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がん性疼痛の看護計画|在宅の訪問看護計画書の看護目標・看護問題とO-P/T-P/E-P記載例222例

通院で抗がん剤の治療を続けながら、腰の痛みで朝の着替えに時間がかかるようになった方、決まった時刻の痛み止めに加えて、頓用の薬を夜に何度か使っている方、「痛いと言うと家族が心配するから」と我慢してしまう方、認知症があり、痛みを言葉にせずに眉間にしわを寄せて体を丸めている方――このような、がんによる痛み(がん性疼痛)とともに家で暮らす方の在宅の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・管理者を想定しています。

病院の看護計画や看護学生の看護過程では、入院中の痛みの評価と薬の効き目の確認を、看護師が時間ごとに見ていく前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅の訪問看護計画書では、看護師がそばにいるのは一週間のうちのわずかな時間です。痛みに最初に気づくのも、頓用の薬を使うのも、多くはご本人とご家族です。そのため在宅の計画書には、痛みをどう聞き取り、どう記録し、頓用の薬を使ったときに何を書き留め、どんなときに誰へ知らせるかを、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。この記事では、痛みの評価と記録、痛みの出方や時間帯ごとの観察、頓用の薬を使ったときの記録と主治医への報告、ご本人・ご家族へ渡す言葉、痛みを言葉にしにくい方の観察を、それぞれ表にしています。手術の後の痛み(術後疼痛)はこの記事では扱いません。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。痛み止めの薬の名前と量、使う間隔、薬どうしの切り替えの目安、副作用の起きやすさ、痛みの尺度の点数とその区切り、主治医へ連絡する値の目安など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医の指示書や処方、薬剤師の説明に示された内容を、示されたとおりに計画書へ写すものとして「主治医の指示のとおり」「指示書に記載の」の形で書いています。最期が近づいた時期の計画書の全体像は「在宅の看取りの看護計画」の記事で、ケアマネジャーが作るケアプランの側の文例は「がん(末期)の方のケアプラン文例」の記事で、食べられる量が減ってきた方の計画は「低栄養の看護計画」の記事で扱っているため、この記事では短く触れるだけにしています(いずれも関連記事を参照)。

計画書の欄と通知の原文|がん性疼痛のある方の計画書で、欄ごとに何を書くか(欄別対照表2つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)に示されています。計画書の様式には「痛み」や「頓用の薬」という名前の欄はありません。痛みの聞き取り方、頓用の薬を使ったときの記録、主治医へ知らせる順番は、目標・療養上の課題・支援内容・評価・備考の各欄に分けて書き込みます。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列はがん性疼痛のある方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) がん性疼痛のある方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 病状の変わる速さによっては、要介護認定を申請中、または区分の変更を申請中のことがある。申請の状況を備考に書き、結果が出たら見直す日を決めておく。痛みの出ている場所と、ご本人が病状をどう聞いているかは記録書Ⅰに残す 認定の状況の確認先:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「疼痛コントロールができる」で止めず、痛みが和らいだ先にご本人が続けたい暮らし(夜に眠る、食卓で食事をとる、孫と話す、趣味の時間を持つ等)と、そのために本人と家族が続けること(痛みを記録する、頓用の薬を決めた手順で使う、強くなったら知らせる)を主語にする 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 痛み止めの処方が変わった日、頓用の薬が加わった日、退院した日、通院の治療が始まった・終わった日、痛みの場所や出方が変わった日など、見直しのきっかけの日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題の文には、痛みが暮らしのどの場面に出ているか(朝の着替え、トイレ、夜の眠り、食事など)を、根拠になる事実(ご本人の言葉、尺度で答えてもらった結果、頓用の薬を使った回数の記録)とあわせて書く。支援内容はO-P・T-P・E-Pに分け、薬は「主治医の指示のとおり」、連絡の目安は「指示書に記載の」の形で書く 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱとご家族の記録表に残した事実(眠れた夜、頓用の薬を使った回数と時刻、使った後の痛みの変化、できた暮らしの場面、主治医へ知らせた日)で書く。「疼痛コントロール良好」「著変なし」の一語で終わらせない 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 痛み止めを皮下に注入する器具や、がんによる傷の処置などを続けている方では、指示書のとおりに処置の内容・種類とサイズ・1か月の必要量を写す。処置がなければ「無」とする。薬そのものはこの欄に書かない 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 理学療法士・作業療法士が姿勢や動き方の工夫で訪問する方では、職種と曜日を書き、看護師とリハビリ職が何を受け持つかがご本人に分かるようにする 職種ごとの受け持ちの伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 通院先と次の受診日、薬局と薬の届く曜日、ヘルパー・訪問入浴・通所の曜日、ご家族の痛みの記録表の置き場所、痛みが強くなったときの連絡の順番(主治医の指示による)、夜間の連絡先など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

記録書・報告書と医療保険の取扱い|痛みの記録を残す欄、指示書、専門の研修を受けた看護師の訪問を通知の原文で確かめる

がん性疼痛のある方は、医療保険の訪問看護になっている方も多く、指示書・記録書・報告書のどこに痛みの記録を残すかを、制度の定めとあわせて押さえておくと迷いません。手元の通知の原文から並べました。保険の扱いそのものは、指示書と保険証の内容から事業所で確かめるものとして、記入欄にしています。

確かめる点 通知の原文 がん性疼痛のある方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 「夜は眠りたい」「家で過ごしたい」などご本人の希望が目標に入っているか。痛みについての主治医の指示が、O-Pと連絡の目安に写されているか 希望を確かめた日と方法:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 ケアプランに書かれた福祉用具(特殊寝台・マットレス等)やヘルパーの受け持ちと、計画書の姿勢・動き方の支援がそろっているか ケアプランの受け取り日:(    )
記録書Ⅱに書く項目(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「訪問年月日、訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入するとされています 「病状」の記録として、痛みの場所・強さ(使っている尺度の名前と答え)・感じ方・頓用の薬を使った回数と時刻が、訪問ごとに同じ形で残っているか 痛みの記録の形:(    )
記録書Ⅰに書く項目(介護保険) 老企第55号の記載要領 2(4)②。記録書Ⅰには「訪問看護の依頼目的、初回訪問年月日、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、生活歴、主治医等の情報、家族等の緊急時の連絡先、担当の介護支援専門員名、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること」 痛みがいつから・どこに出ているか(現病歴)、通院先と緩和ケアの外来の有無、薬局の連絡先、夜間の連絡先が初回に残っているか 初回の聞き取り日:(    )
報告書の「病状の経過」(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(2)③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 月の痛みの経過(頓用の薬を使った回数の移り変わり、眠れた夜、痛みで止まった暮らしの場面)を、記録書Ⅱとご家族の記録表から要約しているか 要約の担当:(    )
報告書の「特記すべき事項」(医療保険) 保医発0327第10号 第一の2(2)⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 痛み止めへのご本人の心配、薬の飲みにくさ、頓用の薬の残りの数など、主治医に伝えたいことを書いているか 記入の担当:(    )
医療保険の週の訪問日数に関わる区分 保発0305第19号 第2の1(1)。週3日を限度とする定めのただし書きで、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者が挙げられ、別表第7に「末期の悪性腫瘍」、別表第8に「在宅麻薬等注射指導管理」「在宅自己疼痛管理指導管理」等を受けている状態にある者が掲げられています 指示書と記録書Ⅰに、病名と指導管理の状態の出どころが写されているか。訪問の回数を決めるときの扱いを、事業所で確かめているか 扱いの確認先:(    )
専門の研修を受けた看護師との同行(医療保険) 保発0305第19号 第2の1(3)。「悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている利用者」等に対して、主治医から交付を受けた訪問看護指示書及び訪問看護計画書に基づき、「緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師」が、他の訪問看護ステーションの看護師等と共同して指定訪問看護を行う場合の定めが示されています 専門の研修を受けた看護師と一緒に訪問する予定がある方で、指示書と計画書にその訪問が書かれているか。同行した日に何を確かめ、何を決めたかが記録書に残っているか 同行の予定と記録の担当:(    )
評価と見直し 保医発0327第10号 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること」 処方が変わったとき、頓用の薬を使う回数が変わったとき、痛みの場所や出方が変わったときに、評価と見直しを行い、その内容を記録書に残しているか 見直しの記録の担当:(    )
管理者の確認 保医発0327第10号 第一の1(3)。管理者は、指示書、「計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い、指定訪問看護の提供等に遺漏のないよう努めること」 担当の看護師ごとに痛みの記録の形がばらばらになっていないか、報告書に月の痛みの経過がまとまっているかを管理者が確かめているか 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号・保発0305第19号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。老企第55号の記載要領の文言は、令和6年の改正(介護保険最新情報Vol.1213 別紙17)で変更のない箇所を、自治体が掲載している通知の写しから引いています。訪問の回数や保険の扱いは、指示書・保険証の内容と審査支払機関・保険者(指定権者)の取扱いによります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)・審査支払機関にご確認ください。

病気の時期で書き分ける|通院で治療を続ける時期・痛みの緩和が暮らしの中心になる時期・最期が近い時期(3つの時期の比較表)

がん性疼痛のある方の訪問看護は、同じ方でも時期によって計画書の重心が変わります。通院で治療を続けている時期は、治療の予定と痛みの波を合わせて暮らしを組み立てる時期です。治療を終えたり控えたりして、痛みを和らげることが暮らしの中心になると、頓用の薬の使い方と記録、ご家族の役割が計画の大きな部分になります。最期が近い時期は、痛みに加えて息苦しさや眠りの変化など、見ることが広がります(この時期の全体像は看取りの看護計画の記事で扱っています)。時期の区切りは人によって違うため、下の表の「暮らしの様子」を見て、どの時期の書き方が合うかを判断します。

