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経時記録・叙述記録の書き方|違いと使い分け、記入例284例

「経時記録で書いてください」と言われて時刻だけを並べた行を書いたら「これでは中身が分からない」と返された。逆に「経過をしっかり書いて」と言われて長い文章を書いたら「何時のことか分からない」と返された。どちらも、経時記録と叙述記録が同じものだと思われているために起きます。この2つは隣り合った場所で使われますが、別の記法です。最初にここを分けておくと、日々の記録で迷う場面がかなり減ります。

本記事が扱うのは、経時記録(時系列で書く記録)と叙述記録(文章で書く記録)という2つの記法そのものです。時刻の刻み方、1行に何を入れるか、1件の文章をどう組み立てるか、どちらで書くかを場面でどう決めるか、長すぎる・短すぎるをどう直すか——現場でそのまま貼って使える行と文を並べました。記法どうしを比べてどれを選ぶかという話や、個々の様式の欄をどう埋めるかは別の記事の担当です。ここではこの2つの記法を深く扱います。

経時記録と叙述記録は同じではない|7つの軸の対照表と、呼び方の対応表

まず、名前が指しているものを合わせます。経時記録は「時刻を追って、起きたことを順に書く」記録です。主語にあたるのは時刻で、行は時刻の順に並びます。時刻が動けば行が増え、時刻が動かなければ行は増えません。叙述記録は「出来事を文章で書く」記録です。主語にあたるのは出来事で、時刻は文の中の情報のひとつとして入ります。時刻が主とは限らないので、1件の中で時刻が1つしか出てこないこともあります。

そのうえで実務を見ると、この2つは混ざって使われています。同じ様式の同じ欄に、上半分が時刻の行で、下半分が文章、ということが普通に起きます。混ざること自体が悪いのではありません。困るのは、混ざっていることに気づかないまま「経過記録」という一語でまとめてしまい、どちらの規則で書くのかを誰も決めていない状態です。決めていないと、同じ欄に5行の人と20行の人が並び、読む側が毎回読み方を切り替えることになります。

7つの軸で並べた対照表——何が主語か、から書き手による差まで

経時記録(時系列で書く) 叙述記録(文章で書く)
何が主語か 時刻。行の頭に時刻が立ち、時刻の順に並ぶ。時刻が動いたときに行が増える 出来事。1つの出来事が1つのまとまりになる。時刻は文の中の情報のひとつ
時刻の入れ方 行ごとに必ず入れる。分単位まで入れるか、5分・10分の刻みにするかを事業所で決める 起点となる時刻と、変化があった時刻だけ入れる。文の途中に入ることが多い
1件の長さ 1行は1つの出来事。短い行がいくつも並ぶ。1行が3行分の長さになったら、それは分けるべき合図 1件で数行から十数行。前後のつながりと、こちらの判断の材料までを1つの文章にする
向いている場面 短い時間に出来事が続く場面。誰が何時に何をしたかが後から問われる場面。複数の人が交代で関わる場面 状況の背景・経緯・関係者のやりとりが意味を持つ場面。1件を通して読ませたい場面
向いていない場面 背景や経緯を伝えたい場面。行が細切れになり、読んでも全体像が立ち上がらない 1分ごとの順序が問われる場面。文章の中では前後関係があいまいになり、時刻の抜けに気づけない
読む人が探すもの 時刻と、その時刻に誰が何をしたか。上から順に目で追い、空いている時間帯を探す そのとき何が起きていて、こちらが何を見て、どう働きかけ、どうなったか。まとまりを読む
書き手による差の出方 差は「どこまで細かく刻むか」に出る。同じ場面で5行の人と20行の人が生まれる 差は「どこから書き始めるか」に出る。前置きが長い人と、結論だけ書く人に分かれる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

呼び方の対応表——経時記録・叙述記録・経過記録・経過記事・時系列記録・ナラティブ

同じものが職場によって違う名前で呼ばれ、違うものが同じ名前で呼ばれています。研修資料、様式の欄名、記録ソフトの画面名でそれぞれ言い方が変わるため、次の対応表を手元に置いておくと、指示された言葉がどちらを指しているのかを判断できます。

呼び方 主にどこで見る言い方か 指していることが多いもの 時刻が主か 取り違えやすいところ
経時記録 記録の研修、記録様式の説明 時刻を追って順に書く記録そのもの 主である 「経過記録」と音が近く、口頭では聞き分けられない
叙述記録 記録の教科書、書き方の指導場面 出来事を文章で書く記録そのもの 主ではない 「文章で書けばよい」と受け取られ、組み立てが決まらないまま運用される
経過記録 様式の欄名、記録ソフトの画面名で最も多い 日々の出来事を書く欄。中身は経時記録のことも叙述記録のこともある 場合による 欄名がこれの事業所では、どちらの規則で書くかが決まっていないことが多い
経過記事 医療機関から届く書類、病院での言い方 日々の出来事を書く欄。経過記録とほぼ同じ意味で使われる 場合による 「記事」という語から、まとまった文章だけを指すと受け取られやすい
時系列記録 事故の報告、苦情の対応、研修資料 時刻順に並べた記録。経時記録とほぼ同じ意味 主である 「事故のときだけ書くもの」と誤解され、日常では使われなくなる
ナラティブ記録 記録の教育資料、記録の解説 語りとして書く記録。叙述記録に近い位置づけで使われる 主ではない 「主観を自由に書いてよい」と受け取られ、推測が事実として残ってしまう
日誌・業務日誌 様式名、運営指導の確認文書 事業所単位の1日の記録。個人ごとの記録とは別のもの 主ではない 個人の経過記録の代わりになると誤解され、個人の記録が空になる
申し送り記録 交代時のノート、掲示板、記録ソフトの引き継ぎ欄 次の勤務者へ渡すための短い記録 主ではない 正式に残す欄と区別されず、申し送りだけで済ませてしまう
訪問看護記録書の経過欄 訪問看護の様式 1回の訪問で見たこと・行ったことを書く欄 場合による 様式の欄名と記法の名前が同じ言葉なので、記法の指示だと勘違いされる
支援経過 介護支援専門員の様式 介護支援専門員が支援の経過を残す欄。書き方は別記事の担当 主ではない 「経過」の語が共通するため、事業所の経過記録と同じものだと思われやすい
ケース記録 相談援助の現場、施設の生活相談員 1人の利用者について継続して残す記録の総称 主ではない 総称なので中に経時記録も叙述記録も含まれる。指示の言葉としては曖昧
経過表・フローシート 体温表、測定値の一覧、確認欄のある表 決まった項目を時刻ごとに数値や印で埋める表 主である 時刻順という点で経時記録に似るが、文章がないので出来事は残らない
行動記録 研修資料、見守りの記録 ご本人の動きを時刻順に追った記録 主である 経時記録の一種だが、こちらの対応が抜けて観察だけになりやすい
実施記録 様式名、加算に関する記録の欄 決められた内容を行ったことを残す記録 場合による 実施した事実だけを書けばよいと受け取られ、ご本人の様子が抜ける

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同じ1日の中で、どこが時刻の行になり、どこが文章になるか

1日の記録をすべて時刻の行で書く事業所も、すべて文章で書く事業所もほとんどありません。実際には場所ごとに切り替わっています。切り替わる場所をあらかじめ地図にしておけば、「ここは行、ここは文章」と迷わずに書けます。

記録を書く場所 実際に多い書き方 その書き方になる理由
体温・血圧・脈拍などの測定値の欄 時刻と数値だけの表 項目が決まっているので文章にする必要がない。並べて比べるための欄
食事・水分・排泄の量の欄 時刻と量の表 数と時刻がそろえば足りる。ただし拒否や中断があった日は文章の欄に理由を残す
日々の様子を書く欄(変化のない日) 短い文章を1件から2件 時刻を刻んでも同じ内容が並ぶだけになる。生活の様子をまとまりで残すほうが読める
日々の様子を書く欄(変化があった日) 時刻の行が数行、そのあとに文章を1件 起きた順序を残しつつ、何を見てどう動いたかを文章で足す
転倒・けがを見つけたときの欄 時刻の行が中心 発見・確認・連絡・受診・報告の順序が後から必ず問われる
ご家族との面談・電話の欄 文章が中心。開始と終了の時刻だけ行にする やりとりの流れと合意した内容が大事で、1分単位の順序は問われにくい
多職種でやりとりした記録 時刻の行(誰といつ)と文章(何を決めたか)の両方 連絡した時刻は後から追える手がかりになり、決めた内容は文章でないと伝わらない
夜間の巡回の欄 時刻の行 回った時刻そのものが記録の目的になっている
初回の訪問・利用開始の欄 文章が中心 生活の背景・住まいの状況・ご本人の言葉を、つながりのあるまとまりで残す
サービス終了・入院・退院の欄 文章が中心。連絡の時刻だけ行にする 経緯と引き継いだ内容が本体になる
申し送りの欄 短い文章 次の勤務者が数秒で読める長さに収める必要がある
苦情・ご要望を受けたときの欄 受けた時刻・折り返した時刻の行と、内容と対応の文章 いつ受けていつ返したかが問われ、内容は言葉のまま残す必要がある
送迎の欄 時刻の行 到着と出発の時刻が、後から記録どうしを突き合わせる手がかりになる
入浴・清拭の欄 実施の有無と時刻の行、実施しなかった日は文章 実施しなかった日にこそ理由が問われるため、文章の欄が必要になる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同じ出来事を、経時記録で書いた場合と叙述記録で書いた場合

違いは説明より現物で見るほうが早いので、同じ出来事を両方の記法で書いた完成例を並べます。どちらが正しいという話ではなく、残るものが違うということが分かれば十分です。

場面 経時記録で書いた場合(そのまま貼れる完成例) 叙述記録で書いた場合(そのまま貼れる完成例)
朝の訪問で、いつもより起きるのが遅かった 9:00 訪問。玄関の施錠は開いていた。
9:02 寝室で臥床されており、声かけに開眼された。
9:05 「昨日は夜中に二回起きた」と話された。
9:20 ご自分で洗面まで移動された。
9時に訪問したところ、いつもは居間におられるが本日は寝室で臥床されていた。声をかけると開眼され、「昨日は夜中に二回起きた」と話された。起き上がりに介助は要さず、9時20分にご自分で洗面まで移動された。前回の訪問時に夜間の目覚めの話は出ていない。次回の訪問時に夜間の様子を確認する。
通所で入浴をお断りになった 10:30 入浴の声かけ。「今日はやめておく」と返答。
10:45 再度声かけ。同じ返答。
11:00 居室で足浴を実施。所要15分。
11:20 「これで十分」と話された。
10時30分に入浴をお誘いしたところ「今日はやめておく」と話された。15分後にもう一度お誘いしたが同じ返答であったため、11時から居室で足浴を15分実施した。終了後に「これで十分」と話された。先週の同じ曜日にも入浴をお断りになっており、担当職員の間で声かけの時間帯を変えることを申し合わせた。
居室で座り込んでおられるところを見つけた 14:12 居室で床に座り込んでおられるところを発見。
14:13 呼名に反応あり。右膝の痛みの訴えあり。
14:15 看護職員へ報告。
14:22 外傷の確認。右膝に発赤あり。
14:35 ご家族へ電話連絡。
15:10 管理者へ報告、事故の記録を起票。
14時12分、居室で床に座り込んでおられるところを発見した。呼名に反応があり、右膝の痛みを訴えられた。看護職員に報告し、14時22分に外傷を確認したところ右膝に発赤がみられた。14時35分にご家族へ電話でご連絡し、経過をお伝えした。状況についてご本人は「立ち上がろうとして膝が折れた」と話されている。同日15時10分に管理者へ報告し、事故の記録を起票した。
ご家族から夜間の様子について相談を受けた 16:05 ご長女より電話。
16:06 「夜中に何度も起きて困っている」との相談。
16:20 通話終了。
16:30 介護支援専門員へ内容を連絡。
16時5分にご長女よりお電話をいただき、「夜中に何度も起きて困っている」とのご相談を受けた。就寝時刻と起きられる回数、その際のご様子を伺い、直近1週間で3回とのことであった。日中の過ごし方について当方から状況をお伝えし、次回の訪問時に一緒に確認することとした。通話は約15分。同日16時30分に介護支援専門員へ内容をお伝えした。
食事の途中で手が止まられた 12:10 昼食開始。
12:25 主食半量摂取後、手が止まる。
12:30 声かけ。「もういい」と返答。
12:40 下膳。副食は3割摂取。
12時10分から昼食を開始されたが、15分ほどで主食を半量召し上がったところで手が止まられた。声をおかけすると「もういい」と話され、それ以上は進まれなかった。12時40分に下膳し、副食は3割の摂取であった。3日前から昼食の摂取量が減っており、朝食と夕食の量に変化はない。厨房と相談し、翌日から主食の量を調整することとした。
玄関で帰宅の訴えが続いた 15:40 玄関前に立ち、外を見ておられる。
15:42 「家に帰る」と繰り返し話される。
15:50 一緒に廊下を歩く。
16:05 居室で茶を飲まれ、着席された。
15時40分ごろ、玄関前に立って外を見ておられ、「家に帰る」と繰り返し話された。否定せずお話を伺いながら10分ほど一緒に廊下を歩き、16時5分に居室でお茶を召し上がって着席された。夕方の同じ時間帯に同様のご様子が今週3回みられている。以前に勤めておられた時間帯と重なるとご家族から伺っており、この時間に一緒に行う作業を用意することを職員間で検討した。
訪問時に室内の環境が変わっていた 10:00 訪問。居間の家具の配置が前回と異なる。
10:05 ご本人に確認。「息子が動かした」と返答。
10:15 動線上の延長コードを壁側へ寄せる。
10:20 ご本人の了解を得たことを記録。
10時に訪問したところ、居間の家具の配置が前回と変わっていた。ご本人に伺うと「息子が動かした」とのことであった。歩かれる動線上に延長コードが渡っていたため、ご本人の了解を得て壁側へ寄せた。寝室から廊下までの動線で家具に手をつきながら歩いておられるため、位置が変わると歩かれ方に影響する。次回の訪問時に再度確認する。ご長男へは連絡帳で状況をお伝えした。
内服の飲み残しが見つかった 9:30 配薬ケースを確認。前日夕分が残っている。
9:32 ご本人に確認。「飲んだと思っていた」と返答。
9:40 ご家族へ電話。不在のため留守番電話に伝言。
10:10 ご家族より折り返し。状況を伝達。
9時30分に配薬ケースを確認したところ、前日の夕食後の分が残っていた。ご本人に伺うと「飲んだと思っていた」と話された。9時40分にご家族へお電話したが不在であり、留守番電話に状況を伝言した。10時10分に折り返しのお電話をいただき、内容をお伝えしたうえで、当面は訪問時に前日分の残りを確認することとした。残りが確認されたのは今月に入って2回目である。
入浴中に皮膚の赤みに気づいた 13:20 入浴介助。右腰部に発赤を確認。
13:22 大きさを計測。約3センチ。
13:30 看護職員へ報告。
13:45 ご本人に痛みの有無を確認。訴えなし。
13時20分の入浴介助の際、右腰部に約3センチの発赤を確認した。前回の入浴日には確認されていない。痛みやかゆみの訴えはなく、押しても顔をしかめられることはなかった。13時30分に看護職員へ報告し、経過を観察することとなった。座位で過ごされる時間が長い日が続いており、居室の椅子の座面と当たる位置と重なるため、座り方について明日の申し送りで共有する。
デイの送迎時に出発が遅れた 8:40 到着。玄関前で待機。
8:48 ご本人が支度を続けておられ、出発できず。
8:55 支度が整い、乗車。
8:57 出発。
8時40分に到着したが、ご本人が支度を続けておられ、すぐには出発できなかった。急かさずお待ちし、8時55分に乗車、8時57分に出発した。前回も同じように支度に時間がかかっており、玄関に出るまでの手順で迷われている様子がある。ご家族と相談し、前夜のうちに持ち物をまとめておく方法を試すこととした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

