居宅介護支援の同一建物減算は、令和6年度改定で新しく設けられた定めです。事業所と利用者の住まいの位置関係、または一つの建物に住んでいる自事業所の利用者の人数によって、算定する単位数の取扱いが変わる仕組みになっています。ところが実務で困るのは「どの建物が対象か」ではなく、「毎月どの欄を見て、何と突き合わせれば整理がつくのか」という手順のほうです。
このページは、算定基準告示 別表 イ 注5と、留意事項通知(老企第36号 第三の10)で確認できた定めだけを並べ、その右側に貴事業所の状況を書き込む欄を置いた対照表にしています。判定そのものは行いません。左に国の定め、右に貴事業所の記入欄を置き、両者を見比べたうえで最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください、という形をとっています。
あわせて、留意事項通知の原文を確認できておらず本ページでは確定していない箇所(20人の数え方、要支援者の扱い)を、確定した箇所と分けて明示しました。ここを曖昧にしたまま社内の運用表を作ると、後から全件を作り直すことになります。確認できていないことを「確認できていない」と書いておくほうが、月次の作業は結局早く回ります。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。本ページは要件の対照と記録の整理に絞っており、届出の代行や個別の可否判断を行うものではありません。
告示の定め|同一建物減算(居宅介護支援)の要件対照表【5項目】
まず、減算の基本的な枠組みを整理します。下表は、当社の加算データベースに登録している値をそのまま転記したものです。単位数の取扱い・適用の単位・改定区分・確認に用いた資料名の4点を、一次資料の表記のまま置いています。
| 項目 | 告示・通知に確認できる定め | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|
| 単位数の取扱い | 所定単位数の100分の95に相当する単位数を算定 | 請求ソフトの減算設定(記入欄:設定名 / 設定した担当者 / 設定日) |
| 適用の単位 | 該当する利用者について、当該月の居宅介護支援を行った場合 | 月次で見直している/していない(記入欄:見直しの実施日 / 実施者) |
| 改定区分 | 令和6年度改定(新設) | 自事業所で運用を開始した年月(記入欄) |
| 確認に用いた資料 | 算定基準告示 別表 注5/介護保険最新情報Vol.1213 老企第36号 新旧対照表 第三の10 | 自事業所で保管している資料の版・入手日(記入欄) |
| 確からしさの区分 | 告示注5の本文と減算率、および老企第36号 第三の10⑴⑶⑷は一次資料で確認済み。⑵②(20人の数え方)と要支援者の扱いは原文未取得 | 指定権者へ確認した日・回答者(記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
対照表——左=告示の定め/右=貴事業所の記入欄
次が本体の対照表です。左の列は告示・通知の文言をもとにした定めで、その右に該当箇所を示しています。いちばん右の欄には、貴事業所の建物・利用者の状況を書き込んでください。左右を見比べたうえで、当てはまるかどうかの判断は保険者(指定権者)にご確認ください。
| 要件の欄 | 告示・通知の定め | 告示・通知の該当箇所 | 貴事業所の状況(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 同一敷地内建物等への居住(位置関係) | 指定居宅介護支援事業所の所在する建物と同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物、又は当該事業所と同一の建物に居住していること | 算定基準告示 別表 イ 注5/老企第36号 第三の10⑴ | 該当しうる建物の名称(記入欄)/事業所からの位置(記入欄:同一の建物・同一敷地内・隣接する敷地・いずれでもない) |
| 同一敷地内建物等の範囲 | 構造上又は外形上一体的な建築物、同一敷地内及び隣接する敷地にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものとされている | 老企第36号 第三の10⑴ | 建物と事業所の構造上・外形上の関係(記入欄)/効率的な提供が可能といえる事情(記入欄) |
| 同一敷地内建物等以外の建物における当該事業所の利用者数 | 当該建築物に当該事業所の利用者が20人以上居住する場合 | 算定基準告示 別表 イ 注5/老企第36号 第三の10⑵① | 当該建物に居住する自事業所の利用者数(記入欄: 人)/集計した月(記入欄) |
| 利用者数の合算の可否 | 同一敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数は合算しないとされている | 老企第36号 第三の10⑵① | 別棟・道路を挟む建物を分けて数えているか(記入欄:分けている・分けていない)/棟ごとの内訳(記入欄) |
| 20人の数え方 | 当該月に提出した給付管理票に係る利用者のうち該当建物に居住する者の合計とする説明と、1月間の利用者数の平均とする説明が流通しており、老企第36号 第三の10⑵②の原文が未取得のため本ページでは確定していない | 老企第36号 第三の10⑵②(原文未取得) | 指定権者に確認した数え方(記入欄)/確認日・回答者(記入欄) |
| 要支援者の扱い | 要支援者(介護予防支援の利用者)を含めるかどうかも、上記と同様に本ページでは確認できていない | 老企第36号 第三の10⑵②(原文未取得) | 指定権者に確認した取扱い(記入欄)/確認日・回答者(記入欄) |
| 建物の管理・運営法人 | 当該建築物の管理、運営法人が当該事業者と異なる場合を除外する定めは置かれていない | 老企第36号 第三の10⑷ | 建物の所有者・管理法人名(記入欄)/自法人との関係(記入欄:同一法人・別法人・不明) |
| 位置関係のみによる判断についての通知の記載 | 効率的な居宅介護支援の提供につながらない場合には減算を適用するものではないとされている | 老企第36号 第三の10⑶ | 効率的な提供につながらないと考える事情(記入欄)/その根拠となる資料(記入欄) |
| 通知が挙げている例(点在) | 広大な敷地に複数の建物が点在する場合が例として挙げられている | 老企第36号 第三の10⑶ | 敷地の広さ・建物間の距離(記入欄)/移動に要する時間(記入欄) |
| 通知が挙げている例(迂回) | 隣接する敷地でも道路や河川に隔てられ迂回が必要な場合が例として挙げられている | 老企第36号 第三の10⑶ | 隔てているもの(記入欄:道路・河川・その他)/迂回経路の距離(記入欄) |
