公開:2026年11月7日/出典:社会保障審議会 医療保険部会(第210回)資料1「医療法等改正を踏まえた対応について」
要点(3行)
- 医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)で、保険医療機関の管理者に「保険医として一定年数の従事経験を持つ者であること等」の要件が置かれ、責務が課されることになりました。
- 医師は、臨床研修修了後に保険医療機関(医科は病院に限る)で3年以上診療に従事した経験などが要件です。施行日(令和8年4月1日)に現に管理者である人は、3年間は要件を満たさなくても、同じ機関の管理者である間は管理者を続けられます。
- 既存の保険医療機関は、管理者について新たに届け出る必要はありません。施行日以降に管理者を変えるときは、様式に要件を満たしている旨を書き、証する書類を添えて出す形が示されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議・資料 | 社会保障審議会 医療保険部会 第210回(令和8年2月12日)資料1「医療法等改正を踏まえた対応について」(厚生労働省 保険局) |
| もとになる法律 | 医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号、令和7年12月12日公布)。「保険医療機関の管理者について、保険医として一定年数の従事経験を持つ者であること等を要件とし、責務を課すこととする」 |
| 同じ人であること | 健康保険法の「保険医療機関の管理者」と、医療法の「医療機関の管理者」は、同一人物でなければならない |
| 責務の置き場所 | 保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)に管理者の責務を規定することとされ、改正省令は公布済み |
| 要件の置き場所 | 健康保険法第70条の2第1項。中医協で、厚生労働省令で定める要件の類型が決められ、改正省令は公布済み。どのような事例が当たるかの例示は、施行に向けて通知等で示すこととされた |
管理者の責務(療担規則に置かれる4つ)
| 責務 | 資料に添えられている参考 |
|---|---|
| ① 機関内の保険医が療担規則第2章「保険医の診療方針等」を守るよう監督する | 医師・歯科医師・薬剤師その他の従業者を広く監督することは、法律に責務として規定済み |
| ② 療養の給付に関する申請・届出等の手続や、費用の請求の手続が適正に行われるよう監督する | 療担規則第2条の3(適正な手続の確保) |
| ③ 診療録の記載・整備と、帳簿・書類その他の記録の保存が適正に行われるよう監督する | 療担規則第8条・第9条(帳簿等はその完結の日から三年間、診療録は五年間の保存) |
| ④ 機関内の従業者の連携と、地域の病院・診療所や保健医療・福祉サービスを提供する人との連携を図る | 医療法第1条の4第4項(退院する患者が療養を続けられるよう連携に配慮) |
資料では、管理者が相当の注意と監督を尽くさず、不正請求等が行われた場合の扱いについても示されています。
管理者になれる人(要件)
| 区分 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 法律の要件 | ①現に保険医であること ②臨床研修修了後に、保険医療機関(医科の場合は病院に限る。)において3年以上診療に従事した経験その他の厚生労働省令で定める要件を備えること |
| ㋐ キャリアの事情 | 臨床研修修了後に適正に保険診療に3年間従事したが、キャリアの事情で要件を満たせない場合(例:地域枠等や自治医科大学卒業で義務年限中の医師、日本専門医機構が認定する基本領域の専門医資格を持つ人、保険者立の病院等で3年の診療従事経験がある人) |
| ㋑ 公務員等 | 医師等の専門知識を活かして公務員等として5年以上勤めた場合(例:矯正医官、医師である自衛官等として5年の勤務経験) |
| ㋒ 合算 | 個々では3年又は5年に届かないが、合算して5年の経験年数がある場合 |
| ㋓ やむを得ない事情 | 管理者が急逝し、要件を満たさない人が承継するほかない場合や、地域医療の維持のため拠点病院等から派遣されて管理者になる場合など |
今の管理者・これからの届出
| 場面 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 施行日に現に管理者である人 | 施行日(令和8年4月1日)から3年間は、要件を満たさない場合でも管理者であり続けることが可能。施行日から同一機関の管理者である間に限る |
| 施行日に臨床研修を修了していた人 | 現に保険医で、「保険医療機関において3年以上保険医として診療その他管理及び運営に関する業務を行った経験」があれば管理者になれる(診療以外の業務も含めた緩和した要件) |
| 既存の保険医療機関 | 地方厚生(支)局は既存の管理者の氏名等を把握済みのため、管理者について新たに届け出ることは不要 |
| 施行日以降に管理者を変える | 従来と同様に変更の届出を行う。今後は、様式に要件を満たしている旨を記載し、証する書類を添付して提出し、厚生局が確認することとしてはどうか、と示されている(登録省令の改正) |
一次資料:第210回 医療保険部会 資料1「医療法等改正を踏まえた対応について」(PDF)/第210回 医療保険部会 資料のページ
病院・クリニックで確かめること
- 今の管理者が、施行日から同じ機関の管理者を続けているかを確かめておきます。経過措置は同一機関の管理者である間に限られています。
- 後任の管理者を決めるときは、その人の臨床研修修了の時期と、保険医療機関での従事経験の年数を記録で確かめておきます。どの類型に当たるかの例示は通知等で示されるとされているので、地方厚生(支)局の案内をご確認ください。
- 管理者の変更届に添える書類の様式は、地方厚生(支)局の案内をご確認ください。
- 療担規則に置かれた4つの責務(診療方針の遵守、請求等の手続、診療録と帳簿の保存、連携)について、院内でだれが何を見ているかを整理しておくと、管理者の交代のときに引き継ぎやすくなります。
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更新履歴:初版。通知等で事例の例示や届出の様式が示されたときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