並べてみると、経時記録には時刻と順序が残り、叙述記録には前後のつながりと、次に何をするかが残ることが分かります。裏を返すと、経時記録だけでは「なぜそうしたのか」が残らず、叙述記録だけでは「何時のことか」が残りません。以降の章で、それぞれの書き方を具体的に見ていきます。

経時記録の書き方|時刻の刻み方と行の型、そのまま貼れる完成行92例

経時記録でつまずくのは、たいてい「どこまで細かく書くか」です。細かく刻めば正確になると思って書き始めると、1回の訪問で30行を超えて手が止まります。逆に大づかみにすると、後から読んだときに空白の時間帯だけが残ります。ここを決めるのは感覚ではなく行を分ける規則です。規則を先に決めてしまえば、誰が書いても行数がそろいます。

何を1行にするか——行を分ける6つの規則

「1つの出来事で1行」と言われても、どこまでが1つの出来事なのかが人によって違います。次の6つの規則で切ると、判断が分かれにくくなります。迷ったときは「後から誰かがこの時刻を知りたいと思うか」を基準にしてください。知りたいと思われない時刻は、行にしなくてよい時刻です。

規則 行を分ける基準 分ける例 分けない例
1|場所が変わったら分ける ご本人の居る場所、こちらの居る場所が変わったとき 居室から食堂へ移動した/訪問して玄関から居間へ入った 居間の中で椅子から別の椅子へ座り直した
2|関わる人が変わったら分ける 誰が対応したかが変わったとき、外部の人が入ったとき 介護職員から看護職員へ交代した/来訪者があった 同じ職員が続けて2つの介助を行った
3|状態が変わったら分ける ご本人の様子・訴え・反応が前の行と変わったとき 痛みの訴えが出た/表情が変わった/傾眠から覚醒された 同じ表情のまま10分経過した
4|こちらが動いたら分ける 観察だけの行と、こちらが何かをした行を混ぜない 発赤を確認した行と、看護職員へ報告した行 報告するために移動した経路
5|外へ出た情報は分ける 事業所の外へ連絡した、外から連絡が来た ご家族へ電話した/医療機関へ連絡した/折り返しを受けた 同じ電話の中での会話の一言ずつ
6|時間が空いたら分ける 前の行から一定の時間が空き、その間に何もなかったとき 15分以上空いたとき(空きの長さは事業所で決める) 3分後に続きの介助をした

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

行の型|時刻・主体・起きたこと・対応・結果の5つに分ける

1行に何を入れるかは、時刻/主体(誰が)/起きたこと(事実)/対応(したこと)/結果(そのあとどうなったか)の5つで考えます。5つ全部がそろわない行があってよく、そろわないこと自体が情報になります。たとえば「対応」がない行は観察だけの行、「結果」がない行は結果がまだ出ていない行です。

要素 何を書くか 抜けると何が分からなくなるか 書き方の例(この形で1行にする)
時刻 その出来事があった時刻。記録した時刻ではない 順序が追えず、他の記録と突き合わせられない 行の頭に「10:15」のように置く
主体 誰が。ご本人か、こちらか、ご家族か、他職種か 誰の行動かが分からず、読む人が推測で埋める 「ご本人が」「訪問介護員が」「ご長女が」を主語として入れる
起きたこと 見た事実・聞いた言葉・測った数。解釈を混ぜない 状況が再現できず、後から判断の妥当性を確かめられない 「右手で手すりを持ち、立ち上がりに2回試みられた」
対応 こちらが何をしたか。声かけ・介助・報告・連絡 観察しただけなのか、何かしたのかが分からない 「介助はせず、そばで見守った」「看護職員へ報告した」
結果 そのあとどうなったか。ご本人の反応・変化・次の予定 やりっぱなしに見え、次の勤務者が続きを判断できない 「その後は自室で新聞を読んで過ごされた」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

時刻が分からないとき・同時に起きたこと・別の人が対応したこと

経時記録で最も相談が多いのが、この3つの場面です。いずれも分からないことを分からないまま正しく書くのが答えで、埋めてはいけない場所を推測で埋めると、記録が事実と離れます。

困る場面 やってはいけない書き方 そのまま貼れる書き方 そう書く理由
いつ起きたか分からないことを発見した 推定した時刻を、確かめた時刻のように書く 10:20 居室で床に落ちている湯のみを発見。いつ落ちたかは確認できていない。 発見した時刻は事実、落ちた時刻は不明。2つを混ぜないことで、記録の確からしさが保てる
前回の確認からの間に起きたと思われる 「◯時ごろ」とだけ書いて幅を示さない 11:05 右前腕に内出血を確認。前回の確認は9:30で、その時点では見られなかった。 「いつからいつまでの間」という幅で書くと、後から時間帯を絞れる
ご本人の申告だけで時刻が分かる 申告をこちらの確認事項のように書く 14:00 「お昼前に転んだ」とご本人より話があった。時刻はご本人の申告による。 誰の情報かを明示すれば、確認済みの事実と区別できる
時計を見る余裕がなかった 後から思い出した時刻を、分単位で書く 15:20ごろ (時刻はおおよそ。対応後に記載) おおよそであることを書き添えれば、正確さを装わずに済む
2つのことが同時に起きた 1行に2つの出来事を詰め込む 13:40 ご本人が立ち上がられた。
13:40 同時刻、来訪者の応対のため職員が玄関へ移動した。
同じ時刻の行を2行にすれば、同時であったことも順序も残る
短時間に出来事が続いた 3分ごとの行を10行並べて要点が埋もれる 16:00 声かけ、返答あり。
16:05 同様に経過。
16:15 変化なく経過(16:05から16:15の間は同室で見守り)。
「この間はこうしていた」と1行でまとめれば、空白に見えない
別の職員が対応した部分がある 自分がしたことのように書く 10:30 看護職員が処置を実施(詳細は看護職員の記録による)。 誰の記録に本体があるかを示せば、記録どうしがつながる
他の職員から聞いた話を書く 伝聞であることを書かず、見たように書く 17:00 夜勤者へ引き継ぎ。日中の様子は担当職員より聞き取り。 見たことと聞いたことは別の重みを持つ。読む人が重みを判断できる
ご家族が対応された部分がある ご家族の行動をこちらの対応として書く 18:10 ご長男が来訪され、ご本人と話をされた(当方は同席せず)。 同席していない場面まで書くと、確認していないことを書くことになる
あとから記録を書いた 書いた時刻を出来事の時刻として書く (出来事は9:40。記載は12:00。時刻の欄には9:40と記す) 時刻の欄は出来事の時刻。記載時刻は様式の定めに従って別に残す
書き間違いに気づいた 元の記載が読めないよう塗りつぶす 元の記載は残したまま訂正し、訂正した日と訂正した人が分かるようにする 元の内容が読める形で残すことが、記録の信用につながる
途中で中断して戻れなかった 中断した事実を書かず、続けて行ったように書く 11:10 入浴の準備を中断(他利用者の対応のため)。11:35に再開。 中断も事実。空いた時間の説明になる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成行|朝から午前の24例

ここからは完成した行を並べます。時刻・主体・起きたこと・対応・結果の型で書いてあるので、時刻とお名前の部分を差し替えればそのまま使えます。右の欄には、その行が何を残しているのかを書き添えました。

時刻 そのまま貼れる行 この行が残していること
6:05 居室訪室。ご本人は臥床のまま開眼しておられ、「もう目が覚めた」と話された。 起きておられた時刻と、ご本人の言葉
6:30 ベッド柵を持って端座位となられる。介助はせず、そばで見守った。 介助の有無と、動作をご自分でされたこと
6:45 洗面所まで手すりを使って歩かれる。途中で1回立ち止まられたが、ふらつきはみられなかった。 歩かれた経路と、立ち止まった事実
7:00 体温36.4度、脈拍68、血圧126/74を測定。測定値は経過表に記載。 測定した時刻と、値の記載先
7:15 更衣の介助。上衣は右手を通す際に介助を要し、下衣はご自分ではかれた。 どこに介助が必要で、どこが自立していたか
7:30 朝食開始。配膳時に「今日はお腹がすいた」と話された。 食事の開始時刻と、そのときの言葉
7:55 朝食終了。主食10割、副食8割の摂取。水分200ミリリットル。 摂取量と水分量
8:00 朝食後の内服を確認。配薬ケースは空になっており、飲み込みまで確認した。 確認した内容と、確認の方法
8:20 口腔ケアの声かけ。ご自分で歯みがきをされ、義歯の洗浄はこちらで行った。 ご本人が行った範囲と、こちらが行った範囲
8:40 デイサービスの送迎車が到着。玄関まで見送った。 送りの時刻と、見送りの事実
8:45 訪問。玄関の施錠は開いており、居間の椅子に座って新聞を見ておられた。 訪問時刻と、訪問時のご様子
8:50 台所の様子を確認。前日夕食の食器が洗われずに残っていた。 見た事実(判断を混ぜていない)
9:00 ご本人に前日の様子を伺うと、「夕方から疲れて横になっていた」と話された。 ご本人の言葉と、その言葉を得た時刻
9:10 居室の窓を開け、換気を行った。室温は22度、ご本人に確認して了解を得た。 環境の調整と、了解を得た事実
9:20 洗濯物を洗濯機に入れ、洗濯を開始。干す作業は10時に行う予定と伝えた。 行った家事と、次の予定を伝えたこと
9:35 右足首に腫れがみられ、大きさと色を確認。前回訪問時には確認されていない。 見た事実と、前回との比較
9:40 看護職員へ電話で報告。折り返し訪問する旨の返答を得た。 報告の相手・手段・返答
9:50 ご本人に痛みの有無を確認。「歩くときに少し」と話された。歩行の様子を確認。 訴えの内容と、確認した動作
10:00 看護職員が到着。以降の対応は看護職員の記録による。 引き継いだ時刻と、記録の所在
10:15 入浴の準備を開始。湯温を確認し、脱衣所の室温を調整した。 準備の内容(安全に関わる確認)
10:30 入浴介助。浴槽への出入りは手すりを使い、こちらは体を支える介助を行った。 介助の方法と範囲
10:50 入浴終了。背部と両下肢の皮膚を確認し、発赤・傷はみられなかった。 皮膚の確認を行った事実と、その結果
11:10 居間で水分を200ミリリットル摂取。「今日は喉が渇いた」と話された。 水分量と、そのときの言葉
11:30 次回訪問日をカレンダーに記入し、ご本人と一緒に確認した。 確認の方法(一緒に確認したこと)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成行|午後から夕方の24例

