施設・グループホーム・デイサービス・ショートステイ・訪問介護などから、ご家族へ「最近のご様子」をお伝えする近況報告(お便り・近況報告書)の書き方と例文をまとめた記事です。面会の回数が限られるご家族、遠方に住むご家族にとって、近況報告は数少ない「様子が見える窓」になります。一方で、書く側は「お元気です」の一言で終わってしまったり、体調の変化をどこまで書けばよいか迷ったりしやすい文書でもあります。
本記事では、近況報告に入れる8つの項目の型、1通の組み立て方と12か月の書き出し、7つのサービス種別ごとの書き分け、6つの状態別の例文、悪い例と良い例の書き直し20組、手紙・メール・連絡帳・写真を添えるときの注意を順に整理しました。例文に出てくる人物・施設・日付・出来事はすべて架空です。ご本人のお名前は「〇〇様」としています。実際に使うときは、貴事業所の利用者の事実に置き換えてお使いください。
近況報告と事故報告書・送付状の違い|主語と読み手で比べる対照表
「介護の報告書」と呼ばれる文書には、事故やヒヤリハットを記録する報告書、ケアマネジャーが書類に添える送付状など、目的の違うものが混ざっています。近況報告はご家族に、ご本人の暮らしぶりを伝えることが目的で、出来事の経緯や原因を記録する文書とは書き方が変わります。まず違いを表で確かめておきます。
| 文書 | 主な読み手 | 目的 | 書く中心 | 本記事で扱うか |
|---|---|---|---|---|
| 近況報告(お便り・近況報告書) | ご家族 | ご本人の最近の暮らしぶりを伝え、安心やつながりを保つ | 暮らし・食事・睡眠・活動・体調の変化・行事・本人の言葉・お願いごと | 扱う(本記事の主題) |
| 事故報告書・ヒヤリハット報告書 | 事業所内・保険者・ご家族 | 起きた出来事の事実・原因・再発防止を記録する | 日時・場所・状況・対応・原因分析・再発防止策 | 扱わない(出来事のあとの「その後の様子」だけを扱う) |
| 送付状(ケアマネジャーが書類に添える文) | サービス事業所・医療機関など | 何をなぜ送るかを伝える | 同封物・依頼内容・期限・連絡先 | 扱わない |
| 介護記録(日々の記録) | 事業所内の職員 | 提供したサービスと観察した事実を残す | 時刻・数値・観察・対応 | 近況報告の材料として扱う |
| 連絡帳(デイ・ショート・訪問) | ご家族・ご本人 | その日の様子と連絡事項をやりとりする | その日の過ごし方・体調・持ち物・連絡事項 | 近況報告の一つの形として扱う |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
近況報告の書式・頻度・送り方について、全国一律の様式は示されていません。毎月のお便りとして送る事業所、季節ごとに送る事業所、連絡帳で日々伝える事業所など運用はさまざまです。本記事の例文は、どの形にも差し込める長さ(1例あたりおおむね60〜150字)でそろえています。
近況報告の組み立て|8つの項目・1通の流れ・12か月の書き出し
近況報告が「お元気です」で終わってしまうのは、何を書くかの型が決まっていないことが原因になりがちです。次の8項目を手元に置き、毎回そのうち3〜4項目を選んで書くと、1通ごとに違う中身になります。
近況報告に入れる8つの項目と記入例
| 項目 | 書くこと | 書き方の目安 | 記入例 |
|---|---|---|---|
| 暮らし(1日の過ごし方) | 起床から就寝までの流れ、よく過ごす場所 | 「いつ・どこで・何をしているか」を1場面に絞る | 朝食のあとは窓際のソファで新聞を広げ、見出しを声に出して読まれるのが日課になっています。 |
| 食事 | 召し上がる量、好きな献立、食べ方の工夫 | 量は「ほぼ全部」「半分ほど」など、ご家族に伝わる言葉で | 今月は献立のかぼちゃの煮物を気に入られ、「これは家の味に近い」と言いながら最後まで召し上がっていました。 |
| 睡眠 | 寝る時刻・起きる時刻、夜中の様子 | 心配な点だけでなく、眠れている日の様子も書く | 夜は21時ごろに休まれ、朝6時ごろまで続けて眠れている日がほとんどです。 |
| 活動(レク・体操・リハビリ・外出) | 参加したこと、そのときの表情や言葉 | 「参加しました」で止めず、何をどうしていたかまで | 午後の体操では、椅子に座ったまま腕を大きく回す動きを最後まで続け、終わると周りの方と拍手をされていました。 |
| 体調の変化 | 変わったこと、事業所の対応、今後の見通し | 事実・対応・今後の順に。診断や数値は書かず、主治医や看護職員の説明に委ねる | 今月中旬から昼食を残される日が続いたため、看護職員が様子を確かめ、主治医に報告しました。現在は食べやすい形の献立に変えています。 |
| 行事 | 季節の行事、そこでの役割や様子 | 行事名だけでなく、ご本人がどう関わったか | 敬老会では、昔習っていた民謡を1曲披露され、終わったあとは「声が出てよかった」とほっとした表情でした。 |
| 本人の言葉 | ご本人が話されたこと、口ぐせ | 「」でそのまま書く。ご家族の名前が出たら特に残す | 職員が髪を整えると「娘が来る前にきれいにしておかんとね」とおっしゃっていました。 |
| お願いごと | 持ち物・面会・手続き・相談したいこと | 何を・いつまでに・どうしてほしいかを1つずつ | 寒くなってきましたので、厚手の靴下を2足ほど、次の面会の際にお持ちいただけますでしょうか。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
1通の流れ|5つの段落に分けた組み立て表
| 段落 | 役割 | 長さの目安 | 例 |
|---|---|---|---|
| 1.書き出し | 季節のあいさつ、日ごろのお礼 | 1〜2文 | 朝晩はすっかり涼しくなりました。日ごろより当施設の運営にご理解をいただき、ありがとうございます。 |
| 2.近況の要点 | 今月をひとことで言うと | 1文 | 〇〇様は今月も大きな体調の変化はなく、穏やかに過ごされています。 |
| 3.具体の様子 | 8項目から2〜3項目 | 3〜6文 | 食事はほぼ毎回召し上がっています。午後は談話スペースで塗り絵をされることが多く、今月は3枚仕上げられました。 |
