【令和8年度】介護テクノロジー補助金の申請をサポート

介護AIは怖くない|はじめてのAI活用ガイド・よくある不安7つの答えと最初の1週間

マガジンAXラボGUIDE 01 はじめてのAI活用連載一覧へ ›

「パソコンが苦手」「仕事を奪われるのでは」——介護現場でAIに感じる不安は、たいてい7つに収まります。その一つひとつを、公表データと一次情報で確かめました。AIにできること・できないことの対照表、個人情報の扱い、そして最初の1週間の進め方まで。判定はしません。材料を並べます。

介護の現場で「AIを入れよう」と言われて、素直に賛成できる人は多くありません。パソコンが苦手、仕事を奪われそう、覚えることが増えそう——不安はどれも、もっともです。

ただ、その不安の中身を一つずつ開いてみると、「事実として確かめられること」と「事業所が決めればいいこと」に分かれます。この記事では、よく聞かれる不安7つを分解し、それぞれ「いま言えること」と「自分で確かめる方法」を並べました。数値は厚生労働省・公益財団法人介護労働安定センターなどの公表データに基づき、出典を明記しています。

関連する記事はAXラボ(介護×AIの研究室)でまとめています。

結論:AIが代わるのは「判断」ではなく、「手を動かす作業」

先に結論を置きます。介護現場でいまAIが担っているのは、記録の下書き、計画書・報告書の原案づくり、情報の要約——つまり「やらなければいけないが、時間のかかる作業」です。

誰にどのケアを届けるかという判断、利用者や家族との関わり、説明と同意。これらは、これまでどおり専門職の仕事として残ります。国の補助制度でも、AIを使うソフトは「AIケアプラン原案作成支援ソフト」という名前で位置づけられています。あくまで原案であり、決めるのは人という前提が、制度の側にも書かれているということです。

だから「AIに置き換えられる」と身構えるより、「時間のかかる作業を、どこまで渡せるか」と考えるほうが実態に近い、と私たちは整理しています。

まず数字で——デジタル化は、もう特別なことではない

公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」では、ケア記録・ケアプラン等の入力・保存・転記の機能を日常的に利用している事業所は75.4%でした。10事業所のうち7〜8が、なんらかの形でデジタルの記録に触れている計算になります。「うちだけが遅れている」ということは、まずありません。

いっぽうで、ICT機器・介護ロボットを導入しても負担軽減の効果を感じている事業所は、昼間で49.4%、夜間で44.6%(同調査)。入れることと、効くことは別です。だからこそ、不安を先に一つずつ潰しておいたほうが、結局は早く進みます。

よくある不安7つと、その答え

左が現場でよく聞かれる不安、真ん中がいま言えること、右があなた自身で確かめられる方法です。右の列だけメモして持ち帰っていただいても構いません。

不安 いま言えること 自分で確かめる方法
① パソコンが苦手でも使えるか 近年の介護向けAIは、スマホ・タブレットでの利用を前提にしたものが増えています。入力も「話す」「撮る」「押す」が中心で、キーボードで長文を打つ前提ではないものが主流です。 事務所のPCではなく自分のスマホで触らせてもらう。「5分で1件つくれるか」を実際に試す。
② 仕事を奪われないか AIが担っているのは下書き・転記・要約です。ケアの判断と対人援助は専門職に残ります。国の制度上も「原案」を支援する位置づけです。 「AIが出したものを、誰がどう確認して確定するか」を先に決める。決められない業務は、まだ渡さない。
③ AIが間違えたら誰の責任か 責任は事業所と専門職に残ります。AIの出力は下書きとして扱い、確認・承認の工程を必ず挟むことが前提になります。 承認者を決め、確認したことが記録に残る運用を先につくる。
④ 利用者の個人情報を入れて大丈夫か これは事業所が決めるべき論点です。氏名・被保険者番号などをそのまま渡さない運用(伏字)と、サービス側のデータの扱いの確認が要ります。 「学習に使われるか」「保存先はどこか」「削除できるか」の3点を、口頭ではなく書面で確認する。
⑤ 覚えることが増えて、逆に大変にならないか 一度に全部覚えようとすると、たいてい息切れします。1日にひとつずつでも十分に進みます。 最初の1週間で覚える機能を1つだけ決めて、それ以外は触らないと決める。
⑥ お金がかかるのでは 介護テクノロジー導入支援事業では、都道府県の実施要綱において、介護ソフトやタブレット等に加えて「AIケアプラン原案作成支援ソフト」も対象経費に挙げられています。補助率・上限額・締切は自治体ごとに異なります。 補助金ナビで自分の都道府県の要綱を確認する。
⑦ うまく使えなかったら無駄になるのでは 無料で試せる範囲から始めれば、失う金額はゼロに近づきます。失うのは時間だけです。 やめるときの条件を先に決めてから始める(例:4週間続けて楽にならなければ止める)。

AIにできること/できないこと

この線引きが曖昧なまま始めると、「AIが決めてくれると思ったのに」という失望か、「結局ぜんぶ見直すなら意味がない」という徒労のどちらかになりがちです。線を引いてから始めるのが近道です。

AIに渡せること 人に残ること
話した内容を文章の形にする 何を話すべきか、何を書き残すべきかを決める
様式に合わせて原案を組み立てる その人にとって適切な目標かどうかを判断する
大量の記録から要点を拾う 拾った要点の重み付けを最終決定する
転記・書き写し・体裁を整える 説明と同意、家族への対応
時間帯を問わず動く 結果に責任を負う

いま実際に使われている、3つの使い方

1. 記録の下書き

訪問先や利用者のそばで話した内容をもとに、AIが記録の下書きをつくる使い方です。事務所に戻ってから打ち直す時間が、確認して直す時間に置き換わります。最初に渡す業務としては、いちばん短い記録が向いています。

2. 計画書・報告書の原案

アセスメントなどの情報から、AIが計画書・報告書の原案を組み立て、人が確認して確定する使い方です。ゼロから様式を埋める作業がなくなるぶん、内容の検討に時間を回せます。ここは「原案」であることを、事業所内で明確にしておくことが大切です。

3. 情報の要約

会議の記録や、長い経過記録から要点を拾う使い方です。読む時間が減ります。ただし要点の取捨選択は人が確認するという前提を外さないでください。

個人情報の扱い——ここだけは、始める前に決める

AIを使い始めるとき、後回しにすると必ず困るのが個人情報の扱いです。次の3点を紙1枚に書いて、事業所内で共有してから始めることをおすすめします。

  • どこまで渡すか:氏名・被保険者番号・住所などをそのまま入れない(伏字にする)ルールを決める
  • サービス側の扱い:入力した内容が学習に使われるか、保存先はどこか、削除できるかを書面で確認する
  • 誰が確認して確定するか:AIの出力を承認する人と、その記録の残し方を決める

この3つは製品を選ぶ前に決められます。むしろ先に決めておくと、製品選びの基準そのものになります

最初の1週間——Day1からDay7

「何から始めればいいか分からない」がいちばん多い詰まりどころなので、1週間分だけ具体的に置いておきます。1日10〜20分で足ります。

やること 目安
Day 1 使う人を1人だけ決める。いちばん前向きな人を選ぶ(全員一斉導入は避ける) 10分
Day 2 渡す業務を1つだけ決める。いちばん短い記録から 10分
Day 3 個人情報のルール3点を紙1枚に書いて共有する 20分
Day 4 実際に1件つくってみる。うまくいかなくてよい 15分
Day 5 出力を人が直す。どこを直したかをメモする 15分
Day 6 メモをもとに、入力の仕方を1つだけ変えてもう1件つくる 15分
Day 7 続けるか止めるかは決めない。「もう1週間だけ続ける」とだけ決める 5分