時刻 そのまま貼れる行 この行が残していること
12:00 昼食を配膳。食事の姿勢を整え、テーブルの高さを調整した。 姿勢への配慮を行った事実
12:20 主食を半量召し上がったところで手が止まられた。声かけには「もういい」と返答。 止まった時点の量と、そのときの言葉
12:35 下膳。主食5割、副食3割の摂取。摂取量が減っているため申し送りに記載する。 量と、次に渡す予定
12:50 臥床の希望があり、居室へ移動。ベッドへの移乗は見守りで行われた。 ご希望と、移乗の方法
13:15 訪室。臥床のまま入眠しておられ、呼吸は静かであった。声かけはせず退室した。 入眠中であったことと、こちらの判断
13:30 ご家族より電話。「昨日から食欲がない様子だった」と情報をいただいた。 ご家族からの情報と、その時刻
13:45 訪室し、目を覚まされていたため水分をお勧めした。100ミリリットル摂取。 働きかけと、その結果
14:00 体温36.8度、脈拍74を測定。昼食前と比べて大きな変化はみられなかった。 測定値と、前回との比較
14:12 居室で床に座り込んでおられるところを発見。呼名に反応あり。 発見の時刻と、呼びかけへの反応
14:14 ご本人に痛みの有無を確認。右膝の痛みを訴えられた。 訴えの部位
14:16 看護職員へ報告。その場を離れずに待機するよう指示を受けた。 報告の相手と、受けた指示
14:22 看護職員が到着し、外傷の確認を実施。右膝に発赤を確認。 誰が確認し、何が確認されたか
14:35 ご家族へ電話でご連絡。状況をお伝えし、受診の希望を伺った。 連絡した時刻と、伺った内容
14:50 介護支援専門員へ電話で状況を連絡。留守番電話に伝言を残した。 連絡先と、つながらなかったこと
15:10 管理者へ報告し、事故の記録を起票。記録は事故の様式に別途記載する。 報告と、記録の所在
15:30 おやつの時間。居室で召し上がり、全量摂取された。 摂取量と場所
15:40 玄関前に立ち、外を見ておられる。「家に帰る」と繰り返し話された。 ご様子と、ご本人の言葉
15:50 お話を伺いながら一緒に廊下を歩いた。否定する声かけは行っていない。 こちらの関わり方
16:05 居室でお茶を召し上がり、椅子に着席された。表情は落ち着かれた。 結果としてのご様子
16:20 ご長女へ電話。日中のご様子と、夕方の時間帯の傾向をお伝えした。 伝えた内容
16:40 職員間で夕方の関わりについて申し合わせ。内容は業務日誌に記載する。 職員間の取り決めと、その記録先
17:00 夕食前の内服を確認。ご本人がご自分で服用され、飲み込みまで確認した。 確認の方法
17:30 夕食開始。主食8割、副食7割の摂取。むせ込みはみられなかった。 摂取量と、食事中の様子
17:50 夜勤者へ申し送り。日中の様子と、右膝の観察を継続することを伝えた。 引き継いだ相手と、引き継いだ内容

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成行|夜間から早朝の20例

夜間の記録は、回った時刻そのものが記録の目的になります。何も起きていない時間帯であっても「見たこと」を書いておくと、後から時間帯ごとの様子を並べられます。ここで「異常なし」だけを並べると、何を見て異常がないと書いたのかが残りません。

時刻 そのまま貼れる行 この行が残していること
18:30 口腔ケアの介助。義歯を預かり、洗浄後に保管容器へ入れた。 預かった物と、保管の方法
19:00 更衣の介助を行い、居室のカーテンを閉めた。「今日は早めに寝る」と話された。 就寝準備と、ご本人の意向
19:30 ベッドへ移乗。ベッド柵の位置をご本人と確認し、ご希望の位置に調整した。 確認した相手と、調整の内容
20:00 訪室。臥床のまま目を開けておられ、テレビを見ておられた。 就寝前のご様子
21:00 訪室。消灯され、閉眼して臥床しておられた。呼吸は静か。 消灯の時刻と、そのときの様子
22:00 巡回。閉眼して臥床。掛け物が足元に寄っていたため掛け直した。 巡回時に行った対応
23:00 巡回。体位は右側臥位。前回の巡回時から変わっている。 体位と、前回からの変化
0:00 巡回。閉眼して臥床。室温を確認し、22度であった。 環境の確認
1:10 コールあり。訪室すると「トイレに行きたい」と話された。 コールの時刻と、ご要望
1:15 トイレまで歩行。ふらつきがあり、右側から支える介助を行った。 介助の方法と、ふらつきの有無
1:25 排尿あり。居室へ戻られ、ベッドへ臥床された。 排泄の有無と、その後の行動
2:00 巡回。閉眼して臥床。1時25分以降、コールはなかった。 コールがなかったという事実
3:00 巡回。閉眼して臥床。掛け物、体位ともに変化なし。 変化がなかったことの中身
3:40 居室から物音があり訪室。ベッド脇に立っておられ、「トイレを探していた」と話された。 物音への対応と、ご本人の言葉
3:50 トイレまで付き添い、居室へ戻られるまで見守った。転倒はない。 付き添いの範囲と、結果
4:30 巡回。閉眼して臥床。呼吸は静かで、掛け物は整っていた。 巡回時に見たもの
5:30 巡回。開眼しておられ、「もう眠れない」と話された。居室の照明を小さくつけた。 ご本人の訴えと、行った対応
6:00 訪室。ベッド上で座位となり、テレビを見ておられた。ふらつきはみられない。 朝の起き方と、そのときの様子
6:30 夜間の様子を記録に整理。夜間のトイレ利用は2回であった。 夜間の回数のまとめ
7:00 日勤者へ申し送り。夜間の2回の起床と、3時40分の様子を伝えた。 引き継いだ内容の要点

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成行|連絡・多職種・ご家族とのやりとり24例

連絡の行は、誰に・どの手段で・何を伝え・どう返ってきたかの4つがそろって初めて意味を持ちます。つながらなかったこと、留守番電話に入れたこと、折り返しを受けたことも、それぞれ別の行になります。

時刻 そのまま貼れる行 この行が残していること
9:05 ご長男へ電話。呼び出し音のみで応答なし。留守番電話には切り替わらなかった。 つながらなかったという事実
9:20 ご長男の携帯へ再度電話。留守番電話に、折り返しのご連絡をお願いする旨を残した。 2回目の連絡と、残した内容
10:05 ご長男より折り返しの電話。状況をお伝えし、本日中に来訪される旨の返答を得た。 折り返しの時刻と、得られた返答
10:30 介護支援専門員へ電話。ご本人の食事量の変化についてお伝えした。 連絡先と、伝えた内容
10:45 介護支援専門員より、翌週の訪問予定を前倒しする旨の連絡を受けた。 相手から来た情報
11:00 訪問看護事業所へ電話。担当者が不在のため、事務職員へ伝言を依頼した。 伝言を依頼した相手
11:30 訪問看護の担当者より折り返し。本日15時に臨時で訪問する旨を伺った。 調整の結果
13:00 ご家族が来訪。ご本人と居室で30分ほど話をされた。当方は同席していない。 同席の有無
13:40 ご家族より、来週の受診に同行される予定と伺った。 今後の予定として聞いた情報
14:00 サービス提供責任者へ、訪問時の状況を電話で報告。記録への追記の指示を受けた。 指示を受けた事実
14:20 福祉用具の担当者へ電話。手すりの高さの調整について相談した。 相談の相手と内容
14:50 福祉用具の担当者が来訪。手すりの高さを調整し、ご本人が実際に使って確認された。 調整の実施と、ご本人の確認
15:00 訪問看護の担当者が到着。以降の経過は訪問看護記録書による。 記録の所在
15:40 訪問看護の担当者より、経過観察を継続する方針を伺った。内容を職員間で共有した。 伺った内容と、共有したこと
16:00 ご長女へ電話。本日の経過をお伝えし、ご不明な点がないかを確認した。 連絡と、確認の姿勢
16:15 ご長女より「土曜日に様子を見に行く」とのお話を伺った。 ご家族の予定
16:30 管理者へ本日の経過を報告。記録の記載内容について確認を受けた。 管理者の確認を受けた事実
17:00 翌日の担当職員へ、観察を続ける点を書面で申し送った。 申し送りの手段
17:20 ご近所の方より、玄関先で見かけた際の様子について情報をいただいた。 誰から得た情報か
17:40 いただいた情報について、ご本人の同意を得たうえで介護支援専門員へお伝えした。 同意を得てから伝えたこと
18:00 ご本人より「娘に電話をかけてほしい」と依頼があり、電話をおつなぎした。 ご本人からの依頼と、その対応
18:20 受診先から、次回の受診日についてご家族へ連絡があったと伺った。 伝聞であることを明示
18:40 ご家族と、次回の担当者会議の日程について候補日を確認した。 日程の確認
19:00 本日の連絡内容を記録に整理し、翌日の担当者が読む位置に配置した。 記録を渡す段取り

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

叙述記録の書き方|1件を文章にする組み立てと、そのまま貼れる完成文64例

叙述記録が薄くなるのは、文章力の問題ではありません。組み立てが決まっていないことが原因です。何から書き始め、どこで切り、どこに言葉を入れ、どこで終わるかが決まっていないと、書ける人は長く書き、書けない人は一行で終わります。ここでは、1件の文章を5つの段で組み立てる型を示します。

何から書き始めるか——1件を5つの段で組み立てる

叙述記録は、上から順に「状況」「事実」「ご本人の言葉」「こちらの働きかけ」「その後と次」の5段で書くと、誰が書いても同じ形になります。段の名前を覚える必要はありません。「いつ・どこで」から入り、「次にどうする」で終わると覚えておけば足ります。

ここに書くこと 書き出しの形 抜けたときに起きること
1|状況 いつ、どこで、どういう場面だったか 「◯時に訪問したところ」「昼食後、居室で」 読む人が場面を思い描けず、後の文が宙に浮く
2|事実 見たこと・測ったこと。判断や解釈を混ぜない 「右手で手すりを持ち、2回試みてから立ち上がられた」 結論だけが残り、その結論の根拠が分からない
3|ご本人の言葉 ご本人・ご家族が話された言葉を、そのまま 「『今日は膝が重い』と話された」 ご本人が記録の中から消え、こちらの見立てだけが残る
4|こちらの働きかけ 何をしたか、しなかったか、その場でどう判断したか 「介助はせず、立ち上がりの間そばで見守った」 観察しただけなのか、対応したのかが分からない
5|その後と次 結果どうなったか、次に何を確認するか、誰に伝えたか 「その後は居間で過ごされた。次回訪問時に同じ動作を確認する」 やりっぱなしに見え、次の担当者が続きを判断できない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

どこで切るか——1件を1つにまとめる境目

叙述記録では「1日を1件にする」のか「出来事ごとに分ける」のかで悩みます。判断の基準は「途中で主題が変わったかどうか」です。主題が変わったら切ります。同じ主題が続くなら、時間が離れていても1件にまとめたほうが読めます。

迷う場面 切るか、まとめるか 判断の理由 書き出しの形
朝の食事の話と、午後の入浴の話 切る 主題が別。まとめると読み手がどちらの話か追えない それぞれ「朝食時」「午後の入浴時」から書き出す
朝に見つけた腫れと、午後の受診 まとめる 同じ主題の続き。切ると経過が分断される 「朝の訪問時に確認した右足首の腫れについて」から書き出す
ご家族からの電話が2回あった まとめる 同じ相手・同じ主題であれば、2回のやりとりを1件で追える 「本日、ご長女より2回お電話をいただいた」から書き出す
複数のご家族から別々の相談があった 切る 相手が違えば主題も違う。誰との話かが混ざる 相手ごとに「ご長女より」「ご次男より」と書き出す
日中の様子と、夜間の様子 切る 書き手と勤務帯が違うため、切らないと責任の所在が混ざる 勤務帯ごとに書き出す
同じ訴えが1日に3回あった まとめる 回数と時間帯の分布そのものが情報になる 「本日、帰宅を訴えられる場面が3回みられた」から書き出す
転倒と、その後の家族連絡と、報告 まとめる 一連の対応。切ると、対応が完結したかが読み取れない 「14時12分に発見した転倒について」から書き出す
雑談の中で出た生活の情報 まとめない(別に短く1件) 本日の主題とは別の情報。埋もれると次に活かせない 「会話の中で、以前のお仕事について伺った」から書き出す
サービスの内容を変更した話 切る 手続きに関わる主題。他の話に混ぜると後から探せない 「訪問時間の変更について」から書き出す
ご本人の希望と、ご家族の意向が違った話 まとめる 両者の言葉を並べて残すことに意味がある 「入浴の回数について、ご本人とご家族のお考えを伺った」から書き出す

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ご本人の言葉の入れ方と、こちらの働きかけの書き方

叙述記録の質は、この2つでほぼ決まります。ご本人の言葉は要約せずそのままこちらの働きかけは「した/しなかった」まで書きます。次の表は、よくある書き方と、そのまま貼れる書き方の対応です。

場面 よく見る書き方 そのまま貼れる書き方 違いが生む効果
ご本人が不満を口にされた 「不満そうであった」 「『いつも待たされる』と話された。表情はこわばっておられた」 言葉が残るので、後から何に対する不満かを検討できる
ご本人が痛みを訴えられた 「痛みの訴えあり」 「『動かすとここが痛い』と右肩を指して話された」 部位と、どんなときの痛みかが分かる
ご本人が拒否された 「拒否あり」 「『今日はやめておく』と話され、浴室へは向かわれなかった」 拒否の言葉と、実際の行動の両方が残る
ご本人が喜ばれた 「喜んでおられた」 「『久しぶりに外の風にあたった』と話され、笑顔がみられた」 何に対しての反応かが分かる
こちらが見守った 「見守り」 「介助はせず、立ち上がりの間、右側に立って見守った」 どの位置でどこまで関わったかが分かる
こちらが介助した 「一部介助」 「上衣の右袖を通す部分のみ介助し、他はご自分で行われた」 介助の範囲が具体的になり、次の担当者が同じ関わりをできる
こちらが何もしなかった (書かない) 「入眠しておられたため声かけはせず、そのまま退室した」 行動しなかったことも判断。空白に見えなくなる
こちらが相談した 「相談した」 「看護職員に電話で状況を伝え、経過を観察する方針を確認した」 誰と、どの手段で、何を確認したかが残る
ご家族の言葉を伝える 「家族は心配している」 「ご長女より『夜が心配で眠れない』とのお話があった」 誰の言葉かが明確になる
ご本人の意向を書く 「本人は望んでいない」 「『家にいたい』と繰り返し話された。理由は伺えていない」 伺えていないことも書けば、次に確認すべき点が残る
推測が混ざりそうなとき 「不安があると思われる」 「『どうなるのか分からない』と話された。当方からは今後の予定をお伝えした」 推測を書かずに、同じ状況が伝わる
言葉が聞き取れなかった (省いてしまう) 「発語はあったが聞き取れず、うなずきで意思を確認した」 やりとりの実際が残る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成文|日々の訪問・通所・入所の16例