観点 通院で治療を続ける時期 痛みの緩和が暮らしの中心になる時期 最期が近い時期
暮らしの様子 通院の日と治療の後の数日で体調の波がある。仕事や家事を続けている方もいる 家で過ごす時間が長くなり、痛みで止まる暮らしの場面がはっきりしてくる。頓用の薬を使う場面が増えることがある 眠っている時間が長くなり、言葉で痛みを伝えにくくなることがある。ご家族がそばにいる時間が増える
計画書の重心 治療の予定と痛みの波を記録し、続けたい役割(仕事・家事・趣味)を保つこと 痛みの記録と頓用の薬の使い方を本人・家族と決め、眠り・食事・トイレなど毎日の場面の痛みを和らげること 表情や体の動きから痛みを読み取り、主治医の指示による連絡の順番でご家族が迷わず動けること
目標の主語 「通院を続けながら、〇〇を続けられる」 「夜に続けて眠れる」「痛みを記録して、強くなったら知らせられる」 「ご本人が穏やかに過ごせるよう、家族が痛みのサインに気づいて知らせられる」
O-Pの重心 治療の日と体調の波、痛みの場所と強さ、仕事や家事への影響 痛みの記録(尺度の答え・頓用の薬を使った時刻と回数)、眠り、食事、便通、気持ちのつらさ 表情・うめき声・体の動き・触れたときの反応、眠りの様子、ご家族の疲れ
T-Pの重心 痛みの記録のしかたを一緒に決める、動き方と姿勢の工夫 頓用の薬を使う手順の確認、姿勢・体の向きの工夫、記録をまとめて主治医に伝える 体の向きを変えるときのやり方の工夫、口の中や皮膚のケア、記録をまとめて主治医に伝える
E-Pの重心 痛みを我慢せずに伝えてよいこと、記録の目的 頓用の薬の使いどきと記録のしかた、痛み止めへの心配を主治医・薬剤師に伝えてよいこと 痛みのサインの読み取り方、連絡の順番、ご家族が休むこと
連携の相手 通院先の外来、薬局、ケアマネジャー 主治医(在宅医または通院先)、薬局、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具専門相談員 主治医、薬局、ケアマネジャー、訪問入浴・ヘルパー
見直しのきっかけ 治療の内容が変わった、治療を終えた・控えることになった、痛みの場所が増えた 処方が変わった、頓用の薬を使う回数が変わった、退院した、在宅医に切り替わった 眠っている時間が長くなった、飲み込みにくくなった、薬の使い方が変わった
評価で見る事実 痛みで休んだ日、続けられた役割、記録の続き具合 眠れた夜の数、頓用の薬を使った回数と使った後の変化、できた暮らしの場面 穏やかに過ごせた時間についてのご家族の話、連絡の順番どおりに動けたか
起きやすい書き方のずれ 病院の看護計画をそのまま写し、通院の予定と暮らしの場面が書かれていない 「疼痛コントロール」の一語で、誰が何を記録し、いつ知らせるのかが書かれていない 言葉で痛みを聞く前提のまま、表情や体の動きの観察が書かれていない

※上記は当社が作成した記載のイメージです。時期の区切りと計画の内容は、主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。最期が近い時期の計画書の全体像は、看取りの看護計画の記事を参照してください。

初回の訪問から確かめる12項目|痛みの経過・指示書・薬の受け取り方を記録書Ⅰと計画書に残す

最初の数回の訪問で確かめておくと、その後の計画書の課題がはっきりします。内容の元は指示書・紹介状・退院時の情報・薬剤情報提供書です。薬の名前と量、連絡の目安は、元の書類のとおりに写します。

確かめる項目 確かめ方 残す場所 計画書への書き方の例
痛みがいつから・どこに出ているか ご本人に、体の絵を指しながら場所と始まりを聞く。紹介状や退院時の情報と見比べる 記録書Ⅰ(現病歴・療養状況) 課題:腰から右の太ももにかけての痛みが先月から続き、朝の着替えで手が止まる
ご本人が病状と痛みをどう聞いているか 「先生からはどのように聞いていますか」と、ご本人の言葉で聞く。ご家族の理解とは分けて聞く 記録書Ⅰ(療養状況) 備考:病状の説明を受けた内容(本人・家族それぞれの言葉で記録書Ⅰに記載)
指示書に記載の痛みについての指示 指示書を読み、痛みについての観察、頓用の薬の扱い、主治医へ連絡する目安を確かめる 計画書(O-P)・記録書Ⅱ O-P:指示書に記載の観察を訪問のたびに行い、指示書に記載の連絡の目安のときは主治医に報告する
決まった時刻の痛み止めと頓用の薬 薬剤情報提供書と手元の薬を見比べ、飲み方・貼り方・使い方をご本人・ご家族と確かめる 記録書Ⅰ・記録書Ⅱ T-P:薬の名前と量は薬剤情報提供書のとおりとし、使う手順をご本人・ご家族と確かめる
今使っている痛みの尺度 病院や外来で使っていた尺度があれば同じものを使う。なければご本人に答えやすい形を選んでもらう 記録書Ⅰ(療養状況) 備考:痛みの強さは〇〇(尺度の名前)で聞く。外来と同じ尺度を使う
痛みの強くなる時間帯と場面 一日の流れを聞き、痛みで止まる場面(起きる・着替え・トイレ・食事・入浴・夜)を書き出す 記録書Ⅱ O-P:起きがけ・トイレ・夜の痛みを、ご家族の記録表と訪問時の様子で確かめる
眠り 痛みで目が覚める回数、眠るときの姿勢、昼に眠る時間を聞く 記録書Ⅱ 課題:夜に痛みで2回ほど目が覚め、昼に横になる時間が長くなっている
便通と食事 便の回数と最後に出た日、食べられる量と食べにくさを聞く 記録書Ⅱ O-P:便の回数と最後に出た日、お腹の張りの訴えを訪問のたびに聞く
気持ちのつらさと心配ごと 「痛みのことで心配なことはありますか」と聞き、痛み止めへの心配、仕事やお金、家族のことなどを言葉のまま書く 記録書Ⅱ(本人の言葉) O-P:痛みや薬についての心配を本人の言葉で聞き、主治医・薬剤師に伝える
ご家族の介助と疲れ 夜の付き添い、頓用の薬を誰が出しているか、ご家族自身の体調を聞く 記録書Ⅰ(介護状況) E-P:頓用の薬を出す役割と記録のしかたをご家族と決め、疲れをケアマネジャーに伝える
薬の届け方と保管の場所 薬局からの受け取り方、薬の置き場所、小さな子どもやペットの手が届かないかを見る 記録書Ⅰ(その他関係機関との連絡事項) 備考:薬局と薬の届く曜日、薬の保管場所(家族と決めた場所)
痛みが強くなったときの連絡 主治医の指示と事業所の手順で決まっている連絡の順番を、ご家族と確かめる。夜間の連絡先も確かめる 記録書Ⅰ(緊急時の連絡先) E-P:主治医の指示による連絡の順番を紙に書いて電話の横に貼る

※上記は当社が作成した記載のイメージです。指示書・紹介状・退院時の情報・処方の内容は元の書類のとおりに写し、実際の記載は事業所の様式に従ってください。

痛みの評価と記録|NRS・VAS・フェイススケールなど尺度の名前と、記録書Ⅱに残す8つの観点

痛みは本人にしか分からない感覚です。だからこそ、同じ聞き方・同じ尺度で、続けて記録することが、計画書の課題と評価の土台になります。担当の看護師ごとに聞き方が違うと、痛みが強くなったのか、聞き方が変わっただけなのかが分からなくなります。下の表は、在宅でよく使われる痛みの尺度の名前と、計画書・記録での扱いの決まりです。点数の区切りやその意味、どの点数で何をするかは、この記事では書いていません。使う尺度と、主治医へ知らせる目安は、主治医の指示と事業所の手順に従います。

尺度・評価の名前の例 どんな方に使うことが多いか 計画書・記録での扱いの決まり
NRS(数値評価スケール) 痛みの強さを数字で答えられる方 尺度の名前と、答えてもらった数字をそのまま書く。「いつの痛みか」(今・この24時間で一番強いとき・動いたとき等)をそろえて書き添える
VAS(視覚的評価スケール) 線の上に印をつけて答えられる方 使った用紙を記録に残すか、測った結果を書く。訪問ごとに同じ用紙を使う
フェイススケール 数字で答えにくいが、顔の絵を選べる方 選んだ顔の絵を、事業所で決めた書き方(番号や絵の説明)で書く。気分のつらさを選んでいることもあるため、痛みについて聞いたことを書き添える
VRS(言葉で答える評価) 「痛くない・少し痛い・かなり痛い」などの言葉で答える方 選んだ言葉をそのまま「」で書く。言葉の選び方の一覧を記録書Ⅰに残し、全員が同じ言葉で聞く
痛みの行動を観察する尺度(PAINAD、Abbey Pain Scale など) 認知症などで痛みを言葉で伝えにくい方 尺度の名前と、見た様子の項目(表情・声・体の動き等)を書く。点数だけで終わらせず、どの場面で見たかを書き添える
症状をまとめて評価する尺度(STAS-J、ESAS など) 痛みのほかに、息苦しさ・吐き気・だるさ・気持ちのつらさなども一緒に見たい方 病院や緩和ケアの外来で使っている場合は、同じ尺度を続けて使うかを事業所で決める。評価者と評価の場(家・外来等)を書き添える
上記の尺度全般 ご本人・ご家族に結果を伝えるとき 点数の高い低いではなく、「夜の痛みで目が覚める回数が減った」など暮らしの言葉で伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。尺度の選び方と結果の解釈、主治医へ知らせる目安は、主治医の指示と事業所の手順に従ってください。

痛みを聞き取る8つの観点|場所・強さ・感じ方・始まり・続く時間・強くなるとき・和らぐとき・暮らしへの影響

痛みの強さだけを書くと、何が起きているのかが主治医に伝わりません。下の8つの観点で聞くと、計画書の課題の根拠にも、主治医への報告にも使える記録になります。全部を毎回聞くと本人の負担になるため、初回にひととおり聞き、その後は変わったところを中心に聞きます。

観点 聞き方の例 記録書Ⅱの書き方の例
場所 「痛いところを指で示していただけますか」。体の絵を見せて印をつけてもらう 腰の右側から右の太ももの外側にかけて、と本人が手で示した。先週と同じ場所
強さ 事業所で決めた尺度で、「今」と「この1日で一番強かったとき」を聞く NRSで、今は〇、昨夜の一番強いときは〇と答えた(尺度の名前と答えをそのまま記載)
感じ方 「どんな痛みですか。ずきずき・じんじん・しめつけられる・電気が走る、など近いものはありますか」 「じんじんして、ときどき電気が走るような感じ」と本人の言葉で話した
始まり・きっかけ 「いつごろから、どんなときに始まりましたか」 3日前から、ベッドから起き上がるときに強くなったと話した
続く時間 「ずっと痛いですか、それとも波がありますか」 一日中鈍い痛みがあり、動いたときに強い痛みが数分続くと話した
強くなるとき 「どんなときに強くなりますか」(動いたとき・夜・食後・トイレ・薬の時刻の前など) 決まった時刻の薬を飲む前の1時間ほどに強くなる、と妻の記録表にあった
和らぐとき 「どうすると少し楽になりますか」(姿勢・温める・頓用の薬・気が紛れること) 右を上にして膝の間にクッションをはさむと楽、と話した。頓用の薬を使った後は眠れた
暮らしへの影響 「痛みで、できなくなったことや控えていることはありますか」 痛みで台所に立つ時間が短くなり、夕食は娘が作るようになったと話した

※上記は当社が作成した記載のイメージです。聞き取りの内容と記録の形は事業所の様式に従い、尺度の答えは本人が答えたとおりに書いてください。

記録書Ⅱの痛みの記録|悪い例と良い例(10組)