効果を感じ始めるのは、経験上2週間後くらいからです。最初の1週間で判断しないことが、いちばんのコツになります。この進め方の考え方は介護のDXからAXへでも詳しく整理しています。

お金の話——国の補助の対象になり得る

「試したいが予算がない」という場合、国と自治体の補助制度が使える可能性があります。介護テクノロジー導入支援事業では、都道府県の実施要綱において、介護ソフトやタブレット等に加えて「AIケアプラン原案作成支援ソフト」も対象経費に挙げられています。

ただし補助率・上限額・締切・対象経費は自治体ごとに異なります。詳しくは介護テクノロジー補助金の解説ICT導入支援事業とはデジタル化・AI導入補助金をご覧ください。可否は必ず自治体の実施要綱の原典でご確認ください。

自事業所の現在地を確かめる

進め方を選ぶ前に、自分の事業所がいまどこにいるのかを確かめておくと、遠回りが減ります。無料の「AX診断」では、事業所名または所在地から検索するだけで、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の公表データをもとに現在地を表示します。登録も入力も不要です。

AX診断(無料)で自事業所のAX(AI活用)度を見る

出典:厚生労働省ウェブサイト(介護サービス情報公表システム オープンデータ)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ツールは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。診断結果は公表情報にもとづく整理であり、個別の判定・助言を行うものではありません。詳細は各事業所にてご確認ください。

使い始めるときの実務注意

AIの導入や、記録をAIに渡す運用にあたっては、利用者の氏名・被保険者番号などの個人情報の扱い(伏字・事業所内ルールの確認)にご留意ください。制度の要件・単位数・様式は、改定や自治体運用により変わります。加算の算定や補助の可否は、必ず告示・通知・自治体の実施要綱の原典と、貴事業所の登録内容をご確認ください。本記事は特定の製品・サービスの効果や算定を保証するものではありません。

使い始める前に事業所として決める34項目|決めた内容を書き込む欄つき

AIを使い始めるときにいちばん多い詰まりどころは、「機能が分からない」ではなく「決めないまま始めた」ことです。誰が確定するのかを決めずに始めると、下書きを出した人と提出した人のどちらが内容を見たのかが、後から誰にも分からなくなります。どこに残すかを決めずに始めると、確定前の文と確定した文が同じ場所に並び、どちらが記録なのかが読み手に伝わりません。ここでは、サービス種別を問わず先に決めておける項目を、「何に使うか」「誰が確定するか」「どこに残すか」「同意の要否を誰に確認するか」の4つに分けて並べました。決め方の例は、そのまま会議の議事録に写せる文にしています。右端の欄に自事業所の決定を書き込めば、それがそのまま職員に配る1枚になります。

何に使うか|渡す業務と、渡さない業務を先に線引きする(9項目)

渡す業務を決めるより先に、渡さない業務を名前で書き出すほうが早く決まります。「なんとなく全部に使ってみる」で始めると、うまくいかなかったときに、何が原因だったのかを切り分けられなくなるためです。次の9項目は、製品を選ぶ前でも決められます。

決めること 決めないまま始めると起きること 決め方の例(議事録にそのまま写せる文) 貴事業所の決定(記入欄)
最初に渡す業務を1つに絞る 複数の業務で同時に試すと、直しが多かった原因が入力の仕方なのか業務の相性なのか分からなくなる 「令和8年9月からの1か月間、AIに下書きを作らせる業務は日々のサービス提供記録の1種類のみとする。ほかの様式には使用しない。」 (記入欄)
渡さない業務を名前で書き出す 「たぶん使わない」で運用すると、忙しい日に誰かが使い、後から気づく 「事故報告書、苦情の受付記録、身体的拘束等に関する記録、市町村への通知に係る文書については、AIによる下書きを使用しない。」 (記入欄)
下書きの言葉づかいをどこまで直すか 職員ごとに直す量が違い、同じ利用者の記録の文体が日によって変わる 「AIが出した文のうち、日付・時刻・数量・利用者の発言は必ず実際の値に置き換える。文末表現の統一は行わない。」 (記入欄)
音声で入れるか、文字で入れるか 音声を前提に運用を組んだ後で、訪問先では声を出せないことが分かり止まる 「入力は原則として音声で行うが、居室・車内など第三者に聞こえる場所では文字入力に切り替える。」 (記入欄)
使う時間帯と場所 勤務時間外に自宅で入力する職員が出て、労務の扱いが後追いになる 「入力は勤務時間内に事業所内または訪問先で行う。自宅からの入力は行わない。」 (記入欄)
使う端末を特定する 私物の端末に利用者の情報が残り、退職時に回収できない 「使用する端末は事業所が貸与したタブレット3台に限る。個人所有の端末では使用しない。台帳に管理番号と貸与先を記載する。」 (記入欄)
通信できない場所での扱い 電波の入らない訪問先で入力できず、結局その日のうちに紙へ戻る 「電波が届かない訪問先では手元のメモに記載し、事業所に戻ってから入力する。メモは入力後に事業所内で保管する。」 (記入欄)
試す期間の長さ 期限がないと「まだ様子を見る」が続き、判断の場が来ない 「試行期間は4週間とし、第4週の終わりに継続の可否を職員会議で決める。」 (記入欄)
やめるときの条件 やめる基準がないと、合わない職員が黙って使わなくなるだけで終わる 「4週間続けて、確定までにかかる時間が試行前より長い状態が続いた場合は、その業務での使用を止めて紙の運用に戻す。」 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

誰が確定するか|下書きを作る人・確認する人・名前を残す人を分ける(9項目)

AIが出すのは下書きです。下書きのままでは記録になりません。記録になるのは、誰かが読んで、直して、これで出すと決めた時点です。次の表は、その3つの役割を場面ごとに分けたものです。3列が同じ人になる場面があってもかまいませんが、同じ人であることを決めた事実が残っているかどうかが、後から見たときの違いになります。

場面 下書きを作る人 内容を確認する人 確定して名前を残す人 貴事業所の決定(記入欄)
日々のサービス提供記録 そのケアを行った職員 同じ職員(当日中) そのケアを行った職員 (記入欄)
申し送り・連絡帳 その勤務帯の担当者 次の勤務帯に引き継ぐ担当者 その勤務帯の担当者 (記入欄)
個別サービス計画の原案 計画を担当する職員 管理者または計画作成に責任を持つ職種 計画を担当する職員 (記入欄)
モニタリングの記録 訪問した職員 計画を担当する職員 計画を担当する職員 (記入欄)
会議の記録(議事録) 記録係 会議の主宰者 会議の主宰者 (記入欄)
事故・ヒヤリハットの記録 AIによる下書きを使用しないと決めた場合は空欄でよい 管理者 管理者 (記入欄)
苦情の受付記録 AIによる下書きを使用しないと決めた場合は空欄でよい 苦情受付担当者 管理者 (記入欄)
家族への報告文 担当職員 管理者 管理者 (記入欄)
主治医・居宅介護支援事業所など外部へ出す文書 担当職員 管理者および該当職種 管理者 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