ここからは1件まるごとの完成文です。5つの段の順序で書いてありますので、お名前と時刻を差し替えればそのまま使えます。

場面 そのまま貼れる完成文
変化のない日の訪問 10時に訪問。居間の椅子に座ってラジオを聞いておられた。声かけに「今日は調子がいい」と話され、表情も普段どおりであった。掃除機がけと洗濯を行い、その間はご自分で新聞を読んで過ごされた。11時に次回の訪問日をカレンダーで一緒に確認して終了。生活のリズム、室内の様子ともに前回の訪問時から変わりはない。
掃除の内容が前回と変わった日 10時に訪問。玄関の三和土に土が広がっており、ご本人に伺うと「昨日、庭に出た」と話された。予定していた居室の掃除に加え、玄関の掃き掃除を行った。庭に出られた際の足元について伺うと、サンダルを使っておられるとのことであった。段差の上り下りの様子は今回は確認できていないため、次回の訪問時に一緒に確認する。
通所で1日を過ごされた日 9時30分に到着。バイタルの測定後、他の利用者の方と新聞の話をされていた。午前は体操に参加され、座位のまま上肢の運動を10分ほど行われた。昼食は主食10割、副食9割を召し上がった。午後は塗り絵をされ、「これは孫にあげる」と話された。15時30分のおやつは全量摂取。帰りの車内では窓の外を見ておられた。本日は入浴の日ではない。
通所で活動に参加されなかった日 9時30分に到着。ホールの椅子に座られたが、体操の時間には参加されず、「今日は見ている」と話された。無理にお誘いはせず、近くの席で職員が声をかけながら過ごした。昼食は主食8割の摂取。午後は他の利用者の方と将棋をされ、1時間ほど続けられた。活動への参加はご本人の意向に沿って選んでいただいている。
入所の方の1日(変化なし) 朝は6時30分に自室で目を覚まされ、洗面まで手すりを使って歩かれた。朝食は主食10割、副食8割を召し上がった。午前は食堂で新聞を読んで過ごされ、他の入居者の方と天気の話をされていた。昼食後は自室で休まれ、14時に起きてこられた。夕食は主食9割、副食8割の摂取。21時に消灯され、以降は静かに休まれている。
入浴を行った日 13時20分から入浴を介助した。脱衣所の室温と湯温を確認してから浴室へ移動し、浴槽の出入りは手すりを使い、こちらは体を支える介助を行った。湯につかっている間に「気持ちがいい」と話された。洗身は背部のみ介助し、他はご自分で行われた。入浴後に背部と両下肢の皮膚を確認したが、発赤や傷はみられなかった。水分を200ミリリットル摂取された。
入浴を行わなかった日 13時に入浴のお誘いをしたところ「今日はやめておく」と話された。理由を伺うと「なんとなく気が進まない」とのことであった。30分後にもう一度お声かけしたが同じ返答であったため、居室で足浴を15分行い、洗面と更衣を介助した。終了後に「これで十分」と話された。入浴を行わなかった理由と、代わりに行った内容を本日の記録に残している。
食事量が少なかった日 昼食は12時10分に開始されたが、主食を半量召し上がったところで手が止まられた。声をおかけすると「もういい」と話され、それ以上は進まれなかった。12時40分に下膳し、副食は3割の摂取であった。むせ込みや飲み込みにくさの訴えはない。朝食と夕食の量に変化はなく、昼食のみ3日続けて量が減っている。厨房と相談し、翌日から主食の量を調整する。
水分の摂取が進まなかった日 午前中の水分摂取は100ミリリットルにとどまった。お茶をお勧めすると「あとで飲む」と話され、その場では召し上がらなかった。午後は好まれる飲み物をお出ししたところ、15時のおやつの際に200ミリリットルを召し上がった。1日の合計は600ミリリットルで、前日より少ない。明日は午前中の声かけの回数を増やすことを申し送った。
排泄で失敗があった日 10時40分、居室で下衣が濡れていることに気づいた。ご本人に伺うと「間に合わなかった」と話された。更衣と清拭を行い、その際に皮膚の状態を確認したが、発赤はみられなかった。ご本人は「恥ずかしい」と話されたため、他の方の目に触れない場所で対応した。前回の排泄からの間隔は3時間で、日中の間隔を記録して様子を見る。
睡眠が浅かった夜 21時に消灯されたが、22時、0時30分、3時の巡回時にいずれも開眼しておられた。0時30分には「眠れない」と話され、白湯をお出しして10分ほどお話を伺った。3時にはトイレへ付き添い、その後は臥床された。5時30分に起きてこられ、「昨日はよく眠れなかった」と話された。夜間の起床は2回、うちトイレの利用は1回であった。
日中に長く休まれた日 午前中は食堂で過ごされたが、10時ごろから居眠りをされる時間が増えた。昼食は起きて召し上がり、主食8割の摂取であった。午後は13時から15時30分まで自室で休まれた。声かけには反応され、起きられたあとの受け答えは普段どおりであった。前日の夜間に2回の起床があり、そのことと合わせて申し送っている。
他の利用者の方とやりとりがあった日 午後のホールで、他の利用者の方と席の位置について言い合いになる場面があった。ご本人は「ここは私の席だ」と話され、席を移ることを望まれなかった。職員が間に入り、双方のお話を伺ったうえで、テーブルの配置を変えて両方の方が窓側に座れるようにした。その後は落ち着いて過ごされ、おやつの時間には一緒にお茶を飲まれていた。
外出・散歩をされた日 14時から30分ほど、敷地内の庭を一緒に歩いた。歩行は手すりのない場所では職員が右側に付き添い、途中2回、ベンチで休憩をとった。「外は久しぶりだ」と話され、花を見て立ち止まる場面があった。戻られたあとに水分を200ミリリットル摂取された。息切れや足の痛みの訴えはなく、その後も普段どおり過ごされた。
行事に参加された日 午前の行事に参加され、最初は後方の席で見ておられたが、途中から前方へ移られて手拍子をされていた。終了後に「昔よく歌った」と話され、以前に地域の合唱に参加されていたことを伺った。ご家族にもお伝えしたところ、「家では歌わない」とのことであった。次回の行事も同じようにお誘いする。
雑談から生活の情報が出た日 洗濯物をたたみながら、以前のお仕事について伺った。長く縫製の仕事をされていたとのことで、「指先を使うのは苦にならない」と話された。手先を使う作業に関心をお持ちの様子であったため、次回以降の活動でお声かけしてみることとした。この情報はご本人の了解を得たうえで、職員間で共有している。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成文|状態や生活が変わったときの16例

場面 そのまま貼れる完成文
歩き方が変わった 9時の訪問時、居間から台所までの歩行で、右足を前に出す際に一瞬止まる場面が2回みられた。前回の訪問時には確認されていない。ご本人に伺うと「少し重い感じがする」と話された。痛みの訴えはない。手すりのない箇所を歩かれる際は付き添い、動線上の物を寄せた。看護職員へ状況を伝え、次回の訪問時に同じ場所での歩行を確認する。
座っている時間が長くなった この1週間、日中に椅子で座って過ごされる時間が長くなっている。以前は午前に庭へ出ておられたが、今週は出ておられない。ご本人に伺うと「外は暑いから」と話された。室内での移動は普段どおりで、動作に変化はみられない。水分の摂取量は保たれている。過ごし方の変化として記録し、来週も同じ点を確認する。
食事の姿勢が崩れてきた 昼食の後半に、体が右へ傾く場面が3日続いてみられている。傾いたままでも食事は続けられるが、スプーンが口に届くまでの距離が伸びている。本日はクッションで右側を支え、テーブルの高さを2センチ下げたところ、傾きは軽くなった。ご本人に伺うと「このほうが楽」と話された。この配置を継続し、明日以降も同じ姿勢で試す。
皮膚に変化がみられた 13時20分の入浴介助の際、右腰部に約3センチの発赤を確認した。前回の入浴日には確認されていない。痛みやかゆみの訴えはなく、押しても表情の変化はみられなかった。看護職員へ報告し、経過を観察することとなった。日中に座位で過ごされる時間が長く、居室の椅子の座面と当たる位置と重なるため、座り方について明日の申し送りで共有する。
睡眠のリズムが変わった 今週に入り、夜間に起きてこられる回数が増えている。今週の起床は1日あたり2回から3回で、先週は0回から1回であった。ご本人に伺うと「夜中に目が覚めると眠れない」と話された。日中の過ごし方に大きな変化はない。夜間の起床時刻を記録に残し、日中の活動量と合わせて1週間の分布を見ることとした。
言葉数が減った 本日は職員からの声かけにうなずきで返される場面が多く、ご自分から話される場面がほとんどなかった。先週までは他の利用者の方と会話をされていた。食事の摂取量、歩行の様子に変化はみられない。ご家族へお電話し、ご自宅での様子を伺ったところ「先週末から口数が少ない」とのことであった。介護支援専門員へ情報をお伝えした。
表情が変わった 朝から表情が硬く、声かけへの反応が普段より遅い。「どうかされましたか」とお尋ねすると「何でもない」と話された。午前中は自室で過ごすことを希望され、そのようにした。昼食は普段どおり召し上がり、午後には他の方と会話をされる場面があった。朝の様子について、明日の担当者に確認をお願いする旨を申し送った。
持ち物の管理が変わった 居室の引き出しに、期限の過ぎた食品が数点入っていることに気づいた。ご本人に伺うと「もらったものをしまっておいた」と話された。ご本人と一緒に中身を確認し、了解を得たうえで処分した。以前は冷蔵庫で管理されていたため、管理の方法が変わっている。ご家族へお伝えし、次回の訪問時にも同じ場所を確認することとした。
金銭のやりとりで確認が必要になった 買い物の代行を行い、レシートと釣銭をお渡しした際、ご本人から「金額が違う気がする」とのお話があった。その場でレシートと現金を一緒に数え、金額が合っていることを確認していただいた。ご本人は「分かった」と話された。買い物の代行については、預り金の受け渡しの際に毎回ご本人と一緒に確認する運用としている。
ご家族の状況が変わった ご長女より、来月から勤務先が変わり、平日の来訪が難しくなるとのお話を伺った。これまで平日に週2回来訪されていた。ご本人にもお伝えしたところ「仕方がない」と話された。生活の中で、これまでご長女が担っておられた買い物と受診の付き添いについて、今後の対応を介護支援専門員へお伝えして相談することとした。
住まいの環境が変わった 訪問したところ、居間の家具の配置が前回と変わっていた。ご本人に伺うと「息子が動かした」とのことであった。歩かれる動線上に延長コードが渡っていたため、ご本人の了解を得て壁側へ寄せた。寝室から廊下までの動線で家具に手をつきながら歩いておられるため、位置が変わると歩かれ方に影響する。次回の訪問時に再度確認する。
内服の管理に変化があった 配薬ケースを確認したところ、前日の夕食後の分が残っていた。ご本人に伺うと「飲んだと思っていた」と話された。ご家族へお電話し、状況をお伝えしたうえで、当面は訪問時に前日分の残りを確認することとした。残りが確認されたのは今月に入って2回目である。管理の方法については、次回の担当者会議で話題にしたい旨を介護支援専門員へお伝えした。
受診の予定が変わった ご家族より、来週予定していた受診の日程が変更になったとのご連絡をいただいた。変更後の日程は改めてお知らせいただくこととなっている。ご本人にもお伝えしたところ「いつでもいい」と話された。訪問の時間帯が受診と重なる可能性があるため、日程が決まりしだい、訪問時間の調整について介護支援専門員と相談する。
意欲の変化がみられた これまでお断りになっていた行事について、本日は「行ってみる」と話され、参加された。参加後に「思ったより楽しかった」と話されている。きっかけについて伺うと、同じテーブルの方に誘われたとのことであった。人との関わりが参加につながっている様子があるため、今後のお誘いの際は同じ方と一緒にお声かけすることとした。
できることが増えた これまで介助していた上衣の着脱について、本日はご自分で袖を通されるまで行われた。前回までは右袖の介助が必要であった。ご本人は「やってみたらできた」と話された。今後は声かけと見守りを行い、できない部分のみ介助する。この変更について、担当する職員全員に申し送り、次回の計画の見直しの際に報告する。
できていたことが難しくなった これまでご自分で行われていた朝の内服の準備について、本日は配薬ケースを開けるまでに時間を要し、「どれだったかな」と話された。最終的にはご自分で服用された。先週までは迷われる場面はなかった。準備の様子を数日間記録し、変化が続くようであれば、管理の方法について介護支援専門員へ相談する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成文|ご家族・多職種とのやりとり16例