痛みの記録は「疼痛自制内」「疼痛なし」の一語になりがちです。何をどう聞き、どう答えたかを書くと、次に訪問する職員も同じ方法で確かめられ、主治医にも変化が伝わります。

悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
「疼痛自制内」 腰の痛みを事業所で決めた尺度で聞くと、今は前回と同じ程度と答えた。「横になっていれば我慢できる。座ると痛い」と話した 「自制内」を、聞き方・答え・本人の言葉に置き換えた
「疼痛なし」 じっとしているときの痛みはないと答えた。起き上がるときは右の腰を手で押さえ、顔をしかめた じっとしているときと動いたときを分けて書いた
「疼痛増強あり」 3日前から夜中に痛みで目が覚め、頓用の薬を使った夜が3日続いたと妻の記録表にあった いつから・どの場面で・何をしたかを書いた
「レスキュー使用」 昨夜2時に頓用の薬を使った。使う前の痛みと、使った後に眠れたかを妻が記録表に書いていた 時刻と、使う前と後の様子を書いた
「疼痛コントロール良好」 この1週間、頓用の薬を使ったのは2回で、夜は続けて眠れた日が5日あったと本人が話した 「良好」の中身を、回数と眠りの事実で書いた
「表情苦痛様」 体の向きを変えるときに眉間にしわを寄せ、「うっ」と声が出た。向きを変え終えて数分で表情がゆるんだ 見た場面と、どう変わったかを書いた
「家族より疼痛の訴えあり」 娘の話では、昨夕から「お腹が張って痛い」と何度か言っている。本人に聞くと、お腹を指してうなずいた 家族の話と本人の反応を分けた
「貼付剤交換済み」 指示のとおり貼る薬を貼り替えた。貼った日と場所を記録表に書き、前の場所の皮膚に赤みがないことを確かめた 貼った日と場所、皮膚の確認を書いた
「服薬指導した」 頓用の薬を使う手順を、記録表を見ながら妻と確かめた。妻が手順を自分の言葉で言えた 確かめた方法と、家族ができたことを書いた
「Dr.報告」 14時に主治医へ電話で、夜の痛みで頓用の薬を使う回数が増えていることを、記録表の内容とあわせて伝えた。主治医からの指示は記録書Ⅱの指示欄に記載 報告の時刻・方法・内容・指示の記録先を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は事業所の様式と記録の決まりに従ってください。尺度の答えや薬の内容は、本人の答えと処方のとおりに書いてください。

痛みの出方・時間帯別の観察|起きがけ・動いたとき・食事・排便・入浴・処置・夜など12場面のO-Pと援助

がん性疼痛は、一日の中で強くなる時間帯や場面があります。「いつ痛むか」が分かると、痛み止めの時刻の相談や、動き方の工夫、ご家族の手の貸し方につながります。下の表は、場面ごとに痛みが出たときの様子、O-Pで見ること、T-P・E-Pの書き方、主な連携先をまとめたものです。痛みの原因の見立てと薬の調整は主治医が行い、看護師は見た事実と本人の言葉をまとめて伝えます。

場面・時間帯 出やすい様子 O-Pで見ること T-P・E-Pの書き方 主な連携先
朝の起きがけ 起き上がるのに時間がかかる、こわばりと痛みで動き出せない 起き上がりの手順、痛む場所、起きてから動けるまでの時間 起き上がりの手順を、痛む側をかばう形で本人と決める。動き出す時刻と薬の時刻の関係を記録して主治医に伝える 主治医、理学療法士
体を動かしたとき・体の向きを変えるとき 動いた瞬間に強い痛みが出る、向きを変えるのを嫌がる どの動きで痛むか、痛みが続く時間、手を貸したときの表情 体の向きを変える手順と手を添える場所をご家族・ヘルパーと同じにする。動く前に頓用の薬を使うかどうかは主治医の指示のとおりとする 主治医、ヘルパー、家族
座っているとき・同じ姿勢が続くとき 座って数分で腰やお尻が痛む、姿勢を何度も変える 座っていられる時間、クッションの使い方、皮膚の赤み 座る時間とクッションの位置を本人と決め、福祉用具の相談をケアマネジャーにつなぐ ケアマネジャー、福祉用具専門相談員
食事のとき 口の中や喉の痛みで食べる量が減る、食後にお腹が張って痛む 食べた量と時間、口の中の傷や乾き、食後の痛みの場所 口の中のケアを行い、食べやすい形と時間を家族と相談する。食べる量が減ったときの計画は低栄養の看護計画を合わせて見直す 主治医、歯科、管理栄養士
排便のとき 便が出にくくお腹が張る、いきむと痛みが強くなる 便の回数と最後に出た日、お腹の張り、いきむときの痛み 便通の記録を家族と続け、主治医・薬剤師から示された便通の整え方を確かめる。変化は主治医に伝える 主治医、薬局
トイレまでの移動 トイレまでの距離が痛みで遠く感じる、間に合わない トイレまでの動き方、途中で止まる所、夜のトイレの回数 ポータブルトイレや手すりの相談をケアマネジャーにつなぎ、夜の動線を家族と決める ケアマネジャー、福祉用具専門相談員
入浴・清拭のとき 服を脱ぐ・浴槽をまたぐ動きで痛む、入浴後に疲れて痛みが強くなる 痛む動き、入浴にかかる時間、入浴後の痛みと疲れ 入浴の手順と時間を短くする工夫を決め、訪問入浴や清拭への切り替えをケアマネジャーと相談する ケアマネジャー、訪問入浴
処置のとき(傷・床ずれ・管の交換など) 処置の途中で体に力が入る、処置の前から緊張している 処置の前・途中・後の表情と言葉、処置にかかる時間 処置の手順と声かけを決め、処置の前の痛み止めの扱いは主治医の指示のとおりとする 主治医
通院・外出のとき 車の揺れや待ち時間で痛む、通院の翌日に痛みが強い 通院の日と翌日の痛み、外出の回数 通院の日の過ごし方と、移動の工夫を本人・家族と考え、通院先に記録を持って行くよう伝える 通院先、ケアマネジャー
決まった時刻の薬の前 次の薬の時刻が近づくと痛みが強くなる 痛みが強くなる時刻と、薬を飲んだ・貼った時刻の関係 時刻の関係を記録表に残し、そのまま主治医に伝える。薬の時刻を家族の判断で変えないことを伝える 主治医、薬局
夕方から夜 夕方に疲れが出て痛みを強く感じる、夜になると不安が強くなる 夕方の疲れ、夜に目が覚める回数と時刻、不安の言葉 夕方の休む時間を決め、夜に目が覚めたときの過ごし方と連絡のしかたを家族と決める 主治医、家族
気持ちがつらいとき 先のことを考えて眠れない、痛みの訴えが増える 本人の言葉、表情、食欲と眠り、ひとりの時間の過ごし方 気持ちを否定せずに聞き、続くときは主治医とケアマネジャーに伝える。痛みと気持ちのつらさを分けて記録する 主治医、ケアマネジャー

※上記は当社が作成した記載のイメージです。痛みの原因の見立て、薬の使い方と時刻、便通の整え方は、主治医の指示書と処方、薬剤師の説明に従ってください。

痛みの出方で見ること|ずっと続く痛み・急に強くなる痛み・しびれる痛み・張る痛みなど(8つの言い方と記録の形)

ご本人が痛みをどう表現するかは、主治医が痛みの種類を見立てるときの大切な手がかりになります。看護師が痛みの種類に名前をつけて書くのではなく、ご本人の言葉をそのまま「」で残し、いつ・どこで・何をしたときかを添えて主治医に伝えます。

ご本人の言い方の例 記録に残す形 主治医に伝えるときの書き方
「ずっと鈍く痛い」 一日中続いているか、波があるか。じっとしているときの強さ 腰の鈍い痛みが一日中続いていると本人が話しています。じっとしているときの尺度の答えを添えます
「急にぐっと強くなる」 強くなった時刻、きっかけ(動いた・咳をした・何もしていない)、続いた時間 何もしていないときにも急に強い痛みが出る、と本人が話しています。この3日の時刻と続いた時間を添えます
「動くと痛い」 どの動きで痛むか、動かなければ楽か 起き上がりと右を向くときに強い痛みが出て、動き終えて数分で落ち着きます
「じんじん・びりびりする」「電気が走る」 しびれの場所、触れたときの感じ方、服や布団が触れるだけで痛むか 右の太ももの外側に「電気が走るような」痛みがあり、布団が触れるのもつらいと話しています
「お腹が張って痛い」 お腹の張り、便とガスの出方、食事との関係 食後にお腹の張りと痛みを訴え、便は3日出ていません。食べる量も減っています
「骨がうずく」「押すと痛い」 痛む場所を押したときの反応、腫れや熱っぽさ 左の胸の横を押すと痛がり、腫れの有無を見ました。痛む場所を書いた体の絵を添えます
「口の中や喉がしみる」 口の中の傷・乾き、食べられる物と食べられない物 口の中がしみて、温かい汁物が飲めないと話しています。口の中の様子を添えます
「どこが痛いのか分からないけど、つらい」 痛みと気持ちのつらさ、だるさ・眠れなさとの重なり 痛む場所ははっきりしないが「つらい」と繰り返しています。眠りと食欲の変化もあわせてお伝えします

※上記は当社が作成した記載のイメージです。痛みの種類の見立てと治療の方針は主治医が行います。看護師が痛みの種類や原因を決めて書かないようにしてください。

頓用の痛み止めを使ったときの記録と主治医への報告|使った時刻・使う前と後の痛み・回数・気になる様子

決まった時刻の痛み止めに加えて、痛みが強くなったときに使う薬(頓用の薬)が出ている方では、いつ・なぜ使い、使った後どうだったかの記録が、主治医が薬を調整するときのいちばんの材料になります。頓用の薬を使うのは多くの場合ご本人かご家族で、看護師が見るのは後からの記録です。だから計画書には、記録のしかたをご本人・ご家族と決めること、訪問のたびに記録を一緒に見ること、主治医に伝えることを書きます。どんなときに使うか、続けて使うまでに空ける時間、1日に使ってよい回数、どのくらい使ったら主治医に連絡するかは、すべて主治医の指示のとおりです。この記事ではその目安を書かず、記録の項目だけをまとめています。