| 体制届出の要否・様式 | 今回確認した告示および通知の該当箇所からは、体制届出の要否・様式に関する規定を確認できていない | 本レコードで確認した範囲では規定を確認できず | 指定権者に確認した届出の要否(記入欄)/様式名(記入欄)/確認日(記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
通知が「位置関係だけで判断しない」旨を置いていること
この定めの読みにくさは、位置関係が形式的に当てはまるかどうかだけでは整理しきれず、個別事情の評価が関わる構造になっている点にあります。留意事項通知は、位置関係のみで判断することがないよう留意すべき旨を示し、当てはまらない例として、広大な敷地に複数の建物が点在する場合と、隣接する敷地であっても道路や河川に隔てられて迂回が必要な場合を挙げています。
したがって社内の運用表は、「同一敷地内か否か」の一列だけでは足りません。位置関係の欄と、効率的な提供につながる事情の欄を分けて持ち、後者には距離・移動経路・移動に要する時間といった、後から読んで再現できる事実を書いておく形にしておくと、指定権者へ相談するときの材料がそのまま揃います。
類型別の確認欄|位置関係14類型と建物の種類12類型
ここからは、実際に現場で出てくる位置関係の形を並べ、それぞれについて「どの欄を確かめるか」を示します。表の中に判定は書きません。左に通知で確認できる考え方、右に貴事業所が書き込む欄を置いています。
位置関係の類型別|確かめる欄(14類型)
| 位置関係の類型 | 通知で確認できる考え方 | 確かめる欄 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 事業所と住戸が同一の建物内にある | 当該事業所と同一の建物に居住していることが定めに挙がっている | 建物の登記・賃貸借契約上、事業所と住戸が同一の建築物といえるか | 建物名(記入欄)/事業所の所在階(記入欄)/利用者の居室階(記入欄) |
| 事業所と住戸が渡り廊下でつながっている | 構造上又は外形上一体的な建築物とされているかが確認の視点になる | 渡り廊下・連絡通路が構造上の接続といえるか、外形上一体に見えるか | 接続の形状(記入欄)/建築確認上の棟の扱い(記入欄) |
| 同一敷地内に事業所と別棟の住まいがある | 同一の敷地内の建物が定めに挙がっている一方、利用者数の合算では別棟を合算しないとされている | 敷地の範囲(地番)と、棟ごとの利用者数を分けて数えているか | 地番(記入欄)/棟の名称(記入欄)/棟ごとの利用者数(記入欄: 人) |
| 同一敷地内だが敷地が広く建物が点在している | 広大な敷地に複数の建物が点在する場合が、効率的な提供につながらない例として挙げられている | 建物間の距離・移動経路・移動に要する時間 | 距離(記入欄: m)/片道の移動時間(記入欄: 分)/移動手段(記入欄) |
| 隣接する敷地の建物に住んでいる | 隣接する敷地内の建物が定めに挙がっている | 敷地が隣接しているといえるか、境界の状況 | 境界の形状(記入欄)/隣接を示す資料(記入欄:住宅地図・公図・配置図) |
| 隣接する敷地だが道路に隔てられている | 隣接する敷地でも道路に隔てられ迂回が必要な場合が例として挙げられている | 直線距離ではなく実際の歩行・車両経路と迂回の要否 | 道路名・幅員(記入欄)/横断できる箇所までの距離(記入欄) |
| 隣接する敷地だが河川に隔てられている | 河川に隔てられ迂回が必要な場合が例として挙げられている | 橋までの迂回距離と移動時間 | 河川名(記入欄)/最寄りの橋までの距離(記入欄)/片道の移動時間(記入欄) |
| 道路を挟んで向かい合う建物に住んでいる | 道路を挟んで隣接する建物の利用者数は合算しないとされている | 利用者数を建物ごとに分けて数えているか | 各建物の利用者数(記入欄)/合算していないことの確認者(記入欄) |
| 同一敷地内建物等以外の建物に自事業所の利用者が複数いる | 当該建築物に当該事業所の利用者が20人以上居住する場合が定めに挙がっている | 当該建物に居住する自事業所の利用者の人数 | 建物名(記入欄)/人数(記入欄: 人)/集計月(記入欄) |
| 棟が複数ある団地・集合住宅で棟ごとに利用者がいる | 別棟の利用者数は合算しないとされている | 棟の単位をどこで区切るか、棟番号ごとの内訳 | 棟番号ごとの人数(記入欄)/区切りの根拠資料(記入欄) |
| 同一の建物内に複数の出入口・区画がある | 構造上又は外形上一体的な建築物であるかが確認の視点になる | 区画が別建物といえるか、外形上の一体性 | 区画の名称(記入欄)/登記上の棟の扱い(記入欄) |
| 事業所が入る建物の上階に住戸がある | 同一の建物に居住していることが定めに挙がっている | 同一建築物といえるか、事業所と住戸の関係 | 建物名(記入欄)/住戸数(記入欄)/自事業所の利用者数(記入欄: 人) |
| 建物の所有者・管理法人が自法人と異なる | 管理、運営法人が当該事業者と異なる場合を除外する定めは置かれていない | 法人が異なることを理由に除外して整理していないか | 管理法人名(記入欄)/自法人との関係(記入欄) |
| 月の途中で利用者が転居した | 適用の単位は、該当する利用者について当該月の居宅介護支援を行った場合とされている | 転居日と、その月の集計の起点をどこに置くか | 転居日(記入欄)/転居前の建物(記入欄)/転居後の建物(記入欄)/指定権者への確認結果(記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
建物の種類別|位置関係と人数の確認欄(12類型)
ここで一点、はっきりさせておきます。本レコードで確認した告示・通知の範囲では、建物の種類(サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホーム・集合住宅など)によって扱いを分ける定めは置かれていません。確かめるのは建物の名前ではなく、事業所との位置関係と、その建物に居住する自事業所の利用者数の2点です。
それでも種類別に欄を分けておく意味はあります。建物の種類によって、位置関係を示す資料の入手先や、利用者数の把握のしやすさが違うためです。下表は「どの資料をどこから取るか」を種類ごとに書き分けたものです。
| 建物の種類 | 位置関係の確認欄 | 当該建物に居住する自事業所の利用者数(記入欄) | 位置関係を示す資料の入手先(記入欄) |
|---|---|---|---|
