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ケアプラン 長期目標・短期目標の文例120例|領域別と期間の決め方・運営指導の指摘

公開日 2026年8月2日

ケアプラン第2表の長期目標・短期目標を、生活の領域ごとに120例そろえました。あわせて、期間の決め方でつまずきやすい点を、実際に自治体が公表している運営指導の指摘から整理しています。「長期1年・短期6か月」と一律に置いていないか、この機会にご確認ください。

長期目標と短期目標は、ケアプラン第2表のなかでも最も手が止まりやすい欄です。ニーズは利用者の言葉から拾えても、それを「いつまでに」「どこまで」の形にするところで迷う——という声をよく伺います。

この記事では、生活の領域ごとに長期目標・短期目標を対にした文例を120例掲載しました。あわせて、運営指導(実地指導)で実際に指摘されている4つのパターンを、公表資料をもとに整理しています。文例をそのまま写すのではなく、期間と表現をご自身の事業所の状況に合わせて調整するための材料としてお使いください。

第2表全体の書き方はケアプラン第2表の書き方・文例を、モニタリングでの評価は介護のモニタリングの書き方をご覧ください。

長期目標と短期目標は、何が違うのか

どちらも「解決すべき課題(ニーズ)」に対して設定しますが、見ている時間の幅と、確認できる粒度が違います。

長期目標 短期目標
何を書くか ニーズが解決された状態、または維持されている状態 長期目標に近づくための、段階的で具体的な状態
時間の幅 おおむね6か月〜1年(認定有効期間内) おおむね3か月〜6か月
確かめ方 モニタリングを重ねて到達を確認する 次のモニタリングで達成・一部・未達が判断できる
主語 利用者(〜できる/〜が続けられる) 利用者(サービス側の「〜を提供する」にしない)

短期目標は「次のモニタリングで達成したかどうか判断できる粒度」が目安になります。判断できない粒度で書かれていると、モニタリングのたびに同じ記述を繰り返すことになりがちです。

期間の決め方|運営指導で実際に指摘されている4パターン

文例より先に、こちらをご確認ください。目標そのものより「期間」で指摘を受けている事例が、複数の自治体で公表されています。

指摘されている状態 公表元と内容 見直しの視点
長期目標の期間を、恒常的に認定有効期間と同じにしている 姫路市の令和6年度実地指導結果。各期間は認定有効期間内で設定することとされているものの、恒常的に認定有効期間とすることは不適切であるとされています。 認定有効期間は「上限」であって、目標期間の既定値ではない。課題ごとに必要な期間を置く
長期目標と短期目標が同一の表現・同一の期間になっている 岡山市資料の居宅サービス計画原案に関する不適切事例。あわせて「複数の利用者の計画内容が一律である」「アセスメントで把握したニーズと、計画のサービス内容が合っていない」も挙げられています。 短期目標は長期目標の途中経過。同じ言葉になるなら、どちらかの粒度が合っていない
期間が一律(長期1年・短期6か月)で固定されている/終期が書かれていない 「長期目標、短期目標の期間が正しく記載されていない」として、同一期間・終期の未記載が公表されています。 テンプレートの初期値のまま提出していないか。終期(〜年〜月〜日)まで記載する
そもそも長期目標・短期目標が定められていない 浜松市「令和6年度における主な指摘事項」(各サービス共通・計画作成関連)。あわせて「計画の説明及び同意が遅れている事例がある」も記載されています。 個別サービス計画側の目標も確認する。説明・同意の日付も同時に点検する

要件・運用は保険者・自治体により異なる場合があります。詳細は監査対策ナビおよび各自治体の公表資料をご確認ください。

領域別|長期目標・短期目標の文例120例

以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。期間・回数・サービス名は、貴事業所の実際の状況に置き換えてご使用ください。長期と短期を対にしてありますので、短期だけ差し替える、長期だけ流用する、といった使い方もできます。