場面 そのまま貼れる完成文
ご家族から相談を受けた 16時5分にご長女よりお電話をいただき、「夜中に何度も起きて困っている」とのご相談を受けた。就寝時刻、起きられる回数、その際のご様子を伺い、直近1週間で3回とのことであった。当方からは日中の過ごし方の様子をお伝えし、次回の訪問時に一緒に確認することとした。通話は約15分。同日16時30分に介護支援専門員へ内容をお伝えした。
ご家族へこちらから連絡した 本日の訪問時に確認した右足首の腫れについて、10時30分にご長男へお電話した。状況と、看護職員へ報告したことをお伝えし、受診のご希望を伺った。「様子を見て、明日も続くようなら受診する」とのご意向であった。当方からは、明日の訪問時に同じ部位を確認してご連絡する旨をお伝えした。介護支援専門員にも同じ内容をお伝えしている。
ご家族と意向が分かれた 入浴の回数について、ご本人は「週1回で十分」と話され、ご長女は「もっと入ってほしい」とのお考えであった。それぞれのお話を伺い、当方からは現在の入浴時のご様子と、お断りになる場面の状況をお伝えした。結論は出ておらず、次回の担当者会議で改めて話し合うこととした。ご本人にも、その場でご意見を伺う旨をお伝えしている。
ご家族から苦情をいただいた 14時にご次男よりお電話をいただき、「訪問の時間がいつも遅い」とのお申し出があった。直近1か月の訪問開始時刻をその場で確認し、予定より10分から20分遅れている日が4日あったことをお伝えした。理由と、今後の対応についてご説明し、ご了解をいただいた。管理者へ報告し、苦情の記録に別途記載している。改善の状況は1か月後にご報告する。
ご家族が来訪された 13時にご長男が来訪され、居室でご本人と30分ほど話をされた。当方は同席していない。お帰りの際に、最近のご様子について当方からお伝えし、ご自宅での過ごし方について伺った。「家では起きている時間が短い」とのことであった。伺った内容を職員間で共有し、日中の過ごし方の記録と合わせて見ることとした。
ご家族へ書面でお伝えした 本日の訪問で確認した室内の環境の変化について、ご家族が不在であったため連絡帳に記載した。記載した内容は、家具の配置が変わっていたこと、動線上の延長コードを了解を得て寄せたこと、次回に再度確認することの3点である。連絡帳は居間のテーブルに置き、ご本人にもその旨をお伝えした。
介護支援専門員へ連絡した 10時30分に介護支援専門員へお電話し、ここ3日間の昼食の摂取量が減っていることをお伝えした。朝食と夕食の量に変化がないこと、むせ込みの訴えがないことも合わせてお伝えした。翌週に予定されていた訪問を前倒しされるとのご連絡をいただいた。当方は引き続き毎食の摂取量を記録し、変化があれば都度ご連絡する。
介護支援専門員から連絡を受けた 15時に介護支援専門員よりお電話をいただき、来月からの訪問の曜日について調整のご相談があった。現在の曜日と、ご本人の1週間の過ごし方をお伝えし、変更が可能な候補日を2つお伝えした。ご本人のご意向を確認したうえで改めてご連絡いただくこととなった。ご本人には、曜日の変更の可能性があることをお伝えしている。
看護職員と情報を共有した 訪問時に確認した右腰部の発赤について、看護職員へ電話で報告した。大きさ、色、痛みの訴えの有無、前回の入浴時には確認されていないことをお伝えした。経過を観察する方針を確認し、次回の訪問時にも同じ部位を確認して報告することとした。ご本人には、明日も同じ場所を見せていただく旨をお伝えして了解を得ている。
他の事業所と連携した 訪問看護の担当者へ電話し、日中の水分摂取量が減っていることをお伝えした。担当者不在のため事務職員へ伝言を依頼し、11時30分に折り返しのお電話をいただいた。本日15時に臨時で訪問される旨を伺い、当方の訪問時間と重ならないことを確認した。訪問後の内容は、訪問看護の記録によって共有される。
福祉用具の担当者と調整した 手すりの高さについて、ご本人から「少し低い」とのお話があったため、福祉用具の担当者へご連絡した。14時50分に来訪いただき、高さを調整のうえ、ご本人が実際に手をかけて使い心地を確認された。「これでいい」と話されている。調整後の高さと、確認していただいた事実を記録に残した。介護支援専門員にも内容をお伝えしている。
担当者会議の内容を記録した 本日14時から、ご自宅で担当者会議が開催された。ご本人、ご長女、介護支援専門員、訪問看護の担当者、当方の5名が参加した。当方からは、日中の過ごし方と、入浴をお断りになる場面の状況をお伝えした。話し合いの結果として、入浴の声かけの時間帯を午前に変更して試すこととなった。決まった内容は職員全員に申し送っている。
職員間で申し合わせた 夕方に帰宅を訴えられる場面が今週3回みられていることについて、16時40分に職員間で話し合った。時間帯が一定していること、以前に勤めておられた時間帯と重なるとご家族から伺っていることを踏まえ、この時間に一緒に行う作業を用意することとした。明日から1週間試し、様子を記録して見直す。内容は業務日誌にも記載している。
管理者へ報告した 本日14時12分に発見した転倒について、15時10分に管理者へ報告した。発見の状況、確認した外傷、ご家族への連絡、介護支援専門員への連絡の順に経過を報告し、記録の記載内容について確認を受けた。事故の記録は別の様式に記載し、再発を防ぐための検討は明日の会議で行うこととなった。
受診に同行した ご家族の希望により、10時の受診に同行した。当方からは、直近1週間の食事の摂取量、夜間の起床の回数、日中の過ごし方をお伝えした。診察の内容はご家族が聞き取り、当方は待合で待機した。帰宅後、ご家族から今後の予定について伺い、その内容を記録に残している。次回の受診日はご家族が管理される。
ご近所の方から情報をいただいた 訪問時、玄関先でご近所の方より「最近、朝早くに外を歩いているのを見た」とのお話を伺った。ご本人に確認したところ「散歩している」と話された。時間帯と経路を伺い、ご本人の了解を得たうえで、この情報を介護支援専門員へお伝えした。ご近所の方のお名前は、ご本人の了解の範囲でのみ記録に残している。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

そのまま貼れる完成文|初回・退院直後・終了時の16例

初回と終了時は、後から誰かが必ず読み返す記録です。ここが薄いと、担当が替わったときに情報がゼロから集め直しになります。時刻の行だけでは足りない場面の代表でもあります。

場面 そのまま貼れる完成文
初回の訪問(住まいの様子) 本日が初回の訪問である。10時に伺い、ご本人とご長女が在宅であった。住まいは木造2階建てで、居室は1階の和室である。玄関に上がり框があり、高さは約25センチ、手すりはない。廊下からトイレまでは約4メートルで、途中に段差はない。浴室の出入口に約10センチの段差がある。室内の動線と手をつかれる場所を、ご本人と一緒に歩いて確認した。
初回の訪問(1日の過ごし方) ご本人に1日の過ごし方を伺った。起床は6時ごろ、朝食は7時、午前はテレビを見て過ごされ、昼食後に1時間ほど休まれるとのことであった。夕食は18時、就寝は21時ごろ。買い物は週2回ご長女が行い、洗濯はご自分でされている。「自分でできることは自分でしたい」と話された。ご本人が続けたいと考えておられる家事について、次回さらに伺う。
初回の訪問(ご本人の希望) これからの生活について伺うと、「この家で暮らし続けたい」と話された。困っておられることを伺うと、「風呂が怖い」との言葉があった。理由を伺うと、浴室の出入口の段差でふらつくことがあるとのことであった。当方からは、次回の訪問時に浴室での動作を一緒に確認させていただきたい旨をお伝えし、了解を得た。
初回の訪問(ご家族から伺ったこと) ご長女より、平日の日中は勤務のため不在であること、週2回の来訪時に買い物と掃除をされていることを伺った。心配な点として「一人でいる時間に何かあったときが不安」とのお話があった。緊急時のご連絡先として、ご長女の携帯とご次男の携帯の2件を確認した。ご不在時の連絡の順番についても確認し、記録に残している。
初回の訪問(サービスの説明) 訪問の曜日、時間帯、行う内容についてご説明し、ご本人とご長女にご確認いただいた。ご質問として「時間はきっちり守られるのか」とのお尋ねがあり、前後する場合があることと、その際はご連絡することをお伝えした。書面はお渡しし、控えを事業所で保管している。次回の訪問日について、カレンダーに記入して一緒に確認した。
利用開始から1週間 利用開始から1週間が経過した。訪問の時間帯には慣れてこられた様子で、玄関で待っておられることが増えている。当初お聞きしていた浴室での不安について、本日、浴室の出入りの動作を一緒に確認した。段差をまたぐ際に体が右へ傾く場面がみられた。福祉用具の担当者へ相談することについて、ご本人の了解を得ている。
退院直後の初回訪問 退院の翌日、10時に訪問した。ご本人はベッドに座って過ごしておられ、「思ったより疲れる」と話された。入院前と比べ、居室からトイレまでの移動に時間がかかっている。ご家族より、退院時に受け取られた書類を見せていただき、内容を確認した。当面は移動時に付き添うこととし、1週間後に改めて動作を確認する。介護支援専門員へ本日の様子をお伝えした。
退院後の住まいの変化 退院に合わせて、ご家族が寝室を1階へ移されていた。従来の2階の寝室は使われていない。1階の居室からトイレまでの距離は短くなったが、通り道に荷物が置かれていたため、ご家族の了解を得て寄せた。ご本人は「近くなって助かる」と話された。新しい動線での歩行を一緒に確認し、手をつかれる場所を記録に残している。
退院後の生活のリズム 退院から5日が経過した。起床は6時ごろで入院前と同じだが、日中に休まれる時間が長くなっている。食事は3食召し上がっているものの、量は入院前より少ない。ご本人は「まだ本調子ではない」と話された。日中の過ごし方と食事量を毎日記録し、1週間ごとにまとめて介護支援専門員へお伝えすることとした。
入院となったとき 本日、ご家族より入院となった旨のご連絡をいただいた。前回の訪問は3日前で、その時点でのご様子は記録のとおりである。ご家族へ、入院期間の見込みと、退院の見通しが立った際にご連絡いただきたい旨をお伝えした。介護支援専門員へ同じ内容をお伝えし、訪問の予定について相談した。入院中の訪問は行わない。
サービスを終了するとき 本日をもって当事業所のサービスを終了する。開始からの期間は1年2か月であった。終了の理由は、ご家族と同居されることに伴う転居である。最終の訪問時に、これまでの経過をご本人とご家族にお伝えし、お預かりしていた鍵をご返却した。転居先での支援については介護支援専門員が調整される。記録は事業所で定めた期間、保管する。
他の事業所へ引き継ぐとき 来月から別の事業所へ引き継ぐこととなった。引き継ぎの資料として、現在の1日の過ごし方、動作で介助が必要な場面、お声かけの際に留意している点、ご家族の連絡の順番をまとめた。資料はご本人の同意を得たうえでお渡しする。口頭での引き継ぎを来週予定しており、その際にご質問を受ける時間を設ける。
担当者が交代するとき 来週から担当者が交代する。本日、新旧の担当者が同行して訪問し、ご本人にご紹介した。ご本人は「よろしく」と話された。同行の際に、動作の介助の範囲、お声かけの仕方、室内の物の位置について、実際の場面で引き継いだ。次回の訪問から新しい担当者が単独で伺うことをお伝えし、ご了解をいただいている。
看取り期の関わり ご家族より、ご自宅で過ごすご意向を伺っている。本日の訪問時、ご本人は臥床のまま閉眼しておられ、声かけには開眼して視線を合わせられた。口腔内を湿らせ、体位を整えた。ご家族が付き添っておられ、「そばにいてあげたい」と話された。当方からは、ご家族が休まれる時間を確保できるよう、訪問の時間帯について相談させていただきたい旨をお伝えした。
ご逝去の連絡を受けたとき 本日9時にご長女よりお電話をいただき、ご本人がお亡くなりになった旨を伺った。前回の訪問は昨日で、その際のご様子は記録のとおりである。お悔やみを申し上げ、当事業所として今後必要となる手続きについてご説明した。介護支援専門員へご連絡し、内容をお伝えした。記録の整理と保管について、管理者へ報告している。
終了後に記録をまとめるとき サービスの終了にあたり、開始から終了までの経過をまとめた。開始時に伺っていたご希望、途中で変わった点、最終の状況の3つに分けて整理している。まとめは、日々の記録から拾った事実のみで構成し、新たな判断は加えていない。まとめと日々の記録は一緒に保管し、保管の場所と期間は事業所の定めによる。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

どちらで書くかを場面で決める|13場面の逆引き表と、併用する日の書き分け

記法を選ぶ場面で毎回考えていると、書き手によって選び方が変わります。場面から引ける表を作っておけば、判断は表を見るだけになります。次の表は、現場でよく出てくる13の場面について、どちらで書くか・その理由・その場面で落としやすい情報をまとめたものです。落としやすい情報の列が、実は最も役に立ちます。記法を選べても、そこが抜ければ記録としては同じことになるからです。

場面から引く逆引き表——定型の訪問から担当が交代した日まで

場面 どちらで書くか その理由 その場面で落としやすい情報
定型的な訪問(内容も時間も予定どおり) 叙述記録を中心に、短く1件 時刻を刻んでも同じ内容が並ぶだけで、読む人の手がかりにならない 行った内容の中身。予定表を写しただけの記録になり、実際に何をしたかが残らない
状態が安定している日 叙述記録を1件 変化がないことを、何を見てそう言えるのかごと残す必要がある 安定していると判断した根拠。食事量・歩き方・言葉数など、見た項目そのもの
状態が変わった日 経時記録の行を数行、そのあとに叙述記録を1件 変化に気づいた時刻と、その後の動きの順序が後から必ず問われる 変化に「気づいた時刻」。変化があった時刻と混ざりやすい
初回の訪問・利用開始 叙述記録が中心 住まい・生活の背景・ご本人の言葉を、つながりのあるまとまりで残す ご本人がご自分の言葉で話された希望。項目を埋めることに集中すると抜ける
複数の出来事があった日 出来事ごとに叙述記録を分け、順序が要る部分だけ経時記録 1件にまとめると主題が混ざり、後から探せない 出来事どうしの関係。別々に書いた結果、つながりが見えなくなる
ご家族とのやりとりが長かった日 叙述記録が中心。開始と終了の時刻のみ行にする やりとりの流れと合意した内容が本体で、1分単位の順序は問われにくい 合意した内容と、合意できなかった点。「話をした」で終わりやすい
苦情・ご要望を受けた日 受けた時刻・返した時刻を経時記録、内容と対応を叙述記録 いつ受けていつ返したかが問われ、内容は言葉のまま残す必要がある お申し出の言葉そのもの。要約すると、何に対する申し出かが変わる
事故・けが・ヒヤリとした場面 経時記録が中心。原因の検討は別の様式へ 発見・確認・連絡・受診・報告の順序が後から必ず問われる 発見した時点の状況と、誰に何時に連絡したか
看取り期 叙述記録が中心。ご様子が変わった時点のみ経時記録 ご本人とご家族の言葉、その場の関わりが記録の中心になる ご家族の言葉と、ご家族への関わり。ご本人の記録だけになりやすい
退院直後 叙述記録が中心。入院前との比較を必ず入れる 変化を見るための基準が「入院前」にあり、それは文章でしか残せない 入院前と何が同じで何が違うか。今の様子だけを書くと比較できない
夜間帯 経時記録が中心 回った時刻そのものが記録の目的になる 何を見て変化がないと書いたのか。確認の中身が抜ける
担当が交代した日 経時記録で交代の時刻、叙述記録で引き継いだ内容 いつ誰から誰へ渡ったかと、何を渡したかは別の情報 引き継いだ内容の具体。口頭で伝えただけで記録に残らない
予定と違う提供になった日 経時記録で実際の時刻、叙述記録で理由と対応 実際の時刻と、なぜそうなったかの両方が必要になる 予定と違った理由。実際の時刻だけを直して理由が残らない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