| サービス付き高齢者向け住宅(事業所が同一建物内) | 事業所と住戸が同一の建築物か(記入欄) | 人(集計月: ) | 住宅の配置図・平面図(記入欄:入手日) |
| サービス付き高齢者向け住宅(事業所が同一敷地内の別棟) | 敷地の地番と棟の関係(記入欄) | 人(集計月: ) | 敷地図・公図(記入欄:入手日) |
| サービス付き高齢者向け住宅(事業所が隣接する敷地) | 境界の状況と迂回の要否(記入欄) | 人(集計月: ) | 住宅地図・現地の写真(記入欄:撮影日) |
| 住宅型有料老人ホーム(事業所が同一建物内) | 事業所と居室の階・区画(記入欄) | 人(集計月: ) | 重要事項説明書・平面図(記入欄:入手日) |
| 住宅型有料老人ホーム(事業所が同一敷地内の別棟) | 棟ごとの区分(記入欄) | 人(集計月: ) | 敷地図・配置図(記入欄:入手日) |
| 介護付有料老人ホーム(特定施設) | 事業所との位置関係(記入欄) | 人(集計月: ) | 重要事項説明書・配置図(記入欄:入手日) |
| 軽費老人ホーム・ケアハウス | 事業所との位置関係(記入欄) | 人(集計月: ) | 配置図・住宅地図(記入欄:入手日) |
| 養護老人ホーム | 事業所との位置関係(記入欄) | 人(集計月: ) | 配置図・住宅地図(記入欄:入手日) |
| 賃貸マンション・アパート(単棟) | 事業所との位置関係(記入欄) | 人(集計月: ) | 住宅地図・賃貸借契約の写し(記入欄:入手日) |
| 賃貸マンション・アパート(複数棟) | 棟の区切りと棟ごとの人数(記入欄) | 棟ごと: 人/ 人/ 人(集計月: ) | 棟配置図(記入欄:入手日) |
| 団地・公営住宅(棟が分かれている) | 棟番号と道路の位置(記入欄) | 棟ごと: 人/ 人/ 人(集計月: ) | 団地の案内図・住宅地図(記入欄:入手日) |
| 戸建て住宅が同一敷地内に点在 | 建物間の距離と移動時間(記入欄) | 人(集計月: ) | 敷地図・現地確認記録(記入欄:確認日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
別添1が集合住宅等について挙げている確認項目
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1では、居宅介護支援の「指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条)」の欄に、集合住宅等に関する確認項目が置かれています。減算の判定とは別の話ですが、同じ建物の利用者をまとめて担当している事業所では、同じ資料をめくることになります。あわせて点検しておくと二度手間になりません。
| 確認項目(別添1) | 確認内容(別添1) | 確認文書(別添1) | 貴事業所の状況(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | 集合住宅等において、利用者の意思に反し、同一敷地内の指定居宅サービス事業者のみを居宅サービス計画に位置付けていないか | 居宅サービス計画、支援経過記録等 | 同一敷地内の事業者以外を検討した記録の有無(記入欄) |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | 利用者の希望やアセスメントに基づき、介護保険サービス以外のサービス、支援を含めた総合的な居宅サービス計画を立てているか | アセスメントシート、居宅サービス計画 | 保険外のサービスを位置付けた件数(記入欄) |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | サービス担当者会議を開催し、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有し、担当者からの専門的な見地からの意見を求めているか | サービス担当者会議の記録 | 直近3か月の開催記録の有無(記入欄) |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | 定期的にモニタリングを行っているか | モニタリングの記録 | 直近3か月の記録の有無(記入欄) |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | 利用者及び担当者への説明・同意・交付をおこなっているか | 居宅サービス計画、支援経過記録等 | 同意日と交付日の記録(記入欄) |
| 指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第13条) | 担当者から個別サービス計画の提供を受けているか(整合性の確認) | 個別サービス計画 | 受領している事業所数(記入欄) |
| 内容及び手続の説明及び同意(第4条) | 利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか | 重要事項説明書、利用契約書 | 同一建物の利用者について署名日を確認した件数(記入欄) |
| 受給資格等の確認(第7条) | 被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期限を確認しているか | 介護保険番号、有効期限等を確認している記録等 | 確認記録の保管場所(記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
20人の数え方|確定していない点と指定権者への確認欄
この減算でいちばん問い合わせが多いのが、20人という人数をどう数えるのかという点です。結論から書くと、本ページではこの数え方を確定していません。根拠となる老企第36号 第三の10⑵②の原文を確認できておらず、確認できていない事柄を確定した書き方にすると、そのまま社内の運用表に写されてしまうためです。
実務の場で流通している説明は大きく2通りあります。どちらの説明も見かけますが、当社が一次資料で裏を取れたわけではありません。下表は、2通りの説明を並べ、その右に貴事業所が指定権者から得た回答を書き込む欄を置いたものです。
| 論点 | 流通している説明その1 | 流通している説明その2 | 本ページでの扱い | 指定権者からの回答(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 20人の母数の取り方 | 当該月に提出した給付管理票に係る利用者のうち、該当建物に居住する者の合計とする | 1月間の利用者数の平均とする | 原文未取得のため確定していない | 回答(記入欄)/回答日(記入欄)/回答者(記入欄) |
| 要支援者(介護予防支援の利用者)の扱い | 含めて数えるという説明 | 含めないという説明 | 原文未取得のため確定していない | 回答(記入欄)/回答日(記入欄)/回答者(記入欄) |
