| 宛先 | 連絡の場面 | 連絡文の例 |
|---|---|---|
| 透析施設(連絡帳) | 家での体重とむくみの様子を伝える | 透析のない日(○日)に訪問しました。記録表では毎朝の体重の記入が続いています。両すねに指で押した跡が残り、前回は足の甲だけでした。本人は「夕方は靴がきつい」と話しています。家での体重の量り方は毎朝トイレの後で同じです。透析のときの様子とあわせてご確認をお願いします。 |
| 透析施設(電話) | シャントの音がいつもと違う | 本日の訪問でシャントの音を聴いたところ、いつも聴こえる部位で音が途切れて聴こえました。振動は弱く感じます。本人の痛みの訴えはありません。次の透析は○日です。受診の要否と、それまでの過ごし方についてご指示をお願いします。 |
| 主治医(電話) | 指示書の連絡の目安を超えた | ○○様の体重が、記録表で指示書に記載の連絡の目安を超えています(○日・○日の値)。足のむくみが広がり、本人は「横になると少し苦しい」と話しています。透析施設にも同じ内容を連絡します。受診の要否についてご指示をお願いします。 |
| 腹膜透析を管理する医療機関 | 排液がいつもと違う | 本日、ご本人から「今朝の排液がいつもより濁っている気がする」と電話があり、訪問して手順書の見本と一緒に確かめました。お腹の張りの訴えがあり、痛みはないと話しています。手順書の連絡先としてご連絡しました。受診の要否についてご指示をお願いします。 |
| 主治医(報告書に添えて) | 保存期で尿の回数が減ったと話す | 今月は、記録表の日中の尿の回数が月の初めより減っており、本人も「トイレが少なくなった」と話しています。体重とむくみの記録を添えます。次の受診は○日の予定です。 |
| ケアマネジャー | 透析翌日のふらつき | 透析の翌朝に立ち上がりでふらつくと本人が話しています。転倒はありません。寝室からトイレまでの手すりの位置について、福祉用具の相談をお願いできますでしょうか。透析施設にも様子を伝えています。 |
| ケアマネジャー | 妻が夜間の機器の操作を一人で受け持っている | 夜間の腹膜透析の機器の操作を奥様が一人で受け持っており、奥様は「警告が鳴ると眠れない」と話しています。今月は警告が○回あったと記録されています。奥様のご了解を得てお伝えします。奥様が休める日のつくり方について、ご相談させてください。 |
| 訪問介護の事業所(ケアマネジャー経由) | シャントの注意を共有したい | ○○様のシャントは左腕にあります。透析施設からの注意として、左腕で血圧を測らない、左腕に買い物袋を下げない、腕時計をつけない、の3点をお伝えします。いつもと違う様子に気づいたときは当ステーションへご連絡ください。 |
| 通所の事業所(ケアマネジャー経由) | 入浴と水分の扱い | ○○様は透析の日が月・水・金です。入浴は透析のない日に予定されていると伺っています。水分と食事は主治医の指示書のとおりで、ご本人が飲んだ量を湯のみの数で数えています。通所での飲み物の量を連絡帳に書いていただけると、家の記録と合わせて見られます。 |
| 薬局 | 飲み忘れが続く | ○○様は透析の日と透析のない日で飲み方が違い、お薬カレンダーでは透析の日の昼の分の残りが続いています。主治医にもお伝えしています。飲み方をそろえる工夫についてご相談させてください。 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の連絡の方法と内容は、事業所の手順と各機関との取り決めに沿ってください。
ご家族の負担|送迎・食事づくり・夜間の腹膜透析を受け持つご家族の支え方と記録の型(8場面)
慢性腎不全の療養は、食事づくり・通院の付き添い・腹膜透析の手伝いなど、ご家族が受け持つことが長く続きます。計画書はご本人の療養のための計画なので、ご家族の負担は、ご本人が家で暮らし続けられるかどうかに関わる介護の状況として課題欄や備考に書き、ご家族ご自身の体や心の不調そのものは、ご家族のかかりつけ医や相談窓口につなぐ形で書きます。
| 場面 | 聞き取った言葉の例 | 訪問看護で行うこと(T-P) | 記録書Ⅱへの書き方の型 |
|---|---|---|---|
| 食事づくりを一人で受け持つ | 妻「家族と別の献立をつくるのが毎日しんどい」 | 家族と同じ献立から取り分ける工夫を、管理栄養士に相談できるようつなぐ。配食の利用の相談をケアマネジャーへ伝える | 妻の言葉、つくっている献立の数、相談した先と日付 |
| 透析の送迎を家族が担う | 長男「朝の送迎のために仕事を遅らせている」 | 送迎の手段の見直しが要るかを本人・家族と話し、ケアマネジャーへ伝える | 長男の言葉、送迎の曜日と時刻、ケアマネジャーへ伝えた日 |
| 夜間の腹膜透析の手伝い | 妻「機械の音が気になって眠りが浅い」 | 警告の対応の順番を紙にまとめ、妻が休める日のつくり方をケアマネジャー・医療機関と相談する | 妻の言葉、警告の回数(家族の記録)、相談した内容 |
| 家族が交換の手順を覚えきれない | 娘「週末だけ代わるので、手順を忘れてしまう」 | 週末の前の訪問で、手順書を娘と一緒に読み返す時間をとる。手順書の要点を一枚にまとめる | 一緒に確かめた手順、娘が一人で行えた所と迷った所 |
