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大腿骨頸部骨折の看護計画|在宅の訪問看護計画書の看護目標・看護問題とO-P/T-P/E-P記載例224例

台所でつまずいて太ももの付け根を骨折し、人工の骨頭に置き換える手術を受けて家に戻ったばかりの方、手術を受けずに安静と痛みの様子を見ながら家で過ごすことになった方、退院した夜から「ここはどこ」と何度も起き上がろうとする方、「もう一度転んだら寝たきりになる」と言ってトイレ以外は動かなくなった方――このような、大腿骨頸部骨折の治療を終えて(または保存療法で)家に戻った方の在宅の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士等と管理者を想定しています。

病院の看護計画や看護学生の看護過程では、手術の前後の観察、術後の合併症の予防、病棟でのリハビリの進み方を、看護師が一日を通して見ていく前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅の訪問看護計画書では、看護師やリハビリ職がそばにいるのは一週間のうちのわずかな時間です。退院時に示された動作の注意を毎日守るのも、夜中のトイレに付き添うのも、痛みや夜の混乱に最初に気づくのも、多くはご本人とご家族です。そのため在宅の計画書には、病院から引き継いだ指示をどう家の暮らしに写すか、どの場面で何を見るか、何が起きたら誰に知らせるかを、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。この記事では、退院からの時期ごとの書き分け、手術の有無と動作の指示の写し方、痛み・傷・夜の混乱(せん妄)の観察、入浴・排泄・移動の場面、再骨折を防ぐ計画、ご家族への説明を、それぞれ表にしています。

この記事で扱わないこと:救急搬送から手術までの急性期の看護、手術そのものの方法や術式の選び方、病棟での術後管理は扱いません。病院の看護計画ではなく、退院した後の家の暮らしを支える計画書に絞っています。また、家の中の転びやすい場所を一つずつ見ていく計画は「転倒予防の看護計画」の記事で、寝ている時間が長くなり体の働きが落ちていく流れを止める計画は「廃用症候群の看護計画」の記事で扱っているため、この記事では比較表と案内にとどめています(いずれも関連記事を参照)。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。体重をかけてよい割合(荷重の程度)、避ける姿勢の角度、動いてよい時期や日数の目安、痛み止めや骨を強くする薬の名前と量、尺度の点数とその区切りなど、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医の指示書、退院時の情報、リハビリ職の評価、薬剤師の説明に示された内容を、示されたとおりに計画書へ写すものとして「主治医・リハ職の指示を確認」「退院時の情報のとおり」の形で書いています。

計画書の欄と通知の原文|大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書で、欄ごとに何を書くか(欄別対照表2つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)に示されています。計画書の様式には「骨折」や「荷重」という名前の欄はありません。退院時に示された動作の注意、痛みと傷の観察、夜の混乱への備え、再骨折を防ぐ工夫は、目標・療養上の課題・支援内容・評価・訪問予定の職種・備考の各欄に分けて書き込みます。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) 大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 骨折を機に初めて要介護認定を申請した方や、区分の変更を申請中の方がいる。申請の状況を備考に書き、結果が出たら見直す日を決めておく。骨折した日・場所・きっかけは記録書Ⅰに残す 認定の状況の確認先:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「歩行が自立する」「ADLが拡大する」で止めず、骨折の前にしていた暮らしのうち、ご本人が取り戻したい場面(自分でトイレに行く、台所に立つ、近所の店まで歩く、畑を見に行く等)と、そのために本人と家族が続けること(指示された動作の注意を守る、決めた練習を続ける、痛みや傷の変化を知らせる)を主語にする 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 退院した日、外来の受診で動作の指示が変わった日、杖や歩行器が変わった日、訪問リハや通所が始まった・終わった日、転んだ日、手すりや福祉用具が入った日など、見直しのきっかけの日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題の文には、骨折と手術の後の何が、暮らしのどの場面を止めているか(夜中のトイレ、浴槽をまたぐ、低い椅子から立つ、外に出る等)を、根拠になる事実(訪問時に見た動作、ご本人・ご家族の言葉、痛みの記録)とあわせて書く。支援内容はO-P・T-P・E-Pに分け、荷重と避ける動作は「主治医・リハ職の指示を確認」、薬は「処方のとおり」の形で書く 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱとリハビリ職の記録に残した事実(自分で行けたトイレの回数、歩いた場所と使った道具、夜の過ごし方、痛みの変化、ご本人の言葉)で書く。「順調」「著変なし」「ADL向上」の一語で終わらせない 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 手術の傷の処置が続いている方、かかとや仙骨の部分に床ずれのできかけがある方などでは、指示書のとおりに処置の内容・種類とサイズ・1か月の必要量を写す。処置がなければ「無」とする 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 理学療法士・作業療法士が動作の練習で訪問する方が多い。職種と曜日を書き、看護師とリハビリ職がそれぞれ何を受け持つか(看護師は痛み・傷・排泄・夜の様子、リハビリ職は動作の練習と道具の調整など)がご本人に分かるようにする 職種ごとの受け持ちの伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 手術をした医療機関と次の外来の日、退院時に示された動作の注意の出どころ(書類の名前と日付)、福祉用具(特殊寝台・歩行器・ポータブルトイレ・入浴用の椅子等)の種類と事業所、ヘルパー・通所・訪問リハの曜日、夜間の連絡先など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

リハビリ職の訪問と記録書・報告書|作成者の欄、訪問日の印、別添の書き方を通知の原文で確かめる

大腿骨頸部骨折で退院した方は、看護師に加えて理学療法士・作業療法士が訪問することが多く、計画書と報告書のどこにリハビリ職の受け持ちを書くかで迷いやすい場面です。手元の通知の原文から並べました。老企第55号の記載要領は、令和6年の改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙17)で変更のない箇所を、自治体が掲載している通知の写しから引いています。

確かめる点 通知の原文 大腿骨頸部骨折で退院した方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 「自分でトイレに行きたい」「畑を見に行きたい」などご本人の希望が目標に入っているか。指示書と退院時の情報にある動作の注意が、T-PとE-Pに写されているか 希望を確かめた日と方法:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 ケアプランに位置づけられた福祉用具・住宅改修・通所・ヘルパーの受け持ちと、計画書の動作の支援が食い違っていないか。退院直後にケアプランが暫定のときは、確定した版を受け取った日を残す ケアプランの受け取り日:(    )
計画書の作成者の欄(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(2)⑦「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供する場合には、『作成者①②』の両方に記入すること」 リハビリ職が訪問する方で、作成者①(看護師等)と作成者②(リハビリ職)の両方が書かれているか。看護師とリハビリ職で目標の言葉がそろっているか 作成者の記入の確認者:(    )
報告書の訪問日の印(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(3)②ロ「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護を実施した場合は◇、急性増悪等により特別訪問看護指示書の交付を受けて訪問した日には△、緊急時訪問を行った日は×印とすること」 看護師の訪問日(○)とリハビリ職の訪問日(◇)が分けて示されているか。傷の様子の変化などで特別訪問看護指示書を受けた月は、その日を決まりの印で示しているか 印の確認者:(    )
報告書の別添(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(3)⑪ロ「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容について具体的に記入すること」 立ち上がり・歩く・浴槽をまたぐなどの練習の内容、ご家族に伝えた手の添え方、指示された避ける動作をどう確かめたか(リスク管理)が具体的に書かれているか 別添の記入の担当:(    )
記録書Ⅰに書く項目(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(4)②。記録書Ⅰには「訪問看護の依頼目的、初回訪問年月日、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、生活歴、主治医等の情報、家族等の緊急時の連絡先、担当の介護支援専門員名、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 骨折したときの状況(いつ・どこで・何をしていて)、手術の有無と手術をした医療機関、骨折の前の暮らし(生活歴)、退院時に示された動作の注意の出どころが初回に残っているか 初回の聞き取り日:(    )
記録書Ⅱに書く項目(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「訪問年月日、訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入するとされています 訪問職種が看護師かリハビリ職かが分かるか。痛み・傷・脚の腫れの観察と、行った練習の内容が、訪問ごとに同じ形で残っているか 記録の形の決まり:(    )
評価と見直し(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること」 外来の受診で動作の指示が変わったとき、使う道具が変わったとき、転んだときに、評価と見直しを行い、その内容を記録書に残しているか 見直しの記録の担当:(    )
管理者の確認(医療保険) 保医発0327第10号 第一の1(3)。管理者は、指示書、「計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い、指定訪問看護の提供等に遺漏のないよう努めること」 看護師とリハビリ職で、動作の注意の書き方や目標の言葉がばらばらになっていないか、報告書の本体と別添の内容がそろっているかを管理者が確かめているか 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。老企第55号の記載要領の文言は、令和6年の改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙17)で変更のない箇所を、自治体が掲載している通知の写しから引いています。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

退院からの時期で書き分ける|退院直後・家の暮らしに慣れる時期・暮らしを立て直す時期(3つの時期の比較表)

大腿骨頸部骨折で退院した方の訪問看護は、同じ方でも時期によって計画書の重心が変わります。退院直後は、病院と家の違い(ベッドの高さ、トイレまでの距離、段差、夜の暗さ)に体と気持ちが慣れていない時期で、痛み・傷・夜の混乱と、指示された動作の注意を家で守れるかが中心になります。家の暮らしに慣れてくると、トイレ・入浴・着替えなど毎日の場面を自分でできる形に整えていく時期になります。その先は、骨折の前にしていた役割や外出を取り戻し、再び骨折しない暮らし方を続ける時期です。時期の区切りは人によって大きく違い、外来での主治医の判断によっても変わるため、下の表の「暮らしの様子」を見て、どの時期の書き方が合うかを判断します。

