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介護予防サービス・支援計画書の記入例|予防プランの目標の文例と書き方

介護予防ケアプラン(介護予防サービス・支援計画書)は、要支援の方の自立支援に向けた計画です。居宅の様式とは異なる点もあり、文例・対照表とともに書き方を整理します。要支援1と要支援2の違い、標準様式の各欄、モニタリングの頻度までまとめました。

緑ヘッダーの図解カード。上段は介護予防サービス・支援計画書のアセスメント4領域(①運動・移動②日常生活(家庭生活)③社会参加、対人関係・コミュニケーション④健康管理)ごとに、記入のポイントと(例)記入例(氏名は伏字A様)を並べた対照表。下段はモニタリングの面接・記録の頻度を、介護予防支援(少なくとも3月に1回の面接・1月に1回の記録/平成18年厚生労働省令第37号第30条)と居宅介護支援(少なくとも1月に1回の面接・記録/平成11年厚生省令第38号第13条)で比較。個人情報を伏字にする注記と原典確認の注意、出典二文を記載。
介護予防サービス・支援計画書のアセスメント4領域ごとの記入例と、介護予防支援・居宅介護支援それぞれの面接・記録の定め(目安)を整理した対照カードです。

介護予防ケアプランの特徴

介護予防では、「生活機能の維持・向上」と「本人のやりたいこと(意欲)」を重視します。本人が主体的に取り組めるよう、目標と具体策を一緒に考えるのが基本です。要介護のケアプラン(第1表〜第3表)とは様式そのものが異なり、「介護予防サービス・支援計画書」という1枚の様式に、アセスメント・課題・目標・支援計画までを一体で記載します。

この予防プラン文例、話すだけで下書きになります。

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要支援1と要支援2で計画書は変わる?

使用する様式は要支援1・要支援2で共通です(どちらも「介護予防サービス・支援計画書」を用います)。異なるのは、想定される生活機能の状態や、月あたりに利用できるサービス量の目安です。下表は一般的な整理であり、実際の区分や利用できるサービス量は認定結果・お住まいの保険者の運用により異なります。

観点 要支援1 要支援2
状態像の目安 基本的な生活動作はおおむね自分で行えるが、一部に見守り・手助けを要する場面がある傾向 要支援1より生活機能の低下がみられ、支援を要する場面が増える傾向
区分支給限度基準額 要支援2より低い 要支援1より高い(具体的な単位数は改定・地域区分で変わるため、原典・保険者にご確認ください)
使用する様式 介護予防サービス・支援計画書(共通) 同じ様式(共通)
計画作成の主体 地域包括支援センター(介護予防支援)/居宅介護支援事業所への委託あり 同じ
計画のねらい 生活機能の維持・向上、本人主体 同じ

つまり「様式や書き方の骨格」は要支援1・2で共通です。違いは支援量の目安として現れるため、目標と具体策の量・強度を本人の状態に合わせて調整する、と捉えると整理しやすくなります。

介護予防サービス・支援計画書の様式(主な欄)

標準様式は、平成18年3月31日 老振発0331009(厚生労働省老健局振興課長通知)で示された標準様式例が基本です。市町村ごとに独自版(ぐんま版・神奈川様式・北九州市版など)がありますが、下記の項目を骨格とする点は共通しています。標準様式では、アセスメントを次の4つの領域で整理します。

  • 運動・移動について
  • 日常生活(家庭生活)について
  • 社会参加、対人関係・コミュニケーションについて
  • 健康管理について

この4領域のアセスメントから「総合的課題」を導き、「目標」と「具体策」、そして「支援計画」へつなげます。各欄と記入のポイントを対照表にすると、どこに何を書くかが一目で分かります。

計画書の欄 記入のポイント 記入例(A様・伏字)
アセスメント領域と現在の状況 4領域ごとに、事実を客観的に。できていること・困っていることの両面を書く (例)変形性膝関節症があり、階段昇降に不安。外出時は杖を使用
本人・家族の意欲・意向 本人の言葉をそのまま。やりたいこと・大切にしていることを引き出す (例)A様「友人との買い物を自分の足で続けたい」
領域における課題(背景・原因) 「なぜそうなっているか」を整理。状態の背景にある原因を書く (例)下肢筋力の低下により長距離の歩行が難しくなっている
総合的課題 領域横断でまとめた、取り組むべき中心的な課題 (例)下肢筋力を維持し、転倒せずに外出を続けられること
目標 達成できたか判断できる、具体的で前向きな表現に (例)3か月後も週1回、友人と近所のスーパーへ歩いて出かけられる
目標達成のための具体策 実行可能な方法を。誰が何をするかを明確に (例)週1回の通所型サービスで下肢の運動を行う
本人等のセルフケア・家族の支援・インフォーマルサービス 本人が自分で取り組むこと、家族・近隣の支えを必ず書く (例)自宅で毎日10分の体操をA様自身が行う
サービス種別・事業所・期間 目標の達成期間を考慮して設定する (例)通所型サービス/◯◯デイサービス/◯月〜◯月

領域別の文例(記入例)

4つのアセスメント領域それぞれに、本人主体・生活機能の維持向上の視点で書いた文例です。氏名はA様として伏字にしています。ご自身の事業所の様式・利用者の状況に合わせて調整してください。

【運動・移動】の文例

目標:(例)友人との外出を続けられるよう、3か月後も自分で歩いて近所へ出かけられる。
具体策:(例)週1回の通所型サービスで下肢の運動を行う。自宅では毎日10分の体操をA様自身が行う。

【日常生活(家庭生活)】の文例

目標:(例)3か月後も、簡単な調理を自分で続けられる。
具体策:(例)「献立を考える」「買い物をする」をA様が担い、重い物の運搬は家族が支援する。

【社会参加・対人関係・コミュニケーション】の文例

目標:(例)人と話す機会を保ち、月2回は地域のサロンに参加できる。
具体策:(例)通所型サービスや地域の通いの場に参加。家族が送り出しの声かけを行う。

【健康管理】の文例

目標:(例)服薬と食事のリズムを保ち、体調を大きく崩さず過ごせる。
具体策:(例)お薬カレンダーで服薬を確認。1日3食と水分摂取をA様自身が意識する。

書き方のポイント

  • 「できないこと」より「したいこと・できること」から考える
  • 本人が行うセルフケアを必ず入れる(本人の欄を空欄にしない)
  • 目標は「達成できたか判断できる」表現にする(例:「歩けるようになる」より「週1回スーパーへ歩いて行ける」)
  • アセスメントの4領域と、総合的課題・目標・具体策のつながりを崩さない
  • 3か月ごとの評価で、無理なく見直す

モニタリングと評価(居宅との違い)

介護予防支援(要支援)のモニタリングは、居宅介護支援(要介護)とは頻度の考え方が異なります。現行の運営基準(平成18年厚生労働省令第37号 第30条)では、面接(居宅訪問)と記録で求められる頻度が下表のとおりです。改定で変わる可能性があるため、実務では最新の原典・保険者の運用をご確認ください。

項目 居宅介護支援(要介護) 介護予防支援(要支援)
根拠の省令 平成11年厚生省令第38号 平成18年厚生労働省令第37号
面接(居宅訪問) 少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問し面接 現行基準では、少なくとも3月に1回、利用者に面接(居宅訪問)/評価期間が終了する月・利用者の状況に著しい変化があったときは居宅訪問し面接
結果の記録 少なくとも1月に1回、記録 少なくとも1月に1回、記録

「記録は毎月・訪問面接は現行基準で3か月に1回」という頻度感が、居宅と大きく異なる点です。3か月ごとの評価(サービス評価表)で目標の達成状況を確認し、次期の計画へつなげます。

記録をAIに渡すときの個人情報の扱い

アセスメントや会議記録をAIツールで整理する場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報の取り扱いにご注意ください。氏名はA様のように伏字にする、事業所内・院内の個人情報ルールを事前に確認する、といった運用をおすすめします。本ページの記入例も、氏名はすべて伏字にしています。

作成を効率化する

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介護予防(要支援)|第2表の通し文例

以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。アセスメント結果とご本人の意向に合わせて必ず書き換えてください。岡山市の資料では「複数の利用者の居宅サービス計画の内容が一律である」ことが不適切事例として挙げられています。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
いまの元気を保って、この家で暮らし続けたい いまの生活動作を保ち、在宅生活を続けられる(1年) 週2回の運動の場に参加できる(3か月) 第1号通所事業(週2)/本人:自宅での体操
足が弱ってきた気がする 歩く力を保ち、外出を続けられる(1年) 週3回、20分の歩行を続けられる(3か月) 通所型サービス:機能訓練/本人:自主的な歩行
掃除の重労働だけがつらい 必要な家事を、支援を受けながら続けられる(1年) 週1回の支援で、住まいの清潔が保たれる(1か月) 第1号訪問事業:生活援助(週1)/本人:日常の片づけ
人と会う機会が減った 人との関わりを保ち、生活に張りが出る(1年) 週1回、地域の集まりに参加できる(3か月) 地域のサロン(インフォーマル)/通所型サービス
食事が簡単なもので済んでしまう 必要な栄養がとれ、体力を保てる(1年) 主菜のある食事を1日2回とれる(3か月) 配食サービス(保険外・週2)/本人:買い物と調理
物忘れが増えた気がして不安だ 不安が軽くなり、生活を続けられる(1年) 相談できる窓口とつながっている(1か月) 地域包括支援センターへの相談/通所型サービス
転びそうになることがある 転倒せずに、いまの生活を続けられる(1年) 住まいの危険な箇所が改善される(3か月) 住宅改修:手すり・段差解消/福祉用具貸与
お風呂の出入りに不安が出てきた 安全に入浴を続けられる(1年) 手すりを使って、浴槽の出入りができる(2か月) 福祉用具:浴槽用手すり/住宅改修
やることがなく、一日が長い 楽しみのある時間を持てる(1年) 好きな活動に週1回参加できる(3か月) 通所型サービス:本人の希望に沿った活動
この先が不安で、何をすればよいか分からない 見通しを持って、いまできることを続けられる(1年) 自分で決めた取り組みを3か月続けられる(3か月) 地域包括支援センター:定期的な面談/本人:目標の設定

