公開:2026年11月9日/出典:厚生労働省 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和8年3月・高齢者支援課)
要点(3行)
- 介護施設等の防災・減災対策のための「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」は、令和8年度当初予算案12億円、令和7年度補正予算額83億円(国土強靱化分62億円、大規模修繕等分21億円)と担当課長会議資料に書かれています。
- 福祉医療機構の福祉貸付事業では、令和8年度から、ブロック塀等の改修整備と水害対策強化整備も、防災・減災の融資の優遇措置の対象にする予定とされています。
- BCPが未策定の介護施設等への集中的な指導と、「介護施設等における防災リーダー養成等支援事業」の積極的な実施も、自治体に依頼されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 令和8年3月 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(高齢者支援課)「2.介護施設等における防災・減災対策の推進について」 |
| 交付金の目的 | 高齢者施設等の防災・減災対策を進めるため、都道府県や市町村が作る整備計画に基づく施設・設備の整備を支援し、利用者の安全・安心を確保する |
| 令和8年度予算案 | スプリンクラー設備等の整備や大規模修繕等の支援に12億円。建築費の高騰等に対応して、補助基準単価を+7.7%相当引き上げる予定 |
| 令和7年度補正予算 | 「第1次国土強靱化実施中期計画」(令和7年6月6日閣議決定)の初年度の対策に62億円、それと一体で行う広域型施設の大規模修繕等や小規模施設の改修・大規模修繕等に21億円 |
| 新しいメニュー | 令和7年度補正予算で「国土強靱化対策と一体的に実施する大規模修繕等支援」を追加。老朽化した介護施設等(定員30人以上の特別養護老人ホーム等)の大規模修繕等で積極的な活用を求めている |
交付金の事業メニュー(資料の図)
| 事業 | 内容 |
|---|---|
| ① 既存の小規模高齢者施設等のスプリンクラー設備等整備事業 | 消防法令の改正に伴い、新たにスプリンクラー設備等の整備が必要となる施設の設置を支援 |
| ② 認知症高齢者グループホーム等防災改修等支援事業 | 老朽化に伴う大規模修繕、耐震化改修、水害対策に伴う改修等、非常用自家発電設備の整備、ブロック塀等の改修を支援 |
| ③ 社会福祉連携推進法人等に係る高齢者施設等の大規模修繕等支援事業/国土強靱化対策と一体的に行う大規模修繕等支援事業 | 社会福祉連携推進法人等の老朽化した広域型施設の大規模修繕等、国土強靱化対策と一体的に行う老朽化した広域型施設の大規模修繕等を支援 |
福祉医療機構の融資の優遇(現行と拡充案)
| 項目 | 現行 | 拡充案(令和8年度) |
|---|---|---|
| 対象事業 | ①高台整備事業 ②地すべり防止危険か所区域に所在する施設の移転改築整備事業 ③耐震化整備事業 ④スプリンクラー整備事業 | ①〜④に加え、⑤ブロック塀等の改修整備事業 ⑥水害対策強化整備事業 |
| 融資率 | 95% | 同左 |
| 貸付利率 | ①②:全期間無利子/③④:基準利率▲0.5%(据置期間中無利子) | ①②:全期間無利子/③〜⑥:基準利率▲0.5%(据置期間中無利子) |
資料には、自家発電設備整備と給水設備整備にも別途の優遇融資措置がある、と注記されています。
あわせて示されたこと
- 自己負担分の軽減:重点支援地方交付金は、介護事業者が行う施設整備等で生じる建築資材上昇等に伴う自己負担分の軽減にも活用できる(令和7年12月17日の事務連絡)。活用は自治体の判断。
- 災害復旧の補助金と保険金:社会福祉施設等災害復旧費の補助金の交付額を計算するときは、過去に補助金を受けた建物かどうかにかかわらず、保険金等の収入を総事業費から差し引く取扱い。
- BCP:令和6年度介護報酬改定で設けた業務継続計画未策定減算をふまえ、BCPが未策定の介護施設等に集中的な指導を依頼。研修・訓練、定期的な見直し、BCPに基づく水・食料・個人防護具等の備蓄の確認もあわせて依頼。特定施設の指定を受けていない養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホームにも、BCPの策定等の基準上の義務付け等がある。
- 防災リーダー養成等支援事業:地域医療介護総合確保基金(人材分)で、都道府県の介護職員等向け防災研修、公益団体等が行う防災研修の受講支援、防災相談窓口の設置の経費を助成。防災リーダーは、施設の防災対策の中心となる職員で、役職等は問わない。
一次資料:
事業所で確かめること
- 交付金は、都道府県・市町村の整備計画に基づいて交付されます。改修や設備の整備を考えている施設は、指定を受けている都道府県・市町村の募集の案内をご確認ください。
- 融資を使う場合は、対象の事業や利率の条件を、福祉医療機構の案内でご確認ください。
- 災害で被害を受けて復旧の補助を申請するときは、火災保険などの保険金が総事業費から差し引かれることを前提に、保険の書類を控えておきましょう。
- 資料では、BCPの策定状況とあわせて、研修・訓練・見直し・備蓄の取組状況も確認・指導するよう自治体に依頼されています。直近の研修・訓練の記録と備蓄の一覧がそろっているかをご確認ください。
- 都道府県の防災研修や防災相談窓口があるかは、都道府県の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。次年度の予算や交付金の案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