どこに残すか|下書き・確定文・直した履歴の置き場を分ける(8項目)

下書きと確定した記録が同じ場所に並んでいると、後から読む人はどちらが記録なのかを判断できません。置き場を分けるのは、システムの機能の話ではなく、事業所の決めごとの話です。紙の運用でも、フォルダを1つ増やせば足ります。

残す対象 置き場の例 残す形 いつまで置くか 貴事業所の決定(記入欄)
確定前の下書き 確定済みの記録とは別のフォルダ・別の画面 確定前であることが表示で分かる状態 確定した時点で消すか、残すかを決めて書いておく (記入欄)
確定した記録 従来の記録と同じ場所(増やさない) 従来の様式のまま 保存期間は保険者(指定権者)の条例の定めをご確認ください (記入欄)
直した箇所のメモ 試行期間中だけの別ノート 「どの欄を」「どう直したか」の2列 試行期間が終わるまで (記入欄)
誰がいつ確定したか 記録そのものの中 確定者名と確定日時 記録と同じ扱い (記入欄)
音声で入力した場合の音声データ 事業所が管理する場所 いつ・誰が・どの利用者に関するものかが分かる状態 残すか消すかを先に決めて文書にしておく (記入欄)
入力に使った端末の台帳 事務所の書類として 管理番号・貸与先・貸与日・返却日 返却後も一定期間 (記入欄)
使わないと決めた業務の一覧 職員が毎日見る場所に掲示 様式名で列挙 決定を変えるまで (記入欄)
決めごとを書いた紙そのもの 運営規程・マニュアル類と同じ場所 決定日・決定した会議名・改訂履歴つき 改訂しても旧版を残す (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同意の要否を誰に確認するか|確認先と、確認の依頼文(8項目)

「同意が要るかどうか」を事業所の中だけで結論づけようとすると止まります。止まる理由は、判断そのものが難しいからではなく、確認先が決まっていないからです。次の表は、確認したいことごとに「どこに書いてあるか」「誰に何と聞くか」「聞いた結果をどこに残すか」を並べたものです。依頼文はそのまま送れる形にしています。

確認したいこと どこに書いてあるか(確認先) 確認の依頼文(そのまま使える) 確認した結果を残す場所 貴事業所の決定(記入欄)
自事業所の個人情報使用同意書の利用目的に、今回の使い方が入っているか 自事業所が現在使っている同意書の様式 「現行の個人情報使用同意書の利用目的欄を確認したところ、記載は次のとおりでした。今回の運用がこの範囲に収まるかを、管理者と法人事務局で確認します。」 職員会議の議事録 (記入欄)
利用者本人の同意欄と家族の同意欄が分かれているか 同意書の様式(署名欄の構成) 「同意書の様式に、利用者本人の欄・代筆者の欄・家族の欄がそれぞれ設けられているかを確認します。」 様式点検の記録 (記入欄)
重要事項説明書の記載と実際の運用が合っているか 重要事項説明書と運営規程 「重要事項説明書の記載事項と現在の運用に差がないかを一覧で突き合わせ、差があった項目を書き出します。」 点検表(差異の一覧) (記入欄)
従業者の秘密保持誓約書に退職後のことが書かれているか 誓約書・就業規則・雇用契約書 「在職中の職員全員について、誓約書に退職後の秘密保持が含まれているかを名簿で照合します。」 従業者名簿への照合済みの印 (記入欄)
派遣職員・実習生・業務委託先の扱い 労働者派遣契約書・実習受入れの取決め・業務委託契約書 「派遣契約書と委託契約書に秘密保持の条項があるかを確認し、無い場合は別途取り交わす方向で法人事務局に相談します。」 契約書の点検記録 (記入欄)
サービス担当者会議などで外部に出す情報の範囲 会議の記録の様式と、同意書の使用範囲の記載 「会議で共有する情報の範囲が、同意をいただいている範囲と一致しているかを確認します。」 会議記録の様式に確認欄を追加 (記入欄)
保険者(指定権者)が公表している資料に、この点の記載があるか 所在地の保険者が公表している集団指導資料・運営指導の指摘事例 「所在地の保険者が公表している最新の集団指導資料のうち、秘密保持と個人情報に関する項を印刷し、事業所の運用と1項目ずつ突き合わせます。」 印刷した資料に書き込み、決めごとの紙と一緒に保管 (記入欄)
利用するサービス提供事業者との取り決め 利用規約・契約書・仕様に関する書面 「入力した内容が学習に使われるか、保存先はどこか、削除を求められるかの3点について、書面での回答をお願いします。」 受け取った書面をファイルして保管 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

決めたことを1枚にまとめる|職員に配る紙の12行

上の4つの表で決めたことを、次の12行に写すと、職員に配る1枚になります。分厚いマニュアルより、1枚のほうが読まれます。決定日と改訂履歴を必ず入れてください。決めた日が入っていないと、あとで「いつからそうなったのか」が分からなくなります。

書く内容 記入欄
1 この紙の名前 例:AIによる下書きの取扱いに関する事業所内の決めごと (記入欄)
2 決定日と決定した場 例:令和8年9月1日 職員会議で決定 (記入欄)
3 使う業務 1種類だけ書く (記入欄)
4 使わない業務 様式名で列挙する (記入欄)
5 使う端末 台数と管理番号 (記入欄)
6 入力してよい場所・時間 勤務時間内/事業所内・訪問先など (記入欄)
7 入力しない情報 氏名・被保険者番号・住所・生年月日など、置き換える対象を列挙 (記入欄)
8 確定する人 場面ごとに氏名または職名 (記入欄)
9 下書きの置き場 確定済みの記録とどう分けるか (記入欄)
10 困ったときの連絡先 事業所内の担当者名と連絡方法 (記入欄)
11 試行期間と判断日 開始日・終了日・判断する会議の日 (記入欄)
12 改訂履歴 版数・改訂日・改訂した箇所 (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

職員・利用者・外部から実際に出る声と、そのまま読み上げられる答え方|30場面

反対の声は、たいてい「AIが嫌だ」ではありません。「自分の立場がどうなるのか」「困ったときに誰に聞けばよいのか」が示されていないから出ます。そして、その場で管理者が言葉を探すことになり、探した言葉が人によって違うので、翌週にはもう説明が食い違います。ここでは、説明した日・使い始めた週・利用者や外部から尋ねられた場面の3つに分けて、実際に出る声と、そのまま読み上げられる答え方を並べました。避けたい答え方の列は、言ってはいけない例として引用の形で示しています。右端には、答えるときに一緒に見せる紙を書きました。口で答えるより、紙を1枚見せるほうが早く終わります。

説明した日、その場で出る声(10例)

この場面で管理者がしてしまいがちなのは、便利さの説明を長くすることです。出ている問いは便利さではなく、決定の経緯と自分の扱いです。答えは短く、決めごとの紙を配って終えるのが早いです。