| 4.変化と対応 | 変わったこと、事業所の対応、今後 | 変化があれば2〜4文 | 夜中に目を覚まされる日が月に数回ありました。職員が付き添うと再び休まれています。引き続き様子をお知らせします。 |
| 5.お願いごと・結び | 持ち物・相談、連絡先、結びのあいさつ | 1〜3文 | ご不明な点やご心配なことがありましたら、担当の職員までお気軽にお声かけください。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
完成例|特別養護老人ホームから毎月送るお便り(架空)
〇〇様のご家族様
朝晩はすっかり涼しくなり、中庭の木々も色づき始めました。日ごろより当施設の運営にご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。10月の〇〇様のご様子をお知らせいたします。
〇〇様は今月も大きな体調の変化はなく、穏やかに過ごされています。朝食のあとは窓際のソファで新聞を広げ、見出しを声に出して読まれるのが日課になっています。食事はほぼ毎回召し上がっており、献立に出たかぼちゃの煮物を「これは家の味に近い」と喜んでいらっしゃいました。
10月15日の秋祭りでは、輪投げの係を引き受けてくださり、ほかのご利用者に「もう少し右」と声をかけて場を盛り上げてくださいました。
夜中に目を覚まされる日が今月は3日ありました。職員が付き添って温かいお茶をお出しすると、しばらくして再び休まれています。看護職員とも情報を共有し、引き続き様子を見てまいります。
これから寒くなりますので、厚手の上着を1枚、次の面会の際にお持ちいただけますでしょうか。ご不明な点やご心配なことがありましたら、担当の職員までお気軽にお声かけください。
(施設名・担当者名・連絡先)
12か月の書き出し|季節の話題と書き出し文
書き出しは、施設や地域の季節の様子に合わせて言い換えてください。寒冷地・温暖地で季節の進み方が違うため、下の文は目安です。
| 月 | 季節の話題 | 書き出し文の例 |
|---|---|---|
| 1月 | 新年・書き初め・七草 | 新しい年を迎え、施設でも書き初めや七草がゆの日を楽しみました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 |
| 2月 | 節分・梅のつぼみ | 節分の豆まきでは、職員の鬼に向かって元気な声が上がりました。寒さの中にも、梅のつぼみがふくらみ始めています。 |
| 3月 | ひな祭り・春の訪れ | ひな人形を飾った食堂で、ちらし寿司をいただきました。日差しに少しずつ春を感じる季節になりました。 |
| 4月 | 桜・お花見 | 中庭の桜が満開になり、天気のよい午後に皆さんでお花見をしました。新年度もよろしくお願いいたします。 |
| 5月 | 新緑・こいのぼり・母の日 | 新緑がまぶしい季節になりました。玄関に飾ったこいのぼりを見上げて、昔話をされる方が多くいらっしゃいます。 |
| 6月 | 梅雨・あじさい | 雨の日が続いていますが、窓から見えるあじさいが色とりどりに咲き、室内でも季節を感じています。 |
| 7月 | 七夕・暑さ | 七夕の短冊には、それぞれの願いごとが並びました。暑い日が続きますので、こまめな水分補給を心がけています。 |
| 8月 | 夏祭り・お盆 | 夏祭りでは、浴衣姿の職員と一緒に盆踊りの輪ができました。お盆の時期、ご家族の皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
| 9月 | 敬老会・お月見 | 敬老会では、皆様の長寿をお祝いしました。夜には窓からお月見を楽しまれる方もいらっしゃいました。 |
| 10月 | 運動会・紅葉・秋の味覚 | 朝晩はすっかり涼しくなりました。室内運動会では、玉入れに真剣な表情で取り組まれる姿が見られました。 |
| 11月 | 文化祭・作品展・冬支度 | 作品展では、皆様が1か月かけて仕上げた貼り絵や書が並びました。日ごとに寒さが増してまいりました。 |
| 12月 | クリスマス・年の瀬 | 今年も残りわずかとなりました。クリスマス会では、ハンドベルの音色に合わせて口ずさまれる方が多くいらっしゃいました。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
サービス種別ごとの書き分け|7種別の重点と完成文14例
同じ「近況報告」でも、入所して長く暮らす施設と、日中だけ通うデイサービス、ご自宅に伺う訪問介護では、ご家族が知りたいことが違います。次の表で種別ごとの重点を確かめ、そのあとの完成文を使い分けてください。送る頻度や手段は事業所ごとに異なるため、右端は貴事業所の運用を書き込む欄にしています。
| 種別 | ご家族が気にかけやすいこと | 近況報告で厚めに書くこと | 貴事業所の運用(頻度・手段の記入欄) |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 穏やかに暮らせているか、食事や体調の変化 | 1日の過ごし方、食事、季節の行事、変化と対応 | (例:毎月・手紙) |
| 介護老人保健施設 | リハビリの進み具合、在宅に戻れるか | リハビリでできるようになったこと、日常の動作、今後の相談 | (記入欄) |
| グループホーム | 認知症の進み方、共同生活になじめているか | 家事などの役割、ほかの入居者との交流、本人の言葉 | (記入欄) |
| 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | 生活の自由度、外部サービスとの連携 | 趣味や外出、居室での過ごし方、困りごとの相談先 | (記入欄) |
| デイサービス | 通うのを楽しめているか、家とは違う様子 | 到着から帰りまでの流れ、レクリエーション、入浴、体調 | (例:連絡帳・毎回) |
| ショートステイ | 夜眠れたか、家との違いで困っていないか | 夜間の様子、食事、持ち物、帰宅後に気をつけること | (記入欄) |