併用する日の書き分け——上段に時刻の行、下段に文章

実務で最も多いのは「両方使う」形です。混ぜて書くのではなく、上段に時刻の行、下段に文章と場所を分けると、読む人も書く人も迷いません。下段の文章では、上段に書いた時刻を繰り返さず、上段に書けなかったことだけを書きます。次の表は、併用する日の実際の形です。

その日の主題 上段(経時記録の行) 下段(叙述記録の文章)
転倒を発見した日 14:12 居室で床に座り込んでおられるところを発見。
14:16 看護職員へ報告。
14:22 外傷の確認。右膝に発赤。
14:35 ご家族へ電話連絡。
15:10 管理者へ報告。
発見時、ご本人は「立ち上がろうとして膝が折れた」と話された。居室の床には水濡れや障害物はなく、履物はご本人の靴であった。ご家族へは、外傷の状況と受診の要否についてご相談し、明日の朝まで様子を見るとのご意向を伺っている。夜勤者には、右膝の痛みの訴えと歩行の様子を確認するよう申し送った。
食事量が減った日 12:10 昼食開始。
12:25 主食半量で手が止まる。
12:40 下膳。副食3割。
手が止まられた際に声をおかけすると「もういい」と話された。むせ込みや飲み込みにくさの訴えはない。朝食と夕食の量に変化はなく、昼食のみ3日続けて減っている。厨房と相談し、翌日から主食の量を調整する。3日分の摂取量は経過表に記載しており、変化が続く場合は介護支援専門員へお伝えする。
ご家族と長く話した日 16:05 ご長女より電話。
16:20 通話終了。
16:30 介護支援専門員へ連絡。
ご相談の内容は夜間に何度も起きられることについてであった。直近1週間で3回、いずれも0時から3時の間とのことである。日中の過ごし方をお伝えし、次回の訪問時に一緒に確認することとした。ご長女からは「自分の眠りも浅くなっている」とのお話があり、ご家族の負担についても介護支援専門員へお伝えしている。
入浴をお断りになった日 10:30 入浴の声かけ。「今日はやめておく」と返答。
10:45 再度声かけ。同じ返答。
11:00 居室で足浴を実施。15分。
お断りになる理由を伺うと「なんとなく気が進まない」とのことであった。先週の同じ曜日にもお断りになっており、曜日と時間帯が重なっている。足浴の後には「これで十分」と話された。担当職員の間で、次回は午前の早い時間にお声かけすることを申し合わせた。実施しなかった理由と代わりに行った内容を本日の記録に残している。
夜間に起床が続いた日 22:00 巡回。閉眼して臥床。
0:30 開眼。「眠れない」と話される。
1:00 トイレへ付き添い。
3:00 巡回。開眼しておられる。
0時30分には白湯をお出しして10分ほどお話を伺った。ご本人は「昼間に寝すぎたかもしれない」と話された。日中の過ごし方を確認すると、前日は13時から15時30分まで休まれている。日中の活動と夜間の起床の関係を見るため、1週間、両方を記録して並べることとした。
担当が交代した日 9:00 新旧担当者が同行して訪問。
9:05 ご本人へ新担当を紹介。
10:00 訪問終了。
同行の際に、上衣の着脱で介助が必要な範囲、浴室の出入口での付き添いの位置、居室の物の置き場所を実際の場面で引き継いだ。ご本人は新しい担当者に「よろしく」と話された。次回の訪問から新担当が単独で伺うことをお伝えし、ご了解をいただいている。引き継ぎの内容は書面にもまとめ、事業所で保管している。
予定と違う時間に提供した日 9:40 到着(予定は9:00)。
9:45 サービス開始。
10:35 サービス終了。
前の訪問先での対応が延びたため、予定より40分遅れて到着した。到着前の9時20分にご本人へお電話し、遅れる旨をお伝えして了解を得ている。内容は予定どおり行い、終了時刻も後ろへずれている。実際の時刻を記録に残し、介護支援専門員へ遅れがあったことをお伝えした。
苦情をいただいた日 14:00 ご次男より電話。お申し出を受ける。
14:25 通話終了。
15:00 管理者へ報告。
16:30 ご次男へ折り返しご連絡。
お申し出の内容は「訪問の時間がいつも遅い」というものであった。直近1か月の開始時刻を確認したところ、予定より10分から20分遅れた日が4日あった。理由と今後の対応をご説明し、ご了解をいただいた。苦情の記録は別の様式に記載している。改善の状況は1か月後にご報告する予定である。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

迷ったときに自分へ問う3つのこと

表にない場面に出会ったときは、次の3つを順に自分へ問えば、たいてい決まります。

問い 答えが「はい」のとき 答えが「いいえ」のとき
1|あとで「何時ですか」と聞かれそうか 経時記録の行にする。時刻が必要な場面である 叙述記録でよい。時刻は文の中に置けば足りる
2|順序が入れ替わると意味が変わるか 経時記録の行にする。順序そのものが情報である 叙述記録でよい。読みやすい順に並べてかまわない
3|「なぜそうしたのか」を残す必要があるか 叙述記録を足す。理由は行では書ききれない 行だけで足りる。無理に文章を足すと薄い文になる

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

長くなりすぎる・短すぎるを直す|削る順番・足す順番と、悪い例と良い例44組

この2つの記法には、それぞれ決まった崩れ方があります。経時記録は長くなり、叙述記録は薄くなる。原因が違うので、直し方も逆になります。長い経時記録は「足りない」のではなく「要らない行が混ざっている」ことがほとんどで、薄い叙述記録は「短い」のではなく「事実が入っていない」ことがほとんどです。

経時記録が長くなる5つの理由と、削る順番

長くなる理由 記録に現れる形 削る順番 削ったあとに残るもの
1|移動を全部書いている 「居室へ向かう」「廊下を通る」「戻る」が行になっている 最初に削る。移動そのものは、場所が変わった結果だけ書けば足りる どこで何をしたか
2|同じ状態を何度も書いている 「変化なし」の行が5分おきに並ぶ 2番目に削る。「この時間帯は同室で見守り」と1行にまとめる 見守っていた時間帯
3|手順を細かく分けている 「湯を出す」「温度を見る」「声をかける」が別の行になっている 3番目に削る。1つの介助は1行にまとめる 行った介助と、その中で確認したこと
4|自分の考えを行に混ぜている 「◯◯と思われる」が時刻付きで並ぶ 4番目。考えは行から外し、下段の文章へ移す 見た事実だけが並んだ、追える行
5|他の様式に書くことを重ねている 測定値や食事量が、経過表と経時記録の両方にある 最後に。どちらに書くかを事業所で決め、片方は所在だけ書く 二重に書かない運用

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

叙述記録が薄くなる5つの理由と、足す順番

薄くなる理由 記録に現れる形 足す順番 足したあとに読めるようになること
1|結論だけ書いている 「落ち着いて過ごされた」で終わる 最初に足す。そう書いた根拠になった場面を1つ入れる 何を見てそう判断したか
2|ご本人の言葉がない 文章の中に、かぎ括弧が1つもない 2番目。その日に聞いた言葉を、要約せず1つ入れる ご本人がどう受け取っておられたか
3|こちらが何をしたか書いていない 観察だけが並び、対応が出てこない 3番目。したこと、しなかったこと、その判断を1文入れる 関わりの中身と、次の人が同じ関わりをする手がかり
4|前との比較がない 今日の様子だけが書かれている 4番目。前回・前日・入院前など、比べた相手を1つ書く 変化なのか、いつもどおりなのか
5|次に何をするか書いていない 出来事で文章が終わっている 最後に。次の確認、伝えた相手、決めたことを1文入れる 記録が次の行動につながっていること

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例と良い例|経時記録の行22組

左は現場でよく見る行、右はそのまま貼れる完成した行です。左の書き方が禁じられているのではなく、左だけでは後から読めないという違いです。

よく見る行(このままでは読めない) そのまま貼れる行
9:00 訪問。「特変なし」 9:00 訪問。居間の椅子でラジオを聞いておられ、声かけに「調子はいい」と返答された。
10:00 「異常なし」 10:00 居室で臥床しておられ、呼吸は静か。掛け物は整っており、体位は左側臥位。
7:30 朝食 7:30 朝食開始。主食10割、副食8割を召し上がり、水分は200ミリリットル摂取。
13:00 入浴 13:00 入浴介助。浴槽の出入りは手すりを使用し、体を支える介助を行った。
14:00 排泄介助 14:00 トイレへ誘導。移動は見守り、下衣の上げ下ろしのみ介助した。排尿あり。
15:00 「様子観察」 15:00 居室で座位。前回の訪室時から体位、表情ともに変わりなく、声かけに返答あり。
16:00 家族連絡 16:00 ご長女へ電話。本日の食事量と夜間の様子をお伝えし、来週の受診の予定を伺った。
11:00 「対応済み」 11:00 右足首の腫れについて看護職員へ電話で報告。本日中に訪問する旨の返答を得た。
8:00 服薬 8:00 朝食後の内服を確認。ご本人が服用され、配薬ケースが空になったことまで確認した。
19:00 就寝 19:00 更衣を介助し、ベッドへ臥床された。ベッド柵の位置をご本人と確認して調整した。
22:00 巡視 22:00 巡回。閉眼して臥床。掛け物が足元に寄っていたため掛け直した。
2:00 「不穏」 2:00 居室から物音があり訪室。ベッド脇に立っておられ、「トイレを探していた」と話された。
10:30 「拒否あり」 10:30 入浴をお誘いしたところ「今日はやめておく」と話され、浴室へは向かわれなかった。
12:00 「食事量少ない」 12:00 昼食開始。12:25に主食半量で手が止まり、12:40に下膳。副食は3割の摂取。
14:12 転倒 14:12 居室で床に座り込んでおられるところを発見。呼名に反応あり、右膝の痛みの訴えあり。
14:30 「家族に連絡した」 14:30 ご長男の携帯へ電話。応答がないため、折り返しのご連絡をお願いする伝言を残した。
15:00 「報告済み」 15:00 管理者へ、発見の状況・外傷の確認結果・ご家族への連絡の順に報告した。
9:30 「歩行不安定」 9:30 居間から台所まで歩行。右足を前に出す際に一瞬止まる場面が2回みられた。
16:30 「落ち着かれる」 16:30 居室でお茶を召し上がり、椅子に着席された。帰宅の訴えは以降みられていない。
10:00 「介助にて実施」 10:00 更衣を実施。上衣の右袖を通す部分のみ介助し、他はご自分で行われた。
13:30 「傷あり」 13:30 入浴介助時、右腰部に約3センチの発赤を確認。痛みとかゆみの訴えはなし。
17:00 申し送り 17:00 夜勤者へ申し送り。右膝の痛みの訴えと、歩行時の見守りを継続する点を伝えた。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例と良い例|叙述記録の文22組