観点 退院直後 家の暮らしに慣れる時期 暮らしを立て直す時期
暮らしの様子 家の中の移動にご家族の付き添いが要ることが多い。夜に眠れない、痛みで動くのをためらう、病院にいると思って起き上がろうとする、などが出やすい 決めた道具と手順で、トイレや食卓までの移動ができる場面が増える。入浴や外出はまだ手助けが要ることが多い 家の中の暮らしはおおむね自分の手順でできる。外出、家事、趣味、地域の集まりなど、骨折の前の役割をどこまで取り戻すかが話題になる
計画書の重心 退院時の情報と指示書の動作の注意を家の暮らしに写すこと。痛み・傷・脚の腫れ・夜の混乱を見て、変化を主治医に伝えること トイレ・入浴・着替えなど毎日の場面を、リハビリ職と決めた手順で続けられるようにすること。動かない時間が長くならないようにすること 外出と役割を取り戻すこと。再び転んで骨折しないための暮らし方と、骨を強くする治療を続けることを、本人・家族と分け合うこと
目標の主語 「指示された動作の注意を守りながら、寝室からトイレまで付き添いで移動できる」 「決めた手順で、日中のトイレに自分で行ける」「入浴用の椅子を使って、家の浴室で体を洗える」 「杖を使って、近所の店まで歩いて買い物に行ける」「週に一度の通所で、友人と過ごす時間を持てる」
O-Pの重心 痛みの場所と強さ、手術の傷、脚の腫れ、夜の眠りと混乱、便通と食事の量、動作の注意を守れているか トイレ・入浴・着替えの場面の動作、使っている道具の合い方、日中に横になっている時間、痛みと動作の関係 外出の回数と行き先、家事の分担、転びそうになった場面、骨を強くする薬の飲み方の続き具合
T-Pの重心 動作の注意を紙にしてご家族と確かめる、痛みの記録を一緒につける、傷の観察と処置(指示のある場合) リハビリ職と決めた手順で一緒に動作を行う、入浴と排泄の手順と道具を整える 外出の準備と移動の手順を一緒に考える、家の中の環境の見直しを関係する事業所と相談する
E-Pの重心 避ける動作と、その理由をご本人の言葉で言えるようにすること。痛み・傷・脚の腫れ・夜の混乱で知らせてほしい様子 動作の手順をご家族とヘルパーが同じやり方で手伝えること。動かないことで弱るという流れ 転びにくい暮らし方、骨を強くする治療を続ける意味(主治医・薬剤師の説明につなぐ)、外出時の連絡のしかた
連携の相手 手術をした医療機関(退院時の情報)、主治医、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員 理学療法士・作業療法士、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具専門相談員 主治医、薬局、通所の事業所、ケアマネジャー、地域の集まりの世話役(ご本人の了解のうえで)
見直しのきっかけ 外来の受診で動作の指示が変わった、傷の様子が変わった、夜の混乱が続いている 歩行器から杖に変わった、ポータブルトイレを使わなくなった、入浴の場所が変わった 通所や外出が始まった、訪問リハが終わった、転んだ・転びそうになった
評価で見る事実 付き添いで移動できた場面、痛みと眠りの記録、注意を守れなかった場面とその理由 自分で行けたトイレの回数と時間帯、入浴できた日、日中に起きて過ごした時間 外出した日と行き先、取り戻した役割、転びそうになった場面の有無
起きやすい書き方のずれ 病棟の術後の看護計画をそのまま写し、家のトイレまでの動線や夜のことが書かれていない 「ADL拡大」「歩行訓練」の一語で、どの場面を、誰が、どの手順で行うかが書かれていない 目標が「歩行の安定」のまま止まり、ご本人が取り戻したい外出や役割が書かれていない

※上記は当社が作成した記載のイメージです。時期の区切りと動作の範囲は、主治医の指示書と外来での判断、リハビリ職の評価に従ってください。

退院の前後に確かめる12項目|退院時の情報・指示書・手術の有無・動作の注意を記録書Ⅰと計画書に残す

最初の数回の訪問で確かめておくと、その後の計画書の課題がはっきりします。退院時の情報は書類で受け取ることが多いため、何という書類の、いつの版に書かれていたかまで残しておくと、外来で指示が変わったときに古い注意を守り続けることを防げます。

確かめる項目 確かめる相手・書類 残す場所 貴事業所の記入欄
骨折したときの状況(いつ・どこで・何をしていて) ご本人・ご家族、退院時の情報 記録書Ⅰ(現病歴)。再骨折を防ぐ計画の手がかりにする 聞き取り日:(    )
手術の有無と手術の種類の名前 退院時の情報、指示書 記録書Ⅰ(主たる傷病名・現病歴)。注意する動作が手術の種類で違うため、名前を写しておく 写した書類:(    )
体重のかけ方の指示 指示書、退院時の情報、リハビリ職の評価 計画書のT-P・E-P、ご家族に渡す紙 指示の出どころと日付:(    )
避けるように示された動作・姿勢 退院時の情報、病院のリハビリ職からの申し送り 計画書のE-P、ご家族とヘルパーに渡す紙 指示の出どころと日付:(    )
手術の傷の状態と処置の指示 退院時の情報、指示書 計画書の衛生材料等の欄、O-P 処置の有無:(    )
痛み止めと骨を強くする薬の処方 お薬手帳、薬剤情報提供書、薬局 記録書Ⅰ、O-P(示された観察の項目) 薬局の連絡先:(    )
病院で使っていた道具(歩行器・杖・車いす等)と、家にある道具の違い ご家族、福祉用具専門相談員、病院のリハビリ職からの申し送り 備考、T-P 道具の一覧:(    )
入院中の夜の様子(混乱・眠り・夜中のトイレ) 退院時の情報、ご家族 記録書Ⅰ(療養状況)、O-P 聞き取り日:(    )
次の外来の日と、外来で確かめること ご家族、退院時の情報 備考 次の外来:(    )
骨折の前の暮らし(家事・外出・趣味・役割) ご本人・ご家族 記録書Ⅰ(生活歴)、目標 聞き取り日:(    )
介護を担うご家族の状況(同居か・日中いるか・夜の付き添い) ご家族、ケアマネジャー 記録書Ⅰ(介護状況)、備考 聞き取り日:(    )
ケアプランの位置づけ(福祉用具・住宅改修・通所・ヘルパー・訪問リハ) ケアマネジャー 備考。計画書がケアプランに沿っているかの確認に使う 受け取り日:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。体重のかけ方と避ける動作は、主治医の指示書と退院時の情報、リハビリ職の評価に示された内容を、示されたとおりに写してください。

手術の有無と治療の経過で書き分ける|人工の骨に置き換えた方・骨を固定した方・手術を受けなかった方(比較表)と、指示の写し方

大腿骨頸部骨折の治療は、骨折の部位やずれ方、ご本人の体の状態によって、人工の骨頭や関節に置き換える手術、骨を金属の器具で固定する手術、手術をしない治療(保存療法)などに分かれます。どれを受けたかによって、家で気をつける動作や、体重をかけてよい範囲の指示が違ってきます。ただし、注意の中身は手術の種類だけでは決まらず、同じ種類の手術でも人によって指示が違います。計画書には一般論ではなく、その方について示された指示を写します。下の表は、計画書のどこに何を写すかの違いを並べたものです。注意の中身は書いていません。

観点 人工の骨頭・関節に置き換える手術を受けた方 骨を金属の器具で固定する手術を受けた方 手術を受けなかった方(保存療法)
退院時の情報で特に確かめること 避けるように示された姿勢・動作(脱臼に注意する動作として示されることがある)と、その期間の考え方 体重のかけ方の指示と、外来で指示が変わる予定 動いてよい範囲、体重のかけ方、痛みの様子の見方、外来で骨のつき方を確かめる予定
計画書のE-Pに写すこと 示された避ける動作を、家の場面(トイレ・椅子・靴下・床の物・車の乗り降り等)の言葉に置き換えたもの 示された体重のかけ方を、歩く・立つ場面の言葉に置き換えたもの 示された動いてよい範囲を、寝る・起きる・座る場面の言葉に置き換えたもの
O-Pで見ること 示された動作の注意を守れているか、守りにくい場面はどこか、脚の痛み・形・長さの違いについての本人の訴え(主治医に伝える) 体重のかけ方の指示を守れているか、歩くときの痛み、手術の傷 痛みの変化、寝ている時間の長さ、皮膚(かかと・お尻)の赤み、食事と便通、気持ちの落ち込み
T-Pの重心 家の中の椅子・便座・寝具の高さと置き方を、リハビリ職と見直す リハビリ職と決めた手順で、立つ・歩く練習を一緒に行う 痛みの少ない寝返りと起き上がりの手順を整える、床ずれと体の弱りを防ぐ
主治医に伝える様子 脚の急な痛み、脚の形や長さが変わったように見える、動かせなくなった、と本人・家族が話したとき 痛みが強くなった、傷の様子が変わった、体重をかけられなくなったとき 痛みが強くなった、寝ている時間が長くなった、食べる量が減った、皮膚に赤みが出たとき
連携の相手 手術をした医療機関、リハビリ職、福祉用具専門相談員、ケアマネジャー 手術をした医療機関、リハビリ職、ケアマネジャー 主治医、リハビリ職、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員(寝具・床ずれを防ぐ用具)
見直しのきっかけ 外来で避ける動作の指示が変わった・なくなった 外来で体重のかけ方の指示が変わった 外来で動いてよい範囲が広がった、または治療の方針が変わった

※上記は当社が作成した記載のイメージです。手術の種類による注意の中身、体重をかけてよい範囲、避ける動作とその期間は、主治医・手術をした医療機関・リハビリ職の指示を確認し、示されたとおりに計画書へ写してください。この表は注意の中身を示すものではありません。

体重のかけ方と動作の指示を計画書に写す|「主治医・リハ職の指示を確認」の書き方(10項目)

指示の中身を看護師が自分で決めて書くことは避けます。計画書には、指示の出どころ(書類の名前・日付・指示した職種)と、看護師が受け持つ部分(家の場面に置き換えて伝える・守れているかを見る・変化を伝える)を書きます。そうすると、外来で指示が変わっても、計画書の文を大きく書き直さずに済みます。

項目 避けたい書き方 計画書の書き方の型 貴事業所の記入欄
体重のかけ方 看護師が割合や時期を決めて書く T-P「体重のかけ方は指示書と退院時の情報(書類名・日付)のとおりとし、歩く場面で守れているかを見る」 写した書類:(    )
避ける動作・姿勢 一般的な注意を一覧で並べる E-P「退院時に示された避ける動作を、トイレ・椅子・着替えの場面の言葉に置き換えて紙にし、本人・家族と確かめる」 紙の掲示場所:(    )
注意を続ける期間 「〇か月までは」と看護師が書く 備考「注意を続ける期間は、次の外来で主治医に確かめる(外来の日: )」 次の外来:(    )
使う道具 「歩行器使用」とだけ書く T-P「家の中は歩行器、トイレの中は手すりを使う。道具の種類と高さはリハビリ職と福祉用具専門相談員が決めたとおりとする」 道具の確認日:(    )
練習の内容 「筋力訓練」「歩行訓練」とだけ書く T-P「リハビリ職が決めた練習のうち、訪問のない日に本人が行うものを紙で確かめ、続けられているかを聞く」 練習の紙の作成者:(    )
痛み止めの使い方 「疼痛時は内服」とだけ書く O-P「痛み止めは処方のとおりに使い、使った時刻と動作・眠りへの影響を記録で確かめる」 薬局の連絡先:(    )
傷の処置 「創部観察」とだけ書く O-P「手術の傷の赤み・腫れ・にじみ・痛みを訪問のたびに見る。処置は指示書のとおりに行う」 処置の指示の出どころ:(    )
入浴の可否と方法 看護師の判断で「入浴可」と書く 備考「入浴の方法(シャワーのみ・浴槽・入浴の手助け)は、傷の状態とあわせて主治医の指示を確認する」 確認した日:(    )
指示が変わったとき 古い注意を書いたまま訪問を続ける 年月日の欄に変わった日を書き、E-Pの紙を作り直して古い紙を回収する 回収の担当:(    )
指示が分からないとき 分からないまま一般論で書く 備考「〇〇の指示を手術をした医療機関に照会中(照会日: )。返事があるまでは主治医に確かめた範囲で行う」 照会の担当:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。体重のかけ方、避ける動作、入浴の方法、痛み止めの使い方は、主治医の指示書・退院時の情報・リハビリ職の評価・薬剤師の説明に従ってください。