| 月の途中の契約開始・終了の扱い | 給付管理票を提出した月に含めて数える | 在籍期間で按分して数える | 本レコードで確認した範囲では規定を確認できず | 回答(記入欄)/回答日(記入欄) |
| 月の途中の転居の扱い | 月末時点の居住建物で数える | 居住していた期間のある建物すべてで数える | 本レコードで確認した範囲では規定を確認できず | 回答(記入欄)/回答日(記入欄) |
| 入院中の利用者の扱い | 居住地は変わらないものとして数える | 当該月に給付管理票を提出したかで整理する | 本レコードで確認した範囲では規定を確認できず | 回答(記入欄)/回答日(記入欄) |
| 別棟・道路を挟む建物の合算 | 同一敷地内にある別棟の建物の利用者数は合算しないとされている(老企第36号 第三の10⑵①) | 道路を挟んで隣接する建物の利用者数も合算しないとされている(老企第36号 第三の10⑵①) | 一次資料で確認済み | 棟ごとの内訳(記入欄) |
| 建物の管理・運営法人が異なる場合 | 当該建築物の管理、運営法人が当該事業者と異なる場合を除外する定めは置かれていない(老企第36号 第三の10⑷) | 別法人であることのみを理由に除外する取扱いは、通知の該当箇所からは確認できない | 一次資料で確認済み | 管理法人名(記入欄) |
| 体制届出の要否・様式 | 今回確認した告示および通知の該当箇所からは規定を確認できていない | 様式・提出期限についても該当箇所からは確認できていない | 確認先は指定権者 | 届出の要否(記入欄)/様式名(記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
指定権者への聞き取り票|そのまま使える質問文(10問)
電話や窓口で聞くときは、聞きたいことを一度に並べるより、答えが一つに定まる形に区切って尋ねるほうが早く終わります。下表の左列はそのまま読み上げられる質問文にしてあります。右の欄に回答と回答日・回答者を控え、次の運営指導まで保管してください。
| 質問文(そのまま読み上げられる形) | 回答(記入欄) | 回答日・回答者(記入欄) |
|---|---|---|
| 居宅介護支援の同一建物減算について、同一敷地内建物等以外の建物の利用者数を数えるとき、当該月の給付管理票に係る利用者の合計で数える取扱いでよろしいでしょうか。それとも1月間の平均で数える取扱いでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| その人数に、介護予防支援の利用者(要支援の方)は含めて数える取扱いでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 同一敷地内にある別棟の建物について、棟ごとに分けて数える取扱いという理解でよろしいでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 道路を挟んで向かい合う建物について、それぞれ別の建物として数える取扱いという理解でよろしいでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 当事業所の所在地から徒歩で迂回が必要な隣接敷地の建物があります。効率的な居宅介護支援の提供につながらない場合の考え方について、どのような資料をお示しすればよいでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| この減算に関して、体制届その他の届出を提出する必要はございますでしょうか。必要な場合、様式名と提出期限をお教えいただけますでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 月の途中で利用者が同一建物へ転居した場合、その月の取扱いについてどのように整理すればよろしいでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 運営指導の際に、位置関係を示す資料としてどのようなものをご用意すればよろしいでしょうか。住宅地図と配置図で足りますでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 建物の管理・運営法人が当事業所と別法人の場合の取扱いについて、貴市(貴町)でお示しになっている資料はございますでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
| 過去の月について取扱いを改める場合、過誤申立ての手順と期限をお教えいただけますでしょうか。 | (記入欄) | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
月次の判定シート|利用者別・建物別・手順の記入欄
ここからは毎月の作業に使うシートです。位置関係は一度確認すれば当分変わりませんが、建物ごとの利用者数は毎月動きます。動く欄と動かない欄を分けておくと、月次で見る範囲が小さくなります。
利用者別シート|位置関係と居住建物の記入欄
| 利用者(記入欄) | 居住建物名(記入欄) | 事業所との位置関係(記入欄:同一の建物/同一敷地内/隣接する敷地/いずれでもない) | 当該建物の自事業所利用者数(記入欄) | 当月の給付管理票の提出(記入欄:有/無) | 指定権者への確認結果(記入欄) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 2(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 3(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 4(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 5(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 6(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 7(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 8(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 9(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 10(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 11(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 12(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 13(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 14(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| 15(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
