公開:2026年11月8日/出典:社会保障審議会 介護給付費分科会(第263回)資料4
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年8月28日の介護給付費分科会(第263回)に、資料4「災害時等における業務継続の取組の強化等」が出されました。令和9年度介護報酬改定に向けた「現状と課題及び論点」です。
- 論点は3つ。①災害対策基本法等の改正などを踏まえた、平時からの行政や他の介護施設等との連携による体制整備、②介護施設等と行政のタイムリーな情報共有、③業務継続計画(BCP)の「報酬上の措置のあり方や経過措置が設けられているサービスの取扱い」です。
- 資料には、BCPはほぼすべての事業所で策定済みである一方、近隣の法人等との連携体制や、災害時情報共有システムの活用が課題として書かれています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 第263回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)。令和8年8月28日 |
| 資料 | 資料4「災害時等における業務継続の取組の強化等」(厚生労働省 老健局) |
| 資料の構成 | 1.概況/2.令和6年度介護報酬改定の内容/3.関連する各種意見・サービス提供等の状況/4.現状と課題及び論点 |
| 同じ日の他の資料 | 資料1 介護人材確保に向けた処遇改善等、資料2 介護現場の生産性向上等の推進、資料3 高齢者虐待の防止/介護現場における安全性の確保、リスクマネジメント、資料5 介護現場におけるハラスメント対策 |
今までの経緯(資料に書かれていること)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和3年度介護報酬改定 | 全ての介護サービス事業者を対象に、BCPの策定、研修・訓練(シミュレーション)の実施等を義務づけ。3年間の経過措置期間を経て令和6年4月から義務化 |
| 令和6年度介護報酬改定 | BCPが未策定の場合の「業務継続計画未実施減算」を新設。施設・居住系サービスは所定単位数の100分の3、その他のサービスは100分の1に相当する単位数を減算(居宅療養管理指導・特定福祉用具販売を除く) |
| 経過措置 | 令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には減算を適用しない。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援は令和7年3月31日までの間、減算を適用しない |
| 居宅療養管理指導 | 虐待防止の措置とBCPの策定等の義務付けに係る経過措置期間を3年間延長 |
| ガイドライン | 介護施設・事業所における業務継続計画ガイドライン等を作成(R2.12公表、R6.3改訂)。令和8年度中に所要の改訂を実施予定と書かれている |
資料に並んでいる現状の数字
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 減算の算定状況 | サービス全体で請求事業所数268,716のうち減算算定は215事業所(0.08%)。介護保険総合データベースの任意集計(令和7年11月サービス提供分) |
| 居宅療養管理指導の策定状況 | 自然災害BCP 82.7%、感染症BCP 85.2%(n=81)。「回答事業所数に留意が必要ではあるものの、策定率は8割を超えている」 |
| 近隣の法人等との協力関係 | 「十分にできている」「だいたいできている」は施設系サービス39.3%、訪問系25.0%、通所系25.8% |
| ハザードエリア | 浸水想定区域35.1%、土砂災害警戒区域13.1%、津波災害警戒区域7.3%、いずれにも該当しない50.5% |
| 災害時情報共有システム | 「知っているが、入力方法等は把握していない」41.4%。知らない施設等が2割、運用に関する取組を行っていない施設等が3割と書かれている |
| 熊本地震での入力率 | 令和8年熊本地震(7月28日発災)の熊本県内の入力率は61.7%(令和8年8月1日時点) |
論点の一覧
| 論点 | 資料の問い(要旨) |
|---|---|
| ①平時からの連携 | 災害や感染症が発生した場合でも業務継続を図り、実効性のある対応や機能向上を図るための方策。特に災害対策基本法等の改正などを踏まえた、平時からの行政や他の介護施設等との連携による体制整備を促進するための方策 |
| ②情報共有 | 災害発生時に介護施設等の被災状況を速やかかつ適確に把握し、行政が必要な支援を検討・実施するための、介護施設等と行政とのタイムリーな情報共有の方策 |
| ③BCPの報酬上の措置 | 現在の取組状況や、社会福祉施設等が災害発生時の様々な応急対策活動の拠点としての機能が求められていること等を踏まえた、報酬上の措置のあり方や経過措置が設けられているサービスの取扱い |
このほか「現状と課題」には、国際情勢の急激な変化等で物資の供給が不安定になった場合にも、BCPで感染症対策物資等の備蓄品を整理しておくことはサービス提供体制の確保に有効であり、こうした点も踏まえた検討が必要、と書かれています。また、社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)によるDWAT(災害派遣福祉チーム)の法定化(施行日:令和9年4月1日)も参考として載っています。
一次資料:
事業所で確かめること
- 論点は審議の途中です。決まるまでは、今の運営基準・告示の定めと貴事業所の届出のとおりです。
- 業務継続計画未実施減算の今の扱いは、告示の定めと、指定を受けている自治体の案内をご確認ください。
- 災害時情報共有システムの入力方法は、介護サービス情報公表システムのIDでログインする仕組みと書かれています。入力の担当や手順を、貴事業所のBCPでどう決めているかをご確認ください。
- 研修・訓練の回数(入所は年2回以上、通所・訪問は年1回以上と資料の表にあります)は、運営基準の定めでご確認ください。
関係する記事
- 業務継続計画(BCP)と研修・訓練の記録の書き方
- 非常災害対策計画と避難訓練記録の書き方
- 感染症・食中毒の予防及びまん延の防止のための指針・委員会・研修の記録の書き方
- 令和9年度介護報酬改定の日程
- 社会福祉法等改正(令和8年法律第51号)
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更新履歴:初版。審議で方向性が決まったとき・告示や通知が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