| 訪問介護 | 一人の時間に困っていないか、家の中の様子 | 台所・冷蔵庫・服薬カレンダーなど訪問時の様子、ケアマネジャーへの報告 | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
| 種別 | 場面 | 完成文 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 長く暮らす中での日課 | 〇〇様は、昼食のあとにユニットの台所でお茶碗を拭くのが日課になっています。職員が「助かります」とお伝えすると、「これくらいはね」と照れくさそうに笑われます。 |
| 特別養護老人ホーム | 季節の行事 | 12月のクリスマス会では、最前列でハンドベルの演奏を聴かれ、知っている曲になると手拍子をされていました。会のあとも「きれいな音だった」と何度もおっしゃっていました。 |
| 介護老人保健施設 | リハビリの進み具合 | 入所から1か月がたち、リハビリでは手すりを使って廊下を往復できるようになりました。理学療法士の声かけに「まだいける」と応え、往復の回数を自分で決めていらっしゃいます。 |
| 介護老人保健施設 | 在宅復帰の相談 | ご自宅の玄関の段差について、退所前に一度、職員がご自宅を見せていただけないかと考えています。ご都合のよい日をいくつか教えていただけますでしょうか。 |
| グループホーム | 家事の役割 | 夕食の準備では、ほかの入居者と並んで大根の皮むきを担当してくださいました。手際のよさに職員が驚くと、「毎日やってたからね」とうれしそうでした。 |
| グループホーム | 共同生活の中での交流 | 午後のお茶の時間に、同じテーブルの入居者と昔の映画の話で盛り上がり、30分ほど笑い声が続いていました。 |
| 有料老人ホーム | 趣味・外出 | 月に2回の書道教室に参加され、今月は「和」の一文字を仕上げられました。作品は居室の壁に飾っています。 |
| 有料老人ホーム | 外部サービスとの連携 | 訪問マッサージの方から、「肩の動きが少しなめらかになってきた」とうかがいました。ご本人も「腕が上がりやすい」とおっしゃっています。 |
| デイサービス | 到着から帰りまで | 本日は9時30分に到着され、お茶を飲みながら新聞を読まれました。午前に入浴、昼食はほぼ全部召し上がり、午後は紙の花作りで5つ仕上げて、16時の送迎で帰られました。 |
| デイサービス | 家とは違う一面 | レクリエーションのしりとりでは、ほかのご利用者が詰まったときに答えのヒントを出してくださり、自然とまとめ役になっていらっしゃいました。 |
| ショートステイ | 夜間の様子 | 3泊のあいだ、夜は22時ごろに休まれました。初日の夜は2回目を覚まされましたが、2日目からは朝まで続けて眠れていました。 |
| ショートステイ | 帰宅後に気をつけること | 滞在中、右のかかとに赤みがあるのを入浴時に見つけ、看護職員が確認しています。ご自宅でも靴下を脱いだ際に、色の変化がないかご覧いただけますでしょうか。 |
| 訪問介護 | 訪問時の家の中の様子 | 本日の訪問では、冷蔵庫の中に同じ牛乳が3本ありました。ご本人は「買ったのを忘れていた」とのことです。買い物メモを一緒に作る形を、ケアマネジャーにもご相談しています。 |
| 訪問介護 | 一人の時間の過ごし方 | 訪問の際、テレビの前に昨日の新聞と鉛筆が置かれ、クロスワードの半分ほどが埋まっていました。「時間があっという間に過ぎる」と話されていました。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
状態別の例文|6つの状態・72例
ご本人の状態によって、ご家族が知りたいこと、書くときに気をつけることが変わります。ここでは「穏やかに過ごしている」「体調の変化があった」「認知症が進んできた」「転倒などの出来事のあと」「看取り期」「入所・利用を始めた直後」の6つに分け、各12例を載せました。体調にかかわる内容は、事実・事業所の対応・今後の見通しの順に書き、診断や医学的な判断は主治医や看護職員からの説明に委ねる書き方にしています。
穏やかに過ごしているとき|12例
変化がない月こそ「お元気です」で終わりがちです。1場面を選び、そのときの動作や言葉まで書くと、ご家族が様子を思い浮かべやすくなります。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 朝の身支度 | 毎朝7時ごろに職員がお声かけすると、ご自身で起き上がり、洗面台で顔を洗われています。鏡の前で髪をとかすのが日課で、「今日の髪はどう?」と職員にたずねてくださいます。 |
| 食事の楽しみ | 今月は献立の筑前煮を気に入られ、「昔よく作った」と話しながら、ごぼうを最後に残して味わっていらっしゃいました。 |
| 趣味(塗り絵) | 午後は談話スペースで塗り絵をされることが多く、今月は3枚仕上げられました。色を選ぶときはじっくり迷われ、「この紫がいい」とご自分で決めていらっしゃいます。 |
| ほかの方との交流 | 同じテーブルのほかのご利用者と、ふるさとの祭りの話で盛り上がる場面がありました。いつもより大きな声で笑っていらっしゃいました。 |
| 体操 | 10時からの体操には毎日参加され、椅子に座ったまま足踏みをする動きを最後まで続けていらっしゃいます。終わると「いい汗かいた」とタオルで額をふかれます。 |
| 入浴 | 入浴は週2回、午前中に入られています。湯船につかると「あぁ、極楽」と目を細められ、上がったあとは冷たいお茶を1杯召し上がるのが楽しみのようです。 |
| 睡眠 | 夜は21時ごろに床に就かれ、朝まで続けて眠れている日がほとんどです。夜中に一度トイレに起きられる日もありますが、職員が付き添うと再び休まれています。 |
| ご家族の写真 | いただいたお写真を枕元に飾り、職員が通るたびに「これが孫。今度大学に行くの」と紹介してくださいます。 |
| 役割 | 洗濯物たたみを手伝ってくださり、タオルの角をきちんとそろえてたたまれる手つきに、職員も感心しています。 |
| 外気浴 | 天気のよい日は職員と中庭に出て、15分ほど花壇を眺めて過ごされます。今月はコスモスが咲き、「きれいに咲いたね」と話されていました。 |