建物別シート|棟ごとに分けて数えるための記入欄
建物別シートでは、棟の単位で行を分けます。同一敷地内の別棟や、道路を挟んで隣接する建物の利用者数は合算しないとされているため、一つの住所にまとめて書いてしまうと後から分けられなくなります。棟番号まで書き分けてください。
| 建物・棟(記入欄) | 所在地・地番(記入欄) | 事業所との位置関係(記入欄) | 当該棟に居住する自事業所の利用者数(記入欄) | 合算していない旨の確認者(記入欄) | 集計月(記入欄) |
|---|---|---|---|---|---|
| A(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| B(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| C(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| D(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| E(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| F(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| G(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| H(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| I(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
| J(記入欄) | (記入欄) | (記入欄) | 人 | (記入欄) | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
月次の手順|請求前に見る順番(10手順)
請求作業の直前に慌てて位置関係を調べ始めると、住宅地図を取り寄せる時間がありません。位置関係の確認は年に一度と転居時だけ、人数の集計は毎月、と作業を分けておくのが現実的です。
| 順番 | 見るもの | 突き合わせる相手 | 実施日(記入欄) | 実施者(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 利用者台帳の住所欄(当月の新規・転居を含む) | 前月の利用者別シート | (記入欄) | (記入欄) |
| 2 | 新規契約者の居住建物名と棟番号 | 建物別シートの行 | (記入欄) | (記入欄) |
| 3 | 転居・入院・退院の届出 | 支援経過記録 | (記入欄) | (記入欄) |
| 4 | 事業所と各建物の位置関係を示す資料 | 住宅地図・配置図・敷地図 | (記入欄) | (記入欄) |
| 5 | 棟ごとの自事業所利用者数 | 当月の給付管理票 | (記入欄) | (記入欄) |
| 6 | 別棟・道路を挟む建物を合算していないか | 建物別シートの棟番号 | (記入欄) | (記入欄) |
| 7 | 効率的な提供につながらない事情の記録 | 距離・移動時間の記録 | (記入欄) | (記入欄) |
| 8 | 指定権者から得た回答の控え | 聞き取り票 | (記入欄) | (記入欄) |
| 9 | 請求ソフトの減算設定 | 利用者別シート | (記入欄) | (記入欄) |
| 10 | 介護給付費請求明細書の内容 | 利用者別シート・建物別シート | (記入欄) | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営指導で確認される書類|当日そろえる一覧【18件】
下表は、当社の加算データベースに登録している確認書類と、自治体が公表している資料で確認された書類、および運営指導マニュアル別添1の確認文書を並べたものです。保管場所と最終更新日の欄を設けています。当日になって「どの棚にあるか」を探す時間がいちばん惜しいので、ここを埋めておくだけで所要時間が変わります。
| 書類 | 何を確かめるためのものか | 出所 | 保管場所(記入欄) | 最終更新日(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 事業所と利用者居住建物の位置関係がわかる資料(住宅地図) | 事業所と建物の位置関係 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 配置図 | 同一敷地内の棟の配置 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 敷地図・公図 | 敷地の範囲と隣接関係 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 建物ごとの利用者一覧 | 棟ごとの自事業所利用者数 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 当該月の給付管理票 | 当月の利用者の範囲 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 賃貸借契約や建物の管理運営法人がわかる資料 | 建物の所有・管理の関係 | 当社データベースの確認書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 利用者台帳(住所) | 居住地と建物名 | 松山市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 事業所の平面図 | 事業所と住戸の関係 | 松山市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 同一建物居住者数の集計記録 | 建物ごとの人数の集計過程 | 松山市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 介護給付費請求明細書 | 請求内容との突合 | 松山市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 利用者名簿(居住建物が分かるもの) | 建物ごとの利用者の把握 | 宇都宮市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 建物の位置関係が分かる図面 | 位置関係の裏づけ | 宇都宮市の資料で確認された書類 | (記入欄) | (記入欄) |
