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特養の看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ)の要件|死亡日からの単価の段階と体制の対照表【出典つき】

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養)の看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、回復の見込みがないと医師が診断した入所者について、ご本人・ご家族への十分な説明と合意のもとに看取り介護を行った場合の加算です。単位数は死亡日からの日数区分により4段階に分かれ、死亡月にまとめて加算します(1日につき)。

この記事では、告示が置いている定めを原文の項目のまま並べ、貴施設の体制を書き入れて突き合わせる対照表、死亡日以前の日数区分ごとの単位数の表、(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目、運営指導の場で示せるようにしておく書類、断定できない論点の照会メモまでを、出典(告示・通知・自治体の公表資料)の名称つきで整理します。看取り期の日々の記録・当日の経時記録・ご家族対応の文例は、別記事「看取り・死亡時の記録の書き方」の領分なので、この記事では扱いません。この記事は要件・体制・単価の段階に絞ります。読み方の目安として、届出を検討している段階なら「告示の定め」と「対照表」を、すでに届出済みで運営指導が近いなら「書類の一覧」と「公表されている指摘」を、請求の場面で迷いがあるなら「暦の記入欄」と「照会メモ」を、それぞれ入口にしてください。どの表にも記入欄を設けてあるので、印刷してそのまま施設内の点検様式としてお使いいただけます。

※本記事のうち看取り介護加算(Ⅰ)に関する整理は、当社の加算データベース上で「再検証で指摘が残っているレコード」とされているものです。掲載内容は出典(告示原文)でのご確認をお願いします。

同じ「看取り・ターミナル」でも定めは別々|取り違えやすい3サービスの名称対照

「看取り 加算」で調べると、サービス種別の異なる加算の解説が混ざって出てきます。特養の看取り介護加算と、居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算と、訪問看護のターミナルケア系の加算は、それぞれ別の告示・別の要件で置かれた別の加算です。名称が似ているため、他サービス向けの解説を読んで自施設の要件と思い込む取り違えが起きやすいところです。まず、この記事がどれを扱うのかを整理します。

サービス種別 加算の名称 この記事での扱い
介護老人福祉施設(特養) 看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ) 本記事の主題。死亡日からの日数区分で単位数が段階化され、死亡月に加算する仕組み
居宅介護支援(ケアマネジャー) ターミナルケアマネジメント加算 別の定めによる別の加算。要件・単位数とも本記事では扱わない(別記事あり)
訪問看護 ターミナルケアに係る加算(ターミナルケア系) 別の定めによる別の加算。要件・単位数とも本記事では扱わない

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料でも、この3つは別の項目として扱われています。たとえば千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」では、訪問看護の報酬関係の欄に、ターミナルケアに係る計画・支援体制の説明と同意、訪問看護記録書への記録(終末期の身体症状の変化と看護についての記録、療養や死別に関する利用者・家族の精神的な状態の変化とケアの経過についての記録など)が確認できない事例が挙げられています。これは訪問看護向けの指摘であり、特養の看取り介護加算の要件そのものではありませんが、「看取り・ターミナル」の記録がサービス種別ごとに別の枠組みで確認されていることを示す例です。

特養の看取り介護加算の骨組み|根拠資料3点と「1日につき・死亡月に加算」

看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、いずれも「1日につき」算定し、死亡月に加算する整理です。日ごとの単位数は「亡くなられた日から遡って何日目にあたる日か」で4段階に分かれます(単位数の表は後述)。つまり、月の途中まで看取り介護を行っていても、加算として請求に載るのは死亡月であり、日数区分の起点は常に死亡日です。

根拠となる告示・通知はこの3点

この記事の整理の根拠は、当社の加算データベースが出典として挙げている次の3点です。本文中の「根拠」欄は、この資料名の略記で示します。役割分担を先に押さえておくと読みやすくなります——単位数と「算定しない場合」は平成12年の算定基準告示に、施設としての体制(施設基準)は平成27年の施設基準告示に、運用上の留意事項は老企第40号の通知に、それぞれ書かれています。運営指導や保険者への照会の場面では、「どの資料のどの箇所か」を添えて話せると、確認がかみ合いやすくなります。

資料の名称 この加算に関して書かれていること 本文での略記
平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準) 別表1ヨ 注1・注2 算定の枠組み。退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨(注1)、(Ⅱ)は当該指定介護老人福祉施設内で死亡した場合である旨(注2) 平12厚告21 別表1ヨ
平成27年厚生労働省告示第96号(厚生労働大臣が定める施設基準) 第45号イ・ロ、第54号 (Ⅰ)(Ⅱ)それぞれの施設基準。第54号は第45号イ・ロの準用として挙げられている 平27厚労告96 第45号
老企第40号(平成12年3月8日) 第四(24) 留意事項通知。退所等の翌月に亡くなった場合の一部負担の請求に関する事前の説明・文書による同意など 老企40 第四(24)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

告示の定め(Ⅰ)|体制・指針・同意・研修・居室の5項目と「算定しない」の定め

看取り介護加算(Ⅰ)の施設基準として、当社の加算データベースは次の項目を整理しています。「看取り介護をしたかどうか」だけでなく、施設としての体制(看護師の配置・24時間の連絡体制)と、指針・同意・研修という書面で残る仕組みが要件の柱になっている点を読み取ることができます。各行の根拠欄は告示の該当箇所です。

項目 告示の定め(データベースの整理) 根拠
常勤の看護師の配置 1名以上 平27厚労告96 第45号イ(1)
24時間連絡できる体制 自施設の看護職員により、又は病院・診療所・訪問看護ステーションの看護職員との連携により確保していること 平27厚労告96 第45号イ(1)
看取りに関する指針 定め、入所の際に入所者又は家族等に説明し、同意を得ていること 平27厚労告96 第45号イ(2)
指針の見直し 多職種の協議の上、看取りの実績等を踏まえ適宜実施していること 平27厚労告96 第45号イ(3)
看取りに関する職員研修 実施していること 平27厚労告96 第45号イ(4)
個室又は静養室の利用 看取りを行う際に利用が可能となるよう配慮していること 平27厚労告96 第45号イ(5)
退所した日の翌日から死亡日までの間 算定しない旨の定めが置かれている 平12厚告21 別表1ヨ 注1

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後の行(注1)は見落としやすい定めです。入院などで退所となった場合、退所した日の翌日から死亡日までの間の日は算定しないという枠組みが告示に置かれています。「施設で看取り介護を続けていた期間」と「請求に載る日」がずれる場面がここから生じるため、後述の「断定できない論点」の欄で個別の場面を整理しています。

※(Ⅰ)のレコードは当社データベース上の再検証で指摘が残っているため、上表の各項目は告示原文(平成27年厚生労働省告示第96号・平成12年厚生省告示第21号)でのご確認をお願いします。

告示の定め(Ⅱ)|(Ⅰ)の基準に上乗せされる3点

看取り介護加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)の施設基準を土台に、配置医師の緊急時対応の体制と亡くなられた場所に関する定めが上乗せされた上位区分です。当社の加算データベースの整理では次のとおりです。

項目 告示の定め(データベースの整理) 根拠
配置医師緊急時対応加算の施設基準(第44号の2) 該当していること 平27厚労告96 第45号ロ(1)
看取り介護加算(Ⅰ)の施設基準(第45号イ(1)〜(5)) いずれにも該当していること 平27厚労告96 第45号ロ(2)
死亡場所 当該指定介護老人福祉施設内であること 平12厚告21 別表1ヨ 注2
(Ⅰ)との関係 看取り介護加算(Ⅰ)を算定している場合は算定しない、という整理が挙げられている 出典一覧の資料によるデータベースの整理

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

(Ⅱ)の1行目に出てくる「配置医師緊急時対応加算の施設基準」は、それ自体が別の加算(配置医師緊急時対応加算)の施設基準です。つまり(Ⅱ)の届出を考えるときは、配置医師緊急時対応加算の側の基準を先に確かめることになります。配置医師緊急時対応加算そのものの要件の詳細は、本記事の範囲を超えるため、告示原文(平成27年厚生労働省告示第96号 第44号の2)と保険者(指定権者)への確認をおすすめします。

死亡日からの日数で4段階|(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数を並べた表

単位数は「亡くなられた日から遡って何日目にあたる日か」の区分ごとに、1日あたりの単位数が定められています。(Ⅰ)(Ⅱ)で異なるのは死亡日の前日及び前々日と、死亡日の2区分で、死亡日以前31日以上45日以下・4日以上30日以下の2区分は同じ単位数です。以下は当社の加算データベース(出典一覧の告示に基づく)が保持している値をそのまま掲げたものです。