出る声 避けたい答え方(言ってはいけない例として引用) そのまま読み上げられる答え方 あわせて示す紙
なぜ今なのですか 「上がそう決めたので」 記録に使っている時間を、いまの人数のままで少し戻せないかを試します。決めたのは9月1日の職員会議で、記録係の負担が特定の人に寄っているという話が出たことがきっかけです。合わなければ4週間でやめます。 決めごとの紙(2 決定日と決定した場)
誰が決めたのですか 「法人の方針です」 職員会議で決めました。議事録は事務所の会議録ファイルにあります。異論があれば次の会議で議題にしますので、口頭でも紙でも構いませんので出してください。 職員会議の議事録
うちの利用者には合わないと思います 「やってみないと分かりません」 合わない場面があると思います。合わないと感じた利用者の場面を、その都度この用紙に一行だけ書いてください。4週間後に、その一覧を見て、使う場面を狭めるか止めるかを決めます。 直した箇所のメモ用紙
前にシステムを入れて失敗しました 「今度のものは違います」 そのときに何が起きたかを教えてください。二重入力が残った、教える人がいなかった、といった点が同じなら、今回も同じことが起きます。先に潰しておきたいので、失敗した理由を先に聞かせてください。 決めごとの紙(4 使わない業務)
私は使わなくていいですか 「全員に使ってもらいます」 今回使うのは3名です。ほかの方はこれまでどおりで構いません。3名が4週間試して、そのあとで広げるかどうかを決めます。使わない期間に不利益はありません。 決めごとの紙(8 確定する人)
使える人と使えない人で不公平になりませんか 「慣れの問題です」 不公平にならないように、使う人と使わない人で担当する利用者や勤務の割り振りは変えません。試している3名にだけ、直した箇所を書く手間が増えます。その分は勤務時間内に取ってください。 勤務表と決めごとの紙
評価に響きますか 「積極的な人を評価します」 今回の試行は人事評価とは切り離します。使った回数も、直した量も、評価には使いません。評価に使わないことを、この紙に書いて配ります。 決めごとの紙(本文に明記する)
業務が増えるだけではありませんか 「最初だけです」 試行中は増えます。直した箇所を書き出す手間が上乗せになるからです。増える分は、記録の時間として勤務時間内に取ってください。4週間で減らなければ止めます。 決めごとの紙(11 試行期間と判断日)
研修の時間はいつ取るのですか 「空いた時間で覚えてください」 初回は勤務時間内に30分取ります。日程は9月3日の14時からで、シフトに入れます。参加できない方には、同じ内容を後日15分で行います。 研修の実施記録
途中でやめられるのですか 「決まったことなので続けます」 やめられます。やめる条件を先に決めてあります。4週間続けて確定までの時間が試行前より長い状態が続いた場合は、その業務での使用を止めて元の運用に戻します。 決めごとの紙(やめるときの条件)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

使い始めた週に、現場から出る声(10例)

この週に出る声は、たいてい具体的です。具体的な声には、方針ではなく手順で答えます。答えたあとに、その答えを決めごとの紙に追記しておくと、翌週に同じ質問が来ません。

出る声 避けたい答え方(言ってはいけない例として引用) そのまま読み上げられる答え方 あわせて示す紙
思っていた文と違うものが出ます 「そのうち慣れます」 どの欄が違ったかを一行で書いてください。欄の名前だけで構いません。同じ欄が3回出たら、その欄はAIに任せないと決めて紙に追記します。 直した箇所のメモ用紙
直すほうが時間がかかります 「入力の仕方が悪いのでは」 その回にかかった時間を書いておいてください。試行前の時間も測ってあるので比べられます。長い状態が続けば止める判断材料になります。 時間を測る記録用紙
利用者の前で端末を出すのが気になります 「気にしないでください」 利用者の前で出さなくて構いません。ケアが終わって居室を出てから入力してください。入力の場所は決めごとの紙の6番に書いてあります。 決めごとの紙(6 入力してよい場所・時間)
同僚の記録と文体が違ってしまいます 「合わせてください」 文体は揃えなくて構いません。揃えるのは、日付・時刻・数量・利用者の発言の4つです。この4つが実際と合っていれば、言い回しの違いは問題になりません。 決めごとの紙(3 使う業務の直し方)
話し方が悪いと言われている気がします 「もっとはっきり話してください」 話し方を直す必要はありません。うまく拾えなかった言葉があれば、その言葉だけを書き出してください。事業所で使う言い方の一覧を作って共有します。 用語の一覧(事業所内で作る)
訪問先で電波が入りません 「そこは我慢してください」 電波が届かない訪問先では、手元のメモに書いて、事業所に戻ってから入力してください。メモは入力後に事業所内で保管します。持ち帰らないでください。 決めごとの紙(通信できない場所での扱い)
入力し忘れた分を、あとでまとめて入れていいですか 「まとめて入れておいてください」 まとめて入れる場合も、実際に行った日時をその日のものに直してください。入力した日ではなく、ケアを行った日時が記録に残る形にしてください。 記録の様式(日時の欄)
他の職員が書いた記録も直していいですか 「気づいた人が直してください」 他の方の記録は直さないでください。気づいた点は本人に伝えてください。本人が直せない事情があるときは、上書きせずに、いつ誰がどう直したかが残る形で管理者が行います。 決めごとの紙(8 確定する人)
間違ったまま出してしまいました 「次から気をつけてください」 元の内容を消さずに、修正前の内容・修正後の内容・修正した日が分かる形で直してください。そのうえで、どの欄で起きたかを教えてください。同じ欄が続くなら仕組みのほうを変えます。 訂正の履歴が残る様式
うまくいったので、ほかの書類にも使っていいですか 「便利ならどんどん使ってください」 試行中は1種類だけにしてください。広げるかどうかは第4週の会議で決めます。使いたい書類の名前を控えておいてください。そのときに検討します。 決めごとの紙(4 使わない業務)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

利用者・家族・外部の関係者から尋ねられたときの答え方(10例)

この場面は、職員が一人で立っているときに来ます。だからこそ、答えを事業所で1つに決めて、全員が同じ言葉を言えるようにしておく価値があります。決めていないと、その場にいた職員が自分の言葉で答え、後で管理者が知らない説明が広まります。

尋ねられること 避けたい答え方(言ってはいけない例として引用) そのまま読み上げられる答え方 あわせて示す紙
利用者から「その機械は何ですか」 「気にしないでください」 記録を書くための端末です。今日うかがったことを、事務所に戻らずにここで書き留めています。書いた内容は、ご希望があればお見せできます。 重要事項説明書
利用者から「私の話を録っているのですか」 「そういうものです」 記録を書くために、私が話した内容を文字にしています。お気に召さなければ止めます。止めても記録は手で書きますので、サービスの内容は変わりません。 決めごとの紙(音声の扱い)
家族から「AIが書いた記録なのですか」 「AIが書いているので正確です」 下書きを機械が作り、担当した職員が読んで直したうえで、職員の名前で確定しています。内容の責任は事業所にあります。ご不明な点があればその場でご説明します。 決めごとの紙(8 確定する人)
家族から「母の情報はどこへ行くのですか」 「外には出ていません」 入力する内容と、その扱いについては、事業所として書面で確認しています。確認した書面は事務所にありますので、ご希望があればお見せします。ご心配な点があれば、入力の仕方を変えることもできます。 提供事業者から受け取った書面
利用者から「録音は断れますか」 「全員にお願いしています」 断っていただけます。断られた場合は手で記録します。断ったことでサービスの内容や回数が変わることはありません。 決めごとの紙(音声の扱い)
家族から「同意書にサインした覚えはありません」 「契約のときにいただいています」 いただいた書類を確認します。ご本人の分とご家族の分は別の書類になっていますので、どちらのことか確認してから、あらためてご説明にうかがいます。 個人情報使用同意書(本人分・家族分)
家族から「担当者会議の資料もAIですか」 「同じです」 会議の資料は担当が作成しています。会議で共有する情報の範囲は、いただいている同意の範囲の中に収めています。範囲についてご説明が必要でしたらお時間をいただきます。 同意書の使用範囲の記載
主治医から「この報告書は誰が書いたのか」 「システムが自動で作っています」 担当職員が作成し、管理者が確認して発出しています。作成の過程で下書きを機械に作らせていますが、内容は職員が確認しています。記載についてご指摘があれば直します。 外部へ出す文書の確認欄
居宅介護支援事業所から「内容が前月と同じ文に見えます」 「様式が同じなので似ます」 ご指摘のとおりであれば直します。どの月のどの欄かを教えてください。前月の文が残ったまま提出された可能性がありますので、その欄の作り方を事業所内で見直します。 直した箇所のメモ用紙
実習生から「実習記録にも使っていいですか」 「好きに使ってください」 実習記録では使わないでください。実習生の方には端末を貸与していませんし、利用者の情報の取扱いについて事業所として取り決めをしていません。手書きでお願いします。 実習受入れの取決め