脱臼に注意する動作を示された方|家の中の場面別に確かめること(10場面)

人工の骨頭や関節に置き換えた方では、主治医やリハビリ職から、脱臼に注意する動作を示されることがあります。どの向き・どの姿勢を避けるかは手術の方法や人によって違うため、この表では避ける動作の中身は書かず、示された注意を家のどの場面で確かめるかを並べています。示された注意がない方には、この表は当てはまりません。

家の中の場面 確かめること 計画書(T-P・E-P)の書き方の例
低いソファや座椅子に座る・立つ ふだん座る椅子の高さと、示された注意を守って座れるか。座り込むように腰を落としていないか T-P「居間で座る椅子を、リハビリ職と一緒に選び直す。示された注意を守って座れるかを、立ち上がりまで見る」
トイレの便座に座る・立つ 便座の高さ、手すりの位置、立つときにどちらの手で何をつかむか T-P「トイレの便座の高さと手すりの使い方を、福祉用具専門相談員とリハビリ職に相談する」
靴下や靴をはく・爪を切る 足先に手を伸ばす姿勢が、示された注意に触れていないか。道具を使っているか E-P「靴下をはく道具の使い方を、作業療法士の示した手順で本人と確かめる。爪切りは家族か訪問時に行う」
床に落ちた物を拾う とっさに腰をかがめていないか。拾う道具が手の届く所にあるか T-P「物を拾う道具をベッドの横と居間に置く。床に物を置かない片づけ方を家族と決める」
寝返り・横向きで寝る 寝返りの向きと、脚の間にクッションを入れるなど示された工夫を続けられているか E-P「寝るときの姿勢とクッションの使い方は、リハビリ職の示したとおりとし、家族が夜に直せるように紙にする」
ベッドから起き上がる 起き上がる側と手順、脚をひねる動きになっていないか T-P「起き上がる側と手順を、リハビリ職と同じ言葉で本人と一緒に行う」
車の乗り降り(通院・外出) 座席の高さ、乗り込む順番、ご家族の手の貸し方 E-P「外来の日の車の乗り降りの順番を、送迎する家族と確かめる」
浴槽をまたぐ・浴槽に浸かる 入浴の方法の指示、浴槽の深さ、入浴用の椅子や台の有無 備考「浴槽に入るかどうかと入り方は、主治医・リハビリ職の指示を確認する。それまではシャワーと入浴用の椅子で行う」
畳や床に座る・仏壇の前に座る ご本人の習慣(正座・あぐら・床での食事)が、示された注意に触れていないか T-P「仏壇の前に椅子を置くなど、習慣を続けられる形をご本人と考え、リハビリ職に相談する」
脚を組む・脚を交差させて立つ 座っているとき・立って向きを変えるときのくせ E-P「ご本人のくせになっている動きを、示された注意と照らして一緒に確かめる。気づいたときに家族が声をかける言葉を決める」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。脱臼に注意する動作の有無と中身、続ける期間は、手術をした医療機関・主治医・リハビリ職の指示を確認してください。脚の急な痛みや、脚の形・長さが変わったように見えるときの連絡の方法は、主治医の指示に従ってください。

痛み・傷・脚の腫れ・夜の混乱の観察|退院した後に見る10の様子とO-P・記録の形

退院した後の家では、病棟のように看護師が一日を通して様子を見ることはできません。訪問のときに見ることと、訪問のない時間にご家族に見てもらうことを分けて決めておくと、変化に早く気づけます。どの様子をどのくらいの変化で主治医に知らせるかは、主治医の指示書と退院時の情報に示された内容に従い、計画書には「指示書に記載の連絡の目安のとおり」の形で書きます。

見る様子 O-P(訪問のときに見ること) ご家族に見てもらうこと 記録に残す形
骨折した側の痛み 痛む場所、動いたときとじっとしているときの違い、強くなる動作、痛みで止まった暮らしの場面 痛みで止まった動作と時刻、痛み止めを使った時刻 「立ち上がりの一歩目で右の付け根が痛む。座っているときは痛まないと本人が話した」
手術の傷 赤み・腫れ・熱っぽさ・にじみ・痛み・覆っている物の汚れ 覆っている物がはがれた・ぬれた・汚れたとき 「傷の周りに赤みなし。覆っている物の汚れなし。触れると少し痛むと話した」
脚の腫れ・ふくらはぎの痛み 左右の脚の腫れの違い、ふくらはぎの痛み、皮膚の色。主治医から示された観察の項目 片方の脚だけ腫れてきた、ふくらはぎを痛がる、と気づいたとき 「右の足首が左より腫れて見える。押すと跡が残る。ふくらはぎの痛みはないと話した。主治医に報告した」
熱っぽさ・だるさ 指示書に測定の指示がある場合はその方法で測った値、だるさ、食欲 いつもより元気がない、食べない、と感じたとき 「朝から食欲がないと妻が話した。指示書のとおりに測った値を記録し、主治医に報告した」
夜の混乱(せん妄) 夜の眠り、時間や場所の取り違え、夕方からの落ち着かなさ、昼の眠気 夜に起き上がろうとした時刻、話の内容、朝の様子 「夜中に2回、『病院の看護師さんを呼んで』と起き上がろうとした。朝は落ち着いていた、と娘が話した」
便通 最後に出た日、お腹の張り、トイレに行くのをためらう様子 便が出た日を記録表に書く 「退院してから便が出ていないと本人が話した。トイレまで行くのがつらいので食事を減らしていると話した」
食事と水分 食べた量、むせ、飲む量を控えていないか(夜中のトイレを心配して) 食べた量のおおよそ、飲み物を控えている様子 「夜中にトイレに起きないよう、夕方から飲み物を控えていると話した」
皮膚(かかと・お尻・背中) 赤み、押しても消えない赤み、寝具やクッションのあたり方 おむつ交換や着替えのときに気づいた赤み 「右のかかとに押しても消えない赤みあり。クッションの位置を直し、主治医とケアマネジャーに伝えた」
排尿 回数、夜中に起きる回数、間に合わない場面、ポータブルトイレの使い方 夜中にトイレに起きた時刻と回数 「夜中に3回トイレに起き、2回目は間に合わなかったと妻が話した」
動くことへの怖さ・気持ちの落ち込み 本人の言葉、日中に横になっている時間、外の話題への反応 「もう歩けない」などの言葉、横になって過ごした時間 「『また転んだら終わりだから』とトイレ以外は横になっている。日中に起きていた時間は食事のときだけだった」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。観察の項目、測定の方法、主治医へ連絡する目安は、主治医の指示書と退院時の情報に従ってください。

痛みの聞き取りと痛み止めの記録|動く前・練習の後・夜の痛みの書き方(悪い例と良い例8組)

骨折と手術の後の痛みは、動いたときに強く出ることが多く、痛みがあるから動かない、動かないから弱る、という流れにつながりやすい点に気をつけます。痛みを「あり・なし」で残すのではなく、どの動作で・どこが・どのくらい続いたかを書くと、リハビリ職と主治医に同じ材料で伝えられます。痛み止めを動く前に使うかどうかなど、使い方は主治医の指示と薬剤師の説明のとおりとします。

場面 悪い例 良い例(そのまま使える文)
立ち上がり 「疼痛あり」 ベッドから立ち上がる一歩目で右の付け根に痛みが出て、立ったまま数秒止まった。歩き出すと痛みは弱まったと本人が話した
練習の後 「リハ後疼痛増強」 理学療法士との練習の後、夕方まで右の太ももが重く痛むと話した。翌朝には練習の前と同じくらいに戻ったと本人が話した。理学療法士に伝えた
夜 「夜間疼痛にて不眠」 夜中に寝返りで右の付け根が痛んで目が覚め、その後は朝まで眠れなかったと本人が話した。寝るときのクッションの位置を確かめた
痛み止め 「鎮痛剤内服にて軽快」 朝の痛み止めを処方のとおりに飲み、その後は居間まで歩くときの痛みが弱かったと本人が話した。夕方は飲み忘れ、トイレに行く回数を減らしていた
痛みの尺度 「NRS〇」とだけ書く 事業所で決めた尺度で、歩くときの痛みを本人に答えてもらった。答えとあわせて、トイレまで休まずに歩けたことを記録した
痛みと気持ち 「疼痛の訴え多い」 「痛いから歩きたくない。また折れそうで怖い」と話した。痛みそのものより、また折れることへの怖さが強いと話した
認知症のある方 「疼痛評価困難」 痛みを言葉にしないが、右の脚に体重がかかる場面で顔をしかめ、手すりを強く握った。座ると表情がゆるんだ
主治医への報告 「疼痛につきDr.報告」 この1週間、歩くときの痛みが退院した日より強くなっていると本人が話し、立ち上がりの回数が減っている。痛みの場所と動作の記録を添えて主治医に報告し、次の外来で確かめると返事を受けた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。痛み止めの使い方と痛みの尺度の扱いは、主治医の指示と薬剤師の説明、事業所の決まりに従ってください。

退院した後の夜の混乱(せん妄)|ご家族と見る様子と主治医に伝える文例(8項目)

入院や手術、環境の変化のあとには、夜に時間や場所を取り違えたり、落ち着かずに起き上がろうとしたりすることがあります。夜に起き上がって一人で歩こうとすると、転んで再び骨折するおそれにもつながります。原因の見立てと治療は主治医によるもので、訪問看護の計画書では、様子を記録して主治医に伝えることと、夜の環境と付き添いの工夫を書きます。

項目 ご家族と一緒に見ること 計画書の書き方・主治医に伝える文例
いつから・どの時間帯か 退院した日からか、夕方からか、夜中か 「退院した日の夜から、夕方になると『家に帰る』と話し、落ち着かなくなる。昼は会話のつじつまが合っている」
話の内容と様子 場所や人の取り違え、見えない物の話、怒りっぽさ 「夜中に娘を入院先の看護師と取り違えて話しかけた。朝は覚えていなかった」
起き上がり・一人で歩こうとする 起き上がった時刻と回数、ベッドから降りようとしたか O-P「夜中に起き上がった時刻と回数を、家族の記録表で確かめる」
昼と夜の過ごし方 昼に眠っている時間、日の光を浴びる時間、会話の量 T-P「昼は居間の窓の近くで過ごす時間を、本人と家族で決める」
眠りと薬 眠れない夜の様子、新しく出た薬、薬を飲んだ時刻 「退院の前後で薬が変わった。夜の様子を薬局と主治医に伝えた」(薬の調整は主治医の判断による)
痛み・便通・尿 痛み、便が出ていない日数、尿が出にくい・間に合わない様子 O-P「夜の混乱のある日の痛み・便通・排尿の様子をあわせて見る」
夜の環境 寝室の明るさ、時計やカレンダーの位置、トイレまでの明かり T-P「夜は足元の明かりをつけ、時計とカレンダーを本人から見える所に置く」
ご家族の疲れ 夜の付き添いで眠れていないか、仕事への影響 「夜の付き添いで妻が3日続けて眠れていないと話した。ケアマネジャーに伝え、夜の過ごし方を相談した」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。夜の混乱の見立てと治療、薬の調整は主治医の判断によります。様子の伝え方と連絡の目安は、主治医の指示に従ってください。