| 食事の決まりごとを巡って家族とぶつかる | 本人「家内がうるさくて食事が楽しくない」 | 本人と妻の話を別々に聞く時間をとり、決まりごとの中身を受診で一緒に確かめるよう勧める | 本人と妻それぞれの言葉、受診で確かめる質問 |
| 家族が透析の話を避けている | 長女「透析の話になると父が怒るので、話せない」 | 本人が気持ちを話せる時間をとり、家族と話し合う場をどうつくるかを主治医・透析施設と相談する | 長女の言葉、本人の言葉、相談した先 |
| 遠方の家族が心配している | 次男「電話でしか様子が分からない」 | ご本人の了解を得て、家族への様子の伝え方(連絡のつく時間帯・伝える範囲)を決める | 伝えてよい範囲と相手、伝えた日と内容 |
| 家族自身の体調がすぐれない | 妻「最近、私も腰が痛くて」 | 妻のかかりつけ医の受診をすすめ、介護の体制の変化としてケアマネジャーと共有する(妻の状態を看護師が見立てない) | 妻の訴えを言葉のまま、すすめたこと、共有した日 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。ご家族の心身の状態の見立ては、ご家族ご自身のかかりつけ医によるものです。対応は事業所の手順と管理者の判断に沿ってください。
悪い例と良い例|慢性腎不全の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)
左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。良い例に入れた数値の基準は、すべて「指示書に記載の」の形にしています。実際の値は指示書から写してください。
| 欄 | 悪い例 | 良い例(そのまま使える文) | 直した点 |
|---|---|---|---|
| 目標 | 「腎機能の悪化を防ぐ」 | むくみや体重の変化に自分で気づいて連絡しながら、透析に通う前の今の暮らしを続けられる | 病気の経過ではなく、本人の行動と暮らしの言葉にした |
| 目標 | 「水分管理ができる」 | 飲んだ量を湯のみの数で数えて記録表に書き、指示書の範囲の水分で過ごせる | 「管理」の中身を、数える・書く・範囲で過ごすに分けた |
| 目標 | 「透析を安全に継続できる」 | 透析に通い続けながら、透析のない日は自分で買い物に行く暮らしを保てる | 透析の継続を前提にした暮らしの姿を書いた |
| 目標 | 「腹膜透析の手技を獲得する」 | 手順書と同じ順番でバッグ交換を行い、迷ったときは手順書と連絡先を見て確かめられる | 「獲得」ではなく、確かめられる行動にした |
| 課題 | 「慢性腎不全」 | 透析と透析のあいだに体重が増えやすく、むくみに気づいて連絡するまでの流れが家で決まっていない(記録表の推移と本人の言葉から) | 病名ではなく療養上の課題と根拠を書いた |
| 課題 | 「自己管理不良」 | 食事の決まりごとを「全部は無理」と話し、会食のある週に続かない日が重なっている | 本人を責める言葉を避け、続かない場面を書いた |
| 課題 | 「シャント管理」 | シャントのある腕に買い物袋を下げる場面があり、日常の注意が本人と訪問介護の職員でそろっていない | 何が起きていて、誰と何がそろっていないかを書いた |
| O-P | 「浮腫の観察」 | すね・足の甲・まぶたのむくみを、指で押したあとの戻りと前回との違いで見る。靴のきつさを聞く | 見る部位と比べ方を書いた |
| O-P | 「体重測定」 | 記録表の訪問間の体重を見て、量る条件が同じかを確かめ、指示書に記載の連絡の目安と照らす | 看護師が量るのではなく、家の記録を読む形にした |
| O-P | 「シャント音良好の確認」 | シャントの音を聴いた部位と途切れの有無、振動の有無を、毎回同じ言葉で記録する | 「良好」の一語をやめ、何を確かめたかを書いた |
| O-P | 「バイタルサインの観察」 | シャントのない右腕で血圧と脈拍を測り、指示書に記載の連絡の目安を外れたときは主治医に報告する | 測る腕と、誰に伝えるかを書いた |
| T-P | 「水分制限の指導」 | 飲んだ量の数え方を本人と決め、渇きが強い時間帯の過ごし方を一緒に考える。水分の量は指示書のとおりとし、看護師が変えない | 指導の中身と、看護師が決めないことを書いた |
| T-P | 「食事指導」 | 主治医・管理栄養士の資料を本人と妻と読み返し、迷う料理を書き出して次の栄養相談に持っていけるようにする | 新しい決まりを看護師が足さず、資料を使う形にした |
| T-P | 「出口部ケア」 | 指示書と手順書のとおりに出口部を洗って覆い、赤み・はれ・しみ出し・痛みの有無を記録する | 手順の出どころと、記録する項目を書いた |
| T-P | 「透析施設と連携する」 | 透析のない日の訪問で見たむくみ・食事・眠りの様子を連絡帳に書き、透析施設からの注意を計画書の備考に写す | 連携の中身を、書く・写すに分けた |
| E-P | 「異常時は連絡するよう指導」 | 体重が指示書に記載の連絡の目安を超えたとき、息苦しさがあるとき、シャントの振動が感じられないときは、紙に書いた順番で電話するよう伝え、本人が言えるかを確かめる | 「異常」の中身と、連絡の順番を書いた |