| デイサービスでの1日 | 到着後にお茶を飲みながら新聞の見出しを声に出して読まれ、そのあとの手作業のレクリエーションで紙の花を5つ作られました。帰りの車では「また来週ね」と手を振ってくださいました。 |
| 訪問介護での買い物 | 訪問の際、台所のテーブルで一緒に買い物メモを作りました。「牛乳と卵」とご自身で書かれ、ヘルパーと近くの店まで歩いて往復されました。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
体調の変化があったとき|12例
変化を伝える文は、ご家族を不安にさせすぎず、隠しもしない書き方が求められます。「何があったか」「事業所が何をしたか」「これからどうするか」の3点をそろえ、相談したいことがあれば最後に書きます。電話で先に伝えた内容は、近況報告では「その後の様子」を中心にします。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 食欲が落ちた | 今月中旬から、昼食を半分ほど残される日が続きました。看護職員が様子を確かめ、主治医に報告しています。現在は食べやすい形の献立に変え、少しずつ召し上がる量が戻ってきています。 |
| 飲み込みのむせ | お茶を飲むときにむせる場面が週に数回見られました。とろみをつけたお茶に変えたところ、むせる回数は減っています。今後も食事の様子を見ながら、必要に応じてご相談させていただきます。 |
| 熱が出た | 10月8日の夕方に熱が出たため、看護職員が主治医に連絡し、指示に沿って対応しました。翌朝には落ち着き、9日の朝食からいつもどおり召し上がっています。 |
| 夜中に目を覚ます | 夜中に目を覚まされ、廊下を歩かれる日が今月は5日ありました。職員が付き添って温かいお茶をお出しすると、30分ほどで再び休まれています。 |
| 皮膚の赤み | 入浴の際、左のすねに赤みがあるのを職員が見つけ、看護職員が確認しました。保湿を続けたところ、現在は薄くなってきています。 |
| 立ち上がりに時間がかかる | 最近、ベッドから立ち上がるときに時間がかかるようになりました。理学療法士と相談し、ベッドの高さを足が床につきやすい位置に調整しています。 |
| お通じ | お通じが不規則になってきたため、看護職員と相談し、水分のとり方や食事の内容を工夫しています。気になる点があれば、主治医にも相談してまいります。 |
| 疲れやすい(デイ) | 午後になると疲れた表情を見せられることが増えました。入浴の時間を午前に移し、昼食後は静養室で30分ほど横になる時間をとっています。 |
| 主治医からの説明 | 主治医から、最近の体調についてご家族にご説明する機会を設けたいとのお話がありました。日程を調整させていただきたく、ご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか。 |
| 聞こえにくさ | テレビの音を大きくされる場面が増え、話しかけても聞き返されることが多くなりました。耳の聞こえについて、一度ご家族と相談させていただければと考えています。 |
| 体重の変化 | 毎月の体重測定で、先月より減っていました。食事の量や間食のとり方を見直し、栄養士とも相談しています。来月の測定結果もあわせてお知らせします。 |
| 訪問介護で気づいた変化 | ヘルパーが訪問した際、2回続けて昼食がテーブルに手をつけずに残っていました。ご本人は「お腹がすかない」とのことでした。ケアマネジャーにも報告し、配食の時間などを相談しています。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
認知症が進んできたとき|12例
ご家族にとって、認知症の進み方を知らされるのはつらいことです。「できなくなったこと」だけを並べず、職員がどう工夫しているかと、今もできていることを一緒に書くと、受け取りやすい文になります。「問題行動」「徘徊」「拒否」といった言葉は使わず、そのときの様子をそのまま書きます。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 夕方に帰りたいと話される | 夕方になると「家に帰らないと」と話されることが増えました。職員が隣に座ってご家族のお話をうかがうと、落ち着いた表情で夕食の席に着かれています。 |
| 物の置き場所 | 眼鏡や財布の置き場所がわからなくなり、探される場面が増えています。置き場所を決めた小箱をベッド脇に用意し、一緒に確かめるようにしています。 |
| 職員の名前 | 職員の名前を思い出せないことが増えましたが、顔を見ると笑顔で手を振ってくださいます。毎朝、職員が名乗ってからお声かけしています。 |
| ご家族の認識 | 先日の面会のあと、「今日来たのは妹かね」とおっしゃっていました。面会のあとは表情がやわらぎ、夕食もよく召し上がっていました。 |
| 着替え | 着替えの順番に迷われるようになったため、職員が1枚ずつ手渡しする形に変えました。ボタンは今もご自身で留めていらっしゃいます。 |
| 食事の途中で手が止まる | 食事の途中で手が止まることがあります。職員が器を手前に寄せ、「次はお味噌汁ですね」とお声かけすると、また食べ始められます。 |
| 夜間に歩かれる | 夜間に居室から出て歩かれることがあります。職員が付き添って少し一緒に歩いたあと、居室にお戻りいただいています。足元が見えるよう、廊下の明かりを少しつけています。 |
| 入浴のお誘い | 入浴にお誘いした際に、「今日はいい」とお断りになる日がありました。時間をおいて別の職員がお声かけすると、入浴されています。その日の気分に合わせてお誘いしています。 |
| 言葉が出にくい | 言葉が出にくくなり、「あれ、あれ」と探される場面が増えました。指さしやうなずきで伝えてくださるので、職員も2つの中から選んでいただく聞き方を工夫しています。 |
| 昔の話 | 若いころ勤めていた工場の話を、くり返し楽しそうにされます。ご家族がご存じの思い出話があれば教えていただけると、会話のきっかけにさせていただきます。 |
| グループホームでの役割 | 調理の手伝いで、野菜を洗う役を続けていただいています。手順を一つずつお伝えすると、最後まで丁寧に洗ってくださいます。 |