記録の項目 書き方の例 主に書く人 看護師が訪問時に確かめること
使った日と時刻 10月3日 午前2時10分 本人・家族 使った時刻が、決まった時刻の薬の前後のどこに集まっているか
使ったきっかけ 夜中に腰の痛みで目が覚めた/トイレに行く前/体の向きを変える前 本人・家族 同じ場面で使うことが続いていないか
使う前の痛み 事業所で決めた尺度の答え、または「かなり痛い」など決めた言葉 本人・家族 答え方が毎回同じ尺度になっているか
使った後の痛み 主治医の指示で決めた時間がたったころの尺度の答え、または言葉 本人・家族 使った後に痛みが和らいだか、変わらなかったか
使った後の暮らしの様子 その後眠れた/トイレまで歩けた/痛みで眠れなかった 本人・家族 和らいだ後にできたこと、できなかったこと
気になる様子 主治医・薬剤師から示された観察の項目(眠気・吐き気・便通など、示されたもの)について気づいたこと 家族 示された項目の様子と、連絡の目安にあたる様子がなかったか
1日に使った回数 10月3日:2回 家族 回数の移り変わり(増えている・減っている)
手元に残っている数 残り〇回分(訪問時に一緒に数える) 看護師・家族 次の受診日・薬が届く日まで足りるか
使わずに我慢した痛み 痛かったが使わなかった。理由:「まだ早いと思った」 本人・家族 使わなかった理由に、薬への心配や遠慮がないか
主治医・当ステーションへの連絡 何時に、誰に、何を伝え、何と言われたか 家族・看護師 連絡の順番どおりに動けたか、指示の内容が記録書Ⅱに写されているか

※上記は当社が作成した記載のイメージです。頓用の薬を使う目安・間隔・回数、使った後に確かめる時間、主治医へ連絡する目安は、主治医の指示書と処方、薬剤師の説明に従ってください。

ご家族が使う「痛み止めの記録表」の項目(8項目)

ご家族が書く記録表は、書く欄が多すぎると続きません。訪問の初めのころに、ご本人・ご家族と一緒に作り、書きにくい欄があれば削ります。表は薬の置き場所の近くに置き、計画書の備考に「どこに置いたか」を書きます。

欄 書き方の工夫 決めておくこと
日付と時刻 時計を見て分まで書く。夜中は時刻だけでもよい 夜中に書く人(本人・家族のどちらか)
使った薬の種類 薬の名前ではなく、薬局がつけた袋の色や印で書けるようにする 袋の色・印と薬の対応(薬局・主治医の説明のとおり)
使う前の痛み 尺度の答えか、「少し・かなり・がまんできない」の3つから丸をつける 使う尺度(事業所と主治医で決めたもの)
使った後の痛み 決めた時間がたったら同じ聞き方で丸をつける 確かめる時間(主治医の指示のとおり)
その後の様子 「眠れた」「眠れなかった」「トイレに行けた」などに丸をつける 選ぶ言葉の一覧
気づいたこと 自由に書く欄。書けなければ空けてよいことにする 書いたことを次の訪問で一緒に読むこと
連絡したか 連絡した相手と時刻に丸をつける 連絡の順番(主治医の指示による)
1日の回数 その日の終わりに数を書く 回数を数える人

※上記は当社が作成した記載のイメージです。記録表の項目は、主治医の指示と事業所の手順、ご本人・ご家族の書きやすさに合わせて決めてください。

主治医への報告|電話・報告書・連絡票で伝える文例(10例)

主治医への報告は、「痛みが強い」だけでは判断の材料になりません。いつから・どこが・どの場面で・頓用の薬を何回使い・使った後どうだったか・暮らしにどう影響しているかを、記録表の事実で伝えます。報告の方法と相手、急ぐときの順番は、主治医の指示と事業所の手順に従います。

場面 報告の文例 添える記録
頓用の薬を使う回数が増えている 〇〇様は、この5日で夜中に頓用の薬を使う回数が増えています。使ったのはいずれも午前1時から3時の間で、使った後は眠れているとご家族が記録しています。ご指示をお願いいたします。 ご家族の記録表の写し
使っても和らがない 本日10時、頓用の薬を使って指示の時間がたっても、痛みが使う前と変わらないとご本人が話しています。痛みは右の脇腹で、先週はなかった場所です。 痛む場所を書いた体の絵、記録表
新しい場所の痛み 3日前から、これまでになかった背中の真ん中の痛みを訴えています。横になると強くなると話しています。 痛みの8つの観点の聞き取り
決まった時刻の薬の前に痛む 決まった時刻の薬を飲む前の1時間ほどに痛みが強くなり、その時間に頓用の薬を使う日が続いています。時刻の一覧を添えます。 時刻の一覧
示された観察の項目に変化がある 薬剤師から示された観察の項目のうち、便通について、最後に出たのが4日前で、お腹の張りを訴えています。 便通の記録
飲み込みにくくなった 錠剤が飲み込みにくいとご本人が話し、飲むのに時間がかかっています。薬の形について、ご検討をお願いできますでしょうか。 食事と飲み込みの様子
痛み止めへの心配が強い ご本人が「この薬を使い始めたら終わりだと思う」と話し、痛みがあっても頓用の薬を使わずにいます。次の受診の際に、先生からご説明いただけますでしょうか。 本人の言葉の記録
眠れていない 痛みで夜中に2回ほど目が覚める日が続き、昼に横になる時間が長くなっています。眠りと痛みの記録を添えます。 眠りの記録
月の報告書の特記すべき事項 今月は、夜の痛みで頓用の薬を使った回数が前月より増え、後半は減りました。処方の変更後は、続けて眠れた夜が増えたとご家族が話しています。 月の回数の一覧
専門の研修を受けた看護師と同行した後 本日、緩和ケアの専門の研修を受けた看護師と同行して訪問しました。体の向きを変える手順を見直し、その内容をご家族と確かめました。 同行時の記録書Ⅱ

※上記は当社が作成した記載のイメージです。報告の方法と時期、急ぐときの連絡の順番は、主治医の指示と事業所の手順に従ってください。報告の際は、本人・家族の了解の範囲と事業所の個人情報の取扱いの手順に従ってください。

痛み止めの受け取り・保管・残りの扱いで確かめること(8項目)

痛み止めの中には、医療用麻薬として保管や残った薬の扱いに決まりがあるものがあります。扱いの中身は、処方した医師と調剤した薬局の説明に従います。看護師は、説明どおりに家で扱えているかを確かめ、困りごとを薬局・主治医につなぎます。

確かめること 見る所・聞くこと 計画書・記録への書き方の例
受け取り方 薬局からの届け方、ご家族が受け取りに行く日 備考:薬局と薬の届く曜日、受け取る人
保管の場所 薬局から説明された保管のしかたで置かれているか、子どもや来客の手が届かないか T-P:薬局の説明のとおりの場所に保管されているかを訪問時に確かめる
決まった時刻の薬と頓用の薬の区別 袋や置き場所で区別できているか T-P:袋の色と置き場所で区別する方法を家族と決める
貼る薬を使っている方 貼った日と場所の記録、はがれていないか、貼っている場所の皮膚 O-P:貼った日と場所の記録、皮膚の赤み・かぶれを訪問のたびに見る
手元の残りの数 次の受診日・薬が届く日までの残り O-P:頓用の薬の残りを家族と一緒に数え、足りなくなりそうなときは主治医・薬局に伝える
使わなくなった薬・残った薬 処方が変わって使わなくなった薬が家に残っていないか E-P:残った薬の扱いは薬局・主治医の説明のとおりとすることを家族に伝える
持続して薬を入れる器具を使っている方 器具の表示、管の折れや抜け、刺している場所の皮膚 O-P:指示書に記載の確認の項目を訪問のたびに見て記録する
外出・入院・短期入所のとき 薬を持って行く準備、持ち出す量 E-P:外出・短期入所のときの薬の準備のしかたを、薬局・ケアマネジャーと確かめる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。痛み止めの保管・受け取り・残った薬の扱い、器具の確認の項目は、処方した医師の指示、薬局の説明、指示書の内容に従ってください。

背景と暮らし別|がん性疼痛の看護目標の記載例(12の背景・長期と短期あわせて24例)

目標は、看護師が行うこと(「疼痛コントロールを行う」)でも、症状だけ(「疼痛が軽減する」)でもなく、痛みが和らいだ先にご本人がどんな暮らしを続けたいか、そのために家で何をするかを主語にします。短期目標は、次の評価の時期までに記録書Ⅱやご家族の記録表で確かめられる姿にしておくと、評価で迷いません。

背景 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
通院で抗がん剤の治療中・会社勤めを続けたい 治療を続けながら、在宅勤務の仕事を自分の調子に合わせて続けられる 治療の日と翌日の痛みを記録し、痛みが強い日を前もって職場に伝えられる 記録表の続き具合、仕事を休んだ日と本人の話
腰の痛みで朝の着替えに時間がかかる・一人暮らし 朝の支度を自分のペースで済ませ、一人での暮らしを続けられる 理学療法士と決めた起き上がりの手順で、ベッドから起きて着替えられる 訪問時に見た起き上がりの様子、朝の痛みの記録
夜中に痛みで目が覚める・妻と二人暮らし 夜に眠り、昼は居間で妻と過ごす時間を持てる 夜中に痛んだときに、決めた手順で頓用の薬を使い、記録表に時刻を書ける 記録表の時刻と回数、続けて眠れた夜の数
痛み止めを「まだ早い」と使わずに我慢している 痛みを我慢せず、伝えながら家での暮らしを続けられる 痛みへの心配を主治医・薬剤師に伝え、説明を受けたうえで使い方を自分で決められる 心配を伝えた日、その後の本人の言葉、記録表
お腹の張りと痛みで食べる量が減っている 家族と同じ食卓で、食べられる物を楽しめる 便通の記録を家族と続け、お腹が張るときの過ごし方を自分で選べる 便通の記録、食べた量、お腹の張りについての本人の話
しびれる痛みで布団が触れるのもつらい 痛みの少ない姿勢で、夜に休める時間を持てる 布団のかけ方とクッションの位置を家族と決め、楽な姿勢で横になれる 夜の過ごし方の記録、楽な姿勢についての本人の話
骨の痛みで動くのが怖い・トイレは自分で行きたい トイレに自分で行く暮らしを、できる限り続けられる 決めた手順と手すりを使い、日中のトイレに自分で行ける 訪問時に見た移動の様子、トイレについての家族の話
認知症があり、痛みを言葉にしない ご本人が穏やかに過ごせるよう、家族と支援者が同じ見方で痛みに気づける 家族とヘルパーが、決めた表情や体の動きの項目で痛みの様子を記録表に書ける 記録表の書き込み、主治医に伝えた様子
趣味の短歌の会に出たい 月に一度の短歌の会に、家族の送り迎えで出かけられる 会のある日の朝の痛みと薬の時刻を記録し、出かける前の準備の手順を決められる 出かけた日、外出の翌日の痛みの記録
娘が仕事を休んで付き添っている 娘が仕事を続けながら、本人が家で過ごし続けられる 娘がいない時間の頓用の薬と連絡の手順を、本人とヘルパーが同じ紙で確かめられる 娘の話、ヘルパーの記録、連絡の記録
退院直後・在宅医に切り替わったばかり 新しい主治医と在宅の支援者のもとで、家での暮らしを落ち着いて続けられる 病院で使っていた痛みの尺度と記録のしかたを、家でも同じように続けられる 退院時の情報と家での記録の突き合わせ
眠っている時間が長くなってきた ご本人が望む過ごし方を、家族と支援者が同じ理解で支え続けられる 家族が、表情や体の動きから痛みのサインに気づき、決めた順番で連絡できる 家族が気づいて連絡した場面、本人・家族の言葉