介護予防(要支援)|観察項目とモニタリングの視点

短期目標の期間が終わる前に、次の項目を確認して評価します。公表資料では、実施状況の把握を行わずに一律に短期目標の期間を延長していた事例が指摘されています。

観察する項目 変化のサイン 計画への反映
歩行 距離、速度、ふらつき 運動の目標を現実的な回数に置き直す
筋力 立ち上がり、階段、握力 訓練の内容を調整する
活動量 外出の回数、家事の実施状況 活動の場を計画に位置づける
食事 主菜の頻度、体重の変化 栄養に関する支援を加える
社会参加 人と会う頻度、地域の活動 交流の場を計画に書く
認知機能 物忘れの自覚、日課の実施 相談窓口とのつながりを書く
住環境 段差、手すり、浴室の安全 住宅改修の検討を計画に位置づける
意欲 自分で決めた取り組みの継続 本人が選んだ目標を短期目標に置く

介護予防(要支援)|避けたい書き方と言い換え

姫路市の資料では、第2表の目標欄に「利用者の目標ではなく、介護者が提供すべきサービス内容が記載されていた」ことが指摘されています。目標は利用者を主語に、達成できたか判断できる形にします。

避けたい書き方 理由 言い換えの例
要介護状態にならないようにする 起きなかったことは確認しにくい いまの生活動作を保ち、在宅生活を続けられる
介護予防に取り組む 何をするのか分からない 週2回の運動の場に参加できる
筋力を維持する 量が示されていない 週3回、20分の歩行を続けられる
家事を代行する 自立支援の考え方に反する場合がある 週1回の支援で、住まいの清潔が保たれる(日常の片づけは本人)
社会参加を促す 促すのは支援者の行為である 週1回、地域の集まりに参加できる
見守る サービス内容であり、目標ではない 相談できる窓口とつながっている
意欲を引き出す 支援者側の行為であり、目標ではない 自分で決めた取り組みを3か月続けられる

第2表そのものの書き方はケアプラン第2表の書き方・文例、他の疾患は疾患別ケアプランの文例をご覧ください。

よくあるご質問

要支援1と要支援2で計画書の様式は違いますか?
使用する様式(介護予防サービス・支援計画書)は要支援1・2で共通です。異なるのは想定される状態像の目安や利用できるサービス量の目安で、区分支給限度基準額は要支援1より要支援2のほうが高く設定されています。具体的な単位数は改定や地域区分で変わるため、原典・保険者にご確認ください。
介護予防ケアプランのモニタリングはどのくらいの頻度で行いますか?
現行の運営基準(平成18年厚生労働省令第37号 第30条)では、少なくとも3月に1回の利用者への面接(居宅訪問による面接)と、少なくとも1月に1回のモニタリング結果の記録が求められています。評価期間が終了する月や、利用者の状況に著しい変化があったときは居宅を訪問し面接します。改定で変わる場合があるため、最新の原典・保険者の運用をご確認ください。
介護予防サービス・支援計画書の標準様式はどこで定められていますか?
平成18年3月31日 老振発0331009(厚生労働省老健局振興課長通知)で標準様式例が示されています。市町村ごとに独自版がありますが、示された項目を基本としつつ、様式や項目の追加・紙面の変更などの工夫は差し支えないとされています。詳しくは原典をご確認ください。
本人が行うセルフケアの欄は必ず書く必要がありますか?
介護予防では本人が主体的に取り組むことを重視するため、「本人等のセルフケア」の欄を空欄にしない書き方が基本とされています。自宅での体操や服薬確認など、本人が続けられる小さな行動を具体的に記載すると、目標とのつながりが分かりやすくなります。
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
カイポケをご利用中でなくても、神マナは単体でご利用いただけます。「マナドライブ」で帳票類の管理・網羅もでき、まず神マナを導入して後からカイポケを連携することも可能です。なお他社サービスの料金体系は変動する場合があるため、詳細は各社の最新情報をご確認ください。カイポケの導入をご希望の際は、当社からサポート担当へお繋ぎします。詳しくは「カイポケ導入相談・お見積り」の案内ページをご覧ください。

出典:厚生労働省ウェブサイト(指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号)/介護予防サービス・支援計画書の標準様式(平成18年3月31日 老振発0331009))/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。制度の詳細・最新の改定内容は原典およびお住まいの保険者にご確認ください。

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場面別|介護予防(要支援)の観察と記録の文例

介護予防(要支援)の方の記録で、その日の変化が伝わる書き方を場面ごとにまとめました。時刻と数字を入れるのが要点です。

場面 記録の文例
目標 「近所まで買い物に歩いて行く」を本人と決めた。
歩行 屋外を200m、休まず歩ける。前月は150mだった。
運動 自宅で体操を週4回。記録表に印をつけられている。
筋力 いすからの立ち上がりが30秒で12回。前回は10回。
バランス 片足立ちが右8秒、左6秒。
外出 週2回、買い物に出られている。
社会参加 地域の体操教室に月2回参加。
食事 1日3食とれている。たんぱく質を意識した献立に変えた。
体重 52.6kg。前月から変化なし。
口腔 口腔体操を毎日実施。むせは減っている。
服薬 3種類を自己管理。飲み忘れなし。
家事 掃除と洗濯を自分で続けられている。
物忘れ 予定を手帳に書いて管理できている。
気持ち 「もう少し歩けるようになりたい」と話される。
転倒 この6か月で転倒なし。
住環境 浴室に滑り止めマットを設置した。
注意点 外出の回数が減る、体重が減る、歩く速さが落ちるときは、状態の低下を疑って評価し直す。
連携 地域包括支援センターと目標の達成状況を共有している。

本ページは令和8年6月改定時点の制度に沿って整理しています。様式・要件・単位数は改定により変わります。最新の内容は、厚生労働省の告示・通知および所管の保険者(自治体)の案内でご確認ください。

総合事業と地域資源の位置づけは地域包括ケアシステムとはにまとめています。

アセスメント領域別|9つの欄を通しで書いた完成文(4領域・12場面・120文)

介護予防サービス・支援計画書がむずかしいのは、欄が多いからではなく、欄と欄が1本の線でつながっていないと読めない様式だからです。「アセスメント領域と現在の状況」で拾った事実が「領域における課題(背景・原因)」で説明され、それが「総合的課題」に束ねられ、「課題に対する目標と具体策の提案」として本人に返され、「具体策についての意向」で本人の言葉を受けてから「目標」に落ち、「目標についての支援のポイント」「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス」「介護保険サービスまたは地域支援事業」で誰が何をするかに分かれます。1つの欄だけを直しても、上流と下流がずれていれば読み手には伝わりません。

ここでは、その10欄を1人分ぶん通しで書いた完成文を、4つのアセスメント領域それぞれ3場面ずつ、合計12場面ぶん置きます。氏名はB様〜M様として伏字にし、数値・時刻・回数・距離を必ず入れています。ご自身の事業所の様式や保険者の独自版に合わせて、欄名と分量を調整してご利用ください。

運動・移動について|10欄を通しで書いた完成文(3場面)

この領域でよく止まるのは「歩行が不安定」「外出が減った」で終わってしまう書き方です。いつと比べてどれだけ減ったのか、そして減った理由が痛みなのか、自信なのか、体力なのかを分けて書くと、そのあとの目標が自然に決まります。3場面は、①B様(80代女性・独居/変形性膝関節症で膝の痛みがあり外出が減った)、②C様(70代男性・妻と二人暮らし/玄関先で転倒し骨折はなかったが自信を失っている)、③D様(80代男性・独居/肺炎で2週間入院し退院直後の体力低下がある)です。