| E-P | 「家族指導」 | 週末に交換を代わる娘と、週末の前の訪問で手順書を一緒に読み返し、娘が迷った所を手順書に印をつけておく | 誰に、いつ、何をするかを書いた |
| 評価 | 「体重管理良好」 | 記録表は訪問間の○日中○日記入があり、連絡の目安を超えた日はなかった。透析の日に記入が抜けやすいため、透析の日は妻が書く形に変える | 事実と、次に変えることを書いた |
| 評価 | 「浮腫軽減」 | 前回は両すねまであったむくみが、今回は足の甲のみ。本人は「靴が入るようになった」と話す。目標と支援内容は継続とする | 部位の比較と本人の言葉で書いた |
| 備考 | 「透析中」 | 血液透析:月・水・金の午前(透析施設名と連絡先は記録書Ⅰ)。左腕にシャントあり、左腕での血圧測定は行わない。食事と水分は主治医の指示書のとおり | 曜日・注意・指示の出どころを書いた |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
評価の書き方と報告書へのつなぎ方|慢性腎不全の方の評価文(10例)と報告書の欄別記載例
評価は、目標ごとに記録表と記録書Ⅱに残した事実で書きます。「良好」「継続」の一語で終わらせず、何が続き、何が続かなかったか、次の計画で何を変えるかまで書いておくと、見直しの理由がはっきりします。
| 評価の結論 | 評価欄の記載例 | 次の計画で変える欄 |
|---|---|---|
| 継続(記録が続いている) | 体重とむくみの記録は訪問間のほぼ毎日続き、指示書に記載の連絡の目安を超えた日はなかった。本人は「書くのが習慣になった」と話す。目標と支援内容は継続とする | 変えない。次の見直し日だけを書き足す |
| 一部達成(透析の日に記録が抜ける) | 体重の記録は透析のない日は続くが、透析の日に抜けやすい。本人は「疲れて忘れる」と話す。透析の日は妻が書く形に変える | 支援内容(書く人の分担) |
| 達成(連絡ができた) | 連絡の目安を超えた日に本人から電話があり、同日に主治医へ報告して受診につながった。「気づいて電話する」目標は達成とし、次期は外出の再開を目標にする | 目標・課題 |
| 未達成(連絡が遅れた) | 足のむくみで靴が入らない日が数日続いていたが、本人は「透析で言えばいい」と様子を見ていた。透析のあいだでも電話してよいことを改めて伝え、連絡の目安の紙を作り直す | E-P・備考 |
| 一部達成(食事の決まりごと) | 平日は資料のとおりの食事が続くが、会食のある週は続かない日が重なる。本人は会食をやめたくないと話す。会食の日の工夫を管理栄養士に相談する形に変える | T-P・E-P |
| 達成(シャントの注意) | 本人は朝夕に自分で振動を確かめていると話し、訪問介護の職員も左腕で血圧を測らないことを知っている。課題は達成とし、観察は継続とする | 課題(一つ減らす) |
| 一部達成(腹膜透析の手順) | 本人は手順書と同じ順番で交換できているが、週末に代わる娘は手順に迷う所がある。週末の前の訪問で娘と手順を確かめる時間を足す | T-P・訪問の曜日 |
| 継続(出口部) | 出口部に赤み・はれ・しみ出しはなく、本人が毎日見て記録表に書いている。かゆみの訴えは減ったと本人。手当ての方法は手順書のとおり継続とする | 変えない |
| 見直し(治療の形が変わった) | ○月○日から血液透析を始めた。保存期の計画の目標と課題は終了とし、透析の曜日・シャントの注意・透析施設との連絡を軸に計画を作り直す | 目標・課題・支援内容・備考の全部 |
| 見直し(家族の受け持ちが変わった) | 夜間の腹膜透析の手伝いを受け持っていた妻が体調を崩し、長男が代わることになった。長男と手順を確かめる時間を足し、ケアマネジャーと支援の組み直しを相談する | 課題・T-P・備考 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(慢性腎不全の記載例6欄)
| 報告書の欄 | 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(2)) | 慢性腎不全の方の記載例 |
|---|---|---|
| 病状の経過 | ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 | 記録表の体重は月の前半は横ばい、○日以降に連絡の目安に近い値が続き、両すねにむくみが広がった(○日に主治医へ報告)。透析の翌朝に立ち上がりのふらつきを訴えるが、転倒はない。透析のない日は近所の店まで歩いて買い物を続けている |
| 看護・リハビリテーションの内容 | ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 | 体重・むくみ・血圧(右腕)・シャントの音と振動の観察、記録表の確認と書き方の見直し、食事の資料の読み返し(妻同席)、透析施設の連絡帳への記載、手すりの位置についてケアマネジャーへの相談 |
| 家庭での介護の状況 | ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 | 妻が食事づくりと記録表の確認を受け持つ。妻は「別の献立をつくるのがしんどい」と話し、管理栄養士への相談と配食の利用についてケアマネジャーへ伝えた |