暮らしの場面別のO-Pと援助|起き上がり・立ち上がり・トイレ・着替え・入浴・食事・歩く・段差・外出など12場面

大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書は、病名ではなく暮らしの場面から組み立てると、ご本人・ご家族・ヘルパーにも伝わりやすくなります。家の中の転びやすい場所を一つずつ見ていく見方は「転倒予防の看護計画」の記事で扱っているため、ここでは骨折と手術の後に特有の見方(指示された動作の注意・痛み・道具・ご家族の手の貸し方)に絞っています。

場面 O-P(観察) T-P(ケア) 連携先
ベッドからの起き上がり 起き上がる側と手順、痛みの出る動き、柵や手すりのつかみ方 リハビリ職と決めた手順で起き上がりを一緒に行い、ご家族に手を添える場所を伝える 理学療法士、福祉用具専門相談員
立ち上がり 立つ前の足の位置、手をつく場所、立ってすぐのふらつき、痛み 立ち上がる前に足の位置を確かめる声かけを決め、ご家族とヘルパーにも同じ言葉を伝える 理学療法士、ヘルパー
日中のトイレ トイレまでの移動の手順、便座の高さ、手すり、間に合うか トイレまでの道具と手順を本人と決め、手すりの位置をケアマネジャー・福祉用具専門相談員と相談する ケアマネジャー、福祉用具専門相談員
夜中のトイレ 起きる回数と時刻、暗さ、寝ぼけたまま歩き出していないか 夜はポータブルトイレを使うか歩いて行くかを本人・家族と決め、足元の明かりを整える ケアマネジャー、家族
着替え ズボン・靴下・靴をはく姿勢、示された注意に触れていないか、座ってできるか 座って着替える場所と順番、靴下をはく道具の使い方を作業療法士と決める 作業療法士
入浴・体を洗う 入浴の方法の指示、浴槽をまたぐ動作、洗い場の床、傷の状態 主治医の指示の範囲で入浴の方法を決め、入浴用の椅子と手すりの使い方を一緒に確かめる 主治医、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、ヘルパー
食事 食卓まで移動するか、ベッドの上で食べているか、食べた量 食卓の椅子の高さを確かめ、食卓で食べる回数を少しずつ増やすことを本人と決める 家族、作業療法士
家の中を歩く 歩行器・杖の使い方、方向を変えるときの足の運び、歩いた距離と休んだ場所 リハビリ職が決めた歩く練習のうち、家で続けるものを一緒に確かめる 理学療法士
段差・玄関・階段 上り下りの順番、手すり、段の高さ、外に出る回数 玄関の上り下りの順番をリハビリ職と同じ言葉で行い、手すりや台の要否をケアマネジャーに伝える 理学療法士、ケアマネジャー
台所に立つ・家事 立って作業できる時間、物を取る高さ、床の物 よく使う物を腰から胸の高さに置き直し、座ってできる家事を本人と決める 作業療法士、家族
外来への通院 車の乗り降り、待ち時間の座り方、通院の翌日の疲れと痛み 外来で確かめたいことを紙にまとめ、受診の後に変わった指示を本人・家族から聞いて計画書に写す 主治医、家族
近所への外出 外の道の段差、歩く距離、休む場所、外出したいという本人の気持ち 行きたい場所までの道のりと休む場所を一緒に確かめ、付き添いの有無を家族と決める 理学療法士、ケアマネジャー、家族

※上記は当社が作成した記載のイメージです。動作の手順と道具は、主治医の指示とリハビリ職の評価、福祉用具専門相談員の提案に従ってください。

入浴の計画|傷の状態・動作の注意・浴室の環境で確かめること(8項目)

入浴は、浴槽をまたぐ・洗い場で立つ・ぬれた床を歩くなど、骨折の後に気をつける動作が重なる場面です。入浴の方法(シャワーだけにするか、浴槽に入るか、手助けを受けるか、通所や訪問入浴で入るか)は、傷の状態とあわせて主治医の指示を確認し、ケアプランの位置づけとそろえて書きます。

確かめること 確かめる相手 計画書の書き方の例
入浴の方法の指示(シャワー・浴槽) 主治医、手術をした医療機関 備考「入浴の方法は主治医の指示のとおりとする(確認日: )」
手術の傷をぬらしてよいか・覆い方 主治医、退院時の情報 O-P「入浴の前後に傷の赤み・腫れ・にじみを見る」
浴槽をまたぐ動作と、示された注意 理学療法士・作業療法士 T-P「浴槽をまたぐ手順をリハビリ職と確かめ、入浴の手助けをする家族・ヘルパーに同じ手順を伝える」
入浴用の椅子・手すり・浴槽の台 福祉用具専門相談員、ケアマネジャー T-P「入浴用の椅子の高さと置き場所を、福祉用具専門相談員と確かめる」
脱衣所と洗い場の床 ご家族 T-P「脱衣所に座って着替える椅子を置き、洗い場にすべりにくいマットを敷くことを家族と決める」
誰が入浴を手伝うか ご家族、ケアマネジャー 備考「入浴は週の何日を家族、何日を通所で行う(ケアプランのとおり)」
入浴の後の疲れと痛み ご本人 O-P「入浴の後の疲れ・痛み・ふらつきを、次の訪問で本人と家族に聞く」
入浴を控えてほしい様子 主治医 E-P「傷の様子が変わったとき、熱っぽいときなど、入浴を控えて連絡してほしい様子を主治医の指示のとおりに紙にする」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。入浴の方法と可否、傷の扱いは、主治医の指示に従ってください。

排泄の計画|夜中のトイレ・ポータブルトイレ・便秘・間に合わない不安(8項目)

トイレは一日に何度も繰り返す動作で、骨折の後に「自分でできるようになりたい」と話す方が多い場面のひとつです。同時に、夜中に急いでトイレに向かうときは、転んで再び骨折するおそれのある場面でもあります。尿の回数や便通の変化そのものは主治医に伝え、計画書では暮らしの側の工夫を書きます。

項目 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例
日中のトイレの手順 移動の道具、便座への座り方、ズボンの上げ下ろし T-P「便座に座る前にズボンを下ろす順番と、手すりをつかむ手を、リハビリ職と同じ言葉で確かめる」
夜中のトイレの手段 歩いて行くか、ポータブルトイレか、尿器か。本人の希望 E-P「夜中の手段は本人の希望と動作の様子を見て本人・家族と決め、決めた手段を紙に書く」
ポータブルトイレの置き場所 ベッドからの距離と向き、動かないように固定されているか T-P「ポータブルトイレの置き場所と向きを、起き上がる側に合わせて家族と決める」
間に合わない場面 間に合わなかった時刻と回数、本人の気持ち O-P「間に合わなかった場面を家族の記録で確かめ、尿の回数の変化は主治医に伝える」
水分を控えていないか 夜中のトイレを心配して飲む量を減らしていないか E-P「飲み物を控えると便秘や体調の変化につながることがあるため、飲み方について主治医の指示を確かめて伝える」
便秘 最後に出た日、お腹の張り、いきむときの痛み O-P「便が出た日を家族の記録で確かめ、出ていない日が続くときは主治医に伝える」
おむつ・パッドの使い方 本人が望んでいるか、皮膚の様子、使う時間帯 T-P「パッドを使うのは夜だけにするなど、本人の希望を聞いて決める。皮膚の様子を訪問のたびに見る」
トイレに行くのをためらう気持ち 「家族に迷惑をかけたくない」など本人の言葉 E-P「呼ぶのをためらう気持ちを聞き、夜中に家族を呼ぶ方法(呼び鈴など)を本人と家族で決める」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。尿・便の変化への対応と水分のとり方は、主治医の指示に従ってください。排泄の計画の全体は「排尿障害の看護計画」の記事も参照してください。

背景と暮らし別|大腿骨頸部骨折の看護目標の記載例(12の背景・長期と短期あわせて24例)

目標は、看護師が行うこと(「歩行訓練を行う」)でも、体の働きだけ(「歩行が安定する」「ADLが拡大する」)でもなく、骨折の前にしていた暮らしのうち、ご本人が何を取り戻したいか、そのために家で何をするかを主語にします。短期目標は、次の評価の時期までに記録書Ⅱやリハビリ職の記録、ご家族の話で確かめられる姿にしておくと、評価で迷いません。体重のかけ方や避ける動作は、目標の文の中でも「指示された」「決めた」の形で書きます。

背景 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
人工の骨頭に置き換える手術の後・妻と二人暮らし 指示された動作の注意を守りながら、家の中のトイレと食卓まで自分で行き来できる 決めた手順と歩行器で、日中のトイレに妻の見守りで行ける 訪問時に見たトイレまでの移動、妻の話、注意を守れなかった場面
骨を固定する手術の後・一人暮らしに戻りたい 一人暮らしの家で、食事の支度とトイレを自分の手順でできる 台所で座ってできる支度の手順を作業療法士と決め、昼食を自分で用意できる 昼食を用意できた日、台所での動作の様子、本人の話
手術を受けず保存療法・痛みが続いている 痛みの少ない動き方で、日中は起きて居間で過ごせる 痛みの少ない起き上がりの手順で、食事のときは居間の椅子に座れる 居間で座って食べた回数、痛みの記録、横になっていた時間
退院した夜から夜に混乱する・娘と同居 夜に落ち着いて休み、昼は家族と会話しながら過ごせる 昼に居間で過ごす時間をつくり、夜の様子を娘が記録表に書ける 娘の記録表、夜に起き上がった回数、昼の過ごし方
「また転んだら終わり」と動かなくなった 怖さと付き合いながら、家の中で動ける範囲を自分で広げていける 理学療法士と決めた練習を、訪問のない日も家族と行える 練習の紙の書き込み、本人の言葉の変化、日中に起きていた時間
畑仕事が生きがい 家の前の畑を見に行き、できる作業を家族と分けて続けられる 玄関の上り下りを決めた手順で行い、家族の付き添いで畑まで歩ける 畑まで歩いた日、玄関での動作の様子、作業の分担についての本人の話
認知症があり、示された注意を覚えにくい ご本人が穏やかに家の暮らしを続けられるよう、家族とヘルパーが同じやり方で動作を手伝える 家族とヘルパーが、避ける動作を減らす家具の配置と声かけの言葉を同じ紙で確かめられる 紙の掲示と使われ方、家族・ヘルパーの記録、注意に触れた場面
夜中にトイレに何度も起きる 夜中も落ち着いてトイレを済ませ、朝まで休める 夜中のトイレの手段を本人・家族で決め、足元の明かりをつけて移動できる 夜中に起きた回数と手段、間に合わなかった回数、家族の話
入浴が好きで、湯船に浸かりたい 家の浴室で、自分の好きな時間に入浴を続けられる 主治医の指示の範囲で、入浴用の椅子を使って家族の手助けで体を洗える 入浴できた日、浴室での動作、入浴の後の疲れと痛み
通所で友人と会うのが楽しみだった 週に一度の通所で、骨折の前と同じように友人と過ごせる 送迎の車の乗り降りを決めた手順で行い、通所を再び始められる 通所に行けた日、車の乗り降りの様子、通所の職員からの話
骨折は二度目・骨を強くする薬が始まった 再び骨折しない暮らし方を、本人と家族が続けられる 骨を強くする薬を処方のとおりに飲み続け、気になることを薬剤師に伝えられる 飲み忘れの有無、本人が薬について話した内容、家の中の見直しの実施
息子が仕事を休んで付き添っている 息子が仕事を続けながら、本人が家で暮らし続けられる 息子のいない時間のトイレと食事の手順を、本人とヘルパーが同じ紙で確かめられる 息子の話、ヘルパーの記録、一人の時間に困った場面