| 居宅サービス計画 | 同一敷地内の事業者のみを位置付けていないか | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
| 支援経過記録等 | 転居・入院等の経緯 | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
| アセスメントシート | 希望とアセスメントに基づく計画か | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
| サービス担当者会議の記録 | 担当者からの専門的な意見 | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
| モニタリングの記録 | 定期的なモニタリングの実施 | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
| 重要事項説明書・利用契約書 | 説明と同意の手続 | 別添1の確認文書 | (記入欄) | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体の公表事例|同一建物減算に関する指摘と出典
自治体が公表している運営指導の資料から、建物の位置関係にかかわる指摘を抜き出しました。居宅介護支援を対象としたものは松山市の資料で確認できます。それ以外は訪問介護など別のサービスを対象とした指摘ですが、確認されている書類と点検の手順は共通しているため、対象サービスの列を設けたうえで参考として並べています。要件の内容は各サービスで異なりますので、そのまま読み替えないでください。
| 自治体 | 対象サービス | 指摘・周知の要旨 | 資料で示された確認の視点 | 確認された書類 |
|---|---|---|---|---|
| 松山市 | 居宅介護支援 | 同一建物等居住者に対する減算(100分の95)の適用漏れ。事業所の所在する建物と同一の敷地内、隣接する敷地内の建物又は事業所と同一の建物に居住する利用者、又は1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住する建物に居住する利用者に対して居宅介護支援を行った場合の取扱いが示されている | 事業所と利用者の居住建物の位置関係、および同一建物への居住者数を月ごとに把握し、該当する利用者について減算後の単位数で請求すること | 利用者台帳(住所)、事業所の平面図・位置関係が分かる資料、同一建物居住者数の集計記録、介護給付費請求明細書 |
| 松山市 | 居宅介護支援 | 高齢者向け集合住宅等の利用者にサービスを一律に位置付けないよう示されている | 集合住宅の入居者について、施設が提供する分と介護保険サービスで提供する分を整理したうえで計画を作成すること | 居宅サービス計画書第2表・第3表 |
| 宇都宮市 | 訪問介護 | 同一敷地内建物等に居住する利用者に減算を適用していない。資料には「過誤調整案件」と注記されている | 利用者の居住建物と事業所の位置関係を一覧化し、対象の有無を月ごとに確認すること | 利用者名簿(居住建物が分かるもの)、建物の位置関係が分かる図面、介護給付費請求明細書 |
| 千葉市 | 訪問介護 | 前6月間の割合が一定以上の場合の判定及びその結果を保険者に提出しておらず、適切に減算されていない実態が認められた | 前6月間の利用者構成から、同一敷地内建物等に居住する利用者への提供割合を算出した記録があるかを確認すること | 同一建物等居住者割合の判定資料(前6月間)、体制届の控え、利用者住所一覧、給付費請求明細 |
| 愛知県 | 訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハ | 個別サービス事業所と同一敷地内又は隣接敷地内の建物の居住利用者にサービスを提供しているが減算請求していないので自主点検の上報告すること | 利用者の居住地と事業所の所在地を突合し、同一敷地内・隣接敷地内の建物に居住する利用者を抽出して適用状況を点検すること | 利用者台帳(住所)、事業所の平面図・配置図、請求データ、体制等に関する届出書 |
| 大阪市 | 訪問介護 | 前6月間に提供したサービスのうち、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者に提供されたものの占める割合が一定以上であるが、計算書の提出および減算の適用をしていなかった | 判定期間ごとに計算書を作成して各事業所で保存し、割合が一定以上となる場合は所定の方法で提出すること | 同一建物減算に係る計算書、利用者の居住地がわかる一覧、サービス提供実績記録、提出書類の控え |
| 京都府 | 訪問介護 | 事業所と同一の敷地内のケアハウスに居住する利用者に対しサービスを行ったにもかかわらず、同一建物等減算をせずに算定していた(WAM NET 京都府ページ掲載の資料。PDF本文に自治体名・資料名の明記はなく、掲載先ページからの推定) | 同一敷地内・同一建物に居住する利用者へのサービス提供について、利用者ごとに確認し請求内容と突合すること | 利用者の住所一覧、事業所と建物の位置関係が分かる資料、請求明細書、体制等状況一覧表 |
| 横浜市 | 各サービス共通 | 事業所と同一建物に居住する利用者について同一建物減算を適用していない旨の指摘が各サービス共通の欄に記載されている | 同一建物に居住する利用者を抽出し、請求内容と突き合わせること | 利用者住所一覧、請求明細 |
| 姫路市 | 居宅介護支援 | 有料老人ホーム入居者の計画で、ホーム提供分と訪問介護提供分が重複・区別できていないとの指摘が記録されている | 施設においてどの程度サービスを提供できるのか、介護保険サービスにおいて提供しなければならないサービスは何かを明確に整理したうえで計画を作成すること | 居宅サービス計画書第2表・第3表、有料老人ホーム等の重要事項説明書・契約書、訪問介護計画 |