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

秘密保持と記録の整備|別添1の確認項目・自治体の公表事例22件と、事業所として残すもの

AIを使うかどうかにかかわらず、運営指導で見られるのは「事業所として何を決めて、どこに残したか」です。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1には、確認項目と確認文書が種別ごとに整理されています。ここでは、そのうち秘密保持等・サービス提供の記録・説明と同意に関する項を取り出し、あわせて自治体が公表している指摘事例を22件並べました。指摘の中身はAIに固有のものではありませんが、下書きを機械に作らせる運用を足すと、確認される文書が増えるのではなく、同じ文書に「誰が確定したか」という手がかりが求められる、という形で効いてきます。判断は保険者(指定権者)により異なりますので、所在地の保険者が公表している資料を必ずご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

別添1に示されている確認項目と確認文書(12行)

別添1は、確認項目に対して確認文書がひも付けられている構成になっています。左2列が別添1の記載、右1列が、AIによる下書きを使い始める事業所が決めて残しておける事柄です。右列は別添1に書かれているものではなく、当社が実務の観点から整理したものです。

確認項目(別添1の項) 確認内容として示されている事項 確認文書として挙げられているもの AIによる下書きを使う場合に決めて残せること
秘密保持等 個人情報の利用に当たり、利用者(利用者の情報)及び家族(利用者家族の情報)から同意を得ているか 個人情報同意書 同意書の利用目的欄の記載と、今回の運用が同じ範囲かを点検した記録
秘密保持等 退職者を含む、従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているか 従業者の秘密保持誓約書 端末を貸与した職員の一覧と、誓約書の照合が済んだことが分かる印
サービス提供の記録(訪問介護) 訪問介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか サービス提供記録 下書きの文をそのまま確定していないか、確定者名が入っているか
サービス提供の記録(訪問介護) 日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記しているか サービス提供記録 日付・時刻・数量が実際の値に置き換えられたことを確認した工程
サービス提供の記録(訪問看護) 訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか サービス提供記録 計画の文言を写しただけの記載になっていないかの点検欄
サービス提供の記録(通所介護) 通所介護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/送迎が適切に行われているか サービス提供記録、業務日誌、送迎記録 業務日誌と送迎記録は下書きの対象にするかどうかを先に決める
サービス提供の記録(福祉用具貸与) サービスの提供開始日及び終了日並びに種目及び品名、居宅介護サービス費の額等を記録しているか 居宅サービス計画、サービス提供記録 品名・種目は下書きに任せず、台帳から転記する運用にする
訪問介護計画の作成 利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 訪問介護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの) 説明日・同意日・交付日を、下書きの作成日と取り違えない欄の分け方
訪問介護計画の作成 目標の達成状況は記録されているか/達成状況に基づき、新たな計画が立てられているか モニタリングシート、アセスメントシート 前回の文が残ったまま提出されていないかを確認する工程
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか 居宅サービス計画 計画と提供記録の突き合わせは人が行うと決め、その担当を書いておく
苦情処理 苦情の受付、内容等を記録、保管しているか 苦情の受付簿、苦情者への対応記録 下書きを使わない文書として一覧に明記する
事故発生時の対応 事故状況、対応経過が記録されているか 事故対応マニュアル、再発防止策の検討の記録、ヒヤリハットの記録 下書きを使わない文書として一覧に明記する

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体が公表している指摘事例と、事業所として残せるもの(22件)

次の22件は、自治体が公表している運営指導・実地指導の結果や集団指導資料に記載されている事項を整理したものです。いずれも出典を示しています。読むときのこつは、指摘の文言そのものより、右端の「事業所として決めて残せること」を先に見ることです。指摘は結果であって、原因はたいてい「決めていなかった」ことにあります。

