公開:2026年11月7日/出典:社会保障審議会 医療保険部会(第210回)資料1、医療部会(第123回)資料1-2・(第124回)資料1、中医協 総会(第647回)総-1
要点(3行)
- 医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)で、外来医師過多区域の無床診療所への対応が強まりました。新規開設の事前届出制、要請・勧告・公表、保険医療機関の指定期間の短縮などです。外来医師過多区域等の規定は令和8年4月1日施行です。
- 外来医師過多区域で新しく無床診療所を開く方は、開設の6か月前までに、地域外来医療の提供の意向などを都道府県知事に届け出ます。要請に応じなかった診療所は、保険医療機関の指定期間を6年でなく3年とします。
- 令和8年度診療報酬改定では、指定が3年以内とされた医療機関は、機能強化加算・地域包括診療加算・地域包括診療料・小児かかりつけ診療料の算定と、在宅療養支援診療所の届出ができないとされました。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 法律 | 医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)。令和7年12月12日公布。「2.医師偏在是正に向けた総合的な対策」の②に、外来医師過多区域の無床診療所への対応の強化 |
| 施行 | 令和9年4月1日(一部の規定は別の日)。外来医師過多区域の規定(2②)は令和8年4月1日 |
| 医療保険部会(第210回・令和8年2月12日) | 資料1「医療法等改正を踏まえた対応について」。保険医療機関の期限付指定の期間などの論点 |
| 医療部会(第123回・令和8年1月19日) | 資料1-2「医師偏在対策について」。外来医師過多区域の基準、事前届出事項、要請・勧告、指定期間の短縮の考え方 |
| 診療報酬(第647回 総-1) | 個別改定項目「Ⅱ-8-③ 外来医師過多区域に関する対応」 |
外来医師過多区域の決め方と事前届出
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 候補区域の基準(論点) | 外来医師偏在指標が「全国平均値+標準偏差の1.5倍」以上、かつ、可住地面積あたり診療所数が上位10%の二次医療圏を、国が示す候補区域とする |
| 都道府県の指定 | 候補の二次医療圏の中に、人口あたり医師数や可住地面積あたり診療所数等が特に高い市区町村や地区がある場合は、その市区町村や地区を指定することも考えられる |
| 届け出る方 | 指定を受けた区域で、患者を入院させるための施設を持たない診療所を開設しようとする方。開設する日の6月前までに届け出る |
| 主な届出事項(論点) | 開設予定の診療所の名称・住所・年月日、診療科目、従業者の定員、地域外来医療の提供に関する意向、提供する予定の内容(頻度・時期を含む)、提供しない場合はその理由 など |
| 届出を後にできる場合(論点) | 親の死亡により子が急遽承継する場合など、予期せず前任の開設者が不在となり事業承継が必要となった場合。承継が終わった後に届け出る |
| 地域で不足する医療機能の例 | 夜間や休日等の地域の初期救急医療、在宅医療、公衆衛生等。医師不足地域での医療の提供(土日の代替医師としての従事等) |
要請・勧告と指定期間(流れ)
| 段階 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| ①協議の場 | 提供しない意向のときは、外来医療の協議の場への参加・理由等の説明を求められる |
| ②要請 | 理由等がやむを得ないと認められないときは、期限を定めて要請。応じなかった場合、保険医療機関の指定を3年とする |
| ③勧告・公表 | 都道府県医療審議会の意見を事前に聴いて勧告。従わない医療機関名や理由等の公表、保健所等による確認、診療報酬上の対応、補助金の不交付等 |
| 毎年の参加 | 指定期間が3年の間、年に1回、都道府県医療審議会又は外来医療の協議の場への参加を求める |
期限付指定の期間(医療保険部会の資料)
| 指定期間 | 類型 |
|---|---|
| 3年 | 要請を受けて期限までに応じなかった診療所(1度目の指定)/勧告を受けた診療所(1度目の指定中)/再指定時に勧告に従わない状態が続いた場合(2度目の指定) |
| 2年 | 再々指定時以降に、勧告に従わない状態が続いた場合(3度目の指定以降) |
資料には、期限付指定を受けた方は6年の指定の自動更新が行われず、指定の申請をし直すこと、要請を受けた方の診療所は保険医登録による「みなし指定」を行わないことも書かれています。医療機能情報提供制度(ナビイ)には、「外来医師過多区域で令和8年10月以降に開設した無床診療所」について、地域外来医療の提供の有無・内容、要請・勧告の有無を項目として加えるとしています。
国会の附帯決議には、外来医師過多区域の新規開設者だけでなく既存の無床診療所についても、届出事項に準ずる事項の実態を把握するための環境整備を検討すること、が入っています(医療部会 第124回 資料1)。
一次資料:医療保険部会(第210回)資料1 医療法等改正を踏まえた対応について(PDF)/医療部会(第123回)資料1-2 医師偏在対策について(PDF)/医療部会(第124回)資料1(PDF)/中医協 総-1 個別改定項目について(PDF)/中央社会保険医療協議会 総会(第647回)議事次第(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 新しく無床診療所を開く予定のある方は、開設予定地が外来医師過多区域に指定されているかを、都道府県が公表する区域・地域で不足している医療機能の内容でご確認ください。
- 指定区域では、開設する日の6月前までの届出が必要とされています。届出の様式と提出先は、都道府県の案内をご確認ください。開業の準備(物件・人の採用)の日程は、この届出の時期から逆算しておくと慌てずにすみます。
- 令和8年度改定で、指定が3年以内とされた医療機関は機能強化加算などの算定や在宅療養支援診療所の届出ができないとされています。施設基準の中身は告示・通知でご確認ください。
- 個別の開業計画が要請の対象になるかどうかは、都道府県の判断です。外来医療の協議の場の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。外来医師過多区域の指定や届出の様式が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