日数区分(死亡日を起点に遡る) 看取り介護加算(Ⅰ) 看取り介護加算(Ⅱ)
死亡日以前31日以上45日以下 72単位(1日につき) 72単位(1日につき)
死亡日以前4日以上30日以下 144単位(1日につき) 144単位(1日につき)
死亡日の前日及び前々日 680単位(1日につき) 780単位(1日につき)
死亡日 1,280単位 1,580単位

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表から読み取れる仕組みの特徴は3つあります。第一に、区分の起点は常に死亡日であり、日ごとの単位数は亡くなられた後に初めて確定します。だからこそ「死亡月に加算」というまとめ方になります。第二に、表の区分は死亡日以前45日までで置かれているため、それより前の日の扱いはこの表の外にあります(「断定できない論点」参照)。第三に、亡くなられた日に近づくほど単位数の段階が大きく上がる構造で、看取り期の最終局面に手厚い体制・関与が求められる設計であることが単位数の並びからうかがえます。

なお、(Ⅰ)の単位数を含むレコードは当社データベース上で再検証の指摘が残っているため、請求実務にあたっては告示原文の該当箇所(平成12年厚生省告示第21号 別表1ヨ)での確認をあわせてお願いします。

日数区分を暦に写す記入欄|死亡日を起点に4段階を日付へ落とす

単位数の区分は「死亡日以前31日以上45日以下」のような日数の表現で置かれているため、請求の実務では、これをその方の実際の日付に写し替える作業が必ず入ります。起点は死亡日です。死亡日を書き入れ、そこから遡って各区分の日付の範囲を埋めてください。あわせて、その期間の中に退所・入院などの日が含まれていないか(注1の「退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない」旨の定めに関わる日がないか)を、同じ表の右の欄で確かめる形にしています。

日数区分 その方の日付に写した範囲(記入欄) 1日あたりの単位数(Ⅰ/Ⅱ) 期間内の退所・入院等の日(記入欄)
死亡日 ( 年 月 日) 1,280単位/1,580単位 (    )
死亡日の前日及び前々日 ( 月 日〜 月 日) 680単位/780単位 (    )
死亡日以前4日以上30日以下 ( 月 日〜 月 日) 144単位/144単位 (    )
死亡日以前31日以上45日以下 ( 月 日〜 月 日) 72単位/72単位 (    )
上記より前の日(区分表の外) ( 月 日以前) 単位数の区分に置かれていない (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表を1人につき1枚使い、亡くなられた後の請求前の点検(誰がいつ写し替えを確かめるか)を事務の手順に組み込んでおくと、死亡月にまとめて計上する際の数え間違いに気づきやすくなります。日付の写し替えで判断に迷う場面(月をまたぐ場合・退所日が絡む場合など)は、前述の照会メモの欄に照会結果を残してください。

24時間連絡できる体制のかたち|自施設と外部連携の4パターン

(Ⅰ)の施設基準のうち体制面の要(かなめ)が、24時間連絡できる体制です。告示の定め(平成27年厚生労働省告示第96号 第45号イ(1))では、自施設の看護職員による確保のほか、病院・診療所・訪問看護ステーションの看護職員との連携による確保が選択肢として挙げられています。貴施設がどのかたちで確保しているのかを1行選んで書き入れ、その裏づけを右の欄に控えてください。

体制のかたち(告示の定めに挙げられている選択肢) 貴施設の該当(記入欄) 裏づけとして控えるもの(記入欄)
自施設の看護職員により確保 (該当の有無・担当看護職員    ) (オンコールの当番表・連絡網    )
病院の看護職員との連携により確保 (連携先の病院名    ) (連携に関する取り決めの文書    )
診療所の看護職員との連携により確保 (連携先の診療所名    ) (連携に関する取り決めの文書    )
訪問看護ステーションの看護職員との連携により確保 (連携先の事業所名    ) (連携に関する取り決めの文書    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

外部連携で確保する場合に、どのような契約書・連絡記録の様式が求められるかは、当社の出典の整理には含まれていません(本文の照会メモの6場面目参照)。連携先が変わったとき・連絡網の担当者が異動したときに表を更新する運用まで決めておくと、体制の実態と書面のずれを防ぎやすくなります。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目|配置医師の体制と、亡くなられた場所

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いを1つの表に並べます。分かれ目は大きく2点——配置医師緊急時対応加算の施設基準に該当しているかと、当該施設内で亡くなられたか——で、そこに単位数の差が対応しています。

比較の項目 看取り介護加算(Ⅰ) 看取り介護加算(Ⅱ)
土台となる施設基準 第45号イ(1)〜(5)(看護師配置・24時間連絡体制・指針と同意・指針の見直し・研修・個室等の配慮) 同じ第45号イ(1)〜(5)のいずれにも該当していることが要件に含まれる
配置医師緊急時対応加算の施設基準(第44号の2) (Ⅰ)の施設基準の項目としては挙げられていない(データベースの整理) 該当していること(第45号ロ(1))
亡くなられた場所に関する定め 場所の定めは挙げられていない。退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨の定めあり(注1) 当該指定介護老人福祉施設内で死亡した場合(注2)
死亡日の前日及び前々日の単位数 680単位(1日につき) 780単位(1日につき)
死亡日の単位数 1,280単位 1,580単位
両区分の関係 (Ⅰ)を算定している場合は(Ⅱ)は算定しない、という整理が挙げられている(同じ方に二重には算定しない関係)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

実務の順番としては、まず(Ⅰ)の5項目(看護師配置・24時間連絡体制・指針・見直し・研修・居室配慮)を体制として整え、そのうえで配置医師の緊急時対応の体制まで届いているかどうかで(Ⅱ)を検討する、という積み上げの構造です。どちらの区分で届け出るか、届出後にどちらで請求するかは、貴施設の体制の実態と保険者(指定権者)の取扱いにより判断が分かれうるため、対照表(次章)に現状を書き入れたうえで届出先にご確認ください。

貴施設の体制を書き入れて確かめる対照表|(Ⅰ)9欄+(Ⅱ)4欄

ここからが本記事の中心です。左の列に告示の定め、右の列に貴施設の登録・体制・書類の現状を書き入れて、1行ずつ突き合わせてください。この表は「満たしている・いない」を判定するものではなく、届出・運営指導・保険者への照会の前に、貴施設の現状を言葉にして並べるための様式です。

(Ⅰ)の対照表|9欄

告示の定め(根拠) 貴施設の登録・体制(記入欄) 裏づけになる書類(記入欄)
常勤の看護師 1名以上の配置(平27厚労告96 第45号イ(1)) (例:常勤看護師 名・氏名    ) (例:勤務形態一覧表 年 月分)
24時間連絡できる体制を、自施設の看護職員により、又は病院・診療所・訪問看護ステーションの看護職員との連携により確保(同イ(1)) (自施設/連携先名称    ) (連携契約書・連絡体制図など)
看取りに関する指針を定めている(同イ(2)) (指針の名称・制定日    ) (指針の現物・改定履歴)
入所の際に、入所者又は家族等に指針を説明し、同意を得ている(同イ(2)) (説明の時期・説明者    ) (説明・同意の記録、同意書の写し)
指針の見直しを、多職種の協議の上、看取りの実績等を踏まえ適宜実施(同イ(3)) (直近の見直し日・参加職種    ) (協議の記録・議事メモ)
看取りに関する職員研修を実施(同イ(4)) (直近の実施日・対象者    ) (研修記録・出席簿・資料)
看取りを行う際に個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮(同イ(5)) (対象の居室・静養室    ) (平面図・居室の運用の定め)
退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨の定め(平12厚告21 別表1ヨ 注1) (退所・入院時の請求事務の手順    ) (請求事務の手順書・チェック表)
退所等の翌月に亡くなった場合、前月分の一部負担を請求することがある旨を事前に説明し、文書で同意を得ておく(老企40 第四(24)) (説明のタイミング・様式名    ) (重要事項説明書等の該当箇所・同意文書)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

(Ⅱ)の対照表|4欄

告示の定め(根拠) 貴施設の登録・体制(記入欄) 裏づけになる書類(記入欄)
配置医師緊急時対応加算の施設基準(第44号の2)に該当している(平27厚労告96 第45号ロ(1)) (同加算の届出の有無・届出日    ) (体制等に関する届出書の控え)
看取り介護加算(Ⅰ)の施設基準(第45号イ(1)〜(5))のいずれにも該当している(同ロ(2)) (上の(Ⅰ)の対照表の記入結果    ) ((Ⅰ)の対照表と同じ書類一式)
当該指定介護老人福祉施設内で死亡した場合(平12厚告21 別表1ヨ 注2) (看取り期の対応方針・救急搬送時の手順    ) (看取り介護計画・経過の記録)
(Ⅰ)を算定している場合は算定しない、という整理(出典一覧の資料による) (同一の方の請求区分の確認手順    ) (請求前の点検表)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この対照表の使い方のこつは、右の2列を空欄のまま印刷して、施設内の担当者(施設長・看護職員・生活相談員・事務)で分担して埋めることです。1人で埋めると「あるはず」で書いてしまいがちですが、書類の現物を出しながら埋めると、指針はあるが同意の記録が入所時のファイルに綴られていない、研修はしたが出席簿が残っていない、といった「体制はあるのに書面が薄い」箇所が具体的に見えてきます。