| デイサービスへの送迎 | 送迎の車に乗る際、行き先を何度か確かめられました。到着後は表情も落ち着き、いつもの席で歌の時間を楽しまれていました。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
転倒などの出来事のあと|12例
転倒やけがなどの出来事は、起きた時点で電話などによりご家族へ連絡し、経緯は事故報告書などに記録するのが一般的です。近況報告では経緯をくり返すより、その後の様子と、事業所が変えたことを中心に書きます。「今後は起こしません」のような約束はせず、取り組んでいることを具体的に伝えます。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 転倒後の痛み | 10月3日に居室で転倒された件では、ご心配をおかけしました。その後は痛みの訴えもなく、食事や入浴もいつもどおりに過ごされています。 |
| 歩くことへの不安 | 転倒のあと、歩くときに不安そうな表情を見せられることがあります。食堂への移動には職員が付き添い、「ゆっくりで大丈夫ですよ」とお声かけしています。 |
| 居室の環境を変えた | ベッドの位置を壁側に寄せ、夜間は足元灯をつけるようにしました。夜中にトイレへ向かわれる際も、職員がお声かけしやすい配置にしています。 |
| あざのその後 | 右腕のあざは、少しずつ薄くなっています。入浴のたびに看護職員が確認しており、痛みの訴えはありません。 |
| 車椅子からのずり落ち | 車椅子から前にずり落ちそうになった件のあと、座面のクッションを滑りにくいものに替えました。座る姿勢は以前より安定しています。 |
| 食事中のむせ込み | 先日の食事中にむせ込まれた件のあと、食事の際は職員が近くの席で見守るようにしています。その後、大きくむせ込まれる場面はありません。 |
| 補聴器が見当たらなくなった | 補聴器が見当たらなくなった件では、ご心配をおかけしました。洗濯物の中から見つかり、現在は外したときに置く小箱を決めて、職員と一緒に片づけています。 |
| ほかの方との言い合い | ほかのご利用者との間で言い合いになった件のあと、食堂の席の配置を変えました。その後は落ち着いて食事をされています。 |
| 移乗の際の擦り傷 | 車椅子に乗り移る際に左手の甲に擦り傷ができた件は、看護職員が手当てを続け、現在はほぼ治っています。乗り移りの際は、手の位置を職員が確かめてから動くようにしました。 |
| 入院から戻られて | 入院から戻られて2週間がたちました。最初の数日は疲れた様子でしたが、今は食堂で食事をされ、午後の体操にも少しずつ参加されています。 |
| デイサービスでのつまずき | 先週、送迎車を降りる際につまずかれた件のあと、降車の際は職員が先に降りて手を添える手順にしました。本日は落ち着いて降りられました。 |
| 訪問介護での浴室の件 | 浴室で足を滑らせた件のあと、ケアマネジャーと相談し、浴室用の椅子と手すりについて検討を始めています。決まりましたら改めてお知らせします。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
看取り期|12例
看取り期の近況報告は、ご家族が何度も読み返す文になります。見通しを断定せず、今のご様子・職員がしていること・ご家族へのお声かけを静かに書きます。見通しや医療の判断は、主治医からの説明の場をご案内する形にします。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 眠る時間が長くなった | ここ数日は眠っていらっしゃる時間が長くなりました。お声かけすると目を開けてくださり、職員の顔を見てうなずかれることもあります。 |
| 召し上がる量 | 召し上がる量が少なくなってきました。お好きだったアイスクリームを、スプーンで2口ほど味わっていらっしゃいます。 |
| 音楽 | お部屋にお好きだった演歌を小さく流すと、口元がゆるむ場面がありました。 |
| 面会のご案内 | 面会の時間帯は、ご家族のご都合に合わせてご相談させてください。夜間や早朝でも、ご連絡をいただければ準備いたします。 |
| 口元のお手入れ | 口が乾きやすいため、職員が湿らせたスポンジでこまめに口元を整えています。 |
| 体の向き | 体に負担がかからないよう、こまめに体の向きを整え、クッションで楽な姿勢を保てるようにしています。 |
| 手を握る | 職員が手を握ると、弱い力ですが握り返してくださいます。 |
| 主治医の説明の場 | 今後の見通しについて、主治医からご説明する機会を設けたいと考えています。ご家族のご都合のよい日時をお知らせください。 |
| ご家族のお話を共有 | ご長女様からうかがった「いつも笑顔の母でした」というお話を職員で共有し、お声かけのときにお若いころの話をさせていただいています。 |
| 季節を感じる | 窓から見える桜が咲き始めたので、日中はカーテンを開けてお過ごしいただいています。 |
| ご家族へのお気づかい | ご家族の皆様もお疲れが出ていないかと案じております。ご不安なことは、どんな小さなことでもお聞かせください。 |
| ご本人の希望 | 以前うかがっていた「最期はお気に入りの着物を」というご希望について、改めてご家族とご相談させていただければと思います。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
入所・利用を始めた直後|12例
入所や利用を始めた直後は、ご家族の心配がいちばん大きい時期です。慣れていない様子も隠さずに書き、職員がどう関わっているかと、ご家族に教えていただきたいことを添えると、やりとりが始まりやすくなります。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 入所した日 | 入所された日は、緊張したご様子で居室の窓際に座っていらっしゃいました。夕食は半分ほど召し上がり、21時ごろに休まれています。 |
| 1週間がたって | 1週間がたち、食堂のご自分の席を覚えられました。朝食のときには、隣の席の方に「おはよう」と声をかけていらっしゃいます。 |