自治体・資料 公表されている指摘の要旨 挙げられている確認文書 事業所として決めて残せること
福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」 従業者が退職後に秘密を漏らさないよう必要な措置を講じていない。利用者の家族から個人情報を用いる場合の同意を得ていない。代理人欄への記載をもって家族の同意とすることはできないと示されている 秘密保持誓約書、雇用契約書・就業規則、個人情報使用同意書(利用者・家族それぞれ) 誓約書に退職後の記載があるかを従業者名簿と照合し、照合日を残す
福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」 運営規程・重要事項説明書の内容が実態と異なる。記録の保存期間の記載の誤り(サービスの完結の日から5年間と記載すべきところ、サービス提供の日・2年間となっている例)が示されている 運営規程、重要事項説明書、同意書、変更届の控え、市の条例 記録の置き場を増やしたら、運営規程・重要事項説明書の記載と実態が合っているかを点検した記録を残す
姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 個人情報の使用に係る同意書について、利用者の家族に係る個人情報使用の同意を得ていなかった 個人情報使用同意書(利用者分・家族分)、サービス担当者会議の要点(第4表) 同意書の様式に本人欄・代筆者欄・家族欄があるかを点検し、点検日を残す
姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 従業員の秘密保持の誓約書に、退職後の規定がなかった 秘密保持誓約書、就業規則、雇用契約書 端末を貸与する職員の一覧と誓約書の対応表を作る
姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 居宅サービス計画の原案について、利用者の同意日がサービス提供後になっているものがあった 居宅サービス計画書第1表の同意欄、同意書、サービス提供記録、居宅介護支援経過 下書きの作成日と、説明日・同意日・交付日を別の欄に分けて記入する様式にする
姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 居宅サービス計画の第6表及び第7表について、利用者の同意を得たことが確認できなかった サービス利用票(第6表)、サービス利用票別表(第7表)、同意書・署名記録 同意を得た事実が残る欄を、下書きの対象外として明記する
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 利用者家族から個人情報を使用するための同意を得ていない。代理・代筆者欄とは別に家族からの同意欄を設けるよう記載されている 個人情報使用同意書、従業者の秘密保持誓約書、就業規則 別居の家族を含め、同意をいただいた範囲を一覧にして事務所に置く
宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 重要事項説明書等に記載している利用料金が改訂後のものとなっておらず、改訂後の内容について説明・同意を得ていることが確認できない 重要事項説明書(別紙の料金表を含む)、同意書・署名欄、交付記録 書類の版数と改訂日を管理する欄を作り、改訂のたびに更新する
神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) 家族の個人情報使用同意書を受領していない。利用者の代理署名は家族(代表)の個人情報使用の同意にはならないと注記されている 個人情報使用同意書(利用者分・家族分)、重要事項説明書、利用契約書 本人分と家族分を分けて綴じ、どちらが不足しているかがひと目で分かる形にする
神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月 介護保険事業者説明会) サービス計画に記載された作成日・同意日等に整合性がなく、事実と異なる。同資料は「事実と異なる記録や書類を絶対に作成しないこと。内容に修正が必要な場合は、元の内容と修正後の内容、修正日がわかるよう記録を残すこと」と示している 個別サービス計画、アセスメント記録、同意書(署名日)、交付記録、修正履歴 下書きを直した履歴が上書きで消えない残し方を先に決める
仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」(令和6年6月 集団指導) 派遣職員・長期在職者と秘密保持の取決めを取り交わしていない 秘密保持誓約書、就業規則、労働者派遣契約書、従業者名簿 雇用形態を問わず、端末を触る全員が一覧に載っているかを確認する
千葉県「指導監査の状況について」(令和7年度介護保険指定事業者集団指導資料) サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ていない 個人情報使用同意書(本人・家族)、従業者の誓約書、就業規則・雇用契約書、契約書 会議で共有する情報の範囲と、同意をいただいている範囲を並べた1枚を作る
広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(同旨:大阪市 令和8年度集団指導資料 居宅サービス編) 個人情報使用同意書に利用者の家族の同意欄が設けられていなかった。使用期間が記載されていないという指摘も挙げられている 個人情報使用同意書(利用者本人分・家族分)、サービス担当者会議記録、契約書・重要事項説明書 同意書の様式点検を、AIを使い始める前の作業として工程に入れる
東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) 指示書・計画書・報告書・提供記録・市町村への通知記録・苦情記録・事故記録の整備と保存が不十分な例が指摘されている。電子化する場合も検索・出力できる状態を保つことが示されている 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ・計画書・報告書ほか 下書きの置き場を増やしたときに、確定した記録が検索・出力できる状態を保てているかを確認する
東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) 従業者の守秘義務の取り決めが徹底されていない、利用者本人と家族の個人情報使用同意が区別されていない 守秘義務誓約書・個人情報使用同意書・就業規則 本人分と家族分を区別して取得しているかを、契約書一式の点検表に入れる
津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」 個別サービス計画の同意署名が利用者家族のみとなっている。同意日がサービス提供後となっている。署名により同意を得る場合は代筆者が利用者及び代筆者の氏名を記入することが示されている 個別サービス計画書、同意書(署名・同意日・代筆者署名)、計画交付記録、サービス提供記録 同意の欄は下書きの対象外とし、手書きで残す運用を明記する
津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」 重要事項説明書の記載内容が運営規程と異なっている。変更時に同意を取っていない。算定していない加算や徴収していない料金が記載されている例が見受けられたと示されている 重要事項説明書、運営規程、変更時の同意書(署名・日付)、加算届出書、料金表 運用を変えた日と、書類を直した日を同じ台帳で管理する
長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」 施設サービス計画の作成等の不備が24件(38.1%)で最多。説明・同意をサービス提供開始後に得ていた事例、担当者会議等で他の従業者の専門的な見地からの意見を聴いたことの記録が確認できない事例が公表されている 施設サービス計画書、説明・同意書(署名日付)、サービス担当者会議録、モニタリング記録 意見を聴いた事実は、誰がいつ誰から聴いたかを人が書き残すと決める
長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)」 指摘37件のうち訪問看護計画の作成等の不備が11件(29.8%)で最多。計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例が公表されている 訪問看護計画書、居宅サービス計画、説明・同意・交付の記録、訪問看護報告書 具体的な内容の欄は、下書きの文をそのまま残していないかを確認する工程を置く
静岡市「介護サービス事業者の指導監督(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」(令和8年度集団指導資料) 理学療法士等による訪問について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない。口頭の場合は同意を得た旨を記録等に残すことが示されている 訪問看護計画書、訪問看護記録書、説明・同意の記録、居宅サービス計画書 口頭で説明した事実をどこに書くかを、様式の欄として先に作っておく
千葉県「指導監査の状況について」(令和7年度介護保険指定事業者集団指導資料) 緊急やむを得ず身体拘束等を行った場合に、その様態及び時間、利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録していない 身体的拘束等に関する記録、説明同意書、カンファレンス記録、委員会議事録、指針、研修実施記録 この記録は下書きを使わない文書として一覧に明記する
豊島区「居宅介護支援事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和4年度・22事業所)」 支援経過記録に「担当者へ交付」と記載があるだけで交付先が特定できなかった。「関係者各位に渡す」との記載のみで、すべての事業所に交付しているか記録上確認できなかった 居宅サービス計画、居宅介護支援経過(第5表)、交付記録・受領印、各事業所の個別サービス計画 あて先や固有名詞は下書きに任せず、台帳から転記すると決める

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

決めたことを、どの文書に残すか(10行)

決めごとを紙1枚にまとめても、その紙がどこにも紐付いていないと、担当者が替わった時点で消えます。次の表は、決めた内容の種類ごとに、既存のどの文書に反映しておけるかを整理したものです。新しい文書を増やすより、いま持っている文書に1行足すほうが続きます。

決めた内容 反映しておける既存の文書 足す文言の例 反映日(記入欄)
使う業務・使わない業務 事業所内のマニュアル、職員会議の議事録 「AIによる下書きを使用する様式は、サービス提供記録に限る。」 (記入欄)
確定する人 業務分担表、職務分掌 「記録の確定は、当該ケアを行った職員が行う。」 (記入欄)
入力しない情報 個人情報の取扱いに関する事業所内の手順書 「氏名・被保険者番号・住所・生年月日は入力せず、置き換えて入力する。」 (記入欄)
端末の管理 備品台帳、貸与記録 「貸与端末の管理番号と貸与先を台帳に記載し、返却時に記録する。」 (記入欄)
秘密保持の取決め 秘密保持誓約書、就業規則、労働者派遣契約書 該当する条項の有無を点検し、無い場合の取扱いを法人事務局と相談する (記入欄)
同意をいただいている範囲 個人情報使用同意書、重要事項説明書 利用目的欄・使用期間欄の記載を確認し、点検日を記録する (記入欄)
音声データの扱い 個人情報の取扱いに関する事業所内の手順書 「音声データは事業所が管理する場所に置き、保存の要否を管理者が決める。」 (記入欄)
訂正の残し方 記録の様式、記録に関する事業所内の手順書 「記録を訂正する場合は、元の内容を消さず、修正前後の内容と修正日を残す。」 (記入欄)
研修の実施 研修計画、研修実施記録 実施日・参加者・内容を記録し、参加できなかった職員への実施日も残す (記入欄)
試行の期間と判断 職員会議の議事録 開始日・終了日・判断した日・判断の内容を1行ずつ書く (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最初の1か月の点検表|週ごとに確かめる48項目と、記入欄

