公開:2026年11月10日/出典:社会保障審議会 介護保険部会(第134回)資料3
要点(3行)
- 令和8年3月9日の介護保険部会(第134回)に、令和6年度の高齢者虐待防止法に基づく対応状況の調査結果が報告されました(資料3)。
- 介護サービスの業務に従事する人(養介護施設従事者等)による虐待は、相談・通報件数が3,633件、虐待判断件数が1,220件で、「いずれも過去最多で4年連続増加」と書かれています。
- 家族などの養護者による虐待は、相談・通報件数が41,814件で過去最多・12年連続増加、虐待判断件数は17,133件で横ばい傾向です。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 第134回社会保障審議会介護保険部会。令和8年3月9日。議事の「その他」の報告事項の1つ |
| 資料 | 資料3 令和6年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況調査等に関する調査結果について(報告)。厚生労働省 老健局 |
| 調査 | 平成19年度から毎年度、全国の市町村・都道府県で起きた高齢者虐待への対応状況を調べているもの |
件数の一覧(令和6年度)
| 区分 | 相談・通報件数 | 虐待判断件数 |
|---|---|---|
| 養介護施設従事者等による虐待 | 3,633件(前年度より192件増) | 1,220件(前年度より97件増) |
| 養護者による虐待 | 41,814件(前年度より1,428件増) | 17,133件(前年度より33件増) |
| 虐待等による死亡事例 | 養介護施設従事者等:5件(5人)/養護者:26件(26人) | |
養介護施設従事者等による虐待の中身
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 相談・通報者 | 当該施設職員(27.4%)、当該施設管理者等(18.2%)、家族・親族(14.6%) |
| 虐待の種別 | 身体的虐待(51.1%)、心理的虐待(27.7%)、介護等放棄(25.7%)、経済的虐待(10.3%)、性的虐待(3.4%) |
| 主な施設・事業所の種別 | 特別養護老人ホーム(28.9%)、有料老人ホーム(28.4%)、認知症対応型共同生活介護(14.8%) |
| 深刻度 | 軽度が最も高く46.9%、次いで中度が45.2% |
| 身体的拘束等 | 緊急やむを得ない場合の手続を経ていない身体的拘束等(身体的虐待)の割合は、2割強 |
| 時間帯・場所 | 集計に採用した222人のうち、発生時間帯は「夜間(夕食後〜起床前)」が55.0%で最も多い。発生場所は「居室(寝室)内」が65.8%で最も多い |
発生要因(自治体の分析・複数回答)
| 区分 | 割合の高いもの |
|---|---|
| 虐待を行った職員の課題 | 職員の虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足(75.9%)、職員の倫理観・理念の欠如(64.3%)、職員のストレス・感情コントロール(62.5%) |
| 組織運営上の課題 | 職員の指導管理体制が不十分(資料の説明では「高い割合」)。表では、虐待防止や身体拘束廃止に向けた取組が不十分、チームケア体制・連携体制が不十分 などが続く |
資料には、虐待が認められた施設・事業所のうち、過去に指導や虐待事例があった施設・事業所の件数(再発件数)は減少した、とも書かれています。
一次資料:資料3 令和6年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況調査等の調査結果(PDF・厚生労働省)/第134回 介護保険部会の資料(厚生労働省)
事業所で確かめること
- 虐待の防止のために事業所に求められている取組については、貴事業所のサービスの運営基準の定めと、指定権者の案内をご確認ください。
- 発生要因の上位に「知識・意識の不足」「指導管理体制が不十分」が並んでいます。貴事業所の研修の記録と、職員が相談できる体制を見直す材料としてお使いください。
- 緊急やむを得ない場合に規定されている身体的拘束等の手続は、運営基準と、指定権者が示す手引きをご確認ください。
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更新履歴:初版。次の年度の調査結果が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