場面 計画書の欄 そのまま貼れる完成文(氏名は伏字)
①B様 アセスメント領域と現在の状況 両膝に変形性膝関節症がある。起床後30分ほど膝のこわばりがあり、階段は手すりを使って一段ずつ下りている。屋外は杖を使い、休まず歩けるのは約150m。買い物は週1回、徒歩5分のスーパーまで。1年前は週3回、徒歩10分の商店街まで歩いていた。
①B様 本人・家族の意欲・意向 B様「膝が痛いからと家にいると、かえって弱る気がする。週に一度でいいから、自分の足で商店街まで買い物に行きたい」。長女(車で20分の距離に居住)「毎週は付き添えないが、月2回の通院同行と、米や飲料など重い物の運搬は続けたい」。
①B様 領域における課題(背景・原因) 屋外を休まず歩ける距離が1年で約300mから150mへ減っている。背景には、膝の痛みを避けて歩く機会そのものを減らしたことによる下肢筋力の低下がある。痛みの強い日に外出を取りやめる判断が続いた結果、歩かないことがさらに歩けない状態を招く流れになっている。
①B様 総合的課題 膝の痛みと付き合いながら歩く機会を保ち、買い物という生活の用事を自分の足で続けられること。
①B様 課題に対する目標と具体策の提案 膝のこわばりが軽い午前中に歩く習慣を戻すこと、下肢の筋力を保つ運動を週2回続けること、1回に運ぶ荷物を軽くする買い方へ切り替えることを提案した。
①B様 具体策についての意向 本人・家族 B様「午前中なら膝の調子がよいので、その時間に歩くのならできそう。体操は教わった形でないと自信がない」。長女「重い物はまとめて運ぶので、日々の少しの買い物は本人に続けてほしい」。
①B様 目標 (長期・6か月)週1回、片道約400mの商店街まで杖を使って歩いて買い物に行ける。(短期・3か月)屋外を休まず250m歩ける。
①B様 目標についての支援のポイント 歩いた距離とその日の膝の痛みの程度を、B様自身が同じ用紙に記録する形にする。痛みが強い日は距離を短くしてよいと最初に決めておき、外出そのものを取りやめない運び方にする。通所での運動は、立ち上がりと階段昇降を含む内容を担当職員と共有する。
①B様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス B様:毎朝、膝周りの運動を10分行い、午前中の屋外歩行を週3回、居間のカレンダーに印をつける。長女:月2回の通院同行と、米・飲料など重い物の買い物。近隣の知人:週1回、商店街への同行(インフォーマル)。
①B様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス(機能訓練を含む)週2回。歩行補助つえの福祉用具貸与について、必要な理由を担当者会議で検討のうえ計画に記載する。地域支援事業の通いの場(体操教室)月2回。
②C様 アセスメント領域と現在の状況 3か月前、朝7時ごろ玄関の上がりかまち(高さ約18cm)で転倒。受診の結果、骨折はなかった。以後、屋外歩行は妻の付き添いがある週1回の通院のみとなり、1日の歩数は転倒前の約4,000歩から約900歩に減っている。屋内は伝い歩きで移動している。
②C様 本人・家族の意欲・意向 C様「また転ぶのが怖い。でも、朝の犬の散歩は自分の役目だったので戻したい」。妻「付き添えば歩けるのは分かっているが、目を離すのが不安で、つい自分がやってしまう」。
②C様 領域における課題(背景・原因) 転倒後3か月で歩数が約4分の1に減っている。背景にあるのは身体機能の低下だけではなく、転倒の再発への不安から本人が外出を控え、妻も見守りきれない場面を避けて活動を代わりに行ってきたことである。玄関の段差に手すりがなく、履物が脱げやすいサンダルであることも、不安を裏づける環境要因になっている。
②C様 総合的課題 転倒への不安を減らす環境と手順を整え、中断している朝の散歩という役割を取り戻せること。
②C様 課題に対する目標と具体策の提案 玄関の段差に手すりを設けること、かかとの固定される靴に替えること、まず妻と一緒に自宅前50mから歩き始め、距離を段階的に伸ばすことを提案した。
②C様 具体策についての意向 本人・家族 C様「手すりがあるなら、自分で靴を履いて出られると思う。いきなり遠くはこわいので、家の前からなら」。妻「最初の2週間は一緒に歩く。慣れたら見送りにしたい」。
②C様 目標 (長期・6か月)朝、1人で自宅周辺を約800m、犬の散歩に出られる。(短期・2か月)妻と一緒に、自宅前の道を1日200m歩ける日が週4日ある。
②C様 目標についての支援のポイント 「転ばないこと」を目標にせず、歩いた距離と日数を数える形にする。妻が代わりに行っている動作を1つずつ本人へ戻す順番(履物→玄関の昇降→自宅前の歩行→近隣まで)をあらかじめ共有し、戻した動作を支援経過に日付で残す。
②C様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス C様:起床後に足首と膝の運動を各10回行い、歩いた日をカレンダーに記入する。妻:最初の2週間の同行と、雨天時の代替として屋内での足踏み運動の声かけ。長男(隣市):月1回の来訪時に自宅周辺を一緒に歩く。
②C様 介護保険サービスまたは地域支援事業 玄関の手すり設置について住宅改修の相談を行い、検討の経過を支援経過に記載する。通所型サービス週1回(バランスと立ち上がりの運動)。地域支援事業の介護予防教室(転倒予防)への参加。
③D様 アセスメント領域と現在の状況 肺炎で14日間入院し、10日前に退院。入院前は屋外を杖なしで約1km歩けていたが、現在は屋内の伝い歩きが中心で、屋外は自宅前の10mで息切れがある。体重は入院前より3.2kg減少。退院時の指導は「少しずつ動く」とされている。
③D様 本人・家族の意欲・意向 D様「入院前は毎日、駅前の喫茶店まで歩いていた。あそこまで戻りたい」。次男(週1回来訪)「無理をして再入院になるのが心配。どこまでやってよいのか教えてほしい」。
③D様 領域における課題(背景・原因) 2週間の臥床と食事量の低下により、下肢の筋力と持久力が入院前の水準から落ちている。加えて、どこまで動いてよいかの目安が本人・家族に共有されていないため、動くこと自体を控える状態が退院後10日間続いている。
③D様 総合的課題 再入院を避けながら活動量を段階的に戻し、入院前の外出(駅前の喫茶店までの往復)を再開できること。
③D様 課題に対する目標と具体策の提案 1日の歩行距離を週単位で段階的に増やすこと、食事の回数と主菜の有無を記録すること、息切れや発熱があったときの連絡先と目安を1枚にまとめて自宅に貼ることを提案した。
③D様 具体策についての意向 本人・家族 D様「歩く距離を紙に書いてくれれば、そのとおりにやる」。次男「連絡の目安が書いてあれば、週1回の来訪でも判断できる」。
③D様 目標 (長期・6か月)片道約600mの駅前まで、休憩を1回はさんで歩いて行ける。(短期・1か月)自宅周辺を1日150m、週5日歩ける。
③D様 目標についての支援のポイント 退院直後は状態が変わりやすいため、短期目標の期間を1か月とし、達成状況をふまえて次の距離を決める。医療系サービスを位置づけるにあたり、主治の医師等の指示・意見を確認した経過を支援経過に記録し、作成した計画を主治の医師等に交付する。
③D様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス D様:朝夕に自宅前を歩き、距離と息切れの有無を記録用紙に記入する。1日3食、主菜を必ず1品とる。次男:週1回の来訪時に記録用紙を確認し、食材の買い出しを行う。近隣の民生委員:平日の見守りの声かけ(インフォーマル)。
③D様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス週2回(持久力と下肢筋力の運動、体重測定)。訪問型サービス週1回(買い物と居室内の環境整備)。地域支援事業の栄養に関する相談の利用を検討する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

日常生活(家庭生活)について|10欄を通しで書いた完成文(3場面)

家庭生活の領域は「調理が困難」「掃除ができない」という動作の可否だけを書くと、支援が家事の代行に寄っていきます。何が残っていて、どこから手が回らなくなったのかを分けて書くと、本人が担い続ける部分が自然に残ります。3場面は、④E様(70代女性・独居/体重が減り、食事が簡単なもので済んでいる)、⑤F様(80代女性・長男夫婦と同居/軽度の認知機能低下があり買い物の重複と火の消し忘れがある)、⑥G様(70代女性/要介護3の夫を自宅で介護しており、自分のことが後回しになっている)です。

場面 計画書の欄 そのまま貼れる完成文(氏名は伏字)
④E様 アセスメント領域と現在の状況 独居。調理は自分で行っているが、直近1か月の食事はパンと汁物、麺類が中心で、主菜のある食事は1日1回程度。体重は6か月で4.1kg減少し、現在46.8kg。買い物は徒歩8分のスーパーへ週1回、重い物を避けて少量ずつ購入している。
④E様 本人・家族の意欲・意向 E様「一人分を作るのが面倒で、つい簡単なもので済ませてしまう。でも台所に立つこと自体はやめたくない」。長男(電話で週1回)「食事が細くなっているのは気になるが、母は人に台所を触られるのを嫌がる」。
④E様 領域における課題(背景・原因) 体重が6か月で4.1kg減っている。背景には、一人分の調理に手間がかかることと、買い物で重い物を持てないために肉・魚・豆腐などの主菜の材料が買いにくいことがあり、結果として主菜のない食事が続いている。調理そのものの技術や意欲が失われているわけではない。
④E様 総合的課題 台所に立つ生活を続けたまま、主菜のある食事の回数を増やし、体重の減少を止められること。
④E様 課題に対する目標と具体策の提案 主菜の材料を運ぶ部分だけを支援に置き換えること、常備しやすい食材を一緒に選ぶこと、月1回の体重測定を記録することを提案した。調理そのものはE様が続ける形とした。
④E様 具体策についての意向 本人・家族 E様「材料さえあれば作る。運んでもらうだけなら助かる」。長男「週1回の配食であれば費用も出せる。体重は電話のときに聞くようにする」。
④E様 目標 (長期・6か月)体重46kgを下回らず、台所での調理を自分で続けられる。(短期・3か月)主菜のある食事を1日2回とれる日が、週5日以上ある。
④E様 目標についての支援のポイント 「栄養状態の改善」ではなく、主菜の回数と体重という数えられる形で目標を置く。台所に他者が入る支援は本人の意向に沿わないため、買い物の運搬と食材の提案に限る。体重は同じ曜日・同じ時刻に測る手順を決めて記録用紙に残す。
④E様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス E様:毎日の食事内容を1行ずつ記録用紙に書き、毎週日曜の朝に体重を測る。長男:週1回の電話で体重と食事の記録を確認する。近隣の友人:月2回、一緒にスーパーへ買い物に行く(インフォーマル)。
④E様 介護保険サービスまたは地域支援事業 訪問型サービス週1回(買い物の同行と重い物の運搬)。配食サービス週2回(保険外)。地域支援事業の栄養改善に関する取組の利用を検討する。
⑤F様 アセスメント領域と現在の状況 長男夫婦と同居(日中は独居)。買い物は自分で行っているが、直近1か月で同じ調味料を3本購入。台所のやかんを火にかけたまま居間に戻る場面が、長男の妻の確認で2回あった。洗濯と洗濯物たたみは毎日行えており、手順の間違いはない。
⑤F様 本人・家族の意欲・意向 F様「まだ自分のことは自分でできる。台所を取り上げられるのは嫌だ」。長男の妻「火が心配で、日中に何度も電話をしてしまう。全部やってあげるのが良いとも思えず、どこまで任せてよいか分からない」。
⑤F様 領域における課題(背景・原因) 買い物の重複と火の消し忘れが生じている。背景には、記憶の保持がむずかしくなってきたことに加え、在庫が見えない収納と、消し忘れに気づけない台所の環境がある。一方で、手順が体に入っている洗濯などの家事は、支援がなくても最後まで行えている。
⑤F様 総合的課題 できている家事を続けられるように環境を整え、火の扱いと在庫の管理について本人と家族の双方が安心できる形をつくること。
⑤F様 課題に対する目標と具体策の提案 在庫が見える収納に替えること、買い物メモを冷蔵庫の扉に固定すること、自動で消える調理器具への切り替えを家族と検討すること、日中の様子を第三者が定期的に確認する場をつくることを提案した。
⑤F様 具体策についての意向 本人・家族 F様「メモを見て買うのは前からやっていた。書く場所が決まっているならその方がよい」。長男の妻「調理器具の交換はこちらで手配できる。日中に誰かが見てくれるなら、電話の回数を減らせる」。
⑤F様 目標 (長期・6か月)これまでどおり自分の家事を続けながら、日中を安心して過ごせる。(短期・3か月)買い物メモを使って買い物ができ、同じ物の重複購入が月1回以内になる。
⑤F様 目標についての支援のポイント 「見守る」「注意する」は支援者の行為であり目標にはしない。重複購入の回数、火にかけたまま離れた回数といった数えられる事実で評価する。取り上げる支援ではなく、環境を替えて本人が続けられる形にすることを担当者会議で共有する。
⑤F様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス F様:買い物前に冷蔵庫の扉のメモを確認し、買った物にチェックを入れる。洗濯は従来どおり毎日行う。長男の妻:調味料の在庫を見える位置に移し、週1回一緒に確認する。長男:自動で消える調理器具への交換手配。近隣の友人:週1回の来訪(インフォーマル)。
⑤F様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス週2回(日中の活動の場と体調の確認)。地域支援事業の通いの場(月2回)。物忘れに関する相談を地域包括支援センターで継続する。
⑥G様 アセスメント領域と現在の状況 要介護3の夫を自宅で介護している。夫の夜間のトイレ介助で1日2〜3回起きており、G様の睡眠は連続3時間程度。自身の受診(高血圧)は3か月間受けられていない。掃除は週1回から月1回に減り、食事は夫の分を作った残りで済ませている。
⑥G様 本人・家族の意欲・意向 G様「主人のことは自分で見たい。ただ、このままでは自分が先に倒れると思う」。長女(隣県)「月に1度しか帰れない。母が自分の受診に行ける時間だけでも作りたい」。
⑥G様 領域における課題(背景・原因) 自身の受診と家事が3か月にわたり後回しになっている。背景には、夫の夜間介助による睡眠の分断と、日中に家を空けられない状況がある。介護を続ける意思は明確であり、家事や受診の能力が落ちているわけではなく、時間そのものが確保できていないことが原因である。
⑥G様 総合的課題 夫の介護を続けながら、自身の受診と睡眠を確保できる時間を生活の中につくること。
⑥G様 課題に対する目標と具体策の提案 夫の担当支援専門員と連携して日中に家を空けられる時間を確保すること、その時間に自身の受診を組み込むこと、掃除のうち負担の大きい部分だけを支援に置き換えることを提案した。
⑥G様 具体策についての意向 本人・家族 G様「主人が出かけている時間なら、病院にも行けるし、少し眠れると思う」。長女「月1回の帰省を、母の受診日に合わせる」。
⑥G様 目標 (長期・6か月)夫の介護を続けながら、自身の受診を毎月受けられる。(短期・3か月)平日の日中に、自分のために使える時間を週2回、それぞれ4時間確保できる。
⑥G様 目標についての支援のポイント 本人が担い続けたい部分(夫の食事と身の回りの世話)と、置き換えてよい部分(浴室・窓の掃除)を最初に線引きし、計画に書き分ける。夫側の計画作成者と支援日を突き合わせ、双方の計画に同じ曜日が記載されているかを確認する。
⑥G様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス G様:確保できた時間のうち1回を受診に、1回を休息にあてる。血圧を朝1回測って記録する。長女:月1回の帰省を受診日に合わせ、当日の付き添いを行う。近隣の知人:買い物の代行を週1回(インフォーマル)。
⑥G様 介護保険サービスまたは地域支援事業 訪問型サービス週1回(浴室・窓など負担の大きい掃除)。地域支援事業の介護をしている家族の集まりへの参加を月1回。夫の利用する通所サービスの曜日について、夫の担当支援専門員と調整する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