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

がん性疼痛の看護目標・短期目標を書くときの決まり(8項目)

短期目標は、長期目標に向かう途中の一歩です。がん性疼痛の短期目標でつまずきやすい点を、決まりの形でまとめました。期間の決め方は事業所の運用と居宅サービス計画の期間に合わせ、病状が変わる速さに合わせて短めに置くこともあります。

決まり 避けたい書き方 直した書き方
主語は本人(または家族)にする 「疼痛コントロールを行う」 夜中に痛んだときに、決めた手順で頓用の薬を使い、記録表に時刻を書ける
症状ではなく、暮らしの場面で書く 「疼痛が軽減する」 痛みの少ない姿勢で、昼食を食卓でとれる
確かめる方法が決まっている 「痛みを訴えられる」 事業所で決めた尺度で、朝と夜の痛みを記録表に書ける
点数を目標にしない 「痛みの点数が〇以下になる」(看護師が区切りを決めて書く) 夜に続けて眠れる日が、今より増える(眠れた夜を記録表で確かめる)
長期目標とつながっている 長期目標が「短歌の会に出る」なのに短期目標が「便通が整う」だけ 会のある日の朝の痛みと薬の時刻を記録し、出かける前の準備の手順を決められる
薬の使い方は主治医の指示の範囲で書く 「痛いときは頓用の薬を何回でも使える」 主治医の指示のとおりに頓用の薬を使い、使った時刻と使った後の様子を記録できる
家族の目標を本人の目標と分ける 「家族が疼痛管理できる」 妻が、頓用の薬を出す手順と記録表の書き方を、紙を見て言える
心配や遠慮も目標にできる 「服薬アドヒアランスの向上」 痛み止めへの心配を主治医・薬剤師に伝え、説明を受けたうえで使い方を自分で決められる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。目標の期間と内容は、主治医の指示書と利用者の状態、居宅サービス計画、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉を目標の文に置き換える(「痛み止めはまだ早い」「夜だけでも眠りたい」など8例)

聞き取った言葉 言葉の奥にある願い 目標の文(記載例)
「痛み止めはまだ早い。最後に取っておきたい」(本人) 病気が進んだと思いたくない、薬が心配 痛み止めへの心配を主治医・薬剤師に伝え、説明を受けたうえで使い方を自分で決められる
「夜だけでも眠りたい」(本人) 眠って体を休めたい 夜に痛んだときの過ごし方と頓用の薬の手順を決め、続けて眠れる夜を持てる
「家族に心配をかけたくないから、痛いと言わない」(本人) 家族を守りたい 痛みを記録表に書くことで、言葉にしなくても家族と痛みの様子を分け合える
「もう一度、庭の手入れをしたい」(本人) 自分の役割と楽しみを取り戻したい 調子のよい時間を記録から見つけ、庭に出る時間を週に何日か持てる
「孫の顔を見に行きたい」(本人) 家族とのつながりを保ちたい 出かける日の薬の時刻と移動の工夫を決め、車で娘の家に出かけられる
「痛がっているのに何もしてあげられない」(妻) 役に立ちたい 妻が、楽な姿勢の整え方と頓用の薬を出す手順を、自分でできると感じられる
「薬を使いすぎると、眠ったままになるのでは」(息子) 薬の使い方を知って安心したい 息子が、薬についての心配を主治医・薬剤師に伝え、説明を受けたうえで記録表をつけられる
「夜中に痛がったら、誰に電話すればいいのか」(娘) 迷わずに動きたい 娘が、主治医の指示による連絡の順番を書いた紙を見て、その順番を言える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

「急性疼痛」「慢性疼痛」などの看護問題・看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)

病院や看護過程で使う看護問題・看護診断名は、在宅の計画書では課題の見出しにはなっても、そのままでは家で何が起きているかが伝わりません。家の場面と根拠になる事実を入れた一文に直します。

看護診断名・病院の看護問題 在宅の課題欄の一文(記載例)
急性疼痛 3日前から右の脇腹の痛みが強くなり、起き上がるときに顔をしかめて動きが止まる。頓用の薬を使う回数がこの3日で増えている
慢性疼痛 腰の鈍い痛みが一日中続き、座っていられる時間が短くなって、食事を食卓でとる日が減っている
睡眠パターン混乱 夜中に痛みで2回ほど目が覚め、昼に横になる時間が長くなっていると妻が話している
非効果的健康管理 頓用の薬を使ったかどうかを本人が思い出せず、記録表に書かれていない日がある
知識不足(痛み止めについて) 「この薬を使ったら終わり」と話し、痛みがあっても頓用の薬を使わずに我慢している
便秘 便が4日出ておらず、お腹が張って痛いと話し、食べる量が減っている
不安・悲嘆 痛みが強くなると「この先どうなるのか」と繰り返し、夜に眠れなくなる
介護者役割緊張 妻が夜中の痛みのたびに起きて頓用の薬を出し、「私が先に倒れそう」と話している

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

療養上の課題・支援内容|がん性疼痛のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

O-P(観察)・T-P(ケア)・E-P(説明・相談)は、「疼痛の観察」「疼痛コントロール」「服薬指導」の一語で止めず、どの場面で・何を・どの方法で・誰に伝えるかまで書きます。薬の使い方と連絡の目安は、すべて「主治医の指示のとおり」「指示書に記載の」の形にしています。実際の内容は指示書と処方から写してください。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
夜中に腰の痛みで目が覚め、妻が起きて頓用の薬を出している 記録表の時刻と回数、使った後に眠れたか、妻の眠りと疲れの言葉を訪問のたびに見る 記録表を妻と一緒に見て、回数と時刻の移り変わりをまとめて主治医に報告する 夜中に使う手順と記録の書き方を、紙にして妻と確かめる。妻の疲れをケアマネジャーに伝える
起き上がるときに右の脇腹が強く痛み、朝の支度に時間がかかる 起き上がりの手順、痛む場所と続く時間、支度にかかる時間を見る 理学療法士と決めた手順で起き上がりを一緒に行う。動く前の頓用の薬の扱いは主治医の指示のとおりとする 痛む側をかばう起き上がりの手順を、本人と家族に同じ言葉で伝える
痛み止めを「まだ早い」と思い、痛みがあっても頓用の薬を使わずにいる 使わなかった痛みの記録、本人の心配の言葉、眠りと食事への影響を聞く 心配の中身を本人の言葉で記録し、主治医・薬剤師に伝えて説明の機会をつくる 心配な気持ちを主治医・薬剤師に話してよいこと、使い方は説明を聞いたうえで本人が決めてよいことを伝える
便が出にくくお腹が張り、食後に痛みが強くなっている 便の回数と最後に出た日、お腹の張り、食べた量を家族の記録と訪問時の様子で見る 主治医・薬剤師から示された便通の整え方を家族と確かめ、変化を主治医に伝える 便通の記録のつけ方と、伝えてほしい様子を家族に伝える
決まった時刻の薬を飲む前の1時間ほどに痛みが強くなる 痛みが強くなる時刻と、薬を飲んだ・貼った時刻の関係を記録表で見る 時刻の関係を一覧にして主治医に報告する 薬の時刻を自己判断で変えず、気づいたことを記録して伝えてほしいことを伝える
右の太ももにしびれる痛みがあり、布団が触れるのもつらい しびれの場所と広がり、触れたときの反応、夜の過ごし方を見る 布団のかけ方とクッションの位置を本人と一緒に整える。痛みの言葉を主治医に伝える 布団や衣服が触れにくい工夫を家族と考える
口の中がしみて、温かい汁物や固い物が食べられない 口の中の傷・乾き、食べられる物と食べられない物、食べた量を見る 口の中のケアを一緒に行い、口の中の様子を主治医・歯科に伝える 食べやすい温度と形を家族と相談する。食べる量が減るときは低栄養の計画を合わせて見直す
認知症があり痛みを言葉にしないが、体の向きを変えるときに顔をしかめて声が出る 表情・声・体の動き・触れたときの反応を、事業所で決めた項目で見る 体の向きを変える手順を決め、ゆっくり声をかけながら行う。様子の記録をまとめて主治医に伝える 家族とヘルパーに、痛みのサインの見方と記録表の書き方を伝える
痛みが強くなると「この先どうなるのか」と繰り返し、夜に眠れなくなる 本人の言葉、表情、眠りと食欲、痛みと不安が重なる時間帯を聞く 気持ちを否定せずに聞き、痛みと気持ちのつらさを分けて記録する。続くときは主治医に伝える 話したいことを話せる相手と時間を、本人・家族と一緒に考える
貼る薬を貼った日と場所が分からなくなることがある 貼った日と場所の記録、はがれ、貼っている場所の皮膚の赤み・かぶれを見る 貼り替えの記録表を家族と作り、貼る場所を回す順番を薬剤師の説明どおりに決める はがれたとき・貼り忘れたときの連絡のしかたを家族に伝える
通院の翌日に痛みが強くなり、通院を負担に感じている 通院の日と翌日の痛み、移動の方法と待ち時間を聞く 通院の日の記録をまとめ、通院先と在宅の主治医へ伝える 移動の工夫と、通院の負担について主治医・ケアマネジャーに相談できることを伝える
一人の時間に痛みが強くなったときに、誰に連絡すればよいか本人が不安を話している 一人の時間帯、電話の位置、緊急通報の機器の有無、不安の言葉を聞く 主治医の指示による連絡の順番を本人と確かめ、紙に書いて電話の横に貼る 痛みの伝え方(いつから・どこが・頓用の薬を使ったか)を本人と一緒に練習する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬の使い方と時刻、便通の整え方、連絡の目安は、主治医の指示書と処方、薬剤師の説明に従ってください。

薬を使わない和らげ方を支援内容に書く|姿勢・動き方・温める・環境・気分転換(8項目)

痛みを和らげる手立ては薬だけではありません。姿勢や動き方の工夫、部屋の環境、気持ちが和らぐ時間も、計画書のT-Pに書けます。ただし、温める・冷やす・さするなどは、痛む場所や治療の内容によって控えたほうがよい場合があるため、主治医の指示の範囲で、ご本人が心地よいと感じるものを選びます。