よく見る文(このままでは読めない) そのまま貼れる完成文
本日も変わりなく過ごされた。 本日は居間で新聞を読み、昼食は主食10割を召し上がった。歩行、言葉数ともに前回の訪問時と同じで、変わったところはみられなかった。
「特変なし」。 食事量、水分量、排泄の回数、歩行の様子の4点を確認したが、いずれも前日と同じであった。ご本人からの訴えもない。
落ち着いて過ごされていた。 午前は他の利用者の方と天気の話をされ、午後は塗り絵を1時間続けられた。声を荒げる場面や席を立たれる場面はみられなかった。
不穏がみられた。 15時40分ごろ、玄関前に立って外を見ておられ、「家に帰る」と繰り返し話された。お話を伺いながら10分ほど一緒に廊下を歩いた。
拒否が強かった。 入浴を2回お誘いしたが、いずれも「今日はやめておく」と話され、浴室へは向かわれなかった。代わりに居室で足浴を15分行った。
体調不良の様子。 朝から表情が硬く、声かけへの反応が普段より遅い。食事量は主食5割で、前日の10割から減っている。ご本人は「何でもない」と話された。
元気がなかった。 ご自分から話される場面がほとんどなく、声かけにはうなずきで返された。先週までは他の利用者の方と会話をされていた。
家族に連絡した。 10時30分にご長男へお電話し、右足首の腫れの状況と看護職員へ報告したことをお伝えした。「明日も続くようなら受診する」とのご意向を伺った。
家族から相談があった。 ご長女より「夜中に何度も起きて困っている」とのご相談を受けた。直近1週間で3回、いずれも0時から3時の間とのことであった。
本人の希望を確認した。 これからの生活について伺うと、「この家で暮らし続けたい」と話された。困っておられる点として「風呂が怖い」との言葉があった。
説明し、同意を得た。 訪問の曜日、時間帯、行う内容についてご説明し、ご本人とご長女にご確認いただいた。書面はお渡しし、控えを事業所で保管している。
見守りを行った。 立ち上がりの間、右側に立って見守った。手すりを持って2回試みてから立ち上がられ、介助は要さなかった。
清潔ケアを実施。 居室で足浴を15分行い、洗面と更衣を介助した。足の皮膚を確認したが、発赤や傷はみられなかった。
食事介助を行った。 食事の姿勢を整えてから配膳し、後半に手が止まられた際は声をおかけした。主食5割、副食3割の摂取で下膳した。
転倒された。 14時12分、居室で床に座り込んでおられるところを発見した。呼名に反応があり、右膝の痛みを訴えられた。床に水濡れや障害物はなかった。
受診に付き添った。 10時の受診に同行し、直近1週間の食事量、夜間の起床回数、日中の過ごし方をお伝えした。診察の内容はご家族が聞き取られ、当方は待合で待機した。
関係者と情報を共有した。 介護支援専門員へ電話し、3日間の昼食の摂取量が減っていることをお伝えした。翌週の訪問を前倒しされるとのご連絡をいただいた。
皮膚トラブルあり。 入浴介助の際、右腰部に約3センチの発赤を確認した。前回の入浴日には確認されていない。痛みとかゆみの訴えはなかった。
今後も注意して見ていく。 今後1週間、日中に休まれた時間と夜間の起床時刻を毎日記録し、両方を並べて見る。1週間後に職員間で確認する。
「今後、絶対に転ばせません」と説明した。 再発を防ぐために行うこととして、動線上の物を寄せること、夜間の照明を調整すること、歩行時に付き添うことの3点をご家族にご説明した。
「問題ありません」とお伝えした。 本日の確認の結果として、外傷がみられなかったこと、歩行に変化がなかったことをご家族にお伝えし、明日も同じ点を確認する旨をお伝えした。
本人の理解力が低下していると思われる。 配薬ケースを開けるまでに時間を要し、「どれだったかな」と話された。最終的にはご自分で服用された。先週までは迷われる場面はみられなかった。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

書き手によって差が出るところを揃える|6つの分かれ目と、決めごとの記入欄

同じ事業所の記録でも、書き手が変わると読み味が変わります。その差は文章力ではなく、決めていない項目から生まれます。略語をどこまで使うか、時刻をどう書くか、敬体か常体か、ご本人をどうお呼びするか、推測をどこまで書くか、固有名詞をどこまで出すか——この6つを決めるだけで、記録はそろいます。

差が出る6つの分かれ目——略語・時刻・文体・呼称・推測・固有名詞

分かれ目 実際に分かれる書き方 そろえないと起きること そろえ方の考え方
略語|使う範囲 職種名を略す人と、正式名で書く人が混在する 読む人によって別の意味に取られ、家族が読めない記録になる 使ってよい略語の一覧を作り、一覧にないものは正式名で書く
略語|内部でしか通じない言い方 その事業所だけの呼び方が記録に入る 担当が交代したときに意味が伝わらない 初出で正式名を書き、以降は略してよいという規則にする
略語|記号での省略 丸印や斜線で状態を表す人がいる 印の意味が人によって違い、後から読み取れない 印を使う欄と意味を様式に明記し、文章の欄では使わない
時刻|表記の形 「9時5分」「9:05」「午前9時5分」が混在する 並べ替えや突き合わせがしにくく、見落としが生まれる 1つの形に決める。24時間の表記にするかも合わせて決める
時刻|刻みの細かさ 分単位まで書く人と、5分単位に丸める人がいる 同じ場面で行数が3倍変わり、記録の厚みが人によって違って見える 通常は5分刻み、順序が問われる場面は分単位、のように場面で決める
時刻|おおよそのときの書き方 「ごろ」を付ける人と、断定して書く人がいる 正確でない時刻が正確な時刻として残る おおよそのときは必ず「ごろ」を付け、理由も1語添える
文体|敬体か常体か 「です・ます」と「である」が1つの記録の中で混ざる 読みにくく、書き手が誰かで印象が変わる どちらかに決める。ご家族がご覧になる様式かどうかで分けてもよい
文体|尊敬語の程度 「食べた」「召し上がった」が混在する 統一されていないと、書き手の心証が記録に出る ご本人の動作は尊敬語、こちらの動作は普通の言い方、と決める
文体|文の長さ 1文が5行に及ぶ人と、体言止めで終える人がいる 読み手が要点を探す時間が伸びる 1文は2行までを目安にし、体言止めは使わないと決める
呼称|ご本人の呼び方 「利用者様」「ご本人」「◯◯様」が混在する 誰のことか分からない箇所が生まれる 記録の中では1つに決める。同姓の方がいる場合の書き分けも決める
呼称|ご家族の呼び方 「家族」「長女」「娘さん」が混在する どのご家族かが分からず、後から確認できない 続柄で書くと決める。複数おられる場合の書き分けも決める
呼称|職員の書き方 氏名で書く人と、職種で書く人がいる 誰が対応したかを後から追えない 誰が対応したかが分かる形に決め、署名欄との関係も決める
推測|書いてよい範囲 「思われる」「様子」で解釈を書く人がいる 推測が事実として引き継がれ、次の判断がずれる 推測は書かず、そう考えた材料になった事実を書くと決める
推測|こちらの見立ての置き場所 見立てを事実の文に混ぜて書く どこまでが見たことか分からなくなる 見立てを書く欄を分けるか、文末に分けて書くと決める
推測|伝聞の扱い 聞いた話を見たように書く 確認していないことが確認済みとして残る 誰から聞いたかを必ず書くと決める
固有名詞|他の利用者の方 お名前を書く人と、伏せる人がいる ご本人の記録に他の方の情報が残る 他の方のお名前は書かず、必要な場合の書き方を決める
固有名詞|医療機関・事業所名 正式名で書く人と、通称で書く人がいる 後から連絡先をたどれない 正式名で書くと決め、初出以降の略し方も決める
固有名詞|地名・店名 買い物先などの名称を細かく書く人がいる 記録の目的から離れた情報が増える 記録の目的に必要な範囲で書くと決める

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

推測を書かないための言い換え——そのまま使える12組

「推測を書かない」と決めても、代わりに何を書けばよいかが分からないと、記録が空になります。次の表は、推測になりがちな言い方と、同じ状況を事実で書いた形の対応です。

推測になりがちな言い方 同じ状況を事実で書いた形(そのまま貼れる)
不安があると思われる 「どうなるのか分からない」と話された。当方からは今後の予定をお伝えした。
痛みがあるようだ 右膝に手をあて、立ち上がる際に顔をしかめられた。痛みの有無を伺うと「少し」と話された。
認知の低下がみられる 配薬ケースを開けるまでに時間を要し、「どれだったかな」と話された。先週までは迷われていない。
意欲が低下している これまで参加されていた体操に、本日と前回は参加されなかった。「今日は見ている」と話された。
食欲がない 昼食は主食5割、副食3割の摂取。3日続けて昼食のみ量が減っている。
体調が悪そう 表情が硬く、声かけへの反応が普段より遅い。体温36.8度、脈拍74で、前日と大きな差はない。
眠れていない様子 巡回時、22時、0時30分、3時のいずれも開眼しておられた。0時30分には「眠れない」と話された。
家族との関係が良くない ご長女の来訪時、ご本人から「もう帰っていい」との言葉があった。ご長女は30分ほど滞在された。
拒否が強くなっている 入浴のお誘いを、今週は3回中3回お断りになった。先週は3回中1回であった。
危険な行動が増えている ベッド柵を越えようとされる場面が、今週2回みられた。いずれも夜間で、職員が声をかけて着座された。
本人は理解していない 説明のあとに「よく分からない」と話された。日を改めて、書面をお示ししながら再度ご説明する。
家族の負担が大きい ご長女より「自分の眠りも浅くなっている」とのお話があった。夜間の起床は直近1週間で3回とのこと。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

事業所で決めることの一覧——記入欄つき

次の表を印刷して、右の欄を埋めてください。埋まっていない行があるうちは、その項目で必ず書き手による差が出ます。決めた日を書いておくと、見直しの時期が分かります。

決めること よくある選択肢 貴事業所で決めた内容(記入欄) 決めた日(記入欄)
日々の記録は、どちらを基本にするか 叙述記録を基本/経時記録を基本/場面で使い分け (      ) (  年  月  日)
経時記録に切り替える場面 事故・急な変化・苦情・夜間・交代時 (      ) (  年  月  日)
時刻の表記の形 24時間表記/午前・午後を付ける (      ) (  年  月  日)
時刻の刻みの細かさ 分単位/5分単位/10分単位 (      ) (  年  月  日)
行を分ける基準(時間が空いたとき) 15分/30分/1時間 (      ) (  年  月  日)
文体 敬体/常体 (      ) (  年  月  日)
ご本人の呼び方 お名前に様/ご本人/利用者 (      ) (  年  月  日)
ご家族の書き方 続柄で書く/お名前で書く (      ) (  年  月  日)
職員の書き方 氏名/職種/記号 (      ) (  年  月  日)
使ってよい略語の一覧 一覧を作る/使わない (      ) (  年  月  日)
推測の書き方 書かない/欄を分けて書く (      ) (  年  月  日)
伝聞の書き方 情報源を必ず書く/書かない (      ) (  年  月  日)
他の利用者の方の書き方 書かない/記号で書く (      ) (  年  月  日)
測定値をどの様式に書くか 経過表のみ/記録にも書く (      ) (  年  月  日)
記録を書く時点 その場で/勤務の終わりに (      ) (  年  月  日)
あとから書いたときの表し方 記載時刻を別に残す/注記する (      ) (  年  月  日)
訂正の方法 元の記載を残して訂正/様式の定めによる (      ) (  年  月  日)
誰が記録を確認するか 管理者/サービス提供責任者/確認しない (      ) (  年  月  日)
確認したことを、どこに残すか 確認欄/日誌/残さない (      ) (  年  月  日)
紙と電子が併存する場合、どちらを正本とするか 紙/電子 (      ) (  年  月  日)
新人が1人で書き始めるまでの手順 同行で3回/添削を5件 (      ) (  年  月  日)
決めごとを見直す時期 半年ごと/年1回 (      ) (  年  月  日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経時記録から、報告・申し送り・サマリーへ持っていくとき|拾う行と落とす行

経時記録はそのまま渡すためのものではありません。行をそのまま貼り付けて渡すと、受け取る側は自分で要点を探すことになり、渡した意味が薄れます。渡し先によって、拾う行と落とす行が変わります。ここでは持っていき先ごとの選び方だけを扱い、各書類の様式や欄の埋め方には踏み込みません(そちらは別の記事の担当です)。

持っていき先ごとの、拾う行と落とす行

持っていき先 拾う行 落とす行 足す必要があること
次の勤務者への申し送り 変化があった行、こちらが対応した行、続きの確認が要る行 予定どおり進んだ行、測定値の行(経過表を見れば足りる) 次の勤務帯で何を確認してほしいか
管理者への報告 発見・確認・連絡・報告の4つの行 途中の見守りの行、移動の行 すでに済んだ対応と、まだ済んでいない対応の区別
ご家族へのご報告 ご本人の言葉の行、こちらが行った対応の行 職員間のやりとりの行、他の方に関わる行 ご家族に判断していただきたい点
介護支援専門員への連絡 生活の変化が表れた行、他の事業所に関わる行 その日限りの細かな行 いつからその変化が続いているか
医療関係者への情報提供 測定値の行、症状の訴えの行、時刻が意味を持つ行 家事の内容の行、行事の参加の行 ご本人の言葉で語られた訴えの内容
期間をまとめた要約 変化の起点になった行、対応を変えた行 変化のない日の行 期間全体で何がどう変わったか
事故に関する報告 発見の行、確認の行、連絡の行、報告の行 その日の他の場面の行 発見時の周囲の状況と、その後の経過
担当者会議に持っていく資料 繰り返し現れている行、対応を変えた行 1回だけの行 回数と時間帯の分布

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

行を渡す文に変えるときの完成例12組

左が経時記録の行、右がそのまま渡せる文です。行を並べ替えて1文にし、渡す相手が次に判断できる形にします。

元の行(経時記録) そのまま渡せる文(渡し先つき)
12:25 主食半量で手が止まる/12:40 下膳。副食3割 次の勤務者へ:昼食は主食5割、副食3割で、3日続けて昼食のみ量が減っています。夕食の量と、むせ込みの有無を確認してください。
14:12 発見/14:16 看護職員へ報告/14:35 ご家族へ電話 管理者へ:14時12分に居室で座り込んでおられるところを発見し、看護職員の確認を経て14時35分にご家族へご連絡しました。受診の要否は明朝ご家族が判断されます。
10:30 入浴の声かけ、断られる/11:00 足浴を実施 ご家族へ:本日は入浴をお断りになったため、居室で足浴を15分行いました。終了後は「これで十分」とお話しになっています。
9:35 右足首に腫れ/9:40 看護職員へ報告 介護支援専門員へ:本日の訪問で右足首の腫れを確認し、看護職員へ報告しています。前回の訪問時には確認されていません。
0:30 開眼「眠れない」/1:00 トイレ付き添い/3:00 開眼 次の勤務者へ:夜間の起床が2回あり、うちトイレの利用が1回でした。日中に休まれる時間が長くならないか確認してください。
15:40 玄関前/15:50 一緒に廊下を歩く/16:05 着席 担当者会議へ:夕方に帰宅を訴えられる場面が今週3回みられ、いずれも15時30分から16時30分の間でした。この時間帯の過ごし方を相談したいと考えています。
13:30 右腰部に発赤/13:35 看護職員へ報告 医療関係者へ:本日の入浴時に右腰部へ約3センチの発赤を確認しました。痛みとかゆみの訴えはなく、前回の入浴日には確認されていません。
9:30 配薬ケースに前日夕分が残る/10:10 ご家族へ伝達 介護支援専門員へ:内服の残りが今月2回目です。当面は訪問時に前日分を確認しますが、管理の方法について次回の会議で相談させてください。
9:40 到着(予定9:00)/10:35 終了 介護支援専門員へ:本日は前の訪問先での対応が延び、予定より40分遅れて開始しました。内容は予定どおり行い、ご本人には事前にご連絡しています。
14:00 ご次男より電話、お申し出/16:30 折り返し 管理者へ:訪問時刻の遅れについてお申し出があり、直近1か月で4日該当することを確認のうえ、16時30分にご説明してご了解をいただきました。
6:30 端座位/6:45 洗面まで歩行、立ち止まり1回 要約へ:この1か月、朝の起き上がりは介助を要さず、洗面までの歩行で立ち止まられる場面が週に2回程度みられています。
9:00 新旧担当が同行訪問/9:05 ご紹介 次の担当者へ:上衣の右袖のみ介助、浴室の出入口では右側に立つ、居室の物の位置は動かさない。この3点を同行時に引き継いでいます。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