社会参加・対人関係・コミュニケーションについて|10欄を通しで書いた完成文(3場面)

この領域は「社会参加が乏しい」「閉じこもりがち」と書いて終わりやすい欄です。いつまで何に参加していて、何をきっかけに途切れたのかを書くと、戻す先が具体的に決まります。3場面は、⑦H様(80代男性・独居/配偶者の死去後に外出が途切れた)、⑧I様(70代女性/難聴で会話が億劫になり集まりから足が遠のいた)、⑨J様(80代男性/人の世話にはならないとしてサービスの利用を断っている)です。

場面 計画書の欄 そのまま貼れる完成文(氏名は伏字)
⑦H様 アセスメント領域と現在の状況 8か月前に妻が死去。以後、外出は週1回の通院と、月2回のコンビニエンスストアでの買い物のみ。妻の存命中は毎週土曜に地区の囲碁の会に参加していたが、8か月間参加していない。1日の会話は、配達員とのやりとり程度。
⑦H様 本人・家族の意欲・意向 H様「囲碁は40年やってきた。行きたい気持ちはあるが、今さら顔を出しづらい」。長男(車で1時間)「月1回は様子を見に行くが、父から会の話が出たのは久しぶりだった」。
⑦H様 領域における課題(背景・原因) 人と交わる機会が8か月間ほぼ失われている。背景には、外出のきっかけが妻との同行に依存していたことと、途切れた期間が長くなったために再び顔を出しにくくなっていることがある。移動そのものは自立しており、身体機能が参加を妨げているわけではない。
⑦H様 総合的課題 40年続けてきた囲碁の会への参加を再開し、週単位で人と関わる機会を生活に戻すこと。
⑦H様 課題に対する目標と具体策の提案 会の世話役へ地域包括支援センターから連絡して再開の段取りをつけること、最初の1〜2回は同行者を確保すること、参加した日を本人が記録することを提案した。
⑦H様 具体策についての意向 本人・家族 H様「誰かが一緒に行ってくれる最初の一回さえあれば、あとは1人で行ける」。長男「最初の1回は自分が合わせて帰省する」。
⑦H様 目標 (長期・6か月)毎週土曜の囲碁の会に、1人で参加できる。(短期・3か月)月2回、囲碁の会に参加できる。
⑦H様 目標についての支援のポイント 「社会参加を促す」は支援者側の行為であり、目標には置かない。参加した回数を本人が数える形にする。再開の最初の1回をいつ、誰と行うかを日付で決め、支援経過に残す。会の世話役への連絡は、本人の同意を得たうえで行う。
⑦H様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス H様:参加した日をカレンダーに丸印で記録し、外出のない日は自宅前を10分歩く。長男:初回の同行と、月1回の来訪時に記録の確認。地区の囲碁の会の世話役:開催日の前日に電話連絡(インフォーマル)。
⑦H様 介護保険サービスまたは地域支援事業 地域支援事業の通いの場(月2回)への参加。地域包括支援センターによる月1回の面談を継続する。通所型サービスについては、囲碁の会の参加状況をふまえて次期に改めて検討する。
⑧I様 アセスメント領域と現在の状況 両耳の難聴があり、補聴器は3年前に購入したが「雑音がうるさい」として半年前から使用していない。地域の茶話会には月2回参加していたが、直近4か月は参加なし。電話は聞き取りにくく、家族との連絡は文字のやりとりに変わっている。
⑧I様 本人・家族の意欲・意向 I様「聞き返してばかりで、相手に悪い。行かなくなったのはそのため。本当は人と話すのは好き」。次女「補聴器を調整に出せば変わるかもしれないが、母が受診をいやがる」。
⑧I様 領域における課題(背景・原因) 茶話会への参加が4か月途絶えている。背景には、難聴により会話の輪に入りづらいことに加え、補聴器が本人の聞こえに合っておらず使用されていないことがある。参加への意欲は保たれており、人との関わりを望まなくなったわけではない。
⑧I様 総合的課題 聞こえの環境を整え、会話に加われる形をつくったうえで、茶話会への参加を再開できること。
⑧I様 課題に対する目標と具体策の提案 補聴器の調整のための受診に同行すること、茶話会の場で座る位置と筆談の道具をあらかじめ用意すること、まずは少人数の集まりから参加を再開することを提案した。
⑧I様 具体策についての意向 本人・家族 I様「調整で聞こえるようになるなら、一度は行ってみる。人数が少ないところからなら気が楽」。次女「受診の日は仕事を調整して付き添う」。
⑧I様 目標 (長期・6か月)月2回の茶話会に参加し、会話に加われる。(短期・3か月)補聴器を調整し、日中4時間以上使用できる日が週5日ある。
⑧I様 目標についての支援のポイント 参加の回数だけでなく、補聴器の使用時間という前提条件を短期目標に置く。会の世話役へ、正面から話しかける・大人数で同時に話さないといった配慮を本人の同意のうえで伝える。医療機関の受診に関する事項は、主治の医師等の意見を確認した経過を記録に残す。
⑧I様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス I様:補聴器を毎朝装着し、使用した時間をカレンダーに記入する。電池の交換を自分で行う。次女:受診の同行と、月1回の電話(文字のやりとりを併用)。茶話会の世話役:座席を出入口側に用意する配慮(インフォーマル)。
⑧I様 介護保険サービスまたは地域支援事業 地域支援事業の通いの場(茶話会)月2回。通所型サービス週1回(少人数の活動の場)。補聴器の調整については、専門医への受診と、その後の使用状況の確認を計画に位置づける。
⑨J様 アセスメント領域と現在の状況 元自営業。要支援1の認定を受けたが、これまで介護保険サービスの利用はない。屋外歩行は自立しているが、直近3か月で外出は週1回の買い物のみ。近隣との行き来は途絶えており、認定調査時に「人の世話になるくらいなら家にいる」と話している。
⑨J様 本人・家族の意欲・意向 J様「デイサービスというのは、世話をしてもらう場所だろう。自分はまだそこまでではない」。長女「本人が納得しないものを勧めても続かないと思う。ただ、このまま家にこもるのは心配」。
⑨J様 領域における課題(背景・原因) 外出と人との関わりが週1回まで減っている。背景には、身体機能ではなく、支援を受けることが自立の否定にあたるという本人の受け止めがある。「世話をされる場」という理解のままでは、どの提案も同じ理由で見送られる流れが続く。
⑨J様 総合的課題 本人が支援を受け身のものと受け止めずにすむ関わり方を選び、外出と人との関わりの機会を保てること。
⑨J様 課題に対する目標と具体策の提案 「世話をしてもらう」形ではなく、本人が役割を持てる場(地区の見守り活動の協力者、通いの場の運営の手伝い)から始めること、サービスの利用は本人が必要と判断した時点で改めて検討することを提案した。
⑨J様 具体策についての意向 本人・家族 J様「手伝う側なら行ってもいい。世話をされるのは今はいい」。長女「本人が自分で決めた形なら続くと思う。3か月ごとに様子を教えてほしい」。
⑨J様 目標 (長期・6か月)地域の集まりに月2回以上、自分の役割をもって参加できる。(短期・3か月)地区の行事に1回以上、協力する立場で参加できる。
⑨J様 目標についての支援のポイント 提案を見送られた事実と理由を、そのつど支援経過に本人の言葉で残す。断られた記録は次の提案の材料になる。サービスを位置づけない期間も、面接と記録は基準に沿って続け、本人の状態が変わった時点で改めて提案する段取りを計画に書いておく。
⑨J様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス J様:地区の見守り活動の協力者として、月2回の声かけ活動に参加する。毎日、自宅周辺を20分歩く。長女:月1回の来訪と電話。自治会の役員:行事の日程の連絡(インフォーマル)。
⑨J様 介護保険サービスまたは地域支援事業 地域支援事業の通いの場(運営の手伝いを含む)月2回。地域包括支援センターによる3か月ごとの面接。介護保険サービスの利用は、本人の意向と状態の変化をふまえて次期に改めて検討する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