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、リハビリ職の評価、居宅サービス計画、事業所の様式に従ってください。

大腿骨頸部骨折の看護目標・短期目標を書くときの決まり(8項目)

短期目標は、長期目標に向かう途中の一歩です。骨折の後の短期目標でつまずきやすい点を、決まりの形でまとめました。期間の決め方は事業所の運用と居宅サービス計画の期間に合わせ、外来の予定(動作の指示が変わる時期)も見て置きます。

決まり 避けたい書き方 直した書き方
主語は本人(または家族)にする 「歩行訓練を実施する」 決めた手順と歩行器で、日中のトイレに自分で行ける
体の働きではなく、暮らしの場面で書く 「歩行が安定する」 杖を使って、玄関から家の前の畑まで家族の付き添いで歩ける
確かめる方法が決まっている 「ADLが拡大する」 朝の着替えを、座って決めた順番で自分でできる(訪問時に見て確かめる)
数値を看護師が決めて目標にしない 「〇m歩ける」「荷重〇割で歩ける」(看護師が区切りを決めて書く) 理学療法士と決めた練習を続け、居間から台所まで休まずに歩ける
指示された注意は「指示された」の形で入れる 「脱臼しない」 指示された動作の注意を、トイレと着替えの場面で守れる
長期目標とつながっている 長期目標が「畑に行く」なのに短期目標が「便通が整う」だけ 玄関の上り下りを決めた手順で行い、家族の付き添いで畑まで歩ける
家族の目標を本人の目標と分ける 「家族が介助方法を習得する」 妻が、立ち上がりのときに手を添える場所と声かけの言葉を、紙を見て言える
怖さや気持ちも目標にできる 「転倒恐怖感の軽減」 「また折れそうで怖い」という気持ちを話しながら、決めた練習を家族と続けられる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、居宅サービス計画、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉を目標の文に置き換える(「自分でトイレに行きたい」「また折れるのが怖い」など8例)

聞き取った言葉 言葉の奥にある願い 目標の文(記載例)
「せめてトイレだけは自分で行きたい」(本人) 人の手を借りずに済ませたい、恥ずかしさ 決めた手順と手すりを使い、日中のトイレに自分で行ける
「また折れるのが怖いから、動きたくない」(本人) もう痛い思いをしたくない、安心したい 怖さを話しながら、理学療法士と決めた練習を家族と一緒に続けられる
「早く一人の暮らしに戻りたい」(本人) 自分の家で、自分のペースで暮らしたい 一人の時間のトイレと食事の手順を決め、昼の時間を一人で過ごせる
「孫の結婚式に出たい」(本人) 家族の大事な日に立ち会いたい 外出の日の移動の手順と休む場所を決め、車いすと杖を使って式に出かけられる
「仏壇に毎朝お参りしたい」(本人) 毎日の習慣と、亡くなった夫とのつながりを保ちたい 仏壇の前に置いた椅子に座り、毎朝お参りを続けられる
「夜中に起きられたら、こっちが眠れない」(妻) 自分の体も守りたい 夜中のトイレの手段を本人と妻で決め、妻が続けて眠れる夜を持てる
「何をしてはいけないのか、よく分からない」(息子) 手伝い方を知って安心したい 息子が、退院時に示された注意を家の場面の言葉にした紙を見て、手伝い方を言える
「もう歳だから、歩けなくても仕方ない」(娘) 本人に無理をさせたくない 娘が、動かないことで弱る流れを知り、本人が自分でできる場面を一緒に見つけられる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

「身体可動性障害」「急性疼痛」「転倒転落リスク状態」などの看護問題・看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)

病院や看護過程で使う看護問題・看護診断名は、そのままでは家で何が起きているかが伝わりません。在宅の計画書の課題欄には、暮らしのどの場面に、何が起きているかを、根拠になる事実とあわせて一文で書きます。

看護問題・看護診断名 課題欄の一文(記載例) 根拠にした事実
身体可動性障害 退院して1週間、寝室からトイレまでの移動に妻の付き添いが要り、日中もほとんどベッドで過ごしている 訪問時に見た移動の様子、妻の話
急性疼痛 立ち上がりの一歩目で右の付け根が痛み、痛みを避けるために食卓まで行く回数が減っている 本人の言葉、訪問時に見た立ち上がり
転倒転落リスク状態 夜中に寝ぼけたまま一人でトイレに向かうことがあり、退院してから2回、廊下でよろけている 娘の記録表、本人の話
急性混乱 退院した夜から、夕方になると「家に帰る」と話して起き上がろうとし、娘が夜に眠れていない 娘の話、記録表
セルフケア不足(入浴) 浴槽をまたぐ動作に不安があり、退院してからシャワーだけで、髪を洗えていない 本人の言葉、浴室で見た動作
非効果的健康管理 骨を強くする薬の飲み方が分かりにくく、飲み忘れが続いていると本人が話している 本人の言葉、薬の残りの数
皮膚統合性障害リスク状態 日中も横になっている時間が長く、右のかかとに押しても消えない赤みが出ている 訪問時に見た皮膚、過ごし方の記録
恐怖 「また折れたら終わりだ」と話し、決めた練習を訪問のない日はしていない 本人の言葉、練習の紙の書き込み

※上記は当社が作成した記載のイメージです。看護問題・看護診断名は事業所の運用に従い、課題欄には暮らしの事実を書いてください。

療養上の課題・支援内容|大腿骨頸部骨折のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

O-P(観察)・T-P(ケア)・E-P(説明・相談)は、「疼痛の観察」「歩行訓練」「脱臼予防の指導」の一語で止めず、どの場面で・何を・どの方法で・誰に伝えるかまで書きます。体重のかけ方、避ける動作、痛み止めの使い方、連絡の目安は、すべて「主治医・リハ職の指示を確認」「処方のとおり」「指示書に記載の」の形にしています。実際の内容は指示書と退院時の情報、リハビリ職の評価から写してください。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
退院して間もなく、寝室からトイレまでの移動に妻の付き添いが要る トイレまでの移動の手順、歩行器の使い方、痛み、妻の手の添え方を訪問のたびに見る 理学療法士と決めた手順でトイレまでの移動を一緒に行う。体重のかけ方は主治医・リハ職の指示のとおりとする 妻に、手を添える場所と声かけの言葉を、理学療法士と同じ言葉で伝える
人工の骨頭に置き換える手術の後で、示された動作の注意を家の中で守りにくい場面がある トイレ・椅子・着替え・床の物を拾う場面で、示された注意を守れているかを見る 注意に触れやすい場面の家具の高さや置き方を、リハビリ職・福祉用具専門相談員と見直す 示された注意を家の場面の言葉に置き換えた紙を作り、本人・家族と確かめる
立ち上がりの一歩目に右の付け根が痛み、食卓まで行く回数が減っている 痛む動作と場所、続く時間、痛み止めを使った時刻と動作への影響を記録で見る 痛みの記録をまとめて主治医とリハビリ職に伝える。痛み止めは処方のとおりとする 痛みを我慢せずに伝えてよいこと、痛みで動かなくなると弱ることを本人に伝える
手術の傷が残っており、入浴の方法がまだ決まっていない 傷の赤み・腫れ・にじみ・痛みを訪問のたびに見る 処置は指示書のとおりに行う。入浴の方法を主治医に確かめ、決まったら計画書に写す 傷の様子が変わったときに知らせてほしいこと、覆っている物がはがれたときの扱いを家族に伝える
退院した夜から、夕方になると落ち着かず起き上がろうとする 夜の様子と時刻、昼の眠気、痛み・便通・排尿の様子を、娘の記録表とあわせて見る 昼の過ごし方と夜の環境(明かり・時計)を家族と整える。記録をまとめて主治医に伝える 夜の様子の記録のしかたと、主治医に伝えてほしい様子を娘に伝える
右の足首が左より腫れて見えると妻が話している 左右の脚の腫れ、ふくらはぎの痛み、皮膚の色を、主治医から示された観察の項目で見る 見た様子を主治医に報告し、指示を記録書Ⅱに写す 片方の脚が腫れてきた・ふくらはぎを痛がるときに知らせてほしいことを家族に伝える
夜中に3回トイレに起き、急いで向かう途中でよろけたことがある 夜中に起きた回数と時刻、手段、間に合わなかった回数を家族の記録で見る 夜中のトイレの手段を本人・家族と決め、足元の明かりとポータブルトイレの置き場所を整える 夜中は起きてすぐに歩き出さず、ベッドに座ってから立つ順番を本人と確かめる
「また折れたら終わり」と話し、日中もほとんど横になっている 本人の言葉、日中に起きていた時間、練習の紙の書き込み、皮膚の赤みを見る 理学療法士と決めた練習のうち、家で続けるものを一緒に行い、できたことを本人と振り返る 動かないことで弱る流れと、怖さを話してよいことを本人・家族に伝える
右のかかとに押しても消えない赤みが出ている かかと・お尻・背中の赤み、寝具とクッションのあたり方を見る クッションの位置を直し、寝具の見直しをケアマネジャー・福祉用具専門相談員に相談する。様子を主治医に伝える 体の向きの変え方とクッションの位置を、家族に紙で伝える
骨を強くする薬が始まったが、飲み方が分かりにくく飲み忘れがある 薬の残りの数、飲んだ日、本人が薬について話す内容を見る 飲み方と飲み忘れたときの扱いを薬剤師に確かめ、本人が分かる形の紙にする 薬について気になることを薬剤師・主治医に伝えてよいことを本人に伝える
退院してから便が出ておらず、トイレに行くのがつらいので食事を減らしている 便が出た日、お腹の張り、食べた量と飲む量を見る トイレまでの移動の手順を整え、便通の変化を主治医に伝える 食事と飲み物を控えると便秘や体調の変化につながることを伝え、控えている理由を一緒に考える
一人暮らしで、日中の一人の時間に困ったときの連絡のしかたが決まっていない 一人の時間帯、電話の位置、緊急通報の機器の有無、本人の不安の言葉を聞く 主治医の指示による連絡の順番を本人と確かめ、紙に書いて電話の横とベッドの横に貼る 転んだとき・脚が急に痛むときの伝え方(いつ・どこが・動けるか)を本人と練習する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。体重のかけ方、避ける動作、痛み止めや骨を強くする薬の使い方、観察の項目と連絡の目安は、主治医の指示書・退院時の情報・リハビリ職の評価・薬剤師の説明に従ってください。