手立て T-Pの書き方の例 確かめること
姿勢と体の向き 右を上にして膝の間にクッションをはさむ姿勢を、本人と一緒に整える 本人が楽と感じるか、皮膚に赤みが出ていないか
動き方の手順 痛む側をかばう起き上がりの手順を、理学療法士と同じ言葉で行う 手順を本人・家族が言えるか
寝具と福祉用具 マットレスや手すりの使いにくさをケアマネジャーに伝え、相談する 相談した日と結果
温める・冷やす 主治医に確かめたうえで、本人が心地よいと話す方法を行う 主治医に確かめた日、皮膚の様子
さする・手を当てる 本人が望むときに、背中や手足にそっと手を当てる。家族にも同じやり方を伝える 本人の反応、望まないときはやめること
部屋の環境 明るさ・音・室温を、本人が休みやすい形に家族と整える 夜の眠りの変化
気分転換と楽しみ 好きな音楽や写真、窓の外を見る時間など、本人が選んだ過ごし方を一日の流れに入れる 本人の表情と言葉
話を聞く時間 訪問の中で、本人が話したいことを話せる時間をつくる 本人の言葉、痛みの訴えとの関係

※上記は当社が作成した記載のイメージです。温める・冷やす・さするなどの手立てを行うかどうかは、主治医の指示とご本人の希望に従ってください。

痛みを言葉にしにくい方の観察|認知症・言葉が出にくい・眠っている時間が長い・我慢する方(10の様子と記録)

痛みを言葉で伝えにくい方は、痛みがないのではなく、伝える手段が限られているだけのことがあります。表情・声・体の動き・ふだんとの違いを、いつ・何をしていたときかとあわせて記録すると、ご家族や主治医と同じ見方で痛みを確かめられます。行動を観察する尺度を使う場合も、点数だけでなく見た場面を書き添えます。

見える様子 観察すること 記録に残す形
眉間にしわを寄せる・顔をしかめる どの動きや処置のときか、じっとしているときもか 体の向きを変えるときに眉間にしわを寄せ、終えて数分でゆるんだ
うめく・ため息が多い・「うっ」と声が出る 声が出る場面、夜と昼の違い 右の腰に触れたときに「うっ」と声が出た。触れていないときは静かに過ごしていた
体を丸める・同じ所を手で押さえる 押さえている場所、姿勢を変えたときの反応 お腹を両手で押さえ、膝を曲げて横になっていた。膝の下にクッションを入れると手を離した
触れられるのを嫌がる・手を払う どこに触れたときか、ケアの種類 おむつ交換で右の太ももに触れると手を払った。左側から始めると払わなかった
落ち着かない・何度も起き上がろうとする 時間帯、トイレや便通との関係、痛みとの関係 夕方から何度も起き上がろうとした。便が3日出ておらず、お腹の張りがあった
食べなくなる・口を開けない 口の中の傷や乾き、飲み込みのときの表情 食事のときに口を開けず、口の中を見ると頬の内側に白い傷があった
眠っている時間が長いが、動かすと顔をしかめる 眠っているときの表情・呼吸の様子、体を動かしたときの反応 眠っているときは穏やかな表情。体の向きを変えたときだけ顔をしかめた
いつもより怒りっぽい・声を荒げる ふだんの様子との違い、起きた場面 家族によると、昨日から着替えのたびに声を荒げる。着替えで右腕を上げると顔をしかめた
「大丈夫」と言うが、動きが少ない 言葉と動きの違い、我慢している様子 「大丈夫」と答えたが、座ったまま体を動かさず、立ち上がりを何度も先に延ばした
言葉が出にくい・失語がある はい・いいえで答えられる聞き方、体の絵での指さし 体の絵を見せると腰を指さし、「痛いですか」の問いにうなずいた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。様子の原因の見立ては主治医が行います。痛みのサインの見方は、使う尺度と事業所の手順に従ってください。

我慢する・遠慮する方への声かけ|避けたい声かけと伝わりやすい声かけ(8場面)

場面 避けたい声かけ 伝わりやすい声かけ 記録に残す形
痛みを聞く 「痛くないですよね?」(答えを決めた聞き方) 「今、痛いところはありますか。少しでもあれば教えてください」 聞いた言葉と、本人の答えをそのまま書く
「大丈夫」と答えたとき 「大丈夫ならよかったです」で終える 「動いたときはどうですか。夜はどうでしたか」と場面を変えて聞く 場面ごとの答えを分けて書く
家族に遠慮しているとき 家族の前でだけ聞く 家族が席を外したときにも、同じことを聞いてみる 家族がいるときといないときの答えを分けて書く
頓用の薬を使わずにいるとき 「使わないとだめですよ」 「使わずにいた理由を聞かせてもらえますか」 使わなかった理由を本人の言葉で書く
薬への心配を話したとき 看護師がその場で薬の説明を言い切る 「そのご心配を、先生と薬剤師さんにお伝えしてもいいですか」 心配の中身と、伝えた相手・日を書く
痛みを数字で答えにくいとき 何度も数字を聞き直す 顔の絵や「少し・かなり」の言葉など、答えやすい方法に切り替える 使った方法と答えを書く
痛みのことを話したがらないとき 痛みの話を続ける 好きなことや今日の予定の話から入り、話しやすいときに戻る 話したくない様子と、その日の聞き取りの範囲を書く
気持ちが沈んでいるとき 「がんばりましょう」と励ますだけで終える 「つらいですね」と受け止め、少し一緒にいる 本人の言葉と表情をそのまま書く

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬についての説明は主治医・薬剤師が行います。実際の記載は事業所の様式と記録の決まりに従ってください。

ご本人・ご家族へ渡す言葉(E-P)|痛み止めへの心配・頓用の薬の使いどき・連絡の順番の伝え方(言い換え12場面)

E-Pに「疼痛時はレスキューを使用するよう指導」と書いても、ご本人・ご家族にどんな言葉で何を伝えたかは残りません。実際に渡す言葉を決めて、計画書と記録に残すと、担当が替わっても同じ言葉で伝えられます。薬の効き目や副作用の説明は主治医・薬剤師の役割です。看護師は、心配をそのまま医師・薬剤師に届けること、指示のとおりの使い方を一緒に確かめることを受け持ちます。

場面 避けたい言い方 渡す言葉の例 記録に残すこと
痛みを我慢している 「痛かったら言ってくださいね」だけ 「痛みは我慢しなくていいものです。少しでも痛いときは、記録表に丸をつけるだけでも大丈夫です」 伝えた言葉と、本人の反応
痛み止めを「最後に取っておきたい」と話す 「そんなことはありません」と打ち消す 「そう感じるのですね。そのお気持ちを、先生と薬剤師さんにもお伝えして、一緒にお話を聞きませんか」 本人の言葉、伝えた相手と日
頓用の薬の使いどきに迷う 「適宜使ってください」 「先生から、こういうときに使うと言われています(指示のとおりに紙に書く)。迷ったら、使う前でも後でも電話してください」 紙に書いた内容(指示のとおり)、渡した日
頓用の薬を使った後 何も伝えない 「使った時刻と、そのあと楽になったかを書いておいてください。次の訪問で一緒に見ます」 記録表の使い方を伝えた日
家族が薬の使いすぎを心配する 看護師が大丈夫と言い切る 「ご心配はもっともです。記録表を先生にお見せして、使い方を確かめてもらいましょう」 家族の心配の言葉、主治医へ伝えた日
決まった時刻の薬の前に痛む 「少し早めに飲んでいいですよ」(指示にない変更) 「時刻を変えるのは先生と相談してからにしましょう。痛くなる時刻を書いておいてください」 伝えた言葉、主治医に伝えた日
便が出にくい 「水分をとってください」だけ 「便が出た日と、お腹の張りを書いておいてください。先生と薬剤師さんから言われている整え方を一緒に確かめます」 伝えた言葉、便通の記録の始まった日
貼る薬を使っている 「貼り替えてください」だけ 「貼った日と場所をこの表に書いてください。はがれていたら、貼り直す前に電話してください」 記録表を渡した日、確かめた手順
痛みが強くなったときの連絡 「何かあれば連絡してください」 「痛みが強くなったら、この紙の順番で電話してください。いつから・どこが・薬を使ったかを伝えてください」 紙の内容と貼った場所
夜中の電話をためらう 「夜は控えてください」と受け取れる言い方 「夜中でも、迷ったら電話してください。電話してくださったことを、責めることはありません」 伝えた言葉、夜間の連絡先の確認
家族が「何もしてあげられない」と話す 「十分やっています」で終える 「そばにいてくださること、記録をつけてくださることが、痛みを和らげる助けになっています。楽な姿勢の整え方を一緒にやってみましょう」 家族の言葉、一緒に行ったこと
家族が疲れている 「休んでください」だけ 「夜に休める日をつくる方法を、ケアマネジャーさんと一緒に考えましょう」 家族の様子、ケアマネジャーへ伝えた日

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬の使い方・効き目・副作用の説明は、主治医と薬剤師の説明に従ってください。連絡の順番は主治医の指示と事業所の手順に従ってください。

ご家族と決めておく「痛みが強くなったときの紙」の項目(10項目)

主治医の指示と事業所の手順をもとに、ご家族と一緒に作る紙の項目です。紙は電話の横や薬の置き場所の近くなど、ご家族とヘルパーの目につく所に貼り、計画書の備考に「どこに貼ったか」を書きます。処方が変わったら紙も作り直します。

項目 書き方の例 確かめる相手
頓用の薬を使うとき 主治医から示された使いどきを、そのまま書く 主治医、薬剤師
続けて使うときの決まり 主治医から示された間隔と回数の決まりを、そのまま書く 主治医、薬剤師
使った後に確かめること 確かめる時間と、確かめる様子(痛み・眠気など示されたもの) 主治医、薬剤師
連絡の順番 主治医から示された順番をそのまま書く(主治医・当ステーション・家族のどれを先にするか) 主治医、管理者
連絡先の電話番号 主治医、当ステーション(夜間の連絡先を含む)、薬局、家族、ケアマネジャー 家族
電話で伝えること いつから・どこが・どんな痛みか・頓用の薬を使ったか・使った後どうか 家族
手元に用意する物 痛み止めの記録表、お薬手帳、保険証の置き場所 家族
ヘルパーや訪問入浴の担当者が気づいたとき 誰に連絡するか(事業所どうしの取り決め) ケアマネジャー、各事業所
見直した日 紙を作った日と見直した日 管理者
迷ったときの一言 「迷ったら電話してください」と書き添える 家族

※上記は当社が作成した記載のイメージです。頓用の薬の使いどき・間隔・回数、連絡の順番と目安は、主治医の指示と薬剤師の説明、事業所の手順に従ってください。

分担表|訪問看護・主治医・薬局・ケアマネジャー・ヘルパー・訪問入浴・リハビリ職・緩和ケアの外来・家族で誰が何を受け持つか(12項目)