健康管理について|10欄を通しで書いた完成文(3場面)

健康管理の領域は、医療の内容をそのまま書き写すと計画になりません。本人が自分で続けられる行動に翻訳できているかが、この欄の分かれ目です。3場面は、⑩K様(70代男性/2型糖尿病の自己管理が続かない)、⑪L様(80代女性・独居/服薬の飲み忘れが増えた)、⑫M様(80代女性/慢性心不全で体重と息切れの管理が必要な状態)です。

場面 計画書の欄 そのまま貼れる完成文(氏名は伏字)
⑩K様 アセスメント領域と現在の状況 2型糖尿病で内服治療中。月1回受診しており、直近の受診で主治医から食事と運動について指導を受けている。食事は昼が菓子パン中心、夕食後に間食の習慣がある。歩行は自立しているが、日中の外出は週1回。体重は1年で5.8kg増加。
⑩K様 本人・家族の意欲・意向 K様「先生に言われるのは分かっているが、何をどれだけ減らせばいいのか分からない」。妻「私が言うと喧嘩になる。第三者から具体的に言ってもらった方がよい」。
⑩K様 領域における課題(背景・原因) 1年で体重が5.8kg増えている。背景には、日中の活動量が週1回の外出にとどまっていることと、受けた指導が「食事に気をつける」という一般的な言い方で本人の生活に置き換えられていないことがある。取り組む意思はあり、方法が具体化されていないことが続かない原因になっている。
⑩K様 総合的課題 主治医の指導を本人が毎日続けられる行動に置き換え、活動量と食事の習慣を整えられること。
⑩K様 課題に対する目標と具体策の提案 夕食後の間食を1日1回までとする、昼食に主菜を1品加える、日中の歩行を週3回30分行うという3つに絞って提案した。数値目標は主治の医師等の意見を確認したうえで設定することとした。
⑩K様 具体策についての意向 本人・家族 K様「3つくらいなら覚えられる。歩くのは午前中なら行ける」。妻「私は口を出さず、記録用紙を冷蔵庫に貼るところまでにする」。
⑩K様 目標 (長期・6か月)自分で決めた食事と運動の取り組みを続け、月1回の受診を欠かさない。(短期・3か月)週3回30分の歩行と、間食を1日1回までとする記録を、週5日以上つけられる。
⑩K様 目標についての支援のポイント 血糖値や体重の目標値は計画作成者が定めず、主治の医師等に確認した内容を記録したうえで扱う。医療系サービスを位置づける場合は、主治の医師等の指示・意見を確認した経過を残し、作成した計画を主治の医師等に交付する。取り組みは3つを超えて増やさない。
⑩K様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス K様:午前中に30分歩き、歩いた日と間食の回数を記録用紙に記入する。月1回の受診に自分で行く。妻:記録用紙を冷蔵庫に貼り、内容には口を出さない。近隣の知人:週1回、一緒に歩く(インフォーマル)。
⑩K様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス週1回(運動と体重測定、記録の確認)。地域支援事業の健康づくりに関する教室への参加を月1回。受診結果の共有について、本人の同意のうえで主治の医師等と連絡をとる。
⑪L様 アセスメント領域と現在の状況 独居。高血圧と骨粗鬆症で朝・夕に計4種類を内服。訪問時に薬袋を確認したところ、直近2週間で朝の分が4回分残っていた。本人に自覚はない。血圧は測定器を持っているが、記録はしていない。受診は月1回、長女が同行している。
⑪L様 本人・家族の意欲・意向 L様「飲んでいるつもりだった。飲み忘れているなら、分かるようにしたい」。長女「毎日は通えないので、離れていても確認できる形にしてほしい」。
⑪L様 領域における課題(背景・原因) 2週間で朝の内服が4回分残っている。背景には、朝食の時間が日によって前後し、服薬の時点が生活の中で固定されていないことと、飲んだかどうかを後から確かめられる形になっていないことがある。薬の種類や飲み方を理解できていないわけではない。
⑪L様 総合的課題 服薬の時点を毎日の生活の中に固定し、飲んだかどうかを本人と家族の双方が確認できる形をつくること。
⑪L様 課題に対する目標と具体策の提案 曜日ごとに区切られた服薬カレンダーを食卓に置くこと、朝食後すぐに服薬する順番に固定すること、血圧を朝1回測って同じ用紙に記録することを提案した。薬の一包化については薬局に相談することとした。
⑪L様 具体策についての意向 本人・家族 L様「カレンダー式なら、残っていればすぐ分かる。血圧も測るだけならできる」。長女「月1回の受診のときに、その用紙を先生に見せるようにする」。
⑪L様 目標 (長期・6か月)服薬と血圧の記録を自分で続け、受診時に主治の医師等へ示せる。(短期・1か月)1週間の飲み残しが0回の週が、4週のうち3週以上ある。
⑪L様 目標についての支援のポイント 「服薬管理を行う」ではなく、飲み残しの回数という数えられる形にする。訪問時に服薬カレンダーの残数を実際に見て、その数を記録に書く。薬の内容や一包化の可否は薬局・主治の医師等に相談し、やりとりの経過を支援経過に残す。
⑪L様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス L様:朝食後すぐに服薬し、服薬カレンダーの袋を切り取る。起床後に血圧を測り、同じ用紙に記入する。長女:月1回の受診同行と、週2回の電話での確認。近隣の民生委員:平日の見守りの声かけ(インフォーマル)。
⑪L様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス週1回(血圧測定と記録の確認)。訪問型サービス週1回(居室内の環境整備と、服薬カレンダーの残数の確認)。薬局への相談を計画に位置づけ、結果を次回のモニタリングで確認する。
⑫M様 アセスメント領域と現在の状況 慢性心不全で内服治療中。2年間で入院が2回あり、直近は9か月前。平地の歩行は続けられるが、坂道では50mほどで息切れがある。体重計は自宅にあるが測定していない。夕方に足のむくみを自覚する日が週2〜3日ある。
⑫M様 本人・家族の意欲・意向 M様「入院はもうしたくない。何に気をつければ入院せずにすむのか知りたい」。長男(同一市内)「悪くなる前の兆しが分かれば、早めに受診に連れて行ける」。
⑫M様 領域における課題(背景・原因) 2年で2回の入院があり、再入院への不安が強い。背景には、体重やむくみといった変化の兆しを日々確認する手段が生活に入っていないことがある。受診と服薬は続けられており、治療への姿勢が課題になっているわけではない。
⑫M様 総合的課題 体調の変化の兆しを毎日の記録で早くつかみ、受診につなげて在宅での生活を続けられること。
⑫M様 課題に対する目標と具体策の提案 毎朝、同じ時刻に体重を測って記録すること、むくみと息切れの有無を同じ用紙に残すこと、連絡の目安と連絡先を1枚にまとめて電話のそばに貼ることを提案した。連絡の目安は主治の医師等に確認した内容を記載することとした。
⑫M様 具体策についての意向 本人・家族 M様「毎朝はかるだけなら続けられる。何kg増えたら電話するのかを書いておいてほしい」。長男「その紙が家にあれば、私も判断できる」。
⑫M様 目標 (長期・6か月)体調の記録を続けながら、入院せずに自宅での生活を続けられる。(短期・3か月)毎朝の体重測定と記録を、週6日以上続けられる。
⑫M様 目標についての支援のポイント 連絡の目安となる数値は計画作成者が決めず、主治の医師等に確認した内容をそのまま記載し、確認した経過を支援経過に残す。記録用紙は本人と長男の双方が見る前提で1枚にまとめる。訪問時には記録用紙の記入状況を実際に見て、記入できていない日の理由を聞き取る。
⑫M様 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス M様:毎朝の体重測定と、むくみ・息切れの有無を記録用紙に記入する。平地の散歩を1日15分行う。長男:週1回の来訪時に記録用紙を確認し、受診に同行する。近隣の知人:週2回の声かけ(インフォーマル)。
⑫M様 介護保険サービスまたは地域支援事業 通所型サービス週1回(体重測定と記録の確認、無理のない範囲の運動)。医療系サービスを位置づける場合は、主治の医師等の指示・意見を確認した記録を残したうえで検討する。地域支援事業の通いの場(月2回)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

状態別|総合的課題と「課題に対する目標と具体策の提案」の書き分け(10の状態・40文)

4つの領域を書き終えたあと、いちばん手が止まるのが「総合的課題」です。ここは領域ごとの課題を並べ直す欄ではなく、領域をまたいで1〜2本に束ねる欄だからです。束ね方の目安は、「その1本が解けると、他の領域の困りごとも一緒に軽くなるか」。逆に、4つの領域の課題をそのまま4本並べてしまうと、目標も具体策も4方向に散り、3か月後に何を評価すればよいのか分からなくなります。

下の2つの表は、10の状態それぞれについて、4領域から拾った事実/総合的課題の完成文/課題に対する目標と具体策の提案の完成文を対にしたものです。前の章の12場面とは別の方の想定で書いています。