始めたあとに必要なのは、新しい機能を覚えることではなく、決めたとおりに動いているかを確かめることです。確かめる項目を週ごとに分けておくと、管理者が毎週5分見るだけで済みます。次の4つの表は、第1週から第4週まで各12項目です。左から「確かめること」「確かめ方」「見えたときの手当て」と並べ、右端に確認日と結果を書き込む欄を置きました。印刷して事務所に貼り、毎週決めた曜日に埋めてください。全部が丸になることを目指す表ではありません。丸にならなかった行が、次に直す場所を教えてくれる表です。

第1週|決めたとおりに動いているかを確かめる(12項目)

この週に見るのは、成果ではなく手順です。決めた業務以外に使われていないか、決めた端末以外で入力されていないか。ここがずれたまま3週目に入ると、あとで何を評価しているのか分からなくなります。

確かめること 確かめ方(誰が・何を見るか) 見えたときの手当て 確認日・結果(記入欄)
決めた業務以外に使われていないか 管理者が、試行中の3名に口頭で1問だけ聞く 使われていたら、その様式名を決めごとの紙の「使わない業務」に追記して掲示し直す (記入欄)
決めた端末以外で入力されていないか 管理者が備品台帳と実際の持ち出し状況を突き合わせる 私物の端末で入力していた場合は、その場で貸与端末に切り替え、入力済みの内容の扱いを決める (記入欄)
入力しない情報の置き換えができているか 試行中の職員が自分の入力を1件だけ読み返す 氏名がそのまま入っていた場合は、置き換えの例を紙に3例書いて配る (記入欄)
確定者の名前が記録に残っているか 管理者が任意の3件を開いて確定者欄を見る 空欄なら、様式の欄の位置を変えるか、確定の手順を1つ減らす (記入欄)
下書きと確定した記録が別の場所にあるか 試行に関わっていない職員に「どれが記録か」を1問聞く 迷ったら、置き場の名前を変えるか、掲示で示す (記入欄)
直した箇所のメモが書かれているか 管理者がメモ用紙の枚数を数える 0枚なら、書く場所が遠いか、書く時間が取れていない。メモ用紙を端末と一緒に置く (記入欄)
試行前の作業時間が記録されているか 管理者が測定用紙を確認する 測っていなければ、この週のうちに5件分測る。比較の起点がないと判断できない (記入欄)
勤務時間内に入力できているか 試行中の職員に、入力した時間帯を聞く 時間外に寄っていたら、入力の時間をシフトのどこに置くかを決め直す (記入欄)
研修を受けられなかった職員がいないか 研修実施記録と勤務表を突き合わせる 受けられなかった職員に、同じ内容を要点だけに絞って実施し、実施日を記録する (記入欄)
利用者・家族から質問が出ていないか 試行中の職員に、聞かれた言葉をそのまま報告してもらう 出た問いを、答え方の表に追記して全員に配る (記入欄)
困ったときの連絡先が伝わっているか 試行に関わる職員に、連絡先を口頭で言ってもらう 言えなければ、端末の裏に貼る (記入欄)
止めたいと思っている職員がいないか 管理者が1対1で「やめたいか」を直接聞く いれば、その職員は試行から外す。人数が減っても試行は続けられる (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第2週|直した箇所の傾向が見えてくる(12項目)

2週目になると、直している箇所が同じところに集まってきます。集まっている場所が分かれば、手を打つ相手は職員ではなく、その欄そのものです。同じ欄を3回直したら、その欄は下書きに任せない、と決めてしまうほうが早く落ち着きます。

確かめること 確かめ方(誰が・何を見るか) 見えたときの手当て 確認日・結果(記入欄)
同じ欄を繰り返し直していないか 管理者がメモ用紙を欄の名前で並べ替える 3回以上出た欄は、下書きの対象から外して手書きに戻す (記入欄)
日付・時刻が実際の値になっているか 任意の5件で、記録の時刻と勤務実績を突き合わせる ずれていたら、時刻は下書きに任せず台帳から転記する運用にする (記入欄)
数量が実際の値になっているか 飲水量・食事量などの数字が入る欄を5件見る 推定値が入っていたら、その欄を空欄で出して人が埋める形にする (記入欄)
利用者の発言が要約されていないか 発言を引用している記録を3件読む 要約されていたら、発言はそのまま書き取る運用に変える (記入欄)
前回の文がそのまま残っていないか 同じ利用者の2週分を並べて読む 同じ文が並んでいたら、その欄の作り方を変えるか、対象から外す (記入欄)
計画の文言を写しただけになっていないか 計画書と提供記録を1件だけ並べて読む 写しになっていたら、実際に行ったことを書く欄を分けて設ける (記入欄)
確定までの時間が試行前と比べてどうか 今週5件分を測り、試行前の5件と比べる 長いままなら、直す量が多い欄を1つ減らす (記入欄)
入力し忘れがどれくらい出ているか 記録の未入力を管理者が確認する 増えていたら、入力の場所か時間帯が合っていない。決め直す (記入欄)
他の職員の記録を直していないか 訂正の履歴を見る あれば、伝え方の手順をもう一度説明する (記入欄)
訂正の履歴が上書きで消えていないか 訂正した記録を1件開いて、修正前の内容が残るか見る 消えていたら、訂正は別の欄に書き足す形に変える (記入欄)
試行中の職員の負担が偏っていないか 3名それぞれに、増えた手間を口頭で聞く 偏っていたら、担当する件数を分け直す (記入欄)
使わない業務の一覧が守られているか 掲示している一覧と、実際に使った様式を突き合わせる 外れていたら、なぜ使いたくなったのかを聞いてから一覧を見直す (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第3週|静かに使われなくなる兆しを拾う(12項目)

3週目は、反対の声より沈黙が問題になります。合わないと感じた職員は、反対を言わずに使うのをやめます。この週は、使っていない事実を責める週ではなく、使わなくなった理由を仕組みの側で拾う週です。

確かめること 確かめ方(誰が・何を見るか) 見えたときの手当て 確認日・結果(記入欄)
今週まったく使わなかった日がないか 管理者が入力の有無を日ごとに数える あれば、その日の勤務の中身を見る。忙しい日に落ちるなら、忙しい日は使わないと決める (記入欄)
3名のうち使っているのが1名になっていないか 職員ごとの件数を数える 偏っていたら、使っていない職員に理由を聞き、手順を1つ減らす (記入欄)
紙に戻った作業がないか 試行中の職員に、紙に戻した作業を挙げてもらう 戻した理由が手順の多さなら手順を削る。相性なら対象から外す (記入欄)
二重に入力している作業がないか 同じ内容を2か所に書いていないかを聞く あれば、どちらかを止める。二重入力が残ると必ず使われなくなる (記入欄)
端末が事務所に置きっぱなしになっていないか 管理者が持ち出しの状況を見る 置きっぱなしなら、持ち出す動線に無理がある。置き場を変える (記入欄)
教える役の職員に負担が寄っていないか 教える役に、聞かれた回数を聞く 寄っていたら、よく聞かれる3点を紙にして配り、口頭の回数を減らす (記入欄)
直した箇所のメモが途切れていないか メモ用紙の日付を見る 途切れていたら、書く項目を2列に減らす (記入欄)
記録の質について他職種から指摘が出ていないか 看護職・機能訓練担当・計画担当に一言聞く 指摘があれば、その職種が見る欄を下書きの対象から外す (記入欄)
外部へ出した文書に不備が出ていないか 今月送った文書の控えを管理者が読む 不備があれば、外部へ出す文書の確認者を1人増やす (記入欄)
同意や説明に関する問い合わせが来ていないか 受付の記録と、職員からの報告を見る 来ていたら、答え方の表を更新し、全員に配り直す (記入欄)
秘密保持の取決めが全員分そろっているか 従業者名簿と誓約書を突き合わせる 不足があれば、法人事務局と相談して取り交わす段取りを決める (記入欄)
試行を続けたい人がいるか 管理者が3名に「来月も続けたいか」を聞く 誰も続けたくないなら、第4週を待たずに止めてよい (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