がん性疼痛のある方には、主治医(在宅医または通院先)、薬局、ケアマネジャー、ヘルパーなど多くの人が関わります。痛みの記録や薬の話がばらばらに伝わると、ご本人・ご家族が混乱します。実際の分担は居宅サービス計画とサービス担当者会議、主治医との取り決めで決まります。下の表は、分担を話し合うときの叩き台の例です。

受け持つこと 主に受け持つ人の例 訪問看護の計画書に書くこと
痛みの見立て、薬の処方と調整 主治医 指示書に記載の内容をO-Pと連絡の目安に写し、記録をまとめて報告する
薬の調剤・説明・届け、残った薬の扱いの説明 薬局(薬剤師) 薬の説明の内容を記録に写し、使い方の困りごとを薬局に伝えることを書く
痛みの聞き取りと記録のまとめ、主治医への報告 訪問看護の看護師 O-P・T-Pとして書く
頓用の薬を使う・記録表をつける 本人、家族 手順と記録表の書き方を一緒に決めることをE-Pに書く
サービス全体の調整と曜日の組み立て ケアマネジャー 訪問看護の曜日と受け持ちを備考に書き、変更があればケアマネジャーに伝える
特殊寝台・マットレス・手すりなどの選定 ケアマネジャー、福祉用具専門相談員 訪問時に見た使いにくさを伝えて相談することを書く
毎日の身の回りの介助と痛みのサインへの気づき ヘルパー、家族 体の向きを変える手順と、痛みのサインに気づいたときの連絡を同じ言葉で伝えることをE-Pに書く
入浴 訪問入浴、訪問看護、通所 入浴の手順と時間、痛みが強い日の扱いを受け持ちの事業所と決めることを書く
姿勢と動き方の工夫 訪問看護の理学療法士・作業療法士、または訪問リハ どの事業所が受け持つかを書き、看護師は同じ手順で確かめる
痛みについての専門の相談 緩和ケアの外来、専門の研修を受けた看護師 相談の予定と、受けた助言を記録に写すことを書く
家族の疲れへの手立て(夜の体制・短期入所等) ケアマネジャー 家族の疲れをケアマネジャーに伝えて相談することを書く
最期が近い時期の体制 主治医、ケアマネジャー、訪問看護 体制の話し合いの予定を書き、看取り期の計画に切り替える時期を相談する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の分担は居宅サービス計画とサービス担当者会議、主治医との取り決めで決まります。

悪い例と良い例|がん性疼痛の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。良い例に入れた薬の使い方や連絡の目安は、すべて「主治医の指示のとおり」「指示書に記載の」の形にしています。実際の内容は指示書と処方から写してください。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「疼痛コントロールができる」 夜中に痛んだときに決めた手順で頓用の薬を使い、続けて眠れる夜を持てる 痛みが和らいだ先の暮らしと、本人が行うことを書いた
目標 「疼痛が軽減する」 痛みの少ない姿勢で、昼食を食卓で家族ととれる 症状を、暮らしの場面にした
目標 「痛みの点数が下がる」 事業所で決めた尺度で朝と夜の痛みを記録し、強くなったときに家族へ伝えられる 点数の区切りではなく、記録と伝え方を目標にした
目標 「家族が疼痛管理できる」 妻が、頓用の薬を出す手順と記録表の書き方を、紙を見て言える 家族の目標を、確かめられる行動にした
課題 「がん性疼痛あり」 腰から右の太ももにかけての痛みが続き、朝の着替えで手が止まり、支度に時間がかかっている 痛みが暮らしのどこに出ているかを書いた
課題 「疼痛増強」 3日前から夜中に痛みで目が覚め、頓用の薬を使った夜が3日続いている いつから・どの場面で・何が起きているかを書いた
課題 「服薬アドヒアランス不良」 「この薬を使ったら終わり」と話し、痛みがあっても頓用の薬を使わずに我慢している 評価の言葉を、本人の言葉と事実に置き換えた
課題 「認知症のため疼痛評価困難」 痛みを言葉にしないが、体の向きを変えるときに顔をしかめて声が出る 「評価困難」を、見えるサインに置き換えた
O-P 「疼痛の観察」 痛みの場所・強さ(事業所で決めた尺度)・感じ方・強くなる場面を訪問のたびに聞き、記録表とあわせて見る 何を、どの方法で見るかを決めた
O-P 「レスキューの使用状況の確認」 頓用の薬を使った時刻・きっかけ・使う前と後の痛み・1日の回数を、家族の記録表で確かめる 確かめる項目を書いた
O-P 「副作用の観察」 主治医・薬剤師から示された観察の項目(便通・眠気など、示されたもの)を訪問のたびに聞く 観察の出どころを、主治医・薬剤師の説明にした
O-P 「表情の観察」 体の向きを変える・おむつを替えるときの表情・声・手の動きを、事業所で決めた項目で見る 見る場面と項目を決めた
T-P 「疼痛時レスキュー使用」 頓用の薬は主治医の指示のとおりに使い、使った時刻と使った後の様子を家族と記録表で確かめる 指示の出どころと、看護師が受け持つ部分を書いた
T-P 「安楽な体位の工夫」 右を上にして膝の間にクッションをはさむ姿勢を、本人と一緒に整える どの姿勢かを書いた
T-P 「Dr.への報告」 記録表の回数と時刻の移り変わりをまとめ、主治医に報告し、指示を記録書Ⅱに写す 報告の中身と、指示の記録先を書いた
T-P 「排便コントロール」 便通の記録を家族と続け、主治医・薬剤師から示された整え方を一緒に確かめる 記録と、示された方法の出どころを書いた
E-P 「疼痛時は我慢しないよう指導」 痛みは我慢しなくてよいこと、記録表に丸をつけるだけでも伝わることを本人に伝え、記録表を一緒に作る 渡す言葉と、伝わる形を書いた
E-P 「麻薬に対する誤解を解く」 痛み止めへの心配を本人の言葉で聞き、主治医・薬剤師に伝えて説明を受けられるようにする 看護師が説明を言い切らず、医師・薬剤師につなぐ形にした
E-P 「異常時は連絡するよう説明」 痛みが強くなったときは、紙に書いた順番で電話し、いつから・どこが・頓用の薬を使ったかを伝えるよう家族に伝え、家族がその順番を言えるかを確かめる 何を・どの順で・どう確かめるかを書いた
評価 「疼痛コントロール良好、継続」 処方の変更後、夜中に頓用の薬を使った回数はこの2週間で減り、続けて眠れた夜が増えたと妻が話した。記録表を続け、朝の痛みの記録を加える 目標に照らした事実と、次の手を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。薬の使い方、観察の項目、連絡の目安は、主治医の指示書と処方、薬剤師の説明に従ってください。

評価の書き方と報告書へのつなぎ方|がん性疼痛の評価文(10例)と報告書の欄別記載例

評価は、目標ごとに「何ができたか」「何が変わったか」「次にどうするか」を、記録書Ⅱとご家族の記録表に残した事実で書きます。病状の変化によって、目標そのものを書き換えることもあります。痛みが強くなった月は、何が起き、誰に伝え、どう変えたかを事実で書きます。

目標(要約) 評価文の記載例 次の計画への反映
夜に続けて眠れる 処方の変更後、夜中に目が覚める回数が減り、続けて眠れた夜がこの2週間で9日あったと記録表にあった 今の記録を続け、朝の起きがけの痛みを次の課題として立てる
頓用の薬を決めた手順で使い、記録できる 妻が記録表を毎回つけている。夜中の記録は時刻のみの日があり、使った後の様子が空いている 使った後の様子を「眠れた・眠れなかった」の丸つけに変え、書きやすくする
痛み止めへの心配を伝え、使い方を自分で決められる 受診のときに主治医と薬剤師から説明を受け、「少し安心した」と本人が話した。その後は痛むときに頓用の薬を使っている 使った後の暮らしの様子を記録し、本人と一緒に振り返る
決めた手順で起き上がり、朝の支度を済ませられる 理学療法士と決めた手順で起き上がれる日が増えたが、雨の日の朝は痛みが強く、妻の手助けが要った 痛みが強い朝の手助けのしかたを、妻と理学療法士で確かめる
便通の記録を続け、お腹の張りを伝えられる 便通の記録は続いている。お腹の張りがあった日を本人が自分で伝え、主治医に報告した 記録を続け、張りがある日の食事の工夫を家族と考える
家族が痛みのサインに気づき、記録できる(認知症) 娘とヘルパーが、体の向きを変えるときの表情と声を記録表に書いている。夜の記録は空いている日がある 夜に気づいた様子を、朝にまとめて書く形に変える
庭に出る時間を持てる 調子のよい午前中に庭に出た日が、この1か月で4日あった。「花を見ると痛みを忘れる」と本人が話した 庭に出る時間を週の予定に組み込む
短歌の会に出かけられる 会の日の朝に薬の時刻を確かめて出かけられた。翌日は疲れて痛みが強く、頓用の薬を2回使った 会の翌日を休む日にし、翌日の痛みの記録を主治医に伝える
家族が連絡の順番を言える 息子は紙を見て順番を言えた。夜に来る娘には紙の場所が伝わっていなかった 娘にも紙の場所と順番を伝え、紙を2か所に貼る
一人の時間に痛んだときに連絡できる 一人の時間に痛みが強くなった日に、本人が紙の順番どおりに当ステーションへ電話できた 今の形を続け、緊急通報の機器の相談をケアマネジャーに伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、計画書の評価をどうつなぐか(がん性疼痛の記載例6欄)

報告書の欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(2)) がん性疼痛のある方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 腰から右の太ももにかけての痛みが続いている。処方の変更後、夜中に頓用の薬を使う回数が減り、続けて眠れる夜が増えた。朝の起きがけの痛みは続いている。記録表の写しを添付する
看護・リハビリテーションの内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 痛みの聞き取りと記録表の確認、起き上がりの手順の確認、姿勢の調整、便通の確認、貼る薬の貼り替えと皮膚の確認を行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 妻が頓用の薬を出す役割と記録表を担っている。夜中に起きる回数が減り、妻も眠れる日が増えたと話している
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 錠剤が飲み込みにくいと本人が話している。薬の形についてご検討をお願いしたい。痛み止めについての本人の心配は、前回の受診での説明の後、和らいでいる
訪問日 ②ロ。看護師等の訪問日を○で、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した日を△で囲むなど、印の決まりが示されています 特別訪問看護指示書の期間がある月は、その期間の訪問日を決まりのとおりの印で示す
別添(介護保険・リハビリ職の訪問) 老企第55号の記載要領 2(3)⑪ロ。リハビリ職が行った指定訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容を具体的に記入する 痛む側をかばう起き上がりの手順を練習し、妻に手を添える場所を伝えた。痛みが強い日は練習を手順の確認だけにした