1. 移動・歩行

長期目標(例) 短期目標(例)
自宅内を、転倒せずに自分で移動できる 手すりを使って、居室からトイレまで一人で歩ける
杖を使って、近所まで外出できる 週2回、玄関前まで歩いて外気に触れる
転倒せずに毎日の生活を送ることができる 立ち上がりの際に、手をつく場所を決めて実施できる
屋外の移動に必要な体力を維持できる 通所リハビリに週2回通い、歩行訓練に参加できる
車いすでの移動を、自分で行える範囲を広げる 居室内の移動を、車いすの自走で行える

2. 入浴・清潔の保持

長期目標(例) 短期目標(例)
安全に入浴し、清潔な状態を保つことができる 見守りのもとで、浴槽をまたぐ動作ができる
週2回の入浴を続けることができる 通所介護の入浴を、週2回利用できる
自分で身体を洗う習慣を続けられる 背中以外を、自分で洗うことができる
皮膚のトラブルなく過ごすことができる 入浴後の保湿を、家族の声かけで実施できる
入浴に対する不安が軽くなる 入浴の手順を決め、同じ流れで実施できる

3. 排泄

長期目標(例) 短期目標(例)
自分でトイレに行き、排泄することができる 日中はポータブルトイレを使わず、トイレで排泄できる
失禁による不快感なく過ごすことができる 起床時と就寝前に、声かけでトイレに行くことができる
排泄のリズムを整え、安心して生活できる 水分摂取の時間を決め、1日◯ml程度を摂ることができる
夜間も落ち着いて休むことができる 夜間の排泄について、動線の安全を確保できる
排泄について、人に頼る負担を軽くする 下衣の上げ下ろしを、手すりを使って自分で行える

4. 食事・栄養

長期目標(例) 短期目標(例)
1日3食を、バランスよく食べることができる 配食サービスを週3回利用し、昼食を確保できる
安全に食事を摂り、むせ込みなく過ごせる 食事中の姿勢を整え、一口量を調整して食べられる
適切な体重を維持することができる 週1回、体重を測定し記録できる
好きなものを、自分で選んで食べられる 週1回、家族と買い物に行き食材を選ぶことができる
口腔内を清潔に保ち、おいしく食べられる 毎食後の歯みがきを、声かけで実施できる

5. 服薬管理

長期目標(例) 短期目標(例)
処方された薬を、決められたとおりに飲むことができる お薬カレンダーを使って、朝の薬を自分で飲める
体調を安定させ、通院を続けることができる 飲み忘れがあった場合に、家族へ伝えることができる
薬の管理について、不安なく生活できる 訪問時に、残薬を一緒に確認することができる
症状の変化に早く気づくことができる 体温・血圧を1日1回測り、記録できる
受診の予定を、自分で把握できる 受診日をカレンダーに記入し、前日に確認できる

6. 認知症のある方の生活

長期目標(例) 短期目標(例)
住み慣れた自宅で、落ち着いて生活を続けることができる 日中の活動の時間を決め、生活のリズムを整えられる
なじみの人との関わりを保つことができる 週2回、通所介護で他の利用者と交流する機会をもてる
ご本人のペースを尊重した支援を受けられる できていることを続けられるよう、見守りの範囲を決められる
ご家族が安心して介護を続けられる ご家族が、対応に困った際に相談できる先を確保できる
安全に過ごせる環境で生活できる 外出時の連絡方法について、家族と取り決めができる

7. 家事(調理・掃除・洗濯・買い物)

長期目標(例) 短期目標(例)
衛生的な住環境で生活することができる 週2回の訪問介護で、居室と水回りの清掃ができる
できる家事を続け、生活の張りを保つことができる 洗濯物をたたむ作業を、自分で行うことができる
必要な食材や日用品をそろえることができる 週1回、ヘルパーと一緒に買い物に行くことができる
自分で簡単な調理ができる状態を保つ 下ごしらえを一緒に行い、盛り付けを自分で行える
ごみ出しを含め、生活のリズムを保てる 収集日に合わせて、ごみを玄関先まで出すことができる