| 最初の夜 | 最初の3日間は夜中に何度か目を覚まされ、「ここはどこ」とたずねられました。職員が施設の名前とご家族のお話をすると、うなずいて再び休まれています。 |
| なじみの物のお願い | ご自宅で使っていた湯のみがあると、落ち着かれるかもしれません。ご都合のよいときにお持ちいただけますでしょうか。 |
| 呼び方 | ご家族からうかがった呼び方でお声かけしたところ、表情がぱっと明るくなりました。職員全員で同じ呼び方にそろえています。 |
| 食の好み | 魚の煮つけはよく召し上がりますが、揚げ物は残されることが多いようです。ご自宅でお好きだった料理があれば、教えていただけると助かります。 |
| 初めての入浴 | 初めての入浴では、最初は「家で入るからいい」とおっしゃいましたが、湯船の写真を見ていただくと「広いね」と興味を持たれ、ゆっくり入られました。 |
| 初めてのショートステイ | 初めてのショートステイでしたが、2日目からは食堂でほかの方と一緒にテレビを見て過ごされました。帰る日の朝は「また来てもいいね」とおっしゃっていました。 |
| 初めてのデイサービス | 初めてのご利用で、到着後しばらくは送迎車の方を気にされていました。お茶の時間に職員と昔の仕事の話をされてから、表情がやわらいでいきました。 |
| グループホームでの最初の役割 | 入居して10日ほどで、食後のテーブル拭きを自分から始められました。ほかの入居者から「ありがとう」と言われ、うれしそうでした。 |
| 帰りたいと話される | 「いつ帰れるの」とたずねられることがあります。職員は否定せずにお気持ちをうかがい、そのあとお茶や散歩にお誘いしています。 |
| ご家族へのお願い | ご家族もご心配が続いていらっしゃるかと思います。面会の際には、ご本人が以前お好きだったことや習慣を職員にもお聞かせください。ケアに生かしてまいります。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
悪い例と良い例|専門用語・否定的な表現・個人情報を直す20組
近況報告でありがちな一行を、ご家族に届く文に書き直しました。左の列は書かないほうがよい例として引用したもので、「」で囲んでいます。右の列はそのまま使える完成文です。
| 区分 | 悪い例 | 良い例 | 直した点 |
|---|---|---|---|
| 専門用語 | 「ADLは全介助、傾眠傾向あり。」 | 着替えや移動は職員がお手伝いしています。日中はうとうとされる時間が長く、昼食後は1時間ほど居室で休まれています。 | 略語・専門用語を、ご家族が思い浮かべられる動作に置き換えた |
| 専門用語 | 「臥床時間が長く、離床を促しています。」 | ベッドで横になっている時間が長くなってきたため、食事やお茶の時間には食堂へお誘いしています。 | 「臥床」「離床」を日常の言葉に |
| 専門用語 | 「レク参加。AMは傾眠。」 | 午前中はうとうとされていましたが、午後の歌のレクリエーションには参加され、2曲目から一緒に歌っていらっしゃいました。 | 記録の書き方のまま送らず、文章にした |
| 専門用語 | 「頓用で対応済み。」 | 夕方に落ち着かないご様子があったため、看護職員が主治医の指示に沿って対応しました。その後は穏やかに休まれています。 | 薬の名前や記録の略語を書かず、誰が何に沿って対応したかを書いた |
| 専門用語 | 「BPSDの悪化が見られます。」 | 夕方になると「家に帰らないと」と話されることが増えました。職員が隣でお話をうかがうと、落ち着いて夕食の席に着かれています。 | 症状名でなく、そのときの様子と対応を書いた |
| 否定的な表現 | 「最近は何もできなくなってきました。」 | 着替えには職員の手伝いが必要になってきましたが、ボタンは今もご自身で留めていらっしゃいます。 | できなくなったことと、今もできていることを並べた |
| 否定的な表現 | 「入浴拒否が強く、入れていません。」 | 入浴にお誘いしてもお断りになる日がありました。時間をおいて別の職員がお声かけした日は、入浴されています。 | 「拒否」を使わず、事実と工夫を書いた |
| 否定的な表現 | 「問題行動が続いています。」 | 夜間に居室から出て歩かれることがあり、職員が付き添って少し一緒に歩いてから居室にお戻りいただいています。 | 評価の言葉をやめ、具体的な行動と対応に |
| 否定的な表現 | 「わがままを言って職員を困らせています。」 | 食事の時間を遅らせてほしいとのご希望があり、30分ほどずらしてお出しする日を設けています。 | ご本人の希望として書き、事業所の対応を添えた |
| 否定的な表現 | 「食事を残すので困っています。」 | 昼食を半分ほど残される日が続いているため、量を控えめにして、午後のおやつで補う形を試しています。 | 困りごとではなく、状況と工夫として書いた |
| 中身がない | 「特に変わりありません。」 | 今月も大きな体調の変化はなく、朝食のあとに新聞を読まれる日課を続けていらっしゃいます。 | 変化がない月も、1場面を書いた |
| 中身がない | 「お元気です。」 | 体操の時間には「いち、に」と声を出して足踏みをされ、終わると「いい汗かいた」と笑っていらっしゃいました。 | 「元気」を動作と言葉で見せた |
| 約束・断定 | 「今後、転倒は絶対に起こさないようにします。」 | ベッドの位置を壁側に寄せ、夜間は足元灯をつけるようにしました。引き続き見守りの方法を職員で話し合ってまいります。 | 守れない約束をせず、取り組んでいることを書いた |
| 約束・断定 | 「もう長くはないと思います。」 | ここ数日は眠っていらっしゃる時間が長くなりました。今後の見通しについては、主治医からご説明する機会を設けたいと考えています。 | 見通しを職員の判断で書かず、主治医の説明の場をご案内した |
| 他の利用者の名前 | 「同室の山田様と仲良くされています。」 | 同じテーブルのほかのご利用者と、ふるさとの話で笑い合う場面が増えました。 | ほかの利用者の名前を書かない(例の名前も架空) |