運営指導の当日に示せるようにしておく書類|5点と、公表されている指摘1件

当社の加算データベースがこの加算に紐づけて整理している書類は、次の5点です。いずれも前章の対照表の「裏づけになる書類」の列と対応します。保管場所と最終確認日を書き入れて、運営指導の当日にそのまま持ち出せる一覧としてお使いください。

書類 対応する定め 保管場所(記入欄) 最終確認日(記入欄)
看取りに関する指針 第45号イ(2)(指針を定めている)・イ(3)(見直し) (    ) (    )
指針の説明・同意記録 第45号イ(2)(入所の際に説明し同意を得ている) (    ) (    )
看取り介護計画 看取り介護の実施内容の裏づけ (    ) (    )
職員研修の記録 第45号イ(4)(研修の実施) (    ) (    )
医師の診断・説明記録 回復の見込みがないと医師が診断したこと、その説明の経過 (    ) (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。体制等に関する届出書の作成・提出を外部の専門家に依頼する場合は、この点を踏まえてご相談ください。

自治体が公表している指摘|特養の看取り介護加算を名指ししたもの(1件)

当社が保有する自治体公表の指摘データベース353件(すべて出典つき)のうち、特養の看取り介護加算を名指しした指摘は1件です。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(全文)を機械的に検索した範囲では、「看取り」の語を含む確認項目は見当たりませんでした。そこで、この記事では名指しの公表指摘1件(久留米市)を、観点ごとに分けて掲げます。

指摘の観点 公表資料に挙げられている内容 確認する記録
説明資料の作成と写しの提供 利用者等への説明の際に、利用者等に関する記録を活用した説明資料を作成し、その写しを提供していることが確認できない 説明資料(利用者に関する記録を活用したもの)と、その写しの交付記録
看取り介護の記録の項目 療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケア、把握した利用者等の意向とそれに基づくアセスメント及び対応が記載されていない 看取り介護の記録(精神的な状態の変化とケア、意向・アセスメント・対応の記載)
実施後の検証と職員支援 実施した看取り介護の検証や、職員の精神的負担の把握等が行われていない 多職種によるケアカンファレンス等の検証の記録、職員の負担把握・支援の記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

出典:久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成)。この指摘で目を引くのは、告示の施設基準5項目(体制・指針・同意・研修・居室)の外側にある「説明資料の写しの提供」「記録の中身の項目」「実施後の検証と職員の精神的負担の把握」が確認の対象になっている点です。体制の届出が通っていることと、一人ひとりの看取りの経過が書面で追えることは別の話であり、運営指導で見られるのは後者だ、という読み方ができます。確認の観点・様式は保険者(自治体)により異なるため、貴施設の保険者が公表している資料もあわせてご確認ください。なお、看取り期の日々の記録・当日の経時記録・ご家族対応の記録を「どう書くか」は、文例を集めた別記事の領分です。本記事の範囲は、その記録が要件・体制のどの定めに対応するかまでにとどめます。

断定できない論点と保険者への照会メモ|6場面

看取り介護加算は、亡くなられる場所・タイミング・退所の有無が絡むため、「この場合はどうなるのか」が一律に言い切れない場面が多い加算です。以下の6場面について、出典にある定めの範囲だけを左の列に置き、判断そのものは保険者(指定権者)への照会欄に落としました。照会した日付と回答を右の欄に書き入れて、施設内の請求事務の手順書に綴ってください。

場面 出典にある定め(この範囲までは資料で確認できる) 保険者への照会メモ(照会日・回答の記入欄)
入院により退所となり、その後に医療機関で亡くなられた場合 (Ⅰ)につき、退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨の定め(平12厚告21 別表1ヨ 注1)。(Ⅱ)は当該施設内で死亡した場合である旨(同 注2) (退所前の日数分の取扱い:    )
退所等の翌月に亡くなられた場合の、前月分の利用者負担 前月分の一部負担を請求することがある旨を事前に説明し、文書で同意を得ておく必要がある旨が留意事項通知に示されている(老企40 第四(24)) (説明・同意の様式と時期:    )
死亡日以前46日より前の日の扱い 単位数の区分は「死亡日以前31日以上45日以下」から置かれており、それより前の日はこの区分表にない (45日超の期間の整理:    )
指針の説明・同意の相手方と時期 「入所の際に入所者又は家族等に説明し、同意を得ている」(平27厚労告96 第45号イ(2))。相手方の範囲・入所後の状態変化時の再説明の細部は出典の整理にない (家族等の範囲・再説明の要否:    )
(Ⅰ)(Ⅱ)両方の体制がある場合の請求区分 (Ⅰ)を算定している場合は(Ⅱ)は算定しない、という整理が挙げられている(同じ方への二重の算定はしない関係) (届出と請求区分の対応:    )
24時間連絡体制を外部連携で確保する場合の裏づけ 「病院・診療所・訪問看護ステーションの看護職員との連携により確保」が体制の選択肢として挙げられている(平27厚労告96 第45号イ(1))。契約書・連絡記録の様式の定めは出典の整理にない (求められる裏づけ書類:    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

照会のこつは、「うちの場合はどうですか」と丸ごと尋ねるのではなく、左の列の定め(告示・通知の該当箇所)を示したうえで、貴施設の具体の場面を1つに絞って尋ねることです。回答が口頭のときは、電話の相手方・日時・回答の要旨をその場でメモに残し、上の表の右欄に転記しておくと、後日の運営指導でも経緯を説明しやすくなります。

請求の前に施設内で決めておくこと|担当と手順の10項目

ここまでの各表(告示の定め・対照表・書類の一覧・照会メモ)を実際に回すには、「誰が・いつ・どの書類で確かめるか」を施設内で決めておくことが要ります。以下は、告示に定めがある事柄そのものではなく、本記事の各表を運用に落とすための施設内の段取りの一覧です。担当と決めた内容を書き入れて、請求事務の手順書に綴ってください。

決めておくこと 関わる表・定め 担当(記入欄) 決めた内容(記入欄)
看取りに関する指針の保管場所と最終改定日の管理 第45号イ(2)・イ(3) (    ) (    )
入所の際の指針の説明・同意の様式と綴り先 第45号イ(2) (    ) (    )
指針の見直しの協議(多職種)の開き方と記録の残し方 第45号イ(3) (    ) (    )
看取りに関する職員研修の年間の組み方と記録の綴り方 第45号イ(4) (    ) (    )
個室又は静養室の利用の運用(看取りの際の部屋の確保のしかた) 第45号イ(5) (    ) (    )
医師の診断・説明の記録の綴り先と共有のしかた 書類の一覧(5点) (    ) (    )
退所・入院が発生したときの請求前の確認手順 平12厚告21 別表1ヨ 注1 (    ) (    )
退所等の翌月に亡くなられた場合の一部負担の事前説明の文書 老企40 第四(24) (    ) (    )
(Ⅱ)を検討する場合の配置医師の体制の確認 平27厚労告96 第45号ロ(1)・第44号の2 (    ) (    )
保険者への照会の記録(照会日・相手方・回答)の綴り先 照会メモ(6場面) (    ) (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この10項目のうち、日々の運用で担当が曖昧になりやすいのは、7行目(退所・入院時の請求前の確認)と10行目(照会の記録)です。前者は看取り期の対応と請求事務のあいだに落ちやすく、後者は電話で済ませた照会が記録に残らないまま担当者の記憶だけになりがちです。どちらも「表のどこに書くか」まで決めてあれば、担当者が替わっても運用が続きます。

同じ名前の看取り介護加算を施設類型で並べる|特養・特定施設・認知症グループホームの17項目比較

「看取り介護加算」という名前の加算は、特養(介護老人福祉施設)だけに置かれているものではありません。当社の加算データベースには、同じ名前の加算が特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等の特定施設)と認知症対応型共同生活介護(グループホーム)にもそれぞれ別のレコードとして収録されており、根拠の告示・前提となる他の加算・(Ⅱ)の中身・単位数がそれぞれ異なります。法人内に特養と有料老人ホームやグループホームを併せ持っている場合、「法人で1本の看取り指針」「法人で1枚の研修記録」に寄せたくなりますが、類型ごとに告示の定めの置き方が違うため、共通化する前に違いを並べておくと手戻りが減ります。