| 神戸市 | 訪問介護 | サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームとしてのサービスについて、訪問介護等として報酬を算定している/勤務体制を区別していない | 住まいのサービスとして提供する業務と、介護保険サービスとして提供する業務を切り分け、記録も別立てで残すこと | 月ごとの勤務表、出勤簿・タイムカード、訪問介護計画、サービス提供記録、住宅側の業務記録 |
| 堺市 | 居宅介護支援 | 居宅介護支援の「よくある指摘事項」として、担当者へ居宅サービス計画を交付していることが確認できない、個別サービス計画を受領していない等が挙げられている | 計画交付の記録と個別サービス計画の受領状況を利用者ごとに確認すること | 計画交付記録、個別サービス計画 |
| 岡山市 | 居宅介護支援・介護予防支援 | 利用者の居宅以外でモニタリングを行っている、モニタリングの結果を記録していない、チェック記載のみで内容が不明確、との不適切事例が示されている | 訪問場所・同席者・確認した生活状況を文章で残す様式に見直すこと | モニタリング記録、支援経過記録、アセスメントシート、訪問記録 |
| 広島市 | 居宅介護支援 | サービス利用票の同意が翌月となっている事例が認められた。居宅サービス計画を作成又は変更する際には、同月内に一連の業務を実施すること | 同意取得日が当該月内に収まるようスケジュールを前倒しすること | サービス利用票・別表(利用者同意欄)、居宅サービス計画書、支援経過記録、給付管理票 |
| 青森県 | 居宅介護支援 | 縦覧点検の視点として、居宅介護支援費はサービスの利用実績がある月に算定が可能なため、給付実績が給付管理票(サービス計画)どおりとなっているか確認する旨が示されている | 請求前に、当月の給付管理票と各サービス事業所の実績報告を突合すること | 給付管理票、各サービス事業所の実績報告書、居宅サービス計画(第6表・第7表)、介護給付費明細書 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある論点|断定を避けた整理【10論点】
最後に、問い合わせの多い論点を、確認できていることと確認できていないことに分けて並べます。右端の欄に、貴事業所が指定権者から得た回答を控えてください。この表がそのまま、次の運営指導での説明材料になります。
| 論点 | 告示・通知で確認できること | 本ページで確認できていないこと | 確認先 | 回答(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 位置関係が形式的に当てはまれば一律に扱われるのか | 位置関係のみで判断することがないよう留意すべき旨と、効率的な居宅介護支援の提供につながらない場合には減算を適用するものではないとされている | どの程度の距離・移動時間であれば「効率的な提供につながらない」と整理されるかの基準 | 指定権者 | (記入欄) |
| 広い敷地に建物が点在している場合 | 広大な敷地に複数の建物が点在する場合が例として挙げられている | 「広大」の具体的な広さ | 指定権者 | (記入欄) |
| 道路や河川で隔てられている場合 | 隣接する敷地でも道路や河川に隔てられ迂回が必要な場合が例として挙げられている | 迂回の距離や所要時間の目安 | 指定権者 | (記入欄) |
| 建物の管理法人が別法人の場合 | 当該建築物の管理、運営法人が当該事業者と異なる場合を除外する定めは置かれていない | 別法人であることを説明する資料としてどこまで求められるか | 指定権者 | (記入欄) |
| 20人という人数の数え方 | 当該建築物に当該事業所の利用者が20人以上居住する場合という定めがあること | 給付管理票に係る利用者の合計か1月間の平均か(老企第36号 第三の10⑵②の原文が未取得) | 指定権者 | (記入欄) |
| 要支援者を人数に含めるか | — | 介護予防支援の利用者を含めるかどうか | 指定権者 | (記入欄) |
| 別棟や道路を挟む建物の合算 | 同一敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数は合算しないとされている | 「棟」をどの単位で区切るかの判断 | 指定権者 | (記入欄) |
| 体制届出の要否 | 今回確認した告示および通知の該当箇所からは規定を確認できていない | 届出の要否・様式・提出期限 | 指定権者 | (記入欄) |
| 月の途中で転居した利用者の扱い | 適用の単位は、該当する利用者について当該月の居宅介護支援を行った場合とされている | 転居月の集計の起点 | 指定権者 | (記入欄) |
| 過去の月について取扱いを改める場合 | — | 過誤申立ての手順・期限・様式 | 指定権者 | (記入欄) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
記録の書き方|位置関係の記録を「読んで再現できる形」にする
位置関係の記録は、後から読んだ人が同じ結論に至れるかどうかで質が決まります。「隣の建物です」「近いです」という書き方では、資料としては使えません。距離・経路・移動手段・移動に要した時間・確認した日付・確認した人を、事実として書き残してください。
| 場面 | 読み返しに耐えない書き方 | そのまま使える書き方(完成文) |
|---|---|---|
| 同一敷地内の別棟 | 「同じ敷地内の別の建物です」 | 令和◯年◯月◯日、管理者◯◯が現地を確認。事業所が入る本館と、利用者◯名が居住するB棟は同一地番(◯◯町◯丁目◯番◯)にあり、渡り廊下等の接続はない。本館玄関からB棟玄関まで徒歩で片道◯分、実測距離約◯m。B棟に居住する当事業所の利用者は◯名(令和◯年◯月の給付管理票による)。A棟の◯名とは合算せず、棟ごとに集計している。 |
| 隣接する敷地・道路で分断 | 「道路の向かいなのですぐ行けます」 | 令和◯年◯月◯日、介護支援専門員◯◯が経路を確認。事業所と当該建物は幅員◯mの市道を挟んで向かい合っているが、当該区間に横断歩道および信号がなく、最寄りの横断箇所まで片道約◯m、往復の移動に約◯分を要する。当該建物に居住する当事業所の利用者は◯名で、事業所側の建物の利用者とは合算していない。 |
| 河川で隔てられている | 「川の向こう側です」 | 令和◯年◯月◯日、管理者◯◯が現地を確認。事業所と当該建物の直線距離は約◯mであるが、間に◯◯川があり、最寄りの◯◯橋を経由すると片道約◯km、自動車で約◯分を要する。徒歩による移動経路はない。当該事情を示す資料として、住宅地図(令和◯年◯月版)および経路の写真◯枚を保管している。 |