運営指導で見られる点|別添1の確認項目と、自治体が公表している記録の指摘

運営指導で見られるのは記法の名前ではなく、記録の中身です。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1には、サービス種別ごとに「サービス提供の記録」という確認項目が置かれ、確認内容と確認文書が示されています。表現は種別によって少しずつ違いますが、共通しているのは「日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか」という観点です。ここが、経時記録でも叙述記録でも同じように問われる部分です。

別添1「サービス提供の記録」の確認項目——サービス種別12の対照

サービス種別 確認項目(条) 確認内容として挙げられているもの 確認文書として挙げられているもの
訪問介護 サービス提供の記録(第19条) 訪問介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか サービス提供記録
訪問看護 サービス提供の記録(第19条) 訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか サービス提供記録
通所介護 サービス提供の記録(第19条) 通所介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか/送迎が適切に行われているか サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
短期入所療養介護 サービス提供の記録(第19条) サービスの提供日及び内容、利用者の心身の状況等を記録しているか 居宅サービス計画/サービス提供記録
特定施設入居者生活介護 サービス提供の記録(第181条) 特定施設サービス計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の状況等を記録しているか サービス提供記録/業務日誌
介護老人福祉施設 サービス提供の記録(第8条) 施設サービス計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や入所者の心身の状況等を記録しているか サービス提供記録/業務日誌/モニタリングシート
認知症対応型共同生活介護 サービス提供の記録(第95条) 認知症対応型共同生活介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか サービス提供記録/業務日誌/モニタリングシート
小規模多機能型居宅介護 サービスの提供の記録(第3条の18) 小規模多機能型居宅介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか/送迎が適切に行われているか サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
看護小規模多機能型居宅介護 サービスの提供の記録(第3条の18) 看護小規模多機能型居宅介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか/送迎が適切に行われているか サービス提供記録/業務日誌/モニタリングシート/送迎記録
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 サービスの提供の記録(第3条の18) 居宅サービス計画等にサービスの提供日及び内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 居宅サービス計画/サービス提供記録
地域密着型通所介護 サービスの提供の記録(第3条の18) 地域密着型通所介護計画又は療養通所介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか/送迎が適切に行われているか サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
介護予防短期入所療養介護 サービス提供の記録(第49条の13) サービスの提供日及び内容、利用者の心身の状況等を記録しているか 介護予防サービス計画/サービス提供記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この一覧から読み取れることは2つあります。1つは、確認内容に「時刻」という語が出てこないこと。もう1つは、「具体的な内容」と「心身の状況等」の2つが必ず並んでいることです。つまり、経時記録で時刻をそろえても「心身の状況」が書かれていなければ足りず、叙述記録で状況を書いても「具体的な内容」が書かれていなければ足りません。記法の選択とは別に、この2つが入っているかを見る癖をつけると、どちらで書いても形が保てます。

自治体が公表している資料にみる、記録についての指摘16件

実際に自治体が公表している運営指導・集団指導の資料には、記録に関する指摘が繰り返し登場します。ここに挙げるのは、公表資料に実在するものだけです。右の列に、経時記録・叙述記録それぞれの書き方でどこに気をつけると同じ状態にならないかを添えました。

公表されている指摘 出典(自治体・資料名) 記録の書き方として押さえるところ
サービス提供記録が「特変なし」等のみで利用者の心身の状況が記録されていない 松山市介護保険課「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」(令和5年度第2回介護保険サービス事業者連絡会資料) 変化がない日こそ、何を見て変化がないと判断したのかを書く。確認した項目そのものが中身になる
訪問介護のサービス提供記録に計画上の時間を機械的に記録している 松山市介護保険課「運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」(令和5年度第2回介護保険サービス事業者連絡会資料) 経時記録の時刻は実際の時刻を書く。予定の時刻を写すと、記録が予定表の複製になる
訪問介護のサービス提供記録に実施時間・内容が一律で実態が反映されていない 堺市「令和8年度 介護保険施設・事業所等集団指導 居宅事業所編」 毎回同じ内容が並んでいないか、月に1度は自分の記録を並べて見る
サービス提供の記録に、実際の時間ではなく計画上の標準的な時間を記載していた 横浜市健康福祉局介護事業指導課「令和7年度 横浜市介護サービス事業者等集団指導講習会資料(各サービス共通編)」 開始と終了の時刻は、実際に測った時刻をその場で書く
サービス提供時間を、居宅サービス計画に記載された時間のまま記録していた 和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料(共通資料) 予定と違った日は、実際の時刻に加えて理由を叙述記録で残す
サービス提供の記録がない/記録内容と請求内容に齟齬がある 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 記録と、他の書類に書いた内容が食い違っていないかを、書いた時点で見る
提供した具体的なサービスの内容等の記録は運営指導で指摘が多い項目 熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 介護老人福祉施設」 「実施した」で終える書き方をやめ、何をどこまで行ったかを書く
到着・出発時間が記録されておらず請求した報酬区分との整合が確認できない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4 到着と出発は、経時記録の行として必ず分けて残す
事故の状況・処置が記録されておらず、原因究明や再発防止策がとられていない 北海道後志総合振興局「実地指導における主な指摘事項について」(資料3-2) 発見・確認・連絡・報告を経時記録で残し、状況と検討は叙述記録と別の様式で残す
事故発生時に家族・介護支援専門員へ連絡した記録がない/再発防止の検討が具体的でない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 連絡は、相手・手段・時刻・返答の4つを1行にそろえる
車いすテーブルによる身体拘束を行っているが、態様・時間・理由の記録を行っていなかった 和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料(共通資料) 時間は経時記録、態様と理由は叙述記録。どちらか片方では足りない
入浴等の実施が週1回のみで、実施できない理由も記録していない 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」 行わなかった日にこそ、理由と代わりに行ったことを叙述記録で残す
施設で週2回以上の入浴・清しきの実施が記録から確認できない 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け) 実施の有無が一覧で数えられる形になっているかを確認する
誤薬・転倒等を介護事故ではなくヒヤリ・ハットとして記録している 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) どちらの様式に書くかの判断基準を、事業所であらかじめ決めておく
送迎を行わなかった理由が分かる記録がない 津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」 行わなかったことも記録する。行わなかった日の行を空けない
サービス提供に関する記録の保存年限が市条例と異なっている 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」(記録の整備に関すること) 保存の年限は保険者の条例によるため、自事業所の保険者の定めを確認する

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、これらは各自治体が自らの管内について公表しているものであり、他の保険者で同じ観点が用いられるとは限りません。確認の観点、求められる様式、判断は保険者(指定権者)により異なりますので、自事業所の保険者が公表している資料をご確認ください。また、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

当日に記録を開かれたときに見られる順番

見られる順番 開かれるもの そのときに問われやすいこと 準備として決めておくこと(記入欄)
1 計画の書類 そこに書かれた目標と、日々の記録がつながっているか 目標に対応する記録の欄(    )
2 日々の記録(直近1か月分) 具体的な内容と、心身の状況の両方が書かれているか 1か月分をすぐ出せる場所(    )
3 日々の記録(同じ月の複数の利用者) 書き手が違っても、記録の形がそろっているか 決めごとの一覧の保管場所(    )
4 実際の時刻が入る欄 予定の時刻ではなく、実際の時刻が書かれているか 時刻を書く手順(    )
5 行わなかった日の記録 行わなかったこと、その理由が書かれているか 行わなかった日の書き方(    )
6 事故・けがに関する記録 発見から報告までの順序が追えるか どの様式に何を書くか(    )
7 訂正のあった記録 元の記載が読める形で残っているか 訂正の手順(    )
8 確認した人の欄 誰がいつ確認したかが分かるか 確認する人と時期(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問

経時記録と経過記録は同じものですか

同じではありません。経時記録は「時刻を追って書く」という記法の名前で、経過記録は多くの場合「様式の欄の名前」です。経過記録という欄に、経時記録で書くことも、叙述記録で書くこともあります。指示された言葉がどちらを指しているのか分からないときは、「時刻の行で書きますか、文章で書きますか」と聞き返すのが最も早く解決します。

叙述記録とナラティブ記録は違うものですか

ほぼ同じ位置づけで使われています。どちらも「出来事を文章で書く」記録を指します。ただしナラティブという言い方には「語り」の意味合いがあるため、主観や感想を自由に書いてよいと受け取られることがあります。事業所で使う言葉としては、どちらか一方に決め、書いてよい範囲もあわせて決めると混乱が起きません。

1日の記録は、時刻の行と文章のどちらで書けばよいですか

その日の主題で決まります。予定どおりに進んだ日は文章を1件、変化があった日は時刻の行を数行と文章を1件、順序が問われる日は時刻の行を中心にします。本記事の逆引き表に13の場面を挙げていますので、そこから引いてください。どちらか迷う場面では、「あとで何時ですかと聞かれそうか」を基準にすると決まります。

時刻はどこまで細かく書けばよいですか

場面によって変えます。日常の場面は5分刻みで足りることが多く、発見や連絡が続く場面では分単位が必要になります。大事なのは細かさそのものではなく、事業所の中でそろっていることです。人によって刻みが違うと、同じ場面の記録が3倍の長さになったり、逆に空白に見えたりします。決めごとの一覧に記入欄を設けていますので、そこで決めてください。

時刻が分からないときはどう書けばよいですか

分からないまま書くのが正しい書き方です。発見した時刻は書ける事実なので書き、いつ起きたかが不明であることは「確認できていない」と書き添えます。前回の確認時刻が分かる場合は「前回の確認は9時30分で、その時点では見られなかった」と幅で書くと、後から時間帯を絞れます。推測した時刻を、確かめた時刻のように書かないことだけを守ってください。

「特変なし」と書いてはいけないのですか

この言い方だけで記録を終えると、何を見て変化がないと判断したのかが残りません。自治体が公表している資料にも、記録がこの種の記載のみで心身の状況が記録されていない、という指摘が実在します。書き方としては、確認した項目を並べるのが最も簡単です。食事量、水分量、歩行の様子、言葉数の4つを見たのであれば、その4つを書けば、それがそのまま中身になります。

記録は勤務中に書くべきですか、終わってからでよいですか

どちらにするかを事業所で決め、決めた方法で統一します。その場で書くほうが時刻の正確さは保たれますが、対応が続く場面では書けないこともあります。後から書く場合は、時刻の欄には出来事があった時刻を書き、記載した時刻は様式の定めに従って別に残します。この2つを混ぜると、記録の時刻が実際と離れていきます。

あとから思い出して書き足してもよいですか

書き足すこと自体は行われています。大事なのは、書き足したことが分かる形にすることです。元の記載を消したり読めなくしたりせず、追記であることと追記した日が分かるようにします。方法は様式や記録ソフトによって異なるため、事業所の手順として決めておき、全員が同じやり方をするようにしてください。

経時記録と叙述記録を、同じ欄に混ぜて書いてもよいですか

混ぜて書くより、上段に時刻の行、下段に文章と場所を分けるほうが読みやすくなります。下段では上段の時刻を繰り返さず、上段に書けなかったこと(理由、前との比較、次の予定)だけを書きます。この形にすると、読む人は上段で順序を追い、下段で背景を読む、という同じ読み方を毎回できます。

1件の文章はどれくらいの長さが目安ですか

長さより中身の項目数で考えてください。状況・事実・ご本人の言葉・こちらの働きかけ・その後と次、の5つが入っていれば、結果として自然な長さになります。逆に、長いのに5つのうち3つしか入っていない文章は、削る余地があります。短いから薄いのではなく、項目が欠けているから薄いと考えると直しやすくなります。

新人にはどちらから教えるとよいですか

時刻の行から始めると、書ける形になるまでが早くなります。行の型(時刻・主体・起きたこと・対応・結果)は覚えやすく、書けているかどうかを自分で確かめられるためです。文章のほうは、行が安定してから5つの段を教えると入りやすくなります。いきなり文章から教えると、書ける人と書けない人の差がそのまま残ります。

記録ソフトを使う場合も、この書き方でよいですか

基本は変わりません。ソフトの画面では、時刻の欄と本文の欄が分かれていることが多く、その形はそのまま経時記録と叙述記録の分担になります。注意が要るのは、選択肢を選ぶだけで記録が完成してしまう画面です。選択肢は「具体的な内容」を埋めますが、「心身の状況」は自由に書く欄にしか入りません。そこを空にしない運用にしてください。

他の職員が対応した部分は、自分の記録に書いてよいですか

自分が見ていない部分を、見たように書くことは避けます。書く場合は「看護職員が処置を実施(詳細は看護職員の記録による)」のように、誰が行い、どの記録に本体があるかを書きます。こうしておくと、記録どうしがつながり、後から読む人が必要な記録にたどり着けます。聞き取った内容を書くときも、誰から聞いたかを添えてください。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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