下の表は、当社の加算データベースの各レコード(出典の告示名つき)の記載を、そのまま横に並べたものです。セルに「データベースに記載なし」とあるものは、その類型のレコードに該当する項目の整理が無いという意味であり、定めが無いという意味ではありません。

比較の項目 特養(介護老人福祉施設) 特定施設入居者生活介護 認知症対応型共同生活介護
算定の根拠(データベースの出典表記) 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヨ 注1・注2 告示19号 別表10 ヘの注1・注2 平成18年厚生労働省告示第126号 注10
施設基準の根拠 平成27年厚生労働省告示第96号 第45号イ・ロ(第54号で準用) 告示96号 二十四 イ・ロ 平成27年厚生労働省告示第96号 三十三 イ〜ハ
利用者側の基準の根拠 データベースの特養レコードには告示番号の記載なし(医師が回復の見込みがないと診断した入所者である旨の説明はあり) 告示94号 二十九 イ〜ハ 平成27年厚生労働省告示第94号 四十 イ〜ハ
区分 (Ⅰ)(Ⅱ) (Ⅰ)(Ⅱ) 区分なし(1区分)
前提として算定していることが求められる別の加算 (Ⅱ)は配置医師緊急時対応加算の施設基準(第44号の2)に該当していること 夜間看護体制加算を算定していない場合は算定しない旨((Ⅰ)(Ⅱ)とも) 医療連携体制加算を算定していない場合は算定しない旨
看護職員の体制 (Ⅰ)常勤の看護師1名以上・24時間連絡できる体制 (Ⅱ)当該加算を算定する期間において夜勤又は宿直を行う看護職員の数が1以上 指針の見直しの協議に加わる看護職員の範囲の定め(当該事業所の職員又は密接な連携を確保できる範囲内の距離にある病院・診療所・指定訪問看護ステーションの職員)
看取りに関する指針と説明・同意 定め、入所の際に入所者又は家族等に説明し同意を得ている 定め、入居の際に利用者又はその家族等に対して内容を説明し同意を得ている 定め、入居の際に利用者又はその家族等に説明し同意を得ている
指針の見直しの協議 多職種の協議の上、看取りの実績等を踏まえ適宜実施 医師、生活相談員、看護職員、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者による協議の上、適宜見直し 医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者による協議の上、適宜見直し
看取りに関する職員研修 実施していること 行っていること 行っていること
居室の配慮 看取りを行う際に個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮 データベースに記載なし データベースに記載なし
亡くなられた場所に関する定め (Ⅱ)は当該指定介護老人福祉施設内で死亡した場合 データベースに記載なし((Ⅱ)は夜勤又は宿直の看護職員配置で区分) データベースに記載なし
退所・退居後の期間 退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨 退居した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨 退居した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨(注10ただし書)
死亡日以前31日以上45日以下(1日につき) (Ⅰ)72単位/(Ⅱ)72単位 (Ⅰ)72単位/(Ⅱ)572単位 72単位
死亡日以前4日以上30日以下(1日につき) (Ⅰ)144単位/(Ⅱ)144単位 (Ⅰ)144単位/(Ⅱ)644単位 144単位
死亡日の前日及び前々日(1日につき) (Ⅰ)680単位/(Ⅱ)780単位 (Ⅰ)680単位/(Ⅱ)1,180単位 680単位
死亡日 (Ⅰ)1,280単位/(Ⅱ)1,580単位 (Ⅰ)1,280単位/(Ⅱ)1,780単位 1,280単位
算定の単位 1日につき(死亡月に加算) 1日につき(死亡月に加算)。一般型(イ)のみが対象である旨 1日につき(死亡月に加算)。短期利用(ロ)は対象外である旨

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

並べてみると、違いは大きく3つです。1つ目は前提となる別の加算で、特養の(Ⅱ)は配置医師緊急時対応加算の施設基準、特定施設は夜間看護体制加算、グループホームは医療連携体制加算と、それぞれ別の加算に結びついています。2つ目は(Ⅱ)の分かれ目で、特養は「配置医師の体制+施設内での死亡」、特定施設は「夜勤又は宿直の看護職員の配置」で区分が置かれています。3つ目は単位数で、特養の(Ⅱ)と特定施設の(Ⅱ)は死亡日以前45日までの4区分すべてで値が違います。特定施設向けの解説で見た単位数を特養の請求に持ち込まないよう、職員向けの資料には類型名を必ず添えてください。

なお、特養の(Ⅰ)のレコードは当社データベース上で再検証の指摘が残っています(本文冒頭の注記のとおり)。上表の特養の列は、告示原文(平成12年厚生省告示第21号 別表1ヨ・平成27年厚生労働省告示第96号 第45号)でもご確認ください。

法人内で書類を共通化するときは、次の表のように「どの類型のどの定めを裏づける書類か」を1行ずつ書き出してから1本にまとめると、ある類型だけに置かれている定め(特養の居室の配慮、特定施設の夜勤又は宿直の看護職員など)が共通書類の中で埋もれるのを防げます。

共通化を考える書類 特養で裏づける定め 特定施設・グループホームで裏づける定め 共通化の方針(記入欄)
看取りに関する指針 第45号イ(2)(定め、入所の際に説明・同意) 特定施設:告示96号 二十四 イ(1)/グループホーム:告示96号 三十三 イ (法人共通の本文+類型別の別表にする/類型ごとに別冊にする   )
指針の見直しの協議の記録 第45号イ(3)(多職種の協議) 協議に加わる職種の列挙が類型ごとに異なる(上表) (協議の出席者欄を類型ごとの職種名で作る   )
職員研修の記録 第45号イ(4) 特定施設:二十四 イ(3)/グループホーム:三十三 ハ (合同研修の場合も出席簿は事業所別に分ける   )
看護職員の勤務表 第45号イ(1)(常勤の看護師1名以上) 特定施設(Ⅱ):夜勤又は宿直を行う看護職員の数が1以上 (事業所ごとの勤務形態一覧表の綴り先   )
24時間連絡できる体制の取り決め 第45号イ(1) 特定施設は夜間看護体制加算の側で確認/グループホームは医療連携体制加算の側で確認 (前提となる加算ごとに取り決め文書を分けるか   )
個室又は静養室の運用の定め 第45号イ(5) データベースに記載なし (特養だけの別表として残す   )
医師の診断・説明の記録 回復の見込みがないと医師が診断した入所者 特定施設:告示94号 二十九 イ/グループホーム:告示94号 四十 イ (様式を共通にするか・綴り先   )
体制等に関する届出書の控え 特養の届出先(指定権者) 特定施設:都道府県知事への届出/グループホーム:市町村長への届出(データベースの整理) (届出先ごとに控えを分けて綴る   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

届出先が類型ごとに違う点は、法人本部で一括して届出を管理している場合に見落とされやすいところです。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。届出書の作成・提出を法人外に依頼するときは、依頼先の資格をご確認ください。

(Ⅱ)が準用する配置医師との取り決め|留意事項通知の6項目と曜日・時間帯の記入表

(Ⅱ)の施設基準の1つ目は「配置医師緊急時対応加算の施設基準(第44号の2)に該当していること」です。これに加えて、留意事項通知(老企第40号)の令和6年度改正の新旧対照表(介護保険最新情報 Vol.1213 別紙2)では、介護福祉施設サービスの「看取り介護加算について」の項(改正後の番号で(35)、改正前は(30))に、「⑮ 看取り介護加算(Ⅱ)の算定に当たっては、(34)⑤を準用する。」と置かれています。準用先の(34)は「配置医師緊急時対応加算について」の項で、その⑤は次の文です。

「算定に当たっては、配置医師と施設の間で、緊急時の注意事項や病状等についての情報共有の方法、曜日や時間帯ごとの医師との連携方法や診察を依頼するタイミング等に関する取り決めを事前に定め、1年に1回以上見直しをすることにより、24 時間配置医師又はその他の医師による対応が可能な体制を整えることとする。」

新旧対照表の右側(改正前)の⑤は「取り決めを事前に定めることにより、24 時間配置医師による対応又はその他の医師の往診による対応が可能な体制を整える」という文でした。つまり令和6年度の改正で、「1年に1回以上見直しをする」ことが書き加えられ、対応の主体の書き方も「その他の医師の往診による対応」から「その他の医師による対応」に改められています。改正前に作った取り決め文書をそのまま使い続けている場合、見直しの日付が文書のどこにも残っていない形になっていないかを、まず確かめてください。地域密着型の特養でも、地域密着型サービスの留意事項通知の令和6年度改正の新旧(同 Vol.1213 別紙5)に「⑮ 看取り介護加算(Ⅱ)の算定に当たっては、(33)⑤を準用する。」と置かれており、準用先の⑤は同じ文です。

また同じ(35)の⑫には「「24 時間連絡できる体制」については、⑾④を準用する。」とあります(⑾は看護体制加算の項。④の本文は新旧対照表では「(略)」のため、本記事では中身を引いていません)。