再骨折を防ぐ計画|もう一方の脚やほかの骨の骨折を防ぐために計画書に書くこと(10項目)と、転倒予防・廃用症候群の計画との書き分け

一度骨折した方は、骨が弱くなっていることや、転びやすさの背景が残っていることがあり、再び骨折しない暮らし方を続けることも計画の大事な部分です。ただし、骨の強さの見立てと治療の方針は主治医によるものです。訪問看護の計画書では、骨折したときの状況から見えた転びやすさへの手立てと、主治医が決めた治療を家で続けられるようにすることを書きます。家の中の転びやすい場所を一つずつ見る計画の全体は「転倒予防の看護計画」の記事で扱っています。

項目 見ること・聞くこと 計画書の書き方の例 確かめる相手
骨折したときの状況 いつ・どこで・何をしていて転んだか、同じ場面が今も暮らしの中にあるか 課題「台所の勝手口の段差で転んで骨折した。勝手口は今もごみ出しに毎朝使っている」 本人、家族
骨を強くする治療 処方の有無、飲み方・使い方、続けにくさ T-P「骨を強くする薬は処方のとおりとし、飲み方を薬剤師の説明どおりに本人と確かめる」 主治医、薬局
食事 食べる量と内容の偏り、食欲の落ち込み O-P「食べた量と食欲を聞く。食べる量が減ったときは低栄養の計画を合わせて見直す」 家族、主治医
ふらつきが出る場面 起きがけ・食後・入浴の後・薬が変わった後のふらつき O-P「ふらつきが出る時刻と場面を聞き、変化を主治医に伝える」 主治医、薬局
夜中のトイレ 夜中に起きる回数、明かり、急いで歩き出していないか T-P「夜中の動線に足元の明かりをつけ、ベッドに座ってから立つ順番を本人と確かめる」 家族、福祉用具専門相談員
履物と服 すべりやすいスリッパ、裾の長いズボン E-P「家の中の履物を、かかとのある物に変えることを本人と相談する」 本人、家族
使っている道具が合っているか 歩行器・杖の高さ、使わずに歩く場面 T-P「杖の高さと使う場面を、理学療法士と福祉用具専門相談員に確かめてもらう」 理学療法士、福祉用具専門相談員
体の働きを保つ練習 決めた練習を続けているか、続けにくい理由 T-P「理学療法士と決めた練習を、通所や訪問リハの終了後も続けられる形にして紙に残す」 理学療法士、通所の事業所
転んだときの知らせ方 一人の時間、電話や緊急通報の機器の位置 E-P「転んだときに知らせる方法と順番を本人と決め、紙を電話の横に貼る」 本人、家族、ケアマネジャー
ほかの病気との重なり 目の見えにくさ、物忘れ、パーキンソン病などの持病 備考「持病による転びやすさは、それぞれの病気の計画とあわせて見直す」 主治医、ケアマネジャー

※上記は当社が作成した記載のイメージです。骨の強さの見立てと骨を強くする治療は主治医の判断によります。薬の飲み方は処方と薬剤師の説明に従ってください。

大腿骨頸部骨折・転倒予防・廃用症候群の看護計画の書き分け(比較表)

骨折して退院した方の計画書は、転倒予防の計画や廃用症候群の計画と内容が重なりやすく、どれを主にするかで目標の書き方が変わります。一人の方に複数の課題が重なることも多いため、今いちばん暮らしを止めているのはどれかで主にする計画を決め、ほかは課題を1つ足す形にすると、計画書が長くなりすぎません。

観点 大腿骨頸部骨折の看護計画(この記事) 転倒予防の看護計画 廃用症候群の看護計画
主にする時期 骨折の治療を終えて(または保存療法で)家に戻った後、生活を立て直すまで 転びやすさがある方の暮らし全体。骨折の有無を問わない 寝ている時間が長くなり、体の働きが落ちてきたとき
出発点になる情報 退院時の情報、指示書の動作の注意、手術の有無 転んだ・転びそうになった場面、家の中の環境 一日の過ごし方、起きている時間、食事と排泄の様子
目標の中心 指示された注意を守りながら、骨折の前の暮らしの場面を取り戻すこと 転びにくい暮らし方と、転んだときに知らせられること 起きて過ごす時間を増やし、動ける範囲を保つこと
O-Pの中心 痛み、傷、脚の腫れ、夜の混乱、注意を守れているか 住まいの場所ごとの危ない所、時間帯ごとのふらつき 起きている時間、関節の動き、皮膚、食事、気持ち
主な連携先 手術をした医療機関、主治医、リハビリ職、福祉用具専門相談員 ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、リハビリ職、家族 ケアマネジャー、通所、リハビリ職、家族
切り替え・合わせて書くとき 退院から時間がたち、動作の注意がなくなったら、転倒予防の計画を主にする 骨折して入院した場合は、退院後にこの記事の計画を主にする 骨折の後に動かない時間が長くなったら、廃用症候群の課題を足す

※上記は当社が作成した記載のイメージです。どの計画を主にするかは、主治医の指示書と利用者の状態、居宅サービス計画、事業所の運用に従ってください。

分担表|訪問看護・主治医・手術をした医療機関・リハビリ職・ケアマネジャー・福祉用具・ヘルパー・通所・薬局・家族で誰が何を受け持つか(12項目)

骨折して退院した方の支援には、病院と在宅の多くの人が関わります。同じことを何人もが別々の言葉で伝えると、ご本人とご家族が迷います。指示を出す人・家の場面に置き換えて伝える人・毎日見る人を分けておくと、計画書の支援内容がはっきりします。分担は事業所と地域の体制によって違うため、右の列に貴事業所の分担を書き込んでください。

受け持つこと 主に受け持つ人の例 訪問看護が受け持つこと 貴事業所の分担
体重のかけ方・避ける動作の指示 主治医、手術をした医療機関 指示の出どころを写し、家の場面の言葉に置き換えて伝える (    )
動作の練習と手順 理学療法士・作業療法士 練習の手順を訪問のない日にも続けられているかを見る (    )
痛み・傷・脚の腫れの観察 訪問看護 訪問のたびに見て、変化を主治医に伝える (    )
夜の混乱の観察と記録 家族、訪問看護 記録表を一緒に見て、主治医に伝える (    )
福祉用具と住宅改修 ケアマネジャー、福祉用具専門相談員 使い方と合い方の気づきを伝える (    )
サービスの組み立て ケアマネジャー 計画書がケアプランに沿っているかを確かめ、変化を伝える (    )
入浴・排泄・着替えの手助け ヘルパー、家族 手助けの手順をリハビリ職と同じ言葉で伝える (    )
通所での運動と入浴 通所の事業所 家で示された注意を通所にも伝わるようにケアマネジャーに伝える (    )
痛み止め・骨を強くする薬 主治医、薬局 飲み方と続き具合を見て、気になることを薬局・主治医に伝える (    )
外来での確認 手術をした医療機関、家族 外来で確かめたいことを家族と紙にまとめ、受診の後に変わった指示を写す (    )
夜中の付き添い 家族 家族の疲れを聞き、ケアマネジャーに伝える (    )
転んだときの連絡 本人、家族 主治医の指示による連絡の順番を一緒に決めて紙にする (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。分担は主治医の指示書、居宅サービス計画、事業所と地域の体制に従ってください。

手術をした医療機関・主治医・リハビリ職・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員・家族への連絡文例(10例)

相手 場面 連絡の文例
手術をした医療機関 退院時の情報で分からない点がある 退院時の情報にある「避ける動作」について、トイレの便座の高さと、床に座る習慣(仏壇へのお参り)をどう考えればよいか教えてください。次の外来の前に、家の中の動き方を決めておきたいと考えています
主治医 痛みが強くなっている この1週間、立ち上がりのときの右の付け根の痛みが退院した日より強いと本人が話しています。痛みの記録と動作の様子を添えます。痛み止めの使い方と、次の受診の時期についてご指示をお願いします
主治医 脚の腫れに気づいた 本日の訪問で、右の足首が左より腫れて見え、押すと跡が残りました。ふくらはぎの痛みはないと本人が話しています。見た様子をお伝えします。対応のご指示をお願いします
主治医 夜の混乱が続いている 退院した夜から、夕方になると「家に帰る」と話して起き上がろうとすることが続いています。娘の記録では夜中に2回起き上がっています。昼は会話のつじつまが合っています。様子をお伝えします
理学療法士 練習の後の痛み 前回の練習の後、夕方まで右の太ももが重く痛んだと本人が話していました。翌朝には戻ったそうです。次の練習の内容の参考にしてください
作業療法士 着替えの場面 靴下をはくときに、示された注意に触れる姿勢になっているのを見ました。靴下をはく道具の使い方を、次の訪問で一緒に確かめていただけますか
ケアマネジャー 入浴の方法の見直し 主治医から浴槽に入る方法についての指示がありました(指示の内容を添えます)。入浴用の台と手すりの要否について、福祉用具専門相談員とご相談いただけますか
ケアマネジャー 家族の疲れ 夜中のトイレの付き添いで、妻が3日続けて眠れていないと話しています。夜の過ごし方の見直しと、サービスの組み立てについてご相談させてください
福祉用具専門相談員 道具が合っていない 歩行器の高さが合わず、前かがみで歩いているように見えます。理学療法士の意見も添えますので、高さの調整についてご確認をお願いします
家族 外来で指示が変わった 外来で体重のかけ方の指示が変わったと伺いました。新しい内容に合わせて、台所に貼ってある紙を作り直します。古い紙は次の訪問で回収します

※上記は当社が作成した記載のイメージです。連絡の方法と内容は、本人・家族の了解と事業所の決まり、主治医の指示に従ってください。

ご家族への説明(E-P)|避ける動作・痛み・夜の混乱・転んだときの伝え方(言い換え10場面)

ご家族への説明は、病院で聞いた言葉をそのまま繰り返しても、家の暮らしの場面に結びつかないことがあります。また「〇〇してはいけません」が並ぶと、ご本人が動くこと自体を怖がり、ご家族も手を出しすぎてしまうことがあります。避けることと、していいこと・してほしいことを一緒に伝えます。示された注意の中身は、主治医・リハビリ職の指示のとおりとします。