| 衛生材料等の使用量および使用状況 | ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 | (腹膜透析の方)出口部の手当てに使用した物品の名称・交換の頻度・1か月の使用量を、計画書の衛生材料等の欄と同じ名前で記入する |
| 特記すべき事項 | ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 | 透析施設の連絡帳で、透析中の様子について注意の記載があった(写しを添付)。本人は透析を続けることについて「先生ともう一度話したい」と話している |
| (計画書の評価とのつながり) | 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 | 計画書の評価で「一部達成(透析の日に記録が抜ける)」とした内容を、病状の経過と同じ言葉で書き、次の計画で変える点(透析の日は妻が書く)を特記すべき事項に添える |
※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
慢性腎不全の方の計画書を見直すきっかけ(10)
| 見直しのきっかけ | 計画書で見直す欄 |
|---|---|
| 透析を始めることが決まった・シャントの手術を受けた | 目標・課題・備考(透析の曜日、シャントの注意) |
| 血液透析を始めた | 目標・課題・支援内容・備考の全部 |
| 腹膜透析を始めた・血液透析へ切り替えた | 目標・課題・支援内容・衛生材料等・備考 |
| 透析の曜日や時間帯が変わった | 備考・訪問の曜日・訪問予定の職種 |
| 指示書が新しくなった(連絡の目安・食事と水分の決まりごとの変更) | O-P・E-P・備考 |
| 入院から戻った | 目標・課題・支援内容(退院時の注意を写す) |
| 交換や送迎を受け持つ家族が交代した | 課題・T-P・E-P・備考 |
| 出口部やシャントの異変で受診した | O-P・T-P・衛生材料等 |
| 心不全や糖尿病など、ほかの病気の治療が変わった | 課題・O-P・E-P |
| ご本人が治療の方針について考えを変えた・最期の時期の過ごし方を話し始めた | 目標・課題・支援内容 |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
運営指導で慢性腎不全の方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「居宅介護支援事業者等との連携(第64条)」「サービス提供の記録(第19条)」「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、慢性腎不全の方の計画書で確かめる点の例です。
| 別添1の確認項目(訪問看護) | 慢性腎不全の方の計画書で確かめる点 | 貴事業所の確認欄 |
|---|---|---|
| (第64条)サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか | 透析の曜日、シャントの注意、食事と水分の決まりごとを、ケアマネジャーと訪問介護・通所の職員と共有した記録があるか | 確認日:( ) |
| (第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか | 記録書Ⅱに、計画書で決めた観察(体重・むくみ・シャント・出口部)と、記録表の確認・手順の確認を行ったことが書かれているか | 確認日:( ) |
| (第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | 「浮腫なし」「シャント良好」の一語でなく、部位・前回との違い・本人の言葉で書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか | ケアプランの通院の支援、透析日の訪問介護、通所の曜日と、計画書の訪問の曜日・備考が食い違っていないか | 確認日:( ) |
| (第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか | 指示書の連絡の目安・食事と水分の決まりごとが「指示書に記載の」の形で写されているか。本人の希望と、家の環境(交換の場所、家族の受け持ち)が課題と目標に入っているか | 確認日:( ) |
| (第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか | O-P・T-P・E-Pが「水分管理指導」「浮腫観察」の一語で止まっていないか。訪問の曜日が透析の曜日と合わせて分かるか | 確認日:( ) |
| (第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか | 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。本人・家族に渡した連絡の目安の紙と計画書の内容が同じか | 確認日:( ) |
| (第70条)目標の達成状況は記録されているか | 評価欄と記録書Ⅱに、記録表の記入の状況、連絡できた場面、手順を一人で行えた場面などの事実が書かれているか | 確認日:( ) |