取り決めの項目(通知の文言) 根拠 貴施設の取り決め(記入欄) 取り決め文書の該当箇所・最終見直し日(記入欄)
緊急時の注意事項 老企第40号 第2の5(34)⑤((35)⑮で準用) (どの状態を「緊急時」として配置医師に連絡するか   ) (第 条/見直し日 年 月 日)
病状等についての情報共有の方法 同上 (電話・情報共有システム・書面の別と、伝える項目   ) (第 条/見直し日 年 月 日)
曜日や時間帯ごとの医師との連携方法 同上 (下の曜日・時間帯の記入表に書き込む   ) (別表 /見直し日 年 月 日)
診察を依頼するタイミング 同上 (誰が・どの時点で診察を依頼するか   ) (第 条/見直し日 年 月 日)
1年に1回以上の見直し 同上(令和6年度改正で追加された文言) (見直しの時期・出席者   ) (直近: 年 月 日/前回: 年 月 日)
24時間配置医師又はその他の医師による対応が可能な体制 同上 (配置医師が対応できない時間帯の「その他の医師」の名称   ) (第 条/見直し日 年 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「曜日や時間帯ごとの医師との連携方法」は、文章で書くより表にした方が、夜勤の看護職員・介護職員がその場で読めます。下の表の時間帯の区切りは、同じ通知の(34)④(配置医師緊急時対応加算)が置いている定義——配置医師の通常の勤務時間外は「配置医師と施設の間であらかじめ定められた配置医師が当該施設において勤務する時間以外の時間(早朝・夜間及び深夜を除く)」、早朝・夜間は「午後6時から午後 10 時まで又は午前6時から午前8時まで」、深夜は「午後 10 時から午前6時まで」——を借りて作っています。看取り介護加算(Ⅱ)が準用しているのは⑤であって④ではないため、区切り方そのものは貴施設と配置医師の取り決めで決めてかまいません。

曜日・時間帯 第一連絡先(記入欄) 第二連絡先(つながらないとき)(記入欄) 診察の依頼のしかた(往診・その他の医師への依頼など)(記入欄)
平日・配置医師の勤務時間(施設で定めた時間: 時 分〜 時 分) (   ) (   ) (   )
平日・勤務時間外(早朝・夜間・深夜を除く) (   ) (   ) (   )
平日・早朝(午前6時〜午前8時) (   ) (   ) (   )
平日・夜間(午後6時〜午後10時) (   ) (   ) (   )
平日・深夜(午後10時〜午前6時) (   ) (   ) (   )
土曜・日中 (   ) (   ) (   )
土曜・早朝/夜間 (   ) (   ) (   )
土曜・深夜 (   ) (   ) (   )
日曜・祝日・日中 (   ) (   ) (   )
日曜・祝日・早朝/夜間 (   ) (   ) (   )
日曜・祝日・深夜 (   ) (   ) (   )
年末年始・配置医師の休暇中(期間: 月 日〜 月 日) (   ) (   ) (   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

取り決め文書は、書き方しだいで「あるのに使えない」書面になります。次の表は、取り決め文書によく見られる書き方(悪い例)と、主語・時刻・回数・記録先を入れた書き方(良い例)を並べたものです。良い例の氏名・時刻・分数は記入例なので、貴施設と配置医師で決めた値に置き換えてください。

取り決めの項目 悪い例 良い例(そのまま書き換えて使える形)
緊急時の注意事項 「状態が悪化したら医師に連絡する」 看取り介護計画に同意を得た入所者について、呼吸の様子・意識の状態・顔色が前回の観察から変わったと夜勤の介護職員が判断した場合、介護職員は5分以内にオンコールの看護職員へ連絡し、看護職員が状態を確認したうえで配置医師へ連絡するかを決める。看護職員は連絡した時刻と伝えた内容を看取り介護の経過記録に記入する。
情報共有の方法 「必要に応じて情報共有する」 看護職員は、配置医師への連絡のつど、①入所者の氏名、②連絡時刻、③体温・脈拍・血圧・呼吸の様子、④直近の食事・水分摂取の状況、⑤ご家族への連絡の有無の5点を、施設の「配置医師連絡票」の順に伝える。連絡票は看取り介護の経過記録の後ろに綴る。
曜日・時間帯ごとの連携方法 「夜間・休日は医師の携帯に連絡する」 平日9時〜17時は配置医師◯◯医師の施設内の連絡先へ、平日17時〜翌9時と土日祝は◯◯医師の携帯電話へ連絡する。20分以内に折り返しがない場合は、別表の「その他の医師」(◯◯クリニック)へ連絡する。連絡先の一覧は別表として看護職員詰所とケアステーションに掲示する。
診察を依頼するタイミング 「医師の判断で往診してもらう」 看護職員が状態を伝えた際に配置医師が来所を指示した場合と、ご家族が医師の説明を希望された場合に、看護職員が配置医師に来所の時刻を確認し、ご家族へ到着予定時刻を伝える。依頼した時刻・医師の到着時刻を経過記録に記入する。
年1回以上の見直し 「適宜見直す」 毎年4月の第2週に、施設長・看護職員の責任者・生活相談員・配置医師で取り決め文書を見直す。見直した日・出席者・変更した条文を文書の末尾の「改定履歴」に記入する(前回:令和◯年4月◯日、変更なしの場合も「変更なし」と記入する)。
その他の医師による対応 「配置医師が不在の場合は他の医師に相談する」 配置医師の休暇(年末年始・学会等)は、前月末までに配置医師から施設長へ日程を伝え、その期間の連絡先として「その他の医師」の氏名・医療機関名・連絡先を別表に書き加えて看護職員に周知する。周知した日を別表の欄外に記入する。
看取り期に入った入所者の共有 「看取り期の方は医師も把握している」 看取り介護計画に同意を得た日から3日以内に、看護職員が配置医師へ対象の入所者の氏名・同意を得た日・ご家族の連絡先と、ご家族が希望する連絡の時間帯(深夜も可かどうか)を伝え、伝えた日を計画書の欄外に記入する。
亡くなられたときの連絡 「死亡時は医師に連絡して対応してもらう」 呼吸の停止を確認した職員は、確認時刻を記録したうえで看護職員へ連絡し、看護職員が別表の時間帯の連絡先へ連絡する。ご家族への連絡は生活相談員(夜間は看護職員)が行い、連絡した時刻と相手方を経過記録に記入する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

取り決め文書の内容が(Ⅱ)の施設基準・留意事項に照らしてどう扱われるかは、上の表の書き方で決まるものではありません。取り決めの写しと見直しの記録を用意したうえで、届出先の保険者(指定権者)にご確認ください。

要件を裏づける書面の文言|指針・同意・見直し協議・研修・医師の説明の悪い例と良い例(5書面・40例)

告示の施設基準は「指針を定めている」「説明し同意を得ている」「協議の上見直している」「研修を実施している」という形で置かれており、運営指導の場ではそれぞれ書面で示すことになります。ところが書面の中身が「適宜」「必要に応じて」で埋まっていると、いつ・誰が・何をしたかが読み取れません。ここでは、当社の加算データベースが特養の看取り介護加算に紐づけている書類(看取りに関する指針・指針の説明・同意記録・看取り介護計画・職員研修の記録・医師の診断・説明記録)と、施設基準の「指針の見直しの協議」の記録について、書面に書く文言の悪い例と良い例を並べます。看取り期の日々の介護記録・当日の経時記録の文例は別記事の領分なので、ここでは扱いません。良い例の日付・人数・時刻は記入例です。