8. 社会参加・外出

長期目標(例) 短期目標(例)
地域とのつながりを保ちながら生活できる 月1回、地域のサロンに参加することができる
楽しみをもって毎日を過ごすことができる 好きな趣味の時間を、週2回もつことができる
閉じこもりを防ぎ、外に出る習慣を続けられる 天気のよい日に、玄関先で30分程度過ごすことができる
人と話す機会を保つことができる 通所介護で、他の利用者と会話する場面をもてる
行きたい場所へ出かけることができる 通院以外の外出を、月1回計画することができる

9. 家族の介護負担の軽減

長期目標(例) 短期目標(例)
ご家族が、休息をとりながら介護を続けることができる 月1回、短期入所生活介護を利用することができる
ご家族が、一人で抱え込まずに相談できる 困りごとを、担当ケアマネジャーへ電話で相談できる
ご家族の就労と介護を両立することができる 日中の見守りを、通所介護の利用で確保できる
介護の方法について、家族が安心して行える 移乗の介助方法を、専門職から説明を受けて実施できる
ご家族の睡眠時間を確保することができる 夜間の対応について、家族の負担を関係者で共有できる

10. 健康管理・受診

長期目標(例) 短期目標(例)
持病を悪化させずに、在宅での生活を続けることができる 月1回の受診を、家族の付き添いで継続できる
体調の変化に早く気づき、対応することができる 訪問看護で週1回、状態の確認を受けることができる
入院せずに、自宅で過ごすことができる 急変時の連絡先と手順を、家族が把握できる
安定した状態で日常生活を送ることができる 血圧・体温を記録し、受診時に医師へ伝えられる
医療と介護の関係者が連携して支援できる 主治医とケアマネジャーの間で、状態を共有できる

11. リハビリ・機能の維持

長期目標(例) 短期目標(例)
現在の身体機能を維持し、生活を続けることができる 週2回、通所リハビリテーションに通うことができる
自宅での生活動作を、自分で行える範囲を保つ 自宅でできる体操を、1日1回行うことができる
立ち座りの動作を、安定して行うことができる いすからの立ち上がりを、手すりを使って行える
関節の動きを保ち、痛みなく過ごせる 訪問リハビリで、関節可動域訓練を継続できる
できる動作を増やし、自信をもって生活できる 洗面所まで歩いて、身支度を自分で行える

12. 看取り・終末期

長期目標(例) 短期目標(例)
ご本人とご家族の希望に沿った場所で過ごすことができる 今後の過ごし方について、ご本人・ご家族の意向を確認できる
苦痛が和らいだ状態で、穏やかに過ごすことができる 痛みや不快の訴えを、関係者が共有できる体制をつくれる
ご家族が、後悔なく寄り添うことができる ご家族が、不安なことを随時相談できる先を確保できる
必要なときに、すぐに医療につながることができる 24時間の連絡体制について、家族が把握できる
ご本人らしい時間を過ごすことができる 好きな音楽を聴くなど、日々の楽しみをもてる

目標を更新するときの文例

短期目標の期間が終わったときや、状態が変わったときの書き方です。前の目標をどう評価したかが分かる形にしておくと、モニタリング記録との整合が取りやすくなります。

場面 文例(例)
達成したので次に進める 短期目標「手すりを使ってトイレまで歩ける」は達成。次期は「日中はトイレで排泄できる」に更新する
一部達成で継続する 週2回の外出は月2〜3回にとどまっている。回数を「月2回」に見直し、継続とする
状態が変わったので変更する 下肢筋力の低下により、現行の目標では負担が大きい。「見守りのもとで立ち上がりができる」に変更する
目標の粒度を見直す 「元気に過ごす」は達成の判断が難しいため、「週2回、通所介護に参加できる」に具体化する
期間だけを延長する 入院により中断があったため、短期目標の期間を◯月◯日まで延長する(内容は変更なし)
長期目標を見直す 在宅生活の継続という方針に変更はないが、認定区分の変更に伴い長期目標の期間を再設定する