状態 4領域から拾った事実 総合的課題(完成文) 課題に対する目標と具体策の提案(完成文)
軽度の認知機能低下 運動・移動=自立。家庭生活=ガスの消し忘れが月2回。社会参加=集まりの日を間違えて行けなかったことが2回。健康管理=服薬は家族が管理。 日付や火の扱いを思い出しやすい環境を整え、これまで続けてきた家事と地域の集まりへの参加を保てること。 予定を1か所のカレンダーに集約すること、火を使う調理を自動で消える器具に替えること、集まりの前日に世話役から電話をもらう段取りをつくることを提案した。
膝痛・腰痛で外出が減った 運動・移動=屋外歩行が1年で半減。家庭生活=重い物の買い物ができない。社会参加=月2回の集まりを欠席が続く。健康管理=痛み止めを自己判断で調整。 痛みの出方に合わせて動く手順を身につけ、買い物と集まりへの参加という外出の用事を保てること。 痛みの少ない時間帯に外出をまとめること、荷物を軽くする買い方に替えること、痛み止めの使い方を主治の医師等に確認することを提案した。
転倒後に自信を失っている 運動・移動=歩数が転倒前の4分の1。家庭生活=家族が代わりに行う動作が増えた。社会参加=外出はすべて付き添い。健康管理=夜間のトイレで起きる回数が増えた。 転倒への不安が小さくなる環境と手順を整え、家族が肩代わりしている動作を1つずつ本人に戻せること。 段差への手すりの設置とかかとの固定される履物への交換、自宅前50mからの歩行の再開、夜間の動線の照明を増やすことを提案した。
閉じこもり傾向 運動・移動=屋内は自立、屋外は週1回。家庭生活=食事は買ってきた物が中心。社会参加=会話は週1回程度。健康管理=受診は月1回、体重が3か月で2.4kg減。 週単位で人と会う機会を生活に戻し、そのことによって食事と活動量も一緒に保てること。 以前通っていた場に再び顔を出すための同行を最初の2回だけ確保すること、参加した日を本人が記録すること、外出のない日は自宅前を10分歩くことを提案した。
低栄養・体重減少 運動・移動=疲れやすく午後は横になる。家庭生活=主菜のある食事が1日1回。社会参加=集まりを欠席しがち。健康管理=体重が6か月で4.1kg減、口の中の乾きの訴えあり。 主菜のある食事の回数を増やして体重の減少を止め、午後まで動ける体力を取り戻せること。 主菜の材料の買い物と運搬を支援に置き換えること、食事の内容を1行ずつ記録すること、口腔の状態について歯科の受診を検討することを提案した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

状態 4領域から拾った事実 総合的課題(完成文) 課題に対する目標と具体策の提案(完成文)
独居 運動・移動=自立。家庭生活=掃除が月1回に減った。社会参加=1日の会話が配達員のみの日が週3日。健康管理=体調が悪いときに気づく人がいない。 体調の変化に誰かが気づける関わりを週の中に置き、自分で続けている家事と生活のリズムを保てること。 週1回の通いの場への参加、近隣・民生委員による声かけ、緊急時の連絡先を電話のそばに掲示することを提案した。
配偶者の介護をしている 運動・移動=自立だが睡眠が連続3時間。家庭生活=掃除が月1回、食事は配偶者の残り。社会参加=外出は買い物のみ。健康管理=自身の受診が3か月未受診。 配偶者の介護を続けながら、自身の受診と休息の時間を週の中に確保できること。 配偶者の担当支援専門員と曜日を調整して日中に家を空けられる時間をつくること、その時間に受診を組み込むこと、負担の大きい掃除だけを支援に置き換えることを提案した。
糖尿病等の慢性疾患の自己管理 運動・移動=歩行は自立だが日中の外出が週1回。家庭生活=昼食が菓子パン中心。社会参加=集まりへの参加なし。健康管理=受診は継続、体重が1年で5.8kg増。 主治の医師等の指導を毎日続けられる行動に置き換え、日中の活動量と食事の習慣を整えられること。 取り組みを3つに絞ること(歩行を週3回30分・昼食に主菜を1品・間食を1日1回まで)、記録用紙を1枚にまとめること、数値の目安は主治の医師等に確認することを提案した。
退院直後の体力低下 運動・移動=屋外は自宅前10mで息切れ。家庭生活=調理と洗濯を家族が代行。社会参加=退院後の外出は受診のみ。健康管理=体重が入院前より3.2kg減。 再入院を避けながら活動量と食事量を段階的に戻し、入院前に続けていた外出と家事を再開できること。 歩行距離を週単位で段階的に増やすこと、食事の回数と主菜の有無を記録すること、受診の目安と連絡先を1枚にまとめて掲示することを提案した。
サービスの利用を断られがち 運動・移動=自立。家庭生活=自分で行えている。社会参加=近隣との行き来が途絶えた。健康管理=受診は継続、これまでサービスの利用はない。 支援を受け身のものと受け止めずにすむ関わり方を本人と一緒に選び、外出と人との関わりの機会を保てること。 本人が役割を持てる場(見守り活動の協力、通いの場の手伝い)から始めること、サービスの利用は本人が必要と判断した時点で改めて検討することを提案した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

提案をそのまま目標にすると、計画が支援者の作文になります。間に必ず「具体策についての意向 本人・家族」を挟み、本人の言葉で受けてから「目標」と「目標についての支援のポイント」に落とします。下表はその2欄の完成文です。

状態 具体策についての意向 本人・家族(完成文) 目標についての支援のポイント(完成文)
軽度の認知機能低下 本人「書く場所が1つなら間違えないと思う。台所を取り上げられるのでなければよい」。長男の妻「器具の交換はこちらで手配する。前日の電話があれば安心できる」。 「見守る」「注意する」は支援者の行為なので目標には置かず、予定を間違えた回数・火にかけたまま離れた回数という数えられる事実で評価する。取り上げるのではなく環境を替える方針を担当者会議で共有する。
膝痛・腰痛で外出が減った 本人「午前中なら動ける。夕方に予定を入れられるとつらい」。長女「重い物はまとめて運ぶので、日々の買い物は本人に続けてほしい」。 外出の予定を午前に寄せ、痛みが強い日は距離を短くしてよいと最初に決めておく。痛み止めの使い方は主治の医師等に確認し、確認した経過を支援経過に残す。
転倒後に自信を失っている 本人「手すりがあれば自分で靴を履いて出られると思う。最初は家の前からがよい」。妻「2週間は一緒に歩き、慣れたら見送りにしたい」。 「転ばないこと」は起きなかったことの確認になるため目標にせず、歩いた距離と日数を数える。家族が肩代わりしている動作を本人へ戻す順番を決め、戻した日を支援経過に残す。
閉じこもり傾向 本人「誰かと一緒に行ける最初の一回さえあれば、あとは1人で行ける」。長男「初回は自分が帰省を合わせる」。 「社会参加を促す」は支援者側の行為なので目標に置かず、参加した回数を本人が数える形にする。再開の最初の1回を日付で決め、支援経過に残す。
低栄養・体重減少 本人「材料さえあれば作る。台所に入られるのは気が進まない」。長男「週1回の配食なら費用も出せる。体重は電話で聞く」。 「栄養状態の改善」ではなく、主菜の回数と体重という数えられる形にする。調理は本人が続ける前提とし、支援は買い物の運搬と食材の提案に限ることを計画に明記する。
独居 本人「毎日でなくてよいが、週に一度、誰かと話せるのはありがたい」。長女「離れていても様子が分かる形にしてほしい」。 「安否確認」ではなく、週に人と会った回数と、体調の変化に気づいた人がいたかで評価する。関わる人と曜日を計画に書き、誰が空白の曜日を埋めるかを担当者会議で確認する。
配偶者の介護をしている 本人「主人が出かけている時間なら、病院にも行けるし少し眠れると思う」。長女「月1回の帰省を母の受診日に合わせる」。 本人が担い続けたい部分と置き換えてよい部分を最初に線引きして書き分ける。配偶者側の計画作成者と支援日を突き合わせ、双方の計画に同じ曜日が書かれているかを確認する。
糖尿病等の慢性疾患の自己管理 本人「3つくらいなら覚えられる。歩くのは午前中なら行ける」。妻「私は口を出さず、記録用紙を貼るところまでにする」。 数値の目安は計画作成者が定めず、主治の医師等に確認した内容を記録したうえで扱う。取り組みを3つより増やさず、3か月後に達成できた項目だけを残して次の1つを足す。
退院直後の体力低下 本人「歩く距離を紙に書いてくれれば、そのとおりにやる」。次男「連絡の目安が書いてあれば、週1回の来訪でも判断できる」。 状態が変わりやすい時期のため短期目標の期間を1か月とし、評価をふまえて次の距離を決める。医療系サービスを位置づける場合は、主治の医師等の指示・意見を確認した経過を記録し、計画を主治の医師等に交付する。
サービスの利用を断られがち 本人「手伝う側なら行ってもいい。世話をされるのは今はいい」。長女「本人が自分で決めた形なら続くと思う」。 見送られた提案とその理由を、そのつど本人の言葉で支援経過に残す。サービスを位置づけない期間も面接と記録は基準に沿って続け、状態が変わった時点で改めて提案する段取りを計画に書いておく。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

背景・原因まで書く|「領域における課題」欄の書き直し20組

介護予防サービス・支援計画書でいちばん時間がかかる欄は、多くの場合「領域における課題(背景・原因)」です。欄名に「背景・原因」と書かれているとおり、ここはできないことの一覧ではなく、なぜそうなったのかを説明する欄です。「入浴ができない」で止まると、読み手は「では入浴の支援を入れる」としか受け取れず、本人が取り戻せる部分が計画から消えます。

書き直しの手がかりは6つあります。この6つのうちあてはまるものを1つか2つ選んで、事実に結びつけるだけで、文は最後まで書けます。

分解の観点 アセスメントで拾う情報 文にするときの言い回し
時期・きっかけ いつから変わったか、そのとき何があったか(転倒・入院・死別・引っ越し・季節) 「◯か月前の◯◯を境に、◯◯が◯から◯へ変わっている」
身体の状態 痛みの部位と出る動作、筋力、持久力、聞こえ、視力、口の中の状態 「◯◯の痛みを避けて◯◯を控えた結果、◯◯の力が落ちている」
環境 段差、手すりの有無、動線、照明、履物、収納、住まいから目的地までの距離 「◯◯に手すりがなく、◯◯が◯◯であることが、◯◯を続けにくくしている」
人の関わり 同居家族の在宅時間、代わりに行っている動作、近隣との行き来、相談できる相手 「◯◯を家族が代わりに行う場面が続き、本人が行う機会そのものが減っている」
本人の受け止め 不安、遠慮、役割の喪失、支援への抵抗感、これまでの生活歴と価値観 「◯◯への不安から本人が◯◯を控えており、機会が減ることでさらに◯◯が難しくなっている」
情報・手順 どこまでやってよいかの目安、記録の有無、連絡先の共有、道具の使い方 「◯◯の目安が本人・家族に共有されていないため、◯◯を控える状態が続いている」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