看取りに関する指針の条文|8例

指針の条項 悪い例 良い例
指針の目的 「入所者の尊厳を守り、安らかな最期を支援する」だけで終わる 本指針は、医師が回復の見込みがないと診断した入所者について、ご本人・ご家族への説明と合意のもとに当施設で行う看取り介護の手順・職員の役割・記録の方法を定める。本指針は入所の際にご本人又はご家族等に説明し、同意を得る。
看取り介護の開始 「状態が悪化したら看取り介護に移行する」 配置医師が回復の見込みがないと診断し、その旨をご本人又はご家族へ説明した日以降、医師・看護職員・介護職員・生活相談員・介護支援専門員が共同して看取り介護計画を作成し、計画について説明し同意を得た日から看取り介護を開始する。
職種ごとの役割 「全職員で協力して対応する」 施設長:体制の整備と指針の見直しの招集。配置医師:診断と、ご本人・ご家族への説明。看護職員:状態の観察と配置医師への連絡。介護職員:日々の介護と観察の記録。生活相談員:ご家族との連絡調整。介護支援専門員:看取り介護計画の作成と見直し。
24時間連絡できる体制 「夜間も看護師と連絡がとれる体制とする」 夜間・休日は、看護職員のうち当番の1名がオンコールを担当し、介護職員からの連絡を受ける。当番表は前月20日までに作成し、看護職員詰所とケアステーションに掲示する(体制のかたちは本記事前半の4パターンの表のうち該当するものを記入)。
居室の配慮 「可能な範囲で個室を用意する」 看取り介護を開始する入所者が多床室に入所している場合、生活相談員がご本人・ご家族の意向を確認したうえで、空いている個室又は静養室(◯階◯号室)への移動を提案する。移動の有無と理由を看取り介護計画の欄外に記入する。
ご家族への説明の方法 「家族には適宜説明する」 看取り介護計画の作成時と、状態の変化があったとき、及びご家族から求めがあったときに、看護職員又は生活相談員が介護記録等を用いて説明する。説明した日時・説明者・説明の内容・ご家族の意向を説明記録に記入する。
職員研修 「必要に応じて研修を行う」 看取りに関する職員研修を毎年6月と11月に行い、新たに採用した職員には採用から1か月以内に指針の説明を行う。研修の日時・講師・内容・出席者を研修記録に記入し、欠席者には資料を配布して確認の署名を受ける。
指針の見直し 「必要があれば見直す」 毎年3月に、医師・看護職員・介護職員・生活相談員・介護支援専門員による協議を開き、その年度の看取りの実績(件数・振り返りで出た課題)を踏まえて指針を見直す。見直した日・出席者・変更点を指針の末尾の改定履歴に記入する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入所の際の指針の説明・同意の記録|8例

記録の欄 悪い例 良い例
説明した日 「入所時」とだけ書く 令和◯年◯月◯日(入所日の◯日前の面談時)
説明者 「職員」とだけ書く 生活相談員 ◯◯(同席:看護職員 ◯◯)
説明を受けた方 「家族」とだけ書く ご本人と長女 ◯◯様(ご本人は同席し、説明を聞いておられた)
説明に使った資料 「重要事項説明書で説明」 「看取りに関する指針」(令和◯年◯月◯日改定版・全◯ページ)の写しを手渡し、第◯条から第◯条までを読み上げて説明した。
説明した内容の要点 「看取りについて説明した」 看取り介護を開始する手順(医師の診断と説明→計画の作成→同意)、夜間の連絡体制、個室又は静養室への移動の提案、入院した場合の連絡の流れの4点を説明した。
ご本人・ご家族の質問と回答 空欄のまま 長女様から「夜中に亡くなった場合、何時でも連絡してほしい」との希望があり、深夜も連絡する旨をお伝えし、連絡先(携帯電話)を確認した。
同意の確認 「同意済」とだけ書く 指針の内容について同意をいただき、同意書に長女様の署名を得た(同意書は入所者ファイルの「契約・同意」の仕切りに綴った)。
指針を改定したとき 改定後に何もしない 令和◯年◯月◯日の指針改定(第◯条の夜間連絡体制)について、改定後最初の面会時(令和◯年◯月◯日)に長女様へ変更点を説明し、説明記録に追記した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後の行(指針を改定したとき)の扱いは、告示の定め(「入所の際に」説明し同意を得ている)からは直接読み取れない部分です。改定のたびに既入所者へ説明し直すかどうかは、本記事前半の照会メモ(指針の説明・同意の相手方と時期)に書き込み、保険者(指定権者)にご確認ください。

指針の見直しの協議の議事録|8例

議事録の欄 悪い例 良い例
会議の名称と日時 「看取りについて話し合った」 看取りに関する指針の見直しの協議(令和◯年3月◯日 14時00分〜15時10分・2階会議室)
出席者 「関係職員」 配置医師 ◯◯、看護職員 ◯◯・◯◯、介護職員 ◯◯・◯◯、生活相談員 ◯◯、介護支援専門員 ◯◯(計7名)
前回の見直しからの看取りの実績 「数件あった」 令和◯年4月〜令和◯年2月の看取り介護は◯件(うち施設内で亡くなられた方◯件、入院後に医療機関で亡くなられた方◯件)。
振り返りで出た課題 「特に問題なし」 ◯件のうち◯件で、深夜にご家族へ連絡した際に第二連絡先が登録されておらず、連絡まで時間を要した。介護職員から、看取り期の方の体位交換の間隔が勤務帯で異なるとの意見があった。
指針の変更点 「指針を見直した」 第◯条(ご家族への連絡)に「入所時と看取り介護計画の作成時に、第一・第二連絡先を確認する」を追加した。第◯条(職員研修)に新たに採用した職員への説明の時期を追加した。
変更しなかった条項の確認 記載なし 第◯条〜第◯条は今回の実績に照らして変更の必要がないことを出席者で確認した。
決定事項の周知 「全職員に周知する」 改定した指針を4月1日から適用し、3月◯日の全体会議で看護職員 ◯◯が変更点を説明する。欠席者には各フロアの主任が4月10日までに個別に説明し、確認表に署名を受ける。
次回の予定 記載なし 次回の協議は令和◯年3月に開催する。年度途中に看取りの経過で課題が出た場合は、施設長の判断で臨時に開催する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

看取りに関する職員研修の記録|8例

研修記録の欄 悪い例 良い例
研修名 「看取り研修」 看取りに関する職員研修(第1回・看取り介護の手順と当施設の指針)
日時・時間 「6月」 令和◯年6月◯日 13時30分〜14時30分(60分)
講師 記載なし 看護職員 ◯◯(当施設の看取り介護の担当)
内容 「看取りについて」 ①当施設の看取りに関する指針(令和◯年◯月改定版)の全条の説明、②看取り介護を開始するまでの手順、③夜間の連絡体制と連絡票の書き方、④昨年度の看取りの振り返りで出た課題2点の共有。
対象者と出席者 「職員参加」 対象:介護職員・看護職員・生活相談員・介護支援専門員 計◯名。出席:◯名(出席簿のとおり)。
欠席者への対応 記載なし 欠席者◯名には、6月◯日までに各フロアの主任が資料を用いて個別に説明し、確認表に署名を受けた。
資料 資料を残さない 配布資料(指針の写し・連絡票の様式・振り返りの要約)を研修記録に綴った。
理解の確認 「理解できた」 研修の最後に「夜間に呼吸の様子が変わったとき最初に連絡する相手」と「連絡票に書く5項目」を出席者全員に記入してもらい、回答用紙を研修記録に綴った。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

研修の頻度・時間数の細目は、当社の出典の整理には含まれていません(よくある質問参照)。上の良い例の「年2回」「60分」は記入例であり、告示に置かれた数字ではありません。

医師の診断と説明の記録|8例

記録の欄 悪い例 良い例
診断した医師と日時 「医師より看取りの話あり」 令和◯年◯月◯日 15時20分、配置医師 ◯◯医師が診察。
診断の内容 「ターミナル」とだけ書く ◯◯医師より、一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した旨の説明があった(診断の内容は医師の記載のとおり)。
説明を受けた方 「家族に説明」 ご本人(ベッド上で同席)と長男 ◯◯様・長男の妻 ◯◯様。
同席した職員 記載なし 看護職員 ◯◯、生活相談員 ◯◯。
説明の要点 「今後について説明」 ◯◯医師より、現在の状態、今後予想される経過、施設で看取り介護を行う場合と医療機関へ入院する場合のそれぞれの対応について説明があった。
ご本人・ご家族の意向 「家族了承」 長男様より「本人が以前から『ここで最期を迎えたい』と話していたので、施設でお願いしたい」との意向。ご本人はうなずいておられた。
今後の療養方針の合意 記載なし 施設で看取り介護を行う方針で合意。看取り介護計画を◯月◯日までに作成し、改めて説明する旨をお伝えした。
記録者と記録の時刻 記載なし 記録:看護職員 ◯◯(令和◯年◯月◯日 16時05分記入)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

診断そのものは医師の記載によるものです。施設の職員が書く記録は「いつ・誰から・誰に・何が説明され・どういう意向が示されたか」を残すためのもので、職員が診断の中身を書き換えたり補ったりするものではありません。

併設ショートで看取り期を迎える場面|短期入所生活介護の看取り連携体制加算と並べる13項目

特養に短期入所生活介護(ショートステイ)を併設している施設では、ショートの利用者が看取り期を迎える場面もあります。ショートには特養の看取り介護加算ではなく、令和6年度の改正で新設された「看取り連携体制加算」が置かれており、要件・期間・単位数が別に定められています。留意事項通知(老企第40号)の令和6年度改正の新旧対照表(介護保険最新情報 Vol.1213 別紙2)では、短期入所生活介護費の項に「⒂ 看取り連携体制加算について」として①〜⑪が新設されており、こちらは改正箇所として全文が載っています。特養の看取り介護加算の留意事項((35)の①〜⑪)は同じ新旧対照表では「(略)」となっているため、下の表の特養の列は当社の加算データベースと本記事前半の整理によるものです。