| (第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか | 透析の開始・治療の切り替え・入院・家族の交代の後に、計画書が見直されているか | 確認日:( ) |
| (第70条)訪問看護報告書は作成されているか | 計画書の評価と、報告書の「病状の経過」「家庭での介護の状況」がつながっているか | 確認日:( ) |
※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体の公表資料にある、訪問看護計画書と主治医の指示に関わる指摘(5件)
慢性腎不全に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方、主治医の指示との関係、ケアプランとの関係で関わりの深い公表事例です。
| 自治体 | 公表されている指摘の内容 | 慢性腎不全の方の計画書で見直す点 |
|---|---|---|
| 長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) | 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 | ケアプランの通院の支援・透析日の支援との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性 |
| 神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) | 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 | 指示書の有効期間の管理(かかりつけ医と透析施設の医師のどちらが出しているか)、指示書の連絡の目安が計画書に写されているか |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 | 退院して透析を始めたときに、訪問開始前に計画書があるか。ケアプランの分担と食い違っていないか |
| 東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) | 指示書・計画書・報告書・提供記録などの記録の整備と保存が不十分な例 | 指示書・透析施設の連絡帳の写し・手順書・記録表を、計画書とあわせて利用者ごとに整理しているか |
| 宇都宮市(令和7年度 運営指導における主な指導事例・居宅介護支援) | 居宅介護支援の側の指摘として、訪問看護など医療系サービスを位置付けている居宅(介護予防)サービス計画について、主治の医師等の指示を確認できる記録がない等 | ケアマネジャーが主治医の指示を確かめられるよう、指示書の受け取りと計画書・報告書の写しの扱いをケアマネジャーと決めているか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
慢性腎不全の方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)
保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。
| 記録 | 何のために残すか | 保管場所 | 最終更新日 |
|---|---|---|---|
| 訪問看護指示書 | 連絡の目安、食事と水分の決まりごと、処置の内容の出どころ | ( ) | ( ) |
| 訪問看護記録書Ⅰ(透析施設・医療機関の連絡先) | 透析の曜日、透析施設と主治医の連絡先、連絡の順番 | ( ) | ( ) |
| 透析施設の連絡帳の写し | 透析中の様子と注意、家の様子を伝えた記録 | ( ) | ( ) |
| 腹膜透析の手順書(版と受け取り日) | 交換と出口部の手当ての手順の出どころ | ( ) | ( ) |
| ご本人・ご家族の記録表 | 課題と評価の根拠、主治医への報告に添える資料 | ( ) | ( ) |
| 本人・家族に渡した連絡の目安と順番の紙 | 説明の内容が計画書と同じかの確認 | ( ) | ( ) |
| 居宅サービス計画の写し | 計画書がケアプランに沿っていることの確認 | ( ) | ( ) |
| 主治医・透析施設・ケアマネジャーへの連絡の記録 | 伝えた日時・相手・内容、本人の了解 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) | 説明した相手と日付、同意と交付の事実 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護記録書Ⅱ | 訪問ごとの観察・ケア・説明と、聞き取った言葉 | ( ) | ( ) |
| 訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) | 病状の経過と家庭での介護の状況を主治医へ伝えた事実 | ( ) | ( ) |
※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。
よくある質問
慢性腎不全の看護計画に、水分や塩分の量、体重の目安を数値で書いてもよいですか?