以下は、実際に書かれがちな一行と、背景・原因まで書いた完成文の対です。左の一行そのものが誤りというわけではなく、そこで止まっているために、次の欄が書けなくなるという関係にあります。

止まってしまう一行 何が抜けているか 背景・原因まで書いた完成文
歩行が不安定である。 いつと比べてどう変わったか、何が原因かがない 屋外を休まず歩ける距離が1年で約300mから150mへ減っている。膝の痛みを避けて歩く機会を減らしたことによる下肢筋力の低下が背景にあり、痛みの強い日に外出を取りやめる判断が続いたことで、歩かないことがさらに歩けない状態を招く流れになっている。
転倒のリスクが高い。 リスクの中身と、環境・本人の受け止めがない 3か月前に玄関の上がりかまち(高さ約18cm)で転倒して以降、屋外歩行は付き添いのある週1回のみとなっている。再発への不安から本人が外出を控え、家族も見守りきれない場面を避けて動作を代わりに行ってきたことが重なっている。段差に手すりがなく、履物が脱げやすいことも不安を裏づけている。
体力が低下している。 いつからか、何によるか、どこまでやってよいかの共有の有無がない 2週間の入院と臥床により、下肢の筋力と持久力が入院前の水準から落ちている。加えて、どこまで動いてよいかの目安が本人・家族に共有されていないため、動くこと自体を控える状態が退院後10日間続いている。
調理ができない。 できない範囲と、できなくなった理由の切り分けがない 調理の手順そのものは行えているが、主菜のある食事が1日1回にとどまっている。一人分の調理に手間がかかることと、重い物を運べないために肉・魚・豆腐などの材料が買いにくいことが重なり、主菜のない食事が続いている。
掃除ができない。 どの部分ができないのか、なぜ回らないのかがない 居室の片づけと洗濯は毎日続けられているが、浴室と窓の掃除は6か月間行えていない。しゃがむ姿勢と高い位置への手の伸ばしで腰の痛みが出ることに加え、配偶者の介護で日中に時間をとれないことが重なっている。
物忘れがある。 何を忘れ、生活の何に影響しているかがない 直近1か月で同じ調味料を3本購入し、やかんを火にかけたまま居間に戻る場面が2回あった。在庫が見えない収納と、消し忘れに気づけない台所の環境が重なっている。一方で手順が身についている洗濯は、支援なしで最後まで行えている。
火の始末が心配である。 心配は評価であり、事実と原因になっていない やかんを火にかけたまま居間に戻る場面が、直近1か月で家族の確認により2回あった。調理中に来客や電話があると、その用件を優先して台所に戻らない流れになっており、火が消えたかどうかを後から確かめられる形にもなっていない。
閉じこもりがちである。 いつまで何に参加していたか、途切れた理由がない 8か月前の配偶者の死去を境に、外出は週1回の通院と月2回の買い物のみとなっている。40年続けてきた囲碁の会には8か月間参加していない。外出のきっかけが配偶者との同行に依存していたことと、期間が長くなり再び顔を出しにくくなっていることが背景にある。
社会参加が乏しい。 参加を妨げているものが特定されていない 月2回参加していた茶話会への参加が4か月途絶えている。難聴により会話の輪に入りづらいことに加え、3年前に購入した補聴器が本人の聞こえに合わず半年前から使用されていないことが背景にある。人と関わることへの意欲は保たれている。
意欲の低下がみられる。 何に対する意欲か、下がった理由がない これまで担っていた自治会の役割が2年前に終わって以降、日課として続けている活動がない状態が続いている。体調や身体機能の変化はみられず、生活の中で自分の役割と感じられる場面が失われていることが、外出の減少と重なっている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

止まってしまう一行 何が抜けているか 背景・原因まで書いた完成文
サービスの利用を拒否している。 拒否は結論であり、その理由が書かれていない これまで介護保険サービスの利用はない。認定調査時から「人の世話になるくらいなら家にいる」と話しており、支援を受けることが自立の否定にあたるという受け止めがある。身体機能ではなく、この受け止めが提案の見送りが続く理由になっている。
服薬管理ができていない。 どの程度の飲み残しか、なぜ起きるかがない 訪問時に薬袋を確認したところ、直近2週間で朝の分が4回分残っていた。朝食の時間が日によって前後し、服薬の時点が生活の中で固定されていないこと、飲んだかどうかを後から確かめられる形になっていないことが背景にある。薬の内容の理解には問題がない。
栄養状態が不良である。 数値がなく、食事が細くなった理由もない 体重が6か月で4.1kg減少し、主菜のある食事が1日1回程度にとどまっている。一人分の調理の手間と、重い材料を運べないことが重なり、パン・汁物・麺類が中心の食事が1か月続いている。
体重が減っている。 食事・活動・口の状態のどれが関わるかがない 体重が3か月で2.4kg減少している。日中の活動が週1回の外出にとどまり食事量も減っていること、口の中の乾きから固い物を避けるようになっていることが重なっている。受診は継続しており、治療の中断は生じていない。
血糖のコントロールが不良である。 医療の評価をそのまま写しており、生活の側の原因がない 体重が1年で5.8kg増加している。日中の活動量が週1回の外出にとどまっていることと、受けた指導が「食事に気をつける」という一般的な言い方のままで本人の生活に置き換えられていないことが重なり、取り組みが続かない状態になっている。
入浴に不安がある。 どの動作で不安が出るか、環境の要素がない 浴槽をまたぐ動作で右膝に痛みが出るため、入浴の回数が週3回から週1回に減っている。浴槽の縁の高さが約50cmあり、手をかけられる場所が壁の一部しかないことが、動作の不安を強めている。洗身と洗髪は自分で行えている。
介護者の負担が大きい。 負担の中身と、それが生じている仕組みがない 配偶者の夜間のトイレ介助で1日2〜3回起きており、睡眠が連続3時間程度にとどまっている。日中に家を空けられないため自身の受診が3か月間できておらず、家事も後回しになっている。介護を続ける意思は明確で、能力が落ちているわけではない。
耳が遠い。 生活のどこに影響し、なぜ改善されないかがない 両耳の難聴があり、会話では聞き返しが続くため本人が集まりへの参加を控えている。3年前に購入した補聴器は「雑音がうるさい」として半年前から使用されておらず、調整のための受診も行われていない状態が続いている。
家族の支援が得られない。 得られない理由と、得られる範囲がない 長女は隣県に居住し、来訪は月1回にとどまっている。日常の家事や見守りを担うことは難しい一方で、受診の同行と月1回の記録の確認は継続して行える見込みである。支援がまったく得られないわけではなく、頻度と内容に制約がある状態である。
認知症の進行が心配される。 心配は見立てであり、事実と背景になっていない 予定していた集まりの日を間違えて参加できなかったことが直近3か月で2回あった。予定を書き留める場所が手帳・壁のカレンダー・電話のそばのメモに分かれており、どれを見ればよいかが定まっていないことが重なっている。日課の家事は従来どおり行えている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

評価期間別|目標の達成状況と今後の方針の完成文37文

介護予防の計画は、立てた時点ではなく評価の時点で価値が決まります。設定した期間が終わるときに、目標が達成できたのか、できなかったならどこで止まったのかを文章で残せる形になっているか。ここが弱いと、次の期の計画が前期の写しになります。岡山市の集団指導資料(居宅介護支援・介護予防支援 本編1)では、複数の利用者の計画の内容が一律であること、長期目標と短期目標が同一の表現であること、長期目標と短期目標の期間がまったく同じであることが、不適切な例として挙げられています。

まず、評価できる形になっている目標かどうかを、書いた直後に見分ける表です。

領域 評価が難しい目標 評価できる形にした目標(完成文) 期間の置き方
運動・移動 筋力を維持する 屋外を休まず250m歩ける日が、週4日以上ある 短期3か月。長期は「週1回、片道約400mの商店街まで歩いて買い物に行ける」(6か月)と差をつける
運動・移動 転倒しないようにする 妻と一緒に自宅前の道を1日200m歩ける日が、週4日ある 短期2か月。退院直後や転倒直後は短期を1〜2か月に置き、達成状況をみて次を決める
日常生活(家庭生活) 栄養状態を改善する 主菜のある食事を1日2回とれる日が、週5日以上ある 短期3か月。長期は「体重46kgを下回らず、調理を自分で続けられる」(6か月)
日常生活(家庭生活) 安全に生活する 買い物メモを使って買い物ができ、同じ物の重複購入が月1回以内になる 短期3か月。環境を替える取り組みは、替えた直後に1か月で一度みる
社会参加 社会参加を促す 月2回、囲碁の会に参加できる 短期3か月。長期は「毎週土曜の会に1人で参加できる」(6か月)
社会参加 閉じこもりを防ぐ 補聴器を日中4時間以上使用できる日が、週5日ある 短期3か月。参加そのものの前提条件を短期目標に置くと、評価がしやすくなる
健康管理 服薬管理を行う 1週間の飲み残しが0回の週が、4週のうち3週以上ある 短期1か月。数え方が単純な目標は期間を短くして回数を増やす
健康管理 体調管理に気をつける 毎朝の体重測定と記録を、週6日以上続けられる 短期3か月。長期は「記録を続けながら自宅での生活を続けられる」(6か月)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

次に、評価の時点ごとの完成文です。左が「目標の達成状況」、右が「今後の方針」にあたる欄に置く文です。岡山市の資料では、モニタリングの結果を記録していない例、「達成」「未達成」のチェック(レ点)記載のみで内容が不明確な例が、不適切な例として挙げられています。数と事実を入れて、次に何を変えるかまで書くのが要点です。