項目 特養の看取り介護加算 併設ショートの看取り連携体制加算(留意事項・データベース) 貴施設の状況(記入欄)
単位数と期間 死亡日以前45日までを4区分(本記事前半の表)、死亡月に加算 64単位/日。死亡日及び死亡日以前30日以下について7日を限度(データベース)。通知①は「死亡日を含めて 30 日以内のうち7日を上限として」 (ショートの看取り期の利用の有無   )
前提となる体制 (Ⅰ)常勤の看護師1名以上・24時間連絡できる体制 看護体制加算(Ⅱ)又は(Ⅳ)イ・ロを算定、あるいは(Ⅰ)又は(Ⅲ)イ・ロを算定し、かつ24時間連絡できる体制を確保(データベース:大臣基準告示第37号の2イ) (ショートの看護体制加算の届出区分   )
「24時間連絡できる体制」の意味 留意事項(35)⑫で⑾④を準用(本文は新旧対照表で略) 通知②「事業所内で勤務することを要するものではなく、夜間においても短期入所生活介護事業所から連絡でき、必要な場合には短期入所生活介護事業所からの緊急の呼び出しに応じて出勤する体制」 (特養と同じ当番表で回しているか   )
方針の名称 看取りに関する指針 看取り期における対応方針(管理者を中心として、介護職員、看護職員、介護支援専門員等による協議の上で定める・通知③) (特養の指針と別に定めるか、特養の指針に章を設けるか   )
方針に含める事項 データベースに列挙なし 通知③の例示:ア 対応方針に関する考え方/イ 医師や医療機関との連携体制(夜間及び緊急時の対応を含む)/ウ 利用者等との話し合いにおける同意、意思確認及び情報提供の方法/エ 利用者等への情報提供に供する資料及び同意書等の様式/オ その他職員の具体的対応等 (ア〜オのうち特養の指針に既にある項目   )
見直し 多職種の協議の上、看取りの実績等を踏まえ適宜(第45号イ(3)) ケアカンファレンス、看取り期における対応の実践を振り返る等により、対応方針の内容その他サービス提供体制について適宜見直し(通知④) (特養の見直しの協議と同じ場で行うか   )
記録する事項 データベースの書類一覧:看取り介護計画ほか5点 通知⑤:ア 利用者の身体状況の変化及びこれに対する介護についての記録/イ 各プロセスにおいて利用者及び家族等の意向を把握し、それに基づくアセスメント及び対応の経過の記録 (ショートの記録様式に⑤ア・イの欄があるか   )
記録の開示と資料 (自治体の公表指摘に「説明資料の作成と写しの提供」の観点あり・本記事前半) 通知⑥:記録の開示又は写しの提供を行う際に、利用者等に理解しやすい資料を作成し代替することは差し支えない (説明用の資料の様式名   )
入院した月と死亡した月が異なる場合 退所等の翌月に亡くなられた場合の一部負担の事前説明・文書同意(本記事前半) 通知⑦:入院する際、入院した月の翌月に亡くなった場合に前月分の一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意 (ショートの入院時の説明文書の有無   )
入院先の医療機関との情報共有 データベースに記載なし 通知⑧:入院の後も家族や入院先の医療機関等と継続的な関わりを持つこと。医療機関等が事業所に本人の状態を伝えることについて、入院の際に説明し文書にて同意 (同意書の様式名   )
口頭で同意を得た場合 データベースに記載なし 通知⑨:介護記録にその説明日時、内容等を記載するとともに、同意を得た旨を記載 (口頭同意の記載欄の有無   )
ご家族が来られない場合 データベースに記載なし 通知⑨:職員間の相談日時、内容等と、本人の状態、家族等に対する連絡状況等を介護記録に記載 (連絡状況の記載のしかた   )
居室とプライバシー 個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮(第45号イ(5)) 通知⑩:個室又は静養室を利用するなど、プライバシーの確保及び家族等への配慮について十分留意 (ショートで使える個室・静養室   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

通知⑪には、看取り期の利用者に対するサービス提供に当たり、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針が実施できるよう、多職種が連携し、本人及びその家族等と必要な情報の共有等に努めることが置かれています。ショートの通知の③〜⑪は特養の看取り介護加算の要件そのものではありませんが、同じ建物・同じ職員で看取り期の方に関わる以上、特養の指針と並べて「どちらの書面のどの欄で裏づけるか」を整理しておくと、運営指導の場で類型を取り違えずに説明できます。ショートの利用者がそのまま特養へ入所された場合に、どちらの加算の期間・記録として扱うかは、保険者(指定権者)にご確認ください。

亡くなられた方1人ごとの請求前の点検は、次の表を1人1枚で使うと、日数区分・区分(Ⅰ)(Ⅱ)・退所の有無・書面の有無を同じ紙で確かめられます。本記事前半の「暦の記入欄」で日付を写した後に、この表で書面と請求区分を確かめる順番を想定しています。

点検の項目 確かめる書面・定め 確認の結果(記入欄) 確認者・日付(記入欄)
亡くなられた日 死亡診断の記録 ( 年 月 日) (   )
亡くなられた場所 (Ⅱ)は当該施設内で死亡した場合(平12厚告21 別表1ヨ 注2) (施設内/医療機関/その他   ) (   )
退所・入院の日の有無 退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない旨(同 注1) (なし/退所日 月 日   ) (   )
医師の診断と説明の日 医師の診断・説明記録 ( 月 日・説明を受けた方   ) (   )
看取り介護計画の同意の日 看取り介護計画 ( 月 日   ) (   )
入所の際の指針の説明・同意 第45号イ(2)・指針の説明・同意記録 (同意日 年 月 日   ) (   )
説明に使った資料の写しの交付 自治体の公表指摘(久留米市)の観点 (交付記録の有無   ) (   )
死亡日以前31日以上45日以下の日数 暦の記入欄 ( 日   ) (   )
死亡日以前4日以上30日以下の日数 暦の記入欄 ( 日   ) (   )
死亡日の前日及び前々日の日数 暦の記入欄 ( 日   ) (   )
請求の区分(Ⅰ)/(Ⅱ) 届出の区分と(Ⅰ)(Ⅱ)の関係 ((Ⅰ)/(Ⅱ)   ) (   )
(Ⅱ)の場合の配置医師との取り決めの見直し日 老企第40号 第2の5(34)⑤((35)⑮で準用) (直近の見直し日 年 月 日) (   )
死亡月と看取り介護の開始月が異なるか 死亡月に加算 (同じ月/前月から   ) (   )
前月分の一部負担の事前説明・文書同意 退所等の翌月に亡くなられた場合の取扱い(本記事前半) (該当の有無・同意文書   ) (   )
看取り介護の記録の項目 自治体の公表指摘(久留米市)の観点:精神的な状態の変化とケア、意向とアセスメント・対応 (記録の有無   ) (   )
実施後の振り返りの予定 指針の見直し(第45号イ(3))・自治体の公表指摘の観点 (振り返りの予定日 月 日   ) (   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

施設系の公表指摘を看取りの体制に重ねる|自治体の指摘8件と点検欄

看取り介護加算を名指しした公表指摘は、本記事前半の久留米市の1件です。ただ、施設系サービスの運営指導で公表されている指摘の中には、看取り介護加算の体制・書面と同じ書類を見ているものがあります。当社が保有する自治体公表の指摘データベース(353件・すべて出典つき)から、看取りの体制に重ねて点検できるものを8件選び、資料に挙げられている内容と、看取り介護加算の側で重ねて見る箇所を並べました。いずれも看取り介護加算を名指しした指摘ではないこと、また資料の作成時期・対象サービスが行ごとに違うことにご留意ください。