場面 避けたい伝え方 伝わりやすい伝え方
避ける動作を伝える 「脱臼するので、この動きは禁止です」 病院で示された注意を、トイレ・椅子・着替えの場面の言葉にした紙を作りました。この場面ではこうすると楽にできます、という形で一緒に見ていきましょう
動くことを怖がっている 「動かないと寝たきりになりますよ」 怖いと感じるのは自然なことです。この練習は、理学療法士が今の体に合わせて決めたものです。できたことを次の訪問で一緒に確かめましょう
家族が手を出しすぎる 「全部手伝ってはいけません」 立ち上がりのときは、ここに手を添えるだけで大丈夫です。ご本人が自分でできるところは、待っていただけると力がつきます
痛みを伝える 「痛みは我慢してください。リハビリには必要です」 痛みは我慢せずに教えてください。どの動きで、どこが、どのくらい続いたかを紙に丸をつけてもらえると、理学療法士と主治医に伝えられます
脚の腫れ・傷の変化 「何かあったら連絡してください」 片方の脚だけ腫れてきた、ふくらはぎを痛がる、傷が赤くなった・にじんできた、というときは、紙に書いた順番で連絡してください
夜の混乱 「認知症が進んだのかもしれません」 入院や環境が変わった後に、夜に混乱することがあります。何時ごろに、どんなことを話していたかを書いておいてください。主治医に伝えて相談します
夜中のトイレ 「夜は一人でトイレに行かないでください」 夜中は、ベッドに座ってひと呼吸してから立ちましょう。足元の明かりをつけておきます。不安な夜は、呼び鈴で呼んでもらう約束にしましょう
骨を強くする薬 「骨粗しょう症なので薬は飲み続けないとだめです」 この薬は主治医が骨を強くするために出しているものです。飲み方が分かりにくいときや気になることがあるときは、薬剤師に一緒に聞いてみましょう
外来の受診 「先生の言うとおりにしてください」 次の外来で聞いておきたいことを、今日一緒に紙に書いておきましょう。外来で言われたことは、次の訪問で教えてください。紙を作り直します
転んだとき 「転ばないように気をつけてください」 もし転んだら、無理に起き上がらずに、紙に書いた順番で連絡してください。どこを打ったか、脚を動かせるかを伝えてもらえると助かります

※上記は当社が作成した記載のイメージです。説明の内容は主治医の指示書と退院時の情報、リハビリ職の評価、薬剤師の説明に従ってください。

ご家族と決めておく「退院後の暮らしの紙」の項目(8項目)

示された注意と連絡の順番を一枚の紙にして、ご家族・ヘルパー・通所の職員が同じものを見られるようにしておくと、伝え方がそろいます。紙の中身は主治医・リハビリ職の指示のとおりとし、指示が変わったら作り直して古い紙を回収します。

項目 書く中身 貴事業所の記入欄
示された注意の出どころ 書類の名前、日付、指示した医療機関・職種 (    )
家の場面ごとの動き方 トイレ・椅子・着替え・寝るとき・入浴で、どうすると楽にできるか(指示のとおり) (    )
使う道具 家の中・トイレ・浴室・外で使う道具と置き場所 (    )
訪問のない日に続ける練習 リハビリ職が決めた練習の名前と、行う時間帯 (    )
知らせてほしい様子 痛み・脚の腫れ・傷・熱っぽさ・夜の混乱・転んだとき(主治医の指示のとおり) (    )
連絡の順番と電話番号 昼と夜、それぞれ誰に、どの順番で (    )
次の外来の日と聞きたいこと 日付、聞きたいことのメモ欄 (    )
紙を作った日と作り直した日 古い紙を回収した日 (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。紙に書く注意と連絡の目安は、主治医の指示書と退院時の情報、リハビリ職の評価に従ってください。

悪い例と良い例|大腿骨頸部骨折の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。良い例に入れた体重のかけ方・避ける動作・薬の使い方・連絡の目安は、すべて「主治医・リハ職の指示を確認」「処方のとおり」「指示書に記載の」の形にしています。実際の内容は指示書と退院時の情報、リハビリ職の評価から写してください。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「歩行が自立する」 決めた手順と歩行器で、日中のトイレに自分で行ける 歩けた先の暮らしの場面を書いた
目標 「ADLが拡大する」 朝の着替えを、座って決めた順番で自分でできる どの場面かと、確かめ方を書いた
目標 「脱臼しない」 指示された動作の注意を、トイレと着替えの場面で守れる 起きてほしくないことではなく、本人ができることにした
目標 「家族が介助方法を習得する」 妻が、立ち上がりのときに手を添える場所と声かけの言葉を、紙を見て言える 家族の目標を、確かめられる行動にした
課題 「大腿骨頸部骨折術後」 人工の骨頭に置き換える手術の後、寝室からトイレまでの移動に妻の付き添いが要り、日中もほとんどベッドで過ごしている 病名でなく、暮らしの何が止まっているかを書いた
課題 「転倒リスク高い」 夜中に寝ぼけたまま一人でトイレに向かうことがあり、退院してから2回、廊下でよろけている いつ・どこで・何が起きているかを書いた
課題 「せん妄あり」 退院した夜から、夕方になると「家に帰る」と話して起き上がろうとし、娘が夜に眠れていない 見えた様子と、暮らしへの影響を書いた
課題 「意欲低下」 「また折れたら終わりだ」と話し、決めた練習を訪問のない日はしていない 評価の言葉を、本人の言葉と事実に置き換えた
O-P 「疼痛の観察」 痛む動作と場所、続く時間、痛み止めを使った時刻と動作への影響を、本人の話と記録で見る 何を、どの方法で見るかを決めた
O-P 「創部観察」 手術の傷の赤み・腫れ・にじみ・痛み、覆っている物の汚れを訪問のたびに見る 見る項目を書いた
O-P 「DVT徴候の観察」 左右の脚の腫れ、ふくらはぎの痛み、皮膚の色を、主治医から示された観察の項目で見る 略語を開き、観察の出どころを書いた
O-P 「脱臼肢位の確認」 トイレ・椅子・着替え・床の物を拾う場面で、示された動作の注意を守れているかを見る 確かめる場面を書いた
T-P 「荷重〇割で歩行訓練」 体重のかけ方は指示書と退院時の情報のとおりとし、理学療法士と決めた手順で寝室からトイレまでの移動を一緒に行う 看護師が数値を書かず、指示の出どころと受け持つ部分を書いた
T-P 「環境整備」 居間で座る椅子と便座の高さを、リハビリ職・福祉用具専門相談員と見直す 何を誰と整えるかを書いた
T-P 「疼痛時頓用内服」 痛み止めは処方のとおりに使い、使った時刻と動作・眠りへの影響を記録で確かめ、まとめて主治医に伝える 指示の出どころと、看護師が受け持つ部分を書いた
T-P 「入浴介助」 主治医の指示の範囲で入浴の方法を決め、入浴用の椅子と手すりの使い方を家族と一緒に確かめる 入浴の方法の出どころと、手順を書いた
E-P 「脱臼予防の指導」 示された注意を家の場面の言葉に置き換えた紙を作り、本人・家族と確かめ、家族がその場面での手の貸し方を言えるかを確かめる 渡す物と、確かめ方を書いた
E-P 「転倒予防の指導」 夜中はベッドに座ってから立つ順番と、不安な夜は呼び鈴で家族を呼ぶ約束を本人と決める どの場面で何をするかを書いた
E-P 「異常時は連絡するよう説明」 片方の脚が腫れてきた・傷が赤くなった・転んだときは、紙に書いた順番で連絡するよう家族に伝え、家族がその順番を言えるかを確かめる 何を・どの順で・どう確かめるかを書いた
評価 「ADL向上、継続」 歩行器で日中のトイレに自分で行けるようになり、この2週間で付き添いを頼んだのは夜だけだったと妻が話した。次は夜中のトイレの手段を課題に立てる 目標に照らした事実と、次の手を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。体重のかけ方、避ける動作、薬の使い方、観察の項目、連絡の目安は、主治医の指示書・退院時の情報・リハビリ職の評価・薬剤師の説明に従ってください。

評価の書き方と報告書へのつなぎ方|大腿骨頸部骨折の評価文(10例)と報告書の欄別記載例

評価は、目標ごとに「何ができたか」「何が変わったか」「次にどうするか」を、記録書Ⅱとリハビリ職の記録、ご家族の話に残した事実で書きます。外来で動作の指示が変わった月は、何が変わり、計画書のどこを書き直したかを残します。

目標(要約) 評価文の記載例 次の計画への反映
日中のトイレに自分で行ける 歩行器で日中のトイレに自分で行けるようになった。この2週間で付き添いを頼んだのは夜だけだったと妻が話した 夜中のトイレの手段を次の課題として立てる
指示された動作の注意を守れる トイレと着替えの場面では守れている。仏壇の前に座ろうとした場面が1回あり、椅子を置いてからはないと娘が話した 紙に仏壇の前の動き方を加える
痛みの少ない動き方で、日中は居間で過ごせる 立ち上がりの痛みは退院した日より弱くなったと本人が話した。昼食は居間の椅子で食べる日が増えた 居間で過ごす時間を午前にも広げることを本人と相談する
夜に落ち着いて休める 主治医に夜の様子を伝えた後、夕方に落ち着かなくなる日は減った。夜中に起き上がったのはこの1週間で1回だったと娘が話した 昼の過ごし方の工夫を続け、記録表は夜だけの形に変える
決めた練習を家族と続けられる 練習の紙に、訪問のない日も丸がついている日が増えた。「少し自信がついた」と本人が話した 理学療法士と練習の内容を見直す
主治医の指示の範囲で入浴できる 入浴用の椅子を使って、妻の手助けで週に2回体を洗えた。浴槽に入る方法は次の外来で確かめる 外来の結果を計画書に写し、入浴の手順を見直す
玄関の上り下りを行い、畑まで歩ける 家族の付き添いで畑まで歩けた日が、この1か月で3日あった。帰りは疲れて休む場所が要った 畑までの途中に休む椅子を置くことを家族と相談する
骨を強くする薬を処方のとおりに飲み続ける 薬剤師と作った紙を見て飲めている。飲み忘れはこの1か月でなかったと本人が話した 今の形を続け、次の受診で気になることを本人が聞けるようにする
家族が手を添える場所と声かけを言える 妻は紙を見ずに言えた。週末に来る息子には伝わっていなかった 息子にも次の訪問で伝え、紙を玄関にも貼る
通所を再び始められる 送迎の車の乗り降りを決めた手順で行い、通所を再び始められた。通所の職員にも示された注意を伝えた 通所での様子をケアマネジャーから聞き、外出の目標を立てる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(大腿骨頸部骨折の記載例6欄)

報告書の欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(2)/老企第55号の記載要領) 大腿骨頸部骨折で退院した方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 手術の傷に赤み・腫れはない。立ち上がりの痛みは退院した日より弱くなった。歩行器で日中のトイレに自分で行けるようになり、夜は妻の付き添いで移動している。夕方の落ち着かなさは減っている
看護・リハビリテーションの内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 傷・痛み・脚の腫れの観察、トイレまでの移動の手順の確認、示された動作の注意を守れているかの確認、夜の記録表の確認、骨を強くする薬の飲み方の確認を行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 妻が夜中のトイレの付き添いを担っている。付き添いの回数が減り、眠れる夜が増えたと話している。週末は息子が来ている
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 浴槽に入る方法と、仏壇の前に座る習慣について、次の外来でご指示をいただきたいと本人・家族が話している
訪問日 老企第55号の記載要領 2(3)②ロ。理学療法士等による訪問看護を実施した場合は◇、急性増悪等により特別訪問看護指示書の交付を受けて訪問した日には△、緊急時訪問を行った日は×印とされています 看護師の訪問日を○、理学療法士の訪問日を◇で示す。転んで緊急に訪問した日があれば×で示す
別添(介護保険・リハビリ職の訪問) 老企第55号の記載要領 2(3)⑪ロ。リハビリ職が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容を具体的に記入する 寝室からトイレまでの移動と、玄関の上り下りの練習を行った。妻に立ち上がりのときに手を添える場所を伝えた。示された動作の注意に触れやすい場面(便座・靴下)を確かめ、靴下をはく道具の使い方を練習した