| 他の利用者の名前 | 「□□様に手を上げられ、言い合いになりました。」 | ほかのご利用者との間で言い合いになる場面がありました。職員が間に入り、その後は席の配置を変えて落ち着いて過ごされています。 | 相手を特定できる情報を書かず、対応を書いた |
| 個人情報 | 「件名:〇〇様(認知症)の近況報告」 | 件名:10月のご様子のお知らせ(当施設より) | メールの件名に病名・氏名を書かない |
| 個人情報 | 「写真:行事の集合写真(全員の顔が写っています)」 | 写真:〇〇様が紙の花を持って笑っている1枚(ほかの方が写らないよう撮影しています) | ほかの利用者が写った写真を送らない |
| ご家族への配慮 | 「ご長男様が面会に来られないので寂しそうです。」 | ご家族のお写真を見ながら「みんな元気かね」とおっしゃっていました。ご都合のよいときに、お電話でお声を聞かせていただければ喜ばれると思います。 | ご家族を責める書き方をせず、お願いの形にした |
| 事業所の内情 | 「職員が退職して人手が足りず、入浴の回数が減っています。」 | 今月から入浴の時間帯を午前に変更しました。回数や時間帯について気になる点がありましたら、担当の職員までご相談ください。 | 内部の事情を書かず、変わったことと相談先を書いた(運営に関わる大きな変更は、別にきちんとお知らせする) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
手紙・メール・連絡帳・写真を添えるときの注意|送り方の確認表と残す記録
近況報告には、ご本人の健康状態や暮らしぶりといった個人に関する情報が多く含まれます。送り方ごとの注意を確かめ、事業所としての決まりをつくっておくと、職員が変わっても同じ形で送れます。個人情報の取扱いは、個人情報の保護に関する法律と、貴事業所の個人情報の取扱いの規程・契約時の同意書の範囲に沿って行ってください。以下は一般的な注意点で、法的な判断を示すものではありません。
送り方ごとの注意
| 送り方 | 向いている内容 | 気をつける点 | 貴事業所の運用(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 手紙(郵送) | 毎月・季節ごとのお便り、写真を添えた報告 | 宛名と中身の取り違え、封入の確認、送付先の住所の更新 | |
| 手渡し(面会時) | お便り、行事の写真、相談ごと | 渡す相手が送付先として登録されたご家族か | |
| メール | 短い近況、写真1〜2枚、日程の相談 | 宛先の確認、件名に病名や氏名を書かない、事業所で認めた端末・アカウントから送る | |
| 連絡帳 | デイ・ショート・訪問のその日の様子 | ほかの利用者の名前を書かない、持ち帰りの際の取り違え | |
| 電話のあとの書面 | 体調の変化、出来事のその後 | 電話で伝えた内容と書面の内容をそろえる、伝えた日時と相手を記録に残す | |
| オンライン面会・動画 | 表情や声を見てもらう | 画面に映るほかの利用者・掲示物、録画の可否 | |
| 家族向けアプリ・SNSのグループ | 写真や短い近況 | 事業所として使ってよいか、誰が見られるか、退所後の扱い |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
写真を添える前の確認項目
写真は文章よりも多くの情報を伝えます。ご本人の写真であっても、送ってよいかはご本人の意向をうかがい、契約時の同意の範囲と合わせて確かめておくことをおすすめします。
| 確認項目 | 理由 | 確認欄 |
|---|---|---|
| ご本人が写真を送ることを望んでいるか | ご本人の姿を伝える写真だから | □ |
| 契約時の同意書で、写真の使用と送付先が確かめられるか | 同意の範囲を超えないため | □ |
| ほかの利用者の顔・名前・名札が写っていないか | ほかの方の個人情報になるため | □ |
| 居室の掲示物・カレンダー・書類が写っていないか | 予定や氏名が読み取れることがあるため | □ |
| 着替えや入浴など、ご本人が見られたくない場面でないか | ご本人の尊厳を守るため | □ |
| けがやあざが写っていないか(写る場合は文章で説明を添えたか) | 写真だけでは経緯が伝わらないため | □ |
| 送付先のご家族は、送付先として登録された方か | ご家族の中でも情報を受け取る方が決まっていることがあるため | □ |
| 位置情報などの付加情報を消したか(メール送付の場合) | 撮影場所が分かることがあるため | □ |
| 事業所の端末で撮影し、職員個人の端末に残していないか | 写真の持ち出しを防ぐため | □ |
| 送ったあと、送付の記録(日付・相手・枚数)を残したか | 後から確かめられるようにするため | □ |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営指導の公表事例で見られる関連の指摘
近況報告そのものを対象とした指摘は、当社が確認した自治体の公表事例では見当たりませんでした。ただし、近況報告の前提になる家族の個人情報を使うときの同意や、出来事があったときの家族への連絡の記録については、次のような指摘が公表されています。
| 自治体・資料 | 公表されている指摘の内容(要約) | 近況報告を送る前に確かめたいこと |
|---|---|---|
| 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1(同旨は金沢市 令和7年度集団指導資料1) | 利用者家族から個人情報を使用するための同意を得ていない。代理・代筆者欄は利用者本人の個人情報の同意欄であるため、別に家族の同意欄を設けるよう記載されている | 同意書に、家族の同意欄が利用者本人の欄と別にあるか |
| 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) | 利用者の個人情報使用と家族(代表)の個人情報使用の「それぞれに」同意を得る必要があり、利用者の代理署名は家族の同意にはならないと注記されている | 家族の同意を、代理署名で済ませていないか |