自治体・資料 公表資料に挙げられている内容 看取り介護加算の側で重ねて見る箇所 点検日・結果(記入欄)
熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 介護老人福祉施設」 提供した具体的なサービスの内容等の記録について、運営指導で指摘が多い項目である旨の注記 看取り介護計画に位置づけた内容と、看取り期の日々の記録が対応しているか (   )
名古屋市「運営指導に係る主な指摘事項(介護保険施設版)」(令和5年1月5日) 年度途中に採用した職員(中途採用者)に新規採用時の研修が実施できていない事例(身体拘束廃止・感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止・事故発生防止・虐待防止の研修) 看取りに関する職員研修(第45号イ(4))も、年度途中の採用者への説明の時期を決めているか。※令和6年度改定前の資料 (   )
名古屋市「運営指導に係る主な指摘事項(介護保険施設版)」(令和5年1月5日) ヒヤリハット報告の件数が介護事故の件数より少ない事例。様式の簡素化・記載例の作成・趣旨説明と、委員会の検討結果の職員へのフィードバック 看取りの振り返りで出た課題を、指針の見直しの協議と職員へのフィードバックにつなげているか。※令和6年度改定前の資料 (   )
長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」 施設サービス計画の説明・同意をサービス提供開始後に得ていた事例。介護老人福祉施設でも同趣旨の指摘が挙げられている旨 看取り介護計画について、同意を得た日と看取り介護を開始した日の前後関係 (   )
愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」 従来型個室の入所者に多床室単価を請求していた事例。特別な理由(感染症、ターミナル、著しい精神症状等により個室への入所が必要であると医師が判断した場合)に該当する事例を除き、個室単価で請求する旨 看取りの際に個室又は静養室へ移った入所者について、居室区分と請求単価、医師の判断の記録 (   )
神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正) 自立支援促進加算について、特別浴槽を使用している入所者がいる状態での算定。感染症や看取り期等に一時的に使用する場合は除く旨の注記 看取り期に一時的に特別浴槽を使った入所者について、その事由と期間の記録 (   )
北海道後志総合振興局「実地指導における主な指摘事項について」(資料3-2) 事故の状況及び処置が記録されていない、原因究明や再発防止策がとられていない、事故発生防止のための指針が整備されていない事例 看取り期に転倒等の事故があった場合の記録と、看取り介護の経過記録との突き合わせ (   )
堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」(訪問看護の指摘) 緊急時訪問看護加算・ターミナルケア加算について、重要事項説明書の説明の中で包括的に同意を得るのではなく、個別に十分な説明を行い同意を得ること 特養の看取り介護計画の同意を、入所時の包括的な同意と別に、計画ごとに得て記録しているか(訪問看護向けの指摘であり特養の要件そのものではない) (   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この8件の使い方は、看取り介護加算の書面を「加算の書類」として単独で点検するのではなく、施設全体の運営指導で見られる書類(施設サービス計画・研修記録・事故の記録・居室区分と請求単価)と同じ机の上に並べて点検することです。看取り期の方の書類は、施設サービス計画・看取り介護計画・介護記録・事故の記録・請求の各所にまたがるため、どこか1か所の日付や内容がずれていると、他の書類との説明がつかなくなります。上の表の右端の欄に点検日と結果を書き入れ、保険者(指定権者)の公表資料で自施設に関わる観点が別にあれば行を足してお使いください。

よくある質問|特養の看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ)

Q. どのような入所者について算定する加算ですか。

回復の見込みがないと医師が診断した入所者について、ご本人・ご家族への十分な説明と合意のもとに看取り介護を行った場合の加算です。診断は医師が行うものであり、施設の介護職員・看護職員が「回復の見込み」を判断するものではありません。医師の診断とその説明の記録は、運営指導の場でも裏づけとして扱われる書類の1つです(本文の書類一覧参照)。

Q. 単位数は毎日同じですか。

同じではありません。死亡日からの日数区分により4段階(死亡日以前31日以上45日以下・4日以上30日以下・死亡日の前日及び前々日・死亡日)に分かれ、亡くなられた日に近い日ほど1日あたりの単位数が大きくなる構造です。具体の値は本文の単位数の表(加算データベースの値をそのまま掲載)をご覧ください。

Q. 「死亡月に加算」とはどういう意味ですか。

日数区分の起点が死亡日であるため、各日の単位数は亡くなられた後に確定します。そのため、看取り介護を行った日が前月にまたがっていても、加算としては死亡月にまとめて計上する整理です。なお、退所等の翌月に亡くなられた場合には、前月分の一部負担を請求することがある旨を事前に説明し文書で同意を得ておく必要がある旨が留意事項通知(老企第40号 第四(24))に示されています。

Q. 入院して施設の外で亡くなられた場合はどうなりますか。

出典で確認できる範囲では、(Ⅰ)について「退所した日の翌日から死亡日までの間は算定しない」旨の定め(平成12年厚生省告示第21号 別表1ヨ 注1)、(Ⅱ)について「当該指定介護老人福祉施設内で死亡した場合」である旨(同 注2)が置かれています。退所前の日数分の具体の取扱いは場面により判断が分かれうるため、本文の照会メモの欄を使って保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. (Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ方に重ねて請求する取り扱いはありますか。

加算データベースの整理では、(Ⅰ)を算定している場合は(Ⅱ)は算定しない、という関係が挙げられています。つまり同じ方に二重に重ねる関係ではなく、どちらの区分によるかを整理する関係です。貴施設の届出の状況とあわせて、請求区分の対応は保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 看取りに関する指針は、いつ・誰に説明するものですか。

告示の定めは「定め、入所の際に入所者又は家族等に説明し、同意を得ている」(平成27年厚生労働省告示第96号 第45号イ(2))です。看取り期に入ってから初めて示すのではなく、入所の際の説明・同意が起点である点を読み取ることができます。家族等の範囲や、入所後に状態が変化した際の再説明の要否といった細部は出典の整理に含まれないため、保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 職員研修は何をどのくらい行うものですか。

告示の定めとして挙げられているのは「看取りに関する職員研修を実施していること」(第45号イ(4))であり、頻度・時間数・内容の細目は当社の出典の整理には含まれていません。運営指導では研修の実施記録(日時・対象者・内容・出席簿)が裏づけになります。求められる頻度・内容の水準は保険者(指定権者)により異なりうるため、届出先にご確認ください。

Q. カンファレンスや振り返りの記録は見られますか。

告示の施設基準の項目としては、多職種の協議による指針の見直し(第45号イ(3))が挙げられています。加えて、自治体の公表指摘(久留米市・令和5年度作成資料)では、実施した看取り介護の検証(ケアカンファレンス等)や職員の精神的負担の把握等が行われていないことが不適正事例として挙げられており、実施後の検証の記録も確認の対象になりえます。確認の観点は保険者(自治体)により異なるため、貴施設の保険者の公表資料をご確認ください。

Q. 居宅介護支援や訪問看護の「ターミナル」の加算と要件は共通ですか。

共通ではありません。特養の看取り介護加算、居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算、訪問看護のターミナルケア系の加算は、それぞれ別の定めによる別の加算です。他サービス向けの解説の要件・単位数を特養に当てはめないようご注意ください(本文冒頭の名称対照の表参照)。

Q. 体制の届出はどこに出すものですか。

介護報酬に係る体制等の届出の提出先・様式・期限の取扱いは、指定権者(都道府県・市町村等)ごとに案内が出されています。貴施設の指定権者の案内をご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行を外部に依頼する場合、それは社会保険労務士の業務とされている領域です(本文参照)。

Q. 地域密着型の特養(定員29人以下)にも同じ名前の加算がありますか。

当社の加算データベースの整理では、施設基準の根拠として平成27年厚生労働省告示第96号の第54号が「第45号イ・ロの準用」として挙げられています。準用の具体的な適用関係(どの規定がどの施設類型に及ぶか)は本記事の出典の整理を超えるため、告示原文と指定権者への確認をおすすめします。地域密着型の施設の運営指導の確認項目の違いは、別記事「実地指導・運営指導の指摘事例(施設編)」で扱っています。

この記事の使い方のまとめ|表を3枚だけ選ぶなら

本記事には記入欄つきの表を多く載せましたが、最初から全部を埋める必要はありません。まず3枚——(Ⅰ)の対照表(9欄)で体制と書面の現状を言葉にし、書類の一覧(5点)で保管場所と最終確認日を確かめ、照会メモ(6場面)で貴施設に起こりうる場面だけ保険者に確かめる——ここまでで、届出・請求・運営指導のいずれの場面でも「何がどこにあるか」を説明できる状態になります。(Ⅱ)の検討・暦の記入欄・段取り10項目は、そのあとで足してください。

最後にもう一度だけ書きます。この記事の表は「満たしている・いない」を判定するためのものではなく、告示の定めと貴施設の現状を同じ紙の上に並べるためのものです。並べた結果どう扱われるかは、保険者(指定権者)の確認を経て初めて定まります。判断に迷う欄が残ったら、それこそが照会すべき項目です。

出典(この記事が根拠にした資料の名称)

  • 平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準) 別表1ヨ 注1・注2
  • 平成27年厚生労働省告示第96号(厚生労働大臣が定める施設基準) 第45号イ・ロ、第54号(第45号イ・ロの準用)、第44号の2(配置医師緊急時対応加算の施設基準)
  • 老企第40号(平成12年3月8日) 第四(24)(留意事項通知)
  • 久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成)
  • 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(訪問看護・報酬関係の欄)

本ページは、厚生労働省ウェブサイトおよび各自治体が公表している上記資料を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省・各自治体の公式見解ではありません。掲載内容は作成時点の整理であり、改定・通知の発出により変わることがあります。最終的な確認は告示・通知の原文と、保険者(指定権者)への照会にてお願いします。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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