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

がん性疼痛の訪問看護計画書を見直すきっかけ(10)

きっかけ 見直す欄 確かめる相手
痛み止めの処方が変わった・頓用の薬が加わった O-P(示された観察)、T-P、E-P、痛みが強くなったときの紙 主治医、薬局
頓用の薬を使う回数が変わった 課題、O-P、評価 主治医、本人、家族
新しい場所の痛みが出た・痛みの出方が変わった 課題、O-P 主治医
通院の治療が始まった・終わった・控えることになった 目標、課題、備考 主治医、通院先、ケアマネジャー
退院した・在宅医に切り替わった 計画書全体(退院時の情報と指示書を写し直す) 主治医、退院元の病院、ケアマネジャー
飲み込みにくくなった・食べる量が減った 課題、T-P、E-P(低栄養の計画も合わせて見直す) 主治医、薬局、家族
痛みを言葉にしにくくなった・眠っている時間が長くなった O-P(表情・体の動きの観察)、E-P 主治医、家族、ヘルパー
介護を担う家族の状況が変わった 備考、E-P、連絡の順番の紙 家族、ケアマネジャー
本人の望む過ごし方が変わった 目標 本人、家族、主治医
最期が近い時期に移った 計画書全体(看取り期の計画への切り替え) 本人、家族、主治医、ケアマネジャー

※上記は当社が作成した記載のイメージです。見直した日は計画書の年月日の欄に書き、見直した内容は記録書に残してください。

運営指導でがん性疼痛のある方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「居宅介護支援事業者等との連携(第64条)」「サービス提供の記録(第19条)」「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」「緊急時等の対応(第72条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、がん性疼痛のある方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) がん性疼痛のある方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第64条)サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか ヘルパー・訪問入浴・福祉用具の事業所と、体の向きを変える手順や痛みのサインに気づいたときの連絡を共有した記録があるか 確認日:(    )
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、計画書で決めた痛みの聞き取り(尺度・場面)と、行ったケアが書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 「疼痛自制内」「著変なし」の一語でなく、聞き方・答え・本人の言葉・頓用の薬の記録で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの福祉用具・ヘルパーの受け持ちと、計画書の姿勢・動き方の支援が食い違っていないか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書の痛みについての指示がO-Pと連絡の目安に写されているか。「夜は眠りたい」など本人の希望が目標に入っているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「疼痛コントロール」「服薬指導」の一語で止まっていないか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 痛みが強い日を避けて説明した記録、同意の方法、交付の記録が残っているか 確認日:(    )
(第70条)目標の達成状況は記録されているか・達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 処方が変わったとき、痛みの場所や出方が変わったときに、計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第70条)訪問看護報告書は作成されているか 月の痛みの経過と頓用の薬の回数の移り変わりが、報告書にまとめられているか 確認日:(    )
(第72条)緊急時対応マニュアル等が整備されているか・緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか 痛みが強くなったときの連絡の手順が事業所で決まっていて、主治医へ連絡した日時と指示が記録に残っているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある、訪問看護の計画書・指示書・説明と同意・記録に関わる指摘(8件)

がん性疼痛のある方の計画書に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方、指示書の扱い、説明と同意、記録の残し方で関わりの深い公表事例です。加算に関わる指摘は、要件の確認の観点として載せています。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

自治体(資料名) 公表されている指摘の内容 がん性疼痛のある方の計画書・記録で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの受け持ちとの対応、同意の記録、O-P・T-P・E-Pが「疼痛コントロール」の一語で止まっていないか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 退院してすぐ訪問を始めたときに、訪問開始前に計画書があるか。ケアプランの分担と食い違っていないか
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 在宅医に切り替わったときや退院直後に、訪問の前に指示書を受け取っているか。頓用の薬の扱いなど、行っていることが指示書の内容と合っているか
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)・令和7年3月) 訪問看護計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、訪問看護指示書の有効期限が切れている、計画書に利用者の同意署名がない等 本人の希望と主治医の指示が計画書に入っているか。指示書の期間を一覧で管理しているか。痛みで署名が難しい日の同意の扱いを決めているか
堺市(令和8年度 集団指導 居宅事業所編) 訪問看護計画に、主治の医師の指示に基づいていないサービス提供が含まれている 温める・冷やすなどの手立てや、頓用の薬についての支援が、主治医の指示の範囲で書かれているか
堺市(令和8年度 集団指導 居宅事業所編) 特別管理加算について、厚生労働大臣が定める状態であることを確認できる医師の指示書等が確認できない 痛み止めを持続して入れる器具などを使っている方で、その状態の出どころになる指示書等を保管しているか(要件の確認は保険者の資料で行う)
千葉市(令和7年度の運営指導における主な指導事項について) ターミナルケアの提供において訪問看護記録書に記録することとされている事項(終末期の身体症状の変化及びこれに対する看護についての記録 等)の記録が確認できない事例 最期が近い時期に、痛みの変化と行った看護が記録書に続けて残っているか(ターミナルケアの記録の全体はターミナルケア加算の記事を参照)
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 従業者の守秘義務の取り決めが徹底されていない、利用者本人と家族の個人情報使用同意が区別されていない等 痛みの記録表や薬の情報を薬局・ケアマネジャーと共有するときの、本人と家族それぞれの同意の記録があるか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

がん性疼痛のある方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 痛みについての指示、連絡の目安、訪問の出どころ (    ) (    )
紹介状・退院時の情報の写し 痛みの経過、病院で使っていた尺度、病状の説明の内容 (    ) (    )
薬剤情報提供書・薬局からの説明の写し 薬の名前と量、示された観察の項目、保管と残った薬の扱いの出どころ (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅰ(現病歴・本人と家族の理解・連絡先) 課題の根拠と、連絡の決まり (    ) (    )
ご家族の痛み止めの記録表(写し) 頓用の薬の回数と時刻、評価と主治医への報告の根拠 (    ) (    )
貼る薬の貼り替えの記録(使っている方) 貼った日と場所、皮膚の確認の事実 (    ) (    )
家族と作った「痛みが強くなったときの紙」 使いどき・連絡の順番が主治医の指示と同じかの確認 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) 説明の方法・相手・日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅱ・訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) 訪問ごとの痛みの記録と、月の経過を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )
主治医・薬局・ケアマネジャーへの連絡の記録 伝えた日時・相手・内容と指示、本人・家族の了解 (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

がん性疼痛の看護目標は、どう書けばよいですか?

看護目標は、「疼痛コントロールができる」「疼痛が軽減する」のような症状だけの文ではなく、痛みが和らいだ先にご本人が続けたい暮らしと、そのために本人・家族が行うことを主語にして書きます。例えば長期目標を「夜に眠り、昼は居間で妻と過ごす時間を持てる」、短期目標を「夜中に痛んだときに、決めた手順で頓用の薬を使い、記録表に時刻を書ける」のようにすると、次の評価の時期に記録表と記録書Ⅱで確かめられます。痛みの点数の区切りを看護師が決めて目標にすることは避け、薬の使い方は主治医の指示のとおりとします。

がん性疼痛の看護問題は、在宅の訪問看護計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

「急性疼痛」「慢性疼痛」などの看護問題の名前は、そのままでは家で何が起きているかが伝わりません。課題欄には、痛みが暮らしのどの場面に出ているかを、根拠になる事実とあわせて一文で書きます。例えば「3日前から夜中に痛みで目が覚め、頓用の薬を使った夜が3日続いている」「腰の鈍い痛みが一日中続き、食事を食卓でとる日が減っている」のように、本人の言葉、尺度で答えてもらった結果、ご家族の記録表の回数を根拠にします。

病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、がん性疼痛の書き方で何が違いますか?

病院や看護過程では、看護師が時間ごとに痛みと薬の効き目を確かめる前提で看護問題を立てることが多くあります。在宅では看護師がそばにいる時間はわずかで、痛みに最初に気づくのも頓用の薬を使うのも、多くはご本人とご家族です。そのため在宅の訪問看護計画書では、痛みの聞き取り方と記録のしかた、頓用の薬を使ったときに書き留めること、痛みが強くなったときの連絡の順番を、ご本人・ご家族と一緒に決めて書き込みます。手術の後の痛みとは別の計画として考えます。

頓用の痛み止めを使ったとき、記録書Ⅱと主治医への報告には何を書けばよいですか?

使った日と時刻、使ったきっかけ、使う前と後の痛み(事業所で決めた尺度の答えや言葉)、使った後の暮らしの様子、主治医・薬剤師から示された観察の項目について気づいたこと、1日の回数、手元に残っている数を書きます。多くはご家族の記録表に書かれているため、訪問のたびに一緒に見て記録書Ⅱに写し、回数と時刻の移り変わりをまとめて主治医に報告します。使いどき・間隔・回数・連絡の目安は主治医の指示のとおりとし、計画書には「主治医の指示のとおり」の形で書きます。

痛みを言葉にしにくい方の痛みは、どう観察して記録すればよいですか?

認知症のある方、言葉が出にくい方、眠っている時間が長い方などは、痛みがないのではなく伝える手段が限られていることがあります。表情、声、体の動き、触れたときの反応、ふだんとの違いを、いつ・何をしていたときかとあわせて記録します。行動を観察する尺度(PAINAD、Abbey Pain Scale など)を使う場合も、点数だけでなく見た場面を書き添えます。ご家族とヘルパーにも同じ見方を伝え、記録表で様子を分け合えるようにします。

計画書に痛み止めの名前や量、痛みの点数の目安を書いてもよいですか?

薬の名前と量、使う間隔、主治医へ連絡する目安は、主治医の指示書と処方に示された内容を、示されたとおりに写します。看護師が自分で目安を決めて書くことは避けます。計画書の支援内容は「頓用の薬は主治医の指示のとおりに使い、使った時刻と使った後の様子を記録表で確かめる」のように、指示の出どころと看護師が受け持つ部分を書く形にすると、処方が変わっても計画書の文を書き直さずに済みます。この記事の記載例も、数値と薬の名前は書かずに、その形でまとめています。

がん末期のケアプランや在宅の看取りの看護計画とは、どう書き分ければよいですか?

がん(末期)の方のケアプランはケアマネジャーが作る計画で、生活全般の課題とサービスの位置づけを書きます。在宅の看取りの看護計画は、最期が近い時期の過ごし方、ご家族への関わり、亡くなる前後の分担までを書く計画です。がん性疼痛の看護計画は、その中で痛みの聞き取り、頓用の薬の記録、主治医への報告、ご本人・ご家族へ渡す言葉を受け持つ部分です。最期が近い時期に移ったら、看取り期の計画に切り替えるかを、主治医・ケアマネジャーと相談します。

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出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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