第4週|続ける・狭める・止めるのどれかを決める(12項目)

最後の週は、判断の週です。判断は3つしかありません。続ける、使う場面を狭めて続ける、止める。どれを選んでも失敗ではありません。決めないまま次の月に持ち越すことだけが、いちばん高くつきます。会議の場でこの表を上から読み、右端を埋めながら決めてください。

確かめること 確かめ方(誰が・何を見るか) 判断につなげる考え方 結果(記入欄)
確定までの時間は試行前と比べてどうだったか 第1週と第4週の各5件を比べる 短くなっていれば続ける材料になる。長いままなら場面を狭めるか止める (記入欄)
直した箇所は減ったか メモ用紙を週ごとに数える 減っていれば、入力の型が定着してきている (記入欄)
下書きに任せないと決めた欄はいくつになったか 決めごとの紙の追記を数える 多いほど、その業務との相性が良くない可能性がある (記入欄)
使い続けた職員は何名か 職員ごとの件数を見る 1名だけなら、続けるとしてもその1名の業務に限る (記入欄)
記録の中身は読める形になったか 試行に関わっていない職員に3件読んでもらう 読んだ人が状況を思い浮かべられれば、記録として成立している (記入欄)
他職種からの指摘は減ったか 看護職・計画担当に一言聞く 減っていなければ、その職種が見る欄を対象から外して続ける (記入欄)
利用者・家族からの問いに答えられたか 職員からの報告を集める 答えられなかった問いは、答え方の表に足して次の月に持つ (記入欄)
決めごとの紙は実態と合っているか 紙を読み上げ、違う点に線を引く 違いがあれば、実態に合わせて改訂し、改訂日を入れる (記入欄)
関係する書類の記載と運用に差がないか 運営規程・重要事項説明書・手順書を並べる 差があれば、書き直す担当と期日をその場で決める (記入欄)
秘密保持と同意に関する点検は終わったか 点検表の記入欄が埋まっているか見る 空欄が残っていたら、埋まるまでは対象を広げない (記入欄)
次の1か月で広げる範囲 会議で1つだけ選ぶ 広げるのは業務を1つ増やすか、人を2名増やすかのどちらか一方にする (記入欄)
次の判断日 会議で日付を決める 日付を決めずに続けると、判断の場が二度と来ない (記入欄)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

パソコンが苦手でも介護AIは使えますか?

近年の介護向けAIはスマホ・タブレットでの利用を前提にしたものが増えており、入力も「話す」「撮る」「押す」が中心です。検討する際は、事務所のPCではなく自分のスマホで実際に触らせてもらい、5分で1件つくれるかを確かめてみてください。

AIに介護の仕事を奪われませんか?

いまAIが担っているのは記録の下書き・転記・要約といった作業で、ケアの判断や対人援助は専門職に残ります。国の補助制度でも「AIケアプラン原案作成支援ソフト」という位置づけで、決めるのは人という前提が置かれています。

AIの出力が間違っていたら、責任はどうなりますか?

責任は事業所と専門職に残ります。AIの出力は下書きとして扱い、誰が確認して確定するかを決めたうえで、確認したことが記録に残る運用をつくってから始めてください。

利用者の個人情報をAIに入れても大丈夫ですか?

事業所として先に決めるべき論点です。氏名・被保険者番号などをそのまま入れない伏字ルールを決め、サービス側に「学習に使われるか」「保存先はどこか」「削除できるか」の3点を書面で確認したうえで運用してください。

何から始めればいいですか?

使う人を1人、渡す業務を1つに絞って始めるのがおすすめです。全員一斉導入は避け、いちばん短い記録から試してください。効果を感じ始めるのは経験上2週間後くらいからなので、最初の1週間で判断しないことがコツです。

導入費用に補助金は使えますか?

介護テクノロジー導入支援事業では、都道府県の実施要綱において「AIケアプラン原案作成支援ソフト」も対象経費に挙げられています。補助率・上限額・締切は自治体ごとに異なるため、実施要綱の原典をご確認ください。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト/公益財団法人介護労働安定センター/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、各府省庁・調査機関の公式見解ではありません。割合は各調査の公表時点のものであり、調査年度や集計方法により変わります。「進め方」「線引き」など制度データ以外の記述は当社の現場知見に基づく見解であり、効果や結果を保証するものではありません。数値・定義は原典をご確認ください。

関連記事

よくある不安と、実際のところ

不安の多くは「やってみないと分からないこと」です。小さく試して、数字で判断します。

不安 実際のところ 事業所でできること
仕事がなくなるのでは 置き換わるのは書類の下書きで、判断と関わりは人が行う 置き換える作業を1つに絞って試す
間違ったことを書くのでは 事実と異なる記載が混じることがある そのまま提出せず、人が読んで直す
個人情報が漏れるのでは 入力した内容の扱いは事業者ごとに違う 氏名を記号に置き換える。学習への利用の設定を確認する
高齢の職員が使えないのでは 入力の項目を減らすと差が縮まる 必須の項目を最小にし、教える人を決める
費用に見合うのか 導入前の作業時間を測っていないと判断できない 決めた日に測る
現場が混乱するのでは 一斉に配ると混乱する 数名で1か月試す
紙のほうが早いのでは 場面による どちらが早いかを、実際に測って比べる

最初の1週間で、やること

やること
1日目 置き換える作業を1つ決める(記録の下書きなど)
1日目 いまの作業時間を測る(1件あたり、5件分)
2日目 使う人を2〜3名決める
2日目 使ってよい場面と、いけない場面を書き出す
3日目 1件だけ試す。出力を人が直す
3日目 どこを直したかを記録する
4日目 3件試す
5日目 直した箇所の傾向をまとめる
5日目 うまくいった入力の型を共有する
6日目 別の職員にも試してもらう
7日目 作業時間を測り直す
7日目 続けるかどうかを、数字で決める

入力するときの注意

避けること 代わりに
利用者の氏名をそのまま入れる 「A様」「利用者」などに置き換える
住所・生年月日を入れる 入れない
病名と氏名を一緒に入れる 分けるか、氏名を落とす
職員の氏名を入れる 役割で書く
出力をそのまま提出する 人が読んで直す
制度の説明を鵜呑みにする 告示・通知で確かめる
個人の判断で使い方を決める 事業所として手順を文書にする
同意のない使い方をする 個人情報の利用目的を確認する

ケアマネジメントでの使い方はAIケアマネジメント、失敗の型は介護ICTの失敗をご覧ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

運営会社について お問い合わせ

介護のマナ|無料相談・デモ
気になったら、まず15分。担当が日程を確保してご案内します。
無料で相談・デモを予約資料を見る
補助金ナビ / 無料
ICT・DX導入に使える補助金・助成金を探せます。
ICT・DX導入の補助金を探す →
新着の補助金をメールで受け取る(無料)

最近の記事