| 広い敷地に建物が点在 | 「敷地が広いので離れています」 | 令和◯年◯月◯日、管理者◯◯が敷地内を歩行して確認。敷地面積は約◯㎡で、事業所が入る管理棟から最も遠い◯棟まで片道約◯m、徒歩約◯分。棟間に段差および階段があり、書類を持っての移動には往復約◯分を要した。棟ごとの当事業所利用者数は、◯棟◯名、◯棟◯名、◯棟◯名。 |
| 建物の管理法人が別法人 | 「うちの法人とは関係のない建物です」 | 令和◯年◯月◯日、事務員◯◯が確認。当該建物の所有者は◯◯株式会社、管理運営法人は◯◯合同会社であり、当事業所を運営する◯◯法人とは資本関係および役員の兼務がない。賃貸借契約書の写しおよび建物の登記事項証明書(令和◯年◯月◯日取得)を保管している。なお、管理・運営法人が異なる場合を除外する定めは置かれていないため、位置関係と居住者数により整理している。 |
| 月の途中の転居 | 「途中で引っ越されました」 | 令和◯年◯月◯日、利用者◯◯様が◯◯(自宅)から◯◯(当事業所と同一敷地内のB棟)へ転居。転居の連絡は同月◯日にご家族◯◯様より受け、同日、支援経過に記録。当月の給付管理票は◯月◯日に提出済み。転居月の集計の起点について、◯◯市介護保険課◯◯様に令和◯年◯月◯日に電話で確認し、回答内容を聞き取り票に記録している。 |
| 棟ごとの人数集計 | 「その住宅に20人くらいいます」 | 令和◯年◯月分の給付管理票をもとに、事務員◯◯が令和◯年◯月◯日に集計。◯◯ハイツA棟に居住する当事業所の利用者は◯名、B棟は◯名、C棟は◯名。A棟とB棟は同一敷地内の別棟であるため合算していない。集計表は建物別シートに保管し、管理者◯◯が同日確認した。 |
| 同一建物内に事業所がある | 「同じ建物です」 | 令和◯年◯月◯日、管理者◯◯が確認。当事業所は◯◯(建物名)の1階に所在し、当該建物の2階から◯階が住戸である。当該建物に居住する当事業所の利用者は◯名(令和◯年◯月の給付管理票による)。建物は単一の建築確認による1棟であり、平面図の写しを保管している。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある質問
同一建物減算(居宅介護支援)はいつから設けられた定めですか
当社データベースの改定区分では、令和6年度改定で新設された定めとして登録しています。確認に用いた資料は、算定基準告示 別表 注5と、介護保険最新情報Vol.1213に掲載された老企第36号の新旧対照表 第三の10です。運用の開始時期や経過的な取扱いについては、保険者(指定権者)にご確認ください。
減算の単位数はどのように定められていますか
告示 別表 イ 注5では、所定単位数の100分の95に相当する単位数を算定すると定められています。適用の単位は、該当する利用者について、当該月の居宅介護支援を行った場合とされています。実際の請求における取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
建物の種類によって扱いが変わりますか
本ページで確認した告示・通知の範囲では、サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホーム・集合住宅といった建物の種類によって扱いを分ける定めは置かれていません。定めが挙げているのは、事業所との位置関係(同一の建物、同一の敷地内、隣接する敷地内)と、当該建築物に居住する当該事業所の利用者数です。種類ではなく、この2点の欄を埋めて確認してください。
20人はどのように数えるのですか
本ページでは確定していません。当該月に提出した給付管理票に係る利用者のうち該当建物に居住する者の合計とする説明と、1月間の利用者数の平均とする説明が流通していますが、根拠となる老企第36号 第三の10⑵②の原文を確認できていないためです。要支援者(介護予防支援の利用者)を含めるかどうかも同様に確認できていません。本ページの聞き取り票をお使いのうえ、指定権者にご確認ください。
同一敷地内に建物が2棟あります。利用者数は合わせて数えるのですか
留意事項通知(老企第36号 第三の10⑵①)では、同一敷地内にある別棟の建物や、道路を挟んで隣接する建物の利用者数は合算しないとされています。棟ごとに人数を分けて集計し、その内訳が後から追える形で保管しておくことが考えられます。棟の区切り方の判断は保険者(指定権者)にご確認ください。
建物の管理法人が当法人と別の場合はどうなりますか
留意事項通知(老企第36号 第三の10⑷)では、当該建築物の管理、運営法人が当該事業者と異なる場合を除外する定めは置かれていません。別法人であることのみをもって整理せず、位置関係と居住者数の欄を埋めたうえで、取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください。
位置関係が当てはまれば一律に適用されるのですか
留意事項通知(老企第36号 第三の10⑶)では、位置関係のみで判断することがないよう留意すべき旨が示され、効率的な居宅介護支援の提供につながらない場合には減算を適用するものではないとされています。例として、広大な敷地に複数の建物が点在する場合と、隣接する敷地でも道路や河川に隔てられ迂回が必要な場合が挙げられています。具体的な当てはめは保険者(指定権者)にご確認ください。
体制届などの届出は必要ですか
本ページで確認した告示および通知の該当箇所からは、届出の要否・様式に関する規定を確認できていません。確認先は指定権者になります。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。当社は要件の対照表と記録の整理をお手伝いする立場であり、届出の代行は行いません。
運営指導ではどのような書類を見られますか
当社データベースに登録している確認書類は、事業所と利用者居住建物の位置関係がわかる資料(住宅地図・配置図・敷地図)、建物ごとの利用者一覧、当該月の給付管理票、賃貸借契約や建物の管理運営法人がわかる資料です。自治体の公表資料では、松山市が利用者台帳(住所)、事業所の平面図・位置関係が分かる資料、同一建物居住者数の集計記録、介護給付費請求明細書を挙げ、宇都宮市が利用者名簿(居住建物が分かるもの)、建物の位置関係が分かる図面、介護給付費請求明細書を挙げています。実際に求められる書類は保険者(指定権者)により異なります。
過去の月の取扱いを改める必要が出た場合はどうすればよいですか
過誤申立ての手順・期限・様式は保険者(指定権者)により異なります。宇都宮市の資料では同種の事案に「過誤調整案件」との注記があり、愛知県の資料では自主点検の上で報告するよう示されています。まず指定権者の担当課へ状況を伝え、手順の指示を受けてから作業に入る流れが考えられます。本ページの聞き取り票に、確認日・回答者・回答内容を控えておいてください。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