| 千葉県「指導監査の状況について」(令和7年度介護保険指定事業者集団指導資料) | サービス担当者会議等で利用者・家族の個人情報を用いる場合の同意を、あらかじめ文書により得ていない | 同意を文書で得ているか |
| 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(同旨:大阪市 令和8年度集団指導資料 居宅サービス編/福岡県介護保険広域連合 令和6年度版) | 個人情報使用同意書に家族の同意欄が設けられていない、使用期間が記載されていない | 同意書の使用期間と、更新の時期 |
| 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 | 個人情報の使用に係る同意書について、利用者の家族に係る同意を得ていなかった | 送付先のご家族の同意の有無 |
| 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 | 事故の際に利用者家族や介護支援専門員等に連絡した記録が残されていない | 出来事のあとの連絡と、その後の近況報告の送付を記録に残しているか |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
上の指摘は主に居宅系サービスや各サービス共通の事項として示されたもので、施設系サービスでの扱いや確認の観点は保険者によって異なります。貴保険者の集団指導資料もあわせてご確認ください。
手元に残す記録の一覧
| 記録 | 中身 | 保管場所(記入欄) | 最終更新日(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 個人情報の使用に関する同意書 | 利用者本人の同意、家族の同意、使用の範囲と期間 | ||
| 近況報告の送付先一覧 | 送付先のご家族、住所・メールアドレス、送り方の希望 | ||
| 写真の使用に関する確認 | ご本人の意向、送付してよい範囲 | ||
| 近況報告の控え | 送った文面(写真を添えた場合はその記録) | ||
| 送付の記録 | 送った日・相手・手段・担当者 | ||
| ご家族からの返信・相談の記録 | 受け取った日・内容・対応 | ||
| 電話連絡の記録 | 体調の変化・出来事について伝えた日時・相手・内容 | ||
| 近況報告の書き方の決まり | 頻度、項目、書かない言葉、確認する人 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
日々の記録から近況報告をつくる
近況報告の材料は、ほとんどが日々の介護記録の中にあります。食事の量、レクリエーションでの様子、ご本人の言葉が記録に残っていれば、月末にそれを拾い集めて文章にできます。反対に、記録が「特変なし」ばかりだと、近況報告も「お元気です」になってしまいます。近況報告を書きやすくするいちばんの近道は、日々の記録に1場面・ひとことの言葉を残しておくことです。
当社の介護記録アプリ「神マナ」では、日々の記録をもとに、ご家族向けのお便りの下書きをAIで作り、職員が読み直して整えてから送るといった使い方についてご相談をお受けしています。下書きはあくまでたたき台ですので、送る前には職員が内容を確かめてください。
介護の近況報告でよくある質問
近況報告はどのくらいの頻度で送ればよいですか?
近況報告の頻度について、全国一律の定めは示されていません。施設では毎月のお便り、季節ごとのお便り、デイサービスやショートステイでは利用のたびの連絡帳など、事業所ごとに運用が分かれています。ご家族の希望をうかがい、事業所として送る頻度と手段を決めておくと、担当者が変わっても続けやすくなります。体調の変化や出来事があったときは、定期のお便りを待たずに電話などでお伝えし、その後の様子をお便りで補う形が一般的です。
体調が悪くなったことは、近況報告に書いてもよいですか?
ご家族にお伝えすべき体調の変化は、まず電話などで早めにお伝えし、近況報告ではその後の様子を書く形がおすすめです。書くときは、何があったか・事業所が何をしたか・これからどうするかの3点をそろえます。診断や今後の見通しなど医学的な判断は職員の言葉で書かず、主治医や看護職員からの説明の場をご案内する形にすると、誤解が生まれにくくなります。
「お元気です」「特に変わりありません」だけではいけませんか?
間違いではありませんが、ご家族には様子が伝わりにくい文です。変化がない月でも、食事・活動・本人の言葉などから1場面を選び、そのときの動作や言葉を書くと、ご家族が様子を思い浮かべやすくなります。本記事の「穏やかに過ごしているとき」の例文を、そのまま差し替えてお使いください。
ほかの利用者のことは書いてもよいですか?
ほかの利用者の名前や、その方を特定できる情報は書かないようにします。交流の様子を伝えたいときは「同じテーブルのほかのご利用者と」のように書き、写真にもほかの方が写らないよう気をつけます。言い合いなどの出来事があった場合も、相手を特定できる情報は書かず、事業所の対応とその後の様子を中心に書きます。
写真を送るときは、ご本人の同意が要りますか?
写真はご本人の姿を伝える個人に関する情報ですので、送ってよいかはご本人の意向をうかがい、契約時の個人情報の使用に関する同意書の範囲と合わせて確かめておくことをおすすめします。自治体の公表事例では、利用者本人とは別に家族の個人情報の使用についての同意を得ていない例も挙げられています。取扱いの判断は、貴事業所の規程と保険者の資料をご確認ください。
認知症が進んできたことは、どのように伝えればよいですか?
できなくなったことだけを並べず、今もできていることと、職員がどう工夫しているかを一緒に書くと、ご家族が受け取りやすくなります。「問題行動」「徘徊」「拒否」などの言葉は使わず、そのときの様子をそのまま書きます。ご家族の名前や顔がわかりにくくなってきたときは、つらさに配慮しつつ、面会のあとのご本人の表情など、伝えられる場面を添えるとよいでしょう。
出典
出典:各自治体が公表している運営指導・集団指導の資料/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