書くときに避けたい表現|言い換えの対照表

公表されている指摘に、「複数の利用者の計画内容が一律である」という指摘があります。テンプレートをそのまま使うと起こりやすいので、下記のような言い換えで個別性を出しておくと安全です。

避けたい書き方 気をつけたい理由 言い換えの例
元気に過ごす/安心して生活する 達成したかどうかを判断できない 週2回、通所介護に参加することができる
ヘルパーが掃除を行う 主語がサービス側。目標ではなくサービス内容 衛生的な住環境で生活することができる
ADLの維持 どの動作を指すのか分からない 手すりを使って、トイレまで一人で歩ける
長期・短期に同じ文言 公表事例で不適切とされている 長期は「到達した状態」、短期は「その途中経過」に書き分ける
長期1年・短期6か月(固定) 一律の期間設定は公表事例で指摘されている 課題ごとに必要な期間を置き、終期まで記載する
転倒しないようにする 否定形は、何ができれば達成かが不明確 立ち上がりの際に、手をつく場所を決めて実施できる
リハビリを頑張る 努力目標で、状態の記述になっていない 週2回、通所リハビリテーションに通うことができる
家族が協力する 利用者の目標ではない ご家族が、休息をとりながら介護を続けることができる

目標を書くときの実務注意

目標の設定・期間・様式は、保険者・自治体の運用により異なる場合があります。長期目標・短期目標の期間は認定有効期間内で設定することとされていますが、その具体的な取扱いは自治体により示され方が異なります。必ず告示・通知および貴保険者の公表資料をご確認ください。本記事の文例は記載のイメージであり、算定や適否を保証するものではありません。記録をAIに渡す運用を行う場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報の扱い(伏字・事業所内ルール)にご留意ください。

よくある質問(FAQ)

長期目標と短期目標の期間は、どのくらいが目安ですか?

長期目標はおおむね6か月〜1年、短期目標はおおむね3か月〜6か月を目安に設定されることが多いですが、いずれも認定有効期間内で設定することとされています。ただし、長期目標の期間を恒常的に認定有効期間と同じにすることは不適切とする自治体の公表事例があります。課題ごとに必要な期間を置いてください。

長期目標と短期目標が同じ文言になってしまいます。

公表事例では、長期目標と短期目標が同一の表現・同一の期間になっていることが不適切事例として挙げられています。長期目標は「ニーズが解決された状態」、短期目標は「そこに近づく途中経過」と役割が違うため、同じ言葉になる場合はどちらかの粒度が合っていない可能性があります。

短期目標はどのくらい具体的に書けばよいですか?

次のモニタリングで、達成・一部達成・未達のいずれかを判断できる粒度が目安です。「元気に過ごす」のように判断できない書き方だと、モニタリングのたびに同じ記述を繰り返すことになりがちです。

目標の主語は誰にしますか?

利用者を主語にします。「ヘルパーが掃除を行う」はサービス内容であって目標ではありません。「衛生的な住環境で生活することができる」のように、利用者の状態として書きます。

目標を更新するときは、何を書けばよいですか?

前の目標をどう評価したか(達成・一部達成・未達)と、その結果どう見直すかが分かる形にしておくと、モニタリング記録との整合が取りやすくなります。期間だけを延長する場合も、その理由を残しておくことをおすすめします。

複数の利用者で似た文例を使ってもよいですか?

公表事例では「複数の利用者の居宅サービス計画の内容が一律である」ことが不適切事例として挙げられています。文例は下書きの材料として使い、期間・回数・ご本人の言葉を個別に調整してください。

出典

  • 厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(厚生労働省ウェブサイト
  • 各自治体が公表する運営指導(実地指導)の結果・主な指摘事項(姫路市/岡山市/浜松市 ほか)。個別の指摘内容は監査対策ナビに収録しています

出典:厚生労働省ウェブサイト/各自治体の公表資料/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。指摘事項は公表時点のものであり、取扱いは保険者・自治体により異なります。文例は記載のイメージであり、適否や算定を保証するものではありません。要件・期間の定めは原典をご確認ください。

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この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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