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

大腿骨頸部骨折の訪問看護計画書を見直すきっかけ(10)

きっかけ 見直す欄 確かめる相手
外来で体重のかけ方や避ける動作の指示が変わった T-P、E-P、退院後の暮らしの紙 主治医、手術をした医療機関、リハビリ職
使う道具が変わった(歩行器から杖へ等) 目標、T-P、備考 理学療法士、福祉用具専門相談員
入浴の方法の指示が出た・変わった T-P、備考 主治医、ケアマネジャー
傷の様子が変わった・処置が始まった・終わった O-P、衛生材料等の欄 主治医
夜の混乱が続く・強くなった 課題、O-P、E-P 主治医、家族
転んだ・転びそうになった 課題、O-P、T-P(転倒予防の計画も合わせて見直す) 主治医、ケアマネジャー、リハビリ職
訪問リハや通所が始まった・終わった 訪問予定の職種、備考 ケアマネジャー、リハビリ職
日中に横になっている時間が長くなった 課題、T-P(廃用症候群の計画も合わせて見直す) 主治医、ケアマネジャー
介護を担う家族の状況が変わった 備考、E-P、連絡の順番の紙 家族、ケアマネジャー
本人の取り戻したい暮らしが変わった 目標 本人、家族

※上記は当社が作成した記載のイメージです。見直した日は計画書の年月日の欄に書き、見直した内容は記録書に残してください。

運営指導で大腿骨頸部骨折の方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「居宅介護支援事業者等との連携(第64条)」「サービス提供の記録(第19条)」「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」「緊急時等の対応(第72条)」「事故発生時の対応(第37条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) 大腿骨頸部骨折で退院した方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第64条)サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか 退院の前後の担当者会議などで、示された動作の注意と手の貸し方を、ヘルパー・通所・福祉用具の事業所と共有した記録があるか 確認日:(    )
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、計画書で決めた観察(痛み・傷・脚の腫れ・夜の様子)と、行った練習やケアが書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 「歩行訓練実施」「著変なし」の一語でなく、どの場面で何ができたか、本人の言葉で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの福祉用具・住宅改修・通所・ヘルパーの受け持ちと、計画書の動作の支援が食い違っていないか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書と退院時の情報の動作の注意が、出どころつきで計画書に写されているか。「自分でトイレに行きたい」など本人の希望が目標に入っているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「歩行訓練」「脱臼予防の指導」の一語で止まっていないか。看護師とリハビリ職の訪問日と受け持ちが分かるか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 退院の日の慌ただしさの中でも、説明・同意・交付の日付と相手が残っているか 確認日:(    )
(第70条)目標の達成状況は記録されているか・達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 外来で指示が変わったとき、道具が変わったとき、転んだときに計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第70条)訪問看護報告書は作成されているか 報告書の本体と、リハビリ職の訪問がある方の別添が作られ、内容がそろっているか 確認日:(    )
(第72条)緊急時対応マニュアル等が整備されているか・緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか 転んだとき、脚が急に痛むときの連絡の手順が事業所で決まっていて、主治医へ連絡した日時と指示が記録に残っているか 確認日:(    )
(第37条)事故が発生した場合の対応方法は定まっているか・事故状況、対応経過が記録されているか・再発防止のための取組を行っているか 訪問中に転んだ場合などに、事故の状況と対応、市町村・家族・居宅介護支援事業者等への報告、再発防止の検討が記録されているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある、訪問看護の計画書・指示書・リハビリ職の訪問・事故の記録に関わる指摘(7件)

大腿骨頸部骨折の方の計画書に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方、指示書の扱い、リハビリ職が訪問するときの説明と同意、事故の記録で関わりの深い公表事例です。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

自治体(資料名) 公表されている指摘の内容 大腿骨頸部骨折の方の計画書・記録で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの福祉用具・通所との対応、同意の記録、O-P・T-P・E-Pが「歩行訓練」の一語で止まっていないか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 退院してすぐに訪問を始めたときに、訪問開始前に計画書があるか。ケアプランが暫定のときの扱いを決めているか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 退院した日に訪問するときに、指示書を先に受け取っているか。行っている練習やケアが指示書の内容と合っているか
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)・令和7年3月) 訪問看護計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、訪問看護指示書の有効期限が切れている、計画書に利用者の同意署名がない等 本人の希望と主治医の指示(動作の注意の出どころ)が計画書に入っているか。指示書の期間を一覧で管理しているか
静岡市(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧・令和8年度集団指導資料) 理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士による指定訪問看護について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない リハビリ職が訪問する方で、その説明をした日・相手・同意の記録が残っているか
愛知県(主な指摘事項(令和7年度版)) 作業療法士による訪問看護を利用している者については、定期的に看護職員の訪問による評価を実施する必要があることに留意すること、と示されている リハビリ職の訪問が中心の方で、看護職員が訪問して評価した日と内容が記録書に残っているか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 事故の状況や講じた処置を記録しておらず詳細・対応・再発防止策が不明確、保険者への事故報告を行っていない等 訪問中に転んだ・転びそうになった場面の記録、報告の要否の確認、再発防止策が残っているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

大腿骨頸部骨折の方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 訪問の出どころ、動作の注意と連絡の目安の出どころ (    ) (    )
退院時の情報・紹介状の写し 手術の有無と種類、体重のかけ方、避ける動作、入院中の様子 (    ) (    )
病院のリハビリ職からの申し送りの写し 病院で行っていた動作の手順と道具 (    ) (    )
薬剤情報提供書・薬局からの説明の写し 痛み止めと骨を強くする薬の飲み方、示された観察の項目 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅰ(骨折したときの状況・生活歴・連絡先) 課題の根拠と、再骨折を防ぐ計画の手がかり (    ) (    )
家族と作った「退院後の暮らしの紙」(作り直した版を含む) 示された注意と連絡の順番が、指示と同じかの確認 (    ) (    )
家族の記録表(夜の様子・トイレ・痛み)の写し 評価と主治医への報告の根拠 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき、リハビリ職の訪問の説明と同意を含む) 説明の方法・相手・日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅱ・訪問看護報告書と別添(主治医への提出の記録つき) 訪問ごとの観察と練習の記録、月の経過を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )
事故・ひやりとした場面の記録 訪問中に転んだ・転びそうになった場面の状況・対応・再発防止策 (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

大腿骨頸部骨折の看護目標は、どう書けばよいですか?

看護目標は、「歩行が自立する」「ADLが拡大する」のような体の働きだけの文ではなく、骨折の前にしていた暮らしのうち、ご本人が取り戻したい場面と、そのために本人・家族が行うことを主語にして書きます。例えば長期目標を「指示された動作の注意を守りながら、家の中のトイレと食卓まで自分で行き来できる」、短期目標を「決めた手順と歩行器で、日中のトイレに妻の見守りで行ける」のようにすると、次の評価の時期に訪問時の様子と家族の話で確かめられます。歩く距離や体重のかけ方の数値を看護師が決めて目標にすることは避けます。

大腿骨頸部骨折の看護問題は、在宅の訪問看護計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

「身体可動性障害」「急性疼痛」「転倒転落リスク状態」などの看護問題の名前は、そのままでは家で何が起きているかが伝わりません。課題欄には、骨折と手術の後の何が、暮らしのどの場面を止めているかを、根拠になる事実とあわせて一文で書きます。例えば「退院して1週間、寝室からトイレまでの移動に妻の付き添いが要り、日中もほとんどベッドで過ごしている」「立ち上がりの一歩目で右の付け根が痛み、食卓まで行く回数が減っている」のように、訪問時に見た動作、本人の言葉、家族の記録を根拠にします。

病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、大腿骨頸部骨折の書き方で何が違いますか?

病院や看護過程では、手術の前後の観察や術後の合併症の予防、病棟でのリハビリの進み方を、看護師が一日を通して見ていく前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅では看護師やリハビリ職がそばにいる時間はわずかで、示された動作の注意を毎日守るのも、夜中のトイレに付き添うのも、多くはご本人とご家族です。そのため在宅の訪問看護計画書では、退院時に示された指示を家の暮らしの場面に置き換え、何を見て、何が起きたら誰に知らせるかを、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。

体重のかけ方や脱臼に注意する動作は、計画書にどう書けばよいですか?

体重のかけ方、避ける動作・姿勢、それを続ける期間は、主治医の指示書、退院時の情報、リハビリ職の評価に示された内容を、示されたとおりに写します。看護師が一般的な注意を並べたり、割合や時期を自分で決めて書いたりすることは避けます。計画書には「体重のかけ方は指示書と退院時の情報(書類名・日付)のとおりとする」のように指示の出どころを書き、看護師が受け持つ部分として、家のトイレ・椅子・着替えの場面の言葉に置き換えて伝えること、守れているかを見ること、外来で指示が変わったら紙を作り直すことを書きます。

退院した後の夜の混乱(せん妄)は、計画書にどう書けばよいですか?

夜の混乱の原因の見立てと治療は主治医によるものです。計画書には、いつから・どの時間帯に・どんな様子が出ているかを課題欄に事実で書き、O-Pには家族の記録表とあわせて夜の様子・昼の眠気・痛み・便通・排尿を見ること、T-Pには昼の過ごし方と夜の明かりや時計の位置を家族と整えること、記録をまとめて主治医に伝えることを書きます。夜に一人で起き上がって歩こうとすると転んで再び骨折するおそれにもつながるため、夜中のトイレの手段と家族の呼び方も一緒に決めておきます。

理学療法士・作業療法士が訪問する方の計画書と報告書で、気をつけることは何ですか?

介護保険の老企第55号の記載要領では、理学療法士等による指定訪問看護を提供する場合は計画書の「作成者①②」の両方に記入すること、報告書の訪問日はリハビリ職の訪問を◇で示すこと、別添にはリハビリ職が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容を具体的に記入することが示されています。看護師とリハビリ職で目標の言葉と動作の注意の書き方をそろえ、看護師は痛み・傷・排泄・夜の様子、リハビリ職は動作の練習と道具の調整、というように受け持ちが分かるように書きます。リハビリ職が訪問することについての説明と同意の記録も残します。

転倒予防の看護計画や廃用症候群の看護計画とは、どう書き分ければよいですか?

大腿骨頸部骨折の看護計画は、骨折の治療を終えて家に戻った後、指示された動作の注意を守りながら骨折の前の暮らしの場面を取り戻すまでを受け持つ計画です。転倒予防の看護計画は、骨折の有無を問わず、家の中の転びやすい場所や時間帯への手立てを書く計画で、廃用症候群の看護計画は、寝ている時間が長くなり体の働きが落ちていく流れを止める計画です。今いちばん暮らしを止めているのはどれかで主にする計画を決め、ほかは課題を1つ足す形にします。動作の注意がなくなった後は、転倒予防の計画を主にすることもあります。

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出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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