評価の時点・場面 目標の達成状況(完成文) 今後の方針(完成文)
初回から1か月 屋外歩行は週3日、1回あたり120mで実施できている。短期目標(150m・週5日)には届いていないが、開始時の10mからは増えている。歩行の記録は26日分のうち21日分が記入されている。 距離の設定を150mのまま据え置き、雨天時に室内で行う代替の運動を追加する。次回の評価は開始から3か月の時点とし、それまでは記録用紙の記入状況を訪問時に確認する。
3か月(短期目標の期間終了時) 屋外を休まず歩けた距離は最大260mで、週4日以上歩けた週が3か月のうち9週あった。短期目標(250m・週4日)は達成している。膝の痛みで中止した日は月2日程度にとどまった。 短期目標を「屋外を休まず400m歩ける日が週4日ある」に更新し、期間を3か月とする。長期目標(商店街までの買い物)は据え置き、次期に買い物の実施回数を評価の対象に加える。
6か月(長期目標の期間終了時) 週1回、片道約400mの商店街まで杖を使って歩いて買い物に行けている(6か月のうち21回)。長期目標は達成している。体重・膝の痛みの程度に大きな変化はない。 達成した長期目標は維持を目的とした内容に改め、次期は社会参加の領域(地区の集まりへの参加)を新たな課題として加える。運動の頻度は現行のまま継続する。
12か月(認定の更新前) 1年間を通じて外出の頻度は週1回以上を保ち、転倒はなかった。体重は46.8kgから47.2kgへ推移し、減少は止まっている。開始時に挙げた3つの課題のうち2つが達成、1つが一部達成である。 更新申請にあたり、現在の生活状況と本人の意向を改めて聞き取り、次期の計画に反映する。一部達成の課題(社会参加)は、達成できた部分と残った部分を分けて次期の短期目標に置き直す。
状態に著しい変化があったとき 1月8日に自宅内で転倒し、右手関節を受傷。歩行距離は転倒前の1日250mから60mへ減少し、屋外歩行は中止している。短期目標は現時点で達成できていない。 居宅を訪問して面接し、状態と生活の変化を再度アセスメントしたうえで、計画の変更について本人・家族と協議する。医療系サービスを位置づける場合は主治の医師等の指示・意見を確認し、その経過を支援経過に記録する。
退院直後(開始から2週間) 自宅前の歩行は1日100m、週5日実施できている。食事は1日3食で、主菜のある食事が1日1回。体重は退院時から0.4kg増加している。息切れによる中止は2日あった。 短期目標の期間を1か月として、距離の目安を150mに更新する。受診の目安と連絡先を記した用紙の掲示状況を次回訪問時に確認する。主治の医師等への計画の交付と、その記録を行う。
区分の変更のあと 認定区分の変更に伴い、従前の計画に位置づけた内容の実施状況を確認した。歩行と家事の目標は継続して実施できているが、外出の頻度は週2回から週1回へ減っている。 変更後の区分をふまえ、居宅を訪問して面接し、アセスメントをやり直したうえで計画を作成し直す。作成した計画は本人・家族へ説明して同意を得て交付し、位置づけた事業所へも交付する。
サービスを中止・変更するとき 通所型サービスは12月末で利用を終了した。終了までの3か月間の参加は12回中10回で、短期目標(週1回の参加)はおおむね達成している。終了の理由は、地域の体操教室への参加に切り替えたためである。 切り替え後の参加状況を1か月後に確認し、参加が続かない場合は再度サービスの利用を本人と協議する。計画から削除した内容と、その理由を支援経過に記載する。
目標を達成したとき 短期目標「主菜のある食事を1日2回とれる日が週5日以上」は、3か月のうち11週で達成している。体重は46.8kgから47.4kgへ推移した。買い物の運搬の支援は週1回で継続している。 短期目標を達成したため、次期は「主菜のある食事を1日2回、毎日とれる」に更新し、買い物の運搬の支援を隔週へ減らして本人が担う範囲を広げる。体重の測定は毎週日曜のまま継続する。
達成できずに継続するとき 短期目標「週2回の通いの場への参加」は、3か月のうち参加できた週が4週にとどまった。参加できなかった理由は、開催日が雨天だったこと(5回)と、送り出しの声かけがなかったこと(3回)である。 期間だけを延ばさず、参加の妨げになっている点を計画に反映する。雨天時の代替の予定を決め、送り出しの声かけを担う人と曜日を計画に書き加えたうえで、短期目標の期間を改めて3か月とする。
本人の意向が変わったとき 短期目標「地区の集まりへの参加」について、本人から「今は行きたくない」との申し出があった。歩行と家事に関する目標は継続して達成できている。 本人の言葉をそのまま支援経過に記録し、意向が変わった背景を次回の面接で確認する。集まりへの参加は目標から外し、本人が続けたいと話した屋外歩行を短期目標に据え直す。
担当者が交代するとき 担当交代までの6か月間の達成状況を整理した。長期目標は一部達成、短期目標は2つのうち1つが達成である。本人・家族の意向、達成できなかった目標とその理由を引き継ぎ書に記載した。 交代後の初回訪問で、本人・家族に達成状況を改めて確認し、必要に応じて計画を見直す。前任者が把握していた近隣・インフォーマルの関わり先を、担当者会議で共有する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

評価の欄が「達成」「未達成」のチェックだけになっていないかは、下の書き分けで確かめられます。左の列がそのまま残っている記録は、あとから読み返しても次の計画に使えません。

達成状況の区分 チェックだけで終わった記録 文章で残した完成文
達成 達成にレ点のみ 短期目標「屋外を休まず250m歩ける日が週4日以上」は、3か月のうち9週で達成している。最大歩行距離は260m。膝の痛みで中止した日は月2日程度であった。
一部達成 一部達成にレ点のみ 短期目標のうち、歩行の距離(250m)は達成したが、頻度(週4日)を満たした週は3か月で5週にとどまった。雨天時の代替の運動が決まっていなかったことが理由である。
未達成 未達成にレ点のみ 短期目標「週2回の通いの場への参加」を満たした週は4週であった。開催日の雨天(5回)と、送り出しの声かけがなかったこと(3回)が、参加できなかった理由として本人から挙げられている。
目標の変更 変更にレ点のみ 本人から「今は集まりに行きたくない」との申し出があったため、社会参加に関する短期目標を計画から外し、本人が続けたいと話した屋外歩行(1日150m・週5日)を短期目標に据え直した。
中止・終了 終了にレ点のみ 通所型サービスは12月末で終了した。3か月間の参加は12回中10回。地域の体操教室への参加に切り替えたことが理由であり、切り替え後の参加状況を1か月後に確認することとした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料から読む|計画書の記載に現れる点(3自治体・9項目)

介護予防支援そのものを名指しした公表事例は多くありません。ここでは、居宅介護支援・介護予防支援をまとめて扱っている自治体の公表資料に実在する記載と、厚生労働省の運営指導マニュアル別添1「501 介護予防支援」に示された確認項目・確認文書のうち、計画書のどの欄に現れるかという観点だけを取り出しました。確認項目の一覧そのものではなく、書き方に跳ね返る部分に絞っています。

公表資料に示されている内容 出典(自治体・資料名) 計画書のどの欄に現れるか 手元で確かめる文書
複数の利用者の計画の内容が一律である 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 総合的課題/目標/目標についての支援のポイント。同じ言い回しが複数の方の計画に並んでいないか 介護予防サービス・支援計画書、アセスメントシート
長期目標と短期目標が同一の表現である 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 目標。長期を到達点、短期をその途中の段階として書き分けているか 介護予防サービス・支援計画書、課題整理の記録
長期目標と短期目標の期間がまったく同じである 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 目標の期間欄。短期の終わりで評価し、長期へ積み上げる形になっているか 介護予防サービス・支援計画書、サービス評価の記録
アセスメントの結果把握されたニーズ・目標や解決すべき課題と、計画に記載されたサービスの具体的な内容が合っていない 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 領域における課題(背景・原因)から、介護保険サービスまたは地域支援事業までの一連。上流と下流が同じ話になっているか アセスメントシート、介護予防サービス・支援計画書
利用者本人が行うことや、家族の支援およびインフォーマルサービスがまったく位置付けられていない 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス。空欄のまま出ていないか 介護予防サービス・支援計画書、サービス担当者会議の記録
モニタリングの結果を記録していない/「達成」「未達成」のチェック(レ点)記載のみで内容が不明確である 岡山市「令和7年度集団指導資料 本編1(居宅介護支援・介護予防支援)」 評価・モニタリングの記録。数と事実、次に何を変えるかが文章で残っているか モニタリングの記録、支援経過記録
福祉用具の貸与・販売を位置付ける際の検討が不十分である/必要な理由が計画に記載されていない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(居宅介護支援・介護予防支援に関する事項)」資料11 介護保険サービスまたは地域支援事業。位置づけた理由が計画本体に書かれているか 介護予防サービス・支援計画書、サービス担当者会議の記録、福祉用具貸与計画
医療系サービスについて主治の医師等の指示を確認できる記録がない/計画を主治の医師に交付していない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(居宅介護支援・介護予防支援に関する事項)」資料11 目標についての支援のポイント/介護保険サービスまたは地域支援事業。確認と交付の経過が記録に残っているか 支援経過記録、主治の医師等の指示・意見が分かる記録、計画の交付記録
個別サービス計画の提供を求めておらず、計画との整合性を確認していない 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(居宅介護支援・介護予防支援に関する事項)」資料11 介護保険サービスまたは地域支援事業。位置づけた内容と、事業所側の計画の内容がそろっているか 各事業所から受領した個別サービス計画、介護予防サービス・支援計画書

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1「501 介護予防支援」では、「指定介護予防支援の具体的取扱方針」の確認項目として、利用者の希望やアセスメントに基づき介護保険サービス以外のサービス・支援を含めた総合的な計画を立てているか、サービス担当者会議を開催して担当者から専門的な見地からの意見を求めているか、定期的にモニタリングを行っているか、利用者および担当者への説明・同意・交付を行っているか、担当者から個別サービス計画の提供を受けているか(整合性の確認)が挙げられ、確認文書としてアセスメントシート、サービス担当者会議の記録、介護予防サービス計画、支援経過記録等、モニタリングの記録、個別サービス計画が示されています。ここに挙がっている文書は、いずれも計画書の欄と対になっています。書いた内容の裏づけがどの文書にあるかを、計画を出す前に自分で言えるかどうかが目安になります。

なお、介護予防支援を名指しした個別の指摘として上記以外のものは、当社が確認した33自治体の公表資料の範囲では確認できませんでした。実際の観点・様式・判断は保険者(指定権者)により異なりますので、指定を受けた保険者の公表資料と担当課の案内をご確認ください。また、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

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この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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