公開:2026年11月9日/出典:厚生労働省 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和8年3月・高齢者支援課)
要点(3行)
- 国庫補助で整備した介護施設等の「財産処分」の通知が改正され、令和7年9月4日から適用されています。
- 地域密着型(定員29人以下)の特別養護老人ホームを広域型(定員30人以上)に転用するなど、設置の根拠となる法律の上では同じ施設のまま介護保険の基準・報酬の区分だけが変わる場合は、承認が要る財産処分には当たらないことが明確になりました。
- 中山間・人口減少地域の介護施設等を他の用途に転用するときに、一定の範囲で国庫納付を求めない特例を広げることが検討されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 令和8年3月 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(高齢者支援課)「3.国庫補助により整備した介護施設等の財産処分について」 |
| 改正した通知 | 「厚生労働省所管一般会計補助金等に係る財産処分について」(平成20年4月17日 老発第0417001号 老健局長通知)。令和7年9月4日から適用 |
| きっかけ | 「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ」(令和7年7月25日 老健局検討会)で、地域密着の施設から広域型施設への転用について、補助金の国庫返納が不要という点のルールを明確にして運用を図るべき、と指摘されたこと |
| 改正① | 設置根拠法上は同一の施設で、介護保険法の基準・報酬上の取扱いが異なる場合などは、運用にばらつきが出ないよう、承認を要する財産処分には当たらない旨を明確化 |
| 改正② | 全国で統一的な運用となるよう、地域医療介護総合確保基金で整備した施設も、原則として老健局通知に準じた取扱いとすることを明記 |
| 注意書き | この転用は財産処分の承認が要らないだけで、指定・認可等の手続は所定の事務を行う必要がある |
承認が要らないと明確にされた転用(資料の表)
| 転用 | 資料の説明 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム → 特別養護老人ホーム(定員の区分の変更) | 介護給付としては異なる区分だが、老人福祉法上はいずれも特別養護老人ホーム |
| 介護老人保健施設 → 介護老人保健施設 | 基準上の特例はあるが、介護保険法上はいずれも介護老人保健施設 |
| 介護医療院 → 介護医療院 | 基準上の特例はあるが、介護保険法上はいずれも介護医療院 |
| 養護老人ホーム → 養護老人ホーム | 基準上の特例はあるが、老人福祉法上はいずれも養護老人ホーム |
| ケアハウス(特定施設) → ケアハウス(特定施設) | 条件によっては異なる介護給付となる場合があるが、老人福祉法上はいずれも軽費老人ホーム |
| 有料老人ホーム(特定施設) → 有料老人ホーム(特定施設) | 条件によっては異なる介護給付となる場合があるが、老人福祉法上はいずれも有料老人ホーム |
| そのほか | 地域包括支援センターや介護予防拠点を重層的支援体制整備事業の用に供する場合も、承認を要しないことを明確化 |
検討中の特例(中山間・人口減少地域)
担当課長会議資料は「検討しており、詳細については、関係通知の改正と併せて追ってお示しする」としています。介護保険部会の意見(令和7年12月25日)に書かれた方向は次のとおりです。
| 場合 | 意見に書かれた方向 |
|---|---|
| 経過年数10年未満・当初の事業を続けると介護保険事業計画等の達成に支障が出るおそれがあると自治体が判断 | 福祉施設(高齢者・障害者・児童施設)への全部転用等(高齢者施設が含まれる場合に限る)の際の国庫納付を不要とする |
| 経過年数10年未満・高齢者人口の急減など真にやむを得ず、統合等で高齢者事業を廃止 | 自治体・地域の事業者・関係者・住民との合意形成を図り、介護保険事業計画等に位置付けることを条件に、福祉施設以外の厚生労働省所管施設等(こども家庭庁所管施設の一部、サ高住を含む)への転用等の国庫納付を不要とする |
| 経過年数10年以上・他の地域へ機能を移す | 地域の合意形成のプロセスを経ているときは、厚生労働省所管施設等以外の地域福祉の増進に資する施設等への転用や取壊しの国庫納付を不要とする |
一次資料:
事業所で確かめること
- 定員の変更や施設の区分の変更を考えている法人は、まず施設を整備したときの補助金(国庫補助・地域医療介護総合確保基金など)の種類と交付の年度を、書類で確かめておきましょう。
- 財産処分の承認が要らない場合でも、指定・認可などの手続は別に必要と資料に書かれています。手続は、指定を受けている都道府県・市町村の案内をご確認ください。
- 社会保険診療報酬支払基金の助成金で整備した老人保健施設等(資料では平成5〜10年度・平成6〜11年度の助成金)は、整備した年度の交付要領に沿った手続になります。都道府県・支払基金の案内をご確認ください。
- 中山間・人口減少地域の特例は検討中です。決まった内容は、関係通知の改正をご確認ください。
関係する記事
書き方・要件の記事 神マナでできることこの記事に関係するページ
書類づくりの文例を、LINEでお届けしています
公式LINEで、サービス別の文例集(PDF)と書き方のコツ(週1回)をお送りしています。売り込みはしません・いつでも解除できます。
更新履歴:初版。中山間・人口減少地域の特例の通知が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