水分や塩分の量、体重の連絡の目安は、主治医の指示書や透析施設から示されるものです。計画書には看護師が決めた数値を書かず、「指示書に記載の連絡の目安を超えたときは当ステーションへ電話する」「水分の量は指示書のとおり」のように書き、具体的な値は指示書の写しで確かめられるようにしておくと、指示が変わったときにも計画書との食い違いが起きにくくなります。
病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、慢性腎不全の書き方で何が違いますか?
病院や看護過程では「体液量過剰」のような看護診断名を立て、入院中の検査値と治療に合わせて計画を組むことが多くあります。在宅の訪問看護計画書は、看護師がいない日の暮らしの中で、体重やむくみの変化に誰が気づいて誰に伝えるか、食事と水分の決まりごとを家でどう続けるか、透析施設と訪問看護が何を受け持つかを書く計画です。課題欄には、診断名ではなく、暮らしの場面と根拠になる事実を一文で書きます。
保存期・血液透析・腹膜透析で、訪問看護計画書の書き方はどう変わりますか?
保存期は、むくみや尿の量の変化に気づいて受診につなぐことと、食事の決まりごとを続けることが中心になります。血液透析に通う方は、透析と透析のあいだの体重とむくみ、シャントを守る暮らし方、透析施設との連絡が中心になります。自宅で腹膜透析を行う方は、手順書のとおりの交換と清潔、出口部の観察、排液の様子、物品の管理が加わります。治療の形が変わったときは、目標から支援内容まで計画書を作り直します。
シャントや腹膜透析の出口部の観察は、計画書にどう書けばよいですか?
O-Pには、シャントの音と振動、腕の赤みやはれ、出口部の赤み・はれ・しみ出し・痛みなど、見る所を項目ごとに書きます。観察の方法と連絡の目安は、透析施設や腹膜透析を管理する医療機関から示されたとおりにし、いつもと違うときの連絡先と順番を備考とE-Pに書きます。記録書Ⅱには「良好」の一語ではなく、確かめた部位と前回との違いを残します。
透析施設と訪問看護は、どのように連携して計画書に書けばよいですか?
透析施設は透析中の様子をよく知り、訪問看護は透析と透析のあいだの家での様子を見ています。計画書のT-Pには、家で見たむくみ・食事・眠りの様子を連絡帳で透析施設に伝えること、透析施設から示された注意を計画書の備考に写して支援者と共有することを書きます。指示書を出している主治医が誰かと、透析施設の連絡先は、記録書Ⅰに残しておきます。
慢性腎不全の方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?
透析を始めたとき、血液透析と腹膜透析を切り替えたとき、シャントの手術や入院から戻ったとき、透析の曜日が変わったとき、指示書の連絡の目安や食事・水分の決まりごとが変わったとき、交換や送迎を受け持つ家族が交代したときなどが見直しのきっかけです。見直した日は計画書の年月日の欄に書き、見直した内容は記録書に残します。
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- 慢性腎不全(人工透析)の方のケアプラン文例(介護支援専門員が作るケアプランの側。透析のある日とない日の週の組み方)
- 訪問看護計画書の評価の書き方と記載例(評価欄の詳しい書き方)
- 訪問看護報告書の書き方と記入例(「病状の経過」「家庭での介護の状況」を含む報告書の欄別の書き方)
- 訪問看護記録の書き方(記録書Ⅱへの書き方)
- 心不全の看護計画(体重とむくみの記録、連絡の目安を指示書から写す計画)
- 糖尿病の看護計画(自己測定と記録、食事の決まりごとを支える計画)
- 低栄養の看護計画(食べる量の減少と体重の変化に備える計画)
- 排尿障害の看護計画(尿の回数と量の記録、カテーテルの観察)
- 介護負担の看護計画(家族の受け持ちと分担を書く計画)
- 通院介助の記録の書き方(訪問介護による通院の支援の記録)
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






